説明

トイレルーム用カウンター及びその施工方法

【課題】トイレルーム内に簡単に、作業性よく設置できるトイレルーム用カウンターおよびその施工方法を提供する。
【解決手段】トイレルームTに設置され、端部に側板2が垂設されたカウンターであって、該カウンターの裏面において上記側板2とカウンター裏面との接続部の近傍に切断用目印線が設けられたトイレルーム用カウンターA。上記切断用目印線が側板2の内側面21とカウンター裏面とが構成する角部近傍で、切断時に側板上部が膨出するように設けられる。また、上記切断用目印線がカウンター裏面に垂直に切り込まれた鋸歯用細溝3とされる。また、上記トイレルーム用カウンターAを用いる施工方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレルームに設置されるカウンターに関する。さらに詳しくは、上記カウンターの横幅をトイレルームの大きさに合わせて調節自在に施工できるトイレルーム用カウンター及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活の高級化志向とともに、トイレルームの室内デザインも多様化し、カウンターを備えた各種のトイレユニットが提案されている。例えば、下記特許文献1には便器を取付ける便器側キャビネットと、手洗器を取付ける手洗器側キャビネットがL字状に配置されてなるトイレユニットにおいて、前記便器側キャビネットの一端側表面に前記手洗器側キャビネットの一端側側面が当接状に配置され、前記便器側キャビネットは前記手洗器側キャビネットに対し移動調整可能に構成されているとともに、前記便器側キャビネットの一端側表面には、移動調整代の幅を有する調整化粧板が固設されていることを特徴とするトイレユニットが開示されている。
【0003】
そして、便器側キャビネットを適宜間口寸法に対応させて移動させ、良好な位置に設置することができ、この移動調整により露出する便器側キャビネットの表面は良好に調整化粧板により覆蓋されるため、便器側キャビネットと手洗器側キャビネットの当接部分が調整化粧板によりスッキリとした外観で接続状態となる効果を有すると記載されている。
【特許文献1】特開平8−256935号公報(第20〜23頁、第1、第2図、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、既存のトイレルーム内に通常のカウンターを後から設置することもしばしば行われ、そのとき、上記カウンターを既存のトイレルームの壁面に沿わせるとともに、カウンターの横幅をトイレルームの大きさに合わせて施工する必要がある。しかしながら、上記カウンターの横幅を現場でトイレルームの大きさに合わせ切断し、ピッタリと取り付けるには手間がかかり、熟練した技術を要するという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題を解決して、トイレルーム内に簡単に、作業性よく設置できるトイレルーム用カウンターおよびその施工方法を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明においては、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、トイレルームに設置され、端部に側板が垂設されたカウンターであって、該カウンターの裏面において上記側板とカウンター裏面との接続部の近傍に切断用目印線が設けられたトイレルーム用カウンターが提供される。
【0007】
請求項2に記載のトイレルーム用カウンターは、請求項1に記載の発明に加えて、上記切断用目印線が側板の内側面とカウンター裏面とが構成する角部近傍で、切断時に側板上部が膨出するように設けられる。
【0008】
請求項3に記載のトイレルーム用カウンターは、請求項1に記載の発明に加えて、上記切断用目印線がカウンター裏面に垂直に切り込まれた鋸歯用細溝とされる。
【0009】
請求項4に記載のトイレルーム用カウンターは、請求項1に記載の発明に加えて、上記カウンターの後側には立ち上がり部が延設される。
【0010】
請求項5に記載のトイレルーム用カウンターは、請求項1に記載の発明に加えて、上記カウンターは手洗いキャビネットの天板に連設されるとともに、その下部にはペーパーホルダーキャビネットが内設される。
【0011】
請求項6に記載のトイレルーム用カウンターの施工方法によれば、トイレルームの大きさに合わせて、カウンター面に切断線を引き、この切断線に沿ってカウンター部を切断するとともに、上記カウンター裏面に設けられた切断用目印線に沿って切断して余長の切断部を取り除き、切断後、側板上部がその内側面から膨出した膨出段差を形成させ、ついで、切断後のカウンター部の裏面に上記膨出長さに相当する長さを突出させて当て木を仮止めし、上記当て木の突出部で上記膨出段差を支えて接続作業を行うトイレルーム用カウンターの施工方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明にかかるトイレルーム用カウンターは上記のとおりであり、端部に側板が垂設されたカウンターにおいて上記側板とカウンター裏面との接続部の近傍に切断用目印線が設けられているため、トイレルームの大きさに合わせ、カウンター面に引かれた切断線と上記切断用目印線とに沿って共に切断して余長のカウンターを取り除くため、既設のトイレルームの大きさに合わせてトイレルーム内にピッタリとカウンターを設置することができる。
【0013】
請求項2に記載のトイレルーム用カウンターは上記のとおりであり、請求項1のトイレルーム用カウンターの有する効果に加え、上記切断用目印線が側板の内側面とカウンター裏面とが構成する角部近傍で、切断時に側板上部が膨出するように設けられ、段差を形成するようにされているため、この膨出段差を仮被支持部として利用することにより、作業性よく切断されたカウンター部と側板とを接続することができる。
【0014】
請求項3に記載のトイレルーム用カウンターは上記のとおりであり、請求項1のトイレルーム用カウンターの有する効果に加え、上記切断用目印線がカウンター裏面に垂直に切り込まれた鋸歯用細溝であるため、細歯鋸で切断することにより、切断面が垂直である膨出段差を容易に形成することが可能となり、同様に垂直な切断面を有するカウンターの端面とピッタリと接続させることができる。
【0015】
請求項4に記載のトイレルーム用カウンターは上記のとおりであり、請求項1のトイレルーム用カウンターの有する効果に加え、上記カウンターの後側には立ち上がり部が延設されているため、水等がカウンターの後側からこぼれ落ちることを防げる。
【0016】
請求項5に記載のトイレルーム用カウンターは上記のとおりであり、請求項1のトイレルーム用カウンターの有する効果に加え、上記カウンターは手洗いキャビネットの天板に連設されるとともに、その下部にはペーパーホルダーキャビネットが内設されているため、使用者は、用を足した後、使い勝手よくトイレットペーパーを使用し、手洗いをすることができる。
【0017】
請求項6に記載のトイレルーム用カウンターの施工方法によれば、トイレルームの大きさに合わせて、端部に側板が垂設されたカウンター面に切断線を引き、この切断線と、上記カウンター裏面に設けられた切断用目印線とに沿って切断して余長の切断部を取り除き、切断後、側板上部がその内側面から膨出した膨出段差を形成させ、ついで、切断後のカウンター部の裏面に当て木を上記膨出長さに相当する長さ分を突出させて仮止めし、上記当て木の突出部で上記膨出段差を支えて接続作業を行うため、膨出段差は突出部でしっかりと支えられ、接着、ビス留め等による接続作業は容易に行える。また、接続面は一体的となり、見栄えよく切断されたカウンター部と側板とを接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明にかかるトイレルーム用カウンターAの実施形態を示す外観斜視図である。図2は、図1における要部を拡大して示す説明図である。図3は、上記トイレルーム用カウンターAのカウンター部1を示す正面図である。
【0019】
図1に示すように、上記トイレルーム用カウンターAは、手洗いキャビネット7の天板71に連設され、その端部には側板2が垂設されている。また、図2、図3に示されているように、側板2の内側面21と上記カウンター部1の裏面11とが構成する角部近傍には、上記裏面部11に垂直に鋸歯用細溝3が切り込まれている。この鋸歯用細溝3は、切断した時に側板2の上部が長さdだけ膨出した形となり、段差を形成するようにされている。また、上記カウンター部1の後側には立ち上がり部5が延設されるとともに、カウンター部1の下にはペーパーホルダーキャビネット8が設けられている。
【0020】
つぎに、本発明にかかるトイレルーム用カウンターAを用いて、上記カウンター部1の横幅を既存のトイレルームの大きさに合わせて切断し、施工する方法について説明する。以下説明を容易とするため、カウンター部1および側板2は断面で示す。
【0021】
まず、図4に示すように、トイレルームの大きさに合うように切断幅aを定め、カウンター面に引かれた切断線12に沿ってカウンター部1を切断し、また、鋸歯用細溝3に細歯鋸を入れて切断する。切断後、余長aに相当するカウンター部1を取り除くと、側板2の上部はその内側面21から長さdが膨出した形となり、膨出段差4を形成する。ついで、図5に示すように、切断後のカウンター部1の裏面11に当て木6を上記長さdに相当する分突出させて接着等の手段により仮止めする。
【0022】
上記のようにして切断線12に沿って切断され、当て木6を仮止めされたカウンター部1の切断線12を含む端面には、図6に示すように、側板2の膨出段差4が接続される。このとき、上記当て木6の長さdの突出部61で上記膨出段差4を支えて接続作業を行う。上記したように、膨出段差4は突出部61の長さdに相当する支持部で支えられているため、接着、ビス留め等による接続作業を容易に行うことができ、しっかりとカウンター部1の端面と側板2とを接続することができる。そして、該接続表面は異様な高低差や隙間が生じにくく該両者は一体的に接続され、見栄えよく接続される。
【0023】
図7はこのようにして横幅を調節された本発明にかかるトイレルーム用カウンターAをトイレルームTに配設した状態を示す平面図である。図7に示すように、カウンター部1の横幅が調節されているため、トイレルーム用カウンターAは、トイレルームTの壁面Wに沿ってピッタリと収められ、使用者は用を足した後、ペーパーホルダーキャビネット8に収納されたトイレットペーパーを使い勝手よく使用し、かつ、手洗いをすることができる。なお、カウンター部1と側板2との接続部分および当て木6を目隠しするため、調整化粧板で覆うことよりスッキリとした外観とすることも可能である。このように、本発明は種々設計変更自在であり、特許請求の範囲を逸脱しない限り、本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明にかかるトイレルーム用カウンターを示す外観斜視図である。
【図2】図1における要部を拡大して示す説明図である。
【図3】上記トイレルーム用カウンターのカウンター部を示す正面図である。
【図4】本発明にかかるトイレルーム用カウンターの施工方法を示す説明図である。
【図5】本発明のトイレルーム用カウンターの施工方法において当て木をカウンター部の裏面に仮止めした状態を示す分解断面側面図である。
【図6】本発明のトイレルーム用カウンターの施工方法によって接続されたカウンター部の端面と側板とを示す部分断面側面図である。
【図7】本発明にかかるトイレルーム用カウンターの横幅を調節し、トイレルームに配設した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0025】
A 本発明にかかるトイレルーム用カウンター
W 壁面
T トイレルーム
1 カウンター部
11 裏面
12 切断線
2 側板
21 内側面
3 鋸歯用細溝
4 膨出段差
5 立ち上がり部
6 当て木
61 突出部
7 手洗いキャビネット
71 天板
8 ペーパーホルダーキャビネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレルームに設置され、端部に側板が垂設されたカウンターであって、該カウンターの裏面において上記側板とカウンター裏面との接続部の近傍に切断用目印線が設けられたトイレルーム用カウンター。
【請求項2】
上記切断用目印線が側板の内側面とカウンター裏面とが構成する角部近傍で、切断時に側板上部が膨出するように設けられた請求項1に記載のトイレルーム用カウンター。
【請求項3】
上記切断用目印線がカウンター裏面に垂直に切り込まれた鋸歯用細溝である請求項1に記載のトイレルーム用カウンター。
【請求項4】
上記カウンターの後側には立ち上がり部が延設された請求項1に記載のトイレルーム用カウンター。
【請求項5】
上記カウンターは手洗いキャビネットの天板に連設されるとともに、その下部にはペーパーホルダーキャビネットが内設された請求項1に記載のトイレルーム用カウンター。
【請求項6】
トイレルームの大きさに合わせて、カウンター面に切断線を引き、この切断線に沿ってカウンター部を切断するとともに、上記カウンター裏面に設けられた切断用目印線に沿って切断して余長の切断部を取り除き、切断後、側板上部がその内側面から膨出した膨出段差を形成させ、ついで、切断後のカウンター部の裏面に上記膨出長さに相当する長さを突出させて当て木を仮止めし、上記当て木の突出部で上記膨出段差を支えて接続作業を行うトイレルーム用カウンターの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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