説明

データ送信装置及びデータ転送装置並びにデータ転送方法

【課題】ビット欠けが発生せずデータ受信装置に適した周波数でシリアルデータ転送できるようにする。
【解決手段】転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号5を受け、このデータ転送サイクル信号5からストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスにより連続してデータを受信するデータ受信装置に向けて、送信クロックに同期させてデータ転送サイクル信号5を送信するとともに、このデータ転送サイクル信号5に同期させてデータを連続して送信するデータ送信装置1において、データ送信装置1は、制御部2により、データ受信装置の受信クロックの周波数情報に基づいて、データを転送する一区間を示すデータ転送サイクル内に予め定めた数以上の受信クロックのクロック数が入るようにデータ転送サイクル幅4を決定し、送信部3により、制御部2が決定したデータ転送サイクル幅4を有するデータ転送の一区間内で一のデータを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ送信装置及びデータ転送装置並びにデータ転送方法に関し、クロックに基づいてデータを送受信するデータ送信装置及びデータ転送装置並びにデータ転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ転送装置は、データ送信装置とデータ受信装置とを有し、データ送信装置が送信クロックに基づいてデータを送信し、データ受信装置が受信クロックに基づいてデータ送信装置が送信したデータを受信している。
【0003】
図4に、データ転送装置によるデータのシリアル転送に関するタイムチャートの一例を示す。
【0004】
図4に示すように、データ送信装置15は、送信クロック(Snd−CLK)に同期したストローブ信号(STB信号:データ転送サイクル信号)を発生し、このSTB信号のサイクルの区間(すなわち、データ転送サイクル幅:例えば、4CLK幅)で一ビットのデータを送信する。そして、このSTB信号に同期させて一ビットのデータを連続して送信することによりシリアルデータを送信する。
【0005】
データ受信装置16は、STB信号の一サイクル内に、例えば8個のCLKが入るような周波数の受信クロック(Rcv−CLK)を発生し、この受信クロックに同期してSTB信号を受ける。そして、データ受信装置16は、同期化用のフリップフロップ(F/F)を例えば3個備え、この受信クロックに同期して受けたSTB信号が“ハイ”のとき一番目のF/FでSTBF0信号を立ち上げる。そして、次の受信クロックに同期して二番目のF/FでSTBF1信号を立ち上げ、その次の受信クロックに同期して三番目のF/FでSTBF2信号を立ち上げる。続けて、受信クロックに同期して受けたSTB信号が“ロウ”のとき一番目のF/FでSTBF0信号を立ち下げる。そして、次の受信クロックに同期して二番目のF/FでSTBF1信号を立ち下げ、その次の受信クロックに同期して三番目のF/FでSTBF2信号を立ち下げる。
【0006】
このようにして、3個のF/Fにより、受信クロックの一周期ずつ遅れたSTB信号をそれぞれ再現する。そして、再現した2つ目のSTB信号(STBF1信号)の立ち上がりと3つ目のSTB信号(STBF2信号)の立ち上がりの区間でストローブパルス(STBpulse)を繰り返して作成する。このストローブパルスをストローブ信号としてデータ送信装置15が送信した一ビットのデータを繰り返して獲得することによりシリアルデータを受けるようにしている。
【0007】
このように、データ受信装置16は、受信クロックに同期させて、STB信号を再現し、この再現したSTB信号に基づき作成したストローブパルスをストローブ信号としてシリアルデータを受けるようにしている。
【0008】
このため、データ受信装置16の受信クロックの周波数が遅い場合には、再現されたSTB信号により作成したストローブパルスとデータ送信装置15が送信したSTB信号で受けるべき一ビットデータのタイミングにズレが発生する可能性がある。例えば、図5(図4で示すタイムチャートにおいて受信クロックを遅くした場合の一例を示す図)に示すように、データ送信装置15が送信したストローブ信号(STB信号)のデータ転送サイクル幅に入る受信クロックのクロック数が少ない場合(図5の場合は2個)には、データ送信装置15が送信したSTB信号に対応した一ビットデータが正常に受けられなくなる。この場合は、最初のストローブパルスで受けるべきbit0が受けられず、bit1が受かることになる。すなわち、シリアルデータのbit0が受けられない。このため、受信すべきシリアルデータにビット欠けが発生し、正常なデータ転送ができなくなるという問題が発生する。
【0009】
このような問題を解決する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1記載のシリアルデータ通信システムは、図6に示すように、送信データを送信するデータ送信部17と、データ送信部17が送信した送信データを受信クロックに基づいて受信するデータ受信部18とを有する。
【0010】
データ受信部18は、受信クロックの周期を逓倍した周期をもつ同期クロックを生成し生成した同期クロックをデータ送信部17に送信する。また、受信した送信データと受信クロックの位相が同期しているか否かを判定する位相判定信号を生成し生成した位相判定信号をデータ送信部17に送信する。一方、データ送信部17は、同期クロックと位相判定信号をデータ受信部18より受ける。そして、データ送信部17は、受信クロックの周波数よりも十分高速な高周波クロックを生成し、データ受信部18より受けた同期クロックと位相判定信号を用いて、受信クロックに周波数同期および位相同期した送信データを、高周波クロックに基づいて生成しこの生成した送信データをデータ受信部18に送信する。
【0011】
このため、送信データが受信クロックに周波数同期および位相同期しているので、データ受信部18は、送信データを同期して受信することになる。このため、受信したシリアルデータにビット欠けが発生せず正常なデータ転送ができる。
【0012】
しかし、特許文献1記載のシリアルデータ通信システムは、上記した問題を解決するために、データ受信部18に、同期クロックを生成する回路、送信データと受信クロックの位相が同期しているか否かを判定し位相判定信号を出力する位相判定回路等が必要である。また、データ送信部17に、同期クロックと位相判定信号を用いて受信クロックに周波数同期および位相同期した送信データを生成する回路等が必要である。このため、特許文献1記載のシリアルデータ通信システムは、構成が複雑であり高価になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−99228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した特許文献1記載のシリアルデータ通信システムは、シリアルデータにビット欠けが発生せず正常なデータ転送ができるようにするために、データ送信部及びデータ受信部に各種の回路等が必要になる。このため、特許文献1記載のシリアルデータ通信システムは、構成が複雑であり高価になるという問題がある。
【0015】
本発明の目的は、上記課題を解決するデータ送信装置及びデータ転送装置並びにデータ転送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1のデータ送信装置は、受信クロックに基づいて、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号を受け、このデータ転送サイクル信号からストローブパルスを繰り返して発生し、このストローブパルスを用いて連続して前記データを受信するデータ受信装置に向けて、送信クロックに同期させて前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、このデータ転送サイクル信号に同期させて前記データを連続して送信するデータ送信装置において、
前記データ送信装置は、
前記データ受信装置の前記受信クロックの周波数情報に基づいて、前記データを転送する一区間を示す前記データ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定する制御部と、
前記制御部が決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信する送信部と、を備えている。
【0017】
本発明のデータ転送方法は、データ送信装置により、データ受信装置の受信クロックの周波数情報に基づいてデータを転送する一区間を示すデータ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定し、
前記データ送信装置により、前記決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信しつつ、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号に同期させて、前記データを連続して前記データ受信装置に送信し、
データ受信装置により、受信クロックに基づいて、データ転送サイクル信号をデータ送信装置から受け、このデータ転送サイクル信号のサイクル毎にストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスを用いて連続して前記データをデータ送信装置から受信するようにしている。
【0018】
本発明の第2のデータ送信装置は、受信クロックに基づいて、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号を受け、このデータ転送サイクル信号からストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスを用いて連続して前記データを受信するデータ受信装置に向けて、送信クロックに同期させて前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、このデータ転送サイクル信号に同期させて前記データを連続して送信するデータ送信装置において、
前記データ受信装置の前記受信クロックの周波数情報に基づいて、前記データを転送する一区間を示す前記データ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定する上位装置と、
前記上位装置が決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信する送信部を有する前記データ送信装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡単な構成により、ビット欠けが発生せずデータ受信装置に適した周波数でシリアルデータ転送できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデータ送信装置の一例を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るデータ転送装置の一例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】関連技術におけるデータ転送装置によるデータのシリアル転送に関するタイムチャートの一例を示す図である。
【図5】図4で示すタイムチャートにおいて受信クロックを遅くした場合の一例を示す図である。
【図6】関連技術におけるシリアルデータ通信システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ送信装置の一例を示す図である。
【0022】
本実施の形態に係るデータ送信装置1は、受信クロックに基づいてデータを受信するデータ受信装置に向けて、送信クロックに基づいてデータを送信する。このデータ送信装置1は、制御部2と、送信部3とにより構成する。
【0023】
データ受信装置は、例えば、背景技術の欄で記載した図4、図5で示すタイムチャートでデータを受信するデータ受信装置である。すなわち、データ受信装置は、受信クロックに基づいて、データを転送するサイクルが連続して示されたデータ転送サイクル信号5(図4のSTB信号)をデータ送信装置1から受け、この受けた信号のサイクル毎にストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスにより連続してデータをデータ送信装置1から受信する装置である。
【0024】
データ送信装置1の制御部2は、データ受信装置の受信クロックの周波数情報に基づいて、データを転送する一区間を示すデータ転送サイクル内に予め定めた数(例えば、8個)以上の受信クロックのクロック数が入るようにデータ転送サイクルの幅4を決定する。この予め定めた数は、図4で示したタイムチャートで受信するデータ受信装置がビット欠けを発生せずにシリアルデータを受信可能な数である。この予め定めた数はシステムにより適宜予め決定して良い。
【0025】
データ送信装置1の送信部3は、制御部2が決定したデータ転送サイクル幅4を有するデータ転送の一区間内で一データを送信する。このとき、送信部3は、送信クロックに同期させて、データを転送するサイクル信号を示すデータ転送サイクル信号5(図4のSTB信号)を送信するとともに、このデータ転送サイクル信号5に同期させてデータを連続して送信する。データ転送サイクル信号5は、連続してデータを転送するときの、データ転送の一区間(一サイクル)を繰り返して示した信号である。
【0026】
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、制御部2により、データを転送する一区間を示すデータ転送サイクル内に予め定めた数(例えば、8個)以上の受信クロックのクロック数が入るようにデータ転送サイクルの幅を決定する。そして、送信部3は、制御部2が決定したデータ転送サイクル幅4を有するデータ転送の一区間内で一データを送信する。そして、送信部3は、送信クロックに同期させて、データ転送サイクル信号5を送信するとともに、この信号に同期させてデータを連続して送信する。このとき、データ受信装置は、受信クロックに基づいて、データ転送サイクル信号5をデータ送信装置1から受け、この信号のサイクル毎にストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスにより連続してデータを受信する。したがって、本発明の実施の形態によれば、データ転送サイクル内に予め定めた数(例えば、8個)以上の受信クロックのクロック数が入るようにデータ転送サイクルの幅を決定して、データ受信装置にデータを送信する。
【0027】
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、上記のような簡単な構成により、データ受信装置にビット欠けを発生させずにシリアルデータを送信することができる。そして、データ受信装置の受信クロックのままで、すなわち、データ受信装置に適した周波数のままで、シリアルデータを送信することができる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るデータ転送装置の一例を示す図である。
【0028】
本実施の形態に係るデータ転送装置6は、データ送信装置7と、データ受信装置8とを備える。
【0029】
データ送信装置7は、送信クロックに基づいてデータを送信する。データ受信装置8は、受信クロックに基づいてデータ送信装置7が送信したデータを受信する。
【0030】
データ受信装置8は、例えば、背景技術の欄で記載した図4、図5で示すタイムチャートでデータを受信するデータ受信装置8である。すなわち、データ受信装置8は、受信クロックに基づいて、データ転送サイクル信号5(図2のSTB信号)をデータ送信装置7から受け、この受けた信号のサイクル毎にストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスにより連続してデータをデータ送信装置7から受信する装置である。
【0031】
データ送信装置7は、制御部9と、送信部10とを有する。
【0032】
送信部10は、受信クロック周波数検出部13と、データ転送サイクル幅設定部12と、データ送信部11とを備える。
【0033】
送信部10の受信クロック周波数検出部13は、受信クロックの周波数情報をデータ受信装置8から検出し制御部9に出力する。
【0034】
制御部9は、受信クロック周波数検出部13から受信クロックの周波数情報を受け、この周波数情報に基づいてデータを転送する一区間を示すデータ転送サイクル内に予め定めた数(例えば、8個)以上の受信クロックのクロック数が入るようにデータ転送サイクルの幅を決定する。尚、制御部9は、受信クロックの周波数情報をデータ送信装置7の外部からの操作により取得しこの取得した周波数情報に基づいてデータ転送サイクル幅4を決定しても良い。
【0035】
送信部10のデータ転送サイクル幅設定部12は、制御部9が決定したデータ転送サイクル幅4をデータ送信部11に設定する。
【0036】
送信部10のデータ送信部11は、データ転送サイクル幅設定部12が設定したデータ転送サイクル幅4を有するデータ転送の一区間内で一ビットのデータを送信する。このとき、データ送信部11は、送信クロックに同期させてデータ転送サイクル信号5をデータ受信装置8に送信するとともに、このデータ転送サイクル信号5に同期させてデータを連続してデータ受信装置8に送信する。
【0037】
図3は、本実施の形態に係るデータ転送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図3のステップS1では、送信部10の受信クロック周波数検出部13が、データ受信装置8から受信クロックの周波数情報を検出し制御部9に出力する。
【0039】
図3のステップS2では、制御部9が、受信クロック周波数検出部13から周波数情報を受け、この周波数情報に基づいてデータを転送する一区間を示すデータ転送サイクル内に予め定めた数(例えば、8個)以上の受信クロックのクロック数が入るようにデータ転送サイクルの幅を決定する。この予め定めた数は、図4で示したタイムチャートで受信するデータ受信装置8がビット欠けを発生せずにシリアルデータを受信可能な数である。この予め定めた数はシステムにより適宜予め決定して良い。
【0040】
図3のステップS3では、送信部10のデータ転送サイクル幅設定部12が、制御部9が決定したデータ転送サイクル幅4をデータ送信部11に設定する。
【0041】
図3のステップS4では、送信部10のデータ送信部11が、データ転送サイクル幅設定部12が設定したデータ転送サイクル幅4を有するデータ転送の一区間内で一ビットのデータを送信する。このとき、データ送信部11は、送信クロックに同期させてデータ転送サイクル信号5をデータ受信装置8に送信する。そして、このデータ転送サイクル信号5に同期させて、データを連続的にシリアルデータとしてデータ受信装置8に送信する。データ転送サイクル信号5は、連続してデータを転送するときの、データ転送の一区間(一サイクル)を繰り返して示した信号である。
【0042】
図3のステップS5では、背景技術の欄で図4に関して記載したように、データ受信装置8が、受信クロック(図4のRcv−CLK)に基づいて、データ転送サイクル信号5(図4のSTB信号)をデータ送信装置7から受ける。このデータ転送サイクル信号5の一サイクルの幅は、ステップS2で、一サイクル内に受信クロックの数が予め定めた数(例えば、8個)以上入るように決定されている。
【0043】
すなわち、データ受信装置8は、データ転送サイクル信号5の一サイクル内に、予め定めた数(例えば8個)のクロックが入るような周波数の受信クロックに同期してデータ転送サイクル信号5を受ける。
【0044】
図3のステップS6では、背景技術の欄で図4に関して記載したように、データ受信装置8は、このデータ転送サイクル信号5のサイクル毎にストローブパルス(図4のSTBpulse)を繰り返して発生しこのストローブパルスにより連続してデータをデータ送信装置7から受信する。例えば3個のF/Fにより、受信クロックの一周期ずつ遅れたデータ転送サイクル信号5をそれぞれ再現する。そして、再現したこれらのデータ転送サイクル信号5(STBF1信号)に基づき、ストローブパルスを作成する。このストローブパルスをストローブ信号としてデータ送信装置7が送信した一ビットのデータを獲得し、これを、連続して受信することによりシリアルデータを受ける。
【0045】
したがって、本発明の第2の実施の形態によれば、データ送信装置7により、データ転送サイクル内に予め定めた数(例えば、8個)以上の受信クロックのクロック数が入るようにデータ転送サイクルの幅を決定して、データ受信装置8にデータを送信する。そして、データ受信装置8は、データ受信装置8の受信クロックに基づいて、データ転送サイクル信号5のサイクル毎にストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスにより連続してシリアルデータをデータ送信装置7から受信する。このため、データ受信装置8は、データ転送サイクル内に予め定めた数以上の受信クロックのクロック数が入ったデータ転送サイクル信号5でデータを受信する。
【0046】
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、上記のような簡単な構成により、データ受信装置8にビット欠けを発生させずにシリアルデータを送信することができる。そして、データ受信装置8の受信クロックのままで、すなわち、データ受信装置8に適した周波数のままで、シリアルデータを送信することができる。
【0047】
尚、以上の説明では、一つの送信部を有するデータ送信装置7とこれに対応する一つのデータ受信装置の場合について記載している。しかし、送信部及びデータ受信装置をそれぞれ複数にし、複数の送信部に複数のデータ受信装置をそれぞれ対応させるようにしても良い。すなわち、データ送信装置の制御部は、複数のデータ受信装置の受信クロックの各周波数情報に基づいて、複数のデータ受信装置にそれぞれ対応する複数のデータ転送サイクル幅を決定する。そして、データ送信装置の複数の送信部は、制御部が決定した複数のデータ転送サイクル幅をそれぞれ有する、データ転送のそれぞれの一区間内で一のデータを複数のデータ受信装置にそれぞれ送信するようにしても良い。
【0048】
また、以上の説明では、データ送信装置内に制御部があり、この制御部が、データ受信装置の受信クロックの周波数情報に基づいて、データ転送サイクル内に予め定めた数以上の受信クロックのクロック数が入るようにデータ転送サイクルの幅を決定する等の動作を行っている。しかし、データ送信装置をこの装置の外部にある上位装置に接続し、制御部の代わりにこの上位装置に制御部の機能を実行させるようにしても良い。
【0049】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0050】
(付記1)
受信クロックに基づいて、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号を受け、このデータ転送サイクル信号からストローブパルスを繰り返して発生し、このストローブパルスを用いて連続して前記データを受信するデータ受信装置に向けて、送信クロックに同期させて前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、このデータ転送サイクル信号に同期させて前記データを連続して送信するデータ送信装置において、
前記データ送信装置は、
前記データ受信装置の前記受信クロックの周波数情報に基づいて、前記データを転送する一区間を示す前記データ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定する制御部と、
前記制御部が決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信する送信部と、
を備えたことを特徴とするデータ送信装置。
【0051】
(付記2)
前記送信部は、
前記受信クロックの前記周波数情報を前記データ受信装置から検出しこの検出した前記周波数情報を前記制御部に出力する受信クロック周波数検出部を備え、
前記制御部は、前記受信クロック周波数検出部から前記周波数情報を受け、この周波数情報に基づいて前記データ転送サイクル幅を決定する、
ことを特徴とするデータ送信装置。
【0052】
(付記3)
前記制御部は、
前記受信クロックの前記周波数情報を前記データ送信装置の外部からの操作により取得しこの取得した周波数情報に基づいて前記データ転送サイクル幅を決定する、
ことを特徴とするデータ送信装置。
【0053】
(付記4)
前記送信部は、前記送信クロックに同期をとりながら前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、前記データ転送サイクル信号の一サイクルの区間に一ビットのデータを送信することを特徴とするデータ送信装置。
【0054】
(付記5)
前記送信部は、
前記制御部が決定した前記データ転送サイクル幅を設定するデータ転送サイクル幅設定部と、
前記データ転送サイクル幅設定部が設定した前記データ転送サイクル幅に基づき前記データを送信するデータ送信部と、
を備えたことを特徴とするデータ送信装置。
【0055】
(付記6)
前記データ送信装置と、このデータ送信装置の送信した前記データを受信する前記データ受信装置と有し、
前記データ受信装置は、前記受信クロックに同期させて、前記送信部が送信した前記データ転送サイクル信号から前記ストローブパルスを発生し、このストローブパルスを用いて前記送信部が送信した前記データを取得するようにしたこと、
を特徴とするデータ転送装置。
【0056】
(付記7)
前記データ受信装置を複数有し、
前記データ送信装置は、複数の前記データ受信装置の前記受信クロックの各周波数情報に基づいて、複数の前記データ受信装置にそれぞれ対応する複数の前記データ転送サイクル幅を決定する前記制御部と、
前記制御部が決定した複数の前記データ転送サイクル幅をそれぞれ有する前記データ転送のそれぞれの前記一区間内で一の前記データを複数の前記データ受信装置にそれぞれ送信する、複数の前記データ受信装置にそれぞれ対応した複数の前記送信部と、
を備えたことを特徴とするデータ転送装置。
【0057】
(付記8)
データ送信装置により、データ受信装置の受信クロックの周波数情報に基づいてデータを転送する一区間を示すデータ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定し、
前記データ送信装置により、前記決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信しつつ、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号に同期させて、前記データを連続して前記データ受信装置に送信し、
データ受信装置により、受信クロックに基づいて、データ転送サイクル信号をデータ送信装置から受け、このデータ転送サイクル信号のサイクル毎にストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスを用いて連続して前記データをデータ送信装置から受信する、ようにしたことを特徴とするデータ転送方法。
【0058】
(付記9)
受信クロックに基づいて、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号を受け、このデータ転送サイクル信号からストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスを用いて連続して前記データを受信するデータ受信装置に向けて、送信クロックに同期させて前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、このデータ転送サイクル信号に同期させて前記データを連続して送信するデータ送信装置において、
前記データ受信装置の前記受信クロックの周波数情報に基づいて、前記データを転送する一区間を示す前記データ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定する上位装置と、
前記上位装置が決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信する送信部を有する前記データ送信装置と、
を備えたことを特徴とするデータ送信装置。
【0059】
(付記10)
前記送信部は、前記送信クロックに同期をとりながら前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、前記データ転送サイクル信号の一サイクルの区間に一ビットのデータを送信することを特徴とするデータ送信装置。
【0060】
(付記11)
前記送信部は、
前記受信クロックの前記周波数情報を前記データ受信装置から検出し前記上位装置に出力する受信クロック周波数検出部を備え、
前記上位装置は、前記受信クロック周波数検出部から前記周波数情報を受け、この周波数情報に基づいて前記データ転送サイクル幅を決定する、
ことを特徴とするデータ送信装置。
【0061】
(付記12)
前記上位装置は、
前記受信クロックの前記周波数情報を前記データ送信装置の外部からの操作により取得しこの取得した周波数情報に基づいて前記データ転送サイクル幅を決定する、
ことを特徴とするデータ送信装置。
【0062】
(付記13)
前記送信部は、
前記上位装置が決定した前記データ転送サイクル幅を設定するデータ転送サイクル幅設定部と、
前記データ転送サイクル幅設定部が設定した前記データ転送サイクル幅に基づき前記データを送信するデータ送信部と、
を備えたことを特徴とするデータ送信装置。
【0063】
(付記14)
前記データ送信装置と、このデータ送信装置の送信した前記データを受信する前記データ受信装置と有し、
前記データ受信装置は、前記受信クロックに同期させて、前記送信部が送信した前記データ転送サイクル信号から前記ストローブパルスを発生し、このストローブパルスにより前記送信部が送信した前記データを取得するようにしたこと、
を特徴とするデータ転送装置。
【0064】
(付記15)
前記データ受信装置を複数有し、
前記データ送信装置は、複数の前記データ受信装置の前記受信クロックの各周波数情報に基づいて、複数の前記データ受信装置にそれぞれ対応する複数の前記データ転送サイクル幅を決定する前記上位装置と、
前記上位装置が決定した複数の前記データ転送サイクル幅をそれぞれ有する前記データ転送のそれぞれの一区間内で一の前記データを複数の前記データ受信装置にそれぞれ送信する、複数の前記データ受信装置にそれぞれ対応した複数の前記送信部と、
を備えたことを特徴とするデータ転送装置。
【符号の説明】
【0065】
1 データ送信装置
2 制御部
3 送信部
4 データ転送サイクル幅
5 データ転送サイクル信号
6 データ転送装置
7 データ送信装置
8 データ受信装置
9 制御部
10 送信部
11 データ送信部
12 データ転送サイクル幅設定部
13 受信クロック周波数検出部
15 データ送信装置
16 データ受信装置
17 データ送信部
18 データ受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信クロックに基づいて、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号を受け、このデータ転送サイクル信号からストローブパルスを繰り返して発生し、このストローブパルスを用いて連続して前記データを受信するデータ受信装置に向けて、送信クロックに同期させて前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、このデータ転送サイクル信号に同期させて前記データを連続して送信するデータ送信装置において、
前記データ送信装置は、
前記データ受信装置の前記受信クロックの周波数情報に基づいて、前記データを転送する一区間を示す前記データ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定する制御部と、
前記制御部が決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信する送信部と、
を備えたことを特徴とするデータ送信装置。
【請求項2】
前記送信部は、
前記受信クロックの前記周波数情報を前記データ受信装置から検出しこの検出した前記周波数情報を前記制御部に出力する受信クロック周波数検出部を備え、
前記制御部は、前記受信クロック周波数検出部から前記周波数情報を受け、この周波数情報に基づいて前記データ転送サイクル幅を決定する、
ことを特徴とする請求項1記載のデータ送信装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記受信クロックの前記周波数情報を前記データ送信装置の外部からの操作により取得しこの取得した周波数情報に基づいて前記データ転送サイクル幅を決定することを特徴とする請求項1記載のデータ送信装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記送信クロックに同期をとりながら前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、前記データ転送サイクル信号の一サイクルの区間に一ビットのデータを送信することを特徴とする請求項1、2又は3記載のデータ送信装置。
【請求項5】
前記送信部は、
前記制御部が決定した前記データ転送サイクル幅を設定するデータ転送サイクル幅設定部と、
前記データ転送サイクル幅設定部が設定した前記データ転送サイクル幅に基づき前記データを送信するデータ送信部と、
を備えたことを特徴とする請求項4記載のデータ送信装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の前記データ送信装置と、このデータ送信装置の送信した前記データを受信する前記データ受信装置と有し、
前記データ受信装置は、前記受信クロックに同期させて、前記送信部が送信した前記データ転送サイクル信号から前記ストローブパルスを発生し、このストローブパルスを用いて前記送信部が送信した前記データを取得するようにしたこと、
を特徴とするデータ転送装置。
【請求項7】
前記データ受信装置を複数有し、
前記データ送信装置は、複数の前記データ受信装置の前記受信クロックの各周波数情報に基づいて、複数の前記データ受信装置にそれぞれ対応する複数の前記データ転送サイクル幅を決定する前記制御部と、
前記制御部が決定した複数の前記データ転送サイクル幅をそれぞれ有する前記データ転送のそれぞれの前記一区間内で一の前記データを複数の前記データ受信装置にそれぞれ送信する、複数の前記データ受信装置にそれぞれ対応した複数の前記送信部と、
を備えたことを特徴とする請求項6記載のデータ転送装置。
【請求項8】
データ送信装置により、データ受信装置の受信クロックの周波数情報に基づいてデータを転送する一区間を示すデータ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定し、
前記データ送信装置により、前記決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信しつつ、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号に同期させて、前記データを連続して前記データ受信装置に送信し、
データ受信装置により、受信クロックに基づいて、データ転送サイクル信号をデータ送信装置から受け、このデータ転送サイクル信号のサイクル毎にストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスを用いて連続して前記データをデータ送信装置から受信する、ようにしたことを特徴とするデータ転送方法。
【請求項9】
受信クロックに基づいて、連続してデータを転送する転送の一区間を繰り返して示すデータ転送サイクル信号を受け、このデータ転送サイクル信号からストローブパルスを繰り返して発生しこのストローブパルスを用いて連続して前記データを受信するデータ受信装置に向けて、送信クロックに同期させて前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、このデータ転送サイクル信号に同期させて前記データを連続して送信するデータ送信装置において、
前記データ受信装置の前記受信クロックの周波数情報に基づいて、前記データを転送する一区間を示す前記データ転送サイクル内に予め定めた数以上の前記受信クロックのクロック数が入るように前記データ転送サイクルの幅を決定する上位装置と、
前記上位装置が決定した前記データ転送サイクル幅を有する前記データ転送の前記一区間内で一の前記データを送信する送信部を有する前記データ送信装置と、
を備えたことを特徴とするデータ送信装置。
【請求項10】
前記送信部は、前記送信クロックに同期をとりながら前記データ転送サイクル信号を送信するとともに、前記データ転送サイクル信号の一サイクルの区間に一ビットのデータを送信することを特徴とする請求項9記載のデータ送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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