説明

トッピング用食材パレット及びこのトッピング用食材パレットを使用する加工食品の製造装置

【課題】作業者が手作業で行っていた柔らかく形状にバラツキがある食材や厚みの薄い食材を加工食品の上にトッピングする作業を自動化するために用いられるトッピング用食材パレット及びこのトッピング用食材パレットを使用する加工食品の製造装置を提供すること。
【解決手段】孔部11にトッピング用食材5が収容されたトッピング用食材パレット1を、加工食品4の上方位置Pで支持する支持手段2と、加工食品4の上方位置Pで支持されているトッピング用食材パレット1の支持片12Aに、この支持片12Aに載置されているトッピング用食材5を介して押圧力を作用させることによって支持片12Aを撓ませてトッピング用食材5を通過させ、加工食品4の上にトッピング用食材5をトッピングするようにする押圧手段3とを備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トッピング用食材パレット及びこのトッピング用食材パレットを使用する加工食品の製造装置に関し、特に、製造工程からコンベア等の送出手段によって整列して送出される加工食品の上にトッピング用食材を自動的にトッピングする際に使用するトッピング用食材パレット及びこのトッピング用食材パレットを使用する加工食品の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シューマイ等の加工食品は、製造装置(例えば、特許文献1参照。)によって製造され、当該の製造工程から、コンベア等の送出手段によって整列した状態(トレーに載置された状態を含む。以下同じ。)で送出される。
そして、このような加工食品の上に、種々のトッピング用食材をトッピングするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平5−30638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、加工食品の上にトッピング用食材をトッピングする作業は、例えば、ムキエビ等の柔らかく形状にバラツキがあるトッピング用食材や、スライスした蒲鉾、ハム等の厚みの薄いトッピング用食材の場合は、作業者が手作業で行う必要があるため、加工食品に対するトッピング用食材の状態にバラツキが生じやすく、さらに、製造装置の製造能力を高い状態で維持するためには多くの作業者を必要とし、コストが上昇するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記加工食品の上にトッピング用食材をトッピングする場合の問題点に鑑み、従来作業者が手作業で行っていた加工食品の上にトッピング用食材をトッピングする作業を、自動化することで正確かつ効率よくトッピングを行うことができるようにするために用いられるトッピング用食材パレット及びこのトッピング用食材パレットを使用する加工食品の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のトッピング用食材パレットは、製造工程から整列して送出される加工食品の上にトッピング用食材をトッピングする際に使用するトッピング用食材パレットであって、トッピング用食材パレットのプレート部材に、前記製造工程から送出される加工食品の整列位置に合わせてトッピング用食材を収容する孔部を形成するとともに、該孔部に、トッピング用食材を載置し、トッピング用食材を介して押圧力を受けることにより撓んで前記載置されていたトッピング用食材を通過させる支持片を突設したことを特徴とする。
【0007】
この場合において、プレート部材に形成した孔部の位置に合わせて、支持片を形成した可撓性シートを、プレート部材に積層して配設することができる。
【0008】
また、前記支持片が、トッピング用食材を収容する孔部の中心位置から放射状に延びる切れ目によって分断されてなるようにすることができる。
【0009】
また、前記トッピング用食材を収容する孔部の状態によって、孔部に収納するトッピング用食材の数を規定することができる。
【0010】
また、前記トッピング用食材パレットを使用する本発明の加工食品の製造装置は、孔部にトッピング用食材が収容された前記トッピング用食材パレットを、前記加工食品の上方位置で支持する支持手段と、前記加工食品の上方位置で支持されているトッピング用食材パレットの支持片に、当該支持片に載置されているトッピング用食材を介して押圧力を作用させることによって支持片を撓ませて前記載置されていたトッピング用食材を通過させ、加工食品の上にトッピング用食材をトッピングするようにする押圧手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この場合において、前記トッピング用食材を介して押圧力を作用させる押圧手段のトッピング用食材との当接部にトッピング用食材が付着して共上がりすることを防止する付着防止手段を設けることができる。
【0012】
また、前記支持手段が、トッピング用食材パレットを、供給位置から、製造工程から整列して送出されえる加工食品の上方を通って、排出位置まで移送するように構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のトッピング用食材パレット及びこのトッピング用食材パレットを使用する加工食品の製造装置によれば、トッピング用食材パレットのプレート部材に形成され、支持片が突設された孔部に、トッピング用食材を予め収容させておき、加工食品の上にトッピング用食材をトッピングする際に、トッピング用食材が載置されている支持片にトッピング用食材を介して押圧力を作用させることによって支持片を撓ませて当該トッピング用食材を通過させ、加工食品の上にトッピング用食材をトッピングする。これにより、製造装置の製造能力を高い状態で維持したまま、製造工程からコンベア等の送出手段によって整列して送出される加工食品の上に、正確かつ効率よくトッピング用食材を自動的にトッピングすることができる。
【0014】
また、プレート部材に形成した孔部の位置に合わせて、支持片を形成した可撓性シートを、プレート部材に積層して配設するようにすることにより、支持片の可撓性を損なうことなく、トッピング用食材パレットの保形性を高いものに維持することができるので、より正確なトッピングを実現できる。
【0015】
また、前記支持片が、トッピング用食材を収容する孔部の中心位置から放射状に延びる切れ目によって分断されてなるようにすることにより、押圧力を受けた支持片は、均等に撓み、トッピング用食材を、孔部の中心位置へ案内しながら孔部の下方に位置する加工食品の上にトッピングする。これにより、トッピング用食材を、加工食品の上により正確にトッピングすることができる。
【0016】
また、前記トッピング用食材を収容する孔部の深さ、大きさ、形状などの状態によって、孔部に収納するトッピング用食材の数を規定することにより、加工食品の上にトッピングする所定の数のトッピング用食材を正確に孔部に収容することができ、これによって、不良品の発生を防止して、製品の歩留まりを向上することができる。
【0017】
また、前記トッピング用食材を介して押圧力を作用させる押圧手段のトッピング用食材との当接部にトッピング用食材が付着して共上がりすることを防止する付着防止手段を設けることにより、加工食品の上にトッピング用食材を確実にトッピングすることができ、これによって、不良品の発生を防止して、製品の歩留まりを向上することができる。
【0018】
また、前記支持手段を、トッピング用食材パレットを移送するように構成することで、適切なタイミングで、各孔部にトッピング用食材が収容されたトッピング用食材パレットを供給位置から加工食品の上方位置まで移送しつつ、トッピング用食品が取り出されたトッピング用食材パレットを排出位置まで移送することができる。これにより、作業者が製造工程からの加工食品の送出タイミングに合わせてトッピング用食材パレットを加工食品の上方位置にセットする作業を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のトッピング用食材パレットの一実施例を示す斜視図である。
【図2】同トッピング用食材パレットの支持片を形成した可撓性シートを示す斜視図である。
【図3】同トッピング用食材パレットのプレート部材に可撓性シートを積層した状態を示し、(a)は図1のX−X断面図、(b)はさらに案内プレートを積層した例を示す断面図、(c)は孔部の深さを異なるトッピング用食材に合わせた例を示す断面図である。また(d1)は(a)のトッピング用食材パレットに収納するトッピング用食材を、(d2)は(c)のトッピング用食材パレットに収納するトッピング用食材を示す。
【図4】支持片を示し、(a)は打抜部を略十字状に形成して支持片を形成した例を、(b)は支持片が、内側に向かって突出する円弧状に形成した例を、(c)は4本の放射状の切れ目によって支持片を4箇所に形成した例を、(d)は8本の放射状の切れ目によって支持片を8箇所に形成した例を、(e)は4本の放射状の切れ目によって支持片を4箇所に形成し、切れ目の端部に応力集中を防止する小孔を設けた例を、(f)は4本の放射状の切れ目によって支持片を4箇所に形成し、切れ目の端部に、さらに、円弧状の切れ目とこの円弧状切れ目の端部に小孔を設けた例を示す。
【図5】本発明の加工食品の製造装置の一実施例を示す斜視図である。
【図6】同製造装置の付着防止手段を示し、(a1)〜(a2)は圧力気体を用いた例を、(b1)〜(b3)は棒状部材にピストン軸を配設した例を、(c1)〜(c2)は棒状部材の下端部(下端面)に突起状物を形成した例を、(c3)は棒状部材の下端部(下端面)に溝部を形成した例を示す。
【図7】同製造装置の作動状況を示す説明図で、(a)はトッピング用食材のトッピング前の状態を、(b)は押圧手段を作動して加工食品の上にトッピング用食材をトッピングさせた状態を、(c)はトッピング後に付着防止手段を作動させた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のトッピング用食材パレット及び加工食品の製造装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
図1〜図7に、本発明のトッピング用食材パレット及びこのトッピング用食材パレットを使用する加工食品の製造装置の一実施例を示す。
【0022】
このトッピング用食材パレット1は、製造工程から整列して送出される加工食品4の上にトッピング用食材5をトッピングする際に使用するもので、トッピング用食材パレット1のプレート部材10に、製造工程から送出される加工食品4の整列位置に合わせてトッピング用食材5を収容する孔部11を形成するとともに、孔部11に、トッピング用食材5が載置され、当該トッピング用食材5を介して押圧力を受けることにより撓んで載置されていたトッピング用食材5を通過させるようにする支持片12Aを突設するようにしている。
【0023】
プレート部材10と支持片12Aとは、一体成形することもできるが、本実施例においては、プレート部材10に形成した孔部11の位置に合わせて、支持片12Aを形成した可撓性シート12を、プレート部材10に積層して配設するようにしている。
この場合、プレート部材10及び可撓性シート12の材質は、本実施例においては、プレート部材10にフッ素樹脂、可撓性シート12にニトリルゴムを用いるようにしている。
可撓性シート12のプレート部材10への積層方法は、接着剤を用いての貼着のほか、可撓性シート12側からビス等の締結手段を用いて積層することができる。
【0024】
また、図3(b)に示すように、トッピング用食材5を収容する孔部11に支持片12Aを挟んで連通するトッピング用食材5を案内する孔部11Aを形成した案内プレート15を、可撓性シート12を挟み込むように積層して配設することもできる。
このように、案内プレート15を配設することにより、可撓性シート12の設置状態を安定化することができるとともに、案内プレート15に形成した孔部11Aによってトッピング用食材5を案内して、確実に加工食品4の上にトッピングすることができる。
【0025】
可撓性シート12は、例えば、打抜加工によって、図2に示すような打抜部12Bを打ち抜くことによって、支持片12Aを形成することができる。
【0026】
また、支持片12Aは、トッピング用食材を収容する孔部11の中心位置から放射状に延びる切れ目によって分断されて形成することが好ましい。
これにより、押圧力を受けた支持片12Aが、均等に撓み、トッピング用食材5を、孔部11の中心位置へ案内しながら孔部11の下方に位置する加工食品4の上に正確にトッピングすることができる。
【0027】
この支持片12Aを規定する打抜部12Bの形状は、具体的には、図4(a)に示すような略十字状のほか、図4(b)に示すように、支持片12Aが、内側に向かって突出する円弧状となるように形成することもできる。
【0028】
また、支持片12Aを、図4(c)〜図4(f)に示すように、トッピング用食材5を収容する孔部11の中心位置から放射状に延びる切れ目13によって分断して形成することもできる。
放射状に延びる切れ目13は、支持片12Aを、切れ目13によって分断して形成するもので、図4(c)に示すように、4本の放射状の切れ目13によって支持片12Aを4箇所に形成したり、図4(d)に示すように、8本の放射状の切れ目13によって支持片12Aを8箇所に形成することができる。
また、図4(e)に示すように、4本の放射状の切れ目13によって支持片12Aを4箇所に形成するとともに、切れ目13の端部に応力集中を防止する小孔14を設け、トッピング用食材5を加工食品4の上にトッピングする際に撓む支持片12Aの隅部分の損傷を防止することができる。
さらに、図4(f)に示すように、切れ目13の端部に、さらに円弧状の切れ目13Aを形成するとともに、この円弧状の切れ目13Aの端部に小孔14を設けることができる。このように、円弧状の切れ目13Aを形成することで、支持片12Aが撓むことによって形成されるトッピング用食材5の通過する部分の面積を大きくし、確実にトッピング用食材5を通過させることができる。
【0029】
また、トッピング用食材5を収容する孔部11の深さ、大きさ、形状などの状態によって、孔部11に収納できるトッピング用食材の数を制限し、規定することができる。
具体的には、図3(d1)〜図3(d2)に示すように、トッピング用食材5が、厚みがT1のムキエビの場合と、厚みがT2(T1>T2)の薄くスライスした蒲鉾の場合に、プレート部材10に形成した孔部11の深さが異なるトッピング用食材パレット1を用いることによって、加工食品4の上にトッピングする所定の数(本実施例においては、1個又は1枚ずつ。)のトッピング用食材5を正確に孔部11に収容することができ。
この場合、厚みT1のムキエビの場合には、ムキエビの厚みT1に合わせた深さt1(T1≒t1)の孔部11をプレート部材10に形成したトッピング用食材パレット1を用い、厚みT2の薄くスライスした蒲鉾の場合には、蒲鉾の厚みT2に合わせた深さt2(T2≒t2)の孔部11をプレート部材10に形成したトッピング用食材パレット1を用いて、トッピング用食材5を収納するようにすることで、それぞれ収納数を1個又は1枚ずつとすることができる。
この場合、深さを2倍にすることで孔部11に収納するトッピング用食材5の収納数を2個又は2枚ずつとしたり、孔部11の状態を円形以外の異形状、例えば、2個又は3個の円形が重なり合った状態にすることによって、2個又は3個のトッピング用食材5を平面上に並べて孔部11に収納し、加工食品4の上に正確にトッピングすることができる。
このように、トッピング用食材5を収容する孔部11の深さ、大きさ、形状などの状態によって、孔部11に収納できるトッピング用食材の数を制限し、規定することにより、加工食品4の上にトッピングする所定の数のトッピング用食材5を正確に孔部11に収容することができ、これによって、不良品の発生を防止して、製品の歩留まりを向上することができる。
【0030】
次に、上記のトッピング用食材パレット1を使用する加工食品の製造装置Mについて説明する。
この加工食品の製造装置Mは、孔部11にトッピング用食材5が収容されたトッピング用食材パレット1を、加工食品4の上方位置Pで支持する支持手段2と、加工食品4の上方位置Pで、トッピング用食材5を載置している支持片12Aにトッピング用食材5を介して押圧力を作用させることによって支持片12Aを撓ませて載置されていたトッピング用食材5を通過させ、加工食品4の上にトッピング用食材5をトッピングするようにする押圧手段3とを備えるようにしている。
さらに、支持手段2は、トッピング用食材パレット1を、供給位置P1から、製造工程から整列して送出される加工食品4の上方を通って、排出位置P2まで移送するように構成されている。
【0031】
トッピング用食材パレット1には、製造工程からトレー40内に所定数(本実施例においては、12個。)整列して、送出手段41によって送出される加工食品4に合わせて、予め、トッピング用食材パレット1のプレート部材10に形成した、支持片12Aが突設されたトッピング用食材5を収容する孔部11に、作業者が手作業でトッピング用食材5を所定数(本実施例においては、12個。)挿入し、支持片12A上に載置する。
このように、孔部11にトッピング用食材5が収容されたトッピング用食材パレット1を、製造装置の製造能力に見合った枚数用意し、供給位置P1に運び込む。
【0032】
支持手段2は、トッピング用食材パレット1を、供給位置P1から、製造工程から整列して送出される加工食品4の上方を通って、排出位置P2まで移送することができる機構であればよく、本実施例においては、無端状に巻回される対となるチェーン20、20と、このチェーン20、20を駆動する駆動機構(図示省略)とからなるチェーンコンベアを使用するようにしている。
トッピング用食材パレット1は、このチェーン20、20に架け渡し、供給位置P1から、加工食品4の上方位置P(トッピング作業位置)に移送され、この位置で、加工食品4の上にトッピング用食材5をトッピングし、孔部11が空の状態になって排出位置P2まで移送される。
供給位置P1におけるトッピング用食材パレット1の架け渡し作業は、作業者が手作業で行うほか、機械装置を用いて行うこともできる。
【0033】
トッピング用食材5を加工食品4の上にトッピングし、孔部11が空の状態になったトッピング用食材パレット1を排出する排出位置P2は、本実施例においては、供給位置P1と異なる位置に設定しているが、支持手段2を、供給位置P1と加工食品4の上方位置P(トッピング作業位置)との間を往復動する機構を採用することで同じ位置とすることもできる。
なお、本実施例では、支持手段2を、トッピング用食材パレット1を移送するように構成したが、支持手段2を、トッピング用食材パレット1を移送するように構成せず、単に、加工食品4の上方位置Pで支持するように構成しても構わない。この場合、作業者が、製造工程からの加工食品4の送出タイミングに合わせて、トッピング用食材パレット1を加工食品4の上方位置Pにセットする必要がある。
【0034】
押圧手段3は、トッピング用食材5を上方から押圧することによって、支持片12Aを撓ませるようにするもので、本実施例においては、孔部11を通過するように、孔部11の径よりも小径で、孔部11に対応する数の棒状部材30と、棒状部材30の上端部を下端部30Aがプレート部材10の孔部11に一致するように固定する固定部材31と、固定部材31を上下動させ、棒状部材30を押し下げて、トッピング用食材5を介して支持片12Aに押圧力を作用させるシリンダ等からなる押圧機構32と、トッピング用食材5との当接部である棒状部材30の下端部(下端面)30Aにトッピング用食材5が付着して共上がりすることを防止する付着防止手段33とから構成するようにしている。
【0035】
付着防止手段33は、本実施例においては、図6(a1)〜図6(a2)に示すように、棒状部材30に下端部30Aに排出口を開口する圧力気体排出通路33Aを形成し、この圧力気体排出通路33Aの導入口を圧力気体供給源Aと連通するようにしている。
そして、押圧機構32の押圧動作によって、トッピング用食材5を加工食品4の上にトッピングさせ、棒状部材30を上昇させる際(棒状部材30の上昇と同時)に、圧力気体供給源Aから供給される圧力気体を、圧力気体排出通路33Aを介して、棒状部材30の下端部30Aに開口した排出口からトッピング用食材5に向かって吹き付けるようにしている。
これによって、棒状部材30の下端部30Aに付着しやすいトッピング用食材5の場合でも、トッピング用食材5が、棒状部材30の下端部30Aに付着して共上がりすることを防止することができる。
【0036】
なお、付着防止手段33は、このほか、図6(b1)〜図6(b3)に示すように、棒状部材30に、棒状部材30の径よりも小径(例えば、棒状部材30の径の1/4〜1/3程度の径とする。)のピストン軸33Bを配設し、棒状部材30を上昇させる際に、ピストン軸33Bの下端部がトッピング用食材5に当接した状態を保持し、遅れて上昇するように構成することもできる。
具体的には、図に示すように、ピストン軸33Bの上端に、ピストン軸33Bよりも大径のロッド部を形成し、このロッド部の上端面に当接し、ピストン軸33Bを下方に向かって押圧する圧縮バネを棒状部材30内に配設することによって、ロッド部の環状の下端面が棒状部材30の内部に形成した段部に当接するまでの間、棒状部材30が上昇しても、ピストン軸33Bが棒状部材30の下端部30Aよりも下方に突出してトッピング用食材5に当接するようにしている。
なお、ピストン軸33Bを、別途シリンダ等の押圧機構によって上下動させるようにすることもできる。
【0037】
また、付着防止手段33を、図6(c1)〜図6(c2)に示すように、棒状部材30の下端部30A(下端面)に形成した突起状物Tで構成することができる。
この突起状物Tは、棒状部材30の下端部30Aとトッピング用食材5との当接面積を小さくするためのもので、当接面積を小さくすることによって、棒状部材30の下端部30Aにトッピング用食材5が付着することを防止する(付着しにくい構造とする)ことができる。
また、棒状部材30の下端部30Aとトッピング用食材5との当接面積を小さくする方法として、図6(c3)に示すように、下端部30A(下端面)に多数の溝部Dを形成する構成を採用することもできる。
【0038】
このように、付着防止手段33を備えることで、トッピング用食材5がトッピングされていない不良品の発生を防止し、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0039】
次に、加工食品4の上にトッピング用食材5をトッピングする要領について説明する。
まず、図7(a)に示すように、加工食品4の上方にトッピング用食材パレット1のプレート部材10に形成した孔部11が位置するように、加工食品の送出手段41と支持手段2とを同期して運転する。
このとき、送出手段41と支持手段2との運転は間歇運転とすることが好ましいが、送出手段41、支持手段2及び押圧手段3の運転を連動させて連続運転とすることもできる。
【0040】
そして、トッピング用食材パレット1のプレート部材10に形成した孔部11に収容され、支持片12Aに支持されているトッピング用食材5を、押圧手段3の棒状部材30によって下方に押圧し、図7(b)に示すように、トッピング用食材5を介して支持片12Aに押圧力を作用させることで、支持片12Aを下方に向けて撓ませ、支持片12Aに支持されていたトッピング用食材5を通過させ、加工食品4の上にトッピングする。
このとき、押圧手段3の棒状部材30によって、トッピング用食材5を加工食品4に押し付け、めり込ませるようにすることによって、加工食品4に対するトッピング用食材5の状態を安定化することができる。
その後、図7(c)に示すように、棒状部材30を上昇させるとき、押圧機構32による上昇開始と同時に圧力気体供給源Aからの圧力気体を、棒状部材30の下端部30Aに開口した排出口からトッピング用食材5に向かって吹き付け、トッピング用食材5が棒状部材30に付着して共上がりすることを防止する。
【0041】
そして、孔部11が空の状態になったトッピング用食材パレット1は、排出位置P2まで移送され、トッピング用食材5がトッピングされていない加工食品4がトッピング作業位置に送出手段41によって送出されるとともに、その上方位置Pに孔部11にトッピング用食材5が収容されたトッピング用食材パレット1が支持手段2によって移送され、トッピング作業が行われる。
【0042】
以上、本発明のトッピング用食材パレット及び加工食品の製造装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のトッピング用食材パレット及びこのトッピング用食材パレットを使用する加工食品の製造装置は、従来作業者が手作業で行っていた柔らかく形状にバラツキがある食材や厚みの薄い食材を加工食品の上にトッピングする作業を自動化することができることから、製造工程からコンベア等の送出手段によって整列して送出される加工食品の上にトッピング用食材を自動的にトッピングする用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 トッピング用食材パレット
10 プレート部材
11 孔部
12 可撓性シート
12A 支持片
13 切れ目
2 支持手段
3 押圧手段
30 棒状部材
31 固定部材
32 押圧機構
33 付着防止手段
4 加工食品
5 トッピング用食材
M 加工食品の製造装置
P 加工食品の上方位置
P1 トッピング用食材の供給位置
P2 トッピング用食材の排出位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工程から整列して送出される加工食品の上にトッピング用食材をトッピングする際に使用するトッピング用食材パレットであって、トッピング用食材パレットのプレート部材に、前記製造工程から送出される加工食品の整列位置に合わせてトッピング用食材を収容する孔部を形成するとともに、該孔部に、トッピング用食材を載置し、トッピング用食材を介して押圧力を受けることにより撓んで前記載置されていたトッピング用食材を通過させる支持片を突設したことを特徴とするトッピング用食材パレット。
【請求項2】
プレート部材に形成した孔部の位置に合わせて、支持片を形成した可撓性シートを、プレート部材に積層して配設したことを特徴とする請求項1記載のトッピング用食材パレット。
【請求項3】
前記支持片が、トッピング用食材を収容する孔部の中心位置から放射状に延びる切れ目によって分断されてなることを特徴とする請求項1又は2記載のトッピング用食材パレット。
【請求項4】
前記トッピング用食材を収容する孔部の状態によって、孔部に収納するトッピング用食材の数を規定するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載のトッピング用食材パレット。
【請求項5】
孔部にトッピング用食材が収容された請求項1、2、3又は4記載のトッピング用食材パレットを前記加工食品の上方位置で支持する支持手段と、前記加工食品の上方位置で支持されているトッピング用食材パレットの支持片に、当該支持片に載置されているトッピング用食材を介して押圧力を作用させることによって支持片を撓ませて前記載置されていたトッピング用食材を通過させ、加工食品の上にトッピング用食材をトッピングするようにする押圧手段とを備えたことを特徴とする加工食品の製造装置。
【請求項6】
前記トッピング用食材を介して押圧力を作用させる押圧手段のトッピング用食材との当接部にトッピング用食材が付着して共上がりすることを防止する付着防止手段を設けたことを特徴とする請求項5記載の加工食品の製造装置。
【請求項7】
前記支持手段が、トッピング用食材を、供給位置から、製造工程から整列して送出される加工食品の上方を通って、排出位置まで移送するように構成されている請求項5又は6に記載の加工食品の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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