説明

トイレ装置

【課題】立ち上がりが早く、低温やけど防止など安全性を確保した、省エネルギー性に富んだ瞬間暖房便座を実現する。
【解決手段】空洞部に熱エネルギーを発生するランプヒータ2を有する便座1と、人体の有無を検出する人体検出手段3と、人体局部を洗浄する洗浄水を加熱する温水ヒータ5とを備え、制御手段4により、人体検出手段3にて人体を検出したときにランプヒータ2への通電を行い、ランプヒータへの通電を行っている間は温水ヒータ5への通電を停止することにより、人体を検出したときのみランプヒータへ通電することで人体が着座したときに冷たくなく、また、ランプヒータ通電時には温水ヒータへの通電を停止するため漏電・過電流防止遮断器が動作することが無く、省エネルギー性に富み、かつ、使い勝手が向上することとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座を短時間で暖房するトイレ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の暖房便座では、図10に示すように内部に空洞部101を持つ便座102の着座部103を透明ポリプロピレン樹脂で構成し、着座部103の表面に輻射熱吸収層104を設置し、空洞部101にはランプヒータ105を設置していた。ランプヒータ105からの輻射熱は透明ポリプロピレン樹脂製の着座部103を透過し、表面の輻射熱吸収層104で熱に変換され、着座部103を昇温させるというものであった。臀部が接触する輻射熱吸収層104で熱の発生が行われるので、便座102の内部からコードヒータなどを用いて熱伝導で加熱される方式と比較すると短時間で臀部の暖房が可能となる。また、温度制御はランプヒータ105の近傍に置かれたサーモスタット106で行い、温度ヒューズ107で異常加熱の危険性を防ぐようにしていたものであった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−14598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、ランプヒータは電力変換効率が良いために直ぐ暖まる速暖性能がよく、短時間で温度を上昇することができる反面、ランプヒータの抵抗値はフィラメントが冷めている(トイレ室内の温度相当の温度となっている)時には、定格電力消費時の1/10以下と小さいため、通電初期には大きな突入電流が流れる。もちろん、フィラメントの抵抗値は短時間に定格抵抗に達して突入電流はすぐに抑制されるのであるが、トイレ装置に使用するためには、トイレ装置に装備されている他のヒータと同時に通電された場合に更に大電流が流れることになる。
【0005】
一般的にトイレ室内への屋内電力配線は大電流配線ではなく、また、単一電力配線であるため、大電流を想定した漏電遮断器、及び過電流遮断器は配置されていないことが多い。また、トイレ室内の照明器具へも同一電力配線から取られている物も多く、ランプヒータとトイレ装置の人体局部を洗う洗浄水を加熱する温水ヒータなどのヒータが同時に通電された場合には、過電流で遮断器が落ちてしまったり、また、屋内電力配線の抵抗成分により電圧降下が発生して、トイレ装置、及びトイレ室内照明への供給電圧が低下し、トイレ装置の製品性能が低下したり、室内照明の輝度が低下するという課題を有していた。
【0006】
上記従来の課題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、省エネルギー性に富み、使い勝手の良いトイレ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のトイレ装置は、空洞部に熱エネルギーを発生するランプヒータ等の直ぐ暖まる便座ヒータを有する便座と、人体の有無を検出する人体検出手段と、人体局部を洗浄する洗浄水を加熱する温水ヒータと、人体検出手段にて人体を検出したときに便座ヒータへの通電を行い、かつ通電を行っている間は温水ヒータへの通電を停止する制御手段を備えたものである。
【0008】
これにより人体が着座したときのみ便座を暖められ省エネルギーにでき、また、便座ヒータの通電時には温水ヒータへの通電を停止し、省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上できる。
【0009】
また、発明のトイレ装置は、空洞部に熱エネルギーを発生するランプヒータ等の直ぐ暖まる便座ヒータを有する便座と、人体の有無を検出する人体検出手段と、人体局部を洗浄する洗浄水を加熱する温水ヒータと、前記便座ヒータと前記温水ヒータの通電量の合計を算出する通電量算出手段と、前記人体検出手段にて人体を検出したときに前記便座ヒータへの通電を行い、かつ前記通電量算出手段による算出値が規定通電量以上の場合は、前記温水ヒータへの通電量を低下させる制御手段を備えたものである。
【0010】
これにより便座の暖房に支障を与えることなく温水ヒータへの通電量を低下させ、トイレ装置としての電力量を抑制することができ、省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上させることができる。
【0011】
また、本発明のトイレ装置は、空洞部に熱エネルギーを発生するランプヒータ等の直ぐ暖まる便座ヒータを有する便座と、前記便座の表面を覆う便蓋と、便座ヒータの近傍温度を検出する便座サーミスタと、前記便蓋を回動させる便蓋駆動手段と、人体の有無を検出する人体検出手段と、人体検出手段にて人体を検出していないときには前記便蓋駆動手段にて前記便蓋を閉状態とし、人体検出手段にて人体を検出したときに便座ヒータへの通電を行い、便座サーミスタでの検出温度が規定温度以上となったときに前記便蓋駆動手段にて前記便蓋を開状態にする制御手段を備えたものである。
【0012】
これにより便座温度の上昇時に便蓋駆動手段により便蓋を閉状態とし、無駄な放熱を抑制することができ、便座の表面温度をすばやく上昇させることができるため、使い勝手を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のトイレ装置は、速暖性能を有し、かつ使い勝手の良い省エネルギー性に富んだトイレ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1におけるトイレ装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態2におけるトイレ装置の構成図
【図3】本発明の実施の形態3におけるトイレ装置の構成図
【図4】(a)本発明の実施の形態4におけるトイレ装置の構成図(b)同トイレ装置にあって便蓋を閉じた状態の便座を示す斜視図
【図5】本発明の実施の形態4におけるトイレ装置の便蓋の開/閉状態と便座表面温度の特性グラフ
【図6】(a)本発明の実施の形態5におけるトイレ装置の構成図(b)同トイレ装置にあって便蓋を閉じた状態の便座を示す斜視図
【図7】(a)本発明の実施の形態6におけるトイレ装置の構成図(b)同トイレ装置にあって便蓋を閉じた状態の便座を示す斜視図
【図8】(a)本発明の実施の形態6におけるトイレ装置の便座への着座時間とランプヒータへの通電量制御の関係グラフ(b)着座時間とランプヒータへの通電量制御の別な関係グラフ
【図9】本発明の実施の形態6におけるトイレ装置の便座への着座と便座サーミスタ検出温度によるランプヒータへの通電量制御の関係グラフ
【図10】従来の暖房便座の構成図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、空洞部に熱エネルギーを発生して直ぐ暖まる便座ヒータを有する便座と、人体の有無を検出する人体検出手段と、人体局部を洗浄する洗浄水を、流路を流れている間に瞬間的に加熱する瞬間式の温水ヒータと、人体検出手段にて人体を検出したときに便座ヒータへの通電を行い、かつ通電を行っている間は温水ヒータへの通電を停止する制御手段を備えたものである。
【0016】
これにより、人体検出手段が人体を検出したときのみ制御手段は便座ヒータへ通電することで便座を直ぐ暖められ人体が着座したときに冷たくなく、また、制御手段は便座ヒータの通電時には温水ヒータへの通電を停止するので、例えば漏電・過電流防止遮断器等が動作することが無く、省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上させることができる。
【0017】
第2の発明は、空洞部に熱エネルギーを発生して直ぐ暖まる便座ヒータを有する便座と、人体の有無を検出する人体検出手段と、人体局部を洗浄する洗浄水を、流路を流れている間に瞬間的に加熱する瞬間式の温水ヒータと、前記便座ヒータと前記温水ヒータの通電量の合計を算出する通電量算出手段と、前記人体検出手段にて人体を検出したときに前記便座ヒータへの通電を行い、かつ前記通電量算出手段による算出値が規定通電量以上の場合は、前記温水ヒータへの通電量を低下させる制御手段を備えたものである。
【0018】
これにより、通電量算出手段が便座ヒータと温水ヒータの通電量の合計の算出値が規定通電量以上になると、制御手段が温水ヒータへの通電量を低下させるので、トイレ装置としての電力量を抑制することができ、例えば漏電・過電流防止遮断器等が動作することのない省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上させることができる。
【0019】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明のトイレ装置に、人体局部を乾燥させる乾燥ヒータを付加し、便座ヒータ、温水ヒータ、乾燥ヒータの通電量の優先順位を決定して各々のヒータへの通電量を制御することにより、人体を検出したときのみ便座ヒータへ通電することで直ぐに便座を暖められ人体が着座したときに冷たくなく、また、トイレ装置としての電力量を抑制することができるため、例えば漏電・過電流防止遮断器等が動作することが無く、省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上させることができる。
【0020】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明のトイレ装置に、トイレ室内空間を暖房する部屋暖房ヒータを付加し、便座ヒータ、温水ヒータ、乾燥ヒータ、部屋暖房ヒータの通電量の優先順位を決定して各々のヒータへの通電量を制御することにより、人体を検出したときのみ便座ヒータへ通電することで直ぐに便座を暖められ人体が着座したときに冷たくなく、また、トイレ装置としての電力量を抑制することができるため、例えば漏電・過電流防止遮断器等が動作することが無く、省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上させることができる。
【0021】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明のトイレ装置に、前記便座の表面を覆う便蓋と、便座ヒータの近傍温度を検出する便座サーミスタと、前記便蓋を回動させる便蓋駆動手段と、人体の有無を検出する人体検出手段と、人体検出手段にて人体を検出していないときには前記便蓋駆動手段にて前記便蓋を閉状態とし、人体検出手段にて人体を検出したときに便座ヒータへの通電を行い、便座サーミスタでの検出温度が規定温度以上となったときに前記便蓋駆動手段にて前記便蓋を開状態にする制御手段を備えたものである。
【0022】
これにより、制御手段は便座ヒータの通電による便座温度の上昇時に便蓋駆動手段を制御して便蓋を閉状態としているため、無駄な放熱を抑制することができ、便座の表面温度をすばやく上昇させることができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0023】
第6の発明は、特に、第5の発明のトイレ装置に、人体検出手段にて人体を検出してから計時を開始する人体計時手段を付加し、人体計時手段での計時値が規定値以上となったときに便蓋駆動手段にて便蓋を開状態にするもので、制御手段は便座ヒータの通電による便座温度の上昇時に便蓋駆動手段を制御して便蓋を閉状態にしているため、無駄な放熱を抑制することができ、便座表面温度をすばやく上昇させることができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0024】
第7の発明は、特に、第5または第6の発明のトイレ装置に、便座ヒータが通電している際の便座サーミスタの検出温度が規定温度以上となったときに報知する報知手段を付加したので、便座の表面温度が暖かくなり、いつ便蓋が開くのかを使用者が認識することができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0025】
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明のトイレ装置に、便座に人体が着座したことを検出する着座センサを付加し、人体が着座すると便座ヒータへの通電量を低下するもので、長時間着座しつづけたときに発生する低温やけどの心配もなく、かつ、便座ヒータへの通電量を低下することでトイレ装置での消費電力量を抑制することができるため、安全性と省エネルギー性を向上させることができる。
【0026】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか1つの発明のトイレ装置に、人体が着座したときに計時を開始する着座計時手段を付加し、着座計時手段によって便座ヒータへの通電量の低下量を補正することとしたので、長時間着座しつづけたときに発生する低温やけどの心配もなく、かつ、ランプヒータへの通電量を低下することでトイレ装置での消費電力量を抑制することができるため、安全性と省エネルギー性を向上させることができる。
【0027】
第10の発明は、特に、第5〜第9のいずれか1つの発明のトイレ装置を、便座サーミスタの検出温度の変化量によって便座ヒータへの通電量の低下量を補正するもので、使用者が着座したときの便座温度の温度変化により人体が温まっていることを検出して、長時間着座しつづけたときに発生する低温やけどの心配もなく、かつ、便座ヒータへの通電量を低下することでトイレ装置での消費電力量を抑制することができるため、安全性と省エネルギー性を向上させることができる。
【0028】
第11の発明は、特に、第1〜第10のいずれか1つの発明のトイレ装置を、着座計時手段の計時値が規定値以上となったときに、便座ヒータへの通電を停止するもので、長時間着座しつづけたときに発生する低温やけどの心配もなく、かつ、便座ヒータへの通電量を低下することでトイレ装置での消費電力量を抑制することができるため、安全性と省エネルギー性を向上させることができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本実施の形態の説明において、同一構成並びに作用効果を奏するところには同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるトイレ装置の構成図である。図1において、便座1は内部に空洞部を有し(図示せず)、通電すると直ぐ暖まる便座ヒータとしての便座暖房用のランプヒータ2が収納されている。そして、便座1の外郭は、図10に示す従来の便座102と同じ透明ポリプロピレン樹脂性の着座部103、表面の輻射熱吸収層104を有し、ランプヒータ2からの輻射熱を輻射熱吸収層104で熱変換し着座部103を速暖する構成にしてある。
【0031】
人体検出手段3は、トイレ室内へ入室された人体を検出して人体の有無信号を制御手段4へ出力を行う。制御手段4は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路からなり、人体検出手段3にてトイレ室に入ってきた人を検出した信号を取り込んでランプヒータ2への通電を行い、かつ前記通電を行っている間は温水ヒータ5への通電を停止するように構成している。
【0032】
温水ヒータ5は、局部洗浄ノズル6より洗浄水を噴出して人体局部を洗浄する洗浄水を加熱する電気ヒータ等である。人体検出手段3として一般的に知られている方式は、赤外線を照射し物体からの反射光の有無、及び、反射光の入射角度によって検出を行う測定距離式と人体の表面温度から発せられる赤外線量と物体(トイレの壁面など)から発せられる赤外線量の差分から人体の有無を検出する焦電式がある。
【0033】
測定距離式の場合は、トイレ室内の環境温度の影響を受けることは無いが、その検出原理から人体検出手段3からの物体の距離を測定するもので、検出範囲にあるものが人体であるか物体であるかは判別できない。また、焦電式は測定距離式のように赤外線を照射する方式ではないため、低消費電力であるという反面、環境温度が高く人体表面温度と近い場合などは人体とトイレ壁面との差分が小さく、検出しにくいという特徴を有している。
【0034】
また、人体局部を洗浄する洗浄水を加熱する方式として、トイレ装置内部に1L程度の貯湯タンクを有して400W程度のシーズヒータを貯湯タンク内に配置して洗浄水を加熱する貯湯式や、数10ccの水が流れる流路に1000W程度の電気ヒータを配置して、使用者の人体局部洗浄開始の指令を受けて水道管から供給される水を瞬間的に加熱する瞬間式が知られている。双方ともに、洗浄水を加熱して、局部洗浄ノズル6により人体局部へ洗浄水を噴出している。
【0035】
上記実施の形態において、制御手段4により便座1内のランプヒータ2は、人体検出手段3からの人体有り信号を受けてから、通電を開始される。そして、便座1はランプヒータ2の通電から便座1の表面温度が、使用者が着座して冷たいと感じなくなる温度(例えば35℃など)にまで昇温する時間は数秒と短時間で便座1を暖めることができる。よって、人体がトイレ室内へ入室してから、トイレ装置にまで移動し、着衣を脱いで着座するまでの時間に便座1の着座部である表面の温度を十分暖めることができる。
【0036】
また、ランプヒータ2は安定して通電されている時のランプヒータ2のフィラメント抵抗値が数100Ω程度であるが、通電されていない時は数10Ω程度と小さいため、通電初期には大電流が流れることになる。然るに、制御手段4は人体検出手段3の人体有り信号を受けてからランプヒータ2への通電を停止するまで、人体局部を洗浄する洗浄水を加熱する温水ヒータ5への通電を行わない。従って、温水ヒータ5が貯湯式の場合はすでに1Lの貯湯タンクの内部に洗浄水が蓄えられており、また、瞬間式の場合は、使用者の局部洗浄開始の指令から温水ヒータ5への通電を開始するため、人体局部への洗浄水噴出時には十分に暖かい洗浄水を供給することができる。
【0037】
以上のように本実施の形態では、便座を使用するときのみ即座に暖房を行い、かつ温水ヒータの通電を停止させてトイレ装置の全体としての使用電力を抑制するので、例えば漏電・過電流防止遮断器等が動作することが無く、省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上させることができる。
【0038】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態におけるトイレ装置の構成図である。本実施の形態は、ランプヒータへの通電量と温水ヒータへの通電量からその合計を算出する通電量算出
手段と、通電量算出手段の算出値が規定通電量以上になると温水ヒータの通電量を低下させる制御手段を備えた点で実施の形態1の発明と異なり、それ以外の構成並びに作用効果は同じである。
【0039】
すなわち、通電量算出手段7は、制御手段4と一体に形成し、ランプヒータ2への通電量と温水ヒータ5への通電量の合計を算出する。一方、制御手段4aは、通電量算出手段7の算出値が規定通電量(例えば1500W)以上になった信号を取り込んで、温水ヒータ5への通電量を低下させ、トイレ装置としての使用電力量を規定通電量の値以下にするよう構成している。
【0040】
上記実施の形態において、通電量算出手段7がランプヒータ2への通電量と温水ヒータ5への通電量の合計を算出し、その算出値を取り込んだ制御手段4が規定通電量の値である、例えば1500W以上であることを判定すると、1500W以下にするべく温水ヒータ5への通電量を低下させる。従って、トイレ装置の総電力量を1500W以下に抑制することで、一般的なトイレ室内の電力配線の異常加熱の防止や、漏電・過電流遮断器の誤動作を防止することができる。
【0041】
以上のように本実施の形態では、便座を暖房して使用するときには便座ヒータと温水ヒータの通電量の合計が規定通電量以上になると、温水ヒータへの通電量を低下させ、トイレ装置としての電力量を抑制する。従って、便座ヒータへの通電を行っている際は、温水ヒータへの供給電力を低下させても、トイレ装置としての使い勝手に支障をきたさないとともに、例えば漏電・過電流防止遮断器等が動作することのない省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上させることができる。
【0042】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態におけるトイレ装置の構成図である。本実施の形態は、人体局部を洗浄した後に乾燥を行う乾燥ヒータ、トイレ室内を暖房する部屋暖房ヒータを付加し、これらヒータへの通電量の優先順位を決定した点で実施の形態1および2の発明と異なり、それ以外の構成並びに作用効果は同じである。
【0043】
すなわち、人体局部を洗浄した後に乾燥を行う乾燥ヒータ8、トイレ室内を暖房する部屋暖房ヒータ9を有するものである。通電量算出手段7は、制御手段4と一体に形成し、ランプヒータ2への通電量と温水ヒータ5への通電量の合計を算出する。一方、制御手段4bは、通電量算出手段7の算出値が規定通電量(例えば1500W)以上になった信号を取り込んで、温水ヒータ5への通電量を低下させ、トイレ装置としての使用電力量を規定通電量の値以下にするよう構成している。更に制御手段4bは、ランプヒータ2、温水ヒータ5、乾燥ヒータ8、部屋暖房ヒータ9の通電量の優先順位を予め決定しておき各々のヒータへの通電量を以下に詳述した内容に制御する、つまり全体として規定通電量以下になるように制御する構成にしてある。
【0044】
上記実施の形態おいて、ランプヒータ2により便座1を暖め、かつ温水ヒータ5により暖めた洗浄水を局部洗浄ノズル6より噴出して人体局部を洗浄する。そして、使用者の温風乾燥開始指示により、乾燥ヒータ8と乾燥ファンモータ10を駆動して人体局部へ乾燥のための温風を供給する。使用者の温風乾燥停止指示によって、乾燥ヒータ8を停止し、一定時間後(例えば1〜2秒後)に乾燥ファンモータ10を停止することで、乾燥ヒータ8を十分に冷却させて乾燥風洞11内部への温度上昇を抑制している。
【0045】
また、使用者のトイレ室内の部屋暖房開始指示により、部屋暖房ヒータ9と部屋暖房ファンモータ12を駆動してトイレ室内を暖める。冬場の夜間などトイレ室内の暖房はトイレ室内へ人体が入室していない場合でも、使用者の所望の時間に部屋暖房を駆動させる動
作(タイマ動作)や、トイレ室内の温度を検出する室温サーミスタ(図示せず)により、一定温度以下(例えば5℃など)になった場合に自動的に駆動させる動作(トイレ室内冷え込み防止動作)等を行うことができる。
【0046】
部屋暖房ヒータ9の停止時には、上述の乾燥ヒータ8の停止時と同様に、最初に部屋暖房ヒータ9を停止させ、一定時間後(例えば1〜2秒後)に部屋暖房ファンモータ12を停止することで、部屋暖房ヒータ9を十分に冷却させて部屋暖房風風洞13内部への温度上昇を抑制している。
【0047】
このような乾燥ヒータ8や部屋暖房ヒータ9は、400W程度の電気ヒータを使用することが多く、温水ヒータ5の場合と同様、トイレ装置としての総電力量の規定値(例えば1500W)を超過しないように、乾燥ヒータ8や部屋暖房ヒータ9の通電量を低下させる。このときの各々のヒータの通電量低下順位(優先順位)は、通電量を低下させない順位で表記すると、ランプヒータ2、乾燥ヒータ8、温水ヒータ5、部屋暖房ヒータ9としており、この順位を制御手段4に保持している。例えば、ランプヒータ2が500W通電している際に、乾燥ヒータ8の通電開始指令がなされた場合は、乾燥ヒータ8(全消費電力400Wの場合)は通電量を低下させずに400W通電する。温水ヒータ5(全消費電力500Wの場合)は500W、部屋暖房ヒータ9(全消費電力400Wの場合)は100Wとして、トイレ装置の総電力量を1500Wに抑制する。
【0048】
以上のように本実施の形態では、人体を検出したときのみ便座ヒータへ通電することで直ぐに便座を暖められ人体が着座したときに冷たくなく、また、トイレ装置としての電力量を抑制することができるため、例えば漏電・過電流防止遮断器等が動作することが無く、省エネルギー性に富み、かつ使い勝手を向上させることができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、通電すべき優先順位の高いヒータから順に各ヒータの全消費電力を通電すべく割り振ったが、各ヒータへの通電量を10%ずつなどで低下させる手法であっても本実施の形態と同等の作用効果を期待できることは言うまでもない。また、本実施の形態は実施の形態2の発明に付加した内容で説明したが、実施の形態1の発明に付加しても良いものである。
【0050】
また、本実施の形態では乾燥ヒータ8と部屋暖房ヒータ9の両方を備えたトイレ装置であったが、部屋暖房ヒータが無く、乾燥ヒータのみのトイレ装置であっても良いものである。
【0051】
(実施の形態4)
図4(a)は、本発明の第4の実施の形態におけるトイレ装置の構成図で、図4(b)は同トイレ装置にあって便蓋を閉じた状態の便座を示す斜視図である。本実施の形態は、実施の形態3の発明に、便蓋と便蓋駆動手段を付加したことを特徴とするものである。すなわち、便座1の表面を覆うように構成された便蓋14と便蓋14を回動させる便蓋駆動手段15、及び、便座1の内部に配置されたランプヒータ2近傍の温度を検出するための便座サーミスタ16を有している。そして、制御手段4bは人体検出手段3にて人体を検出していないときには便蓋駆動手段15にて便蓋14を閉状態とし、人体検出手段3にて人体を検出したときにランプヒータ2への通電を行い、便座サーミスタ16での検出温度が規定温度以上となったときに便蓋駆動手段15にて便蓋14を開状態にする。
【0052】
上記実施の形態において、人体検出手段3にて人体を検出したものの便座に着座するまでの間、この信号を取り込んだ制御手段4bは便蓋駆動手段15を制御し、便蓋駆動手段15にて便蓋14を閉状態とする。便蓋14が閉状態となることで便座1と便蓋14の隙間が少なくなり、便座1表面からの放熱を低下させている。また、人体検出手段3にて人
体を検出し、まず、ランプヒータ2の通電を行うとともに、ランプヒータ2が通電されるとランプヒータ2の近傍に配置された便座サーミスタ16にて温度を検出する。そして、制御手段4bは便座サーミスタ16の検出温度が規定温度以上になると、この信号に基づき便蓋駆動手段15を制御して便蓋14を開状態にする。
【0053】
図5に便蓋14の開/閉状態によるランプヒータ2による便座1の表面温度の特性グラフを示す。便座サーミスタ16での検出温度が規定温度(例えば40℃)となると、便座1表面の温度は人体が着座しても冷たいと感じない温度(例えば35℃など)となる。便蓋14が閉状態の場合は便座1と便蓋14の隙間が少なくなるため、便座1表面からの放熱が少なくなり、ランプヒータ2の通電開始からの便座1表面温度の上昇は早くなる。また、便蓋14が開状態の場合は、便座1表面からの放熱が多くなるため、ランプヒータ2の通電開始から便座1表面の温度上昇は遅くなる。
【0054】
このように便座サーミスタ16での検出温度が規定温度以上となる、すなわち、便座1の表面温度が規定温度以上となったときに、制御手段4bは便蓋駆動手段15を制御して便蓋14を開状態とし、直ぐ暖まった便座1に使用者が着座できる。従って、人が便座1に着座しても冷たくなく、使い勝手がよい。
【0055】
以上のように本実施の形態では、便座からの無駄な放熱を抑制することができ、かつ便座の表面温度をすばやく上昇させることができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0056】
(実施の形態5)
図6は、本発明の第5の実施の形態におけるトイレ装置の構成図で、図6(b)は同トイレ装置にあって便蓋を閉じた状態の便座を示す斜視図である。本実施の形態は、実施の形態4の発明(図4(a)、(b)に示す)に、人体検出手段の人体有り検出時から計時を開始する人体計時手段、及び、便座サーミスタでの検出温度が規定温度以上になったことを報知する報知手段を付加したことを特徴とするものである。
【0057】
すなわち、制御手段4bは人体計時手段17と報知手段18を備えたものである。人体計時手段17は、制御手段4bと一体にまたは別個に形成し、人体検出手段3での人体有りの検出時から計時を開始する。また、報知手段18は、便座サーミスタ16での検出温度が規定温度以上となった信号を取り込んだ制御手段4bにより制御され報知する。
【0058】
上記実施の形態において、人体検出手段3が人体検出をすると、人体検出の信号を受けて人体計時手段17が計時を開始し、かつ、制御手段4bによりランプヒータ2での通電を開始させる。既に便蓋14は閉状態となっているため、便座1の表面温度の上昇度合いは、トイレ室内の雰囲気温度に影響を受けることが少なく、人体計時手段17の計時値、すなわち、ランプヒータ2への通電時間によって制御手段4bにより制御された便蓋駆動手段15により便蓋14を閉状態から開状態へと回動させる。更に、便座サーミスタ16での検出温度が規定値以上になると制御手段4bは報知手段18に報知を行わせる。
【0059】
以上のように本実施の形態では、便座の表面温度が暖かくなり、そして、いつ便蓋が開くのかを使用者は認識することができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0060】
(実施の形態6)
図7(a)は、本発明の第6の実施の形態におけるトイレ装置の構成図で、図7(b)は同トイレ装置にあって便蓋を閉じた状態の便座を示す斜視図である。本実施の形態は、実施の形態5の発明(図6(a)、(b)に示す)に、着座センサと、制御手段に人体が着座すると便座ヒータへの通電量を低下させる機能を付加したことを特徴とするものであ
る。
【0061】
すなわち、制御手段4bは人体が便座1に着座したことを検出する着座センサ19を有している。トイレ装置に用いられ、人体が便座1に着座したことを検出する着座センサ19には、様々な方式が用いられてきている。
【0062】
その数例を上げると、便座1下面に配置された便器(図示せず)との接触面にマイクロスイッチを配置し、人体が便座1に着座してその重量によってマイクロスイッチがONする方式や、同じく人体の重量を便座1の回動軸に導電性ゴムを貼付し、その導電性ゴムが圧縮されたことを検出する方式(重量式)がある。また、上述の人体検出手段3同様、赤外線を照射して人体が着座することにより赤外線の反射光で人体の有無を検出する測定距離式、更に、便座1の内部に金属板を貼付して人体が着座することで金属板と大地との浮遊容量成分が変化することを検出する静電容量式などがある。
【0063】
制御手段4bは、人体が便座1に着座したことを着座センサ19より信号を受けるとランプヒータ2への通電量を、以下に詳述する内容で低下させる構成にしている。
【0064】
上記実施の形態において、人体が便座1に着座されたことを着座センサ19にて検出し、この時点から着座計時手段19にて計時を開始する。一般に人体が物体に接触しているときに、その物体は比較的低温であるが、長時間同じ箇所を接触していると低温やけど現象が発生する。
【0065】
然るに本実施の形態では、図8(a)に示すように、人体が着座してから一定量(例えば50%など)にランプヒータ2の通電量を低下させる方式や、図8(b)に示すように着座センサ19に応じて、着座から一定時間(例えば2分間)は通電量を低下させず、その後の一定時間(2〜5分の間の3分間)は通電量を着座計時手段19の計時値に比例して低下させ(例えば100%から40%へ徐々に低下させる)、それ以降の時間は通電量を低下(例えば40%)させたまま保持したり、その後はランプヒータ2への通電を停止したりする方式を用いている。従って、使用者は低温やけどの心配をすることなく安心して着座できる。
【0066】
なお、上記実施の形態での制御手段4bは、上記した内容のランプヒータ2ヘの通電制御を行うようにしたが、図9に示すような制御構成であっても良い。すなわち、人体が着座することで、ランプヒータ2近傍に配置された便座サーミスタ16の検出温度が変化するので、この検出温度の変化量が大きい場合は人体の熱容量が大きい、すなわち、比較的大柄の人であるため、制御手段4bは、ランプヒータ2への通電量をより大きく低下させる(例えば上記通電量の低下に更に20%低下量を増加させるなど)。
【0067】
また、便座サーミスタ16の検出温度の変化量が小さい場合は人体の熱容量が小さく小柄の人と制御手段4bは判断し通電量の低下幅を少なくする。もちろん、このランプヒータ2の通電量の低下方式が時間、及び、低下量が変わった他の方式であったとしても、本実施の形態と同等の作用効果を有することができる。
【0068】
また、上記実施の形態は、上記実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3の各発明にも実施することができ、本実施の形態と同等の作用効果を期待できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上のように、本発明にかかるトイレ装置は、人体を検出したときに便座に配置された便座ヒータを通電し、しかも環境温度に応じた時間、電力制御を行うことにより、暖房装置の安全性の確保、人体の有無によって暖房出力をこまめに制御するなど、安全性、省エ
ネルギー性が必要とされる他の暖房機器にも応用が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 便座
2 ランプヒータ(便座ヒータ)
3 人体検出手段
4、4a、4b 制御手段
5 温水ヒータ
7 通電量算出手段
8 乾燥ヒータ
9 部屋暖房ヒータ
14 便蓋
15 便蓋駆動手段
16 便座サーミスタ
17 人体計時手段
18 報知手段
19 着座センサ
20 着座計時手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞部に熱エネルギーを発生して直ぐ暖まる便座ヒータを有する便座と、人体の有無を検出する人体検出手段と、人体局部を洗浄する洗浄水を、流路を流れている間に瞬間的に加熱する瞬間式の温水ヒータと、前記人体検出手段にて人体を検出したときに前記便座ヒータへの通電を行い、かつ通電を行っている間は前記温水ヒータへの通電を停止する制御手段を備えたトイレ装置。
【請求項2】
空洞部に熱エネルギーを発生して直ぐ暖まる便座ヒータを有する便座と、人体の有無を検出する人体検出手段と、人体局部を洗浄する洗浄水を、流路を流れている間に瞬間的に加熱する瞬間式の温水ヒータと、前記便座ヒータと前記温水ヒータの通電量の合計を算出する通電量算出手段と、前記人体検出手段にて人体を検出したときに前記便座ヒータへの通電を行い、かつ前記通電量算出手段による算出値が規定通電量以上の場合は、前記温水ヒータへの通電量を低下させる制御手段を備えたトイレ装置。
【請求項3】
人体局部を乾燥させる乾燥ヒータを有し、前記便座ヒータ、前記温水ヒータ、前記乾燥ヒータの通電量の優先順位を決定して各々のヒータへの通電量を制御することを特徴とした請求項1または請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
トイレ室内空間を暖房する部屋暖房ヒータを有し、前記便座ヒータ、前記温水ヒータ、前記乾燥ヒータ、前記部屋暖房ヒータの通電量の優先順位を決定して各々のヒータへの通電量を制御することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記便座表面を覆う便蓋と、前記便座ヒータの近傍温度を検出する便座サーミスタと、前記便蓋を回動させる便蓋駆動手段と、人体の有無を検出する人体検出手段と、前記人体検出手段にて人体を検出していないときには前記便蓋駆動手段にて便蓋を閉状態とし、前記人体検出手段にて人体を検出したときに前記便座ヒータへの通電を行い、前記便座サーミスタでの検出温度が規定温度以上となったときに前記便蓋駆動手段にて便蓋を開状態にする制御手段を備えた請求項1〜4のいずれかに記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記人体検出手段にて人体を検出してから計時を開始する人体計時手段を有し、前記人体計時手段での計時値が規定値以上となったときに前記便蓋駆動手段にて便蓋を開状態することを特徴とした請求項5に記載のトイレ装置。
【請求項7】
前記便座ヒータが通電している際の前記便座サーミスタの検出温度が規定温度以上となったときに報知する報知手段を有することを特徴とした請求項5または請求項6に記載のトイレ装置。
【請求項8】
前記便座に人体が着座したことを検出する着座センサを有し、人体が着座すると前記便座ヒータへの通電量を低下することを特徴とした請求項1〜7のいずれかに記載のトイレ装置。
【請求項9】
人体が着座したときに計時を開始する着座計時手段を有し、着座計時手段によって前記便座ヒータへの通電量の低下量を補正することを特徴とした請求項1〜8のいずれかに記載のトイレ装置。
【請求項10】
前記便座サーミスタの検出温度の変化量によって前記便座ヒータへの通電量の低下量を補正することを特徴とした請求項5〜9のいずれかに記載のトイレ装置。
【請求項11】
前記着座計時手段の計時値が規定値以上となったときに、前記便座ヒータへの通電を停止
することを特徴とした請求項1〜10のいずれかに記載のトイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−188156(P2010−188156A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101718(P2010−101718)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【分割の表示】特願2004−292237(P2004−292237)の分割
【原出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】