説明

データ通信制御方法

【目的】 ダイヤル信号が表示できるデータ通信制御方法である。
【構成】 データ端末28a、…、28nからの発信+ダイヤル信号を主装置11のマイクロコンピュータ19に送り、この発信+ダイヤル信号によりデジタル電話機24a、…、24nにダイヤル信号を表示するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この本発明は、データ通信制御方法に係り、特に、ダイヤル信号を表示するようにしたデータ通信制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、データ通信制御方法では、ディジタル電話機に設けられたフレキシブルな“データ通信開始キー”、または、“データ通信切断キー”を操作し、データ通信路の接続制御を行っていた。
【0003】また、自動発信手順をもつデータ端末では、データ通信路の接続制御は可能であるが、データ端末からのダイヤル信号によりディジタル電話機の接続制御を行うことはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来のデータ通信制御方法では、データ端末とディジタル電話機との接続制御が独立して行われていたため電話帳機能(名前と電話番号の対応表をもとに相手先をサーチし、自動ダイヤルできる機能)を使用する場合には、ディジタル電話機に大型表示器が必要となり、また、データの入力手段をユーザの好み合わせるためには大型のキーボードが必要となり、設備が膨大となり価格が高くなる等の問題があった。
【0005】そこで、本発明は、データ端末に登録してある制御データを主装置のマイクロコンピュータに送り、このマイクロコンピュータの演算制御によりダイヤル信号を簡単にディジタル電話機に表示するようにしたデータ通信制御方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、データ端末、ディジタル電話機、このディジタル電話機を一体にしたデータインタフェースユニットおよびマイクロコンピュータを有する主装置を備えたデータ通信制御方法において、データ端末からの発信情報およびダイヤル信号をデータインタフェースユニットを介して前記マイクロコンピュータに送り、このマイクロコンピュータに送られたダイヤル信号によりディジタル電話機にダイヤル信号を表示するようにしたことを特徴とするデータ通信制御方法を提供する。
【0007】
【作用】データ端末からのダイヤル信号をデータインタフェースユニットを介して主装置のマイクロコンピュータに送り、この制御データをマイクロコンピュータにより演算処理し、使用中のディジタル電話機のダイヤル信号を表示する。
【0008】
【実施例】以下図により、本発明データ通信制御方法の一実施例について説明する。
【0009】図1は、本発明データ通信制御装置10の制御方法の概要を示すブロック線図である。
【0010】このデータ通信制御方法の主装置11には呼処理と通話路交換を行う制御ユニット12と、制御データの伝送を行うデータハイウェイ13と、時分割通話路のPCMハイウェイ14と、局線インタフェースユニット15a、…、15nと、デジタル電話機インタフェースユニット16a、…、16nと、標準電話機インタフェースユニット17と、他のデジタル電話機インタフェースユニット18等が設けられている。
【0011】制御ユニット12にはCPU等のマイクロコンピュータ19とタイムスイッチ回路20とを内蔵しており、マイクロコンピュータ19からの制御データがデータハイウェイ13を介して各インタフェースユニット15a、…、16a、…、17、18等に、また、タイムスイッチ回路20の時分割制御データがPCMハイウェイ14を介して各インタフェースユニットに送られるようになっている。
【0012】主装置11の各局線インタフェースユニット15a、…、15nには局線21a、…、21nを接続する公衆電話網が設けられ、各デジタル電話機インタフェースユニット16a、…、16nには電話機22a、…、22nとデータインタフェースユニット23a、…、23nとを備えた複数のデジタル電話機24a、…、24nが接続され、標準電話機インタフェースユニット17にはモデム25が接続され、デジタル電話機インタフェースユニット18にはデータインタフェースユニット26が接続されている。
【0013】前記データインタフェースユニット23a、…、23nには例えばRS−232Dインタフェースの如きインタフェース27a、…、27nを介してパソコン等を備えたデータ端末28a、…、28nが接続され、また、モデム25とデータインタフェースユニット26とにもRS−232Dインタフェースの如きインタフェース29が接続されている。
【0014】このように構成したデータ通信制御方法において、例えば、デジタル電話機24aとデジタル電話機24nとの内線接続をする場合には、データ端末28aのキーボード(図示せず)等を操作して“発信+ダイヤル信号”を発生させ、デジタル電話機24aのデータインタフェースユニット23a、デジタル電話機インタフェースユニット16a、データハイウェイ13、PCMハイウェイ14、デジタル電話機インタフェースユニット16n、デジタル電話機24nのデータインタフェースユニット23nを接続し内線通話を行う。その他局線21a等の通話もほぼ同様にして接続し、デジタル電話機24a等と他局線21a等との通話を行う。
【0015】図2は図1に示した電話機22a、…、22nとデータインタフェースユニット23a、…、23nとの1つ、すなわち、電話機22aとデータインタフェースユニット23aとを詳細に示したブロック線図である。
【0016】この電話機22aとデータインタフェースユニット23aには、ピンポン伝送回路30と、電話制御用マイクロコンピュタ31と、データ通信制御用マイクロコンピュタ32と、セレクタ33、34、35と、シリアル・パラレル変換回路36、37と、パラレル・シリアル変換回路38、39と、RS−232インタフェース用のドライバ・レシーバ40等が設けられている。
【0017】ピンポン伝送回路30は、図3に示すように64kbpsの速度をもつ2つのBチャンネル(B1、B2チャンネル)と16kbpsの速度をもつ1つのDチャンネルからなる2B+D形式の時分割チャンネルが用いられ、データ端末28aおよび電話機22aと主装置11のデジタル電話機インタフェースユニット16aとの間でデジタル信号のピンポン伝送を行う。
【0018】このピンポン伝送回路30には、各チャンルの上りデータを受けて2B+Dの形式のデータバケットに合成し、デジタル電話機インタフェースユニット16aにデジタル信号を送信する2B+D作成部41と、デジタル電話機インタフェースユニット16aから2B+Dの形式の下りデータバケットを受けて各チャンネル毎にデータを分離する2B+D分離部42とを備えている。
【0019】ここでB1チャンネルは、デジタル電話機24aの電話中に、電話機回路22aが送受信する音声データの伝送に割り当てられ、B2チャンネルは、データ端末28aがデータ通信中に送受信する通信データの伝送に割り当てられ、また、Dチャンネルのデータは、電話制御用マイクロコンピュータ31およびデータ通信制御用マイクロコンピュータ32が送受信する制御データの伝送に割り当てられている。
【0020】すなわち、音声データは、電話機22aから送出され、B1チャンネル上りデータB1ーINとして2B+D作成部41に送られ、通信データは、データ通信中に、データ端末28aから送出され、ドライバ・レシーバ40、セレクタ35、シリアル・パラレル変換回路37、パラレル・シリアル変換回路39等を介してB2チャンネル上りデータB2−INとして2B+D作成部41に送られ、また、制御データは、電話制御用マイクロコンピュータ31またはデータ通信制御用マイクロコンピュータ32から送出され、セレクタ33を介してDチャンネル上りデータD−INとして2B+D作成部41送られ、この2B+D作成部41でパケットに作成され、変圧器44等を介してデジタル電話機インタフェースユニット16aに送られる。
【0021】また、デジタル電話機インタフェースユニット16aから変圧器44、整流器43等を介して2B+D作成部42に送られた2B+Dのパケットは、B1チャンネル下りデータB1ーOUT、B2チャンネル下りデータB2ーOUTおよびDチャンネル下りデータDーOUTに分離され、データB1ーOUTは電話機22aに送られ、データB2ーOUTはシリアル・パラレル変換回路36、パラレル・シリアル変換回路38、セレクタ34、ドライバ・レシーバ40等を介してデータ端末28aに送られ、データDーOUTは電話制御用マイクロコンピュータ31およびデータ通信制御用マイクロコンピュータ32に送られる。
【0022】B2チャンネル上りデータB2ーINおよびB2チャンネル下りデータB2ーOUTは、それぞれ8ビットのシリアルデータ(64kbps)であって、そのうち6ビットが通信データRD(48kbps)に当てられ、残りの2ビットがRS−232Dのインタフェースの受信キャリヤ検出信号CD(8kbps)および送信可信号CS(8kbps)に当てられる。
【0023】また、上りデータ2B−INの残り2ビットがRS−232Dのインタフェースの送信要求信号RS(8kbps)および送信可信号SD(8kbps)に当てられる。
【0024】下りデータB2−OUTは、図2に示すように、まず、シリアル・パラレル変換回路36に入力され、通信データRD、受信キャリア検出信号CDおよび送信可信号CSに分離される。通信データRDは、パラレル・シリアル変換器38に入力され、48kbpsのシリアルデータに変換されセレクタ34に送られる。
【0025】また、受信キャリア検出信号CDおよび送信可信号CSはインバタ45等を介してドライバ・レシーバ40等に送られる。
【0026】データ端末28aからの上り通信データRDは、ドライバ・レシーバ40、セレクタ35を介してシリアル・パラレル変換器37に入力され、パラレルデータに変換され、ついで、パラレル・シリアル変換器39に入力され、送信要求信号RSおよび送信可信号CSと合成されて8ビットの上りデータ2BーINが作成され、ピンポン伝送回路30に送られる。
【0027】ここで電話制御用マイクロコンピュータ31は、ピンポン伝送回路30からのDチャンネルの下りデータD−OUTにより電話機22aの制御(例えば、ベル音の鳴動、各種表示のオン・オフ等)を行うとともに電話機22aの信号(例えば、フック信号、選択信号等)に応じた制御データをセレクタ33へ送出する。
【0028】また、セレクタ33は、電話制御用マイクロコンピュータ31およびデータ通信制御用マイクロコンピュータ32のいずれか一方の制御データを選択し、この制御データをDチャンネルの上りデータD−INとしてピンポン伝送回路30に送る。
【0029】この制御データの選択において、電話制御用マイクロコンピュータ31は、セレクタ33を制御して自己の送出制御データを選択させるとともにデータ通信制御用マイクロコンピュータ32に対して制御データの送出を禁じる。そのため、電話制御用マイクロコンピュータ31が制御データを送出しない間だけデータ通信制御用マイクロコンピュータ32がピンポン伝送回路30に制御データの送出を行い、そのDチャンネルの制御データを主装置11のデジタル電話機インタフェースユニット16aに送る。
【0030】図4は、図2のデータ通信制御用マイクロコンピュータ32の内部構成を示すブロック線図である。すなわち、データ通信制御用マイクロコンピュータ32には、Dチャンネルの上りデータD−INをピンポン伝送回路30に送るDチャンネル送信部50と、Dチャンネルの下りデータD−OUTを受けるDチャンネル受信部51とが設けられている。このDチャンネル受信部51の出力信号は、トライスーテト・バッハァ52およびアドレス解析部53に送られる。このアドレス解析部53によりアドレス解析されたデータインタフェースユニット23a用の制御データは、前記トライスーテト・バッハァ52に送られ、トライスーテト・バッハァ52の制御信号とされる。トライスーテト・バッハァ52の出力信号はデータ解析部54に送られデータ解析が行われる。
【0031】このデータ解析出力信号は、インバータ55、被呼表示制御部56、データ・セット・レディ制御部57、データ制御部58に送られる。
【0032】インバータ55は、データ解析出力信号を逆変換し、その逆変換データ解析出力信号をデータ制御部58の出力側に設けられたトライスーテト・バッハァ59と、ドライバ・レシーバ40からの送信データSDを受けるトライスーテト・バッハァ60とに送り、トライスーテト・バッハァ59およびトライスーテト・バッハァ60の制御信号にされる。
【0033】被呼表示制御部56がデータ解析出力信号を受けると、被呼表示信号CIが発生させられ、データ・セット・レディ制御部57がデータ解析出力信号を受けると、データ・セット・レディ信号RDが発生させられ、それぞれがドライバ・レシーバ40を介してデータ端末28aに送られデータ端末28aが制御させられる。
【0034】データ端末28aからドライバ・レシーバ40を介して送られる送信データSDは、トライスーテト・バッハァ60を介してデータ監視部61に、また、復旧要求信号ERは、復旧要求監視部62に送られる。送信データSDが監視されると、このデータ監視信号がデータ作成部63に、復旧要求信号ERが監視されると、この復旧要求信号ERがデータ作成部63に送られ、これらデータ監視信号および復旧要求信号が合成され、トライスーテト・バッハァ64に送られる。
【0035】トライスーテト・バッハァ64では、電話制御用マイクロコンピュータ31の制御信号で制御され、前記Dチャンネル送信部50に送られ、セレクタ33を介してDチャンネルの上りデータD−INとしてピンポン伝送回路30に送られる。このようにして、ピンポン伝送回路30から送られてくるDチャンネルの下りデータD−OUTを受け、データ解析して被呼表示信号CI、データ・セット・レディ信号RD、通信データRDに分離され、ドライバ・レシーバ40を介してデータ端末28aに送られ、また、データ端末28aからの送信データSDと復旧要求信号によりデータが作成され、Dチャンネルの上りデータD−INとしてピンポン伝送回路30に送られる。
【0036】図5は、主装置11のデジタル電話機インタフェースユニット16aの構成を示す。なお、データインタフェースユニット26を接続するためのデジタル電話機インタフェースユニット18もこれと同様な構成である。
【0037】このデジタル電話機インタフェースユニット16aには複数個のピンポン伝送回路80が備えられ、伝送用データトランス81を介して各データイータインタフェースユニット23aに接続され、デジタル信号のピンポン伝送が行われる。
【0038】これらピンポン伝送回路80は、図3に示したデータイータインタフェースユニット23a内のピンポン伝送回路30と同様な構成であるが、ピンポン伝送回路30がスレーブモードで作動するのに対し、ピンポン伝送回路80がマスターモードで作動する違いがある。つまり、ピンポン伝送回路80がマスターモードでピンポン伝送のバケット送信の主導権を持っている。
【0039】タイムスロットアサイナ82は、PCMハイウエイ14からフレーム同期信号およびクロック信号を受けてBチャンネルの上りおよび下りデータをPCMハイウエイ14に送受するタイミングを各ピンポン伝送回路80に知らせるものである。
【0040】各ピンポン伝送回路80は、タイムスロットアサイナ82から指定された時間にPCMハイウエイ14に直接にアクセスして2.048Mpbsの速度で上りおよび下がりのデータを送受する。
【0041】制御データ通信用マイクロコンピュータ83は、各ピンポン伝送回路80が送受するDチャンネルデータ(制御データ)の監視と、それら制御データをデータハイウエイ13を介して制御ユニット12と交信を行う。
【0042】図6は、図1のデータインタフェースユニット26を示す。このデータインタフェースユニット26は、ピンポン伝送回路90と、データ通信制御用マイクロコンピュタ91と、セレクタ92、93と、シリアル・パラレル変換回路94、95と、パラレル・シリアル変換回路96、97と、RS−232インタフェース用のドライバ・レシーバ98等が設けられており、図2で説明したデータ端末28aに接続するデータインタフェースユニット23aに類似する。しかし、データインタフェースユニット23aがデータ端末28aに対してモデムモードに設定されていたのに対し、データインタフェースユニット26がモデム25に対して端末モードに設定されている違いがある。つまり、RSー232Dインタフェース29の信号線の向きが逆転している。
【0043】さらに、このデータインタフェースユニット26は、デジタル電話機24aに内蔵されたものではないため、音声データ伝送用のB1チャンネルは不要であり、電話制御用とデータ通信制御用の上り制御データを選択するためのセレクタも無い。
【0044】図7は、モデム25を接続する標準電話機インタフェースユニット17を示す。この標準電話機インタフェースユニット17には、呼出し信号送出回路100が設けられ、呼出し信号発生源101から供給される呼出し信号(16Hzの交流信号)をモデム25に送出する回路である。また、この標準電話機インタフェースユニット17には直流給電回路102が設けられ、モデム25に規定の直流電圧を印加し、その極性の反転を行い、直流ループの開閉を検出するための回路である。さらに、この標準電話機インタフェースユニット17にはダイヤル検出部103が設けられダイヤルパルスが検出される。
【0045】この標準電話機インタフェースユニット17には変圧器104を介してコーデック部105が設けられ、音声信号がA/D変換およびD/A変換され、タイムスロットアサイナ106により指定された時間にPCMハイウエイ14と音声データの送受が行われる。
【0046】この標準電話機インタフェースユニット17に設けられる制御データ通信用マイクロコンピュータ107は前記呼出し信号送出回路100、直流給電回路102、ダイヤル検出部103等に呼出し信号送出、呼出し信号停止、直流ループ開閉の監視、極性の反転制御、ダイヤルパルス検出結果の監視およびデータハイウエイ13を通じての制御ユニット12との制御データの交信を行うものである。
【0047】図8は、主装置11を公衆電話網の局線21aに接続するための局線インタフェースユニット15aを示す。
【0048】この局線インタフェースユニット15aには、インタフェース回路110と、コーデック部111と、タイムスロットアサイナ112および制御データ通信用マイクロコンピュータ113等が備えられている。
【0049】インタフェース回路110には、局線21aに接続される局呼出し信号検出回路114、極性反転検出回路115、直流ループ回路116が設けられ、局線21aからの呼出し信号の検出、局線21aの極性反転の検出、直流ループの閉結・開放、局線21aへのダイヤルパルスの送出等を行う。
【0050】コーデック部111は、音声信号をA/D変換およびD/A変換するもので、直流ループ回路116により局線21aに直流ループが形成されることにより、局線21aに交流的な結合が行われる。
【0051】これら呼出し信号検出回路114、極性反転検出回路115、直流ループ回路116やコーデック部111は、各局線インタフェースユニット15a、…、15n毎に数組搭載されている。
【0052】タイムスロットアサイナ112は、コーデック部111に対しあらかじめ定められたタイムスロットアドレスとPCMハイウエイ14からのフレーム同期信号およびクロック信号とに基づき、コーデック部111がPCMハイウエイ14と音声データを送受するタイミングを決定し、コーデック部111に知らせる。
【0053】コーデック部111は、タイムスロットアサイナ112により指定された時間にPCMハイウエイ14と音声データの送受を行う。
【0054】制御データ通信用マイクロコンピュータ113は、呼出し信号検出回路114と極性反転検出回路115の検出信号の監視、直流ループ回路116の制御および制御データハイウエイ13を通じての制御ユニット12との呼出し信号の検出、極性反転検出、直流ループの開閉、ダイヤルパルスの送出等に関する制御データの送受を行う。
【0055】図9は、前記局線インタフェースユニット15a、デジタル電話機インタフェースユニット16a、標準電話機インタフェースユニット17等を制御する制御ユニット12内部のマイクロコンピュータ19を示し、データ通信制御における全体的の呼処理および交換制御を行う。
【0056】マイクロコンピュータ19には、データハイウエイ13に接続されるデータ受信部120が設けられており、システムの各部から制御データが受け入れられる。この制御データはデータ受信部120によりデコードされ、例えば、デコード信号が局線21aからの着信信号であればモデム選択部121が起動され、モデムビジテーブル122の情報が読み取られる。
【0057】モデムビジテーブル122にはモデム25の現在の状況、すなわち、空き、または、ビジー等を示す情報が予め書き込まれている。モデム選択部121が、このモデムビジテーブル122の情報を参照しながら空き状態にある一台のモデム25を選択し、このモデム25を選択する制御信号をコマンド送出部123に送出する。コマンド送出部123は、選択されたモデム25を呼び出すために着信データをデータハイウエイ13を介して標準電話機インタフェースユニット17に送信する。
【0058】データ受信部120でのデコード結果が着信データに対するモデム25の応答である場合は、この応答信号がコマンド送出部123とタイムスイッチ制御部124に通知される。すると、コマンド送出部123は、局線インタフェースユニット15aに対して着信ループの閉結(局線の補足)を指示し、また、タイムスイッチ制御部124は、タイムスイッチ回路20を制御し、局線インタフェースユニット15aと標準電話機インタフェースユニット17を接続する。これにより、モデム25と発呼側データ機器の間の通信通路が確立される。
【0059】また、モデムビジーテーブル122は、モデム25が空き状態からビジーとなるのでビジーに書き替えられる。
【0060】データ受信部120でのデコード結果が、発呼側からの通信通路を通じてモデム25に入力された内線番号の指定である場合は、データインタフェースユニット選択部125が起動され、データインタフェースユニットビジーテーブル126の情報が読み取られる。データインタフェースユニットビジーテーブル126には、各デジタル電話機24a、…、24nの各データインタフェースユニット23a、…、23nの状態(空き、または、ビジー)が書き込まれている。
【0061】データインタフェースユニット選択部125は、データインタフェースユニット23a、…、23nから特定の一台のデータインタフェースユニット、例えばデータインタフェースユニット23aをデータインタフェースユニットビジーテーブル126から読み出し、それが空きを示していれば、データインタフェースユニット23aの内線番号がコマンド送出部127に通知される。すると、コマンド送出部127は、そのデータインタフェースユニット23aに対してデータ端末28aを呼び出すために着信データが送られる。この操作により、データインタフェースユニットビジーテーブル126が空き状態からビジー状態に書き替えられる。
【0062】データ受信部120でのデコード結果が着信データに対するデータインタフェースユニット23aの応答である場合は、その応答信号がコマンド送出部128とタイムスイッチ送出部129に通知される。
【0063】コマンド送出部128は、データインタフェースユニット23aとデータインタフェースユニット26とに対してデータ端末28aとモデム25とを接続を示すモデム接続コマンドを送り、タイムスイッチ制御部129はタイムスイッチ回路20を制御してデータインタフェースユニット23aとデータインタフェースユニット18とを接続する。
【0064】これにより、データ端末28aとデータインタフェースユニット18との通信通路が確立し、その結果、データ端末28aと発呼側データ機器間での公衆電話網を通じて局線21a等とのデータ通信が開始される。
【0065】データ受信部120でのデコード結果がデータ通信開始後のデータインタフェースユニット23aのオフフック状態である場合、この状態がコマンド送出部130とタイムスイッチ制御部131に通知される。
【0066】コマンド送出部130は、局線インタフェースユニット15aに対して局線21aの直線ループの解放を指示し、かつ、データインタフェースユニット23aに対して通信通路の切断を示す切断データを送る。タイムスイッチ制御部131は、タイムスイッチ回路20を制御して、モデム25と局線インタフェースユニット15aとの間およびモデム25とデータインタフェースユニット23aとの間の両通信通路を切断する。
【0067】これによりデータ通信は終了する。また、モデムビジーテーブル122内のモデム25の状態およびデータインタフェースユニットビジーテーブル126内のデータインタフェースユニット23aの状態が、ビジーから空きに書き替えられる。
【0068】図10は、図9と同様にマイクロコンピュータ19によりデータ端末28aからの“発信+ダイヤル信号”等を利用してディジタル電話機24aとデータインタフェースユニット23aを接続するとともにこのダイヤル信号の表示を行うようにした他の制御例を示すものである。
【0069】このマイクロコンピュータ19には前記データ受信部120が備えられ、データ端末28aからの“発信+ダイヤル信号”をディジタル電話機24aを一体に接続したデータインタフェースユニット23a、主装置11の制御データハイウエイ13を介して受けるようになっている。このデータ受信部120には制御データを識別する制御データ識別部140が接続され、その出力信号がディジタル電話機接続制御部141および相手先識別部142に送出される。
【0070】ディジタル電話機接続制御部141には再ダイヤル記憶部143およびディジタル電話機液晶表示制御部144が接続され、ダイヤル信号の記憶とその表示等が行われる。
【0071】また、相手先識別部142には、データインタフェースユニット接続制御部145、オンフック発信+疑似ダイヤル作成部146および前記デジタル電話機接続制御部141等が接続され、相手先識別部142の出力信号によりこれらを相互に制御するようになっている。
【0072】前記“発信+ダイヤル信号”は、図11に示すような8ビットで構成され、その最上位ビットが識別ビットに当てられ、残りのビットが制御データに当てられている。
【0073】識別ビットが“0”であると、ディジタル電話機24aからの制御データと識別され、また、“1”であるとデータインタフェースユニット23aからの制御データと識別される。制御データにはダイヤル、データ端末28aの呼び出しのための“D”信号、その他キャリジ・リターン信号、オンフックダイヤル信号、オフフックダイヤル信号等が含まれている。
【0074】データ受信部120が“発信+ダイヤル信号”を受けると、制御データ識別部140に送られ、ディジタル電話機24aのダイヤル信号、デジタル電話機24aのオンフックダイヤル信号またはオフフックダイヤル信号、D信号、データ端末28aからのキャリジ・リターン信号、データインタフェースユニット23aのダイヤル信号であるかが識別される。
【0075】制御データ識別部140がD信号なしのダイヤル信号であると、このダイヤル信号はディジタル電話機接続制御部141に送られる。この時、データインタフェースユニット23aの状態がデータインタフェースユニット接続制御部145に遷移され、着信を受けないように通話状態で待機される。
【0076】ディジタル電話機接続制御部141がダイヤル信号を受信した時、ディジタル電話機24aがオンフックダイヤル状態(ディジタル電話機24aの受話器を置いたままダイヤルをし、呼び返し音がディジタル電話機24aのスピーカから聞こえる状態を言う。)で相手側が応答したならば受話器を上げて通話ができる。
【0077】このとき、ディジタル電話機接続制御部141はデータインタフェースユニット23aを介して入力したダイヤル信号をディジタル電話機24aのダイヤル信号として接続制御し、データ端末28aのダイヤル信号で代理発信を行なう。
【0078】ここで相手側が応答するとディジタル電話機24aの受話器を外し、オフフック状態にされる。このオフフック信号は、制御データ識別部140、ディジタル電話機接続制御部141に送られ、ディジタル電話機24aを通話状態にする。
【0079】また、このオフフック信号は、制御データ識別部140からデータインタフェースユニット接続制御部145に送られ、データインタフェースユニット23aを空きの状態(終話状態)に遷移する。
【0080】相手側のディジタル電話機24aを呼び出し中に、データ端末28aからキャリジ・リターン信号をデータ受信部120が受けると、制御データ識別部140、相手先識別部142を介してディジタル電話機接続制御部141およびデータインタフェースユニット接続制御部145が終話信号を受け、ディジタル電話機24aおよびデータインタフェースユニット23aを空きの状態にし通話を終了させる。
【0081】また、相手側が通話中のときは、デジタル電話機24aから再ダイヤルキィを操作するかデータ端末28aから“発信+再ダイヤル信号”を入力することにより、再ダイヤル記憶部143に記憶されたダイヤル信号を直ちに伝送し、再ダイヤルキィ操作を開始することができる。
【0082】本実施例では内線接続の場合について説明したが局線接続の場合でも同様に行なうことができる。
【0083】また、“発信+ダイヤル信号”をデータ端末28aから送出したが、データ端末28aの“発信+ダイヤル信号”にデジタル電話機24aからの“発信+ダイヤル信号”に付加して送出することもできるし、これとは逆にディジタル電話機24aからの“発信+ダイヤル信号”にデータ端末28aの“発信+ダイヤル信号”に付加して送出することもできる。
【0084】これらのダイヤル信号は、ディジタル電話機接続制御部141を介してディジタル電話機液晶表示制御部144に送られ、ディジタル電話機24aの液晶表示部等に表示され、チェック、再ダイヤル、ダイヤル信号の付加を行なうときに用いられる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明データ通信制御方法によれば、データ端末等からの“発信+ダイヤル信号”をディジタル電話機を接続したデータインタフェースユニットを介してマイクロコンピュータに送出し、このマイクロコンピュータに送られるダイヤル信号によりディジタル電話機にダイヤル信号に表示するようにしたから、データ端末等からディジタル電話機の代理発信ができるとともにダイヤル内容を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】データ通信制御装置の概要を示すブロック線図。
【図2】図1のデジタル電話機の概要を示すブロック線図。
【図3】図2のピンポン伝送回路の概要を示すブロック線図。
【図4】図2のデータ通信制御用マイクロコンピュータの概要を示すブロック線図。
【図5】図2のデータ電話機御用インタフェースユニットの概要を示すブロック線図。
【図6】図2のデータインタフェースユニットの概要を示すブロック線図。
【図7】図2の標準電話機インタフェースユニットの概要を示すブロック線図。
【図8】図2の局線インタフェースユニットの概要を示すブロック線図。
【図9】図1のマイクロコンピュータの第1制御例の概要を示すブロック線図。
【図10】図1のマイクロコンピュータの第2制御例の概要を示すブロック線図。
【図11】制御データの使用例を示す説明図。
【符号の説明】
10 データ通信制御装置
11 主装置
12 制御ユニット
13 データハイウエイ
14 PCMハイウエイ
15a 局線インタフェースユニット
16a デジタル電話機インタフェースユニット
17 標準電話機インタフェースユニット
18 デジタル電話機インタフェースユニット
19 マイクロコンピュータ
20 タイムスイッチ回路
21a 局線
22a 電話機回路
23a データインタフェースユニット
24a デジタル電話機
25 モデム
26 データインタフェースユニット
28a データ端末
30 ピンポン伝送回路
31 電話制御用マイクロコンピュータ
32 データ通信制御用マイクロコンピュータ
41 2B+D作成部
42 2B+D分離部
50 チャネル送出部
51 チャネル発信部
80 ピンポン伝送回路
82 タイムスロットアサイナ
83 制御データ通信用マイクロコンピュータ
90 ピンポン伝送回路
91 データ通信制御用マイクロコンピュータ
105 コーデック部
106 タイムスロットアサイナ
107 制御データ通信用マイクロコンピュータ
110 インタフェース回路
111 コーデック部
112 タイムスロットアサイナ
113 制御データ通信用マイクロコンピュータ
120 データ受信部
121 モデム選択部
125 データインタフェースユニット選択部
140 制御データ識別部
141 デジタル電話機接続制御部141
142 相手先識別部
143 再ダイヤル記憶部
144 デジタル電話機液晶表示制御部
145 データインタフェースユニット接続制御部
146 オフフック発信+疑似ダイヤル作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】データ端末、ディジタル電話機、このディジタル電話機を一体にしたデータインタフェースユニットおよびマイクロコンピュータを有する主装置を備えたデータ通信制御方法において、データ端末からの発信情報およびダイヤル信号をデータインタフェースユニットを介して前記マイクロコンピュータに送り、このマイクロコンピュータに送られたダイヤル信号によりディジタル電話機にダイヤル信号を表示するようにしたことを特徴とするデータ通信制御方法。

【図8】
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【図1】
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【図11】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開平5−110717
【公開日】平成5年(1993)4月30日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−269758
【出願日】平成3年(1991)10月17日
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)