説明

トイレ装置、検査装置及び検査方法

【課題】洗浄水を排出管部材の内部に流さずに、当該排出管部材の配管経路の異常の有無を確認することができるようにする。
【解決手段】圧送タンク3の排出口3c側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力を検出する第1の圧力計51と、備え付けトイレ5側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力を検出する第2の圧力計52とを備える。これにより、従来のように実際にチューブ53の内部に洗浄水を流して異常の有無を確認することが不要になり、第1及び第2の圧力計51,52が検出する圧縮空気の圧力の値により、チューブ53の配管経路の異常の有無を確認することができるようになる。この結果、当該トイレ装置100の導入設置の際に、チューブそのものや、チューブの配設方法に不具合があっても、当該チューブの内部に洗浄水が通水されていないので、チューブの再施工を円滑に実行することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧送部の排出口側に設けられた排出管部材内部の圧縮空気の圧力と、廃棄場所側に設けられた排出管部材内部の圧縮空気の圧力とを検出して、当該排出管部材の異常の有無を確認するトイレ装置、検査装置及び検査方法置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、介護を必要とする人のために、介護用のポータブルトイレ装置が使用されている。このポータブルトイレ装置は、便座に腰を掛ける腰掛式(所謂洋式)の形態が多い。ポータブルトイレ装置は、汚物を受け入れて排出するための容器を備えた形態や、汚物排水を自然流下で行う形態が一般的である。
【0003】
特許文献1には、排水管勾配を得られない場所において、強制的に汚物を排出する手段として攪拌手段及び圧縮空気タンクを備えたトイレ装置が開示されている。このトイレ装置によれば、便器本体内を密閉状態にして、便器本体内に設けられた攪拌手段により汚物を流動化して汚物流動体にし、便器本体内に圧縮空気タンクからの圧縮空気を送り込んで汚物流動体を圧送排出する。
【0004】
特許文献2には、エアーコンプレッサーを備えたトイレ装置が開示されている。このトイレ装置によれば、粉砕装置内を密閉状態にして、粉砕装置により汚物を粉砕して汚物流動体にした後、粉砕装置にエアーコンプレッサーからの圧縮空気を送り込んで汚物流動体を圧送排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−8442号公報
【特許文献2】特開2008−86880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1及び特許文献2は、トイレ装置から当該トイレ装置外の廃棄場所(例えば、備え付けトイレや浄化槽等)に汚物流動体を排出する際に、トイレ装置と廃棄場所とを接続する排出管部材内に当該汚物流動体を流動させる。例えば、トイレ装置から廃棄場所までの排出管部材の屈曲が多いと、この屈曲が流動抵抗となり、汚物流動体が流れにくくなる。この結果、詰まり等の不具合を生じる可能性がある。
【0007】
このため、排出管部材を配管するときに、当該排出管部材の内部に洗浄水を流して、事前に流れ具合を確認することがある。しかしながら、このような確認方法は、排出管部材の内部に洗浄水が入り込むため、当該排出管部材の再施工が煩雑なものとなってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題を解決したものであって、洗浄水を排出管部材の内部に流さずに、当該排出管部材の配管経路の異常の有無を確認することができるトイレ装置、検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明に係るトイレ装置は、洗浄水が流入可能に設けられて、排泄された汚物と洗浄水を受容する便器本体部と、便器本体部の下部に設けられて、便器本体部から流出した汚物を粉砕して洗浄水と共に汚物流動体と成す粉砕機構部と、圧縮空気供給装置から供給される圧縮空気を充填可能に粉砕機構部の下部に設けられて、粉砕機構部から汚物流動体が流入する流入口と、該流入口から流入する汚物流動体を廃棄場所まで導く排出管部材が接続可能な排出口とを有する圧送部と、圧送部の排出口側の排出管部材に着脱自在に設けられて、排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第1の圧力検出部と、廃棄場所側の排出管部材に着脱自在に設けられて、排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第2の圧力検出部とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る検査装置は、洗浄水が流入可能に設けられて、排泄された汚物と洗浄水を受容する便器本体部と、便器本体部の下部に設けられて、便器本体部から流出した汚物を粉砕して洗浄水と共に汚物流動体と成す粉砕機構部と、圧縮空気供給装置から供給される圧縮空気を充填可能に粉砕機構部の下部に設けられて、粉砕機構部から汚物流動体が流入する流入口と、該流入口から流入する汚物流動体を廃棄場所まで導く排出管部材が接続可能な排出口とを有する圧送部と、圧送部の排出口側の排出管部材に着脱自在に設けられて、排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第1の圧力検出部と、廃棄場所側の排出管部材に着脱自在に設けられて、排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第2の圧力検出部とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る検査方法は、洗浄水が流入可能に設けられて、排泄された汚物と洗浄水を受容する便器本体部と、便器本体部の下部に設けられて、便器本体部から流出した汚物を粉砕して洗浄水と共に汚物流動体と成す粉砕機構部と、圧縮空気供給装置から供給される圧縮空気を充填可能に粉砕機構部の下部に設けられて、粉砕機構部から汚物流動体が流入する流入口と、該流入口から流入する汚物流動体を廃棄場所まで導く排出管部材が接続可能な排出口とを有する圧送部とを備えた検査装置が、圧縮空気を廃棄場所まで導く排出管部材が接続可能な排出口を有する圧送部に圧縮空気を充填する第1のステップと、圧送部の排出口側の排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第2のステップと、廃棄場所側の排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第3のステップとを実行することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るトイレ装置によれば、圧送部の排出口側にある排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第1の圧力検出部と、廃棄場所側にある排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第2の圧力検出部とを備える。これにより、従来のように実際に排出管部材の内部に洗浄水を流して異常の有無を確認することが不要になり、第1及び第2の圧力検出部が検出する圧縮空気の圧力の値により、排出管部材の配管経路の異常の有無を確認することができるようになる。
【0013】
この結果、当該トイレ装置の導入設置の際に、排出管部材そのものや、排出管部材の配設方法に不具合があっても、当該排出管部材の内部に洗浄水が通水されていないので、排出管部材の再施工を円滑に実行することができる。
【0014】
本発明に係る検査装置及び検査方法によれば、圧送部の排出口側にある排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出し、廃棄場所側にある排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する。これにより、従来のように実際に排出管部材の内部に洗浄水を流して異常の有無を確認することが不要になり、第1及び第2の圧力検出部が検出する圧縮空気の圧力の値により、排出管部材の配管経路の異常の有無を確認することができるようになる。
【0015】
この結果、排出管部材を配管する際に、排出管部材そのものや、排出管部材の配設方法に不具合があっても、当該排出管部材の内部に洗浄水が通水されていないので、排出管部材の再施工を円滑に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施の形態に係るトイレ装置100の構成例を示す概略図である。
【図2】トイレ装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の圧力計51の着脱例(その1)を示す説明図である。
【図4】第1の圧力計51の着脱例(その2)を示す説明図である。
【図5】チューブ53の装着例を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態に係るトイレ装置200の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図7】トイレ装置200の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施の形態の一例として、トイレ装置について説明する。トイレ装置は、排泄された汚物や使用済みのトイレットペーパー等を受容する便器本体部の下方に設けられた粉砕機構部で、便器本体部に供給される洗浄水と共に汚物及びトイレットペーパー等を粉砕して排出する、病院の病室や住宅の居間等に設置可能なものである。
【0018】
<第1の実施の形態>
[トイレ装置100の構成例]
最初に、第1の実施の形態に係るトイレ装置100の構成例について説明する。図1に示すように、トイレ装置100は、便器本体部1、粉砕機構部2、圧送タンク3、給水タンク4、制御ユニット7、第1の圧力計51及び第2の圧力計52等で構成される。
【0019】
給水タンク4は、例えば1.5から3リットルの洗浄水を貯える。この洗浄水は、当該トイレ装置100が設置されている部屋とは別の部屋にある廃棄場所の一例である備え付けトイレ5(既設の通常のトイレ)から給水タンク4に給水される。
【0020】
備え付けトイレ5から給水タンク4へ給水する給水管5aには給水タンク電磁弁4a及び流量センサ4bが設けられる。例えば給水タンク4の前面に設けられた便蓋開閉検知センサ4dが便蓋1aの開閉を検知したり、ユーザによって洗浄ボタン4cが押されたりすると、制御ユニット7が給水タンク電磁弁4aを開状態にする。すると、備え付けトイレ5からの洗浄水が給水タンク電磁弁4aを介して給水タンク4に給水される。この給水時に給水管5aを流れる洗浄水の流量を、給水管5aに設けられた流量センサ4bが積算する。洗浄水が所定の流量だけ流れると、流量センサ4bから制御ユニット7へ信号を出力して、制御ユニット7は、給水タンク電磁弁4aを閉状態にして給水タンク4への給水を停止させる。このようにして、給水タンク4に所定量の洗浄水が貯えられる。なお、流量センサの代わりに給水管5aに流れる洗浄水の時間を積算するフローセンサを設けても構わない。
【0021】
給水タンク4の下部にある給水口には給水弁4eが設けられる。また、この給水口から便器本体部1の流水口1cに向けて給水管4fが設けられる。給水弁4eが開くと、給水タンク4に貯えられた洗浄水が給水管4fを通って、流水口1cから便器本体部1の内部に流れ込む。その後、給水タンク4に洗浄水を再び貯めるときには、給水弁4eを閉じて、備え付けトイレ5から洗浄水を供給する。
【0022】
便器本体部1の上方には便蓋1a及び便座1bが設けられる。便蓋1aの開閉を便蓋開閉検知センサ4dが検知することによりトイレ装置100の各種処理が行われる。便座1bには備え付けトイレ5に繋がる図示しない給水管と接続される。この給水管には備え付けトイレ5からの洗浄水が給水されて、便座1bから洗浄水が噴出して当該便座1bに腰掛けたユーザの臀部等を洗浄する。
【0023】
便器本体部1は、洗浄水が流入する流水口1cと、上部から汚物を受け入れる上部開口部1dと、下部から洗浄水及び汚物等を排出する下部開口部1eとを有する。便器本体部1は、便蓋1aを開けて便座1bに腰掛けたユーザから排泄された汚物を上部開口部1dにより受容する。そして、便器本体部1に受容された汚物は、流水口1cから流水する洗浄水と共に下部開口部1eから排出される。
【0024】
便器本体部1の下方には粉砕機構部2が設けられる。粉砕機構部2は、便器本体部1から流出した汚物及び洗浄水が流入する開口部2aを有する。また、粉砕機構部2は、略円盤状を成して回転する回転歯2bと、この回転歯2bの下側に設けられ、略円盤状を成して筐体2dと一体の固定歯2cとを有する。回転歯2b及び固定歯2cにより本発明に係る粉砕歯が形成される。
【0025】
粉砕機構部2は、便器本体部1から流出した汚物及び洗浄水を開口部2aから取り込んで、シャフト、プーリ及びベルト等を介して接続された粉砕歯用モータM2により回転歯2bを回転させる。すると、汚物及び洗浄水は、回転歯2bと固定歯2cとの間に流入して、回転歯2bと固定歯2cとの対面しあう凹部及び凸部により粉砕される。この粉砕により、汚物及び洗浄水は汚物流動体となる。
【0026】
また、粉砕機構部2には排出弁2eが設けられる。排出弁2eは、ウォームギア2fを介して排出弁用モータM3に接続される。排出弁用モータM3が回転すると共にウォームギア2fが回転して、排出弁2eが図1では左右に移動する。
【0027】
例えば、粉砕機構部2で汚物を粉砕する際には排出弁2eを左側に移動させて、粉砕機構部2から汚物流動体等が排出されないように排出弁2eを閉じておく。粉砕機構部2の粉砕動作が完了したら、排出弁2eを右側に移動させて、粉砕機構部2から汚物流動体が排出されるように排出弁2eを開いておく。
【0028】
便器本体部1と粉砕機構部2との間には仕切機構部10が設けられる。仕切機構部10は、開閉蓋用モータM1の作用によりクランク動作する開閉蓋10aによって開口部2aを開閉して、便器本体部1と粉砕機構部2とを仕切る。
【0029】
例えば、仕切機構部10は、ユーザが排泄を済まして便座1bから立ち上がり、便蓋1aを閉じると、開閉蓋用モータM1が回転して開閉蓋10aが移動(図1では左側に移動)して開口部2aを開状態にする。そして、仕切機構部10は、便器本体部1で受容した汚物及び洗浄水が開口部2aを通って粉砕機構部2に流入すると、開閉蓋用モータM1が更に回転して開閉蓋10aが移動(図1では右側に移動)して開口部2aを閉状態にする。
【0030】
粉砕機構部2の下部には圧送部の一例である圧送タンク3及びエアーコンプレッサー6が設けられる。圧送タンク3は、例えば、円筒形状に加工された金属又は樹脂等で構成されている。圧送タンク3の容量は3〜5リットル程度である。
【0031】
圧送タンク3は、圧縮空気供給装置であるエアーコンプレッサー6から供給される圧縮空気を充填可能に設けられ、エアーコンプレッサー6からの圧縮空気を取り入れるエアー供給口3aと、粉砕機構部2により粉砕された汚物流動体が流入する流入口3bと、この流入口3bに流入した汚物流動体を備え付けトイレ5まで導く排出管部材の一例であるチューブ53が接続可能な排出口3cとを有する。チューブ53は、屈曲可能な樹脂材料やゴム材料等で形成されている。
【0032】
通常、トイレ装置を使用するときには、排出口3cにチューブ53の一端を接続させ、備え付けトイレ5にチューブ53の他端を接続させて、排出口3cから備え付けトイレ5へ汚物流動体を排出する。
【0033】
この場合、トイレ装置と備え付けトイレ5までのチューブ53の配管経路に何らかの問題(例えば、屈曲が多かったり、段差による高低差が大きかったりする問題)があると、汚物流動体がチューブ53内で詰まってしまう可能性がある。このため、チューブ53の配管経路で正常に汚物流動体を排出できるか否かを検査する必要がある。
【0034】
従来の検査方法は、備え付けトイレ5からの洗浄水を給水タンク4、便器本体部1、粉砕機構部2及び圧送タンク3の順番で流動させて、圧送タンク3に洗浄水を貯留させる。そして、圧送タンク3に貯留した洗浄水をエアーコンプレッサー6の圧縮空気により、洗浄水を排出口3c及びチューブ53を介して備え付けトイレ5に排出させ、この排出具合を作業者が確認するものであった。しかしながら、この方法は、チューブ53の内部に洗浄水が入り込むために、当該チューブ53の再施工が煩雑であるという問題があり、また、洗浄水の排出を判別する能力が作業者毎に異なるので、チューブ53等の不具合の発見が難しいという問題がある。
【0035】
そこで、本発明に係るトイレ装置100は、圧送タンク3の排出口3cにチューブ53を接続させる前に、チューブ53の両端に第1の圧力検出部の一例である第1の圧力計51と、第2の圧力検出部の一例である第2の圧力計52とを接続させて、仮設置したチューブ53の配管経路で正常に汚物流動体を排出できるか否かを検査する。
【0036】
例えば、圧送タンク3の排出口3cと第1の圧力計51の入口側とを接続させ、第1の圧力計51の出口側とチューブ53の一端とを接続させる。そして、チューブ53の他端と第2の圧力計52の入口側とを接続させ、第2の圧力計52の出口側にオリフィス54を設ける。第1及び第2の圧力計51,52はチューブ53から着脱自在である。
【0037】
第1の圧力計51は、排出口3c側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力を検出する。第2の圧力計52は、備え付けトイレ5側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力を検出する。第1及び第2の圧力計51,52は、検出した圧力の最も高い値を保持する機能であるピークホールド機能を有するものが好ましい。
【0038】
この構成により、従来のように実際にチューブ53の内部に洗浄水を流して異常の有無を確認することが不要になり、第1及び第2の圧力計51,52が検出する圧縮空気の圧力の値により、チューブ53の配管経路の異常の有無を確認することができるようになる。
【0039】
この結果、当該トイレ装置100の導入設置の際に、チューブ53そのものや、チューブ53の配設方法に不具合があっても、当該チューブ53の内部に洗浄水が通水されていないので、チューブ53の再施工を円滑に実行することができる。また、トイレ装置100の設置作業者は第1及び第2の圧力計51,52が示す圧力値を確認するだけで、チューブ53等の異常の有無を容易に確認することができる。
【0040】
なお、上述のエアーコンプレッサー6を接続する圧送タンク3、第1の圧力計51及び第2の圧力計52により、チューブ53の配管経路の異常の有無を検査する本願発明に係る検査装置が構成される。
【0041】
[トイレ装置100の制御系の構成例]
続いて、トイレ装置100の制御系の構成例について説明する。図2に示すように、トイレ装置100は、制御ユニット7で構成される。制御ユニット7は、演算機能を有するCPU7a(Central Processing Unit)と、各種プログラム等を記憶するメモリ7bと、I/Oインターフェース7cとを有して構成される。CPU7a、メモリ7b及びI/Oインターフェース7cは、システムバス7dを介してそれぞれ接続される。
【0042】
例えば、メモリ7bにはトイレ装置100を制御するためのシステムプログラムの他に、給水制御や、排出制御、圧送制御等を実行する際の制御情報が一時格納される。電源がオンされると、電源オン情報を検出したCPU7aは、メモリ7bからシステムプログラムを読み出して、システムを起動して、当該トイレ装置100の全体を制御するようになされる。
【0043】
トイレ装置100の制御系は制御ユニット7の他に、給水タンク電磁弁4a、流量センサ4b、洗浄ボタン4c、便蓋開閉検知センサ4d、開閉蓋用モータ駆動部11、粉砕歯用モータ駆動部12、排出弁用モータ駆動部13及びエアーコンプレッサー6を有して構成される。
【0044】
制御ユニット7には、給水タンク電磁弁4a、流量センサ4b、洗浄ボタン4c及び便蓋開閉検知センサ4dがI/Oインターフェース7cを介して接続される。
【0045】
洗浄ボタン4cがユーザによって押されると、当該洗浄ボタン4cから洗浄信号S3が制御ユニット7に出力される。また、便蓋開閉検知センサ4dは、図1に示した便蓋1aの開動作を検知すると、便器本体部1の使用開始を示す蓋開閉検知信号S4を制御ユニット7に出力する。因みに、蓋開閉検知信号S4は、便蓋1aの開閉を示す信号でもある。便蓋開閉検知センサ4dには、例えば、透過型のセンサ等が使用される。便蓋開閉検知センサ4dは、当該トイレ装置100の使用開始及び使用終了や未使用状態を検知する使用検出手段に用いてもよい。
【0046】
制御ユニット7は、洗浄ボタン4cからの洗浄信号S3又は便蓋開閉検知センサ4dからの蓋開閉検知信号S4を受信すると、給水タンク電磁弁4aを開閉するための電磁弁制御信号S1を生成する。そして、制御ユニット7は、生成した電磁弁制御信号S1を給水タンク電磁弁4aに出力する。
【0047】
給水タンク電磁弁4aは、制御ユニット7から出力された電磁弁制御信号S1を受信すると閉状態から開状態になり、図1に示した備え付けトイレ5から給水管5aを介して洗浄水が給水タンク4に貯留するようになされる。このとき、給水管5aに流れる洗浄水の流量を流量センサ4bが積算して、所定の流量になったら給水停止信号S2を制御ユニット7へ出力する。
【0048】
制御ユニット7は、流量センサ4bから出力された給水停止信号S2を受信すると、電磁弁制御信号S1を給水タンク電磁弁4aに再度出力する。そして、給水タンク電磁弁4aは、制御ユニット7から出力された電磁弁制御信号S1を受信すると開状態から閉状態になり、備え付けトイレ5からの給水が遮断される。
【0049】
制御ユニット7には、更に、開閉蓋用モータ駆動部11、粉砕歯用モータ駆動部12、排出弁用モータ駆動部13及びエアーコンプレッサー6がI/Oインターフェース7cを介して接続される。また、開閉蓋用モータ駆動部11には開閉蓋用モータM1が接続され、粉砕歯用モータ駆動部12には粉砕歯用モータM2が接続され、排出弁用モータ駆動部13には排出弁用モータM3が接続される。
【0050】
開閉蓋用モータ駆動部11は、制御ユニット7から出力されるモータ駆動データD1を入力し、このモータ駆動データD1をデコードしてモータ制御信号S5を生成する。開閉蓋用モータ駆動部11は、生成したモータ制御信号S5を開閉蓋用モータM1に出力して開閉蓋用モータM1を駆動する。
【0051】
開閉蓋用モータM1は、モータ制御信号S5を受信すると所定の方向に回転駆動する。そして、開閉蓋用モータM1は、図1に示した開閉蓋10aを移動させて開口部2aを開閉する。
【0052】
例えば、開閉蓋10aが左側に移動すると開口部2aが開かれ、開閉蓋10aが右側に移動すると開口部2aが閉じられる。このような開閉蓋10aの動作により、便器本体部1から粉砕機構部2に流入するトイレットペーパー、汚物及び洗浄水等を通過又は停止させる。
【0053】
粉砕歯用モータ駆動部12は、制御ユニット7から出力されるモータ駆動データD2を入力し、このモータ駆動データD2をデコードしてモータ制御信号S6を生成する。粉砕歯用モータ駆動部12は、生成したモータ制御信号S6を粉砕歯用モータM2に出力して粉砕歯用モータM2を駆動する。
【0054】
粉砕歯用モータM2は、モータ制御信号S6を受信すると所定の方向に回転駆動する。そして、粉砕歯用モータM2の軸が回転すると共に、シャフト、プーリ及びベルト等を介して接続されている回転歯2bが回転する。この回転歯2bが回転することにより、当該回転歯2bと固定歯2cとの間に汚物や洗浄水等が流入し、該流入した汚物や洗浄水等が粉砕される。
【0055】
排出弁用モータ駆動部13は、制御ユニット7から出力されるモータ駆動データD3を入力し、このモータ駆動データD3をデコードしてモータ制御信号S7を生成する。排出弁用モータ駆動部13は、生成したモータ制御信号S7を排出弁用モータM3に出力して排出弁用モータM3を駆動する。
【0056】
排出弁用モータM3は、モータ制御信号S7を受信すると所定の方向に回転駆動する。そして、排出弁用モータM3の回転と共に、ウォームギア2fが回転してこのウォームギア2fに接続されている排出弁2eが開閉する。
【0057】
例えば、排出弁用モータM3が時計回りに回転すると、排出弁2eが図1では右側に移動して排出弁2eが開き、粉砕機構部2にある汚物流動体や洗浄水等が流入口3bから圧送タンク3に流れ込む。また、排出弁用モータM3が反時計回りに回転すると、排出弁2eが図1では左側に移動して排出弁2eが閉じ、粉砕機構部2にある汚物流動体や洗浄水等を貯留する。
【0058】
制御ユニット7は、圧送タンク3の内部の圧力を検出する図示しない圧力検出センサからの圧力検出信号に基づいて圧送タンク3への圧縮空気の充填を停止するようにエアーコンプレッサー6を制御する。エアーコンプレッサー6は、制御ユニット7からの圧力制御信号S8を入力し、この圧力制御信号S8に基づいて空気を圧縮して圧送タンク3内に送出する。これにより、例えば、圧送タンク3内の流動化された汚物や洗浄水、又は圧縮空気を排出口3cから排出することができる。
【0059】
本実施の形態に係るトイレ装置100では、当該トイレ装置100から備え付けトイレ5までのチューブ53の配管経路に異常があるか否かを検査するために、チューブ53の一端は圧送タンク3の排出口3cに直接接続されておらず、排出口3cとチューブ53との間に第1の圧力計51が設けられる。また、チューブ53の他端は備え付けトイレ5に接続されておらず、第2の圧力計52が設けられる。
【0060】
制御ユニット7は、チューブ53の配管経路の検査時には、上述のような給水タンク4からの洗浄水の供給や粉砕機構部2による粉砕動作等は行わず、エアーコンプレッサー6からの圧縮空気を圧送タンク3に充填する制御を行う。
【0061】
例えば、制御ユニット7のI/Oインターフェース7cを介して接続される図示しない操作部で検査モードに切り替えたり、専用のメンテナンスボタンを制御ユニット7に設けて、当該メンテナンスボタンを押下することにより検査モードに切り替えたりする。すると、CPU7aは、メモリ7bに予め記憶されている検査モードに関するデータを読み出して、排出弁用モータ駆動部13及びエアーコンプレッサー6を制御する。
【0062】
CPU7aは、排出弁用モータ駆動部13にモータ駆動データD3を入力して排出弁用モータ駆動部13を動作させる。排出弁用モータ駆動部13は、モータ駆動データD3に基づいて排出弁2eを閉じるように排出弁用モータM3を駆動する。例えば、排出弁用モータ駆動部13は、排出弁2eが開状態(図1では右側に待機した状態)であれば、排出弁用モータM3の軸を反時計回りに回転させて排出弁2eを閉状態(図1では左側に待機した状態)にする。また、排出弁用モータ駆動部13は、排出弁2eが既に閉状態であれば、この閉状態を維持するために排出弁用モータM3を駆動しない。
【0063】
CPU7aは、排出弁2eの閉状態を確認した後、エアーコンプレッサー6に圧力制御信号S8を入力してエアーコンプレッサー6を動作させる。すると、エアーコンプレッサー6から圧縮空気が圧送タンク3に充填され、該充填された圧縮空気は排出口3cから第1の圧力計51、チューブ53及び第2の圧力計52を介して小径穿孔であるオリフィス54から排出される。このとき、第1及び第2の圧力計51,52は、チューブ53内の圧力を検出する。
【0064】
第1及び第2の圧力計51,52によって検出されたチューブ53内の圧力の値を、例えば、トイレ装置100を居室や病室等に設置する設置作業者が確認することにより、当該トイレ装置100から備え付けトイレ5までのチューブ53の配管経路に異常があるか否かを容易に確認することができる。
【0065】
なお、第1の圧力計51の代わりに、圧送タンク3の内部の圧力を検出して圧力検出信号を制御ユニット7に出力する、前述した図示しない圧力検出センサを用いても構わない。
【0066】
[第1の圧力計51の着脱例]
次に、第1の圧力計51の着脱例について説明する。図3に示すように、圧送タンク3の排出口3cに第1の圧力計51を装着するには、まず、第1の圧力計51の一端(位置口側)に接続部材であるチューブ53を接続し、第1の圧力計51の他端(出口側)にチューブ53を接続する。
【0067】
その後、第1の圧力計51が接続されたチューブ53を排出口3cの先端から包み込むように取り付けることで、図4に示すように、第1の圧力計51がチューブ53を介して圧送タンク3に装着される。圧送タンク3から第1の圧力計51を取り外す場合には、上述の手順の逆の手順を行えば良い。
【0068】
チューブ53内の圧力が第1及び第2の圧力計51,52で検出され、当該チューブ53の配管経路に異常が見られない場合、その配管経路でチューブ53が設置される。この場合、図3に示したように圧送タンク3から第1の圧力計51及びチューブ53を取り外す。その後、排出口3cにチューブ53を取り付けた方法と同様に、チューブ53を排出口3cの先端を包み込むように取り付けることで、図5に示すように、チューブ53が圧送タンク3に装着される。
【0069】
また、図示しないが、圧力検査後の第2の圧力計52は、チューブ53が取り外される。そして、該取り外されたチューブ53を備え付けトイレ5に接続することにより、トイレ装置100と備え付けトイレ5とがチューブ53を介して接続される。
【0070】
このように、第1の実施の形態に係るトイレ装置100によれば、圧送タンク3の排出口3c側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力を検出する第1の圧力計51と、備え付けトイレ5側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力を検出する第2の圧力計52とを備える。
【0071】
これにより、従来のように実際にチューブ53の内部に洗浄水を流して異常の有無を確認することが不要になり、第1及び第2の圧力計51,52が検出する圧縮空気の圧力の値により、チューブ53の配管経路の異常の有無を確認することができるようになる。
【0072】
この結果、当該トイレ装置100の導入設置の際に、チューブそのものや、チューブの配設方法に不具合があっても、当該チューブの内部に洗浄水が通水されていないので、チューブの再施工を円滑に実行することができる。
【0073】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明したトイレ装置100に連通状態判別部8を追加したトイレ装置200について説明する。第1の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0074】
[トイレ装置200の制御系の構成例]
まずは、第2の実施の形態に係るトイレ装置200の制御系の構成例について説明する。図6に示すように、トイレ装置200は、制御ユニット7A、給水タンク電磁弁4a、流量センサ4b、洗浄ボタン4c、便蓋開閉検知センサ4d、開閉蓋用モータ駆動部11、粉砕歯用モータ駆動部12、排出弁用モータ駆動部13、エアーコンプレッサー6及び連通状態判別部8で構成される。給水タンク電磁弁4a、流量センサ4b、洗浄ボタン4c、便蓋開閉検知センサ4d、開閉蓋用モータ駆動部11、粉砕歯用モータ駆動部12、排出弁用モータ駆動部13、エアーコンプレッサー6及び連通状態判別部8は、制御ユニット7Aにそれぞれ接続される。
【0075】
制御ユニット7A、給水タンク電磁弁4a、流量センサ4b、洗浄ボタン4c、便蓋開閉検知センサ4d、開閉蓋用モータ駆動部11、粉砕歯用モータ駆動部12、排出弁用モータ駆動部13及びエアーコンプレッサー6については、前述の第1の実施の形態(図2)で説明したトイレ装置100と同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0076】
第1及び第2の圧力計51,52は、中圧状態と、中圧状態よりも低圧な低圧状態と、中圧状態よりも高圧な高圧状態とを検出可能に設けられる。つまり、低圧状態、中圧状態及び高圧状態とは、低圧状態、中圧状態及び高圧状態の順番で圧力値が大きくなっていくチューブ53の内部の圧力状態をいう。
【0077】
なお、エアーコンプレッサー6からの圧縮空気がチューブ53を経て排気される際に、第1の圧力計51が取り付けられている部分のチューブ53と、第2の圧力計52が取り付けられている部分のチューブ53との間には圧力損失が生じる。このため、第1の圧力計51が示す低圧状態と第2の圧力計52が示す低圧状態とは必ずしも同じ圧力値に基づいた状態であるとは限らない。また、上述と同様に、第1の圧力計51が示す中圧状態と第2の圧力計52が示す中圧状態、並びに、第1の圧力計51が示す高圧状態と第2の圧力計52が示す高圧状態とは必ずしも同じ圧力値に基づいた状態であるとは限らない。
【0078】
第1の圧力計51は、圧送タンク3の排出口3c側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力を検出すると、該検出した圧力の値が含まれる圧力値データD6を生成する。圧力値データD6は圧力検出結果の一例である。そして、第1の圧力計51は、生成した圧力値データD6を連通状態判別部8に出力する。
【0079】
第2の圧力計52は、備え付けトイレ5側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力を検出すると、該検出した圧力の値が含まれる圧力値データD7を生成する。圧力値データD7は圧力検出結果の一例である。そして、第2の圧力計52は、生成した圧力値データD7を連通状態判別部8に出力する。
【0080】
連通状態判別部8は、第1及び第2の圧力計51,52に接続される。連通状態判別部8は制御ユニット7Aと一体になっていてトイレ装置200に設けられていて、居室や病室に設置されており、第2の圧力計52は居室や病室から離れた場所にある備え付けトイレ5(図1参照)に設置されている。このため、連通状態判別部8と第2の圧力計52とはチューブ53と同じくらいの長さを有する通信線によって接続されている。なお、連通状態判別部8は、制御ユニット7Aと別体であっても構わない。
【0081】
連通状態判別部8は、制御ユニット7Aから出力される判別指令データD4を受信すると、第1の圧力計51から出力された圧力値データD6を入力し、また、第2の圧力計52から出力された圧力値データD7を入力する。連通状態判別部8は、第1及び第2の圧力計51,52からの圧力値データD6,D7に基づいて、チューブ53の連通状態を判別する。
【0082】
連通状態判別部8には、判別結果報知部の一例であるLED8a及びブザー8bが接続される。連通状態判別部8は、圧力値データD6,D7に基づいて判別した結果を報知するための報知信号S9,S10を生成して、LED8a及びブザー8bに出力する。
【0083】
LED8aは、連通状態判別部8から出力された報知信号S9を受信して、点灯又は点滅する。また、ブザー8bは、連通状態判別部8から出力された報知信号S10を受信して、間欠的又は連続的に放音する。これにより、トイレ装置200から備え付けトイレ5までのチューブ53の配管経路に異常があるか否かを、設置作業者は、LED8a及びブザー8bにて即座に確認することができる。
【0084】
更に、連通状態判別部8は、当該判別結果を判別結果データD5として制御ユニット7Aに出力する。制御ユニット7Aは、判別結果データD5を受信し、例えば、LED8aやブザー8bが異常警告するような異常があった場合、エアーコンプレッサー6の動作を停止させて、圧送タンク3内への圧縮空気の供給を停止させる。
【0085】
[トイレ装置200の動作例]
次に、トイレ装置200の動作例についてフローチャートを用いて説明する。チューブ53が所定の位置に仮設置されて、チューブ53の連通状態を調べることを前提とする。図7に示すように、ステップST1では、連通状態判別部8をONにする。連通状態判別部8をON状態にするには、例えば、制御ユニット7Aに接続された図示しない操作部を操作したり、連通状態判別部8をON/OFFにする専用のスイッチやボタンを制御ユニット7Aに設けたりすれば良い。
【0086】
連通状態判別部8がONになると、排出弁2eが閉状態になり、エアーコンプレッサー6から圧送タンク3へ圧縮空気が充填される。そして、充填された圧縮空気は、圧送タンク3の排出口3cから排出される。
【0087】
ステップST2に移行して、排出口3cから排出された圧縮空気は、排出口3cに接続されている第1の圧力計51、チューブ53及び第2の圧力計52を介してオリフィス54から外気に排出される。このとき、第1及び第2の圧力計51,52は、チューブ53内部の圧縮空気の圧力値をそれぞれ検出する。そして、第1及び第2の圧力計51,52は、検出した圧縮空気の圧力値を圧力値データD6,D7として連通状態判別部8に出力する。
【0088】
連通状態判別部8は、第1及び第2の圧力計51,52から出力される圧力値データD6,D7を受信することにより、圧送タンク3の排出口3c側にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力値と、備え付けトイレ5にあるチューブ53内部の圧縮空気の圧力値とを検出する。
【0089】
ステップST3に移行して、連通状態判別部8は、検出した圧力値データD6,D7により、第1及び第2の圧力計51,52が低圧状態、中圧状態又は高圧状態であるか否かを判別する。
【0090】
例えば、第1の圧力計51から出力される圧力値データD6が中圧状態を示しており、第2の圧力計52から出力される圧力値データD7が中圧状態を示していると、ステップST4に移行して、連通状態判別部8は、チューブ53の連通状態が正常であると判別する。その後、トイレ装置200は、エアーコンプレッサー6等の動作を停止させて、動作を終了する。
【0091】
また、第1の圧力計51から出力される圧力値データD6が高圧状態を示しており、第2の圧力計52から出力される圧力値データD7が低圧状態を示していると、ステップST5に移行して、連通状態判別部8は、チューブ53の連通状態が異常であると判別する。そして、ステップST7に移行する。
【0092】
更に、第1の圧力計51から出力される圧力値データD6が低圧状態を示しており、第2の圧力計52から出力される圧力値データD7が低圧状態を示していると、ステップST6に移行して、連通状態判別部8は、エアーコンプレッサー6が異常であると判別する。そして、ステップST7に移行する。
【0093】
ステップST7では、連通状態判別部8は、チューブ53又はエアーコンプレッサー6に異常があると判別して、LED8aの点灯又は点滅やブザー8bの放音により異常警告を行う。その後、トイレ装置200は、エアーコンプレッサー6等の動作を停止させて、動作を終了する。なお、チューブ53の異常又はエアーコンプレッサー6の異常によりLED8aの点滅方法やブザー8bの放音方法を変化させても良い。
【0094】
このように、第2の実施の形態に係るトイレ装置200によれば、チューブ53の連通状態を判別する連通状態判別部8を備える。これにより、第1及び第2の圧力計51,52が検出する圧縮空気の圧力値(圧力値データD6,D7)により、チューブ53の配管経路の異常の有無を確認することができ、そして、エアーコンプレッサー6の異常の有無も確認することができる。
【0095】
また、チューブ53の連通状態の判別結果を報知するLED8aやブザー8bを備えることにより、作業者はチューブ53やエアーコンプレッサー6に異常があることを即座に把握することができる。
【符号の説明】
【0096】
1・・・便座本体部、1a・・・便蓋、1b・・・便座、2・・・粉砕機構部、3・・・圧送タンク(圧送部)、4・・・給水タンク、5・・・備え付けトイレ(廃棄場所)、6・・・エアーコンプレッサー(圧縮空気供給部)、7,7A・・・制御ユニット、8・・・連通状態判別部、8a・・・LED(判別結果報知部)、8b・・・ブザー(判別結果報知部)、51・・・第1の圧力検出部(第1の圧力計)、52・・・第2の圧力検出部(第2の圧力計)、53,54・・・チューブ(排出管部材)、54・・・オリフィス、100,200・・・トイレ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水が流入可能に設けられて、排泄された汚物と前記洗浄水を受容する便器本体部と、
前記便器本体部の下部に設けられて、前記便器本体部から流出した前記汚物を粉砕して前記洗浄水と共に汚物流動体と成す粉砕機構部と、
圧縮空気供給装置から供給される圧縮空気を充填可能に前記粉砕機構部の下部に設けられて、前記粉砕機構部から前記汚物流動体が流入する流入口と、該流入口から流入する前記汚物流動体を廃棄場所まで導く排出管部材が接続可能な排出口とを有する圧送部と、
前記圧送部の排出口側の前記排出管部材に着脱自在に設けられて、前記排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第1の圧力検出部と、
前記廃棄場所側の前記排出管部材に着脱自在に設けられて、前記排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第2の圧力検出部とを備えることを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の圧力検出部には連通状態判別部が設けられ、
前記連通状態判別部は、
前記第1及び第2の圧力検出部から出力される圧力検出結果に基づいて、前記排出管部材の連通状態を判別することを特徴とする請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記第1の圧力検出部は、
中圧状態と、前記中圧状態よりも低圧な低圧状態と、前記中圧状態よりも高圧な高圧状態とのうち、少なくとも前記中圧状態であることを検出可能に設けられ、
前記第2の圧力検出部は、
中圧状態と、前記中圧状態よりも低圧な低圧状態と、前記中圧状態よりも高圧な高圧状態とのうち、少なくとも前記中圧状態であることを検出可能に設けられ、
前記連通状態判別部は、
前記第1の圧力検出部から出力される圧力検出結果が前記中圧状態であり、前記第2の圧力検出部から出力される圧力検出結果が前記中圧状態であると、前記排出管部材の連通状態が正常であると判別することを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記第1の圧力検出部は、
中圧状態と、前記中圧状態よりも低圧な低圧状態と、前記中圧状態よりも高圧な高圧状態とのうち、少なくとも前記高圧状態であることを検出可能に設けられ、
前記第2の圧力検出部は、
中圧状態と、前記中圧状態よりも低圧な低圧状態と、前記中圧状態よりも高圧な高圧状態とのうち、少なくとも前記低圧状態であることを検出可能に設けられ、
前記連通状態判別部は、
前記第1の圧力検出部から出力される圧力検出結果が前記高圧状態であり、前記第2の圧力検出部から出力される圧力検出結果が前記低圧状態であると、前記排出管部材の連通状態が異常であると判別することを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記第1の圧力検出部は、
中圧状態と、前記中圧状態よりも低圧な低圧状態と、前記中圧状態よりも高圧な高圧状態とのうち、少なくとも前記低圧状態であることを検出可能に設けられ、
前記第2の圧力検出部は、
中圧状態と、前記中圧状態よりも低圧な低圧状態と、前記中圧状態よりも高圧な高圧状態とのうち、少なくとも前記低圧状態であることを検出可能に設けられ、
前記連通状態判別部は、
前記第1の圧力検出部から出力される圧力検出結果が前記低圧状態であり、前記第2の圧力検出部から出力される圧力検出結果が前記低圧状態であると、前記圧縮空気供給部が異常であると判別することを特徴とする請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記連通状態判別部には判別結果報知部が設けられ、
前記判別結果報知部は、
前記第1及び第2から出力される圧力検出結果に基づいて判別した結果を報知することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のトイレ装置。
【請求項7】
洗浄水が流入可能に設けられて、排泄された汚物と前記洗浄水を受容する便器本体部と、
前記便器本体部の下部に設けられて、前記便器本体部から流出した前記汚物を粉砕して前記洗浄水と共に汚物流動体と成す粉砕機構部と、
圧縮空気供給装置から供給される圧縮空気を充填可能に前記粉砕機構部の下部に設けられて、前記粉砕機構部から前記汚物流動体が流入する流入口と、該流入口から流入する前記汚物流動体を廃棄場所まで導く排出管部材が接続可能な排出口とを有する圧送部と、
前記圧送部の排出口側の前記排出管部材に着脱自在に設けられて、前記排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第1の圧力検出部と、
前記廃棄場所側の前記排出管部材に着脱自在に設けられて、前記排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第2の圧力検出部とを備えることを特徴とする検査装置。
【請求項8】
洗浄水が流入可能に設けられて、排泄された汚物と前記洗浄水を受容する便器本体部と、
前記便器本体部の下部に設けられて、前記便器本体部から流出した前記汚物を粉砕して前記洗浄水と共に汚物流動体と成す粉砕機構部と、
圧縮空気供給装置から供給される圧縮空気を充填可能に前記粉砕機構部の下部に設けられて、前記粉砕機構部から前記汚物流動体が流入する流入口と、該流入口から流入する前記汚物流動体を廃棄場所まで導く排出管部材が接続可能な排出口とを有する圧送部とを備えた検査装置が、
圧縮空気を廃棄場所まで導く排出管部材が接続可能な排出口を有する圧送部に圧縮空気を充填する第1のステップと、
前記圧送部の排出口側の前記排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第2のステップと、
前記廃棄場所側の前記排出管部材内部の圧縮空気の圧力を検出する第3のステップとを実行することを特徴とする検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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