説明

データ通信処理装置

【課題】高額な通信使用料が発生する事態を回避できるとともに、処理を中断することなく、所望の情報を継続して取得できるデータ通信処理装置を提供する。
【解決手段】情報配信サーバ12からネットワーク11を介して所望の情報を取得する通信手段24と、取得した情報を記憶する情報記憶手段21と、情報を取得するための通信使用料を累計する通信使用料累計手段(制御手段13)と、通信使用料の限度額を設定する限度額設定手段(入力手段25)と、通信使用料が限度額に達しているか否かを判定する使用料判定手段20と、通信使用料が限度額に達していると判定された場合、通信手段24による情報配信サーバ12へのアクセスを禁止するアクセス禁止手段(制御手段13)と、前記情報配信サーバへのアクセスが禁止されると情報記憶手段21に記憶されている情報を検索する情報検索手段19と、処理結果を出力する出力手段26を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信処理装置に関し、特に、通信使用料が課される情報配信サーバからネットワークを介して情報を取得するデータ通信処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発展に伴い、携帯電話、カーナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistants)等、無線通信を利用して外部の情報配信サーバにアクセスし、必要な情報を取得して処理するデータ通信処理装置が広く利用されている。例えば、携帯電話やカーナビゲーション装置では、目的地までの経路案内のための最新の地図情報、目的地周辺の最新の施設情報、公共機関の乗り換え案内情報等を情報配信サーバから取得して、所期の目的を達成することができる。
【0003】
ところで、情報配信サーバからこれらの情報を取得する場合、利用者に対して通信使用料が課せられる場合がある。一般に通信使用料の課金方式は、定額制と従量制に大別される。従量制の通信使用料の課金方式としては、情報配信サーバとの接続時間に応じて累計課金するものと、送受信されるデータのパケット量に応じて累計課金するものとに大別することができる。累計された通信使用料は、通常、月単位で利用者に請求されており、通信使用料を正しく認識することなくデータ通信処理装置を使用した場合、利用者の予測を超えた高額な通信使用料が請求されるおそれがある。
【0004】
そこで、通信使用料の高額請求を防止するため、特許文献1(特開平11−289404号公報)では、利用者が限度額を設定し、通信使用料を累計して限度額と比較し、その累計額が限度額を超えている場合、それ以後の通信を禁止するようにしている。
【0005】
また、特許文献2(特開2002−152251号公報)では、送受信されるデータのパケット量を計測して通信使用料を算出し、通信使用料が利用者の指定する限度額に達したとき、その旨を利用者に警告表示するようにしている。
【0006】
さらに、特許文献3(特開2002−202141号公報)では、ETC(Electronic Toll Collection System)の限度額を利用者が設定し、車両が有料道路を利用する前に、累計した利用額と当該有料道路の利用料金とを加算し、加算額が限度額を超える場合、その旨を利用者に報知して警告するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−289404号公報(段落[0039]〜[0046])
【特許文献2】特開2002−152251号公報(図5)
【特許文献3】特開2002−202141号公報(段落[0045]、[0046])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された携帯型通信装置では、限度額を超えた時点で通信が禁止されるため、通信中に処理が中断されてしまうおそれがある。
【0009】
また、特許文献2に開示されたデータ通信処理装置及び記録媒体では、通信使用料が限度額に達した時点で警告表示されるだけであり、利用者が警告を無視して通信を継続すれば、当然に通信使用料が増加してしまう。
【0010】
さらに、特許文献3に開示された車両用ナビゲーション装置及び方法並びに車両用ナビゲーション用ソフトウエアを記録した記録媒体では、加算額が限度額を超える場合、利用者が警告に従ってETCを利用しないという選択肢があるが、特許文献2と同様に、警告を行っているだけであり、警告を無視してETCが選択される可能性もある。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、高額な通信使用料が発生する事態を回避できるとともに、処理を中断することなく、所望の情報を継続して取得できるデータ通信処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、ネットワークを介して情報配信サーバから情報を取得可能なデータ通信処理装置において、前記情報配信サーバから前記ネットワークを介して所望の情報を取得する通信手段と、取得した前記情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報を取得するための通信使用料を累計する通信使用料累計手段と、前記通信使用料の限度額を設定する限度額設定手段と、累計された前記通信使用料を前記限度額と比較し、前記通信使用料が前記限度額に達しているか否かを判定する使用料判定手段と、前記通信使用料が前記限度額に達していると判定された場合、前記通信手段による前記情報配信サーバへのアクセスを禁止するアクセス禁止手段と、前記アクセス禁止手段により前記情報配信サーバへのアクセスが禁止されると前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を検索する情報検索手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1記載のデータ通信処理装置において、前記通信手段は、前記通信使用料と前記限度額との差が所定範囲内であるとき、前記差に従ったパケット量からなる前記情報を前記情報配信サーバから取得することを特徴とする。
【0014】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1記載のデータ通信処理装置において、前記情報検索手段は、前記情報記憶手段に所望の前記情報があるか否かを判定し、所望の前記情報がない場合、所望の前記情報がない旨、前記出力手段に指示することを特徴とする。
【0015】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1記載のデータ通信処理装置において、当該データ通信処理装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記現在位置から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、を備え、前記通信手段は、前記情報配信サーバから前記案内経路を探索するための地図情報を取得し、前記情報記憶手段は、前記地図情報を記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1にかかる発明においては、ネットワークを介して情報配信サーバから情報を取得可能なデータ通信処理装置において、前記情報配信サーバから前記ネットワークを介して所望の情報を取得する通信手段と、取得した前記情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報を取得するための通信使用料を累計する通信使用料累計手段と、前記通信使用料の限度額を設定する限度額設定手段と、累計された前記通信使用料を前記限度額と比較し、前記通信使用料が前記限度額に達しているか否かを判定する使用料判定手段と、前記通信使用料が前記限度額に達していると判定された場合、前記通信手段による前記情報配信サーバへのアクセスを禁止するアクセス禁止手段と、前記アクセス禁止手段により前記情報配信サーバへのアクセスが禁止されると前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を検索する情報検索手段と、を備える。
【0017】
この場合、設定した通信使用料の限度額を超えて課金される事態を確実に回避することができる。また、通信使用料が設定した限度額に達した場合、外部の情報配信サーバから当該データ通信処理装置の情報記憶手段に切り替えて情報の取得処理を継続するため、処理が中断されることがなく、所望の情報を継続して得ることができる。
【0018】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記通信手段は、前記通信使用料と前記限度額との差が所定範囲内であるとき、前記差に従ったパケット量からなる前記情報を前記情報配信サーバから取得することにより、算出したパケット量の範囲で指定された情報を情報配信サーバから取得することができる。
【0019】
請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記情報検索手段は、前記情報記憶手段に所望の前記情報があるか否かを判定し、所望の前記情報がない場合、所望の前記情報がない旨を前記出力手段から出力することにより、利用者に対して、超過料金を加味して情報配信サーバから情報を取得するか否かを問い合わせることができる。
【0020】
請求項4にかかる発明においては、請求項1記載の発明において、当該データ通信処理装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記現在位置から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、を備え、前記通信手段は、前記情報配信サーバから前記案内経路を探索するための地図情報を取得し、前記情報記憶手段は、前記地図情報を記憶する。
【0021】
この場合、利用者は、設定した通信使用料の限度額の範囲内において、最新の地図情報に従った案内経路を探索することができる。また、通信使用料が限度額に達した場合、当該データ通信処理装置の情報記憶手段に記憶されている地図情報に基づいて、案内経路の探索を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかるナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置における処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのナビゲーション装置などのデータ通信処理装置を例示するものであって、本発明をこのデータ通信処理装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のデータ通信処理装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0024】
図1は、本発明の実施例にかかるデータ通信処理装置であるナビゲーション装置10と、ナビゲーション装置10に公衆回線網、携帯電話通信網等のネットワーク11を介して接続される情報配信サーバ12とから構成されるナビゲーションシステムの要部構成を示すブロック図である。
【0025】
ナビゲーション装置10(データ通信処理装置)は、以下に説明する実施例では、車両に搭載されて、利用者に目的地までの経路案内を行うとともに、目的地又は案内経路に関連した施設や観光スポット等の関連情報を利用者に提供するものである。この場合、関連情報には、施設の写真等のイメージデータ、施設の説明内容等であるテキストデータや音声データ、案内経路や目的地周辺の天気予報等の情報を含めることができる。なお、ナビゲーション装置10は、ユーザが所持する携帯電話やPDA等の携帯端末とし、徒歩や電車、バス等の交通機関を利用して移動する際における経路案内及び目的地の関連情報の提供を行うものであってもよい。
【0026】
情報配信サーバ12は、例えば、各種カテゴリに属するPOI(Point of Interest:興味対象場所)にかかる写真、イラスト、サービス内容を示すテキストデータ及び音声データ、目的地周辺の天気予報、交通機関の時刻情報及び乗り換え情報、検索のためのキーワード、地図情報等の最新の情報を配信するデータベースを備える。情報配信サーバ12は、無線通信や、光ファイバー、電話回線等の有線通信を行うネットワーク11を介してナビゲーション装置10と接続される。
【0027】
ナビゲーション装置10は、制御手段13を備える。制御手段13は、CPU14、ROM15、RAM16からなるプロセッサで構成され、ROM15、RAM16に記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置10の各部の動作を制御するものであり、通信使用料累計手段として機能する。
【0028】
現在位置検出手段17は、地球上空を周回している複数のGPS衛星から時刻情報及び位置情報を含む電波を受信するGPS受信機等で構成される。3個以上のGPS衛星からの電波を受信して処理することにより、車両の現在位置を算出することができる。また、現在位置検出手段17は、距離センサ、方位センサ、舵角センサ等からなる自立航法装置を用いることもできる。
【0029】
経路探索手段18は、利用者が後述する入力手段25を用いて目的地を入力することにより、情報配信サーバ12から取得した地図情報、又は、情報記憶手段21に記憶されている地図情報を参照し、現在位置又は利用者によって指定された出発地から目的地に至る最適な案内経路を探索するものである。
【0030】
なお、案内経路の探索は、現在位置又は出発地に対応する道路ノードから目的地に対応する道路ノードに至るリンクとノードをダイクストラ法等の各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間等を累積し、総リンク長(走行距離)又は総所要時間等が最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0031】
情報検索手段19は、利用者が入力手段25を用いて入力した目的地や検索条件、又は、経路探索手段18によって探索された案内経路に従い、これらに関連する情報を、情報記憶手段21に記憶された情報や、情報配信サーバ12から取得した情報から検索するものである。
【0032】
使用料判定手段20は、ネットワーク11を介して情報配信サーバ12から所望の情報を取得するための通信使用料と、入力手段25を用いて設定された通信使用料の限度額とを比較し、通信使用料が限度額に達しているか否かを判定するものである。また、使用料判定手段20は、通信使用料が限度額に達していない場合において、通信使用料と限度額との差が所定範囲内である否かの判定を行う。
【0033】
情報記憶手段21は、情報配信サーバ12から取得した各種情報を記憶する。各種情報には、地図情報、施設情報、交通機関の時刻情報及び乗り換え情報等がある。地図情報としては、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータ、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータ、地形図データが含まれる。
【0034】
道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる他、分岐地点から所定距離だけ離れた案内地点において、右左折、直進等の経路案内を行う経路案内データ及び案内地点の位置座標が記憶されている。
【0035】
道路リンクデータには、始点及び終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。道路種別とは、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0036】
地形図データには、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、駐車場をはじめとする施設位置、施設形状、施設名称を含む施設データからなる背景データが含まれる。
【0037】
限度額記憶手段22には、入力手段25を用いて利用者が設定した通信使用料の上限値である限度額が記憶される。
【0038】
通信使用料記憶手段23には、ネットワーク11を介して情報配信サーバ12から情報を取得する際の利用時間、又は、情報のパケット量を累計して金額に換算した通信使用料を記憶する。
【0039】
通信手段24は、ネットワーク11を介してナビゲーション装置10を外部の情報配信サーバ12と接続し、情報配信サーバ12から各種の情報を取得するものである。
【0040】
入力手段25(限度額設定手段)は、ナビゲーション装置10における操作入力や、出発地、目的地、情報を検索するための検索条件、通信使用料の限度額等を設定する各種キー、タッチパネル、リモートコントローラ等から構成される。
【0041】
出力手段26は、地図画像、案内経路画像、施設の写真やテキストからなる施設情報等を利用者に表示し、又は、これらの情報及び警告を含む音声情報を出力するものであり、液晶ディスプレイ、スピーカ等で構成される。
【0042】
次に、図2に示す処理フローチャートに基づき、本実施例のナビゲーションシステムの動作を説明する。なお、以下の説明では、ナビゲーション装置10が車両に搭載されているものとして説明する。
【0043】
ナビゲーション装置10を用いて情報を取得するのに先立ち、利用者は、入力手段25を用いて、情報配信サーバ12から所望の情報を取得するための通信使用料の限度額を入力する。入力された限度額は、限度額記憶手段22に記憶される。
【0044】
そこで、経路案内を目的として、ナビゲーション装置10の入力手段25から目的地を入力した後、経路案内に必要な最新の地図情報等を取得するため、情報配信サーバ12に対してアクセス要求が有ると(ステップS101、YES)、使用料判定手段20は、現在までの情報配信サーバ12の累計された通信使用料を通信使用料記憶手段23から読み出すとともに、限度額記憶手段22に記憶された限度額を読み出し、これらを比較する。
【0045】
比較の結果、累計された通信使用料が限度額以上でない場合には(ステップS102、NO)、通信使用料と限度額との差が所定範囲内であるか否かを判定する。差が所定範囲以上である場合(ステップS103、NO)、通信手段24は、ネットワーク11を介して、要求されている最新の地図情報、施設情報、目的地の天気情報等の情報を情報配信サーバ12から取得する(ステップS104)。取得した情報は、情報記憶手段21に記憶される。なお、情報記憶手段21は、その情報記憶容量に従い、過去に取得して記憶されている古い情報を情報記憶手段21から順次消去するように構成してもよい。
【0046】
情報配信サーバ12から最新の情報が取得された後、経路探索手段18は、取得した情報を用いて、現在位置から目的地までの案内経路を探索する。なお、ナビゲーション装置10を搭載した車両の現在位置は、現在位置検出手段17によって検出される。
【0047】
探索された案内経路を含む最新の地図情報や、情報配信サーバ12から取得した施設情報や天気情報は、液晶ディスプレイ、スピーカ等である出力手段26から出力される(ステップS105)。利用者は、出力手段26によって出力された情報に従い、所望の目的地まで移動することができる。
【0048】
一方、累計された通信使用料と限度額との差が所定範囲内である場合(ステップS103、YES)、この差の料金の範囲内で取得できるパケット量からなる情報を情報配信サーバ12から取得し(ステップS106)、取得した情報を情報記憶手段21に記憶させるとともに、取得した情報を処理して出力手段26から出力する(ステップS105)。なお、取得できる情報のパケット量は、料金とパケット量との関係を限度額記憶手段22にテーブルとして記憶させておき、このテーブルを用いて算出することができる。
【0049】
現在までに累計されている通信使用料が利用可能な限度額以上である場合(ステップS102、YES)、制御手段13は、情報配信サーバ12へのアクセスを禁止する(ステップS107)。これにより、ナビゲーション装置10が情報配信サーバ12と通信することで、設定された限度額以上の課金がなされる事態を回避することができる。
【0050】
制御手段13により情報配信サーバ12へのアクセスが禁止された後、情報検索手段19は、要求内容に関して、過去に取得した情報が情報記憶手段21に記憶されているか否かを検索する。所望の情報が情報記憶手段21に記憶されている場合(ステップS108、YES)、その情報に基づいて経路探索手段18が経路を探索し、探索された案内経路を含む地図情報、施設情報等を出力手段26から出力する(ステップS105)。なお、情報記憶手段21から読み出した情報は、情報配信サーバ12から取得する情報よりも古い情報となる場合があるが、少なくとも、経路案内等の処理が中断される事態を回避することができる。
【0051】
一方、情報記憶手段21に要求内容に関する情報が記憶されていない場合(ステップS108、NO)、制御手段13は、情報記憶手段21に情報が記憶されていない旨、出力手段26から出力する(ステップS109)。このとき、制御手段13は、情報配信サーバ12からの情報取得を行うか否かを利用者に問い合わせる表示や音声を出力手段26から出力させるようにしてもよい。
【0052】
以上、詳細に説明したように、本実施例のナビゲーション装置10によれば、累計された通信使用料が利用者の設定した上限値である限度額以上となったとき、情報配信サーバ12へのアクセスを禁止することで、高額な通信使用料が課金されてしまう事態を回避することができる。また、情報配信サーバ12へのアクセスが禁止された場合であっても、過去に取得した情報が情報記憶手段21に記憶されている場合には、その情報を用いて所望の処理を中断することなく継続することができる。従って、利用者は、高額な通信使用料を課金されることなく、必要な情報を取得することが可能となる。
【0053】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。例えば、上記実施例の説明においては、経路探索要求を伴う処理を例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、経路探索要求を伴わない処理、例えば、ユーザが現在位置や任意の地点の周辺の駐車場やガソリンスタンドなどの各種施設のうち、所望の施設を検索する要求を処理する場合などにも適用することができる。
【0054】
また、公共機関を利用して移動する際の乗り換え案内を行う場合、所望の施設等の情報を取得する場合等、利用者が所持する携帯電話やPDAを用いた種々の情報を取得する場合にも適応することができる。また、データ通信処理装置としては、携帯電話等の携帯型端末に限られるものではなく、情報配信サーバから情報を取得して処理するものであれば、いかなる形態であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
10・・・ナビゲーション装置
11・・・ネットワーク
12・・・情報配信サーバ
13・・・制御手段
14・・・CPU
15・・・ROM
16・・・RAM
17・・・現在位置検出手段
18・・・経路探索手段
19・・・情報検索手段
20・・・使用料判定手段
21・・・情報記憶手段
22・・・限度額記憶手段
23・・・通信使用料記憶手段
24・・・通信手段
25・・・入力手段
26・・・出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して情報配信サーバから情報を取得可能なデータ通信処理装置において、
前記情報配信サーバから前記ネットワークを介して所望の情報を取得する通信手段と、
取得した前記情報を記憶する情報記憶手段と、
前記情報を取得するための通信使用料を累計する通信使用料累計手段と、
前記通信使用料の限度額を設定する限度額設定手段と、
累計された前記通信使用料を前記限度額と比較し、前記通信使用料が前記限度額に達しているか否かを判定する使用料判定手段と、
前記通信使用料が前記限度額に達していると判定された場合、前記通信手段による前記情報配信サーバへのアクセスを禁止するアクセス禁止手段と、
前記アクセス禁止手段により前記情報配信サーバへのアクセスが禁止されると前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を検索する情報検索手段と、
を備えることを特徴とするデータ通信処理装置。
【請求項2】
前記通信手段は、前記通信使用料と前記限度額との差が所定範囲内であるとき、前記差に従ったパケット量からなる前記情報を前記情報配信サーバから取得することを特徴とする請求項1記載のデータ通信処理装置。
【請求項3】
前記情報検索手段は、前記情報記憶手段に所望の前記情報があるか否かを判定し、所望の前記情報がない場合、所望の前記情報がない旨、前記出力手段に指示することを特徴とする請求項1記載のデータ通信処理装置。
【請求項4】
当該データ通信処理装置の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段と、
を備え、前記通信手段は、前記情報配信サーバから前記案内経路を探索するための地図情報を取得し、前記情報記憶手段は、前記地図情報を記憶することを特徴とする請求項1記載のデータ通信処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−155575(P2011−155575A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16683(P2010−16683)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】