説明

データ読み取り装置および方法、並びにデータ記録装置。

【課題】印刷、表示などによりデジタルデータを記録する方式において、記録内容の信頼性を向上させ、記録容量の大容量化を実現できるようにする。
【解決手段】カラーマッピング部125は、ビットインターリーバ124−1から出力されたデータと、ビットインターリーバ124−2から出力されたデータとを多重化し、多重化されたデータを、色および色の濃さにマッピングする。スペースインターリーバ126は、カラーセルにマッピングされたデータの配置を空間的に分散させるために、データを並べ替える処理を行う。パイロット挿入部127は、予め設定された色の図形として、予め定められた間隔で印刷されるパイロットに対応するデータを挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ読み取り装置および方法、並びにデータ記録装置に関し、特に、印刷、表示などによりデジタルデータを記録する方式において、記録内容の信頼性を向上させ、記録容量の大容量化を実現できるようにするデータ読み取り装置および方法、並びにデータ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バーコードやQRコードなどのような2次元コードを用いて、紙などの媒体への印刷によりデジタルデータを記録する方式が広く利用されている。このような記録方式は、記録のコストが非常に安価なことから商品等を管理するためのタグとして利用されることが多い。
【0003】
また、近年では携帯電話のカメラで読み取ることを想定した広告媒体でのバーコードやQRコードなどの利用も急速に広まっている。
【0004】
バーコードやQRコードなどの技術は、低コストに実現可能なデジタル記録技術として非常に有用なものである反面、記録容量が少ないという課題があった。例えば、情報を2次元に記録するQRコードでさえ、記録できる情報の量は最大7089文字(数字のみ記録する場合)に限られる。今後、アプリケーション分野を広げていくためには、バーコードなどの記録方式の大容量化が求められる。
【0005】
バーコードの記録容量を大容量化するための1つの手法はカラー化、微細化して記録することである。通常、バーコードやQRコードでは情報を白、黒の2値で記録するが、白黒2色だけでなく複数の色を使用してカラー化することで、同一面積により多くの情報を記録できるようになる。また、情報を記録する単位(以降セルと呼ぶ)を小さくとって微細化することで、やはり同一面積により多くの情報を記録できるようになる。
【0006】
また、それぞれが情報を記録し読み取り可能な二次元コードを重ねて、更に読み取り可能な二次元コードを生成する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2008−171130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、カラー化、微細化をする場合、データの記録または読み出しが難しくなるという問題がある。
【0009】
例えば、カラー印刷では印刷物が時間の経過とともに退色してしまうことがある。すなわち、白黒2値の記録では問題にならない程度の退色であっても、カラーバーコードではデータが再生できなくなる場合がある。アプリケーション分野を広げていくためには、このような退色があっても正しくデータを再生する方式が求められる。
【0010】
また、例えば、記録すべきデータを紙面などに印刷した場合、紙面を大切に保存していても、局所的にシミやキズなどが生じ易い。このようなシミやキズなどによるデータの破損を事後的に回復することは難しい。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、印刷、表示などによりデジタルデータを記録する方式において、記録内容の信頼性を向上させ、記録容量の大容量化を実現できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の側面は、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得する画像取得手段と、前記取得された画像において、前記2次元空間に空間的に分散されて配置された前記カラーセルを並び替える逆スペースインターリーブを行う逆スペースインターリーブ手段と、前記カラーセルが並べ替えられた画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号する色復号手段とを備えるデータ読み取り装置である。
【0013】
前記逆スペースインターリーブ手段は、階層的ランダムインターリーブ方式により空間的に分散されて配置された前記カラーセルを並び替えるようにすることができる。
【0014】
前記2次元空間の各座標位置に対応する色のデータは、複数の要素データが多重化された多重化データとされ、前記色復号手段は、前記多重化データから前記要素データを分離するようにすることができる。
【0015】
前記複数の要素データは、前記画像が表示される2次元空間を分割することにより多重化されているようにすることができる。
【0016】
前記複数の要素データは、前記画像が表示される2次元空間における前記カラーセルの色の変化に対応する周波数により多重化されているようにすることができる。
【0017】
前記複数の要素データは、同一の前記カラーセル上に複数の色を合成することにより多重化されているようにすることができる。
【0018】
前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形からなる制御情報を復号する制御情報復号手段をさらに備え、前記制御情報に含まれる情報に基づいて、前記逆インターリーブおよび前記色復号の処理が実行されるようにすることができる。
【0019】
前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理を行う等化処理手段をさらに備えるようにすることができる。
【0020】
本発明の第1の側面は、画像取得手段が、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得し、逆スペースインターリーブ手段が、前記取得された画像において、前記2次元空間に空間的に分散されて配置された前記カラーセルを並び替える逆スペースインターリーブを行い、色復号手段が、前記カラーセルが並べ替えられた画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号するステップを含むデータ読み取り方法である。
【0021】
本発明の第1の側面は、コンピュータを、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得する画像取得手段と、前記取得された画像において、前記2次元空間に空間的に分散されて配置された前記カラーセルを並び替える逆スペースインターリーブを行う逆スペースインターリーブ手段と、前記カラーセルが並べ替えられた画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号する色復号手段とを備えるデータ読み取り装置として機能させるプログラムである。
【0022】
本発明の第1の側面においては、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像が取得され、前記取得された画像において、前記2次元空間に空間的に分散されて配置された前記カラーセルが並び替えられ、前記カラーセルが並べ替えられた画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータが復号される。
【0023】
本発明の第2の側面は、入力されたデジタルデータを、色および前記色の濃さに対応させて符号化する色符号化手段と、前記色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを、2次元空間に配置する際に空間的に分散させるように並び替えるスペースインターリーブを行うスペースインターリーブ手段と、前記スペースインターリーブされたデータを、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルとして2次元空間に表示することで、前記入力されたデジタルデータを記録する記録手段とを備えるデータ記録装置である。
【0024】
本発明の第2の側面においては、入力されたデジタルデータが、色および前記色の濃さに対応させて符号化され、前記色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータが、2次元空間に配置する際に空間的に分散させるように並び替えるスペースインターリーブが行われ、前記スペースインターリーブされたデータを、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルとして2次元空間に表示することで、前記入力されたデジタルデータが記録される。
【0025】
本発明の第3の側面は、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得する画像取得手段と、前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理を行う等化処理手段と、前記カラーセルの色が補正された画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号する色復号手段とを備えるデータ読み取り装置である。
【0026】
前記2次元空間の各座標位置に対応する色のデータは、複数の要素データが多重化された多重化データとされ、前記色復号手段は、前記多重化データから前記要素データを分離するようにすることができる。
【0027】
前記複数の要素データは、前記画像が表示される2次元空間を分割することにより多重化されているようにすることができる。
【0028】
前記複数の要素データは、前記画像が表示される2次元空間における前記カラーセルの色の変化に対応する周波数により多重化されているようにすることができる。
【0029】
前記複数の要素データは、前記カラーセルの色を合成することにより多重化されているようにすることができる。
【0030】
前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された白色または黒色の予め定められた形状および大きさの図形からなる制御情報を復号する制御情報復号手段をさらに備え、前記制御情報に含まれる情報に基づいて、前記等化処理および前記色復号の処理が実行されるようにすることができる。
【0031】
本発明の第3の側面は、画像取得手段が、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得し、等化処理手段が、前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理を行い、色復号手段が、前記カラーセルの色が補正された画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号するステップを含むデータ読み取り方法である。
【0032】
本発明の第3の側面は、コンピュータを、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得する画像取得手段と、前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理を行う等化処理手段と、前記カラーセルの色が補正された画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号する色復号手段とを備えるデータ読み取り装置として機能させるプログラムである。
【0033】
本発明の第3の側面においては、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像が取得され、前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理が行われ、前記カラーセルの色が補正された画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータが復号される。
【0034】
本発明の第4の側面は、入力されたデジタルデータを、色および前記色の濃さに対応させて符号化する色符号化手段と、前記符号化されたデータに基づいて、前記濃さの色の画像を2次元空間に配置する際に、予め定められた座標位置に予め定められた所定の濃さの色を有する所定の形状および大きさの図形として表示されるパイロットが挿入されるように、前記符号化されたデータに前記パイロットのデータを挿入するパイロット挿入手段と、前記パイロットのデータが挿入された前記符号化されたデータを、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセル並びに前記パイトッロからなる画像として2次元空間に表示することで、前記入力されたデジタルデータを記録する記録手段とを備えるデータ記録装置である。
【0035】
本発明の第4の側面においては、入力されたデジタルデータが、色および前記色の濃さに対応させて符号化され、前記符号化されたデータに基づいて、前記濃さの色の画像を2次元空間に配置する際に、予め定められた座標位置に予め定められた所定の濃さの色を有する所定の形状および大きさの図形として表示されるパイロットが挿入されるように、前記符号化されたデータに前記パイロットのデータが挿入され、前記パイロットのデータが挿入された前記符号化されたデータを、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセル並びに前記パイトッロからなる画像として2次元空間に表示することで、前記入力されたデジタルデータが記録される。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、印刷、表示などによりデジタルデータを記録する方式において、記録内容の信頼性を向上させ、記録容量の大容量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を適用したデータの記録方式の例を説明する図である。
【図2】カラーセルの構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】ブロック化の例を説明する図である。
【図5】空間多重化の例を説明する図である。
【図6】周波数多重化の例を説明する図である。
【図7】周波数多重化する場合の図3のカラーマッピング部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図8】階層多重化の例を説明する図である。
【図9】ランダムインターリーブを説明する図である。
【図10】再帰的ランダムインターリーブを説明する図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る読み取り装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】等化処理の例を説明する図である。
【図13】記録処理の例を説明するフローチャートである。
【図14】読み取り処理の例を説明するフローチャートである。
【図15】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0039】
図1は、本発明を適用したデータの記録方式の例を説明する図である。
【0040】
同図は、所定のデータ長のデータを本発明の記録方式により、例えば、紙などの平面的形状の媒体10に記録した場合の例を示している。この例では、紙である媒体10の紙面に所定の色、形状の図形が印刷されることでデータが記録されることになる。なお、この紙面上には、図2を参照して後述するカラーセルと称される図形が多数印刷されており、カラーセルの色を解析することにより記録されたデータを読み出すことができるようになされている。
【0041】
同図の媒体10の左上端の領域には、制御情報21が印刷される。制御情報は、例えば、白または黒の図形の集合により制御情報21が構成されている。制御情報21には、例えば、後述するカラーセルのサイズ、使用する色の数、パイロットのパターン、誤り訂正方式、インターリーブ方式等の情報が含まれる。
【0042】
また、媒体10の右上端、左下端、および右下端には、端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3がそれぞれ印刷されている。
【0043】
端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3は、後述する読み取り装置において、媒体10のサイズを特定し、媒体10の位置や角度を、記録された情報を読み取りやすくするように補正できるようにするためのものである。すなわち、読み取り装置が媒体10に印刷されたデータを読み取るとき、制御情報21、および端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3を検出することで、紙面の4端が特定できるので、紙面の大きさを特定することが可能となる。また、紙面の4端が特定されることにより、紙面の位置が斜めであったり、上下左右が逆であったりした場合、例えば、仮想的に紙面を回転させるなどして正しい位置に補正することが可能となる。
【0044】
端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3は、予め設定された色と形状であって、読み取り装置において認識し易い色と形状で印刷される。この例では、黒色の矩形として端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3が印刷されている。
【0045】
さらに、媒体10には、予め設定された色の図形からなるパイロット23が印刷されている。なお、媒体10には、多数のパイロットが印刷されているが、ここでは、最も左上側に印刷されたパイロット23のみに符号が付されている。
【0046】
パイロットは、例えば、紙面上の印刷が退色した場合、読み取り装置において紙面上に印刷されたカラーセルの色を等化することができるようにするものである。
【0047】
この例では、パイロットは、黒色の矩形、赤色の矩形、緑色の矩形、青色の矩形の4つの矩形を組み合わせることで構成される矩形として印刷されている。黒色は、暗部の基準となる色であり、赤色、緑色、青色は、光の3原色である。すなわち、パイロットは、どの色のカラーセルが退色した場合でも、カラーセルの色を等化することができるように構成される。
【0048】
ただし、パイロットは、色の基準となればよいので、例えば、印刷で使用されるCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)や、放送で使用されるYCbCr(輝度信号と2つの色差信号)で構成されるようにしてもよい。
【0049】
パイロットは、予め定められた位置に印刷される。例えば、媒体10の紙面の上端から垂直方向に所定の距離において、水平方向一列に予め設定された間隔で定期的に印刷される。そして、さらに、垂直方向に所定の距離だけ離れて、水平方向一列に予め設定された間隔で定期的に印刷される。すなわち、パイロットは、紙面上のどの部分で印刷が退色した場合でも、カラーセルの色を等化することができるように配置される。
【0050】
なお、例えば、パイロットの配置や構成を、適宜選択できるようにし、その選択結果の情報が制御情報21に含まれるようにしてもよい。
【0051】
媒体10の紙面において、制御情報21、端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3、およびパイロットが印刷されていない部分には、カラーセルが印刷されている。
【0052】
図2は、カラーセルの構成例を示す図である。同図に示されるように、カラーセルは、所定の色の微小な矩形として構成される。この例では、図中の垂直方向の第1列目に水平方向に6つのカラーセル41−1乃至カラーセル41−6が印刷されている。また、垂直方向の第2列目乃至第12列目にも、水平方向に6つのカラーセルが印刷されている。これら個々のカラーセルが媒体10に記録されるデータとなる。すなわち、個々のカラーセルの色を読み取ることにより、記録されたデータを読み取ることができるようになされている。
【0053】
個々のカラーセルは、例えば、予め定められた大きさと形状で印刷されるとともに、記録するデータに対応する色で印刷される。個々のカラーセルの色は、予め定められた複数の色のうちの一色とされる。
【0054】
図3は、本発明の一実施の形態に係る記録装置の構成例を示すブロック図である。同図は、データAおよびデータBを多重化して記録できるようにした記録装置100の構成例を示している。
【0055】
ブロック化部121−1は、データAを所定の長さのブロックに分割する。ブロック化部121−2は、データBを所定の長さのブロックに分割する。ブロックのサイズは、例えば、多重化するデータの数および媒体10の紙面の大きさに対応して定まるものとされる。
【0056】
データAおよびデータBのサイズは、予め定められたものではないので、ブロック化部121−1およびブロック化部121−2は、データAおよびデータBを上述したブロックに分割する。なお、ブロックの数は、1でもよいし、複数のブロックに分割されるようにしてもよい。
【0057】
ブロック長(ブロックのサイズ)が、記録したいデータのデータ長より大きい場合は、図4に示されるように、ブロック化部121−1およびブロック化部121−2がダミーデータ(例えば、ビット0の連続したもの)を付加するようになされている。
【0058】
ブロック化部121−1およびブロック化部121−2の処理を経てブロック化されたデータは、それぞれランダマイズ部122−1およびランダマイズ部122−2に供給され、ランダマイズ処理(またはエネルギー拡散処理)が施される。
【0059】
ランダマイズ部122−1およびランダマイズ部122−2により施されるランダマイズ処理は、例えば、欧州地上デジタル放送(DVB−T)において採用されている15次のPRBS(Pseudorandom Binary Sequence)系列を乗じるものなどとされる。
【0060】
ランダマイズ部122−1およびランダマイズ部122−2の処理を経て出力されたデータは、それぞれ誤り訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2に供給される。誤り訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2のそれぞれは、入力されたデータに対する誤り訂正符号化を行う。ここで行われる誤り訂正符号化は、例えば、LDPC(Low Density Parity Check)符号化とBCH符号化の組み合わせによるものなどとされる。勿論、リードソロモン符号化、畳み込み符号化などが用いられるようにしてもよい。さらに、誤り訂正符号化部123−1と誤り訂正符号化部123−2とは、それぞれ別々の方式で誤り訂正符号化を行うようにしてもよい。
【0061】
誤り訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2の処理を経て出力されたデータは、それぞれビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2に供給される。ビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2のそれぞれは、データをインターリーブする機能ブロックとされる。ビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2のそれぞれは、例えば、LDPC符号のパリティビットを、他のパリティビットの位置にインターリーブするパリティインターリーブを行う。また、ビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2のそれぞれは、パリティインターリーブ後のLDPC符号を、カラムツイストインターリーブするなどの処理を行う。
【0062】
ビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2の処理を経て出力されたデータは、カラーマッピング部125に供給される。
【0063】
カラーマッピング部125は、ビットインターリーバ124−1から出力されたデータと、ビットインターリーバ124−2から出力されたデータとを多重化する。そして、カラーマッピング部125は、多重化されたデータを、色および色の濃さにマッピングする。
【0064】
色へのマッピングは、例えば、次のように行われる。
【0065】
まず、RGB、YCbCrなど、色のベクトル表現方式を定める。ここでは、色のベクトル表現方式としてRGBを例として説明する。
【0066】
R、G、Bそれぞれの基底ベクトルごとに2段階の濃度/輝度を定義する。これにより、R、G、Bの組み合わせにより、2×2×2の色を表現することができ、3×Nビットの情報を表現することができる。
【0067】
すなわち、カラーマッピング部125は、デジタルデータを、色および色の濃さに対応させて符号化するのである。
【0068】
濃度/輝度の諧調は、例えば、記録すべきデータの種類、記録装置および読み取り装置の種類などに応じて決められる。例えば、記録装置の書き込み精度、読み取り装置の読み取り精度が高いものであれば、Nを大きくし、より多くの情報を記録できるようにすることができる。また、例えば、重要度が高いデータに対してはNを小さくし、データを読み取りやすくしたり、大容量のデータに対してはNを大きくして記憶容量を高くするなどしてもよい。
【0069】
データの多重化は、例えば、次のようにして行われる。図5乃至図8を参照して説明する。
【0070】
図5は、空間多重化される場合の例を説明する図である。同図には、媒体10の紙面の右側にデータAが記録され、紙面の左側にデータBが記録されることで空間多重化される場合の例が示されている。
【0071】
図6は、周波数多重化される場合の例を説明する図である。同図には、低い周波数帯域にデータAが記録され、高い周波数帯域にデータBが記録されることで周波数多重化される場合の例が示されている。
【0072】
周波数多重化してデータを記録する場合、例えば、データAについては、紙面上でカラーセルを、間隔を大きく空けて配置することで低い周波数帯域のデータとして記録する。一方、データBについては、カラーセルを、間隔を空けずに配置することで高い周波数帯域のデータとして記録する。すなわち、画像が印刷された紙面の2次元空間におけるカラーセルの色の変化に対応する周波数によって、多重化されたデータAまたはデータBを識別することができるように記録されるのである。
【0073】
図7は、周波数多重化する場合のカラーマッピング部125の詳細な構成例を示すブロック図である。この例では、ビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2から出力されたデータが、それぞれFFT演算部141に供給されている。そして、FFT演算部141による演算処理結果のデータがマッピング部142に供給され、色へのマッピングが行われるようになされている。
【0074】
図8は、階層多重化される場合の例を示す図である。ここで、階層多重化とは、同一カラーセルに複数の情報を多重化する方式である。ここでは、64(=8×8)個のカラーセルを使って、2つの階層(階層1と階層2)に多重化する例について説明する。
【0075】
同図において、階層1は64個のカラーセルの全てをR,G,Bのそれぞれのレベル(強度)が0または4として構成するものとする。すなわち、64個のカラーセルにより構成される階層1は、(R,G,B)=(0,0,0)、(0,0,4)、(0,4,0)、(0,4,4)、(4,0,0)、・・・(4,4,4)の8通りが存在する。従って、階層1の64個のカラーセルにより3ビット(2=8)のデータを表現できる。
【0076】
一方、階層2は、64個のカラーセルのそれぞれについて、R,G,Bのそれぞれのレベル(強度)が0,1,2,3のいずれかとして構成するものとする。すなわち、階層2のカラーセルは、(0,0,0)、(0,0,1)、(0,0,2)、(0,0,3)、(0,1,0)、・・・(3,3,3)の64通りが存在する。従って、64個のカラーセルにより表現できる情報は、4096(=64×64)通りとなり、階層2の64個のカラーセルにより12ビット(212=4096)のデータを表現できる。
【0077】
つまり、階層多重化した場合、階層1と階層2とを合成することにより、64個のカラーセルを使って15ビットのデータを記録することが可能となる。階層1と階層2が合成された64個のカラーセルのR,G,Bのそれぞれのレベルは、0,1,2,3,4,5,6,7のいずれかとして構成されることになる。
【0078】
この場合、読み取り装置では、例えば次のようにして、多重化されたデータを分離することができる。
【0079】
例えば、読み取り装置で、個々のカラーセルを読み取った際に、カラーセルのR,G,Bのレベルが4以上である場合、階層1のR,G,Bのレベルが4であると特定できる。また、4以上であるR,G,Bのそれぞれのレベルから4を減じることにより、階層2のR,G,Bのレベルを特定できる。
【0080】
一方、カラーセルのR,G,Bのレベルが4未満である場合、階層1のR,G,Bのレベルが0であると特定できる。また、4未満であるR,G,Bのそれぞれのレベルは、そのまま階層2のR,G,Bのレベルとして特定できる。
【0081】
また、図8に示されるような階層多重化を行うことで、例えば、読み取り装置の読み取り精度が低い場合でも、階層1だけであれば読み取ることができるようにすることも可能となる。例えば、簡便で小型の読み取り装置によって階層1のデータを読み取ることが可能となるように画像を印刷し、階層2のデータを読み取る必要がある場合、高性能の読み取り装置を用いるようにする。
【0082】
この他、予め設定された個数のカラーセルをブロックとして構成し、データAが記録されるブロックとデータBが記録されるブロックを紙面上に順番に配置するブロック多重化が行われるようにしてもよい。あるいはまた、例えば、制御情報21にデータAが記録されるブロックとデータBが記録されるブロックの配置場所を特定する情報が含まれるようにして、ブロック多重化が行われるようにしてもよい。
【0083】
さらに、色ベクトルの基底ベクトルごとにデータを記録するベクトル多重化方式が用いられるようにしてもよい。例えば、色ベクトルとしてR,G,Bを用いる場合、赤でデータAを記録し、緑でデータBを記録し、青でデータCを記録するようにしてもよい。
【0084】
図3に戻って、カラーマッピング部125の処理を経て出力されたデータは、スペースインターリーバ126に供給される。スペースインターリーバ126は、カラーセルにマッピングされたデータの配置(例えば、媒体10の紙面に対応する2次元空間内での配置)を空間的に分散させるために、データを並べ替える処理(スペースインターリーブ)を行う。
【0085】
例えば、カラーセルを印刷することでデータを記録する場合、シミ、汚れ、キズ、破損などにより印刷された紙面の特定の部位のデータが集中的に欠損するおそれがある。このような、集中的な欠損が生じると、例えば、誤り訂正符号などを用いても回復できない場合が多い。
【0086】
このような回復不能な欠損の発生を抑止するためには、印刷前に予めデータを並び替えておき、読み取り時に、並べ替えられたデータを元に戻して誤り訂正復号を行うことが効果的である。
【0087】
スペースインターリーバ126は、例えば、空間分散の効率の高いランダムインターリーブ方式により、データを並べ替えるようになされている。図9は、ランダムインターリーブ方式の例を説明する図である。
【0088】
同図に示されるバッファは、6(=2×3)のアドレスを有し、図中左側に示されるデータ系列が入力される。この例では、データ系列が、「A,B,C,D,E,F」で表わされている。バッファの記憶領域のアドレスは、図中上段左側から順に、「1,2,3,4,5,6」とされており、「A,B,C,D,E,F」のデータ系列は、昇順に各アドレスの記憶領域に記憶されている。
【0089】
すなわち、バッファのアドレス1の記憶領域にはデータAが記憶され、アドレス2の記憶領域にはデータBが記憶され、・・・アドレス6の記憶領域にはデータFが記憶されている。
【0090】
また、同図には、アドレステーブルが示されており、バッファの全記憶領域にデータが書き込まれると、このアドレステーブルに基づいてバッファからデータが読みだされるようになされている。この例では、アドレステーブルは、上段左から「3,6,2」とされており、下段左から「5,1,4」とされている。なお、後述する読み取り装置においても、図9に示されるアドレステーブルと同一のテーブルが用いられるようになされている。
【0091】
バッファに書き込まれたデータは、アドレステーブルに基づいて指定された順に読みだされる。いまの場合、バッファのアドレス「3,6,2,5,1,4」の順にデータが読み出され、図中バッファの右側に示されたデータ系列として出力される。この例では、入力された「A,B,C,D,E,F」のデータ系列が、「E,C,A,F,D,B」のデータ系列に並べ替えられて出力されることになる。
【0092】
なお、実際には、もっとアドレス数の大きいバッファを用い、ランダム性の高いアドレステーブルを選択して用いることで、空間分散の効率の高いランダムインターリーブ方式によるデータの並べ替えが行われる。
【0093】
このようなランダムインターリーブ方式でのデータの並べ替えでは、データを記録する紙面に印刷し得るカラーセルの数だけバッファのアドレスを用意することが理想的ではある。しかし、このようにすると、紙面のサイズが大きい場合、アドレステーブルのサイズも膨大なものとなり、データの記録、読み取りに要する時間が増大し、装置の利便性を低下させることもある。
【0094】
例えば、紙面のサイズが大きい場合、再帰的ランダムインターリーブ方式のアドレステーブルが用いられるようにしてもよい。
【0095】
図10は、再帰的ランダムインターリーブ方式のアドレステーブルの例を示す図である。同図のアドレステーブルは、階層的に構成されるものである。この例では、図10のアドレステーブルも、図9のアドレステーブルと同様に、6個のアドレスが記述されており、上段左から「3,6,2,5,1,4」とされている。しかし、図10のアドレステーブルの場合、個々のアドレスのセルが、それぞれ6個のアドレスに対応するブロックのアドレスとされている。例えば、第1階層のアドレス2のブロックに記録されるデータは、上段左から「3,6,2,5,1,4」とされるアドレステーブルに基づいて、さらに並べ替えられる。
【0096】
例えば、紙面を6つのブロックに分けて、紙面の上段左から「1,2,3」、下段左から「4,5,6」とアドレスを設定し、これを第1階層のアドレステーブルと対応付ける。同様に記録すべきデータも6つのブロックに分ける。そして、第1番目のブロックのデータは、第1階層のアドレステーブルに基づいて、紙面の下段中央に記録されるように並べ替えられる。また、第2番目のブロックのデータは、第1階層のアドレステーブルに基づいて、紙面の上段右に記録されるように並べ替えられる。同様に、第3番目乃至第6番目のブロックのデータも、第1階層のアドレステーブルに基づいて並べ替えられる。
【0097】
そして、個々のブロックにデータを記録するために、第2階層のアドレステーブルに基づいて、データがさらに並べ替えられる。例えば、第2番目のブロックのデータのデータ系列が「A,B,C,D,E,F」であったとする。このデータ系列を、紙面の上段右に記録する際には、第2階層のアドレステーブルに基づいて、「E,C,A,F,D,B」のデータ系列に並べ替えられることになる。
【0098】
このように、再帰的ランダムインターリーブ方式のアドレステーブルが用いられ、データを並べ替えられるようにしてもよい。
【0099】
なお、この例では、2つの階層により再帰的ランダムインターリーブ方式のアドレステーブルが構成される場合の例について説明したが、より多数の階層によりアドレステーブルが構成されるようにしてもよい。
【0100】
なお、スペースインターリーバ126によるデータの並べ替えの方式は、上述したものに限られるものではないが、インターリーブの方式をあまり複雑なものを使用すると回路規模が増大し、コスト増や装置の大型化につながる。例えば、いくつかのインターリーブ方式を選択可能とし、選択されたインターリーブ方式を特定する情報が制御情報21に含まれるようにしてもよい。
【0101】
図3に戻って、スペースインターリーバ126の処理を経て出力されたデータは、パイロット挿入部127に供給される。パイロット挿入部127は、スペースインターリーバ126の処理を経て出力されたデータに、図1を参照して上述したパイロットに対応するデータを挿入するようになされている。
【0102】
上述したように、パイロットは、予め設定された色の図形として、予め定められた間隔で印刷される。パイロットの色、図形、印刷位置などは、パイロット挿入部127に設定されているものとする。
【0103】
例えば、パイロットを高い密度で印刷すれば、色むらなどを精度よく補正することが出来る反面、印刷されるパイロットの数だけ記録できるデータ量が小さくなってしまう。例えば、パイロットの色、図形、印刷位置などのパターンも選択可能とされるようにしてもよい。
【0104】
なお、図1を参照して上述した例では、パイロットが、黒色の矩形、赤色の矩形、緑色の矩形、青色の矩形の4つの矩形を組み合わせることで構成されるものとした。すなわち、図1のパイロットは、例えば、紙面上の印刷が退色した場合、読み取り装置において紙面上に印刷されたカラーセルの色を等化するための色の基準となる固定シンボルとして表されている。しかし、色補正性能を落とさない範囲でパイロットにデータが重畳されるようにしてもよい。
【0105】
例えば、図1の例では、パイロットを黒赤緑青の4の色からなるものとしたが、例えば、黒赤緑青のいずれか1色を記録するようにしてもよい。このようにすれば、所定の位置に印刷されたパイロットが黒赤緑青のいずれであるかにより表わされる情報を、さらに表現することができるようになる。すなわち、パイロットにデータが重畳されるのである。
【0106】
このようにしてパイロットにデータを重畳すると、例えば、同一色のパイロットがかたまって印刷されている領域では補正性能が劣化する。しかし、パイロットに重畳するデータを、十分な密度で十分なランダム性をもったデータとすれば、補正性能の劣化は問題にならないと言える。
【0107】
あるいはまた、黒赤緑青それぞれを多値で記録するようにしてもよい。例えば、R,G,Bのレベルを8ビットで表現する場合、赤のパイロットとしてR,G,B=(256,0,0)と(128,0,0)の2種類を使用する。このようにすれば、所定の位置に印刷されたパイロットのR,G,Bのレベルが2種類のうちいずれであったかにより表わされる情報を、さらに表現することができるようになる。これにより、やはりパイロットにデータが重畳されるのである。
【0108】
このようにしてパイロットにデータを重畳する場合、例えば、R,G,Bのレベルの種類を多数設けると(多値度を上げると)補正性能は劣化してしまう。しかし、読み取り装置において、R,G,Bのレベルの種類を誤認識しない程度の多値度とすれば、補正性能の劣化は問題にならないといえる。
【0109】
パイロット挿入部127の処理を経て出力されたデータは、制御情報挿入部128に供給される。図1を参照して上述したように、制御情報は、例えば、左上端の領域に印刷され、白または黒の図形の集合により構成される。
【0110】
制御情報は、読み取り装置において、紙面に記録されたデータを読み取るのに先立って必要となる情報である。すなわち、制御情報は、読み取り装置に最初に読み取らせるべき情報なので、紙面の退色などによって誤認識される可能性が低くなるように、白または黒の図形の集合により構成される。
【0111】
制御情報には、例えば、上述したカラーセルのサイズ、カラーセルに使用する色の数が含まれる。また、制御情報には、パイロット挿入部127が採用(選択)したパイロットの色、図形、印刷位置などのパターン、さらに、パイロットにデータを重畳する場合の重畳方式などの情報が含まれる。さらに、制御情報には、誤り訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2が採用(選択)した誤り訂正方式、スペースインターリーバ126が採用(選択)したインターリーブ方式等の情報が含まれる。このように、記録装置100の各機能ブロックにおいて選択されたパターン、方式などを特定する情報は、予め制御情報挿入部128に供給される。
【0112】
そして、制御情報挿入部128は、これらの情報を含めて制御情報とし、その制御情報のデータをパイロット挿入部127から出力されたデータに挿入する。なお、制御情報も、所定の誤り訂正符号化処理が施され、白色または黒色へのカラーマッピングがされ、空間的にインターリーブ(並べ替え)されて記録される。なお、制御情報は、必ずしも白色または黒色とされる必要はなく、読み取りやすい色であればよい。
【0113】
なお、図1を参照して上述した端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3を印刷するためのデータも、制御情報挿入部128により挿入される。
【0114】
制御情報挿入部128の処理を経て出力されたデータは、データ記録部129−1乃至データ記録部129−3に供給される。データ記録部129−1乃至データ記録部129−3は、供給されたデータに基づいて、例えば、紙などの媒体に画像を印刷するようになされている。これにより、例えば、図1を参照して上述したように、媒体10に、カラーセルを用いてデータが記録されることになる。
【0115】
図3の例では、記録装置100にデータ記録部129−1乃至データ記録部129−3の3つのデータ記録部が設けられている。例えば、3つのデータ記録部により、同時に3枚の媒体に印刷を行うようにすれば、インクの量や紙の状態などによりデータが正しく記録されないことがあっても、読み取り装置に3枚の媒体を同時に読み込ませることにより、適切にデータを復元できる可能性が高い。
【0116】
勿論、記録装置100には、1つのデータ記録部のみが設けられるようにしても構わない。
【0117】
このようにして記録装置100により、データが記録される。
【0118】
次に、記録装置100により記録されたデータを読み取る読み取り装置について説明する。図11は、本発明の一実施の形態に係る読み取り装置の構成例を示すブロック図である。
【0119】
同図に示される読み取り装置200は、例えば、図1に示されるように媒体10に印刷されて記録されたデータを読み取るようになされている。ここでは、データAとデータBが多重化されたデータを読み取る場合を例として説明する。
【0120】
画像取得部221−1乃至画像取得部221−3は、例えば、媒体10の紙面の画像を取得する。
【0121】
画像取得部221−1乃至画像取得部221−3は、例えば、スキャナ、デジタルカメラ、ビデオカメラなどにより構成され、取得した画像をデジタルデータとして出力するようになされている。ここで出力されるデジタルデータは、例えば、紙面の全座標位置に対応付けられた色を表すデータとされる。
【0122】
なお、画像取得部221−1乃至画像取得部221−3により、ノイズ除去や色補正のための画像処理が施されるようにしてもよい。
【0123】
画像取得部221−1乃至画像取得部221−3から出力されたデータは、制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3に供給される。
【0124】
制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3は、画像取得部221−1乃至画像取得部221−3から出力されたデータに基づいて、制御情報を読み出す。すなわち、図1に示される制御情報21の白色または黒色の図形にマッピングされたデータを特定し、逆インターリーブ、誤り訂正の処理などを施して、制御情報を再生する。
【0125】
これにより、例えば、上述したカラーセルのサイズ、カラーセルに使用する色の数が特定される。また、パイロット挿入部127が採用(選択)したパイロットの色、図形、印刷位置などのパターン、さらに、パイロットにデータが重畳される場合の重畳方式などが特定される。さらに、誤り訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2が採用(選択)した誤り訂正方式、スペースインターリーバ126が採用(選択)したインターリーブ方式等が特定される。
【0126】
これら、制御情報を再生して特定された情報は、後述する等化処理部223、逆スペースインターリーバ224、逆カラーマッピング部225、誤り訂正復号部227−1および誤り訂正復号部227−2に供給される。
【0127】
また、制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3は、紙面の端部に印刷された端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3の座標位置を特定し、紙面の大きさを特定するとともに、座標位置の補正などを行う。上述したように、端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3は、読み取り装置200において、媒体10のサイズを特定し、媒体10の位置や角度を記録された情報を読み取りやすくするように補正できるようにするためのものである。
【0128】
すなわち、読み取り装置200が、制御情報21、および端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3を検出することで、紙面の4端の座標位置が特定されるので、紙面の大きさが特定される。また、紙面の4端が特定されることにより、紙面の位置が斜めであったり、上下左右が逆であったりした場合、例えば、仮想的に紙面を回転させるなどして、各カラーセルの座標位置が正しい位置に補正される。
【0129】
制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3の処理を経て出力されたデータは、等化処理部223に供給される。
【0130】
なお、図11の例では、読み取り装置200に、画像取得部221−1乃至画像取得部221−3の3つの画像取得部、および制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3の3つの制御情報処理部が設けられている。この構成は、記録装置100に、3つのデータ記録部が設けられる場合に対応する構成とされる。上述したように、インクの量や紙の状態などによりデータが正しく記録されないことがあっても、読み取り装置で3枚の媒体を同時に読み込ませることにより、適切にデータを復元できる可能性が高いからである。
【0131】
例えば、記録装置100に、1つのデータ記録部が設けられている場合は、読み取り装置200の画像取得部および制御情報処理部も1つ設けるようにすればよい。
【0132】
3つの制御情報処理部からデータが供給される場合、等化処理部223は、例えば、3つのデータを平均するなどして合成して処理を行う。あるいはまた、予め定められた信頼性の評価値を3つのデータのそれぞれについて演算し、最も評価値の高いデータを1つ抽出するなどして処理を行うようにしてもよい。
【0133】
等化処理部223は、パイロットを用いてカラーセルの色の補正を行うようになされている。
【0134】
図12は、等化処理部223のカラーセルの色の補正(等化処理)を説明する図である。図12A乃至図12Cは、横軸を座標位置とし、縦軸をR,G,Bのレベルとして、パイロットとカラーセルのレベルを示すグラフである。ここでは、説明を簡単にするために、R,G,BのうちのR成分のレベルのみが示されているものとする。
【0135】
図12Aは、紙面に印刷された直後のパイロットとカラーセルのR成分のレベルを示すグラフとされる。同図においては、各座標位置に対応づけられたR成分のレベルが棒グラフとして示されている。グラフ中、最も左側のバー(棒)と最も右側のバーが、それぞれ2つのパイロットのR成分のレベルを示している。そして、その2つのパイロットに挟まれた座標位置のバーのそれぞれが各カラーセルのR成分のレベルを示している。
【0136】
図12Bは、読み取り装置200により読み取られた時のパイロットとカラーセルのR成分のレベルを示すグラフとされる。同図においては、各座標位置に対応づけられたR成分のレベルが棒グラフとして示されている。グラフ中、最も左側のバー(棒)と最も右側のバーが、それぞれ2つのパイロットのR成分のレベルを示している。そして、その2つのパイロットに挟まれた座標位置のバーのそれぞれが各カラーセルのR成分のレベルを示している。
【0137】
図12Bにおいては、例えば、紙面の退色の影響により、横軸上で左の座標位置に向かって、R成分のレベルが減衰している。
【0138】
もし、等化処理を施すことなく、このデータを読み取ると、記録装置100により記録されたデータを正しく再生することができない。カラーセルのR,G,Bのレベルが減衰したことにより、各カラーセルにより表現される情報が、記録時とは異なったものとなってしまったからである。
【0139】
しかしながら、読み取り装置200においては、上述したように、制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3によって、既に制御情報が再生されている。従って、パイロット挿入部127が採用(選択)したパイロットの色、図形、印刷位置などのパターン、さらに、パイロットにデータが重畳される場合の重畳方式などが特定されている。このため、等化処理部223は、パイロットの座標位置とR,G,Bのレベルとを既知のものとして処理することができる。
【0140】
すなわち、等化処理部223は、図12Bのグラフ中、最も左側のバー(棒)と最も右側のバーが、それぞれ2つのパイロットのR成分のレベルを示していると特定することができる。また、それぞれのパイロットのR成分のレベルが、本来どれだけのレベルであったのかも特定できる。
【0141】
これにより、等化処理部223は、図12Cに示されるように、パイロットを用いてカラーセルの色の補正を行うことができる。
【0142】
図12Cは、読み取り装置200により等化処理が施された後のパイロットとカラーセルのR成分のレベルを示すグラフとされる。同図においては、各座標位置に対応づけられたR成分のレベルが棒グラフとして示されている。グラフ中、最も左側のバー(棒)と最も右側のバーが、それぞれ2つのパイロットのR成分のレベルを示している。そして、その2つのパイロットに挟まれた座標位置のバーのそれぞれが各カラーセルのR成分のレベルを示している。
【0143】
図12Cにおいては、図12Bで横軸上左の座標位置に向かって、R成分のレベルが減衰していたものが、補正されている。すなわち、等化処理部223は、グラフ中、最も左側のバー(棒)と最も右側のバーが示すべきレベルを特定し、図12Bにおける線301が、図12Cにおける線302となるように補正するために必要となる座標位置毎のゲインを特定する。そして、座標位置に対応させて各バーのレベルにゲインを乗じてカラーセルの色の補正を行うのである。
【0144】
なお、上述した補正は単純な線形補間などにより行われるものとしてもよいが、複数のパイロットを利用した多タップの補間フィルタ、2次元フィルタなどが用いられるようにしてもよい。これにより、さらに精度の高い色の補正をすることができる。
【0145】
あるいはまた、MRC(Maximum Ratio Conbining)によりカラーセルの色の補正が行われるようにしてもよい。この場合、カラーセル毎に計算したS/N比に基づき複数のカラーセルを合成することになる。なお、単純に平均などによる合成がなされるようにしてもよい。
【0146】
このようにして等化処理が行われる。
【0147】
また、記録するデータの画像を紙等の場合に印刷する場合、例えば、プリンタの機種によって、異なった色合いに印刷されることが多い。例えば、プリンタの機種によって、赤色が強調されたり、明るい、暗い等色合いに差が生じることがある。
【0148】
例えば、読み取り装置200によりデータを読み取った際の、等化処理での色の補正に係る情報などが記録装置100にフィードバックされるなどして、カラーマッピング部125においてマッピングされる色が適宜変更されるようにしてもよい。
【0149】
このようにすることで、例えば、使用するプリンタの機種などに依存することなく、データの記録および読み取りに係る品質を向上させることができる。
【0150】
また、ここでは、例えば、白紙に画像が印刷されることでデータが記録される場合を想定して説明したが、パイロットを利用して、例えば、別の画像の上に本発明を適用したデータ記録方式でのデータの画像を印刷することも可能である。
【0151】
例えば、記録装置100において、データ記録部129−1乃至データ記録部129−3により記録するデータに対応する画像を印刷する際に、既に写真などの画像が印刷されている紙面上に印刷するようにする。なお、記録するデータに対応する画像は、写真などの画像を損ねない程度の薄さで印刷する。
【0152】
そして、読み取り装置200により、記録されたデータを読み取る際に、パイロットを利用して、カラーセルの色の補正を行うとともに、カラーセル以外の色の画素を、雑音として除去する。すなわち、画像取得部221−1乃至画像取得部221−3により取得された画像から、写真などの画像を除去するのである。
【0153】
このようにする場合、写真などの画像を損ねないようにするため、カラーセルの色の濃さが制限されるので、白紙などに印刷する場合と比較すると記録できるデータ量が小さくなる。しかし、例えば、雑誌の任意のページ上に所望のデータを記録することも可能となり、利便性が向上すると考えられる。
【0154】
図11に戻って、等化処理部223の処理を経て出力されたデータは、逆スペースインターリーバ224に供給される。
【0155】
逆スペースインターリーバ224は、スペースインターリーバ126により並べ替えられたデータを元に戻す処理を行う。逆スペースインターリーバ224は、スペースインターリーバ126が用いたアドレステーブルと同一のアドレステーブルを保有しており、例えば、図9の「E,C,A,F,D,B」のデータ系列を「A,B,C,D,E,F」のデータ系列に並べ替える。
【0156】
逆スペースインターリーバ224の処理を経て出力されたデータは、逆カラーマッピング部225に供給される。
【0157】
逆カラーマッピング部225は、各カラーセルから得られた色のデータを、予め定められた方式でデジタルデータに変換する。また、逆カラーマッピング部225は、多重されたデータAとデータBを分離する処理を行う。すなわち、逆カラーマッピング部225により行われる処理は、記録装置100のカラーマッピング部125の処理の逆演算となる。
【0158】
逆カラーマッピング部225の処理を経て分離されたデータAに対応するデータは、逆ビットインターリーバ226−1に供給され、データBに対応するデータは、逆ビットインターリーバ226−2に供給される。
【0159】
逆ビットインターリーバ226−1および逆ビットインターリーバ226−2は、それぞれビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2の処理の逆演算を行う。
【0160】
逆ビットインターリーバ226−1および逆ビットインターリーバ226−2の処理を経て出力されたデータは、それぞれ誤り訂正復号部227−1および誤り訂正復号部227−2に供給される。
【0161】
誤り訂正復号部227−1および誤り訂正復号部227−2は、それぞれ誤り訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2により行われた誤り訂正符号化に対応する復号の処理を行うようになされている。
【0162】
誤り訂正復号部227−1および誤り訂正復号部227−2の処理を経て出力されたデータは、それぞれ逆ランダマイズ部228−1および逆ランダマイズ部228−2に供給され、逆ランダマイズ処理(または逆エネルギー拡散処理)が施される。
【0163】
逆ランダマイズ部228−1および逆ランダマイズ部228−2により行われる処理は、それぞれランダマイズ部122−1およびランダマイズ部122−2により行われる処理の逆演算となる。
【0164】
逆ランダマイズ部228−1および逆ランダマイズ部228−2の処理を経て出力されたデータは、それぞれ逆ブロック化部229−1および逆ブロック化部229−2に供給される。
【0165】
逆ブロック化部229−1および逆ブロック化部229−2は、それぞれブロック化部121−1およびブロック化部121−2により行われた処理の逆演算を行うことで、データAとデータBを構成して出力する。
【0166】
このように、記録装置100によって、媒体10の紙面に印刷されて記録されたデータが、読み取り装置200により読み取られて再生される。
【0167】
次に、図13のフローチャートを参照して、本発明の記録装置100による記録処理の例について説明する。
【0168】
ステップS21において、ブロック化が行われる。すなわち、ブロック化部121−1は、データAを所定の長さのブロックに分割し、ブロック化部121−2は、データBを所定の長さのブロックに分割する。
【0169】
このとき、多重化するデータの数および媒体10の紙面の大きさに対応して定まるサイズでブロック化がなされ、例えば、図4に示されるように、必要に応じてダミーデータが付加される。
【0170】
ステップS22において、ランダマイズ部122−1およびランダマイズ部122−2は、ランダマイズ処理(またはエネルギー拡散処理)を施す。
【0171】
このとき、ランダマイズ部122−1およびランダマイズ部122−2により施されるランダマイズ処理は、例えば、欧州地上デジタル放送(DVB−T)において採用されている15次のPRBS(Pseudorandom Binary Sequence)系列を乗じるものなどとされる。
【0172】
ステップS23において、誤り訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2のそれぞれは、入力されたデータに対する誤り訂正符号化を行う。ここで行われる誤り訂正符号化は、例えば、LDPC(Low Density Parity Check)符号化とBCH符号化の組み合わせによるものなどとされる。勿論、リードソロモン符号化、畳み込み符号化などが用いられるようにしてもよい。さらに、誤り訂正符号化部123−1と誤り訂正符号化部123−2とは、それぞれ別々の方式で誤り訂正符号化を行うようにしてもよい。
【0173】
ステップS24において、ビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2のそれぞれは、ビットインターリーブを行う。
【0174】
このとき、例えば、LDPC符号のパリティビットを、他のパリティビットの位置にインターリーブするパリティインターリーブが行われる。また、パリティインターリーブ後のLDPC符号を、カラムツイストインターリーブするなどの処理が行われる。
【0175】
ステップS25において、カラーマッピング部125は、ビットインターリーバ124−1から出力されたデータと、ビットインターリーバ124−2から出力されたデータとを多重化する。そして、カラーマッピング部125は、多重化されたデータを、色にマッピングする。
【0176】
このとき、色へのマッピングは、例えば、RGB、YCbCrなど、色のベクトル表現方式を定め、それぞれの基底ベクトルごとに2段階の濃度/輝度を定義することなどにより行われる。また、データの多重化は、図5に示されるように、空間多重化されたり、図6に示されるように、周波数多重化されたり、図8に示されるように、階層多重化されることにより行われる。あるいはまた、ブロック多重化が行われるようにしてもよいし、ベクトル多重化方式が用いられるようにしてもよい。
【0177】
ステップS26において、スペースインターリーブが行われる。
【0178】
このとき、上述したように、スペースインターリーバ126が、例えば、図9に示されるように、ランダムインターリーブ方式でのデータの並べ替えを行う。あるいはまた、図10に示されるような再帰的ランダムインターリーブ方式のアドレステーブルが用いられて、データの並べ替えが行われる。
【0179】
ステップS27において、パイロット挿入部127は、スペースインターリーバ126の処理を経て出力されたデータに、図1を参照して上述したパイロットに対応するデータを挿入する。なお、上述したように、パイロットにデータが重畳されるようにしてもよい。
【0180】
ステップS28において、制御情報挿入部128は、制御情報、端部シンボルを挿入する。
【0181】
このとき、上述したように、例えば、カラーセルのサイズ、カラーセルに使用する色の数が制御情報に含められる。また、ステップS27の処理でパイロット挿入部127が採用(選択)したパイロットの色、図形、印刷位置などのパターン、さらに、パイロットにデータを重畳する場合の重畳方式などが制御情報に含められる。さらに、ステップS23の処理で、誤り訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2が採用(選択)した誤り訂正方式、スペースインターリーバ126が採用(選択)したインターリーブ方式等が制御情報に含められる。
【0182】
そして、制御情報挿入部128は、これらの情報を含めて制御情報とし、その制御情報のデータをステップS27の処理によりパイロット挿入部127から出力されたデータに挿入する。なお、制御情報も、所定の誤り訂正符号化処理が施され、白色または黒色へのカラーマッピングがされ、空間的にインターリーブ(並べ替え)される。
【0183】
また、ステップS28においては、図1を参照して上述した端部シンボル22−1乃至端部シンボル22−3を印刷するためのデータも、制御情報挿入部128により挿入される。
【0184】
ステップS29において、データ記録部129−1乃至データ記録部129−3は、ステップS28の処理の結果、出力されたデータに基づいて、例えば、紙などの媒体に画像を印刷する。
【0185】
このようにしてデータが記録される。
【0186】
次に、図14のフローチャートを参照して、本発明の読み取り装置200による読み取り処理の例について説明する。
【0187】
ステップS51において、画像取得部221−1乃至画像取得部221−3は、例えば、媒体の紙面の画像を取得する。このとき、例えば、ノイズ除去や色補正のための画像処理が施されるようにしてもよい。ここで、取得した画像に基づいて、例えば、紙面の全座標位置に対応付けられた色を表すデータが出力される。
【0188】
ステップS52において、制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3は、制御情報を再生する。このとき、ステップS51の処理の結果出力されたデータに基づいて、制御情報が読み出され、例えば、図1に示される制御情報21の白色または黒色の図形にマッピングされたデータを特定し、逆インターリーブ、誤り訂正の処理などを施して、制御情報が再生される。
【0189】
これにより、例えば、カラーセルのサイズ、カラーセルに使用する色の数が特定される。また、パイロットの色、図形、印刷位置などのパターン、パイロットにデータが重畳される場合の重畳方式、誤り訂正方式、インターリーブ方式等が特定される。
【0190】
ステップS53において、制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3は、媒体のサイズを特定し、座標位置を補正する。
【0191】
このとき、制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3により、紙面の端部に印刷された端部シンボルの座標位置が特定され、紙面の大きさが特定されるとともに、座標位置の補正などが行われる。
【0192】
ステップS54において、等化処理部223は、等化処理を行う。
【0193】
すなわち、図12を参照して上述したような、パイロットを用いたカラーセルの色の補正が行われる。なお、等化処理においては、ステップS52の処理の結果特定されたパイロットの色、図形、印刷位置などのパターンなどが参照されることになる。
【0194】
また、3つの制御情報処理部(制御情報処理部222−1乃至制御情報処理部222−3)からデータが供給される場合、等化処理部223は、例えば、3つのデータを平均するなどして合成して等化処理を行う。
【0195】
ステップS55において、逆スペースインターリーバ224は、逆スペースインターリーブを行う。
【0196】
すなわち、ステップS55では、逆スペースインターリーバ224が、図13のステップS26の処理でスペースインターリーバ126により並べ替えられたデータを元に戻す処理を行う。
【0197】
ステップS56において、逆カラーマッピング部225は、逆カラーマッピングを行うとともに、多重化されたデータを分離する。
【0198】
すなわち、逆カラーマッピング部225は、各カラーセルから得られた色のデータを、予め定められた方式でデジタルデータに変換する。また、逆カラーマッピング部225は、多重されたデータAとデータBを分離する処理を行う。
【0199】
なお、ステップS56で逆カラーマッピング部225により行われる処理は、図13のステップS25でカラーマッピング部125により行われた処理の逆演算となる。
【0200】
ステップS57において、逆ビットインターリーバ226−1および逆ビットインターリーバ226−2は、逆ビットインターリーブを行う。
【0201】
すなわち、ステップS57では、逆ビットインターリーバ226−1および逆ビットインターリーバ226−2が、図13のステップS24でビットインターリーバ124−1およびビットインターリーバ124−2により行われた処理の逆演算を行う。
【0202】
ステップS58において、誤り訂正復号部227−1および誤り訂正復号部227−2は、図13のステップS23で訂正符号化部123−1および誤り訂正符号化部123−2により行われた誤り訂正符号化に対応する復号の処理を行う。なお、復号の処理においては、ステップS52の処理の結果特定された誤り訂正方式が参照されることになる。
【0203】
ステップS59において、逆ランダマイズ部228−1および逆ランダマイズ部228−2は、逆ランダマイズする。
【0204】
すなわち、ステップS59で逆ランダマイズ部228−1および逆ランダマイズ部228−2により行われる処理は、図13のステップS22でランダマイズ部122−1およびランダマイズ部122−2により行われた処理の逆演算となる。
【0205】
ステップS60において、逆ブロック化部229−1および逆ブロック化部229−2は、逆ブロック化を行う。
【0206】
すなわち、ステップS60では、逆ブロック化部229−1および逆ブロック化部229−2が、ステップS21でブロック化部121−1およびブロック化部121−2により行われた処理の逆演算を行う。
【0207】
ステップS61において、逆ブロック化部229−1および逆ブロック化部229−2は、ステップS60の処理の結果得られたデータ(例えば、データAとデータB)を出力する。
【0208】
このようにして読み取り処理が行われる。
【0209】
例えば、カラー印刷では印刷物が時間の経過とともに退色してしまうことがある。すなわち、白黒2値の記録では問題にならない程度の退色であっても、カラーセルではデータが再生できなくなる場合がある。
【0210】
カラーセルを用いて大容量のデータを簡単に記録し、読み取らせることができるようにするためには、このような退色があっても正しくデータを再生する必要がある。また、例えば、記録すべきデータが紙面などに印刷された場合、紙面を大切に保存していても、局所的にシミやキズなどが生じ易い。このようなシミやキズなどによるデータの破損を事後的に回復することは難しい。従来の技術では、このような問題を解決できなかった。
【0211】
本発明では、図13を参照して上述したように記録処理が実行され、図14を参照して上述したように読み取り処理が実行されるようにしたので、上述のような問題を解決することができる。
【0212】
例えば、記録装置100がパイロットを挿入して、データを記録し、読み取り装置200がパイロットを用いたカラーセルの色の補正を行うことにより、退色があっても正しくデータを再生することが可能となる。
【0213】
また、記録装置100がスペースインターリーブを行い、読み取り装置200が逆スペースインターリーブを行うことにより、シミやキズなどによるデータの破損があっても、事後的に回復できる可能性が高くなる。
【0214】
さらに、ビットインターリーブや誤り訂正符号などを用いることで読み出されたデータの信頼性をさらに高めることもできる。
【0215】
また、各種の多重化を行うことにより、複数の情報を、カラーセルを用いて1枚の媒体上に記録することができ、効率のよい記録再生システムを実現できる。
【0216】
以上においては、記録装置100により紙などの媒体に印刷されることでデータが記録される場合の例について説明したが、例えば、媒体をディスプレイなどとし、ディスプレイに表示された画像を読み取り装置200が読み取るようにしてもよい。
【0217】
すなわち、本発明によるデータの記録は、印刷によるものに限られず、画像として表示されるものであればよい。
【0218】
また、以上においては、本発明のデータ記録方式で記録されたデータの画像は、主に静止画像として表示されるものであることを前提として説明したが、例えば、動画像の中の1フレームとして表示される画像とすることも可能である。
【0219】
あるいはまた、記録装置100が、記録するデータに対応する画像をJPEG方式などにより符号化した画像データとして出力し、読み取り装置200が、その画像データを再生して記録されたデータを読み取るようにしてもよい。
【0220】
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフ
トウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータにネットワークや記録媒体からインストールされる。また、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図15に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ700などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0221】
図15において、CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0222】
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
【0223】
入出力インタフェース705には、キーボード、マウスなどよりなる入力部706、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部707が接続されている。また、入出力インタフェース705には、ハードディスクなどより構成される記憶部708、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部709が接続されている。通信部709は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0224】
入出力インタフェース705にはまた、必要に応じてドライブ710が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711が適宜装着されている。そして、それらのリムーバブルメディアから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
【0225】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア711などからなる記録媒体からインストールされる。
【0226】
なお、この記録媒体は、図15に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア711により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
【0227】
なお、本明細書において上述した一連の処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0228】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0229】
100 記録装置, 121−1,121−2 ブロック化部, 122−1,122−2 ランダマイズ部, 123−1,123−2 誤り訂正符号化部, 124−1,124−2 ビットインターリーバ, 125 カラーマッピング部, 126 スペースインターリーバ, 127 パイロット挿入部, 128 制御情報挿入部, 129−1乃至129−3 データ記録部, 200 読み取り装置, 221−1乃至221−3 画像取得部, 222−1乃至222−3 制御情報処理部, 223 等化処理部, 224 逆スペースインターリーバ, 225 逆カラーマッピング部, 226−1,226−2 逆ビットインターリーバ, 227−1,227−2 誤り訂正復号部, 228−1,228−2 逆ランダマイズ部, 229−1,229−2 逆ブロック化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された画像において、前記2次元空間に空間的に分散されて配置された前記カラーセルを並び替える逆スペースインターリーブを行う逆スペースインターリーブ手段と、
前記カラーセルが並べ替えられた画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号する色復号手段と
を備えるデータ読み取り装置。
【請求項2】
前記逆スペースインターリーブ手段は、階層的ランダムインターリーブ方式により空間的に分散されて配置された前記カラーセルを並び替える
請求項1に記載のデータ読み取り装置。
【請求項3】
前記2次元空間の各座標位置に対応する色のデータは、複数の要素データが多重化された多重化データとされ、
前記色復号手段は、
前記多重化データから前記要素データを分離する
請求項1に記載のデータ読み取り装置。
【請求項4】
前記複数の要素データは、前記画像が表示される2次元空間を分割することにより多重化されている
請求項3に記載のデータ読み取り装置。
【請求項5】
前記複数の要素データは、前記画像が表示される2次元空間における前記カラーセルの色の変化に対応する周波数により多重化されている
請求項3に記載のデータ読み取り装置。
【請求項6】
前記複数の要素データは、同一の前記カラーセル上に複数の色を合成することにより多重化されている
請求項3に記載のデータ読み取り装置。
【請求項7】
前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形からなる制御情報を復号する制御情報復号手段をさらに備え、
前記制御情報に含まれる情報に基づいて、前記逆インターリーブおよび前記色復号の処理が実行される
請求項1に記載のデータ読み取り装置。
【請求項8】
前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理を行う等化処理手段をさらに備える
請求項1に記載のデータ読み取り装置。
【請求項9】
画像取得手段が、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得し、
逆スペースインターリーブ手段が、前記取得された画像において、前記2次元空間に空間的に分散されて配置された前記カラーセルを並び替える逆スペースインターリーブを行い、
色復号手段が、前記カラーセルが並べ替えられた画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号するステップ
を含むデータ読み取り方法。
【請求項10】
コンピュータを、
所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された画像において、前記2次元空間に空間的に分散されて配置された前記カラーセルを並び替える逆スペースインターリーブを行う逆スペースインターリーブ手段と、
前記カラーセルが並べ替えられた画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号する色復号手段とを備えるデータ読み取り装置として機能させる
プログラム。
【請求項11】
入力されたデジタルデータを、色および前記色の濃さに対応させて符号化する色符号化手段と、
前記色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを、2次元空間に配置する際に空間的に分散させるように並び替えるスペースインターリーブを行うスペースインターリーブ手段と、
前記スペースインターリーブされたデータを、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルとして2次元空間に表示することで、前記入力されたデジタルデータを記録する記録手段と
を備えるデータ記録装置。
【請求項12】
所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得する画像取得手段と、
前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理を行う等化処理手段と、
前記カラーセルの色が補正された画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号する色復号手段と
を備えるデータ読み取り装置。
【請求項13】
前記2次元空間の各座標位置に対応する色のデータは、複数の要素データが多重化された多重化データとされ、
前記色復号手段は、
前記多重化データから前記要素データを分離する
請求項12に記載のデータ読み取り装置。
【請求項14】
前記複数の要素データは、前記画像が表示される2次元空間を分割することにより多重化されている
請求項13に記載のデータ読み取り装置。
【請求項15】
前記複数の要素データは、前記画像が表示される2次元空間における前記カラーセルの色の変化に対応する周波数により多重化されている
請求項13に記載のデータ読み取り装置。
【請求項16】
前記複数の要素データは、前記カラーセルの色を合成することにより多重化されている
請求項13に記載のデータ読み取り装置。
【請求項17】
前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された白色または黒色の予め定められた形状および大きさの図形からなる制御情報を復号する制御情報復号手段をさらに備え、
前記制御情報に含まれる情報に基づいて、前記等化処理および前記色復号の処理が実行される
請求項12に記載のデータ読み取り装置。
【請求項18】
画像取得手段が、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得し、
等化処理手段が、前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理を行い、
色復号手段が、前記カラーセルの色が補正された画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号するステップ
を含むデータ読み取り方法。
【請求項19】
コンピュータを、
所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセルを2次元空間内に配置した画像を取得する画像取得手段と、
前記画像が表示される前記2次元空間の予め定められた位置に表示された予め定められた色、形状および大きさの図形として構成されるパイロットの色に基づいて、前記カラーセルの色を補正する等化処理を行う等化処理手段と、
前記カラーセルの色が補正された画像を、2次元空間の各座標位置に対応する色のデータとして解析することで前記カラーセルの色および前記色の濃さに対応させて符号化されたデータを復号する色復号手段とを備えるデータ読み取り装置として機能させる
プログラム。
【請求項20】
入力されたデジタルデータを、色および前記色の濃さに対応させて符号化する色符号化手段と、
前記符号化されたデータに基づいて、前記濃さの色の画像を2次元空間に配置する際に、予め定められた座標位置に予め定められた所定の濃さの色を有する所定の形状および大きさの図形として表示されるパイロットが挿入されるように、前記符号化されたデータに前記パイロットのデータを挿入するパイロット挿入手段と、
前記パイロットのデータが挿入された前記符号化されたデータを、所定の濃さの色の予め定められた形状および大きさの図形として構成されるカラーセル並びに前記パイトッロからなる画像として2次元空間に表示することで、前記入力されたデジタルデータを記録する記録手段と
を備えるデータ記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−159229(P2011−159229A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22373(P2010−22373)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】