説明

データ管理装置、非接触記憶媒体、これらを搭載する電子機器、機器使用支援システム、データ管理方法、制御プログラム、および、記録媒体

【課題】電子機器の状態に応じて必要な情報をユーザに提供できるようデータを管理する
【解決手段】本発明のデータ管理装置1は、機器10の情報を含んだデータを、複数記憶するデータ記憶部32と、機器10の状態を検知する状態検知部21と、機器10の状態とデータの種類とを対応付けた選択規則を参照することにより、検知された上記状態下の機器10に適合する情報を含んだデータを、データ記憶部32から選択するデータ選択部22と、選択されたデータを、機器10のICタグ2に格納するデータ管理部23とを備えていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のデータを管理するための、データ管理装置、非接触記憶媒体、これらを搭載する電子機器、機器使用支援システム、データ管理方法、制御プログラム、および、記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触型のICタグ(またはカードなど)とRFリーダライタとが、アンテナを介して非接触でデータ通信できる近接型無線通信技術、いわゆる、RFID(Radio Frequency IDentification)技術が広く使われている。
【0003】
ICタグ(カード)は、小型化、薄型化が進んでおり、ユーザが持ち運び可能なあらゆる小物(クレジットカード、キャッシュカード、ETCカード、定期券、電子マネー、身分証明書など)に活用されている。そして、駅の自動改札機など、据え付けのRFリーダライタ機器によって、ICタグのデータが読み出される。
【0004】
この他にも、RFID技術を活用してユーザの利便性を向上させるための技術が、例えば、特許文献1〜4に開示されている。特許文献1〜4には、ユーザが使用しようとしている使用対象機器(商品、家電機器など)に、ICタグまたはRFリーダライタを搭載し、通信端末装置(携帯電話など)と通信させることが開示されている。通信端末装置は、使用対象機器と通信して、使用対象機器が保持しているデータを取得して、これを利用する。例えば、通信端末装置は、取得したデータを自装置に表示してユーザに提供したり、さらに外部の装置に取得したデータを供給したり、またそのデータに基づいてさらに別のデータを外部の装置から取得したりする。通信端末装置は、いわば、ユーザが、使用対象機器を使用する際に、ユーザの補助、支援を行う使用支援装置としての役割を果たしており、使用対象機器を使用するユーザの利便性を向上させている。
【0005】
例えば、特許文献1には、情報提供システムが開示されている。この情報提供システムにおいて、端末装置(使用支援装置)は、商品(使用対象機器)に取り付けられた情報提供媒体(ICタグ)から商品を識別するIDを読み出し、このIDに基づいて、サーバ(外部の装置)のデータベースから、商品情報を取得し、表示する。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、家電機器が開示されている。上記家電機器としての炊飯器(使用対象機器)は、米収納袋に設けられた非接触情報記憶媒体(ICタグ)から米に関する情報を取得できない場合には、情報端末(使用支援装置)を介してインターネットにアクセスし、該当ホームページから米に関する情報をダウンロードして、制御プログラムおよびデータを更新する構成である。
【0007】
また、例えば、特許文献3には、家電など(使用対象機器)に、取り扱い説明のデータ(画像・音声・文字など)を含むICタグを添付し、これを、携帯電話など(使用支援装置)を介して読み出し表示する方法が開示されている。
【0008】
また、例えば、特許文献4には、製品情報管理システムが開示されている。このシステムは、空気調和機(使用対象機器)のトラブル発生時に、コントローラが、空気調和機に貼付されたタグ部(ICタグ)に故障情報を書き込み、携帯端末(使用支援装置)にこのタグ部の情報を読み取らせて、携帯端末が、得られた故障情報や製品情報などを、メーカや販売店などの管理サーバ(外部の装置)に送信する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−310755号公報(2004年11月4日公開)
【特許文献2】特開2005−242628号公報(2005年9月8日公開)
【特許文献3】特開2007−052750号公報(2007年3月1日公開)
【特許文献4】特開2008−015838号公報(2008年1月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の構成では、以下の問題を生じる。
【0011】
特許文献1の構成では、サーバから取得される商品情報の内容は不変で固定的である。そのため、ユーザが商品の使用状況に応じて最も必要としている情報をすぐに得られるとは限らないという問題がある。
【0012】
特許文献2の構成では、RFリーダライタは、炊飯器に搭載される構成である。そのため、当該RFリーダライタが、非接触情報記憶媒体から必要なデータを取得するためには、炊飯器からの電力供給が必須となる。したがって、炊飯器の故障、停電などで電力が供給されない状況においては、情報端末は、非接触情報記憶媒体に格納されている必要なデータを、炊飯器を介して読み出すことができないという問題がある。
【0013】
特許文献3に記載の家電において、タグなどに記憶されるデータは、特許文献1の構成と同様に固定的なものであり、携帯電話などから取得できるデータの内容を、家電の状態に応じて可変とすることはできない。そのため、特許文献3に記載の方法では、ユーザが家電の使用状況に応じて最も必要としている情報をすぐに得られるとは限らないという問題がある。
【0014】
特許文献4には、携帯端末が故障情報を管理サーバに提供することが開示されているものの、空気調和機の故障に際し、携帯端末が、ユーザが取るべき措置として必要な情報を、ICタグから得ることは記載されていない。そのため、ユーザが空気調和機の使用状況に応じて最も必要としている情報をすぐに得られないという問題がある。
【0015】
さらに今後は、携帯電話やスマートフォンなどの多機能通信端末装置に、RFリーダモジュールが搭載され、ユーザが持ち運びする通信端末装置の方が、ICタグに記憶されているデータを読み出して、そのデータを当該通信端末装置で利用する(表示する)などのユースシーンが増えてくると考えられる。
【0016】
また、近接型無線通信の規格として、日本では、主に、FeliCa(登録商標)(フェリカ)、海外では、主に、Mifare(登録商標)(マイフェア)、というように日本と海外とで規格が異なっていた。しかし、近年、NFC(Near Field Communication)という規格で統一していこうという流れがある。NFCは、近接型無線通信の規格であり、NFCに準拠したICチップを搭載している機器同士を近づければ(例えば、10cm程度)、互いの機器が認識し合い、データを交換することができる。
【0017】
このように、ユースシーンの多様化、規格の統一を背景として、RFID技術は、日常生活の様々なシーンでますます用いられることとになり、RFID技術を搭載した機器は、さらに普及し、一般のユーザにとって、ますます身近で便利な存在になることが予想される。
【0018】
そのため、RFID技術を活用してユーザの利便性をさらに向上させていくことは、今後ますます必要となる。
【0019】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子機器の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理するデータ管理装置、非接触記憶媒体、これらを搭載する電子機器、機器使用支援システム、データ管理方法、制御プログラム、および、記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のデータ管理装置は、上記課題を解決するために、電子機器に搭載された非接触記憶媒体に記憶されるデータを管理するデータ管理装置であって、上記電子機器に関する情報を含んだデータを、複数記憶するデータ記憶部と、上記電子機器の状態を検知する状態検知手段と、上記電子機器の状態と上記データの種類とを対応付けた選択規則を参照することにより、上記状態検知手段によって検知された状態にある上記電子機器に適合する情報を含んだデータを、上記データ記憶部から選択するデータ選択手段と、上記データ選択手段によって選択されたデータを、上記非接触記憶媒体に格納するデータ管理手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】
本発明のデータ管理方法は、電子機器に搭載された非接触記憶媒体に記憶されるデータを管理するデータ管理方法であって、上記電子機器は、上記電子機器に関する情報を含んだデータを、複数記憶するデータ記憶部を備え、上記電子機器の状態を検知する状態検知ステップと、上記電子機器の状態と上記データの種類とを対応付けた選択規則を参照することにより、上記状態検知ステップにて検知された状態にある上記電子機器に適合する情報を含んだデータを、上記データ記憶部から選択するデータ選択ステップと、上記データ選択ステップにて選択されたデータを、上記非接触記憶媒体に格納するデータ格納ステップとを含むことを特徴としている。
【0022】
上記構成および方法によれば、まず、状態検知手段によって、電子機器がいずれの状態下にあるのかが検知される。そして、データ選択手段は、検知された電子機器の状態に合わせて、非接触記憶媒体に格納するべきデータを選択する。データ選択手段は、選択規則にしたがってデータを選択する。選択規則は、電子機器がどのような状態のときに、どのようなデータを選択すべきかをデータ選択手段に対して示す情報である。具体的には、これには限定されないが、例えば、選択規則は、電子機器において検知され得る状態と、複数記憶されているデータとの対応関係を示す情報である。データ選択手段は、選択規則を参照することにより、状態検知手段によって検知された電子機器の状態に応じて、選択すべきデータを特定することができ、該当するデータをデータ記憶部から選択する。つまり、データ選択手段は、選択規則を参照することにより、検知された特定の状態下にある電子機器に適合した情報を含んだ適切なデータをデータ記憶部より選択することができる。最後に、データ管理手段は、データ選択手段によって選択されたデータを非接触記憶媒体に格納する。
【0023】
これにより、非接触記憶媒体には、いつも、検知された電子機器の状態に適合した内容の情報を含むデータが格納されることになる。電子機器の状態に適合した内容のデータとは、つまり、その状態下にある電子機器を使用しているユーザが今現在必要としている情報を含むデータである。「電子機器の状態に適合した内容のデータ」としては、以下には限定されないが、例えば、その状態にある電子機器のことを解説した実体的なデータ、すなわち、テキストデータ、文書データ、画像データ、音声データ、動画データ、および、これらを組み合わせた複合データなどが想定される。もしくは、上記の実体的なデータのそれぞれを識別したり、その所在を示したり、そのデータの取得の仕方を説明するための、データID、データ名、および、URLなども、「電子機器の状態に適合した内容のデータ」に含まれる。
【0024】
したがって、データ管理装置は、電子機器の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理することができる。結果として、電子機器を使用する上で、ユーザの利便性を向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0025】
さらに、上記データ管理装置の上記状態検知手段は、少なくとも、上記電子機器の状態が、正常に動作する通常稼働状態、および、エラーが発生しているエラー発生状態のいずれの状態であるのかを検知し、上記データ選択手段は、上記選択規則を参照して、上記状態検知手段によって上記エラー発生状態が検知された場合には、上記エラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データを上記データ記憶部から選択してもよい。
【0026】
上記構成によれば、状態検知手段は、少なくとも2つの状態を検知することができる。すなわち、1つ目は、正常に動作していることを示す通常稼働状態であり、2つ目は、電子機器においてエラーが発生していることを示すエラー発生状態である。
【0027】
状態検知手段は、電子機器が、通常稼働状態か、エラー発生状態かいずれの状態であるのかを検知する。そして、上記状態検知手段によって、電子機器がエラー発生状態である検知された場合には、データ選択手段は、上記選択規則を参照して、上記エラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データを上記データ記憶部から選択する構成である。すなわち、本構成では、選択規則において、エラー発生状態と対処法解説データとが対応付けられている。
【0028】
そして、選択された対処法解説データは、データ管理手段によって非接触記憶媒体に格納されることになる。
【0029】
これにより、非接触記憶媒体には、電子機器の状態がエラー発生状態である場合には、いつも、その状態に適合した内容の情報を含むデータが格納されることになる。ここでは、すなわち、エラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データである。
【0030】
エラーの状態下にある電子機器を使用しているユーザが今現在必要としている情報とは、エラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データである。
【0031】
したがって、データ管理装置は、電子機器の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理することができる。結果として、電子機器を使用する上で、ユーザの利便性を向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0032】
さらに、上記データ管理装置の上記データ記憶部は、上記電子機器のエラーのタイプごとに、複数種類の対処法解説データを記憶しており、上記状態検知手段は、さらに、上記電子機器の状態がエラー発生状態である場合に、発生したエラーのタイプを特定し、上記データ選択手段は、上記選択規則を参照して、上記状態検知手段によって特定されたタイプのエラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データを上記データ記憶部から選択することが好ましい。
【0033】
上記構成および方法によれば、状態検知手段は、通常稼働状態か、エラー発生状態かいずれの状態であるのかを検知するのに加えて、エラー発生状態を検知した場合には、さらに、発生したエラーのタイプを特定して、どのようなエラーが発生している状態であるのかを検知することができる。
【0034】
そして、データ記憶部は、上記電子機器のエラーのタイプごとに、複数種類の対処法解説データを記憶しており、したがって、選択規則は、エラーのタイプごとに適合する対処法解説データの情報を含んでいる。
【0035】
電子機器がエラー発生状態の時には、状態検知手段によって、電子機器に発生しているエラーのタイプまで特定され、データ選択手段は、電子機器が陥っているエラーのタイプに適合した対処法解説データを選択することができる。電子機器が陥っているエラーのタイプに適合した対処法解説データとは、そのタイプのエラーを解消するために必要な情報を含んだ対処法解説データのことである。
【0036】
これにより、非接触記憶媒体には、電子機器の状態がエラー発生状態である場合には、いつも、その発生しているエラーの状態に特化した内容の情報を含むデータが格納されることになる。ここでは、すなわち、発生中のエラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データである。
【0037】
電子機器のエラーのタイプが多岐に亘り、1つの対処法解説データがすべてのエラーについての情報を網羅するものであるとすると、ユーザにとって、膨大な情報量の対処法解説データの中から必要な情報を探し出すという煩わしさが生じるという問題がある。
【0038】
しかしながら、本発明のデータ管理装置によれば、ユーザは、不要な情報が混合された膨大な量の対処法解説データの中から必要な情報を探し出すという煩わしさから解放される。なぜなら、非接触記憶媒体には、発生中のエラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データが記憶されており、ユーザは、それを読み出すだけでよいからである。
【0039】
その上、必要なときに必要な情報だけを非接触記憶媒体に格納するようにしたので、非接触記憶媒体に、膨大な情報量の対処法解説データを格納しておく必要がなくなり、メモリ容量の問題も解消される。
【0040】
以上のことから、データ管理装置は、電子機器の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理することができる。結果として、メモリ容量の問題を解消するとともに、電子機器を使用する上で、ユーザの利便性をより一層向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0041】
なお、上記対処法解説データの代わりに、当該対処法解説データを識別するためのデータID、データ名、または、当該対処法解説データを取得するためのURLなどが、非接触記憶媒体に格納される構成も本発明の範疇に入る。この場合、非接触記憶媒体に格納されたデータを読み出すだけでは、発生中のエラーを解消するための情報を直接的には取得できないが、ユーザは、上記対処法解説データを特定するためのデータID、データ名、または、対処法解説データを取得するためのURLなどを非接触記憶媒体から取得することができる。そのため、非接触記憶媒体から取得した「電子機器の状態に適合した内容のデータ」すなわち、データID、データ名、または、URLなどを用いて、容易に、現在の電子機器の状態に応じて必要な対処法解説データを特定し、取得することができる。したがって、上述の構成と略同様の効果を得ることができる。すなわち、電子機器の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理することができ、結果として、電子機器を使用する上で、ユーザの利便性をより一層向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0042】
あるいは、上記データ管理装置の上記状態検知手段は、上記状態検知手段は、上記電子機器を継続的に監視して、上記電子機器の状態の変遷を取得するものであって、取得した上記状態の変遷を分析することにより、上記電子機器の長期的な傾向を反映した状態を定期的に検知する状態分析手段を含み、上記状態分析手段によって上記長期的な傾向を反映した状態が検知される度に、上記データ選択手段は、上記選択規則を参照して、検知された上記状態に適合するデータを上記データ記憶部から選択し、上記データ管理手段は、選択された上記データを上記非接触記憶媒体に格納してもよい。
【0043】
上記構成によれば、状態検知手段は、定期的に電子機器10の状態を監視し検知する。具体的には、電子機器の状態を監視して、機器の状態の変遷を取得する。そして、状態分析手段が、取得された状態の変遷を分析することにより、電子機器の一過性の状態ではなく、長期的な傾向を反映した状態を定期的に検知する。長期的な傾向を反映した状態とは、例えば、いつ、どのくらいの回数(または頻度)で、どのようなエラーが発生するのか、など、電子機器のエラー発生状況の長期的な傾向が分かる情報のことである。
【0044】
こうして、長期的な傾向を反映した状態が定期的に検知される度に、データ選択手段が、その状態に適合するデータを選択し、それを、データ管理手段が非接触記憶媒体に格納する。
【0045】
これにより、データ管理装置は、定期的に状態検知が行われるその時々の電子機器の状態に応じて、定期的(例えば、数秒〜数分ごと)に非接触記憶媒体のデータを変更することができる。つまり、データ管理装置は、電子機器のエラーの長期的な傾向を把握することができ、そのようなエラーの傾向に適合した内容を含むデータが常に格納されるように非接触記憶媒体を維持することができる。
【0046】
万一、重度のエラーが発生して電子機器自体の電源が断たれてしまった後でも、電子機器に搭載されている非接触記憶媒体からは、必要なデータが読み出せる状態である。
【0047】
そして、非接触記憶媒体には、定期的(例えば、数秒〜数分ごと)に、その時々の状態に合わせて適切な内容のデータが格納されている。
【0048】
よって、非接触記憶媒体には、どんなに古くても、重度のエラー発生時点(電源オフ時点)からt分(秒)以内前の、つまり直前の電子機器の状態に適合した内容のデータが格納されており、ユーザは、これを読み出すことができる。
【0049】
結果として、データ管理装置は、非接触記憶媒体に格納されているデータが、電子機器の最終の状態に最も近い直前の状態に対応して、必要な情報を含んでいるように、より精度の高いデータ管理を実現することが可能となる。
【0050】
あるいは、上記データ管理装置の上記状態検知手段は、上記電子機器の状態が、別の状態へと変遷したときに、変遷後の状態がいずれの状態であるのかを検知し、上記状態検知手段によって変遷後の状態が検知される度に、上記データ選択手段は、上記選択規則を参照して、検知された上記変遷後の状態に適合するデータを上記データ記憶部から選択し、上記データ管理手段は、選択された上記データを上記非接触記憶媒体に格納してもよい。
【0051】
上記構成によれば、データ管理装置は、電子機器において状態の変遷があった場合には、変遷後の状態がいずれの状態であるのかを検知する。そして、状態が検知される度に、データ選択手段がその状態に合ったデータを選択し、データ管理手段がデータを非接触記憶媒体に格納する。例えば、電子機器に状態遷移のイベントが発生し、そのイベントが電源の供給が維持される程度のイベントであれば、データ管理装置はデータ管理処理を継続できる。よって、この場合には、データ管理装置は、ここで検知された新たな状態に応じた選択された新しいデータを非接触記憶媒体に格納する。
【0052】
以上のとおり、上記構成によれば、電源が供給されているうちは、常に、電子機器の最新の状態に適合したデータをICタグ2に格納することができる。したがって、ユーザにとって利便性の高いデータ管理を実現することが可能となる。
【0053】
さらに、上記状態検知手段が、定期的に状態を検知する構成と、状態が変遷したときに変遷後の状態を検知する構成とを併せて備える場合には、以下の効果を奏する。
【0054】
上記構成によれば、データ管理装置は、第1に、状態検知手段が、状態監視手段および状態分析手段によって、状態遷移(エラー発生、通常稼働に復帰など)の有無に関係なく定期的に(例えば、t分ごと、など)電子機器の状態を検知する。そして、状態が検知される度に、データ選択手段がその状態に合ったデータを選択し、データ管理手段がデータを非接触記憶媒体に格納する。データ管理装置は、第2に、上記の定期的な状態検知時点とは関係なく、電子機器において状態の変遷があった場合には、変遷後の状態がいずれの状態であるのかを検知する。そして、状態が検知される度に、データ選択手段がその状態に合ったデータを選択し、データ管理手段がデータを非接触記憶媒体に格納する。
【0055】
これにより、データ管理装置は、定期的に電子機器の状態を検知し、それに合わせて非接触記憶媒体に格納するデータを定期的に更新する。これに加えて、例えば、電子機器に状態遷移のイベントが発生し、そのイベントが電源の供給が維持される程度のイベントであれば、データ管理装置はデータ管理処理を継続できる。よって、この場合には、データ管理装置は、ここで検知された新たな状態に応じて選択された新しいデータを非接触記憶媒体に格納する。
【0056】
これにより、データ管理装置は、状態遷移のイベント(例えば、エラー)発生時点において、次の定期的検知時点を待つことなく、すぐさま、そのイベントに適合する内容のデータを非接触記憶媒体に書き込むことが可能となる。
【0057】
一方、発生したイベントが、電源が断たれるほどの重度のものであれば、データ管理装置は稼働できない。よって、この場合には、電源が断たれる直前に書き込まれたデータが非接触記憶媒体から読み出せる状態になっている。
【0058】
以上のとおり、上記構成によれば、電源が供給されているうちは、常に、電子機器の最新の状態に適合したデータをICタグ2に格納することができる一方、電源が供給されない事態に備えて、電子機器の最新の状態に最も近い直前の状態に適合したデータを非接触記憶媒体に格納しておくことができる。したがって、より一層精度が高く、ユーザにとって利便性の高いデータ管理を実現することが可能となる。
【0059】
また、上記データ管理装置の上記データ管理手段は、上記状態検知手段によって検知された上記電子機器の状態の変遷を示す状態履歴を、上記非接触記憶媒体に格納することが好ましい。
【0060】
上記構成によれば、データ記憶部に格納されたデータだけではなく、状態履歴も上記非接触記憶媒体に格納されるため、電子機器が、電源が供給されない事態に陥っても、ユーザは、RFリーダ部などが搭載された使用支援装置を用いて、上記非接触記憶媒体から、データとともに状態履歴を取得することができる。電子機器が電源が供給されない事態に陥った時点では、それよりも以前に電子機器がどのように稼働していたのかを示す状態履歴は、有益且つ必要な情報である。
【0061】
結果として、電子機器の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理することが可能になるという効果を奏する。
【0062】
電子機器に搭載される非接触記憶媒体であって、上述のいずれかのデータ管理装置の制御にしたがって、上記電子機器の状態に応じて、当該状態下にある電子機器に適合する情報を含むデータを記憶している非接触記憶媒体も本発明の範疇に入る。
【0063】
上述のいずれかのデータ管理装置を備えている電子機器も本発明の範疇に入る。
【0064】
上述のいずれかのデータ管理装置を備えている電子機器と、上記電子機器に搭載された非接触記憶媒体からデータを読み出すRFリーダ部を備えている通信端末装置とを含む機器使用支援システムも本発明の範疇に入る。
【0065】
なお、上記データ管理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記データ管理装置をコンピュータにて実現させるデータ管理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0066】
本発明のデータ管理装置は、上記課題を解決するために、電子機器に搭載された非接触記憶媒体に記憶されるデータを管理するデータ管理装置であって、上記電子機器に関する情報を含んだデータを、複数記憶するデータ記憶部と、上記電子機器の状態を検知する状態検知手段と、上記電子機器の状態と上記データの種類とを対応付けた選択規則を参照することにより、上記状態検知手段によって検知された状態にある上記電子機器に適合する情報を含んだデータを、上記データ記憶部から選択するデータ選択手段と、上記データ選択手段によって選択されたデータを、上記非接触記憶媒体に格納するデータ管理手段とを備えていることを特徴としている。
【0067】
本発明のデータ管理方法は、電子機器に搭載された非接触記憶媒体に記憶されるデータを管理するデータ管理方法であって、上記電子機器は、上記電子機器に関する情報を含んだデータを、複数記憶するデータ記憶部を備え、上記電子機器の状態を検知する状態検知ステップと、上記電子機器の状態と上記データの種類とを対応付けた選択規則を参照することにより、上記状態検知ステップにて検知された状態にある上記電子機器に適合する情報を含んだデータを、上記データ記憶部から選択するデータ選択ステップと、上記データ選択ステップにて選択されたデータを、上記非接触記憶媒体に格納するデータ格納ステップとを含むことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態における電子機器、特に、データ管理装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施形態におけるエラー解消支援システムの概要を示す図である。
【図3】エラー解消支援システムにおいて、電子機器と通信端末装置とが近接型無線通信を行う様子を説明する図である。
【図4】本実施形態における通信端末装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】データ管理装置の選択規則記憶部に記憶されている選択規則の具体例を示す図である。
【図6】データ管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】エラー解消支援システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図8】本発明の他の実施形態におけるデータ管理装置の選択規則記憶部に記憶されている選択規則の具体例を示す図である。
【図9】データ管理装置のデータ記憶部に記憶されるデータの具体例を示す図である。
【図10】データ管理装置のデータ選択部が実施する「対処法解説データ選択処理」の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明のさらに他の実施形態におけるデータ管理装置の要部構成を示す機能ブロック図である。
【図12】データ管理装置の状態履歴記憶部に記憶されている、状態監視部による監視結果の具体例を示す図である。
【図13】データ管理装置の選択規則記憶部に記憶されている選択規則の具体例を示す図である。
【図14】データ管理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】エラー解消支援システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図16】選択規則記憶部に記憶されている選択規則の他の具体例を示す図である。
【図17】通信端末装置の表示制御部によって表示部に表示される画面が、イベントの発生に応じて遷移する様子を説明した画面遷移図である。
【図18】表示制御部が表示部に表示する、トップ画面Scr2の具体例を示す図である。
【図19】表示制御部が表示部に表示する、機種情報・エラー詳細画面Scr3の具体例を示す図である。
【図20】表示制御部が表示部に表示する、マニュアル表示画面Scr4の具体例を示す図である。
【図21】表示制御部が表示部に表示する、テキスト表示中のマニュアル表示画面Scr5の具体例を示す図である。
【図22】表示制御部が表示部に表示する、コールセンタ接続中画面Scr6の具体例を示す図である。
【図23】表示制御部が表示部に表示する、通話中画面Scr7の具体例を示す図である。
【図24】表示制御部が表示部に表示する、予約トップ画面Scr8の具体例を示す図である。
【図25】表示制御部が表示部に表示する、日程セレクト画面Scr9の具体例を示す図である。
【図26】表示制御部が表示部に表示する、時間セレクト画面Scr10の具体例を示す図である。
【図27】表示制御部が表示部に表示する、個人情報入力画面Scr11の具体例を示す図である。
【図28】表示制御部が表示部に表示する、予約完了画面Scr12の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
≪実施形態1≫
本発明の実施形態について、図1〜図7に基づいて説明すると以下の通りである。
【0070】
以下で説明する実施形態では、一例として、本発明のデータ管理装置を、使用対象機器としての電子機器に搭載した例について説明する。また、本実施形態では、一例として、上記電子機器と、上記電子機器を使用するユーザが所有する通信端末装置とが、エラー解消支援システムを構築する。上記エラー解消支援システムは、電子機器にエラー(異常、故障)が発生した場合に、ユーザがそのエラーを解消するためにユーザの支援を行うシステムである。エラー解消支援システムにおいて、ユーザの上記通信端末装置は、使用支援装置として機能する。
【0071】
〔エラー解消支援システムの概要〕
図2は、本実施形態におけるエラー解消支援システム100の概要を示す図である。
【0072】
図2に示すとおり、エラー解消支援システム100は、少なくとも、使用対象機器としての電子機器10と、使用支援装置としての通信端末装置11とを含む。エラー解消支援システム100は、使用対象機器として、電子機器10以外の電子機器(10a、10b・・・)をさらに含んでいてもよい。電子機器は、電源を供給されることによって稼働して、特定の機能を果たす機器であればなんでもよい。電子機器は、以下には限定されないが、例えば、洗濯機、炊飯器、冷蔵庫、空調設備、掃除機、デジタルテレビ、DVDレコーダ、パーソナルコンピュータ、ゲーム機などである。ここでは、電子機器10は、例えば、衣類の洗濯・乾燥を自動で行う機能を有した洗濯機である。
【0073】
エラー解消支援システム100において、電子機器10には、本発明のデータ管理装置1が搭載されており、ICタグ2が埋め込まれている。ICタグ2には、電子機器10に関するさまざまなデータが記憶されており、RFリーダ(RFリーダライタ)モジュールを近づけることよって、ICタグ2のデータを読み出すことが可能である。
【0074】
通信端末装置11は、上記RFリーダ(RFリーダライタ)モジュールとして機能するRFリーダライタ部3を備え、電子機器10のICタグ2からデータを読み出すことができる。ここでは、通信端末装置11は、これには限定されないが、多機能携帯端末装置、いわゆるスマートフォンである。
【0075】
通信端末装置11は、ICタグ2から読み出したデータを処理して、ユーザに提供したり、他の外部の装置に提供したりすることによって、ユーザの電子機器10の使用を支援する。例えば、ICタグ2に、電子機器10の使用の仕方やエラーの解消の仕方などの有益な情報を記憶しておけば、ユーザは、通信端末装置11を介して、電子機器10について上記の有益な情報を得ることができる。
【0076】
通信端末装置11は、可搬性に優れた小型の通信機器であることが好ましい。なぜなら、電子機器10が据え付けの大型の機器であっても、ユーザが通信端末装置11を手に持って電子機器10にかざすだけで、簡単にICタグ2のデータを読み出すことができるからである。例えば、図3に示すように、ユーザは、電子機器10のICタグ2が埋め込まれている接近面2aに通信端末装置11をかざす。これにより、通信端末装置11のRFリーダライタ部3がICタグ2と通信することが可能となる。
【0077】
また、通信端末装置11が外部の装置との通信機能を有していることにより、ICタグ2から読み出したデータを、上記外部の装置へと簡単に転送することが可能である。
【0078】
上記外部の装置の例としては、例えば、エラー解消支援システム100は、さらに、電子機器10のメーカなどが所有する管理サーバ12、および、オペレータ端末13を含んでいてもよい。管理サーバ12は、修理が必要な電子機器およびユーザの情報を蓄積するものである。オペレータ端末13は、音声によるアドバイスを提供して、エラー解消を支援するオペレータが、ユーザとの情報交換に使用する端末装置である。管理サーバ12およびオペレータ端末13はコールセンタとして機能する。
【0079】
本実施形態では、通信端末装置11は、インターネットおよび/または携帯電話網などの広域通信網14を介して、管理サーバ12およびオペレータ端末13と通信することができる。例えば、ICタグ2に、エラーが発生したときの電子機器10の状態についての情報などを記憶しておけば、ユーザは、通信端末装置11を介して、電子機器10のエラーを解消するために有益な情報を、管理サーバ12またはオペレータ端末13に簡単に転送することができる。
【0080】
なお、管理サーバ12とオペレータ端末13とは、広域通信網14を介して通信可能であってもよいし、LAN(Local Area Network)などの構内通信網を介して通信可能であってもよい。
【0081】
〔通信端末装置の構成〕
図4は、本実施形態における通信端末装置11の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0082】
図4に示すとおり、通信端末装置11は、ハードウェア構成として概略的には、少なくとも、制御部15、記憶部16、タッチパネル17、通信部18、通話部19およびRFリーダライタ部3を備えている。さらに、通信端末装置11は、図示しない、外部インターフェース、音声出力部、音声入力部、カメラ部、放送受像部(チューナ・復調部など)、GPS、および、センサ(加速度センサ、傾きセンサなど)他、スマートフォンが標準的に備えている各種部品を備えていてもよい。
【0083】
タッチパネル17は、通信端末装置11の入力デバイスおよび表示デバイスとして機能する。具体的には、タッチパネル17は、入力部17aおよび表示部17bを含んで構成されている。入力部17aは、ユーザが通信端末装置11を操作するための指示信号を、タッチパネルを介して入力するためのものである。入力部17aは、指またはペンなどの操作体の接触(または接近)を受け付けるタッチ面と、その接触(接近)位置を検知するためのタッチセンサとで構成されている。表示部17bは、通信端末装置11が情報処理した表示対象物(テキスト、画像、動画、GUI(Graphical User Interface)画面など)を表示するものである。表示部17bは、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で実現される。図4に示すとおり、入力部17aおよび表示部17bとは一体に成形されており、これらがタッチパネル17を構成している。
【0084】
通信部18は、広域通信網14を介して外部の装置とデータ通信を行うものである。例えば、通信部18は、携帯電話回線網を介して、電子メールデータなどを外部の装置との間で送受信する。
【0085】
通話部19は、発呼処理および着呼処理を行い、携帯電話回線網を介してやりとりされる音声通話データを処理して、通信端末装置11のユーザと、他の電話機器のユーザとの通話を実現するものである。
【0086】
RFリーダライタ部3は、ICタグ2のメモリからデータを読み出したり、書き込んだりするためのものであり、ICタグ2からの電磁波を受信するアンテナ部、および、データの変復調および送受信を制御するための各種回路で構成される。なお、通信端末装置11から電子機器10へ特に情報を書き込む必要がない場合には、RFリーダライタ部3の代わりに、RFリーダ部を設けてもよい。
【0087】
記憶部16は、通信端末装置11の制御部15が実行する(1)制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)制御部15が、通信端末装置11が有する各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを記憶するものである。あるいは、(5)制御部15が各種機能を実行する過程で演算に使用するデータおよび演算結果等を記憶するものである。例えば、上記の(1)〜(4)のデータは、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、NVRAM(non-Volatile random access memory)などの不揮発性記憶装置に記憶される。例えば、上記の(5)のデータは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置に記憶される。どのデータをどの記憶装置に記憶するのかについては、通信端末装置11の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。
【0088】
制御部15は、通信端末装置11が備える各部を統括制御するものである。制御部15は、例えば、CPU(central processing unit)などで実現され、通信端末装置11が備える機能は、制御部15としてのCPUが、ROMなどに記憶されているプログラムを、RAMなどに読み出して実行することで実現される。制御部15は、機能ブロックとして、表示制御部40、入力受付部41、データ送信制御部42、および、データ取得制御部43を含んでいる。各機能ブロックが実現する各種機能の詳細については、別図を参照しながら後述する。なお、図示しないが、制御部15は、各種アプリケーションを実行するためのアプリケーション実行部を含んでいてもよい。
【0089】
上述した制御部15の各機能ブロックは、通信端末装置11のソフトウェア構成を示しており、CPUなどの演算処理装置が、ROMなどで実現された不揮発性記憶装置に記憶されているプログラムを不図示のRAM等に読み出して実行することで実現できる。
【0090】
〔データ管理装置(電子機器)の構成〕
図1は、本実施形態における電子機器10、特に、データ管理装置1の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0091】
図1に示すとおり、電子機器10は、ハードウェア構成として概略的には、制御部5、記憶部6、ICタグ2、操作部7、表示部8、および、各種の機器機能実行部9を備える構成となっている。
【0092】
ICタグ2は、通信端末装置11のRFリーダライタ部3と通信して、データを送受信するためのものである。ICタグ2は、データを記憶するためのメモリと、RFリーダライタ部3に電磁波を送信するためのアンテナ部と、データの変復調および送受信を制御するための各種回路で構成される。本実施形態では、ICタグ2は、電池を内蔵せず、ICタグ2の電源回路は、RFリーダライタ部3のアンテナ部からの電磁波で電磁誘導を起こすなどの手段によって、ICタグ2を駆動させるための電力を得る。したがって、電池切れ、あるいは、ICタグ2が埋め込まれている電子機器10に電源が供給されていない、などの状態に関係なく、通信端末装置11のRFリーダライタ部3と接近するだけで、ICタグ2は、常に、データを読み出せる状態にある。
【0093】
操作部7は、ユーザが電子機器10に指示信号を入力するためのものである。操作部7は、ボタン、タッチパネル、タッチセンサ、もしくは、音声入力部と音声認識部などの適宜の入力デバイスで構成される。
【0094】
表示部8は、ユーザが電子機器10を操作するための操作画面をGUI画面として表示したりするものである。表示部8は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で構成される。電子機器にどのような種類のどの大きさの表示装置を採用するのかについては、電子機器の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。
【0095】
なお、電子機器10は、その電子機器が本来備える特定の機能を実行するためのハードウェア構成として、機器機能実行部9を備えている。電子機器10が、洗濯機である場合には、機器機能実行部9は、例えば、洗濯槽、脱水ユニット、乾燥ユニット、給水ユニット、排水ユニットなどである。
【0096】
記憶部6は、制御部5が実行する(1)制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)制御部5が、電子機器10が有する各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム、および、(4)該アプリケーションプログラムを実行するときに読み出す各種データを記憶するものである。あるいは、(5)制御部5が各種機能を実行する過程で演算に使用するデータおよび演算結果等を記憶するものである。
【0097】
特に、記憶部6は、上記の(3)および(4)のデータについて、電子機器10に搭載されたデータ管理装置1が実行するデータ管理機能を実現するために読み出す各種プログラム、データを記憶する。具体的には、記憶部6には、データ記憶部32および選択規則記憶部31が含まれる。
【0098】
また、例えば、上記の(1)〜(4)のデータは、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、NVRAM(non-Volatile random access memory)などの不揮発性記憶装置に記憶される。例えば、上記の(5)のデータは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置に記憶される。どのデータをどの記憶装置に記憶するのかについては、電子機器10の使用目的、利便性、コスト、物理的な制約などから適宜決定される。
【0099】
なお、上記の(3)および(4)のデータについて、電子機器10が実行する、データ管理機能以外の特定の機能(例えば、全自動洗濯機能)を実現するための機器機能プログラム30およびデータが、記憶部6に含まれていてもよい。
【0100】
制御部5は、電子機器10が備える各部を統括制御するものであり、機能ブロックとして、少なくとも、状態検知部21、データ選択部22、および、データ管理部23を備えている。これらの機能ブロックは、電子機器10において、データ管理装置1として機能するソフトウェア構成を表している。上述した制御部5の各機能ブロックは、CPUが、ROM、NVRAM等で実現された記憶装置(記憶部6)に記憶されているデータ管理機能のプログラムを不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる。データ管理装置1として機能する各部の構成および動作については、別図を参照して後に詳述する。
【0101】
なお、電子機器10の制御部5は、さらに、機能ブロックとして、機器機能実行制御部20を備えていてもよい。機器機能実行制御部20は、電子機器10が、データ管理機能以外の特定の機能(例えば、全自動洗濯機能)を実現するためのソフトウェア構成を表している。機器機能実行制御部20は、CPUが、ROM、NVRAM等で実現された記憶装置(記憶部6)に記憶されている機器機能プログラム30を不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行し、機器機能実行部9を制御し駆動させることで実現できる。電子機器10が本来備える構成や動作(機器機能実行部9、機器機能実行制御部20および機器機能プログラム30)は、既存の電子機器における周知の一般的な機能と同じであるので、ここでは詳しい説明は省略する。
【0102】
〔データ管理装置の機能構成〕
図1に示すとおり、データ管理装置1として機能する制御部5は、機能ブロックとして、状態検知部21、データ選択部22、および、データ管理部23を備えている。
【0103】
状態検知部21は、電子機器10の各部(特に、機器機能実行部9、機器機能実行制御部20)の稼働状況に応じて、電子機器10の状態を検知するものである。
【0104】
本実施形態では、状態検知部21は、電子機器10の状態に変化が生じた場合に、変化後の状態を検知する。より具体的には、状態検知部21は、電子機器10(特に、機器機能実行部9)が、問題なく稼働している状態か、または、異常・故障などが生じている状態かを検知する。以下では、前者を「通常稼働状態」、後者を「エラー発生状態」と称する。
【0105】
データ選択部22は、状態検知部21が検知した電子機器10の状態に応じて、ICタグ2に格納すべきデータを選択するものである。データ選択部22は、選択規則記憶部31に記憶されている選択規則にしたがって、データ記憶部32に記憶されているデータのうち、どのデータをICタグ2に格納するのかを選択する。本実施形態では、データ記憶部32には、電子機器10の取り扱い方を示した「取扱説明書データ」と、電子機器10にエラーが生じた場合に、そのエラーを解消するための対処法を示した「対処法解説データ」とが記憶されているものとする。
【0106】
図5は、選択規則記憶部31に記憶されている選択規則の具体例を示す図である。
【0107】
図5に示すとおり、選択規則のテーブルには、状態検知部21によって検知された状態ごとに、その状態に対応するデータの種類が対応付けられている。具体的には、状態「通常稼働状態」には、データの種類「取扱説明書データ」が対応付けられている。また、状態「エラー発生状態」には、データの種類「対処法解説データ」が対応付けられている。
【0108】
なお、選択規則をテーブル形式のデータ構造にて示したことは一例であって、選択規則のデータ構造を限定する意図はない。状態検知部21によって検知される状態と、選択されるべきデータとの対応関係を、データ選択部22が認識可能であれば、選択規則はどのようなデータ構造で構成されてもよい。このことは、以下のいずれの実施形態において同様である。
【0109】
データ選択部22は、上記の選択規則を参照し、状態検知部21によって検知された状態に対応付けられているデータの種類にしたがって、ICタグ2に格納すべきデータを選択する。データ選択部22は、選択したデータの種類をデータ管理部23に通知する。
【0110】
データ管理部23は、ICタグ2のメモリに記憶されるデータを管理するものである。具体的には、データ選択部22によって選択されたデータの種類にしたがって、該当するデータをデータ記憶部32から読み出し、そのデータをICタグ2のメモリに格納する。または、データ管理部23は、必要に応じて、ICタグ2のメモリから使われないデータを削除することを行ってもよい。
【0111】
〔データ管理装置の処理フロー〕
図6は、電子機器10に搭載されるデータ管理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【0112】
電子機器10の操作部7が操作されて、電源入スイッチが押下されると、電子機器10に電源が入る。あるいは、稼働開始を指示するボタンが押下されると、電子機器10が待機状態から稼働状態へと復帰する。このように電子機器10に電源が入ったり、電子機器10が稼働を開始したりすると(S101においてYES)、データ管理装置1もデータ管理機能に係る一連の処理を開始する。すなわち、まず、状態検知部21が、電子機器10の状態を検知する(S102)。なお、状態検知部21は、電源がオフにならないかぎり、状態の検知を継続し、電子機器10において生じる状態変化に備える(S103においてNO、S109においてNO)。
【0113】
状態検知部21による状態の検知が開始されてから、電子機器10において状態の変化が生じた場合(S103においてYES)、検知された変化後の状態がいずれであるのか判断される。具体的には、状態検知部21が、電子機器10の状態を、通常稼働状態であると検知した場合には(S104においてA)、データ選択部22は、図5に示す選択規則にしたがって、取扱説明書データを選択する(S105)。データ管理部23は、データ選択部22の選択にしたがって、データ記憶部32から取扱説明書データを読み出して、このデータをICタグ2に書き込む(S106)。
【0114】
一方、状態検知部21が、電子機器10の状態を、エラー発生状態であると検知した場合には(S104においてB)、データ選択部22は、上記選択規則にしたがって、対処法解説データを選択する(S107)。データ管理部23は、データ選択部22の選択にしたがって、データ記憶部32から対処法解説データを読み出して、このデータをICタグ2に書き込む(S108)。
【0115】
S106またはS108の後も、状態検知部21は、電源がオフにならないかぎり(S109においてNO)、S102に戻って状態の検知を継続し、次の状態変化に備える。
【0116】
一方、電源切スイッチが押下されて電子機器10の電源が切れたり、稼働終了に伴い自動で電源が切れたりした場合には(S109においてYES)、データ管理装置1の一連の処理は終了する。
【0117】
上記構成および方法によれば、状態検知部21によって、状態が、通常稼働状態からエラー発生状態、あるいはその反対へと変化したことが検知されたときには、変化後の状態に合わせて、データ選択部22が、ICタグ2に格納すべきデータを選択する。具体的には、データ選択部22は、電子機器10が通常稼働状態のときには、取扱説明書データを、エラー発生状態のときには、対処法解説データを選択する。そして、データ管理部23が、データ選択部22によって指定されたデータをICタグ2に格納する。
【0118】
これにより、ICタグ2のメモリには、そのときの電子機器10の状態に適合した内容のデータが常に記憶されていることになる。電子機器10の状態に適合した内容のデータとは、つまり、電子機器10の状態に応じてユーザが必要としている情報を含むデータである。
【0119】
したがって、データ管理装置1は、電子機器10の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理することができる。結果として、電子機器10を使用する上で、ユーザの利便性を向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0120】
〔エラー解消支援システムの処理の流れ〕
次に、図7を参照して、エラー解消支援システム100の各エンティティの状態および動作の流れを説明する。図7は、エラー解消支援システム100の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0121】
電子機器10が、例えば、電源オフの状態またはエラー発生状態から、通常稼働状態に変化すると(S1)、データ管理装置1は、通常稼働状態を検知して(M1)、対応する取扱説明書データをICタグ2に格納する(M2)。この時点より、ICタグ2は、取扱説明書データを保持した状態になる(S2)。
【0122】
S2以降、電子機器10に状態の変化が起こるS3までの間に、ユーザが通信端末装置11を電子機器10にかざすなどして、通信端末装置11のRFリーダライタ部3と、電子機器10のICタグ2とが通信したときは(M3)、通信端末装置11は、取扱説明書データをICタグ2から読み出すことができる(M4)。
【0123】
そして、電子機器10が、通常稼働状態からエラー発生状態へと変化すると(S3)、データ管理装置1は、エラー発生状態を検知して(M5)、対応する対処法解説データをICタグ2に格納する(M6)。この時点より、ICタグ2は、対処法解説データを保持した状態になる(S4)。なお、本実施形態では、ICタグ2のメモリ容量の制約から、ICタグ2は、1つのデータを保持する構成である。したがって、ここでは、取扱説明書データは、上書きまたは削除されて、新たに、対処法解説データが保持される。
【0124】
S4以降、電子機器10に次の状態の変化が起こるS5までの間に、通信端末装置11と、ICタグ2とが通信したときは(M7)、通信端末装置11は、対処法解説データをICタグ2から読み出すことができる(M8)。
【0125】
そして、再び、電子機器10が、通常稼働状態に復帰すると(S5)、M1およびM2と同様に、データ管理装置1は、通常稼働状態を検知して取扱説明書データをICタグ2に格納する(M9、M10)。これにより、ICタグ2は、再び、取扱説明書データを保持した状態になる(S6)。S6以後は、通信端末装置11は、ICタグ2から取扱説明書データを読み出すことができる(M11、M12)。
【0126】
以上のように、本発明のデータ管理装置1によれば、電子機器10が通常稼働状態の時には、通信端末装置11は、取扱説明書データを読み出すことが可能となり、電子機器10がエラー発生状態の時には、通信端末装置11は、そのエラーを解消するために必要になるであろう、対処法解説データを読み出すことが可能となる。
【0127】
したがって、データ管理装置1は、電子機器10の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理することができる。結果として、電子機器10を使用する上で、ユーザの利便性を向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0128】
≪実施形態2≫
本発明のデータ管理装置1に関する他の実施形態について、図8〜図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0129】
上述の実施形態では、電子機器10がエラー発生状態であるか否かに応じて、エラーに関する対処法解説データをICタグ2に格納するか否かを選択する構成であった。
【0130】
しかしながら、電子機器10が多機能であって、その構造が複雑であればあるほど、異常や故障の原因は多岐に亘り、対処法解説データが膨大な量になることが予想される。
そして、単にエラー発生状態であるということに基づいて、対処法解説データを通信端末装置11にて取得できるようにした構成では、現在の電子機器10のエラーに関して必要な情報を、ユーザが、膨大な量の対処法解説データの中から探し出さなければならなくなるという不都合が生じる。
【0131】
また、ICタグ2のメモリには、格納できるデータの容量に制約があり、すべてのエラーに対応する情報を含んだ対処法解説データを格納できないという問題がある。対処法解説データが、容量の大きい画像や動画などのデータを含んでいる場合には、この問題は特に深刻である。
【0132】
そこで、本実施形態では、上記の問題を解消することが可能な、より一層利便性に優れたデータ管理装置1の構成および動作について説明する。
【0133】
〔データ管理装置の構成〕
本実施形態におけるデータ管理装置1の構成について、実施形態1におけるデータ管理装置1(図1)の構成と異なる点は、以下のとおりである。
【0134】
本実施形態では、状態検知部21は、電子機器10の各部(特に、機器機能実行部9)を監視して、エラーが生じた場合には、どのようなエラーが発生しているのかまで、詳細に検知する。
【0135】
一例として、状態検知部21は、電子機器10(洗濯機)の、エラー発生状態として、以下の状態を検知することができる。
【0136】
状態「稼働しない」は、電子機器10の機器機能実行部9が動かず、一連の全自動洗濯機能が停止した状態を表す。
【0137】
状態「脱水できない」は、洗い、すすぎ、排水の処理が終わったのちに、洗濯槽が動かず、脱水の処理が停止した状態を表す。
【0138】
状態「給水しない」は、給水ユニットが動かず、洗いの処理を開始できない状態を表す。
【0139】
状態「要修理」は、機器機能実行部9や各種部品に故障、あるいは、交換が必要な消耗があり、一連の洗濯機能が停止した状態を表す。
【0140】
本実施形態では、選択規則記憶部31は、一例として図8に示す選択規則を記憶している。図8は、選択規則記憶部31に記憶されている選択規則の他の具体例を示す図である。
【0141】
図8に示すとおり、本実施形態の選択規則のテーブルにおいて、状態検知部21によって検知されたエラーの状態ごとに、そのエラーのタイプに対応する対処法解説データの種類が対応付けられている。例えば、状態「稼働しない」には、データの種類「対処法解説データA」が対応付けられている。また、状態「脱水できない」には、データの種類「対処法解説データB−1」および「対処法解説データB−2」が対応付けられている。このように、1つの状態に、複数種類の対処法解説データが対応付けられていてもよい。また、同じ対処法解説データが、複数の別の状態に対応付けられていてもよい。
【0142】
データ選択部22は、上記の選択規則を参照し、状態検知部21によって検知された状態に応じて、ICタグ2に格納すべきデータを選択する。状態検知部21は、通常稼働状態が検知されれば、取扱説明書データを選択し、エラー発生状態が検知されれば、さらに、そのエラーのタイプに応じた対処法解説データを選択する。
【0143】
本実施形態では、データ記憶部32は、取扱説明書データと、各種エラーに対応した複数種類の対処法解説データとを記憶する。図9は、本実施形態におけるデータ記憶部32に記憶されるデータの具体例を示す図である。
【0144】
図9に示すとおり、データ記憶部32は、取扱説明書データと、検知されるエラーのタイプに合わせて用意された複数種類の対処法解説データとが記憶されている。各データのデータ形式は、図9に示す例に限定されないが、例えば、取扱説明書データは、PDFデータである。対処法解説データは、テキストデータである。もしくは、取扱説明書データおよび対処法解説データは、動画データ、画像データ、音声データのいずれであってもよいし、あるいは、複数種類の形式のデータを含んでいてもよい。
【0145】
例えば、データ管理部23は、データ選択部22によって、「対処法解説データC」が選択された場合には、テキストデータ50と動画データ51とをデータ記憶部32から読み出し、ICタグ2に格納する。
【0146】
〔データ管理装置の処理フロー〕
次に、本実施形態におけるデータ管理装置1の処理の流れを図6および図10を参照しながら説明する。
【0147】
本実施形態におけるデータ管理装置1の処理の流れは、図6に示すデータ管理装置1の処理の流れと、S106の工程を除いて同様である。よって、以下では、データ管理装置1のデータ選択部22がS106の工程の代わりに実施する「対処法解説データ選択処理」の流れについて、図10に基づいて説明する。
【0148】
図10は、データ選択部22が実施する「対処法解説データ選択処理」の流れを示すフローチャートである。
【0149】
状態検知部21が、エラー発生状態「稼働しない」を検知した場合には(S201においてA)、データ選択部22は、図8に示す選択規則にしたがって、対処法解説データAを選択する(S202)。一方、状態検知部21が、エラー発生状態「脱水できない」を検知した場合には(S201においてB、S203においてA)、データ選択部22は、対処法解説データB−1およびB−2を選択する(S204)。一方、状態検知部21が、エラー発生状態「給水しない」を検知した場合には(S203においてB、S205においてA)、データ選択部22は、対処法解説データCを選択する(S206)。一方、状態検知部21が、エラー発生状態「要修理」を検知した場合には(S205においてB)、データ選択部22は、対処法解説データDを選択する(S207)。
【0150】
データ選択部22が、図10に示す対処法解説データ選択処理を終了すると、データ管理部23は、データ選択部22によって選択された対処法解説データを、データ記憶部32(図9)から読み出して、ICタグ2に書き込む(図6のS107)。
【0151】
以上のように、上記構成および方法によれば、電子機器10が通常稼働状態の時には、通信端末装置11は、取扱説明書データを読み出すことが可能となる。一方、電子機器10がエラー発生状態の時には、電子機器10が陥っているエラーのタイプに適合した対処法解説データを読み出すことが可能となる。電子機器10が陥っているエラーのタイプに適合した対処法解説データとは、そのエラーを解消するために必要な情報(例えば、エラーを解消するための手順説明など)を含んだ対処法解説データのことである。
【0152】
したがって、ユーザは、不要な情報が混合された膨大な量の対処法解説データの中から必要な情報を探し出すという煩わしさから解放される。また、必要なときに必要な情報だけをICタグ2に格納するようにしたので、ICタグ2のメモリ容量の問題も解消される。
【0153】
以上のことから、データ管理装置1は、電子機器10の状態に応じて必要な情報をすぐさまユーザに提供できるようデータを管理することができる。結果として、メモリ容量の問題を解消するとともに、電子機器10を使用する上で、ユーザの利便性をより一層向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0154】
≪実施形態3≫
本発明のデータ管理装置1に関する他の実施形態について、図11〜図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0155】
上述の各実施形態では、電子機器10においてエラーが発生したときに、その発生したエラーに対応するデータをデータ記憶部32から読み出してICタグ2に格納する構成であった。
【0156】
しかしながら、電子機器10において発生したエラーが、電源の供給が断たれる重度の故障である場合、エラーが発生したときには電源が供給されない状態であって、電子機器10に搭載されているデータ管理装置1も動作できない。このため、発生した重度のエラーに適合した対処法解説データをICタグ2に格納することが間に合わず、ICタグ2に格納されているデータは、上記重度のエラーが発生する1つの前の状態に適合する内容のままである。したがって、上述の各実施形態の構成によれば、電子機器10の電源が断たれる重度のエラーであっても、ICタグ2からのデータを読み出せるという利便性は保証されている。しかしながら、そのデータは、重度のエラーが発生する1つの前の状態に適合する内容を有するため、重度のエラーを解消するために必要な情報であるかという観点では、精度に欠けるという問題がある。
【0157】
そこで、本実施形態では、上記の問題を解消することが可能な、より一層利便性に優れたデータ管理装置1の構成および動作について説明する。
【0158】
〔データ管理装置の構成〕
図11は、本実施形態におけるデータ管理装置1の要部構成を示す機能ブロック図である。
【0159】
図11に示すデータ管理装置1の構成において、図1に示すデータ管理装置1の構成と異なる点は、制御部5の機能ブロックである状態検知部21が、さらに、状態監視部24および状態分析部25を備えている点である。また、別の異なる点は、記憶部6が、さらに、状態履歴記憶部33を備えている点である。
【0160】
状態監視部24は、電子機器10の状態を監視して、監視した結果得られた状態の変化の履歴を状態履歴記憶部33に記録するものである。状態監視部24は、電子機器10が、いつ、どのような状態に変化したのか、どのような状態がどのくらいの期間継続しているのかなどの情報を状態履歴記憶部33に格納する。以下では、電子機器10が、いつ、どのような状態に変化したのかを示す情報を「状態履歴」と称する。また、電子機器10が、通常稼働状態であった延べ時間を示す情報を「総稼働時間」、電子機器10の使用が開始されてからの延べ日数を示す情報を「総稼働日数」と称する。
【0161】
本実施形態では、状態監視部24は、電子機器10を監視して、状態履歴、総稼働時間、および、総稼働日数を状態履歴記憶部33に格納する。
【0162】
状態分析部25は、指定された時点において、状態監視部24によって集約された情報(例えば、状態履歴記憶部33に記憶されている、状態履歴、総稼働時間、および、総稼働日数など)を分析し、当該時点における電子機器10の状態を検知するものである。
【0163】
本実施形態では、状態分析部25は、図示しない計時部による経過時間の計時にしたがって、一定時間間隔で、定期的に状態の分析および検知を繰り返す。
【0164】
状態監視部24および状態分析部25による上述の一連の処理によって、状態検知部21が、定期的に電子機器10の状態を検知することになる。
【0165】
状態分析部25が、状態の分析および検知を行う時点は、電子機器10の使用形態、性能、性質などに応じて、適宜指定される。例えば、「電源投入時(初回)、および、これ以後、t分間隔で毎回(分析・検知する)」と指定されてもよいし、「1日1回所定時刻に(分析・検知する)」と指定されてもよい。例えば、電子機器がデジタルテレビであって、長時間稼働するような機器であるならば、t分(秒)ごとに、状態の分析および検知を繰り返すように状態分析部25を構成してもよい。あるいは、電子機器が洗濯機であって、毎日午前中に使用される習慣がある場合には、午前中はt分ごとに、午後は数時間ごとに、状態の分析および検知を繰り返すように状態分析部25を構成してもよい。分析および検知のタイミングは、ユーザ操作によってユーザが任意に設定できる構成であってもよい。
【0166】
上記構成によれば、データ管理装置1は、定期的に電子機器10の状態を監視し、その時々の電子機器10の状態に応じて定期的にICタグ2の内容を更新することができる。そのため、重度のエラーが発生して電源が断たれてしまった後でも、通信端末装置11は、ICタグ2から、どんなに古くても、重度のエラー発生からt分(秒)前の、つまり直前の電子機器10の状態に適合した内容のデータを読み出すことができる。よって、データ管理装置1は、ICタグ2に格納されているデータが、電子機器の最終の状態に最も近い直前の状態に対応して、必要な情報を含んでいるように、より精度の高いデータ管理を実現することが可能となる。
【0167】
状態分析部25は、状態履歴記憶部33に記憶されている情報を参照して、電子機器10の状態を、例えば、以下のように分析する。状態分析部25は、総稼働時間が所定閾値を超えたか否か、総稼働日数が所定閾値を超えたか否か、新しい部品に交換されてから何日経過したか、特定のエラーの延べ発生回数、特定のエラーの発生頻度、特定のエラーが1回でも発生したか否か、状態履歴が特定のエラーの発生シナリオに合致するか、などを分析する。これらは、状態分析部25が分析し、導出できる分析結果の一例であって、状態分析部25の動作を限定する意図はない。
【0168】
なお、特定のエラーの発生シナリオとは、特定の複数種類のエラーが発生する順序を定義した情報である。状態分析部25は、予め定められた発生シナリオと、状態履歴とを比較して、発生シナリオに合致する状態の遷移があるか否かを分析する。
【0169】
例えば、電源が断たれる重度のエラーが発生する予兆として、特定のエラー「タイプP」、「タイプQ」、「タイプR」が順に発生するということが統計上多いということが、過去の経験によって分かっているとする。この場合、“エラー「タイプP」→「タイプQ」→「タイプR」が順に発生する”という発生シナリオを定義しておく。
【0170】
状態履歴記憶部33に記憶されている状態履歴が、「タイプP」、「タイプQ」、「タイプR」のエラーが順に発生していることを示している場合、状態分析部25は、上記発生シナリオに合致すると分析する。この分析結果に基づいて、状態検知部21は、電子機器10が、「電源が断たれる重度のエラーが発生する可能性が高い状態」であることを検知することができる。
【0171】
このように、電源が断たれる重度のエラーの発生を事前に予測することができれば、電源が実際に断たれる前に、ICタグ2にこの重度のエラーに関するデータを格納しておくことができる。そのため、電源が実際に断たれてしまった後でも、通信端末装置11は、ICタグ2から重度のエラーに関するデータを読み出すことができる。よって、データ管理装置1は、ICタグ2に格納されているデータが、電子機器の状態に応じて必要な情報を含んでいるように、より一層精度の高いデータ管理を実現することが可能となる。
【0172】
〔状態履歴記憶部33について〕
図12は、状態履歴記憶部33に記憶されている、状態監視部24の監視結果の具体例を示す図である。なお、監視結果をテーブル形式のデータ構造にて示したことは一例であって、監視結果のデータ構造を限定する意図はない。
【0173】
第1テーブル52には、電子機器10の総稼働時間および総稼働日数が格納されている。状態監視部24は、通常稼働状態の継続時間を監視し、第1テーブル52の総稼働時間に累積加算する。状態監視部24は、第1テーブル52の総稼働日数について、使用が開始されてからの経過日数を、1日1回更新する。
【0174】
第2テーブル53には、状態履歴が格納されている。状態監視部24は、電子機器10の状態を監視し、電子機器10において特定のイベントが発生したとき(ある状態から別のある状態へ変化したとき、など)に、そのイベントが発生した日付、時刻、および、イベントの内容を第2テーブル53に記憶する。
【0175】
〔選択規則について〕
図13は、本実施形態における選択規則記憶部31に記憶されている選択規則の具体例を示す図である。
【0176】
図13に示すとおり、本実施形態の選択規則のテーブルにおいて、状態検知部21(状態分析部25)によって検知された状態ごとに、その状態に対応するデータの種類が対応付けられている。
【0177】
図5および図8に示す選択規則と異なる点は、本実施形態の「検知された状態」は、ある状態が発生したという「一過性のイベント」だけではなく、長いスパンで検知された複数のイベントを分析することにより判明した「長期的な傾向を反映した状態」も含んでいる点である。例えば、選択規則のテーブルのレコード54には、「長期的な傾向を反映した状態」として、“エラー「タイプP」→「タイプQ」→「タイプR」が順に発生する”という発生シナリオが定義されている。
【0178】
他の具体例を挙げると、状態分析部25は、図12に示す第1テーブル52を分析し、総稼働時間が70時間以上であるか、総稼働日数が90日以上であるならば、状態「総稼働時間が70時間以上 or 総稼働日数が90日以上」に該当することを検知する。この場合、データ選択部22は、上記の検知された状態に対応付けられている対処法解説データEを、ICタグ2に格納すべきデータとして選択する。
【0179】
あるいは、例えば、状態分析部25は、上記状態履歴を分析し、最後にフィルタ交換のイベントが起こった日から今日まで2週間以上が経過していると判断した場合には、電子機器10が、状態「前回のフィルタ交換から2週間以上経過」に該当することを検知する。この場合、データ選択部22は、上記の検知された状態に対応付けられている対処法解説データFを、ICタグ2に格納すべきデータとして選択する。
【0180】
なお、状態分析部25は、電子機器10が、選択規則に定義されている複数の状態に該当すると判断する場合も考えられる。この場合には、データ選択部22は、検知されたそれぞれの状態に対応するデータを複数選択すればよい。
【0181】
例えば、電子機器10において、過去に、「タイプX」のエラーが5回発生し、「タイプP」のエラーが1回以上発生している場合には、状態分析部25は、電子機器10が、1つ目の状態「エラー『タイプX』が5回以上 or 1週間に2回以上発生」と、2つ目の状態「エラー『タイプP』が発生」に該当すると検知する。この場合、データ選択部22は、対処法解説データG、および、対処法解説データH−1をICタグ2に格納するデータとして選択する。
【0182】
〔データ管理装置の処理フロー〕
図14は、本実施形態におけるデータ管理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、状態分析部25による分析および検知の時点は、「電源投入時または稼働開始時(初回)からt分後、および、これ以後、t分経過ごとに(分析・検知する)」と指定されているものとする。
【0183】
電子機器10に電源が入ったり、電子機器10が稼働を開始したりすると(S301においてYES)、まず、状態検知部21の状態監視部24が、電子機器10の状態監視を開始する(S302)。状態監視部24は、イベントの発生を検出すると、その監視結果(例えば、日付、時刻、発生したイベントの内容など)を状態履歴記憶部33に記憶する(S303)。また、状態監視部24は、総稼働時間、総稼働日数をさらに記憶してもよい。なお、状態監視部24は、電源がオフにならない限りは、状態監視を継続的に実行することができる(S304においてNO、S312においてNO)。
【0184】
状態監視部24が状態監視を開始してから所定時間(ここでは、t分)が経過した時点で(S304においてYES)、状態検知部21の状態分析部25は、状態履歴記憶部33に記憶された監視結果を分析して、当該時点における電子機器10の状態(長期的な傾向)を検知する(S305)。
【0185】
状態分析部25が、例えば、電子機器10が「前回のフィルタ交換から2週間以上経過」した状態であると検知した場合には(S306においてA)、データ選択部22は、図13に示す選択規則にしたがって、対処法解説データFを選択する(S307)。この対処法解説データFは、例えば、フィルタ交換をユーザに促すためのメッセージを含んでおり、上記の状態に適合した内容となっている。
【0186】
あるいは、状態分析部25が、電子機器10が、上記以外の他のエラーに関わる状態であると検知した場合には(S306においてB)、データ選択部22は、上記選択規則にしたがって、検知されたエラーの状態に対応付けられた対処法解説データを選択する(S309)。
【0187】
そして、データ管理部23は、S307またはS309において選択された対処法解説データをデータ記憶部32から読み出し、これをICタグ2に書き込む(S308)。その後も、状態検知部21の状態監視部24は、電源がオフにならない限りは(S312においてNO)、S302に戻って状態監視を継続する。
【0188】
一方、電子機器10において、過去にエラーが起こっておらず、問題なく通常稼働状態を維持されている場合には、状態分析部25は、電子機器10が「エラーなし」の状態であると検知する。この場合には(S306においてC)、データ選択部22は、上記選択規則にしたがって、「エラーなし」の状態に対応付けられた取扱説明書データを選択する(S310)。
【0189】
そして、データ管理部23は、取扱説明書データをデータ記憶部32から読み出し、これをICタグ2に書き込む(S311)。その後も、状態検知部21の状態監視部24は、電源がオフにならない限りは(S312においてNO)、S302に戻って状態監視を継続する。
【0190】
なお、電源切スイッチが押下されて電子機器10の電源が切れたり、稼働終了に伴い自動で電源が切れたり、あるいは、重度のエラーによって電源が断たれたりした場合には(S312においてYES)、データ管理装置1の一連の処理は終了する。一方、上述したとおり、電子機器10に電源が入っている間は(S312においてNO)、状態検知部21が状態検知を繰返し実行する。すなわち、状態監視部24が電子機器10の監視を継続し(S302)、前回の状態検知時点(上述のS305)からt分を経過した場合に(S304においてYES)、状態分析部25が再び電子機器10の状態を分析し、検知する(S305)。
【0191】
〔エラー解消支援システムの処理の流れ〕
次に、図15を参照して、エラー解消支援システム100の各エンティティの状態および動作の流れを説明する。図15は、エラー解消支援システム100の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0192】
電子機器10の電源が入ると、データ管理装置1の状態監視部24は、状態の監視を開始し、これを継続する(S21)。S21からt分後の時点M21で、データ管理装置1の状態分析部25は、電子機器10の状態を分析し、電子機器10のある状態、ここでは、状態(1)を検知する(M21)。データ管理装置1は、状態(1)に適合したデータ(1)を選択し、これをICタグ2に格納する(M22)。この時点より、ICタグ2は、データ(1)を保持した状態になる(S22)
S22以降であって、かつ、前回の状態検知時点M21からt分が経過する(時点M25)までの間に、ユーザが通信端末装置11を電子機器10にかざした場合には、通信端末装置11のRFリーダライタ部3と、電子機器10のICタグ2とが通信し(M23)、通信端末装置11は、データ(1)をICタグ2から読み出すことができる(M24)。
【0193】
M21からt分後、データ管理装置1において状態(2)が検知されると(M25)、ICタグ2には、状態(2)に適合したデータ(2)が格納される(M26)。S23の状態は、M25からt分後にICタグ2の内容が更新されるまで継続される。M25からt分後は、状態(3)が検知され(M27)、データ(3)が格納され(M28)、ICタグ2には、データ(3)が保持された状態となる(S24)。
【0194】
ここで、M27からt分が経過する時点(M28’)よりも前に、重度のエラーが発生し、電子機器10の電源が断たれたとする(S25)。S25の時点では、電子機器10(データ管理装置1)は稼働しないが、通信端末装置11は、電子機器10のICタグ2と通信することができる。そして、ICタグ2は、S24のデータ(3)を保持している状態を保っている。したがって、通信端末装置11のRFリーダライタ部3は、ICタグ2と通信し(M29)、ICタグ2からデータ(3)を読み出すことができる(M30)。
【0195】
上記構成によれば、データ管理装置1は、電子機器10の状態を監視し、その時々の電子機器10の状態に応じて定期的に(ここでは、t分ごとに)ICタグ2の内容を更新することができる。そのため、重度のエラーが発生して電源が断たれてしまった後(S25以降)でも、通信端末装置11は、ICタグ2から、どんなに古くても、重度のエラー発生からt分以内前の、つまり、直前のM27の時点における電子機器10の状態に適合した内容のデータを読み出すことができる。よって、データ管理装置1は、ICタグ2に格納されているデータが、電子機器の最終の状態に最も近い直前の状態に対応して、必要な情報を含んでいるように、より精度の高いデータ管理を実現することが可能となる。
【0196】
〔状態分析部25の統計処理〕
上述したとおり、状態分析部25は、長いスパンで検知された複数のイベントを分析することにより、電子機器10の「長期的な状態」について検知するものである。さらに、状態分析部25は、長いスパンで検知された複数のイベントの発生頻度または発生回数を統計的に分析して、電子機器10の状態を検知してもよい。
【0197】
例えば、状態分析部25は、状態履歴記憶部33に記憶されている状態履歴(図12の第2テーブル53)を参照し、過去に起こったエラーの回数をエラーのタイプごとにカウントする。そして、状態分析部25は、発生回数が最も多いエラーのタイプを特定する。
【0198】
そして、データ選択部22は、状態分析部25によって特定された最多発エラーに対応するデータを最も優先度の高い対処法解説データとして選択する。
【0199】
上記の構成におけるデータ選択部22が参照する選択規則としては、例えば、図16に示す選択規則が想定される。図16は、本実施形態における選択規則記憶部31に記憶されている選択規則の他の具体例を示す図である。
【0200】
図16に示すとおり、本実施形態の選択規則のテーブルにおいて、状態分析部25が統計処理に基づいて検知した状態ごとに、その状態に対応するデータの種類が対応付けられている。
【0201】
具体的には、状態分析部25が、エラー発生状態「稼働しない」が、過去最も多発していると分析した場合には、データ選択部22は、状態「最も発生回数が多いエラーが『稼働しない』」に対応付けられている対処法解説データAを、ICタグ2に格納すべき、最も優先度の高い対処法のデータとして選択する。
【0202】
上記構成によれば、データ管理装置1は、電子機器10の状態を監視して、電子機器10のエラーの長期的な傾向を把握することができ、そのようなエラーの傾向に適合した内容を含むデータが格納されるようにICタグ2を維持することができる。
【0203】
通信端末装置11は、ICタグ2から、いつでも、電子機器10のエラー傾向に適合した内容のデータを読み出すことができる。よって、データ管理装置1は、ICタグ2に格納されているデータが電子機器の状態に応じて必要な情報を含んでいるように、より精度の高いデータ管理を実現することが可能となる。
【0204】
≪実施形態4≫
本発明のエラー解消支援システム100に関する他の実施形態について、図4および図17〜図28に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上述の各実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0205】
上述の各実施形態では、電子機器10において発生したエラーを解消するためのユーザ支援を行うエラー解消支援システム100について説明した。各実施形態におけるエラー解消支援システム100において、使用支援装置としての通信端末装置11が、電子機器10のICタグ2から、電子機器10のそのときの状態に適合した内容のデータを読み出して、ユーザに提供することによってユーザ支援を実現している。
【0206】
本実施形態では、ICタグ2から読み出したデータをユーザに提供するのみでは、ユーザがエラーを解消できない場合に備えて、ユーザにさらなる解消支援ツールを提供することが可能な、エラー解消支援システム100、特に通信端末装置11の構成について説明する。
【0207】
〔通信端末装置の機能構成〕
図4に示すとおり、通信端末装置11の制御部15は、機能ブロックとして、表示制御部40、入力受付部41、データ送信制御部42およびデータ取得制御部43を備えている。
【0208】
表示制御部40は、表示部17bに表示させる映像内容を制御するものである。特に、本実施形態では、表示制御部40は、RFリーダライタ部3が電子機器10のICタグ2から取得したデータを表示部17b上で表示するための映像信号に変換し、該映像信号を表示部17bに出力する。また、表示制御部40は、電子機器10にエラーが発生したときに、ユーザを、さらなる解消支援ツールに導くための案内画面(GUI画面)を生成し、その映像信号を表示部17bに出力する。
【0209】
入力受付部41は、入力部17aを介して入力されたユーザからの指示信号を受け付けて、その指示内容を通信端末装置11の必要な各部に伝達するものである。
【0210】
データ送信制御部42は、通信部18を制御して、記憶部16に記憶されている自装置の各種データ(特に、RFリーダライタ部3がICタグ2から読み出したデータなど)を、外部の装置に送信するものである。例えば、データ送信制御部42は、通信部18を介して、上記データを、広域通信網14を介して管理サーバ12またはオペレータ端末13に送信することができる。
【0211】
データ取得制御部43は、RFリーダライタ部3を制御して、電子機器10のICタグ2に記憶されているデータ(取扱説明書データおよび対処法解説データなど)を読み出し、取得するものである。データ取得制御部43は、RFリーダライタ部3を介して取得したデータを、記憶部16に記憶する。これにより、通信端末装置11は、ICタグ2に格納されているデータを自装置にて情報処理することが可能となる。
【0212】
本実施形態では、通信端末装置11は、ユーザがエラーを解消するための、解消支援ツールをユーザに提供する構成である。
【0213】
具体的には、通信端末装置11は、第1の解消支援ツールとして、ICタグ2から読み出した対処法解説データを表示してユーザに提示する構成である。第2の解消支援ツールとして、通信端末装置11は、ICタグ2から読み出した電子機器10のエラー状態に関する情報を、コールセンタ(オペレータ端末13または管理サーバ12)に供給し、オペレータ端末13と通信し、ユーザが簡単な操作でオペレータと有益な情報交換を行えるようにする構成である。第3の解消支援ツールとして、通信端末装置11は、さらに、ユーザが簡単な操作でサービスパーソン(修理担当者)の訪問修理を予約できるようにする構成である。
【0214】
以下に、通信端末装置11が第1〜第3の解消支援ツールを提供する方法について、表示部17bに表示される画面の遷移図と、各種画面の具体例を参照しながら説明する。
【0215】
図17は、表示制御部40が表示部17bに表示する画面がイベントの発生に応じて遷移する様子を説明した画面遷移図である。図18〜図28は、表示制御部40が表示部17bに表示する各種画面の具体例を示す図である。
【0216】
図17を参照しながら説明すると、通信端末装置11の表示制御部40は、画面Scr2〜Scr5を表示部17bに表示することにより、第1の解消支援ツールを実現する。表示制御部40は、画面Scr4、Scr6〜Scr7を表示部17bに表示することにより、第2の解消支援ツールを実現する。表示制御部40は、画面Scr8〜Scr12を表示部17bに表示することにより、第3の解消支援ツールを実現する。
【0217】
まず、通信端末装置11が特定の処理を実行してない待機状態である場合には、表示制御部40は、待ち受け画面Scr1を表示部17bに出力する。待ち受け画面Scr1は、既知のスマートフォンや携帯電話の待ち受け画面と同様のものであるため特に図示しない。
【0218】
ここで、ユーザが、電子機器10が故障したために対処法解説データを得ようとして、図3に示すように、通信端末装置11を電子機器10の接近面2aにかざしたとする。こうして、通信端末装置11のRFリーダライタ部3と、電子機器10のICタグ2とが通信を開始するイベントEv1が発生する。イベントEv1が発生すると、次に、表示制御部40は、電子機器10のエラー解消支援アプリケーションのトップ画面Scr2を表示部17bに出力する。図18にトップ画面Scr2の具体例を示す。図18に示すとおり、ユーザがこのアプリケーションを利用する意思がある場合にはタッチパネル17の画面をタッチするように、ユーザに促すメッセージを表示させる。
【0219】
入力受付部41がユーザの画面タッチを受け付けて、イベントEv2が発生すると、次に、表示制御部40は、機種情報・エラー詳細画面Scr3を表示する。機種情報・エラー詳細画面Scr3は、電子機器10の機種情報と、現在の電子機器10に発生しているエラー詳細情報とを含む。図19に機種情報・エラー詳細画面Scr3の具体例を示す。図19に示すとおり、表示制御部40は、電子機器10の型番、シリアル番号、保証期間などの機種情報を表示する。また、表示制御部40は、電子機器10において発生したエラー発生状態に関して、エラーコード、エラーの詳細説明文などのエラー詳細情報を表示する。上記機種情報およびエラー詳細情報は、電子機器10のデータ管理装置1の動作によって、ICタグ2に予め格納されており、データ取得制御部43によって取得されて、記憶部16に記憶されている。つまり、本実施形態において、データ管理装置1のデータ選択部22は、状態検知部21がエラー発生状態を検知した場合には、そのエラーに適合した対処法解説データだけでなく、機種情報およびエラー詳細情報を、ICタグ2に格納すべき情報として選択する構成である。さらに、図19に示すとおり、機種情報・エラー詳細画面Scr3には、ユーザがこのエラーについて対処法解説データを閲覧できるように「マニュアルへ進む」ボタンがタッチできるように表示される。
【0220】
入力受付部41が、「マニュアルへ進む」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv3が発生すると、表示制御部40は、マニュアル表示画面Scr4を表示する。図20にマニュアル表示画面Scr4の具体例を示す。図20に示す例では、マニュアル表示画面Scr4は、上半分の領域に、ICタグ2から取得した対処法解説データ(動画やテキストなど)を表示し、下半分の領域には、ユーザが採り得る次の選択肢を表示する。
【0221】
ここで、ユーザは、現在発生しているエラーに適合した対処法解説データを画面に表示させたい場合には、図20に示す「マニュアル表示」ボタンをタッチする。入力受付部41が、「マニュアル表示」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv4が発生すると、表示制御部40は、マニュアル表示画面Scr4の上半分の領域に対処法解説データ(例えば、動画)を再生表示する(Scr5)。対処法解説データの再生が完了すれば(Ev5)、表示制御部40は、画面をScr5からScr4に戻してもよい。なお、対処法解説データがテキストデータであれば、例えば、図21に示すとおり、マニュアル表示画面の上半分の領域にテキストデータを表示する(Scr5)。
【0222】
ユーザは、表示された対処法解説データにしたがってある措置を講じ、エラーを解消することができた場合には、図20(または図21)に示す「終了」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「終了」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv6が発生すると、表示制御部40は、画面を、マニュアル表示画面Scr4から待ち受け画面Scr1に遷移させる。そして、通信端末装置11はエラー解消支援アプリケーションを終了させる。
【0223】
一方、ユーザは、対処法解説データを読んでも電子機器10のエラーを解消できなかった場合には、図20(または図21)に示す「コールセンタへ接続・問合せ」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、上記ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv7が発生すると、表示制御部40は、コールセンタ接続中画面Scr6を表示する。図22にコールセンタ接続中画面Scr6の具体例を示す。
【0224】
なお、イベントEv7が発生したことに伴い、コールセンタ接続中画面Scr6が表示されている間、データ管理装置1の通話部19は、コールセンタへの発呼処理を実行する。また、データ送信制御部42は、通信部18を制御して、コールセンタ(オペレータ端末13または管理サーバ12)に、電子機器10の機種情報およびエラー詳細情報を転送する。機種情報は、例えば、型番、シリアル番号、保証期間、「お客様エリア;近畿 京都」などの電子機器10の所在情報などを含んでいる。エラー詳細情報は、エラーコード、エラー内容の説明文などを含んでいる。
【0225】
データ送信制御部42の情報転送が完了し、且つ、通話部19の発呼処理が完了してオペレータとの電話がつながると、イベントEv8が発生する。イベントEv8が発生すると、表示制御部40は、通話中画面Scr7を表示する。図23に通話中画面Scr7の具体例を示す。
【0226】
ユーザは、オペレータと通話して、オペレータからエラー解消の指南を受けることができる。ユーザは、オペレータの指示にしたがってある措置を講じ、エラーを解消することができた場合には、図23に示す「終了」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「終了」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv9が発生すると、表示制御部40は、画面を、通話中画面Scr7から待ち受け画面Scr1に遷移させる。そして、通信端末装置11はエラー解消支援アプリケーションを終了させる。
【0227】
一方、オペレータの指示どおりにしても電子機器10のエラーを解消できなかった場合、あるいは、オペレータが修理担当者による作業が必要と判断した場合には、ユーザは、図23に示す「解決しない」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「解決しない」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv10が発生すると、表示制御部40は、訪問修理を予約するための予約トップ画面Scr8を表示する。図24に予約トップ画面Scr8の具体例を示す。
【0228】
ユーザは、訪問修理を希望する場合には、図24に示す「予約画面に進む」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「予約画面に進む」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv11が発生すると、表示制御部40は、次に、日程セレクト画面Scr9を表示する。図25に日程セレクト画面Scr9の具体例を示す。
【0229】
入力受付部41が、図25に示す日程セレクト画面Scr9から、希望日程の選択、および、「次へ」ボタンのタッチを受け付けると、イベントEv12が発生する。イベントEv12が発生すると、表示制御部40は、続いて、時間セレクト画面Scr10を表示する。図26に時間セレクト画面Scr10の具体例を示す。
【0230】
ユーザは、選択した日程において、希望した時間帯に訪問修理を予約することができない場合には、図26に示す「カレンダーに戻る」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「カレンダーに戻る」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv13が発生すると、表示制御部40は、画面を、時間セレクト画面Scr10から日程セレクト画面Scr9に戻す。
【0231】
一方、図26の時間セレクト画面Scr10にて、希望の時間帯を予約することができた場合には、ユーザは、図26に示す「次へ」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「次へ」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv14が発生すると、表示制御部40は、個人情報入力画面Scr11を表示する。図27に個人情報入力画面Scr11の具体例を示す。
【0232】
図27の個人情報入力画面Scr11において、ユーザは、入力部17aを操作して、各テキストボックスに指定された項目の内容を入力する。ユーザは、個人情報を登録することを希望しない場合には、あるいは、日程の選択からやり直したい場合には、図27に示す「キャンセル」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「キャンセル」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv15が発生すると、表示制御部40は、画面を、個人情報入力画面Scr11から予約トップ画面Scr8に戻す。
【0233】
一方、ユーザが個人情報の入力を完了して「OK」ボタンをタッチすると、入力受付部41が、「OK」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv16が発生する。このとき、入力受付部41が受け付けた、入力された内容(予約日時、個人情報)は、上記「OK」ボタンがタッチされたのち、通信端末装置11の記憶部16に一旦格納される。さらに、データ送信制御部42は、通信部18を制御して、記憶部16に一旦格納された上記予約日時と上記個人情報とを、管理サーバ12に送信する。
【0234】
イベントEv16が発生し、上記個人情報が問題なく管理サーバ12に受け付けられると、表示制御部40は、予約完了画面Scr12を表示する。図28に予約完了画面Scr12の具体例を示す。
【0235】
ユーザは、予約が完了したことを確認し、問題がなければ、図28に示す「終了する」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「終了する」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv17が発生すると、表示制御部40は、画面を、予約完了画面Scr12から待ち受け画面Scr1に遷移させる。そして、通信端末装置11はエラー解消支援アプリケーションを終了させる。
【0236】
ユーザは、エラー詳細情報等を再度表示させたい場合などは、図28に示す「トップページへ戻る」ボタンをタッチすればよい。入力受付部41が、「トップページへ戻る」ボタンがタッチされたことを受け付けて、イベントEv18が発生すると、表示制御部40は、画面を、予約完了画面Scr12からトップ画面Scr2に戻す。
【0237】
なお、通信端末装置11が予約日時、個人情報を管理サーバ12へ送信する前に、再び、日時セレクト画面(Scr9、Scr10)または個人情報入力画面Scr11を表示するようにして、予約日時または個人情報などを、ユーザが確認したり、修正したりできるようにしてもよい。また、ユーザが予約完了後に予約修正を行うための機能がエラー解消支援システム100の各装置に搭載されている場合には、通信端末装置11の表示制御部40は、予約トップ画面Scr8に予約修正機能を選択するためのボタンを設けてもよい。
【0238】
なお、上述の説明では、通信端末装置11が、予約日時および個人情報を管理サーバ12へ送信する例を示したが、通信端末装置11は、オペレータ端末13へ送信するようにしてもよい。あるいは、通信端末装置11は、管理サーバ12、オペレータ端末13の両方へ送信するようにしてもよい。
【0239】
上記構成および方法によれば、通信端末装置11は、まず、エラーが発生したときの電子機器10の状態に適合した内容を含む対処法解説データを取得して、表示部17bに表示することにより、第1の解消支援ツールをユーザに提供することができる。さらに、通信端末装置11は、電子機器10より取得した機種情報およびエラー詳細情報を、コールセンタ(オペレータ端末13または管理サーバ12)に供給し、オペレータ端末13と通信することにより、第2の解消支援ツールをユーザに提供することができる。さらに、通信端末装置11は、ユーザが簡単な操作でサービスパーソン(修理担当者)の訪問修理を予約できるようにする第3の解消支援ツールをユーザに提供することができる。
【0240】
これにより、ICタグ2から読み出したデータをユーザに提供するのみでは、ユーザがエラーを解消できない場合に備えて、ユーザにさらなる解消支援ツールを提供することが可能なエラー解消支援システム100を構築することが可能になる。結果として、RFID技術を活用してユーザの利便性をさらに向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0241】
≪変形例1≫
上述の各実施形態では、データ管理部23は、ICタグ2に、選択されたデータを格納するとき、先に格納されているデータを削除して、新たなデータに書き換える構成であった。これにより、ICタグ2のメモリの記憶容量が小さくて済み、ICタグ2を安価に構成できるというメリットがある。
【0242】
しかしながら、ICタグ2のメモリが、複数のデータを記憶するのに十分な記憶容量を備えている場合には、データ管理部23は、上記構成に限定されず、ICタグ2から先のデータを削除しないで、新たなデータを追加で書き込む構成であってもよい。
【0243】
上記構成によれば、ICタグ2には、電子機器10が過去に変遷したいくつかの状態に対応する、それぞれのデータが記憶される。これにより、通信端末装置11は、ICタグ2から、過去の状態に対応するいくつかのデータを、さかのぼって取得することが可能なる。例えば、電子機器10の状態が、通常稼働状態→エラー発生状態「稼働しない」→エラー発生状態「給水しない」というように変遷した場合を考える。この場合、データ管理部23は、状態の変化に伴って、ICタグ2のメモリに、取扱説明書データ、対処法解説データA、および、対処法解説データCを順次追加で記憶する。最終的には、ICタグ2には、上記3つのデータが記憶されることになる。この状態で、通信端末装置11のRFリーダライタ部3が、ICタグ2と通信すれば、RFリーダライタ部3は、上記3つのデータをいずれでも任意に読み出すことが可能となる。つまり、通信端末装置11は、電子機器10の現在の状態から2つ前にさかのぼって、通常稼働状態に対応する取扱説明書データを読み出すことも可能である。
【0244】
なお、ICタグ2に複数種類のデータが格納されている場合、通信端末装置11は以下のように構成される。通信端末装置11のデータ取得制御部43は、例えば、ICタグ2に上記の3種類のデータが格納されていることを認識し、表示制御部40に通知する。表示制御部40は、上記3種類のデータのいずれを取得するのかをユーザに選択させるためのGUI画面を表示部17bに表示する。入力受付部41は、ユーザが所望するデータの選択を受け付けると、その内容をデータ取得制御部43に通知する。データ取得制御部43は、RFリーダライタ部3を制御して、ユーザによって選択されたデータをICタグ2から読み出す。あるいは、通信端末装置11は、以下のように構成されてもよい。データ取得制御部43は、ICタグ2に格納されている上記の3種類のデータをすべてICタグ2から読み出し、自装置の記憶部16に一時的に格納する。そして、表示制御部40は、上記3種類のデータのいずれを表示するのかをユーザに選択させるためのGUI画面を表示部17bに表示する。入力受付部41は、ユーザが所望するデータの選択を受け付けると、その内容を表示制御部40に通知する。表示制御部40は、ユーザによって選択されたデータを記憶部16から読み出して、表示部17bに表示する。
【0245】
≪変形例2≫
さらに、データ管理部23は、ICタグ2におけるデータの入出力についてログを管理する構成であってもよい。そして、データ管理部23は、ICタグ2のメモリの残余記憶容量が逼迫してきた場合に、ログに基づいて優先度の比較的低いデータを特定し、これを任意のタイミングでICタグ2から削除して、空き容量を増やすことを行ってもよい。
【0246】
例えば、データ管理部23は、最も古くから格納されているデータを削除対象として特定してもよい。データ管理部23は、最も長時間、通信端末装置11から読み出されたことのないデータを削除対象として特定してもよい。データ管理部23は、最も少ない回数しか読み出されたことのないデータを削除対象として特定してもよい。
【0247】
≪変形例3≫
上述の実施形態3では、状態監視部24は、電子機器10の状態を監視して得られた監視結果を記憶部6の状態履歴記憶部33に格納する構成であった。
【0248】
しかし、上記構成に限定されず、状態監視部24が取得した監視結果を、データ管理部23が、ICタグ2に格納する構成であってもよい。あるいは、状態監視部24が、監視結果を記憶部6の状態履歴記憶部33に記憶するとともに、データ管理部23が上記監視結果をICタグ2にも格納するといった構成であってもよい。監視結果とは、上述したとおり、例えば、図12に示すような、状態履歴、総稼働時間、総稼働日数などの情報である。
【0249】
上記構成によれば、電子機器10が、電源が断たれる重度のエラーに陥った場合でも、ICタグ2から、状態履歴、総稼働時間、総稼働日数などの情報を通信端末装置11が読み出すことが可能となる。電子機器10の上記履歴の情報は、エラーの原因を究明したり、有効な措置を判断したりするのに有益な情報である。したがって、電子機器10の電源が落ちた場合でも、通信端末装置11が、ICタグ2から、そのエラーの解消に有益な情報を取得することが可能になるという効果を奏する。
【0250】
さらに、状態分析部25は、電源が切れる重度のエラーに関する発生シナリオに基づいて、電子機器10の状態について、「電源が切れる可能性が高い状態」であると予測できる構成である。したがって、データ管理部23は、状態分析部25が、電子機器10の電源が落ちそうであると予測した場合にのみ、状態履歴、総稼働時間、総稼働日数などの情報をICタグ2に退避させる構成であることが望ましい。さらに、データ選択部22が、修理に必要となるであろうその他のデータ(機種情報など)を選択した場合には、データ管理部23は、機種情報などについてもICタグ2に退避させる構成であることが望ましい。
【0251】
上記構成によれば、電源が切れる虞がない場合は、ICタグ2の空き容量をその他の必要なデータを格納するのに割り当てることができる一方、電源が切れる虞がある場合には、その際に優先度が高くなる、状態履歴、総稼働時間、総稼働日数、機種情報などの情報をICタグ2に退避させることができる。
【0252】
なお、実施形態3では、状態履歴をICタグ2へも格納する構成について説明したが、実施形態1および2においても、上記構成を適用することが可能である。すなわち、データ管理装置1は、図12に示すような監視結果を状態履歴として記憶し、これをICタグ2へも格納する構成であってもよい。
【0253】
≪変形例4≫
上述の実施形態1および2では、データ管理装置1は、電子機器10において、状態に変化が生じたタイミング(電子機器10にエラーが生じたタイミング)で、変化後の状態に合わせてICタグ2のデータを更新する構成であった。一方、実施形態3では、データ管理装置1は、状態が変化する(エラーが生じる)タイミングによらず、定期的にICタグ2のデータを更新する構成であった。
【0254】
本発明のデータ管理装置1の構成は、上記のいずれかの構成に限定されるものではない。例えば、データ管理装置1は、実施形態1および2と、実施形態3とを組み合わせて、ICタグ2の内容をより一層精度高く保つことが可能である。
【0255】
より詳細には、データ管理装置1は、定期的に電子機器10の状態を検知して、ICタグ2のデータを更新するとともに、次の定期的な更新タイミングが来る前に、電子機器10において状態の変化が生じた場合には、そのタイミングでもICタグ2のデータを更新する構成である。
【0256】
例えば、データ管理装置1は、エラー発生の有無に関係なく定期的に(t分ごとに)電子機器10の状態を検知して、その検知した時点の状態に合ったデータをICタグ2に格納する。一方、次の定期的な状態検知時点に到達する前に、電子機器10においてエラーZが発生したとする。エラーZが電源が断たれるような重度のエラーであれば、データ管理装置1は稼働できない。よって、この場合には、通信端末装置11は、直前に定期的に行われた状態検知に基づくデータを、ICタグ2から読み出すことができる。
【0257】
ここで、ICタグ2に格納されているデータは、どんなに古くても、重度のエラーZが発生した時点からt分以内前の電子機器10の状態に適合したデータであって、電子機器の最終の状態に最も近い直前の状態に対応して、必要な情報あるいは優先度の高い情報を含んでいる。
【0258】
一方、エラーZが電源の供給が維持される軽度のエラーであれば、データ管理装置1はデータ管理処理を継続できる。よって、この場合には、データ管理装置1の状態検知部21は、エラーZが発生した状態を検知し、データ選択部22は、選択規則に基づいて、エラーZに対応する対処法解説データを選択する。そして、データ管理部23は、エラーZが発生した時点で、次の定期的検知時点を待つことなく、すぐさま、エラーZに適合する内容の対処法解説データをICタグ2に書き込むことが可能となる。
【0259】
上記構成によれば、電源が供給されているうちは、常に、電子機器10の最新の状態に適合したデータをICタグ2に格納することができる一方、電源が供給されない事態に備えて、電子機器10の最新の状態に最も近い直前の状態に適合したデータをICタグ2に格納しておくことができる。したがって、より一層精度が高く、ユーザにとって利便性の高いデータ管理を実現することが可能となる。
【0260】
≪変形例5≫
上述の各実施形態では、使用対象機器である電子機器に関する各種データを、電子機器10が、自装置のデータ記憶部32において記憶する構成であった。
【0261】
しかし、本発明のエラー解消支援システム100においては、電子機器10は、必要なデータをすべて自装置で保持していなくてもよい。
【0262】
例えば、電子機器10に関連するすべてのデータ、または、一部のデータは、管理サーバ12が保持し、通信端末装置11は、必要なデータを管理サーバ12から広域通信網14を介して取得する構成であってもよい。
【0263】
この場合、電子機器10は、各種データそのものをデータ記憶部32に格納するのではなく、各種データを識別するための「データID」、「データ名」、または、データが格納されている場所を示す「URL(uniform resource locator)」などをデータごとに格納しておく。
【0264】
そして、電子機器10の状態検知部21が、電子機器10の状態を検知すると、データ選択部22は、選択規則にしたがって、検知された状態に適合したデータを選択する。そして、データ管理部23は、選択されたデータの「データID」、「データ名」、または、「URL」をICタグ2に書き込む。
【0265】
通信端末装置11のRFリーダライタ部3は、ICタグ2に格納されている「データID」、「データ名」、または、「URL」を読み出す。通信端末装置11は、ICタグ2から読み出された「データID」、「データ名」、または、「URL」により、現在の電子機器10の状態に適合したデータの種類を特定することができる。
【0266】
この場合、通信端末装置11のデータ送信制御部42は、「データID」、「データ名」、または、「URL」を用いて、現在の電子機器10を使用するにあたって必要なデータを管理サーバ12に要求する。そして、通信端末装置11は、通信部18を介して、電子機器10の状態に適合した内容を有するデータを管理サーバ12から取得することができる。
【0267】
上記構成によれば、ICタグ2に記憶しておくデータの情報量をさらに小さくすることが可能となる。
【0268】
≪変形例6≫
さらに、上述の各実施形態において、データ管理装置1として電子機器10に搭載されている、データ選択部22、選択規則記憶部31およびデータ記憶部32の構成を、管理サーバ12に搭載したエラー解消支援システム100も本発明の範疇に入る。
【0269】
このようなエラー解消支援システム100においては、電子機器10の状態検知部21は、検知した電子機器10の状態を示す情報(例えば、エラーコードなどの状態識別情報)を、データ管理部23を介してICタグ2に書き込む。
【0270】
通信端末装置11は、ICタグ2に書き込まれた電子機器10の状態を示す情報を、RFリーダライタ部3を介して読み出し、データ送信制御部42は、読み出された状態識別情報を管理サーバ12に送信して、必要なデータを管理サーバ12に要求する。
【0271】
管理サーバ12のデータ選択部22は、選択規則記憶部31に記憶された選択規則にしたがって、通信端末装置11から送信された電子機器10の状態識別情報に基づいて、現在の電子機器10の使用に際して必要なデータを選択する。管理サーバ12は、データ選択部22によって選択されたデータを自装置のデータ記憶部32から読み出して、上記要求に対する応答として、当該データを通信端末装置11に送信する。
【0272】
上記構成によれば、通信端末装置11は、ICタグ2から状態識別情報を読み出すことで、電子機器10の状態を常に把握することが可能となり、管理サーバ12に対して、電子機器10の状態に応じて必要な情報を、すぐに要求し取得することができる。
【0273】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0274】
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、データ管理装置1または通信端末装置11の各ブロック、特に、データ管理装置1の、状態検知部21、データ選択部22、データ管理部23、状態監視部24、および、状態分析部25、ならびに、通信端末装置11の表示制御部40、入力受付部41、データ送信制御部42、および、データ取得制御部43は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0275】
すなわち、データ管理装置1(または通信端末装置11)は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ管理装置1(または通信端末装置11)の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記データ管理装置1(または通信端末装置11)に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0276】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0277】
また、データ管理装置1(または通信端末装置11)を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0278】
本発明のデータ管理装置は、使用対象機器に搭載することによって、使用対象機器を使用するに際し有益な情報を含んだデータを、使用対象機器に埋め込まれたICタグ上で適切に管理することができる。そのため、通信端末装置などの使用支援装置を用いて、使用対象機器についての上記有益な情報を読み出すことが可能な、機器使用支援システム(例えば、エラー解消支援システム100など)に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0279】
1 データ管理装置
2 ICタグ(非接触記憶媒体)
3 RFリーダライタ部(RFリーダ部)
5 制御部
6 記憶部
7 操作部
8 表示部
9 機器機能実行部
10 電子機器
11 通信端末装置
12 管理サーバ
13 オペレータ端末
14 広域通信網
15 制御部
16 記憶部
17 タッチパネル
17a 入力部
17b 表示部
18 通信部
19 通話部
20 機器機能実行制御部
21 状態検知部(状態検知手段)
22 データ選択部(データ選択手段)
23 データ管理部(データ管理手段)
24 状態監視部(状態監視手段)
25 状態分析部(状態分析手段)
30 機器機能プログラム
31 選択規則記憶部
32 データ記憶部
33 状態履歴記憶部
40 表示制御部
41 入力受付部
42 データ送信制御部
43 データ取得制御部
100 エラー解消支援システム(機器使用支援システム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に搭載された非接触記憶媒体に記憶されるデータを管理するデータ管理装置であって、
上記電子機器に関する情報を含んだデータを、複数記憶するデータ記憶部と、
上記電子機器の状態を検知する状態検知手段と、
上記電子機器の状態と上記データの種類とを対応付けた選択規則を参照することにより、上記状態検知手段によって検知された状態にある上記電子機器に適合する情報を含んだデータを、上記データ記憶部から選択するデータ選択手段と、
上記データ選択手段によって選択されたデータを、上記非接触記憶媒体に格納するデータ管理手段とを備えていることを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
上記状態検知手段は、少なくとも、上記電子機器の状態が、正常に動作する通常稼働状態、および、エラーが発生しているエラー発生状態のいずれの状態であるのかを検知し、
上記データ選択手段は、上記選択規則を参照して、上記状態検知手段によって上記エラー発生状態が検知された場合には、上記エラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データを上記データ記憶部から選択することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
上記データ記憶部は、上記電子機器のエラーのタイプごとに、対処法解説データを記憶しており、
上記状態検知手段は、さらに、上記電子機器の状態がエラー発生状態である場合に、発生したエラーのタイプを特定し、
上記データ選択手段は、上記選択規則を参照して、上記状態検知手段によって特定されたタイプのエラーを解消するための情報を含んだ対処法解説データを上記データ記憶部から選択することを特徴とする請求項2に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
上記状態検知手段は、
上記電子機器を継続的に監視して、上記電子機器の状態の変遷を取得するものであって、
取得した上記状態の変遷を分析することにより、上記電子機器の長期的な傾向を反映した状態を定期的に検知する状態分析手段を含み、
上記状態分析手段によって上記長期的な傾向を反映した状態が検知される度に、
上記データ選択手段は、上記選択規則を参照して、検知された上記状態に適合するデータを上記データ記憶部から選択し、
上記データ管理手段は、選択された上記データを上記非接触記憶媒体に格納することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のデータ管理装置。
【請求項5】
上記状態検知手段は、上記電子機器の状態が、別の状態へと変遷したときに、変遷後の状態がいずれの状態であるのかを検知し、
上記状態検知手段によって変遷後の状態が検知される度に、
上記データ選択手段は、上記選択規則を参照して、検知された上記変遷後の状態に適合するデータを上記データ記憶部から選択し、
上記データ管理手段は、選択された上記データを上記非接触記憶媒体に格納することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のデータ管理装置。
【請求項6】
上記データ管理手段は、
上記状態検知手段によって検知された上記電子機器の状態の変遷を示す状態履歴を、上記非接触記憶媒体に格納することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のデータ管理装置。
【請求項7】
電子機器に搭載される非接触記憶媒体であって、
上記電子機器に関する情報を含んだデータを管理するデータ管理装置の制御にしたがって、上記電子機器の状態に応じて、当該状態に適合する情報を含むデータを記憶していることを特徴とする非接触記憶媒体。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか1項に記載のデータ管理装置を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1から6までのいずれか1項に記載のデータ管理装置を備えている電子機器と、
上記電子機器に搭載された非接触記憶媒体からデータを読み出すRFリーダ部を備えている通信端末装置とを含むことを特徴とする機器使用支援システム。
【請求項10】
電子機器に搭載された非接触記憶媒体に記憶されるデータを管理するデータ管理方法であって、上記電子機器は、上記電子機器に関する情報を含んだデータを、複数記憶するデータ記憶部を備え、
上記電子機器の状態を検知する状態検知ステップと、
上記電子機器の状態と上記データの種類とを対応付けた選択規則を参照することにより、上記状態検知ステップにて検知された状態にある上記電子機器に適合する情報を含んだデータを、上記データ記憶部から選択するデータ選択ステップと、
上記データ選択ステップにて選択されたデータを、上記非接触記憶媒体に格納するデータ格納ステップとを含むことを特徴とするデータ管理方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から6までのいずれか1項に記載のデータ管理装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−37592(P2013−37592A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174408(P2011−174408)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】