トイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】 放尿の完了を適切又は柔軟に判断できるトイレ装置及びゲーム装置を提供する。
【解決手段】 使用者を検知する人感センサー21と、尿を検知する尿検知センサー25と、情報を出力するための情報出力装置44,45を有し、尿検知センサー25による尿の検知に応答して、情報出力装置44,45においてゲーム情報を出力することによりゲームを実行するトイレ装置及びゲーム装置が提供される。人感センサー21が使用者を検知してから尿検知センサー25ーが尿を検知するまでの準備時間を計測し、この準備時間に応じて判定時間を調整し、尿検知センサー25が尿を検知しない状態が判定時間だけ継続したときにゲームを終了させる。
【解決手段】 使用者を検知する人感センサー21と、尿を検知する尿検知センサー25と、情報を出力するための情報出力装置44,45を有し、尿検知センサー25による尿の検知に応答して、情報出力装置44,45においてゲーム情報を出力することによりゲームを実行するトイレ装置及びゲーム装置が提供される。人感センサー21が使用者を検知してから尿検知センサー25ーが尿を検知するまでの準備時間を計測し、この準備時間に応じて判定時間を調整し、尿検知センサー25が尿を検知しない状態が判定時間だけ継続したときにゲームを終了させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ装置の技術分野では、快適性を向上させ、又は、衛生面の改善を行うなどを目的として様々な工夫がなされてきた。例えば、臀部を洗浄するための温水を放出可能にし、便座を加温するための加温装置を取り付けるなどである。更に、近年では、使用者を識別可能なセンサーと、センサーから出力される信号の振幅パターンによって使用者を判定する判定部と、使用者に応じたトイレ装置の動作設定を記憶する記憶手段とを備え、判定部が判定した使用者についての動作設定を記憶手段から読み出して、使用者がトイレ装置を使用する前に予め動作設定をするトイレ装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−285765
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社セガ、“トイレだって遊び場だ![トイレッツ]公式ウェブサイト”、[online]、平成22年8月11日、株式会社セガ、[平成23年4月15日検索]、インターネット〈URL:http://toylets.sega.jp/index.shtml〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、トイレ装置では、快適性の向上や衛生面の改善に関しては様々な工夫がなされてきたが、用便の時間や行為そのものに興趣性(エンターテイメント性)を持たせる工夫はなされてこなかった。
【0006】
本願発明者は、放尿の仕方によって経過や結果が変化するゲームによって、放尿の時間や行為そのものに興趣性を持たせることを新たに着想した。そして、使用者が放出する尿を尿センサーにより検出し、尿センサーで検出した信号に基づいてゲームを進行させ、或いは、その信号に応じた結果情報を出力するゲーム装置及びこれを備えるトイレ装置の開発を進めてきた。
【0007】
その過程で発明者は、ゲームの理解(例えば、ゲームの進行や結果情報の表示等が使用者の放尿と関連していることの理解)を容易にし、或いは、ゲームの面白さを使用者に分かって貰うためには、放尿が完了したときにゲームを終了させること、或いは、放尿が完了したときに結果情報を出力することが重要であることを見出した。
【0008】
ところで、放尿は、必ずしも1続きの継続的な尿の放出で完了する訳ではなく、継続的な放出の後に、放尿の停止と再開が何度か繰り返した後に完了することが普通である。そのため、放尿の停止の時点で直ちに放尿の完了を判断するのでなく、所定の判定時間に渡って継続的に放尿が停止したことをもって放尿の完了を判断してゲームを終了させ、又は、結果情報を出力する方式が案出された。
【0009】
しかし、放尿の停止時間は個人差や年齢、疾病、体調等によって大きく相違する。そのため、一律の判定時間を用いるのでは、放尿の完了を適切に判断することが難しいことが見出された。例えば、平均的な放尿の停止時間を想定した判定時間(例えば、3秒など)を用いると、高齢者などのように放尿の停止時間の長い人の場合、放尿が完了していないのにゲームが終了等してしまう問題を生じ得る。逆に、健康な若年層では、放尿の停止時間が非常に短い(例えば、1秒未満)こともあり、そのような使用者の場合は、ゲームの終了までの待ち時間が長くなる結果、放尿とゲームの関係が判り難くなり、或いは、ゲームとしてのテンポが悪くなるなどの問題を生じ得る。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な目的は以下の通りである。
【0011】
すなわち本発明の目的は、興趣性を有するトイレ装置及びゲーム装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、ゲームの理解が容易化され、或いは、ゲームの面白さを判って貰い易いトイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、放尿の完了をより適切に判断して適切なタイミングでゲームを終了させ、或いは、結果情報を出力することができるトイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、効果的な告知や宣伝等を行うことができるトイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手段を備え、
前記ゲーム制御手段は、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行し、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするトイレ装置及びゲーム装置、並びに、
コンピュータに、
人感センサーが使用者を検知してから尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手順と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手順と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手順を実行させ、
前記ゲーム制御手順では、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行させ、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするプログラム及びこれを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0016】
本発明では、尿の検知に応答してゲームが実行され、尿を検知しない状態が所定の準備時間だけ継続したときにゲームが終了する。このように、放尿の開始とともにゲームが開始し、放尿の完了によりゲームが終了するため、ゲームの理解を容易化することができ、或いは、ゲームの面白さを分かって貰い易くでき、或いは、放尿の時間又は行為に興趣性を与えることができる。
【0017】
更に、本発明では、準備時間(人感センサーが使用者を検知してから尿検知センサーが尿を検知するまでに要する時間)に応じて判定時間が調整されるため、より適切又は柔軟に放尿の完了を判断し、より適切又は柔軟なタイミングでゲームを終了させることが可能になる。本発明者の検討によれば、遅延時間が長いほど放尿の停止時間が長くなる傾向が認められる。したがって、この調整は、遅延時間が長いほど、判定時間が長くなるように行うことが好ましい。この場合、放尿の停止時間が長い使用者については、放尿が未完了にもかかわらずゲームが終了する等の問題が解決され、放尿の停止時間が短い使用者については、放尿の完了からゲーム終了までの時間が長くなる問題が解決され得る。
【0018】
本発明の人感センサーは、使用者(例えば、使用者がトイレ装置に接近し、或いは、放尿できる位置に居ること)を光学式、電磁式、機械式等の任意の方式により検出するセンサーである。
【0019】
本発明の尿検知センサーは、尿(放尿)を光学式、電磁式、機械式等の任意の方式により検出するセンサーである。好ましい実施形態では、尿検知センサーは、尿の速度に応じた信号(尿の速度を示す信号)を出力する。
【0020】
本発明のゲーム制御手段が出力するゲーム情報の内容は任意であるが、尿検知センサーからの信号に応じたゲーム情報とすることでゲームの興趣性を高め得る。例えば、尿検知センサーで尿の速度を検知し、その速度に応じたゲーム情報を出力すれば、放尿の強弱でゲーム展開が変化するなど、興趣性の高いゲームを提供できる。
【0021】
本発明では、尿検知センサーからの信号に応じて決定されるゲーム結果を情報出力装置から出力することが可能であり、これにより、ゲームの興趣性を一層高め得る。ゲーム結果は、放尿の完了を判定したときに、例えば、尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続した後に出力することが好ましい。
【0022】
本発明のゲーム制御手段は、尿検知センサーが尿を検知した状態が時間継続した場合にゲーム情報の出力を開始することが可能であり、これにより、尿検知の誤作動を少なくすることができる。
【0023】
本発明は、
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
前記尿検知センサーからの信号に応じた結果情報を前記情報出力装置に出力する結果出力手段を備え、
前記結果出力手段は、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記結果情報を出力することを特徴とするトイレ装置である。
【0024】
本発明では、尿が検知されない状態が準備時間に応じて調整される判定時間だけ継続したときに結果情報が出力される。したがって、放尿の完了を適切に判断し、放尿の完了に至るまでの尿検知センサーの信号に応じた結果情報を出力することが可能である。
【0025】
結果情報の内容は任意であり、例えば、居酒屋や飲食店等で使用されるトイレ装置又はゲーム装置であって、尿検知センサーの信号から尿の量を求めることができる場合には、尿の量が多い使用者には、お酒の広告を結果情報として出力し、尿の量が少ない使用者には、料理の広告を結果情報として出力するなどが考えられるが、放尿の完了を適切に判断できる結果、尿の量をより正確に求めることが可能となり、ひいては、適切な結果表示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】トイレ装置の全体構成を示す説明図
【図2】トイレ装置の回路構成を示す説明図
【図3】センサーユニット及びホーンアンテナの外形を示す説明図
【図4】トイレ装置の機能ブロックを示す説明図
【図5】トイレ装置において実行されるゲーム処理を含む一連の流れを示すフローチャート
【図6】表示装置に表示される例示的な案内画像を示す説明図
【図7】表示装置に表示される例示的な経過画像を示す説明図
【図8】尿年齢の決定に使用される例示的な対応テーブルを示す説明図
【図9】表示装置に表示される例示的な結果画像を示す説明図
【図10】表示装置に表示される例示的な結果画像を示す説明図
【図11】他の実施形態に係るトイレ装置を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の1実施形態に従うトイレ装置1の全体構成を示す説明図であり、図2は、トイレ装置1の回路構成を示す説明図である。
【0028】
図示のように、トイレ装置1は、便器10と、センサーユニット20と、コイン処理ユニット35と、本体ユニット40を有している。このうち、便器10を除く部分がゲーム装置を構成する。
【0029】
本実施形態の便器10は、放尿の的又は目印としてマーク11を有している。マーク11は、ステッカー等の貼付式のものでも良く、レリーフや刻印等で便器10に作り付けても良い。マーク11を適切な位置に設けることで、尿が外部に飛散しない適切な方向への放尿を促すことができる。好ましくは、マーク11は、便器10の幅方向(X方向)の中央付近(中央から±5cm、特に±10cm)で、高さ方向(Y方向)の下面から30〜50mm、特に35〜45mmの位置に設けることが好ましい。
【0030】
センサーユニット20には、人感センサー21及び尿検知センサー25が内蔵されている。
【0031】
人感センサー21には、使用者を検知することができる任意の方式を採用することが可能であるが、本実施形態の人感センサー21は、発光ダイオード22、フォトダイオード23、増幅器24等を有する赤外線センサーである。発光ダイオード22は所定の強度、波長の検出光22Aを放射し、使用者からの反射光22Bをフォトダイオード23により検出し、これを増幅器24により増幅することで人感信号N1を出力する。
【0032】
尿検知センサー25には、尿を検知することができる任意の方式を採用することが可能であるが、本実施形態の尿検知センサー25は、マイクロ波モジュール26、ホーンアンテナ27及び増幅器28を備えるマイクロ波センサー(ドップラーセンサー)である。マイクロ波モジュール26は、FETや誘電体共振器等により発生させたマイクロ波を送信波26Aとして放射し、対象物(尿)で反射した反射波26Bを検波することにより得られる信号(ドップラー信号)を増幅器28で増幅することにより尿信号N2を出力する。本実施形態では、尿信号N2は、送信波26Aと反射波26Bの周波数差fdに応じた(例えば、比例した)強度を有する。従って、s及びftを送信波26Aの伝搬速度及び周波数、Aを尿信号N2の強度、C1を適当な定数として、周波数差fd(強度A)から尿の速度に相関する値(以下、尿速度Vという)を次式(1)から算出することができる。
V=s×fd/2ft=C1×A (1)
【0033】
ホーンアンテナ27は、送信波26A及び反射波26Bに指向性を与えることで、尿信号N2の検知の正確性を向上させるものである。
【0034】
図3には、センサーユニット20(図3(A))、ホーンアンテナ27(図3(B)、(C))の外形が示されている。
【0035】
図3(A)に示すように、センサーユニット20の前面には、人感センサー21の検出光22A及び反射光22Bを透過させる送受信窓29が形成され、その下面には、ホーンアンテナ27を覆うカバー30が形成されている。
【0036】
マイクロ波モジュール26は、マイクロ波26Aの発信出力、発信周波数、ホーンアンテナ27の開き角等を適切に設定することにより、隣接する他の便器10との間でのマイクロ波26A,26Bの干渉等を防止し、尿の検知精度を向上させることが可能である。マイクロ波26Aの発信出力は、0.5〜1.5mW、特に0.8〜1.2mWであることが好ましく、本実施形態では1mW(標準値)である。マイクロ波26Aの発信周波数は、23〜25GHz、特に24.05〜24.25GHzであることが好ましく、本実施形態では24.15GHz(標準値)である。ホーンアンテナ27の幅方向(X1方向)における開き角αは、10〜20度、特に13〜17度とすることが好ましく、本実施形態では約15度である(図3(B)参照)。ホーンアンテナ27の奥行き方向(Z1方向)における開き角βは5〜10度、特に6〜8度とすることが好ましく、本実施形態では約7度である(図3(C)参照)。なお、図1に示されるように、センサーユニット20がXZ面内である角度だけ傾斜して取り付けられる場合には、X方向とX1方向、及び、Z方向とZ1方向は一致しない。X方向とX1方向が成す角度は、10〜45度、特に20〜30度程度が好ましい。ホーンアンテナ27の長さLは、10〜20mm、特に13〜17mmであることが好ましく、本実施形態では15mmである。
【0037】
センサーユニット20は、両面テープなどを用いて便器10の上面12に取り付けることができる。近年の便器10は、使用後に便器10に洗浄水を流す等のために、上部中央位置に使用者を検知するセンサー(例えば、赤外線センサー)13を有する場合が多い。このため、尿検知センサー25は、便器10の中央から幅方向(X方向)にオフセットした位置に取り付けることが好ましく、これにより、マイクロ波26A,26Bがセンサー13(特に、センサー13の板金)と干渉することによる尿検知センサー25の誤動作の可能性を低減し得る。このオフセットは、50〜150mm、特に、70〜100cm程度であることが好ましく、本実施形態でのオフセットは80mmである。便器10の上面12が3次元的な曲面を有する場合、厚みのある両面テープを使用することで取り付け強度を高めることができる。
【0038】
センサーユニット20からの人感信号N1及び尿信号N2は、信号線33を介して本体ユニット40に送信される。
【0039】
コイン処理ユニット35は、コイン投入口36からのコインの投入を検知して、所定のコイン信号N3を本体ユニット40に送信する。
【0040】
本体ユニット40には、CPU41、記憶装置42、入出力ポート43等が内蔵されている。本体ユニット40は、画像を表示することができる液晶等の表示装置44や音声を出力することができる音響装置45等の情報出力装置を更に有している。
【0041】
CPU41は、トイレ装置1全体を統括制御し、入出力ポート43を介してセンサーユニット20、コイン処理ユニット35、表示装置44、音響装置45等の周辺機器との間で信号の授受を行う。
【0042】
記憶装置42は、ゲーム処理の実行に必要となるプログラムやデータを記憶するものであり、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
【0043】
図4は、CPU41が記憶装置42のプログラムを実行することにより実現される機能ブロック50を示す説明図である。
【0044】
図示のように、機能ブロック50は、時間計測部51,時間調整部52,ゲーム制御部53,完了判定部54,情報記録部55等が含まれる。
【0045】
時間計測部51は、人感センサー21及び尿検知センサー25からの信号N1,N2に基づいて使用者が放尿を開始するのに要する時間(準備時間)T1を計測するものである。好ましい実施形態では、準備時間T1は、人感信号N1に基づいて使用者を検知した時点から、尿信号N2に基づいて放尿の開始を検知した時点までの時間である。信号N1,N2に基づく使用者及び尿の検知は、各センサー21,25の方式等に応じて任意の手法、手順で行うことができる。
【0046】
時間調整部52は、時間計測部51が計測した準備時間T1に応じて判定時間T2の調整を行うものである。好ましい実施形態では、時間調整部52は、準備時間T1が長くなる程、判定時間T2が長くなるように調整する。判定時間T2の調整は、記憶装置42に予め記憶された対応テーブルを使用して、或いは、所定の関数を用いて行い得る。対応テーブルを使用する場合、例えば、T1<3秒ならT2=1.5秒、3秒≦T1≦7秒ならT2=3秒、7秒<T1ならT2=5秒などと調整することができる。
【0047】
ゲーム制御部53は、信号N1及び/又はN2に応答して表示装置44や音響装置45からの映像や音声などにより種々の情報を出力してゲーム処理を実行するものである。ゲーム制御部53の具体的構成やゲームの内容等は任意であるが、本実施形態のゲーム制御部53は、待機時間中にアドバタイズ情報を出力するアドバタイズ部53a、人感信号N1に応答して案内情報を出力する案内出力部53b、尿信号N2に応答して経過情報(ゲーム情報)を出力する経過出力部53c及び結果情報を出力する結果出力部53dを有する。
【0048】
完了判定部54は、放尿の停止時間に基づいて放尿の完了を判定するものであり、本実施形態では、尿信号N2が検知されない状態が判定時間T2に渡って継続したことをもって放尿完了が判定される。
【0049】
結果出力部53dは、完了判定部54による放尿完了の判定を受けて、1又は複数の結果情報を出力するものである。結果情報の内容は任意であるが、ゲーム制御部53によるゲームの実行中に人感センサー21及び/又は尿検知センサー25が発生させた信号N1及び/又はN2に基づく情報であることが好ましい。好ましい結果情報には、尿信号N2に応じて決定される最高尿速度、平均尿速度、尿量、ランキング情報が含まれる。
【0050】
情報記録部55は、各ゲーム処理で生成された1又は複数の情報を記録するものである。情報記録部55が記録する好ましい情報には、最高尿速度、平均尿速度、尿量が含まれる。
【0051】
図5は、トイレ装置1において実行されるゲーム処理を含むの一連の流れを示すフローチャートである。
【0052】
図示のように、処理が開始されると、ステップS1において準備時間T1、停止時間T3、有料フラグF1、尿停止フラグF2、積算尿量L等のパラメータが初期値(「0」)に設定された後、ステップS2において、アドバタイズ部53aによるアドバタイズ情報の出力が行われる。アドバタイズ情報は、広告、宣伝、告知等、任意の内容とすることが可能である。アドバタイズ情報は、表示装置44及び/又は音響装置45からの画像及び/又は音声として出力し得る。
【0053】
続くステップS3では、人感信号N1の検査が行われ、人感信号N1が検知されると処理はステップS4に移行し、案内出力部53bにより案内情報が出力される。案内情報は、画像及び/又は音声として出力され得る。図6は、ステップS4において表示装置44で表示され得る例示的な案内画像60を示す説明図である。図示の例では、小便小僧をテーマにしたゲームであることの案内61及び無料又は有料でのゲームが可能であることの案内62が表示される。ステップS3で人感信号N1が検知されない場合は、アドバタイズ情報の出力(ステップS2)が継続する。
【0054】
ステップS4に続くステップS5では、尿信号N2の検査が行われる。尿信号N2の検査は尿検知センサー25の種類、方式に応じた任意の方法で行うことが可能である。本実施形態の尿検知センサー25は、尿の速度に応じた強度の尿信号N2を出力するドップラーセンサーであり、尿信号N2の強度(尿信号N2から導かれる尿速度V)が所定値以上となった場合に尿信号N2の検知を判定することが可能である。尿信号N2の強度等が所定値以上の状態が一定時間(例えば、0.5秒)以上継続した場合に尿信号N2の検知を判定し、或いは、尿信号N2の強度等が規定のパターンとなったか否かによって尿信号N2の検知を判定することも可能であり、これにより、便器10に適宜流される洗浄水などにより誤って尿信号N2の検知が判定される可能性を小さくすることができる。
【0055】
ステップS5において、尿信号N2が検知されないときは、ステップS6において準備時間T1を計測する処理が実行される。
【0056】
続くステップS7では、コイン処理ユニット35からのコイン信号N3が検査される。そして、コイン信号N3が検知された場合は、ステップS8において有料フラグF1が「1」に切り替えられ、検知されない場合は、当該処理が行われることなく処理はステップS9に移行する。ステップS9では、所定の時間T0(例えば、フレーム時間)毎にCPU41が発生させるタイミング信号が待機され、その後、処理はステップS4に移行する。
【0057】
ステップS5において尿信号N2が検知された場合、処理はステップS10に移行し、時間調整部52による判定時間T2の調整が行われる。判定時間T2は、準備時間T1に応じた任意の方法で調整し得るが、準備時間T1と判定時間T2が正相関を有するように(例えば、判定時間が準備時間に正比例するように)調整することが好ましい。本実施形態では、T1<3秒ならT2=1.5秒、3秒≦T1≦7秒ならT2=3秒、T1<7秒ならT2=5秒などと調整される。
【0058】
ステップS11では、再び尿信号N2が検査され、尿信号N2が検知された場合には、ステップS12において尿停止フラグF2を「0」にする処理が行われ、更にステップS13において1又は複数の経過情報が生成される。経過情報の種類、内容は任意であるが、本実施形態では、尿信号N2から式(1)を用いて尿速度Vが算出され、更に、当該尿速度Vから次式(2)を用いて積算尿量Lが算出される。
L=L+C2×V×T0 (2)
式(2)におけるC2は、平均的な尿の太さ(断面積)を考慮して設定された定数である。尿の太さを一定とすれば、積算尿量Lは尿速度Vに比例して増加することを想定したものである。
【0059】
ステップS11において尿信号N2が検知されなかった場合には、ステップS14において尿停止フラグF2を「1」にする処理が行われる。
【0060】
ステップS13,S14に続くステップS15では、経過出力部53cによる経過情報の出力が実行される。経過情報は、画像及び/又は音声として出力し得る。経過情報の内容は任意であるが、好ましくは、尿信号N2に応じた情報を含み得る。本実施形態のステップS15で出力される経過情報は、ステップS13で求めた尿速度V及び/又は積算尿量Lを含む。
【0061】
図7は、ステップS15において表示装置44に表示され得る例示的な経過画面70である。図示の経過画面70では、小便小僧(使用者のアバター)71が尿72を放出する様子、ステップS13で求めた積算尿量L73、宣伝画像74等が表示される。好ましい実施形態では、尿72は、尿速度V又は積算尿量Lに応じた(例えば、比例した)太さで表示され得る。経過画面70は、有料フラグF1に応じて異なる経過情報を表示し得る。例えば、有料フラグF1が「1」の場合は、宣伝画像74を省略し、及び/又は、追加的な情報(例えば、ランキング情報)を表示するなどが可能である。
【0062】
続くステップS16では、尿停止フラグF2の状態が検査され、「1」である場合(放尿が停止している判断される場合)には、処理はステップS17に移行し、「0」である場合(放尿中と判断される場合)には、処理はステップS19に移行する。
【0063】
ステップS17では、停止時間T3を計測する処理が行われ、更に、ステップS18において停止時間T3の判定が行われる。そして、停止時間T3が判定時間T2に達していない場合には処理はステップS20に移行し、達している場合には処理はステップS21移行する。ステップS19では、停止時間T3をリセットした後、処理がステップS20に移行する。
【0064】
ステップS20では、所定の時間T0毎にCPU41が発生させるタイミング信号が待機され、その後、処理はステップS11に戻される。
【0065】
ステップS21では、結果出力部53dにより1又は複数の結果情報(ゲーム結果)が生成される。結果情報の種類、内容は任意であるが、好ましい結果情報には、ステップS5、S11で検知された尿信号N2から求められる最高尿速度、平均尿速度、及び/又は、ステップS13で求めた積算尿量L、及び/又は、情報記録部55の記録を用いて求めた積算尿量L等についてのランキング(順位)情報、所定の対応テーブル等を用いて決定した尿年齢が含まれる。図8は、尿年齢の決定に使用される例示的な対応テーブルである。40以上の尿年齢については、積算尿量Lが150mL以上の場合は左欄の値が、150mL未満の場合は右欄の値が尿年齢となる。
【0066】
ステップS21で生成された結果情報の全部又は一部は情報記録部55に記録される。記録されたデータは、次回以降のゲーム処理におけるランキング情報等の生成に使用される。
【0067】
ステップS22では、有料フラグF1の状態が調べられ、ステップS23,S24において、結果出力部53dにより有料フラグF1に応じて、ステップS21で生成された全部又は一部の結果情報が出力される。結果情報は画像及び/又は音声として出力し得る。
【0068】
図9,10は、ステップS23,S24において表示装置44に表示され得る例示的な結果画面80,90である。図示のように、有料フラグF1が「0」の場合(ステップS23)の結果画面80には、結果情報である積算尿量L81及び有料プレイの広告82が表示され、有料フラグF1が「1」の場合(ステップS24)の結果画面90には、積算尿量L91に加え、ランキング情報92、平均尿速度93、最高尿速度94及び尿年齢95などの追加の結果情報が表示される。
【0069】
結果情報の表示は所定時間(例えば30秒)に渡って継続して行われ、その後、処理はステップS1に復帰し、次回のゲーム処理の待機状態となる。
【0070】
上記トイレ装置1では、ステップS5における尿の検知に応答して経過情報が出力され(ステップS15)、所定の判定時間T2に渡って尿を検知しない状態が継続したとき(停止時間T3≧判定時間T2となったとき)に経過情報の出力が終了となる(ゲームが終了となる)。このように、放尿の開始によってゲームが開始し、放尿の完了によってゲームが終了するため、ゲームの理解が容易化され、或いは、ゲームの面白さを判って貰い易くなる。更に、準備時間T1(ステップS3で人感センサーが使用者を検知してからステップS5で尿検知センサーが尿を検知するまでの時間)に応じて判定時間T2が調整される(ステップS10)。そのため、放尿の完了をより適切に判断することが可能となり、放尿の完了前にゲームが終了し(又は、結果情報が出力され)、或いは、放尿の完了からゲームの終了(又は、結果情報の出力)までの時間が長くなり過ぎるなどの問題が解決される。
【0071】
上記実施形態では、ゲームが1種類である場合を例として説明したが、ゲームの種類を複数としても構わない。その場合、操作ボタンを設けて使用者がゲームを選択できるようにしても良いし、ゲーム処理の実行毎に順次異なるゲームが実行されるようにしても良い。
【0072】
図11は、他の実施形態に係るトイレ装置100を示す説明図である。
【0073】
図示のように、トイレ装置100は、便器110と、センサーユニット120と、本体ユニット140を有している。コイン処理ユニットは有しても、有さなくても良い。
【0074】
このトイレ装置100では、便器110は腰掛式の便器であり、便器本体111及び便座112を有している。センサーユニット120は、便座112の下面に取り付けられている。センサーユニット120の厚みは、便座112の下駄113と同じかそれよりも薄いことが好ましい。本体ユニット140は、便器110横の壁面114等に取り付けられ得る。
【0075】
センサーユニット120及び本体ユニット140は、センサーユニット20及び本体ユニット40と同様の構成を有し、トイレ装置100では、トイレ装置1と同様のゲーム処理が実行可能である。
【0076】
トイレ装置100では、本体ユニット140(表示装置144)が便器110の手前側で便座112のやや上方にあることが好ましい。この場合、立ち姿勢よりも座り姿勢の方が表示装置144を見易くなるため、尿の飛散が少ない座り姿勢でのトイレ装置100の使用を促すことができる。トイレ装置100と表示装置144の間の水平方向の距離Dは、0〜50cm、特に、20〜30cmであることが好ましい。また、トイレ装置100(便座112の上面)と表示装置144の垂直方向の距離Hは、50cm〜110cm、特に、60cm〜100cmであることが好ましい。
【0077】
上記実施形態に示したトイレ装置、ゲーム装置又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能構成、動作態様、制御態様、制御に使用するパラメータの種類、画像やゲームの内容等は単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1,100・・・トイレ装置、10,110・・・便器、11・・・マーク、12・・・上面、13・・・センサー、20,120・・・センサーユニット、21・・・人感センサー、22・・・発光ダイオード、23・・・フォトダイオード、24・・・増幅器、25・・・尿検知センサー、26・・・マイクロ波モジュール、27・・・ホーンアンテナ、28・・・増幅器、29・・・送受信窓、30・・・カバー、32・・・板金、33・・・信号線、35・・・コイン処理ユニット、40,140・・・本体ユニット、41・・・CPU、42・・・記憶装置、43・・・入出力ポート、44,144・・・表示装置、45・・・音響装置、50・・・機能ブロック、51・・・時間計測部、52・・・時間調整部、53・・・ゲーム制御部、53a・・・アドバタイズ部、53b・・・案内出力部、53c・・・経過出力部、53d・・・結果出力部、54・・・完了判定部、55・・・情報記録部、60・・・案内画像、70・・・経過画面、80,90・・・結果画面
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ装置の技術分野では、快適性を向上させ、又は、衛生面の改善を行うなどを目的として様々な工夫がなされてきた。例えば、臀部を洗浄するための温水を放出可能にし、便座を加温するための加温装置を取り付けるなどである。更に、近年では、使用者を識別可能なセンサーと、センサーから出力される信号の振幅パターンによって使用者を判定する判定部と、使用者に応じたトイレ装置の動作設定を記憶する記憶手段とを備え、判定部が判定した使用者についての動作設定を記憶手段から読み出して、使用者がトイレ装置を使用する前に予め動作設定をするトイレ装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−285765
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社セガ、“トイレだって遊び場だ![トイレッツ]公式ウェブサイト”、[online]、平成22年8月11日、株式会社セガ、[平成23年4月15日検索]、インターネット〈URL:http://toylets.sega.jp/index.shtml〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、トイレ装置では、快適性の向上や衛生面の改善に関しては様々な工夫がなされてきたが、用便の時間や行為そのものに興趣性(エンターテイメント性)を持たせる工夫はなされてこなかった。
【0006】
本願発明者は、放尿の仕方によって経過や結果が変化するゲームによって、放尿の時間や行為そのものに興趣性を持たせることを新たに着想した。そして、使用者が放出する尿を尿センサーにより検出し、尿センサーで検出した信号に基づいてゲームを進行させ、或いは、その信号に応じた結果情報を出力するゲーム装置及びこれを備えるトイレ装置の開発を進めてきた。
【0007】
その過程で発明者は、ゲームの理解(例えば、ゲームの進行や結果情報の表示等が使用者の放尿と関連していることの理解)を容易にし、或いは、ゲームの面白さを使用者に分かって貰うためには、放尿が完了したときにゲームを終了させること、或いは、放尿が完了したときに結果情報を出力することが重要であることを見出した。
【0008】
ところで、放尿は、必ずしも1続きの継続的な尿の放出で完了する訳ではなく、継続的な放出の後に、放尿の停止と再開が何度か繰り返した後に完了することが普通である。そのため、放尿の停止の時点で直ちに放尿の完了を判断するのでなく、所定の判定時間に渡って継続的に放尿が停止したことをもって放尿の完了を判断してゲームを終了させ、又は、結果情報を出力する方式が案出された。
【0009】
しかし、放尿の停止時間は個人差や年齢、疾病、体調等によって大きく相違する。そのため、一律の判定時間を用いるのでは、放尿の完了を適切に判断することが難しいことが見出された。例えば、平均的な放尿の停止時間を想定した判定時間(例えば、3秒など)を用いると、高齢者などのように放尿の停止時間の長い人の場合、放尿が完了していないのにゲームが終了等してしまう問題を生じ得る。逆に、健康な若年層では、放尿の停止時間が非常に短い(例えば、1秒未満)こともあり、そのような使用者の場合は、ゲームの終了までの待ち時間が長くなる結果、放尿とゲームの関係が判り難くなり、或いは、ゲームとしてのテンポが悪くなるなどの問題を生じ得る。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な目的は以下の通りである。
【0011】
すなわち本発明の目的は、興趣性を有するトイレ装置及びゲーム装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、ゲームの理解が容易化され、或いは、ゲームの面白さを判って貰い易いトイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、放尿の完了をより適切に判断して適切なタイミングでゲームを終了させ、或いは、結果情報を出力することができるトイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、効果的な告知や宣伝等を行うことができるトイレ装置、ゲーム装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手段を備え、
前記ゲーム制御手段は、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行し、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするトイレ装置及びゲーム装置、並びに、
コンピュータに、
人感センサーが使用者を検知してから尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手順と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手順と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手順を実行させ、
前記ゲーム制御手順では、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行させ、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするプログラム及びこれを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0016】
本発明では、尿の検知に応答してゲームが実行され、尿を検知しない状態が所定の準備時間だけ継続したときにゲームが終了する。このように、放尿の開始とともにゲームが開始し、放尿の完了によりゲームが終了するため、ゲームの理解を容易化することができ、或いは、ゲームの面白さを分かって貰い易くでき、或いは、放尿の時間又は行為に興趣性を与えることができる。
【0017】
更に、本発明では、準備時間(人感センサーが使用者を検知してから尿検知センサーが尿を検知するまでに要する時間)に応じて判定時間が調整されるため、より適切又は柔軟に放尿の完了を判断し、より適切又は柔軟なタイミングでゲームを終了させることが可能になる。本発明者の検討によれば、遅延時間が長いほど放尿の停止時間が長くなる傾向が認められる。したがって、この調整は、遅延時間が長いほど、判定時間が長くなるように行うことが好ましい。この場合、放尿の停止時間が長い使用者については、放尿が未完了にもかかわらずゲームが終了する等の問題が解決され、放尿の停止時間が短い使用者については、放尿の完了からゲーム終了までの時間が長くなる問題が解決され得る。
【0018】
本発明の人感センサーは、使用者(例えば、使用者がトイレ装置に接近し、或いは、放尿できる位置に居ること)を光学式、電磁式、機械式等の任意の方式により検出するセンサーである。
【0019】
本発明の尿検知センサーは、尿(放尿)を光学式、電磁式、機械式等の任意の方式により検出するセンサーである。好ましい実施形態では、尿検知センサーは、尿の速度に応じた信号(尿の速度を示す信号)を出力する。
【0020】
本発明のゲーム制御手段が出力するゲーム情報の内容は任意であるが、尿検知センサーからの信号に応じたゲーム情報とすることでゲームの興趣性を高め得る。例えば、尿検知センサーで尿の速度を検知し、その速度に応じたゲーム情報を出力すれば、放尿の強弱でゲーム展開が変化するなど、興趣性の高いゲームを提供できる。
【0021】
本発明では、尿検知センサーからの信号に応じて決定されるゲーム結果を情報出力装置から出力することが可能であり、これにより、ゲームの興趣性を一層高め得る。ゲーム結果は、放尿の完了を判定したときに、例えば、尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続した後に出力することが好ましい。
【0022】
本発明のゲーム制御手段は、尿検知センサーが尿を検知した状態が時間継続した場合にゲーム情報の出力を開始することが可能であり、これにより、尿検知の誤作動を少なくすることができる。
【0023】
本発明は、
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
前記尿検知センサーからの信号に応じた結果情報を前記情報出力装置に出力する結果出力手段を備え、
前記結果出力手段は、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記結果情報を出力することを特徴とするトイレ装置である。
【0024】
本発明では、尿が検知されない状態が準備時間に応じて調整される判定時間だけ継続したときに結果情報が出力される。したがって、放尿の完了を適切に判断し、放尿の完了に至るまでの尿検知センサーの信号に応じた結果情報を出力することが可能である。
【0025】
結果情報の内容は任意であり、例えば、居酒屋や飲食店等で使用されるトイレ装置又はゲーム装置であって、尿検知センサーの信号から尿の量を求めることができる場合には、尿の量が多い使用者には、お酒の広告を結果情報として出力し、尿の量が少ない使用者には、料理の広告を結果情報として出力するなどが考えられるが、放尿の完了を適切に判断できる結果、尿の量をより正確に求めることが可能となり、ひいては、適切な結果表示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】トイレ装置の全体構成を示す説明図
【図2】トイレ装置の回路構成を示す説明図
【図3】センサーユニット及びホーンアンテナの外形を示す説明図
【図4】トイレ装置の機能ブロックを示す説明図
【図5】トイレ装置において実行されるゲーム処理を含む一連の流れを示すフローチャート
【図6】表示装置に表示される例示的な案内画像を示す説明図
【図7】表示装置に表示される例示的な経過画像を示す説明図
【図8】尿年齢の決定に使用される例示的な対応テーブルを示す説明図
【図9】表示装置に表示される例示的な結果画像を示す説明図
【図10】表示装置に表示される例示的な結果画像を示す説明図
【図11】他の実施形態に係るトイレ装置を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の1実施形態に従うトイレ装置1の全体構成を示す説明図であり、図2は、トイレ装置1の回路構成を示す説明図である。
【0028】
図示のように、トイレ装置1は、便器10と、センサーユニット20と、コイン処理ユニット35と、本体ユニット40を有している。このうち、便器10を除く部分がゲーム装置を構成する。
【0029】
本実施形態の便器10は、放尿の的又は目印としてマーク11を有している。マーク11は、ステッカー等の貼付式のものでも良く、レリーフや刻印等で便器10に作り付けても良い。マーク11を適切な位置に設けることで、尿が外部に飛散しない適切な方向への放尿を促すことができる。好ましくは、マーク11は、便器10の幅方向(X方向)の中央付近(中央から±5cm、特に±10cm)で、高さ方向(Y方向)の下面から30〜50mm、特に35〜45mmの位置に設けることが好ましい。
【0030】
センサーユニット20には、人感センサー21及び尿検知センサー25が内蔵されている。
【0031】
人感センサー21には、使用者を検知することができる任意の方式を採用することが可能であるが、本実施形態の人感センサー21は、発光ダイオード22、フォトダイオード23、増幅器24等を有する赤外線センサーである。発光ダイオード22は所定の強度、波長の検出光22Aを放射し、使用者からの反射光22Bをフォトダイオード23により検出し、これを増幅器24により増幅することで人感信号N1を出力する。
【0032】
尿検知センサー25には、尿を検知することができる任意の方式を採用することが可能であるが、本実施形態の尿検知センサー25は、マイクロ波モジュール26、ホーンアンテナ27及び増幅器28を備えるマイクロ波センサー(ドップラーセンサー)である。マイクロ波モジュール26は、FETや誘電体共振器等により発生させたマイクロ波を送信波26Aとして放射し、対象物(尿)で反射した反射波26Bを検波することにより得られる信号(ドップラー信号)を増幅器28で増幅することにより尿信号N2を出力する。本実施形態では、尿信号N2は、送信波26Aと反射波26Bの周波数差fdに応じた(例えば、比例した)強度を有する。従って、s及びftを送信波26Aの伝搬速度及び周波数、Aを尿信号N2の強度、C1を適当な定数として、周波数差fd(強度A)から尿の速度に相関する値(以下、尿速度Vという)を次式(1)から算出することができる。
V=s×fd/2ft=C1×A (1)
【0033】
ホーンアンテナ27は、送信波26A及び反射波26Bに指向性を与えることで、尿信号N2の検知の正確性を向上させるものである。
【0034】
図3には、センサーユニット20(図3(A))、ホーンアンテナ27(図3(B)、(C))の外形が示されている。
【0035】
図3(A)に示すように、センサーユニット20の前面には、人感センサー21の検出光22A及び反射光22Bを透過させる送受信窓29が形成され、その下面には、ホーンアンテナ27を覆うカバー30が形成されている。
【0036】
マイクロ波モジュール26は、マイクロ波26Aの発信出力、発信周波数、ホーンアンテナ27の開き角等を適切に設定することにより、隣接する他の便器10との間でのマイクロ波26A,26Bの干渉等を防止し、尿の検知精度を向上させることが可能である。マイクロ波26Aの発信出力は、0.5〜1.5mW、特に0.8〜1.2mWであることが好ましく、本実施形態では1mW(標準値)である。マイクロ波26Aの発信周波数は、23〜25GHz、特に24.05〜24.25GHzであることが好ましく、本実施形態では24.15GHz(標準値)である。ホーンアンテナ27の幅方向(X1方向)における開き角αは、10〜20度、特に13〜17度とすることが好ましく、本実施形態では約15度である(図3(B)参照)。ホーンアンテナ27の奥行き方向(Z1方向)における開き角βは5〜10度、特に6〜8度とすることが好ましく、本実施形態では約7度である(図3(C)参照)。なお、図1に示されるように、センサーユニット20がXZ面内である角度だけ傾斜して取り付けられる場合には、X方向とX1方向、及び、Z方向とZ1方向は一致しない。X方向とX1方向が成す角度は、10〜45度、特に20〜30度程度が好ましい。ホーンアンテナ27の長さLは、10〜20mm、特に13〜17mmであることが好ましく、本実施形態では15mmである。
【0037】
センサーユニット20は、両面テープなどを用いて便器10の上面12に取り付けることができる。近年の便器10は、使用後に便器10に洗浄水を流す等のために、上部中央位置に使用者を検知するセンサー(例えば、赤外線センサー)13を有する場合が多い。このため、尿検知センサー25は、便器10の中央から幅方向(X方向)にオフセットした位置に取り付けることが好ましく、これにより、マイクロ波26A,26Bがセンサー13(特に、センサー13の板金)と干渉することによる尿検知センサー25の誤動作の可能性を低減し得る。このオフセットは、50〜150mm、特に、70〜100cm程度であることが好ましく、本実施形態でのオフセットは80mmである。便器10の上面12が3次元的な曲面を有する場合、厚みのある両面テープを使用することで取り付け強度を高めることができる。
【0038】
センサーユニット20からの人感信号N1及び尿信号N2は、信号線33を介して本体ユニット40に送信される。
【0039】
コイン処理ユニット35は、コイン投入口36からのコインの投入を検知して、所定のコイン信号N3を本体ユニット40に送信する。
【0040】
本体ユニット40には、CPU41、記憶装置42、入出力ポート43等が内蔵されている。本体ユニット40は、画像を表示することができる液晶等の表示装置44や音声を出力することができる音響装置45等の情報出力装置を更に有している。
【0041】
CPU41は、トイレ装置1全体を統括制御し、入出力ポート43を介してセンサーユニット20、コイン処理ユニット35、表示装置44、音響装置45等の周辺機器との間で信号の授受を行う。
【0042】
記憶装置42は、ゲーム処理の実行に必要となるプログラムやデータを記憶するものであり、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
【0043】
図4は、CPU41が記憶装置42のプログラムを実行することにより実現される機能ブロック50を示す説明図である。
【0044】
図示のように、機能ブロック50は、時間計測部51,時間調整部52,ゲーム制御部53,完了判定部54,情報記録部55等が含まれる。
【0045】
時間計測部51は、人感センサー21及び尿検知センサー25からの信号N1,N2に基づいて使用者が放尿を開始するのに要する時間(準備時間)T1を計測するものである。好ましい実施形態では、準備時間T1は、人感信号N1に基づいて使用者を検知した時点から、尿信号N2に基づいて放尿の開始を検知した時点までの時間である。信号N1,N2に基づく使用者及び尿の検知は、各センサー21,25の方式等に応じて任意の手法、手順で行うことができる。
【0046】
時間調整部52は、時間計測部51が計測した準備時間T1に応じて判定時間T2の調整を行うものである。好ましい実施形態では、時間調整部52は、準備時間T1が長くなる程、判定時間T2が長くなるように調整する。判定時間T2の調整は、記憶装置42に予め記憶された対応テーブルを使用して、或いは、所定の関数を用いて行い得る。対応テーブルを使用する場合、例えば、T1<3秒ならT2=1.5秒、3秒≦T1≦7秒ならT2=3秒、7秒<T1ならT2=5秒などと調整することができる。
【0047】
ゲーム制御部53は、信号N1及び/又はN2に応答して表示装置44や音響装置45からの映像や音声などにより種々の情報を出力してゲーム処理を実行するものである。ゲーム制御部53の具体的構成やゲームの内容等は任意であるが、本実施形態のゲーム制御部53は、待機時間中にアドバタイズ情報を出力するアドバタイズ部53a、人感信号N1に応答して案内情報を出力する案内出力部53b、尿信号N2に応答して経過情報(ゲーム情報)を出力する経過出力部53c及び結果情報を出力する結果出力部53dを有する。
【0048】
完了判定部54は、放尿の停止時間に基づいて放尿の完了を判定するものであり、本実施形態では、尿信号N2が検知されない状態が判定時間T2に渡って継続したことをもって放尿完了が判定される。
【0049】
結果出力部53dは、完了判定部54による放尿完了の判定を受けて、1又は複数の結果情報を出力するものである。結果情報の内容は任意であるが、ゲーム制御部53によるゲームの実行中に人感センサー21及び/又は尿検知センサー25が発生させた信号N1及び/又はN2に基づく情報であることが好ましい。好ましい結果情報には、尿信号N2に応じて決定される最高尿速度、平均尿速度、尿量、ランキング情報が含まれる。
【0050】
情報記録部55は、各ゲーム処理で生成された1又は複数の情報を記録するものである。情報記録部55が記録する好ましい情報には、最高尿速度、平均尿速度、尿量が含まれる。
【0051】
図5は、トイレ装置1において実行されるゲーム処理を含むの一連の流れを示すフローチャートである。
【0052】
図示のように、処理が開始されると、ステップS1において準備時間T1、停止時間T3、有料フラグF1、尿停止フラグF2、積算尿量L等のパラメータが初期値(「0」)に設定された後、ステップS2において、アドバタイズ部53aによるアドバタイズ情報の出力が行われる。アドバタイズ情報は、広告、宣伝、告知等、任意の内容とすることが可能である。アドバタイズ情報は、表示装置44及び/又は音響装置45からの画像及び/又は音声として出力し得る。
【0053】
続くステップS3では、人感信号N1の検査が行われ、人感信号N1が検知されると処理はステップS4に移行し、案内出力部53bにより案内情報が出力される。案内情報は、画像及び/又は音声として出力され得る。図6は、ステップS4において表示装置44で表示され得る例示的な案内画像60を示す説明図である。図示の例では、小便小僧をテーマにしたゲームであることの案内61及び無料又は有料でのゲームが可能であることの案内62が表示される。ステップS3で人感信号N1が検知されない場合は、アドバタイズ情報の出力(ステップS2)が継続する。
【0054】
ステップS4に続くステップS5では、尿信号N2の検査が行われる。尿信号N2の検査は尿検知センサー25の種類、方式に応じた任意の方法で行うことが可能である。本実施形態の尿検知センサー25は、尿の速度に応じた強度の尿信号N2を出力するドップラーセンサーであり、尿信号N2の強度(尿信号N2から導かれる尿速度V)が所定値以上となった場合に尿信号N2の検知を判定することが可能である。尿信号N2の強度等が所定値以上の状態が一定時間(例えば、0.5秒)以上継続した場合に尿信号N2の検知を判定し、或いは、尿信号N2の強度等が規定のパターンとなったか否かによって尿信号N2の検知を判定することも可能であり、これにより、便器10に適宜流される洗浄水などにより誤って尿信号N2の検知が判定される可能性を小さくすることができる。
【0055】
ステップS5において、尿信号N2が検知されないときは、ステップS6において準備時間T1を計測する処理が実行される。
【0056】
続くステップS7では、コイン処理ユニット35からのコイン信号N3が検査される。そして、コイン信号N3が検知された場合は、ステップS8において有料フラグF1が「1」に切り替えられ、検知されない場合は、当該処理が行われることなく処理はステップS9に移行する。ステップS9では、所定の時間T0(例えば、フレーム時間)毎にCPU41が発生させるタイミング信号が待機され、その後、処理はステップS4に移行する。
【0057】
ステップS5において尿信号N2が検知された場合、処理はステップS10に移行し、時間調整部52による判定時間T2の調整が行われる。判定時間T2は、準備時間T1に応じた任意の方法で調整し得るが、準備時間T1と判定時間T2が正相関を有するように(例えば、判定時間が準備時間に正比例するように)調整することが好ましい。本実施形態では、T1<3秒ならT2=1.5秒、3秒≦T1≦7秒ならT2=3秒、T1<7秒ならT2=5秒などと調整される。
【0058】
ステップS11では、再び尿信号N2が検査され、尿信号N2が検知された場合には、ステップS12において尿停止フラグF2を「0」にする処理が行われ、更にステップS13において1又は複数の経過情報が生成される。経過情報の種類、内容は任意であるが、本実施形態では、尿信号N2から式(1)を用いて尿速度Vが算出され、更に、当該尿速度Vから次式(2)を用いて積算尿量Lが算出される。
L=L+C2×V×T0 (2)
式(2)におけるC2は、平均的な尿の太さ(断面積)を考慮して設定された定数である。尿の太さを一定とすれば、積算尿量Lは尿速度Vに比例して増加することを想定したものである。
【0059】
ステップS11において尿信号N2が検知されなかった場合には、ステップS14において尿停止フラグF2を「1」にする処理が行われる。
【0060】
ステップS13,S14に続くステップS15では、経過出力部53cによる経過情報の出力が実行される。経過情報は、画像及び/又は音声として出力し得る。経過情報の内容は任意であるが、好ましくは、尿信号N2に応じた情報を含み得る。本実施形態のステップS15で出力される経過情報は、ステップS13で求めた尿速度V及び/又は積算尿量Lを含む。
【0061】
図7は、ステップS15において表示装置44に表示され得る例示的な経過画面70である。図示の経過画面70では、小便小僧(使用者のアバター)71が尿72を放出する様子、ステップS13で求めた積算尿量L73、宣伝画像74等が表示される。好ましい実施形態では、尿72は、尿速度V又は積算尿量Lに応じた(例えば、比例した)太さで表示され得る。経過画面70は、有料フラグF1に応じて異なる経過情報を表示し得る。例えば、有料フラグF1が「1」の場合は、宣伝画像74を省略し、及び/又は、追加的な情報(例えば、ランキング情報)を表示するなどが可能である。
【0062】
続くステップS16では、尿停止フラグF2の状態が検査され、「1」である場合(放尿が停止している判断される場合)には、処理はステップS17に移行し、「0」である場合(放尿中と判断される場合)には、処理はステップS19に移行する。
【0063】
ステップS17では、停止時間T3を計測する処理が行われ、更に、ステップS18において停止時間T3の判定が行われる。そして、停止時間T3が判定時間T2に達していない場合には処理はステップS20に移行し、達している場合には処理はステップS21移行する。ステップS19では、停止時間T3をリセットした後、処理がステップS20に移行する。
【0064】
ステップS20では、所定の時間T0毎にCPU41が発生させるタイミング信号が待機され、その後、処理はステップS11に戻される。
【0065】
ステップS21では、結果出力部53dにより1又は複数の結果情報(ゲーム結果)が生成される。結果情報の種類、内容は任意であるが、好ましい結果情報には、ステップS5、S11で検知された尿信号N2から求められる最高尿速度、平均尿速度、及び/又は、ステップS13で求めた積算尿量L、及び/又は、情報記録部55の記録を用いて求めた積算尿量L等についてのランキング(順位)情報、所定の対応テーブル等を用いて決定した尿年齢が含まれる。図8は、尿年齢の決定に使用される例示的な対応テーブルである。40以上の尿年齢については、積算尿量Lが150mL以上の場合は左欄の値が、150mL未満の場合は右欄の値が尿年齢となる。
【0066】
ステップS21で生成された結果情報の全部又は一部は情報記録部55に記録される。記録されたデータは、次回以降のゲーム処理におけるランキング情報等の生成に使用される。
【0067】
ステップS22では、有料フラグF1の状態が調べられ、ステップS23,S24において、結果出力部53dにより有料フラグF1に応じて、ステップS21で生成された全部又は一部の結果情報が出力される。結果情報は画像及び/又は音声として出力し得る。
【0068】
図9,10は、ステップS23,S24において表示装置44に表示され得る例示的な結果画面80,90である。図示のように、有料フラグF1が「0」の場合(ステップS23)の結果画面80には、結果情報である積算尿量L81及び有料プレイの広告82が表示され、有料フラグF1が「1」の場合(ステップS24)の結果画面90には、積算尿量L91に加え、ランキング情報92、平均尿速度93、最高尿速度94及び尿年齢95などの追加の結果情報が表示される。
【0069】
結果情報の表示は所定時間(例えば30秒)に渡って継続して行われ、その後、処理はステップS1に復帰し、次回のゲーム処理の待機状態となる。
【0070】
上記トイレ装置1では、ステップS5における尿の検知に応答して経過情報が出力され(ステップS15)、所定の判定時間T2に渡って尿を検知しない状態が継続したとき(停止時間T3≧判定時間T2となったとき)に経過情報の出力が終了となる(ゲームが終了となる)。このように、放尿の開始によってゲームが開始し、放尿の完了によってゲームが終了するため、ゲームの理解が容易化され、或いは、ゲームの面白さを判って貰い易くなる。更に、準備時間T1(ステップS3で人感センサーが使用者を検知してからステップS5で尿検知センサーが尿を検知するまでの時間)に応じて判定時間T2が調整される(ステップS10)。そのため、放尿の完了をより適切に判断することが可能となり、放尿の完了前にゲームが終了し(又は、結果情報が出力され)、或いは、放尿の完了からゲームの終了(又は、結果情報の出力)までの時間が長くなり過ぎるなどの問題が解決される。
【0071】
上記実施形態では、ゲームが1種類である場合を例として説明したが、ゲームの種類を複数としても構わない。その場合、操作ボタンを設けて使用者がゲームを選択できるようにしても良いし、ゲーム処理の実行毎に順次異なるゲームが実行されるようにしても良い。
【0072】
図11は、他の実施形態に係るトイレ装置100を示す説明図である。
【0073】
図示のように、トイレ装置100は、便器110と、センサーユニット120と、本体ユニット140を有している。コイン処理ユニットは有しても、有さなくても良い。
【0074】
このトイレ装置100では、便器110は腰掛式の便器であり、便器本体111及び便座112を有している。センサーユニット120は、便座112の下面に取り付けられている。センサーユニット120の厚みは、便座112の下駄113と同じかそれよりも薄いことが好ましい。本体ユニット140は、便器110横の壁面114等に取り付けられ得る。
【0075】
センサーユニット120及び本体ユニット140は、センサーユニット20及び本体ユニット40と同様の構成を有し、トイレ装置100では、トイレ装置1と同様のゲーム処理が実行可能である。
【0076】
トイレ装置100では、本体ユニット140(表示装置144)が便器110の手前側で便座112のやや上方にあることが好ましい。この場合、立ち姿勢よりも座り姿勢の方が表示装置144を見易くなるため、尿の飛散が少ない座り姿勢でのトイレ装置100の使用を促すことができる。トイレ装置100と表示装置144の間の水平方向の距離Dは、0〜50cm、特に、20〜30cmであることが好ましい。また、トイレ装置100(便座112の上面)と表示装置144の垂直方向の距離Hは、50cm〜110cm、特に、60cm〜100cmであることが好ましい。
【0077】
上記実施形態に示したトイレ装置、ゲーム装置又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能構成、動作態様、制御態様、制御に使用するパラメータの種類、画像やゲームの内容等は単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0078】
1,100・・・トイレ装置、10,110・・・便器、11・・・マーク、12・・・上面、13・・・センサー、20,120・・・センサーユニット、21・・・人感センサー、22・・・発光ダイオード、23・・・フォトダイオード、24・・・増幅器、25・・・尿検知センサー、26・・・マイクロ波モジュール、27・・・ホーンアンテナ、28・・・増幅器、29・・・送受信窓、30・・・カバー、32・・・板金、33・・・信号線、35・・・コイン処理ユニット、40,140・・・本体ユニット、41・・・CPU、42・・・記憶装置、43・・・入出力ポート、44,144・・・表示装置、45・・・音響装置、50・・・機能ブロック、51・・・時間計測部、52・・・時間調整部、53・・・ゲーム制御部、53a・・・アドバタイズ部、53b・・・案内出力部、53c・・・経過出力部、53d・・・結果出力部、54・・・完了判定部、55・・・情報記録部、60・・・案内画像、70・・・経過画面、80,90・・・結果画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手段を備え、
前記ゲーム制御手段は、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行し、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記ゲーム情報は、前記尿検知センサーの信号に応じて決定されることを特徴とする請求項1のトイレ装置。
【請求項3】
前記ゲーム制御手段は、前記ゲーム処理を終了させた後、前記尿検知センサーからの信号に応じたゲーム結果を決定し、当該決定したゲーム結果を前記情報出力装置から出力することを特徴とする請求項1又は2のトイレ装置。
【請求項4】
前記ゲーム制御手段は、前記尿検知センサーが尿を検知した状態が所定時間継続した場合に前記ゲーム処理を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項のトイレ装置。
【請求項5】
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手段を備え、
前記ゲーム制御手段は、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行し、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
前記尿検知センサーからの信号に応じた結果情報を前記情報出力装置に出力する結果出力手段を備え、
前記結果出力手段は、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記結果情報を出力することを特徴とするトイレ装置。
【請求項7】
コンピュータに、
人感センサーが使用者を検知してから尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手順と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手順と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手順を実行させ、
前記ゲーム制御手順では、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行させ、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
人感センサーが使用者を検知してから尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手順と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手順と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手順を実行させ、
前記ゲーム制御手順では、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行させ、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手段を備え、
前記ゲーム制御手段は、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行し、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記ゲーム情報は、前記尿検知センサーの信号に応じて決定されることを特徴とする請求項1のトイレ装置。
【請求項3】
前記ゲーム制御手段は、前記ゲーム処理を終了させた後、前記尿検知センサーからの信号に応じたゲーム結果を決定し、当該決定したゲーム結果を前記情報出力装置から出力することを特徴とする請求項1又は2のトイレ装置。
【請求項4】
前記ゲーム制御手段は、前記尿検知センサーが尿を検知した状態が所定時間継続した場合に前記ゲーム処理を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項のトイレ装置。
【請求項5】
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手段を備え、
前記ゲーム制御手段は、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行し、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
使用者を検知する人感センサーと、
尿を検知する尿検知センサーと、
情報を出力するための情報出力装置と、
前記人感センサーが使用者を検知してから前記尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手段と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手段と、
前記尿検知センサーからの信号に応じた結果情報を前記情報出力装置に出力する結果出力手段を備え、
前記結果出力手段は、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記結果情報を出力することを特徴とするトイレ装置。
【請求項7】
コンピュータに、
人感センサーが使用者を検知してから尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手順と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手順と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手順を実行させ、
前記ゲーム制御手順では、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行させ、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
人感センサーが使用者を検知してから尿検知センサーが尿を検知するまでの準備時間を計測する時間計測手順と、
前記準備時間に応じて判定時間を調整する時間調整手順と、
ゲーム処理を制御するゲーム制御手順を実行させ、
前記ゲーム制御手順では、前記尿検知センサーによる尿の検知に応答して、ゲーム情報を前記情報出力装置に出力することにより前記ゲーム処理を実行させ、前記尿検知センサーが尿を検知しない状態が前記判定時間継続したときに前記ゲーム処理を終了させることを特徴とするプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−239811(P2012−239811A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115869(P2011−115869)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【特許番号】特許第4968397号(P4968397)
【特許公報発行日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【特許番号】特許第4968397号(P4968397)
【特許公報発行日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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