説明

トイレ装置

【課題】コンパクトな構成で気泡を含有した水を適切なタイミングで生成し流すことができるトイレ装置を提供する。
【解決手段】便器と、前記便器に供給する洗浄水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽に貯留されている水に気泡を混入させる気泡発生装置であって、前記貯留槽内の液体を前記貯留槽内との間で吸入及び吐出して循環させる循環ポンプと、前記循環ポンプ内に前記貯留槽内の液体を吸入させる吸入流路と、前記循環ポンプから供給された液体中に気体を加圧溶解させる溶解タンクと、前記溶解タンク内の液体を前記微細気泡と共に前記貯留槽内に吐出する吐出ノズルと、前記溶解タンク内と前記吸入流路とを連通させ、前記溶解タンク内に供給されて気体が加圧溶解された液体の一部を吸入流路に戻す循環用連通流路と、を有する気泡発生装置と、を備えたことを特徴とするトイレ装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ装置に関し、具体的には気泡を含有した水を流すことができるトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、トイレの環境においては、洗浄水による洗浄効果の向上、洗浄水の削減、便器などの清掃性の向上などが望まれている。このような要望に対して、便器本体の基本構成を見直し、便器形状の工夫および洗浄水の流し方等の工夫により解決する方向もある。
【0003】
一方、気泡を含んだ水を洗浄水として流すことにより、洗浄効果の向上が期待される。気泡を含んだ水の生成方法のひとつとして、加圧溶解式を挙げることができる(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された微細気泡発生装置は、浴槽(貯留槽)内から浴湯(液体)を空気(気体)混じりの状態で吸入するための循環ポンプと、この循環ポンプから空気混じりの状態で供給された浴湯中に空気を加圧溶解させるための溶解タンクと、を備えている。そして、循環ポンプの駆動によって浴槽内から吸入された空気混じりの浴湯は、溶解タンク内においてこの溶解タンク内に一時貯留されている浴湯の液面に向けて噴射され、その結果、浴湯中に空気が加圧溶解されるようになっている。そして、溶解タンク内に一時貯留された浴湯は、その後、溶解タンクから吐出流路内に排出され、その吐出流路の下流端から浴槽内に吐出されるときに、その浴湯中に微細気泡を析出させるようになっていた。
【特許文献1】特開2001−347145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気泡を含有した水をトイレの大便器や小便器に流すためには、気泡を含有した水を生成する装置をコンパクトに形成する必要がある。また、気泡を含有した水を生成するタイミングや、その水を便器に流すタイミングなどについても、独自の工夫が必要とされる。
【0005】
本発明は、コンパクトな構成で気泡を含有した水を適切なタイミングで生成し流すことができるトイレ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、便器と、前記便器に供給する洗浄水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽に貯留されている水に気泡を混入させる気泡発生装置であって、前記貯留槽内の液体を前記貯留槽内との間で吸入及び吐出して循環させる循環ポンプと、前記循環ポンプ内に前記貯留槽内の液体を吸入させる吸入流路と、前記循環ポンプから供給された液体中に気体を加圧溶解させる溶解タンクと、前記溶解タンク内の液体を前記微細気泡と共に前記貯留槽内に吐出する吐出ノズルと、前記溶解タンク内と前記吸入流路とを連通させ、前記溶解タンク内に供給されて気体が加圧溶解された液体の一部を吸入流路に戻す循環用連通流路と、を有する気泡発生装置と、を備えたことを特徴とするトイレ装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンパクトな構成で気泡を含有した水を適切なタイミングで生成し流すことができるトイレ装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付す。
【0009】
図1は、本実施形態に係るトイレ装置の外観を例示した模式図であり、図1(a)は前方左側方斜めから見た斜視図であり、図1(b)は前方右側方斜めから見た斜視図である。なお、トイレ装置の方向については、図1において矢印でそれぞれ示した。
【0010】
また、図2は、貯留槽内部を前方から眺めた模式図である。
【0011】
図1(a)および図1(b)に表したように、本実施形態によるトイレ装置800は、便器900と、便器900に洗浄水を供給するロータンク920と、便座装置810と、を備える。ロータンク920には、カバーの役割を果たすロータンク蓋921が付設されている。便座装置810には、便座(図示せず)と、便蓋820と、が回動自在に軸支されている。またさらに、便座装置810には、進退自在な吐水ノズルが内蔵され、便座に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴射し洗浄可能とした洗浄機構を内蔵させてもよい。なお、本願明細書において「水」という時は、冷水のみならず温水も含むものとする。
【0012】
ロータンク920は、便器900の後方、かつサイドパネル950の上方部に設置されており、その内部に、微細気泡発生装置(気泡発生装置)11が内蔵されている。つまり、微細気泡発生装置11は外部からは見えない。
【0013】
図2に表したように、ロータンク920には洗浄ハンドルレバー925と、排水口930と、給水口931と、が設けられている。貯留槽12の内部には便器洗浄用の水Wを貯留可能な貯留槽12が設けられ、ボールタップ933に接続されたフロート932が付設されている。フロート932は内部が中空となっており、水Wよりも比重が軽いため水Wに浮くようになっている。貯留槽12に貯留された水の水位に応じてフロート932のレベルが変化し、これに応じてボールタップ933により給水口931から貯留槽12の給水が制御される。
【0014】
使用者が洗浄ハンドル925を回動させると、玉鎖934が開閉弁934を引き上げ、貯留槽12に貯留された水Wが排水口930から勢いよく排出され、便器900を洗浄することができる。また洗浄後は、フロート932のレベルの低下に対応してボールタップ933が開き、給水口931から貯留槽920内に新たな水Wが給水される。貯留槽12の水位が上がると水Wに浮かんだフロート932のレベルも上昇し、水位がある一定量まで上がるとフロート932に接続されたボールタップ933が閉じて給水を停止する。
【0015】
次に、ロータンク920に収容された微細気泡発生装置11について、図3〜図12を参照しつつ説明する。なお、図3〜図12に関する説明において、「上下方向」、「左右方向」は、図3における上下方向、左右方向(同図に矢印で示す)をそれぞれ示すものとする。
【0016】
図3に示すように、本具体例の微細気泡発生装置11は、貯留槽12内から液体としての水Wを吸引するための循環ポンプ13と、この循環ポンプ13から供給された水W中に気体としての空気を加圧溶解させるための溶解タンク14と、を備えている。また、微細気泡発生装置11には、上流端が貯留槽12の底部付近に配置される第1吸水管路15と、下流端が循環ポンプ13に接続される第2吸水管路16と、が設けられている。
【0017】
第1吸水管路15の下流端と第2吸水管路16の上流端との間には、流量増加装置17が配設されており、この流量増加装置17内には、第1吸水管路15内と第2吸水管路16内とを連通させる第1流路18が左右方向に延びるように形成されている。そして、循環ポンプ13が駆動した場合、貯留槽12内の水Wは、第1吸水管路15、流量増加装置17の第1流路18及び第2吸水管路16を介して循環ポンプ13内に吸入されるようになっている。したがって、本具体例では、第1吸水管路15、第1流路18及び第2吸水管路16により、循環ポンプ13内に貯留槽12内の水Wを吸入させるための吸入流路が構成されている。なお、第1吸水管路15の上流端には、貯留槽12内から水Wを吸水するための吸水部19が設けられており、吸水部19からは、循環ポンプ13の駆動に基づき例えば約「1リットル/分」の水Wが吸水されるようになっている。なお、吸水部19内には、図示しないフィルタが設けられており、水Wと共にごみなどの異物が循環ポンプ13内に吸引されることが規制されている。
【0018】
また、流量増加装置17内には、第1流路18の左右方向における中間部分に位置する弁室20(図4参照)と、この弁室20の上側内面から上方に向けて延びる第2流路21とが形成されており、弁室20内には、弁機構22が設けられている。この弁機構22には、図4に示すように、第2流路21の下端を閉塞するように弁室20の上側面に密接可能な弁体23と、この弁体23を上方(即ち、第2流路21側)に向けて付勢する付勢手段としてのコイルバネ24とが設けられている。弁体23は、コイルバネ24の付勢力によって常には第2流路21を閉塞する閉弁位置(図4に示す位置)に配置されており、第2流路21内の圧力が予め設定された所定圧力(例えば2KPa)以上になったときに第2流路21を開放する開弁位置(即ち、閉弁位置よりも下方位置)にコイルバネ24の付勢力に抗して変位するようになっている。
【0019】
図3に示すように、循環ポンプ13には、その内部に吸入した水Wを循環ポンプ13外に排出(吐出)するための排出管路25の上流端が接続されている。この排出管路25の下流端は、溶解タンク14の下端部に接続されており、溶解タンク14内には、循環ポンプ13内の水Wが排出管路25を介して供給されるようになっている。そして、溶解タンク14内において、水W中に空気が加圧溶解されるようになっている。
【0020】
溶解タンク14には、この溶解タンク14内の水W(即ち、空気が十分に加圧溶解している水W)を貯留槽12側に吐水させるための吐水管路26の上流端が接続され、この吐水管路26の下流端は、貯留槽12の水W中に配置されている。また、吐水管路26の下流端には、吐出ノズルとしての発泡ノズル27が設けられている。そのため、溶解タンク14内で空気が加圧溶解された水Wからは、発泡ノズル27を通過した際に微細気泡が析出し、貯留槽12内には、水Wと共に微細気泡が発泡ノズル27から放出されるようになっている。
【0021】
また、吐水管路26において、その上流端と下流端との間の中途部分からは、液体排出流路としての排水管路28が分岐形成され、この排水管路28の下流端は、貯留槽12内に配置されている。排水管路28上には、この排水管路28内を開閉させるための排出弁としての排水用開閉弁29(例えば電磁弁)が設けられており、この排水用開閉弁29は、後述する制御装置75(図7参照)の制御指令に基づき開閉動作するようになっている。
【0022】
また、溶解タンク14は、逆T字状をなす接続管路30を介して流量増加装置17に接続されている。すなわち、図3に示すように、接続管路30の左端部(一端部)31が溶解タンク14に接続されると共に、接続管路30の右端部(他端部)32が流量増加装置17に接続されている。さらに、接続管路30の上端部33には、吸気弁としての吸気用開閉弁34(例えば電磁弁)が設けられており、この吸気用開閉弁34は、後述する制御装置75(図7参照)の制御指令に基づき開閉動作するようになっている。したがって、本具体例では、接続管路30により、吸気用開閉弁34が開弁した場合に溶解タンク14内に外部(大気)から空気を供給可能な気体吸入流路が構成されている。
【0023】
次に、本具体例の溶解タンク14について図3及び図5に基づき以下説明する。
【0024】
図3に示すように、溶解タンク14は、上部に開口40aを有する下側ハウジング40と下部に開口41aを有する上側ハウジング41とから構成されるタンク本体42を備えている。両ハウジング40,41の各開口40a,41aは、互いに接合可能な略円形状をなしている。そして、上側ハウジング41がその開口41aを下側ハウジング40の開口40aと相対するようにして下側ハウジング40に上方から接合固定されることにより、溶解タンク14のタンク本体42が形成されている。
【0025】
下側ハウジング40の中央部分には、貫通孔43が上下方向に貫通形成されており、下側ハウジング40の下側において貫通孔43の形成部分には、排出管路25の下流端が接続されている。また、下側ハウジング40の上側には、貫通孔43に連通するボス状をなす差込部44が形成されている。
【0026】
また、図3及び図5に示すように、下側ハウジング40の上面は、その左側半分が抉られている。すなわち、この下側ハウジング40の左側半分の上面(即ち、溶解タンク14の左側半分の底面であって、以下、「左側底面40b」という。)は、下側ハウジング40の右側半分の上面(即ち、溶解タンク14の右側半分の底面であって、以下、「右側底面40c」という。)よりも下方に位置している。そして、下側ハウジング40には、溶解タンク14の左側底面40bから吐水管路26に向けて延びる第1ハウジング流路45が形成されており、溶解タンク14内の水Wは、第1ハウジング流路45及び吐水管路26を介して貯留槽12内に吐水(吐出)されるようになっている。
【0027】
また、下側ハウジング40には、溶解タンク14の右側底面40cから接続管路30の左端部31に向けて延びる第2ハウジング流路46が形成されている。すなわち、この第2ハウジング流路46は、下側ハウジング40内において第1ハウジング流路45との間に貫通孔43が介在するような位置に形成されている。そして、溶解タンク14内は、第2ハウジング流路46、接続管路30及び流量増加装置17内の第2流路21を介して第1流路18(吸入流路)と連通している。したがって、本具体例では、第2ハウジング流路46、接続管路30及び流量増加装置17内の第2流路21により、溶解タンク14内と第1流路18(吸入流路)とを連通させる循環用連通流路が構成されている。
【0028】
なお、本具体例では、溶解タンク14の右側底面40cは、溶解タンク14の左側底面40bよりも上方に位置している。そのため、溶解タンク14内と第2ハウジング流路46(循環用連通流路)との連通部位は、溶解タンク14内と第1ハウジング流路45(吐出流路)との連通部位よりも上方に形成されている。
【0029】
図3に示すように、上側ハウジング41は、ドーム状をなすように上方へ膨出した形状をなしている。そして、上側ハウジング41は、その上壁部47の内面、すなわち上壁内面48が凹状半球面(凹状をなす曲面)になるように形成されると共に、その側壁49の内面、すなわち側壁内面50が円筒内面状をなすように形成されている。
【0030】
また、溶解タンク14内においては、循環ポンプ13から供給された水W中に空気が加圧溶解され、この空気が加圧溶解された水Wが、溶解タンク14内に一時貯留されている。すなわち、溶解タンク14内の下方側の領域により、空気が加圧溶解された水Wを一時貯留する液体貯留領域としての水貯留領域14Aが構成される一方、溶解タンク14内において水貯留領域14Aの上方側の領域により、空気を貯留する気体貯留領域としての空気貯留領域14Bが構成されている。
【0031】
下側ハウジング40の差込部44には、水Wを溶解タンク14内の上壁内面48に向けて噴射するための噴射ノズル60が装着されている。この噴射ノズル60は、その上端部61にノズル孔62が形成された筒状体であって、その下端部63が差込部44内に嵌入されることにより、下側ハウジング40に立設状態となって固定されている。また、噴射ノズル60内には、この噴射ノズル60の下端部63から上端部61のノズル孔62に向けて水Wが流動するノズル内流路64が上下方向に沿うように形成されている。なお、本具体例では、噴射ノズル60の上端部61は、溶解タンク14内の空気貯留領域14Bに配置されている。
【0032】
図6に示すように、噴射ノズル60の上端部61に形成されたノズル孔62の下端部分65(即ち、ノズル孔62においてノズル内流路64に連通する部分)は、ノズル孔62において最も流路断面積が小さくなっている。ノズル孔62の上端部分66は、その流路断面積が上方に向かうにつれて次第に大きくなるように形成されており、ノズル孔62の上端部分66は、噴射ノズル60の上端部61の端面に開口している。なお、噴射ノズル60の上端部61の端面に形成されたノズル孔62の上端部分66の開口のことを、以下では「ノズル開口68」というものとする。
【0033】
また、ノズル孔62における下端部分65と上端部分66との間の中間部分67は、その流路断面積が下端部分65よりも大きくなるように形成されている。そして、噴射ノズル60内のノズル内流路64を下方から上方に向けて流動してきた水Wは、ノズル孔62を上方に向けて流動してノズル開口68から上側ハウジング41の上壁内面48に向けて噴射されるようになっている。したがって、本具体例では、ノズル内流路64及びノズル孔62により、水Wがノズル開口68に向けて流動する液体流路が構成されている。
【0034】
噴射ノズル60の上端部61には、ノズル孔62の下端部63の流路断面積よりも小さい流路断面積を有するノズル連通流路69が形成されている。すなわち、このノズル連通流路69は、ノズル孔62の下端部分65と中間部分67との間で噴射ノズル60の径方向に沿って延びるように形成されており、溶解タンク14内の空気貯留領域14Bとノズル孔62内とをこのノズル孔62におけるノズル開口68よりも水Wの流動方向の上流側(下方側)で連通している。そして、ノズル孔62の流路断面積について、このノズル孔62とノズル連通流路69との連通部位を境として見た場合には、この連通部位よりも下流側(上方側)の流路断面積のほうが、この連通部位よりも上流側(下方側)の流路断面積よりも大きくなっている。
【0035】
次に、本具体例の微細気泡発生装置11を制御する構成について図7に基づき以下説明する。
図7に示すように、本具体例の微細気泡発生装置11は、装置全体を統括的に制御する制御装置75により制御可能とされている。この制御装置75には、入力側インターフェース、出力側インターフェース、CPU、ROM及びRAMなどからなるデジタルコンピュータ、及び循環ポンプ13を駆動させるための駆動回路などが適宜設けられている。そして、制御装置75の入力側インターフェースには、外部機器からの制御信号を入力する入力部(図示せず)の他に、ユーザが各種の操作を行なうための操作部76を電気的に接続してもよい。この場合、操作部76からは、ユーザの操作に応じた信号が入力側インターフェースを介して制御装置75に入力される。
【0036】
また、制御装置75の出力側インターフェースには、循環ポンプ13と、排水用開閉弁29と、吸気用開閉弁34と、が電気的に接続されている。そして、例えば、外部機器からの制御信号を入力した場合や、貯留槽12内の水W中に微細気泡を発生させるべくユーザが操作部76を操作した場合、制御装置75は、循環ポンプ13を駆動させる。また、溶解タンク14内に一時貯留されている水Wを溶解タンク14外に排出させるべく、外部機器からの制御信号を入力した場合や、ユーザが操作部76を操作した場合、制御装置75は、循環ポンプ13の駆動を一時停止させた後に、閉弁状態にある排水用開閉弁29及び吸気用開閉弁34をそれぞれ開弁させる。したがって、本具体例では、制御装置75が、排水用開閉弁29及び吸気用開閉弁34の開閉駆動を各々制御する弁制御手段として機能する。
【0037】
次に、本具体例における微細気泡発生装置11の作用について以下説明する。
さて、吸水部19及び発泡ノズル27が貯留槽12の水W中に配置された状態で循環ポンプ13を駆動させるべく制御装置75が制御を開始すると、循環ポンプ13の駆動が開始される。すると、貯留槽12内の水Wが、吸水部19、第1吸水管路15、流量増加装置17の第1流路18及び第2吸水管路16を介して循環ポンプ13内に吸引される。そして、循環ポンプ13内に吸引された水Wは、排出管路25に吐出されてこの排出管路25の下流端から下側ハウジング40の貫通孔43内に流入し、この貫通孔43から噴射ノズル60内に流入する。
【0038】
すると、噴射ノズル60内では、その流入した水Wがノズル内流路64を通って上端部61のノズル孔62内に流入し、ノズル開口68から上側ハウジング41の上壁内面48に向けて噴射される。この際、ノズル孔62の上端部分66は、その流路断面積が下方から上方に向けて次第に大きくなるように形成されているため、ノズル開口68からは、水Wが凹状半球面状の上壁内面48全体に広がるように噴射される。
【0039】
なお、ノズル孔62内を下方から上方(ノズル開口68)に向けて水Wが流動する際には、この水Wの流動に基づきノズル孔62内に負圧が発生する。そのため、ノズル孔62内には、このノズル孔62にノズル開口68よりも水Wの流動方向の上流側で連通するノズル連通流路69を介して溶解タンク14内の空気貯留領域14Bに貯留されている空気が吸引されることにより、ノズル孔62内を流動する水Wには、ノズル連通流路69を介して吸引された空気が混合される。そして、このような空気混じりの水Wが、ノズル開口68から上側ハウジング41の上壁内面48に向けて噴射される。したがって、空気が混合されていない水Wがノズル開口68から噴射される場合に比して、ノズル開口68から噴射された水Wと空気との接触面積が広くなる分だけ、効率的に水W中に空気を加圧溶解させることが可能になる。
【0040】
そして、噴射ノズル60から噴射されて空気が加圧溶解された水Wは、一旦、溶解タンク14内に一時貯留されることになる。この一時貯留されている水Wの一部は、第2ハウジング流路46及び接続管路30を介して流量増加装置17の第2流路21内に流入する。この際、溶解タンク14内において、右側底面40cは、左側底面40bよりも上方に位置しているため、第2流路21内には、溶解タンク14内に一時貯留されている水W中に含まれる気泡のうちこの水W中に加圧溶解しきれなかった気泡が水Wと共に流入することがある。
【0041】
また、第2流路21内の圧力(即ち、溶解タンク14内の圧力)が上記所定圧力未満である場合、第2流路21は、コイルバネ24による上方への付勢力に基づき弁体23によって閉塞されているため、第2流路21内の水Wが第1流路18内に流入することが規制される。しかし、溶解タンク14内に水Wが供給され続けることによりこの溶解タンク14内の圧力が上昇すると、溶解タンク14内に連通する第2流路21内における水Wの液圧も上昇する。そして、溶解タンク14内の圧力が上記所定圧力以上になると、弁体23は、第2流路21内における水Wの液圧によってコイルバネ24の上方への付勢力に抗して閉弁位置から開弁位置に変位する。その結果、溶解タンク14内で空気が加圧溶解された水Wの一部は、第2流路21を介して第1流路18内に流入して循環ポンプ13内に再び吸引され、この循環ポンプ13から噴射ノズル60を介して溶解タンク14内に再び供給される。
【0042】
すなわち、本具体例における循環ポンプ13は、吸水部19を介して貯留槽12内から吸引した水Wに、接続管路30を介して溶解タンク14内から再吸引した水Wを混合することにより、循環ポンプ13内への水Wの吸引量を増加させ、そのようにして増加させた水Wを溶解タンク14内に供給するようにしている。そのため、噴射ノズル60から噴射される単位時間当りの水Wの噴射量は、循環ポンプ13が溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの一部を再吸引しない構成の場合に比して多くなる。したがって、溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの一部を循環ポンプ13と溶解タンク14との間で何回も循環させることにより、溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率が高くなる。
【0043】
ここで、上記所定圧力を比較的低い値(例えば1KPa)に設定した場合には、溶解タンク14内の圧力が十分に上昇していない状態で弁体23が閉弁位置から開弁位置に変位してしまうため、溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率が、本具体例の場合に比して低くなってしまう。一方、上記所定圧力を比較的高い値(例えば3KPa)に設定した場合には、溶解タンク14内の圧力を所定圧力(=3KPa)以上にするためには大容量の循環ポンプを使用する必要があり、装置全体が本具体例の場合に比して大型化してしまうおそれがある。そこで、本具体例では、弁体23を上方に付勢するコイルバネ24の付勢力は、溶解タンク14内の圧力が所定圧力(=2KPa)以上になったときに弁体23が付勢力に抗して開弁位置に変位するような値に設定されている。なお、弁体23が開弁位置に位置している場合、溶解タンク14内の圧力は、所定圧力に維持されることになる。
【0044】
また、本具体例では、溶解タンク14内に空気が供給されない構成であるため、循環ポンプ13から供給された水W中に溶解タンク14中の空気が加圧溶解されると、この溶解タンク14内の空気が次第に少なくなってしまう。この状態を回避すべく、制御装置75の判断に基づき、または外部機器から制御信号が入力されたり、ユーザが操作部76を操作すると、まず循環ポンプ13の駆動が一時停止する。そして次に、排水用開閉弁29及び吸気用開閉弁34がそれぞれ開弁される。すると、接続管路30及び第2ハウジング流路46を介して外部から空気が溶解タンク14内に供給される。そのため、溶解タンク14内における空気の貯留量が増加し、溶解タンク14内に液面を上昇させて一時貯留されている水Wが吐水管路26だけではなく排水管路28からも排出される。すると、溶解タンク14内における水Wの液面が次第に下降し、この液面がノズル連通流路69よりも下方になると、排水用開閉弁29及び吸気用開閉弁34が共に閉弁されてから循環ポンプ13の駆動が再開される。その結果、溶解タンク14内には、空気が十分に貯留された状態になるため、溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率の低下が抑制される。したがって、貯留槽12内には、発泡ノズル27から微細気泡が良好に放出されることになる。
【0045】
したがって、本具体例では、以下に示す効果を得ることができる。
【0046】
(1)循環ポンプ13から吐出された水(液体)Wは、噴射ノズル60内をノズル開口68に向けて流動してこのノズル開口68から溶解タンク14内に噴射される。この際、噴射ノズル60のノズル孔(液体流路)62内では、水Wの流動に基づき負圧が発生するため、ノズル孔62に連通するノズル連通流路69からは、溶解タンク14内に貯留されている空気(気体)がノズル孔62内に吸引される。その結果、ノズル開口68から噴射される水W中には、吸入流路(例えば第2吸水管路16)内に外部の空気を吸入させるための機構を設けなくても空気が確実に混入される。そして、空気混じりの水Wが溶解タンク14内に噴射されることにより、溶解タンク14内で水W中に空気を効率良く加圧溶解させることができる。したがって、装置全体の小型化と溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率の向上との両立を図ることができる。
【0047】
(2)噴射ノズル60のノズル孔(液体流路)62内を水(液体)Wがノズル開口68に向けて流動する際に発生するノズル孔62内の負圧に基づき、空気貯留領域(気体貯留領域)14Bに貯留されている空気(気体)がノズル孔62内にノズル連通流路69を介して確実に吸入される。そのため、溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率の向上に確実に貢献できる。
【0048】
(3)ノズル開口68は、噴射ノズル60の上端部61のうち上側ハウジング41の上壁内面に対向する端面に形成されている。そのため、噴射ノズル60のノズル開口68を、溶解タンク14内においてこの溶解タンク14内に一時貯留される水(液体)Wの液面よりも上方となる位置に配置することが可能になると共に、ノズル連通流路69も、溶解タンク14内における水Wの液面よりも上方となる位置に配置することが可能になる。そのため、噴射ノズル60のノズル孔(液体流路)62内を水Wが流動する場合に、溶解タンク14内において水Wの液面よりも上方に貯留されている空気をノズル孔62内にノズル連通流路69を介して吸入させやすくできる。
【0049】
(4)溶解タンク14内に貯留されている空気(気体)が少なくなった場合には、循環ポンプ13の駆動を停止させると共に、吸気用開閉弁(吸気弁)34及び排水用開閉弁(排出弁)29をそれぞれ開弁させることにより、接続管路(気体吸入流路)30を介して溶解タンク14内に外部から空気が供給される。このように溶解タンク14内に空気を供給して溶解タンク14内に空気を十分に貯留させた状態で循環ポンプ13の駆動を再開させることにより、溶解タンク14内における水(液体)W中への空気の加圧溶解効率の低下を抑制できる。
【0050】
(5)循環ポンプ13の駆動に基づき溶解タンク14内に供給された水(液体)W中には、空気(気体)が加圧溶解されている。そして、この加圧溶解された水Wの一部は、循環用連通流路(第2ハウジング流路46、接続管路30及び第2流路21)を介して第1流路(吸入流路)18に戻され、第1吸水管路15を介して貯留槽12から新たに吸入してきた水Wと共に溶解タンク14内に噴射される。すなわち、本具体例の微細気泡発生装置11内では、溶解タンク14内で空気が加圧溶解された水Wの一部は、循環ポンプ13と溶解タンク14との間を何回も循環することになる。そのため、溶解タンク14内に一時貯留される水W中には、循環用連通流路を設けない場合に比して多くの空気が加圧溶解される。したがって、貯留槽12からの水Wの吸水量が少ない場合であっても貯留槽12内に多くの微細気泡を放出することができる。
【0051】
(6)第2流路(循環用連通流路)21内の圧力(即ち、溶解タンク14内の圧力)が上記所定圧力以上になるまでは、循環用連通流路(第2ハウジング流路46、接続管路30及び第2流路21)が第1流路(吸入流路)18に対して開放されることはないため、循環ポンプ13の駆動時には、溶解タンク14内の圧力が所定圧力以上に維持される。そのため、所定圧力を、溶解タンク14内における水(液体)W中への空気(気体)の加圧溶解効率が高くなる圧力値に設定することにより、溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率を高効率に維持できる。
【0052】
(7)また、溶解タンク14内の圧力が所定圧力に維持されるため、発泡ノズル27から貯留槽12内に放出される水Wの単位時間当りの放出量の安定化に貢献できる。
【0053】
(8)さらに、循環ポンプ13による吸水性能のばらつき(経年変化や温度・湿度の変化などに基づくばらつき)によって貯留槽12から水Wの吸水量に変化があった場合でも、循環ポンプ13内には、溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの一部が吸水される。そのため、循環ポンプ13から溶解タンク14内に噴射される単位時間当りの水Wの噴射量の変化を抑制できる。
【0054】
(9)溶解タンク14内で空気が加圧溶解された水Wの一部は、循環ポンプ13と溶解タンク14との間を何回も循環することになる。そのため、本具体例の微細気泡発生装置11の溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの溶存空気量は、装置内での空気の加圧溶解済みの水Wの循環を行なわない従来装置の溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの溶存空気量に比して多くなる。したがって、貯留槽12内には、より効果的に多数の微細気泡を発生させることができる。
【0055】
(10)溶解タンク14内に一時貯留されている水(液体)Wの液面近傍には、この水W中に巻き込まれた気泡が含まれていることがある。そして、本具体例においては、溶解タンク14内と第2ハウジング流路(循環用連通流路)46との連通部位が、溶解タンク14内と第1ハウジング流路(吐出流路)45との連通部位よりも上記液面に近い位置に配置されている。そのため、第2ハウジング流路46内には、気泡を含んだ水Wが流入することがある。すると、この気泡混じりの水Wは、第1流路(吸入流路)18などを介して再び溶解タンク14内に噴射される。すなわち、溶解タンク14内に噴射される水Wには空気が含まれているため、溶解タンク14内においてこの溶解タンク14内に噴射された水Wと空気との接触面積を広くすることができる。したがって、溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率を向上させることができる。
【0056】
次に、本発明の実施の形態において用いることができる微細気泡発生装置11の第2の具体例を図8に従って説明する。なお、第2の具体例は、気体吸入流路の接続位置、及び、ノズル連通流路69の上下方向における配置などが第1の具体例と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の具体例と相違する部分について主に説明するものとし、第1の具体例と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0057】
図8に示すように、本具体例の微細気泡発生装置11は、水(液体)Wだけではなく空気(気体)をも吸引して排出することが可能な循環ポンプ13と溶解タンク14とを備え、循環ポンプ13は、吸入流路を構成する第1吸水管路15、第1流路18及び第2吸水管路16を介して貯留槽12内の水Wを吸水するようになっている。また、第2吸水管路16には、気体吸入流路としての空気吸入管路95が接続されており、この空気吸入管路95の上端には、吸気弁としての吸気用開閉弁34(例えば電磁弁)が設けられている。この吸気用開閉弁34は、弁制御手段としての制御装置75の制御指令に基づき開閉動作するようになっている。
【0058】
したがって、本具体例では、循環ポンプ13の駆動時に吸気用開閉弁34が開弁した場合、空気吸入管路95及び第2吸水管路16を介して外部から空気が循環ポンプ13内に吸入される。そして、循環ポンプ13内に吸入された空気は、排出管路25及び噴射ノズル60Aを介して溶解タンク14内に供給されるようになっている。なお、吸気用開閉弁34の開弁時には、水Wの流動性よりも空気の流動性の方が高いため、水Wは、循環ポンプ13内にほとんど吸入されない。すなわち、本具体例の空気吸入管路95は、第2吸水管路16内を循環ポンプ13側に流動する水W中に空気を混入させるためではなく、空気を溶解タンク14内に供給するための管路である。
【0059】
溶解タンク14には、一方向(図8では左右方向)に延びる接続管路30Aの左端部31が接続されており、この接続管路30Aの右端部32が流量増加装置17に接続されている。そして、溶解タンク14内に一時貯留している水Wの一部は、接続管路30Aを介して流量増加装置17内に流入するようになっている。したがって、本具体例では、第2ハウジング流路46、接続管路30A及び流量増加装置17内の第2流路21により、循環用連通流路が構成されている。
【0060】
溶解タンク14内に設けられている噴射ノズル60Aは、その上端部61の端面に形成されたノズル開口68が溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの液面よりも僅かに上方に位置するように形成されている。そして、噴射ノズル60Aの上端部61に形成されたノズル孔62の下端部分65は、溶解タンク14内における水貯留領域14Aのうち水Wの液面近傍に位置している。なお、水貯留領域14Aにおいてノズル孔62の下端部分65が位置している辺りには、噴射ノズル60Aのノズル開口68から噴射された水Wが溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの液面に打付けられた際にこの水W中に巻き込まされた気泡Bが多数存在している。
【0061】
また、噴射ノズル60Aの上端部61には、ノズル連通流路69が下端部分65と中間部分67との間で噴射ノズル60Aの径方向に沿って延びるように形成されている。噴射ノズル60Aの上端部61の下端部分65が水貯留領域14Aに位置しているため、ノズル連通流路69もまた、水貯留領域14Aのうち水Wの液面近傍に位置している。
【0062】
次に、本具体例の微細気泡発生装置11の作用について、溶解タンク14内に噴射ノズル60Aから噴射される際の作用、及び、空気吸入管路95を介して外部から空気を吸入する際の作用を中心に以下説明する。
【0063】
さて、循環ポンプ13の駆動が開始されると、貯留槽12内の水Wが、吸水部19、第1吸水管路15、流量増加装置17の第1流路18及び第2吸水管路16を介して循環ポンプ13内に吸引される。そして、循環ポンプ13内に吸引された水Wは、排出管路25に吐出されてこの排出管路25の下流端から下側ハウジング40の貫通孔43内に流入し、この貫通孔43から噴射ノズル60A内に流入する。
【0064】
すると、噴射ノズル60A内では、その流入した水Wがノズル内流路64を通って上端部61のノズル孔62内に流入し、ノズル開口68から上側ハウジング41の上壁内面48に向けて噴射される。また、ノズル孔62内を下方から上方(ノズル開口68)に向けて水Wが流動する際には、この水Wの流動に基づきノズル孔62内に負圧が発生する。そのため、ノズル孔62内には、ノズル連通流路69を介して溶解タンク14内の水貯留領域14Aにて一時貯留されている水Wの一部とこの水W中に巻き込まれている気泡Bの一部が吸入される。その結果、噴射ノズル60Aのノズル開口68からは、気泡B(空気)混じりの水Wが噴射される。
【0065】
したがって、空気が混合されていない水Wがノズル開口68から噴射される場合に比して、ノズル開口68から噴射された水Wと空気との接触面積が広くなる分だけ、効率的に水W中に空気を加圧溶解させることが可能になる。また、本具体例では、ノズル連通流路69からは、気泡B(空気)だけではなく溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの一部がノズル孔62内に吸入される。そのため、ノズル開口68から単位時間当りの水Wの噴射量は、第1の具体例の場合に比して多くなる。その結果、単位時間当りの水Wの噴射量の増加に伴い、より効果的に水W中に空気を加圧溶解させることが可能になる。
【0066】
また、本具体例では、溶解タンク14内の空気が少なくなった際に、制御装置75の判断に基づき、または外部機器からの制御信号が入力されたり、ユーザが操作部76を操作すると、吸気用開閉弁34が開弁される。すると、外部からは、空気吸入管路95及び第2吸水管路16を介して空気が循環ポンプ13内に吸入され、この循環ポンプ13からは、排出管路25及び噴射ノズル60Aを介して空気が溶解タンク14内に供給される。すなわち、本具体例では、第1の具体例の場合とは異なり、循環ポンプ13の駆動を停止させることなく空気を溶解タンク14内に供給することが可能である。
【0067】
その後、溶解タンク14内への空気の供給を停止させるべく、制御装置75の判断に基づき、または外部機器から制御信号が入力されたり、ユーザが操作部76を操作すると、吸気用開閉弁34が閉弁される。すると、循環ポンプ13内には、第1吸水管路15、流量増加装置17の第1流路18及び第2吸水管路16を介して水Wが吸入されることになる。
【0068】
したがって、本具体例では、上記(1)、(5)〜(10)に示す効果の他に以下に示す効果を得ることができる。
【0069】
(11)一般に、水貯留領域(液体貯留領域)14Aのうち水(液体)Wの液面近傍には、噴射ノズル60Aのノズル開口68から溶解タンク14内に噴射された水Wが上記液面に打付けられることにより、多数の気泡Bが存在している。そこで、本具体例では、噴射ノズル60Aのノズル孔(液体流路)62内を水Wがノズル開口68に向けて流動する際に発生するノズル孔62内の負圧に基づき、ノズル孔62内には、ノズル連通流路69を介して水貯留領域14Aに一時貯留されている水Wのうち液面近傍の水W及びこの水Wに混じっている気泡Bが吸入される。そのため、噴射ノズル60Aのノズル開口68からは、気泡B混じりの水Wが溶解タンク14内に噴射されることになるため、溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率の向上に確実に貢献できる。
【0070】
(12)ノズル開口68は、噴射ノズル60Aの上端部61のうち上側ハウジング41の上壁内面に対向する端面に形成されている。そのため、噴射ノズル60のノズル開口68を、溶解タンク14内においてこの溶解タンク14内に一時貯留される水(液体)Wの液面よりも上方となる位置に配置することが可能になると共に、ノズル連通流路69を、溶解タンク14内における水Wの液面よりも僅かに下方となる位置に配置することが可能になる。そのため、噴射ノズル60のノズル孔(液体流路)62内を水Wが流動する場合に、溶解タンク14内に一時貯留されている気泡B(空気)混じりの水Wをノズル孔62内にノズル連通流路69を介して吸入させやすくできる。
【0071】
(13)溶解タンク14内に貯留されている空気(気体)の大部分が溶解タンク14内に供給された水(液体)W中に加圧溶解された場合に、吸気用開閉弁(吸気弁)34を開弁させると、循環ポンプ13の駆動に基づいてこの循環ポンプ13内には、空気吸入管路(気体吸入流路)95及び第2吸水管路(吸入流路)16を介して空気が吸入される。そして、循環ポンプ13からは、排出管路25を介して空気が溶解タンク14内に供給される。そのため、溶解タンク14内における空気の貯留不足に起因した溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率の低下を抑制できる。
【0072】
次に、本発明の実施の形態において用いることができる微細気泡発生装置11の第3の具体例を図9に従って説明する。なお、第3の具体例は、溶解タンク14に流量増加装置17及び発泡ノズル27が一体に取着されている点が第2の具体例と異なっている。したがって、以下の説明においては、第2の具体例と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の具体例と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0073】
図9に示すように、本具体例の微細気泡発生装置11は、循環ポンプ13及び溶解タンク14の下側部位が貯留槽12内の水W中に水没した状態で配置されている。なお、このような配置態様であっても、吸気用開閉弁34は、貯留槽12内に貯留されている水Wの液面よりも上方に配置されている。
【0074】
溶解タンク14を構成する下側ハウジング40には、流量増加装置17が直接取着(即ち、直付け)されており、下側ハウジング40内の第2ハウジング流路46は、流量増加装置17の弁室20内に直接連通している。すなわち、本具体例では、第2ハウジング流路46のみにより、循環用連通流路が構成されている。また、本具体例の溶解タンク14は、下側ハウジング40、上側ハウジング41及び流量増加装置17により構成されている。また、溶解タンク14には、発泡ノズル27が直接取着(即ち、直付け)されており、溶解タンク14の第1ハウジング流路45は、発泡ノズル27内に直接連通している。
【0075】
したがって、本具体例では、上記(1)、(5)〜(13)に示す効果の他に以下に示す効果を得ることができる。
【0076】
(14)発泡ノズル(吐出ノズル)は、吐水管路26を介することなく、溶解タンク14に直接取着(即ち、直付け)されている。そのため、吐水管路26を設けない分だけ、装置全体の小型化に貢献できる。
【0077】
(15)また、第1の具体例のように、溶解タンク14内から発泡ノズル27内までの間で屈曲する部分(第1の具体例では吐水管路26がこの当)がある場合には、その部分が流動抵抗となってしまい、発泡ノズル27に向けて流動する水Wの圧力の一部が損失してしまう。この点、本具体例では、溶解タンク14内から発泡ノズル27内までの間で屈曲する部分がなく、溶解タンク14内からは水Wが発泡ノズル27内に直接に供給される。そのため、溶解タンク14内から発泡ノズル27内に水Wが流動する際のこの水Wの圧力損失が、第1の具体例の場合に比して少なくなることにより、その分だけ溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率を向上させることができる。
【0078】
(16)本具体例では、流量増加装置17は溶解タンク14を構成しているため、流量増加装置17内の弁機構22は、溶解タンク14内に配置された状態になる。そのため、第1及び第2の具体例とは異なり、接続管路30,30Aを設ける必要がなく、装置全体の小型化に貢献できる。
【0079】
(17)第1及び第2の具体例のように、溶解タンク14の第2ハウジング流路46から弁室20内までの間で屈曲する部分(第1及び第2の具体例の第2流路21がこの当)がある場合には、その部分が流動抵抗となってしまい、弁室20に向けて流動する水Wの圧力の一部が損失してしまう。この点、本具体例では、溶解タンク14の第2ハウジング流路46から弁室20内までの間で屈曲する部分がない。そのため、第2ハウジング流路46から弁室20内に水Wが流動する際のこの水Wの圧力損失が、第1及び第2の具体例の場合に比して少なくなることにより、その分だけ効果的に溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの一部を循環ポンプ13側に戻すことができる。
【0080】
なお、上記各具体例は以下のような別の具体例に変更してもよい。
【0081】
・第3の具体例において、発泡ノズル27は、吐水管路26を介して溶解タンク14に接続された構成であってもよい。また、発泡ノズル27は、左方側や右方側に水Wや微細気泡を放出できるように配置されてもよい。
【0082】
・第1の具体例において、排水用開閉弁29及び排水管路28を設けなくてもよい。このように構成すると、吸気用開閉弁34が開弁された場合、吐水管路26からは、吸気用開閉弁34の閉弁時に比して多くの水Wが吐水されることになる。
【0083】
・また、第1の具体例において、気体吸入流路を、第2の具体例と同様に、吸入流路(例えば第2吸水管路16)に接続してもよい。この場合も、排水用開閉弁29及び排水管路28を設けなくてもよい。
【0084】
・第1の具体例において、気体吸入流路及び吸気用開閉弁34は設けなくてもよい。この場合、溶解タンク14内の空気の減少に伴い溶解タンク14内における水Wの液面が上昇してくると、この水Wの液面がノズル連通流路69よりも上方に位置することになる。すると、ノズル連通流路69内からは、ノズル孔62内における水Wの流動に基づき発生するノズル孔62内の負圧によって、溶解タンク14内の水Wがノズル孔62内に流入し、この水Wが循環ポンプ13から供給された水Wと共にノズル開口68から噴射されることになる。したがって、この場合は、ノズル連通流路69を介して噴射ノズル60内に水Wが吸入されるため、その分だけ噴射ノズル60から噴射される水Wの単位時間当りの噴射量を増加させることができ、その結果、溶解タンク14内における水W中への空気の加圧溶解効率を向上させることができる。この場合、ノズル連通流路69が液体吸入流路として機能することになる。
【0085】
・第1の具体例において、溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの液面高さを検出するための液面高さ検出センサ(例えばフロートセンサ)を溶解タンク14内に設けてもよい。そして、液面高さ検出センサからの入力信号に基づき液面高さを検出した結果、溶解タンク14内の水Wの液面がノズル連通流路69よりも上方に位置していると判定された場合に、循環ポンプ13の駆動を一時停止させると共に、排水用開閉弁29及び吸気用開閉弁34をそれぞれ開弁させるようにしてもよい。このように構成すると、溶解タンク14内の空気の貯留量の低下に基づき溶解タンク14内での水W中への空気の加圧溶解効率が低下し始めたときに、溶解タンク14内に空気を供給すべく排水用開閉弁29及び吸気用開閉弁34がそれぞれ開弁することになる。したがって、溶解タンク14内において水W中への空気の加圧溶解効率が低下することを抑制できる。
【0086】
・また、上記のような液面高さ検出センサを第2及び第3の具体例の溶解タンク14内に設けてもよい。そして、液面高さ検出センサからの入力信号に基づき液面高さを検出した結果、溶解タンク14内の水Wの液面の位置が予め設定された所定位置(例えば、ノズル開口68)よりも上方に位置していると判断された場合に、吸気用開閉弁34を開弁させることが望ましい。
【0087】
・第1の 具体例において、循環ポンプ13の駆動が開始されてからの経過時間が予め設定された所定時間以上になった場合に、循環ポンプ13の駆動を一時停止させると共に、排水用開閉弁29及び吸気用開閉弁34をそれぞれ開弁させるようにしてもよい。なお、所定時間は、溶解タンク14内に水Wが貯留されていない状態で循環ポンプ13が駆動を開始し、溶解タンク14内における水Wの液面がノズル連通流路69よりも上方に位置するようになるまでの時間に設定されることが望ましい。このように構成すると、溶解タンク14内の空気の貯留量の低下に基づき溶解タンク14内での水W中への空気の加圧溶解効率が低下し始めたときに、溶解タンク14内に空気を供給すべく排水用開閉弁29及び吸気用開閉弁34がそれぞれ開弁することになる。したがって、溶解タンク14内において水W中への空気の加圧溶解効率が低下することを抑制できる。
【0088】
・また、第2及び第3の具体例において、循環ポンプ13の駆動が開始されてからの経過時間が予め設定された所定時間以上になった場合に、吸気用開閉弁34を開弁させるようにしてもよい。なお、所定時間は、溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの液面の上下方向における位置が図8及び図9に示す位置からノズル開口68よりも上方位置に到達するまでの時間に設定されることが望ましい。
【0089】
・各具体例において、ノズル連通流路69を、その流路断面積がノズル孔62の下端部分65の流路断面積と同等となるように形成してもよい。また、ノズル連通流路69を、その流路断面積がノズル孔62の中間部分67の流路断面積と同等となるように形成してもよい。
【0090】
・第1の具体例において、ノズル開口68及びノズル連通流路69が溶解タンク14に一時貯留されている水Wの液面よりも上方に配置されているのであれば、噴射ノズル60は、溶解タンク14の上端部から下方に向けて延びる構成であってもよい。この場合、噴射ノズル60からは、循環ポンプ13から吐出された水Wが溶解タンク14内に一時貯留されている水Wの液面に向けて噴射されることになる。また、噴射ノズル60は、溶解タンク14内において図1における右方側から左方側に向けて延びる構成であってもよい。この場合、噴射ノズル60からは、溶解タンク14の側壁内面50に向けて噴射されることになる。
【0091】
・各具体例において、ノズル連通流路は、図10に示すように、噴射ノズル60,60Aの上端部61において、その噴射ノズル60の径方向外側から径方向内側のノズル孔62に接近するに連れて次第に流路断面積が小さくなるように形成されたノズル連通流路80であってもよい。このようにノズル連通流路80に絞り(いわゆるオリフィス)を設けることによって、ノズル孔62内を水Wが流動した場合に、このノズル孔62内に効率的に空気、又は気泡混じりの水Wを吸入させることができる。
【0092】
・各具体例において、吸気用開閉弁34は、モータの駆動に基づき図示しない弁体を移動させる開閉弁であってもよい。
【0093】
・第1の具体例において、排水用開閉弁29は、モータの駆動に基づき図示しない弁体を移動させる開閉弁であってもよい。
【0094】
・第1及び第2の具体例において、流量増加装置17内の第2流路21の下端部(即ち、弁室20に連通する部分)は、図11示すように、弁室20に接近するに連れて次第に流路断面積が小さくなるオリフィス85であってもよい。このように構成すると、第2流路21内の水Wが弁体23に付与する圧力(即ち、弁体23を下方に変位させようとする圧力)を、オリフィス85を設けない場合に比して高くできるため、速やかに弁体23をコイルバネ24の付勢力に抗して下方に変位させることができる。すなわち、第2流路21を介して溶解タンク14内に一時貯留されている水Wを速やかに第1流路18に戻すことができるようになる。
【0095】
・各具体例において、下側ハウジング40を、右側底面40cと左側底面40bとが上下方向において同じ高さ位置となるように形成してもよい。このように構成すると、溶解タンク14内と第2ハウジング流路46との連通部位は、溶解タンク14内と第1ハウジング流路45との連通部位と上下方向において同一高さ位置となる。
【0096】
・各具体例において、流量増加装置17内に収容された弁機構22は、制御装置75からの制御指令に基づき弁体23を閉弁位置と開弁位置との二位置間で変位する弁(例えば電磁弁)であってもよい。この場合、溶解タンク14内の水Wの液圧を検出するための液圧検出センサを設けることが望ましい。そして、この液圧検出センサからの信号に基づき検出した溶解タンク14内の水Wの液圧が予め設定された所定圧力以上になったと判定した場合に、弁体23を開弁位置に変位させるべく弁機構22の駆動を制御することになる。
【0097】
・第1及び第2具体例において、弁体は、図12に示すように、左端(即ち、水Wの流動方向における上流端)が第2流路21と弁室20との連通部位に支持固定され、第2流路21内における水Wの液圧が予め設定された所定圧力以上になったときに変形する弁体90であってもよい。
【0098】
・各具体例において、微細気泡発生装置11は、溶解タンク14内において水W中に空気以外の他の気体(例えば酸素)を加圧溶解させるものであってもよい。この場合、溶解タンク14内には、酸素を予め貯留させる必要がある。
【0099】
・各具体例において、微細気泡発生装置11は、溶解タンク14内に水以外の他の液体(例えばエタノール)を供給し、この液体中に空気を加圧溶解させるものに具体化してもよい。
【0100】
・各具体例において、噴射ノズル60,60Aに空気流路69を設けなくてもよい。このように構成しても、上記(5)〜(10)の効果を得ることができる。
【0101】
・具体例において、接続管路30の上端部33には、吸気用開閉弁34を設けなくてもよい。この場合、循環ポンプ13内には、空気が混入された水Wが吸引されるようになる結果、溶解タンク14内では、水W中に加圧溶解しきれない余剰な空気(余剰空気)が発生するおそれがある。そのため、このような構成の場合には、溶解タンク14内の余剰空気を溶解タンク14外に排気させるための機構を設けることが望ましい。
【0102】
以上、微細気泡発生装置11の詳細について説明したが、吸水部19と発泡ノズル27とは貯留槽12の下層部に設置することが望ましい。これは、微細気泡は水に比べて比重が軽いことにより、時間経過とともに貯留槽12の上層部へと微細気泡が上昇するためである。すなわち、吸水部19と発泡ノズル27とを貯留槽12の上層部に設置すると、微細気泡は貯留槽12の上層部に偏在することになるため、洗浄能力が低下する可能性が考えられる。
【0103】
また、前記で説明した微細気泡発生装置11を貯留槽12の内部に備えることによって、微細気泡による便器900の洗浄能力の向上を期待することができる。これは、微細気泡が電荷を帯びているため、汚れ(油成分など)を吸着することが期待できるためである。
【0104】
また、貯留槽12の内部に吐出ノズル27が設置されることによって、貯留槽12の中の水Wに微細気泡が発生するため、貯留槽12の内部の洗浄も期待できる。これは、貯留槽12の内部は清掃する機会が普段少なく汚れが付着しやすいことを考慮すると、非常に有効である。さらに、微細気泡発生装置11の全体が貯留槽12の内部に設置されているため、微細気泡発生装置11に設置された各流路を短くすることが可能となり、流路損失が低減できることで微細気泡による水Wの白濁効率が上がることも期待できる。
【0105】
また、水Wに微細気泡を多量に含ませることによって、水Wの内部に占める気泡の体積が増加するため、洗浄水の節水も期待できる。
【0106】
また、着座センサーもしくは人体センサーと連動させて微細気泡を多量に含ませた水Wを便器900に流すこと、すなわち前洗浄を行うことで便器900に微細気泡を多量に含ませた水Wが溜まることになる。これにより、多量の微細気泡がクッションの役割を果たすことが期待できるため、尿はねや、便器900に滞留した汚物や汚水のはねの軽減を期待することもできる。さらに、多量の微細気泡がクッションの役割を果たすことにより、洗浄水が貯留槽12から便器900に吐出されたときの水音の静音化を期待することもできる。
【0107】
また、微細気泡は自然消滅する気泡であるため、界面活性剤等を用いて洗浄能力を向上させた場合と比較すると気泡が存在する時間は短い。従って、便器900に溜まった水の見た目が問題になることもない。
【0108】
次に、本実施形態のトイレ装置の動作について説明する。
図13は、本実施形態のトイレ装置の動作を例示するフローチャートである。
待機状態(ステップS100)においては、例えば便座装置810などに設けられた人体検知センサにより使用者の有無を適宜検知している。
そして、使用者の存在を検知する(ステップS110)と、微細気泡発生装置11を動作させ、ロータンク920の内部の貯留槽12に貯留された水Wに気泡を混入させる(ステップS120)。ここで、便座装置810には、便器900の前に立つ使用者の存在を検知する人体検知センサと、便座に座った使用者の存在を検知する人体検知センサを設けることもできる。この場合には、例えば、使用者が便座に座ったことを検知した時に、微細気泡発生装置11を動作させるようにしてもよい。このようにして、ロータンク920に収容された貯留槽12に気泡を含有した水Wが生成される。
【0109】
そして、使用者が洗浄ハンドル925(図1及び図2参照)を操作すると、気泡を含有した洗浄水Wが便器900に流される(ステップS130)。こうすることにより、気泡を含有した洗浄水Wによる洗浄が実行される。
【0110】
図14は、微細気泡を発生させるステップS120の内容を例示するフローチャートである。
すなわち、人体検知センサによる人体の検知に対応して、微細気泡の発生が開始され(ステップS122)、所定時間T1の間、微細気泡発生装置11の動作が続けられる(ステップS124)。この所定時間T1は、貯留槽12に貯留された水Wに所定の量の気泡が混入されるまでの時間として、適宜決定することができる。
【0111】
所定時間T1が経過すると(ステップS124:yes)、微細気泡発生装置11は停止し(ステップS126)、その後、所定時間T2が経過する(ステップS128:yes)と、微細気泡発生装置11は再び動作を開始する(ステップS122)。これは、貯留槽12の水Wに混入された気泡が、時間の経過とともに消失するからである。従って、所定時間T2は、貯留槽12に貯留された水Wにおける気泡の含有量が望ましい範囲を下回るまでの時間として適宜決定することができる。
このようにすれば、例えば、使用者が便座に座った状態で比較的長い時間が経過したような場合でも、洗浄水Wに含有される気泡の量を所定の範囲に維持することができる。
【0112】
なお、微細気泡発生装置11あるいは貯留槽12に水位センサを適宜設け、図14に表した一連のステップの途中で使用者が洗浄ハンドル925を操作して洗浄水Wが排水された場合には、微細気泡発生装置11の動作を自動的に停止させるようにしてもよい。
【0113】
次に、図15、図16を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0114】
図15、図16は貯留槽12の内部を便器900の前方から眺めた模式図である。図15、図16に示すように、ロータンク920の内部には貯留槽12が設置されており、貯留槽12の中には水Wが貯水可能とされている。また、貯留槽12はロータンク920の全範囲に渡ることなく、ロータンク920の内部には、水Wから隔離されたドライエリア940が設けられている。そして、図15に表した具体例においては、加圧熔解タンク14は貯留槽12の中に設けられ、循環ポンプ13だけがドライエリア940に設置されている。一方、図16に表した具体例においては、循環ポンプ13および溶解タンク14がドライエリア940に設置されている。
【0115】
図15に表したように、循環ポンプ13がドライエリア940に設置されていることにより、循環ポンプ13の防水が不要または軽微で済む。これによれば、循環ポンプ13のコスト低減を図ることが可能となり、また水Wから隔離されていることにより循環ポンプ13の寿命向上も期待することができる。
【0116】
一方、図16に表したように、循環ポンプ13および溶解タンク14がドライエリア940に設置されていることにより、循環ポンプ13および溶解タンク14の防水が不要となる。これによれば、図15の場合に比べてさらに溶解タンク14のコスト低減を図ることが可能となり、微細気泡発生装置11全体としてコスト低減を図ることが可能となる。さらに溶解タンク14の寿命向上を期待することもできる。
【0117】
次に、図17、図18を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
図17(a)は本実施形態におけるトイレ装置800を前方左側方斜めから見た斜視図であり、図17(b)は、本実施形態におけるトイレ装置800から便座装置810とサイドパネル950を取り外し、さらにキャビネット750を分解した状態を表す。
【0118】
また、図18は、本実施形態のもうひとつの具体例を表す斜視図である。
【0119】
図17(a)及び(b)に表した具体例においては、便器900の後方にはキャビネット750が設置されている。キャビネット750の内部には、ロータンク920および微細気泡発生装置11が隠蔽されている。なお、本具体例においては、図2、図15、図16に関して前述したように、ロータンク920の中に貯留槽12が設けられた2重構造としてもよく、または、ロータンク920の中が2重構造とはされていなくてもよい。ロータンク920の中が2重構造とされていない場合には、ロータンク920は貯留槽12の役割も兼ねることとなり、ロータンク920の中に水Wが直接貯留されることとなる。これらいずれの場合においても、本実施形態によれば、外部からロータンク920および微細気泡発生装置11が見えない構成となっているため、トイレ装置800の外観がすっきりとして見栄えがよい。さらに、便器900の側壁には、リモコン751が設置されている。
【0120】
また本具体例においておいては、図17(a)及び(b)に表したように、ロータンク920の側方に微細気泡発生装置11が付設されている。但し、本具体例においても、微細気泡発生装置11の吸水部19および発泡ノズル27は、ロータンク920またはその内部に設けられた貯留槽12の中に設置されている。さらに本具体例においても、吸水部19および発泡ノズル27は、ロータンク920またはその内部に設けられた貯留槽12の下層部に設置されることが望ましい。
【0121】
本具体例においても、トイレ装置800の外観が損なわれることなく微細気泡発生装置11を設けることが可能であり、洗浄性能の向上を期待することができる。さらに、微細気泡による貯留槽12(またはロータンク920の内壁)の洗浄効果など、前述した各種の効果についても同様に期待できる。
【0122】
一方、図18に表した具体例においては、便器900の側方に棚板650が設けられ、便器900の後方にはキャビネット750が設けられている。棚板650の下には、トイレットペーパー610を保持するペーパーホルダー620が設けられている。また、棚板650の下には、キャビネット600、602などが設置されており、また棚板650には、水栓640を付設した手洗いボウル630が設けられている。
【0123】
図18に表した具体例においても、図17に関して前述したものと同様に、キャビネット750の内部にロータンク920と微細気泡発生装置11が隠蔽されている。従って、外部からロータンク920および微細気泡発生装置11が見えない構成となっているため、トイレ装置800の見栄えがすっきりとして外観が損なわれない。また、微細気泡発生装置11はロータンク920の側方に設置され、吸水部19および発泡ノズル27はロータンク920またはその内部に設けられた貯留槽12の中に設置されている。本具体例においても、吸水部19および発泡ノズル27はロータンク920またはその内部に設けられた貯留槽12の下層部に設置されることが望ましい。
【0124】
以上、図18に表したトイレ装置においても、外観が損なわれることなく微細気泡発生装置11を設けることが可能であり、洗浄性能の向上を期待することができる。さらに、微細気泡による貯留槽12(またはロータンク920の内壁)の洗浄効果など、前述した各種の効果についても同様に期待できる。
【0125】
なお、図17及び図18に関して前述した具体例において、微細気泡発生装置11の一部または全部をロータンク920の中に収容してもよい。また、図18に関して前述した具体例において、微細気泡発生装置11をロータンク920に隣接させず、キャビネット750の左右のキャビネット部752、754のいずれかの中に収容してもよい。
【0126】
便器900に隣接してライニングキャビネットやキャビネットが設けられるトイレ装置の場合、外観を損なうことなく微細気泡発生装置11を設置するスペースが増える点で有利となる。
【0127】
次に、図19〜図22を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
図19は、本実施形態によるトイレ装置800の上面図であり、図20はその左側面図である。
また、図21は、本実施形態によるトイレ装置800を後方右斜め上から見た斜視図であり、図22は、図19のVI−VI線に沿う断面図である。なお、図19〜図22は、本実施形態によるトイレ装置800を、便蓋820、便座装置810、及びサイドパネル950を取り外した状態で表している。
【0128】
便器900は、機能部710と、汚物を受けるボウル部712と、このボウル部712の底部から延びる排水トラップ管路714と、ジェット吐水を行うジェット吐水口716と、リム吐水を行うリム吐水口718と、を有する。排水トラップ管路714は、ボウル部712の底部から後方、斜め上方に延びた後、下方に向かって延びて排水管Dに接続されている。ジェット吐水口716は、ボウル部712の底部に形成されており、排水トラップ管路714の入口に向けて洗浄水を吐出するように構成されている。リム吐水口718は、ボウル部712の左側上部後方に形成されており、ボウル部712の縁に沿って洗浄水を吐出するように構成されている。
【0129】
本実施形態によるトイレ装置800は、洗浄水を供給する水道に直結されており、水道の給水圧力によりリム吐水口718から洗浄水が吐出される。すなわち、水道直圧式トイレ装置である。また、ジェット吐水に関しては、機能部710に内蔵された貯留槽12に貯水された洗浄水を加圧ポンプによって加圧して、大流量でジェット吐水口716から吐出させるように構成されている。
【0130】
微細気泡発生装置11は、貯留槽12の後方に設置されている。そして、微細気泡発生装置11により、貯留槽12に貯留された水Wに気泡が混入される。なお、本実施形態においても、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、吸水部19および発泡ノズル27は貯留槽12の内部の水Wに設置されている。さらに本実施形態においても、吸水部19および発泡ノズル27は貯留槽12の下層部に設置されることが望ましい。
【0131】
図23は、本実施形態のトイレ装置の動作を例示するフローチャートである。
本具体例においても、図13及び図14に関して前述したものと同様に、例えば、便座装置810に設けられた人体検知センサにより、使用者の便座への着座を検知することができる(ステップS110)。そして、使用者の着座を検知すると、気泡の発生を開始する(ステップS120)。その内容は、図14に関して前述しものと同様とすることができる。
【0132】
使用者が便座から立ち上がり、人体が非検知となる(ステップS140)と、便器900に洗浄水が自動的に流される(ステップS150)。この際に、貯留槽12に貯留されている気泡を含有した洗浄水も流され、便器900の洗浄効果を高めることできる。
【0133】
本実施形態により、水道直圧式トイレ装置においても微細気泡発生装置11の設置が可能であり、気泡を含んだ洗浄水を流すことにより、洗浄性能の向上を期待することができる。さらに、微細気泡による貯留槽12の洗浄効果など、第1の実施形態で期待できる他の効果についても期待できることは言うまでもない。
【0134】
次に、図24〜33を用いて、本発明の第5の実施形態について説明する。
図24〜図28は、いずれも本発明の実施形態に係る小便器装置の具体例を示す模式図である。また、図29〜図33は、いずれも本発明の実施形態に係る小便器装置の動作を示すフローチャート図である。本実施形態の小便器装置は、制御回路や整流回路などを含む回路群100と、開閉弁200と、微細気泡発生装置11と、貯留槽12と、小便器700と、を有する。また、回路群100としては、制御部110と、開閉弁電磁駆動部120と、循環ポンプ電源部130と、を有する。
【0135】
図24に示す具体例によれば、制御部110に人体検知センサ160が設けられている。これにより、小便器700の前にいる人体を感知することが可能となっている。従って、人体検知センサ160により人体が居ることを感知すると、微細気泡発生装置11が作動を開始して、貯留槽12に貯留された水に気泡を混入させる。続いて、小便器700の前に人体が居なくなったことを感知すると、貯留槽12に貯留されている微細気泡を含んだ水Wを小便器700に流すことにより洗浄する。
【0136】
この動作工程を図29を用いて説明すると、待機状態(ステップS210)にある小便器装置が人体検知(人体有)(ステップS220)を行い、微細気泡発生開始(ステップS230)を実施する。続いて、人体検知(人体無)(ステップS240)を行うと、微細気泡水洗浄開始(ステップS250)を行い、微細気泡水による洗浄が完了すると再び待機状態(ステップS210)へと戻る動作工程となっている。
【0137】
ここで、微細気泡発生装置11にて微細気泡発生を開始してから完了するまでの時間は例えば約15秒間程度、必要とされるため、センサ160にて人体が居ることを感知すると、微細気泡発生装置11を作動開始することが望ましい。
【0138】
次に、図25に示す具体例によれば、制御部110にスイッチ170が設けられている。これにより、スイッチ170を入れると微細気泡発生装置11が作動を開始して貯留槽12に貯留された水に気泡を混入させる構成となっている。この動作工程を図30を用いて説明する。待機状態(ステップS210)にある小便器装置はスイッチ170が入った状態、すなわちスイッチ入(ステップS260)の状態になると、微細気泡発生開始(ステップS230)を実施し、微細気泡発生が完了すると微細気泡水洗浄開始(ステップS250)を行うようになっている。その後、微細気泡水による洗浄が完了すると再び待機状態(ステップS210)へと戻る動作工程となっている。従って、図24の具体例と同様の効果を得ることが可能である。
【0139】
次に図26〜図28に示す具体例に係る小便器装置には、貯留槽12の上流側に切替弁300が設けられている。これにより、水Wは貯留槽12へと通過する流路と、直接小便器700へと通過する流路とに分岐される。
【0140】
図26に示す具体例においては、図24に示す具体例と同様に、制御部110にセンサ160が設けられている。これにより、小便器700の前にいる人体を感知することが可能となっており、人体が居ることを感知すると微細気泡発生装置11が作動を開始して微細気泡の生成を開始する。続いて、小便器700の前に人体が居なくなったことを感知すると、切替弁300から直接小便器700へと通過する流路を流れる水Wにより小便器700の洗浄が行われる。その後、微細気泡発生装置11にてあらかじめ生成しておいた微細気泡を含んだ水Wが貯留槽12から小便器700へと吐出され洗浄が行われる。
【0141】
この動作工程を図31を用いて説明すると、待機状態(ステップS210)にある小便器装置は人体検知(人体有)(ステップS220)を行い、その後、人体検知(人体無)(ステップS240)を行う。続いて、人体検知(人体無)(ステップS240)が行われた後、微細気泡発生開始(ステップS230)と水道水洗浄開始(ステップS270)とが独立して同時に行われる。さらに、水道水による洗浄が完了すると水道水による洗浄の動作工程は待機状態(ステップS210)へと再び戻る。一方、微細気泡発生開始(ステップS230)から微細気泡発生が完了すると、微細気泡水洗浄開始(ステップS250)が行われ、微細気泡による洗浄が完了すると再び待機状態(ステップS210)へと戻る動作工程となっている。
【0142】
ここで、微細気泡発生装置11にて微細気泡発生を開始してから完了するまでの時間は例えば約15秒間程度であるため、微細気泡発生装置11にて微細気泡発生を開始してから15秒以内に人体が居なくなったことをセンサ160が感知すると、微細気泡発生が完了していない状態で水Wを吐出することになる。これに対して、図26に示す具体例によれば、微細気泡発生装置11にて微細気泡発生を開始してから15秒以内に人体が居なくなったことをセンサ160が感知したとしても、最初に切替弁300から直接小便器700へと通過する流路を流れる水Wにより小便器700の洗浄が行われ、微細気泡発生装置11による微細気泡発生が完了した後で微細気泡を含んだ水Wにより小便器700の洗浄が行われるため、使用者に不安感および不快感を与えることがなく、洗浄能力の向上を期待することができる。
【0143】
次に、図27に示す具体例においては、図25に示す具体例と同様に、制御部110にスイッチ170が設けられている。これにより、スイッチ170を入れると細気泡発生装置11が作動を開始して微細気泡の生成を開始するが、最初に切替弁300から直接小便器700へと通過する流路を流れる水Wにより小便器700の洗浄が行われ、微細気泡発生装置11による微細気泡発生が完了した後で微細気泡を含んだ水Wにより小便器700の洗浄が行われる構成となっている。
【0144】
この動作工程を図32を用いて説明すると、待機状態(ステップS210)にある小便器装置はスイッチ170が入った状態、すなわちスイッチ入(ステップS260)の状態になると、微細気泡発生開始(ステップS230)と水道水洗浄開始(ステップS270)とが独立して同時に行われる。さらに、水道水による洗浄が完了すると水道水による洗浄の動作工程は待機状態(ステップ210)へと再び戻る。一方、微細気泡発生開始(ステップS230)から微細気泡発生が完了すると、微細気泡水洗浄開始(ステップS250)が行われ、微細気泡による洗浄が完了すると再び待機状態(ステップS210)へと戻る動作工程となっている。これにより、図26に示す具体例と同様に、使用者に不安感および不快感を与えることがなく、洗浄能力の向上を期待することができるという効果が得られる。
【0145】
次に図28に示す具体例においては、制御部110にタイマー180が設けられている。このタイマー180は微細気泡発生装置11と連動しており、タイマー180にて設定された時点になると、微細気泡発生装置11が微細気泡発生を開始し、微細気泡発生が完了すると貯留槽12から小便器700へと通過する流路を微細気泡を含んだ水Wが吐出される構成となっている。
【0146】
また、微細気泡発生装置11にて生成された微細気泡を含んだ水Wによる洗浄とは別に、人体センサー(図示せず)もしくは洗浄スイッチ(図示せず)からの指令により、切替弁300から直接小便器700へと通過する流路を流れる水Wによって小便器700の洗浄が行われる構成となっている。
【0147】
この動作工程を図32を用いて説明すると、待機状態(ステップS210)にある小便器装置は、タイマー180によって設定されたタイミングにおいてタイマー反応(ステップS280)を行い、タイマー反応(ステップS280)が行われると微細気泡発生開始(ステップS230)が行われる。その後、微細気泡発生が完了すると微細気泡水洗浄開始(ステップS250)が行われ、微細気泡水による洗浄が完了すると再び待機状態(ステップS210)へと戻る。一方、タイマー反応(ステップS280)と、微細気泡発生開始(ステップS230)と、微細気泡水洗浄開始(ステップS250)とは独立した別の動作工程が存在する。これは、待機状態(ステップS210)にある小便器装置が人体検知(人体有)(ステップS220)を行い、その後、人体検知(人体無)(ステップS240)を行う。続いて、人体検知(人体無)(ステップS240)が行われた後、水道水洗浄開始(ステップS270)を行い、水道水による洗浄が完了すると、水道水による洗浄の動作工程は再び待機状態(ステップS210)へと戻る動作工程となっている。したがって、図26および図27に示す具体例と同様に、使用の都度に洗浄水を直ちに流すことにより、使用者に不安感および不快感を与えることがなく、また、気泡を含んだ水をタイマーにより定期的に流すことにより、洗浄能力の向上を期待することができるという効果が得られる。
【0148】
以上、本実施形態の小便器装置においても、微細気泡発生装置11を備えることが可能であり、洗浄性能の向上を期待することができる。さらに、微細気泡による貯留槽12の洗浄効果など、第1の実施形態で期待できる他の効果についても期待できることは言うまでもない。
【0149】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明をした。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0150】
例えば、トイレ装置800の着座センサーまたは人体検知センサーと連動して微細気泡発生を開始し、使用時のみの自動微細気泡発生を行ってもよい。これによれば、着座センサーまたは人体検知センサーと連動して微細気泡発生を開始する場合、着座から洗浄までの時間が長いと溶解タンク14内の空気を消費し尽くしていまい、洗浄前に微細気泡が消えてしまう可能性があるが、外部からの空気を補給することで洗浄まで微細気泡を発生させ続けることが可能となる。従って、着座から洗浄までの時間が長い場合でも、微細気泡を多量に含んだ水Wによる洗浄が可能となる。
【0151】
また、微細気泡発生装置11の吸水部19が、貯留槽12の満量時の水位と空量時の水位との間に設置されており、貯留槽12の水位下降時に吸水部19から吸気を行い溶解タンク14内に空気を補給するようにしてもよい。これによれば、接続管路30および吸気用開閉弁34が不要となり、 微細気泡発生装置11全体のコスト低減が可能となる。
【0152】
さらに前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置の形状やサイズ、及びトイレ装置を構成する各要素の構造やサイズ、形状、配置関係、数、材料などについて当業者が適宜変更したものも、本発明の要旨を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の実施形態に係るトイレ装置の外観を例示した模式図であり、図1(a)は前方左側方斜めから見た斜視図であり、図1(b)は前方右側方斜めから見た斜視図である。
【図2】貯留槽内部を前方から眺めた模式図である。
【図3】第1の具体例における微細気泡発生装置の概略断面図である。
【図4】流量増加装置の概略断面図である。
【図5】下側ハウジングを上方から見た場合の平面図である。
【図6】噴射ノズルの一部拡大断面図である。
【図7】微細気泡発生装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】第2の具体例における微細気泡発生装置の概略断面図である。
【図9】第3の具体例における微細気泡発生装置の概略断面図である。
【図10】別の具体例のノズル連通流路の形状を示す概略断面図である。
【図11】別の具体例の第2流路を示す概略断面図である。
【図12】別の具体例の弁体を示す概略断面図である。
【図13】本実施形態のトイレ装置の動作を例示するフローチャートである。
【図14】微細気泡を発生させるステップS120の内容を例示するフローチャートである。
【図15】貯留槽12の内部を便器900の前方から眺めた模式図である。
【図16】貯留槽12の内部を便器900の前方から眺めた模式図である。
【図17】図17(a)は本実施形態におけるトイレ装置800を前方左側方斜めから見た斜視図であり、図17(b)は、本実施形態におけるトイレ装置800から便座装置810とサイドパネル950を取り外し、さらにキャビネット750を分解した状態を表す。
【図18】本実施形態のもうひとつの具体例を表す斜視図である。
【図19】本実施形態によるトイレ装置800の上面図である。
【図20】図19に表したトイレ装置の左側面図である。
【図21】本実施形態によるトイレ装置800を後方右斜め上から見た斜視図である。
【図22】図19のVI−VI線に沿う断面図である。
【図23】本実施形態のトイレ装置の動作を例示するフローチャートである。
【図24】本発明の実施形態に係る小便器装置の具体例を示す模式図である。
【図25】本発明の実施形態に係る小便器装置の具体例を示す模式図である。
【図26】本発明の実施形態に係る小便器装置の具体例を示す模式図である。
【図27】本発明の実施形態に係る小便器装置の具体例を示す模式図である。
【図28】本発明の実施形態に係る小便器装置の具体例を示す模式図である。
【図29】本発明の実施形態に係る小便器装置の動作を示すフローチャート図である。
【図30】本発明の実施形態に係る小便器装置の動作を示すフローチャート図である。
【図31】本発明の実施形態に係る小便器装置の動作を示すフローチャート図である。
【図32】本発明の実施形態に係る小便器装置の動作を示すフローチャート図である。
【図33】本発明の実施形態に係る小便器装置の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0154】
11 微細気泡発生装置(気泡発生装置)、 12 貯留槽、 13 循環ポンプ、 14 加圧熔解タンク(溶解タンク)、 14A 水貯留領域、 14B 空気貯留領域、 15 吸水管路、 16 吸水管路、 17 流量増加装置、 18 流路、 19 吸水部、 20 弁室、 21 流路、 22 弁機構、 23 弁体、 24 コイルバネ、 25 排出管路、 26 吐水管路、 27 吐出ノズル(発泡ノズル)、 28 排水管路、 29 排水用開閉弁、 30 接続管路、 30A 接続管路、 31 左端部、 32 右端部、 33 上端部、 34 吸気用開閉弁、 40 下側ハウジング、 40a 開口、 40b 左側底面、 40c 右側底面、 41 上側ハウジング、 41a 開口、 42 タンク本体、 43 貫通孔、 44 差込部、 45 ハウジング流路、 46 ハウジング流路、 47 上壁部、 48 上壁内面、 49 側壁、 50 側壁内面、 60 噴射ノズル、 61 上端部、 62 ノズル孔、 63 下端部、 64 ノズル内流路、 65 下端部分、 66 上端部分、 67 中間部分、 68 ノズル開口、 69 ノズル連通流路(空気流路)、 75 制御装置、 76 操作部、 80 ノズル連通流路、 85 オリフィス、 90 弁体、 95 空気吸入管路、100 回路群、110 制御部、120 開閉弁電磁駆動部、130 循環ポンプ電源部、160 人体検知センサ、170 スイッチ、180 タイマー、200 開閉弁、300 切替弁、600 キャビネット、610 トイレットペーパー、620 ペーパーホルダー、630 ボウル、640 水栓、650 棚板、700 小便器、710 機能部、712 ボウル部、714 排水トラップ管路、716 ジェット吐水口、718 リム吐水口、750 キャビネット、751 リモコン、752 キャビネット部、800 トイレ装置、810 便座装置、820 便蓋、900 便器、920 ロータンク、920 貯留槽、921 ロータンク蓋、925 洗浄ハンドル、925 洗浄ハンドルレバー、930 排水口、931 給水口、932 フロート、933 ボールタップ、934 玉鎖、934 開閉弁、940 ドライエリア、950 サイドパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器と、
前記便器に供給する洗浄水を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽に貯留されている水に気泡を混入させる気泡発生装置であって、
前記貯留槽内の液体を前記貯留槽内との間で吸入及び吐出して循環させる循環ポンプと、
前記循環ポンプ内に前記貯留槽内の液体を吸入させる吸入流路と、
前記循環ポンプから供給された液体中に気体を加圧溶解させる溶解タンクと、
前記溶解タンク内の液体を前記微細気泡と共に前記貯留槽内に吐出する吐出ノズルと、
前記溶解タンク内と前記吸入流路とを連通させ、前記溶解タンク内に供給されて気体が加圧溶解された液体の一部を吸入流路に戻す循環用連通流路と、
を有する気泡発生装置と、
を備えたことを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記気泡発生装置は、
前記吸入流路に接続され、前記循環ポンプ内に外部から気体を吸入させるための気体吸入流路と、
前記気体吸入流路を開閉可能な吸気弁と、
前記吸気弁の開閉駆動を制御する弁制御手段と
をさらに有することを特徴とする請求項1記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記吐出ノズルは、前記溶解タンクに直付けされていることを特徴とする請求項1または2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記便器に隣接して設けられたキャビネットをさらに備え、
前記気泡発生装置は、前記キャビネット内に収容されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−274615(P2008−274615A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118288(P2007−118288)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】