説明

トコトリエノールを有効成分とする血管新生阻害剤、細胞増殖阻害剤、管腔形成阻害剤及びFGF阻害剤並びに食品或いは食品添加物

【課題】 安全で作用の大きな血管新生阻害剤、細胞増殖阻害剤、管腔形成阻害剤及びFGF阻害剤並びに食品或いは食品添加物を提供する。
【解決手段】 上記課題は、トコトリエノールを有効成分とする血管新生阻害剤、細胞増殖阻害剤、管腔形成阻害剤及びFGF阻害剤並びに食品或いは食品添加物によって解決される。これらの薬剤及び食品は血管新生により発症する血管新生依存性疾患の治療及び予防剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トコトリエノールを有効成分とする血管新生阻害剤、細胞増殖阻害剤、管腔形成阻害剤及び繊維芽細胞成長因子(FGF)阻害剤、並びにトコトリエノールを含有する食品又は食品添加物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
血管新生とは、既存の血管から新しい血管が形成される現象であり、次のステップよりなる。(1)血管新生因子が内皮細胞に血管新生シグナルを伝達し、内皮細胞が近傍の基底膜と細胞外基質を消化する。(2)血管内皮細胞が遊走し、増殖する。(3)血管内皮細胞が管腔を形成(血管新生)し、毛細血管網を形成する。この血管新生は固形腫瘍や糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、血管腫、歯周病、強皮症、緑内障、乾癬、加齢黄斑変性症などの病変において発症・進行するときに発生することが観察され、それぞれの病態の進展を助長すると考えられている。上記各種疾患の治療及び予防のため、様々な血管新生阻害剤が開発されているが、未だ、実用化されたものはなく、副作用のない安全な血管新生阻害作用を有する化合物の探索が望まれている。
【0003】
ところで、トコフェロール又はその誘導体を有効成分として含有する分子量47キロダルトンの熱ショックタンパク質の合成抑制剤が知られている(特許文献―1)。上記誘導体にはトコトリエノール同族体、すなわち、α−,β−,γ−及びδ−トコトリエノールが含まれている。この発明は、肝硬変や強皮症などの細胞外マトリックス産生の病態を示す病気の治療を意図しており、これらの病気に伴う線維化がコラーゲンの合成の増加にあること、及び前記熱ショックタンパク質の発現の増大につれてコラーゲンの合成も増加することが示されている。更に、血管新生においても基底膜中のコラーゲン合成が重要な役割を果たすことを指摘し、この合成抑制剤が、血管新生の異常増殖に基づく疾患、すなわち、糖尿病性網膜症、緑内障、リューマチ性関節炎等にも有効であるとしている。しかしながら、この発明では、ビタミンEであるα−トコフェロールが特に好ましいとしており、α−トコフェロールのみが実施例で示されている。トコトリエノールについては、単に列挙されているにとどまり、その具体的内容は全く示されていない。
【0004】
一方、トコフェロール類には血管新生阻害作用がないと言われていたが、本発明者らも本明細書において後述する比較実験により確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献−1】特開平9−40556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、安全性に問題がなく、α−トコフェロールよりはるかにすぐれた血管新生阻害作用、細胞増殖阻害作用、管腔形成阻害作用及びFGF阻害作用を発揮する阻害剤を提供し、もって、血管新生の異常増殖に基づく疾患の治療に寄与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、トコトリエノールが、特にβ−,γ−及びδ−トコトリエノールがα−トコフェロールよりはるかにすぐれた血管新生阻害作用、細胞増殖阻害作用、管腔形成阻害作用及びFGF阻害作用を有することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
β−,γ−又はδ−トコトリエノールを有効成分とする血管新生阻害剤、
β−,γ−又はδ−トコトリエノールを有効成分とする細胞増殖阻害剤、
β−,γ−又はδ−トコトリエノールを有効成分とする管腔形成阻害剤、
β−,γ−又はδ−トコトリエノールを有効成分とする繊維芽細胞成長因子、
α−,β−,γ−又はδ−トコトリエノールを含有する食品、及び
α−,β−,γ−又はδ−トコトリエノールを含有する食品添加物
を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によりトコトリエノールを有効成分とする血管新生阻害剤、細胞増殖阻害剤、管腔形成阻害剤及びFGF阻害剤並びに食品或いは食品添加物を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表1の数値を図示した。図の縦軸は% of control、横軸は濃度(μM)、−●−はDL−α−トコトリエノール、−■−はDL−β−トコトリエノール、−△−はDL−γ−トコトリエノール、−×−はDL−δ−トコトリエノールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
トコトリエノールには、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール及びδ−トコトリエノールの4つの同族体がある。これらはいずれも血管新生阻害作用、細胞増殖阻害作用、管腔形成阻害作用及びFGF阻害作用を発揮するが、α−トコトリエノールに比べてβ−トコトリエノール、γ−トコトリエノール及びδ−トコトリエノールが格段に大きな作用を発揮する。これらのトコトリエノールはいずれもL−体とD−体があるが、これらはいずれも使用することができ、更に上記4種の同族体の2以上の混合物であってもよい。この場合、α−トコトリエノールは、混合物中に有効成分であるβ−トコトリエノール、γ−トコトリエノール及び/又はδ−トコトリエノールの有効量が存在していれば、共存していても、存在していなくても良いものである。従って、天然由来の原料から抽出・分離した後にα−トコトリエノールが含まれていても相互作用により効果が相殺されることがないので特に制限する必要はない。むしろ、医薬としての効果、服用・摂取のし易さ、精製を繰り返すことによるコストの面から、混合物に含まれるα−トコトリエノールの使用量を選択すれば良い。
【0012】
また、上記トコトリエノールは、生体内でトコトリエノールを遊離することができるエステルの形態であってもよい。このエステルは、好ましくは、飽和又は不飽和脂肪酸とのエステルである。
【0013】
トコトリエノールは、天然物の圧搾、天然物からの抽出、合成などの方法で得られる。一般的には、ヤシ科植物の果皮及び/又は種子から抽出される。天然物の抽出物から得られるトコトリエノールは複数のトコトリエノール同族体の混合物である。
【0014】
天然物からは公知の方法に従って製造することができる。例えば、抽出物に水を加えて分離し、油層分をカラムクロマトグラフィーで分離精製してトコフェロール類を全く含まないか、または痕跡程度に含むトコトリエノールを調製することができる。各トコトリエノール同族体の比率及び含量は、常法に従って、例えば、液体クロマトグラフィー(HPLC)などにて測定することができる。
【0015】
トコトリエノールの各同族体は、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールとして市販されている。
【0016】
又は、常法により、抽出濃縮したトコトリエノールを更にカラムクロマトグラフィーに付し、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール及びδ−トコトリエノールの各成分に単離精製することができる。
【0017】
本発明の各阻害剤はトコトリエノールのみからなるものであってもよく、用途等に応じた他の成分を含むものであってもよい。この他の成分の例としては水やパーム油を挙げることができる。水やパーム油の使用量は剤形により異なり特に限定されるものではないが、成分中に有効成分であるβ−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールの有効量が存在していれば任意の比率で含むことができる。例えば、液剤として用いる場合は、0.01〜99重量%、好ましくは0.01〜90重量%である。
【0018】
本発明の各阻害剤はそれぞれの阻害作用が効果を発揮する疾患の治療剤及び予防剤として使用することができる。この対象となる疾患は、発症メカニズムにより異なるが、血管新生阻害剤は、固形腫瘍、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞症、未熟児網膜症、加齢黄斑変性症、血管新生緑内症、慢性関節リウマチ、血管腫、歯周病、強皮症、乾癬等であり、細胞増殖阻害剤は、固形腫瘍、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、血管腫、歯周病、強皮症、緑内障、乾癬、加齢黄班変性症等であり、管腔形成阻害剤は、固形腫瘍、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、血管腫、歯周病、強皮症、緑内障、乾癬、加齢黄班変性症等であり、FGF阻害剤は、FGFによる皮膚細胞の増殖、血管新生、細胞増殖が過剰に活性化されることを防ぐので、固形腫瘍、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、血管腫、強皮症、緑内障、乾癬、加齢黄班変性症等に有効である。
【0019】
これらの治療剤及び予防剤は、ヒト以外の動物、例えば、牛、馬、豚、羊等の家畜用哺乳類、鶏、ウズラ、ダチョウ等の家禽類、は虫類、鳥類或いは小型哺乳類等のペット類、養殖魚類等にも用いることができる。
【0020】
本発明の製薬組成物は、常法により、例えば、錠剤、舌下錠、丸剤、坐剤、散剤、粉剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、注射剤、乳剤、貼付剤などの形態に製剤化することができる。例えば、錠剤は薬理的に受容しうる担体と均一に混合して打錠することにより、また、散剤、粉剤、顆粒剤は薬剤と担体とを溶液又は懸濁液とし、常法により、例えば、噴霧乾燥法又は凍結乾燥法などにより乾燥することにより製造できる。
【0021】
散剤、粉剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤はラクトース、グルコース、スクロース、マンニトールなどの賦形剤、でんぷん、アルギン酸ソーダなどの崩壊剤、マグネシウムステアレート、タルクなどの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの表面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
【0022】
本発明の製剤組成物には必要ならばさらに他の抗酸化剤を添加してもよい。抗酸化剤は特に限定されるものでなく、抗酸化作用を有するものであれば適用可能である。例えば、レチノール、3,4−ジデヒドロレチノールなどのビタミンA類、ビタミンB、D−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸などのビタミンC類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、酢酸ビタミンE、コハク酸ビタミンEなどのビタミンE類、リン酸ビタミンE類、コエンザイムQ、フラボノイド、タンニン、エラグ酸、ポリフェノール類、ラジカル阻止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、金属キレート剤、活性酸素除去剤、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、及びδ−カロチンを含むカロチン類、トコキノン、及びこれらの薬学的に許容できる塩、並びにそれらの混合物からなる群から1種または2種以上選択することができる。
【0023】
注射剤は、有効成分を必要に応じてpH調製剤、緩衝剤、溶解剤、懸濁剤等、張化剤、安定化剤、防腐剤などの存在下、常法により製剤化することができる。
【0024】
また、必要に応じて、常法により凍結乾燥製剤とすることができる。
【0025】
懸濁剤としては、例えば、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガントなどを挙げることができる。溶解剤としては、例えば、ポリソルベート80、水添ポリオキシエチレンヒマシ油、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどを挙げることができる。安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。防腐剤としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾールなどを挙げることができる。
【0026】
本発明の各阻害剤におけるβ−,γ−又はδ−トコトリエノールの含有量(2種以上の場合は合計量)は0.01〜99重量%、好ましくは1〜99重量%の量で含有させることができる。
【0027】
本発明の各阻害剤の投与量は、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程度、又は投与方法などにより異なり、特に制限はないが、通常成人1人当り30〜3000mg程度、好ましくは100〜3000mg程度を、1日1〜4回程度にわけて、経口的に又は非経口的に投与する。
【0028】
本発明に用いられるトコトリエノールは、急性毒性はもちろん目立った慢性毒性も認められない安全なものであることが知られている(例えば、特開昭58−96021号公報)。
【0029】
本発明の有効成分を食品に利用する場合、上記のトコトリエノールのβ−,γ−,δ−トコトリエノールの各異性体の有効量及びそれらの混合物のいずれかを適宜組み合わせて使用することができる。トコトリエノールは、そのままの形態、オイル等に希釈した形態、乳液状形態食、又は食品業界で一般的に使用される担体を添加した形態等のものを調製してもよい。
【0030】
乳液状形態のものは、例えば、油相部にトコトリエノール又はその混合物を添加し、更にグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセロール、デキストリン、ナタネ油、大豆油、コーン油等の液状の脂肪を加え、水相部にL−アスコルビン酸或いはそのエステル又は塩、例えばローカストビーンガム、アラビアガム又はゼラチン等のガム質、例えばヘスペリジン、ルチン、ケルセチン、カテキン、チアニジン等のフラボノイド類又はポリフェノール類或いはその混合物等を添加し、乳化することによって調製できる。
【0031】
飲料の形態は、非アルコール飲料又はアルコール飲料である。非アルコール飲料としては、例えば、炭酸系飲料、果汁飲料、ネクター飲料等の非炭酸系飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、茶、コーヒー、ココア等、又、アルコール飲料の形態ではリキュール、薬用酒等の一般食品の形態を挙げることができる。
【0032】
飲食物としては、具体的には以下のものを例示することができる。洋菓子類(プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、チューインガム、チョコレート、ペストリー、バタークリーム、カスタードグリーム、シュークリーム、ホットケーキ、パン、ポテトチップス、フライドポテト、ポップコーン、ビスケット、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、カステラ、ワッフル、ケーキ、ドーナツ、ビスケット、クッキー、せんべい、おかき、おこし、まんじゅう、あめ等)、乾燥麺製品(マカロニ、パスタ)、卵製品(マヨネーズ、生クリーム)、飲料(機能性飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果肉飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果実着色炭酸飲料)、嗜好品(緑茶、紅茶、インスタントコーヒー、ココア、缶入りコーヒードリンク)、乳製品(アイスクリーム、ヨーグルト、コーヒー用ミルク、バター、バターソース、チーズ、発酵乳、加工乳)、ペースト類(マーマレード、ジャム、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、果実のシロップ漬け)、畜肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、ビーフジャーキー、ラード)、魚介類製品(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、ちくわ、ハンペン、魚の干物、鰹節、鯖節、煮干し、うに、いかの塩辛、スルメ、魚のみりん干し、貝の干物、鮭等の燻製品)、佃煮類(小魚、貝類、山菜、茸、昆布)、カレー類(即席カレー、レトルトカレー、缶詰カレー)、調味料剤(みそ、粉、末みそ、醤油、粉末醤油、もろみ、魚醤、ソース、ケチャップ、オイスターソース、固形ブイヨン、焼き肉のたれ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素、ペースト、インスタントスープ、ふりかけ、ドレッシング、サラダ油)、揚げ製品(油揚げ、油揚げ菓子、即席ラーメン)、豆乳、マーガリン、ショートニング等を挙げることができる。
【0033】
上記飲食物は、トコトリエノールを常法に従って、一般食品の原料と配合することにより、加工製造することができる。
【0034】
上記飲食物へのトコトリエノールの配合量は食品の形態により異なり特に限定されるものではないが、通常は0.001〜10%が好ましい。トコトリエノールの使用量は、トコトリエノールとして血管新生の発症又は進行を抑制するのに1日当り、必要な量だけ含まれるように調製する。現在知られている限り成人1日摂取量当りトコトリエノールとして10〜3,000mg、好ましくは100〜1,000mgであるが、その量は、食品の形態により使用者が適宜選択できる。
【0035】
上記飲食物は、機能性食品、栄養補助食品或いは健康食品類としても用いることができる。その形態は、特に限定されるものではなく、例えば、食品の製造例としては、アミノ酸バランスのとれた栄養価の高い乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミン等の蛋白質、これらの分解物、卵白のオリゴペプチド、大豆加水分解物等の他、アミノ酸単体の混合物等を、常法に従って使用することができる。又、ソフトカプセル、タブレット等の形態で利用することもできる。
【0036】
栄養補助食品或いは機能性食品の例としては、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料等が配合された流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク剤、カプセル剤、経腸栄養剤等の加工形態を挙げることができる。上記各種食品には、例えば、スポーツドリンク、栄養ドリンク等の飲食物は、栄養バランス、風味を良くするために、更にアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類等の栄養的添加物や甘味料、香辛料、香料、色素等を配合することもできる。
【0037】
本発明の薬剤又は食品の有効成分であるトコトリエノールを安定化させるために抗酸化剤、例えば、トコフェロール、L−アスコルビン酸、BHA、ローズマリー抽出物等を常法に従って併用することができる。
【0038】
本発明の飲食物は、家畜、家禽、ペット類の飼料用に応用することができる。例えば、ドライドッグフード、ドライキャットフード、ウェットドッグフード、ウェットキャットフード、セミモイストドックフード、養鶏用飼料、牛、豚等の家畜用飼料に配合することができる。飼料自体は、常法に従って調製することができる。
【実施例】
【0039】
先ず、実施例に用いた、使用細胞、培養条件、使用サンプル〔トコトリエノール、トコトリエノールの各同族体、α−トコフェロール及び繊維芽細胞成長因子(FGF)〕について、又、これらのサンプルの使用方法について説明する。
【0040】
尚、MTTは2−4,3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムプロミド、LDHはLactate Dehy drogenase、MEMはミニマム
エッセンシャル メディウムの略である。又、WSTは2−(4−Iodophenyl)−3−(4−nitrophenyl)−5−(2,4−disulfophenyl)−2−H−tetrazolium
monosodium saltの略である。
【0041】
(1) 使用細胞
正常ウシ大動脈由来内皮細胞(Normal Bovine Aortic Endothelial Cell:BAEC)は、セルシステムズ社製のものを大日本製薬株式会社より購入した。
【0042】
(2) 培養条件
細胞を、10%(v/v)ウシ血清(FBS)とペニシリン−ストレプトマイシン(各20IU/ml)を加えたMEM(Sigma)(以下、MEM+10%FBS)を用いて1×105細胞/mlとなるように調製し、I型コラーゲンでコートしてある60mmディッシュを用いて、5%CO2インキュベーター(37℃)で培養し、2〜3日おきに継代した。
【0043】
(3) 使用サンプル
(3−1) トコトリエノール混合物:
トコトリエノールの成分が、α−トコトリエノール18.9重量%、γ−トコトリエノール22.6重量%、δ−トコトリエノール1.2重量%、α−トコフェロール0.0重量%、その他45.3重量%(主に水又はパーム油)のものを用いた。
【0044】
(3−2) トコトリエノール同族体:
市販のα−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、及びδ−トコトリエノール(商品名『Tocotrienol』,DL−体,CALBIOCHEM社製)をエタノールに溶解して用いた。
【0045】
(3−3) α−トコフェロール:
市販のα−トコフェロール(Wako社製)をエタノールに溶解して用いた。
【0046】
(3−4) 繊維芽細胞成長因子(Fibroblast Growth
Factor:FGF):
市販品(Sigma社製)をMEM(Sigma社製)に溶解して用いた。
【0047】
上記の各サンプルは、2%(v/v)ウシ血清(FBS)とペニシリン−ストレプトマイシン(各20IU/ml)を加えたMEM(以下、MEM+2%FBS)中に含ませて用いた。
【0048】
実施例1〜5 トコトリエノールがBAEC細胞増殖に及ぼす効果
MTTアッセイにより、BAECの細胞増殖への影響を見た。
コンフルエントに増殖したBAECをトリプシン処理し、MEM+10%FBSを用いて1×104細胞/mlの浮遊液とした。96穴マイクロプレート(4枚)に細胞を100μl/wellで播種した後、CO2インキュベーター内で一晩インキュベートした。各well内の培養液を除去して、サンプルを含む培地(MEM+2%FBS)100μlに交換し、インキュベートを続けた。96時間後のものについては、48時間後に一度、培地を交換した。サンプル入り培地を加えてから0、24、48、96時間後に、それぞれのマイクロプレートを取り出し、MTT溶液〔3mg/ml
PBS(−)〕を50μl/wellで添加した後、CO2インキュベーター内で3時間インキュベートした。PBS(−)を各wellいっぱいに加えた後、液を吸引した後、0.04mol/l塩酸を含むイソプロピルアルコールを200μlずつ加えた。暗所に一晩置いた後、マイクロプレートリーダーを用い、各wellについて595nm及び655nm(dual)の吸光度を測定した。
【0049】
サンプルとしてトコトリエノール混合物、DL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールを用いてMTTアッセイを行った。サンプル無添加のものを対照群Aとした。
【0050】
比較例1
前記実施例1のDL−α−トコトリエノールをα−トコフェロールに代えた以外は実施例1と同様にしてアッセイした。
【0051】
上記実施例1〜5及び比較例1のサンプルの種類、使用量、アッセイ時間及びその結果を表1に示す。
尚、表中、n=8、MTTアッセイの結果はMean±SEで示す。
【0052】
【表1】

【0053】
DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールは10μM添加により阻害作用が見られる。
【0054】
一方、DL−α−トコトリエノールは10μM添加では、対照群に比べると同等であった。また、α−トコフェロールは100μM添加でも改善が観察されなかった。
【0055】
実施例6〜11 トコトリエノールのFGF阻害試験
FGF活性に及ぼすトコトリエノール混合物、DL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールの効果を前記実施例1〜5と同様にしてMTTアッセイにて試験した。サンプル無添加のものを対照群Bとした。
【0056】
実施例6〜11のサンプルの種類と使用量、インキュベート時間及びその結果を表2に示す。
【0057】
比較例2
実施例7のDL−α−トコトリエノールに代えてα−トコフェロールを用いて以下実施例7と同様にして試験した。
【0058】
比較例2のサンプルの種類、使用量及びインキュベートした時間及びその結果は表2に示す。
尚、表中、n=8、MTTアッセイの結果はMean±SEで示す。
【0059】
【表2】

【0060】
実施例12〜14 血管新生のアッセイ
BAECを2層のI型コラーゲンゲル間で培養し、形成された管腔様網目構造を評価した。
【0061】
コンフルエントに増殖したBAECをトリプシン処理し、MEM+10%FBSを用いて1×105細胞/1.5mlの浮遊液とした。I型コラーゲンでコートしてある12穴マイクロプレートに1.5ml/wellで細胞を播種した後、CO2インキュベーター内で一晩インキュベートした。以下の試薬をチューブに入れ、氷冷下ですばやく混ぜた〔Vitrogen
collagen(collagen社)8vol,0.1N NaOH 1vol,×10MEM(GIBCO BRL)1vol〕。培養液を吸引除去し、上記で調製したコラーゲンを0.5ml/wellで細胞上に分注した。これをCO2インキュベーター内に約30分置いてゲル化させた。サンプルを含むmedium(MEM+2%FBS)1.5mlを加え、その後1日おきにmedium交換しながらインキュベートを続けた。
【0062】
細胞の変化を顕微鏡で観察し、写真撮影し、管腔を形成している細胞の分岐数を数えることで、管腔形成について評価した。
【0063】
実施例12〜14のサンプルの種類、使用量およびその結果(管腔形成細胞数/cm2)は表3に示す。サンプル無添加のものを対照群Cとした。
尚、表中、n=4、管腔形成細胞数/cm2の結果はMean±SEで示す。
【0064】
【表3】

【0065】
上記結果からトコトリエノールを2μM以上使用することにより、管腔形成細胞数が減少し、25μMの添加量では管腔形成細胞が全く見られないことが分かる。
【0066】
実施例15〜20 管腔形成阻害試験
前記実施例12〜14のトコトリエノール混合物に代えて、DL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールを用いて、以下前記実施例12と同様にして管腔形成阻害試験を行った。
【0067】
実施例15〜20のサンプルの種類、使用量及びその結果(管腔形成細胞数/cm2)は表4に示す。サンプル無添加のものを対照群Dとした。
尚、表中、n=4、管腔形成細胞数/cm2の結果はMean±SEで示す。
【0068】
比較例3
上記実施例15のDL−α−トコトリエノールに代えてα−トコフェロールを用いて、以下前記実施例15と同様にして管腔形成阻害試験を行った。
【0069】
比較例3のサンプルの種類、使用量及びその結果(管腔形成細胞数/cm2)は表4に示す。
【0070】
【表4】

【0071】
上記表4の結果から、DL−δ−トコトリエノールは10μMの添加量で管腔形成を完全に阻害し、DL−γ−トコトリエノール、及びトコトリエノール混合物も管腔形成を充分に阻害した。DL−α−トコトリエノールは10μMの添加量では対照群に比べて同等であったが添加量を増加させると30μM以上では管腔形成を阻害し、50μMでは完全に阻害した。一方、比較例として用いたα−トコフェロールは100μMの添加量でも管腔形成を阻害しなかった。
【0072】
実施例21〜26 FGFにより誘発される管腔形成の阻害試験
FGFにより誘発される管腔形成をトコトリエノール混合物、DL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールが阻害するか試験した。サンプル無添加のものを対照群Eとした。FGFはトコトリエノールと同時に加えた。
【0073】
実施例21〜26のサンプルの種類、添加量、その結果(管腔形成細胞数/cm2)は表5に示す。
尚、表中、n=4、管腔形成細胞数/cm2の結果はMean±SEで示す。
【0074】
比較例4
実施例22のDL−α−トコトリエノールに代えてα−トコフェロールを用いた以外は実施例22と同様にして試験した。
【0075】
比較例4サンプルの種類、添加量、その結果(管腔形成細胞数/cm2)は表5に示す。
【0076】
【表5】

【0077】
表5の結果から、DL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールはFGFに誘導される管腔形成を阻害することが分かる。特にDL−β−トコトリエノール及びDL−δ−トコトリエノールは10μMで管腔形成を完全に阻害した。
【0078】
実施例27〜29 LDH活性測定
サンプルによるBAECに対する細胞障害率を評価するために、培地中の遊離LDH活性をLDH−細胞毒性テスト(Wako社製)のキットを用いて測定した。
【0079】
コンフルエントに増殖したBAECをトリプシン処理し、MEM+10%FBSを用いて5×104細胞/mlの浮遊液とした。96穴マイクロプレートに、細胞を100μl/wellで播種した後、CO2インキュベーター内で一晩インキュベートした。各well内の培養液を除去してサンプルを含む培地(MEM+2%FBS)100μlに交換し、インキュベートを続けた。ネガティブコントロール(NC)としてMEM+2%FBSを、ポジティブコントロール(PC)としてMEM+2%FBSで溶解した0.2%Tween20を使用した。48時間後、well内の培地を50μlずつ別の新しいwellに移し、キットの発色試薬を50μlずつ加えた後、室温で45分間インキュベートした。0.5N
HClを100μlずつ加えて反応を停止し、595nmの吸光度を測定し、以下に示す計算式により細胞障害率を求めた。
細胞障害率=(S−N)/(P−N)×100(%)
S=サンプルでの吸光度
N=ネガティブコントロールでの吸光度
P=ポジティブコントロールでの吸光度
【0080】
実施例27〜29のサンプルの種類、添加量、その結果〔細胞障害率(%
of control)〕を表7に示す。サンプル無添加のものを対照群Fとした。
尚、表中、n=4、細胞障害率は、Mean±SEで示す。
【0081】
比較例5〜7
実施例27のトコトリエノール混合物に代えてα−トコフェロールを使用した以外は、実施例27と同様にして試験した。
【0082】
比較例5〜7のサンプルの種類、添加量、その結果〔細胞障害率(%
of control)〕を表6に示す。
【0083】
【表6】

【0084】
表6の結果から、トコトリエノールの細胞障害作用がトコフェロールより強いことが分かる。
【0085】
実施例30〜34
前記実施例27のトコトリエノール混合物に代えて、DL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールの各同族体を用いた以外は実施例27と同様にして細胞障害率(%
of control)を求めた。実施例30〜34のサンプルの種類、添加量、その結果〔細胞障害率(%
of control)〕を表8に示す。無添加のものを対照群Gとした。
尚、表中、n=5、細胞障害率(% of control)はMean±SEを示す。
【0086】
比較例8
前記実施例30のDL−α−トコトリエノールに代えてα−トコフェロールを使用した以外は実施例30と同様にして試験した。
【0087】
【表7】

【0088】
表7の結果から、DL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールは細胞を傷害することがわかる。
【0089】
一方、α−トコフェロールは100μM投与しても対照群と同等であり、細胞障害作用はなかった。
【0090】
実施例35〜40
FGFに対するDL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノール及びトコトリエノール混合物の細胞障害作用を試験した。試験方法は、FGFを加えたほかは実施例27〜29に準じた。
【0091】
実施例35〜40のサンプルの種類及びその結果〔(細胞障害率(% of control)〕を表8に示す。サンプル無添加物を対照群Hとした。
尚、表中、n=4、細胞障害率(% of control)を示す。
【0092】
比較例9
前記実施例36のDL−α−トコトリエノールに代えてα−トコフェロールを用いた以外は実施例36と同様にして細胞障害率を求めた。
【0093】
実施例35〜40及び比較例9のサンプルの種類及びその結果〔細胞障害率(%
of control)〕を表8に示す。
【0094】
【表8】

【0095】
FGFの細胞増殖、管腔形成及び細胞毒性に及ぼすトコトリエノールの影響を下記表にまとめた。
【0096】
【表9】

【0097】
表中、↑は促進、/は増加傾向、→は変化なし、↓は抑制、↓↓は強く抑制、−は毒性がない、+毒性がややある、++は毒性があることを示す。
【0098】
表9の結果から、トコトリエノール混合物、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールは、各10μMで管腔形成阻害効果(β=δ>γ)を示した。DL−α−トコトリエノールは前記管腔形成阻害試験の結果から使用量を10μM以上とすることにより管腔形成阻害効果が得られるものと考えられる。
【0099】
一方、α−トコフェロールは100μMでも阻害効果が認められなかった。
【0100】
実施例41〜60 トコトリエノールがBAEC細胞増殖に及ぼす効果
BAEC細胞増殖に対するトコトリエノールの影響を種々の濃度で検討した。この目的のため、細胞増殖の測定法としては従来法であるMTTの代わりに、高感度測定が可能なWST−1を用いて細胞生存能力を定量した。
【0101】
コンフルエントに増殖したBAECをトリプシン処理し、MEM+10%FBSを用いて、2×104細胞/mlの細胞浮遊液とした。I型コラーゲンでコートしてある96穴マイクロプレートに細胞を100μl/wellで播種した後、CO2インキュベーター内で24時間インキュベートした。ブランクとして細胞を播種せずに培地のみをインキュベートした。各well内の培養液を除去して、サンプルを含む培地(MEM+2%FBS)100μlに交換し、インキュベートを続けた。サンプル培地を加えてから24時間後に、マイクロプレートを取り出しWST−1溶液を10μl/wellで添加した後、CO2インキュベーター内でインキュベートした。3時間後、マイクロプレートリーダーを用い、各wellについて450nm及び655nm(dual)の吸光度を測定した。
【0102】
サンプルとしてDL−α−トコトリエノール、DL−β−トコトリエノール、DL−γ−トコトリエノール、DL−δ−トコトリエノールを用いてWST−1アッセイを行った。サンプル無添加のものを対照群Iとした。
【0103】
上記実施例41〜60のサンプルの種類、使用量及びその結果[細胞生存率(%
of control)]を表10に示す。
細胞生存率=(S−B)/(C−B)×100(%)
S=サンプルの吸光度
C=対照群の吸光度
B=ブランクの吸光度
尚、表中、n=9、WST−1アッセイの結果はMean±SDで示す。
又、TCはトコトリエノールを示す。
【0104】
【表10】

【0105】
トコトリエノールは濃度依存な阻害作用を示した。さらに、DL−α−トコトリエノール<DL−γ−トコトリエノール<DL−β−トコトリエノール<DL−δ−トコトリエノールの順に強い阻害作用が見られた。つまり、トコトリエノールの内皮細胞増殖抑制効果は構造異性により大きく異なる。
【0106】
表10の結果を図示し、さらに、この図から50%増殖阻害濃度(IC50)を求めた。図の縦軸は% of control、横軸は濃度(μM)、−●−はDL−α−トコトリエノール、−■−はDL−β−トコトリエノール、−△−はDL−γ−トコトリエノール、−×−はDL−δ−トコトリエノールを示す。結果を表11に示す。
【0107】
【表11】

【0108】
製剤例1 錠剤
以下の組成を有する経口用錠剤を、常法により製造した。
トコトリエノール混合物 50mg
ラクトース 50mg
コーンスターチ 14mg
ポリビニルピロリドン 5mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
【0109】
製剤例2 錠剤
以下の組成を有する経口用錠剤を、常法により製造した。
DL−β−トコトリエノール 50mg
ラクトース 50mg
コーンスターチ 14mg
ポリビニルピロリドン 5mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
【0110】
製剤例3 筋肉用注射剤
DL−β−トコトリエノールの100mgを精製コーンオイル1mlに溶解して、筋注用注射剤とした。
【0111】
製剤例4 筋肉用注射剤
DL−δ−トコトリエノールの100mgを精製コーンオイル1mlに溶解して、筋注用注射剤とした。
【0112】
製剤例5 静注用注射剤
トコトリエノールの50mgをポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート5mgを用いて1mlの精製水に乳化分散させ、これにプロピルパラベン0.2mgを添加して、静注用注射剤とした。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の血管新生阻害剤、細胞増殖阻害剤、管腔形成阻害剤、FGF阻害剤は、血管新生の異常増殖に基づく疾患の治療剤として利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
β−,γ−又はδ−トコトリエノールを有効成分とする血管新生阻害剤
【請求項2】
β−,γ−又はδ−トコトリエノールを有効成分とする細胞増殖阻害剤
【請求項3】
β−,γ−又はδ−トコトリエノールを有効成分とする管腔形成阻害剤
【請求項4】
β−,γ−又はδ−トコトリエノールを有効成分とする繊維芽細胞成長因子阻害剤
【請求項5】
α−,β−,γ−又はδ−トコトリエノールを含有する食品
【請求項6】
α−,β−,γ−又はδ−トコトリエノールを含有する食品添加物

【図1】
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【公開番号】特開2009−185062(P2009−185062A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120186(P2009−120186)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【分割の表示】特願2002−20908(P2002−20908)の分割
【原出願日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【出願人】(390011877)富士化学工業株式会社 (53)
【出願人】(000161666)
【Fターム(参考)】