説明

トイレットの水洗シスターンおよび便器槽を処理するための製品

本発明はトイレット水洗シスターンに含まれる水に関連して意図し、シスターンに含まれる汚染成分を処理するための薬剤を構成するために少なくとも一つの酸を含む液体の添加製品に関しており、前記添加製品の粘度が500 mPa・s以下を特徴とする;ここで、前記酸は有機酸で、重量当り少なくとも30%に等しい濃度である。これはまた前記シスターンに含まれる前記添加製品と水を含む処理薬剤に関し;ここで前記シスターン水中の前記製品の濃度は100ppmと1000ppmの間である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は添加製品に関するものであり、添加製品はトイレットの水洗シスターン(cistern)に含まれる水に関連して、添加製品が関連する便器槽(bowl)の壁と同様にシスターンの壁の処理を確実にするために適している。本発明はまたトイレット水洗シスターンからの水とともにこの添加製品によって構成される処理薬剤に関連している。
【0002】
トイレット水洗シスターンは水の供給ネットワークの蛇口からくる原水により時には供給されそして、例えば、シャワー水、雨水、等々のような以前に使用された循環水により時には供給されことが知られている。これは利用者にとってある数の悩みとなっている。
【0003】
トイレット水洗シスターンは水がどのような種類の処理も受けないでそして特に軟水化の処理を受けないとき、第1の反応はタルタルの形成であり、そこで重要なことは他の鉱物沈澱物と同様に、この水の第2鉄イオンの含有量により、褐色の他の沈澱物が加わった多くの場合において水の硬度の機能である。
【0004】
使用される水の性質そして特に“硬度”の機能である一定使用時間後、水の蒸発による不溶解の複合物から形成される汚染成分の水洗シスターンおよび水洗便器槽両者内の形成があり、特に水洗シスターン内においてまた不溶解の沈澱物を形成し、水洗を制御する機械部品の適正な機能を混乱させ、もし調整されないならば、沈澱物の純粋でそして単純な塊になりそして便器槽内で見苦しくなりそして悪臭となる。
【0005】
望ましくない沈澱物とは別に、トイレットの水洗シスターンおよび便器槽は数多くの悩みの源でそして不愉快な匂の発生源である微生物により作られる他の汚染成分の発達のまた中心である。
【0006】
これは便器槽および水洗シスターンの両方からのこれらの汚染成分を除去するため何故異なった手段を提案するかである。固体の形でありそして、水洗を作動させたとき、シスターンのすすぎ水に溶解することによりこれらの量の一部を放つ洗浄製品がまた提案されている。このような製品は低い効果で、効果は固形製品が溶解するにつれまた減少することは明白である。
【0007】
水洗シスターンあるいは便器槽自身のいずれかの内部に取り付けられた器具により供給される液体の洗浄製品を採用し、そして作動毎に一定量の洗浄液体を便器槽内に放出することがまた提案されている。この洗浄液体は水洗動作の間、放出される水により押し出され、そして、一方水洗シスターンの壁と機械部品にそして他方便器槽の表面に作用する。このようなシステムにおいて水は洗浄液体の移動ベクトルとして働く。これらのシステムは低い効率をもつことは明白である。
【0008】
特に、特許申請EP−A−O 875 551は処理される表面に直接作用しそしてこれらの表面上に洗浄製品の作用時間を促進するように実質的な粘度を与えられている洗浄製品を開示している。それ故、このような製品は処理される表面に直接に、そして純粋な状態で作用するよう設計されており、これらは、希釈状態にあるとき、トイレットの水洗シスターンおよび便器槽の壁の処理のため全く不適当であるように、そこに含まれる水の分配によって、全ての効果を失う。
【0009】
液体製品の供給器具の一般的な不利点は水洗作業毎に洗浄製品の正確な回分量を供給することへ無能力であることはまた明白である。
【0010】
申請者の名前で登録された、洗浄製品の少量正確な量を供給するための特許申請FR 05.10173において器具が提案され、それではトイレット水洗シスターンの充填時間は供給される液体製品の供給量に大変少ない影響をもつに過ぎない。
【0011】
本発明の目的は、この型の装置により特に供給される添加製品を提案することであり、トイレット水洗シスターンに含まれる水と関連して、この水洗シスターンの壁とそして水洗シスターンに関連する便器槽の壁の両方の処理を、一方種々の上述の沈澱物の形成を防ぎそして、他方供給装置の機構の保守に利益となるように、処理を確実にするに適している。このような製品はまたトイレットを収納する部屋の空気の保守に利益がある。
【0012】
本発明の課題は、従って、トイレット水洗シスターンに含まれる水に関連して意図され、水洗シスターンに含まれる汚染成分の処理薬剤を構成する少なくとも一つの酸を含む液体の添加製品である。その特徴は:
− 粘度が500 mPa・s以下である、
− この酸は有機酸、特に天然有機酸で、少なくとも重量当り30%に等しい濃度である。
【0013】
本発明に従って、添加製品は少なくとも二つの有機酸、望ましくは天然で、これらの酸の少なくとも一つはクエン酸、酢酸あるいは蓚酸であることができる。少なくとも有機酸の一つは合成酸であることがまたでき、特にポリアクリル酸、あるいはポリマレイン酸あるいはホスホン酸により構成されるグループに属する。
【0014】
また、本発明に従う添加製品は少なくとも光合成を遅らせるため少なくとも一つの適当な成分を優先的に含んでいる。例えば、このような成分は本発明に従う添加製品中に三つの機能に役立つような染料によって構成される。特に第一の機能はこの型の製品においては古典的な装飾的な匂いで、第二の機能は特に反光合成機能でそして第三の機能は特に適当な投薬量あるいは投薬器具内の製品の終点を示す指示薬である。
【0015】
添加製品は製品の全重量当りの濃度が少なくとも2%に等しい少なくとも一つの香料油をまた含む;香料油は特にメタノール、および/あるいはエタノールおよび/あるいはプロパノールによって構成される特に少なくとも一つの短分子鎖の蒸発性アルコールと組み合わされ、アルコールの濃度は、望ましくは、製品の全重量当り2%に等しい。
【0016】
添加製品は少なくとも二つの表面活性剤をまた含み、その一つは非イオン型である。最終的に、添加製品は陽イオン表面活性剤の型の殺生物剤を含み、特にQAV、具体的には第4級アンモニウムを含む。
【0017】
本発明の他の目的はトイレット水洗シスターンに含まれる汚染成分の処理薬剤であり、それが構成されることに特徴がある:
− 前記水洗シスターン内に含まれる水、
− 前記したように、具体的には液体添加製品がその重量当りの濃度が少なくとも30%に等しく、そして少なくとも一つの有機酸を含みその粘度が500mPa・s以下である添加製品により、
− この添加製品の水洗シスターンの水中の濃度が100ppmと1000ppmの間でそして望ましくは約400ppmに等しい。
【0018】
本発明の実施態様は、図1のみがトイレットシスターンの水中の添加製品の濃度の関数として本発明に従う処理薬剤の脱タルタル反応の代表的な曲線である付帯図面を参照して、制約のない実施例の方法により下文に直ぐ記述される。
【0019】
トイレットの便器槽を洗浄し保守するために通常使用されるこれらの液体製品と反対に、本発明に従う添加製品の機能は水洗シスターン、あるいは使用中の操作を妨げるあるいは修正するような全ての沈澱物を無くさねばならない機械部品を収納する水洗シスターンの保守をまた確実にすることである。
【0020】
さらに具体的には、本発明に従う添加製品は、分配システムとともに使用されるけれども、しかしながら、シスターン内に設置し、水洗シスターンの水位に関係なく添加製品の厳密に計量された小量(2cmのオーダー)を分配する特別な形状をもつ機械的そして自動的器具により特に分配されるように意図されている。
【0021】
本発明に従えば、トイレットシスターンの水に添加されるとき、この添加製品は、主にタルタルおよび微生物を形成するどのような汚染成分をも破壊しそして防ぐことのできる処理薬剤を含む水と集合体を形成する。
【0022】
処理薬剤の脱タルタル反応は水洗シスターン中の水中の添加製品の濃度の関数であったことは明白である。図1は処理薬剤の脱タルタル反応Ad対添加製品の濃度Cの関数の変化を図示している。脱タルタル反応は1週間に与えられたタルタル量の重量(mg単位)の損失を示している。脱タルタル反応は濃度に比例して大きくなり約400ppmの最大値になり、それから次第に小さくなる。それ故、約400ppmに添加製品の最適量がある。
【0023】
低容量の形で器具によって分配される液体添加製品の特別の性質、これは、この領域で通常使用される多くの製品、特にトイレット便器槽の処理される表面に直接純粋な状況で供給される型の製品を使用することをますます閉め出すように、表面張力現象が製品の自由流を妨害しないことをまた意味している。添加製品の粘度は高くて500 mP・sに等しい。
【0024】
付け加えると、上記の特性により、処理薬剤はゴムあるいはエラストマーで作られた緊密なジョイントを含む機械部品と接触しそして薬剤がこれらの部品、そして主としてこれらのジョイントを劣化させないことが必要であるが、しかし反対にそれの適切な保持に貢献することが必要である。
【0025】
高濃度の有機酸により構成される添加製品の使用は、清浄化されそして/あるいは保持される表面と製品の接触時間そしてそれ故反応時間の延長のための濃厚剤使用の強制なくタルタルに対し高効率の反応を引き起こす。
【0026】
水洗のための洗浄製品および/あるいは保守は、粘度の増加により変わる時間に対する製品の濃度の増加(製品中に含まれる液相の必須的蒸発もよる)である困難さを引き起こすことはまた知られている。このような粘度の増加は、前記製品が流れの容易さが適正な機能性の条件である器具により分配されなければならないとき、特に迷惑でありあるいは受け入れがたいことでさえある。高濃度有機酸の使用、これは、30%より大きい製品の全重量当りの濃度に添加製品に水を固定して、そして従って蒸発の現象が無視でき、かくして上述の型の器具中で添加製品の使用を認めることであることは明白である。
【0027】
本発明に従えば、青色の染料を使用することにより、染料は光線を効果的にフィルターし、光合成現象の重要性を落とし、かくしてトイレット便器槽に形成する緑藻の発生を防ぐことは明白である。また、使用者により容易に受け入れられる色は水洗シスターンそしてトイレット水洗シスターンに分配される添加製品の量が量において適当かどうか決定することを使用者に委ねる。
【0028】
本発明に従う添加製品はこの型の製品に対して比較的高濃度割合で香料油をまた含む。この天然の機能は別として、高い濃度の香料油は、これは約2%以上であり、それから殺生物剤機能をまた確認し、この殺生物剤機能は特に不愉快な匂いの微生物源の形成を除こうとすることである。
【0029】
少なくとも一つの短分子鎖の蒸発性アルコール、特にメタノール、エタノールあるいはプロパノールの種類を添加製品の少なくとも全重量当り2%に等しい濃度でこの香料に付け加えることが、一方この型の香料の蒸発効果を強調しそして他方10℃以下の温度で添加製品の安定化を確認したことはまた明白である。
【0030】
使用の実際の条件で数ヶ月にわたり実施された評価は、本発明に従う添加製品が以下に記述する実施態様が同時に得られたことをこのように確認したことを証明した。
− 一方、水洗シスターンの壁上のそして他方、機械部品と便器槽の壁上のタルタルおよび錆の沈澱物の全体の排除
− 便器槽の表面水準の明るさ
− 緑そして黒藻のような微生物の増殖の抑制
− 水洗機械部品のジョイントそして添加製品の分配器具の防護
− 低い粘度をもつ分配される製品を要求する設備の最適機能化
− 部屋の空気に香料の任意な常置の分配
− トイレット便器槽中の水の任意の着色
【0031】
(実施例1)
− クエン酸 50%
− 非イオン表面活性剤 5%
− 陽イオン表面活性剤 1%
(ジデシルジメチル塩化アンモニウム)
− 青染料(E133) 0.1%
− 香料(ラベンダー) 5%
− イソプロパノール 6%
− 蒸留水 完成する
【0032】
(実施例2)
− クエン酸 50%
− 非イオン表面活性剤 4%
− 陰イオン表面活性剤 4%
− 青染料 0.06%
− 香料 7%
− イソプロパノール 3%
− グリセリン 5%
− 有機酸(ポリアクリル酸) 5%
− 蒸留水 完成する
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】処理薬剤の脱タルタル反応Ad対添加製品の濃度Cの関数の変化を図示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレット水洗シスターン内の水に含まれる汚染成分に対する処理薬剤を構成するものであって少なくとも一つの酸を含む液体の添加製品であり、次を特徴とする:
− 粘度が500 mPa・s以下である、
− この酸はそのうち重量当りの濃度が少なくとも30%に等しいで有機酸である。
【請求項2】
少なくとも二つの有機酸を含むことを特徴とする請求項1の添加製品。
【請求項3】
少なくとも有機酸の一つが天然の酸であることを特徴とする請求項2の添加製品。
【請求項4】
前記天然の酸がクエン酸、あるいは酢酸あるいは蓚酸から調合されたグループに属することを特徴とする請求項3の添加製品。
【請求項5】
少なくとも有機酸の一つが合成酸であることを特徴とする請求項2の添加製品。
【請求項6】
前記合成酸がポリアクリル酸、あるいはポリマレイン酸あるいはホスホン酸から調合されたグループに属することを特徴とする請求項5の添加製品。
【請求項7】
少なくとも光合成を遅らせることに適した少なくとも一つの成分を含むことを特徴とする前記いずれかの請求項の添加製品。
【請求項8】
前記成分が染料により構成されることを特徴とする請求項7の添加製品。
【請求項9】
製品の全重量当りの濃度が少なくとも2%に等しい少なくとも一つの香料油を含むことを特徴とする前記いずれかの請求項の添加製品。
【請求項10】
少なくとも一つの短分子鎖の蒸発性アルコールを含み、特にメタノール、および/あるいはエタノールおよび/あるいはプロパノールを含むことを特徴とする前記いずれかの請求項の添加製品。
【請求項11】
蒸発性アルコールの濃度が製品の全重量当り少なくとも2%に等しいことを特徴とする請求項10の添加製品。
【請求項12】
少なくとも二つの表面活性剤を含むことを特徴とする前記いずれかの請求項の添加製品。
【請求項13】
少なくとも表面活性剤の一つが非イオン型であることを特徴とする請求項12の添加製品。
【請求項14】
陽イオン表面活性剤の型の殺生物剤、特にQAV(第4級アンモニウム)を含むことを特徴とする前記いずれかの請求項の添加製品。
【請求項15】
トイレット水洗シスターンに貯まった水に含まれる汚染成分に対する処理薬剤で、次から構成されることを特徴とする:
− 前記水洗シスターンに含まれる水、
− 前記いずれかの請求項の一つで請求する添加製品、
− この添加製品の水洗シスターン中の濃度が100ppmと1000ppmの間である。
【請求項16】
トイレットの水洗シスターンの水中の添加製品の濃度が約400ppmに等しいことを特徴とする請求項15の処理薬剤。

【図1】
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【公表番号】特表2009−527588(P2009−527588A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554831(P2008−554831)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【国際出願番号】PCT/FR2007/050826
【国際公開番号】WO2007/096562
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508004904)
【氏名又は名称原語表記】ALLARD,Gilles
【住所又は居所原語表記】60,rue Waldeck Rousseau F−69006 Lyon France
【出願人】(508004915)
【氏名又は名称原語表記】SOLL,Michael
【住所又は居所原語表記】17,Chemin de Montlouis,F−69230 Saint Genis−Laval France
【Fターム(参考)】