データ通信装置及びその制御方法、並びにプログラム
【課題】他の装置にデータを送信するために用いられる認証情報の入力に関する操作性を向上させたデータ通信装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、ユーザを認証したときに用いた認証情報を、ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定がデータ通信装置にされている場合、ファイルの送信宛先とともに認証情報を登録することを禁止し、設定がデータ通信装置にされていない場合、ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する。
【解決手段】画像処理装置100は、ユーザを認証したときに用いた認証情報を、ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定がデータ通信装置にされている場合、ファイルの送信宛先とともに認証情報を登録することを禁止し、設定がデータ通信装置にされていない場合、ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機能のみならず、ファクス機能、ネットワークスキャン機能、プリント機能など、複数の機能を実行することが出来る複合機が広く使われるようになってきている。通常、これら複合機は、タッチスクリーン機能を持つ操作パネルとハードキーを有する操作部を備えており、ユーザは、操作パネル上に表示された機能一覧から所望の機能を呼び出し、機器を操作する。
【0003】
また、セキュリティの確保や課金の為に、ユーザが機器を利用する際、ユーザ認証を要求することも行われている。この場合、ユーザはタッチパネルまたはカード等を利用して認証を行い、認証が成功すると、機器を使用可能となる。
【0004】
ここで、ユーザがネットワークスキャン機能を使用し、その送信先である他の装置がファイルサーバであった場合、ユーザは、送信宛先情報として、ファイルサーバのIPアドレスまたはホスト名、送信先フォルダ、ログインするユーザ名、パスワードを指定する。
【0005】
読み取り解像度であれば、300×300dpi、読み取りサイズはA4、ファイル形式はPDF等所望のファイル形式を設定する。更に原稿を読み取る際のカラーモードや、送信文書名等が設定されることもある。
【0006】
複合機は、これらの設定に従い原稿を読み込み、読み込んだ画像を指定された通信手段を用いて、指定された宛先に送信する。
【0007】
このように、送信時に指定可能な設定は多岐に渡るため、ユーザの設定操作を簡便にしたいという要望がある。
【0008】
前述したファイルサーバへの送信である場合、ファイルサーバにログインする認証情報は、機器を操作しているユーザに紐づいている場合が多い。このため、ユーザが機器を使用する際の認証に用いた認証情報を、ユーザに改めて入力させることなく、ファイルサーバにログインする際の認証情報に用いることも行われている。
【0009】
また、ユーザが実行する送信処理は定型的なものであることも多く、一旦入力された送信宛先や読み取り設定などの送信時の設定を、良く使う設定として機器に保存することも行われている。ユーザは、保存内容を割り当てた所定のボタンを押下することで設定を呼出すことが出来、これにより、ユーザの送信設定操作を容易になる。
【0010】
前述のファイルサーバへの送信設定をユーザが保存したければ、送信設定が完了した後、操作パネルに表示されたメニューを操作し、送信設定を良く使う設定として、機器に保存することが出来る。
【0011】
このような機器に保存してある設定が、呼び出し時に常に有効とは限らない。例えば、パスワードに有効期限が設定されていて、呼び出し時にはファイルサーバへのパスワードが、有効でない可能性もあり得る。このような時、ユーザが機器に保存してある設定を呼び出し送信すると、送信エラーになってしまう。
【0012】
そこで、IDやパスワードを含めた認証情報を用いてアクセスする機能を有する認証情報設定装置において、装置に保存している認証情報の有効期限が切れていた場合、再設定する仕組みを設ける情報設定装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−167051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、パスワードのような認証情報には、一定期間後に有効期限が切れるようなものだけでなく、機器を使用するユーザがログイン中のみ有効なものもある。そのような認証情報は、機器に保存しても意味が無いだけでなく、セキュリティの観点からも好ましくない。
【0015】
一方、ユーザの設定操作を簡便にするためには、機器に保存された良く使う設定を呼び出したとき、ユーザに改めて設定操作を行わせないことが求められる。例えば、認証情報を良く使う設定に保存しなかった場合に、呼び出し時に毎回ユーザに入力を要求するようでは、操作性の観点から好ましくない。
【0016】
本発明の目的は、他の装置にデータを送信するために用いられる認証情報の入力に関する操作性を向上させたデータ通信装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明におけるデータ通信装置は、ユーザが前記データ通信装置にログインする際に認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて前記ユーザを認証する認証手段と、前記認証されたユーザにより入力されたファイルの送信宛先を指定する指定手段と、前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する送信手段と、前記ファイルの送信宛先を登録する登録手段と、前記ユーザを認証したときに用いた認証情報を、前記ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信宛先とともに前記認証情報を登録することを禁止し、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、他の装置にデータを送信するために用いられる認証情報の入力に関する操作性を向上させたデータ通信装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1における画像処理装置のソフトウェア構成を示す図である。
【図3】本実施の形態が適用される画像処理システムを示す図である。
【図4】図1における操作部に表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【図5】図1における操作部に表示されるスキャン操作画面(その1)の一例を示す図である。
【図6】図1における操作部に表示されるスキャン操作画面(その2)の一例を示す図である。
【図7】図1における操作部に表示される良く使う設定画面の一例を示す図である。
【図8】図1におけるメモリ上の履歴に格納されている、良く使う設定情報の一例を示す図である。
【図9】図1におけるCPUにより実行される登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】画面例を示す図であり、(A)は削除保存画面の一例を示し、(B)は削除確認画面の一例を示している。
【図11】図1におけるCPUにより実行される読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】宛先入力画面を示す図である。
【図13】図1におけるCPUにより実行される登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図1におけるCPUにより実行される読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0021】
なお、本実施の形態では、本発明の実施の形態に係るデータ通信装置を、画像処理装置に適用させた形態について説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示す図である。
【0023】
図1において、画像処理装置100は、電子写真方式等の方式で記録紙上に画像を形成する画像形成部101、画像処理装置100を統御する制御部102を備えている。また、画像処理装置100は、ステイプル処理等の後処理を行うフィニッシャ103、原稿画像を読取るスキャナ部104、各種のデータやコマンドを入力する操作部105を備えている。
【0024】
さらに、画像処理装置100は、ネットワークを介して画像データ送受信するネットワークインタフェース106、ファクスデータ等を送受信のファクスインタフェース107、及び機器を使用するユーザ認証を行うカードリーダ110も備えている。
【0025】
そして、これら画像形成部101、フィニッシャ103、スキャナ部104、操作部105、ネットワークインタフェース106、ファクスインタフェース107は、それぞれ専用インタフェースで制御部102に接続されている。
【0026】
また、制御部102は、CPU(中央処理装置)108とメモリ(記憶手段)109とにより、その主要部が構成されている。
【0027】
メモリ109には、図9、図11、図13、図14のフローチャートに対応する制御プログラム、図4〜7、図10、図12に示した設定ダイアログ・ボックス等の制御プログラム、及び操作画面情報を記述したコンテンツ等が格納されている。
【0028】
図2は、図1における画像処理装置100のソフトウェア構成を示す図である。
【0029】
図2において、UI制御部201は、操作部105に操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェース(UI)を制御する。スキャン制御部202は、スキャナ部104を制御し、原稿画像を読み取る処理を制御する。
【0030】
送信制御部203は、スキャン制御部202が読み取った画像データを、ネットワークインタフェース106を用いてユーザが指定した宛先に送信する処理を制御する。ファクス制御部204は、ファクスインタフェース107を用いて、ファクスの送受信を制御する。
【0031】
ジョブ管理部205は、UI制御部201が受け付けたユーザの送信要求、及びその実行状態を管理する。画像管理部206は、スキャナ部104で読み取った画像の管理情報を管理する。送信設定管理部207は、ユーザの指示により、機器に保存または機器から読み出す送信設定を管理する。
【0032】
図3は、本実施の形態が適用される画像処理システム300を示す図である。
【0033】
図3において、上述した画像処理装置100、サーバコンピュータ302、及び認証サーバ303が示されている。
【0034】
サーバコンピュータ302は、原稿をスキャンした画像データを送信する他の装置に対応する。このサーバコンピュータには、表示部321及び入力装置322が接続されている。
【0035】
また、認証サーバ303は、画像処理装置100、及びサーバコンピュータ302を使用する際、ユーザ認証を司る。これらは、ネットワークインタフェースを介して、それぞれネットワークに接続されている。
【0036】
図4は、図1における操作部105に表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【0037】
図4において、所望の処理を行う操作画面を呼び出すアプリケーション選択ボタン601が表示されている。この例では、コピー機能、ネットワークスキャン機能、ファクス機能、ボックス機能の各々の操作画面を呼び出す「コピー」ボタン606、「スキャン」ボタン607、「ファクス」ボタン608、「ボックス」ボタン609が表示されている。
【0038】
また、テンキー602、ジョブ開始を指示するスタートキー603が配置されている。更に、機器の設定画面を呼び出す「設定・登録」画面呼び出しボタン604や、ジョブの履歴・状況画面を呼び出す「履歴・状況」ボタン605も配置されている。
【0039】
図5は、図1における操作部105に表示されるスキャン操作画面(その1)の一例を示す図である。
【0040】
図5のスキャン操作画面は、図4で示した「スキャン」ボタン607をユーザが押下することで、操作部105に表示される。この図では、送信宛先を指定可能な宛先入力ボタン701が表示されている。
【0041】
宛先の入力は、「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」いずれの方法でも可能である。送信設定ボタン702は、読み取り解像度、読み取りカラーモード等の送信設定を設定するためのボタンである。応用設定ボタン703は、読み取り、送信時のさまざまな詳細設定を呼び出すためのボタンである。
【0042】
また、保存された送信設定を呼び出す「良く使う設定」ボタン704も表示されている。
【0043】
このスキャン操作画面では、電子メール送信およびファイル送信が可能である。また、機器の設定によっては、ファクス送信も可能である。
【0044】
図6は、図1における操作部105に表示されるスキャン操作画面(その2)の一例を示す図である。
【0045】
図6のスキャン操作画面は、ユーザが送信宛先等、送信設定を行った場合の画面である。
【0046】
図6において、ユーザが指定した送信宛先が送信宛先一覧リスト711に表示されている。送信宛先の詳細を表示する詳細情報ボタン712も表示されている。送信設定ボタンには設定値が反映され、ファイル形式ボタンのキャプションはPDF(OCR)となっている。また、送信ファイル名等、応用設定がなされたことを示すために、応用設定ボタン703は反転表示している。
【0047】
図7は、図1における操作部105に表示される良く使う設定画面の一例を示す図である。
【0048】
この良く使う設定画面は、図4における「良く使う設定」ボタン704をユーザが押下することで、操作部105に表示される。
【0049】
図7において、ユーザが登録した「良く使う設定」ボタン801、現在の送信設定を新たに登録する登録ボタン802、及び既存のボタンの編集を行うボタン803が表示されている。なお、図7において、「良く使う設定」ボタン801は、「サーバ1共有1」、「サーバ1報告書」、「Fax本社週報」、及び「メール一斉通達」の各々のボタンを指している。
【0050】
ユーザは、所望の「良く使う設定」ボタン801を押下することで、ボタンに紐づけられた設定情報を呼び出し、送信設定に反映することが出来る。また、登録ボタン802を押下することで、送信設定を登録することが出来る。
【0051】
図8は、図1におけるメモリ109上の履歴に格納されている、良く使う設定情報(送信設定情報)の一例を示す図である。
【0052】
よく使う設定情報は、宛先情報811、読み取り設定情報812、ファイル形式813、及びその他814で構成される。
【0053】
宛先情報811は、送信するプロトコルに応じた情報である。この例では「ファイル」となっていて、ファイル送信に必要な情報である。また、宛先情報811には、他の装置での認証に用いられる認証情報としてのパスワードが含まれる。
【0054】
読み取り設定情報812は、サイズ及び解像度を示す情報であり、図8では、読み取りサイズは「自動検知」、読み取り解像度300x300dpiとなっている。
【0055】
ファイル形式813はファイルの形式を示し、図8では、高圧縮PDF、そしてOCRを用いた形式を示している。その他814は、上記情報以外の情報であり、図8では、送信ファイル名となっている。
【0056】
図9は、図1におけるCPU108により実行される登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0057】
図9の登録処理は、現在設定されている送信設定を良く使う設定に登録する処理を示しており、このプログラムはメモリ109に格納されている。
【0058】
図9において、UI制御部201で、ユーザによる保存要求を受け付ける(ステップS401)。具体的には、ユーザがスキャン操作画面から、宛先入力ボタン701や送信設定ボタン702等を操作し所望の送信設定を行った後、「良く使う設定」ボタン704を押下して良く使う設定画面を開き、登録ボタン802を押下することで保存要求をすることが出来る。
【0059】
次いで、保存要求された送信設定の設定値を確認する(ステップS402)。そして、UI制御部201は、確認した設定値における送信設定に含まれる送信宛先が、ファイル送信の新規宛先か否かを判別する(ステップS403)。
【0060】
ステップS403の判別の結果、新規宛先ではないとき(ステップS403でNO)、送信設定にはパスワードは含まれていないので、送信設定管理部207に処理を依頼し、そのまま設定値を保存して(ステップS409)、本処理を終了する。
【0061】
具体的にUI制御部201は、ステップS401で受け付けた送信設定の保存要求を送信設定管理部207に渡す。そして、送信設定管理部207は、設定値をメモリ109の所定の領域に保存する。
【0062】
一方、ステップS403の判別の結果、新規宛先のとき(ステップS403でYES)、送信設定にはパスワードは含まれており、これが永続的でない可能性がある。そこで、UI制御部201は、ステップS401で受け付けた送信設定に含まれるパスワードに関する属性情報を取得し(ステップS404)、ユーザが画像処理装置100にログインしたときに受け付けたパスワードをファイル送信時に要求されるパスワードに流量するか否かを判別する(ステップS405)。
【0063】
すなわち、ファイル送信時に要求されるパスワードが画像処理装置100にログインする際の認証に用いられるパスワードと同じパスワードであり、画像処理装置100にログインする際に用いられるパスワードを流用する設定であるログイン情報連動の設定となっているか否かを判別する。すなわち、メモリ109には、画像処理装置100にログインする際に認証のために用いたパスワードが記憶されている。
【0064】
または、ファイルを送信する時にパスワードをユーザから受け付ける設定が画像処理装置100にされている場合は、S405でNOと判定されることになる。
【0065】
ステップS405でYESと判別されたとき、これを良く使う設定へ保存するか否かをユーザの判断に委ねるための削除保存選択画面を表示する(ステップS406)。すなわち、ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する。この削除保存選択画面の詳細は後述する。
【0066】
次いで、ユーザがパスワードの保存を選択したか否か判別する(ステップS407)。ステップS407の判別の結果、パスワードの保存が選択されたとき(ステップS407でYES)、パスワードを保存し、良く使う設定に保存するパスワード削除フラグをOFFに設定し(ステップS408)、上記ステップS409に進む。
【0067】
一方、ステップS407の判別の結果、パスワードの保存が選択されなかったとき(ステップS407でNO)、UI制御部201は、ステップS401で受け付けた送信設定に含まれるパスワードを削除する(ステップS411)。
【0068】
そして、良く使う設定に保存するパスワード削除フラグをONに設定し(ステップS412)、上記ステップS409に進む。
【0069】
上記ステップS405でNOと判定された場合、このパスワードはユーザが画像処理装置100にログインしている間だけ有効な情報であり永続的ではないので、これを良く使う設定へ保存することは好ましくない。
【0070】
そこで、UI制御部201は、ファイルの送信宛先とともに認証情報を登録することを禁止するために、削除確認画面を表示し(ステップS410)、上記ステップS411に進む。この削除確認画面の詳細は後述する。
【0071】
このように、良く使う設定に保存する送信設定にパスワードが含まれている場合、ログイン時に受け付けたパスワードをファイル送信時のパスワードとして流用する設定の有無に応じて、適切に保存処理を行うことが可能となる。
【0072】
図10は画面例を示す図であり、(A)は削除保存画面の一例を示し、(B)は削除確認画面の一例を示している。
【0073】
図10において、削除保存画面には、「パスワード情報が含まれています。パスワード情報を除いて登録しますか?」と示され、良く使う設定へ保存するか否かをユーザの判断に委ねる画面となっている。
【0074】
また、削除確認画面には、「パスワード情報が含まれています。パスワード情報を除いて登録します。」と示され、ユーザにパスワードを削除することを通知する画面となっている。なお、上記削除保存画面、及び削除確認画面は、ポップアップ画面として表示してもよい。
【0075】
図11は、図1におけるCPU108により実行される読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【0076】
図11の読み出し処理は、良く使う設定に登録されている設定値を読み出す処理を示しており、このプログラムはメモリ109に格納されている。
【0077】
図11において、UI制御部201で、ユーザによる読み出し要求を受け付ける(ステップS401)。具体的には、ユーザは、良く使う設定画面に表示されている「良く使う設定」ボタン801から、所望のボタンを押下することで、読み出し要求をすることができる。
【0078】
次いで、UI制御部201は、受け付けた読み出し要求を、送信設定管理部207に渡す。送信設定管理部207は、受け付けた良く使う設定に紐づいた送信設定を、メモリ109の所定の保存領域から読み出す(ステップS502)。
【0079】
そして、UI制御部201は、読み出した送信設定に含まれる送信宛先が、ファイル送信の新規宛先か否か判別する(ステップS503)。
【0080】
ステップS503の判別の結果、送信宛先が新規宛先ではないとき(ステップS503でNO)、送信設定にはパスワードは含まれておらず、そのまま読み出して構わない。そこで、UI制御部201は、ステップS502で読み出した送信設定を、現在の送信設定として設定し(ステップS510)、本処理を終了する。
【0081】
一方、ステップS503の判別の結果、送信宛先が新規宛先のとき(ステップS503でYES)、UI制御部201はステップS502で読み出した設定値に含まれるパスワード削除フラグを確認し、フラグがONであるか否か判別する(ステップS504)。
【0082】
ステップS504の判別の結果、フラグがONではないとき(ステップS504でNO)、パスワードは削除されていないこととなる。
【0083】
そこで、UI制御部201は、ステップS502で読み出した設定値に含まれるユーザ名、パスワードを送信宛先のユーザ名、パスワードに設定し(ステップS509)、上記ステップS510に進む。
【0084】
一方、ステップS504の判別の結果、フラグがONのとき(ステップS504でYES)、パスワードは削除されていることとなる。そこで、UI制御部201で、機器の設定を参照し、認証連動設定がなされているか否か判別する(ステップS505)。
【0085】
ステップS505の判別の結果、認証連動設定がなされているとき(ステップS505でYES)、ユーザ認証機能を用いて特定したユーザに紐づいた認証情報を、送信時の認証情報に利用することが出来る。
【0086】
そこで、UI制御部201は、認証連動設定が、ログイン情報連動か否か判別する(ステップS506)。ステップS506の判別の結果、認証連動設定がログイン情報連動であったとき(ステップS506でYES)、ユーザが機器を利用する際に用いた認証情報を、送信時にも利用することができる。
【0087】
そこで、ユーザがカードリーダ110を用いて機器を利用する際に用いた認証情報であるログイン情報を参照し(ステップS507)、ユーザ名とパスワードを取得し(ステップS508)、上記ステップS509に進む。
【0088】
一方、ステップS506の判別の結果、認証連動設定がログイン情報連動ではないとき(ステップS506でNO)、ユーザに紐づいた認証情報は、ユーザが鍵束に登録した情報を利用することとなる。
【0089】
そこで、UI制御部201は、鍵束を参照することで(ステップS511)、ユーザ認証機能を用いて特定したユーザに紐づいた認証情報を参照し、ユーザ名とパスワードを取得し(ステップS512)、上記ステップS509に進む。すなわち、他の装置に再びデータを送信する際に、認証情報が保存されていないときには、画像処理装置100を操作するユーザに紐づいた鍵束に登録された認証情報を送信設定情報に反映させる。
【0090】
上記ステップS505の判別の結果、認証連動設定がなされていないとき(ステップS505でNO)、機器に認証連動設定はなされていないこととなる。
【0091】
そこで、UI制御部201は、宛先入力画面を表示し、ユーザに入力を促す(ステップS513)。この宛先入力画面については後述する。
【0092】
次いで、UI制御部201は、ユーザがパスワード入力フィールド1004に入力したパスワードを取得し(ステップS514)、上記ステップS509に進む。
【0093】
なお、図11ではファイル宛先に含まれるパスワードについて説明したが、ファイル宛先のパスワードに限らず、送信設定に含まれる他のパスワードに関しても適用出来る。例えば、送信ファイル形式として、ファイル操作権限管理サーバから取得したファイル操作権限を、ファイルに付加されるものを指定することも可能である。このとき、保存、または読み出しする送信設定に、ファイル操作権限管理サーバにアクセスするパスワードが含まれる場合がある。
【0094】
この場合、ステップS403は、送信設定に、ファイル操作権限管理サーバにアクセスするパスワードが含まれているか否かを判定するものとなる。また、ステップS503は、読み出した送信設定に含まれるファイル形式が、ファイル操作権限付きのものであるか否かを判定するものとなる。
【0095】
上述した図11、及び図9の処理によれば、ファイル送信時に他の装置により要求される認証情報が、他の装置に再びデータを送信する際にも使用可能な認証情報である永続的な情報であるか否かを判別する(ステップS405)。そして、認証情報が永続的な情報であると判別されたとき、認証情報を保存する(ステップS408)。次いで、図11で説明するように、他の装置に再びデータを送信する際に、認証情報が保存されているときには、当該認証情報を送信設定情報に反映させる(ステップS509)。その結果、他の装置にデータを送信するために用いられる認証情報の入力に関する操作性を向上させることができる。
【0096】
図12は、宛先入力画面を示す図である。
【0097】
図12に示される宛先入力画面は、UI制御部201が操作部105に表示するファイル宛先入力画面の一例を示している。この画面では、ホスト名入力フィールド1001、フォルダ名入力フィールド1002、ユーザ名入力フィールド1003、パスワード入力フィールド1004が表示されている。そして、これらフィールドにユーザが入力することとなる。
【0098】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態における画像処理装置の構成は、第1の実施の形態における画像処理装置100と同じであるので、説明を省略する。
【0099】
上述した第1の実施の形態では、パスワードが永続的か否かを、新規宛先のファイル送信のパスワードの属性情報を参照して判断していた。一方、パスワードが常に変更されるため、アドレス帳にファイル送信の宛先を登録する際、パスワードは都度入力であるという指定をして登録することがある。
【0100】
ユーザが、送信先として、都度入力指定されたファイル送信宛先を指定すると、送信の度にパスワードを入力が求められる。
【0101】
良く使う設定に登録する送信宛先がこのような都度入力が必要な場合、そのパスワードはやはり永続的では無い。
【0102】
図13は、図1におけるCPU108により実行される登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0103】
図13の登録処理は、現在設定されている送信設定を良く使う設定に登録する処理を示しており、このプログラムはメモリ109に格納されている。
【0104】
図13において、UI制御部201で、ユーザが指示した、送信設定の良く使う設定への保存要求を受け付け(ステップS1101)、受け付けた保存要求がされた送信設定の設定値を確認する(ステップS1102)。
【0105】
次いで、UI制御部201は、確認した設定値における送信設定に含まれる送信宛先が、ファイル送信のアドレス帳宛先か否か判別する(ステップS1103)。
【0106】
ステップS1103の判別の結果、アドレス帳宛先ではないとき(ステップS1103でNO)、そのまま保存して構わないので、UI制御部201は、受け付けた保存要求での送信設定を送信設定管理部207に渡す。
【0107】
そして、送信設定管理部207は、設定値をメモリ109上の所定の領域に保存し(ステップS1109)、本処理を終了する。
【0108】
一方、ステップS1103の判別の結果、アドレス帳宛先のとき(ステップS1103でYES)、パスワード都度入力設定がされている可能性があり、パスワードが永続的でない可能性がある。
【0109】
そこで、UI制御部201は、受け付けた保存要求での送信設定に含まれる送信宛先のアドレス帳宛先の属性を取得し(ステップS1104)、パスワード都度入力が指定されているか否か判別する(ステップS1105)。
【0110】
ステップS1105の判別の結果、パスワード都度入力が指定されていないとき(ステップS1105でNO)、このパスワードは永続的であり、上記ステップS1109に進む。
【0111】
一方、ステップS1105の判別の結果、パスワード都度入力が指定されているとき(ステップS1105でYES)、このパスワードは永続的ではなく、これを良く使う設定へ保存することは好ましくない。
【0112】
そこで、UI制御部201は、上述した図10(B)に示した削除確認画面を表示して、ユーザにパスワードを削除することを通知する(ステップS1106)。次いで、受け付けた保存要求での送信設定に含まれる都度入力パスワードを削除し(ステップS1107)、良く使う設定に保存するパスワード削除フラグをONに設定し(ステップS1108)、上記ステップS1109に進む。
【0113】
第2の実施の形態における読み出し処理は、図11のフローチャートにおけるステップS503で、読み出した送信設定に含まれる送信宛先が、ファイル送信のアドレス帳宛先か否かを判別すること以外は、図11と同じである。
【0114】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態における画像処理装置の構成は、第1の実施の形態における画像処理装置100と同じであるので、説明を省略する。
【0115】
第1,2の実施の形態では、ファイル送信宛先を含んだ良く使う呼び出す際、機器の設定に応じてユーザ名、パスワードは登録時の物ではなく、呼び出し時のものを設定していた。
【0116】
これを、ユーザ名、パスワードだけでなく、送信先ホスト名、フォルダ名も、呼び出し時のものを設定することも考えられる。
【0117】
例えば、セキュリティの観点から、機器の設定で、ファイル送信は個々のユーザに紐づいた特定のフォルダにしか送信できないという設定もあり得る。この場合は、ユーザに紐づいた送信先ホスト名、フォルダ名も、ユーザがログインしている時のみ有効で、永続的でないと考えられる。
【0118】
図14は、図1におけるCPU108により実行される読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【0119】
図14の読み出し処理は、現在設定されている送信設定を良く使う設定に登録する処理を示しており、このプログラムはメモリ109に格納されている。
【0120】
図14において、UI制御部201で、ユーザによる読み出し要求を受け付ける(ステップS1201)。具体的には、ユーザは、良く使う設定画面に表示されている「良く使う設定」ボタン801から、所望のボタンを押下することで、読み出し要求をすることができる。
【0121】
次いで、UI制御部201は、受け付けた読み出し要求を、送信設定管理部207に渡す。送信設定管理部207は、受け付けた良く使う設定に紐づいた送信設定を、メモリ109の所定の保存領域から読み出す(ステップS1202)。
【0122】
次いで、UI制御部201は、UI制御部201で、機器の設定を参照し、ファイル送信先は、ユーザに紐づいたマイフォルダ(MyFolder)に限定する設定がなされているか否か判別する(ステップS1203)。
【0123】
ステップS1203の判別の結果、マイフォルダに限定する設定がなされていないとき(ステップS1203でNO)、UI制御部201は機器の設定を参照する。そして、認証連動設定を確認し(ステップS1211)、ユーザ名、パスワードを取得する(ステップS1212)。
【0124】
次いで、取得したユーザ名、パスワードを送信宛先に設定し(S1213)、ステップS1202で読み出した他の送信設定と共に、現在の送信設定として設定し(ステップS1208)、本処理を終了する。
【0125】
上述したS1211〜S1213の処理の詳細は、図11のフローチャートにおけるステップS505〜ステップS509、ステップS511〜ステップS514の処理である。
【0126】
ステップS1203の判別の結果、マイフォルダに限定する設定がなされているとき(ステップS1203でYES)、UI制御部201は機器の設定を参照する。そして、ユーザに紐づくマイフォルダ情報が認証サーバで管理されているか否か判別する(ステップS1204)。
【0127】
ステップS1204の判別の結果、マイフォルダに限定する設定がなされているとき(ステップS1204でYES)、UI制御部201は、ユーザが機器を操作する際の認証時に得られたログイン情報を参照する(ステップS1205)。
【0128】
そして、認証サーバで管理されているユーザに紐づくホスト名、フォルダ名および、ユーザ名、パスワードを取得する(ステップS1206)。
【0129】
次いで、送信宛先に、ステップS1206で取得したホスト名、フォルダ名、ユーザ名、パスワードを設定し(ステップS1207)、上記ステップS1208に進む。
【0130】
上記ステップS1204の判別の結果、マイフォルダに限定する設定がなされていないとき(ステップS1204でNO)、UI制御部201は、鍵束を参照する(ステップS1209)。そして、ユーザが登録したユーザに紐づくホスト名、フォルダ名および、ユーザ名、パスワードを取得し(ステップS1210)、上記ステップS1207に進む。
【0131】
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0132】
100 画像処理装置
105 操作部
106 ネットワークI/F
108 CPU
109 メモリ
110 カードリーダ
201 UI制御部
202 スキャン制御部
203 送信制御部
204 ファックス制御部
205 ジョブ管理部
206 画像管理部
207 送信設定管理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機能のみならず、ファクス機能、ネットワークスキャン機能、プリント機能など、複数の機能を実行することが出来る複合機が広く使われるようになってきている。通常、これら複合機は、タッチスクリーン機能を持つ操作パネルとハードキーを有する操作部を備えており、ユーザは、操作パネル上に表示された機能一覧から所望の機能を呼び出し、機器を操作する。
【0003】
また、セキュリティの確保や課金の為に、ユーザが機器を利用する際、ユーザ認証を要求することも行われている。この場合、ユーザはタッチパネルまたはカード等を利用して認証を行い、認証が成功すると、機器を使用可能となる。
【0004】
ここで、ユーザがネットワークスキャン機能を使用し、その送信先である他の装置がファイルサーバであった場合、ユーザは、送信宛先情報として、ファイルサーバのIPアドレスまたはホスト名、送信先フォルダ、ログインするユーザ名、パスワードを指定する。
【0005】
読み取り解像度であれば、300×300dpi、読み取りサイズはA4、ファイル形式はPDF等所望のファイル形式を設定する。更に原稿を読み取る際のカラーモードや、送信文書名等が設定されることもある。
【0006】
複合機は、これらの設定に従い原稿を読み込み、読み込んだ画像を指定された通信手段を用いて、指定された宛先に送信する。
【0007】
このように、送信時に指定可能な設定は多岐に渡るため、ユーザの設定操作を簡便にしたいという要望がある。
【0008】
前述したファイルサーバへの送信である場合、ファイルサーバにログインする認証情報は、機器を操作しているユーザに紐づいている場合が多い。このため、ユーザが機器を使用する際の認証に用いた認証情報を、ユーザに改めて入力させることなく、ファイルサーバにログインする際の認証情報に用いることも行われている。
【0009】
また、ユーザが実行する送信処理は定型的なものであることも多く、一旦入力された送信宛先や読み取り設定などの送信時の設定を、良く使う設定として機器に保存することも行われている。ユーザは、保存内容を割り当てた所定のボタンを押下することで設定を呼出すことが出来、これにより、ユーザの送信設定操作を容易になる。
【0010】
前述のファイルサーバへの送信設定をユーザが保存したければ、送信設定が完了した後、操作パネルに表示されたメニューを操作し、送信設定を良く使う設定として、機器に保存することが出来る。
【0011】
このような機器に保存してある設定が、呼び出し時に常に有効とは限らない。例えば、パスワードに有効期限が設定されていて、呼び出し時にはファイルサーバへのパスワードが、有効でない可能性もあり得る。このような時、ユーザが機器に保存してある設定を呼び出し送信すると、送信エラーになってしまう。
【0012】
そこで、IDやパスワードを含めた認証情報を用いてアクセスする機能を有する認証情報設定装置において、装置に保存している認証情報の有効期限が切れていた場合、再設定する仕組みを設ける情報設定装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−167051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、パスワードのような認証情報には、一定期間後に有効期限が切れるようなものだけでなく、機器を使用するユーザがログイン中のみ有効なものもある。そのような認証情報は、機器に保存しても意味が無いだけでなく、セキュリティの観点からも好ましくない。
【0015】
一方、ユーザの設定操作を簡便にするためには、機器に保存された良く使う設定を呼び出したとき、ユーザに改めて設定操作を行わせないことが求められる。例えば、認証情報を良く使う設定に保存しなかった場合に、呼び出し時に毎回ユーザに入力を要求するようでは、操作性の観点から好ましくない。
【0016】
本発明の目的は、他の装置にデータを送信するために用いられる認証情報の入力に関する操作性を向上させたデータ通信装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明におけるデータ通信装置は、ユーザが前記データ通信装置にログインする際に認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて前記ユーザを認証する認証手段と、前記認証されたユーザにより入力されたファイルの送信宛先を指定する指定手段と、前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する送信手段と、前記ファイルの送信宛先を登録する登録手段と、前記ユーザを認証したときに用いた認証情報を、前記ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信宛先とともに前記認証情報を登録することを禁止し、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、他の装置にデータを送信するために用いられる認証情報の入力に関する操作性を向上させたデータ通信装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1における画像処理装置のソフトウェア構成を示す図である。
【図3】本実施の形態が適用される画像処理システムを示す図である。
【図4】図1における操作部に表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【図5】図1における操作部に表示されるスキャン操作画面(その1)の一例を示す図である。
【図6】図1における操作部に表示されるスキャン操作画面(その2)の一例を示す図である。
【図7】図1における操作部に表示される良く使う設定画面の一例を示す図である。
【図8】図1におけるメモリ上の履歴に格納されている、良く使う設定情報の一例を示す図である。
【図9】図1におけるCPUにより実行される登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】画面例を示す図であり、(A)は削除保存画面の一例を示し、(B)は削除確認画面の一例を示している。
【図11】図1におけるCPUにより実行される読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】宛先入力画面を示す図である。
【図13】図1におけるCPUにより実行される登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図1におけるCPUにより実行される読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0021】
なお、本実施の形態では、本発明の実施の形態に係るデータ通信装置を、画像処理装置に適用させた形態について説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示す図である。
【0023】
図1において、画像処理装置100は、電子写真方式等の方式で記録紙上に画像を形成する画像形成部101、画像処理装置100を統御する制御部102を備えている。また、画像処理装置100は、ステイプル処理等の後処理を行うフィニッシャ103、原稿画像を読取るスキャナ部104、各種のデータやコマンドを入力する操作部105を備えている。
【0024】
さらに、画像処理装置100は、ネットワークを介して画像データ送受信するネットワークインタフェース106、ファクスデータ等を送受信のファクスインタフェース107、及び機器を使用するユーザ認証を行うカードリーダ110も備えている。
【0025】
そして、これら画像形成部101、フィニッシャ103、スキャナ部104、操作部105、ネットワークインタフェース106、ファクスインタフェース107は、それぞれ専用インタフェースで制御部102に接続されている。
【0026】
また、制御部102は、CPU(中央処理装置)108とメモリ(記憶手段)109とにより、その主要部が構成されている。
【0027】
メモリ109には、図9、図11、図13、図14のフローチャートに対応する制御プログラム、図4〜7、図10、図12に示した設定ダイアログ・ボックス等の制御プログラム、及び操作画面情報を記述したコンテンツ等が格納されている。
【0028】
図2は、図1における画像処理装置100のソフトウェア構成を示す図である。
【0029】
図2において、UI制御部201は、操作部105に操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェース(UI)を制御する。スキャン制御部202は、スキャナ部104を制御し、原稿画像を読み取る処理を制御する。
【0030】
送信制御部203は、スキャン制御部202が読み取った画像データを、ネットワークインタフェース106を用いてユーザが指定した宛先に送信する処理を制御する。ファクス制御部204は、ファクスインタフェース107を用いて、ファクスの送受信を制御する。
【0031】
ジョブ管理部205は、UI制御部201が受け付けたユーザの送信要求、及びその実行状態を管理する。画像管理部206は、スキャナ部104で読み取った画像の管理情報を管理する。送信設定管理部207は、ユーザの指示により、機器に保存または機器から読み出す送信設定を管理する。
【0032】
図3は、本実施の形態が適用される画像処理システム300を示す図である。
【0033】
図3において、上述した画像処理装置100、サーバコンピュータ302、及び認証サーバ303が示されている。
【0034】
サーバコンピュータ302は、原稿をスキャンした画像データを送信する他の装置に対応する。このサーバコンピュータには、表示部321及び入力装置322が接続されている。
【0035】
また、認証サーバ303は、画像処理装置100、及びサーバコンピュータ302を使用する際、ユーザ認証を司る。これらは、ネットワークインタフェースを介して、それぞれネットワークに接続されている。
【0036】
図4は、図1における操作部105に表示されるホーム画面の一例を示す図である。
【0037】
図4において、所望の処理を行う操作画面を呼び出すアプリケーション選択ボタン601が表示されている。この例では、コピー機能、ネットワークスキャン機能、ファクス機能、ボックス機能の各々の操作画面を呼び出す「コピー」ボタン606、「スキャン」ボタン607、「ファクス」ボタン608、「ボックス」ボタン609が表示されている。
【0038】
また、テンキー602、ジョブ開始を指示するスタートキー603が配置されている。更に、機器の設定画面を呼び出す「設定・登録」画面呼び出しボタン604や、ジョブの履歴・状況画面を呼び出す「履歴・状況」ボタン605も配置されている。
【0039】
図5は、図1における操作部105に表示されるスキャン操作画面(その1)の一例を示す図である。
【0040】
図5のスキャン操作画面は、図4で示した「スキャン」ボタン607をユーザが押下することで、操作部105に表示される。この図では、送信宛先を指定可能な宛先入力ボタン701が表示されている。
【0041】
宛先の入力は、「アドレス帳」「ワンタッチ」「新規宛先」いずれの方法でも可能である。送信設定ボタン702は、読み取り解像度、読み取りカラーモード等の送信設定を設定するためのボタンである。応用設定ボタン703は、読み取り、送信時のさまざまな詳細設定を呼び出すためのボタンである。
【0042】
また、保存された送信設定を呼び出す「良く使う設定」ボタン704も表示されている。
【0043】
このスキャン操作画面では、電子メール送信およびファイル送信が可能である。また、機器の設定によっては、ファクス送信も可能である。
【0044】
図6は、図1における操作部105に表示されるスキャン操作画面(その2)の一例を示す図である。
【0045】
図6のスキャン操作画面は、ユーザが送信宛先等、送信設定を行った場合の画面である。
【0046】
図6において、ユーザが指定した送信宛先が送信宛先一覧リスト711に表示されている。送信宛先の詳細を表示する詳細情報ボタン712も表示されている。送信設定ボタンには設定値が反映され、ファイル形式ボタンのキャプションはPDF(OCR)となっている。また、送信ファイル名等、応用設定がなされたことを示すために、応用設定ボタン703は反転表示している。
【0047】
図7は、図1における操作部105に表示される良く使う設定画面の一例を示す図である。
【0048】
この良く使う設定画面は、図4における「良く使う設定」ボタン704をユーザが押下することで、操作部105に表示される。
【0049】
図7において、ユーザが登録した「良く使う設定」ボタン801、現在の送信設定を新たに登録する登録ボタン802、及び既存のボタンの編集を行うボタン803が表示されている。なお、図7において、「良く使う設定」ボタン801は、「サーバ1共有1」、「サーバ1報告書」、「Fax本社週報」、及び「メール一斉通達」の各々のボタンを指している。
【0050】
ユーザは、所望の「良く使う設定」ボタン801を押下することで、ボタンに紐づけられた設定情報を呼び出し、送信設定に反映することが出来る。また、登録ボタン802を押下することで、送信設定を登録することが出来る。
【0051】
図8は、図1におけるメモリ109上の履歴に格納されている、良く使う設定情報(送信設定情報)の一例を示す図である。
【0052】
よく使う設定情報は、宛先情報811、読み取り設定情報812、ファイル形式813、及びその他814で構成される。
【0053】
宛先情報811は、送信するプロトコルに応じた情報である。この例では「ファイル」となっていて、ファイル送信に必要な情報である。また、宛先情報811には、他の装置での認証に用いられる認証情報としてのパスワードが含まれる。
【0054】
読み取り設定情報812は、サイズ及び解像度を示す情報であり、図8では、読み取りサイズは「自動検知」、読み取り解像度300x300dpiとなっている。
【0055】
ファイル形式813はファイルの形式を示し、図8では、高圧縮PDF、そしてOCRを用いた形式を示している。その他814は、上記情報以外の情報であり、図8では、送信ファイル名となっている。
【0056】
図9は、図1におけるCPU108により実行される登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0057】
図9の登録処理は、現在設定されている送信設定を良く使う設定に登録する処理を示しており、このプログラムはメモリ109に格納されている。
【0058】
図9において、UI制御部201で、ユーザによる保存要求を受け付ける(ステップS401)。具体的には、ユーザがスキャン操作画面から、宛先入力ボタン701や送信設定ボタン702等を操作し所望の送信設定を行った後、「良く使う設定」ボタン704を押下して良く使う設定画面を開き、登録ボタン802を押下することで保存要求をすることが出来る。
【0059】
次いで、保存要求された送信設定の設定値を確認する(ステップS402)。そして、UI制御部201は、確認した設定値における送信設定に含まれる送信宛先が、ファイル送信の新規宛先か否かを判別する(ステップS403)。
【0060】
ステップS403の判別の結果、新規宛先ではないとき(ステップS403でNO)、送信設定にはパスワードは含まれていないので、送信設定管理部207に処理を依頼し、そのまま設定値を保存して(ステップS409)、本処理を終了する。
【0061】
具体的にUI制御部201は、ステップS401で受け付けた送信設定の保存要求を送信設定管理部207に渡す。そして、送信設定管理部207は、設定値をメモリ109の所定の領域に保存する。
【0062】
一方、ステップS403の判別の結果、新規宛先のとき(ステップS403でYES)、送信設定にはパスワードは含まれており、これが永続的でない可能性がある。そこで、UI制御部201は、ステップS401で受け付けた送信設定に含まれるパスワードに関する属性情報を取得し(ステップS404)、ユーザが画像処理装置100にログインしたときに受け付けたパスワードをファイル送信時に要求されるパスワードに流量するか否かを判別する(ステップS405)。
【0063】
すなわち、ファイル送信時に要求されるパスワードが画像処理装置100にログインする際の認証に用いられるパスワードと同じパスワードであり、画像処理装置100にログインする際に用いられるパスワードを流用する設定であるログイン情報連動の設定となっているか否かを判別する。すなわち、メモリ109には、画像処理装置100にログインする際に認証のために用いたパスワードが記憶されている。
【0064】
または、ファイルを送信する時にパスワードをユーザから受け付ける設定が画像処理装置100にされている場合は、S405でNOと判定されることになる。
【0065】
ステップS405でYESと判別されたとき、これを良く使う設定へ保存するか否かをユーザの判断に委ねるための削除保存選択画面を表示する(ステップS406)。すなわち、ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する。この削除保存選択画面の詳細は後述する。
【0066】
次いで、ユーザがパスワードの保存を選択したか否か判別する(ステップS407)。ステップS407の判別の結果、パスワードの保存が選択されたとき(ステップS407でYES)、パスワードを保存し、良く使う設定に保存するパスワード削除フラグをOFFに設定し(ステップS408)、上記ステップS409に進む。
【0067】
一方、ステップS407の判別の結果、パスワードの保存が選択されなかったとき(ステップS407でNO)、UI制御部201は、ステップS401で受け付けた送信設定に含まれるパスワードを削除する(ステップS411)。
【0068】
そして、良く使う設定に保存するパスワード削除フラグをONに設定し(ステップS412)、上記ステップS409に進む。
【0069】
上記ステップS405でNOと判定された場合、このパスワードはユーザが画像処理装置100にログインしている間だけ有効な情報であり永続的ではないので、これを良く使う設定へ保存することは好ましくない。
【0070】
そこで、UI制御部201は、ファイルの送信宛先とともに認証情報を登録することを禁止するために、削除確認画面を表示し(ステップS410)、上記ステップS411に進む。この削除確認画面の詳細は後述する。
【0071】
このように、良く使う設定に保存する送信設定にパスワードが含まれている場合、ログイン時に受け付けたパスワードをファイル送信時のパスワードとして流用する設定の有無に応じて、適切に保存処理を行うことが可能となる。
【0072】
図10は画面例を示す図であり、(A)は削除保存画面の一例を示し、(B)は削除確認画面の一例を示している。
【0073】
図10において、削除保存画面には、「パスワード情報が含まれています。パスワード情報を除いて登録しますか?」と示され、良く使う設定へ保存するか否かをユーザの判断に委ねる画面となっている。
【0074】
また、削除確認画面には、「パスワード情報が含まれています。パスワード情報を除いて登録します。」と示され、ユーザにパスワードを削除することを通知する画面となっている。なお、上記削除保存画面、及び削除確認画面は、ポップアップ画面として表示してもよい。
【0075】
図11は、図1におけるCPU108により実行される読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【0076】
図11の読み出し処理は、良く使う設定に登録されている設定値を読み出す処理を示しており、このプログラムはメモリ109に格納されている。
【0077】
図11において、UI制御部201で、ユーザによる読み出し要求を受け付ける(ステップS401)。具体的には、ユーザは、良く使う設定画面に表示されている「良く使う設定」ボタン801から、所望のボタンを押下することで、読み出し要求をすることができる。
【0078】
次いで、UI制御部201は、受け付けた読み出し要求を、送信設定管理部207に渡す。送信設定管理部207は、受け付けた良く使う設定に紐づいた送信設定を、メモリ109の所定の保存領域から読み出す(ステップS502)。
【0079】
そして、UI制御部201は、読み出した送信設定に含まれる送信宛先が、ファイル送信の新規宛先か否か判別する(ステップS503)。
【0080】
ステップS503の判別の結果、送信宛先が新規宛先ではないとき(ステップS503でNO)、送信設定にはパスワードは含まれておらず、そのまま読み出して構わない。そこで、UI制御部201は、ステップS502で読み出した送信設定を、現在の送信設定として設定し(ステップS510)、本処理を終了する。
【0081】
一方、ステップS503の判別の結果、送信宛先が新規宛先のとき(ステップS503でYES)、UI制御部201はステップS502で読み出した設定値に含まれるパスワード削除フラグを確認し、フラグがONであるか否か判別する(ステップS504)。
【0082】
ステップS504の判別の結果、フラグがONではないとき(ステップS504でNO)、パスワードは削除されていないこととなる。
【0083】
そこで、UI制御部201は、ステップS502で読み出した設定値に含まれるユーザ名、パスワードを送信宛先のユーザ名、パスワードに設定し(ステップS509)、上記ステップS510に進む。
【0084】
一方、ステップS504の判別の結果、フラグがONのとき(ステップS504でYES)、パスワードは削除されていることとなる。そこで、UI制御部201で、機器の設定を参照し、認証連動設定がなされているか否か判別する(ステップS505)。
【0085】
ステップS505の判別の結果、認証連動設定がなされているとき(ステップS505でYES)、ユーザ認証機能を用いて特定したユーザに紐づいた認証情報を、送信時の認証情報に利用することが出来る。
【0086】
そこで、UI制御部201は、認証連動設定が、ログイン情報連動か否か判別する(ステップS506)。ステップS506の判別の結果、認証連動設定がログイン情報連動であったとき(ステップS506でYES)、ユーザが機器を利用する際に用いた認証情報を、送信時にも利用することができる。
【0087】
そこで、ユーザがカードリーダ110を用いて機器を利用する際に用いた認証情報であるログイン情報を参照し(ステップS507)、ユーザ名とパスワードを取得し(ステップS508)、上記ステップS509に進む。
【0088】
一方、ステップS506の判別の結果、認証連動設定がログイン情報連動ではないとき(ステップS506でNO)、ユーザに紐づいた認証情報は、ユーザが鍵束に登録した情報を利用することとなる。
【0089】
そこで、UI制御部201は、鍵束を参照することで(ステップS511)、ユーザ認証機能を用いて特定したユーザに紐づいた認証情報を参照し、ユーザ名とパスワードを取得し(ステップS512)、上記ステップS509に進む。すなわち、他の装置に再びデータを送信する際に、認証情報が保存されていないときには、画像処理装置100を操作するユーザに紐づいた鍵束に登録された認証情報を送信設定情報に反映させる。
【0090】
上記ステップS505の判別の結果、認証連動設定がなされていないとき(ステップS505でNO)、機器に認証連動設定はなされていないこととなる。
【0091】
そこで、UI制御部201は、宛先入力画面を表示し、ユーザに入力を促す(ステップS513)。この宛先入力画面については後述する。
【0092】
次いで、UI制御部201は、ユーザがパスワード入力フィールド1004に入力したパスワードを取得し(ステップS514)、上記ステップS509に進む。
【0093】
なお、図11ではファイル宛先に含まれるパスワードについて説明したが、ファイル宛先のパスワードに限らず、送信設定に含まれる他のパスワードに関しても適用出来る。例えば、送信ファイル形式として、ファイル操作権限管理サーバから取得したファイル操作権限を、ファイルに付加されるものを指定することも可能である。このとき、保存、または読み出しする送信設定に、ファイル操作権限管理サーバにアクセスするパスワードが含まれる場合がある。
【0094】
この場合、ステップS403は、送信設定に、ファイル操作権限管理サーバにアクセスするパスワードが含まれているか否かを判定するものとなる。また、ステップS503は、読み出した送信設定に含まれるファイル形式が、ファイル操作権限付きのものであるか否かを判定するものとなる。
【0095】
上述した図11、及び図9の処理によれば、ファイル送信時に他の装置により要求される認証情報が、他の装置に再びデータを送信する際にも使用可能な認証情報である永続的な情報であるか否かを判別する(ステップS405)。そして、認証情報が永続的な情報であると判別されたとき、認証情報を保存する(ステップS408)。次いで、図11で説明するように、他の装置に再びデータを送信する際に、認証情報が保存されているときには、当該認証情報を送信設定情報に反映させる(ステップS509)。その結果、他の装置にデータを送信するために用いられる認証情報の入力に関する操作性を向上させることができる。
【0096】
図12は、宛先入力画面を示す図である。
【0097】
図12に示される宛先入力画面は、UI制御部201が操作部105に表示するファイル宛先入力画面の一例を示している。この画面では、ホスト名入力フィールド1001、フォルダ名入力フィールド1002、ユーザ名入力フィールド1003、パスワード入力フィールド1004が表示されている。そして、これらフィールドにユーザが入力することとなる。
【0098】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態における画像処理装置の構成は、第1の実施の形態における画像処理装置100と同じであるので、説明を省略する。
【0099】
上述した第1の実施の形態では、パスワードが永続的か否かを、新規宛先のファイル送信のパスワードの属性情報を参照して判断していた。一方、パスワードが常に変更されるため、アドレス帳にファイル送信の宛先を登録する際、パスワードは都度入力であるという指定をして登録することがある。
【0100】
ユーザが、送信先として、都度入力指定されたファイル送信宛先を指定すると、送信の度にパスワードを入力が求められる。
【0101】
良く使う設定に登録する送信宛先がこのような都度入力が必要な場合、そのパスワードはやはり永続的では無い。
【0102】
図13は、図1におけるCPU108により実行される登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0103】
図13の登録処理は、現在設定されている送信設定を良く使う設定に登録する処理を示しており、このプログラムはメモリ109に格納されている。
【0104】
図13において、UI制御部201で、ユーザが指示した、送信設定の良く使う設定への保存要求を受け付け(ステップS1101)、受け付けた保存要求がされた送信設定の設定値を確認する(ステップS1102)。
【0105】
次いで、UI制御部201は、確認した設定値における送信設定に含まれる送信宛先が、ファイル送信のアドレス帳宛先か否か判別する(ステップS1103)。
【0106】
ステップS1103の判別の結果、アドレス帳宛先ではないとき(ステップS1103でNO)、そのまま保存して構わないので、UI制御部201は、受け付けた保存要求での送信設定を送信設定管理部207に渡す。
【0107】
そして、送信設定管理部207は、設定値をメモリ109上の所定の領域に保存し(ステップS1109)、本処理を終了する。
【0108】
一方、ステップS1103の判別の結果、アドレス帳宛先のとき(ステップS1103でYES)、パスワード都度入力設定がされている可能性があり、パスワードが永続的でない可能性がある。
【0109】
そこで、UI制御部201は、受け付けた保存要求での送信設定に含まれる送信宛先のアドレス帳宛先の属性を取得し(ステップS1104)、パスワード都度入力が指定されているか否か判別する(ステップS1105)。
【0110】
ステップS1105の判別の結果、パスワード都度入力が指定されていないとき(ステップS1105でNO)、このパスワードは永続的であり、上記ステップS1109に進む。
【0111】
一方、ステップS1105の判別の結果、パスワード都度入力が指定されているとき(ステップS1105でYES)、このパスワードは永続的ではなく、これを良く使う設定へ保存することは好ましくない。
【0112】
そこで、UI制御部201は、上述した図10(B)に示した削除確認画面を表示して、ユーザにパスワードを削除することを通知する(ステップS1106)。次いで、受け付けた保存要求での送信設定に含まれる都度入力パスワードを削除し(ステップS1107)、良く使う設定に保存するパスワード削除フラグをONに設定し(ステップS1108)、上記ステップS1109に進む。
【0113】
第2の実施の形態における読み出し処理は、図11のフローチャートにおけるステップS503で、読み出した送信設定に含まれる送信宛先が、ファイル送信のアドレス帳宛先か否かを判別すること以外は、図11と同じである。
【0114】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態における画像処理装置の構成は、第1の実施の形態における画像処理装置100と同じであるので、説明を省略する。
【0115】
第1,2の実施の形態では、ファイル送信宛先を含んだ良く使う呼び出す際、機器の設定に応じてユーザ名、パスワードは登録時の物ではなく、呼び出し時のものを設定していた。
【0116】
これを、ユーザ名、パスワードだけでなく、送信先ホスト名、フォルダ名も、呼び出し時のものを設定することも考えられる。
【0117】
例えば、セキュリティの観点から、機器の設定で、ファイル送信は個々のユーザに紐づいた特定のフォルダにしか送信できないという設定もあり得る。この場合は、ユーザに紐づいた送信先ホスト名、フォルダ名も、ユーザがログインしている時のみ有効で、永続的でないと考えられる。
【0118】
図14は、図1におけるCPU108により実行される読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【0119】
図14の読み出し処理は、現在設定されている送信設定を良く使う設定に登録する処理を示しており、このプログラムはメモリ109に格納されている。
【0120】
図14において、UI制御部201で、ユーザによる読み出し要求を受け付ける(ステップS1201)。具体的には、ユーザは、良く使う設定画面に表示されている「良く使う設定」ボタン801から、所望のボタンを押下することで、読み出し要求をすることができる。
【0121】
次いで、UI制御部201は、受け付けた読み出し要求を、送信設定管理部207に渡す。送信設定管理部207は、受け付けた良く使う設定に紐づいた送信設定を、メモリ109の所定の保存領域から読み出す(ステップS1202)。
【0122】
次いで、UI制御部201は、UI制御部201で、機器の設定を参照し、ファイル送信先は、ユーザに紐づいたマイフォルダ(MyFolder)に限定する設定がなされているか否か判別する(ステップS1203)。
【0123】
ステップS1203の判別の結果、マイフォルダに限定する設定がなされていないとき(ステップS1203でNO)、UI制御部201は機器の設定を参照する。そして、認証連動設定を確認し(ステップS1211)、ユーザ名、パスワードを取得する(ステップS1212)。
【0124】
次いで、取得したユーザ名、パスワードを送信宛先に設定し(S1213)、ステップS1202で読み出した他の送信設定と共に、現在の送信設定として設定し(ステップS1208)、本処理を終了する。
【0125】
上述したS1211〜S1213の処理の詳細は、図11のフローチャートにおけるステップS505〜ステップS509、ステップS511〜ステップS514の処理である。
【0126】
ステップS1203の判別の結果、マイフォルダに限定する設定がなされているとき(ステップS1203でYES)、UI制御部201は機器の設定を参照する。そして、ユーザに紐づくマイフォルダ情報が認証サーバで管理されているか否か判別する(ステップS1204)。
【0127】
ステップS1204の判別の結果、マイフォルダに限定する設定がなされているとき(ステップS1204でYES)、UI制御部201は、ユーザが機器を操作する際の認証時に得られたログイン情報を参照する(ステップS1205)。
【0128】
そして、認証サーバで管理されているユーザに紐づくホスト名、フォルダ名および、ユーザ名、パスワードを取得する(ステップS1206)。
【0129】
次いで、送信宛先に、ステップS1206で取得したホスト名、フォルダ名、ユーザ名、パスワードを設定し(ステップS1207)、上記ステップS1208に進む。
【0130】
上記ステップS1204の判別の結果、マイフォルダに限定する設定がなされていないとき(ステップS1204でNO)、UI制御部201は、鍵束を参照する(ステップS1209)。そして、ユーザが登録したユーザに紐づくホスト名、フォルダ名および、ユーザ名、パスワードを取得し(ステップS1210)、上記ステップS1207に進む。
【0131】
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0132】
100 画像処理装置
105 操作部
106 ネットワークI/F
108 CPU
109 メモリ
110 カードリーダ
201 UI制御部
202 スキャン制御部
203 送信制御部
204 ファックス制御部
205 ジョブ管理部
206 画像管理部
207 送信設定管理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信装置であって、
ユーザが前記データ通信装置にログインする際に認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて前記ユーザを認証する認証手段と、
前記認証されたユーザにより入力されたファイルの送信宛先を指定する指定手段と、
前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する送信手段と、
前記ファイルの送信宛先を登録する登録手段と、
前記ユーザを認証したときに用いた認証情報を、前記ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信宛先とともに前記認証情報を登録することを禁止し、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する制御手段と、
を有することを特徴とするデータ通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信時に要求される認証情報を登録するか否かを前記ユーザに確認させ、前記ユーザが登録を指示した場合に当該認証情報を登録するように制御することを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、ファイルを送信する度に認証情報を前記ユーザから受け付ける設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ通信装置。
【請求項4】
ファイルの送信時に要求される認証情報を、前記認証手段により認証されるユーザに紐づけて記憶する記憶手段を更に有し、
前記送信手段は、前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する場合、前記ユーザに紐づけて前記記憶手段に記憶されている認証情報を用いて当該ファイルを送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項5】
データ通信装置の制御方法であって、
ユーザが前記データ通信装置にログインする際に認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて前記ユーザを認証する認証ステップと、
前記認証されたユーザにより入力されたファイルの送信宛先を指定する指定ステップと、
前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する送信ステップと、
前記ファイルの送信宛先を登録する登録ステップと、
前記ユーザを認証したときに用いた認証情報を、前記ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信宛先とともに前記認証情報を登録することを禁止し、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する制御ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
データ通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
ユーザが前記データ通信装置にログインする際に認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて前記ユーザを認証する認証ステップと、
前記認証されたユーザにより入力されたファイルの送信宛先を指定する指定ステップと、
前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する送信ステップと、
前記ファイルの送信宛先を登録する登録ステップと、
前記ユーザを認証したときに用いた認証情報を、前記ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信宛先とともに前記認証情報を登録することを禁止し、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する制御ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
を備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
データ通信装置であって、
ユーザが前記データ通信装置にログインする際に認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて前記ユーザを認証する認証手段と、
前記認証されたユーザにより入力されたファイルの送信宛先を指定する指定手段と、
前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する送信手段と、
前記ファイルの送信宛先を登録する登録手段と、
前記ユーザを認証したときに用いた認証情報を、前記ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信宛先とともに前記認証情報を登録することを禁止し、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する制御手段と、
を有することを特徴とするデータ通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信時に要求される認証情報を登録するか否かを前記ユーザに確認させ、前記ユーザが登録を指示した場合に当該認証情報を登録するように制御することを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、ファイルを送信する度に認証情報を前記ユーザから受け付ける設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ通信装置。
【請求項4】
ファイルの送信時に要求される認証情報を、前記認証手段により認証されるユーザに紐づけて記憶する記憶手段を更に有し、
前記送信手段は、前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する場合、前記ユーザに紐づけて前記記憶手段に記憶されている認証情報を用いて当該ファイルを送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ通信装置。
【請求項5】
データ通信装置の制御方法であって、
ユーザが前記データ通信装置にログインする際に認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて前記ユーザを認証する認証ステップと、
前記認証されたユーザにより入力されたファイルの送信宛先を指定する指定ステップと、
前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する送信ステップと、
前記ファイルの送信宛先を登録する登録ステップと、
前記ユーザを認証したときに用いた認証情報を、前記ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信宛先とともに前記認証情報を登録することを禁止し、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する制御ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
データ通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
ユーザが前記データ通信装置にログインする際に認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて前記ユーザを認証する認証ステップと、
前記認証されたユーザにより入力されたファイルの送信宛先を指定する指定ステップと、
前記ユーザにより入力された送信宛先へファイルを送信する送信ステップと、
前記ファイルの送信宛先を登録する登録ステップと、
前記ユーザを認証したときに用いた認証情報を、前記ファイルの送信時に要求される認証情報に流用する設定が前記データ通信装置にされている場合、前記ファイルの送信宛先とともに前記認証情報を登録することを禁止し、前記設定が前記データ通信装置にされていない場合、前記ファイルの送信宛先とともにファイルの送信時に要求される認証情報を登録することを許可する制御ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
を備えたことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−109631(P2013−109631A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255056(P2011−255056)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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