データ生成装置、データ生成方法、及びプログラム
【課題】多数の被描画媒体に対して、被描画媒体のそれぞれに画像を描画するための画像データを生成する際に扱う多数のパラメーターを扱い易くすることができるデータ生成装置、データ生成方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】データ生成装置は、複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成装置であって、画像データを規定するパラメーターの値を入力するための入力ボックスを有する入力画面部と、入力されたパラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示画面部と、を備える。
【解決手段】データ生成装置は、複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成装置であって、画像データを規定するパラメーターの値を入力するための入力ボックスを有する入力画面部と、入力されたパラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示画面部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の被描画媒体に対して、被描画媒体のそれぞれに画像を描画するための描画用のデータを生成するデータ生成装置、データ生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業的に製造される製品の外面に数字や文字や図形などの画像を形成することで、製品の名称や型番などの表示や、製品のロット番号や個体の識別用の表示などを、製品に記載することが行われている。
多数の製品に効率よく画像を形成することができる描画方法として、特許文献1には、テープ又は基板上に整列させたチップ抵抗器に、インクジェットヘッドを備えるマーキング装置を用いてマーキングを実施し、着弾したインクの滲み開始前に、迅速に硬化させることで、小さい文字や記号をマーキング可能にした電子部品の製造方法及び電子部品の製造装置が開示されている。
【0003】
しかし、多数の被描画媒体に画像を形成するための画像データを生成するためには、被描画媒体の大きさや個数や配列など、多数のパラメーターを扱うことが必要であり、画像データを作成する作業は、複雑であった。
特許文献2には、繰り返し印字する印字パターンに対応する印字パターンデータ及びその印字パターンの位置に対応する複数の印字位置データを、所定の基準座標及びそれに対する偏差によって把握して記憶するようにし、コンソールから補正値を入力して基準座標の補正と、偏差の補正との双方を可能にすることによって、繰り返し同一の文字などを印字する場合に、文字群全体の印字位置の調節も各文字の印字位置の調節も容易に行うことができるようにするレーザマーキング装置が開示されている。
特許文献3には、繰り返し印字する印字パターンに対応する印字パターンデータ及びその印字パターンの位置に対応する複数の印字位置データを、座標データを算出可能とする計算式を作成して、マーキング情報設定画面に入力設定すると、計算式の算出結果に基づき所望するパターンの座標データを生成することができることによって、マーキング情報の入力操作が簡便であってマーキング作業を迅速に実行することができるレーザマーキング装置が開示されている。
特許文献4には、加工データ生成部、加工データのイメージを3次元的に表示可能な表示部、当該加工データでは加工できない領域を算出する加工不良領域検出手段、及び加工できない内容を非表示にする設定警告手段を備え、加工条件を設定する段階で、加工内容が正しく加工可能な領域に配置されていることを確認可能とするレーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−80687号公報
【特許文献2】特開2002−292483号公報
【特許文献3】特開2009−82963号公報
【特許文献4】特開2008−12539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2や特許文献3に開示された装置では、パラメーターを数字としてのみ扱うため、多数のパラメーターを扱う中で、各パラメーターの区別がし難いことに起因して、誤った設定をする可能性があるという課題があった。また、誤った設定をしても、誤ったことに気づき難いため、そのまま画像データとして出力されてしまう可能性が高いという課題もあった。
特許文献4に開示された装置では、単独の画像について、設定したデータを確認することが可能であるが、複数の画像を配列するためのパラメーターを扱うことはできないため、多数のパラメーターを扱うことに起因する煩雑さを解消することはできないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかるデータ生成装置は、複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成装置であって、前記画像データを規定するパラメーターの値を入力するための入力ボックスを有する入力画面部と、入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示画面部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本適用例にかかるデータ生成装置によれば、入力ボックスを有する入力画面部と、入力されたパラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示画面部と、を備える。この構成により、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などが、入力したパラメーターの値を補助表示画面部に表示された二次元形状として視認することができる。パラメーターの値を二次元形状として視認することができることで、パラメーターの値を確認し易くすることができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例にかかるデータ生成装置において、前記パラメーターは、前記被描画媒体の形状を規定する形状パラメーター及び前記被描画媒体の配置を規定する配置パラメーターを含み、前記補助表示画面部は、前記被描画媒体の形状及び配置位置を、前記形状パラメーターの値又は前記配置パラメーターの値に従って形成した二次元形状を表示するプレビュー画面部を有することが好ましい。
【0010】
このデータ生成装置によれば、プレビュー画面部を有し、入力されたパラメーターの値に対応した被描画媒体の形状及び配置位置が二次元形状として表示される。これにより、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などが、被描画媒体の形状及び配置位置を、二次元形状として視認することができる。被描画媒体の形状及び配置位置を、二次元形状として視認することができることで、被描画媒体の形状及び配置位置を確認し易くすることができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例にかかるデータ生成装置において、前記入力画面部は、設定確認ボタン部を備え、入力された前記パラメーターの値は、前記設定確認ボタン部が選択されることによって確定されることが好ましい。
【0012】
このデータ生成装置によれば、入力されたパラメーターの値は、設定確認ボタン部がクリックされることによって確定される。これにより、入力したパラメーターの値を、当該値を確定させる前に、確認したり修正したりすることができる。確定させる前に、確認したり修正したりすることで、誤ったパラメーターの値を用いて画像データを生成することを抑制することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例にかかるデータ生成装置は、選択された前記入力ボックスを用いて値を入力する前記パラメーターにおいて設定可能な最大値及び最小値の少なくとも一方を表示する制限値表示画面部をさらに有することが好ましい。
【0014】
このデータ生成装置によれば、制限値表示画面部に、選択された入力ボックスを用いて値を入力するパラメーターにおいて設定可能な最大値及び最小値の少なくとも一方が表示される。パラメーターにおいて設定可能な最大値又は最小値を超える値は、当該パラメーターの値として不適切な値である。設定可能な最大値や最小値が表示されることで、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などが、パラメーターの値の入力操作を実施する際に、最大値や最小値を認識し易くすることができる。これにより、設定可能な最大値又は最小値を超える値が入力されることを抑制することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例にかかるデータ生成装置は、不整合警告画面を表示させる警告表示制御部をさらに備え、前記警告表示制御部は、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合に、前記不整合警告画面を表示させることが好ましい。
【0016】
このデータ生成装置によれば、警告表示制御部は、入力されたパラメーターの値が不適切な値の場合に、不整合警告画面を表示させる。不整合警告画面を表示させることで、入力されたパラメーターの値が不適切であることを、パラメーターの値を入力する操作者に知らしめることができる。これにより、不適切なパラメーターの値を用いて画像データが生成されることを抑制することができる。
【0017】
[適用例6]上記適用例にかかるデータ生成装置は、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、前記不整合警告画面を表示するとともに、不適切な数値が入力された前記入力ボックスに表示されている数値を、不適切な数値が入力される直前の数値に戻すことが好ましい。
【0018】
このデータ生成装置によれば、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、不整合警告画面が表示されるとともに、不適切な数値が入力された入力ボックスに表示されている数値が、不適切な数値が入力される直前の数値に戻される。これにより、不適切なパラメーターの値が誤って確定され、不適切なパラメーターの値を用いて画像データが生成されることを抑制することができる。
【0019】
[適用例7]上記適用例にかかるデータ生成装置において、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、前記不整合警告画面を表示するとともに、不適切な数値が入力されている前記入力ボックスを、選択状態にすることが好ましい。
【0020】
このデータ生成装置によれば、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、不適切な数値が入力されている入力ボックスが選択状態にされる。入力ボックスが選択状態にされた状態は、値を入力するために当該入力ボックスを選択した状態である。不適切な数値が入力されている入力ボックスが選択状態にされることで、不適切な数値が入力されている入力ボックスがどの入力ボックスであるかを明確にすることができる。
【0021】
[適用例8]上記適用例にかかるデータ生成装置において、入力された前記パラメーターの値が物理的に矛盾する場合が、入力された前記パラメーターの値が不適切な場合であることが好ましい。
【0022】
このデータ生成装置によれば、入力されたパラメーターの値が物理的に矛盾する場合に、入力されたパラメーターの値が不適切な値の場合の処理が実行される。これにより、物理的に矛盾するパラメーターの値を用いて画像データが生成されることを抑制することができる。パラメーターの値が物理的に矛盾する場合は、例えば、被描画媒体の配設ピッチにくらべて、被描画媒体の大きさのほうが大きい場合などである。
【0023】
[適用例9]上記適用例にかかるデータ生成装置において、入力された前記パラメーターの値で規定される前記描画画像を、前記描画画像を描画するための描画装置で描画することができない場合が、入力された前記パラメーターの値が不適切な場合であることが好ましい。
【0024】
このデータ生成装置によれば、入力されたパラメーターの値で規定される描画画像が、当該描画画像を描画するための描画装置で描画することができない画像である場合に、入力されたパラメーターの値が不適切な値の場合の処理が実行される。これにより、描画画像を描画するための描画装置で描画することができない画像が生成されることを抑制することができる。描画画像を描画するための描画装置で描画することができない画像は、例えば、描画装置が保持できる被描画体より大きい被描画体に描画する画像などである。
【0025】
[適用例10]上記適用例にかかるデータ生成装置において、前記入力画面部は、前記被描画体の厚さを入力するための総厚入力画面部を備えることが好ましい。
【0026】
このデータ生成装置によれば、総厚入力画面部の画面を利用して、被描画体の厚さを入力することができる。これにより、形成する画像データに、被描画体の厚さの情報を付加することができる。
【0027】
[適用例11]上記適用例にかかるデータ生成装置において、前記入力画面部は、前記被描画体において前記被描画媒体を支持する描画体基材の厚さを入力するための基材厚入力画面部を備えることが好ましい。
【0028】
このデータ生成装置によれば、基材厚入力画面部の画面を利用して、描画体基材の厚さを入力することができる。これにより、形成する画像データに、描画体基材の厚さの情報を付加することができる。
【0029】
[適用例12]本適用例にかかるデータ生成方法は、複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成方法であって、前記画像データを規定するパラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、を有することを特徴とする。
【0030】
本適用例にかかるデータ生成方法によれば、パラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、入力されたパラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、を有する。これにより、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などは、入力したパラメーターの値を、表示された二次元形状として視認することができる。パラメーターの値を二次元形状として視認することができることで、パラメーターの値を確認し易くすることができる。
【0031】
[適用例13]本適用例にかかるプログラムは、複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するための工程をコンピューターに実行させるためのプログラムであって、前記画像データを規定するパラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【0032】
本適用例にかかるプログラムによれば、パラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、入力されたパラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、をコンピューターに実行させる。これにより、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などは、入力したパラメーターの値を、表示された二次元形状として視認することができる。パラメーターの値を二次元形状として視認することができることで、パラメーターの値を確認し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は、マーキング画像が描画された半導体パッケージを示す説明図。(b)は、半導体パッケージが保持基板上に整列させられたパッケージ描画体を示す説明図。(c)は、半導体チップに描画されたマーキング画像を示す説明図。(d)は、半導体チップが保持基板上に整列させられた状態を示す説明図。
【図2】描画装置ユニットの構成を示す説明図。
【図3】(a)は、液滴吐出装置全体の概略構成を示す外観斜視図。(b)は、液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図。
【図4】画像データ生成装置の機能的構成を示す説明図。
【図5】描画画像データを生成する工程を示すフローチャート。
【図6】(a)は、設定画面の概要を示す説明図。(b)は、パラメーター表示部に一部のパラメーターのみが表示された設定画面の例を示す説明図。
【図7】(a)は、入力ボックスが選択された状態の設定画面の例を示す説明図。(b)は、パラメーターの入力が完了した状態の設定画面の例を示す説明図。
【図8】(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図。(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図。
【図9】(a)は、描画体のオプション設定を実施するための設定画面を示す説明図。(b)は、チップユニットのオプション設定を実施するための設定画面を示す説明図。
【図10】(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図。(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図。
【図11】(a)は、アライメントマークの位置設定を実施するための設定画面を示す説明図。(b)は、表裏判別マークの位置設定を実施するための設定画面を示す説明図。
【図12】(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図。(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図。
【図13】(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図。(b)は、液滴吐出装置における描画モードを設定する際の設定画面を示す説明図。
【図14】(a)は、マガジンに関わるパラメーターの値を設定する際の設定画面を示す説明図。(b)は、前処理設定工程を実施するための設定画面を示す説明図。
【図15】(a)は、チップ画像像を貼り付ける前の画像貼付画面を示す説明図。(b)は、チップ画像像を貼り付けた画像貼付画面を示す説明図。
【図16】生成された描画画像データの例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、データ生成装置について、図面を参照して説明する。本実施形態は、マーキング対象物にマーキング画像を形成するための描画画像の画像データ(以降、描画画像データと表記する。)生成するために用いるデータ生成装置を例にして説明する。本実施形態では、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置を用いて、描画画像を描画する。なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材又は部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。マーキング対象物が、被描画媒体に相当する。
【0035】
<マーキング対象物>
最初に、マーキング対象物について、図1を参照して説明する。図1は、マーキング対象物と、マーキング対象物に描画されたマーキング画像とを示す説明図である。図1(a)は、マーキング画像が描画された半導体パッケージを示す説明図であり、図1(b)は、半導体パッケージが保持基板上に整列させられたパッケージ描画体を示す説明図であり、図1(c)は、半導体チップに描画されたマーキング画像を示す説明図であり、図1(d)は、半導体チップが保持基板上に整列させられた状態を示す説明図である。
【0036】
図1(a)に示した、半導体パッケージ11は、フリップチップ接続で実装するパッケージである。バンプが形成された面の反対側の面にマーキング画像であるパッケージ画像110が描画されている。パッケージ画像110は、例えば、ロゴマーク、製品名称、製品型番、ロット番号などの画像である。
図1(b)に示したように、半導体パッケージ11を保持基板12の上に整列させて仮固定し、パッケージ描画体10を構成する。パッケージ描画体10に描画する画像を、パッケージ描画画像110Aと表記する。パッケージ描画体10を、液滴吐出装置101(図3参照)の媒体載置台31(図3参照)に載置して、パッケージ描画体10にパッケージ描画画像110Aを描画することで、半導体パッケージ11にパッケージ画像110を描画する。4行4列に整列した16個の半導体パッケージ11の組を、パッケージユニット11Aと表記する。
半導体パッケージ11が、被描画媒体に相当する。パッケージ描画体10が、被描画体に相当する。パッケージ描画画像110Aが、描画画像に相当する。
【0037】
図1(c)に示した、半導体チップ16は、ボンディングパットが形成された面の反対側の面にマーキング画像であるチップ画像150が描画されている。チップ画像150は、例えば、ロゴマーク、製品名称、製品型番、ロット番号などの画像である。
図1(d)に示したように、半導体チップ16を保持基板17の上に整列させて仮固定し、チップ描画体15を構成する。チップ描画体15に描画する画像を、チップ描画画像150Aと表記する。チップ描画体15を、液滴吐出装置101の媒体載置台31に載置して、チップ描画体15にチップ描画画像150Aを描画することで、半導体チップ16にチップ画像150を描画する。3行5列に整列した15個の半導体チップ16の組を、チップユニット16Aと表記する。
半導体チップ16が、被描画媒体に相当する。チップ描画体15が、被描画体に相当する。チップ描画画像150Aが、描画画像に相当する。
【0038】
<描画装置ユニット>
次に、上述したチップ描画体15のような描画対象に、チップ描画画像150Aのような画像を描画する描画装置ユニットについて、図2を参照して説明する。図2は、描画装置ユニットの構成を示す説明図である。
【0039】
図2に示すように、描画装置ユニット100は、液滴吐出装置101と、搬送ロボット102と、前処理装置103と、温度調整装置104aと、温度調整装置104bと、ロード装置105と、アンロード装置106と、描画ユニット制御装置107と、を備えている。
チップ描画体15などは、所定のマガジンに装着される。チップ描画体15などが装着されたマガジンをロード装置105に装填することで、チップ描画体15などが、描画装置ユニット100に供給される。
描画装置ユニット100における処理が終了したチップ描画体15などは、アンロード装置106に装填されたマガジンに装着される。当該マガジンをアンロード装置106から取り出すことによって、処理済みのチップ描画体15などが、描画装置ユニット100から除材される。
【0040】
搬送ロボット102は、ロード装置105に装填されたマガジンからチップ描画体15などを取り出し、液滴吐出装置101などの所定の位置に載置する。また、液滴吐出装置101などで処理されたチップ描画体15などを、液滴吐出装置101などから除材して、次の処理を実施する装置に供給する。
液滴吐出装置101は、チップ描画体15のような描画対象に、チップ描画画像150Aのような画像を描画する。
前処理装置103は、チップ描画体15などを、液滴吐出装置101によって描画するために好適な状態にするための前処理を実施する。
温度調整装置104a及び温度調整装置104bは、チップ描画体15などの温度を、前処理装置103による処理や、液滴吐出装置101による描画を実施するために好適な温度に調整する。また、チップ描画画像150Aなどを構成する機能液を硬化させるための加熱などを実施するために用いられる場合もある。
描画ユニット制御装置107は、画像データ生成装置50(図4参照)を用いて生成された画像データにしたがって、上記した各装置などを制御して、チップ描画体15のような描画対象に、チップ描画画像150Aのような画像を描画させる。
【0041】
<液滴吐出装置>
次に、液滴吐出装置101について、図3を参照して説明する。図3は、液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。図3(a)は、液滴吐出装置全体の概略構成を示す外観斜視図であり、図3(b)は、液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図である。
【0042】
図3(a)に示すように、液滴吐出装置101は、ヘッド機構部2と、媒体機構部3と、保守装置部5と、吐出装置制御部7と、を備えている。ヘッド機構部2は、機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド20を有している。液滴吐出装置101は、また、図示省略した機能液供給部や、吐出検査装置部を備えている。液滴吐出ヘッド20が吐出する機能液は、機能液供給部から液滴吐出ヘッド20に供給される。吐出装置制御部7は、上記した各機構部などを総括的に制御する。
【0043】
ヘッド機構部2は、キャリッジユニット22と、キャリッジ走査機構42とを、備えている。キャリッジユニット22は、液滴吐出ヘッド20を有するヘッドユニット21と、紫外線を照射する紫外線照射部27とを備えている。キャリッジ走査機構42は、キャリッジユニット22が吊設されたキャリッジ枠45を備え、キャリッジ枠45をY軸方向に移動させることで、キャリッジユニット22をY軸方向に移動させる。
【0044】
キャリッジ走査機構42は、支持柱43と、支持梁44と、ガイド部46と、駆動モーター47と、駆動プーリー47aと、従動プーリー47bと、ベルト42aと、キャリッジ枠45と、エンコーダー48と、を備えている。
支持梁44は、2つの支持柱43に掛け渡されるように設けられ、Y軸方向に延在している。ガイド部46は、支持梁44に固定されており、Y軸方向に延在している。駆動モーター47は、支持梁44のY軸方向における一方の端近くで、支持梁44に固定されている。駆動モーター47の出力軸には、駆動プーリー47aが固定されており、駆動プーリー47aが、駆動モーター47によって回動駆動される。従動プーリー47bは、支持梁44のY軸方向における、駆動モーター47が固定された端と反対側の端近くで、支持梁44に、回動可能に固定されている。従動プーリー47bの回動軸の軸方向は、駆動プーリー47aの回動軸(駆動モーター47の出力軸)の軸方向と、略平行である。ベルト42aは、駆動プーリー47aと従動プーリー47bとの間に掛け渡されており、駆動プーリー47aが回動することによって、駆動される。ベルト42aは、ガイド部46と並行してY軸方向に延在している。エンコーダー48は、支持梁44に固定されており、ガイド部46と略平行にY軸方向に延在している。
【0045】
ベルト42aには、キャリッジ枠45が固定されている。キャリッジ枠45は、ガイド部46に、Y軸方向に摺動自在に係合している。キャリッジ枠45は、駆動モーター47によってベルト42aが駆動させられることによって、ガイド部46に沿ってY軸方向に駆動される。キャリッジ枠45のY軸方向の位置は、エンコーダー48によって検出される。
キャリッジ枠45を、キャリッジ走査機構42によってY軸方向に移動させることで、キャリッジ枠45に吊設されたヘッドユニット21が有する液滴吐出ヘッド20を、Y軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。
【0046】
図3(b)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25を備えている。ノズル基板25には、多数の吐出ノズル24が略一直線状に並んだノズル列24Aが、2列形成されている。吐出ノズル24から機能液を液滴として吐出し、対向する位置にあるチップ描画体15などに着弾させることで、当該位置に機能液を配置する。ノズル列24Aは、液滴吐出ヘッド20が液滴吐出装置101に装着された状態で、図3(a)に示したX軸方向に延在している。ノズル列24Aにおいて吐出ノズル24は等間隔のノズルピッチで並んでおり、2列のノズル列24A間で、吐出ノズル24の位置がX軸方向に半ノズルピッチずれている。これにより、液滴吐出ヘッド20としては、X軸方向に半ノズルピッチ間隔で機能液の液滴を配置することができる。
【0047】
図3(a)に示すように、媒体機構部3は、媒体載置台31と、スライド台31aと、媒体移動機構33と、を備えている。
媒体移動機構33は、X軸ガイド35とX軸リニアモーター(図示省略)と、を備えている。X軸ガイド35は、2つの支持柱43の間で、支持梁44の下方に配設されており、Y軸方向と直交するX軸方向に略平行に延在している。
スライド台31aは、X軸方向に摺動自在に、X軸ガイド35に支持されている。X軸リニアモーターは、X軸ガイド35と略平行に配設されており、スライド台31aは、X軸リニアモーターによって、X軸方向に移動させられる。また、移動した任意の位置に保持させられる。媒体載置台31は、図示省略した媒体回動機構によって、X軸方向及びY軸方向と直交するZ軸方向に平行な軸まわりの方向に回動可能に、スライド台31aの上に固定されて、支持されている。
【0048】
媒体移動機構33によって、スライド台31aをX軸方向に移動させることで、スライド台31aに固定されて支持された媒体載置台31を、X軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。すなわち、媒体載置台31に保持されたチップ描画体15などを、X軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。
【0049】
ヘッド機構部2において、キャリッジ枠45に吊設されたヘッドユニット21が有する液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25を下側に向けて、保持されている。媒体載置台31に保持されたチップ描画体15などを、X軸方向の液滴吐出ヘッド20が対向可能な位置まで移動して停止し、上方にある液滴吐出ヘッド20(ヘッドユニット21)のY軸方向の移動に同調して、機能液を液滴として吐出する。X軸方向に移動するチップ描画体15などと、Y軸方向に移動する液滴吐出ヘッド20とを相対的に制御することにより、チップ描画体15などの上の任意の位置に液滴を着弾させることで、所望する平面形状の描画を実施することが可能である。
キャリッジユニット22において、ヘッドユニット21のY軸方向の両側には、紫外線硬化型機能液を硬化させるための紫外線照射部27が、1つずつ配設されている。紫外線硬化型の機能液を用いて描画した画像を、紫外線照射部27を用いて硬化させることができる。
【0050】
吐出装置制御部7は、液滴吐出ヘッド20や、紫外線照射部27や、キャリッジ走査機構42の駆動モーター47や、媒体移動機構33のX軸リニアモーターなどと、電気的に接続されている。吐出装置制御部7が備える制御部から制御信号を送り、液滴吐出ヘッド20や、紫外線照射部27や、駆動モーター47や、X軸リニアモーターなどを稼動させる。
【0051】
保守装置部5は、各種保守装置を備えている。保守装置は、液滴吐出ヘッド20の各種の保守を実施する装置である。液滴吐出ヘッド20の保守を実施する際には、ヘッドユニット21(液滴吐出ヘッド20)が、キャリッジ走査機構42を用いて保守装置部5に臨む位置に移動させられ、保守作業が実施される。
液滴吐出装置101が、描画画像を描画するための描画装置に相当する。
【0052】
<画像データ生成装置>
次に、描画装置ユニット100を用いてチップ描画画像150Aなどを描画するための描画画像データを生成するために用いる画像データ生成装置50について、図4を参照して説明する。図4は、画像データ生成装置の機能的構成を示す説明図である。
【0053】
図4に示すように、画像データ生成装置50は、ホストコンピューター51と、表示装置53と、入出力装置52と、を備えている。
ホストコンピューター51は、演算装置51aと記憶装置51bとを備えている。記憶装置51bは、画像データ生成装置50を、描画画像データを生成するための装置として機能させるプログラムやデータなどを記憶している。演算装置51aは、記憶装置51bに記憶されたプログラムに従って、描画画像データを生成するための演算を実施する。
表示装置53は、画面表示部53aを備えている。表示装置53は、ホストコンピューター51に制御されて、画面表示部53aに、描画画像データを生成するために用いる各種の設定画面を表示する。
入出力装置52は、記憶装置51bに記憶させるプログラムやデータなどや、描画画像データを規定するパラメーターの数値などを入力するための入力手段として機能する。また、生成した描画画像データの出力手段としても、機能する。
【0054】
<描画画像データ生成工程、及び設定画面>
次に、画像データ生成装置50を用いて描画画像データを生成する工程について、上述したチップ描画体15に描画するチップ描画画像150Aの描画画像データを生成する工程を例にして、図5乃至図16を参照して説明する。図5は、描画画像データを生成する工程を示すフローチャートである。図6から図15は、描画画像データを生成する工程において表示される設定画面を示す説明図である。図16は、生成された描画画像データの例を示す説明図である。
【0055】
<設定画面>
画像データ生成装置50では、画面表示部53aに、描画画像データを生成するために用いる各種の設定画面を表示する。画像データ生成装置50を用いて描画画像データを生成する操作者は、表示されている設定画面に沿って、描画画像データを生成するためのデータを入力する。図6(a)は、設定画面の概要を示す説明図である。
図6(a)に示した設定画面60は、初期の設定画面60である。描画画像データを新規に生成する際は、描画画像データの新規作成を選択することで、図6(a)に示した初期の設定画面60が、画面表示部53aに表示される。図6(a)に示したように、設定画面60は、工程表示画面61と、補助表示画面71と、入力画面91と、工程移行ボタン62と、制限値表示画面64と、を備えている。
【0056】
工程表示画面61は、チップ描画体15に関わるデータを入力する3個の工程と、3個の工程における現在実施中の工程と、を表示している。チップ描画体15に関わるデータを入力する3個の工程は、被描画体設定工程、画像処理マーク設定工程、及び描画装置ユニット設定工程である。被描画体設定工程を示す文字を、画像処理マーク設定工程や描画装置ユニット設定工程を示す文字とは変えて、現在実施中の工程が被描画体設定工程であることを示している。現在実施中の工程を示す文字は、例えば、太くしたり、色を濃くしたりすることで、他の工程を示す文字とは異なって見えるようにする。
工程移行ボタン62は、実施する工程を変えるためのボタンである。工程移行ボタン62をクリックすることで、例えば、被描画体設定工程の設定画面60を、画像処理設定工程の設定画面60に変えて、実施する工程を変えることができる。
【0057】
入力画面91は、チップ描画体15を規定するパラメーターの値を入力するための画面である。入力画面91は、入力ボックス92と、ボックス表示93と、を有している。入力ボックス92を選択して、数値を入力することで、選択した入力ボックス92が割り当てられたパラメーターの値を入力することができる。ボックス表示93は、入力ボックス92が割り当てられたパラメーターを表示している。図6(a)に示した入力画面91には20個の、入力ボックス92が設定されており、20個のパラメーターの数値の設定ができる。入力ボックス92の選択は、選択する入力ボックス92又は当該入力ボックス92に対応するボックス表示93をクリックすることで実施する。画面表示部53aにおける入力画面91が表示されている部分が、入力画面部に相当する。
【0058】
補助表示画面71は、プレビュー画面72と、パラメーター位置画面74と、を備えている。補助表示画面71は、入力画面91から入力されるパラメーターを、図面のような2次元形状として表示する画面である。画面表示部53aにおける補助表示画面71が表示されている部分が、補助表示画面部に相当する。
パラメーター位置画面74は、平面表示画面75と、厚さ表示画面76と、表示選択ボックス77とを備えている。
【0059】
平面表示画面75及び厚さ表示画面76は、図形表示部81と、パラメーター表示部82と、を備えている。平面表示画面75の図形表示部81は、チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、ユニット枠84と、を有している。厚さ表示画面76の図形表示部81は、チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、を有している。チップ表示像16a及び保持基板表示像17aは、半導体チップ16又は保持基板17の外形の概要を、略長方形形状で示したものである。図6に二点鎖線の略長方形形状として示したユニット枠84は、半導体チップ16のチップユニット16Aを示している。ユニット枠84に囲まれた複数の半導体チップ16を、1個のチップユニット16Aとして扱う。平面表示画面75及び厚さ表示画面76では、チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、ユニット枠84と、によって、チップ描画体15の概略形状を示している。平面表示画面75では、チップ描画体15の平面形状の概略形状を示している。厚さ表示画面76では、チップ描画体15の側面形状の概略形状を示している。
【0060】
パラメーター表示部82は、図形表示部81における各パラメーターに対応する部分を示している。パラメーター表示部82では、寸法線及び寸法補助線のように、図形表示部81における各パラメーターに対応する部分を示している。例えば、半導体チップ16の幅Wcは、チップ表示像16aの一辺の両端のそれぞれから、当該一辺に略垂直にひかれた寸法補助線状の線と、当該寸法補助線状の線の間に、対応する一辺に略平行にひかれた寸法線状の線と、で示されている。
パラメーター表示部82に表示されたパラメーターに対応して、当該パラメーターの値を入力するための入力ボックス92が、入力画面91に形成されている。入力画面91では、パラメーター表示部82に示されたパラメーターの呼称が、当該パラメーターに対応する入力ボックス92のボックス表示93として、表示されている。パラメーター表示部82の表示をクリックすることによっても、当該表示に対応するパラメーター(入力ボックス92)を選択することができる。
【0061】
表示選択ボックス77は、チェックボックスである。図6(a)に示した表示選択ボックス77のように、表示選択ボックス77にチェックが入れられている場合には、図6(a)に示したパラメーター表示部82のように、全てのパラメーターがパラメーター表示部82に表示される。図6(b)は、パラメーター表示部に一部のパラメーターのみが表示された設定画面の例を示す説明図である。図6(b)に示した表示選択ボックス77のように、表示選択ボックス77にチェックが入れられていない場合には、入力画面91で選択された入力ボックス92に対応するパラメーターのみがパラメーター表示部82に表示される。図6(b)に示した入力画面91では、入力ボックス92が選択されていないため、図6(b)に示した平面表示画面75及び厚さ表示画面76には、パラメーター表示部82が表示されていない。
【0062】
プレビュー画面72は、チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、ユニット枠84と、を有している。上述した図形表示部81と同様に、チップ表示像16a及び保持基板表示像17aは、半導体チップ16又は保持基板17の外形の概要を、略長方形形状で示している。ユニット枠84は、半導体チップ16のチップユニット16Aの範囲を示している。プレビュー画面72においては、チップ表示像16a、保持基板表示像17a、及びユニット枠84の形状は、入力画面91に入力されているパラメーターの値に対応した形状になっている。例えば、チップ表示像16a、保持基板表示像17a、及びユニット枠84の縦横比は、入力された縦方向寸法と横幅との比と同じになっている。チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、ユニット枠84との大きさの比は、入力された半導体チップ16の寸法値と、保持基板17の寸法値と、チップユニット16Aの範囲の大きさの寸法値と、の比と同じになっている。したがって、プレビュー画面72に表示されているチップ描画体15の画像は、入力されているパラメーターの値に対応した形状のチップ描画体15の縮小図又は拡大図である。画面表示部53aにおけるプレビュー画面72が表示されている部分が、プレビュー画面部に相当する。
【0063】
制限値表示画面64には、パラメーターの値として設定可能な最大値及び最小値が表示される。当該最大値及び最小値は、入力画面91で選択された入力ボックス92に対応するパラメーターにおける、最大値及び最小値である。最大値及び最小値は、例えば、物理的に設定可能な値を、パラメーターごとに予め設定しておく。物理的に設定可能ではない値は、例えば、パラメーターがチップ描画体15の保持基板17の幅であって、液滴吐出装置101に載置可能な幅より大きい保持基板17の幅の値である。物理的に設定可能ではない値は、例えば、パラメーターが半導体チップ16の幅であって、液滴吐出装置101が描画可能な最小ピッチより小さい半導体チップ16の幅の値である。画面表示部53aにおける制限値表示画面64が表示されている部分が、制限値表示画面部に相当する。
【0064】
<描画画像データ生成工程>
描画画像データを生成するために、最初に、画像データ生成装置50のホストコンピューター51を起動させて、例えば、新規作成を選択する。新規作成を選択することで、画面表示部53aに、図6(a)を参照して説明した設定画面60が表示される。
以降の説明では、設定画面60における横方向をW軸方向と表記し、W軸方向に対して直角な縦方向を、H軸方向と表記する。図6(a)などに示した補助表示画面71において、チップ表示像16a及び保持基板表示像17aの辺は、W軸方向又はH軸方向に略平行である。チップ表示像16aは、W軸方向に略平行な行と、H軸方向に略平行な列と、を構成する状態で整列している。チップ表示像16a又は保持基板表示像17aにおけるW軸方向又はH軸方向に相当する方向を、半導体チップ16又は保持基板17においても、W軸方向又はH軸方向と表記する。
【0065】
最初に、図5のステップS21からステップS23を実施することで、被描画体設定工程を実施して、チップ描画体15に関わるデータを入力する。
図5のステップS21では、チップ描画体15のレイアウト設定を実施する。レイアウト設定は、入力画面91の入力ボックス92に設定値を入力することで実施する。新規作成を選択することで表示される設定画面60の入力ボックス92には、デフォルトの値が表示されている。
【0066】
入力画面91において、20個の入力ボックス92が、10行2列に配置されている。
上から2行の入力ボックス92は、チップ描画体15の全体に関わるパラメーターを入力するものである。1行目の1列目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、保持基板17のW軸方向の幅である。1行目の2列目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、保持基板17のH軸方向の幅である。2行目の1列目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップ描画体15の厚さであって、保持基板17の厚さに半導体チップ16の厚さを加えた厚さである。2行目の2列目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、保持基板17の厚さである。
画面表示部53aにおけるチップ描画体15の厚さを入力するための入力ボックス92が表示されている部分が、総厚入力画面部に相当する。画面表示部53aにおける保持基板17の厚さを入力するための入力ボックス92が表示されている部分が、基材厚入力画面部に相当する。
【0067】
上から3行目から6行目までの入力ボックス92は、チップ描画体15におけるチップユニット16Aの構成に関わるパラメーターを入力するものである。
3行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)の基準点位置の座標である。チップユニットの基準点は、略長方形形状を有するユニット枠84の角のひとつ(図面で左上の角)である。座標の原点は、略長方形形状を有する保持基板17(保持基板表示像17a)の角のひとつ(図面で左上の角)である。
4行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)の列数及び行数である。チップユニットの列は、チップユニット16A(ユニット枠84)がH軸方向に並んだ列である。チップユニットの行は、チップユニット16A(ユニット枠84)がW軸方向に並んだ行である。
5行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)のW軸方向の幅、及びH軸方向の幅である。
6行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)のW軸方向の配設ピッチ(列ピッチ)、及びH軸方向の配設ピッチ(行ピッチ)である。
【0068】
上から7行目から10行目までの入力ボックス92は、チップユニット16Aにおける半導体チップ16の構成(ユニット枠84内のチップ表示像16aの構成)に関わるパラメーターを入力するものである。
7行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、半導体チップ16(チップ表示像16a)の基準点位置の座標である。半導体チップ16(チップ表示像16a)の基準点は、略長方形形状を有する半導体チップ16(チップ表示像16a)の角のひとつ(図面で左上の角)である。座標の原点は、略長方形形状を有するチップユニット16A(ユニット枠84)の角のひとつ(図面で左上の角)である。
8行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)における半導体チップ16(チップ表示像16a)の列数及び行数である。半導体チップ16(チップ表示像16a)の列は、半導体チップ16(チップ表示像16a)がH軸方向に並んだ列である。半導体チップ16(チップ表示像16a)の行は、半導体チップ16(チップ表示像16a)がW軸方向に並んだ行である。
9行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、半導体チップ16(チップ表示像16a)のW軸方向の幅、及びH軸方向の幅である。
10行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、半導体チップ16(チップ表示像16a)のW軸方向の配設ピッチ(列ピッチ)、及びH軸方向の配設ピッチ(行ピッチ)である。
【0069】
図7(a)は、入力ボックスが選択された状態の設定画面の例を示す説明図である。図7(a)に示した設定画面60では、保持基板17のW軸方向の幅の値を入力するために、1行目の1列目の入力ボックス92が選択されている。選択された入力ボックス92は、例えばキーボードなどから数値を入力できる入力状態となっている。選択されて入力状態となった入力ボックス92は、例えば、数値を表示する部分の背景及び数字の色を反転させることで、当該入力ボックス92が選択されていること及び入力状態であることが、判別できるようにする。
パラメーター位置画面74においては、平面表示画面75のパラメーター表示部82における保持基板17のW軸方向の幅を示す部分が、強調表示されている。強調表示するためには、例えば、色調を変えたり、濃さを変えたり、文字や線の太さを変えたりする。
制限値表示画面64には、最大値表示部66に、保持基板17のW軸方向の幅の最大値が、最小値表示部67に最小値が表示されている。この場合の保持基板17のW軸方向の幅の最大値は、例えば、液滴吐出装置101で描画できるワークの最大値である。
上述したように、入力ボックス92の選択は、選択する入力ボックス92又は当該入力ボックス92に対応するボックス表示93をクリックすることで実施することができる。また、パラメーター表示部82の表示をクリックすることによっても、当該表示に対応するパラメーター(入力ボックス92)を選択することができる。
【0070】
図7(b)は、パラメーターの入力が完了した状態の設定画面の例を示す説明図である。図7(b)に示した設定画面60は、20個のパラメーターの入力が完了した状態の設定画面60の例である。プレビュー画面72には、入力されたパラメーターの値が反映された形状のチップ表示像16a、保持基板表示像17a、及びユニット枠84が表示されている。
【0071】
入力ボックス92に入力された数値が、制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合には、警告画面68が表示される。図8は、警告画面が表示される場合の設定画面などの表示の例を示す説明図である。図8(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図であり、図8(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図である。
図8(a)に示した設定画面60では、最大値表示部66に表示された最大値が250mmである保持基板17のW軸方向の幅に対して、260mmが入力されている。次の入力をするためにENTERキーなどが押されると、図8(a)に示したように、設定画面60に重ねて、警告画面68が表示される。図8(a)に示した警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載されている。
表示された警告画面68は、警告画面68が有する「OK」ボタンをクリックすることで、図8(b)に示したように、消去される。このとき、図8(b)に示した保持基板17のW軸方向の幅の入力ボックス92(1行目1列目の入力ボックス92)の数値は、240mmになっている。240は、警告の対象となった260が入力される前に入力されていた数値である。
警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0072】
図5のステップS21の次に、ステップS22では、描画体のオプション設定を実施する。図9(a)は、描画体のオプション設定を実施するための設定画面を示す説明図である。図9(a)に示すように、描画体のオプション設定を実施するための設定画面60では、入力画面91には、オプション選択ボックス92aが形成されている。オプション選択ボックス92aはチェックボックスであり、チェックを入れることで、オプション設定が可能となる。図9(a)に示した例では、保持基板17の位置補正及び傾き補正が可能である。パラメーター位置画面74には、保持基板表示像17aと、位置補正及び傾き補正の基準軸が図示されている。
【0073】
図5のステップS22の次に、ステップS23では、チップユニット16Aのオプション設定を実施する。図9(b)は、チップユニットのオプション設定を実施するための設定画面を示す説明図である。図9(b)に示すように、チップユニットのオプション設定を実施するための設定画面60では、入力画面91には、オプション選択ボックス92aが形成されている。オプション選択ボックス92aはチェックボックスであり、チェックを入れることで、オプション設定が可能となる。図9(b)に示した例では、チップユニット16Aの行又は列ごとに、ピッチ間隔を個別に設定することができる。パラメーター位置画面74には、レイアウト設定の場合と同様の形状が図示されている。
【0074】
図5のステップS23の次に、ステップS24では、被描画体設定工程から画像処理マーク設定工程に移行する。図7(b)に示した設定画面60のように、被描画体設定工程を実施する状態の設定画面60において、工程移行ボタン62をクリックすることで、被描画体設定工程から画像処理マーク設定工程に移行する。このとき、被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合には、警告画面68が表示される。
図10は、警告画面が表示される場合の設定画面などの表示の例を示す説明図である。図10(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図であり、図10(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図である。入力されたパラメーターの値に不整合がある場合とは、それぞれのパラメーターの値は、パラメーターの値としては適切な値であるが、組み合わせた場合に適切ではない場合である。例えば、半導体チップ16の大きさや配設ピッチは適切であるが、半導体チップ16の列や行の長さが、保持基板17の幅や長さより長い場合などである。
図10(a)に示した設定画面60では、半導体チップ16のW軸方向及びH軸方向の幅が12mmであるが、列ピッチ及び行ピッチは、11mmに設定されている。このため、警告画面68が表示されている。図10(a)に示した警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載されている。
【0075】
表示された警告画面68は、警告画面68が有する「OK」ボタンをクリックすることで、図10(b)に示したように、消去される。このとき、図10(b)に示した半導体チップ16の列ピッチの入力ボックス92(10行目1列目の入力ボックス92)が、選択状態になっている。当該入力ボックス92に新たな値が入力されると、不適切な値が入力されたもう1個の入力ボックス92である半導体チップ16の行ピッチの入力ボックス92(10行目2列目の入力ボックス92)が、選択状態になる。
警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0076】
図5のステップS24の次に、ステップS25では、アライメントマークの位置設定を実施する。図11(a)は、アライメントマークの位置設定を実施するための設定画面を示す説明図である。図11(a)に示すように、アライメントマークの位置設定を実施するための設定画面60において、入力画面91には、アライメントマーク選択ボックス92bが形成されている。アライメントマーク選択ボックス92bはチェックボックスであり、チェックを入れることで、アライメントマーク位置の設定が可能となる。図11(a)に示した例では、2個のアライメントマークの位置と、保持基板17におけるアライメントマークを描画する面とが、設定可能である。保持基板17における半導体チップ16が載置された面が表面であり、反対側の面が裏面である。パラメーター位置画面74には、保持基板表示像17aと、アライメントマーク像86と、アライメントマーク像86の位置を示すパラメーター表示部82とが、表示されている。プレビュー画面72には、2個のアライメントマーク像86が、入力画面91に入力された値によって定まる位置に表示されている。
アライメントマークは、加工装置に載置したチップ描画体15のアライメントを実施する際に用いる。撮像装置によってアライメントマークを認識することで、加工装置に載置したチップ描画体15のアライメントを実施する。
【0077】
図5のステップS25の次に、ステップS26では、表裏判別マークの位置設定を実施する。図11(b)は、表裏判別マークの位置設定を実施するための設定画面を示す説明図である。図11(b)に示すように、表裏判別マークの位置設定を実施するための設定画面60において、入力画面91には、表裏判別マーク選択ボックス92cが形成されている。表裏判別マーク選択ボックス92cはチェックボックスであり、チェックを入れることで、表裏判別マーク位置の設定が可能となる。図11(b)に示した例では、表裏判別マークの位置と、保持基板17における表裏判別マークを描画する面とが、設定可能である。保持基板17における半導体チップ16が載置された面が表面であり、反対側の面が裏面である。パラメーター位置画面74には、保持基板表示像17aと、表裏判別マーク像87と、表裏判別マーク像87の位置を示すパラメーター表示部82とが、表示されている。プレビュー画面72には、表裏判別マーク像87が、入力画面91に入力された値によって定まる位置に表示されている。
【0078】
入力ボックス92に入力された数値が、制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合には、警告画面68が表示される。図12は、警告画面が表示される場合の設定画面などの表示の例を示す説明図である。図12(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図であり、図12(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図である。
図12(a)に示した設定画面60では、最大値表示部66に表示された最大値が110mmである基準点のH軸方向の位置に対して、120mmが入力されている。次の入力をするためにENTERキーなどが押されると、図12(a)に示したように、設定画面60に重ねて、警告画面68が表示される。図12(a)に示した警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載されている。
表示された警告画面68は、警告画面68が有する「OK」ボタンをクリックすることで、図12(b)に示したように、消去される。このとき、図12(b)に示した表裏判別マークの基準点のH軸方向の位置の入力ボックス92(1行目2列目の入力ボックス92)の数値は、86mmになっている。86は、警告の対象となった120が入力される前に入力されていた数値である。
警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0079】
図5のステップS26の次に、ステップS27では、画像処理マーク設定工程から描画装置ユニット設定工程に移行する。図11に示した設定画面60のように、画像処理マーク設定工程を実施する状態の設定画面60において、工程移行ボタン62をクリックすることで、画像処理マーク設定工程から描画装置ユニット設定工程に移行する。このとき、画像処理マーク設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合には、図13(a)に示すように、警告画面68が表示される。図13(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図である。
入力されたパラメーターの値に不整合がある場合とは、それぞれのパラメーターの値は、パラメーターの値としては適切な値であるが、組み合わせた場合に適切ではない場合である。例えば、図13(a)に示した例は、表裏判別マークの位置を規定する値が、制限値表示画面64に表示された最小値(0)から最大値(110)の範囲にある適切な値(100)であるが、被描画体設定工程で設定された保持基板17の幅(89)に納まらない値である場合である。警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載される。表示された警告画面68は、警告画面68が有する「OK」ボタンをクリックすることで、消去される。このとき、図10(b)を参照して説明した場合と同様に、表裏判別マークの位置を入力する入力ボックス92が、選択状態になる。当該入力ボックス92に新たな値が入力されると、不適切な値が入力された他の入力ボックス92が、選択状態になる。
警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0080】
図5のステップS27の次に、ステップS28では、描画装置ユニット設定工程の描画設定工程を実施する。図13(b)は、液滴吐出装置における描画モードを設定する際の設定画面を示す説明図である。描画設定工程では、図13(b)に示したように、液滴吐出装置101における描画モードを設定する。
【0081】
図5のステップS28の次に、ステップS29では、描画装置ユニット設定工程のマガジン設定工程を実施する。図14(a)は、マガジンに関わるパラメーターの値を設定する際の設定画面を示す説明図である。マガジン設定工程では、図14(a)に示したように、マガジンに関わるパラメーターの値を設定する。図14(a)に示すように、マガジン設定工程を実施するための設定画面60では、入力画面91には、マガジン設定選択ボックス92dが形成されている。マガジン設定選択ボックス92dはチェックボックスであり、チェックを入れることで、マガジン設定が可能となる。上述したように、チップ描画体15などは、所定のマガジンに装着される。チップ描画体15などが装着されたマガジンをロード装置105に装填することで、チップ描画体15などが、描画装置ユニット100に供給される。マガジン設定工程では、生成しているチップ描画画像150Aを描画する際に用いるマガジンに関わるパラメーターの値を設定する。
【0082】
図5のステップS29の次に、ステップS30では、描画装置ユニット設定工程の前処理設定工程を実施する。図14(b)は、前処理設定工程を実施するための設定画面を示す説明図である。図14(b)に示すように、前処理設定工程を実施するための設定画面60では、入力画面91には、前処理設定選択ボックス92eが形成されている。前処理設定選択ボックス92eはチェックボックスであり、チェックを入れることで、前処理設定が可能となる。上述したように、前処理装置103は、チップ描画体15などを、液滴吐出装置101によって描画するために好適な状態にするための前処理を実施する。前処理設定工程では、当該前処理の諸条件に関わるパラメーターの値を入力する。
【0083】
図5のステップS30の次に、ステップS31では、チップ画像貼付工程に移行する。図14などに示した完了ボタン63をクリックすることによって、図15(a)に示すように、チップ画像貼付工程を実施するための画像貼付画面600が表示される。
完了ボタン63がクリックされた場合には、それまでに入力された各パラメーターの値に不整合がないかが検証される。不整合があった場合には、警告画面68が表示され、不整合の是正が促される。不整合がない場合には、完了ボタン63がクリックされたことによって、入力された各パラメーターの値が確定される。
画面表示部53aにおける完了ボタン63が表示されている部分が、設定確認ボタン部に相当する。警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0084】
図5のステップS31の次に、ステップS32では、チップ画像貼付工程を実施する。図15は、チップ画像貼付工程を実施する際の画像貼付画面を示す説明図である。図15(a)は、チップ画像像を貼り付ける前の画像貼付画面を示す説明図であり、図15(b)は、チップ画像像を貼り付けた画像貼付画面を示す説明図である。
チップ画像貼付工程では、最初にチップ画像取得工程を実施する。チップ画像取得工程を実施することによって、図15(a)に示したように、画像貼付画面600にチップ画像像150aが挿入される。図15(a)に示した画像貼付画面600では、2種類のチップ画像像150aが挿入されている。
次に、チップ画像貼付工程では、図15(a)に示したような画像貼付画面600において、チップ画像像150aを、レイアウト表示画面720におけるチップ表示像16aの上に貼り付ける。所定のチップ画像像150aを、当該チップ画像像150aを印刷するチップ表示像16aの上に貼り付けることで、図15(b)に示したように、描画画像が形成される。
【0085】
図5のステップS32の次に、ステップS33では、描画画像データを出力する。描画画像データは電子データであり、画像データ生成装置50の入出力装置52から出力する。図16は、生成された描画画像データの例を示す説明図である。図16に一部を示した描画画像データが電子データとして出力される。
ステップS33を実施して、描画画像データを生成する工程を終了する。
描画画像データの電子データは、描画装置ユニット100の描画ユニット制御装置107に入力される。描画ユニット制御装置107は、入力された描画画像データにしたがって、図15(b)に示したような、チップ画像の描画を実施する。
【0086】
以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)画像データ生成装置50では、画面表示部53aに、描画画像データを生成するために用いる各種の設定画面を表示する。画像データ生成装置50を用いて描画画像データを生成する操作者は、描画画像データを生成するための各種パラメーターの設定値を、表示されている設定画面に沿って入力することで、入力中のパラメーターを正しく認識し易くすることができる。これにより、誤った操作をすることを抑制することができる。
【0087】
(2)設定画面60は、補助表示画面71と、入力画面91と、を備えている。補助表示画面71で確認しながら、入力画面91からパラメーターの値を入力することができるため、入力しようとしているパラメーターを正しく認識し易くすることができる。これにより、入力しようとしているパラメーターを錯誤することを抑制することができる。
【0088】
(3)補助表示画面71には、入力画面91から入力されるパラメーターが、図面のような二次元形状として表示される。これにより、パラメーターの値を補助表示画面部に表示された二次元形状として視認することができる。パラメーターの値を二次元形状として視認することができることで、パラメーターの値を確認し易くすることができる。
【0089】
(4)補助表示画面71は、パラメーター位置画面74を備えている。パラメーター位置画面74は、図形表示部81と、パラメーター表示部82と、を備えている。図形表示部81は、チップ表示像16aなどのチップ描画体15の概略形状を表示し、パラメーター表示部82は、図形表示部81における各パラメーターに対応する部分を示している。これにより、各パラメーターを明確に図示することができる。
【0090】
(5)パラメーター位置画面74は、表示選択ボックス77を備えている。表示選択ボックス77のチェックを外すことで、選択されたパラメーターのみがパラメーター表示部82に表示される。これにより、選択されたパラメーターをわかりやすくすることができる。
【0091】
(6)補助表示画面71は、プレビュー画面72を備えている。プレビュー画面72においては、チップ表示像16a、保持基板表示像17a、及びユニット枠84の形状は、入力画面91に入力されているパラメーターの値に対応した形状になっており、プレビュー画面72に表示されているチップ描画体15の画像は、入力されているパラメーターの値に対応した形状のチップ描画体15の縮小図又は拡大図である。これにより、入力したパラメーターの値を形状として確認することができる。
【0092】
(7)設定画面60は、制限値表示画面64を備えている。制限値表示画面64には、入力画面91で選択された入力ボックス92に対応するパラメーターにおける、最大値及び最小値が表示される。制限値表示画面64を備えることで、入力しようとしているパラメーターの最大値及び最小値を認識し易くすることができる。これにより、設定可能な最大値又は最小値を超える値が入力されることを抑制することができる。
【0093】
(8)チップ描画体15におけるチップユニット16Aの構成に関わるパラメーターを入力する入力ボックス92と、チップユニット16Aにおける半導体チップ16の構成(ユニット枠84内のチップ表示像16aの構成)に関わるパラメーターを入力する入力ボックス92と、を備えている。これにより、半導体チップ16を、半導体チップ16の集合体であるチップユニット16Aの単位で扱うことができる。チップユニット16Aの単位で扱うことで、個別の半導体チップ16ごとに扱う場合にくらべて、扱うデータ量を少なくすることができる。
【0094】
(9)入力ボックス92に入力された数値が、制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合には、警告画面68が表示される。これにより、最大値又は最小値を超える値が入力されることを、実質的になくすることができる。
【0095】
(10)制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合に表示された警告画面68が、消去されたときには、警告の対象となった入力ボックス92の数値は、警告の対象となった数値が入力される前に入力されていた数値となる。これにより、警告の対象となった数値がそのまま入力されることを、実質的になくすることができる。
【0096】
(11)制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合に表示された警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載されている。これにより、不適切な値であることの原因を避けて適切な値を選択することを容易にすることができる。
【0097】
(12)工程移行ボタン62をクリックすることで、被描画体設定工程から画像処理マーク設定工程に移行する際に、被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合には、警告画面68が表示される。被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合がある状態で被描画体設定工程を終了することを、実質的になくすることができる。
【0098】
(13)被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合に表示された警告画面68には、パラメーターの値が不整合であることの理由を通知するコメントが記載されている。これにより、不整合となる原因を避けて適切な値を選択することを容易にすることができる。
【0099】
(14)被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合に表示された警告画面68が消去された際には、パラメーターの値に不整合が生じた入力ボックス92が選択状態になる。これにより、不整合が生じたパラメーターを認識し易くして、不適切な値を修正し易くすることができる。
【0100】
(15)設定画面60は、完了ボタン63を備え、完了ボタン63をクリックすることによって、チップ画像貼付工程に移行する。このとき、完了ボタン63がクリックされたことによって、入力された各パラメーターの値が確定される。これにより、設定が完了したことを明確にすることができるため、設定が完了しない状態でチップ画像貼付工程に移行することを抑制することができる。
【0101】
(16)設定画面60は、完了ボタン63を備え、完了ボタン63をクリックすることによって、チップ画像貼付工程に移行する。このとき、これまでに入力されたパラメーターの値に不整合があった場合には、警告画面68が表示される。これにより、入力されたパラメーターの値に不整合がある状態でチップ画像貼付工程に移行することを、実質的になくすることができる。
【0102】
(17)完了ボタン63がクリックされた際に、設定画面60を用いて入力されたパラメーターの値に不整合があった場合に表示された警告画面68には、パラメーターの値が不整合であることの理由を通知するコメントが記載されている。これにより、不整合となる原因を避けて適切な値を選択することを容易にすることができる。
【0103】
(18)完了ボタン63がクリックされた際に、設定画面60を用いて入力されたパラメーターの値に不整合があった場合に表示された警告画面68が消去された際には、パラメーターの値に不整合が生じた入力ボックス92が選択状態になる。これにより、不整合が生じたパラメーターを認識し易くして、不適切な値を修正し易くすることができる。
【0104】
(19)選択されて入力状態となった入力ボックス92は、例えば、数値を表示する部分の背景及び数字の色を反転させている。これにより、当該入力ボックス92が選択されていること及び入力状態であることを明示することができる。
【0105】
(20)パラメーター位置画面74においては、平面表示画面75又は厚さ表示画面76のパラメーター表示部82における、選択されたパラメーターに対応する部分が、強調表示される。これにより、選択されたパラメーターを、平面表示画面75又は厚さ表示画面76の二次元形状において、視認することができる。
【0106】
(21)パラメーター位置画面74におけるパラメーター表示部82の表示をクリックすることによって、当該表示に対応するパラメーター(入力ボックス92)を選択することができる。これにより、平面表示画面75又は厚さ表示画面76の二次元形状において視認しながら、パラメーター(入力ボックス92)を選択することができる。
【0107】
(22)入力可能なパラメーターとして、チップ描画体15の厚さ(保持基板17の厚さに半導体チップ16の厚さを加えた厚さ)が設定されている。これにより、チップ描画体15の厚さの情報を、生成する描画画像データに付加することができる。チップ描画体15の厚さの情報は、例えば、チップ描画体15を液滴吐出装置101にセットして描画する際に、液滴吐出ヘッド20との隙間を正確に設定するために有用である。
【0108】
(23)入力可能なパラメーターとして、保持基板17の厚さが設定されている。これにより、保持基板17の厚さの情報を、生成する描画画像データに付加することができる。保持基板17の厚さの情報は、例えば、チップ描画体15を液滴吐出装置101にセットしてアライメントマークや表裏判別マークを描画する際に、液滴吐出ヘッド20と被描画である保持基板17の面との距離を正確に設定するために有用である。
また、アライメントマークや表裏判別マークを光学的に認識する際に、焦点を合わせるべき位置(アライメントマークや表裏判別マークが形成されている面の位置)を特定するために有用である。
【0109】
(24)描画装置ユニット100は、液滴吐出装置101と、搬送ロボット102と、前処理装置103と、温度調整装置104aと、温度調整装置104bと、ロード装置105と、アンロード装置106と、描画ユニット制御装置107と、を備えている。画像データ生成装置50は、描画装置ユニット100を用いてチップ描画画像150Aを描画するための描画画像データを生成する機能を有している。これにより、描画装置ユニット100に、画像データ生成装置50によって生成した描画画像データを入力し、チップ描画体15を供給することで、半導体チップ16にチップ画像150を描画することができる。
【0110】
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0111】
(変形例1)前記実施形態においては、チップ描画画像150Aの描画画像データにしたがってチップ描画画像150Aを描画する描画装置ユニット100は、インクジェット方式の液滴吐出ヘッド20を備える液滴吐出装置101を備えていた。しかし、描画を実施する装置がインクジェット方式の吐出ヘッドを備える装置であることは必須ではない。描画を実施する装置は、インクジェット方式以外の方式の吐出ヘッドを備える装置であってもよい。吐出ヘッドは、液状体を液滴としてではなく、連続して吐出するような方式の吐出ヘッドであってもよい。
また、描画を実施する装置が液状体を用いて画像を形成する装置であることも必須ではない。レーザー光を照射して、被描画媒体におけるレーザー光が照射された部分の状態を変化させることによって画像を形成する装置などであってもよい。
【0112】
(変形例2)前記実施形態においては、画像データ生成装置50は、描画装置ユニット100とは別の装置であったが、データ生成装置が画像を形成する装置と別体であることは必須ではない。描画ユニット制御装置107のような描画制御装置が、画像データ生成装置50のようなデータ生成装置を含む構成であってもよい。また、描画制御装置とデータ生成装置とを電気的に接続して、画像データを、データ生成装置から描画制御装置に直接送信する構成であってもよい。
【0113】
(変形例3)前記実施形態においては、画像データ生成装置50は、描画装置ユニット100を用いてチップ描画画像150Aなどを描画するための描画画像データを生成する機能を有していた。したがって、前処理工程や、被描画媒体の給材や除材に関わるデータも生成可能であった。しかし、データ生成装置が生成する描画画像データが、前処理工程や、被描画媒体の給材や除材に関わるデータまで含むことは必須ではない。データ生成装置は、液滴吐出装置101のような描画装置を稼働させるために必要なデータを形成できる機能のみを備える装置であってもよい。
【0114】
(変形例4)前記実施形態においては、被描画媒体として半導体チップ16を例にして説明したが、被描画媒体は半導体チップに限らない。上述したデータ生成装置、データ生成方法、又はプログラムが好適に機能する被描画媒体は、多数の被描画媒体に対して被描画媒体のそれぞれに画像を描画する際に、略同時に描画を実施することで効率よく描画できるような被描画媒体であれば、どのような被描画媒体であってもよい。例えば、パッケージされた半導体装置へのマーキングや、ラベルへの印刷や、様々な器物への加飾や、配線基板への金属配線の印刷などを実施する場合にも、上述したデータ生成装置、データ生成方法、又はプログラムを好適に適用することができる。
【0115】
(変形例5)前記実施形態においては、制限値表示画面64には、パラメーターの最大値を表示する最大値表示部66と、最小値を表示する最小値表示部67とを備えていたが、制限値表示画面部に最大値及び最小値の両方を表示することは必須ではない。制限値表示画面部に、最大値又は最小値のいずれか一方のみを表示する構成又は方法であってもよい。
【符号の説明】
【0116】
15…チップ描画体、16…半導体チップ、16A…チップユニット、16a…チップ表示像、17…保持基板、17a…保持基板表示像、50…画像データ生成装置、51…ホストコンピューター、51a…演算装置、51b…記憶装置、52…入出力装置、53…表示装置、53a…画面表示部、60…設定画面、61…工程表示画面、62…工程移行ボタン、63…完了ボタン、64…制限値表示画面、66…最大値表示部、67…最小値表示部、68…警告画面、71…補助表示画面、72…プレビュー画面、74…パラメーター位置画面、75…平面表示画面、76…厚さ表示画面、77…表示選択ボックス、81…図形表示部、82…パラメーター表示部、84…ユニット枠、86…アライメントマーク像、87…表裏判別マーク像、91…入力画面、92…入力ボックス、92a…オプション選択ボックス、92b…アライメントマーク選択ボックス、92c…表裏判別マーク選択ボックス、92d…マガジン設定選択ボックス、92e…前処理設定選択ボックス、93…ボックス表示、100…描画装置ユニット、101…液滴吐出装置、102…搬送ロボット、103…前処理装置、104a,104b…温度調整装置、105…ロード装置、106…アンロード装置、107…描画ユニット制御装置、110…パッケージ画像、110A…パッケージ描画画像、150…チップ画像、150A…チップ描画画像、150a…チップ画像像、600…画像貼付画面、720…レイアウト表示画面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の被描画媒体に対して、被描画媒体のそれぞれに画像を描画するための描画用のデータを生成するデータ生成装置、データ生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業的に製造される製品の外面に数字や文字や図形などの画像を形成することで、製品の名称や型番などの表示や、製品のロット番号や個体の識別用の表示などを、製品に記載することが行われている。
多数の製品に効率よく画像を形成することができる描画方法として、特許文献1には、テープ又は基板上に整列させたチップ抵抗器に、インクジェットヘッドを備えるマーキング装置を用いてマーキングを実施し、着弾したインクの滲み開始前に、迅速に硬化させることで、小さい文字や記号をマーキング可能にした電子部品の製造方法及び電子部品の製造装置が開示されている。
【0003】
しかし、多数の被描画媒体に画像を形成するための画像データを生成するためには、被描画媒体の大きさや個数や配列など、多数のパラメーターを扱うことが必要であり、画像データを作成する作業は、複雑であった。
特許文献2には、繰り返し印字する印字パターンに対応する印字パターンデータ及びその印字パターンの位置に対応する複数の印字位置データを、所定の基準座標及びそれに対する偏差によって把握して記憶するようにし、コンソールから補正値を入力して基準座標の補正と、偏差の補正との双方を可能にすることによって、繰り返し同一の文字などを印字する場合に、文字群全体の印字位置の調節も各文字の印字位置の調節も容易に行うことができるようにするレーザマーキング装置が開示されている。
特許文献3には、繰り返し印字する印字パターンに対応する印字パターンデータ及びその印字パターンの位置に対応する複数の印字位置データを、座標データを算出可能とする計算式を作成して、マーキング情報設定画面に入力設定すると、計算式の算出結果に基づき所望するパターンの座標データを生成することができることによって、マーキング情報の入力操作が簡便であってマーキング作業を迅速に実行することができるレーザマーキング装置が開示されている。
特許文献4には、加工データ生成部、加工データのイメージを3次元的に表示可能な表示部、当該加工データでは加工できない領域を算出する加工不良領域検出手段、及び加工できない内容を非表示にする設定警告手段を備え、加工条件を設定する段階で、加工内容が正しく加工可能な領域に配置されていることを確認可能とするレーザ加工装置、レーザ加工条件設定装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−80687号公報
【特許文献2】特開2002−292483号公報
【特許文献3】特開2009−82963号公報
【特許文献4】特開2008−12539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2や特許文献3に開示された装置では、パラメーターを数字としてのみ扱うため、多数のパラメーターを扱う中で、各パラメーターの区別がし難いことに起因して、誤った設定をする可能性があるという課題があった。また、誤った設定をしても、誤ったことに気づき難いため、そのまま画像データとして出力されてしまう可能性が高いという課題もあった。
特許文献4に開示された装置では、単独の画像について、設定したデータを確認することが可能であるが、複数の画像を配列するためのパラメーターを扱うことはできないため、多数のパラメーターを扱うことに起因する煩雑さを解消することはできないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかるデータ生成装置は、複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成装置であって、前記画像データを規定するパラメーターの値を入力するための入力ボックスを有する入力画面部と、入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示画面部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本適用例にかかるデータ生成装置によれば、入力ボックスを有する入力画面部と、入力されたパラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示画面部と、を備える。この構成により、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などが、入力したパラメーターの値を補助表示画面部に表示された二次元形状として視認することができる。パラメーターの値を二次元形状として視認することができることで、パラメーターの値を確認し易くすることができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例にかかるデータ生成装置において、前記パラメーターは、前記被描画媒体の形状を規定する形状パラメーター及び前記被描画媒体の配置を規定する配置パラメーターを含み、前記補助表示画面部は、前記被描画媒体の形状及び配置位置を、前記形状パラメーターの値又は前記配置パラメーターの値に従って形成した二次元形状を表示するプレビュー画面部を有することが好ましい。
【0010】
このデータ生成装置によれば、プレビュー画面部を有し、入力されたパラメーターの値に対応した被描画媒体の形状及び配置位置が二次元形状として表示される。これにより、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などが、被描画媒体の形状及び配置位置を、二次元形状として視認することができる。被描画媒体の形状及び配置位置を、二次元形状として視認することができることで、被描画媒体の形状及び配置位置を確認し易くすることができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例にかかるデータ生成装置において、前記入力画面部は、設定確認ボタン部を備え、入力された前記パラメーターの値は、前記設定確認ボタン部が選択されることによって確定されることが好ましい。
【0012】
このデータ生成装置によれば、入力されたパラメーターの値は、設定確認ボタン部がクリックされることによって確定される。これにより、入力したパラメーターの値を、当該値を確定させる前に、確認したり修正したりすることができる。確定させる前に、確認したり修正したりすることで、誤ったパラメーターの値を用いて画像データを生成することを抑制することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例にかかるデータ生成装置は、選択された前記入力ボックスを用いて値を入力する前記パラメーターにおいて設定可能な最大値及び最小値の少なくとも一方を表示する制限値表示画面部をさらに有することが好ましい。
【0014】
このデータ生成装置によれば、制限値表示画面部に、選択された入力ボックスを用いて値を入力するパラメーターにおいて設定可能な最大値及び最小値の少なくとも一方が表示される。パラメーターにおいて設定可能な最大値又は最小値を超える値は、当該パラメーターの値として不適切な値である。設定可能な最大値や最小値が表示されることで、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などが、パラメーターの値の入力操作を実施する際に、最大値や最小値を認識し易くすることができる。これにより、設定可能な最大値又は最小値を超える値が入力されることを抑制することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例にかかるデータ生成装置は、不整合警告画面を表示させる警告表示制御部をさらに備え、前記警告表示制御部は、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合に、前記不整合警告画面を表示させることが好ましい。
【0016】
このデータ生成装置によれば、警告表示制御部は、入力されたパラメーターの値が不適切な値の場合に、不整合警告画面を表示させる。不整合警告画面を表示させることで、入力されたパラメーターの値が不適切であることを、パラメーターの値を入力する操作者に知らしめることができる。これにより、不適切なパラメーターの値を用いて画像データが生成されることを抑制することができる。
【0017】
[適用例6]上記適用例にかかるデータ生成装置は、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、前記不整合警告画面を表示するとともに、不適切な数値が入力された前記入力ボックスに表示されている数値を、不適切な数値が入力される直前の数値に戻すことが好ましい。
【0018】
このデータ生成装置によれば、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、不整合警告画面が表示されるとともに、不適切な数値が入力された入力ボックスに表示されている数値が、不適切な数値が入力される直前の数値に戻される。これにより、不適切なパラメーターの値が誤って確定され、不適切なパラメーターの値を用いて画像データが生成されることを抑制することができる。
【0019】
[適用例7]上記適用例にかかるデータ生成装置において、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、前記不整合警告画面を表示するとともに、不適切な数値が入力されている前記入力ボックスを、選択状態にすることが好ましい。
【0020】
このデータ生成装置によれば、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、不適切な数値が入力されている入力ボックスが選択状態にされる。入力ボックスが選択状態にされた状態は、値を入力するために当該入力ボックスを選択した状態である。不適切な数値が入力されている入力ボックスが選択状態にされることで、不適切な数値が入力されている入力ボックスがどの入力ボックスであるかを明確にすることができる。
【0021】
[適用例8]上記適用例にかかるデータ生成装置において、入力された前記パラメーターの値が物理的に矛盾する場合が、入力された前記パラメーターの値が不適切な場合であることが好ましい。
【0022】
このデータ生成装置によれば、入力されたパラメーターの値が物理的に矛盾する場合に、入力されたパラメーターの値が不適切な値の場合の処理が実行される。これにより、物理的に矛盾するパラメーターの値を用いて画像データが生成されることを抑制することができる。パラメーターの値が物理的に矛盾する場合は、例えば、被描画媒体の配設ピッチにくらべて、被描画媒体の大きさのほうが大きい場合などである。
【0023】
[適用例9]上記適用例にかかるデータ生成装置において、入力された前記パラメーターの値で規定される前記描画画像を、前記描画画像を描画するための描画装置で描画することができない場合が、入力された前記パラメーターの値が不適切な場合であることが好ましい。
【0024】
このデータ生成装置によれば、入力されたパラメーターの値で規定される描画画像が、当該描画画像を描画するための描画装置で描画することができない画像である場合に、入力されたパラメーターの値が不適切な値の場合の処理が実行される。これにより、描画画像を描画するための描画装置で描画することができない画像が生成されることを抑制することができる。描画画像を描画するための描画装置で描画することができない画像は、例えば、描画装置が保持できる被描画体より大きい被描画体に描画する画像などである。
【0025】
[適用例10]上記適用例にかかるデータ生成装置において、前記入力画面部は、前記被描画体の厚さを入力するための総厚入力画面部を備えることが好ましい。
【0026】
このデータ生成装置によれば、総厚入力画面部の画面を利用して、被描画体の厚さを入力することができる。これにより、形成する画像データに、被描画体の厚さの情報を付加することができる。
【0027】
[適用例11]上記適用例にかかるデータ生成装置において、前記入力画面部は、前記被描画体において前記被描画媒体を支持する描画体基材の厚さを入力するための基材厚入力画面部を備えることが好ましい。
【0028】
このデータ生成装置によれば、基材厚入力画面部の画面を利用して、描画体基材の厚さを入力することができる。これにより、形成する画像データに、描画体基材の厚さの情報を付加することができる。
【0029】
[適用例12]本適用例にかかるデータ生成方法は、複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成方法であって、前記画像データを規定するパラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、を有することを特徴とする。
【0030】
本適用例にかかるデータ生成方法によれば、パラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、入力されたパラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、を有する。これにより、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などは、入力したパラメーターの値を、表示された二次元形状として視認することができる。パラメーターの値を二次元形状として視認することができることで、パラメーターの値を確認し易くすることができる。
【0031】
[適用例13]本適用例にかかるプログラムは、複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するための工程をコンピューターに実行させるためのプログラムであって、前記画像データを規定するパラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【0032】
本適用例にかかるプログラムによれば、パラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、入力されたパラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、をコンピューターに実行させる。これにより、パラメーターの値の入力操作を実施する操作者などは、入力したパラメーターの値を、表示された二次元形状として視認することができる。パラメーターの値を二次元形状として視認することができることで、パラメーターの値を確認し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は、マーキング画像が描画された半導体パッケージを示す説明図。(b)は、半導体パッケージが保持基板上に整列させられたパッケージ描画体を示す説明図。(c)は、半導体チップに描画されたマーキング画像を示す説明図。(d)は、半導体チップが保持基板上に整列させられた状態を示す説明図。
【図2】描画装置ユニットの構成を示す説明図。
【図3】(a)は、液滴吐出装置全体の概略構成を示す外観斜視図。(b)は、液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図。
【図4】画像データ生成装置の機能的構成を示す説明図。
【図5】描画画像データを生成する工程を示すフローチャート。
【図6】(a)は、設定画面の概要を示す説明図。(b)は、パラメーター表示部に一部のパラメーターのみが表示された設定画面の例を示す説明図。
【図7】(a)は、入力ボックスが選択された状態の設定画面の例を示す説明図。(b)は、パラメーターの入力が完了した状態の設定画面の例を示す説明図。
【図8】(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図。(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図。
【図9】(a)は、描画体のオプション設定を実施するための設定画面を示す説明図。(b)は、チップユニットのオプション設定を実施するための設定画面を示す説明図。
【図10】(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図。(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図。
【図11】(a)は、アライメントマークの位置設定を実施するための設定画面を示す説明図。(b)は、表裏判別マークの位置設定を実施するための設定画面を示す説明図。
【図12】(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図。(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図。
【図13】(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図。(b)は、液滴吐出装置における描画モードを設定する際の設定画面を示す説明図。
【図14】(a)は、マガジンに関わるパラメーターの値を設定する際の設定画面を示す説明図。(b)は、前処理設定工程を実施するための設定画面を示す説明図。
【図15】(a)は、チップ画像像を貼り付ける前の画像貼付画面を示す説明図。(b)は、チップ画像像を貼り付けた画像貼付画面を示す説明図。
【図16】生成された描画画像データの例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、データ生成装置について、図面を参照して説明する。本実施形態は、マーキング対象物にマーキング画像を形成するための描画画像の画像データ(以降、描画画像データと表記する。)生成するために用いるデータ生成装置を例にして説明する。本実施形態では、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置を用いて、描画画像を描画する。なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材又は部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。マーキング対象物が、被描画媒体に相当する。
【0035】
<マーキング対象物>
最初に、マーキング対象物について、図1を参照して説明する。図1は、マーキング対象物と、マーキング対象物に描画されたマーキング画像とを示す説明図である。図1(a)は、マーキング画像が描画された半導体パッケージを示す説明図であり、図1(b)は、半導体パッケージが保持基板上に整列させられたパッケージ描画体を示す説明図であり、図1(c)は、半導体チップに描画されたマーキング画像を示す説明図であり、図1(d)は、半導体チップが保持基板上に整列させられた状態を示す説明図である。
【0036】
図1(a)に示した、半導体パッケージ11は、フリップチップ接続で実装するパッケージである。バンプが形成された面の反対側の面にマーキング画像であるパッケージ画像110が描画されている。パッケージ画像110は、例えば、ロゴマーク、製品名称、製品型番、ロット番号などの画像である。
図1(b)に示したように、半導体パッケージ11を保持基板12の上に整列させて仮固定し、パッケージ描画体10を構成する。パッケージ描画体10に描画する画像を、パッケージ描画画像110Aと表記する。パッケージ描画体10を、液滴吐出装置101(図3参照)の媒体載置台31(図3参照)に載置して、パッケージ描画体10にパッケージ描画画像110Aを描画することで、半導体パッケージ11にパッケージ画像110を描画する。4行4列に整列した16個の半導体パッケージ11の組を、パッケージユニット11Aと表記する。
半導体パッケージ11が、被描画媒体に相当する。パッケージ描画体10が、被描画体に相当する。パッケージ描画画像110Aが、描画画像に相当する。
【0037】
図1(c)に示した、半導体チップ16は、ボンディングパットが形成された面の反対側の面にマーキング画像であるチップ画像150が描画されている。チップ画像150は、例えば、ロゴマーク、製品名称、製品型番、ロット番号などの画像である。
図1(d)に示したように、半導体チップ16を保持基板17の上に整列させて仮固定し、チップ描画体15を構成する。チップ描画体15に描画する画像を、チップ描画画像150Aと表記する。チップ描画体15を、液滴吐出装置101の媒体載置台31に載置して、チップ描画体15にチップ描画画像150Aを描画することで、半導体チップ16にチップ画像150を描画する。3行5列に整列した15個の半導体チップ16の組を、チップユニット16Aと表記する。
半導体チップ16が、被描画媒体に相当する。チップ描画体15が、被描画体に相当する。チップ描画画像150Aが、描画画像に相当する。
【0038】
<描画装置ユニット>
次に、上述したチップ描画体15のような描画対象に、チップ描画画像150Aのような画像を描画する描画装置ユニットについて、図2を参照して説明する。図2は、描画装置ユニットの構成を示す説明図である。
【0039】
図2に示すように、描画装置ユニット100は、液滴吐出装置101と、搬送ロボット102と、前処理装置103と、温度調整装置104aと、温度調整装置104bと、ロード装置105と、アンロード装置106と、描画ユニット制御装置107と、を備えている。
チップ描画体15などは、所定のマガジンに装着される。チップ描画体15などが装着されたマガジンをロード装置105に装填することで、チップ描画体15などが、描画装置ユニット100に供給される。
描画装置ユニット100における処理が終了したチップ描画体15などは、アンロード装置106に装填されたマガジンに装着される。当該マガジンをアンロード装置106から取り出すことによって、処理済みのチップ描画体15などが、描画装置ユニット100から除材される。
【0040】
搬送ロボット102は、ロード装置105に装填されたマガジンからチップ描画体15などを取り出し、液滴吐出装置101などの所定の位置に載置する。また、液滴吐出装置101などで処理されたチップ描画体15などを、液滴吐出装置101などから除材して、次の処理を実施する装置に供給する。
液滴吐出装置101は、チップ描画体15のような描画対象に、チップ描画画像150Aのような画像を描画する。
前処理装置103は、チップ描画体15などを、液滴吐出装置101によって描画するために好適な状態にするための前処理を実施する。
温度調整装置104a及び温度調整装置104bは、チップ描画体15などの温度を、前処理装置103による処理や、液滴吐出装置101による描画を実施するために好適な温度に調整する。また、チップ描画画像150Aなどを構成する機能液を硬化させるための加熱などを実施するために用いられる場合もある。
描画ユニット制御装置107は、画像データ生成装置50(図4参照)を用いて生成された画像データにしたがって、上記した各装置などを制御して、チップ描画体15のような描画対象に、チップ描画画像150Aのような画像を描画させる。
【0041】
<液滴吐出装置>
次に、液滴吐出装置101について、図3を参照して説明する。図3は、液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。図3(a)は、液滴吐出装置全体の概略構成を示す外観斜視図であり、図3(b)は、液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図である。
【0042】
図3(a)に示すように、液滴吐出装置101は、ヘッド機構部2と、媒体機構部3と、保守装置部5と、吐出装置制御部7と、を備えている。ヘッド機構部2は、機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド20を有している。液滴吐出装置101は、また、図示省略した機能液供給部や、吐出検査装置部を備えている。液滴吐出ヘッド20が吐出する機能液は、機能液供給部から液滴吐出ヘッド20に供給される。吐出装置制御部7は、上記した各機構部などを総括的に制御する。
【0043】
ヘッド機構部2は、キャリッジユニット22と、キャリッジ走査機構42とを、備えている。キャリッジユニット22は、液滴吐出ヘッド20を有するヘッドユニット21と、紫外線を照射する紫外線照射部27とを備えている。キャリッジ走査機構42は、キャリッジユニット22が吊設されたキャリッジ枠45を備え、キャリッジ枠45をY軸方向に移動させることで、キャリッジユニット22をY軸方向に移動させる。
【0044】
キャリッジ走査機構42は、支持柱43と、支持梁44と、ガイド部46と、駆動モーター47と、駆動プーリー47aと、従動プーリー47bと、ベルト42aと、キャリッジ枠45と、エンコーダー48と、を備えている。
支持梁44は、2つの支持柱43に掛け渡されるように設けられ、Y軸方向に延在している。ガイド部46は、支持梁44に固定されており、Y軸方向に延在している。駆動モーター47は、支持梁44のY軸方向における一方の端近くで、支持梁44に固定されている。駆動モーター47の出力軸には、駆動プーリー47aが固定されており、駆動プーリー47aが、駆動モーター47によって回動駆動される。従動プーリー47bは、支持梁44のY軸方向における、駆動モーター47が固定された端と反対側の端近くで、支持梁44に、回動可能に固定されている。従動プーリー47bの回動軸の軸方向は、駆動プーリー47aの回動軸(駆動モーター47の出力軸)の軸方向と、略平行である。ベルト42aは、駆動プーリー47aと従動プーリー47bとの間に掛け渡されており、駆動プーリー47aが回動することによって、駆動される。ベルト42aは、ガイド部46と並行してY軸方向に延在している。エンコーダー48は、支持梁44に固定されており、ガイド部46と略平行にY軸方向に延在している。
【0045】
ベルト42aには、キャリッジ枠45が固定されている。キャリッジ枠45は、ガイド部46に、Y軸方向に摺動自在に係合している。キャリッジ枠45は、駆動モーター47によってベルト42aが駆動させられることによって、ガイド部46に沿ってY軸方向に駆動される。キャリッジ枠45のY軸方向の位置は、エンコーダー48によって検出される。
キャリッジ枠45を、キャリッジ走査機構42によってY軸方向に移動させることで、キャリッジ枠45に吊設されたヘッドユニット21が有する液滴吐出ヘッド20を、Y軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。
【0046】
図3(b)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25を備えている。ノズル基板25には、多数の吐出ノズル24が略一直線状に並んだノズル列24Aが、2列形成されている。吐出ノズル24から機能液を液滴として吐出し、対向する位置にあるチップ描画体15などに着弾させることで、当該位置に機能液を配置する。ノズル列24Aは、液滴吐出ヘッド20が液滴吐出装置101に装着された状態で、図3(a)に示したX軸方向に延在している。ノズル列24Aにおいて吐出ノズル24は等間隔のノズルピッチで並んでおり、2列のノズル列24A間で、吐出ノズル24の位置がX軸方向に半ノズルピッチずれている。これにより、液滴吐出ヘッド20としては、X軸方向に半ノズルピッチ間隔で機能液の液滴を配置することができる。
【0047】
図3(a)に示すように、媒体機構部3は、媒体載置台31と、スライド台31aと、媒体移動機構33と、を備えている。
媒体移動機構33は、X軸ガイド35とX軸リニアモーター(図示省略)と、を備えている。X軸ガイド35は、2つの支持柱43の間で、支持梁44の下方に配設されており、Y軸方向と直交するX軸方向に略平行に延在している。
スライド台31aは、X軸方向に摺動自在に、X軸ガイド35に支持されている。X軸リニアモーターは、X軸ガイド35と略平行に配設されており、スライド台31aは、X軸リニアモーターによって、X軸方向に移動させられる。また、移動した任意の位置に保持させられる。媒体載置台31は、図示省略した媒体回動機構によって、X軸方向及びY軸方向と直交するZ軸方向に平行な軸まわりの方向に回動可能に、スライド台31aの上に固定されて、支持されている。
【0048】
媒体移動機構33によって、スライド台31aをX軸方向に移動させることで、スライド台31aに固定されて支持された媒体載置台31を、X軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。すなわち、媒体載置台31に保持されたチップ描画体15などを、X軸方向に自在に移動させることができる。また、移動した任意の位置に保持することができる。
【0049】
ヘッド機構部2において、キャリッジ枠45に吊設されたヘッドユニット21が有する液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25を下側に向けて、保持されている。媒体載置台31に保持されたチップ描画体15などを、X軸方向の液滴吐出ヘッド20が対向可能な位置まで移動して停止し、上方にある液滴吐出ヘッド20(ヘッドユニット21)のY軸方向の移動に同調して、機能液を液滴として吐出する。X軸方向に移動するチップ描画体15などと、Y軸方向に移動する液滴吐出ヘッド20とを相対的に制御することにより、チップ描画体15などの上の任意の位置に液滴を着弾させることで、所望する平面形状の描画を実施することが可能である。
キャリッジユニット22において、ヘッドユニット21のY軸方向の両側には、紫外線硬化型機能液を硬化させるための紫外線照射部27が、1つずつ配設されている。紫外線硬化型の機能液を用いて描画した画像を、紫外線照射部27を用いて硬化させることができる。
【0050】
吐出装置制御部7は、液滴吐出ヘッド20や、紫外線照射部27や、キャリッジ走査機構42の駆動モーター47や、媒体移動機構33のX軸リニアモーターなどと、電気的に接続されている。吐出装置制御部7が備える制御部から制御信号を送り、液滴吐出ヘッド20や、紫外線照射部27や、駆動モーター47や、X軸リニアモーターなどを稼動させる。
【0051】
保守装置部5は、各種保守装置を備えている。保守装置は、液滴吐出ヘッド20の各種の保守を実施する装置である。液滴吐出ヘッド20の保守を実施する際には、ヘッドユニット21(液滴吐出ヘッド20)が、キャリッジ走査機構42を用いて保守装置部5に臨む位置に移動させられ、保守作業が実施される。
液滴吐出装置101が、描画画像を描画するための描画装置に相当する。
【0052】
<画像データ生成装置>
次に、描画装置ユニット100を用いてチップ描画画像150Aなどを描画するための描画画像データを生成するために用いる画像データ生成装置50について、図4を参照して説明する。図4は、画像データ生成装置の機能的構成を示す説明図である。
【0053】
図4に示すように、画像データ生成装置50は、ホストコンピューター51と、表示装置53と、入出力装置52と、を備えている。
ホストコンピューター51は、演算装置51aと記憶装置51bとを備えている。記憶装置51bは、画像データ生成装置50を、描画画像データを生成するための装置として機能させるプログラムやデータなどを記憶している。演算装置51aは、記憶装置51bに記憶されたプログラムに従って、描画画像データを生成するための演算を実施する。
表示装置53は、画面表示部53aを備えている。表示装置53は、ホストコンピューター51に制御されて、画面表示部53aに、描画画像データを生成するために用いる各種の設定画面を表示する。
入出力装置52は、記憶装置51bに記憶させるプログラムやデータなどや、描画画像データを規定するパラメーターの数値などを入力するための入力手段として機能する。また、生成した描画画像データの出力手段としても、機能する。
【0054】
<描画画像データ生成工程、及び設定画面>
次に、画像データ生成装置50を用いて描画画像データを生成する工程について、上述したチップ描画体15に描画するチップ描画画像150Aの描画画像データを生成する工程を例にして、図5乃至図16を参照して説明する。図5は、描画画像データを生成する工程を示すフローチャートである。図6から図15は、描画画像データを生成する工程において表示される設定画面を示す説明図である。図16は、生成された描画画像データの例を示す説明図である。
【0055】
<設定画面>
画像データ生成装置50では、画面表示部53aに、描画画像データを生成するために用いる各種の設定画面を表示する。画像データ生成装置50を用いて描画画像データを生成する操作者は、表示されている設定画面に沿って、描画画像データを生成するためのデータを入力する。図6(a)は、設定画面の概要を示す説明図である。
図6(a)に示した設定画面60は、初期の設定画面60である。描画画像データを新規に生成する際は、描画画像データの新規作成を選択することで、図6(a)に示した初期の設定画面60が、画面表示部53aに表示される。図6(a)に示したように、設定画面60は、工程表示画面61と、補助表示画面71と、入力画面91と、工程移行ボタン62と、制限値表示画面64と、を備えている。
【0056】
工程表示画面61は、チップ描画体15に関わるデータを入力する3個の工程と、3個の工程における現在実施中の工程と、を表示している。チップ描画体15に関わるデータを入力する3個の工程は、被描画体設定工程、画像処理マーク設定工程、及び描画装置ユニット設定工程である。被描画体設定工程を示す文字を、画像処理マーク設定工程や描画装置ユニット設定工程を示す文字とは変えて、現在実施中の工程が被描画体設定工程であることを示している。現在実施中の工程を示す文字は、例えば、太くしたり、色を濃くしたりすることで、他の工程を示す文字とは異なって見えるようにする。
工程移行ボタン62は、実施する工程を変えるためのボタンである。工程移行ボタン62をクリックすることで、例えば、被描画体設定工程の設定画面60を、画像処理設定工程の設定画面60に変えて、実施する工程を変えることができる。
【0057】
入力画面91は、チップ描画体15を規定するパラメーターの値を入力するための画面である。入力画面91は、入力ボックス92と、ボックス表示93と、を有している。入力ボックス92を選択して、数値を入力することで、選択した入力ボックス92が割り当てられたパラメーターの値を入力することができる。ボックス表示93は、入力ボックス92が割り当てられたパラメーターを表示している。図6(a)に示した入力画面91には20個の、入力ボックス92が設定されており、20個のパラメーターの数値の設定ができる。入力ボックス92の選択は、選択する入力ボックス92又は当該入力ボックス92に対応するボックス表示93をクリックすることで実施する。画面表示部53aにおける入力画面91が表示されている部分が、入力画面部に相当する。
【0058】
補助表示画面71は、プレビュー画面72と、パラメーター位置画面74と、を備えている。補助表示画面71は、入力画面91から入力されるパラメーターを、図面のような2次元形状として表示する画面である。画面表示部53aにおける補助表示画面71が表示されている部分が、補助表示画面部に相当する。
パラメーター位置画面74は、平面表示画面75と、厚さ表示画面76と、表示選択ボックス77とを備えている。
【0059】
平面表示画面75及び厚さ表示画面76は、図形表示部81と、パラメーター表示部82と、を備えている。平面表示画面75の図形表示部81は、チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、ユニット枠84と、を有している。厚さ表示画面76の図形表示部81は、チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、を有している。チップ表示像16a及び保持基板表示像17aは、半導体チップ16又は保持基板17の外形の概要を、略長方形形状で示したものである。図6に二点鎖線の略長方形形状として示したユニット枠84は、半導体チップ16のチップユニット16Aを示している。ユニット枠84に囲まれた複数の半導体チップ16を、1個のチップユニット16Aとして扱う。平面表示画面75及び厚さ表示画面76では、チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、ユニット枠84と、によって、チップ描画体15の概略形状を示している。平面表示画面75では、チップ描画体15の平面形状の概略形状を示している。厚さ表示画面76では、チップ描画体15の側面形状の概略形状を示している。
【0060】
パラメーター表示部82は、図形表示部81における各パラメーターに対応する部分を示している。パラメーター表示部82では、寸法線及び寸法補助線のように、図形表示部81における各パラメーターに対応する部分を示している。例えば、半導体チップ16の幅Wcは、チップ表示像16aの一辺の両端のそれぞれから、当該一辺に略垂直にひかれた寸法補助線状の線と、当該寸法補助線状の線の間に、対応する一辺に略平行にひかれた寸法線状の線と、で示されている。
パラメーター表示部82に表示されたパラメーターに対応して、当該パラメーターの値を入力するための入力ボックス92が、入力画面91に形成されている。入力画面91では、パラメーター表示部82に示されたパラメーターの呼称が、当該パラメーターに対応する入力ボックス92のボックス表示93として、表示されている。パラメーター表示部82の表示をクリックすることによっても、当該表示に対応するパラメーター(入力ボックス92)を選択することができる。
【0061】
表示選択ボックス77は、チェックボックスである。図6(a)に示した表示選択ボックス77のように、表示選択ボックス77にチェックが入れられている場合には、図6(a)に示したパラメーター表示部82のように、全てのパラメーターがパラメーター表示部82に表示される。図6(b)は、パラメーター表示部に一部のパラメーターのみが表示された設定画面の例を示す説明図である。図6(b)に示した表示選択ボックス77のように、表示選択ボックス77にチェックが入れられていない場合には、入力画面91で選択された入力ボックス92に対応するパラメーターのみがパラメーター表示部82に表示される。図6(b)に示した入力画面91では、入力ボックス92が選択されていないため、図6(b)に示した平面表示画面75及び厚さ表示画面76には、パラメーター表示部82が表示されていない。
【0062】
プレビュー画面72は、チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、ユニット枠84と、を有している。上述した図形表示部81と同様に、チップ表示像16a及び保持基板表示像17aは、半導体チップ16又は保持基板17の外形の概要を、略長方形形状で示している。ユニット枠84は、半導体チップ16のチップユニット16Aの範囲を示している。プレビュー画面72においては、チップ表示像16a、保持基板表示像17a、及びユニット枠84の形状は、入力画面91に入力されているパラメーターの値に対応した形状になっている。例えば、チップ表示像16a、保持基板表示像17a、及びユニット枠84の縦横比は、入力された縦方向寸法と横幅との比と同じになっている。チップ表示像16aと、保持基板表示像17aと、ユニット枠84との大きさの比は、入力された半導体チップ16の寸法値と、保持基板17の寸法値と、チップユニット16Aの範囲の大きさの寸法値と、の比と同じになっている。したがって、プレビュー画面72に表示されているチップ描画体15の画像は、入力されているパラメーターの値に対応した形状のチップ描画体15の縮小図又は拡大図である。画面表示部53aにおけるプレビュー画面72が表示されている部分が、プレビュー画面部に相当する。
【0063】
制限値表示画面64には、パラメーターの値として設定可能な最大値及び最小値が表示される。当該最大値及び最小値は、入力画面91で選択された入力ボックス92に対応するパラメーターにおける、最大値及び最小値である。最大値及び最小値は、例えば、物理的に設定可能な値を、パラメーターごとに予め設定しておく。物理的に設定可能ではない値は、例えば、パラメーターがチップ描画体15の保持基板17の幅であって、液滴吐出装置101に載置可能な幅より大きい保持基板17の幅の値である。物理的に設定可能ではない値は、例えば、パラメーターが半導体チップ16の幅であって、液滴吐出装置101が描画可能な最小ピッチより小さい半導体チップ16の幅の値である。画面表示部53aにおける制限値表示画面64が表示されている部分が、制限値表示画面部に相当する。
【0064】
<描画画像データ生成工程>
描画画像データを生成するために、最初に、画像データ生成装置50のホストコンピューター51を起動させて、例えば、新規作成を選択する。新規作成を選択することで、画面表示部53aに、図6(a)を参照して説明した設定画面60が表示される。
以降の説明では、設定画面60における横方向をW軸方向と表記し、W軸方向に対して直角な縦方向を、H軸方向と表記する。図6(a)などに示した補助表示画面71において、チップ表示像16a及び保持基板表示像17aの辺は、W軸方向又はH軸方向に略平行である。チップ表示像16aは、W軸方向に略平行な行と、H軸方向に略平行な列と、を構成する状態で整列している。チップ表示像16a又は保持基板表示像17aにおけるW軸方向又はH軸方向に相当する方向を、半導体チップ16又は保持基板17においても、W軸方向又はH軸方向と表記する。
【0065】
最初に、図5のステップS21からステップS23を実施することで、被描画体設定工程を実施して、チップ描画体15に関わるデータを入力する。
図5のステップS21では、チップ描画体15のレイアウト設定を実施する。レイアウト設定は、入力画面91の入力ボックス92に設定値を入力することで実施する。新規作成を選択することで表示される設定画面60の入力ボックス92には、デフォルトの値が表示されている。
【0066】
入力画面91において、20個の入力ボックス92が、10行2列に配置されている。
上から2行の入力ボックス92は、チップ描画体15の全体に関わるパラメーターを入力するものである。1行目の1列目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、保持基板17のW軸方向の幅である。1行目の2列目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、保持基板17のH軸方向の幅である。2行目の1列目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップ描画体15の厚さであって、保持基板17の厚さに半導体チップ16の厚さを加えた厚さである。2行目の2列目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、保持基板17の厚さである。
画面表示部53aにおけるチップ描画体15の厚さを入力するための入力ボックス92が表示されている部分が、総厚入力画面部に相当する。画面表示部53aにおける保持基板17の厚さを入力するための入力ボックス92が表示されている部分が、基材厚入力画面部に相当する。
【0067】
上から3行目から6行目までの入力ボックス92は、チップ描画体15におけるチップユニット16Aの構成に関わるパラメーターを入力するものである。
3行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)の基準点位置の座標である。チップユニットの基準点は、略長方形形状を有するユニット枠84の角のひとつ(図面で左上の角)である。座標の原点は、略長方形形状を有する保持基板17(保持基板表示像17a)の角のひとつ(図面で左上の角)である。
4行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)の列数及び行数である。チップユニットの列は、チップユニット16A(ユニット枠84)がH軸方向に並んだ列である。チップユニットの行は、チップユニット16A(ユニット枠84)がW軸方向に並んだ行である。
5行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)のW軸方向の幅、及びH軸方向の幅である。
6行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)のW軸方向の配設ピッチ(列ピッチ)、及びH軸方向の配設ピッチ(行ピッチ)である。
【0068】
上から7行目から10行目までの入力ボックス92は、チップユニット16Aにおける半導体チップ16の構成(ユニット枠84内のチップ表示像16aの構成)に関わるパラメーターを入力するものである。
7行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、半導体チップ16(チップ表示像16a)の基準点位置の座標である。半導体チップ16(チップ表示像16a)の基準点は、略長方形形状を有する半導体チップ16(チップ表示像16a)の角のひとつ(図面で左上の角)である。座標の原点は、略長方形形状を有するチップユニット16A(ユニット枠84)の角のひとつ(図面で左上の角)である。
8行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、チップユニット16A(ユニット枠84)における半導体チップ16(チップ表示像16a)の列数及び行数である。半導体チップ16(チップ表示像16a)の列は、半導体チップ16(チップ表示像16a)がH軸方向に並んだ列である。半導体チップ16(チップ表示像16a)の行は、半導体チップ16(チップ表示像16a)がW軸方向に並んだ行である。
9行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、半導体チップ16(チップ表示像16a)のW軸方向の幅、及びH軸方向の幅である。
10行目の入力ボックス92から入力するパラメーターは、半導体チップ16(チップ表示像16a)のW軸方向の配設ピッチ(列ピッチ)、及びH軸方向の配設ピッチ(行ピッチ)である。
【0069】
図7(a)は、入力ボックスが選択された状態の設定画面の例を示す説明図である。図7(a)に示した設定画面60では、保持基板17のW軸方向の幅の値を入力するために、1行目の1列目の入力ボックス92が選択されている。選択された入力ボックス92は、例えばキーボードなどから数値を入力できる入力状態となっている。選択されて入力状態となった入力ボックス92は、例えば、数値を表示する部分の背景及び数字の色を反転させることで、当該入力ボックス92が選択されていること及び入力状態であることが、判別できるようにする。
パラメーター位置画面74においては、平面表示画面75のパラメーター表示部82における保持基板17のW軸方向の幅を示す部分が、強調表示されている。強調表示するためには、例えば、色調を変えたり、濃さを変えたり、文字や線の太さを変えたりする。
制限値表示画面64には、最大値表示部66に、保持基板17のW軸方向の幅の最大値が、最小値表示部67に最小値が表示されている。この場合の保持基板17のW軸方向の幅の最大値は、例えば、液滴吐出装置101で描画できるワークの最大値である。
上述したように、入力ボックス92の選択は、選択する入力ボックス92又は当該入力ボックス92に対応するボックス表示93をクリックすることで実施することができる。また、パラメーター表示部82の表示をクリックすることによっても、当該表示に対応するパラメーター(入力ボックス92)を選択することができる。
【0070】
図7(b)は、パラメーターの入力が完了した状態の設定画面の例を示す説明図である。図7(b)に示した設定画面60は、20個のパラメーターの入力が完了した状態の設定画面60の例である。プレビュー画面72には、入力されたパラメーターの値が反映された形状のチップ表示像16a、保持基板表示像17a、及びユニット枠84が表示されている。
【0071】
入力ボックス92に入力された数値が、制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合には、警告画面68が表示される。図8は、警告画面が表示される場合の設定画面などの表示の例を示す説明図である。図8(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図であり、図8(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図である。
図8(a)に示した設定画面60では、最大値表示部66に表示された最大値が250mmである保持基板17のW軸方向の幅に対して、260mmが入力されている。次の入力をするためにENTERキーなどが押されると、図8(a)に示したように、設定画面60に重ねて、警告画面68が表示される。図8(a)に示した警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載されている。
表示された警告画面68は、警告画面68が有する「OK」ボタンをクリックすることで、図8(b)に示したように、消去される。このとき、図8(b)に示した保持基板17のW軸方向の幅の入力ボックス92(1行目1列目の入力ボックス92)の数値は、240mmになっている。240は、警告の対象となった260が入力される前に入力されていた数値である。
警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0072】
図5のステップS21の次に、ステップS22では、描画体のオプション設定を実施する。図9(a)は、描画体のオプション設定を実施するための設定画面を示す説明図である。図9(a)に示すように、描画体のオプション設定を実施するための設定画面60では、入力画面91には、オプション選択ボックス92aが形成されている。オプション選択ボックス92aはチェックボックスであり、チェックを入れることで、オプション設定が可能となる。図9(a)に示した例では、保持基板17の位置補正及び傾き補正が可能である。パラメーター位置画面74には、保持基板表示像17aと、位置補正及び傾き補正の基準軸が図示されている。
【0073】
図5のステップS22の次に、ステップS23では、チップユニット16Aのオプション設定を実施する。図9(b)は、チップユニットのオプション設定を実施するための設定画面を示す説明図である。図9(b)に示すように、チップユニットのオプション設定を実施するための設定画面60では、入力画面91には、オプション選択ボックス92aが形成されている。オプション選択ボックス92aはチェックボックスであり、チェックを入れることで、オプション設定が可能となる。図9(b)に示した例では、チップユニット16Aの行又は列ごとに、ピッチ間隔を個別に設定することができる。パラメーター位置画面74には、レイアウト設定の場合と同様の形状が図示されている。
【0074】
図5のステップS23の次に、ステップS24では、被描画体設定工程から画像処理マーク設定工程に移行する。図7(b)に示した設定画面60のように、被描画体設定工程を実施する状態の設定画面60において、工程移行ボタン62をクリックすることで、被描画体設定工程から画像処理マーク設定工程に移行する。このとき、被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合には、警告画面68が表示される。
図10は、警告画面が表示される場合の設定画面などの表示の例を示す説明図である。図10(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図であり、図10(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図である。入力されたパラメーターの値に不整合がある場合とは、それぞれのパラメーターの値は、パラメーターの値としては適切な値であるが、組み合わせた場合に適切ではない場合である。例えば、半導体チップ16の大きさや配設ピッチは適切であるが、半導体チップ16の列や行の長さが、保持基板17の幅や長さより長い場合などである。
図10(a)に示した設定画面60では、半導体チップ16のW軸方向及びH軸方向の幅が12mmであるが、列ピッチ及び行ピッチは、11mmに設定されている。このため、警告画面68が表示されている。図10(a)に示した警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載されている。
【0075】
表示された警告画面68は、警告画面68が有する「OK」ボタンをクリックすることで、図10(b)に示したように、消去される。このとき、図10(b)に示した半導体チップ16の列ピッチの入力ボックス92(10行目1列目の入力ボックス92)が、選択状態になっている。当該入力ボックス92に新たな値が入力されると、不適切な値が入力されたもう1個の入力ボックス92である半導体チップ16の行ピッチの入力ボックス92(10行目2列目の入力ボックス92)が、選択状態になる。
警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0076】
図5のステップS24の次に、ステップS25では、アライメントマークの位置設定を実施する。図11(a)は、アライメントマークの位置設定を実施するための設定画面を示す説明図である。図11(a)に示すように、アライメントマークの位置設定を実施するための設定画面60において、入力画面91には、アライメントマーク選択ボックス92bが形成されている。アライメントマーク選択ボックス92bはチェックボックスであり、チェックを入れることで、アライメントマーク位置の設定が可能となる。図11(a)に示した例では、2個のアライメントマークの位置と、保持基板17におけるアライメントマークを描画する面とが、設定可能である。保持基板17における半導体チップ16が載置された面が表面であり、反対側の面が裏面である。パラメーター位置画面74には、保持基板表示像17aと、アライメントマーク像86と、アライメントマーク像86の位置を示すパラメーター表示部82とが、表示されている。プレビュー画面72には、2個のアライメントマーク像86が、入力画面91に入力された値によって定まる位置に表示されている。
アライメントマークは、加工装置に載置したチップ描画体15のアライメントを実施する際に用いる。撮像装置によってアライメントマークを認識することで、加工装置に載置したチップ描画体15のアライメントを実施する。
【0077】
図5のステップS25の次に、ステップS26では、表裏判別マークの位置設定を実施する。図11(b)は、表裏判別マークの位置設定を実施するための設定画面を示す説明図である。図11(b)に示すように、表裏判別マークの位置設定を実施するための設定画面60において、入力画面91には、表裏判別マーク選択ボックス92cが形成されている。表裏判別マーク選択ボックス92cはチェックボックスであり、チェックを入れることで、表裏判別マーク位置の設定が可能となる。図11(b)に示した例では、表裏判別マークの位置と、保持基板17における表裏判別マークを描画する面とが、設定可能である。保持基板17における半導体チップ16が載置された面が表面であり、反対側の面が裏面である。パラメーター位置画面74には、保持基板表示像17aと、表裏判別マーク像87と、表裏判別マーク像87の位置を示すパラメーター表示部82とが、表示されている。プレビュー画面72には、表裏判別マーク像87が、入力画面91に入力された値によって定まる位置に表示されている。
【0078】
入力ボックス92に入力された数値が、制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合には、警告画面68が表示される。図12は、警告画面が表示される場合の設定画面などの表示の例を示す説明図である。図12(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図であり、図12(b)は、警告画面が消去された設定画面の表示の例を示す説明図である。
図12(a)に示した設定画面60では、最大値表示部66に表示された最大値が110mmである基準点のH軸方向の位置に対して、120mmが入力されている。次の入力をするためにENTERキーなどが押されると、図12(a)に示したように、設定画面60に重ねて、警告画面68が表示される。図12(a)に示した警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載されている。
表示された警告画面68は、警告画面68が有する「OK」ボタンをクリックすることで、図12(b)に示したように、消去される。このとき、図12(b)に示した表裏判別マークの基準点のH軸方向の位置の入力ボックス92(1行目2列目の入力ボックス92)の数値は、86mmになっている。86は、警告の対象となった120が入力される前に入力されていた数値である。
警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0079】
図5のステップS26の次に、ステップS27では、画像処理マーク設定工程から描画装置ユニット設定工程に移行する。図11に示した設定画面60のように、画像処理マーク設定工程を実施する状態の設定画面60において、工程移行ボタン62をクリックすることで、画像処理マーク設定工程から描画装置ユニット設定工程に移行する。このとき、画像処理マーク設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合には、図13(a)に示すように、警告画面68が表示される。図13(a)は、警告画面が表示された設定画面の表示の例を示す説明図である。
入力されたパラメーターの値に不整合がある場合とは、それぞれのパラメーターの値は、パラメーターの値としては適切な値であるが、組み合わせた場合に適切ではない場合である。例えば、図13(a)に示した例は、表裏判別マークの位置を規定する値が、制限値表示画面64に表示された最小値(0)から最大値(110)の範囲にある適切な値(100)であるが、被描画体設定工程で設定された保持基板17の幅(89)に納まらない値である場合である。警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載される。表示された警告画面68は、警告画面68が有する「OK」ボタンをクリックすることで、消去される。このとき、図10(b)を参照して説明した場合と同様に、表裏判別マークの位置を入力する入力ボックス92が、選択状態になる。当該入力ボックス92に新たな値が入力されると、不適切な値が入力された他の入力ボックス92が、選択状態になる。
警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0080】
図5のステップS27の次に、ステップS28では、描画装置ユニット設定工程の描画設定工程を実施する。図13(b)は、液滴吐出装置における描画モードを設定する際の設定画面を示す説明図である。描画設定工程では、図13(b)に示したように、液滴吐出装置101における描画モードを設定する。
【0081】
図5のステップS28の次に、ステップS29では、描画装置ユニット設定工程のマガジン設定工程を実施する。図14(a)は、マガジンに関わるパラメーターの値を設定する際の設定画面を示す説明図である。マガジン設定工程では、図14(a)に示したように、マガジンに関わるパラメーターの値を設定する。図14(a)に示すように、マガジン設定工程を実施するための設定画面60では、入力画面91には、マガジン設定選択ボックス92dが形成されている。マガジン設定選択ボックス92dはチェックボックスであり、チェックを入れることで、マガジン設定が可能となる。上述したように、チップ描画体15などは、所定のマガジンに装着される。チップ描画体15などが装着されたマガジンをロード装置105に装填することで、チップ描画体15などが、描画装置ユニット100に供給される。マガジン設定工程では、生成しているチップ描画画像150Aを描画する際に用いるマガジンに関わるパラメーターの値を設定する。
【0082】
図5のステップS29の次に、ステップS30では、描画装置ユニット設定工程の前処理設定工程を実施する。図14(b)は、前処理設定工程を実施するための設定画面を示す説明図である。図14(b)に示すように、前処理設定工程を実施するための設定画面60では、入力画面91には、前処理設定選択ボックス92eが形成されている。前処理設定選択ボックス92eはチェックボックスであり、チェックを入れることで、前処理設定が可能となる。上述したように、前処理装置103は、チップ描画体15などを、液滴吐出装置101によって描画するために好適な状態にするための前処理を実施する。前処理設定工程では、当該前処理の諸条件に関わるパラメーターの値を入力する。
【0083】
図5のステップS30の次に、ステップS31では、チップ画像貼付工程に移行する。図14などに示した完了ボタン63をクリックすることによって、図15(a)に示すように、チップ画像貼付工程を実施するための画像貼付画面600が表示される。
完了ボタン63がクリックされた場合には、それまでに入力された各パラメーターの値に不整合がないかが検証される。不整合があった場合には、警告画面68が表示され、不整合の是正が促される。不整合がない場合には、完了ボタン63がクリックされたことによって、入力された各パラメーターの値が確定される。
画面表示部53aにおける完了ボタン63が表示されている部分が、設定確認ボタン部に相当する。警告画面68が、不整合警告画面に相当する。描画画像データを生成するための演算を実施し、警告画面68を表示させる演算も実施する演算装置51aが、警告表示制御部に相当する。
【0084】
図5のステップS31の次に、ステップS32では、チップ画像貼付工程を実施する。図15は、チップ画像貼付工程を実施する際の画像貼付画面を示す説明図である。図15(a)は、チップ画像像を貼り付ける前の画像貼付画面を示す説明図であり、図15(b)は、チップ画像像を貼り付けた画像貼付画面を示す説明図である。
チップ画像貼付工程では、最初にチップ画像取得工程を実施する。チップ画像取得工程を実施することによって、図15(a)に示したように、画像貼付画面600にチップ画像像150aが挿入される。図15(a)に示した画像貼付画面600では、2種類のチップ画像像150aが挿入されている。
次に、チップ画像貼付工程では、図15(a)に示したような画像貼付画面600において、チップ画像像150aを、レイアウト表示画面720におけるチップ表示像16aの上に貼り付ける。所定のチップ画像像150aを、当該チップ画像像150aを印刷するチップ表示像16aの上に貼り付けることで、図15(b)に示したように、描画画像が形成される。
【0085】
図5のステップS32の次に、ステップS33では、描画画像データを出力する。描画画像データは電子データであり、画像データ生成装置50の入出力装置52から出力する。図16は、生成された描画画像データの例を示す説明図である。図16に一部を示した描画画像データが電子データとして出力される。
ステップS33を実施して、描画画像データを生成する工程を終了する。
描画画像データの電子データは、描画装置ユニット100の描画ユニット制御装置107に入力される。描画ユニット制御装置107は、入力された描画画像データにしたがって、図15(b)に示したような、チップ画像の描画を実施する。
【0086】
以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)画像データ生成装置50では、画面表示部53aに、描画画像データを生成するために用いる各種の設定画面を表示する。画像データ生成装置50を用いて描画画像データを生成する操作者は、描画画像データを生成するための各種パラメーターの設定値を、表示されている設定画面に沿って入力することで、入力中のパラメーターを正しく認識し易くすることができる。これにより、誤った操作をすることを抑制することができる。
【0087】
(2)設定画面60は、補助表示画面71と、入力画面91と、を備えている。補助表示画面71で確認しながら、入力画面91からパラメーターの値を入力することができるため、入力しようとしているパラメーターを正しく認識し易くすることができる。これにより、入力しようとしているパラメーターを錯誤することを抑制することができる。
【0088】
(3)補助表示画面71には、入力画面91から入力されるパラメーターが、図面のような二次元形状として表示される。これにより、パラメーターの値を補助表示画面部に表示された二次元形状として視認することができる。パラメーターの値を二次元形状として視認することができることで、パラメーターの値を確認し易くすることができる。
【0089】
(4)補助表示画面71は、パラメーター位置画面74を備えている。パラメーター位置画面74は、図形表示部81と、パラメーター表示部82と、を備えている。図形表示部81は、チップ表示像16aなどのチップ描画体15の概略形状を表示し、パラメーター表示部82は、図形表示部81における各パラメーターに対応する部分を示している。これにより、各パラメーターを明確に図示することができる。
【0090】
(5)パラメーター位置画面74は、表示選択ボックス77を備えている。表示選択ボックス77のチェックを外すことで、選択されたパラメーターのみがパラメーター表示部82に表示される。これにより、選択されたパラメーターをわかりやすくすることができる。
【0091】
(6)補助表示画面71は、プレビュー画面72を備えている。プレビュー画面72においては、チップ表示像16a、保持基板表示像17a、及びユニット枠84の形状は、入力画面91に入力されているパラメーターの値に対応した形状になっており、プレビュー画面72に表示されているチップ描画体15の画像は、入力されているパラメーターの値に対応した形状のチップ描画体15の縮小図又は拡大図である。これにより、入力したパラメーターの値を形状として確認することができる。
【0092】
(7)設定画面60は、制限値表示画面64を備えている。制限値表示画面64には、入力画面91で選択された入力ボックス92に対応するパラメーターにおける、最大値及び最小値が表示される。制限値表示画面64を備えることで、入力しようとしているパラメーターの最大値及び最小値を認識し易くすることができる。これにより、設定可能な最大値又は最小値を超える値が入力されることを抑制することができる。
【0093】
(8)チップ描画体15におけるチップユニット16Aの構成に関わるパラメーターを入力する入力ボックス92と、チップユニット16Aにおける半導体チップ16の構成(ユニット枠84内のチップ表示像16aの構成)に関わるパラメーターを入力する入力ボックス92と、を備えている。これにより、半導体チップ16を、半導体チップ16の集合体であるチップユニット16Aの単位で扱うことができる。チップユニット16Aの単位で扱うことで、個別の半導体チップ16ごとに扱う場合にくらべて、扱うデータ量を少なくすることができる。
【0094】
(9)入力ボックス92に入力された数値が、制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合には、警告画面68が表示される。これにより、最大値又は最小値を超える値が入力されることを、実質的になくすることができる。
【0095】
(10)制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合に表示された警告画面68が、消去されたときには、警告の対象となった入力ボックス92の数値は、警告の対象となった数値が入力される前に入力されていた数値となる。これにより、警告の対象となった数値がそのまま入力されることを、実質的になくすることができる。
【0096】
(11)制限値表示画面64に表示された最小値から最大値の範囲を超えた場合に表示された警告画面68には、不適切な値であることの理由を通知するコメントが記載されている。これにより、不適切な値であることの原因を避けて適切な値を選択することを容易にすることができる。
【0097】
(12)工程移行ボタン62をクリックすることで、被描画体設定工程から画像処理マーク設定工程に移行する際に、被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合には、警告画面68が表示される。被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合がある状態で被描画体設定工程を終了することを、実質的になくすることができる。
【0098】
(13)被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合に表示された警告画面68には、パラメーターの値が不整合であることの理由を通知するコメントが記載されている。これにより、不整合となる原因を避けて適切な値を選択することを容易にすることができる。
【0099】
(14)被描画体設定工程において入力されたパラメーターの値に不整合があった場合に表示された警告画面68が消去された際には、パラメーターの値に不整合が生じた入力ボックス92が選択状態になる。これにより、不整合が生じたパラメーターを認識し易くして、不適切な値を修正し易くすることができる。
【0100】
(15)設定画面60は、完了ボタン63を備え、完了ボタン63をクリックすることによって、チップ画像貼付工程に移行する。このとき、完了ボタン63がクリックされたことによって、入力された各パラメーターの値が確定される。これにより、設定が完了したことを明確にすることができるため、設定が完了しない状態でチップ画像貼付工程に移行することを抑制することができる。
【0101】
(16)設定画面60は、完了ボタン63を備え、完了ボタン63をクリックすることによって、チップ画像貼付工程に移行する。このとき、これまでに入力されたパラメーターの値に不整合があった場合には、警告画面68が表示される。これにより、入力されたパラメーターの値に不整合がある状態でチップ画像貼付工程に移行することを、実質的になくすることができる。
【0102】
(17)完了ボタン63がクリックされた際に、設定画面60を用いて入力されたパラメーターの値に不整合があった場合に表示された警告画面68には、パラメーターの値が不整合であることの理由を通知するコメントが記載されている。これにより、不整合となる原因を避けて適切な値を選択することを容易にすることができる。
【0103】
(18)完了ボタン63がクリックされた際に、設定画面60を用いて入力されたパラメーターの値に不整合があった場合に表示された警告画面68が消去された際には、パラメーターの値に不整合が生じた入力ボックス92が選択状態になる。これにより、不整合が生じたパラメーターを認識し易くして、不適切な値を修正し易くすることができる。
【0104】
(19)選択されて入力状態となった入力ボックス92は、例えば、数値を表示する部分の背景及び数字の色を反転させている。これにより、当該入力ボックス92が選択されていること及び入力状態であることを明示することができる。
【0105】
(20)パラメーター位置画面74においては、平面表示画面75又は厚さ表示画面76のパラメーター表示部82における、選択されたパラメーターに対応する部分が、強調表示される。これにより、選択されたパラメーターを、平面表示画面75又は厚さ表示画面76の二次元形状において、視認することができる。
【0106】
(21)パラメーター位置画面74におけるパラメーター表示部82の表示をクリックすることによって、当該表示に対応するパラメーター(入力ボックス92)を選択することができる。これにより、平面表示画面75又は厚さ表示画面76の二次元形状において視認しながら、パラメーター(入力ボックス92)を選択することができる。
【0107】
(22)入力可能なパラメーターとして、チップ描画体15の厚さ(保持基板17の厚さに半導体チップ16の厚さを加えた厚さ)が設定されている。これにより、チップ描画体15の厚さの情報を、生成する描画画像データに付加することができる。チップ描画体15の厚さの情報は、例えば、チップ描画体15を液滴吐出装置101にセットして描画する際に、液滴吐出ヘッド20との隙間を正確に設定するために有用である。
【0108】
(23)入力可能なパラメーターとして、保持基板17の厚さが設定されている。これにより、保持基板17の厚さの情報を、生成する描画画像データに付加することができる。保持基板17の厚さの情報は、例えば、チップ描画体15を液滴吐出装置101にセットしてアライメントマークや表裏判別マークを描画する際に、液滴吐出ヘッド20と被描画である保持基板17の面との距離を正確に設定するために有用である。
また、アライメントマークや表裏判別マークを光学的に認識する際に、焦点を合わせるべき位置(アライメントマークや表裏判別マークが形成されている面の位置)を特定するために有用である。
【0109】
(24)描画装置ユニット100は、液滴吐出装置101と、搬送ロボット102と、前処理装置103と、温度調整装置104aと、温度調整装置104bと、ロード装置105と、アンロード装置106と、描画ユニット制御装置107と、を備えている。画像データ生成装置50は、描画装置ユニット100を用いてチップ描画画像150Aを描画するための描画画像データを生成する機能を有している。これにより、描画装置ユニット100に、画像データ生成装置50によって生成した描画画像データを入力し、チップ描画体15を供給することで、半導体チップ16にチップ画像150を描画することができる。
【0110】
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0111】
(変形例1)前記実施形態においては、チップ描画画像150Aの描画画像データにしたがってチップ描画画像150Aを描画する描画装置ユニット100は、インクジェット方式の液滴吐出ヘッド20を備える液滴吐出装置101を備えていた。しかし、描画を実施する装置がインクジェット方式の吐出ヘッドを備える装置であることは必須ではない。描画を実施する装置は、インクジェット方式以外の方式の吐出ヘッドを備える装置であってもよい。吐出ヘッドは、液状体を液滴としてではなく、連続して吐出するような方式の吐出ヘッドであってもよい。
また、描画を実施する装置が液状体を用いて画像を形成する装置であることも必須ではない。レーザー光を照射して、被描画媒体におけるレーザー光が照射された部分の状態を変化させることによって画像を形成する装置などであってもよい。
【0112】
(変形例2)前記実施形態においては、画像データ生成装置50は、描画装置ユニット100とは別の装置であったが、データ生成装置が画像を形成する装置と別体であることは必須ではない。描画ユニット制御装置107のような描画制御装置が、画像データ生成装置50のようなデータ生成装置を含む構成であってもよい。また、描画制御装置とデータ生成装置とを電気的に接続して、画像データを、データ生成装置から描画制御装置に直接送信する構成であってもよい。
【0113】
(変形例3)前記実施形態においては、画像データ生成装置50は、描画装置ユニット100を用いてチップ描画画像150Aなどを描画するための描画画像データを生成する機能を有していた。したがって、前処理工程や、被描画媒体の給材や除材に関わるデータも生成可能であった。しかし、データ生成装置が生成する描画画像データが、前処理工程や、被描画媒体の給材や除材に関わるデータまで含むことは必須ではない。データ生成装置は、液滴吐出装置101のような描画装置を稼働させるために必要なデータを形成できる機能のみを備える装置であってもよい。
【0114】
(変形例4)前記実施形態においては、被描画媒体として半導体チップ16を例にして説明したが、被描画媒体は半導体チップに限らない。上述したデータ生成装置、データ生成方法、又はプログラムが好適に機能する被描画媒体は、多数の被描画媒体に対して被描画媒体のそれぞれに画像を描画する際に、略同時に描画を実施することで効率よく描画できるような被描画媒体であれば、どのような被描画媒体であってもよい。例えば、パッケージされた半導体装置へのマーキングや、ラベルへの印刷や、様々な器物への加飾や、配線基板への金属配線の印刷などを実施する場合にも、上述したデータ生成装置、データ生成方法、又はプログラムを好適に適用することができる。
【0115】
(変形例5)前記実施形態においては、制限値表示画面64には、パラメーターの最大値を表示する最大値表示部66と、最小値を表示する最小値表示部67とを備えていたが、制限値表示画面部に最大値及び最小値の両方を表示することは必須ではない。制限値表示画面部に、最大値又は最小値のいずれか一方のみを表示する構成又は方法であってもよい。
【符号の説明】
【0116】
15…チップ描画体、16…半導体チップ、16A…チップユニット、16a…チップ表示像、17…保持基板、17a…保持基板表示像、50…画像データ生成装置、51…ホストコンピューター、51a…演算装置、51b…記憶装置、52…入出力装置、53…表示装置、53a…画面表示部、60…設定画面、61…工程表示画面、62…工程移行ボタン、63…完了ボタン、64…制限値表示画面、66…最大値表示部、67…最小値表示部、68…警告画面、71…補助表示画面、72…プレビュー画面、74…パラメーター位置画面、75…平面表示画面、76…厚さ表示画面、77…表示選択ボックス、81…図形表示部、82…パラメーター表示部、84…ユニット枠、86…アライメントマーク像、87…表裏判別マーク像、91…入力画面、92…入力ボックス、92a…オプション選択ボックス、92b…アライメントマーク選択ボックス、92c…表裏判別マーク選択ボックス、92d…マガジン設定選択ボックス、92e…前処理設定選択ボックス、93…ボックス表示、100…描画装置ユニット、101…液滴吐出装置、102…搬送ロボット、103…前処理装置、104a,104b…温度調整装置、105…ロード装置、106…アンロード装置、107…描画ユニット制御装置、110…パッケージ画像、110A…パッケージ描画画像、150…チップ画像、150A…チップ描画画像、150a…チップ画像像、600…画像貼付画面、720…レイアウト表示画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成装置であって、
前記画像データを規定するパラメーターの値を入力するための入力ボックスを有する入力画面部と、
入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示画面部と、を備えることを特徴とするデータ生成装置。
【請求項2】
前記パラメーターは、前記被描画媒体の形状を規定する形状パラメーター及び前記被描画媒体の配置を規定する配置パラメーターを含み、
前記補助表示画面部は、前記被描画媒体の形状及び配置位置を、前記形状パラメーターの値又は前記配置パラメーターの値に従って形成した二次元形状を表示するプレビュー画面部を有することを特徴とする、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項3】
前記入力画面部は、設定確認ボタン部を備え、
入力された前記パラメーターの値は、前記設定確認ボタン部が選択されることによって確定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のデータ生成装置。
【請求項4】
選択された前記入力ボックスを用いて値を入力する前記パラメーターにおいて設定可能な最大値及び最小値の少なくとも一方を表示する制限値表示画面部をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項5】
不整合警告画面を表示させる警告表示制御部をさらに備え、
前記警告表示制御部は、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合に、前記不整合警告画面を表示させることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項6】
入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、
前記不整合警告画面を表示するとともに、不適切な数値が入力された前記入力ボックスに表示されている数値を、不適切な数値が入力される直前の数値に戻すことを特徴とする、請求項5に記載のデータ生成装置。
【請求項7】
入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、
前記不整合警告画面を表示するとともに、不適切な数値が入力されている前記入力ボックスを、選択状態にすることを特徴とする、請求項5に記載のデータ生成装置。
【請求項8】
入力された前記パラメーターの値が物理的に矛盾する場合が、入力された前記パラメーターの値が不適切な場合であることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項9】
入力された前記パラメーターの値で規定される前記描画画像を、前記描画画像を描画するための描画装置で描画することができない場合が、入力された前記パラメーターの値が不適切な場合であることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項10】
前記入力画面部は、前記被描画体の厚さを入力するための総厚入力画面部を備えることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項11】
前記入力画面部は、前記被描画体において前記被描画媒体を支持する描画体基材の厚さを入力するための基材厚入力画面部を備えることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項12】
複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成方法であって、
前記画像データを規定するパラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、
入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、を有することを特徴とするデータ生成方法。
【請求項13】
複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するための工程をコンピューターに実行させるためのプログラムであって、
前記画像データを規定するパラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、
入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成装置であって、
前記画像データを規定するパラメーターの値を入力するための入力ボックスを有する入力画面部と、
入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示画面部と、を備えることを特徴とするデータ生成装置。
【請求項2】
前記パラメーターは、前記被描画媒体の形状を規定する形状パラメーター及び前記被描画媒体の配置を規定する配置パラメーターを含み、
前記補助表示画面部は、前記被描画媒体の形状及び配置位置を、前記形状パラメーターの値又は前記配置パラメーターの値に従って形成した二次元形状を表示するプレビュー画面部を有することを特徴とする、請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項3】
前記入力画面部は、設定確認ボタン部を備え、
入力された前記パラメーターの値は、前記設定確認ボタン部が選択されることによって確定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のデータ生成装置。
【請求項4】
選択された前記入力ボックスを用いて値を入力する前記パラメーターにおいて設定可能な最大値及び最小値の少なくとも一方を表示する制限値表示画面部をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項5】
不整合警告画面を表示させる警告表示制御部をさらに備え、
前記警告表示制御部は、入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合に、前記不整合警告画面を表示させることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項6】
入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、
前記不整合警告画面を表示するとともに、不適切な数値が入力された前記入力ボックスに表示されている数値を、不適切な数値が入力される直前の数値に戻すことを特徴とする、請求項5に記載のデータ生成装置。
【請求項7】
入力された前記パラメーターの値が不適切な値の場合、
前記不整合警告画面を表示するとともに、不適切な数値が入力されている前記入力ボックスを、選択状態にすることを特徴とする、請求項5に記載のデータ生成装置。
【請求項8】
入力された前記パラメーターの値が物理的に矛盾する場合が、入力された前記パラメーターの値が不適切な場合であることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項9】
入力された前記パラメーターの値で規定される前記描画画像を、前記描画画像を描画するための描画装置で描画することができない場合が、入力された前記パラメーターの値が不適切な場合であることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項10】
前記入力画面部は、前記被描画体の厚さを入力するための総厚入力画面部を備えることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項11】
前記入力画面部は、前記被描画体において前記被描画媒体を支持する描画体基材の厚さを入力するための基材厚入力画面部を備えることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデータ生成装置。
【請求項12】
複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するデータ生成方法であって、
前記画像データを規定するパラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、
入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、を有することを特徴とするデータ生成方法。
【請求項13】
複数の被描画媒体を備える被描画体に描画するための描画画像の画像データを生成するための工程をコンピューターに実行させるためのプログラムであって、
前記画像データを規定するパラメーターの値を入力させる規定値入力工程と、
入力された前記パラメーターの値を二次元形状として表示する補助表示工程と、をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図16】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図16】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−243183(P2012−243183A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114415(P2011−114415)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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