データ管理装置及びデータ管理方法
【課題】非接触ICカードのIDデータの書き換えにおいて、煩雑な操作によらず簡単に操作できることにより、利便性を向上する。
【解決手段】非接触ICカード部108が配置されている携帯電話100において、傾き−ID変換部110は複数のIDデータを記憶しており、傾き検出部111が携帯電話100の傾きを検出し、傾き−ID変換部110が、記憶している複数のIDデータの中から、傾き検出部111により検出された携帯電話100の傾きに対応するIDデータを選択し、ICカード書換え部109が傾き−ID変換部110により選択されたIDデータを非接触ICカード部108に書き込み、非接触ICカード部108が書き込まれたIDデータを外部のカードリーダ等に対して出力する。
【解決手段】非接触ICカード部108が配置されている携帯電話100において、傾き−ID変換部110は複数のIDデータを記憶しており、傾き検出部111が携帯電話100の傾きを検出し、傾き−ID変換部110が、記憶している複数のIDデータの中から、傾き検出部111により検出された携帯電話100の傾きに対応するIDデータを選択し、ICカード書換え部109が傾き−ID変換部110により選択されたIDデータを非接触ICカード部108に書き込み、非接触ICカード部108が書き込まれたIDデータを外部のカードリーダ等に対して出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記憶装置に対するデータ管理技術に関し、例えば、非接触ICカードのデータ書き換え技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICカードによりIDデータをシステムに通知、認証を受けシステムの利用許可を受けるシステムがある。
特開2003−276958号公報に開示された技術によれば、エレベーターを備えたマンションの防犯性と利便性を向上する目的で、利用者は非接触キーにより玄関のオートロックの開錠及びエレベーターを呼び寄せることができる。玄関及び玄関階のエレベーター乗り場には、非接触キーリーダが設置され、玄関のキーリーダで非接触キーに記録したIDと居住階を読み取り、IDを認証し、玄関のオートロックを開錠し、エレベーターを玄関階に呼び寄せるとともに、居住階への呼びを登録した状態で待機させる。
または玄関のキーリーダで非接触キーに記録したIDを読み取り、IDを認証し、玄関のオートロックを開錠し、エレベーター乗り場のキーリーダで非接触キーに記録したIDと居住階を読み取り、IDを認証し、エレベーターを玄関階に呼び寄せるとともに、居住階への呼びを登録した状態で待機させる。
【0003】
この技術によりエレベーターの利用者は、非接触キーによりオートロックの開錠操作を行うだけでエレベーターの操作が不要で、居住階までエレベーターを利用することによる利便性と、エレベーターのかご呼びを自動登録することで利用者を制限して行き先階をあらかじめ定めた居住階のみとすることでセキュリティ性の高いエレベーター装置を得るという利点があった。
【特許文献1】特開2003−276958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この技術によれば、例えば許可を受けて居住者が他の階の住人を訪問する場合にも、非接触キーに登録された居住階のみに行き先階が限定されるため、非接触キーによる呼び登録が使用できず、かごに乗車後正しい行き先階への呼びの登録と居住階への呼びの解除を操作盤によって行う必要があるなど、不便な点が生じていた。
【0005】
また異なるIDデータを記録した非接触ICカードを複数枚もつことで、利用者は目的階に応じて対応するIDデータを記録した非接触ICカードを選択、使用することで、他の階の住人を訪問することができる。
しかしながらこのような方法によっても、訪問する可能性のある階の分だけカードを持つ必要があり携行するカードが増えること、逐次カードを識別して選択的に利用しなければならないため、利便性が低下するといった欠点があった。
【0006】
このように非接触ICカードなどによってシステムの利用認証を受ける場合に、利用者が複数のIDデータから使用したいIDデータを選択する場合において、従来では、逐次カードを識別して選択的に利用しなければならず、利用者にとって手続が煩雑であった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決することを主な目的としており、非接触ICカードによるIDデータの認証手順において、煩雑な操作によらず複数のIDデータの中から所望のIDデータを選択し、簡単な操作による認証処理を実現することにより、利用者の利便性を向上することを主な目的の一つとする。
また非接触ICカードのIDデータの選択時の利便性を向上するとともに、エレベーターの利用において異なるIDデータを容易に選択可能としてエレベーターシステムに異なるIDデータを通知して、セキュリティ性を損なわず非接触ICカードによる複数の異なる階床へ呼びを登録するための操作を簡略化することを主な目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るデータ管理装置は、
データ記憶装置が配置されているパッケージに配置され、前記データ記憶装置を管理するデータ管理装置であって、
前記パッケージの傾きを検出する傾き検出部と、
二以上のデータを記憶し、前記傾き検出部により検出された前記パッケージの傾きに応じて、前記二以上のデータの中から特定のデータを選択するデータ選択部と、
前記データ選択部により選択されたデータを前記データ記憶装置に書き込むデータ書き込み部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パッケージの傾きを検出するとともに傾きに対応するデータをデータ記憶装置に書き込むため、例えば、IDデータによる認証処理の際に、利用者は目的とするデータに対応する角度にパッケージを傾けるだけで目的とするデータをデータ記憶装置に書き込むことができ、この結果、目的のデータを認証装置に読み込ませることができる。このため、本発明によれば、認証手順において、煩雑な操作によらず複数のデータの中から所望のデータを選択し、簡単な操作による認証処理を実現することにより、利用者の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係る携帯電話100の構成例を示す図である。
携帯電話100はキー入力部101、表示部102、音声入出力部103、電源制御部104、電話制御部105、無線通信部106、データ記憶部107、非接触ICカード部108(データ記憶装置)、ICカード書換え部109(データ書き込み部)、傾き−ID変換部110(データ選択部)、傾き検出部111からなる。
本実施の形態では、ICカード書換え部109(データ書き込み部)、傾き−ID変換部110(データ選択部)、傾き検出部111がデータ管理装置を構成する。
なお、携帯電話100は、データ記憶装置たる非接触ICカード部、データ書き込み部たるICカード書換え部109、データ選択部たる傾き−ID変換部110、傾き検出部111が配置されるパッケージの例であり、後述のように、携帯電話100以外にノートパソコン、電子手帳、クレジットカード等をパッケージとし、これらノートパソコン、電子手帳、クレジットカード等に非接触ICカード部108(データ記憶装置)、ICカード書換え部109(データ書き込み部)、傾き−ID変換部110(データ選択部)、傾き検出部111を配置するようにしてもよい。
つまり、本明細書においては、パッケージとは、非接触ICカード部108、ICカード書換え部109、傾き−ID変換部110、傾き検出部111を収容できる物体であれば、どのようなものでもよい。
【0011】
キー入力部101は、利用者が電話をかける相手先電話番号そのものや、電話帳から相手先を選択するための入力を受け付ける。
表示部102は、入力や着信など携帯電話100の状態を、液晶などの画面に文字、絵、アイコンを表示することよりユーザに通知する。
音声入出力部103は、電話回線による通話のための音声の入力や出力、あるいは音声ガイダンスの出力、音声による操作のための入力など、音声を入力あるいは出力する。
電源制御部104は、表示部102の電源オフなどの低消費電力モードへの移行、通常モードへの復帰、残電力量の測定などを行う。
電話制御部105は、携帯電話同士の通話のための電話回線の接続、維持、切断を行う。
無線通信部106は、携帯電話同士の通話のための無線基地局との通信確立、維持、切断、また音声の変換、無線を介した送受信を行う。
データ記憶部107は、電話帳や着信・発信履歴などのユーザデータ、文字、絵、アイコンなどの機器データを記憶する。
非接触ICカード部108は、非接触ICカードを携帯電話などの機器に搭載したもので、非接触ICカード内に記憶したデータは、外部の非接触ICカードリーダライタや、これを搭載した携帯電話本体から読み書きされる。
ICカード書換え部109は、非接触ICカード部108に記憶したデータを、携帯電話100の傾きに応じて書き換える。
傾き−ID変換部110は、ICカード書換え部109がデータを書き換える際に、角度を書き換えるデータに変換するためのテーブル(対応情報)を持ち、検出された傾きに対応するIDデータを当該テーブルを参照することにより選択する。
傾き検出部111は、携帯電話100の傾きを検出する。
【0012】
本実施の形態では、携帯電話100において、傾き−ID変換部110は複数のIDデータを記憶しており、傾き検出部111が携帯電話100の傾きを検出し、傾き−ID変換部110が、記憶している複数のIDデータの中から、傾き検出部111により検出された携帯電話100の傾きに対応するIDデータを選択し、ICカード書換え部109が傾き−ID変換部110により選択されたIDデータを非接触ICカード部108に書き込み、非接触ICカード部108が書き込まれたIDデータを外部のカードリーダ等に対して出力する。
【0013】
図2は非接触ICカード部108の構成例を示す図である。
非接触ICカード部108はホストインタフェース201、無線通信部202、カード記憶部203からなる。
ホストインタフェース201は、非接触ICカードを搭載するホスト、すなわち本実施の形態では携帯電話100と非接触ICカード部108内のカード記憶部203に格納したデータを読み書きするためのインタフェースである。
無線通信部202は、非接触ICカード通信によって外部の非接触ICカードリーダライタからカード記憶部203に格納したデータを読み書きするための無線インタフェースである。
カード記憶部203は、ホストや非接触ICカードリーダライタから読み書きするデータを格納するメモリである。
【0014】
非接触ICカードの無線インタフェースは、通信距離によって数m程度の遠隔型、数10cm程度の近傍型(ISO15695など)、数cmの近接型(ISO14443など)、数mm程度の密着型(ISO10536など)などがあるが、本実施の形態においては、非接触ICカードを非接触ICカードリーダライタに近づけ始めてから認識可能となる距離が異なるいずれの規格、仕様の非接触ICカードでも利用することができる。
【0015】
図3は傾き検出部111の構成例を示す図である。
傾き検出部111は、ホストインタフェース301、加速度センサ部302、加速度−傾き変換部303からなる。
ホストインタフェース301は、傾き検出部111が検出する傾きデータを記憶、ホストからの読み出しにデータを提供するインタフェースである。
加速度センサ部302は、加速度の大きさを電気的に検出して出力するセンサである。加速度検出の仕組みは、例えば加速度によって生じるセンサ内部の質量の動きによりピエゾ抵抗素子で構築したはりをひずませ、抵抗値として得るようなものがある。加速度センサ部302は検出する加速度の方向毎に加速度を示す出力を持ち、この出力は正負の加速度値を抵抗値や電圧、パルスのデューティー比などで出力する。
加速度−傾き変換部303は、加速度センサ部302で検出した加速度を傾きに変換するものである。地球の重力は1Gであるが、加速度センサ部302の傾きに応じて、加速度センサ部302が検出する加速度方向の成分は規則的に変化する。加速度−傾き変換部303は、この規則から加速度を傾きデータに変換する。
【0016】
図4はエレベーターシステム400の構成例を示す図である。
エレベーターシステム400は、エレベーター制御部401、カード呼び登録機a402、カード呼び登録機b403、カード呼び登録機c404、ID変換部405からなる。
【0017】
エレベーター制御部401は、カード呼び登録機a402〜カード呼び登録機c404からの呼び登録要求に対して、エレベーターのかご移動、扉開閉、インジケーター点消灯を行う。呼び登録とは、エレベーター乗り場での利用者によるかごの乗り口への移動指示や、かご内での利用者の目的階へのかごの移動指示を、エレベーター制御部401に対して行うことを示す。エレベーター制御部401は、これらのかごの移動指示に対して、実際にかごをどの階へ移動するかを決定し、かごの移動を行う。
カード呼び登録機a402〜カード呼び登録機c404は、エレベーターの各階の乗り場のエレベーター扉付近に設置する。本実施の形態では、玄関階が1階にある3階床のビルで、カード呼び登録機a402を1階に、カード呼び登録機b403を2階に、カード呼び登録機c404を3階の乗り場にそれぞれ設置する。カード呼び登録機a402〜カード呼び登録機c404は、携帯電話100の非接触ICカード部108に記録されたIDデータを読み取り、IDデータが正当であった場合に、設置された階へのかごの呼びをエレベーター制御部401に登録するとともに、ID変換部405にIDデータに対応して格納された登録階番号などのデータから目的階などを決定し、利用者が乗車後の目的階への呼びをエレベーター制御部401に登録する。例えばカード呼び登録機a402は、正当なIDデータに対して1階への呼びと、その後の利用者の目的階への呼びを登録する。同様にカード呼び登録機b403は2階への呼びと目的階への呼びを、カード呼び登録機c404は3階への呼びと目的階への呼びを登録する。
ID変換部405は入力されたIDデータに対して、IDデータに対応して格納された居住階番号などの登録データか、もしくは登録されたIDデータがない場合、無効データを出力する。
【0018】
カード呼び登録機a402は、非接触ICカードリーダa406とID制御部a407から、カード呼び登録機b403は、非接触ICカードリーダb408とID制御部b409から、カード呼び登録機c404は、非接触ICカードリーダc410とID制御部c411からなる。
非接触ICカードリーダa406、非接触ICカードリーダb408、非接触ICカードリーダc410は、携帯電話100の非接触ICカード部108を検出して、所定アドレス(任意のアドレスを事前に決定)のIDデータを読み取る。
ID制御部a407、ID制御部b409、ID制御部c411は、IDデータを元にID変換部405から目的階床などのデータを元に、エレベーター制御部401に呼びを登録する。
【0019】
図5は、非接触ICカードリーダa406、非接触ICカードリーダb408、非接触ICカードリーダc410の構成例を示す。
非接触ICカードリーダa406、非接触ICカードリーダb408、非接触ICカードリーダc410は、それぞれ無線通信部501とホストインタフェース502からなる。
無線通信部501は、非接触ICカード通信によって外部の非接触ICカード部108を読み書きするための無線インタフェースである。ホストインタフェース502は、ホスト機器(ここではカード呼び登録機a402、カード呼び登録機b403、カード呼び登録機c404)と通信するためのインタフェースで、ホスト機器からのカードアクセス要求を受け取り、無線通信部501を介して実行した非接触ICカード部108へのアクセス結果を、ホスト機器に応答する。
【0020】
ここから本実施の形態における携帯電話100の詳細な動作を示す。
【0021】
携帯電話100は、携帯電話100に内蔵した傾き検出部111の傾きに応じて、ICカード書換え部109が異なるIDデータのうち傾きに対応するIDデータを非接触ICカード部108に書き込む。
【0022】
図6は携帯電話100の非接触ICカード部108、ICカード書換え部109、傾き−ID変換部110、傾き検出部111が、傾き検出部111の傾き、すなわち携帯電話100の傾きに応じて非接触ICカード部108に異なるIDデータを書き込む処理の流れ図である。
携帯電話100は、異なる複数のIDデータ(本実施の形態では二つのIDデータを例にし、それぞれをIDデータaとIDデータbと呼ぶ)を傾き−ID変換部110に持っており、傾き検出部111の傾きに応じて、いずれかのIDデータを選択し、ICカード書換え部109が,非接触ICカード部108に書き込む。
【0023】
ここでは携帯電話の表示部102を読み取り可能な方向の前後90°を0〜180°とし、上下逆に読み取れる方向の前後90°を180〜360°として、0〜179°の場合にIDデータaを、180°〜359°の場合にIDデータbを選択することとして、これを傾き−IDデータルールと呼ぶ。
【0024】
まず、ステップS601傾き検出部111が携帯電話100の傾きを検出し(傾き検出ステップ)、ステップS602でICカード書換え部109が、傾き検出部111から傾きデータを読み出す。
ステップS603で傾き−ID変換部110は、傾き−IDデータルールに基づき、傾きに応じてIDデータaもしくはIDデータbを選択して出力する(データ選択ステップ)。
ステップS604でICカード書換え部109は、選択したIDデータを非接触ICカード部108のカード記憶部に書き込む(データ書き込みステップ)。
ステップS602からステップS604の処理は、ICカード書換え部109が任意のタイミング、間隔で開始して、処理を繰り返す。具体的には、定期的に起動して常に最新の傾きに応じたIDデータが選択、書き込みされるようにしても良いし、キー入力部101の操作によって利用者から傾きの検出を指示するメッセージ(指示メッセージ)が与えたタイミングにおける携帯電話の傾きを検出し、検出した傾きに応じたIDデータを書き込むようにしても良い。
【0025】
次に、傾き検出部111による傾きの検出方法について示す。
【0026】
図7は、加速度センサ部302が検出する加速度の方向を示したものである。本実施の形態で用いる加速度センサ部302は2軸加速度センサであり、加速度を検出する方向は図7に示すとおり、XとYでそれぞれ直行しており、X、Yともそれぞれ矢印方向に加速度を検出すると正の加速度値を出力し、矢印と反対方向に加速度を検出すると負の加速度値を出力する。重力加速度をGとすると、加速度センサ部302は、X、Y方向にそれぞれ+1Gから−1Gを出力する。
図8は、重力方向に対する加速度センサ部302の向きで得られる傾きの値を便宜上対応付けたもので、X軸の矢印方向が向く方向を傾きの値とすることにした。例えば図8に示すようにX軸が0°、Y軸が90°を示す向きを傾き0°とする。
図9は、X方向とY方向に検出する加速度と傾きの対応を示したものである。図8で傾き0°の場合、図9に示すとおりX方向に0Gを、Y方向に−1Gを、また同じく90°の場合、X方向に−1Gを、Y方向に0Gを検出する。加速度と傾きの対応は以下の式で算出することができる。
Xは0以下、Yは0以下の時(傾き0〜90°)
−1×asin(X/1G)
Xは0以下、Yは0以上の時(傾き90〜180°)
90+asin(Y/1G)
Xは0以上、Yは0以上の時(傾き180°から270°)
180+asin(X/1G)
Xは0以上、Yは0以下の時(傾き270〜360°)
270+(−1)×asin(Y/1G)
またはXとYの出力を図9に示したテーブルの値に近似して変換すると傾きを得ることができる。
【0027】
図10は携帯電話100の正面図である。LCD(Liquid Crystal Display)部1001は表示部102を構成する。テンキー部1002はキー入力部101を構成する。図11は携帯電話正面図に傾き検出部111の加速度センサ部302の検出する傾きを示した図である。
携帯電話100の加速度センサ部302は、X、Y方向を図11に示すとおりに内蔵し、携帯電話100のLCD部1101に表示した文字を読み取り可能な方向(重力に対してLCD部1101が上方向となる)に傾けた場合のX軸方向の向きを0°として、反時計回りに90°、180°(このとき文字が上下反転する)、270°ということにする。
【0028】
携帯電話100の傾きは、図11に示すX軸方向の角度を言い、加速度センサ部302のX、Y方向のそれぞれの加速度値から演算、またはテーブル変換により、図9に示す通り得ることができる。
図12は、傾き検出部111が、このような携帯電話100の傾きを検出する処理を示した流れ図である。
まずステップS1201で傾き検出部111のホストインタフェース301が、加速度センサ部302の加速度X、Y値を読み出す。
次にステップS1202で加速度−傾き変換部303が先に示した手順により、加速度X、Y値を傾きに変換する。
次にステップS1203で、ホストインタフェース301が算出した傾きを格納する。
【0029】
次にエレベーターシステム400の詳細な動作を説明する。
【0030】
エレベーターシステム400は、カード呼び登録機a402〜カード呼び登録機c404の非接触ICカードリーダが携帯電話100の非接触ICカード部108から読み取ったIDデータに従い、エレベーター制御部401に対してエレベーターの呼びを登録する。
【0031】
図13はID変換部405がIDデータの変換に使用するテーブルである。ひとつのIDデータに対して、登録階番号と戸開閉速度を定義した組みが、登録するIDデータの数だけ存在する。登録階番号とは、IDデータに対して移動を許可する階の番号であり、戸開閉速度とは扉の開閉速度の指定である。小さい子供と一緒に移動する場合など戸開閉の速度を変化させたい場合は、通常の値よりも低い値を設定する。
【0032】
図14はエレベーターシステム400の動作の詳細な流れ図である。
図14を使って、カード呼び登録機a402を例にとって、エレベーターシステム400の動作を説明する。なお、これ以外のカード呼び登録機b403、カード呼び登録機c404も、カード呼び登録機a402と同じように動作する。
ステップS1401でID制御部a407は、非接触ICカードリーダa406に、非接触ICカード部108の読み取り指示を行う。携帯電話100が非接触ICカードリーダa406の読み取り可能範囲にある場合、ステップS1402で、非接触ICカードリーダa406は非接触ICカード部108のIDデータを読み取り、ID制御部a407はIDデータを受信する。
ステップS1403でID変換部405は、ID変換テーブル1301に登録されたIDデータと、読み取ったIDデータとを比較して、一致するIDデータの組みになった登録階番号と戸開閉速度を応答する。もし一致するIDデータがない場合無効データを応答する。
ステップS1404で、ID制御部a407は、受信した登録階番号が有効か、無効であるかを判定し、有効である場合に、ステップS1405でカード呼び登録機a402が設置された階が玄関階であるか、すなわち利用者が携帯電話100をカード呼び登録機a402に読み取らせた階、利用者がエレベーターに乗ろうとする階が玄関階であるかを判定する。もし玄関階である場合は、ステップS1406でID制御部a407は、ID変換部405が出力した登録階番号を目的階として決定する。
またステップS1405で利用者がエレベーターに乗ろうとする階が玄関階でない場合、ステップS1407で利用者がエレベーターに乗ろうとする階が、ID変換部405が出力した登録階番号であるかを判定する。もし登録階番号と等しい場合は、利用者は玄関階に移動しようとしているので、ステップS1408で玄関階を目的階として決定する。
ステップS1407で利用者がエレベーターに乗ろうとする階が登録階番号と等しくない場合は、利用者は登録階に移動しようとしているので、ステップS1406で登録階を目的階として決定する。なおステップS1404で登録階番号が無効であった場合には、携帯電話100の利用者はエレベーターの利用を許可されていないので、処理を終了してエレベーターの呼びを登録しない。
ステップS1409でID制御部a407は、利用者がエレベーターに乗ろうとする階に呼びを登録する。
ステップS1410で、ID制御部a407は、呼びを登録した階へのかごの着床、戸開完了を確認して、ステップS1411でエレベーター制御部401に決定した目的階へのかご呼びを登録するとともに、戸開閉速度を指示する。
【0033】
以上が発明の詳細な動作の説明である。
【0034】
このように、本実施の形態に係るデータ管理装置は、データ記憶装置が配置されているパッケージに配置され、データ記憶装置を管理するデータ管理装置であって、パッケージの傾きを検出する傾き検出部と、二以上のデータを記憶し、傾き検出部により検出されたパッケージの傾きに応じて、二以上のデータの中から特定のデータを選択するデータ選択部と、データ選択部により選択されたデータを前記データ記憶装置に書き込むデータ書き込み部とを有する。
そして、データ選択部は、データとパッケージの傾きとの対応関係を示す対応情報を記憶しており、対応情報を用いて、傾き検出部により検出されたパッケージの傾きに対応するデータを選択し、データ書き込み部は、データ記憶装置に記憶されているデータをデータ選択部により選択されたデータに書き換える。
【0035】
本実施の形態によれば、携帯電話の傾きを検出するとともに傾きに対応するIDデータを非接触ICカードに書き込むため、携帯電話の利用者は目的とするIDデータに対応する角度に携帯電話を傾けるだけで目的とするIDデータをICカードリーダに読み込ませることができる。このため、利用者は、従来のように、IDデータに合わせて複数のカードを持つ必要がなく、また、逐次カードを識別して選択的にICカードリーダに読み込ませる必要がない。このように、本実施の形態によれば、認証手順において、煩雑な操作によらず複数のIDデータの中から所望のIDデータを選択し、簡単な操作による認証処理を実現することにより、利用者の利便性を向上させることができる。
【0036】
次に、本実施の形態に係る携帯電話100のハードウェア構成例について説明する。
図15は、本実施の形態及び以下に述べる実施の形態に示す携帯電話100のハードウェア資源の一例を示す図である。
図15において、携帯電話100は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、LCD等の表示装置901、テンキー902、マイク904、スピーカー905、非接触ICカード906、加速度センサ907、フラッシュメモリ920等と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、非接触ICカード906、フラッシュメモリ920といった記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915、テンキー902などは、入力部、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、非接触ICカードなどは、出力部、出力装置の一例である。
【0037】
通信ボード915は、無線回線を介して、例えば、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、LAN(ローカルエリアネットワーク)などに接続することが可能である。
フラッシュメモリ920は、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924等を記憶することが可能である。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0038】
上記プログラム群923には、少なくともICカード書換え部109及び傾き−ID変換部110の機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以上の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」、「〜の評価結果」等として説明している情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、記録媒体に記憶される。記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、以上説明したフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0039】
また、以上の説明において「〜部」、「〜手段」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。
【0040】
このように、本実施の形態に示す携帯電話は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、フラッシュメモリ等、入力装置たるテンキー、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード、非接触ICカード等を備え、「〜部」、「〜手段」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【0041】
なお、本発明の実施の形態では、傾き検出部111には、加速度センサ部302により重力加速度の各方向成分により傾きを求める方法を用いたが、加速度センサ部302自体の仕組み、あるいは傾き検出部111の傾きを検出する仕組みについて、本実施の形態で示した傾き検出方法に制限するものではなく、他の傾き検出方法、あるいはその他のセンサとの組み合わせにより傾き検出の精度を向上しても良いし、より安価な機器で構成できる傾き検出方法を用いても良い。
【0042】
また本実施の形態では、携帯電話100の上向きと下向きで、異なる二つのIDデータを選択しうるようにしたが、携帯電話100の傾きとIDデータの対応を細分化して、二つ以上のIDデータを選択するようにしても良い。
【0043】
また、本実施の形態では、携帯電話100の上向きと下向きで、異なる二つのIDデータを選択しうるようにしたが、携帯電話100の傾きとIDデータの対応を線形に対応付けず、携帯電話100が縦方向にある場合と横方向にある場合に、それぞれ異なる二つのIDデータを選択するようにしても良い。
【0044】
また、本実施の形態では、非接触ICカード部108とICカード書換え部109、傾き−ID変換部110、傾き検出部111を携帯電話100に搭載して、携帯電話100の傾きに応じてIDデータを選択しうるよう構成したが、これら非接触ICカード部108とICカード書換え部109、傾き−ID変換部110、傾き検出部111は携帯電話100に内蔵するのに限らず、ノートパソコン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、電子手帳などのデジタル機器、腕時計やペンダント、指輪などの装飾品、社員証や定期券、免許証、クレジットカード、ICタグつき鍵、カード型キーなどの機器に内蔵するようにしても良い。
【0045】
また、本実施の形態では、携帯電話100の傾きにより、異なるIDデータを選択して非接触ICカード部108に書き込み、エレベーターシステム400にIDデータを通知するように構成したが、IDデータを通知する先はこれに限定するものではなく、玄関扉、入退室セキュリティゲート、自動改札、自動販売機、集合マンション、駅の宅配ロッカー、クレジットカード決済端末、コンピュータの認証装置などの機器、システムに対して、異なるIDを選択的に通知するように構成しても良い。
一つの携帯電話100で複数のIDデータを選択して通知することが可能となり、例えばクレジットカード決済端末に対しては、その時に使用したいクレジットカード番号を選択して利用すること、コンピュータの認証装置に対しては異なるセキュリティ権限を与えられた複数のIDを選択してログインすることが可能となる。
【0046】
また、本実施の形態では、ICカード書換え部109が非接触ICカード部108にIDデータを書き込むタイミングは、定期的に行うか、キー入力部101の操作によって利用者が決定できるようにしたが、このタイミングはこれらに制限するものではなく、利用者の操作によって利用者が書き込みタイミングを指示できるように、音声入出力部103で音声入力(指示メッセージ)があった場合や、傾き検出部111で携帯電話100の同一方向の振動を連続で10回検知した場合に、書き込むように構成しても良い。
また、非接触ICカード部108が非接触ICカードリーダa406などからIDデータの読み取り要求(認証データ読み出し要求)を受けて、非接触ICカード部108がその応答を保留した状態で、その時の傾き検出部111の傾きからICカード書換え部109が傾き−ID変換部110から求めた傾きに対応するIDデータを選択、書き込むようにした後に、非接触ICカード部108が書き込まれたIDデータを非接触ICカードリーダa406などに応答するように構成しても良い。
【0047】
また、本実施の形態において、携帯電話100にIDデータを蓄積、エレベーターシステム400に通知するため非接触ICカード部108を用いたが、ホストから外部に読み取らせるメモリの内容を書き換え可能なホストとのインタフェースを持つ記憶媒体であれば良く、例えば接触型ICカード、磁気テープ式カードで実現してもよい。
【0048】
また、本実施の形態において、携帯電話100のICカード書換え部109による非接触ICカード部108のIDデータの書き換えは、利用者に通知せず行うよう構成したが、ステップS603以降に書換えを行ったことまたは書き込んだIDデータを、表示部102への文字表示やアイコン表示、音声入出力部103による音声通知で、利用者に通知するようにしても良い。
【0049】
また、本実施の形態において、携帯電話100の非接触ICカード部108には、IDデータを選択的に書き込むようにしたが、IDデータと傾きデータを書き込むようにしても良い。その時、エレベーターシステム400のID変換部405は、ID変換テーブル1301に、IDデータと傾き値をキーとして登録階番号などを付加したものを組にして持ち、さらにこの組はユーザに対して異なる傾き値毎に複数あって、受信したIDデータで選択される同一IDデータに対応する登録階番号のうち、傾き値が近いものを選択することで、登録階番号を選択する。これらはステップS1402とステップS1403にかわり実行される。
【0050】
以上のように、本実施の形態では、IDデータを記憶する非接触ICカード部と非接触ICカードのIDデータを書き換えるICカード書換え部と、非接触ICカードを搭載したID装置の傾きを検出する傾き検出部と、複数のIDデータと傾きの対応情報を持ち、入力した傾きからIDデータを出力する傾き−ID変換部とからなる、ID装置であって、ID装置の傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードに書き込んで、認証システムの非接触ICカードリーダに対して、複数のIDデータから任意のIDデータを選択して読み込ませ、認証を受けることを特徴としたID装置について説明した。
【0051】
また、IDデータを記憶する非接触ICカード部と非接触ICカードのIDデータを書き換えるICカード書換え部と、非接触ICカードを搭載したID装置の傾きを検出する傾き検出部と、複数のIDデータと傾きの対応情報を持ち、入力した傾きからIDデータを出力する傾き−ID変換部とからなる、ID装置であって、ID装置の傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードに書き込むID装置と、
ID装置から選択的に送付されるIDデータを認証し、許可されたユーザに対してあらかじめ登録された目的階から目的階を決定し、乗り口への呼びと目的階への呼びを登録するエレベーターシステムについても説明した。
【0052】
更には、IDデータと傾きデータを記憶する非接触ICカード部と非接触ICカードの傾きデータを書き換えるICカード書換え部と、非接触ICカードを搭載したID装置の傾きを検出する傾き検出部とからなるID装置であって、ID装置の傾きを非接触ICカードに書き込むID装置と、
ID装置から送付されるIDデータを認証し、許可されたユーザに対してあらかじめ傾き毎に登録された目的階から目的階を決定し、乗り口への呼びと目的階への呼びを登録するエレベーターシステムについても説明した。
【0053】
また、前記目的階の決定が、乗り口が玄関階である場合または乗り口が玄関階でなくても乗り口が登録された目的階である場合に登録された目的階を目的階に決定し、乗り口が玄関階でもなく乗り場が登録された目的階である場合に玄関階を目的階に決定する、エレベーターシステムについても説明した。
【0054】
また、所定の間隔で繰り返し実行する、ID装置の傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードに書き込みで、認証システムの非接触ICカードリーダに対して、複数のIDデータから任意のIDデータを選択して読み込ませ、認証を受けることを特徴としたID装置についても説明した。
【0055】
また、前記ID装置は利用者入力部を持ち、利用者による入力部への入力をトリガにして実行する、ID装置の傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードに書き込みで、認証システムの非接触ICカードリーダに対して、複数のIDデータから任意のIDデータを選択して読み込ませ、認証を受けることを特徴としたID装置についても説明した。
【0056】
また、前記ID装置は、非接触ICカードへのIDデータ読み出し要求に対して、IDデータ応答を保留して実行する、傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードへの書き込みで、認証システムの非接触ICカードリーダに対して、複数のIDデータから任意のIDデータを選択して読み込ませ、認証を受けることを特徴としたID装置についても説明した。
【0057】
また、前記ID装置は、通知部を備え、利用者に対して非接触ICカードのIDデータが書き変わったことを通知することを特徴としたID装置についても説明した。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態1に係る携帯電話の構成例を示す図。
【図2】実施の形態1に係る非接触ICカード部の構成例を示す図。
【図3】実施の形態1に係る傾き検出部の構成例を示す図。
【図4】実施の形態1に係るエレベーターシステムの構成例を示す図。
【図5】実施の形態1に係る非接触ICカードリーダの構成例を示す図。
【図6】実施の形態1に係る携帯電話の動作例を示すフローチャート図。
【図7】実施の形態1に係る加速度センサ部が検出する加速度の方向の例を示す図。
【図8】実施の形態1に係る加速度センサ部が検出する傾きの例を示す図。
【図9】実施の形態1に係るX方向とY方向に検出する加速度と傾きの対応を示した図。
【図10】実施の形態1に係る携帯電話の外観例を示す図。
【図11】実施の形態1に係る携帯電話正面図に加速度センサ部の検出する傾きを示した図。
【図12】実施の形態1に係る傾き検出ステップの例を示すフローチャート図。
【図13】実施の形態1に係るID変換テーブルの例を示す図。
【図14】実施の形態1に係るエレベーターシステムの処理例を示すフローチャート図。
【図15】実施の形態1に係る携帯電話のハードウェア構成例を示す図。
【符号の説明】
【0059】
100 携帯電話、101 キー入力部、102 表示部、103 音声入出力部、104 電源制御部、105 電話制御部、106 無線通信部、107 データ記憶部、108 非接触ICカード部、109 ICカード書換え部、110 傾き−ID変換部、111 傾き検出部、201 ホストインタフェース、202 無線通信部、203 カード記憶部、301 ホストインタフェース、302 加速度センサ部、303 加速度−傾き変換部、400 エレベーターシステム、401 エレベーター制御部、402 カード呼び登録機a、403 カード呼び登録機b、404 カード呼び登録機c、405 ID変換部、406 非接触ICカードリーダa、407 ID制御部a、408 非接触ICカードリーダb、409 ID制御部b、410 非接触ICカードリーダc、411 ID制御部c、501 無線通信部、502 ホストインタフェース、1001 LCD部、1002 テンキー部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記憶装置に対するデータ管理技術に関し、例えば、非接触ICカードのデータ書き換え技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICカードによりIDデータをシステムに通知、認証を受けシステムの利用許可を受けるシステムがある。
特開2003−276958号公報に開示された技術によれば、エレベーターを備えたマンションの防犯性と利便性を向上する目的で、利用者は非接触キーにより玄関のオートロックの開錠及びエレベーターを呼び寄せることができる。玄関及び玄関階のエレベーター乗り場には、非接触キーリーダが設置され、玄関のキーリーダで非接触キーに記録したIDと居住階を読み取り、IDを認証し、玄関のオートロックを開錠し、エレベーターを玄関階に呼び寄せるとともに、居住階への呼びを登録した状態で待機させる。
または玄関のキーリーダで非接触キーに記録したIDを読み取り、IDを認証し、玄関のオートロックを開錠し、エレベーター乗り場のキーリーダで非接触キーに記録したIDと居住階を読み取り、IDを認証し、エレベーターを玄関階に呼び寄せるとともに、居住階への呼びを登録した状態で待機させる。
【0003】
この技術によりエレベーターの利用者は、非接触キーによりオートロックの開錠操作を行うだけでエレベーターの操作が不要で、居住階までエレベーターを利用することによる利便性と、エレベーターのかご呼びを自動登録することで利用者を制限して行き先階をあらかじめ定めた居住階のみとすることでセキュリティ性の高いエレベーター装置を得るという利点があった。
【特許文献1】特開2003−276958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この技術によれば、例えば許可を受けて居住者が他の階の住人を訪問する場合にも、非接触キーに登録された居住階のみに行き先階が限定されるため、非接触キーによる呼び登録が使用できず、かごに乗車後正しい行き先階への呼びの登録と居住階への呼びの解除を操作盤によって行う必要があるなど、不便な点が生じていた。
【0005】
また異なるIDデータを記録した非接触ICカードを複数枚もつことで、利用者は目的階に応じて対応するIDデータを記録した非接触ICカードを選択、使用することで、他の階の住人を訪問することができる。
しかしながらこのような方法によっても、訪問する可能性のある階の分だけカードを持つ必要があり携行するカードが増えること、逐次カードを識別して選択的に利用しなければならないため、利便性が低下するといった欠点があった。
【0006】
このように非接触ICカードなどによってシステムの利用認証を受ける場合に、利用者が複数のIDデータから使用したいIDデータを選択する場合において、従来では、逐次カードを識別して選択的に利用しなければならず、利用者にとって手続が煩雑であった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決することを主な目的としており、非接触ICカードによるIDデータの認証手順において、煩雑な操作によらず複数のIDデータの中から所望のIDデータを選択し、簡単な操作による認証処理を実現することにより、利用者の利便性を向上することを主な目的の一つとする。
また非接触ICカードのIDデータの選択時の利便性を向上するとともに、エレベーターの利用において異なるIDデータを容易に選択可能としてエレベーターシステムに異なるIDデータを通知して、セキュリティ性を損なわず非接触ICカードによる複数の異なる階床へ呼びを登録するための操作を簡略化することを主な目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るデータ管理装置は、
データ記憶装置が配置されているパッケージに配置され、前記データ記憶装置を管理するデータ管理装置であって、
前記パッケージの傾きを検出する傾き検出部と、
二以上のデータを記憶し、前記傾き検出部により検出された前記パッケージの傾きに応じて、前記二以上のデータの中から特定のデータを選択するデータ選択部と、
前記データ選択部により選択されたデータを前記データ記憶装置に書き込むデータ書き込み部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、パッケージの傾きを検出するとともに傾きに対応するデータをデータ記憶装置に書き込むため、例えば、IDデータによる認証処理の際に、利用者は目的とするデータに対応する角度にパッケージを傾けるだけで目的とするデータをデータ記憶装置に書き込むことができ、この結果、目的のデータを認証装置に読み込ませることができる。このため、本発明によれば、認証手順において、煩雑な操作によらず複数のデータの中から所望のデータを選択し、簡単な操作による認証処理を実現することにより、利用者の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係る携帯電話100の構成例を示す図である。
携帯電話100はキー入力部101、表示部102、音声入出力部103、電源制御部104、電話制御部105、無線通信部106、データ記憶部107、非接触ICカード部108(データ記憶装置)、ICカード書換え部109(データ書き込み部)、傾き−ID変換部110(データ選択部)、傾き検出部111からなる。
本実施の形態では、ICカード書換え部109(データ書き込み部)、傾き−ID変換部110(データ選択部)、傾き検出部111がデータ管理装置を構成する。
なお、携帯電話100は、データ記憶装置たる非接触ICカード部、データ書き込み部たるICカード書換え部109、データ選択部たる傾き−ID変換部110、傾き検出部111が配置されるパッケージの例であり、後述のように、携帯電話100以外にノートパソコン、電子手帳、クレジットカード等をパッケージとし、これらノートパソコン、電子手帳、クレジットカード等に非接触ICカード部108(データ記憶装置)、ICカード書換え部109(データ書き込み部)、傾き−ID変換部110(データ選択部)、傾き検出部111を配置するようにしてもよい。
つまり、本明細書においては、パッケージとは、非接触ICカード部108、ICカード書換え部109、傾き−ID変換部110、傾き検出部111を収容できる物体であれば、どのようなものでもよい。
【0011】
キー入力部101は、利用者が電話をかける相手先電話番号そのものや、電話帳から相手先を選択するための入力を受け付ける。
表示部102は、入力や着信など携帯電話100の状態を、液晶などの画面に文字、絵、アイコンを表示することよりユーザに通知する。
音声入出力部103は、電話回線による通話のための音声の入力や出力、あるいは音声ガイダンスの出力、音声による操作のための入力など、音声を入力あるいは出力する。
電源制御部104は、表示部102の電源オフなどの低消費電力モードへの移行、通常モードへの復帰、残電力量の測定などを行う。
電話制御部105は、携帯電話同士の通話のための電話回線の接続、維持、切断を行う。
無線通信部106は、携帯電話同士の通話のための無線基地局との通信確立、維持、切断、また音声の変換、無線を介した送受信を行う。
データ記憶部107は、電話帳や着信・発信履歴などのユーザデータ、文字、絵、アイコンなどの機器データを記憶する。
非接触ICカード部108は、非接触ICカードを携帯電話などの機器に搭載したもので、非接触ICカード内に記憶したデータは、外部の非接触ICカードリーダライタや、これを搭載した携帯電話本体から読み書きされる。
ICカード書換え部109は、非接触ICカード部108に記憶したデータを、携帯電話100の傾きに応じて書き換える。
傾き−ID変換部110は、ICカード書換え部109がデータを書き換える際に、角度を書き換えるデータに変換するためのテーブル(対応情報)を持ち、検出された傾きに対応するIDデータを当該テーブルを参照することにより選択する。
傾き検出部111は、携帯電話100の傾きを検出する。
【0012】
本実施の形態では、携帯電話100において、傾き−ID変換部110は複数のIDデータを記憶しており、傾き検出部111が携帯電話100の傾きを検出し、傾き−ID変換部110が、記憶している複数のIDデータの中から、傾き検出部111により検出された携帯電話100の傾きに対応するIDデータを選択し、ICカード書換え部109が傾き−ID変換部110により選択されたIDデータを非接触ICカード部108に書き込み、非接触ICカード部108が書き込まれたIDデータを外部のカードリーダ等に対して出力する。
【0013】
図2は非接触ICカード部108の構成例を示す図である。
非接触ICカード部108はホストインタフェース201、無線通信部202、カード記憶部203からなる。
ホストインタフェース201は、非接触ICカードを搭載するホスト、すなわち本実施の形態では携帯電話100と非接触ICカード部108内のカード記憶部203に格納したデータを読み書きするためのインタフェースである。
無線通信部202は、非接触ICカード通信によって外部の非接触ICカードリーダライタからカード記憶部203に格納したデータを読み書きするための無線インタフェースである。
カード記憶部203は、ホストや非接触ICカードリーダライタから読み書きするデータを格納するメモリである。
【0014】
非接触ICカードの無線インタフェースは、通信距離によって数m程度の遠隔型、数10cm程度の近傍型(ISO15695など)、数cmの近接型(ISO14443など)、数mm程度の密着型(ISO10536など)などがあるが、本実施の形態においては、非接触ICカードを非接触ICカードリーダライタに近づけ始めてから認識可能となる距離が異なるいずれの規格、仕様の非接触ICカードでも利用することができる。
【0015】
図3は傾き検出部111の構成例を示す図である。
傾き検出部111は、ホストインタフェース301、加速度センサ部302、加速度−傾き変換部303からなる。
ホストインタフェース301は、傾き検出部111が検出する傾きデータを記憶、ホストからの読み出しにデータを提供するインタフェースである。
加速度センサ部302は、加速度の大きさを電気的に検出して出力するセンサである。加速度検出の仕組みは、例えば加速度によって生じるセンサ内部の質量の動きによりピエゾ抵抗素子で構築したはりをひずませ、抵抗値として得るようなものがある。加速度センサ部302は検出する加速度の方向毎に加速度を示す出力を持ち、この出力は正負の加速度値を抵抗値や電圧、パルスのデューティー比などで出力する。
加速度−傾き変換部303は、加速度センサ部302で検出した加速度を傾きに変換するものである。地球の重力は1Gであるが、加速度センサ部302の傾きに応じて、加速度センサ部302が検出する加速度方向の成分は規則的に変化する。加速度−傾き変換部303は、この規則から加速度を傾きデータに変換する。
【0016】
図4はエレベーターシステム400の構成例を示す図である。
エレベーターシステム400は、エレベーター制御部401、カード呼び登録機a402、カード呼び登録機b403、カード呼び登録機c404、ID変換部405からなる。
【0017】
エレベーター制御部401は、カード呼び登録機a402〜カード呼び登録機c404からの呼び登録要求に対して、エレベーターのかご移動、扉開閉、インジケーター点消灯を行う。呼び登録とは、エレベーター乗り場での利用者によるかごの乗り口への移動指示や、かご内での利用者の目的階へのかごの移動指示を、エレベーター制御部401に対して行うことを示す。エレベーター制御部401は、これらのかごの移動指示に対して、実際にかごをどの階へ移動するかを決定し、かごの移動を行う。
カード呼び登録機a402〜カード呼び登録機c404は、エレベーターの各階の乗り場のエレベーター扉付近に設置する。本実施の形態では、玄関階が1階にある3階床のビルで、カード呼び登録機a402を1階に、カード呼び登録機b403を2階に、カード呼び登録機c404を3階の乗り場にそれぞれ設置する。カード呼び登録機a402〜カード呼び登録機c404は、携帯電話100の非接触ICカード部108に記録されたIDデータを読み取り、IDデータが正当であった場合に、設置された階へのかごの呼びをエレベーター制御部401に登録するとともに、ID変換部405にIDデータに対応して格納された登録階番号などのデータから目的階などを決定し、利用者が乗車後の目的階への呼びをエレベーター制御部401に登録する。例えばカード呼び登録機a402は、正当なIDデータに対して1階への呼びと、その後の利用者の目的階への呼びを登録する。同様にカード呼び登録機b403は2階への呼びと目的階への呼びを、カード呼び登録機c404は3階への呼びと目的階への呼びを登録する。
ID変換部405は入力されたIDデータに対して、IDデータに対応して格納された居住階番号などの登録データか、もしくは登録されたIDデータがない場合、無効データを出力する。
【0018】
カード呼び登録機a402は、非接触ICカードリーダa406とID制御部a407から、カード呼び登録機b403は、非接触ICカードリーダb408とID制御部b409から、カード呼び登録機c404は、非接触ICカードリーダc410とID制御部c411からなる。
非接触ICカードリーダa406、非接触ICカードリーダb408、非接触ICカードリーダc410は、携帯電話100の非接触ICカード部108を検出して、所定アドレス(任意のアドレスを事前に決定)のIDデータを読み取る。
ID制御部a407、ID制御部b409、ID制御部c411は、IDデータを元にID変換部405から目的階床などのデータを元に、エレベーター制御部401に呼びを登録する。
【0019】
図5は、非接触ICカードリーダa406、非接触ICカードリーダb408、非接触ICカードリーダc410の構成例を示す。
非接触ICカードリーダa406、非接触ICカードリーダb408、非接触ICカードリーダc410は、それぞれ無線通信部501とホストインタフェース502からなる。
無線通信部501は、非接触ICカード通信によって外部の非接触ICカード部108を読み書きするための無線インタフェースである。ホストインタフェース502は、ホスト機器(ここではカード呼び登録機a402、カード呼び登録機b403、カード呼び登録機c404)と通信するためのインタフェースで、ホスト機器からのカードアクセス要求を受け取り、無線通信部501を介して実行した非接触ICカード部108へのアクセス結果を、ホスト機器に応答する。
【0020】
ここから本実施の形態における携帯電話100の詳細な動作を示す。
【0021】
携帯電話100は、携帯電話100に内蔵した傾き検出部111の傾きに応じて、ICカード書換え部109が異なるIDデータのうち傾きに対応するIDデータを非接触ICカード部108に書き込む。
【0022】
図6は携帯電話100の非接触ICカード部108、ICカード書換え部109、傾き−ID変換部110、傾き検出部111が、傾き検出部111の傾き、すなわち携帯電話100の傾きに応じて非接触ICカード部108に異なるIDデータを書き込む処理の流れ図である。
携帯電話100は、異なる複数のIDデータ(本実施の形態では二つのIDデータを例にし、それぞれをIDデータaとIDデータbと呼ぶ)を傾き−ID変換部110に持っており、傾き検出部111の傾きに応じて、いずれかのIDデータを選択し、ICカード書換え部109が,非接触ICカード部108に書き込む。
【0023】
ここでは携帯電話の表示部102を読み取り可能な方向の前後90°を0〜180°とし、上下逆に読み取れる方向の前後90°を180〜360°として、0〜179°の場合にIDデータaを、180°〜359°の場合にIDデータbを選択することとして、これを傾き−IDデータルールと呼ぶ。
【0024】
まず、ステップS601傾き検出部111が携帯電話100の傾きを検出し(傾き検出ステップ)、ステップS602でICカード書換え部109が、傾き検出部111から傾きデータを読み出す。
ステップS603で傾き−ID変換部110は、傾き−IDデータルールに基づき、傾きに応じてIDデータaもしくはIDデータbを選択して出力する(データ選択ステップ)。
ステップS604でICカード書換え部109は、選択したIDデータを非接触ICカード部108のカード記憶部に書き込む(データ書き込みステップ)。
ステップS602からステップS604の処理は、ICカード書換え部109が任意のタイミング、間隔で開始して、処理を繰り返す。具体的には、定期的に起動して常に最新の傾きに応じたIDデータが選択、書き込みされるようにしても良いし、キー入力部101の操作によって利用者から傾きの検出を指示するメッセージ(指示メッセージ)が与えたタイミングにおける携帯電話の傾きを検出し、検出した傾きに応じたIDデータを書き込むようにしても良い。
【0025】
次に、傾き検出部111による傾きの検出方法について示す。
【0026】
図7は、加速度センサ部302が検出する加速度の方向を示したものである。本実施の形態で用いる加速度センサ部302は2軸加速度センサであり、加速度を検出する方向は図7に示すとおり、XとYでそれぞれ直行しており、X、Yともそれぞれ矢印方向に加速度を検出すると正の加速度値を出力し、矢印と反対方向に加速度を検出すると負の加速度値を出力する。重力加速度をGとすると、加速度センサ部302は、X、Y方向にそれぞれ+1Gから−1Gを出力する。
図8は、重力方向に対する加速度センサ部302の向きで得られる傾きの値を便宜上対応付けたもので、X軸の矢印方向が向く方向を傾きの値とすることにした。例えば図8に示すようにX軸が0°、Y軸が90°を示す向きを傾き0°とする。
図9は、X方向とY方向に検出する加速度と傾きの対応を示したものである。図8で傾き0°の場合、図9に示すとおりX方向に0Gを、Y方向に−1Gを、また同じく90°の場合、X方向に−1Gを、Y方向に0Gを検出する。加速度と傾きの対応は以下の式で算出することができる。
Xは0以下、Yは0以下の時(傾き0〜90°)
−1×asin(X/1G)
Xは0以下、Yは0以上の時(傾き90〜180°)
90+asin(Y/1G)
Xは0以上、Yは0以上の時(傾き180°から270°)
180+asin(X/1G)
Xは0以上、Yは0以下の時(傾き270〜360°)
270+(−1)×asin(Y/1G)
またはXとYの出力を図9に示したテーブルの値に近似して変換すると傾きを得ることができる。
【0027】
図10は携帯電話100の正面図である。LCD(Liquid Crystal Display)部1001は表示部102を構成する。テンキー部1002はキー入力部101を構成する。図11は携帯電話正面図に傾き検出部111の加速度センサ部302の検出する傾きを示した図である。
携帯電話100の加速度センサ部302は、X、Y方向を図11に示すとおりに内蔵し、携帯電話100のLCD部1101に表示した文字を読み取り可能な方向(重力に対してLCD部1101が上方向となる)に傾けた場合のX軸方向の向きを0°として、反時計回りに90°、180°(このとき文字が上下反転する)、270°ということにする。
【0028】
携帯電話100の傾きは、図11に示すX軸方向の角度を言い、加速度センサ部302のX、Y方向のそれぞれの加速度値から演算、またはテーブル変換により、図9に示す通り得ることができる。
図12は、傾き検出部111が、このような携帯電話100の傾きを検出する処理を示した流れ図である。
まずステップS1201で傾き検出部111のホストインタフェース301が、加速度センサ部302の加速度X、Y値を読み出す。
次にステップS1202で加速度−傾き変換部303が先に示した手順により、加速度X、Y値を傾きに変換する。
次にステップS1203で、ホストインタフェース301が算出した傾きを格納する。
【0029】
次にエレベーターシステム400の詳細な動作を説明する。
【0030】
エレベーターシステム400は、カード呼び登録機a402〜カード呼び登録機c404の非接触ICカードリーダが携帯電話100の非接触ICカード部108から読み取ったIDデータに従い、エレベーター制御部401に対してエレベーターの呼びを登録する。
【0031】
図13はID変換部405がIDデータの変換に使用するテーブルである。ひとつのIDデータに対して、登録階番号と戸開閉速度を定義した組みが、登録するIDデータの数だけ存在する。登録階番号とは、IDデータに対して移動を許可する階の番号であり、戸開閉速度とは扉の開閉速度の指定である。小さい子供と一緒に移動する場合など戸開閉の速度を変化させたい場合は、通常の値よりも低い値を設定する。
【0032】
図14はエレベーターシステム400の動作の詳細な流れ図である。
図14を使って、カード呼び登録機a402を例にとって、エレベーターシステム400の動作を説明する。なお、これ以外のカード呼び登録機b403、カード呼び登録機c404も、カード呼び登録機a402と同じように動作する。
ステップS1401でID制御部a407は、非接触ICカードリーダa406に、非接触ICカード部108の読み取り指示を行う。携帯電話100が非接触ICカードリーダa406の読み取り可能範囲にある場合、ステップS1402で、非接触ICカードリーダa406は非接触ICカード部108のIDデータを読み取り、ID制御部a407はIDデータを受信する。
ステップS1403でID変換部405は、ID変換テーブル1301に登録されたIDデータと、読み取ったIDデータとを比較して、一致するIDデータの組みになった登録階番号と戸開閉速度を応答する。もし一致するIDデータがない場合無効データを応答する。
ステップS1404で、ID制御部a407は、受信した登録階番号が有効か、無効であるかを判定し、有効である場合に、ステップS1405でカード呼び登録機a402が設置された階が玄関階であるか、すなわち利用者が携帯電話100をカード呼び登録機a402に読み取らせた階、利用者がエレベーターに乗ろうとする階が玄関階であるかを判定する。もし玄関階である場合は、ステップS1406でID制御部a407は、ID変換部405が出力した登録階番号を目的階として決定する。
またステップS1405で利用者がエレベーターに乗ろうとする階が玄関階でない場合、ステップS1407で利用者がエレベーターに乗ろうとする階が、ID変換部405が出力した登録階番号であるかを判定する。もし登録階番号と等しい場合は、利用者は玄関階に移動しようとしているので、ステップS1408で玄関階を目的階として決定する。
ステップS1407で利用者がエレベーターに乗ろうとする階が登録階番号と等しくない場合は、利用者は登録階に移動しようとしているので、ステップS1406で登録階を目的階として決定する。なおステップS1404で登録階番号が無効であった場合には、携帯電話100の利用者はエレベーターの利用を許可されていないので、処理を終了してエレベーターの呼びを登録しない。
ステップS1409でID制御部a407は、利用者がエレベーターに乗ろうとする階に呼びを登録する。
ステップS1410で、ID制御部a407は、呼びを登録した階へのかごの着床、戸開完了を確認して、ステップS1411でエレベーター制御部401に決定した目的階へのかご呼びを登録するとともに、戸開閉速度を指示する。
【0033】
以上が発明の詳細な動作の説明である。
【0034】
このように、本実施の形態に係るデータ管理装置は、データ記憶装置が配置されているパッケージに配置され、データ記憶装置を管理するデータ管理装置であって、パッケージの傾きを検出する傾き検出部と、二以上のデータを記憶し、傾き検出部により検出されたパッケージの傾きに応じて、二以上のデータの中から特定のデータを選択するデータ選択部と、データ選択部により選択されたデータを前記データ記憶装置に書き込むデータ書き込み部とを有する。
そして、データ選択部は、データとパッケージの傾きとの対応関係を示す対応情報を記憶しており、対応情報を用いて、傾き検出部により検出されたパッケージの傾きに対応するデータを選択し、データ書き込み部は、データ記憶装置に記憶されているデータをデータ選択部により選択されたデータに書き換える。
【0035】
本実施の形態によれば、携帯電話の傾きを検出するとともに傾きに対応するIDデータを非接触ICカードに書き込むため、携帯電話の利用者は目的とするIDデータに対応する角度に携帯電話を傾けるだけで目的とするIDデータをICカードリーダに読み込ませることができる。このため、利用者は、従来のように、IDデータに合わせて複数のカードを持つ必要がなく、また、逐次カードを識別して選択的にICカードリーダに読み込ませる必要がない。このように、本実施の形態によれば、認証手順において、煩雑な操作によらず複数のIDデータの中から所望のIDデータを選択し、簡単な操作による認証処理を実現することにより、利用者の利便性を向上させることができる。
【0036】
次に、本実施の形態に係る携帯電話100のハードウェア構成例について説明する。
図15は、本実施の形態及び以下に述べる実施の形態に示す携帯電話100のハードウェア資源の一例を示す図である。
図15において、携帯電話100は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、LCD等の表示装置901、テンキー902、マイク904、スピーカー905、非接触ICカード906、加速度センサ907、フラッシュメモリ920等と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、非接触ICカード906、フラッシュメモリ920といった記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915、テンキー902などは、入力部、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、非接触ICカードなどは、出力部、出力装置の一例である。
【0037】
通信ボード915は、無線回線を介して、例えば、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、LAN(ローカルエリアネットワーク)などに接続することが可能である。
フラッシュメモリ920は、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924等を記憶することが可能である。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0038】
上記プログラム群923には、少なくともICカード書換え部109及び傾き−ID変換部110の機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以上の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」、「〜の評価結果」等として説明している情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、記録媒体に記憶される。記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、以上説明したフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0039】
また、以上の説明において「〜部」、「〜手段」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。
【0040】
このように、本実施の形態に示す携帯電話は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、フラッシュメモリ等、入力装置たるテンキー、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード、非接触ICカード等を備え、「〜部」、「〜手段」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【0041】
なお、本発明の実施の形態では、傾き検出部111には、加速度センサ部302により重力加速度の各方向成分により傾きを求める方法を用いたが、加速度センサ部302自体の仕組み、あるいは傾き検出部111の傾きを検出する仕組みについて、本実施の形態で示した傾き検出方法に制限するものではなく、他の傾き検出方法、あるいはその他のセンサとの組み合わせにより傾き検出の精度を向上しても良いし、より安価な機器で構成できる傾き検出方法を用いても良い。
【0042】
また本実施の形態では、携帯電話100の上向きと下向きで、異なる二つのIDデータを選択しうるようにしたが、携帯電話100の傾きとIDデータの対応を細分化して、二つ以上のIDデータを選択するようにしても良い。
【0043】
また、本実施の形態では、携帯電話100の上向きと下向きで、異なる二つのIDデータを選択しうるようにしたが、携帯電話100の傾きとIDデータの対応を線形に対応付けず、携帯電話100が縦方向にある場合と横方向にある場合に、それぞれ異なる二つのIDデータを選択するようにしても良い。
【0044】
また、本実施の形態では、非接触ICカード部108とICカード書換え部109、傾き−ID変換部110、傾き検出部111を携帯電話100に搭載して、携帯電話100の傾きに応じてIDデータを選択しうるよう構成したが、これら非接触ICカード部108とICカード書換え部109、傾き−ID変換部110、傾き検出部111は携帯電話100に内蔵するのに限らず、ノートパソコン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、電子手帳などのデジタル機器、腕時計やペンダント、指輪などの装飾品、社員証や定期券、免許証、クレジットカード、ICタグつき鍵、カード型キーなどの機器に内蔵するようにしても良い。
【0045】
また、本実施の形態では、携帯電話100の傾きにより、異なるIDデータを選択して非接触ICカード部108に書き込み、エレベーターシステム400にIDデータを通知するように構成したが、IDデータを通知する先はこれに限定するものではなく、玄関扉、入退室セキュリティゲート、自動改札、自動販売機、集合マンション、駅の宅配ロッカー、クレジットカード決済端末、コンピュータの認証装置などの機器、システムに対して、異なるIDを選択的に通知するように構成しても良い。
一つの携帯電話100で複数のIDデータを選択して通知することが可能となり、例えばクレジットカード決済端末に対しては、その時に使用したいクレジットカード番号を選択して利用すること、コンピュータの認証装置に対しては異なるセキュリティ権限を与えられた複数のIDを選択してログインすることが可能となる。
【0046】
また、本実施の形態では、ICカード書換え部109が非接触ICカード部108にIDデータを書き込むタイミングは、定期的に行うか、キー入力部101の操作によって利用者が決定できるようにしたが、このタイミングはこれらに制限するものではなく、利用者の操作によって利用者が書き込みタイミングを指示できるように、音声入出力部103で音声入力(指示メッセージ)があった場合や、傾き検出部111で携帯電話100の同一方向の振動を連続で10回検知した場合に、書き込むように構成しても良い。
また、非接触ICカード部108が非接触ICカードリーダa406などからIDデータの読み取り要求(認証データ読み出し要求)を受けて、非接触ICカード部108がその応答を保留した状態で、その時の傾き検出部111の傾きからICカード書換え部109が傾き−ID変換部110から求めた傾きに対応するIDデータを選択、書き込むようにした後に、非接触ICカード部108が書き込まれたIDデータを非接触ICカードリーダa406などに応答するように構成しても良い。
【0047】
また、本実施の形態において、携帯電話100にIDデータを蓄積、エレベーターシステム400に通知するため非接触ICカード部108を用いたが、ホストから外部に読み取らせるメモリの内容を書き換え可能なホストとのインタフェースを持つ記憶媒体であれば良く、例えば接触型ICカード、磁気テープ式カードで実現してもよい。
【0048】
また、本実施の形態において、携帯電話100のICカード書換え部109による非接触ICカード部108のIDデータの書き換えは、利用者に通知せず行うよう構成したが、ステップS603以降に書換えを行ったことまたは書き込んだIDデータを、表示部102への文字表示やアイコン表示、音声入出力部103による音声通知で、利用者に通知するようにしても良い。
【0049】
また、本実施の形態において、携帯電話100の非接触ICカード部108には、IDデータを選択的に書き込むようにしたが、IDデータと傾きデータを書き込むようにしても良い。その時、エレベーターシステム400のID変換部405は、ID変換テーブル1301に、IDデータと傾き値をキーとして登録階番号などを付加したものを組にして持ち、さらにこの組はユーザに対して異なる傾き値毎に複数あって、受信したIDデータで選択される同一IDデータに対応する登録階番号のうち、傾き値が近いものを選択することで、登録階番号を選択する。これらはステップS1402とステップS1403にかわり実行される。
【0050】
以上のように、本実施の形態では、IDデータを記憶する非接触ICカード部と非接触ICカードのIDデータを書き換えるICカード書換え部と、非接触ICカードを搭載したID装置の傾きを検出する傾き検出部と、複数のIDデータと傾きの対応情報を持ち、入力した傾きからIDデータを出力する傾き−ID変換部とからなる、ID装置であって、ID装置の傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードに書き込んで、認証システムの非接触ICカードリーダに対して、複数のIDデータから任意のIDデータを選択して読み込ませ、認証を受けることを特徴としたID装置について説明した。
【0051】
また、IDデータを記憶する非接触ICカード部と非接触ICカードのIDデータを書き換えるICカード書換え部と、非接触ICカードを搭載したID装置の傾きを検出する傾き検出部と、複数のIDデータと傾きの対応情報を持ち、入力した傾きからIDデータを出力する傾き−ID変換部とからなる、ID装置であって、ID装置の傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードに書き込むID装置と、
ID装置から選択的に送付されるIDデータを認証し、許可されたユーザに対してあらかじめ登録された目的階から目的階を決定し、乗り口への呼びと目的階への呼びを登録するエレベーターシステムについても説明した。
【0052】
更には、IDデータと傾きデータを記憶する非接触ICカード部と非接触ICカードの傾きデータを書き換えるICカード書換え部と、非接触ICカードを搭載したID装置の傾きを検出する傾き検出部とからなるID装置であって、ID装置の傾きを非接触ICカードに書き込むID装置と、
ID装置から送付されるIDデータを認証し、許可されたユーザに対してあらかじめ傾き毎に登録された目的階から目的階を決定し、乗り口への呼びと目的階への呼びを登録するエレベーターシステムについても説明した。
【0053】
また、前記目的階の決定が、乗り口が玄関階である場合または乗り口が玄関階でなくても乗り口が登録された目的階である場合に登録された目的階を目的階に決定し、乗り口が玄関階でもなく乗り場が登録された目的階である場合に玄関階を目的階に決定する、エレベーターシステムについても説明した。
【0054】
また、所定の間隔で繰り返し実行する、ID装置の傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードに書き込みで、認証システムの非接触ICカードリーダに対して、複数のIDデータから任意のIDデータを選択して読み込ませ、認証を受けることを特徴としたID装置についても説明した。
【0055】
また、前記ID装置は利用者入力部を持ち、利用者による入力部への入力をトリガにして実行する、ID装置の傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードに書き込みで、認証システムの非接触ICカードリーダに対して、複数のIDデータから任意のIDデータを選択して読み込ませ、認証を受けることを特徴としたID装置についても説明した。
【0056】
また、前記ID装置は、非接触ICカードへのIDデータ読み出し要求に対して、IDデータ応答を保留して実行する、傾きを測定して傾きをIDデータに変換して非接触ICカードへの書き込みで、認証システムの非接触ICカードリーダに対して、複数のIDデータから任意のIDデータを選択して読み込ませ、認証を受けることを特徴としたID装置についても説明した。
【0057】
また、前記ID装置は、通知部を備え、利用者に対して非接触ICカードのIDデータが書き変わったことを通知することを特徴としたID装置についても説明した。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態1に係る携帯電話の構成例を示す図。
【図2】実施の形態1に係る非接触ICカード部の構成例を示す図。
【図3】実施の形態1に係る傾き検出部の構成例を示す図。
【図4】実施の形態1に係るエレベーターシステムの構成例を示す図。
【図5】実施の形態1に係る非接触ICカードリーダの構成例を示す図。
【図6】実施の形態1に係る携帯電話の動作例を示すフローチャート図。
【図7】実施の形態1に係る加速度センサ部が検出する加速度の方向の例を示す図。
【図8】実施の形態1に係る加速度センサ部が検出する傾きの例を示す図。
【図9】実施の形態1に係るX方向とY方向に検出する加速度と傾きの対応を示した図。
【図10】実施の形態1に係る携帯電話の外観例を示す図。
【図11】実施の形態1に係る携帯電話正面図に加速度センサ部の検出する傾きを示した図。
【図12】実施の形態1に係る傾き検出ステップの例を示すフローチャート図。
【図13】実施の形態1に係るID変換テーブルの例を示す図。
【図14】実施の形態1に係るエレベーターシステムの処理例を示すフローチャート図。
【図15】実施の形態1に係る携帯電話のハードウェア構成例を示す図。
【符号の説明】
【0059】
100 携帯電話、101 キー入力部、102 表示部、103 音声入出力部、104 電源制御部、105 電話制御部、106 無線通信部、107 データ記憶部、108 非接触ICカード部、109 ICカード書換え部、110 傾き−ID変換部、111 傾き検出部、201 ホストインタフェース、202 無線通信部、203 カード記憶部、301 ホストインタフェース、302 加速度センサ部、303 加速度−傾き変換部、400 エレベーターシステム、401 エレベーター制御部、402 カード呼び登録機a、403 カード呼び登録機b、404 カード呼び登録機c、405 ID変換部、406 非接触ICカードリーダa、407 ID制御部a、408 非接触ICカードリーダb、409 ID制御部b、410 非接触ICカードリーダc、411 ID制御部c、501 無線通信部、502 ホストインタフェース、1001 LCD部、1002 テンキー部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ記憶装置が配置されているパッケージに配置され、前記データ記憶装置を管理するデータ管理装置であって、
前記パッケージの傾きを検出する傾き検出部と、
二以上のデータを記憶し、前記傾き検出部により検出された前記パッケージの傾きに応じて、前記二以上のデータの中から特定のデータを選択するデータ選択部と、
前記データ選択部により選択されたデータを前記データ記憶装置に書き込むデータ書き込み部とを有することを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
前記データ選択部は、
データと前記パッケージの傾きとの対応関係を示す対応情報を記憶し、前記対応情報を用いて、前記傾き検出部により検出された前記パッケージの傾きに対応するデータを選択することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記データ書き込み部は、
前記データ記憶装置に記憶されているデータを前記データ選択部により選択されたデータに書き換えることを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記データ管理装置は、
認証のための認証データを記憶する非接触ICカードが配置されているパッケージに配置され、
前記データ選択部は、
二以上の認証データを記憶し、前記傾き検出部により検出された前記パッケージの傾きに基づき、前記二以上の認証データの中から特定の認証データを選択し、
前記データ書き込み部は、
前記データ選択部により選択された認証データを前記非接触ICカードに書き込むことを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項5】
前記傾き検出部は、
定期的に前記パッケージの傾きを検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項6】
前記傾き検出部は、
前記パッケージの傾きの検出を指示する指示メッセージを入力した際に、前記パッケージの傾きを検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項7】
前記データ管理装置は、
認証のための認証データを記憶する非接触ICカードが配置されているパッケージに配置され、
前記傾き検出部は、
前記非接触ICカードがICカードリーダから認証データ読み出し要求を受けた際に、前記パッケージの傾きを検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項8】
前記データ管理装置は、
データ記憶装置が配置されている携帯電話機に配置され、
前記傾き検出部は、
前記携帯電話機の傾きを検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項9】
パッケージに配置されているデータ記憶装置を管理するデータ管理方法であって、
前記パッケージの傾きを検出する傾き検出ステップと、
前記傾き検出ステップにより検出された前記パッケージの傾きに応じて、二以上のデータの中から特定のデータを選択するデータ選択ステップと、
前記データ選択ステップにより選択されたデータを前記データ記憶装置に書き込むデータ書き込みステップとを有することを特徴とするデータ管理方法。
【請求項1】
データ記憶装置が配置されているパッケージに配置され、前記データ記憶装置を管理するデータ管理装置であって、
前記パッケージの傾きを検出する傾き検出部と、
二以上のデータを記憶し、前記傾き検出部により検出された前記パッケージの傾きに応じて、前記二以上のデータの中から特定のデータを選択するデータ選択部と、
前記データ選択部により選択されたデータを前記データ記憶装置に書き込むデータ書き込み部とを有することを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
前記データ選択部は、
データと前記パッケージの傾きとの対応関係を示す対応情報を記憶し、前記対応情報を用いて、前記傾き検出部により検出された前記パッケージの傾きに対応するデータを選択することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記データ書き込み部は、
前記データ記憶装置に記憶されているデータを前記データ選択部により選択されたデータに書き換えることを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記データ管理装置は、
認証のための認証データを記憶する非接触ICカードが配置されているパッケージに配置され、
前記データ選択部は、
二以上の認証データを記憶し、前記傾き検出部により検出された前記パッケージの傾きに基づき、前記二以上の認証データの中から特定の認証データを選択し、
前記データ書き込み部は、
前記データ選択部により選択された認証データを前記非接触ICカードに書き込むことを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項5】
前記傾き検出部は、
定期的に前記パッケージの傾きを検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項6】
前記傾き検出部は、
前記パッケージの傾きの検出を指示する指示メッセージを入力した際に、前記パッケージの傾きを検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項7】
前記データ管理装置は、
認証のための認証データを記憶する非接触ICカードが配置されているパッケージに配置され、
前記傾き検出部は、
前記非接触ICカードがICカードリーダから認証データ読み出し要求を受けた際に、前記パッケージの傾きを検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項8】
前記データ管理装置は、
データ記憶装置が配置されている携帯電話機に配置され、
前記傾き検出部は、
前記携帯電話機の傾きを検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項9】
パッケージに配置されているデータ記憶装置を管理するデータ管理方法であって、
前記パッケージの傾きを検出する傾き検出ステップと、
前記傾き検出ステップにより検出された前記パッケージの傾きに応じて、二以上のデータの中から特定のデータを選択するデータ選択ステップと、
前記データ選択ステップにより選択されたデータを前記データ記憶装置に書き込むデータ書き込みステップとを有することを特徴とするデータ管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−323562(P2007−323562A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155818(P2006−155818)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
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