説明

トイレ装置

【課題】洗浄が開始してから便蓋が閉まり始めるようにし、これにより、洗浄開始時の便鉢内の様子が目視観察することができるトイレ装置を提供する。
【解決手段】覆蓋洗浄モードを選択した場合、まず弁22が所定時間開弁し、水道水圧によってリム3へ洗浄水が供給され、鉢面に付着した汚れがトラップ部へ洗い落とされる。リム3への給水開始から所定時間(例えば2〜4秒)経過すると、便蓋・便座回動装置33が便蓋32を閉じ始め、弁22の閉弁前に便蓋32が全閉状態となる。その後、弁22が閉弁し、弁23が所定時間開弁し、ジェットノズル5から水が噴出してトラップ部にサイホンが誘起され、汚水が排水管へ排出される(サイホン洗浄工程)。その後、弁23が閉弁し、再度弁22が所定時間開弁し、トラップ水が貯溜される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器洗浄時に便蓋を閉めることにより、周囲に伝わる洗浄音を小さくするよう構成したトイレ装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
便器に洗浄水を供給して便器洗浄を行うときに便蓋が開いていると、周囲に比較的大きな洗浄音が伝わることになる。
【0003】
特開平7−158142及び特開2007−146509には、便蓋を閉めてから便器洗浄を開始させるよう構成した便器洗浄装置が記載されている。
【特許文献1】特開平7−158142
【特許文献2】特開2007−146509
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1,2のように便蓋を閉めてから洗浄を開始する場合、便器の便鉢内で実際に洗浄が開始したか、あるいは、便鉢内に洗浄水が規定量供給されているかなどを目視観察することができない。そのため、使用者は、洗浄が開始していることを確実に確認することができず、トイレルームから退出するときに不安感を抱くことになる。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、洗浄が開始してから便蓋が閉まり始めるようにし、これにより、洗浄開始時の便鉢内の様子を目視観察することができるトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(請求項1)のトイレ装置は、便蓋及び便座と、該便蓋を開閉駆動する回動装置と、該便座への着座の有無を検知する着座検知手段と、便器に洗浄水を供給する洗浄装置と、該洗浄装置の作動を開始させる洗浄スイッチと、前記回動装置及び該洗浄装置を制御する制御手段とを有する便器設備において、該制御手段は、該洗浄スイッチが操作された場合、前記着座検知手段が着座不検知であり且つ便蓋が開であるときには、洗浄水の供給開始後所定時間が経過してから便蓋閉回動が開始するように前記回動装置を動作させる覆蓋洗浄モードを実行可能であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明(請求項2)のトイレ装置は、便蓋及び便座と、該便蓋を開閉駆動する回動装置と、便座への着座の有無を検知する着座検知手段と、便器に洗浄水を供給する洗浄装置と、前記回動装置及び該洗浄装置を制御する制御手段とを有する便器設備において、該制御手段は、前記着座検知手段の検知結果に基づいて自動的に前記洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成されており、該制御手段は、該洗浄装置が作動した場合、前記着座検知手段が着座を不検知であり且つ便蓋が開であるときには、洗浄水の供給開始後所定時間が経過してから便蓋閉回動が開始するように前記回動装置を動作させる覆蓋洗浄モードを実行可能であることを特徴とするものである。
請求項3のトイレ装置は、請求項2において、前記制御手段は、該着座検知手段が前記便座への着座を検知し、その後、着座不検知となったときに、自動的に前記洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明(請求項4)のトイレ装置は、便蓋及び便座と、該便蓋を開閉駆動する回動装置と、便器前方の人体の有無を検知する人体検知手段と、便座への着座の有無を検知する着座検知手段と、便器に洗浄水を供給する洗浄装置と、前記回動装置及び該洗浄装置を制御する制御手段とを有する便器設備において、該制御手段は、前記人体検知手段及び着座検知手段の少なくとも一方の検知結果に基づいて自動的に前記洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成されており、該制御手段は、該洗浄装置が作動した場合、前記着座検知手段が着座を不検知であり且つ便蓋が開であるときには、洗浄水の供給開始後所定時間が経過してから便蓋閉回動が開始するように前記回動装置を動作させる覆蓋洗浄モードを実行可能であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5のトイレ装置は、請求項4において、前記制御手段は、該人体検知手段が便器前方の人体を検知し、その後、人体不検知となったとき、及び該着座検知手段が前記便座への着座を検知し、その後、着座不検知となったときに、それぞれ自動的に前記洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項6のトイレ装置は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記制御手段は、覆蓋洗浄モードにあっては、前記便器にサイホン洗浄の破封音が発生するよりも前に便蓋が全閉状態となるように前記回動装置を動作させることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7のトイレ装置は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記制御手段は、覆蓋洗浄モードにあっては、前記便器でジェット洗浄工程が開始するよりも前に便蓋が全閉状態となるように前記回動装置を動作させることを特徴とするものである。
【0012】
請求項8のトイレ装置は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記便器は、便鉢に洗浄水が旋回方向に導入されることにより旋回洗浄工程が開始し、その後サイホン洗浄工程が開始するように構成されたものであり、前記制御手段は、前記覆蓋洗浄モードにあっては、サイホン洗浄工程の開始前に便蓋が全閉状態となるように前記回動装置を動作させることを特徴とするものである。
【0013】
請求項9のトイレ装置は、請求項1ないし5のいずれか1項において、便器洗浄工程で前記便器のトラップの2次側に負圧を与える負圧付与手段が設けられており、前記制御手段は、該負圧付与手段の負圧付与動作の開始前に便蓋が全閉状態となるように前記回動装置を動作させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項10のトイレ装置は、請求項1ないし9のいずれか1項において、前記所定時間は2〜4秒の間から選択された時間であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項11のトイレ装置は、請求項1ないし10のいずれか1項において、前記制御装置における前記覆蓋洗浄モードと、便蓋状態に関わらずに洗浄を実行する通常洗浄モードとの設定を切り替える切替手段を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1のトイレ装置によって覆蓋洗浄モードを実行する場合、非着座状態で洗浄スイッチが操作されると、便器洗浄水の供給を開始し、それから所定時間が経過してから便蓋閉回動が開始する。従って、便器洗浄水が流れ始めてから便蓋が閉まるまでの間に、便鉢内を目視観察し、洗浄状態などを確認することができる。これにより、使用者は、便器洗浄水が確実に流れているかどうか分からないといった不安感を抱くことなく、トイレルームから退出することが可能となる。
【0017】
請求項2のトイレ装置は、便座への着座の有無を検知する着座検知手段の検知結果に基づいて自動的に洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するものである。
【0018】
この場合、例えば、請求項3のように、トイレ装置の制御手段は、着座検知手段が便座への着座を検知し、その後、着座不検知となったときに、自動的に洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成される。
【0019】
請求項4のトイレ装置は、便座への着座の有無を検知する着座検知手段と、便器前方の人体の有無を検知する人体検知手段との少なくとも一方の検知結果に基づいて自動的に洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するものである。
この場合、例えば、請求項5のように、トイレ装置の制御手段は、人体検知手段が便器前方の人体を検知し、その後、人体不検知となったとき、及び着座検知手段が便座への着座を検知し、その後、着座不検知となったときに、それぞれ自動的に洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成される。
【0020】
この請求項2,4のトイレ装置によって覆蓋洗浄モードを実行する場合、着座不検知の状態で自動的に洗浄装置が作動して便器洗浄水の供給を開始すると、それから所定時間が経過してから便蓋閉回動が開始する。従って、このトイレ装置にあっても、便器洗浄水が流れ始めてから便蓋が閉まるまでの間に、便鉢内を目視観察し、洗浄状態などを確認することができる。これにより、使用者は、便器洗浄水が確実に流れているかどうか分からないといった不安感を抱くことなく、トイレルームから退出することが可能となる。
【0021】
便器洗浄の後期になると、請求項6のようにサイホンが破封したり、請求項7のようにジェット洗浄工程が開始したりすることにより大きな洗浄音が発生するが、そのときには便蓋が閉まっているようにすることにより、大きな洗浄音が便器外に伝わることが防止される。
【0022】
請求項8のように、便器洗浄に際して便鉢内で旋回流を形成させる場合、洗浄水が便鉢内面に沿って静かに流れ、また便鉢内の水面を叩く音も殆ど発生せず、洗浄音は小さい。その後、サイホン洗浄工程が開始すると、大きな洗浄音が発生するようになるが、このサイホン洗浄工程の開始前に便蓋を閉めておくことにより、周囲に大きな洗浄音が伝わることが防止される。
【0023】
なお、便器のサイホン起動手段の一形態として、トラップ2次側に負圧を与えることにより便鉢からトラップ2次側へ水を吸引するよう構成したものがある。この場合も、請求項9の通り、負圧を付与する前に便蓋を閉めておくことにより、大きなサイホン洗浄音が周囲に伝わることが防止される。
【0024】
請求項10の通り、上記の所定時間を2〜4秒程度とすれば、洗浄初期の便鉢内の様子を十分に観察することができると共に、洗浄後期の大きな洗浄音が発生し始めるまでに十分に便蓋を閉めることができる。
【0025】
本発明では、請求項11のように、上記の覆蓋洗浄モードだけでなく、便蓋状態に関わりなく便器洗浄する通常洗浄モードも実行可能とし、両者を選択できるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[請求項1の実施の形態]
以下、図面を参照して請求項1の実施の形態について説明する。第1図は請求項1の実施の形態に係るトイレ装置としての洋風便器設備の断面図、第2図(a)はこの洋風便器の斜視図、第2図(b)はその電動弁ユニットの正面図、第3図はトイレ装置の制御システムを示すブロック図、第4図は洗浄水の給水及び便蓋の開閉のタイミングチャートである。
【0027】
陶器製の洋風便器1は、前部に鉢部2を備え、この鉢部2の上部内周にリム3が設けられている。このリム3は、その底面が存在しないオープンタイプのものである。このリム3へはリムノズル4を介して洗浄水が供給される。このリムノズル4は、洋風便器1の正面向って左側にのみ配置されており、所謂「片側給水方式」となっている。このリムノズル4から水がリム3に供給されることにより、鉢面には旋回流が形成される。
【0028】
鉢部2のトラップ部6には、該トラップ部6にサイホン排出流を誘起するための水(ジェット水)を噴出するジェットノズル5が設けられている。このトラップ部6は、鉢部2の底部から斜め上方に立ち上がる上昇部6aと、該上昇部6aに連なり、下方に立ち下がる立下部6bと、両者の間の最高位部6cとを有している。ジェットノズル5は、上昇部6aに向って水を噴出させるように設けられている。この立下部6bが排水ソケット7を介して排水管8に連なっている。このトラップ構造自体は周知のものである。
【0029】
トイレルームの壁面には給水管の末端が突出しており、この給水管の末端に止水栓10が取り付けられている。この止水栓10は給水ホース11を介して洋風便器1の後部に設置されたストレーナ12に接続されている。このストレーナ12を通過した水は電動弁ユニット20の弁装置22,23へ供給可能とされている。
【0030】
電動弁ユニット20は、内部に配置された弁装置22,23をモータ21で駆動し、リムノズル給水配管24又はジェットノズル給水配管25へ水を給水する。
【0031】
なお、停電時にも便器を使用できるようにするために、モータ21の回転軸に手動式の洗浄ハンドル28が取り付けられている。
【0032】
この電動弁ユニット20には、リムノズル用給水配管24内及びジェットノズル用給水配管25内の負圧をブレークするためのバキュームブレーカ26,27が設けられている。このバキュームブレーカ26,27は、該給水配管24又は25内に負圧が生じたときに開弁して該給水配管24又は25内を大気に連通させるよう構成されている。
【0033】
洋風便器1の後部上面に便座ボックス30が設置されている。この便座ボックス30に対し便座31及び便蓋32が起倒回動しうるように支持されている。便座ボックス30内には、便座31及び便蓋32を回動させるためのモータを有した便蓋・便座回動装置33が設置されている。便座ボックス30の前面には、着座検知手段として、便座31に座った人体を検知するための人体検知センサ(以下、人体センサということがある。)34が設けられている。この人体センサ34は、便鉢2の上方側の便蓋回動領域の人体も検知し得るよう検知エリアが設定されている。
【0034】
これらの弁装置22,23用モータ21及び回動装置33は、便座ボックス30内に設置された制御器40によって制御される。この制御器40へは、人体センサ34の検知信号のほか、リモコンに設けられたモード選択スイッチ41、洗浄スイッチ(フラッシュスイッチ)42及び便蓋・便座開閉スイッチ43の各信号が入力され、これらの信号に基づいて電動弁ユニット20及び便蓋・便座回動装置33が制御される。
【0035】
モード選択スイッチ41は、覆蓋洗浄モードと通常洗浄モードとを切り替えるためのスイッチである。便蓋・便座回動スイッチ43は、便蓋32及び便座31共に開、便蓋32のみ開、便蓋32及び便座31共に閉の3パターンを選択するためのスイッチである。
【0036】
以下、この便器洗浄装置の作動について説明する。なお、以下、弁装置22,23を単に弁22,23ということがある。
【0037】
第4図を参照して便器洗浄パターンについて説明する。
【0038】
まず、従来と同様の通常洗浄モードを選択しておいた場合のパターンについて第4図(a)を参照して説明する。
【0039】
用便(大便)後に洋風便器1を洗浄すべく洗浄スイッチ42を操作すると、まず、リム給水用の弁22が所定時間開弁し、水道水圧によってリム3へ洗浄水が供給され、鉢面に付着した汚れがトラップ部へ洗い落とされる(リム洗浄工程)。この際、洗浄水は鉢面に沿って旋回しながら鉢内に流れ落ち、便鉢2内に旋回流が形成される。
【0040】
リム3への給水開始から規定時間が経過すると、リム給水用の弁22が閉弁する。この弁22の閉弁後、又は閉弁と略同時に、ジェット給水用の弁23が所定時間開弁し、ジェットノズル5から水が噴出してトラップ部にサイホンが誘起され、汚水が排水管へ排出される(サイホン洗浄工程)。その後、弁23が閉弁し、再度リム給水用の弁22が所定時間開弁し、トラップ水が貯溜される。
【0041】
この一連の洗浄工程において、便蓋32は、便蓋・便座開閉スイッチ43で選択された状態となっており、開いたままとなっているか、又は閉まったままとなっている。
【0042】
次に、覆蓋洗浄モードを選択した場合の動作パターンについて説明する。
【0043】
洗浄スイッチ42を押したときに人体検知センサ34が人体を検知している場合は、上記第4図(a)の通常洗浄モードの通りのパターンに従って便器洗浄が行われる。なお、この場合、当然ながら便蓋32は開となっている。
【0044】
洗浄スイッチ42を押したときに人体検知センサ34が人体を検知していないときは、第4図(b)に従った動作が実行される。即ち、まずリム給水用の弁22が所定時間開弁し、水道水圧によってリム3へ洗浄水が供給され、鉢面に付着した汚れがトラップ部へ洗い落とされる。
【0045】
リム3への給水開始から所定時間t(例えば2〜4秒)が経過すると、便蓋・便座回動装置33が便蓋32を閉じ始め、リム給水用の弁22の閉弁前に便蓋32が全閉状態となる。その後、弁22が閉弁する。この弁22の閉弁後、又は閉弁と略同時に、ジェット給水用の弁23が所定時間開弁し、ジェットノズル5から水が噴出してトラップ部にサイホンが誘起され、汚水が排水管へ排出される(サイホン洗浄工程)。その後、弁23が閉弁し、再度リム給水用の弁22が所定時間開弁し、トラップ水が貯溜される。
【0046】
このように、使用者が立ち上がった状態で便器洗浄スイッチ42を押したときには、リム洗浄工程の初期に便蓋32が開いているので、便器洗浄が異常なく行われているか目視観察することができる。その後、便蓋32が閉まった後、ジェット洗浄工程が開始する。このジェット洗浄工程においては、サイホンが破封し、便鉢2からトラップ6へ空気が吸い込まれ、ゴーあるいはゴボゴボといった比較的大きな音が発生するが、便蓋32が閉まっているので、この音が周囲に伝わることが防止(抑制を含む。)される。
【0047】
なお、この実施の形態では、リム洗浄時には便鉢2内で旋回流が形成される。この旋回流では、水が鉢面に沿って静かに流れるので、洗浄音は極めて小さい。従って、便蓋32が開いていても、周囲に伝わる音は小さい。
【0048】
[別の実施の形態]
上記実施の形態は、サイホン誘起手段としてジェットノズル5を採用しているが、第5図はジェットノズル5の代りにトラップ2次側に負圧を与えてサイホンを誘起させるよう構成した実施の形態を示している。なお、本発明において、トラップ2次側とは、便鉢2に連なる上昇部6aよりも下流側のゾーンを示すものである。
【0049】
この第5図の実施の形態では、便器1Aの便鉢2の下部に第1トラップ6が設けられている。この第1トラップ6の立下部6bは第2トラップ60と連通している。第2トラップ60は、立下部6bの管壁下部の最低位部61の下側を回り込み、次いで溢出用の最高位部62を経て排水管8に到るU字状流路よりなる。この第2トラップ60の該最高位部62の高さWは、該最低位部61よりも若干高位となっている。
【0050】
第1トラップ6内の最高位部6cよりも上方のスペースから空気を吸引排出するように、第1トラップ6の上部に、配管50を介して負圧付与装置が接続されている。
【0051】
この負圧付与装置は、内部がダイアフラム51aによって下室と上室とに区画されたタンク51と、該タンク51の上室に配管52を介して接続されたポンプ53とを有している。前記配管50は、タンク51の下室に接続されている。ポンプ53は前記制御器40によって制御される。
【0052】
ポンプ53は、ピストン・シリンダ式のものであり、ピストンをストロークさせることにより、タンク51の上室から空気を吸引したり、逆に該上室に空気を戻すように作動する。ポンプ53によって上室から空気を吸引すると、ダイアフラム51aが持ち上げられ、第1トラップ6内の上部から空気がタンク51の該下室に吸引排出される。
【0053】
上記の通り、第2トラップ60の最高位部62の高さWは最低位部61よりも高位となっている。従って、第2トラップ60に水がWのレベルにまで存在していると、該最低位部61はレベルWの封水中に没することになる。このため、この状態では、立下部6bは、第1トラップ6の封水と第2トラップ60の封水とによって大気と遮断された密閉空間となっている。
【0054】
このように両トラップ6,60が封水で封隔された状態で、第1トラップ6内に溜っていた空気がタンク51へ吸い出されると、最高位部6cよりも上側のスペースを含めて第1トラップ6内がほぼ満水状態となる。そして、この水が立下部6bを流下することにより、第1トラップ6にサイホンが形成される。
【0055】
なお、便器洗浄に際してリム3への給水が開始すると、第1トラップ6内の水が最高位部6cをオーバーフローして第2トラップ60内に流れ落ちるので、第2トラップ60にはWのレベルにまで水が存在することになる。
【0056】
この実施の形態では、リムノズル4に水電磁弁45を介して洗浄水が供給可能とされており、この水電磁弁45は制御器40(第5図では図示略)によって制御される。その他の構成は、電動弁ユニット20が省略されていると共に、前記の通りジェットノズル5が省略されていること以外は上記実施の形態と同一である。
【0057】
第6図を参照して、この第5図の便器の覆蓋洗浄モードでの洗浄パターンについて説明する。
【0058】
用便(大便)後に洋風便器1を洗浄すべく洗浄スイッチ42を操作すると、まず、リム給水用の水電磁弁45が所定時間開弁し、水道水圧によってリム3へ洗浄水が供給され、鉢面に付着した汚れがトラップ部へ洗い落とされる(リム洗浄工程)。この際、洗浄水は鉢面に沿って旋回しながら鉢内に流れ落ち、便鉢2内に旋回流が形成される。
【0059】
リム3への給水開始から所定時間(例えば2〜4秒)経過すると、便蓋・便座回動装置33が便蓋32を閉じ始め、ポンプ53の起動前に便蓋32が全閉状態となる。その後、ポンプ53が起動し、その後、水電磁弁45が閉弁する。ポンプ53が起動すると、タンク51から第1トラップ6の2次側に負圧が作用し、上昇部6a内の水が上方へ引き上げられてトラップ部にサイホンが誘起され、汚水が排水管8へ排出される(サイホン洗浄工程)。
【0060】
このサイホン洗浄の途中で、リム給水用の水電磁弁45が閉弁し、その後、ポンプ53が停止する。これにより、サイホン排出流が停止する。なお、サイホンが形成されている間は、第1トラップ6内は、ほぼ満水状態となっていたため、サイホン停止に伴って、第1トラップ6内の水の一部が上昇部6a側に戻る。また、水電磁弁45を閉めても、水電磁弁45よりも下流側の水路の残水が便鉢2内へ供給され続ける。これらの水により、便鉢2の底部に溜水が形成される。
【0061】
このように、この第6図のトイレ装置でも、覆蓋洗浄モードを選択した場合、リム3への給水開始から所定時間(例えば2〜4秒)経過すると、便蓋・便座回動装置33が便蓋32を閉じ始め、ポンプ53の起動前に便蓋32が全閉状態となる。その後、タンク51に第1トラップ6の空気が吸い出されて第1トラップ6にサイホンが誘起され、汚水が排水管へ排出される(サイホン洗浄工程)。
【0062】
このため、使用者が立ち上がった状態で便器洗浄スイッチ42を押したときには、リム洗浄工程の初期に便蓋32が開いているので、便器洗浄が異常なく行われているか目視観察することができる。その後、便蓋32が閉まった後、タンク51からの負圧に誘引されてサイホン洗浄工程が開始する。このサイホン洗浄工程において便蓋32が閉まっているので、比較的大きな洗浄音であっても、周囲に伝わることが防止される。
【0063】
なお、この実施の形態でも、リム洗浄時には便鉢2内で旋回流が形成され、静かに洗浄が行なわれる。また、この実施の形態でも、通常洗浄モードを選択した場合には、上記の洗浄工程において、便蓋32は、便蓋・便座開閉スイッチ43で選択された通り、開いたままとなっているか、又は閉まったままとなっている。
【0064】
[洗浄工程の継続時間]
起立状態の便蓋32が閉まり始めてから全閉(倒状)となるまでの時間は、通常は5〜8秒程度である。このように、便蓋32の閉止に時間を要するところから、第4図(b)及び第6図の覆蓋洗浄モードでは、リム洗浄工程の継続時間を、この閉止時間と、洗浄スイッチが押されてから閉止開始までの所定時間との合計よりも長くし、ジェット水噴出前又は負圧付与装置のポンプ53の起動前に便蓋32を全閉とし、サイホン洗浄工程の開始前に確実に便蓋32を全閉とする。
【0065】
第4図の場合、ジェット水の噴出継続時間は3〜5秒程度が好適である。
【0066】
第6図の場合、ポンプ53の作動継続時間は10〜12秒程度が好適である。また、ポンプ53が起動してから水電磁弁45が閉となるまでの時間は3〜5秒程度が好適である。
【0067】
[請求項2のトイレ装置について]
請求項2のトイレ装置は、便座への着座の有無を検知する着座検知手段の検知結果に基づいて自動的に洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するものである。
【0068】
この着座検知手段としては、前述の第1〜4図及び第5,6図の各実施の形態における人体センサ34が好適である。ただし、着座検知手段はこの人体センサ34に限定されない。
【0069】
この請求項2の自動洗浄機能付きトイレ装置は、前述の第1〜4図及び第5,6図の各実施の形態において、それぞれ、制御器40を、人体センサ34が便座31への着座を検知し、その後、着座不検知となったときに、自動的に電動弁ユニット20のリム給水用の弁装置22(第1〜4図の実施の形態)又は水電磁弁45(第5,6図の実施の形態)を開弁させてリムノズル4からリム3に便器洗浄水を供給するように構成することにより実現される。
【0070】
なお、この請求項2のトイレ装置においても、手動式洗浄ハンドル28や、リモコン式洗浄スイッチ42が設けられていてもよい。
【0071】
第1〜4図及び第5,6図の各トイレ装置を請求項2の自動洗浄機能付きトイレ装置とした場合のその他の構成は、それぞれ第1〜4図及び第5,6図の各トイレ装置と同様であり、その詳細については図示及び説明を省略する。
【0072】
この請求項2のトイレ装置における便器洗浄パターンは、用便後に使用者が便座31から立ち上がり、便座31への着座が不検知となると、制御器40が自動的にリム給水用の弁装置22(第1〜4図のトイレ装置を請求項2の自動洗浄機能付きトイレ装置とした場合)又は水電磁弁45(第5,6図のトイレ装置を請求項2の自動洗浄機能付きトイレ装置とした場合)を所定時間開弁させること以外は、第1〜4図及び第5,6図の各トイレ装置と同様である。
【0073】
即ち、第1〜4図のトイレ装置を請求項2の自動洗浄機能付きトイレ装置として構成した場合の覆蓋洗浄モードにおける洗浄パターンは、以下の通りである。
【0074】
用便後に使用者が便座31から立ち上がり、便座31への着座が不検知となり、所定時間経過後、自動的にリム給水用の弁22が所定時間開弁し、水道水圧によってリム3へ洗浄水が供給され、鉢面に付着した汚れがトラップ部へ洗い落とされる(リム洗浄工程)。
【0075】
リム3への給水開始から所定時間t(例えば2〜4秒)が経過すると、便蓋・便座回動装置33が便蓋32を閉じ始め、リム給水用の弁22の閉弁前に便蓋32が全閉状態となる。その後、弁22が閉弁する。この弁22の閉弁後、又は閉弁と略同時に、ジェット給水用の弁23が所定時間開弁し、ジェットノズル5から水が噴出してトラップ部にサイホンが誘起され、汚水が排水管へ排出される(サイホン洗浄工程)。その後、弁23が閉弁し、再度リム給水用の弁22が所定時間開弁し、トラップ水が貯溜される。
【0076】
また、第5,6図のトイレ装置を請求項2の自動洗浄機能付きトイレ装置として構成した場合の覆蓋洗浄モードにおける洗浄パターンは、以下の通りである。
【0077】
用便後に使用者が便座31から立ち上がり、便座31への着座が不検知となり、所定時間経過後、自動的にリム給水用の水電磁弁45が所定時間開弁し、水道水圧によってリム3へ洗浄水が供給され、鉢面に付着した汚れがトラップ部へ洗い落とされる(リム洗浄工程)。
【0078】
リム3への給水開始から所定時間(例えば2〜4秒)経過すると、便蓋・便座回動装置33が便蓋32を閉じ始め、ポンプ53の起動前に便蓋32が全閉状態となる。その後、ポンプ53が起動し、その後、水電磁弁45が閉弁する。ポンプ53が起動すると、タンク51から第1トラップ6の2次側に負圧が作用し、上昇部6a内の水が上方へ引き上げられてトラップ部にサイホンが誘起され、汚水が排水管8へ排出される(サイホン洗浄工程)。
【0079】
このサイホン洗浄の途中で、リム給水用の水電磁弁45が閉弁し、その後、ポンプ53が停止する。これにより、サイホン排出流が停止する。なお、サイホンが形成されている間は、第1トラップ6内は、ほぼ満水状態となっていたため、サイホン停止に伴って、第1トラップ6内の水の一部が上昇部6a側に戻る。また、水電磁弁45を閉めても、水電磁弁45よりも下流側の水路の残水が便鉢2内へ供給され続ける。これらの水により、便鉢2の底部に溜水が形成される。
【0080】
以上の通り、この請求項2のトイレ装置にあっても、使用者が便座31から立ち上がり、リム給水用の弁装置22又は水電磁弁45が自動的に開弁してリム洗浄工程が開始した初期の段階では、便蓋32が開いているので、便器洗浄が異常なく行われているか目視観察することができる。その後、便蓋32が閉まった後、ジェット洗浄工程又はサイホン洗浄工程が開始する。このジェット洗浄工程又はサイホン洗浄工程において便蓋32が閉まっているので、比較的大きな洗浄音であっても、周囲に伝わることが防止される。
【0081】
なお、この請求項2のトイレ装置においても、通常洗浄モードを選択した場合には、上記の洗浄工程において、便蓋32は、便蓋・便座開閉スイッチ43で選択された通り、開いたままとなっているか、又は閉まったままとなっている。
【0082】
[請求項4のトイレ装置について]
本発明においては、この請求項2のトイレ装置に、さらに、便器前方の人体を検知する人体検知手段を設け、この人体検知手段と着座検知手段(人体センサ34)との少なくとも一方の検知結果に基づいて自動的に洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成してもよい(請求項4)。
【0083】
この場合、例えば、着座検知手段としての人体センサ34とは別に、便器前方の人体を検知する人体検知手段としての人体センサ(図示略)を設けてもよく、また、人体センサ34の検知エリアを便鉢2の上方側の便蓋回動領域だけでなく便鉢2の前方にも設定することにより、この人体センサ34によって便座31への着座の有無と便器前方の人体の有無の双方を検知し得るよう構成してもよい。なお、人体検知手段の構成はこれに限定されない。
【0084】
この請求項4のトイレ装置においては、制御器40は、人体検知手段としての人体センサが便器前方の人体を検知し、その後、人体不検知となったとき、及び着座検知センサとしての人体センサ34が便座31への着座を検知し、その後、着座不検知となったときに、それぞれ、自動的に電動弁ユニット20のリム給水用の弁装置22(第1〜4図のトイレ装置を請求項4の自動洗浄機能付きトイレ装置とした場合)又は水電磁弁45(第5,6図のトイレ装置を請求項4の自動洗浄機能付きトイレ装置とした場合)を開弁させてリムノズル4からリム3に便器洗浄水を供給するように構成される。
【0085】
この請求項4のトイレ装置のその他の構成及び各洗浄モードにおける洗浄パターンは、前述の請求項2のトイレ装置と同様である。
【0086】
この請求項4のトイレ装置にあっては、使用者が便座31に着座して用を足すときだけでなく、使用者が便器1の前方に立って用を足す男子小用時においても、覆蓋洗浄モードを実行可能である。
【0087】
即ち、男子小用時に便器1の前方に使用者が立つと、人体検知手段としての人体センサがこの使用者を検知し、用便後に使用者が便器1から離れると、この人体検知手段としての人体センサが人体不検知となり、それから所定時間経過後、自動的にリム給水用の弁装置22又は水電磁弁45が所定時間開弁し、リム3へ洗浄水が供給され、鉢面に付着した汚れがトラップ部へ洗い落とされる(リム洗浄工程)。そして、このリム3への給水開始から所定時間(例えば2〜4秒)経過すると、便蓋・便座回動装置33が便蓋32を閉じ始める。その後、便蓋32が全閉状態となった後、ジェット洗浄工程又はサイホン洗浄工程が開始する。
【0088】
このように、この請求項4のトイレ装置にあっては、男子小用時においても、用便後に使用者が便器1から離れ、リム給水用の弁装置22又は水電磁弁45が自動的に開弁してリム洗浄工程が開始した初期の段階では、便蓋32が開いているので、便器洗浄が異常なく行われているか目視観察することができる。その後、便蓋32が閉まった後、ジェット洗浄工程又はサイホン洗浄工程が開始する。このジェット洗浄工程又はサイホン洗浄工程において便蓋32が閉まっているので、比較的大きな洗浄音であっても、周囲に伝わることが防止される。
【0089】
上記の各実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示の構成に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施の形態に係るトイレ装置を備えた洋風便器の断面図である。
【図2】(a)図は実施の形態に係る便器洗浄装置を備えた洋風便器設備の斜視図、(b)図はその電動弁ユニットの構成図である。
【図3】図1のトイレ装置の制御システムのブロック図である。
【図4】図1の実施の形態における便器洗浄及び便蓋回動を示すタイミングチャートである。
【図5】別の実施の形態に係るトイレ装置を備えた洋風便器の断面図である。
【図6】図5の実施の形態における便器洗浄及び便蓋回動を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1,1A 洋風便器
2 鉢部
3 リム
4 リムノズル
5 ジェットノズル
6 トラップ(第1トラップ)
8 排水管
12 ストレーナ
20 電動弁ユニット
22,23 弁装置
45 水電磁弁
51 タンク
53 ポンプ
60 第2トラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便蓋及び便座と、
該便蓋を開閉駆動する回動装置と、
該便座への着座の有無を検知する着座検知手段と、
便器に洗浄水を供給する洗浄装置と、
該洗浄装置の作動を開始させる洗浄スイッチと、
前記回動装置及び該洗浄装置を制御する制御手段と
を有する便器設備において、
該制御手段は、該洗浄スイッチが操作された場合、前記着座検知手段が着座不検知であり且つ便蓋が開であるときには、洗浄水の供給開始後所定時間が経過してから便蓋閉回動が開始するように前記回動装置を動作させる覆蓋洗浄モードを実行可能であることを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
便蓋及び便座と、
該便蓋を開閉駆動する回動装置と、
便座への着座の有無を検知する着座検知手段と、
便器に洗浄水を供給する洗浄装置と、
前記回動装置及び該洗浄装置を制御する制御手段と
を有する便器設備において、
該制御手段は、前記着座検知手段の検知結果に基づいて自動的に前記洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成されており、
該制御手段は、該洗浄装置が作動した場合、前記着座検知手段が着座を不検知であり且つ便蓋が開であるときには、洗浄水の供給開始後所定時間が経過してから便蓋閉回動が開始するように前記回動装置を動作させる覆蓋洗浄モードを実行可能であることを特徴とするトイレ装置。
【請求項3】
請求項2において、前記制御手段は、該着座検知手段が前記便座への着座を検知し、その後、着座不検知となったときに、自動的に前記洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成されていることを特徴とするトイレ装置。
【請求項4】
便蓋及び便座と、
該便蓋を開閉駆動する回動装置と、
便器前方の人体の有無を検知する人体検知手段と、
便座への着座の有無を検知する着座検知手段と、
便器に洗浄水を供給する洗浄装置と、
前記回動装置及び該洗浄装置を制御する制御手段と
を有する便器設備において、
該制御手段は、前記人体検知手段及び着座検知手段の少なくとも一方の検知結果に基づいて自動的に前記洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成されており、
該制御手段は、該洗浄装置が作動した場合、前記着座検知手段が着座を不検知であり且つ便蓋が開であるときには、洗浄水の供給開始後所定時間が経過してから便蓋閉回動が開始するように前記回動装置を動作させる覆蓋洗浄モードを実行可能であることを特徴とするトイレ装置。
【請求項5】
請求項4において、前記制御手段は、該人体検知手段が便器前方の人体を検知し、その後、人体不検知となったとき、及び該着座検知手段が前記便座への着座を検知し、その後、着座不検知となったときに、それぞれ自動的に前記洗浄装置を作動させて便器に洗浄水を供給するように構成されていることを特徴とするトイレ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記制御手段は、覆蓋洗浄モードにあっては、前記便器にサイホン洗浄の破封音が発生するよりも前に便蓋が全閉状態となるように前記回動装置を動作させることを特徴とするトイレ装置。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記制御手段は、覆蓋洗浄モードにあっては、前記便器でジェット洗浄工程が開始するよりも前に便蓋が全閉状態となるように前記回動装置を動作させることを特徴とするトイレ装置。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記便器は、便鉢に洗浄水が旋回方向に導入されることにより旋回洗浄工程が開始し、その後サイホン洗浄工程が開始するように構成されたものであり、
前記制御手段は、前記覆蓋洗浄モードにあっては、サイホン洗浄工程の開始前に便蓋が全閉状態となるように前記回動装置を動作させることを特徴とするトイレ装置。
【請求項9】
請求項1ないし5のいずれか1項において、便器洗浄工程で前記便器のトラップの2次側に負圧を与える負圧付与手段が設けられており、
前記制御手段は、該負圧付与手段の負圧付与動作の開始前に便蓋が全閉状態となるように前記回動装置を動作させることを特徴とするトイレ装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、前記所定時間は2〜4秒の間から選択された時間であることを特徴とするトイレ装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項において、前記制御装置における前記覆蓋洗浄モードと、便蓋状態に関わらずに洗浄を実行する通常洗浄モードとの設定を切り替える切替手段を備えたことを特徴とするトイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−249819(P2009−249819A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95100(P2008−95100)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】