説明

トイレ装置

【課題】弁部材の開閉に応じた制御を行えるようにしたトイレ装置を提供する。
【解決手段】本発明のトイレ装置100は、便器本体1と粉砕機構部2の間で処理対象物が通る投入口23Aを開閉する仕切り弁13と、粉砕機構部2と圧送タンク3の間で処理対象物が通る排出口21Aを開閉する排出弁20Gの開閉を監視し、正常に開閉できない場合は動作方向を逆転させて開閉を行うリトライ動作を行う。リトライ動作でも正常に開閉できない場合は、動作を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設のトイレ室以外の居室等に設置され、既設トイレの便器と接続して使用されるトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、介護を必要とする人のために、介護用のポータブルトイレ装置が使用されている。このポータブルトイレ装置は、便座に腰を掛ける腰掛式(洋式)の形態が多い。ポータブルトイレ装置は、汚物及びトイレットペーパ等の処理対象物を受け入れて排出するための容器を備えた形態や、排水を自然流下で行う形態が一般的である。
【0003】
特許文献1には、排水管勾配を得られない場所において、強制的に排出する手段として攪拌手段及び圧送手段を備えたトイレ装置が提案されている。このトイレ装置によれば、攪拌手段として、プロペラタイプや刃付き金属ブレード、円盤上面に撹拌羽根を突設した洗濯機タイプが開示されている。この攪拌手段により処理対象物を粉砕して、圧送手段により排出する。
【0004】
特許文献2には、破砕機構を備えたトイレ装置が開示されている。このトイレ装置によれば、破砕機構として、回転破砕刃及び円盤を備えている。この回転破砕刃が円盤上に配置され、円盤上の処理対象物を回転破砕刃により破砕する。この円盤には複数のスリット(開孔)が設けられ、細かく破砕された処理対象物はこのスリットを通過して容器内を循環する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−8442号
【特許文献2】特開2008−86880号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のトイレ装置では、汚物が通る経路に弁が設けられ、処理に応じて弁を開閉して汚物の排出等が行われる。このため、弁が正常に開閉できないと、汚物の排出を正常に行うことができない。また、汚物が便器等から溢れ出すおそれがある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、弁部材の開閉に応じた制御を行えるようにしたトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、排泄された汚物、トイレットペーパ、または汚物とトイレットペーパを処理対象物とし、処理対象物と洗浄水とを便器本体で受容すると共に粉砕機構部によって粉砕して流動体と成し、粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体を、廃棄場所へ導いて排出するトイレ装置であって、便器本体で受容された処理対象物と洗浄水を粉砕機構部に取り込む投入口と、粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体を排出する排出口と、便器本体で受容されて排出される処理対象物が通る少なくとも投入口と排出口のそれぞれに開閉可能に設けられる弁部材と、弁部材を駆動する弁開閉機構部と、弁開閉機構部により弁部材を開閉する動作で弁部材の開閉状態を監視し、弁部材が正常に開閉できないと判断すると、エラー処理を行う制御手段とを備えたトイレ装置である。
【0009】
本願発明では、便器本体で受容された処理対象物は、投入口を閉塞する弁部材を開けることで洗浄水と共に粉砕機構部に取り込まれ、弁部材を閉じて投入口を閉塞した後、搬送機構部で洗浄水と混合されて粉砕されることで、処理対象物の流動体が生成される。粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体は、排出口を閉塞する弁部材を開けることで廃棄場所へ排出される。
【0010】
弁部材を開閉する動作では弁部材の開閉状態が監視され、弁部材が正常に開閉できないと判断すると、エラー処理が実行される。
【0011】
これにより、弁部材が正常に開閉できない状態では、次の動作に進まないようにすることができる。例えば、投入口の弁部材が開くことができず閉じた状態で便器本体に洗浄水が供給されて、洗浄水と共に処理対象物が溢れることが防止される。また、投入口の弁部材が閉じることができず開いた状態で粉砕処理が行われ、処理対象物が便器本体内で飛散することが防止される。
【0012】
また、本発明は、排泄された汚物、トイレットペーパ、または汚物とトイレットペーパを処理対象物とし、処理対象物と洗浄水とを便器本体で受容すると共に粉砕機構部によって粉砕して流動体と成し、粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体を、圧縮空気が充填されるタンク部に搬送して、圧縮空気によって廃棄場所へ圧送して排出するトイレ装置であって、便器本体で受容された処理対象物と洗浄水を粉砕機構部に取り込む投入口と、粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体を排出する排出口と、便器本体で受容されて排出される処理対象物が通る少なくとも投入口と排出口のそれぞれに開閉可能に設けられる弁部材と、弁部材を駆動する弁開閉機構部と、弁開閉機構部により弁部材を開閉する動作で弁部材の開閉状態を監視し、前記弁部材が正常に開閉できないと判断すると、エラー処理を行う制御手段とを備えたトイレ装置である。
【0013】
本発明では、便器本体で受容された処理対象物は、投入口を閉塞する弁部材を開けることで洗浄水と共に粉砕機構部に取り込まれ、弁部材を閉じて投入口を閉塞した後、搬送機構部で洗浄水と混合されて粉砕されることで、処理対象物の流動体が生成される。
【0014】
粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体は、排出口を閉塞する弁部材を開けることでタンク部へ搬送され、弁部材を閉じて排出口を閉塞した後、タンク部に圧縮空気が充填されることで、圧縮空気で流動体が圧送されて廃棄場所へ排出される。
【0015】
弁部材を開閉する動作では弁部材の開閉状態が監視され、弁部材が正常に開閉できないと判断すると、エラー処理が実行される。
【0016】
これにより、弁部材が正常に開閉できない状態では、次の動作に進まないようにすることができる。例えば、排出口の弁部材が開くことができず処理対象物の流動体がタンク部に搬送されていない状態で圧送処理が行われることが防止される。また、排出口の弁部材が閉じることができず開いた状態で圧送処理が行われ、流動体が粉砕機構部に逆流することが防止される。
【0017】
なお、弁部材が正常に開閉できないと判断すると、弁部材の動作方向を反転させて、弁部材を開閉するリトライ動作を行うことで、正常に開閉できない状態になっている弁部材を開閉方向に往復動作させる力が加わり、弁部材が開閉できない要因を除去することができる。
【0018】
また、リトライ動作でも弁部材が開閉できない要因が除去できない場合は、動作を停止することで、弁部材が正常に開閉できない状態では、次の動作に進まないようにすることができる。
【0019】
更に、弁部材が正常に開閉できないと判断すると、動作を停止することで、弁部材が正常に開閉できない状態では、次の動作に進まないようにすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、弁部材が正常に開閉できない状態では、次の動作に進まないようにすることができ、動作不良の発生や、処理対象物等が溢れ出すことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施の形態のトイレ装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態のトイレ装置の全体構成の一例を示す側断面図である。
【図3】本実施の形態のトイレ装置の要部構成の一例を示す破断斜視図である。
【図4】本実施の形態のトイレ装置の制御機能の一例を示すブロック図である。
【図5】粉砕用モータの駆動パターンの一例を示す動作説明図である。
【図6】本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す斜視図である。
【図7】本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す側断面図である。
【図8】本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す側断面図である。
【図9】本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す要部側断面図である。
【図10】本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す分解斜視図である。
【図11】本実施の形態の固定粉砕歯の一例を示す斜視図である。
【図12】本実施の形態の固定粉砕歯の一例を示す要部拡大斜視図である。
【図13】本実施の形態の回転粉砕歯の一例を示す斜視図である。
【図14】本実施の形態のトイレ装置の動作の一例を示すタイムチャートである。
【図15】弁部材の開閉状態監視動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】粉砕用モータのロック検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】負荷に基づくすすぎ動作の判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図18】粉砕用モータの回転数と負荷の関係の一例を示すグラフである。
【図19】本実施の形態のトイレ装置における粉砕動作の一例を示すフローチャートである。
【図20】本実施の形態のトイレ装置におけるすすぎ動作の一例を示すフローチャートである。
【図21】本実施の形態のトイレ装置における粉砕動作の一例を示すタイムチャートである。
【図22】本実施の形態のトイレ装置におけるすすぎ動作の一例を示すタイムチャートである。
【図23】本実施の形態の粉砕機構部の動作例を示す側断面図である。
【図24】本実施の形態の粉砕機構部の動作例を示す側断面図である。
【図25】本実施の形態の粉砕機構部の動作例を示す斜視図である。
【図26】本実施の形態の粉砕機構部の動作例を示す要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明のトイレ装置の実施の形態について説明する。
【0023】
<本実施の形態のトイレ装置の概要構成例>
図1は、本実施の形態のトイレ装置の機能の一例を示す機能ブロック図、図2は、本実施の形態のトイレ装置の全体構成の一例を示す側断面図、図3は、本実施の形態のトイレ装置の要部構成の一例を示す破断斜視図である。また、図4は、本実施の形態のトイレ装置の制御機能の一例を示すブロック図である。まず、各図を参照して、本実施の形態のトイレ装置100の概要について説明する。
【0024】
本実施の形態のトイレ装置100は、図示しない建物において介護対象者が居る居室等に設置され、トイレ室に設置される既設のトイレ5と接続されて、トイレシステムが構成される。トイレ装置100は、便器本体1と、粉砕機構部2と、圧送タンク3と、給水タンク4を備え、給水タンク4が既設のトイレ5の給水タンク50に洗浄水を供給する図示しない給水口から分岐させた給水管101と接続され、圧送タンク3が排出管102でトイレ5の既設の便器51と接続される。
【0025】
トイレ装置100は、排泄された汚物、トイレットペーパ、または汚物とトイレットペーパ等を処理対象物として、利用者の排泄行為及び排泄行為の後処理により処理対象物が便器本体1で受容されると共に、便器洗浄動作により便器本体1に給水タンク4から洗浄水が供給される。
【0026】
便器本体1で洗浄水とともに受容された処理対象物は、便器本体1から粉砕機構部2に送られ、粉砕動作により粉砕機構部2で粉砕されて洗浄水と混合され、流動性の高い流動体が生成される。粉砕機構部2で生成された流動体は搬送動作により圧送タンク3に送られ、圧送動作により空気の圧力でトイレ5の既設の便器51へ圧送されて、トイレ装置100から排出される。
【0027】
<本実施の形態のトイレ装置の全体構成例>
次に、各図を参照して、本実施の形態のトイレ装置100の全体の構成について説明する。
【0028】
トイレ装置100は、便器本体1に開閉可能な便座蓋1a及び便座1bが設けられる。トイレ装置100は、便座蓋1aの開閉動作に応じて処理が行われる。このため、トイレ装置100は、便座蓋1aの開閉を検知する便座蓋開閉検知センサ10Sが設けられる。便座蓋開閉検知センサ10Sは、本例では給水タンク4の外装部分に設けられる。
【0029】
また、トイレ装置100は、便器本体1内に溜る水が規定量を超えて溢れないようにするため、便器本体1内に溜った水の量を検知する満水センサ11Sが便器本体1に設けられる。
【0030】
トイレ装置100は、便器本体1の下側に粉砕機構部2が配置され、便器本体1の下部を筒状として形成された排出口12と、粉砕機構部2に設けた投入口23Aが、投入口23Aを開閉する仕切り弁13を有した仕切り弁開閉機構部14で接続される。
【0031】
仕切り弁開閉機構部14は、便器本体1の排出口12と粉砕機構部2の投入口23Aを接続する接続部15と、仕切り弁13を開閉する投入口モータ16Mと、投入口モータ16Mの駆動力を仕切り弁13に伝達するリンク機構等で構成される駆動力伝達機構部17と、仕切り弁13が開いたことを検知する投入口開位置検出スイッチ16S1と、仕切り弁13が閉じたことを検知する投入口閉位置検出スイッチ16S2が設けられる。
【0032】
接続部15は、内周側に薄膜のゴムで構成されるリング状の封止部材18aが取り付けられ、封止部材18aを押し広げるようにして、便器本体1の排出口12が挿入される。
【0033】
また、接続部15は、粉砕機構部2の投入口23Aの内周側に取り付けられたOリング等で構成される封止部材18bを押し潰すようにして、粉砕機構部2の投入口23Aに挿入される。
【0034】
更に、接続部15は、粉砕機構部2の投入口23Aを閉じた仕切り弁13の上面と接するように、薄板のゴムで構成されるリング状の封止部材18cが取り付けられる。
【0035】
これにより、便器本体1の排出口12と粉砕機構部2の投入口23Aの接続箇所で、水密性が保たれる。
【0036】
粉砕機構部2は、処理対象物が洗浄水とともに取り込まれる粉砕容器2Aと、洗浄水とともに粉砕容器2Aに取り込まれた処理対象物を粉砕して流動体と成す一対の固定粉砕歯2B及び回転粉砕歯2Cと、回転粉砕歯2Cを支持する軸2Dが設けられる。
【0037】
また、粉砕機構部2は、回転粉砕歯2Cを駆動する粉砕歯駆動部2Fが設けられる。粉砕歯駆動部2Fは、回転粉砕歯2Cを駆動する粉砕用モータ20Fと、粉砕用モータ20Fの軸に取り付けられる第1の小プーリ21Fと、第1の大プーリと第2の小プーリが同軸に配置される減速プーリ22Fと、回転粉砕歯2Cの軸2Dに取り付けられた第2の大プーリ23Fを備える。
【0038】
また、第1の小プーリ21Fと減速プーリ22Fの第1の大プーリに掛けられる第1のベルト24Fと、減速プーリ22Fの第2の小プーリと第2の大プーリ23Fに掛けられる第2のベルト25Fが設けられる。
【0039】
粉砕機構部2は、粉砕用モータ20Fとして3相のブラシレスモータが使用される。図5は、粉砕用モータの駆動パターンの一例を示す動作説明図である。3相のブラシレスモータは、図示しないセンサでロータの回転方向の位置が検出され、ロータの位置に応じた励磁出力が行われることで回転する。
【0040】
図5に示す例では、センサU、V、Wからの入力が、駆動パターンNo.のNo.1に示すU=0、V=1、W=0の状態のときに、No.1に示すUL=1、VL=0、WL=0、UH=0、VH=1、WH=0の組み合わせで励磁出力を行うと、モータ軸が所定角度、本例では30度正方向に回転し、No.2のセンサ状態となる。以下同様に、駆動パターンをNo2、No.3・・・No.6、No.1・・・の順番でセンサ検知と励磁出力を繰り返すことで、粉砕用モータ20Fが継続回転される。
【0041】
これにより、粉砕用モータ20Fが駆動されると、回転数は減速しトルクは増幅して回転粉砕歯2Cに駆動力が伝達される。
【0042】
粉砕機構部2は、粉砕容器2Aに設けた排出口21Aを開閉する排出弁開閉機構部2Gが設けられる。排出弁開閉機構部2Gは排出口21Aを開閉する排出弁20Gを駆動する排出弁モータ21Gと、排出弁モータ21Gの駆動力を排出弁20Gに伝達する送りネジ及び送りネジの回転により直線移動するスライド部材等で構成される駆動力伝達機構部22Gと、排出弁20Gが開いたことを検知する排出弁開位置検出スイッチ23S1と、排出弁20Gが閉じたことを検知する排出弁閉位置検出スイッチ23S2が設けられる。
【0043】
トイレ装置100は、粉砕機構部2の下側に圧送タンク3が配置される。圧送タンク3はタンク部の一例で、直管状の形状でも良いが、本例では、粉砕機構部2の粉砕容器2Aの周辺部を囲むように、曲げられた形状を有する。圧送タンク3は、入口側となる一方の端部側から、出口側となる他方の端部側へ向けて下降する方向に傾斜させて、トイレ装置100の底部に配置される。圧送タンク3は、本例では樹脂製のパイプとL状のジョイント等を組み合わせて構成され、曲げられた形状を有したタンク構造物を低コストで実現している。
【0044】
圧送タンク3は、入口側となる一方の端部側と粉砕機構部2の排出口21Aが連結管3aにより接続されている。粉砕機構部2で生成された流動体は、排出口21Aから自重で圧送タンク3に送るため、連結管3aと圧送タンク3の接続箇所が、排出口21Aより低い位置に設けられる必要がある。
【0045】
このため、トイレ装置100は、粉砕機構部2の下側に圧送タンク3が配置される構成としているが、圧送タンク3を、粉砕容器2Aの周辺部を囲むような曲げられた形状とすることで、曲げられた圧送タンク3の間に形成された空間に、粉砕機構部2の一部を入れるような実装構造を実現できる。また、圧送タンク3の直径を大きくすることなく、圧送タンク3を長くして、容量の拡大を図ることができる。
【0046】
このように、粉砕機構部2の実装高さを低くできれば、粉砕機構部2の上側の便器本体1の実装高さも低く抑えることができ、便器本体1の実装高さを低くできれば、便座1bの高さを低くできるので、介護者等がトイレ装置100を使用する際の使い勝手を向上できる。
【0047】
トイレ装置100は、圧送タンク3に圧縮空気を供給するエアコンプレッサ6が設けられる。圧送タンク3は、入口側となる一方の端部側とエアコンプレッサ6が空気供給管3bにより接続される。また、圧送タンク3は、出口側となる他方の端部側に排出配管3cが接続される。排出配管3cは、排出管102が着脱可能に接続される排出ジョイント部3dが設けられ、排出管102を排出ジョイント部3dに接続することで、排出配管3cを通して圧送タンク3と排出管102が接続される。
【0048】
トイレ装置100は、空気供給管3bに圧力センサ60が設けられる。トイレ装置100は、粉砕機構部2の排出口21Aを開くことで流動体が圧送タンク3に送られ、排出口21Aを閉じた後、エアコンプレッサ6が駆動されて圧縮空気が空気供給管3bから圧送タンク3に供給される。
【0049】
圧縮空気が圧送タンク3に供給されると、圧送タンク3内の流動体は、空気の圧力で排出管102からトイレ5の既設の便器51へ圧送されて、トイレ装置100から排出される。
【0050】
トイレ装置100は、エアコンプレッサ6が駆動されると、圧力センサ60で検知される空気圧を監視し、流動体の空気による圧送が終了したか否かを判断する。また、排出管102の詰まり等で、流動体が正常に圧送できない状態であるか否かを判断する。
【0051】
トイレ装置100は、空気供給管3bを分岐して粉砕機構部2の粉砕容器2Aと接続されるエア抜き管3eが設けられ、エア抜き管3eを開閉するエア抜き電磁弁61が設けられる。トイレ装置100は、粉砕機構部2から圧送タンク3に流動体を送る搬送動作でエア抜き電磁弁61を開いて、圧送タンク3内の空気を粉砕容器2Aに逃がすことで、流動体が圧送タンク3に流れやすくしている。
【0052】
また、トイレ装置100は、圧力センサ60で検知される空気圧が規定の値以上となると、エア抜き電磁弁61を開くことで、空気を粉砕容器2Aに逃がすことができる構成となっている。
【0053】
トイレ装置100は、給水タンク4に給水配管4aが接続される。給水配管4aは、給水管101が着脱可能に接続される給水ジョイント部4bが設けられ、給水管101を給水ジョイント部4bに接続することで、給水配管4aを通して給水タンク4と給水管101が接続される。
【0054】
トイレ装置100は、給水タンク4に接続される給水配管4aに、給水タンク4への給水の有無を切り換えるタンク電磁弁40aと、給水タンク4への給水量を検知する第1の流量センサ40bが設けられる。
【0055】
給水タンク4は、便器本体1と洗浄水供給管41で接続され、便器本体1への給水の有無を切り換える洗浄水弁42と、洗浄水弁42を開閉する洗浄水弁モータ43が設けられる。
【0056】
また、トイレ装置100に便座1bとして温水洗浄便座装置1cが設置される構成では、タンク電磁弁40aの上流側で給水配管4aから便座用給水配管4cが分岐され、便座用給水配管4cが温水洗浄便座装置1cと接続される。便座用給水配管4cには、温水洗浄便座装置1cへの給水の有無を切り換える便座電磁弁44aと、温水洗浄便座装置1cへの給水量を検知する第2の流量センサ44bが設けられる。
【0057】
トイレ装置100は、マイクロコンピュータ等で構成される制御装置110と、操作ボタン等を有した操作部111が設けられる。制御装置110は制御手段の一例で、便座蓋開閉検知センサ10Sで検知される便座蓋1aの開閉動作、または、操作部111の操作に応じて、粉砕動作の準備動作、便器本体1の洗浄動作、処理対象物の粉砕動作、流動体の搬送動作、流動体の圧送動作、便器本体1と粉砕機構部2等のすすぎ準備動作及びすすぎ動作を、所定のプログラム及び上述した各センサ及びスイッチのから入力される信号に基づき実行する。
【0058】
また、制御装置110は、処理対象物が通る経路に設けた弁部材の開閉を検出し、弁部材が正常に開閉できないと判断すると、所定のエラー処理を実行する。すなわち、制御装置110は、投入口開位置検出スイッチ16S1と投入口閉位置検出スイッチ16S2から入力される信号に基づき、仕切り弁13の開閉状態を監視する。
【0059】
制御装置110は、仕切り弁13を開く動作で正常に開くことができないと判断すると、エラー処理として、仕切り弁13の動作方向を閉方向に反転させて、仕切り弁13を開閉するリトライ動作を行う。また、仕切り弁13を閉じる動作で正常に閉じることができないと判断すると、仕切り弁13の動作方向を開方向に反転させて、仕切り弁13を開閉するリトライ動作を行う。
【0060】
そして、制御装置110は、仕切り弁13の開閉方向を反転させるリトライ動作を行い、リトライ動作でも仕切り弁13が正常に開閉できないと判断すると、動作を停止する。
【0061】
あるいは、制御装置110は、仕切り弁13を開閉する動作で正常に開閉できないと判断すると、エラー処理として、リトライ動作を行わずに動作を停止する。
【0062】
また、制御装置110は、排出弁開位置検出スイッチ23S1と排出弁閉位置検出スイッチ23S2から入力される信号に基づき、排出弁20Gの開閉状態を監視する。
【0063】
制御装置110は、排出弁20Gを開く動作で正常に開くことができないと判断すると、エラー処理として、排出弁20Gの動作方向を閉方向に反転させて、排出弁20Gを開閉するリトライ動作を行う。また、排出弁20Gを閉じる動作で正常に閉じることができないと判断すると、排出弁20Gの動作方向を開方向に反転させて、排出弁20Gを開閉するリトライ動作を行う。
【0064】
そして、制御装置110は、排出弁20Gの開閉方向を反転させるリトライ動作を行い、リトライ動作でも排出弁20Gが正常に開閉できないと判断すると、動作を停止する。
【0065】
あるいは、制御装置110は、排出弁20Gを開閉する動作で正常に開閉できないと判断すると、エラー処理として、リトライ動作を行わずに動作を停止する。
【0066】
更に、制御装置110は、粉砕機構部2において回転粉砕歯2Cを駆動する粉砕用モータ20Fの負荷を検出し、負荷に基づいたエラー処理を実行する。また、負荷に基づいた動作最適化制御を実行する。
【0067】
粉砕用モータ20Fに掛かる負荷は、粉砕用モータ20Fの回転、粉砕用モータ20Fの電流値等を監視することで検出される。例えば、粉砕機構部2に取り込まれた処理対象物が大きい、固いといったような場合、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの相対回転動作で回転粉砕歯2Cに大きな反力が掛かる。よって、所定の駆動電流で粉砕用モータ20Fを駆動した場合における粉砕用モータ20Fの回転数が低くなる。
【0068】
一方、処理対象物が流動体になってくると、回転粉砕歯2Cに掛かる反力が小さくなる。よって、高負荷時に比較して粉砕用モータ20Fの回転数が高くなる。従って、粉砕用モータ20Fの回転数が低ければ負荷が高いと判断し、回転数が高ければ負荷が低いと判断する。
【0069】
また、回転粉砕歯2Cに大きな反力が掛かり、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が高くなると、粉砕用モータ20Fの電流値が高くなり、回転粉砕歯2Cに掛かる反力が小さくなり、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が低くなると、高負荷時に比較して粉砕用モータ20Fの電流値が低くなる。従って、粉砕用モータ20Fの電流値が高ければ負荷が高いと判断し、電流値が低ければ負荷が低いと判断する。
【0070】
更に、粉砕用モータ20Fがブラシレスモータである構成では、図5に示す励磁切替から次のセンサがONするまでの時間が長い場合は、負荷が高いと判断する。回転粉砕歯2C等がロックして粉砕用モータ20Fが回転不能になった場合、センサの切り替わり時間の判定で検出できる。
【0071】
また、粉砕用モータ20Fが回転可能である場合は、粉砕用モータ20Fを回転させてセンサの切り替わりの時間を加算して平均値を算出することで、単位時間当たりの回転角度から粉砕用モータ20Fの回転数を求めることができる。そして、所定の回転数に到達するまでに掛かった時間で負荷を検出することもできる。
【0072】
制御装置110は、粉砕動作で粉砕用モータ20Fに掛かる負荷に基づき、回転粉砕歯2Cが正常に回転できないと判断すると、所定のエラー処理を実行する。制御装置110は、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が、通常時より高いと判断できる所定の状態であると、エラー処理を実行する。
【0073】
本例では、粉砕動作を開始した後、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が所定の過負荷の状態であると、粉砕用モータ20Fが正常に回転ができない状態であると判断し、制御装置110は、エラー処理として、粉砕用モータ20Fの回転方向を逆転させるリトライ動作を行う。
【0074】
そして、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの回転方向を逆転させるリトライ動作を行い、リトライ動作でも粉砕用モータ20Fが正常に回転できないと判断すると、動作を停止する。
【0075】
あるいは、制御装置110は、粉砕動作で粉砕用モータ20Fを正常に回転できないと判断すると、エラー処理として、リトライ動作を行わずに動作を停止する。粉砕用モータ20Fがブラシレスモータである構成では、回転粉砕歯2C等がロックして粉砕用モータ20Fが回転不能になった場合、センサの切り替わり時間の判定で検出できるので、粉砕用モータ20Fが回転不能になってから微小な時間で粉砕用モータ20Fの駆動を停止できる。
【0076】
制御装置110は、粉砕動作で粉砕用モータ20Fに掛かる負荷の低下に基づき、処理対象物が搬送動作に適した所定の流動体になったか否かを判断し、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が所定の動作停止値になったと判断すると、動作最適化制御として粉砕動作を停止する。
【0077】
また、制御装置110は、粉砕動作を停止するタイミングを検出する粉砕用モータ20Fに掛かる負荷の低下に基づいて、すすぎ動作の最適化制御を行う。本例では、制御装置110は、搬送動作で粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が所定の動作停止値に低下するまでの時間に基づいて、すすぎ動作で便器本体1に供給する洗浄水の水量及び回転粉砕歯3Cを駆動するすすぎ動作の時間を設定する。
【0078】
<本実施の形態のトイレ装置の粉砕機構部の構成例>
図6は、本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す斜視図、図7及び図8は、本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す側断面図、図9は、本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す要部側断面図、図10は、本実施の形態の粉砕機構部の一例を示す分解斜視図である。
【0079】
また、図11は、本実施の形態の固定粉砕歯の一例を示す斜視図、図12は、本実施の形態の固定粉砕歯の一例を示す要部拡大斜視図、図13(a),図13(b)は、本実施の形態の回転粉砕歯の一例を示す斜視図である。次に、各図を参照して、本実施の形態の粉砕機構部の2の詳細について説明する。
【0080】
粉砕機構部2は、処理対象物が洗浄水とともに取り込まれる粉砕容器2Aと、洗浄水とともに粉砕容器2Aに取り込まれた処理対象物を粉砕して流動体と成す一対の固定粉砕歯2B及び回転粉砕歯2Cと、回転粉砕歯2Cを支持する軸2Dと、固定粉砕歯2B及び回転粉砕歯2Cの相対回転動作で粉砕容器2A内に水流を発生させる仕切り部材2Eを備える。
【0081】
粉砕機構部2は、円筒形状の粉砕容器2Aの底部に円盤状の固定粉砕歯2Bが設けられ、固定粉砕歯2Bの上側に円盤状の回転粉砕歯2Cが設けられる。粉砕容器2Aは、固定粉砕歯2Bの外周と粉砕容器2Aの内周面との間の底部で、粉砕容器2Aの周辺部に排出溝20Aが設けられ、有底状を成している。
【0082】
粉砕容器2Aは、排出溝20Aと繋がる内周面に排出口21Aが設けられる。排出溝20Aは、排出口21Aに対して直径方向に対向する位置から、固定粉砕歯2Bの外周に沿った円周方向に、排出口21Aに向かって下降する方向に傾斜しており、流動体等を排出口21Aに向かって流す構成である。
【0083】
粉砕容器2Aは、内部に回転粉砕歯2C及び仕切り部材2E等の部品を取り付けられるようにするため、図10に示すように上面が開口した構成で、開口した上面を塞ぐ蓋部22Aが設けられる。蓋部22Aは、粉砕容器2Aの上面の形状に合わせた円板形状で、中心から所定の方向に偏らせた位置に投入口23Aが設けられる。
【0084】
投入口23Aは、蓋部22Aの表裏を貫通する本例では円形の開口で、蓋部22Aが粉砕容器2Aに取り付けられると、図8に示すように、粉砕容器2Aの径方向に沿って、排出口21Aと対向する位置に配置される。粉砕容器2Aと蓋部22Aは、水密性を保持できるように、例えば、粉砕容器2Aの上面に設けた溝部にOリング等の封止部材24Aが嵌められ、封止部材24Aが径方向に押しつぶされるようにして、蓋部22Aが取り付けられる。蓋部22Aと粉砕容器2Aは、例えば、蓋部22Aの円周方向に沿った複数個所を、図示しないネジ等で粉砕容器2Aに固定できるようにして、蓋部22Aの円周方向に沿った全体で、水密性が得られるようにする。
【0085】
粉砕容器2Aは、底部の本例では中心に、回転粉砕歯2Cが取り付けられる軸2Dを支持する軸支持部26Aが設けられ、蓋部22Aの本例では中心に、軸2Dを支持する軸支持部27Aと、軸2Dが通る軸穴部28Aが設けられる。
【0086】
更に、粉砕容器2Aは、内周面の所定の位置に、仕切り部材2Eが取り付けられる取付溝部29Aが設けられる。取付溝部29Aは、後述するように、仕切り部材2Eの形状に合わせて、本例では粉砕容器2Aの径方向に対向する2箇所と、排出口21Aの上部の1箇所に設けられる。
【0087】
粉砕容器2Aと固定粉砕歯2Bは、例えば一体の構成でも良いし、独立した部品を組み合わせた構成でも良い。トイレ装置100では、処理対象物が主に排泄された汚物やトイレットペーパであるので、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cを樹脂材料で構成することができる。また、粉砕容器2Aも樹脂材料で構成することができる。
【0088】
そこで、粉砕容器2Aと固定粉砕歯2Bを、樹脂材料で一体の構成としても良い。粉砕容器2Aと固定粉砕歯2Bが一体の構成では、粉砕容器2Aの底部に排出溝20Aと所定の形状の固定粉砕歯2Bと軸支持部26Aが一体で成形される。
【0089】
一方、粉砕容器2Aと固定粉砕歯2Bが独立した部品を組み合わせた構成では、粉砕容器2Aの底部に排出溝20Aと固定粉砕歯2Bの図示しない取付部と軸支持部26Aが一体で成形され、固定粉砕歯2Bが粉砕容器2Aの底部に回転不可及び上下方向に移動不可能に固定される。粉砕容器2Aと固定粉砕歯2Bが独立した部品を組み合わせた構成では、粉砕容器2Aを樹脂材料で構成すると共に、固定粉砕歯2B及び回転粉砕歯2Cを粉砕容器2Aと異なる材料、例えば金属材料で構成することもできる。
【0090】
固定粉砕歯2Bは粉砕歯の一例で、回転粉砕歯2Cと対向する上面に歯部20Bと溝部21Bと取込部22Bが設けられる。歯部20Bは、図11等に示すように、断面形状が本例では下辺より上辺が短い台形で、円盤状の固定粉砕歯2Bの内周側から外周側へ延びる複数の凸部を円周方向に並べて形成され、溝部21Bは、歯部20Bの間の凹部で形成される。取込部22Bは、固定粉砕歯2Bの内周側の所定の領域に、歯部20B及び溝部21Bを非形成とした非凹凸面を設けて構成される。
【0091】
固定粉砕歯2Bは、直線状に延在する歯部20Bと溝部21Bが、円周方向に沿った所定の領域毎に、所定の本数ずつ放射方向に沿って平行に配置される。固定粉砕歯2Bは、径方向に対向する領域では、歯部20Bと溝部21Bが同じ向きで配置され、円周方向に隣接する領域では、一方の領域の歯部20B及び溝部21Bに対して他方の領域の歯部20B及び溝部21Bが放射方向に対して傾斜する向きで配置される。
【0092】
各領域毎の歯部20Bと溝部21Bは、固定粉砕歯2Bの径方向に沿った長さが、固定粉砕歯2Bの円盤形状に合わせて、円周方向に沿った一の方向から他の方向に向けて短くなる構成で、固定粉砕歯2Bの上面において、取込部22Bの外周側の歯部20B及び溝部21Bが設けられる歯部形成領域では、円周方向に歯部20Bと溝部21Bが設けられていない領域が少なくなるように配置される。
【0093】
固定粉砕歯2Bは、歯部20Bに誘導溝23Bが設けられる。誘導溝23Bは誘導手段の一例で、固定粉砕歯2Bの円周方向に沿って延びる複数の溝部が、固定粉砕歯2Bの径方向に沿って形成される。誘導溝23Bの深さは、図12に示すように、歯部20Bの間の溝部21Bより浅く構成され、誘導溝23Bの底部と溝部21Bの底面との間に、溝部21Bの底面に対し誘導溝23Bの底部が高い凸状の段差が形成される。
【0094】
固定粉砕歯2Bの円周方向に沿った誘導溝23Bの形状は、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの相対回転の中心に対して同心の円弧状とする。固定粉砕歯2Bの円周方向に沿った誘導溝23Bの他の形状としては、相対回転の軌跡に対して傾斜した円弧状でも良い。また、相対回転の接線方向に沿った直線状でも良いし、接線方向に対して傾斜した直線状でも良い。
【0095】
誘導溝23Bの断面形状は、V状とする。誘導溝23Bの他の断面形状としては、下辺より上辺が長い逆台形状でも良いし、矩形でもよい。また、誘導溝23Bの側面の上下方向に沿った形状は、平面状でも良いし曲面状でも良い。
【0096】
固定粉砕歯2Bは、溝部21Bに誘導突起24Bが設けられる。誘導突起24Bは誘導手段の一例で、固定粉砕歯2Bの内周側から内周側へ延在する溝部21Bの所定の位置に、溝部21Bの底面より突出し、歯部20Bより高さが低い凸状部材を設けて形成される。
【0097】
固定粉砕歯2Bは、図7及び図8に示すように、取込部22Bと歯部20B及び溝部21Bが、固定粉砕歯2Bの内周側から外周側へ向けて高さが低くなる方向に傾斜して、回転粉砕歯2Cと対向する上面が、内周側より外周側が低い凸状を成して略円錐状となっており、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に取り込まれた流動体等が、固定粉砕歯2B及び回転粉砕歯2Cの内周側から外周側へ流れる構成となっている。
【0098】
回転粉砕歯2Cは粉砕歯の一例で、図13(a)に下側から見た斜視図で示すように、固定粉砕歯2Bと対向する下面に歯部20Cと溝部21Cが設けられる。歯部20Cは、断面形状が本例では下辺より上辺が短い台形で、円盤状の回転粉砕歯2Cの内周側から外周側へ延びる複数の凸部を円周方向に並べて形成され、溝部21Cは、歯部20Cの間の凹部で形成される。
【0099】
回転粉砕歯2Cは、直線状に延在する歯部20Cと溝部21Cが、円周方向に沿った所定の領域毎に、所定の本数ずつ放射方向に沿って平行に配置される。回転粉砕歯2Cは、径方向に対向する領域では、歯部20Cと溝部21Cが同じ向きで配置され、円周方向に隣接する領域では、一方の領域の歯部20C及び溝部21Cに対して他方の領域の歯部20C及び溝部21Cが放射方向に対して傾斜する向きで配置される。
【0100】
各領域毎の歯部20Cと溝部21Cは、回転粉砕歯2Cの径方向に沿った長さが、回転粉砕歯2Cの円盤形状に合わせて、円周方向に沿った一の方向から他の方向に向けて短くなる構成で、回転粉砕歯2Cの下面において、歯部20C及び溝部21Cが設けられる歯部形成領域では、円周方向に歯部20Cと溝部21Cが設けられていない領域が少なくなるように配置される。
【0101】
なお、本例では、図13(b)に上側から見た斜視図で示すように、回転粉砕歯2Cの上面に、歯部20Cの配置に合わせて凹部が形成されている。これは、回転粉砕歯2Cの製造工程で、回転粉砕歯2Cの歪み等の発生を抑えるために設けられるもので、回転粉砕歯2Cの上面は非凹凸面であっても良い。
【0102】
回転粉砕歯2Cは、固定粉砕歯2Bの取込部22Bと対向する内周側の所定の領域に吸込口22Cが設けられる。吸込口22Cは、回転粉砕歯2Cの中心部に設けられるハブ23Cと、歯部20C及び溝部21Cが設けられる部位を繋ぐ複数の腕部24Cの間に、回転粉砕歯2Cの上面から下面まで貫通する開口を設けて構成される。
【0103】
回転粉砕歯2Cは、軸2Dが取り付けられる軸取付穴部25Cがハブ23C中心に設けられる。軸取付穴部25Cは、軸2Dに設けた動力伝達面20Dの形状に合わせて平面と円周面を組み合わせた形状の貫通穴をハブ23Cに設けて構成される。
【0104】
回転粉砕歯2Cは、図7及び図8に示すように、歯部20C及び溝部21Cが、回転粉砕歯2Cの内周側から外周側へ向けて高さが低くなる方向に傾斜して、固定粉砕歯2Bと対向する下面が、固定粉砕歯2Bの凸状に倣うように、内周側より外周側が低い凹状を成して略逆円錐状となっており、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に取り込まれた流動体等が、固定粉砕歯2B及び回転粉砕歯2Cの内周側から外周側へ流れる構成となっている。
【0105】
軸2Dは、軸方向に沿った中間部分に動力伝達面20Dが設けられる。動力伝達面20Dは、軸2Dの円周面の一部を平面状として構成され、本例では、軸2Dの径方向に対向する2箇所に動力伝達面20Dが設けられる。動力伝達面20Dは、軸2Dの軸方向に沿った長さが、回転粉砕歯2Cのハブ23Cの厚さより所定量長く構成される。
【0106】
動力伝達面20Dが設けられた部位の軸2Dの外径と、回転粉砕歯2Cの軸取付穴部25Cの内径の関係は、軸2Dが回転粉砕歯2Cの軸取付穴部25Cに挿入されると、軸2Dの動力伝達面20Dが軸取付穴部25Cの平面と接し、かつ、回転粉砕歯2Cが軸2Dの軸方向に沿って移動可能に構成される。
【0107】
これにより、回転粉砕歯2Cは、軸2Dに対して回転が不可能な状態で支持され、軸2Dの回転動作が回転粉砕歯2Cに伝達される。また、回転粉砕歯2Cは、軸2Dに対して動力伝達面20Dの範囲で軸方向に沿って移動可能に支持される。
【0108】
固定粉砕歯2Bは、粉砕容器2Aと一体または粉砕容器2Aに固定され、回転粉砕歯2Cは、図9に破線で示すように、軸2Dの動力伝達面20Dの範囲で固定粉砕歯2Bに対して上下動が可能であり、固定粉砕歯2Bの歯部20Bと回転粉砕歯2Cの歯部20Cの間に誘導隙間Dが形成されるようにして、誘導手段が構成される。
【0109】
軸2Dは、動力伝達面20Dの下側に、軸2Dの軸方向に沿った下端部分を中間部分より径が細い円柱形状として、軸方向に段差が形成される軸受支持部21Dが設けられる。また、軸2Dは、動力伝達面20Dが設けられる中間部分の上側に、軸2Dの軸方向に沿った上端部分を中間部分より径が細い円柱形状として、軸方向に段差が形成される軸受支持部22Dが設けられ、軸受支持部22Dの上側に、円周面の一部を平面状とした動力伝達部23Dが設けられる。
【0110】
軸2Dは、粉砕容器2Aの軸支持部26Aに挿入された軸受24Dに、軸受支持部21Dが挿入されて、粉砕容器2Aの底部に回転可能に支持される。軸受24Dは、本例では、粉砕容器2Aの軸支持部26Aに挿入される外径と軸2Dの軸受支持部21Dが挿入される内径を有し、摩擦係数の低い材質で構成された円筒状の部材で、外周面に設けた溝にOリング等の封止部材24Daが嵌められて外周側に封止構造を有する。また、粉砕容器2Aの軸支持部26Aは、軸2Dが貫通するような開口を設けないことで、粉砕容器2Aの底部に設けられる軸支持部26Aからの水漏れを防ぐ構成となっている。
【0111】
軸2Dは、軸受支持部22Dに軸受25Dと軸受26Dが挿入され、軸受25Dと軸受26Dが蓋部22Aの軸支持部27Aに挿入されて、動力伝達部23Dが軸穴部28Aから突出する形態で、蓋部22Aに回転可能に支持される。動力伝達部23Dには、図1に示す第2の大プーリ23Fが取り付けられる。
【0112】
軸受25Dは、本例では、蓋部22Aの軸支持部27Aに挿入される外径と軸2Dの軸受支持部22Dが挿入される内径を有した円筒状の部材で、外周面に設けた溝にOリング等の封止部材25Daが嵌められると共に、内周面に設けた溝にOリング等の封止部材25Dbが嵌められて外周側と内周側の両方に封止構造を有する。
【0113】
軸受25Dの上側に配置される軸受26Dは、本例ではボールベアリングで構成され、軸受25Dが外周側と内周側の両方に封止構造を持つことで、軸受26Dに対して封止構造となると共に、蓋部22Aの軸穴部28Aからの水漏れを防ぐ構成となっている。このように、回転粉砕歯2Cが取付けられた軸2Dが、粉砕容器2Aの軸支持部26A及び蓋部22Aの軸支持部27Aにそれぞれ軸受を介して支持されると、軸2Dは回転可能で、かつ、上下方向の移動は規制される。
【0114】
仕切り部材2Eは、回転粉砕歯2Cの上面で粉砕容器2A内を仕切る仕切り板20Eと、仕切り板20Eを支持する支持板21Eを備える。仕切り板20Eは、回転粉砕歯2Cの回転動作により発生する円周方向の水流を、回転粉砕歯2Cの内周側に設けた吸込口22Cに向ける配置で、回転粉砕歯2Cの径方向に粉砕容器2Aの内部を仕切る位置に設けられる。
【0115】
仕切り板20Eは、本例では、粉砕容器2Aの中心に設けられる軸2Dに対して偏らせた位置で蓋部22Aに設けられた投入口23Aと、粉砕容器2Aの径方向に沿って投入口23Aと対向する位置で粉砕容器2Aに設けられた排出口21Aの間で、回転粉砕歯2Cの径方向に粉砕容器2Aの内部を仕切る位置に設けられる。
【0116】
粉砕容器2Aは、仕切り板20Eで仕切られた投入口23Aが設けられる側の空間で、洗浄水とともに処理対象物が取り込まれる取込空間22Eが形成される。トイレットペーパ等のある程度大きな処理対象物を取り込めるようにするため、取込空間22Eを大きくし、かつ、回転粉砕歯2Cの回転動作により発生する円周方向の水流を、回転粉砕歯2Cの吸込口22Cに向けるためには、粉砕容器2Aを径方向の略中心で仕切るように仕切り板20Eを設けることが望ましい。一方、粉砕容器2Aの中心には回転粉砕歯2Cの軸2Dが設けられる。
【0117】
そこで、本例では、仕切り板20Eが延在する長手方向の中央部近傍を、軸2Dを退避する形状に湾曲させて、仕切り板20Eと軸2Dの間に隙間が形成される退避部23Eが設けられる。退避部23Eは、軸2Dに対して投入口23Aが設けられる側の反対に仕切り板20Eを湾曲させる形状とすることで、取込空間22Eを大きくし、かつ、回転粉砕歯2Cの吸込口22Cから吸い込まれる水流が発生しやすくする。
【0118】
仕切り部材2Eは、仕切り板20Eの長手方向の両端部が、粉砕容器2Aの内周面で径方向に対向させて設けた取付溝部29Aに挿入されて、粉砕容器2Aに支持される。また、仕切り板20Eの長手方向の中央部に支持板21Eの一方の端部が取り付けられ、支持板21Eの他方の端部が、粉砕容器2Aの内周面で排出口21Aの上部に設けた取付溝部29Aに挿入されて、粉砕容器2Aに支持される。
【0119】
このように、長手方向の両端が支持される仕切り板20Eの中央部を支持板21Eで支持して、仕切り部材2Eを粉砕容器2Aの内周面の3箇所で支持することで、板状の仕切り板20Eの強度を、軸2Dで仕切り板を支持する構成とすることなく向上させている。
【0120】
仕切り部材2Eは、仕切り板20Eと回転粉砕歯2Cの間に、回転粉砕歯2Cの回転動作により発生する水流の一部を通す導水部24Eが設けられる。導水部24Eは、回転粉砕歯2Cの歯部20C及び溝部21Cの非形成面である上面と対向する仕切り板20Eの下面と回転粉砕歯2Cの上面の間に、洗浄水とともに取り込まれた処理対象物及び粉砕途中の処理対象物で、所定の大きさより小さいものが通るような隙間を設けて構成される。
【0121】
上述したように、回転粉砕歯2Cは、軸2Dに沿って固定粉砕歯2Bに対して上下動が可能であり、回転粉砕歯2Cの上下方向の可動範囲に対し、導水部24Eによる隙間を大きく構成することで、回転粉砕歯2Cが可動範囲の上限まで上昇しても、仕切り板20Eと回転粉砕歯2Cの間に導水部24Eが形成されるようになっている。
【0122】
なお、支持板21Eは、仕切り板20Eを支持する強度が保てれば良いので、支持板21Eと回転粉砕歯2Cの上面との間には、水流の妨げにならないように、導水部24Eと比較して大きな空間が形成されるように支持板21Eの下面に開口が設けられる。
【0123】
仕切り部材2Eは、仕切り板20Eと粉砕容器2Aの上面を塞ぐ蓋部22Aの間に付着抑制部25Eが設けられる。付着抑制部25Eは、回転粉砕歯2Cとの非対向部位である仕切り板20Eの上面に、仕切り板20Eが延在する長手方向の両端側から中央へ向かって仕切り板20Eの高さが低くなり、回転粉砕歯2Cの回転動作で発生する水流が弱い回転粉砕歯2Cの内周側で仕切り板20Eと蓋部22Aとの隙間が広がる傾斜を設けて構成される。
【0124】
<本実施の形態のトイレ装置の動作例>
図14は、本実施の形態のトイレ装置の動作の一例を示すタイムチャートで、次に、各図を参照して本実施の形態のトイレ装置の動作について説明する。
【0125】
トイレ装置100では、便座蓋1aの操作及び操作部111の操作が制御装置110で監視され、操作に応じて処理が実行される。トイレ装置100では、便座蓋1aが開くと、例えば、便座蓋開閉検知センサ10Sの出力がOFFからONに変化することで、便座蓋1aが開いたことを示す便座蓋開信号が便座蓋開閉検知センサ10Sから制御装置110に入力される。
【0126】
制御装置110は、便座蓋開信号が入力されると、準備動作を実行する。準備動作では、制御装置110は、便座蓋開信号が入力され便座蓋1aが開いたことを検知して所定の待機時間が経過すると、タンク電磁弁40aを開く。また、温水洗浄便座装置1cが取り付けられた構成では、便座電磁弁44aを開く。
【0127】
タンク電磁弁40aが開くと、給水タンク4に水(上水)が供給されることで給水タンク4に水が溜められると共に、給水タンク4へ給水されていることを示す給水検知信号が第1の流量センサ40bから制御装置110に入力される。一方、温水洗浄便座装置1cは、制御装置110での制御と独立した制御が行われており、便座電磁弁44aを開いても、温水洗浄便座装置1cでの洗浄動作が開始されなければ、温水洗浄便座装置1cに水(上水)は供給されず、第2の流量センサ44bでは給水が検知されず、便座水未検知信号が制御装置110に入力され続ける。
【0128】
制御装置110は、タンク電磁弁40aを開いて給水時間t1が経過すると、タンク電磁弁40aを閉じる。タンク電磁弁40aを閉じると、給水タンク4への給水が停止され、第1の流量センサ40bで給水が検知されなくなることで、給水が停止したことを示す給水未検知信号が第1の流量センサ40bから制御装置110に入力される。
【0129】
温水洗浄便座装置1cでの洗浄動作が開始されると、温水洗浄便座装置1cへの給水が開始されることで、温水洗浄便座装置1cへ給水されていることを示す便座水検知信号が第2の流量センサ44bから制御装置110に入力される。
【0130】
温水洗浄便座装置1cでの洗浄動作が終了すると、温水洗浄便座装置1cへの水の供給が停止し、第2の流量センサ44bから便座水未検知信号が制御装置110に入力される。
【0131】
便座蓋1aが閉じると、便座蓋1aが閉じたことを示す便座蓋閉信号が便座蓋開閉検知センサ10Sから制御装置110に入力される。制御装置110は、便座蓋閉信号が入力されると、便器洗浄動作を実行する。
【0132】
便器洗浄動作では、制御装置110は、便座蓋閉信号が入力され便座蓋1aが閉じたこと検知して所定の待機時間が経過すると、洗浄水弁モータ43を駆動して洗浄水弁42を開く。洗浄水弁モータ43には、図示しないセンサが設けられ、洗浄水弁42の開閉が検知される。
【0133】
また、便器洗浄動作では、制御装置110は、便座蓋閉信号が入力され便座蓋1aが閉じたこと検知して所定の待機時間が経過すると、投入口モータ16Mを駆動して、仕切り弁13を全開にする。
【0134】
制御装置110は、仕切り弁13を開閉する動作で、投入口開位置検出スイッチ16S1と投入口閉位置検出スイッチ16S2から入力される信号に基づき、仕切り弁13の開閉状態を監視する。
【0135】
仕切り弁13が開くと、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉未検知信号が制御装置110に入力される。仕切り弁13が全開になると、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開検知信号が制御装置110に入力される、これにより、制御装置110は、仕切り弁13が全開したことを検知可能となる。
【0136】
便器洗浄動作では、洗浄水弁42が開くことで、給水タンク4から便器本体1に洗浄水が供給される。また、仕切り弁13が開くことで、便器本体1で受容された排泄された汚物、トイレットペーパ、または汚物とトイレットペーパ等処理対象物が、洗浄水と共に粉砕機構部2の粉砕容器2Aに取り込まれる。
【0137】
そして、洗浄水弁42を開く動作と、仕切り弁13を開く動作をほぼ同時とすることで、洗浄水を仕切り弁13に当てながら、仕切り弁13を開くことができ、仕切り弁13の上面を洗浄水で洗浄可能となる。
【0138】
制御装置110は、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開検知信号が入力された後、取込時間t2が経過すると、投入口モータ16Mを駆動して、仕切り弁13を全閉にする。
【0139】
仕切り弁13が閉じる動作を開始すると、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開未検知信号が制御装置110に入力された後、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉検知信号が制御装置110に入力されることで、制御装置110は、仕切り弁13が閉じたことを検知する。
【0140】
制御装置110は、投入口開位置検出スイッチ16S1と投入口閉位置検出スイッチ16S2から入力される信号に基づき、仕切り弁13が正常に開閉できないと判断すると、エラー処理を実行する。
【0141】
図15は、弁部材の開閉状態監視動作の一例を示すフローチャートであり、次に、弁部材の一例として、仕切り弁13の開閉状態の監視及び開閉状態に基づくエラー処理について説明する。
【0142】
制御装置110は、仕切り弁13を開く動作では、図15のステップSA1で、リトライ動作の回数をカウントするリトライカウンタを「0」にセットし、ステップSA2で、開閉監視時間をカウントするタイマカウンタをクリアする。
【0143】
制御装置110は、図15のステップSA3で、仕切り弁13が開く方向に開閉モータである投入口モータ16Mの駆動を開始する。制御装置110は、仕切り弁13を開く動作を開始すると、ステップSA4で、弁部材が開いたことを検出する開センサがONとなるか、本例では、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開検知信号が入力されるか監視する。
【0144】
制御装置110は、図15のステップSA4で、所定の開閉監視時間内に投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開検知信号が入力されると、仕切り弁13が正常に開いたと判断し、監視処理を終了する。
【0145】
これに対し、制御装置110は、図15のステップSA4で、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開検知信号が入力されないと、ステップSA5で、タイマカウンタが規定値以上となり、開閉監視時間を超過したか判断する。制御装置110は、ステップSA5で開閉監視時間を超過していない場合は、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開検知信号が入力されるか否かの監視を継続する。
【0146】
制御装置110は、ステップSA5で、タイマカウンタが規定値以上となり、開閉監視時間を超過したと判断すると、図15のステップSA6で、投入口モータ16Mの駆動を停止する。
【0147】
制御装置110は、ステップSA6で投入口モータ16Mの駆動を停止すると、図15のステップSA7で、リトライカウンタが規定値以上となり、リトライ動作の回数がリトライ回数上限値を超過したか判断する。
【0148】
制御装置110は、ステップSA7で、リトライカウンタが規定値以上となり、リトライ動作の回数がリトライ回数上限値を超過したと判断すると、エラー処理として動作を停止し、ユーザに報知を行う。
【0149】
制御装置110は、ステップSA7でリトライ動作の回数がリトライ回数上限値を超過していないと判断すると、図15のステップSA8で、タイマカウンタをクリアする。
【0150】
制御装置110は、ステップSA7でリトライ動作の回数がリトライ回数上限値を超過していないと判断すると、リトライ動作を行うため、図15のステップSA9で、仕切り弁13が閉じる方向に投入口モータ16Mの駆動を開始する。
【0151】
制御装置110は、仕切り弁13を閉じる動作を開始すると、ステップSA10で、弁部材が閉じたことを検出する閉センサがONとなるか、本例では、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉検知信号が入力されるか監視する。
【0152】
制御装置110は、図15のステップSA10で、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉検知信号が入力されると、リトライ動作で仕切り弁13が閉じたと判断し、ステップSA11でリトライカウンタを「1」加算し、ステップSA2でタイマカウンタをクリアし、ステップSA3の処理に戻る。
【0153】
制御装置110は、図15のステップSA10で、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉検知信号が入力されないと、ステップSA12で、タイマカウンタが規定値以上となり、開閉監視時間を超過したか判断する。制御装置110は、ステップSA12で開閉監視時間を超過していない場合は、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉検知信号が入力されるか否かの監視を継続する。
【0154】
制御装置110は、ステップSA12で、タイマカウンタが規定値以上となり、開閉監視時間を超過したと判断すると、エラー処理として動作を停止し、ユーザに報知を行う。
【0155】
以上の動作で、仕切り弁13が固着しており開閉できないような場合に、仕切り弁13を開く方向と閉じる方向の両方に動かすことで、固着が剥離するような力を加えることができる。これにより、仕切り弁13が固着しており開閉できないような場合に、これを開閉することができるようになる。
【0156】
一方、仕切り弁13が開かない場合に、リトライ動作を行っても仕切り弁13を開くことができない場合は、エラー処理で動作を停止して、次の処理に進まないようにすることで、仕切り弁13が開かない状態で便器本体1に洗浄水が供給され、洗浄水等が溢れ出すこと防止できる。
【0157】
また、仕切り弁13が閉じない場合に、リトライ動作を行っても仕切り弁13を閉じることができない場合は、エラー処理で動作を停止して、次の処理に進まないようにすることで、仕切り弁13が閉じない状態で、後述する粉砕処理が行われ、処理対象物等が便器本体1内に溢れ出すことを防止できる。
【0158】
ここで、図15では、開閉弁を開く動作について説明しているが、開閉弁を閉じる場合は、ステップSA3とステップSA9で開閉モータの回転方向を逆に読み替えると共に、ステップSA4の開センサを閉センサに読み替え、ステップSA10の閉センサを開センサに読み替えれば対応可能である。
【0159】
制御装置110は、上述した監視処理で仕切り弁13が閉じたことを検知すると、処理対象物の粉砕機構部2への取り込みが完了したと判断し、粉砕動作を実行する。粉砕動作では、便器洗浄動作から継続して洗浄水弁42が開かれている。これに対し、仕切り弁13は全閉としたことで、便器本体1に水が溜められる。
【0160】
制御装置110は、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉検知信号が入力されて処理対象物の粉砕機構部2への取り込みが完了したと判断して所定の待機時間が経過すると、粉砕用モータ20Fを駆動して回転粉砕歯2Cを回転させる。粉砕機構部2での粉砕動作の詳細は後述するが、回転粉砕歯2Cを正逆両方向に繰り返し回転させることで、処理対象物を細かくすり潰すようにして粉砕し、洗浄水と混合させて流動体を生成する。
【0161】
制御装置110は、粉砕動作において粉砕用モータ20Fの負荷を検出し、負荷に基づいたエラー処理を実行する。すなわち、制御装置110は、粉砕用モータ20Fが回転不能であると判断すると、粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0162】
図16は、粉砕用モータのロック検出処理の一例を示すフローチャートであり、粉砕用モータ20Fのロック監視及びロック監視に基づくエラー処理について各図を参照して説明する。
【0163】
制御装置110は、図16のステップSB1で、図5に示す駆動パターンで駆動される3相のブラシレスモータである粉砕用モータ20Fの図示しないセンサからの入力を読み取る。
【0164】
制御装置110は、ステップSB1で取得したセンサの入力パターンから、図16のステップSB2で、図5に示す駆動パターンの中で、該当する駆動パターンNo.を記録する。
【0165】
制御装置110は、図16のステップSB3で、ステップSB2で取得したセンサの入力パターンに応じた駆動パターンNo.に基づき励磁出力を行う。また、制御装置110は、ステップSB4で、粉砕用モータ20Fのロックを検出するロック監視時間をカウントするタイマカウントをスタートする。
【0166】
制御装置110は、図16のステップSB5で、粉砕用モータ20Fのセンサからの入力を読み取り、ステップSB6で、ステップSB5で取得したセンサの入力パターンが、図5に示す駆動パターンの中で、ステップSB2で記録した駆動パターンN0.の次の駆動パターンNo.であるか判断する。
【0167】
制御装置110は、ステップSB6で、ステップSB5で取得したセンサの入力パターンが次の駆動パターンNo.であると判断すると、ステップSB2に戻り、粉砕用モータ20Fの駆動を継続する。
【0168】
制御装置110は、ステップSB6で、ステップSB5で取得したセンサの入力パターンが次の駆動パターンNo.でないと判断すると、ステップSB7で、タイマカウンタが規定値以上となり、ロック監視時間を超過したか判断する。制御装置110は、ステップSB7でロック監視時間を超過していない場合は、粉砕用モータ20Fのセンサからの入力の読み取りを継続する。
【0169】
制御装置110は、ステップSB7で、タイマカウンタが規定値以上となり、ロック監視時間を超過したと判断すると、図16のステップSB8で粉砕用モータ20Fがロックしたと判断し、ステップSB9で粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0170】
粉砕用モータ20Fがブラシレスモータである構成では、センサの切り替わり時間の判定で粉砕用モータ20Fのロックを検出できるので、粉砕用モータ20Fが回転不能になってから微小な時間、例えば、80msec程度の時間で粉砕用モータ20Fの駆動を停止できる。
【0171】
これにより、粉砕用モータ20Fに高負荷が掛かる状態で、粉砕用モータ20Fの駆動が継続されることが防止でき、粉砕用モータ20Fや粉砕歯等を保護できる。
【0172】
制御装置110は、粉砕用モータ20Fが回転はできるが、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が、通常時より高いと判断できる所定の状態であると、粉砕用モータ20Fが正常に回転ができない状態であると判断し、エラー処理を実行する。
【0173】
本例では、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷を、粉砕用モータ20Fが所定の回転数に到達するまでに掛かった時間で検出している。制御装置110は、粉砕動作を開始した後、粉砕用モータ20Fの回転数が、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が正常な負荷であることを検出する負荷検出回転数に、所定の負荷監視時間内に到達しないと、正常に回転ができない状態であると判断する。
【0174】
制御装置110は、粉砕用モータ20Fが正常に回転ができない状態であると判断すると、エラー処理として、粉砕用モータ20Fの回転方向を逆転させるリトライ動作を行う。
【0175】
そして、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの回転方向を逆転させるリトライ動作を所定回数行い、リトライ動作でも粉砕用モータ20Fが正常に回転できないと判断すると、動作を停止する。
【0176】
さて、給水タンク4を小型化すると、トイレ装置100の小型化を図ることができる。一方、給水タンク4の容量が小さくなることで、便器本体1に給水タンク4から供給可能な水量が減る。そこで、粉砕動作と並行して便器本体1に水を溜める動作で、洗浄水弁42を閉じる前の所定のタイミングで、タンク電磁弁40aを一定時間開き、給水タンク4に水を一定量供給して便器本体1の溜め水に用いる。
【0177】
制御装置110は、洗浄水弁42を開いて洗浄水供給時間t3が経過すると、洗浄水弁モータ43を駆動して洗浄水弁42を閉じる。これにより、便器本体1への水の供給が停止される。なお、給水タンク4から便器本体1への水の供給を停止したときに、給水タンク4内の水量が所定量以下となるように、給水量や給水時間が設定され、居室等に設置されるトイレ装置100で、必要以上の水を溜めないようにしている。
【0178】
制御装置110は、粉砕用モータ20Fを駆動して回転粉砕歯2Cを回転させ、粉砕動作を開始して粉砕時間t4が経過すると、処理対象物の粉砕が完了したと判断し、粉砕用モータ20Fの駆動を停止して搬送動作を実行する。また、制御装置110は、搬送動作と並行して、搬送動作の開始タイミングより所定時間早いタイミングで、すすぎ準備動作を実行する。
【0179】
搬送動作では、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの駆動を停止して所定の待機時間が経過すると、排出弁モータ21Gを駆動して排出弁20Gを開く。制御装置110は、排出弁20Gを開閉する動作で、排出弁開位置検出スイッチ23S1と排出弁閉位置検出スイッチ23S2から入力される信号に基づき、排出弁20Gの開閉状態を監視する。
【0180】
排出弁20Gを開く動作を開始すると、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉未検知信号が制御装置110に入力された後、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が制御装置110に入力されることで、制御装置110は、排出弁20Gが開いたことを検知する。
【0181】
制御装置110は、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が入力され排出弁20Gが開いたことを検知すると、エア抜き電磁弁61を開く。排出弁20Gが開くと、流動体が粉砕機構部2から圧送タンク3へ流れる。
【0182】
このとき、圧送タンク3内の空気がエア抜き管3eを通り粉砕容器2Aに流れることで、ある容量の空間である圧送タンク3に流動体が流れる際に、流動体の体積に比例した空気を粉砕容器2Aに逃がすことができ、粉砕容器2Aから圧送タンク3への流動体の流れを速くすることができる。よって、流動体を圧送タンク3に搬送する動作の時間を短縮できる。なお、粉砕容器2A内の流動体を圧送タンク3に搬送する動作では、粉砕容器2Aと便器本体1との間の仕切り弁13は閉じているので、臭気が便器本体1から漏れることが防止される。
【0183】
制御装置110は、排出弁20Gが開くことで排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が入力された後、搬送時間t5が経過すると、排出弁モータ21Gを駆動して、排出弁20Gを全閉にする。
【0184】
排出弁20Gが閉じる動作を開始すると、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開未検知信号が制御装置110に入力された後、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉検知信号が制御装置110に入力されることで、制御装置110は、排出弁20Gが閉じたことを検知する。また、排出弁20Gを閉じる動作と同時に、エア抜き電磁弁61を閉じる。
【0185】
制御装置110は、排出弁開位置検出スイッチ23S1と排出弁閉位置検出スイッチ23S2から入力される信号に基づき、排出弁20Gが正常に開閉できないと判断すると、エラー処理を実行する。
【0186】
排出弁20Gの開閉状態監視動作は、図15で説明した開閉弁の開閉状態監視動作と同じであり、図15を用いて開閉弁の一例である排出弁20Gの開閉状態監視動作を説明する。なお、仕切り弁13の開閉状態監視動作に対して、開閉監視時間をカウントするタイマカウンタ値と、リトライ動作の回数をカウントするリトライカウンタ値が異なっている。
【0187】
制御装置110は、排出弁20Gを開く動作では、図15のステップSA1で、リトライ動作の回数をカウントするリトライカウンタを「0」にセットし、ステップSA2で、開閉監視時間をカウントするタイマカウンタをクリアにする。
【0188】
制御装置110は、図15のステップSA3で、排出弁20Gが開く方向に開閉モータである排出弁モータ21Gの駆動を開始する。制御装置110は、排出弁20Gを開く動作を開始すると、ステップSA4で、弁部材が開いたことを検出する開センサがONとなるか、本例では、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が入力されるか監視する。
【0189】
制御装置110は、図15のステップSA4で、所定の開閉監視時間内に排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が入力されると、排出弁20Gが正常に開いたと判断し、監視処理を終了する。
【0190】
これに対し、制御装置110は、図15のステップSA4で、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が入力されないと、ステップSA5で、タイマカウンタが規定値以上となり、開閉監視時間を超過したか判断する。制御装置110は、ステップSA5で開閉監視時間を超過していない場合は、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が入力されるか否かの監視を継続する。
【0191】
制御装置110は、ステップSA5で、タイマカウンタが規定値以上となり、開閉監視時間を超過したと判断すると、図15のステップSA6で、排出弁モータ21Gの駆動を停止する。
【0192】
制御装置110は、ステップSA6で排出弁モータ21Gの駆動を停止すると、図15のステップSA7で、リトライカウンタが規定値以上となり、リトライ動作の回数がリトライ回数上限値を超過したか判断する。
【0193】
制御装置110は、ステップSA7で、リトライカウンタが規定値以上となり、リトライ動作の回数がリトライ回数上限値を超過したと判断すると、エラー処理として動作を停止し、ユーザに報知を行う。
【0194】
制御装置110は、ステップSA7でリトライ動作の回数がリトライ回数上限値を超過していないと判断すると、図15のステップSA8で、タイマカウンタをクリアする。
【0195】
制御装置110は、ステップSA7でリトライ動作の回数がリトライ回数上限値を超過していないと判断すると、リトライ動作を行うため、図15のステップSA9で、排出弁20Gが閉じる方向に排出弁モータ21Gの駆動を開始する。
【0196】
制御装置110は、排出弁20Gを閉じる動作を開始すると、ステップSA10で、弁部材が閉じたことを検出する閉センサがONとなるか、本例では、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉検知信号が入力されるか監視する。
【0197】
制御装置110は、図15のステップSA10で、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉検知信号が入力されると、リトライ動作で排出弁20Gが閉じたと判断し、ステップSA11でリトライカウンタを「1」加算し、ステップSA2の処理に戻る。
【0198】
制御装置110は、図15のステップSA10で、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉検知信号が入力されないと、ステップSA12で、タイマカウンタが規定値以上となり、開閉監視時間を超過したか判断する。制御装置110は、ステップSA12で開閉監視時間を超過していない場合は、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉検知信号が入力されるか否かの監視を継続する。
【0199】
制御装置110は、ステップSA12で、タイマカウンタが規定値以上となり、開閉監視時間を超過したと判断すると、エラー処理として動作を停止し、ユーザに報知を行う。
【0200】
以上の動作で、排出弁20Gが固着しており開閉できないような場合に、排出弁20Gを開く方向と閉じる方向の両方に動かすことで、固着が剥離するような力を加えることができる。これにより、排出弁20Gが固着しており開閉できないような場合に、これを開閉することができるようになる。
【0201】
一方、排出弁20Gが開かない場合に、リトライ動作を行っても排出弁20Gを開くことができない場合は、エラー処理で動作を停止して、次の処理に進まないようにすることで、排出弁20Gが開かない状態で後述する圧送動作が行われ、処理対象物が排出できないということ防止できる。また、排出弁20Gが開かない状態で後述するすすぎ動作が行われ、処理対象物が搬送されていない粉砕機構部2にすすぎ動作で洗浄水が供給され、便器本体1側に溢れ出すことが防止される。
【0202】
また、排出弁20Gが閉じない場合に、リトライ動作を行っても排出弁20Gを閉じることができない場合は、エラー処理で動作を停止して、次の処理に進まないようにすることで、排出弁20Gが閉じない状態で、後述する圧送動作が行われ、処理対象物等が粉砕機構部2内に溢れ出すことを防止できる。
【0203】
制御装置110は、上述した監視処理で排出弁20Gが閉じたことを検知すると、流動体の圧送タンク3への搬送が完了したと判断し、圧送動作を実行する。なお、本例では、搬送動作において粉砕用モータ20Fの駆動を停止しているが、粉砕動作時よりも低速で回転粉砕歯2Cを回転駆動しても良い。搬送動作で回転粉砕歯2Cを低速で1方向または正逆両方向に回転させることで、流動体の排出中に固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間から流動体を排出する水流を発生させて、流動体の滞留を防止することができ、搬送動作後の粉砕容器2A内がより清浄になり、悪臭等を防止することができる。
【0204】
一方、搬送動作と並行して行われるすすぎ準備動作では、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの駆動の停止と同じタイミングで、タンク電磁弁40aを開く。タンク電磁弁40aが開くと、給水タンク4に水が供給されて溜められ、給水検知信号が制御装置110に入力される。
【0205】
制御装置110は、タンク電磁弁40aを開いて給水時間t1が経過すると、タンク電磁弁40aを閉じる。タンク電磁弁40aを閉じると、給水タンク4への給水が停止され、給水未検知信号が第1の流量センサ40bから制御装置110に入力される。
【0206】
制御装置110は、すすぎ準備動作で給水未検知信号が入力されると、圧送動作と並行して、圧送動作の開始タイミングより所定時間早いタイミングで、すすぎ動作での便器洗浄動作を実行する。
【0207】
圧送動作では、制御装置110は、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉検知信号が入力され、排出弁20Gが閉じたことを検知した後、所定の待機時間が経過すると、エアコンプレッサ6の駆動を開始する。
【0208】
エアコンプレッサ6が駆動されると、圧縮空気が圧送タンク3に供給され、圧送タンク3内の流動体は、空気の圧力で排出管102からトイレ5の既設の便器51へ圧送されて、トイレ装置100から排出される。
【0209】
ここで、トイレ装置100で既設のトイレ5を制御できるようにして、トイレ装置100から流動体等をトイレ5の既設の便器51に圧送した後、トイレ5でも洗浄動作を行えるようにする。また、トイレ装置100の使用を開始した時点で、トイレ5側で使用者等に通報できるようにしても良い。
【0210】
制御装置110は、エアコンプレッサ6が駆動されると、圧力センサ60で検知される空気圧を監視する。圧送タンク3、圧送タンク3内と排出管102、あるいは排出管102に流動体が残っている状態では、圧力センサ60で検知される空気圧は、流動体が残っていない状態と比較して高い。
【0211】
そこで、制御装置110は、圧力センサ60で検知される空気圧が、例えば所定の閾値を越えていると、流動体が残っていると判断してエアコンプレッサ6の駆動を継続する。そして、圧力センサ60で検知される空気圧が、例えば所定の閾値以下になると、流動体の圧送が完了したと判断してエアコンプレッサ6の駆動を停止し、圧送動作を終了する。
【0212】
一方、圧送動作と並行して行われるすすぎ動作での便器洗浄動作では、制御装置110は、タンク電磁弁40aを閉じて給水未検知信号が第1の流量センサ40bから入力された後、所定の待機時間が経過すると、洗浄水弁モータ43を駆動して洗浄水弁42を開く。
【0213】
ここで、圧送動作とすすぎ動作での便器洗浄動作は、粉砕機構部2の排出弁20Gが閉じられた状態で行われるので、圧送動作におけるエアコンプレッサ6の駆動開始のタイミングより前に、洗浄水弁42を開く動作を行うこととする。このように、すすぎ動作の開始タイミングを、搬送動作に伴う各動作より前にすることで、粉砕動作からすすぎ動作に要する全処理時間を短縮できる。
【0214】
また、すすぎ動作での便器洗浄動作では、制御装置110は、洗浄水弁モータ43の駆動を開始して所定の待機時間が経過すると、投入口モータ16Mを駆動して、仕切り弁13を全開にする。
【0215】
制御装置110は、すすぎ動作でも、仕切り弁13を開閉する動作で、投入口開位置検出スイッチ16S1と投入口閉位置検出スイッチ16S2から入力される信号に基づき、仕切り弁13の開閉状態を監視し、仕切り弁13が正常に開閉できないと判断すると、上述したエラー処理を実行する。
【0216】
仕切り弁13が開く動作を開始すると、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉未検知信号が制御装置110に入力された後、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開検知信号が制御装置110に入力される。
【0217】
すすぎ動作での便器洗浄動作では、洗浄水弁42が開くことで、給水タンク4から便器本体1に洗浄水が供給される。また、仕切り弁13が開くことで、便器本体1を洗浄した洗浄水が、粉砕機構部2の粉砕容器2Aに取り込まれる。
【0218】
制御装置110は、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開検知信号が入力された後、取込時間t6が経過すると、投入口モータ16Mを駆動して、仕切り弁13を全閉にする。すすぎ動作での便器洗浄動作では、処理対象物を含まない洗浄水を粉砕容器2Aに取り込めば良いので、通常の便器洗浄動作での取込時間t2に比較して、取込時間t6を短くしている。
【0219】
仕切り弁13が閉じる動作を開始すると、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開未検知信号が制御装置110に入力された後、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉検知信号が制御装置110に入力される。
【0220】
制御装置110は、仕切り弁13が閉じたことを検知すると、処理対象物の粉砕機構部2への取り込みが完了したと判断し、すすぎ動作を実行する。すすぎ動作では、すすぎ動作での便器洗浄動作から継続して洗浄水弁42が開かれている。これに対し、仕切り弁13は全閉としたことで、便器本体1に水が溜められる。
【0221】
また、すすぎ動作と並行して便器本体1に水を溜める動作で、洗浄水弁42を閉じる前の所定のタイミングで、タンク電磁弁40aを一定時間開き、給水タンク4に水を一定量供給して便器本体1の溜め水に用いる。
【0222】
制御装置110は、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉検知信号が入力されて洗浄水の粉砕機構部2への取り込みが完了したと判断して所定の待機時間が経過すると、粉砕用モータ20Fを駆動して回転粉砕歯2Cを回転させる。粉砕機構部2でのすすぎ動作の詳細は後述するが、粉砕動作より短時間で回転粉砕歯2Cを正逆両方向に繰り返し回転させることで、粉砕容器2A内を洗浄する。
【0223】
制御装置110は、洗浄水弁42を開いて洗浄水供給時間t3が経過すると、洗浄水弁モータ43を駆動して洗浄水弁42を閉じる。これにより、便器本体1への水の供給が停止される。
【0224】
制御装置110は、粉砕用モータ20Fを駆動して回転粉砕歯2Cを回転させ、すすぎ動作を開始してすすぎ時間t7が経過すると、すすぎ洗浄が完了したと判断し、粉砕用モータ20Fの駆動を停止してすすぎ動作での搬送動作を実行する。
【0225】
すすぎ動作での搬送動作では、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの駆動を停止して所定の待機時間が経過すると、排出弁モータ21Gを駆動して排出弁20Gを開く。
【0226】
制御装置110は、すすぎ動作でも、排出弁20Gを開閉する動作で、排出弁開位置検出スイッチ23S1と排出弁閉位置検出スイッチ23S2から入力される信号に基づき、排出弁20Gの開閉状態を監視し、排出弁20Gが正常に開閉できないと判断すると、上述したエラー処理を実行する。
【0227】
排出弁20Gを開く動作を開始すると、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉未検知信号が制御装置110に入力された後、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が制御装置110に入力される。
【0228】
制御装置110は、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が入力され排出弁20Gが開いたことを検知すると、エア抜き電磁弁61を開く。排出弁20Gが開くと、洗浄水が粉砕機構部2から圧送タンク3へ流れる。
【0229】
このとき、圧送タンク3内の空気がエア抜き管3eを通り粉砕容器2Aに流れることで、粉砕容器2Aから圧送タンク3への洗浄水の流れを速くすることができる。よって、洗浄水を圧送タンク3に搬送する動作の時間を短縮できる。
【0230】
制御装置110は、排出弁20Gが開くことで排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開検知信号が入力された後、搬送時間t5が経過すると、排出弁モータ21Gを駆動して、排出弁20Gを全閉にする。
【0231】
排出弁20Gが閉じる動作を開始すると、排出弁開位置検出スイッチ23S1から排出弁開未検知信号が制御装置110に入力された後、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉検知信号が制御装置110に入力される。また、排出弁20Gを閉じる動作と同時に、エア抜き電磁弁61を閉じる。
【0232】
制御装置110は、排出弁20Gが閉じたことを検知すると、洗浄水の圧送タンク3への搬送が完了したと判断し、すすぎ動作での圧送動作を実行する。なお、本例では、すすぎ動作での搬送動作において粉砕用モータ20Fの駆動を停止しているが、すすぎ動作時よりも低速で回転粉砕歯2Cを回転駆動しても良い。すすぎ動作後の搬送動作で回転粉砕歯2Cを低速で1方向または正逆両方向に回転させることで、洗浄水の排出中に固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間から流動体を排出する水流を発生させて、洗浄水の滞留を防止することができ、すすぎ動作後の粉砕容器2A内がより清浄になり、悪臭等を防止することができる。
【0233】
すすぎ動作での圧送動作では、制御装置110は、排出弁閉位置検出スイッチ23S2から排出弁閉検知信号が入力され、排出弁20Gが閉じたことを検知した後、所定の待機時間が経過すると、エアコンプレッサ6の駆動を開始する。
【0234】
エアコンプレッサ6が駆動されると、圧縮空気が圧送タンク3に供給され、圧送タンク3内の洗浄水は、空気の圧力で排出管102からトイレ5の既設の便器51へ圧送されて、トイレ装置100から排出される。
【0235】
制御装置110は、エアコンプレッサ6が駆動されると、圧力センサ60で検知される空気圧を監視し、圧力センサ60で検知される空気圧が、例えば所定の閾値を越えていると、洗浄水が残っていると判断してエアコンプレッサ6の駆動を継続する。
【0236】
そして、圧力センサ60で検知される空気圧が、例えば所定の閾値以下になると、洗浄水の圧送が完了したと判断してエアコンプレッサ6の駆動を停止し、すすぎ動作での圧送動作を終了する。なお、すすぎ動作での圧送動作では、洗浄水を空気で圧送するので、圧送に要する期間は流動体を圧送する動作と比較して短くなる。なお、トイレ装置100から洗浄水をトイレ5の既設の便器51に圧送した後、トイレ5でも洗浄動作を行えるようにする。
【0237】
さて、上述した便器洗浄動作では、便器本体1で受容した排泄された汚物や、トイレットペーパ等を含む処理対象物が、仕切り弁13を開けることで便器本体1から粉砕機構部2に取り込まれる。このとき、便器本体1に溜められている洗浄水の量が多いと、処理対象物が飛散する場合がある。そこで、便器洗浄動作に移行する前に、洗浄水を粉砕機構部2に流すようにしても良い。
【0238】
このため、制御装置110は、便座蓋開信号が入力され便座蓋1aが開いたこと検知すると同時、または、便座蓋1aが開いたこと検知して所定の待機時間が経過すると、投入口モータ16Mを駆動して、仕切り弁13を所定量開く。
【0239】
また、温水洗浄便座装置1cでの洗浄動作が開始されると、温水洗浄便座装置1cへの給水が開始されることで、温水洗浄便座装置1cへ給水されていることを示す便座水検知信号が第2の流量センサ44bから制御装置110に入力される。温水洗浄便座装置1cに供給される水は、便器本体1で回収されるため、第2の流量センサ44bで検知される水の量は、便器本体1内に溜る水の量と関連し、便器本体1内に溜る水の量が増える。
【0240】
このため、制御装置110は、便座水検知信号が入力されて温水洗浄便座装置1cの使用が検知されると同時、または、所定の待機時間が経過した後、投入口モータ16Mを駆動して、仕切り弁13を所定量開くようにしても良い。
【0241】
仕切り弁13が所定量開くと、投入口閉位置検出スイッチ16S2から投入口閉未検知信号が制御装置110に入力される。一方、仕切り弁13Sを全開してはいないので、投入口開位置検出スイッチ16S1から投入口開未検知信号が制御装置110に入力される。
【0242】
これにより、制御装置110は、仕切り弁13が所定量開いたことを検知可能となる。仕切り弁13が所定量開くと、便器本体1内に貯められた水が粉砕機構部2の粉砕容器2Aに流れる。なお、仕切り弁13の開度は、便器本体1に溜められた水の全量が粉砕容器2Aに流れるような間隔とする。また、温水洗浄便座装置1cの使用時に仕切り弁13を所定量開くことで、便器本体1内の水が溢れることを防ぐ。
【0243】
<粉砕用モータの負荷検出による動作最適化制御例>
以上説明した動作では、粉砕動作での粉砕時間t4と、すすぎ動作でのすすぎ時間t7は予め決められている。また、すすぎ動作で便器本体1に供給する洗浄水の水量は予め決められている。
【0244】
これに対して、制御装置110は、粉砕動作で粉砕用モータ20Fに掛かる負荷の低下に基づき、処理対象物が搬送動作に適した所定の流動体になったか否かを判断する。本例では、粉砕動作を開始した後、粉砕用モータ20Fの回転数が、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が正常な負荷であることを検出する負荷検出回転数に到達すると、制御装置110は、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が所定の動作停止値になったと判断し、動作最適化制御として粉砕動作を停止する。
【0245】
また、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの回転数が負荷検出回転数に到達するまでの時間をカウントし、粉砕用モータ20Fの回転数が負荷検出回転数に到達するまでの時間に基づいて、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷を検出する。
【0246】
そして、制御装置110は、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷の増減により変化する粉砕用モータ20Fの回転数が負荷検出回転数に到達するまでの時間に基づいて、すすぎ動作で便器本体1に供給する洗浄水の水量及び回転粉砕歯3Cを駆動するすすぎ動作の時間を設定する。
【0247】
図17は、負荷に基づくすすぎ動作の判定テーブルの一例を示す説明図、図18は、粉砕用モータの回転数と負荷の関係の一例を示すグラフである。図18では、縦軸に粉砕用モータ20Fの回転数Rを示し、横軸に経過時間Tmを示す。
【0248】
図18に示すように、予め設定された負荷検出回転数R1に到達するまでの経過時間Tmが短い方が、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が小さく、負荷検出回転数R1に到達するまでの経過時間Tmが長い方が、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が大きい。また、所定の負荷監視時間内に、負荷検出回転数R1に到達しないと、正常に回転ができない状態であると判断する。
【0249】
図17に示す例では、負荷検出回転数R1に到達するまでの経過時間Tmが、所定のTm1(sec)以上〜Tm2(sec)未満であると、負荷が小さいと判断し、すすぎ動作で供給する水量をK1(L)に設定すると共に、すすぎ動作の時間をTA(sec)に設定する。
【0250】
負荷検出回転数R1に到達するまでの経過時間Tmが、Tm2(sec)以上〜Tm3(sec)未満であると、予め設定した標準的な負荷であると判断し、すすぎ動作で供給する水量をK2(L)(>K1)に設定すると共に、すすぎ動作の時間をTBに設定する。
【0251】
負荷検出回転数R1に到達するまでの経過時間Tmが、Tm3(sec)以上〜Tm4(sec)未満であると、負荷が大きいと判断し、すすぎ動作で供給する水量をK2(L)に設定すると共に、すすぎ動作の時間をTCsecに設定する。
【0252】
なお、所定の負荷監視時間内、本例ではTm4sec以上経過しても、負荷検出回転数R1に到達しない場合は、負荷異常で粉砕用モータ20Fが正常に回転できないと判断する。
【0253】
制御装置110は、粉砕用モータ20Fが正常に回転ができない状態であると判断すると、エラー処理として、粉砕用モータ20Fの回転方向を逆転させるリトライ動作を行う。
【0254】
そして、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの回転方向を逆転させるリトライ動作を所定回数行い、リトライ動作でも粉砕用モータ20Fが正常に回転できないと判断すると、動作を停止する。
【0255】
ここで、負荷検出回転数R1を3500(rpm)に設定した場合の経過時間Tmは、Tm1=0.0(sec)、Tm2=2.5(sec)、Tm3=5.0(sec)、Tm4=10.0(sec)とした。また、すすぎ動作の時間は、TA=30(sec)、TB=60(sec)、TC=90(sec)とした。更に、すすぎ動作で供給する水量は、K1=0.8(L)、K2=1.8(L)とした。
【0256】
なお、図17及び図18に示す経過時間は一例で、この値に限るものではない。また、動作最適化制御は図17に示す例に限るものではなく、負荷に応じてすすぎ動作を行わない制御も可能である。
【0257】
以上説明したように、粉砕用モータ20Fの負荷検出に基づき動作最適化制御を行うことで、処理対象物を圧送できる細かさまで粉砕しつつ、粉砕動作、すすぎ動作の時間を、処理対象物の量や状態に応じて短縮することができ、節水、節電に繋げることができる。また、使用者等は、大便か小便か等に応じて動作を選択する操作が必要なく、誤操作を防ぐことができる。また、誤操作に起因して、粉砕時間やすすぎ時間を短く設定してしまい、圧送不良やすすぎ不足を引き起こすことがない。
【0258】
<本実施の形態のトイレ装置の粉砕機構部の動作例>
図19は、本実施の形態のトイレ装置における粉砕動作の一例を示すフローチャート、図20は、本実施の形態のトイレ装置におけるすすぎ動作の一例を示すフローチャートである。
【0259】
また、図21は、本実施の形態のトイレ装置における粉砕動作の一例を示すタイムチャート、図22は、本実施の形態のトイレ装置におけるすすぎ動作の一例を示すタイムチャートである。次に、各図を参照して本実施の形態のトイレ装置の粉砕機構部の動作について説明する。
【0260】
上述した粉砕動作では、ほぐし粉砕処理と本粉砕処理が実行される。粉砕動作が開始されると、まず、ほぐし粉砕処理が実行される。ほぐし粉砕処理では、図19にステップSC1に示すように、所定のほぐし時間T1の間、粉砕用モータ20Fを正転させて回転粉砕歯2Cを正転させた後、ステップSC2に示すように、粉砕用モータ20Fの停止に要する時間等を考慮して設定された所定の待機時間T2の間、粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0261】
次に、ステップSC3に示すように、ほぐし時間T1の間、粉砕用モータ20Fを逆転させて回転粉砕歯2Cを逆転させた後、ステップSA4に示すように、待機時間T2の間、粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0262】
ほぐし粉砕処理では、上述したステップSC1〜SC4までの回転粉砕歯2Cの正転動作と逆転動作を、予め設定された所定のほぐし回数であるM回繰り返して行ったか否かをステップSC5で判断し、回転粉砕歯2Cのほぐし時間T1毎の正転動作と逆転動作がM回繰り返して行われると、ほぐし粉砕処理を終了する。
【0263】
ほぐし粉砕処理が終了すると、本粉砕処理が実行される。本粉砕処理では、図19にステップSC6に示すように、ほぐし時間T1より長い所定の粉砕時間T3の間、粉砕用モータ20Fを正転させて回転粉砕歯2Cを正転させた後、ステップSC7に示すように、所定の待機時間T2の間、粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0264】
次に、ステップSC8に示すように、粉砕時間T3の間、粉砕用モータ20Fを逆転させて回転粉砕歯2Cを逆転させた後、ステップSC9に示すように、待機時間T2の間、粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0265】
本粉砕処理では、上述したステップSC6〜SC9までの回転粉砕歯2Cの正転動作と逆転動作を、予め設定された所定の粉砕回数であるN回繰り返して行ったか否かをステップSC10で判断し、回転粉砕歯2Cの粉砕時間T3毎の正転動作と逆転動作がN回繰り返して行われると、本粉砕処理を終了して粉砕動作が完了する。
【0266】
上述したように、ほぐし粉砕処理では、本粉砕処理より短いほぐし時間T1で回転粉砕歯2Cを正逆両方向に回転させることで、粉砕容器2A内で水流の向きが短時間で変わり、特に、トイレットペーパと洗浄水とを短時間で混合して、トイレットペーパの繊維をほぐして水溶化することができる。また、本粉砕処理では、ほぐし粉砕処理より長い粉砕時間T3で回転粉砕歯2Cを正逆両方向に回転させることで、処理対象物を排出管102を通して圧縮空気で圧送可能な所望の状態に流動体化できる。そして、ほぐし時間T1を粉砕時間T3より短く、かつ、回数を少なくすることで、粉砕動作での全体の粉砕時間t4を短くできる。
【0267】
ほぐし粉砕処理及び本粉砕処理では、上述したように、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの負荷を検出し、負荷に基づいたエラー処理を実行し、粉砕用モータ20Fが回転不能であると判断すると、粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0268】
また、制御装置110は、粉砕用モータ20Fが回転はできるが、粉砕用モータ20Fに掛かる負荷が、通常時より高いと判断できる所定の状態であると、粉砕用モータ20Fが正常に回転ができない状態であると判断し、エラー処理として、粉砕用モータ20Fの回転方向を逆転させるリトライ動作を行う。
【0269】
そして、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの回転方向を逆転させるリトライ動作を所定回数行い、リトライ動作でも粉砕用モータ20Fが正常に回転できないと判断すると、動作を停止する。また、粉砕用モータ20Fの負荷検出に基づき動作最適化制御を行っても良い。
【0270】
上述したすすぎ動作では、図20にステップSD1に示すように、所定のすすぎ時間T4の間、粉砕用モータ20Fを正転させて回転粉砕歯2Cを正転させた後、ステップSD2に示すように、所定の待機時間T2の間、粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0271】
次に、ステップSD3に示すように、すすぎ時間T4の間、粉砕用モータ20Fを逆転させて回転粉砕歯2Cを逆転させた後、ステップSD4に示すように、待機時間T2の間、粉砕用モータ20Fの駆動を停止する。
【0272】
すすぎ動作では、上述したステップSD1〜SD4までの回転粉砕歯2Cの正転動作と逆転動作を、予め設定された所定のすすぎ回数であるL回繰り返して行ったか否かをステップSD5で判断し、回転粉砕歯2Cのすすぎ時間T4毎の正転動作と逆転動作がL回繰り返して行われると、すすぎ動作を完了する。
【0273】
すすぎ動作では、洗浄水で粉砕容器2A内を洗浄できれば良いので、すすぎ動作において回転粉砕歯2Cを回転させる時間であるすすぎ時間T4は、粉砕時間T3より短く設定され、例えば、ほぐし時間T1と同じ時間に設定される。これにより、粉砕動作での粉砕時間t4よりすすぎ動作でのすすぎ時間t7を短くして、全体の処理時間を短縮している。
【0274】
すすぎ動作でも、上述したように、制御装置110は、粉砕用モータ20Fの負荷を検出し、負荷に基づいたエラー処理を実行する。また、本粉砕処理で動作最適化制御を行うことで、すすぎ時間及びすすぎ回数を切り換えても良い。
【0275】
図23及び図24は、本実施の形態の粉砕機構部の動作例を示す側断面図、図25は、本実施の形態の粉砕機構部の動作例を示す斜視図、図26は、本実施の形態の粉砕機構部の動作例を示す要部拡大斜視図である。次に、各図を参照して、回転粉砕歯2Cの回転による粉砕動作の詳細について説明する。
【0276】
上述したように、固定粉砕歯2Bの歯部20B及び溝部21Cと、回転粉砕歯2Cの歯部20C及び溝部21Cは、回転体及び回転体と対向した非回転体の内周側から外周側へ直線状に延びる凹凸形状である。
【0277】
これにより、上述した粉砕動作で、粉砕容器2Aに洗浄水とともに処理対象物が取り込まれ、回転粉砕歯2Cが回転すると、図23及び図24に示すように、回転粉砕歯2Cの歯部20C及び溝部21Cと、固定粉砕歯2Bの歯部20B及び溝部21Bに沿って、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間で、内周側から外周側へ向かう水流P1が発生する。
【0278】
固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間で、内周側から外周側へ向かう水流P1が発生すると、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの内周側は周囲より圧力が低下する。回転粉砕歯2Cは、内周側に吸込口22Cが設けられることで、水流P1によって吸込口22から固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に吸い込まれる水流P2が発生する。
【0279】
また、回転粉砕歯2Cが回転すると、図25に示すように、回転粉砕歯2Cの上面、回転粉砕歯2C及び固定粉砕歯2Bの外周側の周囲、及び回転粉砕歯2Cと固定粉砕歯2Bの間で、円周方向の水流P3が発生する。
【0280】
更に、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間で内周側から外周側へ向かう水流P1が、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの外周から排出されることで、粉砕容器2Aの内周面に沿うような円周方向の水流P3及び吸込口22から吸い込まれる水流P2により、粉砕容器2A内で循環する水流P4が発生する。
【0281】
これにより、粉砕容器2Aに洗浄水とともに取り込まれた処理対象物は、水流P2により吸込口22から固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に吸い込まれる。固定粉砕歯2Bは、吸込口22と対向する部位に歯部等の凹凸形状の無い取込部22bが形成されることで、トイレットペーパ等の比較的大きな処理対象物を、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に取り込みやすくなっている。吸込口22から固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に吸い込まれた処理対象物は、水流P1により、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間を、回転粉砕歯2Cの歯部20C及び溝部21Cと、固定粉砕歯2Bの歯部20B及び溝部21Bに沿って、内周側から外周側へ向かって流れる。
【0282】
固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間を内周側から外周側へ向かって流れる処理対象物は、回転粉砕歯2Cと固定粉砕歯2Bの相対回転による対向する歯部20Bと歯部20Cの円周方向への動き、及び円周方向の水流P3で、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの対向する歯部20Bと歯部20Cの間に取り込まれる。
【0283】
固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cは、歯部20Bと歯部20Cの対向する面が摺るような間隔で軸2Dに支持されており、歯部20Bと歯部20Cの間に取り込まれた処理対象物は、すり潰されて細かく粉砕される。
【0284】
また、回転粉砕歯2Cを正逆両方向に回転させて、歯部20Bと歯部20Cの相対的な円周方向への動き、及び円周方向の水流P3を周期的に逆転させることで、処理対象物を歯部20Bと歯部20Cの間に取り込み易くする。
【0285】
更に、本例では、固定粉砕歯2Bの歯部20Bに円周方向に沿って延びる誘導溝23Bが設けられている。これにより、図26に示すように、処理対象物に含まれる固形物やトイレットペーパ等の繊維質のもの等、比較的大きな処理対象物であっても、回転粉砕歯2Cと固定粉砕歯2Bの正逆方向の相対回転による対向する歯部20Bと歯部20Cの円周方向への動き、及び円周方向の水流P3等で、処理対象物が誘導溝23Bを通ることで粉砕されたり、誘導溝23Bから対向する歯部20Bと歯部20Cの間に入るように誘導される。
【0286】
よって、比較的大きな処理対象物であっても、対向する歯部20Bと歯部20Cの間に取り込まれるまでの時間を短縮でき、粉砕動作の時間を短縮できる。なお、本例では、固定粉砕歯2Bの全ての歯部20Bに誘導溝23Bを設けたが、一部の歯部に20Bに誘導溝23Bを設ける構成でも良い。また、固定粉砕歯2Bの歯部20Bには誘導溝を設けずに、回転粉砕歯2Cの全ての歯部20Cまたは一部の歯部20Cに誘導溝を設ける構成でも良い。更に、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの両方の全ての歯部または一部の歯部に誘導溝を設ける構成でも良い。
【0287】
また、本例では、固定粉砕歯2Bの溝部21Bに誘導突起24Bが設けられている。これにより、図26に示すように、水流P1により固定粉砕歯2Bの溝部21Bに沿って流れる処理対象物は、矢印E1に示すように、誘導突起24Bに乗り上げて、回転粉砕歯2Cと固定粉砕歯2Bの正逆方向の相対回転による対向する歯部20Bと歯部20Cの円周方向への動き、及び円周方向の水流P3で、溝部21Bから対向する歯部20Bと歯部20Cの間及び誘導溝23Bに入るように誘導される。
【0288】
よって、粒状の処理対象物等であっても、対向する歯部20Bと歯部20Cの間に取り込まれるまでの時間を短縮でき、粉砕動作の時間を短縮できる。なお、本例では、固定粉砕歯2Bの複数の溝部21Bに対して、同心円上に一列で誘導突起24Bを設けたが、複数列に設けても良い。また、螺旋上に一列または複数列で誘導突起24Bを設けても良い。更に、ランダムな配置で誘導突起24Bを設けても良い。また、固定粉砕歯2Bには誘導突起を設けずに、回転粉砕歯2Cに誘導突起を設けても良く、更に、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの両方に誘導突起を設けても良い。
【0289】
更に、本例では、回転粉砕歯2Cは、固定粉砕歯2Bに対して上下動が可能である。これにより、対向する歯部20Bと歯部20Cの隙間に入りづらいような大きさの処理対象物が固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に取り込まれると、回転粉砕歯2Cと固定粉砕歯2Bの相対回転による対向する歯部20Bと歯部20Cの円周方向への動き、及び円周方向の水流P3等で、図9に破線で示すように、回転粉砕歯2Cが上側に動いて対向する歯部20Bと歯部20Cの間隔が広がって誘導隙間Dが形成され、対向する歯部20Bと歯部20Cの間に入るように誘導される。
【0290】
よって、処理対象物の大きさによらず、対向する歯部20Bと歯部20Cの間に取り込まれるまでの時間を短縮でき、粉砕動作の時間を短縮できる。
【0291】
固定粉砕歯2Bは、取込部22Bと歯部20B及び溝部21Bが、固定粉砕歯2Bの内周側から外周側へ向けて高さが低くなる方向に傾斜して、回転粉砕歯2Cと対向する上面が、内周側より外周側が低い凸状を成して略円錐状となっている。
【0292】
また、回転粉砕歯2Cは、歯部20C及び溝部21Cが、回転粉砕歯2Cの内周側から外周側へ向けて高さが低くなる方向に傾斜して、固定粉砕歯2Bと対向する下面が、固定粉砕歯2Bの凸状に倣うように、内周側より外周側が低い凹状を成して略逆円錐状となっている。
【0293】
これにより、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に取り込まれた処理対象物、及び処理対象物を粉砕して生成した流動体が、固定粉砕歯2B及び回転粉砕歯2Cの内周側から外周側へ自重で流れ、誘導突起24Bに乗り上げやすくなると共に、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間で滞留することを防止できる。
【0294】
粉砕機構部2では、固定粉砕歯2Bの周辺部に設けられた排出溝20Aが、排出口21Aに向かって下降する方向に傾斜している。これにより、回転粉砕歯2Cの回転で、排出溝20Aに沿うように傾斜した円周方向の水流を発生させることができ、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの対向する歯部20Bと歯部20Cの間に処理対象物を取り込みやすくなる。
【0295】
また、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの対向する面が略円錐状となっていることでも、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの外周から排出される水流が水平面に対して傾斜し、排出溝20Aの傾斜及び回転粉砕歯2Cの正逆回転と共に、対向する歯部20Bと歯部20Cの間に処理対象物を取り込みやすくなるような循環流を発生させることができる。
【0296】
更に、排出溝20Aが排出口21Aに向かって下降する方向に傾斜し、かつ、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの対向する面が略円錐状となっていることで、粉砕動作が完了して搬送動作を実行する際に、回転粉砕歯2Cの回転が停止しても、流動体が固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間で内周側から外周側へ自重で流れ、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間で滞留することを防止できる。なお、搬送動作を実行する際に、回転粉砕歯2Cを粉砕動作より低速で回転させることとすれば、流動体の自重に加えて固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間で内周側から外周側へ向かう水流P1等により流動体の排出をより促進することができる。また、固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの外周から排出溝20Aに排出された流動体が、排出口21A方向に流れ、粉砕容器2A内に滞留させることなく排出口21Aから圧送タンク3へ搬送できる。
【0297】
粉砕機構部2では、回転粉砕歯2Cの上面で粉砕容器2Aを仕切る仕切り部材2Eが設けられる。これにより、回転粉砕歯2Cの回転により発生する円周方向の水流P3は、仕切り部材2Eの仕切り板20Eに当てられて吸込口22Cに向かう水流P5が生成され、吸込口22Cへ誘導される。
【0298】
よって、上述した便器洗浄動作で仕切り弁13を開いて粉砕機構部2の粉砕容器2Aの取込空間22Eに洗浄水とともに取り込まれた処理対象物は、回転粉砕歯2Cの回転により発生する円周方向の水流P3により仕切り板20Eに当てられ、水流P5により吸込口22Cに向けられて、吸込口22から固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に吸い込まれる。
【0299】
これにより、吸込口22から固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に吸い込まれる処理対象物の量を増やすことができる。また、回転粉砕歯2Cを正逆両方向に回転させることで、取込空間22E内で循環する水流の向きが反転し、吸込口22から固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に吸い込まれる処理対象物の量を更に増やすことができ、処理対象物を所望の粒度に粉砕するまでの時間を短くすることができる。
【0300】
粉砕機構部2では、仕切り板20Eの下面と回転粉砕歯2Cの上面の間に、円周方向の水流P3が通るような導水部24Eが設けられる。これにより、回転粉砕歯2Cの回転により発生する円周方向の水流P3の一部は、導水部24Eを通り仕切り板20Eを挟んで取込空間22Eと反対側の空間に流れ込む。
【0301】
よって、仕切り板20Eの取込空間22E側と反対側の空間の両方で、吸込口22Cに向かう水流P5を発生させることができ、吸込口22Cから固定粉砕歯2Bと回転粉砕歯2Cの間に吸い込まれる処理対象物の量をより増やすことができ、処理対象物を所望の粒度に粉砕するまでの時間を短くすることができる。
【0302】
粉砕機構部2では、仕切り板20Eの上面に付着抑制部25Eが設けられる。これにより、回転粉砕歯2Cの回転により発生する円周方向の水流P3が弱い粉砕容器2Aの内周側では、仕切り板20Eと粉砕容器2Aの蓋部22Aとの隙間が広げられることで、処理対象物に含まれる繊維物が仕切り板20E上に付着することを防ぐことができ、粉砕容器2A内の残留物を減らすことができる。
【0303】
粉砕機構部2では、粉砕容器2Aを径方向の略中心で仕切るように仕切り板20Eが設けられることで、取込空間22Eを大きくすることができ、トイレットペーパ等の大きな処理対象物でも、仕切り板20Eを有した粉砕容器2A内に取り込むことができる。そして、粉砕機構部2では、軸2Dを避けるため、仕切り板20Eと軸2Dの間に隙間が形成される退避部23Eが仕切り板20Eに設けられる。これにより、処理対象物に含まれる繊維物が軸2D及び軸2D近傍の仕切り板20Eに付着することを防ぐことができ、粉砕容器2A内の残留物を減らすことができる。
【0304】
なお、以上説明したトイレ装置は、圧送タンクを用いて圧縮空気で処理対象物の流動体を排出する例で説明したが、粉砕機構部に圧縮空気を供給して処理対象物の流動体を排出するような構成でも良い。また、圧縮空気を用いずに処理対象物の流動体を排出するような構成でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0305】
本発明は、家庭や公共施設等に設置される一般的なトイレ装置や、屋外その他での簡易的に設置使用されたり、車載用等として使用されたりするポータブルトイレ装置や、介護用のトイレ装置に適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0306】
1・・・便器本体、1a・・・便座蓋、1b・・・便座、10S・・・便座蓋開閉検知センサ、12・・・排出口、13・・・仕切り弁、14・・・仕切り弁開閉機構部、16M・・・投入口モータ、16S1・・・投入口開位置検出スイッチ、16S2・・・投入口閉位置検出スイッチ、2・・・粉砕機構部、2A・・・粉砕容器、21A・・・排出口、23A・・・投入口、2B・・・固定粉砕歯、2C・・・回転粉砕歯、2D・・・軸、2E・・・仕切り部材、2F・・・粉砕歯駆動部、20F・・・粉砕用モータ、2G・・・排出弁開閉機構部、20G・・・排出弁、21G・・・排出弁モータ、23S1・・・排出弁開位置検出スイッチ、23S2・・・排出弁閉位置検出スイッチ、3・・・圧送タンク、4・・・給水タンク、5・・・トイレ、100・・・トイレ装置、110・・・制御装置、111・・・操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄された汚物、トイレットペーパ、または汚物とトイレットペーパを処理対象物とし、処理対象物と洗浄水とを便器本体で受容すると共に粉砕機構部によって粉砕して流動体と成し、前記粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体を、廃棄場所へ導いて排出するトイレ装置であって、
前記便器本体で受容された処理対象物と洗浄水を前記粉砕機構部に取り込む投入口と、
前記粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体を排出する排出口と、
前記便器本体で受容されて排出される処理対象物が通る少なくとも前記投入口と前記排出口のそれぞれに開閉可能に設けられる弁部材と、
前記弁部材を駆動する弁開閉機構部と、
前記弁開閉機構部により前記弁部材を開閉する動作で前記弁部材の開閉状態を監視し、前記弁部材が正常に開閉できないと判断すると、エラー処理を行う制御手段と
を備えたことを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
排泄された汚物、トイレットペーパ、または汚物とトイレットペーパを処理対象物とし、処理対象物と洗浄水とを便器本体で受容すると共に粉砕機構部によって粉砕して流動体と成し、前記粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体を、圧縮空気が充填されるタンク部に搬送して、圧縮空気によって廃棄場所へ圧送して排出するトイレ装置であって、
前記便器本体で受容された処理対象物と洗浄水を前記粉砕機構部に取り込む投入口と、
前記粉砕機構部で生成された処理対象物の流動体を排出する排出口と、
前記便器本体で受容されて排出される処理対象物が通る少なくとも前記投入口と前記排出口のそれぞれに開閉可能に設けられる弁部材と、
前記弁部材を駆動する弁開閉機構部と、
前記弁開閉機構部により前記弁部材を開閉する動作で前記弁部材の開閉状態を監視し、前記弁部材が正常に開閉できないと判断すると、エラー処理を行う制御手段と
を備えたことを特徴とするトイレ装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記弁部材が正常に開閉できないと判断すると、前記エラー処理として前記弁部材の動作方向を反転させて、前記弁部材を開閉するリトライ動作を行う
ことを特徴とする請求項1または2記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記エラー処理として前記弁部材を開閉するリトライ動作を行い、リトライ動作で前記弁部材が正常に開閉できないと判断すると、動作を停止する
ことを特徴とする請求項3記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記弁部材が正常に開閉できないと判断すると、前記エラー処理として動作を停止する
ことを特徴とする請求項1または2記載のトイレ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−57397(P2012−57397A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203194(P2010−203194)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】