説明

データ生成装置およびデータ生成方法、データ処理装置およびデータ処理方法

【課題】複数種類のデータの所望の組み合わせを再生対象として容易に選択することができるようにする。
【解決手段】エンコード部32は、主画像、音声、および副画像のAVデータを符号化し、AVストリームを生成する。データ入力部21は、主画像、音声、および副画像の少なくとも2種類のトラックの組み合わせを表すグループ情報を複数生成する。ファイル生成部33は、主画像、音声、および副画像のトラックのAVストリームと、複数のグループ情報とを含むMP4ファイルを生成する。本発明は、例えば、記録装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ生成装置およびデータ生成方法、データ処理装置およびデータ処理方法に関し、特に、複数種類のデータの所望の組み合わせを再生対象として容易に選択することができるようにしたデータ生成装置およびデータ生成方法、データ処理装置およびデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MP4は、MPEG4(Moving Picture Experts Group phase 4)方式などで符号化されたデータの格納ファイル形式であり、ISO/IEC14496に規定されている。MP4については、例えば、特許文献1乃至5に記載されている。
【0003】
従来、MP4ファイルでは、主画像(Video)、音声(Audio)、副画像(Subtitle)などのAV(Audio Video)データがトラックごとに格納される。なお、トラックとは、独立して管理可能なAVデータの単位である。また、MP4ファイルでは、同一の種類(例えば、主画像、音声、副画像など)のトラックは、グループ化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−507553号公報
【特許文献2】特表2005−524128号公報
【特許文献3】特表2005−527885号公報
【特許文献4】特表2005−525627号公報
【特許文献5】特開2004−227633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、異なる種類のトラックをグループ化することはできなかった。従って、複数種類のトラックをグループ化することはできなかった。その結果、再生対象の初期値として設定されている各種類のトラックが、ユーザの意図するものではない場合、ユーザは、所望のトラックを種類ごとに選択し、再生対象のトラックを変更する必要がある。
【0006】
例えば、ユーザが、主画像としての映画とともに、英語用の音声および副画像としての日本語用の字幕を視聴したい場合、再生対象の初期値として、映画および日本語用の音声のトラックが設定されていると、ユーザは、再生対象の音声のトラックとして英語用の音声のトラックを選択し、再生対象の副画像のトラックとして日本語用の字幕のトラックを選択する必要があり、手間がかかる。従って、複数種類のトラックの所望の組み合わせを再生対象として容易に選択可能にすることが望まれている。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数種類のデータの所望の組み合わせを再生対象として容易に選択することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面のデータ生成装置は、複数種類のデータを符号化し、符号化データを生成する符号化手段と、複数種類の前記データの組み合わせを表すグループ情報を複数生成する情報生成手段と複数種類の前記データの前記符号化データと、複数の前記グループ情報を含む符号化データ格納ファイルを生成するファイル生成手段とを備えるデータ生成装置である。
【0009】
本発明の第1の側面のデータ生成方法は、本発明の第1の側面のデータ生成装置に対応する。
【0010】
本発明の第1の側面においては、複数種類のデータが符号化されて、符号化データが生成され、複数種類の前記データの組み合わせを表すグループ情報が複数生成され、複数種類の前記データの前記符号化データと、複数の前記グループ情報を含む符号化データ格納ファイルが生成される。
【0011】
本発明の第2の側面のデータ処理装置は、複数種類のデータの符号化データを含み、複数種類の前記データの組み合わせを表すグループ情報を複数含む符号化データ格納ファイルを取得する取得手段と、複数の前記グループ情報に基づいて、前記グループ情報が表す組み合わせを選択するための画面を表示させる表示制御手段と、前記画面に対するユーザからの入力に応じて、複数の前記グループ情報が表す組み合わせの中から、再生対象とするデータの組み合わせを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記組み合わせに含まれる全ての前記データの前記符号化データを復号する復号手段とを備えるデータ処理装置である。
【0012】
本発明の第2の側面のデータ処理方法は、本発明の第2の側面のデータ処理装置に対応する。
【0013】
本発明の第2の側面においては、複数種類のデータの符号化データを含み、複数種類の前記データの組み合わせを表すグループ情報を複数含む符号化データ格納ファイルが取得され、複数の前記グループ情報に基づいて、前記グループ情報が表す組み合わせを選択するための画面が表示され、前記画面に対するユーザからの入力に応じて、複数の前記グループ情報が表す組み合わせの中から、再生対象とするデータの組み合わせが選択され、選択された前記組み合わせに含まれる全ての前記データの前記符号化データが復号される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の側面によれば、複数種類のデータの所望の組み合わせを再生対象として容易に選択可能にするファイルを生成することができる。
【0015】
本発明の第2の側面によれば、複数種類のデータの所望の組み合わせを再生対象として容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用したデータ生成装置としての記録装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】MP4ファイルの構成例を示す図である。
【図3】プレゼンテーショントラックグループボックスの記述例を示す図である。
【図4】トラックの第1の例を示す図である。
【図5】図4に示したトラックが記録される場合のグループ情報の例を示す図である。
【図6】トラックの第2の例を示す図である。
【図7】図6に示したトラックが記録される場合のグループ情報の例を示す図である。
【図8】トラックの第3の例を示す図である。
【図9】画面の黒帯部を説明する図である。
【図10】図8に示したトラックが記録される場合のグループ情報の例を示す図である。
【図11】記録処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明を適用したデータ処理装置としての再生装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図13】メニュー画面の例を示す図である。
【図14】本編ボタンが選択されたときに表示される画面の例を示す図である。
【図15】プレゼンテーションボタンが選択されたときに表示される画面の例を示す図である。
【図16】再生処理を説明するフローチャートである。
【図17】トラック変更処理を説明するフローチャートである。
【図18】コンピュータの一実施の形態の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<一実施の形態>
[記録装置の一実施の形態の構成例]
図1は、本発明を適用したデータ生成装置としての記録装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1の記録装置10は、記録処理部11、記録メディア12、ユーザ入力部13、および制御部14により構成される。記録装置10は、AVデータのMP4ファイルを生成し、記録する。
【0019】
具体的には、記録処理部11は、データ入力部21、データ符号化部22、および記録部23により構成される。
【0020】
記録処理部11のデータ入力部21は、記録装置10の外部からAVデータをトラック単位で取得する。このAVデータとしては、2Dの主画像、3Dの主画像、2Dの主画像から3Dの主画像への変換用の画像(以下、変換画像という)、各種の言語用の音声、各種の言語用の2Dの副画像、各種の言語用の3Dの副画像などのAVデータがある。
【0021】
なお、3Dの主画像は、例えば、左目用の主画像と右目用の主画像から構成される。3Dの副画像についても同様である。また、変換画像は、左目用の主画像と右目用の主画像のいずれか一方であり、変換画像の再生時には、2Dの主画像が、他方として用いられる。また、副画像としては、字幕、コメント画像、メニュー画面などがある。
【0022】
データ入力部21(情報生成手段)は、制御部14からの指示にしたがって、主画像、音声、および副画像の少なくとも2種類のトラックの組み合わせを表すグループ情報を生成する。データ入力部21は、AVデータとグループ情報をデータ符号化部22に供給する。
【0023】
データ符号化部22は、前処理部31、エンコード部32、およびファイル生成部33により構成され、MP4ファイルを生成する。
【0024】
具体的には、データ符号化部22の前処理部31は、データ入力部21から供給される3Dの画像である3Dの主画像および3Dの副画像のトラック単位のAVデータに対して、所定の方式の前処理を行う。所定の方式としては、フレームシーケンシャル方式、サイドバイサイド方式、トップアンドボトム方式などがある。
【0025】
フレームシーケンシャル方式の前処理とは、3Dの画像を構成する左目用の画像と右目用の画像のAVデータを交互に出力する処理である。サイドバイサイド方式の前処理とは、3Dの画像のAVデータから、3Dの画像を構成する左目用の画像が画面上の左右の領域のいずれか一方に配置され、右目用の画像が他方に配置される画像のAVデータを生成し、出力する処理である。トップアンドボトム方式の前処理とは、3Dの画像のAVデータから、3D画像を構成する左目用の画像が画面上の上下の領域のいずれか一方に配置され、右目用の画像が他方に配置される画像のAVデータを生成し、出力する処理である。
【0026】
また、前処理部31は、データ入力部21から供給される3Dの主画像および3Dの副画像のAVデータ以外のAVデータとグループ情報を、そのままエンコード部32に供給する。
【0027】
エンコード部32(符号化手段)は、前処理部31から供給されるトラック単位のAVデータを、MP4にしたがった方式で符号化する。例えば、エンコード部32は、主画像のAVデータをMPEG1,MPEG2,MPEG4方式などで符号化し、副画像のAVデータをJPEG(Joint Photographic Experts Group)やPNG(Portable Network Graphics)方式などで符号化する。また、エンコード部32は、音声のAVデータをAAC(Advanced Audio Coding)やMP3(Moving Picture Experts Group Audio Layer-3)方式などで符号化する。
【0028】
エンコード部32は、符号化の結果得られるトラック単位のAVストリームをファイル生成部33に供給する。また、エンコード部32は、グループ情報をそのままファイル生成部33に供給する。
【0029】
ファイル生成部33(ファイル生成手段)は、エンコード部32から供給されるトラック単位のAVストリームおよびグループ情報、並びに、制御部14から供給される各トラックの管理情報を用いて、MP4ファイルを生成する。ファイル生成部33は、生成されたMP4ファイルを記録部23に供給する。
【0030】
記録部23は、ファイル生成部33から供給されるMP4ファイルを記録メディア12に供給し、記録させる。
【0031】
記録メディア12は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disc)等により構成される。
【0032】
ユーザ入力部13は、操作ボタン等で構成され、ユーザからの指示を受け付け、制御部14に供給する。
【0033】
制御部14は、記録処理部11の各部に対して制御等の処理を行う。例えば、制御部14は、ユーザ入力部13からの指示に応じて、各トラックの符号化方式を決定し、その符号化方式で符号化するようにエンコード部32を制御する。また、制御部14は、ユーザ入力部13からの指示に応じて、各トラックのトラックに固有のIDであるトラックID、トラックの内容を表す情報、符号化方式などを含む管理情報を生成し、ファイル生成部33に供給する。
【0034】
[MP4ファイルの構成例]
図2は、ファイル生成部33により生成されるMP4ファイルの構成例を示す図である。
【0035】
図2に示すように、MP4ファイルは、オブジェクト指向のデータ構造を有し、各オブジェクトはボックス(Box)と呼ばれる。
【0036】
図2のMP4ファイルは、ファイルタイプボックス(ftyp)、ムービーボックス(moov)、および実データボックス(mdat)により構成される。
【0037】
ファイルタイプボックスには、ファイルタイプについての情報が配置される。
【0038】
ムービーボックスには、実データボックスに配置されるトラック単位のAVストリームの管理情報が配置される。具体的には、ムービーボックスには、グループ情報が配置されるプレゼンテーショントラックグループボックス(PTGP)、各トラックの管理情報が配置される各トラック用のボックス(trak)などが設けられる。
【0039】
実データボックスには、AVストリームがトラック単位で配置される。
【0040】
[プレゼンテーショントラックグループボックスの記述例]
図3は、プレゼンテーショントラックグループボックスの記述例を示す図である。
【0041】
図3に示すプレゼンテーショントラックグループボックスの記述のうち、第3行目の記述「for(i=1;i≦number_of_presentations;i++)」は、第4行目乃至第9行目の記述が、グループ情報の数だけ繰り返されることを表している。即ち、第4行目乃至第9行目の記述が、グループ情報である。
【0042】
具体的には、第4行目の記述「presentation_unit_size」は、グループ情報のデータサイズを表している。また、第5行目の記述「number_of_track_IDs」は、グループ情報が表す組み合わせに含まれるトラックのトラックIDの数を表している。第6行目の記述「for(j=1;j≦number_of_track_IDs;j++)」は、第7行目の記述が、グループ情報が表す組み合わせに含まれるトラックのトラックIDの数だけ繰り返されることを表している。第7行目の記述「track_ID」は、グループ情報が表す組み合わせに含まれるトラックのトラックIDを表す。第9行目の記述「metadata」は、グループ情報が表す組み合わせに含まれるトラックの内容を表すメタデータを表している。このメタデータは、例えば、UTF16BE方式で符号化された文字データであり、NULL文字で終了するデータである。
【0043】
以上のように、プレゼンテーショントラックグループボックスには、グループ情報のサイズ、グループ情報が表す組み合わせに含まれる全トラックの数およびトラックID、並びにメタデータが、グループ情報ごとに記述される。
【0044】
[トラックとグループ情報の例]
図4乃至図10は、記録メディア12に記録されるトラックとグループ情報の例を説明する図である。
【0045】
図4は、記録メディア12に記録されるトラックの第1の例を示す図である。
【0046】
図4の例では、トラックIDが1乃至6である6つのトラックが、記録メディア12に記録される。トラックID「1」のトラックは、主画像のトラックであり、2Dのアメリカ映画の画像データにより構成される。トラックID「2」のトラックは、1つ目の音声のトラックであり、5.1chの日本語用の音声の音声データにより構成される。トラックID「3」のトラックは、2つ目の音声のトラックであり、2chの日本語用の音声の音声データにより構成される。トラックID「4」のトラックは、3つ目の音声のトラックであり、5.1chの英語用の音声の音声データにより構成される。
【0047】
また、トラックID「5」のトラックは、1つ目の副画像のトラックであり、日本語用の2Dの字幕の画像データにより構成される。トラックID「6」のトラックは、2つ目の副画像のトラックであり、日本語用の2Dのコメント画像の画像データである。このコメント画像は、例えば、2Dのアメリカ映画の監督のコメントの日本語訳などを表す画像である。
【0048】
図5は、図4に示したトラックが記録メディア12に記録される場合のグループ情報の例を示す図である。
【0049】
図5の例では、記録メディア12に5つのグループ情報が記録される。第1のグループ情報には、トラックID「1」および「2」、並びに、メタデータ「日本語吹き替え(5.1ch)」が含まれる。即ち、第1のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラックと、トラックID「2」の5.1chの日本語用の音声のトラックの組み合わせを表している。この第1のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、2Dのアメリカ映画の5.1chの日本語吹き替え版である。
【0050】
第2のグループ情報には、トラックID「1」および「3」、並びに、メタデータ「日本語吹き替え(2ch)」が含まれる。即ち、第2のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラックと、トラックID「3」の2chの日本語用の音声のトラックの組み合わせを表している。この第2のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、2Dのアメリカ映画の2chの日本語吹き替え版である。
【0051】
第3のグループ情報には、トラックID「1」および「4」、並びに、メタデータ「English (5.1ch)」が含まれる。即ち、第3のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラックと、トラックID「4」の5.1chの英語用の音声のトラックの組み合わせを表している。この第3のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、2Dのアメリカ映画である。
【0052】
第4のグループ情報には、トラックID「1」、「4」、および「5」、並びに、メタデータ「English(5.1ch、Japanese Subtitle)」が含まれる。即ち、第4のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラック、トラックID「4」の5.1chの英語用の音声のトラック、およびトラックID「5」の日本語用の2Dの字幕のトラックの組み合わせを表している。この第4のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、2Dのアメリカ映画の日本語字幕版である。
【0053】
第5のグループ情報には、トラックID「1」、「4」、および「6」、並びに、メタデータ「English(5.1ch、日本語コメント)」が含まれる。即ち、第5のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラック、トラックID「4」の5.1chの英語用の音声のトラック、およびトラックID「6」の日本語用の2Dのコメント画像のトラックの組み合わせを表している。この第5のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、日本語コメント付きの2Dのアメリカ映画である。
【0054】
図6は、記録メディア12に記録されるトラックの第2の例を示す図である。
【0055】
図6の例では、トラックIDが1乃至5の5つのトラックが、記録メディア12に記録される。トラックID「1」のトラックは、主画像のトラックであり、2Dのアメリカ映画の画像データにより構成される。トラックID「2」のトラックは、1つ目の音声のトラックであり、2chの日本語用の音声の音声データにより構成される。トラックID「3」のトラックは、2つ目の音声のトラックであり、2chの英語用の音声の音声データにより構成される。
【0056】
また、トラックID「4」のトラックは、1つ目の副画像のトラックであり、日本語音声向けの2Dの強制字幕の画像データにより構成される。なお、強制字幕とは、再生対象の音声に主要言語とは異なる言語の音声が含まれるときに表示すべき、その音声に対応する主要言語用の字幕である。例えば、再生対象の音声が日本語用の音声であり、その音声の途中に日本語以外の言語の音声が含まれるときに表示すべき、その音声に対応する日本語用の字幕である。また、日本語音声向けの2Dの強制字幕とは、日本語用の音声が再生対象とされたときに表示すべき日本語用の2Dの強制字幕である。
【0057】
トラックID「5」のトラックは、2つ目の副画像のトラックであり、日本語用の2Dの字幕と日本語用の2Dの強制字幕の画像データにより構成される。
【0058】
図7は、図6に示したトラックが記録メディア12に記録される場合のグループ情報の例を示す図である。
【0059】
図7の例では、記録メディア12に2つのグループ情報が記録される。第1のグループ情報には、トラックID「1」、「2」、および「4」、並びに、メタデータ「日本語吹き替え(強制字幕)」が含まれる。即ち、第1のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラック、トラックID「2」の2chの日本語用の音声のトラック、およびトラックID「4」の日本語音声向けの2Dの強制字幕のトラックの組み合わせを表している。この第1のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、強制字幕付きの2Dのアメリカ映画の日本語吹き替え版である。
【0060】
第2のグループ情報には、トラックID「1」、「3」、および「5」、並びに、メタデータ「英語音声(日本語字幕+強制字幕)」が含まれる。即ち、第2のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラック、トラックID「3」の2chの英語用の音声のトラック、およびトラックID「5」の日本語用の2Dの字幕と日本語用の2Dの強制字幕のトラックの組み合わせを表している。この第2のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、強制字幕付きの2Dのアメリカ映画の日本語字幕版である。
【0061】
図8は、記録メディア12に記録されるトラックの第3の例を示す図である。
【0062】
図8の例では、トラックIDが1乃至7の7つのトラックが、記録メディア12に記録される。トラックID「1」のトラックは、1つ目の主画像のトラックであり、2Dのアメリカ映画の画像データにより構成される。トラックID「2」のトラックは、2つ目の主画像のトラックであり、アメリカ映画の変換画像の画像データにより構成される。
【0063】
トラックID「3」のトラックは、1つ目の音声のトラックであり、2chの日本語用の音声の音声データにより構成される。トラックID「4」のトラックは、2つ目の音声のトラックであり、2chの英語用の音声の音声データにより構成される。
【0064】
また、トラックID「5」のトラックは、1つ目の副画像のトラックであり、日本語用の2Dの字幕の画像データにより構成される。トラックID「6」のトラックは、2つ目の副画像のトラックであり、日本語用の3Dの字幕の画像データにより構成される。トラックID「7」のトラックは、3つ目の副画像のトラックであり、画面の黒帯部に表示される日本語用の3Dの字幕(以下、3D日本語黒帯字幕という)の画像データにより構成される。
【0065】
なお、画面の黒帯部とは、図9に示すように、主画像がシネコサイズの映画などである場合に画面の上部または下部に設けられる黒色の表示領域40である。
【0066】
図10は、図8に示したトラックが記録メディア12に記録される場合のグループ情報の例を示す図である。
【0067】
図10の例では、記録メディア12に5つのグループ情報が記録される。第1のグループ情報には、トラックID「1」および「3」、並びに、メタデータ「[2D]日本語吹き替え」が含まれる。即ち、第1のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラックと、トラックID「3」の2chの日本語用の音声のトラックの組み合わせを表している。この第1のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、2Dのアメリカ映画の日本語吹き替え版である。
【0068】
第2のグループ情報には、トラックID「1」、「4」、および「5」、並びに、メタデータ「[2D]英語音声、日本語字幕」が含まれる。即ち、第2のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラック、トラックID「4」の2chの英語用の音声のトラック、およびトラックID「5」の日本語用の2Dの字幕のトラックの組み合わせを表している。この第2のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、2Dのアメリカ映画の日本語字幕版である。
【0069】
第3のグループ情報には、トラックID「1」、「2」、および「3」、並びに、メタデータ「[3D]日本語吹き替え」が含まれる。即ち、第3のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラック、トラックID「2」のアメリカ映画の変換画像のトラック、トラックID「3」の2chの日本語用の音声のトラックの組み合わせを表している。この第3のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、3Dのアメリカ映画の日本語吹き替え版である。
【0070】
第4のグループ情報には、トラックID「1」、「2」、「4」、および「6」、並びに、メタデータ「[3D]英語音声、日本語字幕」が含まれる。即ち、第4のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラック、トラックID「2」のアメリカ映画の変換画像のトラック、トラックID「4」の2chの英語用の音声のトラック、およびトラックID「6」の日本語用の3Dの字幕のトラックの組み合わせを表している。この第4のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、3Dのアメリカ映画の日本語字幕版である。
【0071】
第5のグループ情報には、トラックID「1」、「2」、「4」、および「7」、並びに、メタデータ「[3D]英語音声、日本語字幕2」が含まれる。即ち、第5のグループ情報は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラック、トラックID「2」のアメリカ映画の変換画像のトラック、トラックID「4」の2chの英語用の音声のトラック、およびトラックID「7」の3D日本語黒帯字幕のトラックの組み合わせを表している。この第5のグループ情報に基づいて再生される画像および音声は、3Dのアメリカ映画の日本語黒帯字幕版である。
【0072】
以上のように、記録メディア12には、全ての組み合わせを表すグループ情報が記録されるのではなく、所定の組み合わせを表すグループ情報のみが記録される。
【0073】
例えば、図5のグループ情報には、トラックID「1」、「2」、および「5」のトラックの組み合わせを表すグループ情報は存在しない。即ち、2Dのアメリカ映画の画像とともに、日本語用の音声および日本語用の2Dの字幕を視聴したいユーザは少ないため、2Dのアメリカ映画の画像のトラック、日本語用の音声のトラック、および日本語用の2Dの字幕のトラックの組み合わせを表すグループ情報は記録メディア12に記録されない。
【0074】
また、図7のグループ情報には、例えば、トラックID「4」または「5」のトラックを含まない組み合わせを表すグループ情報は存在しない。即ち、強制字幕を必要としないユーザは少ないため、強制字幕を含むトラックを含まない組み合わせを表すグループ情報は記録メディア12に記録されない。
【0075】
これにより、後述する記録メディア12の再生装置において、ユーザが、再生対象とするトラックの組み合わせを表す情報として、グループ情報を指定する際、全ての組み合わせを表すグループ情報が記録メディア12に記録されている場合に比べて、所望のグループ情報を素早く選択し、指定することができる。
【0076】
[データ生成装置の処理の説明]
図11は、図1の記録装置10による記録処理を説明するフローチャートである。
【0077】
ステップS11において、データ入力部21は、記録装置10の外部から、2Dの主画像、3Dの主画像、変換画像、各種の言語用の音声、各種の言語用の2Dの副画像、各種の言語用の3Dの副画像などのAVデータを取得する。データ入力部21は、AVデータをデータ符号化部22に供給する。
【0078】
ステップS12において、データ入力部21は、制御部14からの指示にしたがってグループ情報を生成し、データ符号化部22に供給する。
【0079】
ステップS13において、データ符号化部22の前処理部31は、データ入力部21から供給される3Dの画像である3Dの主画像および3Dの副画像のトラック単位のAVデータに対して、所定の方式の前処理を行う。また、前処理部31は、データ入力部21から供給される3Dの主画像および3Dの副画像のAVデータ以外のAVデータとグループ情報を、そのままエンコード部32に供給する。
【0080】
ステップS14において、エンコード部32は、前処理部31から供給されるトラック単位のAVデータを、MP4にしたがった方式で符号化する。エンコード部32は、符号化の結果得られるトラック単位のAVストリームをファイル生成部33に供給する。また、エンコード部32は、グループ情報をそのままファイル生成部33に供給する。
【0081】
ステップS15において、ファイル生成部33は、エンコード部32から供給されるトラック単位のAVストリームおよびグループ情報、並びに、制御部14から供給される各トラックの管理情報を用いて、MP4ファイルを生成する。ファイル生成部33は、生成されたMP4ファイルを記録部23に供給する。
【0082】
ステップS16において、記録部23は、ファイル生成部33から供給されるMP4ファイルを記録メディア12に供給し、記録させる。そして、処理は終了する。
【0083】
以上のように、記録装置10は、グループ情報をMP4ファイルに配置するので、後述する再生装置において、そのグループ情報をユーザに提示することができる。その結果、ユーザは、提示されたグループ情報の中から所望のグループ情報を選択するだけで、そのグループ情報が表すトラックの組み合わせを容易に再生対象として指定することができる。また、記録装置10のユーザは、自分の意図する適切なトラックの組み合わせを、後述する再生装置のユーザに認識させることができる。
【0084】
[再生装置の一実施の形態の構成例]
図12は、本発明を適用したデータ処理装置としての再生装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0085】
図12の再生装置50は、記録メディア12、再生処理部51、ユーザ入力部52、および制御部53により構成される。再生装置50は、図1の記録装置10によりMP4ファイルが記録された記録メディア12から、MP4ファイルを再生する。
【0086】
具体的には、再生処理部51は、読み出し部61、データ復号部62、表示部63、およびスピーカ64により構成される。
【0087】
再生処理部51の読み出し部61(取得手段)は、記録メディア12に記録されているMP4ファイルを読み出して取得し、データ復号部62に供給する。
【0088】
データ復号部62は、ファイル解析部71、デコード部72、および表示情報生成部73により構成される。
【0089】
データ復号部62のファイル解析部71は、読み出し部61から供給されるMP4ファイルを解析し、ファイルタイプボックスおよびムービーボックスのそれぞれに配置された情報を取得する。そして、ファイル解析部71は、ムービーボックスのプレゼンテーショントラックグループボックスに配置されたグループ情報、および、各トラック用のボックスに配置された各トラックの管理情報を制御部53に供給する。また、ファイル解析部71は、制御部53からの指示により、MP4ファイルを解析して、実データボックスに配置された再生対象のトラックのAVストリームを取得し、デコード部72に供給する。
【0090】
デコード部72(復号手段)は、制御部53の制御により、ファイル解析部71から供給されるAVストリームに対して、図1のエンコード部32による符号化の方式に対応する方式で復号を行う。デコード部72は、復号の結果得られるAVデータを表示情報生成部73に供給する。
【0091】
表示情報生成部73は、制御部53からの指示に応じて、デコード部72から供給されるメニュー画面のAVデータに基づいて、メニュー画面を表示部63に表示させる。また、表示情報生成部73(表示制御手段)は、制御部53から供給される管理情報またはグループ情報に基づいて、再生対象とするトラックを選択するための画面を表示部63に表示させる。
【0092】
表示情報生成部73は、デコード部72から供給される3Dの画像である3Dの主画像および3Dの副画像のAVデータに対して、図1の前処理部31に対応する方式の後処理を行い、左目用の画像と右目用の画像のAVデータを生成する。また、表示情報生成部73は、デコード部72から供給される2Dの主画像と変換画像のAVデータを用いて、左目用の画像と右目用の画像のAVデータを生成する。
【0093】
表示情報生成部73は、生成された左目用の画像と右目用の画像のAVデータに基づいて、そのAVデータに対応する3Dの主画像や副画像を表示部63に表示させる。また、表示情報生成部73は、デコード部72から供給される3Dの主画像、3Dの副画像、および変換画像以外の画像のAVデータに基づいて、そのAVデータに対応する2Dの主画像や副画像を表示部63に表示させる。また、表示情報生成部73は、音声のAVデータに基づいて、そのAVデータに対応する音声をスピーカ64に出力させる。
【0094】
ユーザ入力部52は、操作ボタン等で構成され、ユーザからの指示を受け付け、制御部53に供給する。
【0095】
制御部53は、再生処理部51の各部に対して制御等の処理を行う。例えば、制御部53は、ユーザ入力部52からの指示に応じて、管理情報またはグループ情報を表示情報生成部73に供給する。また、制御部53は、ユーザ入力部52からの指示と、管理情報またはグループ情報とに基づいて、再生対象とするトラックを決定する。そして、制御部53は、再生対象とするトラックのAVストリームの取得をファイル解析部71に指示する。
【0096】
[表示部に表示される画面の例]
図13乃至図15は、表示部63に表示される画面の例を示す図である。
【0097】
なお、図13乃至図15は、記録メディア12に図8に示したトラックと図10に示したグループ情報が記録されている場合の画面の例を示す図である。
【0098】
図13は、メニュー画面の例を示す図である。
【0099】
図13に示すように、メニュー画面100は、本編ボタン101、音声ボタン102、字幕ボタン103、およびプレゼンテーションボタン104により構成される。
【0100】
本編ボタン101は、再生対象とするアメリカ映画の画像のトラックを選択するための画面を表示するときに、選択される。音声ボタン102は、再生対象とする音声のトラックを選択するための画面を表示するときに、選択される。字幕ボタン103は、再生対象とする字幕のトラックを選択するための画面を表示するときに、選択される。プレゼンテーションボタン104は、再生対象とするトラックの組み合わせを表すグループ情報を選択するための画面を表示するときに、選択される。
【0101】
図13のメニュー画面100において、ユーザがユーザ入力部52を操作して本編ボタン101の選択を指示すると、表示部63には、図14に示す画面110が表示される。
【0102】
具体的には、制御部53は、ユーザ入力部52から供給される本編ボタン101の選択の指示に応じて、主画像のトラックの管理情報を表示情報生成部73に供給する。表示情報生成部73は、制御部53から供給される主画像のトラックの管理情報に含まれるトラックの内容を表す情報に基づいて、トラックID「1」のトラックの内容を表す2D再生ボタン111と、トラックID「2」のトラックの内容を表す3D再生ボタン112を表示させる。
【0103】
2D再生ボタン111は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラックを再生対象とするときに選択される。3D再生ボタン112は、トラックID「1」の2Dのアメリカ映画の画像のトラックとトラックID「2」のアメリカ映画の変換画像のトラックを再生対象として、3Dのアメリカ映画の画像を表示するときに選択される。
【0104】
なお、図示は省略するが、音声ボタン102や字幕ボタン103が選択されたときも、本編ボタン101が選択されたときと同様に、音声や副画像のトラックの管理情報に含まれるトラックの内容を表す情報に基づいて、音声や副画像の各トラックの内容を表すボタンが表示される。
【0105】
一方、図13のメニュー画面100において、ユーザがユーザ入力部52を操作してプレゼンテーションボタン104の選択を指示すると、表示部63には、図15に示す画面120が表示される。
【0106】
具体的には、制御部53は、ユーザ入力部52から供給されるプレゼンテーションボタン104の選択の指示に応じて、グループ情報を表示情報生成部73に供給する。表示情報生成部73は、制御部53から供給されるグループ情報に含まれるメタデータに基づいて、第1のグループ情報のメタデータに対応する「[2D]日本語吹き替え」ボタン121、第2のグループ情報のメタデータに対応する「[2D]英語音声、日本語字幕」ボタン122、第3のグループ情報のメタデータに対応する「[3D]日本語吹き替え」ボタン123、第4のグループ情報のメタデータに対応する「[3D]英語音声、日本語字幕」ボタン124、および第5のグループ情報のメタデータに対応する「[3D]英語音声、日本語字幕2」ボタン125を表示させる。
【0107】
「[2D]日本語吹き替え」ボタン121は、第1のグループ情報が表すトラックの組み合わせ、即ちトラックID「1」および「3」のトラックを再生対象とするときに選択される。「[2D]英語音声、日本語字幕」ボタン122は、第2のグループ情報が表すトラックの組み合わせ、即ちトラックID「1」、「4」、および「5」のトラックを再生対象とするときに選択される。「[3D]日本語吹き替え」ボタン123は、第3のグループ情報が表すトラックの組み合わせ、即ちトラックID「1」、「2」、および「3」のトラックを再生対象とするときに選択される。
【0108】
「[3D]英語音声、日本語字幕」ボタン124は、第4のグループ情報が表すトラックの組み合わせ、即ちトラックID「1」、「2」、「4」、および「6」を再生対象とするときに選択される。「[3D]英語音声、日本語字幕2」ボタン125は、第5のグループ情報が表すトラックの組み合わせ、即ちトラックID「1」、「2」、「4」、および「7」を再生対象とするときに選択される。
【0109】
[再生装置の処理の説明]
図16は、図12の再生装置50による再生処理を説明するフローチャートである。この再生処理は、例えば、ユーザがユーザ入力部52を操作することにより、記録メディア12の再生を指示したとき、開始される。
【0110】
図16のステップS30において、読み出し部61は、ユーザの再生指示に対応する制御部53からの指示に応じて、記録メディア12に記録されているMP4ファイルを読み出し、データ復号部62に供給する。
【0111】
ステップS31において、ファイル解析部71は、読み出し部61から供給されるMP4ファイルを解析し、MP4ファイルのムービーボックスにプレゼンテーショントラックグループボックスが存在するかどうかを判定する。
【0112】
ステップS31でプレゼンテーショントラックグループボックスが存在すると判定された場合、ファイル解析部71は、プレゼンテーショントラックグループボックスに配置されたグループ情報を制御部53に供給する。また、ファイル解析部71は、ムービーボックスの各トラック用のボックスに配置された各トラックの管理情報を制御部53に供給する。
【0113】
そして、ステップS32において、制御部53は、ファイル解析部71から供給されるグループ情報の中から所定のグループ情報を選択する。
【0114】
グループ情報の第1の選択方法としては、例えば、先頭のグループ情報を選択する方法がある。この場合、記録装置10のユーザ(記録メディア12の製作者)が、自分の意図するグループ情報を先頭に配置することにより、記録メディア12の再生時に、そのユーザの意図するグループ情報を選択させることができる。
【0115】
グループ情報の第2の選択方法としては、例えば、再生装置50が使用されている国の言語用の音声のトラックを含むグループ情報を選択する方法がある。この方法が用いられる場合、制御部53は、各グループ情報に含まれるトラックIDを認識し、そのトラックIDのトラックの管理情報から、そのトラックの内容を認識する。そして、制御部53は、トラックの内容が、再生装置50が使用されている国の言語用の音声であるトラックのトラックIDを含むグループ情報を選択する。なお、そのグループ情報が複数存在する場合には、例えば、最初に検出されたグループ情報が選択される。
【0116】
グループ情報の第3の選択方法としては、例えば、再生装置50が使用されている国の言語用の字幕のトラックを含むグループ情報を選択する方法がある。この方法が用いられる場合、制御部53は、各グループ情報に含まれるトラックIDを認識し、そのトラックIDのトラックの管理情報から、そのトラックの内容を認識する。そして、制御部53は、トラックの内容が、再生装置50が使用されている国の言語用の字幕であるトラックのトラックIDを含むグループ情報を選択する。なお、そのグループ情報が複数存在する場合には、例えば、最初に検出されたグループ情報が選択される。
【0117】
なお、第2の選択方法および第3の選択方法で用いられる、再生装置50が使用されている国の言語は、例えば、ユーザによりユーザ入力部52を介して指示される。
【0118】
ステップS33において、制御部53は、ステップS32で選択されたグループ情報に含まれる全てのトラックIDを、再生対象とするトラックのトラックIDに決定する。そして、制御部53は、そのトラックIDのトラックのAVストリームの取得をファイル解析部71に指示し、処理をステップS35に進める。
【0119】
一方、ステップS31でプレゼンテーショントラックグループボックスが存在しないと判定された場合、ファイル解析部71は、ムービーボックスの各トラック用のボックスに配置された各トラックの管理情報を制御部53に供給する。
【0120】
そして、ステップS34において、制御部53は、トラックIDの初期値として予め設定されている所定のトラックIDを、再生対象とするトラックのトラックIDに決定する。トラックIDの初期値は、例えば、ムービーボックスに配置され、ファイル解析部71を介して制御部53に供給される。ステップS34の処理後、制御部53は、決定されたトラックIDのトラックのAVストリームの取得をファイル解析部71に指示し、処理をステップS35に進める。
【0121】
ステップS35において、ファイル解析部71は、制御部53からの指示により、MP4ファイルを解析して、実データボックスに配置された再生対象のトラックのAVストリームを取得し、デコード部72に供給する。
【0122】
ステップS36において、デコード部72は、制御部53の制御により、ファイル解析部71から供給されるAVストリームに対して、図1のエンコード部32による符号化の方式に対応する方式で復号を行う。デコード部72は、復号の結果得られるAVデータを表示情報生成部73に供給する。
【0123】
ステップS37において、表示情報生成部73は、デコード部72から供給されるAVデータに基づいて、そのAVデータに対応する主画像や副画像を表示部63に表示させるとともに、音声をスピーカ64に出力する。そして、処理は終了する。
【0124】
図17は、図12の再生装置50による再生対象のトラックを変更するトラック変更処理を説明するフローチャートである。このトラック変更処理は、例えば、ユーザがユーザ入力部52を操作して、メニュー画面の表示を指示したとき、開始される。
【0125】
なお、図17では、記録メディア12に図8に示したトラックと図10に示したグループ情報が記録されている場合のトラック変更処理について説明するが、他のトラックとグループ情報が記録されている場合も、表示されるボタンの種類が異なるだけで同様である。
【0126】
図17のステップS51において、表示情報生成部73は、ユーザのメニュー画面100の表示の指示に対応する制御部53からの指示に応じて、デコード部72から供給されるメニュー画面のAVデータに基づいて、メニュー画面100を表示部63に表示させる。
【0127】
ステップS52において、制御部53は、メニュー画面100内のプレゼンテーションボタン104が選択されたかどうかを判定する。ステップS52でプレゼンテーションボタン104が選択されたと判定された場合、制御部53は、グループ情報を表示情報生成部73に供給する。
【0128】
そして、ステップS53において、表示情報生成部73は、制御部53から供給されるグループ情報に含まれるメタデータに基づいて、図15の「[2D]日本語吹き替え」ボタン121、「[2D]英語音声、日本語字幕」ボタン122、「[3D]日本語吹き替え」ボタン123、「[3D]英語音声、日本語字幕」ボタン124、および「[3D]英語音声、日本語字幕2」ボタン125を表示させる。
【0129】
ステップS54において、制御部53は、「[2D]日本語吹き替え」ボタン121、「[2D]英語音声、日本語字幕」ボタン122、「[3D]日本語吹き替え」ボタン123、「[3D]英語音声、日本語字幕」ボタン124、および「[3D]英語音声、日本語字幕2」ボタン125のいずれかが選択されたかどうかを判定する。
【0130】
ステップS54で、「[2D]日本語吹き替え」ボタン121、「[2D]英語音声、日本語字幕」ボタン122、「[3D]日本語吹き替え」ボタン123、「[3D]英語音声、日本語字幕」ボタン124、および「[3D]英語音声、日本語字幕2」ボタン125のいずれも選択されていないと判定された場合、いずれかが選択されるまで、待機する。
【0131】
ステップS54で、「[2D]日本語吹き替え」ボタン121、「[2D]英語音声、日本語字幕」ボタン122、「[3D]日本語吹き替え」ボタン123、「[3D]英語音声、日本語字幕」ボタン124、および「[3D]英語音声、日本語字幕2」ボタン125のいずれかが選択されたと判定された場合、処理はステップS55に進む。
【0132】
ステップS55において、制御部53は、再生対象とするトラックのトラックIDを、選択された「[2D]日本語吹き替え」ボタン121、「[2D]英語音声、日本語字幕」ボタン122、「[3D]日本語吹き替え」ボタン123、「[3D]英語音声、日本語字幕」ボタン124、または「[3D]英語音声、日本語字幕2」ボタン125に対応するグループ情報に含まれるトラックIDに変更する。
【0133】
即ち、制御部53(選択手段)は、選択された「[2D]日本語吹き替え」ボタン121、「[2D]英語音声、日本語字幕」ボタン122、「[3D]日本語吹き替え」ボタン123、「[3D]英語音声、日本語字幕」ボタン124、または「[3D]英語音声、日本語字幕2」ボタン125に対応するグループ情報が表す組み合わせを、再生対象とするトラックの組み合わせとして選択する。そして、処理は終了する。
【0134】
一方、ステップS52でプレゼンテーションボタン104が選択されていないと判定された場合、ステップS56において、制御部53は、本編ボタン101が選択されたかどうかを判定する。
【0135】
ステップS56で本編ボタン101が選択されたと判定された場合、制御部53は、主画像のトラックの管理情報を表示情報生成部73に供給する。
【0136】
そして、ステップS57において、表示情報生成部73は、制御部53から供給される主画像のトラックの管理情報に含まれるトラックの内容を表す情報に基づいて、図14の2D再生ボタン111および3D再生ボタン112を表示させる。
【0137】
ステップS58において、制御部53は、2D再生ボタン111および3D再生ボタン112のいずれかが選択されたかどうかを判定する。ステップS58で、2D再生ボタン111および3D再生ボタン112のいずれも選択されていないと判定された場合、いずれかが選択されるまで、待機する。
【0138】
ステップS58で、2D再生ボタン111および3D再生ボタン112のいずれかが選択されたと判定された場合、処理はステップS59に進む。
【0139】
ステップS59において、制御部53は、再生対象とする主画像のトラックのトラックIDを、選択された2D再生ボタン111または3D再生ボタン112に対応する主画像のトラックのトラックIDに変更する。そして、処理は終了する。
【0140】
一方、ステップS56で本編ボタン101が選択されていないと判定された場合、ステップS60において、制御部53は、音声ボタン102が選択されたかどうかを判定する。
【0141】
ステップS60で音声ボタン102が選択されたと判定された場合、ステップS61において、制御部53は、音声のトラックの管理情報を表示情報生成部73に供給する。
【0142】
そして、ステップS61において、表示情報生成部73は、制御部53から供給される音声のトラックの管理情報に含まれるトラックの内容を表す情報に基づいて、各種のボタンを表示させる。
【0143】
ステップS62において、制御部53は、ステップS61で表示されたボタンのいずれかが選択されたかどうかを判定する。ステップS62で、ステップS61で表示されたボタンのいずれも選択されていないと判定された場合、いずれかが選択されるまで待機する。
【0144】
ステップS62で、ステップS61で表示されたボタンのいずれかが選択されたと判定された場合、処理はステップS63に進む。ステップS63において、制御部53は、再生対象とする音声のトラックのトラックIDを、選択されたボタンに対応する音声のトラックのトラックIDに変更する。そして、処理は終了する。
【0145】
一方、ステップS60で音声ボタン102が選択されていないと判定された場合、ステップS64において、制御部53は、字幕ボタン103が選択されたかどうかを判定する。
【0146】
ステップS64で字幕ボタン103が選択されていないと判定された場合、処理はステップS52に戻り、プレゼンテーションボタン104、本編ボタン101、音声ボタン102、または字幕ボタン103が選択されるまで、ステップS52、S56,S60、およびS64の処理が繰り返される。
【0147】
一方、ステップS64で字幕ボタン103が選択されたと判定された場合、ステップS65において、制御部53は、字幕のトラックの管理情報を表示情報生成部73に供給する。
【0148】
そして、ステップS65において、表示情報生成部73は、制御部53から供給される字幕のトラックの管理情報に含まれるトラックの内容を表す情報に基づいて、各種のボタンを表示させる。
【0149】
ステップS66において、制御部53は、ステップS65で表示されたボタンのいずれかが選択されたかどうかを判定する。ステップS66で、ステップS65で表示されたボタンのいずれも選択されていないと判定された場合、いずれかが選択されるまで待機する。
【0150】
ステップS66で、ステップS65で表示されたボタンのいずれかが選択されたと判定された場合、処理はステップS67に進む。ステップS67において、制御部53は、再生対象とする字幕のトラックのトラックIDを、選択されたボタンに対応する字幕のトラックのトラックIDに変更する。そして、処理は終了する。
【0151】
以上のように、再生装置50は、グループ情報が配置されたMP4ファイルを取得し、そのグループ情報に基づいて、再生対象とするトラックの組み合わせを表すグループ情報を選択するための画面120を表示させる。従って、ユーザは、画面120において所望のグループ情報に対応するボタンを選択するだけで、そのグループ情報が表すトラックの組み合わせを再生対象として容易に選択することができる。
【0152】
なお、本実施の形態では、MP4ファイルは、記録メディア12に記録されたが、MP4ファイルは、所定のネットワークを介して伝送されるようにしてもよい。
【0153】
[本発明を適用したコンピュータの説明]
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0154】
そこで、図18は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0155】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としての記憶部208やROM(Read Only Memory)202に予め記録しておくことができる。
【0156】
あるいはまた、プログラムは、リムーバブルメディア211に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブルメディア211は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。ここで、リムーバブルメディア211としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリ等がある。
【0157】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブルメディア211からドライブ210を介してコンピュータにインストールする他、通信網や放送網を介して、コンピュータにダウンロードし、内蔵する記憶部208にインストールすることができる。すなわち、プログラムは、例えば、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送することができる。
【0158】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)201を内蔵しており、CPU201には、バス204を介して、入出力インタフェース205が接続されている。
【0159】
CPU201は、入出力インタフェース205を介して、ユーザによって、入力部206が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、ROM202に格納されているプログラムを実行する。あるいは、CPU201は、記憶部208に格納されたプログラムを、RAM(Random Access Memory)203にロードして実行する。
【0160】
これにより、CPU201は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU201は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース205を介して、出力部207から出力、あるいは、通信部209から送信、さらには、記憶部208に記録等させる。
【0161】
なお、入力部206は、キーボードや、マウス、マイク等で構成され、ユーザ入力部13やユーザ入力部52に対応する。また、出力部207は、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成され、例えば、表示部63およびスピーカ64に対応する。記録メディア12は、図示せぬドライブを介してコンピュータに挿入されてもよいし、記憶部208の一部としてコンピュータに内蔵されていてもよい。
【0162】
ここで、本明細書において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。
【0163】
また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0164】
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0165】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0166】
10 記録装置, 21 データ入力部, 32 エンコード部,33 ファイル生成部, 50 再生装置, 53 制御部, 61 読み出し部, 72 デコード部, 73 表示情報生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のデータを符号化し、符号化データを生成する符号化手段と、
複数種類の前記データの組み合わせを表すグループ情報を複数生成する情報生成手段と、
複数種類の前記データの前記符号化データと、複数の前記グループ情報を含む符号化データ格納ファイルを生成するファイル生成手段と
を備えるデータ生成装置。
【請求項2】
前記符号化データ格納ファイルは、MP4ファイルであり、
前記ファイル生成手段は、複数の前記グループ情報を前記MP4ファイルのムービーボックスに配置する
請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項3】
前記グループ情報には、そのグループ情報が表す組み合わせに含まれる前記データの内容を表すメタデータが含まれる
請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項4】
前記複数種類のデータは、主画像の画像データ、副画像の画像データ、および音声データである
請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項5】
前記複数種類のデータは、3Dの主画像の画像データ、3Dの副画像の画像データ、および音声データである
請求項1に記載のデータ生成装置。
【請求項6】
データ生成装置が、
複数種類のデータを符号化し、符号化データを生成する符号化ステップと、
複数種類の前記データの組み合わせを表すグループ情報を複数生成する情報生成ステップと、
複数種類の前記データの前記符号化データと、複数の前記グループ情報を含む符号化データ格納ファイルを生成するファイル生成ステップと
を含むデータ生成方法。
【請求項7】
複数種類のデータの符号化データを含み、複数種類の前記データの組み合わせを表すグループ情報を複数含む符号化データ格納ファイルを取得する取得手段と、
複数の前記グループ情報に基づいて、前記グループ情報が表す組み合わせを選択するための画面を表示させる表示制御手段と、
前記画面に対するユーザからの入力に応じて、複数の前記グループ情報が表す組み合わせの中から、再生対象とするデータの組み合わせを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記組み合わせに含まれる全ての前記データの前記符号化データを復号する復号手段と
を備えるデータ処理装置。
【請求項8】
前記符号化データ格納ファイルは、MP4ファイルであり、
複数の前記グループ情報は、前記MP4ファイルのムービーボックスに配置される
請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記グループ情報には、そのグループ情報が表す組み合わせに含まれる前記データの内容を表すメタデータが含まれ、
前記表示制御手段は、複数の前記グループ情報に含まれる前記メタデータに基づいて前記画面を表示させる
請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記複数種類のデータは、主画像の画像データ、副画像の画像データ、および音声データである
請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記複数種類のデータは、3Dの主画像の画像データ、3Dの副画像の画像データ、および音声データである
請求項7に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
データ処理装置が、
複数種類のデータの符号化データを含み、複数種類の前記データの組み合わせを表すグループ情報を複数含む符号化データ格納ファイルを取得する取得ステップと、
複数の前記グループ情報に基づいて、前記グループ情報が表す組み合わせを選択するための画面を表示させる表示制御ステップと、
前記画面に対するユーザからの入力に応じて、複数の前記グループ情報が表す組み合わせの中から、再生対象とするデータの組み合わせを選択する選択ステップと、
前記選択ステップの処理により選択された前記組み合わせに含まれる全ての前記データの前記符号化データを復号する復号ステップと
を含むデータ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−33243(P2012−33243A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173600(P2010−173600)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】