説明

データ記録装置、データ記録方法及びプログラム

【課題】ユーザが様々な計測機器を利用して、計測結果を一元的に管理することを可能にする、データ記録装置及びその関連技術を提供する。
【解決手段】端末1は、表示部と、ユーザが使用している計測機器3を撮影するカメラ部を含む。端末1は、カメラ部が取得する画像に対して画像解析を実行し、計測結果データを取得するデータ取得する。端末1は、当該画像及び計測結果データを関連付けて記憶する。端末1は、画像解析の成否を判定し、画像解析を失敗と判断した場合に、画像を表示部に表示し、入力部を操作するユーザからの補正を受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測機器の計測結果を記録及び活用するためのデータ記録装置及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
身体状態や運動量等の人の健康状態の指標となる情報を計測するための様々な計測機器が存在する。たとえば身長計、体重計、体脂肪計、血圧計、歩数計等である。しかし、従来の計測機器は計測結果を表示するのみで、計測結果を保存又は外部出力する手段を備えていない場合が多い。このため、多種多様な計測結果をまとめて簡単に記録及び活用するシステムが望まれる。
【0003】
引用文献1には、計測機器を撮影し、画像認識によって画像から計測結果を取得するデータ入力装置が開示されている。このような装置を使えば、ユーザは計測装置の表示部の写真を撮るだけで、計測結果をデータとして保存・出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−224557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
引用文献1のように画像認識を用いれば計測機器の機種を問わず計測結果データを収集することができる。しかし、画像認識処理に失敗し、計測結果データが取得されない場合や、誤った計測結果データが記録される可能性がある。また、計測機器の表示方法が未知のものである場合、データ記録装置は画像認識処理ができない場合がある。また、ユーザが撮影に失敗し、不明瞭な画像しか取得できず、データ記録装置が画像認識処理に失敗する可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、ユーザが様々な計測機器を利用して、計測結果を一元的に管理することを可能にする、データ記録装置及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によれば、データ記録装置は、表示手段と、ユーザが使用している計測機器を撮影する撮影手段と、前記撮影手段が取得する画像に対して画像解析を実行し、計測結果データを取得するデータ取得手段と、前記画像及び前記計測結果データを関連付けて記憶する第1の記憶手段と、前記画像解析の成否を判定する判定手段と、前記判定手段が前記画像解析を失敗と判断した場合に、前記画像を提示し、補正を受け付ける補正手段と、を含む。
【0008】
この構成によれば、ユーザは計測機器の結果表示部を撮影するだけで、画像認識によって自動的に計測結果データが記録される。また、画像認識が失敗した場合であっても、後から画像を見てデータを補正することができる。
【0009】
前記記憶手段に、前記画像と前記計測結果データに加えて、日時情報も関連付けて記憶させておいてもよい。
【0010】
この構成によれば、画像及び計測結果データを、日時情報を用いて整理することができる。
【0011】
この場合、同じ日付の前記画像データ及び前記計測結果データが存在するならば、いずれか一方のデータを残して、他のデータを消去するようにしてもよい。例えば、複数のデータの内、時間が後のデータを残してもよい。ユーザに対して複数のデータを提示し、どのデータを残すかを選択させてもよい。
また、この場合、日付から所定の日時が経過した段階で前記記憶手段から、前記画像を消去するようにしてもよい。
また、前記補正が完了した時点で、前記画像を前記記憶手段から消去するようにしてもよい。
【0012】
この構成によれば、不要なデータを消去し、多くの計測結果データを記憶することができる。この場合、データを消去する前に、ユーザに確認を促すようにしてもよい。
【0013】
上記のデータ記録装置において、前記判定手段が、予想変化量を設定し、前回の計測結果データと今回の計測結果データとの差が前記予想変化量を超えた場合も、前記画像解析が失敗であると判断するようにしてもよい。
【0014】
この構成によれば、誤った画像認識によって誤った計測結果データが記憶されることを極力防止することができる。
【0015】
短い期間ではあまり計測結果が変動しない計測対象が存在する。例えば身長や体重などである。前回の計測結果と今回の計測結果との差があまりにも大きい場合、画像認識が失敗している可能性が高い。
一方で、例えば歩数等の運動量など、毎日計測結果が一定ではない計測対象も存在する。
【0016】
このため、計測対象毎に、前記予想変化量の設定方法を変更するようにしてもよい。
また、計測対象によっては、前記予想変化量を設定しないようにしてもよい。
また、例えば計測結果の平均や標準偏差等、過去の計測結果に基づいて、前記予想変化量を設定するようにしてもよい。
このように構成すれば、より高い精度で、誤った計測結果が記憶されることを防止することができる。
【0017】
上記のデータ記録装置において、前記計測機の機種を識別する機種識別手段と、前記機種毎に画像解析を補助するための補助情報を記憶する第2の記憶手段と、をさらに含み、前記データ取得手段が、前記補助情報を使って前記画像解析を実行するようにしてもよい。
【0018】
この構成によれば、計測対象や表示方法の異なる多くの計測機器に対して、精度よく画像認識を実行することができる。
【0019】
なお、第2の記憶手段は第1の記憶手段と物理的に別の記憶手段である必要はなく、同一の記憶手段上の異なる記憶領域を使用している状態を含む。
【0020】
このデータ記録装置において、機種識別手段又は前記第2の記憶手段にユーザが使用する計測機器が記憶されていない場合、要求電文を作成する手段をさらに含んでもよい。
【0021】
この構成によれば、データ記録装置又はデータ記録装置を使ったサービスを提供する業者に対して要求電文を送信し、情報をアップデートするように要求することができる。
例えば、データ記録装置は、ユーザに対して機種名、メーカー名、計測機器を撮影した画像等を任意で入力するための入力フォームを表示する。そして、データ記録装置は、入力された情報をまとめて要求電文として上記の業者に送信する。業者は要求電文を見てデータ記録装置用のアップデートデータを作成し、配信することができる。
結果、多くのユーザのデータ記録装置が、より精度よく画像認識を実行することができるようになる。
【0022】
上記のデータ記録装置において、前記撮影手段は、ユーザが前記撮影を実行する際に、前記表示手段に、現在撮影中の画像と、計測結果を読み取り可能な見本画像と、を並べて表示するようにしてもよい。
【0023】
この構成によれば、ユーザは見本画像を見ながら、データ記録装置が画像認識しやすいように心がけながら、撮影を実行することができる。このため、データ取得手段が画像認識を実行しやすい画像が記憶されやすくなる。結果、画像認識の精度を向上させることができる。
データ記録装置に機種識別手段が含まれる場合は、前記見本画像を、計測機器の機種毎に予め用意しておいてもよい。
【0024】
上記のデータ記録装置は、一つの端末に全ての構成要素を搭載してもよい。
一方で、上記のデータ記録装置は、各構成要素を複数の装置で分担させてもよい。この場合は各装置の間で通信手段が必要となる。この場合、全ての装置をユーザが保有・操作する必要はない。例えば、ユーザが使用する端末と、データ記録装置又はデータ記録装置を使ったサービスを提供する業者が運営するサーバとの組み合わせによって、このデータ記録装置を構成しても構わない。
【0025】
本発明の第2の観点によれば、データ記録方法は、ユーザが使用している計測機器を撮影する撮影ステップと、前記撮影手段が取得する画像に対して画像解析を実行し、計測結果データを取得するステップと、前記画像及び前記計測結果データを関連付けて記憶するステップと、前記画像解析の成否を判定するステップと、前記判定において前記画像解析を失敗と判断した場合に、前記画像を提示し、補正を受け付けるステップとを含む。
【0026】
前記画像及び前記計測結果データを関連付けて記憶するステップにおいて、前記画像と前記計測結果データに加えて、日時情報も関連付けて記憶させておいてもよい。
【0027】
この場合、同じ日付の前記画像データ及び前記計測結果データが存在するならば、いずれか一方のデータを残して、他のデータを消去するようにしてもよい。例えば、複数のデータの内、時間が後のデータを残してもよい。ユーザに対して複数のデータを提示し、どのデータを残すかを選択させてもよい。
また、この場合、日付から所定の日時が経過した段階で前記画像を消去するようにしてもよい。
また、前記補正が完了した時点で、前記画像を消去するようにしてもよい。
【0028】
上記のデータ記録方法の前記判定において、予想変化量を設定し、前回の計測結果データと今回の計測結果データとの差が前記予想変化量を超えた場合も、前記画像解析が失敗であると判断するようにしてもよい。
【0029】
この場合、計測対象毎に、前記予想変化量の設定方法を変更するようにしてもよい。
また、計測対象によっては、前記予想変化量を設定しないようにしてもよい。
また、例えば計測結果の平均や標準偏差等、過去の計測結果に基づいて、前記予想変化量を設定するようにしてもよい。
【0030】
上記のデータ記録方法において、前記計測機の機種を識別するステップと、前記機種毎に画像解析を補助するための補助情報を記憶するステップと、をさらに含ませ、前記計測結果を取得するステップにおいて、前記補助情報を使って前記画像解析を実行するようにしてもよい。
【0031】
上記のデータ記録方法に、ユーザが使用する計測機器が記憶されていない場合、要求電文を作成するステップをさらに含ませてもよい。
【0032】
上記のデータ記録方法において、前記撮影を実行する際に、現在撮影中の画像と、計測結果を読み取り可能な見本画像と、並べて表示するようにしてもよい。
【0033】
また、データ記録方法に上記の機種を識別するステップが含まれる場合は、前記見本画像を、計測機器の機種毎に予め用意しておいてもよい。
【0034】
上記のデータ記録方法は、一つの端末に全ての処理を実行させてもよい。
一方で、上記のデータ記録方法は、各処理を複数の装置で分担して実行させてもよい。この場合は各装置の間で通信を行うステップが必要となる。この場合、全ての装置をユーザが保有・操作する必要はない。例えば、ユーザが使用する端末と、データ記録装置又はデータ記録装置を使ったサービスを提供する業者が運営するサーバとの組み合わせによって、このデータ記録装置を構成しても構わない。
【0035】
以上、本発明の第2の観点によるデータ記録方法によれば、本発明の第1の観点によるデータ記録装置と同様の効果を奏する。
【0036】
本発明の第3の観点によれば、プログラムは、本発明の第2の観点に基づくデータ記録方法をコンピュータに実行させるプログラムである。この構成によれば、本発明の第1の観点によるデータ記録装置と同様の効果を奏する。
【0037】
本発明の第4の観点によれば、記録媒体は、上記のプログラムを格納した記録媒体である。この構成によれば、本発明の第1の観点によるデータ記録装置と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の新規な特徴は、特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、発明そのもの及びその他の特徴と効果は、添付図面を参照して具体的な実施例の詳細な説明を読むことにより容易に理解される。
【0039】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る、データ記録システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、図1の端末1及びサーバ5の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0041】
図1は、第1の実施形態に係る、データ記録システムの全体構成を示す図である。
図1を参照して、データ記録システムは、端末1、計測機器3及びサーバ5を含む。
【0042】
端末1は各ユーザが保有する端末である。端末1は、いわゆるスマートフォンであり、撮影手段としてカメラを持ち、ネットワーク7を通じて直接サーバ5と通信することができる。
ネットワーク7はインターネットのようなオープンなネットワークでも、イントラネットのようなクローズドなネットワークでもよい。
端末1には、予めこのデータ記録システムを利用するためのアプリケーションがインストールされている。サーバ5にも、この端末1のアプリケーションと連携するためのアプリケーションがインストールされている。以下、端末1及びサーバ5にインストールされている上記のアプリケーションを、「計測アプリ」として説明する。
【0043】
計測機器3は複数の計測機器を含む。この実施の形態で説明するユーザは、体重計、血圧計及び歩数計の3種類の計測機器を使用する。ユーザは後で計測機器を追加することもできる。
図示はしないが、端末1は、ユーザの数だけ存在する。また、計測機器の数や種類はユーザによって異なる。計測アプリが取り扱う計測機器の種類は、計測機器3にしめす3種類に限定されるものではない。また計測アプリをアップデートすることで、理論上は表示部を有するあらゆる計測機器に対応可能である。
【0044】
計測アプリには、現時点で計測アプリが取り扱うことができる計測機器の種類及び機種が記憶されている。各ユーザは計測アプリを操作し、端末1及びサーバ5に、自分が使用する計測機器の種類又は機種を事前に登録する。なお、計測機器の種類とは、計測の対象による分類を意味するものとする(例えば身長計、体重計、体脂肪計、血圧計、握力計、歩数計等)。また、計測機器の機種とは、各メーカーが作った同一モデル毎の分類を意味するものとする。
【0045】
計測機器の機種の登録は任意である。ユーザが機種も登録している場合、端末1は、後述する画像認識を実行するときに、機種毎に予め用意された画像認識の精度を向上させるための補助情報を使用することができる。
【0046】
ユーザは、各計測機器3を使って計測を行うとき、まず計測機器3の種類を選択する。そして、端末1のカメラで各計測機器3の結果表示部を撮影する。端末1は撮影によって取得した画像に対して画像認識処理を実行し、計測結果データを取得する。計測結果データには計測対象、単位、計測機器の機種、及び計測結果の数値が含まれる。そして、端末1は、撮影画像、計測結果データ及び撮影日時を関連付けて記憶する。
【0047】
サーバ5は、サービス事業者によって管理される。サーバ5は、各ユーザの端末1からアクセスされる。サーバ5は端末1から計測結果データを受信し、記録する。サーバ5は、日々の計測結果データに基づいて、グラフ等のユーザにとって見やすい形で表示するための表示データを生成する。当該表示データは、各端末1の要求に応じて各端末に送信される。端末1は受信した表示データに基づいて表示画面を生成し、表示する。
【0048】
また、サーバ5は、ユーザの計測結果を病院等の外部のサーバに提供することもできる。但し、外部サーバに対する情報提供は、予めユーザとサービス事業者との合意がある場合に限って行われる。
【0049】
このように、図1のデータ記録システムを利用するユーザは、計測機器3の結果表示部を端末1のカメラで撮影するだけで、日々の計測結果を記録することができる。
また、ユーザは端末1を通じて、自分の過去の計測結果を、見やすく編集された形で閲覧することができる。
また、ユーザは、サーバ5を通じて病院等の外部機関に計測結果データを開示し、診察等に役立てる等、計測結果を活用することができる。
【0050】
図2は図1の端末1及びサーバ3の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、端末1は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ部103、入力部105、表示部107、カメラ部109、通信部111、時計部113及びバス115を含む。
サーバ5は、CPU501、メモリ部503、入力部505、表示部507、通信部511及びバス515を含む。
【0051】
CPU101は、メモリ部103に格納された各種プログラムを実行し、他の端末1の各構成要素を制御する。
メモリ部103は、ROM、RAM、ハードディスク等、用途に合わせて選択された複数のメモリを含む。メモリ部103は、計測アプリを含むプログラムを格納する。メモリ部103は、CPU101の各種処理のワーキングメモリとして利用される。
入力部105は、ユーザによって操作される入力インターフェースである。入力部105は、タッチパネルとボタンとを含む。端末1の機種によって、入力部105に含まれる構成は異なる。入力部105はユーザの操作に応じて入力情報を生成し、プログラムを実行するCPU101に伝える。
表示部107は、CPU101がプログラムに応じて生成した画面が表示される。
カメラ部109は、撮影処理を実行し、画像データを取得する。この画像データには、動画も含まれる。
通信部111は、外部の機器との通信を制御する。通信部111は、他の端末との通話、電子メールのやり取り、インターネットへの接続、及びサーバ5との通信のために用いられる。
時計部113は、日時情報を取得する。
メモリ部103、入力部105、表示部107、カメラ部109、通信部111及び時計部113は、バス115を介してCPU101に制御される。
以降、プログラムに基づくCPU101の処理を、単に端末1の処理として説明する場合がある。
【0052】
CPU501は、メモリ部503に格納された各種プログラムを実行し、他のサーバ5の各構成要素を制御する。
メモリ部503は、ROM、RAM、ハードディスク等、用途に合わせて選択された複数のメモリを含む。メモリ部503は、計測アプリを含むプログラムを格納する。メモリ部503は、CPU501の各種処理のワーキングメモリとしても利用される。
入力部505は、サーバ5の管理者がサーバ5に入力を行うための入力インターフェースである。入力部505は、キーボードやマウス等を含む。入力部505は管理者の操作に応じて入力情報を生成し、プログラムを実行するCPU501に伝える。
表示部507は、CPU501がプログラムに応じて生成した画面が表示される。
通信部511は、外部の機器との通信を制御する。通信部511は、各端末1や外部サーバとの通信を実行する。
時計部513は、日時情報を取得する。
メモリ部503、入力部505、表示部507、通信部511及び時計部513は、バス515を介してCPU501に制御される。
以降、プログラムに基づくCPU501の処理を、サーバ5の処理として説明する場合がある。
【0053】
次に、端末1及びサーバ5が実行する計測アプリの処理について説明する。
【0054】
(計測機器の登録)
ユーザは計測アプリの利用開始時又は計測機器3が増えた時に、端末1を通じて計測機器3の登録処理を行う。
まず端末1は、計測機器の種類を特定する。端末1は、表示部107に計測アプリに記録された計測機器の種類のリストを表示する。そして、端末1は、入力部105からの信号に応じて、ユーザが選択した計測機器の種類を特定する。
【0055】
次に端末1は、ユーザに計測機器の機種を登録させる。機種の登録処理には、2種類の方法がある。
【0056】
一つは、ユーザがリストから選択する方法である。この場合、端末1は、計測機器の種類ごとに計測アプリに予め用意された機種のリストを、表示部107に表示する。そして、端末1は、入力部105からの信号に応じて、ユーザが選択した機種を特定する。この時、ユーザが入力するメーカー等の情報でさらに機種を絞り込むこともできる。
もう一つは、計測機器3の画像から、サーバ5が判定する方法である。
この場合、端末1は、計測機器を撮影する。そして、端末1は、撮影画像をサーバ5に送信する。サーバ5は撮影画像と、予め用意された機種毎の画像とのパターンマッチングを行う。画像が当該機種のJANコード等のバーコードを含む場合、サーバ5はさらにバーコードのデコード処理を行い、バーコードが示す情報を基に機種を検索する。
【0057】
該当する機種があった場合、サーバ5は端末1に機種の情報を送る。端末1は、機種が正しいものか、YesかNoでユーザに選択させる。
Yesの場合、端末1は当該機種をユーザの計測機器の機種として登録する。Noの場合、端末1は入力フォームを表示し、機種の名前、型番、メーカー、バーコードの画像又は番号等の機種の特定に役立つ情報を任意で入力させる。端末1は入力フォームから取得した情報もサーバ5に送る。サーバ5は、当該計測機器の画像と情報とを保存する。サーバ5の管理者は、画像及び情報に基づいて機種を調べ、計測アプリのアップデート時に機種のリストを追加することができる。
【0058】
(計測結果の記録)
ユーザは計測を行う際に、計測結果の記録処理を行う。この処理は、端末1のカメラ部109で計測中の計測機器3の結果表示部を撮影し、画像認識により計測結果をデータとして取得する処理である。
【0059】
なお、計測アプリが採用する画像認識方法は、周知の画像認識方法で構わない。例えば引用文献1に開示されているような画像認識方法で構わない。サービス事業者は適宜画像認識方法を選択し、計測アプリをアップデートすることができる。
【0060】
まず、端末1は表示部107に、ユーザが登録済みの計測機器3のリストを表示する。ユーザはこれから計測に使用する計測機器3をリストから選択する。ユーザの選択が終わると、端末1はカメラ部109を起動し、撮影処理を開始する。撮影処理中、端末1は、表示部107に、カメラ部109に写っている撮影中画像と、機種毎に予め用意された見本画像とを表示する。この見本画像は、端末1が画像認識しやすい画像の例である。ユーザは撮影中画像と見本画像がほぼ同じ構図になった時に、端末1の入力部105の所定のボタンを押す。ボタンが押されると、端末1は画像を保存する。
【0061】
次に、端末1は保存した画像に対して、画像認識処理を実行する。この時端末1は、計測アプリ中に機種毎に予め用意されている補助情報を使用する。補助情報は、画像認識処理の精度を向上させるための情報である。補助情報には、ある機種の表示方法や表示位置などの情報が含まれる。
【0062】
端末1は、画像認識により計測結果データを取得する。計測結果データには、端末1が読み取った数値と、計測機器の機種によって特定される計測対象及び単位とが含まれる。端末1は、保存した計測機器3の画像と、計測結果データと、時計部113が取得する日時データとをメモリ部103に保存する。端末1は、1日に1回、保存した情報の内、最も日時が新しい計測結果データを、サーバ5に送信する。サーバ5は、各端末1のために、当該日時データ及び計測結果データを記録する。
【0063】
また、サーバ5は所定の期間、例えば5日間以上端末1から通信が無い場合、端末1にメールを送信し、ユーザの様子を伺う。
【0064】
なお、端末1が画像認識できない場合又はユーザが手入力モードを選択した場合は、端末1は計測機器の種類毎に用意された入力フォームを表示する。ユーザは入力フォームに従って入力部105を操作し、計測結果の数値を入力する。端末1は、選択された計測機器3の種類に応じて計測結果の単位を付加し、日時情報を付加して、ユーザが入力した値を計測結果データとして取り扱う。
【0065】
(補正処理)
端末1は、上記画像認識を失敗したと判断した場合、補正処理を実行する。この場合、端末1は、表示部107に、画像認識できなかった画像を表示する。ユーザは表示された画像を見て、入力部105を操作し、計測結果の数値を入力する。端末1は、入力部105から入力された値に単位を付加し、計測結果データを上書きする。
【0066】
端末1は、画像認識の結果、値を読み取れなかった場合、失敗したと判断する。
また、端末1は、計測結果データの変化量が、下記の予想変化量データを超える場合も、失敗したと判断する。
【0067】
端末1は、特定の計測対象に関して、日々の計測データに基づき予想変化量データを生成する。次に、端末1は前回の計測結果データと今回の計測結果データの差を取得する。そして、端末1は、当該差が予想変化量データの値より大きい場合、画像認識は失敗したと判断する。
【0068】
例えば、端末1は体重に関して、前回の計測結果の5%を予想変化量データとして記録する。計測対象毎に予想変化量データの設定方法は異なる。身長や体重など、短期間に大きく変動することが少ない計測対象については、予想変化量データは小さく設定される。歩数や運動量など、日によって大きく変化しうる計測対象については、予想変化量は大きく設定される。計測対象によっては、予想変化量データを設定しない場合もある。予想変化量は、例えば過去の計測結果データの平均値の所定倍である。予想変化量は、過去の計測結果から求めた標準偏差等他のパラメータに基づいて設定してもよい。
【0069】
予想変化量のデータは、画像認識の際にも使用することができる。例えば端末1は、画像認識の結果、計測結果の数値に2つの候補があって、一方が予想変化量の範囲内、他方が範囲外だった場合、予想変化量の範囲内にある値を採用する。
【0070】
なお、ユーザが計測結果データを見て端末1の画像認識が間違っていると判断した場合、入力部105を操作して、端末1に補正処理を実行させることもできる。
【0071】
補正処理を行った場合、端末1はサーバ5と通信し、計測結果データの上書きを要求する。補正処理が終わった時、端末1はその画像を消去し、日時データと計測結果データだけを残す。端末1は、日時データに基づき、撮影日から所定日時が経過した場合にも、同様に画像を消去し、日時データと計測結果データだけを残す。
【0072】
以上本実施の形態1によれば、ユーザは計測機器3の結果表示部を撮影するだけで、画像認識によって自動的に計測結果データが記録される。また、画像認識が失敗した場合であっても、後から画像を見て計測結果データを補正することができる。
【0073】
画像及び計測結果データを、日時情報を用いて整理することができる。
【0074】
補正処理が済んで不要になった不要な画像を消去するので、多くの計測結果データを記憶することができる。この場合、データを消去する前に、ユーザに確認を促すようにしてもよい。
【0075】
誤った画像認識によって誤った計測結果データが記憶されることを極力防止することができる。
【0076】
また、予想変化量データを使って画像認識の成否を判断することによって、より高い精度で、誤った計測結果が記憶されることを防止することができる。
【0077】
計測機器3の機種を特定できる場合は、端末1は、計測機器の機種毎に予め画像認識を補助する補助情報を使用できる。このため、端末1は、計測対象や表示方法の異なる多くの計測機器に対して、精度よく画像認識を実行することができる。
【0078】
計測機器3の機種を特定できない場合も、サービス事業者に対して計測アプリに自分の計測機器3の機種も追加させるための要求電文を送信し、情報をアップデートするように要求することができる。
結果、多くのユーザの端末1が、より精度よく画像認識を実行することができるようになる。
【0079】
撮影時に撮影中の画像と見本画像とを並べて表示することによって、ユーザは見本画像を見ながら、データ記録装置が画像認識しやすいように心がけながら、撮影を実行することができる。このため、端末1が画像認識を実行しやすい画像が保存されやすくなる。結果、端末1は画像認識の精度を向上させることができる。
【0080】
(変形例)
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば、以下のような変形も可能である。
【0081】
(1)実施の形態1では、処理を端末1とサーバ5に分担させたが、全ての処理を端末1だけで実行させても構わない。この場合、サーバ5との通信手段はなくてもよい。また、端末1とサーバ5に分担させる処理は変更しても構わない。本発明を実施する業者は、端末1、サーバ5、計測アプリに相当するものを単独で提供しても構わない。また、計測アプリだけをプログラム又はプログラムを記録した記録媒体として提供しても構わない。
【0082】
(2)実施の形態1では、端末1がスマートフォンの例を挙げ、図2の構成要素が全て一つの筐体に搭載された端末の例を挙げた。しかし、それぞれの構成要素が別々に設けられた端末を使用してもよい。例えば端末として、汎用パーソナルコンピュータを使用し、外付けのカメラ(カメラ部)、マウスとキーボード(入力部)、ディスプレイ(表示部)、モデム(通信部)、時計(時計部)を有線又は無線で接続した構成でも構わない。この場合、外付けのカメラは、ユーザが携帯可能であることが望ましい。
【符号の説明】
【0083】
1…端末、3…計測機器、5…ネットワーク、7…サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
ユーザが使用している計測機器を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段が取得する画像に対して画像解析を実行し、計測結果データを取得するデータ取得手段と、
前記画像及び前記計測結果データを関連付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記画像解析の成否を判定する判定手段と、
前記判定手段が前記画像解析を失敗と判断した場合に、前記画像を前記表示手段に表示し、補正を受け付ける補正手段と、を含むデータ記録装置。
【請求項2】
前記判定手段が、予想変化量を設定し、前回の計測結果データと今回の計測結果データとの差が前記予想変化量を超えた場合も、前記画像解析が失敗であると判断することを特徴とする、請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記計測機の機種を識別する機種識別手段と、
前記機種毎に画像解析を補助するための補助情報を記憶する第2の記憶手段と、をさらに含み、
前記データ取得手段が、前記補助情報を使って前記画像解析を実行することを特徴とする、請求項1又は2に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記撮影手段は、ユーザが前記撮影を実行する際に、前記表示手段に、現在撮影中の画像と、計測結果を読み取り可能な見本画像と、を並べて表示することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のデータ記録装置。
【請求項5】
ユーザが使用している計測機器を撮影するステップと、
前記撮影により取得する画像に対して画像解析を実行し、計測結果データを取得するステップと、
前記画像及び前記計測結果データを関連付けて記憶するステップと、
前記画像解析の成否を判定するステップと
前記画像解析を失敗と判断した場合に、前記画像を前記表示手段に表示し、補正を受け付けるステップと、を含むデータ記録方法。
【請求項6】
前記画像解析の成否を判定するステップにおいて、予想変化量を設定し、前回の計測結果データと今回の計測結果データとの差が前記予想変化量を超えた場合も、前記画像解析が失敗であると判断することを特徴とする、請求項5に記載のデータ記録方法。
【請求項7】
前記計測機の機種を識別するステップと、
前記機種毎に画像解析を補助するための補助情報を記憶するステップと、をさらに含み、
前記計測結果データを取得するステップにおいて、前記補助情報を使って前記画像解析を実行することを特徴とする、請求項5又は6に記載のデータ記録方法。
【請求項8】
前記計測機器を撮影するステップにおいて、表示手段に、現在撮影中の画像と、計測結果を読み取り可能な見本画像と、を並べて表示することを特徴とする、請求項5から7のいずれかに記載のデータ記録方法。
【請求項9】
請求項5から8に記載の処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−147878(P2012−147878A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7660(P2011−7660)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】