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トイレ洗浄装置
説明

トイレ洗浄装置

【課題】洗浄水タンクから所定量の洗浄水を便器に流して便器洗浄を行うように構成されたトイレ洗浄装置において、上水の節水を図るようにした上で、水封用の水を上水とする。
【解決手段】洗浄水タンク12として、上水タンク12Aと中水タンク12Bとを備えた構成とする。その際、上水タンク12Aと便器50との間の上水配管14Aに、上水タンク12Aから便器50に供給される上水Waの量を調節するための上水流量弁16Aを配置するとともに、中水タンク12Bと便器50との間の中水配管14Bに、中水タンク12Bから便器50に供給される中水Wbの量を調節するための中水流量弁16Bを配置する。そして、これら上水流量弁16Aおよび中水流量弁16Bをトイレ側コントローラ20で制御することにより、上記所定量の洗浄水として、中水タンク12Bから便器50へ中水Wbを流した後に上水タンク12Aから便器50へ上水Waを流すようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、洗浄水タンクから所定量の洗浄水を便器に流して便器洗浄を行うように構成されたトイレ洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トイレ洗浄装置付きのトイレにおいては、そのトイレ洗浄装置によって、排泄後の便器に洗浄水タンクから所定量の洗浄水を流して便器洗浄を行うように構成されている。
【0003】
このようなトイレ洗浄装置として、従来より、例えば「特許文献1」〜「特許文献4」に記載されているように、浴槽の残り湯等の中水を洗浄水として利用することにより、水道水等の上水の節水を図るように構成された上水節水型のトイレ洗浄装置が知られている。
【0004】
その際、「特許文献1」に記載されたトイレ洗浄装置においては、手洗い付きタンクとして構成された洗浄水タンクに対して、上水系統からの上水を供給した後に、浴槽から中水ポンプによって中水を供給する構成とし、これにより上水での手洗いを可能としつつ上水の節水を図る工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−120131号公報
【特許文献2】特開2009−30385号公報
【特許文献3】特開2009−127309号公報
【特許文献4】特開2000−144823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、トイレ洗浄装置付きのトイレにおいては、洗浄後の便器に一定量の水封用の水が溜まる構成となっているが、上記「特許文献1」〜「特許文献4」の各々に記載されたトイレ洗浄装置においては、水封用の水として中水が用いられる構成となっているので、次のような問題がある。
【0007】
すなわち、水封用の水が上水の場合には、その水が無色透明であるので、美観が保たれ、無臭である。また、トイレ使用の際、排泄した便や尿の色や出血の有無等を目視で確認することにより、自らの健康管理を行うことが可能である。これに対し、水封用の水が浴槽の残り湯等の中水である場合には、上水に比して多少の濁りが生じてしまい、またその際、入浴剤入りの残り湯が用いられたような場合には、トイレ内に入浴剤の臭気が残ってしまい、さらに水封用の水が着色された状態となるので、上記のような健康管理を的確に行うことができない、という問題がある。
【0008】
なお、上記「特許文献1」には、洗浄水タンクに対して、上水の供給後に中水を供給した後、さらに上水を供給する構成とすることにより、洗浄水タンクへの給水配管内に残っている中水を排除し、これにより次回の便器洗浄の際にも上水での手洗いを可能とする点についても記載がなされている。しかしながら、このようにした場合においても、便器に対しては、洗浄水タンクに供給された上水と中水との混合水が洗浄水として供給されることとなるので、水封用の水を上水とすることはできない。
【0009】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、洗浄水タンクから所定量の洗浄水を便器に流して便器洗浄を行うように構成されたトイレ洗浄装置において、上水の節水を図るようにした上で、水封用の水を上水とすることができるトイレ洗浄装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、洗浄水タンクとして2種類のタンクを備えた構成とした上で、便器洗浄の仕方に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0011】
すなわち、本願発明に係るトイレ洗浄装置は、
洗浄水タンクから所定量の洗浄水を便器に流して便器洗浄を行うように構成されたトイレ洗浄装置において、
上記洗浄水タンクとして、上水系統から供給される上水を貯留する上水タンクと、浴槽から中水ポンプによって供給される中水を貯留する中水タンクとを備えており、
上記上水タンクと上記便器との間の上水配管に、上記上水タンクから上記便器に供給される上水の量を調節するための上水流量弁が配置されるとともに、上記中水タンクと上記便器との間の中水配管に、上記中水タンクから上記便器に供給される中水の量を調節するための中水流量弁が配置されており、
上記所定量の洗浄水として、上記中水タンクから上記便器へ中水を流した後に上記上水タンクから上記便器へ上水を流すように、上記上水流量弁および上記中水流量弁を制御するコントローラを備えている、ことを特徴とするものである。
【0012】
上記「コントローラ」による上水流量弁および中水流量弁の制御は、上記所定量の洗浄水として、中水タンクから便器へ中水を流した後に上水タンクから便器へ上水を流すように行われるものであれば、その際に流される中水の量と上水の量との具体的な比率については特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0013】
上記構成に示すように、本願発明に係るトイレ洗浄装置は、その洗浄水タンクとして上水タンクと中水タンクとを備えており、その上で、上水タンクと便器との間の上水配管に、上水タンクから便器に供給される上水の量を調節するための上水流量弁が配置されるとともに、中水タンクと便器との間の中水配管に、中水タンクから便器に供給される中水の量を調節するための中水流量弁が配置されており、そして、便器洗浄のための所定量の洗浄水として、中水タンクから便器へ中水を流した後に上水タンクから便器へ上水を流すように、上水流量弁および中水流量弁を制御するコントローラを備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0014】
すなわち、上記所定量の洗浄水として、中水タンクから便器へ中水を流した後に上水タンクから便器へ上水を流すことにより、この洗浄水をすべて上水とした場合に比して上水の節水を図ることができる。しかも、このように中水を流した後に上水を流すことにより、水封用の水を上水とすることができる。
【0015】
このように本願発明によれば、洗浄水タンクから所定量の洗浄水を便器に流して便器洗浄を行うように構成されたトイレ洗浄装置において、上水の節水を図るようにした上で、水封用の水を上水とすることができる。
【0016】
そして、このように水封用の水を上水とすることにより、美観が保たれ、無臭である。また、トイレ使用の際、排泄した便や尿の色や出血の有無等を目視で確認して、自らの健康管理を行うことができる。しかも、このように水封用の水を上水とすることにより、トイレの洗浄や防汚・殺菌等のための薬品等を付加することが容易に可能となる。
【0017】
また、本願発明に係るトイレ洗浄装置が、マンション等の集合住宅に設置される場合には、高架水槽への揚水量を少なくすることができ、これにより建物全体での節水を図ることができる。しかもその際、揚水ポンプの能力や高架水槽の容量を小さくすることができるので、これにより設備のコストダウンや省資源化等を図ることができる。
【0018】
上記構成において、上記所定量の洗浄水として流される中水の量と上水の量との具体的な比率が特に限定されないことは上述したとおりであるが、コントローラによる上水流量弁および中水流量弁の制御が、上記所定量の洗浄水に対して半分以上の量の中水を流した後に残りの量の上水を流すように行われる構成とすれば、水封用の水を上水とした上で、上水の節水効果を高めることができる。
【0019】
上記構成において、中水ポンプとして電動ポンプと手動ポンプとが並列で配置された構成とした上で、浴槽と両ポンプとの間の中水配管に、両ポンプ間において流路を切り換えるための切換弁が配置された構成とすれば、停電時に、浴槽の残り湯を用いた便器洗浄を、バケツ等を用いることなく容易に行うことができる。その際、切換弁の操作は、コントローラによって自動的に行われるようにしてもよいし、手動で行われるようにしてもよい。
【0020】
上記構成において、浴槽と切換弁との間の中水配管に、浴槽からの中水の供給を停止するための止水弁が配置された構成とすれば、入浴中あるいは入浴の予定があるにもかかわらず、浴槽の湯が不用意に洗浄水として用いられてしまうのを未然に防止することができる。その際、止水弁として三方弁等の切換弁を用いるようにすれば、浴槽からの中水の供給停止だけでなく浴槽の残り湯の排水も行うことが可能となり、これにより浴槽の排水管を中水配管として利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本願発明の一実施形態に係るトイレ洗浄装置を示すシステム系統図
【図2】上記トイレ洗浄装置の動作を示すフローチャート
【図3】上記トイレ洗浄装置の動作を示すシステム系統図(その1)
【図4】上記トイレ洗浄装置の動作を示すシステム系統図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本願発明の一実施形態に係るトイレ洗浄装置10を示すシステム系統図である。
【0024】
同図に示すように、本実施形態に係るトイレ洗浄装置10は、洗浄水タンク12から所定量の洗浄水を便器50に流して便器洗浄を行うように構成されている。
【0025】
なお、同図において、実線の経路は配管を示しており、破線の経路は信号線を示している。
【0026】
このトイレ洗浄装置10は、その洗浄水タンク12として、上水系統(例えば上水道や高架水槽等)から供給される上水Waを貯留する上水タンク12Aと、浴槽60から中水ポンプ30によって供給される中水Wbを貯留する中水タンク12Bとを備えている。
【0027】
また、上水タンク12Aと便器50との間の上水配管14Aには、上水タンク12Aから便器50に供給される上水Waの量を調節するための上水流量弁16Aが配置されている。一方、中水タンク12Bと便器50との間の中水配管14Bには、中水タンク12Bから便器50に供給される中水Wbの量を調節するための中水流量弁16Bが配置されている。
【0028】
そして、このトイレ洗浄装置10は、これら上水流量弁16Aおよび中水流量弁16Bを制御するトイレ側コントローラ20を備えている。このトイレ側コントローラ20は、浴室側コントローラ40と接続されている。
【0029】
トイレ側コントローラ20は、上記所定量の洗浄水として、中水タンク12Bから便器50へ中水Wbを流した後に上水タンク12Aから便器50へ上水Waを流すように、上水流量弁16Aおよび中水流量弁16Bを制御するようになっている。具体的には、上記所定量(例えば6リットル)の洗浄水に対して半分以上の量(例えば5リットル)の中水Wbを流した後に残りの量(例えば1リットル)の上水Waを流すようになっている。
【0030】
これを実現するため、上水配管14Aにおける上水タンク12Aと上水流量弁16Aとの間の部分には、上水の流量を計測するための上水流量計18Aが配置されており、また、中水配管14Bにおける中水タンク12Bと中水流量弁16Bとの間の部分には、中水の流量を計測するための中水流量計18Bが配置されている。そして、トイレ側コントローラ20は、これら上水流量計18Aおよび中水流量計18Bの各々から送られてくる計測データに基づいて、上水流量弁16Aおよび中水流量弁16Bの開閉タイミングを制御するようになっている。
【0031】
上水流量弁16Aは、トイレ側コントローラ20、上水流量計18Aおよび上水流量弁16Aのうちの少なくとも一つに電力が供給されなくなった場合には、止水状態となるように構成されている。
【0032】
中水流量弁16Bは、トイレ側コントローラ20、中水流量計18Bおよび中水流量弁16Bのうちの少なくとも一つに電力が供給されなくなった場合には、止水状態となるように構成されている。
【0033】
上水タンク12Aおよび中水タンク12Bは、いずれも通常のロータンクとしての機能も兼ね備えた構成となっている。
【0034】
すなわち、上水タンク12Aには、上水手動レバー22Aが取り付けられており、また、上水タンク12Aと便器50との間には、上水配管14Aと並列で第2の上水配管24Aが配置されている。そして、上水手動レバー22Aの操作が行われることにより、トイレ側コントローラ20の制御とは無関係に、上水タンク12Aから上記所定量の洗浄水が、上水配管24Aを通して便器50に流されるようになっている。
【0035】
一方、中水タンク12Bには、中水手動レバー22Bが取り付けられており、また、中水タンク12Bと便器50との間には、中水配管14Bと並列で第2の中水配管24Bが配置されている。そして、中水手動レバー22Bの操作が行われることにより、トイレ側コントローラ20の制御とは無関係に、中水タンク12Bから上記所定量の洗浄水が、中水配管24Bを通して便器50に流されるようになっている。
【0036】
この中水タンク12Bには、該中水タンク12Bに貯留されている中水Wbの水位を計測するための水位計26が設置されている。そして、この水位計26による計測データは、トイレ側コントローラ20に送られるようになったいる。
【0037】
中水ポンプ30は、浴槽60と中水タンク12Bとの間の中水配管34に配置されている。その際、この中水ポンプ30として、電動ポンプ30Eと手動ポンプ30Mとが並列で配置されている。
【0038】
そして、中水配管34における浴槽60と両ポンプ30E、30Mとの間の部分には、両ポンプ30E、30M間において流路を切り換えるための切換弁として三方弁32が配置されている。この三方弁32の切換えは、トイレ側コントローラ20による駆動制御によって自動的に行われるようになっている。その際、この三方弁32は、トイレ側コントローラ20および三方弁32のうちの少なくとも一つに電力が供給されなくなった場合には、中水Wbを手動ポンプ30M側に流す状態となるように構成されている。なお、この三方弁32は、その切換えを手動操作でも行い得るように構成されている。
【0039】
また、この中水配管34における浴槽60と三方弁32との間の部分には、浴槽60からの中水Wbの供給を停止するための止水弁として三方弁36が配置されている。
【0040】
さらに、中水配管34における浴槽60と三方弁36との間の部分には、浴槽60に溜まっている中水Wbの水位を計測するための水位計38が配置されている。そして、この水位計38による計測データは、浴室側コントローラ40に送られるようになったいる。
【0041】
中水配管34は、浴槽60の排水口に接続されている。そして、この中水配管34においては、三方弁36の切換えにより、浴槽60に溜まっている中水Wbをそのまま下水系統へ排出することができる構成となっている。この三方弁36の切換えは、浴室側コントローラ40による駆動制御によって自動的に行われるようになっている。その際、この三方弁36は、浴室側コントローラ40および三方弁36のうちの少なくとも一つに電力が供給されなくなった場合には、止水状態(すなわち下水系統および中水系統のいずれにも排水しない状態)になるように構成されている。ただし、この三方弁36は、手動操作により、下水系統および中水系統のいずれかに接続することができるように構成されている。
【0042】
浴室側コントローラ40は、図示しない操作パネルを備えており、浴室使用者は、この操作パネルにおいて、浴槽60に水を溜めておく「貯留」、浴槽60の水を中水Wbとして利用する「中水利用」、浴槽60の水を排水する「排水」のいずれかを選択し得るようになっている。
【0043】
そして、本実施形態に係るトイレ洗浄装置10においては、・電力が供給される場合と供給されない停電の場合、・浴槽60に水がある場合とない場合、・上水Waが供給される場合と供給されない断水の場合、の3つの条件の組合せによって、異なる動作モードが選択されるようになっている。
【0044】
次に、このトイレ洗浄装置10の具体的な動作について、図2に示すフローチャートおよび図3、4に示すシステム系統図に従って説明する。
<I>電力が供給される場合(ステップS1でYESの場合)
[A]浴槽60に水がある場合(ステップS2でYESの場合)
(1)上水Waが供給される場合(ステップS3でYESの場合)
浴室側コントローラ40の操作パネルにおいて、浴室使用者が「中水利用」を選択した場合(ステップS4でYESの場合)には、ステップS5の「両水電動モード」が選択される。
【0045】
すなわち、浴室側コントローラ40は、図3(a)に示すように、三方弁36を「中水利用」位置にするとともに、トイレ側コントローラ20に「中水利用」の信号を送信する。トイレ側コントローラ20は、この信号を受信すると、中水Wbの利用が許可されていることを表示してトイレ使用者に通知する。
【0046】
この状態で、トイレ使用者により「便器洗浄」のスイッチ操作が行われると、トイレ側コントローラ20は、図3(a)に示すように、まず、中水流量弁16Bを開き、これにより中水Wbで便器洗浄を行う。そして、中水流量計18Bからの信号により中水Wbの使用量が一定量に達した段階で、中水流量弁16Bを閉じる一方、上水流量弁16Aを開き、上水流量計18Aからの信号により上記所定量まで上水Waで便器洗浄を行う。
【0047】
便器洗浄終了後、トイレ側コントローラ20は、中水タンク12Bの水位計26からの信号をモニタリングしながら電動ポンプ30Eを稼働させて、浴槽60から中水タンク12Bに満水基準量までの注水を行い、次回のトイレ使用に備える。
【0048】
また、便器洗浄終了後、上水タンク12Aにおいては、上水系統からの水圧により上水タンク12Aに満水基準量までの注水を行い、次回のトイレ使用に備える。
【0049】
一方、浴室側コントローラ40の操作パネルにおいて、浴室使用者が「貯留」または「排水」を選択した場合(ステップS4でNOの場合)には、ステップS9の「上水電動モード」が選択される。
【0050】
すなわち、浴室側コントローラ40は、図3(c)に示すように、三方弁36を「貯留」または「排水」位置(図3(c)では「貯留」位置)にするとともに、トイレ側コントローラ20に「貯留」または「排水」の信号を送信する。トイレ側コントローラ20は、これらの信号を受信すると、中水Wbの利用が許可されていないことを表示してトイレ使用者に通知するとともに、電動ポンプ30Eを停止させ、また、中水流量弁16Bを止水状態にする。
【0051】
この状態で、トイレ使用者により「便器洗浄」のスイッチ操作が行われると、トイレ側コントローラ20の制御は、ステップS9の「上水電動モード」に移行する(これについては後述する)。
(2)上水Waが供給されない場合(断水の場合)(ステップS3でNOの場合)
浴室使用者が断水状態にあることを把握している場合には、浴室側コントローラ40の操作パネルにおいて上水設定を「断水」に設定する。また、トイレ使用者が断水状態にあることを把握している場合には、トイレ側コントローラ20の操作パネルにおいて上水設定を「断水」に設定する。
【0052】
そして、浴室側コントローラ40の操作パネルにおいて、浴室使用者が「中水利用」を選択した場合(ステップS6でYESの場合)には、ステップS7の「中水電動モード」が選択される。
【0053】
すなわち、浴室側コントローラ40は、図3(b)に示すように、三方弁36を「中水利用」位置にするとともに、トイレ側コントローラ20に「中水利用」の信号を送信する。トイレ側コントローラ20は、この信号を受信すると、中水Wbの利用が許可されていることを表示してトイレ使用者に通知する。
【0054】
この状態で、トイレ使用者により「便器洗浄」のスイッチ操作が行われると、図3(b)に示すように、トイレ側コントローラ20は、中水流量弁16Bを開き、中水流量計18Bからの信号により上記所定量まで中水Wbのみで便器洗浄を行う。
【0055】
便器洗浄終了後、トイレ側コントローラ20は、中水タンク12Bの水位計26からの信号をモニタリングしながら電動ポンプ30Eを稼働させて、浴槽60から中水タンク12Bに満水基準量までの注水を行い、次回のトイレ使用に備える。
【0056】
一方、浴室側コントローラ40の操作パネルにおいて、浴室使用者が「貯留」または「排水」を選択した場合(ステップS6でNOの場合)には、ステップS10の「洗浄中止モード」が選択される。
【0057】
すなわち、浴室側コントローラ40は、図4(f)に示すように、三方弁36を「貯留」または「排水」位置(図4(f)では「貯留」位置)にするとともに、トイレ側コントローラ20に「貯留」または「排水」の信号を送信する。トイレ側コントローラ20は、これらの信号を受信すると、中水Wbの利用が許可されていないことを表示してトイレ使用者に通知するとともに、電動ポンプ30Eを停止させ、また、中水流量弁16Bを止水状態にする。
【0058】
トイレ側コントローラ20は、浴室側コントローラ40の上水設定が「断水」の場合、中水Wb、上水Waいずれでも便器洗浄ができないことを表示してトイレ使用者に通知する。
【0059】
ただし、この場合においても、図4(f)に示すように、上水タンク12A内に残っている上水Waの量の範囲内または中水タンク12B内に残っている中水Wbの量の範囲内で、上水手動レバー22Aまたは中水手動レバー22Bの操作による便器洗浄を行うことが可能である。
[B]浴槽60に水がない場合(ステップS2でNOの場合)
(1)上水Waが供給される場合(ステップS8でYESの場合)
浴室側コントローラ40の操作パネルにおいて、浴室使用者は「貯留」または「排水」を選択する。この場合、ステップS9の「上水電動モード」が選択される。
【0060】
すなわち、浴室側コントローラ40は、図3(c)に示すように、三方弁36を「貯留」または「排水」位置(図3(c)では「貯留」位置)にするとともに、トイレ側コントローラ20に「貯留」または「排水」の信号を送信する。トイレ側コントローラ20は、これらの信号を受信すると、中水Wbの利用が許可されていないことを表示してトイレ使用者に通知するとともに、電動ポンプ30Eを停止させ、また、中水流量弁16Bを止水状態にする。
【0061】
この状態で、トイレ使用者により「便器洗浄」のスイッチ操作が行われると、図3(c)に示すように、トイレ側コントローラ20は、上水流量弁16Aを開き、上水流量計18Aからの信号により上記所定量まで上水Waで便器洗浄を行う。
【0062】
便器洗浄終了後、上水タンク12Aにおいては、上水系統からの水圧により上水タンク12Aに満水基準量までの注水を行い、次回のトイレ使用に備える。
(2)上水Waが供給されない場合(断水の場合)(ステップS8でNOの場合)
浴室使用者が断水状態にあることを把握している場合には、浴室側コントローラ40の操作パネルにおいて上水設定を「断水」に設定する。また、トイレ使用者が断水状態にあることを把握している場合には、トイレ側コントローラ20の操作パネルにおいて上水設定を「断水」に設定する。
【0063】
そして、浴室側コントローラ40の操作パネルにおいて、浴室使用者は「貯留」または「排水」を選択する。この場合、ステップS10の「洗浄中止モード」が選択される。
【0064】
すなわち、浴室側コントローラ40は、図4(f)に示すように、三方弁36を「貯留」または「排水」位置(図4(f)では「貯留」位置)にするとともに、トイレ側コントローラ20に「貯留」または「排水」の信号を送信する。トイレ側コントローラ20は、これらの信号を受信すると、中水Wb、上水Waいずれでも便器洗浄できないことを表示してトイレ使用者に通知する。
【0065】
ただし、この場合においても、図4(f)に示すように、上水タンク12A内に残っている上水Waの量の範囲内または中水タンク12B内に残っている中水Wbの量の範囲内で、上水手動レバー22Aまたは中水手動レバー22Bの操作による便器洗浄が可能である。
<II>電力が供給されない場合(停電の場合)(ステップS1でNOの場合)
[A]浴槽60に水がある場合(ステップS11でYESの場合)
この場合、トイレ使用者によって、ステップS12の「中水手動モード」が選択可能である。
【0066】
すなわち、図4(d)に示すように、トイレ使用者は、三方弁36を手動で操作して「中水利用」位置にするとともに、三方弁32を手動で操作して、中水配管34を手動ポンプ30Mに繋ぐようにする。そして、トイレ使用者は、排泄後、中水手動レバー22Bを操作し、中水タンク12B内の中水Wbで便器洗浄を行う。
【0067】
便器洗浄終了後、トイレ使用者は、次回利用時のために手動ポンプ30Mを操作し、満水基準量まで中水タンク12Bに中水Wbを汲み上げる。
[B]浴槽60に水がない場合(ステップS11でNOの場合)
(1)上水Waが供給される場合(ステップS13でYESの場合)
この場合、トイレ使用者によって、ステップS14の「上水手動モード」が選択可能である。
【0068】
すなわち、図4(e)に示すように、トイレ使用者は、排泄後、上水手動レバー22Aを操作し、上水タンク12A内の上水Waで便器洗浄を行う。
【0069】
便器洗浄終了後、上水系統の水圧により、満水基準量まで上水タンク12Aに上水Waが給水される。
(2)上水Waが供給されない場合(断水の場合)(ステップS13でNOの場合)
この場合、ステップS10の「洗浄中止モード」となり、トイレは使用することができない。
【0070】
ただし、この場合においても、図4(f)に示すように、上水タンク12A内に残っている上水Waの量の範囲内または中水タンク12B内に残っている中水Wbの量の範囲内で、上水手動レバー22Aまたは中水手動レバー22Bの操作による便器洗浄が可能である。
【0071】
以上詳述したように、本実施形態に係るトイレ洗浄装置10は、その洗浄水タンク12として上水タンク12Aと中水タンク12Bとを備えており、その上で、上水タンク12Aと便器50との間の上水配管14Aに、上水タンク12Aから便器50に供給される上水Waの量を調節するための上水流量弁16Aが配置されるとともに、中水タンク12Bと便器50との間の中水配管14Bに、中水タンク12Bから便器50に供給される中水Wbの量を調節するための中水流量弁16Bが配置されており、そして、便器洗浄のための所定量の洗浄水として、中水タンク12Bから便器50へ中水Wbを流した後に上水タンク12Aから便器50へ上水Waを流すように、上水流量弁16Aおよび中水流量弁16Bを制御するトイレ側コントローラ20を備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0072】
すなわち、上記所定量の洗浄水として、中水タンク12Bから便器50へ中水Wbを流した後に上水タンク12Aから便器50へ上水Waを流すことにより、この洗浄水をすべて上水Waとした場合に比して上水Waの節水を図ることができる。しかも、このように中水Wbを流した後に上水Waを流すことにより、水封用の水を上水Waとすることができる。
【0073】
このように本実施形態によれば、洗浄水タンク12から所定量の洗浄水を便器50に流して便器洗浄を行うように構成されたトイレ洗浄装置10において、上水Waの節水を図るようにした上で、水封用の水を上水Waとすることができる。
【0074】
そして、このように水封用の水を上水Waとすることにより、美観が保たれ、無臭である。また、トイレ使用の際、排泄した便や尿の色や出血の有無等を目視で確認して、自らの健康管理を行うことができる。しかも、このように水封用の水を上水Waとすることにより、トイレの洗浄や防汚・殺菌等のための薬品等を付加することが容易に可能となる。
【0075】
また、本実施形態に係るトイレ洗浄装置10が、マンション等の集合住宅に設置される場合には、高架水槽への揚水量を少なくすることができ、これにより建物全体での節水を図ることができる。しかもその際、揚水ポンプの能力や高架水槽の容量を小さくすることができるので、これにより設備のコストダウンや省資源化等を図ることができる。
【0076】
その際、本実施形態に係るトイレ洗浄装置10においては、トイレ側コントローラ20による上水流量弁16Aおよび中水流量弁16Bの制御が、上記所定量の洗浄水に対して半分以上の量の中水Wbを流した後に残りの量の上水Waを流すように行われる構成となっているので、水封用の水を上水Waとした上で、上水Waの節水効果を高めることができる。
【0077】
また、本実施形態に係るトイレ洗浄装置10においては、中水ポンプ30として電動ポンプ30Eと手動ポンプ30Mとが並列で配置されており、また、中水配管34における浴槽60と両ポンプ30E、30Mとの間の部分に、両ポンプ30E、30M間において流路を切り換えるための切換弁として三方弁32が配置されているので、停電時に、浴槽60の残り湯を用いた便器洗浄を、バケツ等を用いることなく容易に行うことができる。
【0078】
なお、停電時以外であっても、節電のために、電動ポンプ30Eを止めて手動ポンプ30Mにより中水Wbを汲み上げるようにすることも可能である。
【0079】
さらに、本実施形態に係るトイレ洗浄装置10においては、中水配管34における浴槽60と三方弁32との間の部分に、浴槽60からの中水Wbの供給を停止するための止水弁として三方弁36が配置されているので、入浴中あるいは入浴の予定があるにもかかわらず、浴槽60の湯が不用意に洗浄水として用いられてしまうのを未然に防止することができる。その際、止水弁として三方弁36が用いられていることにより、浴槽60からの中水Wbの供給停止だけでなく浴槽60の残り湯の排水も行うことが可能となり、これにより浴槽60の排水管を中水配管34として利用することが可能となる。
【0080】
また、本実施形態においては、排泄後の便器洗浄に浴槽60の残り湯を使うか否かを、その都度選択することが可能であり、例えば、入浴中は使用せず、昼間は使用する等の選択が可能である。また、浴室側コントローラ40の操作により、浴室側でも浴槽60の湯を送り出さないように設定することも可能であり、これにより誤って浴槽60の湯が使われてしまわないようにすることができる。
【0081】
上記実施形態において、電動ポンプ30Eとして、浴槽60に給湯するための給湯用ポンプを流用することも可能である。
【0082】
なお、上記実施形態において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0083】
10 トイレ洗浄装置
12 洗浄水タンク
12A 上水タンク
12B 中水タンク
14A 上水配管
14B、34 中水配管
16A 上水流量弁
16B 中水流量弁
18A 上水流量計
18B 中水流量計
20 トイレ側コントローラ(コントローラ)
22A 上水手動レバー
22B 中水手動レバー
24A 第2の上水配管
24B 第2の中水配管
26、38 水位計
30 中水ポンプ
30E 電動ポンプ
30M 手動ポンプ
32 三方弁(切換弁)
36 三方弁(止水弁)
40 浴室側コントローラ
50 便器
60 浴槽
Wa 上水
Wb 中水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水タンクから所定量の洗浄水を便器に流して便器洗浄を行うように構成されたトイレ洗浄装置において、
上記洗浄水タンクとして、上水系統から供給される上水を貯留する上水タンクと、浴槽から中水ポンプによって供給される中水を貯留する中水タンクとを備えており、
上記上水タンクと上記便器との間の上水配管に、上記上水タンクから上記便器に供給される上水の量を調節するための上水流量弁が配置されるとともに、上記中水タンクと上記便器との間の中水配管に、上記中水タンクから上記便器に供給される中水の量を調節するための中水流量弁が配置されており、
上記所定量の洗浄水として、上記中水タンクから上記便器へ中水を流した後に上記上水タンクから上記便器へ上水を流すように、上記上水流量弁および上記中水流量弁を制御するコントローラを備えている、ことを特徴とするトイレ洗浄装置。
【請求項2】
上記コントローラによる上記上水流量弁および上記中水流量弁の制御が、上記所定量の洗浄水に対して半分以上の量の中水を流した後に残りの量の上水を流すように行われる、ことを特徴とする請求項1記載のトイレ洗浄装置。
【請求項3】
上記中水ポンプとして、電動ポンプと手動ポンプとが並列で配置されており、
上記浴槽と上記両ポンプとの間の中水配管に、上記両ポンプ間において流路を切り換えるための切換弁が配置されている、ことを特徴とする請求項1または2記載のトイレ洗浄装置。
【請求項4】
上記浴槽と上記切換弁との間の中水配管に、上記浴槽からの中水の供給を停止するための止水弁が配置されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のトイレ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−91928(P2013−91928A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233161(P2011−233161)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【Fターム(参考)】