説明

データ記憶装置、データ記憶方法、及びデータ記憶用プログラム

【課題】システムのイベント発生をトリガとしてシステムの動作状態を表すデータを記憶する際に、イベント要因が複雑な場合でも、低処理負荷、少量のメモリで効率良くデータを記憶できると共に、後の動作解析においてイベントの種類、要因、条件等を容易に判別して解析性能を向上し得るデータ記憶装置、方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】データ記憶装置は、直前の所定時間又は取得回数分の解析対象データを記憶する解析対象データ一時記憶部110と、イベント発生判定用データからイベントの発生を判定するイベント発生判定部130と、イベント及びイベント発生判定に関するデータをイベントデータとして出力するイベントデータ出力部120と、イベントの発生が判定されたとき又は判定されたときから所定時間後に解析対象データ一時記憶部110に記憶されているデータを、イベントデータと関連付けて記憶するデータ記憶部140とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムの動作状態を表すデータを記憶するデータ記憶装置、データ記憶方法、及びデータ記憶用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等のシステムにおいて、システムの動作を解析するために、システムの動作状態を表すデータを記憶する装置(データレコーダ)が使用されている。このような装置において、システムの動作状態を表すデータを常に記憶しておくと膨大なデータ量となるため、センサ等による検出値から、後の解析時に着目すべきイベント(例えば、車両の緊急状態等)が発生していることを判定した場合に、データを記憶する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1の車両用データレコーダでは、車両の走行及び操作情報を順次書換えながら記録することにより、最新の所定時間分のデータを記録している。そして、この装置では、加速度センサ等からの異常を示す信号に基づいて車両の緊急状態を検出すると、データの書込みを所定時間行ってからデータの書込みを停止する。これにより、記録されている車両の緊急状態発生前後のデータが保持され、所定条件を満たす場合にデータの書換えが終了されて保持されたデータが保存される。
【特許文献1】特開平7−37133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばシステムの規模が増大して動作が複雑になると、システムのイベント要因が複雑になり、システムの動作中にイベントが複数回発生したり、複数種類のイベントが発生したり、イベントの発生を判定する判定条件が複雑になることが考えられる。
【0005】
しかしながら、上記文献1の装置では、イベントの発生が複数回あることは想定されず、データの書換えを終了することにより1回の緊急状態についてその発生前後のデータを保存するものであるので、イベントが複数回発生する場合に適切に対応することができない。
【0006】
また、上記文献1の装置では、イベントの発生を単にトリガとして、車両の走行及び操作情報をそのまま保存するものである。このため、複数種類のイベントが発生する場合に、後の解析において、イベント要因を容易に判別することができず、どの種類のイベントの発生をトリガとして保存されたデータか把握することが困難である。
【0007】
これに対して、例えば、記録データの中に、イベント発生の判定閾値等の、イベント要因の判別に必要なデータを予め含めておくことにより、このデータから後の解析の際にイベント要因を判別する処理を改めて行うことも考えられる。しかし、この場合、後の解析の際の処理負荷が増大してしまう。しかも、イベントの種類が増加したりイベントの発生を判定する判定条件が複雑になるほど、イベント要因の判別に必要なデータが増加するため、記憶容量が多量に必要になり、かつ記憶のための処理時間も増加してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、システムのイベント発生をトリガとして該システムの動作状態を表すデータを記憶する際に、システムのイベント要因が複雑な場合でも、低処理負荷、少量のメモリで効率良くデータを記憶できると共に、後の動作解析においてイベントの種類、要因、条件等を容易に判別して解析性能を向上し得るデータ記憶装置、データ記憶方法、及びデータ記憶用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明のデータ記憶装置は、システムの動作状態を表すデータを記憶するデータ記憶装置であって、前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムの動作の解析に必要な解析対象データを、所定のタイミングで逐次取得する解析対象データ取得部と、前記解析対象データ取得部により取得された解析対象データをのうち、直前の所定時間分、又は直前の所定取得回数分の解析対象データを記憶する解析対象データ一時記憶部と、前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムのイベントの発生の判定に必要なイベント発生判定用データを、前記解析対象データと独立に取得するイベント発生判定用データ取得部と、前記イベント発生判定用データ取得部により取得されたイベント発生判定用データから、イベントの発生を判定するイベント発生判定部と、前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときのイベント及びイベントの発生の判定に関するデータを、イベントデータとして出力するイベントデータ出力部と、前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときに前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータ、又は前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されてから所定時間後に前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータを、該イベントの発生が判定されたときに前記イベントデータ出力部により出力されたイベントデータと関連付けて記憶するデータ記憶部とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のデータ記憶装置によれば、解析対象データ取得部により、センサの検出データやシステムの制御データ等のシステムの動作状態を表すデータのうち、該システムの動作を解析する際に解析処理の対象として使用される解析対象データが、所定のタイミングで逐次取得される。そして、解析対象データ一時記憶部は、解析対象データのうち、直前の所定時間分(又は直前の所定取得回数分)の解析対象データを記憶する。例えば、解析対象データ一時記憶部は、メモリに記憶された所定時間(所定取得回数)以前のデータを消去し、消去した部分に新たに取得したデータを記憶する。これにより、一定のメモリ量で常に直前の所定時間分(所定取得回数分)の解析対象データが記憶される。
【0011】
一方、イベント発生判定用データ取得部により、システムの動作状態を表すデータのうち、システムのイベントの発生の判定に必要なイベント発生判定用データが解析対象データと独立に取得される。ここで、システムのイベントとは、システムにおける通常の動作とは異なる所定の特異動作であり、この特異動作は解析の際に着目する必要性が高いものである。このとき、イベント発生判定用データ取得部により、解析対象データとは独立にイベント発生判定用データが取得されるので、例えばイベントの発生の判定には必要だがシステムの動作状態の解析には不要なデータを解析対象データに含めずともよい。よって、イベントの発生回数や種類が多く判定条件が複雑な場合でも、そのために解析対象データが増加することがなく、記憶するデータ量の低減や、記憶するための処理負荷の低減が可能となる。
【0012】
さらに、イベント発生判定部により、イベント発生判定用データからシステムのイベントが検出される。そして、イベントデータ出力部により、イベントの発生が判定されたときの該イベント及び該イベントの発生の判定に関するデータが、イベントデータとして出力される。これにより、イベント発生時における、イベント要因判別のために有用性の高いデータを抽出して出力し得る。なお、「イベント要因判別」とは、イベントの種類、イベントの発生要因、判定閾値等のイベントの発生条件、イベント発生条件を設定するための特定条件、特定条件の成立の有無等の、該発生したイベント及び該イベントの発生の判定に関するデータの判別を意味する。
【0013】
そして、データ記憶部は、イベントの発生が判定されたときに、又は該イベントの発生が判定されたときから所定時間後に、解析対象データ一時記憶部に記憶されている解析対象データを記憶する。これにより、イベントの発生をトリガとして、解析の際に着目すべきイベントの発生前後の所定時間分(所定取得回数分)の解析対象データが適切に記憶され、解析に使用され得る。このとき、データ記憶部は、解析対象データを、該イベントの発生が判定されたときにイベントデータ出力部により出力されたイベントデータと関連付けて記憶する。イベントデータとして、イベント発生時における、イベント要因判別のために有用性の高いデータが抽出されて出力されているので、このイベントデータを関連付けて記憶することにより、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減しつつ、解析の際に改めてイベント要因判別処理を行うことなく、記憶データからイベントの種類、要因、条件等が容易に判別される。よって、イベント要因が複雑な場合でも、解析対象データとそのイベントの種類、要因、条件等を関連させて容易に解析でき、解析速度等の向上が可能となる。
【0014】
従って、本発明によれば、システムのイベント発生をトリガとして該システムの動作状態を表すデータを記憶する際に、イベント要因が複雑な場合でも、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減して、低処理負荷、少量のメモリで効率良くデータを記憶できると共に、後の動作解析において記憶データからイベントの種類、要因、条件等を容易に判別でき、解析性能を向上し得る。
【0015】
なお、本発明のデータ記憶装置において、前記データ記憶部を複数備え、前記イベント発生判定部により判定されたイベントの発生毎に、該複数のデータ記憶部のうち該イベントの発生に対応するデータ記憶部に前記解析対象データを前記イベントデータと関連付けて記憶するようにしてもよい。これにより、システムの動作中にイベントが複数回発生した場合に、解析対象データをより適切に記憶することができる。
【0016】
また、本発明のデータ記憶装置において、前記イベント発生判定部は、前記イベント発生判定用データが所定のイベント発生条件を満たすか否かに応じてイベントの発生を判定することが好ましい。
【0017】
すなわち、イベント発生判定用データには、イベント発生条件によるイベントの発生の判定に用いられるシステムの動作状態を表すデータや、イベント発生条件の判定閾値等が含まれている。具体的には、イベント発生条件は、例えば車速が所定閾値を超えたか否か等であり、このとき、イベント発生判定用データには、車速や当該閾値が含まれている。そして、イベント発生判定部により、イベント発生判定用データがイベント発生条件を満たすか否かに応じてイベントの発生が判定される。
【0018】
これにより、イベントデータ出力部から、イベントの発生が判定されたときの、当該イベントの種類を識別する識別情報や、当該イベントの発生を判定するために用いられたシステムの動作状態を表すデータや、当該イベントの発生を判定するための判定閾値等が、イベントデータとして出力される。このように、イベント発生時における、イベント要因判別のために有用性の高いデータが抽出されて出力されるので、解析対象データをこのイベントデータに関連付けて記憶することにより、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減しつつ、解析の際に改めてイベント要因判別処理を行うことなく、記憶データからイベントの種類、要因、条件等が容易に判別される。
【0019】
また、本発明のデータ記憶装置において、前記イベント発生判定部は、前記イベント発生判定用データが前記イベント発生条件を設定する上での特定条件を満たすか否かを判定し、該判定に応じて前記イベント発生条件を設定することが好ましい。
【0020】
すなわち、イベント発生判定用データには、特定条件の判定に用いられるシステムの動作状態を表すデータや、特定条件の判定閾値等が含まれている。そして、イベント発生判定部により、イベント発生判定用データが特定条件を満たすか否かが判定され、該判定に応じてイベント発生条件が設定される。具体的には、特定条件は、例えば車両が旋回状態にあるか否か等であり、このとき、イベント発生判定用データには、車両のヨーレートや、旋回状態にあるか否かを判定する閾値が含まれている。そして、イベント発生判定部は、例えば、車両が旋回状態にある場合とない場合とで、イベント発生条件の判定閾値に異なる値を設定する。
【0021】
これにより、イベントデータ出力部から、イベントの発生が判定されたときの、特定条件の成立の有無や、特定条件の成立を判断するために用いられたシステムの動作状態を表すデータや、特定条件の判定閾値等が、イベントデータとして出力される。このように、イベント発生時における、イベント要因判別のために有用性の高いデータが抽出されて出力されるので、解析対象データをこのイベントデータに関連付けて記憶することにより、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減しつつ、解析の際に改めてイベント要因判別処理を行うことなく、記憶データからイベントの種類、要因、条件等が容易に判別される。
【0022】
次に、本発明のデータ記憶方法は、システムの動作状態を表すデータを記憶するデータ記憶方法であって、前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムの動作の解析に必要な解析対象データを、所定のタイミングで逐次取得する解析対象データ取得ステップと、前記解析対象データ取得部により取得された解析対象データのうち、直前の所定時間分、又は直前の所定取得回数分の解析対象データを記憶する解析対象データ一時記憶ステップと、前記システムの動作状態を表すデータのうち、イベントの発生の判定に必要なイベント発生判定用データを、前記解析対象データと独立に取得するイベント発生判定用データ取得ステップと、前記イベント発生判定用データ取得部により取得されたイベント発生判定用データから、イベントの発生を判定するイベント発生判定ステップと、前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときのイベント及びイベントの発生の判定に関するデータを、イベントデータとして出力するイベントデータ出力ステップと、前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときに前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータ、又は前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されてから所定時間後に前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータを、該イベントの発生が判定されたときに前記イベントデータ出力部により出力されたイベントデータと関連付けて記憶するデータ記憶ステップとを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明のデータ記憶方法によれば、本発明のデータ記憶装置に関して説明したように、イベント発生判定用データ取得ステップで、解析対象データとは独立にイベント発生判定用データが取得されるので、イベントの発生回数や種類が多く判定条件が複雑な場合でも、そのために解析対象データが増加することがなく、記憶するデータ量の低減や、記憶するための処理負荷の低減が可能となる。さらに、イベントデータ出力ステップで、イベント発生時に、イベント及びイベントの発生の判定に関するデータをイベントデータとして出力し、データ記憶ステップで、イベントの発生をトリガとして、イベントの発生前後の解析対象データを、イベントデータと関連付けて記憶する。これにより、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減しつつ、解析の際に改めてイベント要因判別処理を行うことなく、記憶データからイベントの種類、要因、条件等を容易に判別できる。従って、本発明によれば、システムのイベント発生をトリガとして該システムの動作状態を表すデータを記憶する際に、システムのイベント要因が複雑な場合でも、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減して、低処理負荷、少量のメモリで効率良くデータを記憶できると共に、後の動作解析において記憶データからイベントの種類、要因、条件等を容易に判別でき、解析性能を向上し得る。
【0024】
また、前記イベント発生判定ステップは、前記イベント発生判定用データが所定のイベント発生条件を満たすか否かに応じてイベントの発生を判定することが好ましい。
【0025】
この場合、本発明のデータ記憶装置に関して説明したように、イベント発生判定ステップで、イベント発生判定用データがイベント発生条件を満たすか否かに応じてイベントの発生が判定されるものであるから、イベントデータ出力ステップで、イベントデータとして、イベントの発生が判定されたときの、当該イベントの種類を識別する識別情報や、当該イベントの発生を判定するために用いられたシステムの動作状態を表すデータや、当該イベントの発生を判定するための判定閾値等が出力される。よって、解析対象データをこのイベントデータに関連付けて記憶することにより、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減しつつ、解析の際に改めてイベント要因判別処理を行うことなく、記憶データからイベントの種類、要因、条件等が容易に判別される。
【0026】
また、前記イベント発生判定ステップは、前記イベント発生判定用データが、前記イベント発生条件を設定する上での特定条件を満たすか否かを判定し、該判定に応じて前記イベント発生条件を設定することが好ましい。
【0027】
この場合、本発明のデータ記憶装置に関して説明したように、イベント発生判定ステップで、イベント発生判定用データがイベント発生条件を設定する上での特定条件を満たすか否かを判定し、該判定に応じてイベント発生条件を設定するものであるから、イベントデータ出力ステップで、イベントデータとして、イベントの発生が判定されたときの、特定条件の成立の有無や、特定条件の成立を判断するために用いられたシステムの動作状態を表すデータや、特定条件の判定閾値等が出力される。よって、解析対象データをこのイベントデータを関連付けて記憶することにより、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減しつつ、解析の際に改めてイベント要因判別処理を行うことなく、記憶データからイベントの種類、要因、条件等が容易に判別される。
【0028】
次に、本発明のデータ記憶用プログラムは、システムの動作状態を表すデータを記憶するデータ記憶処理をコンピュータに実行させるデータ記憶用プログラムであって、前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムの動作の解析に必要な解析対象データを、所定のタイミングで逐次取得する解析対象データ取得処理と、前記解析対象データ取得部により取得された解析対象データのうち、直前の所定時間分、又は直前の所定取得回数分の解析対象データを記憶する解析対象データ一時記憶処理と、前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムのイベントの発生の判定に必要なイベント発生判定用データを、前記解析対象データと独立に取得するイベント発生判定用データ取得処理と、前記イベント発生判定用データ取得部により取得されたイベント発生判定用データから、イベントの発生を判定するイベント発生判定処理と、前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときのイベント及びイベントの発生の判定に関するデータを、イベントデータとして出力するイベントデータ出力処理と、前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときに前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータ、又は前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されてから所定時間後に前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータを、該イベントの発生が判定されたときに前記イベントデータ出力部により出力されたイベントデータと関連付けて記憶するデータ記憶処理とを前記コンピュータに実行させる機能を備えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明のデータ記憶用プログラムにおいて、前記イベント発生判定処理は、前記イベント発生判定用データが所定のイベント発生条件を満たすか否かに応じてイベントの発生を判定する処理を前記コンピュータに実行させることが好ましい。
【0030】
また、本発明のデータ記憶用プログラムにおいて、前記イベント発生判定処理は、前記イベント発生判定用データが、前記イベント発生条件を設定する上での特定条件を満たすか否かを判定し、該判定に応じて前記イベント発生条件を設定する処理を前記コンピュータに実行させることが好ましい。
【0031】
本発明のデータ記憶用プログラムによれば、本発明のデータ記憶装置に関して説明した効果を奏し得る処理をコンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明のデータ記憶装置の実施形態について図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態のデータ記憶装置の機能ブロック図であり、図2は、図1のデータ記憶装置におけるデータ記憶処理を示す説明図であり、図3は、図2のデータ記憶処理におけるデータを示す説明図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態のデータ記憶装置1は、車両2に搭載されて、車両2の動作を制御する電子制御ユニット(ECU)3に組み込まれている。データ記憶装置1は、解析対象システムである車両2の動作を解析するための、車両2の動作状態を表すデータを記憶するものである。
【0034】
ECU3には、車両2の状態を検出するセンサ4−1〜4−mや、ECU3により制御される制御機器5−1〜5−nが接続されている。センサ4−1〜4−mは、具体的には、例えば車両2の走行速度(車速)を検出する車速センサ、車両2の車速の加速度(減速度)を検出する加速度センサ、車両2のヨーレートを検出するヨーレートセンサ、車両2のブレーキ操作の有無を検出するブレーキセンサ、障害物の接触によりオン・オフするバンパスイッチ、車両2の前方に存在する物体を検出するレーダ、車両2の前方を監視するカメラ等である。また、制御機器5−1〜5−nは、具体的には、例えばエアバッグシステム、エンジン等である。
【0035】
データ記憶装置1はコンピュータ(CPU,ROM,RAM,I/O等からなる。)により構成されている。このデータ記憶装置1は、その機能として、解析対象データ取得部10、イベント発生判定用データ取得部20、データ一時記億部110、イベントデータ出力部120、イベント発生判定部130、データ記憶部140、及び読み出し器200を備えている。これらの各機能は、1つのコンピュータにより構成されていてもよく、複数の独立したコンピュータにより構成されていてもよい。また、データ一時記億部110及びデータ記憶部140は、RAM,HDD等の記憶装置である。なお、データ記憶装置1を構成するコンピュータはECU3を構成するコンピュータでもよく、或いはECU3と通信可能に接続された別のコンピュータであってもよい。
【0036】
また、これらの各機能は、コンピュータのメモリに予め実装されたプログラムをコンピュータにより実行することにより実現される。このプログラムは、本発明のデータ記憶用プログラムを含んでいる。なお、当該プログラムはCD−ROM等の記録媒体を介してメモリに格納されてもよい。或いは、当該プログラムは外部のサーバからネットワークや人工衛星を介して配信または放送され、車両2等に搭載された通信機器により受信された上でメモリに格納されてもよい。
【0037】
解析対象データ取得部10は、車両2の動作状態を表すデータのうち、車両2の動作状態を解析するための所定の解析対象データを取得する。車両2の動作状態を表すデータは、例えば、センサ4−1〜4−mから入力される検出データや制御機器5−1〜5−nから入力される制御データ等の測定データである。
【0038】
イベント発生判定用データ取得部20は、車両2の動作状態を表すデータのうち、車両2におけるイベントの発生を判定するために使用されるイベント発生判定用データを、解析対象データと独立に取得する。なお、イベント発生判定用データは、解析対象データ取得部10に取得される解析対象データとの重複があってもよい。また、イベント発生判定用データは、車両2の動作中に変化するデータのみならず、一部のイベント発生の判定閾値のように、動作中に一定値を取るデータであってもよい。
【0039】
解析対象データ一時記億部110は、解析対象データ取得部10により取得された解析対象データを、直前の所定時間分(又は所定取得回数分)記憶する。すなわち、実装できるメモリ量には制約があるため、解析対象データ一時記億部110は、リングバッファ等の機能を用いて、例えばメモリに記憶された所定時間(所定取得回数)以前のデータは消去し、消去した部分に新たに取得したデータを記憶することにより、データを順次書き換えながら、直前の所定時間分(所定取得回数分)の解析対象データを記憶する。なお、解析対象データ一時記億部110でデータを記憶する際に用いる手法としては、リングバッファの手法には限られない。
【0040】
イベント発生判定部130は、車両2の動作中に、後の解析の際に着目すべき予め定められた所定のイベントについて、イベント発生判定用データ取得部20により取得されたデータの一部または全部を用いて、イベントが発生してるか否かを判定する。そして、イベント発生判定部130は、イベントが発生していると判定した場合には、データ記億部140にイベント信号を出力する。
【0041】
イベントデータ出力部120は、イベント発生判定部130によりイベントの発生が判定されたときの該イベント及び該イベントの発生の判定に関するデータを、イベントデータとして出力する。イベント及びイベントの発生の判定に関するデータとしては、例えば、発生したイベントの種類を表す識別子、イベント発生判定に用いられた判定閾値、イベントの発生判定に用いられたイベント発生判定用データ等が挙げられる。さらに、イベント発生判定部130による判定が、特定条件下のみ実行される場合に、例えば、特定条件成立の有無や、その特定条件成立のために用いられたイベント発生判定用データ等が挙げられる。
【0042】
データ記憶部140は、イベント発生判定部130から出力されるイベント信号に応じて、解析データ一時記億部110に記憶されている解析対象データを記憶する。具体的には、データ記億部140は、イベント発生判定部130によりイベントの発生が判定されて出力されたイベント信号を受けてから所定時間経過後の、解析データ一時記億部110に記憶された解析対象データ(当該イベントの発生前後の解析対象データ)を記憶する。このとき、データ記憶部140は、当該イベントの発生前後の解析対象データを、イベント発生判定部130により当該イベントの発生が判定されたときにイベントデータ出力部120により出力されたイベントデータと関連付けて記憶する。
【0043】
データ記憶部140に記憶されたデータは、読み出し器200を介してPC6から読み出され、PC6における車両2の動作の解析に利用される。
【0044】
次に、本実施形態のデータ記憶装置の作動(データ記憶処理)について図2,図3を用いて説明する。図2に示すように、データ記憶装置1は、所定の演算処理周期毎に、STEP1〜STEP7の処理を繰り返して、データ記憶処理を実行する。なお、本実施形態ではSTEP1〜STEP7を1つの周期としているが、これに限られるものではない。例えば、STEP1〜STEP3の処理とSTEP4〜STEP7の処理とを別の周期で実行してもよく、また、STEP4〜STEP7の処理を、判定するイベント毎に別の周期で実行してもよい。以下では、車両2のイベントとして、車速減速度異常(イベントA)の発生を判定する場合において、時刻Tに車速減速度異常が発生した場合を例にして説明する。
【0045】
図2を参照して、まず、STEP1で、解析対象データ取得部10により、車両2の動作状態を表すデータのうち、車両2の動作を解析するための解析対象データが取得される。図3(a)に、取得される解析対象データの例を示す。図3(a)に示すように、解析対象データとしては、具体的には、車速センサにより検出された検出値、加速度センサにより検出された検出値、ヨーレートセンサにより検出された検出値、エアバッグ作動状態(詳細には、車両2に搭載されたエアバッグECUからの作動信号)等が挙げられる。
【0046】
次に、STEP2で、取得された解析対象データが、解析対象データ一時記億部110に記憶される。図3(b)に、ある演算処理周期の時刻(離散系時刻)Tにおいて解析対象データ一時記億部110に記憶されるデータを例示する。図3(b)に示すように、解析対象データ一時記億部110には、時刻Tの直前の有限時間T−2k〜Tの解析対象データ(演算処理周期2k+1分の解析対象データ)が記憶される。すなわち、時刻Tの解析対象データは、解析対象データ一時記億部110に記憶されていた時刻T−2k−1の解析対象データを書換えて記録される。これにより、一定のメモリ量で常に直前の有限時間の解析対象データが記憶される。
【0047】
次に、STEP3で、イベント発生判定用データ取得部20は、車両2の動作状態を表すデータのうち、車両2におけるイベントの発生を判定するための予め定められたイベント発生判定用データを、解析対象データと独立に取得する。図3(c)に、取得されるイベント発生判定用データの例を示す。
【0048】
図3(c)に示すように、取得されるイベント発生判定用データとしては、具体的には、加速度センサにより検出された検出値、車両2における消費電流を検出する電流センサにより検出された検出値、ヨーレートセンサにより検出された検出値、車速減速度閾値1,2、電流閾値等が挙げられる。なお、車速減速度異常のイベント発生判定においては、車両2が直進中か旋回中であるかに応じて、減速度の判定閾値が車速減速度閾値1,2のうちから選択される。
【0049】
このとき、図3(c)イベント発生判定用データのうち、加速度センサ検出値、ヨーレートセンサ検出値は、図3(a)に示す解析対象データにも含まれているが、電流センサ検出値、車速減速度閾値1,2、電流閾値は、解析対象データには含まれない、イベント発生判定のみに用いるデータである。このように、解析対象データとは独立にイベント発生判定用データを取得することにより、イベントの発生判定には必要だがシステムの動作状態の解析には不要なデータを解析対象データに含める必要がなくなる。よって、イベントの発生回数や種類が多く判定条件が複雑な場合でも、そのために解析対象データが増加することがなく、記憶するデータ量の低減や、記憶するための処理負荷の低減が可能となる。
【0050】
次に、STEP4で、イベント発生判定部130は、取得されたイベント発生判定用データに基づいて、イベント(イベントA:車速減速度異常)が発生しているか否かを判定する。
【0051】
まず、イベント発生判定部130は、ヨーレートセンサ検出値に基づいて、車両2が直進中であるか旋回中であるかを判断し、この判断結果に応じて、減速度の判定閾値を、イベント発生判定用データとして取得された車速減速度閾値1,2のうちから選択する。以下の説明では、車速減速度閾値1が選択された場合とする。次に、イベント発生判定部130は、加速度センサ検出値から、車速減速度が選択した車速減速度閾値1以上であるか否かを判断する。さらに、イベント発生判定部130は、電流センサ検出値が、イベント発生判定用データとして取得された電流閾値以上であるか否かを判断する。そして、イベント発生判定部130は、車速減速度が車速減速度閾値1以上であるか、又は電流センサ検出値が電流閾値以上である場合に、車速減速度異常のイベントが発生していると判定する。STEP4の判定結果がNOの場合(イベントが発生していると判定されない場合)、そのままデータ記憶処理が終了される。
【0052】
なお、イベント発生判定部130は、イベントA(車速減速度異常)以外にも、判定するイベントとして他の種類のイベントB,Cが定められている場合には、各イベントB,Cについてイベントの発生を判定する。
【0053】
STEP4の判定結果がYESの場合(イベントが発生していると判定された場合)、STEP5に進み、イベント発生判定部130は、イベント信号をデータ記憶部140に出力する。次に、STEP6で、イベントデータ出力部120は、イベント発生時のイベントデータを出力する。図3(d)に、出力されるイベントデータの例を示す。図3(d)に示すように、時刻Tに発生した車速減速度異常のイベントAのイベントデータとしては、具体的には、時刻Tの加速度センサ検出値、時刻Tの電流センサ検出値、車速減速度閾値1、電流閾値等が挙げられる。これにより、イベントデータとして、後の解析の際にイベント要因判別のために有用性の高いデータが抽出され出力される。なお、イベントB,Cについてイベントが発生していると判定された場合には、イベントデータ出力部120は、各イベントB,Cに対応したデータからなるイベントデータを出力する。
【0054】
次に、STEP7で、データ記憶部140は、イベント信号に応じて、解析対象データ一時記億部110に記憶された解析対象データと、イベントデータ出力部120から出力されたイベントデータとを関連付けて記憶する処理を実行する。このとき、データ記憶部140は、イベントが発生した時刻(イベント信号が出力された時刻)から所定時間k経過後に、該イベントに対する記憶処理を実行する。これにより、イベントが発生した時刻Tの前後に渡るデータが記憶される。
【0055】
図3(e)に、データ記憶部140に記憶されるデータの例を示す。図3(e)に示すように、データ記憶部140には、時刻Tに発生した「車速減速度異常」イベントに対して、時刻T−k〜T+kの演算処理周期2k+1分の解析対象データと、時刻Tにおけるイベントデータが記憶される。
【0056】
このとき、図3(e)に示すように、データ記憶部140には、イベント発生時刻Tにおける、イベント要因判別のために有用性の高いイベントデータが、時刻T−k〜T+kの解析対象データと関連付けて記憶される。よって、図3(c)に示すようなイベント要因判別に必要なデータを解析対象データに含めて、演算処理周期2k+1分のデータを記憶する場合に比べて、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減できると共に、後の解析の際に、改めてイベント要因判別処理を行うことなく、記憶データからイベントの種類、要因、条件等が容易に判別される。
【0057】
以上が本実施形態におけるデータ記憶処理の概要である。そして、データ記憶処理でデータ記億部140に記憶されたデータは、PC6における後の解析の際に、読み出し器200を介して読み出されて使用される。このとき、記憶データにおいて、時刻T−k〜T+kの解析対象データが、そのトリガとなったイベント発生時刻Tのイベントデータと関連付けられて記憶されているので、解析対象データのイベントの種類、要因、条件等が容易に判別される。よって、イベント要因が複雑な場合でも、解析対象データとそのイベントの種類、要因、条件等を関連させて容易に解析でき、解析速度等の向上が可能となる。
【0058】
本実施形態によれば、車両2のイベント発生をトリガとして、車両2の動作状態を表すデータを記憶する際に、イベント要因が複雑な場合でも、イベント要因判別のために記憶するデータ量を低減して、低処理負荷、少量のメモリで効率良くデータを記憶できると共に、後の動作解析において記憶データからイベントの種類、要因、条件等を容易に判別でき、解析性能を向上し得る。
【0059】
なお、本実施形態では、データ記憶部140は1つとしたが、他の実施形態として、例えば、データ記憶部を複数備え、発生したイベント毎に、複数のデータ記憶部のうち対応するデータ記憶部に、解析対象データをイベントデータと関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、データ記憶部140は、イベント発生の時刻Tから所定時間経過後の時刻T+kにおいてデータを記憶する処理を実行し、時刻T−k〜T+kの所定周期2k+1分の解析対象データを記憶するものとしたが、他の実施形態として、データ記憶部140は、イベント発生の時刻Tにおいてデータを記憶する処理を実行し、時刻T−2k〜Tの所定周期2k+1分の解析対象データを記憶するものとしてもよい。
【0061】
また、データ記憶部140は、解析対象データ一時記億部110と別の記憶装置を用いてもよく、あるいは、例えば、解析対象データ一時記億部110が、イベント発生の際にイベント発生前後の所定時間分のデータを書換え禁止とする機能を備え、これによりデータ記憶部140として機能するものとしてもよい。この場合、さらに、解析対象データ一時記億部を複数備え、発生したイベント毎に、複数の解析対象データ一時記憶部のうち対応する解析対象データ一時記憶部に、解析対象データをイベントデータと関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、データ記憶装置1を車両2に搭載し、解析対象システムを車両2として、車両2の動作状態を表すデータを記憶するものとしたが、車両に限らず、例えば航空機や他のシステムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態であるデータ記憶装置の機能ブロック図。
【図2】図1のデータ記憶装置におけるデータ記憶処理を示すフローチャート。
【図3】図2のデータ記憶処理におけるデータを示す説明図。
【符号の説明】
【0064】
10…解析対象データ取得部、20…イベント発生判定用データ取得部、110…解析対象データ一時記億部、120…イベントデータ出力部、130…イベント発生判定部、140…データ記憶部、200…読み出し器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムの動作状態を表すデータを記憶するデータ記憶装置において、
前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムの動作の解析に必要な解析対象データを、所定のタイミングで逐次取得する解析対象データ取得部と、
前記解析対象データ取得部により取得された解析対象データのうち、直前の所定時間分、又は直前の所定取得回数分の解析対象データを記憶する解析対象データ一時記憶部と、
前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムのイベントの発生の判定に必要なイベント発生判定用データを、前記解析対象データと独立に取得するイベント発生判定用データ取得部と、
前記イベント発生判定用データ取得部により取得されたイベント発生判定用データから、イベントの発生を判定するイベント発生判定部と、
前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときの該イベント及び該イベントの発生の判定に関するデータを、イベントデータとして出力するイベントデータ出力部と、
前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときに前記解析対象データ一時記憶部に記憶されている解析対象データ、又は前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されてから所定時間後に前記解析対象データ一時記憶部に記憶されている解析対象データを、該イベントの発生が判定されたときに前記イベントデータ出力部により出力されたイベントデータと関連付けて記憶するデータ記憶部と
を備えることを特徴とするデータ記憶装置。
【請求項2】
請求項1記載のデータ記憶装置において、
前記イベント発生判定部は、前記イベント発生判定用データが所定のイベント発生条件を満たすか否かに応じてイベントの発生を判定することを特徴とするデータ記憶装置。
【請求項3】
請求項2記載のデータ記憶装置において、
前記イベント発生判定部は、前記イベント発生判定用データが前記イベント発生条件を設定する上での特定条件を満たすか否かを判定し、該判定に応じて前記イベント発生条件を設定することを特徴とするデータ記憶装置。
【請求項4】
システムの動作状態を表すデータを記憶するデータ記憶方法であって、
前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムの動作の解析に必要な解析対象データを、所定のタイミングで逐次取得する解析対象データ取得ステップと、
前記解析対象データ取得部により取得された解析対象データのうち、直前の所定時間分、又は直前の所定取得回数分の解析対象データを記憶する解析対象データ一時記憶ステップと、
前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムのイベントの発生の判定に必要なイベント発生判定用データを、前記解析対象データと独立に取得するイベント発生判定用データ取得ステップと、
前記イベント発生判定用データ取得部により取得されたイベント発生判定用データから、イベントの発生を判定するイベント発生判定ステップと、
前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときのイベント及びイベント発生判定に関するデータを、イベントデータとして出力するイベントデータ出力ステップと、
前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときに前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータ、又は前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されてから所定時間後に前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータを、該イベントの発生が判定されたときに前記イベントデータ出力部により出力されたイベントデータと関連付けて記憶するデータ記憶ステップと
を備えることを特徴とするデータ記憶方法。
【請求項5】
請求項4記載のデータ記憶方法において、
前記イベント発生判定ステップは、前記イベント発生判定用データが所定のイベント発生条件を満たすか否かに応じてイベントの発生を判定することを特徴とするデータ記憶方法。
【請求項6】
請求項5記載のデータ記憶方法において、
前記イベント発生判定ステップは、前記イベント発生判定用データが前記イベント発生条件を設定する上での特定条件を満たすか否かを判定し、該判定に応じて前記イベント発生条件を設定することを特徴とするデータ記憶方法。
【請求項7】
システムの動作状態を表すデータを記憶するデータ記憶処理をコンピュータに実行させるデータ記憶用プログラムであって、
前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムの動作の解析に必要な解析対象データを、所定のタイミングで逐次取得する解析対象データ取得処理と、
前記解析対象データ取得部により取得された解析対象データのうち、直前の所定時間分、又は直前の所定取得回数分の解析対象データを記憶する解析対象データ一時記憶処理と、
前記システムの動作状態を表すデータのうち、該システムのイベントの発生の判定に必要なイベント発生判定用データを、前記解析対象データと独立に取得するイベント発生判定用データ取得処理と、
前記イベント発生判定用データ取得部により取得されたイベント発生判定用データから、イベントの発生を判定するイベント発生判定処理と、
前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときのイベント及びイベント発生判定に関するデータを、イベントデータとして出力するイベントデータ出力処理と、
前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されたときに前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータ、又は前記イベント発生判定部によりイベントの発生が判定されてから所定時間後に前記解析対象データ一時記憶部に記憶されているデータを、該イベントの発生が判定されたときに前記イベントデータ出力部により出力されたイベントデータと関連付けて記憶するデータ記憶処理と
を前記コンピュータに実行させる機能を備えることを特徴とするデータ記憶用プログラム。
【請求項8】
請求項7記載のデータ記憶用プログラムにおいて、
前記イベント発生判定処理は、前記イベント発生判定用データが所定のイベント発生条件を満たすか否かに応じてイベントの発生を判定する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするデータ記憶用プログラム。
【請求項9】
請求項8記載のデータ記憶用プログラムにおいて、
前記イベント発生判定処理は、前記イベント発生判定用データが前記イベント発生条件を設定する上での特定条件を満たすか否かを判定し、該判定に応じて前記イベント発生条件を設定する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするデータ記憶用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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