説明

トグル式位置合わせプラットフォーム

【課題】高精度を実現するトグル式位置合わせプラットフォームを提供する。
【解決手段】本プラットフォームは、基部200と、基部上に配置されているスクリュー212と、基部上に位置されている回転部品210と、基部上に位置されているリンク220,222と、基部上に配置されている直線性制限ユニット230,234と、基部上に位置されている作業プラットフォームとを含み、作業プラットフォームはリンクの第二端部に連結されている。回転部品はスクリューを回転させる。リンクの第一端部はスクリューに連結されており、スクリューの回転に伴い、リンクの第一端部はスクリューの方向に沿って往復運動する。直線性制限ユニットは、リンクの第二端部が直線性制限ユニットの直線方向に沿って往復運動するように制限する。位置合わせ精密度を向上させるために、プラットフォームはシングルトグル式、ダブルトグル式、または多リンク接続である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置合わせプラットフォームおよび工作機械に関し、特にトグル式(toggle−type)位置合わせプラットフォームおよびトグル式工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩に伴い、各種の工業製品は、小型精密化する必要および傾向がある。そのため、近頃の新興の研究開発主題であるマイクロ/メソスケール製造技術(Micro/Meso−Scale Manufacturing Technology)は、未来の製造の重要な技術である。マイクロ/メソスケール製造技術は、国防、航空、電子、光学、通信および医療等の各領域の製品に適用される。特に、上記製造技術は、高速信号伝送のマイクロ光学部品、自動車や医学上のマイクロアクチュエータおよびマイクロセンサー、高温ジェット・エンジンのマイクロノズル、マイクロ燃料電池、光ファイバーの微小孔およびフォトリソグラフィー等に応用することができる。
【0003】
工程上の応用において、高精密な位置合わせ技術は、精密加工の重要な基礎である。高精密な位置合わせを向上させることは、業界発達の重要な指標にもなる。高精密な位置合わせ技術の困難性は、不確定な要因が多いことにあり、マクロスケールの位置合わせにおいて普通考えなくて良い要因も、マクロ・ナノスケールの位置合わせにおいては考慮しなければならない。
【0004】
現在、ミクロン規模の加工方法の多くは、ウェットエッチング、プラズマエッチング、LIGA(Lithographic galvanoformug abformug)プロセス、電子ビーム、またはイオンビーム等の製造工程技術を用いるため、近頃の微小電気機械システム(Micro−Electro Mechanical System、MEMS)の発展に寄与している。一般的に、MEMS技術は、2〜2.5Dの幾何形状の加工にのみ適用され、その加工の相対精度は、大体10−1〜10−2ミリメータに止まる。このため、高い相対精度が要求され、かつ比較的に複雑な形状を持つ3Dマクロ化製品に対しては、需要を満たすことができない。他に、MEMS技術は、金属材料や他の多様性の材質に適用できないということがネックになっている。また、ナノ規模の加工の多くは、走査トンネル顕微鏡(STM)または原子間力顕微鏡(AFM)の補助を必要とし、その速度は比較的に遅く、かつ技術もまだ成熟していない。
【0005】
現在の多軸工作機械の多くは、直列接続した(Serial Connected)機構である。それはカンチレバーに類似する構造であり、比較的に広い作業範囲を有する。しかし、外部の負荷や本身の重量によって変形や変位が発生しやすい。このため、高分解能、高精度を実現させたい場合、従来の直列接続した機構は、作業台のサーボシステムおよび作業台構造が非常に高精度および高規格でない限り、サブミクロン精度や、より高いレベルのナノ精度を実現することができない。このように、関係する制御技術は、非常に高いレベルが要求され、設備全体のコストも大幅に増加する。他にも、圧電型アクチュエータ(piezoelectric actuator)の機構があり、それは、ナノ規模の精度を持つものの、ストロークが小さすぎるのとヒステリシスの問題が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の問題を鑑みて、本発明の目的は、高精度を実現するトグル式位置合わせプラットフォームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のトグル式位置合わせプラットフォームは、基部と、基部上に配置されているスクリューと、基部上に位置されている回転部品と、基部上に位置されているリンクと、基部上に配置されている直線性制限ユニットと、基部上に位置されている作業プラットフォームとを含み、作業プラットフォームは、リンクの第二端部に連結されている。回転部品は、スクリューを回転させる。リンクの第一端部は、スクリューに連結されており、スクリューの回転に伴い、リンクの第一端部は、スクリューの方向に沿って往復運動する。直線性制限ユニットは、リンクの第二端部が直線性制限ユニットの直線方向に沿って往復運動するように制限する。
【0008】
また、本発明は、ダブルトグル式位置合わせプラットフォームを提供する。ダブルトグル式位置合わせプラットフォームは、基部と、基部上に配置されているスクリューと、基部上に位置されている回転部品と、基部上に位置されている第一リンクと、基部上に位置されている第一直線性制限ユニットと、基部上に位置されている第二リンクと、基部上に位置されている作業プラットフォームと、基部上に位置されている第二直線性制限ユニットとを含む。回転部品は、スクリューを回転させる。第一リンクの第一端部は、スクリューに連結されており、スクリューの回転により、第一リンクの第一端部は、スクリューの方向に沿って往復運動する。第一直線性制限ユニットは、第一リンクの第一端部以外の一部を第一直線性制限ユニットの直線方向に沿って往復運動するように制限する。第二リンクの第一端部は、第一リンクの第二端部に連結されている。作業プラットフォームは、第二リンクの第二端部に連結されている。第二直線性制限ユニットは、作業プラットフォームが第二直線性制限ユニットの直線方向に沿って往復運動するように制限する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、シングルトグル式位置合わせプラットフォームの平面図である。
【図2】図2は、ダブルトグル式位置合わせプラットフォームの平面図である。
【図3】図3は、従来の直列式の機構の運動分解能を示す。
【図4】図4は、本発明のシングルトグル式の機構の運動分解能を示す。
【図5】図5は、本発明のダブルトグル式の機構の運動分解能を示す。
【図6】図6は、本発明のトグル式三リンク位置合わせプラットフォームの平面図である。
【図7】図7は、本発明のトグル式単一軸方向位置合わせプラットフォームの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、トグル式位置合わせプラットフォームを提供する。本発明を理解してもらうために、以下に詳しい工程および構成を説明する。もちろん、本発明の実施は、機械工学の当業者が通常有する知識の特定の細部に限定されない。一方、本発明を必要以上に限定しないため、公知の構成または工程は、細かく説明しない。以下に、本発明の好適な実施例を詳しく説明するが、本発明は、下記内容により限定されない。本発明を他の実施例に広く実施することができ、また、本発明の範囲は、特許請求の範囲により定義される。
【0011】
図1は、本発明の実施例に係るトグル式位置合わせプラットフォームの平面図である。本実施例に係るシングルトグル式位置合わせプラットフォームは、基部100と、回転部品110と、スクリュー112と、作業プラットフォーム150と、リンク120とを含む。そこで、回転部品110と、スクリュー112と、作業プラットフォーム150とは、基部100上に配置されている。回転部品110は、基本的にモーター110であり、スクリュー112と連結され、スクリュー112を回転させることができる。作業プラットフォーム150は、基部100上において、所定の経路に沿って往復移動する。上記所定の経路の延長方向は、スクリュー112と夾角をなす。本実施例において、この夾角は、90度であるが、他の角度であっても良い。リンク120は、基部100と作業プラットフォーム150との間に位置されており、作業プラットフォーム150とスクリュー112との間を接続させる。また、スクリュー112が回転すると、リンク120は、その一端部がスクリュー112の方向に沿って往復運動すると共に、作業プラットフォーム150が所定の経路に沿って往復運動するように誘導する。
【0012】
より詳しく説明すると、基部100は、直線性制限ユニット130を備えることができる。本実施例において、直線性制限ユニット130は、ガイド構造であり、作業プラットフォーム150は、ガイドに沿って移動するのに適する。本実施例において、ガイドは、V字形であるが、U字形や他の形状であっても良い。また、基部100は、玉軸受132を備えることができる。そこで、玉軸受132は、基部100上に配置されており、また、基部100と作業プラットフォーム150との間に位置されている。これにより、作業プラットフォーム150は所定の経路に沿って移動するように誘導される。簡単に言うと、玉軸受132は、ガイド130に沿って移動することができる。また、直線性制限ユニット130は、他の構造、例えば、スライドであっても良い。
【0013】
なお、作業プラットフォーム150が所定の経路に沿って移動するように、玉軸受130を基部100とリンク120との間に配置させても良い。この場合、作業プラットフォーム150は、運動安定性の向上のために、もう一つの直線性制限ユニットを有しても良い。
【0014】
上述したシングルトグル式位置合わせプラットフォームは、以下の利点を有する。まず、本発明のトグル式位置合わせプラットフォームは、高精度および高分解能を実現することができる。また、本発明は、トグル式機構を主に用いる位置合わせプラットフォームであり、極めて高精密なサーボ駆動システムを必要とせずに、高精度および高分解能の作業台送り精度を実現することができる。
【0015】
シングルトグル式運動機構をマイクロ工作機械に応用することの最大の利点は、スクリューサーボ側と作業プラットフォーム側との間の三角関数の比例関係により、作業プラットフォームの運動分解能を増大させる効果を得ることができる。ただし、この比例関係によっても、高分解能のプラットフォームの運動ストロークの総運動ストロークにおける比例が非常に小さくなり、かつ総運動ストロークにおけるプラットフォームの最大と最小分解能の差が約10倍で大きい。このシングルトグル式の運動分解能の差が大きいという点を改善するために、本発明は、ダブルトグル式運動機構の位置合わせプラットフォームをも提供する。
【0016】
図2は、ダブルトグル式位置合わせプラットフォームの平面図である。本実施例に係るダブルトグル式位置合わせプラットフォームは、基部200と、回転裝置210と、スクリュー212と、第一リンク220と、第二リンク222と、第一直線性制限ユニット230と、第二直線性制限ユニット234と、作業プラットフォーム250とを含む。本実施例において、回転裝置210は、モーターであり、基部100上に配置され、スクリュー212を回転させる。スクリュー212が回転されると、第一リンク220は、その第一端部がスクリュー212の方向に沿って往復運動するように誘導される。第一直線性制限ユニット230は、ガイド構造であり、第一リンク220の一部または第二端部は、第一直線性制限ユニット230が定義する方向に沿って移動するのに適する。本実施例において、ガイドは、V字形であるが、U字形や他の形状であっても良い。また、基部200は、玉軸受232を備えることができる。そこで、玉軸受230は、基部200上に配置され、基部200と第一リンク220との間に位置されている。これにより、第一リンク220は、その一部が所定の経路に沿って移動するように誘導される。上記経路は、スクリュー212と夾角をなす。本実施例において、上記夾角は、90度である。簡単に言うと、玉軸受232は、ガイド230に沿って移動する。
【0017】
第二リンク222の第一端部は、第一リンク220の第二端部に連結されており、かつ第二リンク222の第二端部は、作業プラットフォーム250に連結されている。作業プラットフォーム250は、第二直線性制限ユニット234により制限されているため、第二直線性制限ユニット234が定義する方向に沿って往復運動する。第二直線性制限ユニット234が定義する方向は、第一直線性制限ユニット230が定義する方向に直交し、かつスクリュー212が定義する方向に平行する方向である。上記配置にすることは、一つの利点がある。即ち、スクリュー212が第一リンク220の運動を誘導する方向は、作業プラットフォーム250の運動方向と同じである。スクリュー212の回転により第一リンク220の第一端部がスクリュー212の方向に沿って往復運動する時に、第一直線性制限ユニット230により第一リンク220のある一部または第二端部は、第一直線性制限ユニット230が定義する方向に沿って往復運動する。同時に、第二リンク222の第一端部と第一リンク220の第二端部とが連結されているため、第二リンク222も移動するように誘導される。第二リンク222の第二端部と作業プラットフォーム250とが連結されており、かつ作業プラットフォーム250が第二直線性制限ユニット234により制限されているため、作業プラットフォーム250は、第二直線性制限ユニット234が定義する方向に沿って往復運動する。
【0018】
第二直線性制限ユニット234は、第一直線性制限ユニット230と同じ構造であっても良く、例えばVまたはU字形の溝である。また、第二直線性制限ユニット234は、玉軸受(未図示)を備えることができ、それは、玉軸受232と同じ機能をする。さらに、本実施例において、第二直線性制限ユニット234は、一つまたは一つ以上のガイド構造を備えることができる。上記ガイド構造により、作業プラットフォーム250の安定性が向上される。また、他の機構、例えば一つまたは一つ以上のスライドを備えることができる。
【0019】
シングルトグル式位置合わせプラットフォームとダブルトグル式位置合わせプラットフォームとの差異は、主に以下の構成にある。即ち、シングルトグル式位置合わせプラットフォームは、図1に示すように、リンク120とスクリュー112との間にある一つのみのトグルリンク夾角θを利用して、作業プラットフォーム150の運動分解能を増大させる。一方、ダブルトグル式位置合わせプラットフォームは、第一リンク220とスクリュー212との間にある第一トグルリンク夾角θと、第一直線性制限ユニット230と第二リンク222との間にある第二トグルリンク夾角θとの2つの夾角を同時に利用して、作業プラットフォーム250の運動分解能を増大させる。ダブルトグル位置合わせプラットフォームにおいて、第一トグルリンク夾角θと第二トグルリンク夾角θとの関係は、以下のようである。即ち、第一トグルリンク夾角θが小角度である時に、第二トグルリンク夾角θは大角度でなければならない。一方、第一トグルリンク夾角θが大角度である時に、第二トグルリンク夾角θは小角度でなければならない。上記関係は、全体の運動分解能が対称関係あるいは比例相補関係に近づけるかどうかに影響する。その理由として、スクリューサーボ側が等速で運動する時に、二本のトグルの角度変化率は同様ではない。比例相補関係にあるものの、実際、完全に対称であるわけではない。一つの実施例において、二本のトグルリンクの角度について、開始角度(85度)および停止角度(50度)のみが制限されている。
【0020】
スクリューのピッチが4mmであり、モーターのエンコード分解能が16384であるスクリューサーボシステムを例として挙げると、従来の直列式機構の運動分解能は、下記式1になる。
【0021】
【数1】

結果は、図3に示す。
シングルトグル式機構の運動分解能は、下記式2になる。
【0022】
【数2】

そこで、θは、トグルリンク夾角である。
結果は、図4に示す。
ダブルトグル式機構の運動分解能は、下記式3になる。
【0023】
【数3】

そこで、θは、第一トグルリンク夾角であり、θは、第二トグルリンク夾角である。
式3で示す分解能の演算式は、二つのトグルリンク夾角が対称であると仮定した簡単化式である。それは、実際との差が小さいため、式3で示すことにした。
結果は、図5に示す。
【0024】
比例相補により、ダブルトグル式位置合わせプラットフォームは、作業プラットフォームの運動の総ストロークにおける最大および最小分解能の差を3倍以内に減らすことができる。また、その平均分解能は、少なくともシングルトグル式の平均分解能の2.5倍になる。スクリューのピッチが4mmであり、モーターのエンコード分解能が16384であるシステムを例として挙げると、ダブルトグル式プラットフォームの最も悪い運動分解能でも少なくとも50nmである。このため、この機構は、シングルトグル式の運動分解能の差が大きいという欠点を改善することができると共に、超高精密な直線性モジュールシステムあるいは超高エンコード分解能のモーターを必要とせずに、高い運動分解能を実現することができるため、微細加工業界に応用するのに適する。
【0025】
さらに、本発明は、トグルによる運動を利用して、もう一つの位置合わせプラットフォームを提供する。図6は、本発明のトグル式三リンク位置合わせプラットフォームの平面図である。本実施例に係るトグル式三リンク位置合わせプラットフォームは、基部612と、上記基部612上に配置されているモーター646と、ボールスクリュー632と、作業プラットフォーム614と、第一リンク634と、第二リンク636と、第三リンク638とを含む。そこで、上記ボールスクリュー632は、上記基部612上に配置されており、上記モーター646に連結されている。また、上記モーター646は、上記ボールスクリュー632を回転させるのに適する。上記作業プラットフォーム614は、上記基部612上に配置されており、所定の経路654に沿って往復移動する。上記所定の経路654の延長方向は、上記ボールスクリュー632と第一夾角622をなす。上記第二リンク636は、上記ボールスクリュー632および上記作業プラットフォーム614に平行するように基部648上に固定されている。上記第一リンク634は、上記ボールスクリュー632と上記第二リンク636との間に位置されており、第二夾角624をなし、上記ボールスクリュー632と上記第二リンク636とを接続する。上記第三リンク638は、上記第二リンク636と上記作業プラットフォーム614との間に位置されており、第三夾角626をなし、上記第二リンク636と上記作業プラットフォーム614とを接続する。また、上記ボールスクリュー632の回転は、上記リンクを移動させるのに適し、上記作業プラットフォーム614が上記所定の経路654に沿って移動するように誘導する。
【0026】
上記作業プラットフォーム614は、直線性軸受644とスライド642との組み合わせにより、上記所定の経路654に沿って移動する。本発明において、直線性軸受644をスライド642に通してから、上記スライド642の両端部をそれぞれの支持架650に固定する。上記スライド642の長さを、上記所定の経路654の長さと同様にすることができる。上記直線性軸受644およびスライド642の方向を、上記ボールスクリュー632と直交する方向にすることができる。上記直線性軸受644およびスライド642は、基部612と作業プラットフォーム614との間に位置されており、かつ、作業プラットフォーム614の両端部に固定されている。上記直線性軸受644は、基本的に鉄製の長い円筒であるため、上記作業プラットフォーム614を上記長い円筒に安定に固定することができない。本実施例は、先ず上記直線性軸受644を安定な四辺形の長い筒状のものに固定させ、上記直線性軸受644が基部612と作業プラットフォーム614との間で転がらないで安定に配置されるように、上記直線性軸受644に平面を与える。基部612は、ガイドを備えることができると共に、作業プラットフォーム614は、ガイドに沿って移動するのに適する。上記ガイドは、V型、U型または他の形状である。また、本発明の実施例は、基部612上に配置され、上記基部612と上記作業プラットフォーム614との間に位置される玉軸受を備えることができる。それにより、上記作業プラットフォーム614は、所定の経路に沿って移動することができる。簡単に言うと、玉軸受は、ガイドに沿って移動する(未図示)。
【0027】
上記リンクは、以下のように接続されている。即ち、第一リンク634の両端部は、それぞれボールスクリュー632および第二リンク636に接続されている。上記第一リンク634は、上記第二リンクと第二夾角624をなす。上記第二リンク636のもう一端部は、基部648上に固定されている。同時に、上記基部648は、上記第二リンク636を支持する。第三リンク638の一端部は、上記第二リンク636の棒体上の上記基部648寄りの位置に接続されている。上記第三リンク638のもう一端部は、上記作業プラットフォーム614に接続されている。上記第二リンクは、上記第三リンクと第三夾角626をなす。
【0028】
上記第二リンク636の基部648上に固定されている端部は、三本のリンクの主な固定軸であり、玉軸受およびボルトで固定されているため、リンクは、左右に動けるものの、移動することができない。モーター646がボールスクリュー632を回転させる時に、三本のリンクは、ボールスクリューに誘導され、三本のリンクの間の第二夾角および第三夾角は移動に伴って変化する。しかし、第二リンクが基部上に固定されているため、三本のリンクは、位置が変わらない。また、三本のリンクを作業プラットフォーム614およびボールスクリュー632と同じ水平面で接続させるために、リンクの高さが作業プラットフォーム614およびボールスクリュー632と同じになるように、支持架650により、三本のリンクを支持する必要がある。これにより、リンクが浮かんで正確に動作しないことを防止することができる。
【0029】
さらに、第二リンク636は、第一リンク634および第三リンク638に接続されている。このため、モーター646がボールスクリュー632を回転させる時に、ボールスクリュー632の回転により、三本のリンクが移動する。三本のリンクの移動により、上記第二夾角624および上記第三夾角626が変わるので、上記作業プラットフォーム614は所定の経路654の方向に沿って移動する。
【0030】
本発明において、上記作業プラットフォーム614は、上記ボールスクリュー632の移動方向に対して第一夾角をなし、上記第一夾角は90度である。上記第一リンク634と上記第二リンク636とがなす第二夾角は0〜90度である。上記第二リンク636と上記第三リンク638とがなす第三夾角は0〜90度である。
【0031】
上記ボールスクリュー632と、第一リンク634と、第二リンク636と、第三リンク638と、作業プラットフォーム614と、基部648とは、玉軸受およびボルト652を用いて接続することができる。これにより、接続時に発生する摩擦を減らし、さらにモーター646の負担を減らす。
【0032】
本発明は、トグル式機械を主に用いる位置合わせプラットフォームであるため、位置合わせの精度を向上させることができる。また、本発明も、トグル式三リンク機械を主に用いる位置合わせプラットフォームであり、その移動速度は、単一リンクのトグル式機械よりも速い。また、本発明は、超高精密なサーボ駆動システムを必要とせずに、高精密度および高分解能の作業台送り精度を実現することができる。
【0033】
本発明は、また、トグル式の運動原理を利用して、位置合わせプラットフォームを提供する。図7は、本発明のトグル式単一軸方向位置合わせプラットフォームを示す上面図である。本実施?に係るトグル式位置合わせプラットフォームは、基部702と、上記基部702上に配置されているモーター704と、ボールスクリュー710と、作業プラットフォーム720と、直線性軸受708と、第一リンク714と、第二リンク716と、第三リンク718とを含む。上記ボールスクリュー710は、上記基部702上に配置され、上記モーター704に連結されている。上記モーター704は、上記ボールスクリュー710を回転させるのに適する。作業プラットフォーム720は、上記基部702上に配置されており、所定の経路726に沿って往復移動する。そこで、上記所定の経路726の延長方向は、上記ボールスクリュー710と平行する方向である。直線性軸受708は、上記ボールスクリュー710を覆い、上記ボールスクリュー710の回転と共に移動する。上記第一リンク714は、上記ボールスクリュー710と平行するように、上記直線性軸受708の下方に固定されており、上記直線性軸受708と共に移動する。上記第二リンク716は、上記第一リンク714と第三リンク718との間に位置されており、上記第一リンク714および上記第三リンク718と直交する方向にある。上記第三リンク718は、第二リンク716と上記作業プラットフォーム720との間に位置されている。上記ボールスクリュー710の回転は、上記リンクを移動させるのに適し、上記作業プラットフォーム720が上記所定の経路726に沿って移動するように誘導する。上記ボールスクリュー710が安定に回転するように、L字形支持架712を設けて上記ボールスクリュー710を支持する。
【0034】
さらに、スライド722により、上記作業プラットフォーム720を上記所定の経路726に沿って移動させることができる。上記スライド722の長さは、上記所定の経路726の長さと同様にすることができる。上記スライド722の方向は、上記ボールスクリュー710と平行する方向である。上記スライド722は、基部702と作業プラットフォーム720との間に位置され、作業プラットフォーム720の両端部に固定されている。基部702は、ガイドを備えることができると共に、作業プラットフォーム720は、ガイドに沿って移動するのに適する。上記ガイドは、V型、U型または他の形状である(未図示)。
【0035】
上記リンクは、以下のように接続されている。即ち、第一リンク714の両端部は、それぞれ直線性軸受708および第二リンク716に接続されている。上記第一リンク714は、上記第二リンク716と直角をなす。上記第二リンク716の両端部は、それぞれ上記第一リンク714および上記第三リンク718に接続されている。上記第一リンク714は、上記第三リンク718と平行する。一方、上記第二リンク716は、上記第一リンク714および上記第三リンク718と直角をなす。また、回転固定軸728は、上記第二リンク716の棒体に位置されている。上記回転固定軸728は、上記第二リンク716の両端部を自由に左右回転させ、上記第一リンク714および上記第三リンク718となす夾角を変化させることができるが、位置を移動することができない。上記第三リンク718の両端部は、それぞれ上記第二リンク716および作業プラットフォーム720に接続されている。上記三本のリンクの間の接続箇所はピンおよびCクリップにより固定されているため、2本のリンクは、固定されていると共に、なした夾角を自由に変化させることが可能である。上記モーター704が上記ボールスクリュー710を回転させるのに伴い、上記ボールスクリュー710を覆う直線性軸受708は、上記ボールスクリュー710の回転により前進または後退する。以上より、上記第一リンク714が上記直線性軸受708の下に固定されており、上記直線性軸受708が上記ボールスクリュー710と一緒に移動する時に、上記三本のリンクの間の夾角が移動に伴って変化するため、上記作業プラットフォーム720は、三本のリンクの移動により、所定の経路726の方向に沿って移動する。
【0036】
以上で説明したトグル式運動機構は、すべて単一方向の位置合わせプラットフォームである。応用上において単一方向のみの精密な位置合わせが必要な場合は、本発明を応用することが可能である。しかしながら、工業的応用では、XおよびYの両方向での平面の位置合わせプラットフォームを必要とする場合も多い。したがって、本発明の単一方向の位置合わせプラットフォームの実施例を任意に二種類を組み合わせることにより、平面の位置合わせプラットフォームを提供することができる。例えば、二方向で異なる形式の位置合わせプラットフォームを組み合わせる場合、一の方向でシングルトグル式を用いると共に、もう1つの方向でダブルトグル式、トグル式三リンク、またはトグル式単一軸方向を用いることができる。また、一の方向でダブルトグル式を用いると共に、もう1つの方向でトグル式三リンクまたはトグル式単一軸方向を用いることができる。さらに、一の方向でトグル式三リンクを用いると共に、もう1つの方向でトグル式単一軸方向を用いることができる。比較的に簡単な組み合わせとして、直接に2つの同様の形式の位置合わせプラットフォーム、例えば、二方向で同じくシングルトグル式またはダブルトグル式を用いることができる。当業者は、上記各実施例を組み合わせば、2つの方向での位置合わせプラットフォームを容易に実現するので、ここでは、更に詳しく説明しない。
【0037】
また、高さ方向で位置合わせプラットフォームを設計し、XYZの三方向での工作機械を提供することも可能である。同樣に、三方向の工作機械は、上記各実施例を組み合わせば実現できるため、ここでは、その組み合わせを更に詳しく説明しない。
【0038】
もちろん、本発明は、上記実施例で説明したものに基づいて、様々な修正および変更を行うことが可能である。このため、添付の特許請求の範囲内で本発明を理解することが必要であり、上記詳細な説明以外にも、本発明を他の実施例に広く実施することができる。以上に開示したのは、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の主旨を逸脱しないで完成した他の均等な変更および置き換えは、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
100 基部
110 モーター
112 スクリュー
120 リンク
130 ガイド
132 玉軸受
150 作業プラットフォーム
200 基部
210 モーター
212 スクリュー
220 第一リンク
222 第二リンク
230 第一直線性制限ユニット
232 玉軸受
234 第二直線性制限ユニット
250 作業プラットフォーム
612 基部
614 作業プラットフォーム
622 第一夾角
624 第二夾角
626 第三夾角
632 ボールスクリュー
634 第一リンク
636 第二リンク
638 第三リンク
642 スライド
644 直線性軸受
646 モーター
648 基部
650 支持架
652 玉軸受およびボルト
654 所定の経路
702 基部
704 モーター
706 支持架
708 直線性軸受
710 ボールスクリュー
712 L字形支持架
714 第一リンク
716 第二リンク
718 第三リンク
720 作業プラットフォーム
722 スライド
724 ピンおよびCクリップ
726 所定の経路
728 回転固定軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
該基部上に配置されているスクリューと、
該基部上に位置され、該スクリューを回転させる回転部品と、
該基部上に位置される第一リンクであって、該第一リンクの第一端部は、該スクリューに連結されており、該スクリューの回転により該第一リンクの第一端部が該スクリューの方向に沿って往復運動する該第一リンクと、
該基部上に位置される第一直線性制限ユニットであって、該第一リンクの第一端部以外の一部が該第一直線性制限ユニットの直線方向に沿って往復運動するように制限する該第一直線性制限ユニットと、
該基部上に位置される第二リンクであって、該第二リンクの第一端部が該第一リンクの第二端部に連結されている該第二リンクと、
該基部上に位置され、該第二リンクの第二端部に連結されている作業プラットフォームと、
該基部上に位置される第二直線性制限ユニットであって、該作業プラットフォームが該第二直線性制限ユニットの直線方向に沿って往復運動するように制限する該第二直線性制限ユニットとを含むことを特徴とするダブルトグル式位置合わせプラットフォーム。
【請求項2】
該第一直線性制限ユニットおよび該第二直線性制限ユニットは、それぞれガイド構造であり、該基部上に位置されていることを特徴とする請求項1に記載のダブルトグル式位置合わせプラットフォーム。
【請求項3】
該第一直線性制限ユニットおよび該第二直線性制限ユニットは、それぞれ玉軸受を含むことを特徴とする請求項2に記載のダブルトグル式位置合わせプラットフォーム。
【請求項4】
該第一直線性制限ユニットおよび該第二直線性制限ユニットは、それぞれスライド構造であることを特徴とする請求項1に記載のダブルトグル式位置合わせプラットフォーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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