説明

トナーとして使用するための水性分散体

【課題】残留する副作用なく高品質の画像を生じる高性能トナーを形成するための組成物および方法を提供する。
【解決手段】水性分散体を含む複合物であって、該分散体は熱可塑性樹脂および少なくとも1種類の安定化剤、ならびに着色剤および磁性顔料からなる群より選択される少なくとも1種類を含み、該分散体の平均体積径粒径は約0.05〜約10ミクロンである複合物。水性分散体および着色剤を含む複合物を形成することと、分散体中の水分の少なくとも一部を除去してトナー粒子を形成することを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年2月28日出願
の番号未特定の米国実用特許出願、および2006年3月3日出願の米国仮特許出願第6
0/779,126号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般に水性分散体に関する。より具体的には、本発明は、プリントトナーと
して有用な分散複合物に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電子写真のプロセスでは、感光面が負電荷に帯電し、次にそれが露光されて画像
となる。受照部分(画像領域)は導電性が高くなるため、露光部分の電荷は消失して潜像
が形成される。表面に広がった負に帯電したトナー粒子は潜像域に付着してトナー画像が
形成される。あるいは、感光表面が均一に静電気に帯電し、画像領域を光に露出させるこ
とにより潜像をその上に形成することができる。トナー粒子は表面に広がって、周囲の表
面よりも負電荷の少ない、光形成された潜像に付着して、それによって、トナー像を形成
し、その潜像を表示させる。必要であれば、トナー像を転写材料、例えば紙の上に移して
よい。次に、固定画像を得るために、定着手段、例えば、熱、圧力、熱および圧力または
溶媒蒸気によって、トナー像を固定することができる。そのようなプロセスは、例えば、
米国特許第2,297,691号に記載されている。
【0004】
典型的に、電子写真においてトナー像の現像およびその後の固定に使用されるトナーは
、熱可塑性樹脂を染料および/または顔料から製造される着色剤と溶融混合して、着色剤
がその中に均一に分散している樹脂組成物を製造することにより製造される。特定の粒径
を有するトナー組成物を得るために、この樹脂組成物は、粉砕および/または分類されて
、得られる画像の質に影響を及ぼし得る粗粒子および/または微粒子を除去してよい。ト
ナーの粒度分布を最適化することにより、高解像度の画像が可能となる。特に、粒子が大
きいと、超微粒子ダストがプリントヘッド面に付着し、それがあまりに小さいため十分な
制御可能な電荷を有さない間に閉塞を生じ得る。従って、より高解像度の画像、特に高解
像度のカラー画像が望ましいため、より小さな粒径およびより狭い粒度分布が必要とされ
る。小さな粒子もまた、典型的に印刷速度の改良および1頁あたりの費用の低下をもたら
すので望ましい。
【0005】
これらのトナーを製造するための典型的な微粉砕プロセスは、トナー粒子の大きさを制
御して高品質のトナーを製造することが可能であるが、一定の実際的制限を有する場合が
多い。例えば、微粉砕は、費用がかかり、非効率的な、小さな粒径を得るためのプロセス
であり、使用してよいポリマーの種類に制約を課すため、他の全ての点で優れているポリ
マーは粉砕することができないので除外され得る。その上、着色剤がその中に分散されて
いる樹脂組成物のブロックは、経済的に使用可能な製造装置を用いて微粉砕されることを
必要とする。しかし、樹脂組成物は脆く、樹脂組成物を高速で微粉砕すると粒径の範囲の
広い粒子が容易に製造される。その上、そのような脆い材料は、コピー機の現像装置にお
いてさらに粉砕される傾向がある。
【0006】
さらに、この微粉砕プロセスでは、固体微粒子、例えば樹脂中の着色剤などを均一に分
散させることが極めて困難である。そのため、分散の程度によって見込まれるカブリの増
加、画像濃度の低下、およびトナーの混色または透明性の低下を回避するために、分散の
程度に十分な注意を払う必要がある。その上、そのようなトナー粒子の形状および表面状
態(これもトナー像の質に大いに影響を及ぼし得る)は、微粉砕において得られる粒子の
劈開破壊によって決定される。具体的には、微粉砕プロセスは、トナー粒子の表面状態を
制御する困難さを示し、従って樹脂組成物の微粒子の劈開面から着色剤が露出している場
合、現像画像の質は低下する可能性がある。
【0007】
そのため、微粉砕プロセスに関連する問題を克服するために、重合によって化学的に製
造されるトナーを製造することが既に提案され、それは例えば、米国特許第4,816,
366号に記載されている。この重合プロセスは、重合可能なモノマーを添加剤成分、例
えば、着色剤、帯電制御剤、および離型剤などと混合することにより重合可能なモノマー
組成物を調製し、次に、懸濁重合、乳化重合、分散重合などにより、重合可能なモノマー
組成物を重合することによる、着色されたポリマー粒子(すなわち着色された樹脂粒子)
を製造するプロセスである。あるいは、化学的に製造されたトナーは、予備形成されたポ
リマーを必要な顔料および添加剤とともに凝集させることにより製造してもよい。重合プ
ロセスにおいて、重合により形成されたポリマー成分はバインダー樹脂となって着色ポリ
マー粒子を直接形成する。
【0008】
微粉砕工程を排除することにより、懸濁重合または乳化重合は、脆弱である必要のない
トナー粒子のためにより軟質な材料を使用することができる。トナー粒子の形状の統一性
は良好に維持することができ、そのことも着色剤がトナー粒子の表面に露出することを防
ぐ。さらに、分類工程を場合により省略してもよい;このようにして、有意なコスト削減
効果、例えばエネルギー節約、製造時間短縮、および改良された工程収率などを達成する
ことができる。
【0009】
しかし、これらの重合プロセスにより製造されたトナーは固有の制限がないわけではな
い。例えば、これらの制限には、高い資本要件(得られるトナーが残留するモノマーを含
むか、または添加剤が混入している可能性がある)が含まれ、ポリマーの種類への制限も
存在し得る。具体的には、存在してよいポリマーの種類の制限に関して、典型的に、水の
存在下で重合され得るポリマーだけを使用することができ、従って広範な種類のポリマー
が排除される。例えば、一部のポリオレフィンを含む、一部のポリマーの重合プロセスは
水に不耐性である。残留するモノマーに関して、バインダー樹脂を形成するための重合工
程において重合可能なモノマーを完全に反応させることは困難であり、そのため、未反応
の重合可能なモノマーが樹脂中に残ることがしばしばある。結果として、トナーは残留す
る未反応モノマーを含む場合が多い。残留する重合可能なモノマーを含有するトナーを画
像形成装置で使用する場合、重合可能なモノマーは定着工程で加熱することによりトナー
から気化し、作業環境を悪化させるか、または悪臭を発する。トナー中の重合可能なモノ
マーの含量が高い場合、トナーもその保存中にブロッキングを被って凝集するか、あるい
は画像形成装置における個々の部材でのオフセット現象またはトナーフィルミングを引き
起こす傾向がある。
【0010】
重合可能なモノマーを除去する試みは、重合トナー中に残留する任意の重合可能なモノ
マーを容易に吸収する様々な添加剤によってその首尾が異なっている。添加剤による残留
するモノマーの吸収は、バインダー樹脂単独からのモノマーの除去と比較して、残留する
モノマーの除去を困難にする。重合トナーが重合後に十分に洗浄されている場合でさえも
、重合トナーの中に吸収された残留する重合可能なモノマーを除去することは困難である
。重合トナーの熱処理による、残留する重合可能なモノマーを除去する試みは、重合トナ
ーの凝集をもたらす。
【0011】
米国特許第6,894,090号は、特定の種類の樹脂を使用するが、明確に有機溶媒
を必要とするトナーを開示している。
【0012】
従って、残留する副作用なく高品質の画像を生じる高性能トナーを形成するための組成
物および方法に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0013】
一態様では、本発明は、水性分散体を含む複合物に関し、該分散体には、熱可塑性樹脂
および少なくとも1種類の安定化剤、ならびに着色剤および磁性顔料からなる群より選択
される少なくとも1種類が含まれ、該分散体の平均体積径粒径は約0.05〜約10ミク
ロンである。
【0014】
別の態様では、本発明は、水性分散体および着色剤を含む複合物を形成すること(該分
散体には熱可塑性樹脂および少なくとも1種類の安定化剤が含まれ、該分散体の平均体積
径粒径は約0.05〜約10ミクロンである)と、分散体中の水分の少なくとも一部を除
去してトナー粒子を形成することを含む、トナーを形成するための方法に関する。
【0015】
本発明のその他の態様および利点は以下の説明および添付される特許請求の範囲から明
らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態は、トナー組成物として有用な、水性分散体および水性分散体から製
造された複合物に関する。本発明の実施形態において使用される分散体は、水、(A)少
なくとも1種類の熱可塑性樹脂、および(B)安定化剤を含む。これらは下記に詳細に考
察される。本複合物は、水性分散体と、着色剤および磁性顔料の少なくとも1種類の添加
を含み、さらにいくつかの添加剤を含んでよい。複合物中のこれらの成分は下記でより詳
細に考察される。
【0017】
熱可塑性樹脂
【0018】
本発明の水性分散体の実施形態に含まれる熱可塑性樹脂(A)は、それ自体容易に水に
分散性でない樹脂である。本明細書において使用される用語「樹脂」は、増量剤、安定化
剤、顔料、およびプラスチックを形成するためのその他の成分とともに使用される、合成
ポリマーまたは化学修飾された天然樹脂、例えば、限定されるものではないが、熱可塑性
物質、例えば、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリエステル、スチレンアクリレ
ート、およびポリエチレン、ならびに熱硬化性物質、例えば、ポリエステル、エポキシ、
およびシリコーンを含むものと解釈されるべきである。
【0019】
本明細書において使用される樹脂という用語にはエラストマーも含まれ、オレフィンポ
リマーのブレンドも含むことが理解される。一部の実施形態では、熱可塑性樹脂は半結晶
性樹脂である。用語「半結晶性」は、標準的な示差走査熱量測定(DSC)評価に付され
た場合に少なくとも1つの吸熱量を有する樹脂を同定することを意図する。一部の半結晶
性ポリマーは、最終吸熱量最大値を過ぎて走査温度が上昇するにつれて比較的穏やかな傾
斜を提示するDSC吸熱量を提示する。これは、一般にシャープな融点であると考えられ
ているものを有するポリマーよりも広範な溶融範囲のポリマーを反映する。本発明の分散
体において有用な一部の熱可塑性樹脂は単一の融点を有するが、その他のポリマーは1よ
りも多くの融点を有する。
【0020】
一部の熱可塑性樹脂では、1又はそれ以上の融点は、ポリマーの全部または一部がかな
り狭い温度範囲、例えば摂氏数度にわたり溶融するようにシャープであってよい。その他
の実施形態では、熱可塑性樹脂は約20℃の範囲にわたり広範な溶融特性を提示し得る。
さらにその他の実施形態では、熱可塑性樹脂は、50℃よりも大きな範囲にわたる広範な
溶融特性を示し得る。
【0021】
特定のその他の実施形態では、熱可塑性樹脂の密度は、0.8〜1.5g/ccの間で
ある。その他の実施形態では、熱可塑性樹脂の密度は、0.85〜1.4g/ccであり
;その他の実施形態では、0.86〜1.3g/ccであり、さらにその他の実施形態で
は0.87〜1.2g/ccである。
【0022】
本発明において用いられ得る熱可塑性樹脂(A)の例としては、α−オレフィンのホモ
ポリマーおよびコポリマー(エラストマーを含む)、例えばエチレン、プロピレン、1−
ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、および1−ドデセンなど
(典型的に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1
−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレ
ン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマー、およびプロピレン−1−
ブテンコポリマーで表される);α−オレフィンと共役もしくは非共役ジエンのコポリマ
ー(エラストマーを含む)(典型的に、エチレン−ブタジエンコポリマーおよびエチレン
−エチリデンノルボルネンコポリマーで表される);ならびにポリオレフィン(エラスト
マーを含む)、例えば2又はそれ以上のα−オレフィンと共役もしくは非共役ジエンのコ
ポリマーなど(一般に、エチレン−プロピレン−ブタジエンコポリマー、エチレン−プロ
ピレン−ジシクロペンタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−1,5−ヘキサジエ
ンコポリマー、およびエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンコポリマーで表さ
れる);エチレン−ビニル化合物コポリマー、例えば、エチレン−ビニルアセテートコポ
リマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−ビニルクロライドコポリマ
ー、エチレンアクリル酸もしくはエチレン−(メタ)アクリル酸コポリマー、およびエチ
レン−(メタ)アクリレートコポリマーなど;スチレン系コポリマー(エラストマーを含
む)、例えば、ポリスチレン、ABS、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、α−メ
チルスチレン−スチレンコポリマー、スチレンビニルアルコール、スチレンアクリレート
、例えばスチレンメチルアクリレート、スチレンブチルアクリレート、スチレンブチルメ
タクリレートなど、ならびにスチレンブタジエンおよび架橋スチレンポリマーなど;なら
びにスチレンブロックコポリマー(エラストマーを含む)、例えば、スチレン−ブタジエ
ンコポリマーおよびその水和物、およびスチレン−イソプレン−スチレントリブロックコ
ポリマーなど;ポリビニル化合物、例えば、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロ
ライド、ビニルクロライド−ビニリデンクロライドコポリマー、ポリメチルアクリレート
、およびポリメチルメタクリレートなど;ポリアミド、例えば、ナイロン6、ナイロン6
,6、およびナイロン12など;熱可塑性ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタ
ラートおよびポリブチレンテレフタラートなど;ポリカーボネート、ポリフェニレンオキ
シドなど;ならびに、ポリ−ジシクロペンタジエンポリマーおよび関連ポリマー(コポリ
マー、ポリマー)を含む、ガラス質の炭化水素系樹脂;飽和モノオレフィン、例えば、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ブチルなど;ビニルエステル、例えば、モノカ
ルボン酸のエステルなど(メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、
フェニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、およびブチルメ
タクリレートなどを含む);アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、
それらの混合物;開環メタセシスおよびクロスメタセシス重合により製造された樹脂など
が挙げられる。これらの樹脂は、単独で、あるいは2又はそれ以上の組合せで使用してよ
い。具体的な熱可塑性トナー樹脂の例としては、スチレン含量が約70〜約95重量パー
セントのスチレンブタジエンコポリマーが挙げられる。
【0023】
熱可塑性樹脂には、少なくとも1つのエステル結合を含有するポリマーが含まれ得る。
例えば、ポリエステルポリオールは、アルカン二酸(alkanedioic acid)に関してモル過剰
の脂肪族ジオールもしくはグリコールを使用する従来のエステル化プロセスにより調製す
ることができる。ポリエステルを調製するために用いられ得るグリコールの例は、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール
、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよびその他のブタンジオール、
1,5−ペンタンジオールおよびその他のペンタンジオール、ヘキサンジオール、デカン
ジオール、およびドデカンジオールである。一部の実施形態では、脂肪族グリコールは、
2〜約8個の炭素原子を含有してよい。ポリエステルを調製するために用いられ得る二酸
(dioic acids)の例は、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2
−メチル−1,6−ヘキサン酸、ピメリン酸、スベリン酸、およびドデカン二酸である。
一部の実施形態では、アルカン二酸は、4〜12個の炭素原子を含有し得る。ポリエステ
ルポリオールの例は、ポリ(ヘキサンジオールアジペート)、ポリ(ブチレングリコール
アジペート)、ポリ(エチレングリコールアジペート)、ポリ(ジエチレングリコールア
ジペート)、ポリ(ヘキサンジオールオキサレート)、およびポリ(エチレングリコール
セベケート)である。
【0024】
別の例として、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分は、スルホン酸基、カル
ボキシル基などで置換されてよい)とアルコール成分(これらのアルコール成分は、ヒド
ロキシル基などで置換されてよい)の縮合により得たポリエステル樹脂、ポリアクリル酸
エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート
、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなど;
ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレ
ン−メタクリル酸エステルコポリマー樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂など。
【0025】
熱可塑性樹脂としては、スチレンおよびその誘導体のホモポリマーおよびコポリマー(
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン−p
−クロロスチレンコポリマーおよびスチレンビニルトルエンコポリマーなど)、スチレン
とアクリレートのコポリマー(例えば、スチレンメチルアクリレートコポリマー、スチレ
ンエチルアクリレートコポリマー、およびスチレン−n−ブチルアクリレートコポリマー
など);スチレンとメタクリレートのコポリマー(例えば、スチレン−メチルメタクリレ
ートコポリマー、スチレン−エチルメタクリレートコポリマー、およびスチレン−n−ブ
チルメタクリレートコポリマーなど);スチレン、アクリレートおよびメタクリレートの
多元コポリマー;ならびにスチレン系コポリマー、例えば、スチレンとその他のビニルモ
ノマーのコポリマー(例えば、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−ビニ
ルメチルエーテルコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−ビニルメチ
ルケトンコポリマー、スチレン−アクリロニトリル−インデンコポリマーおよびスチレン
−マレエートコポリマーなど)など;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ
ート、ポリビニルアセテート、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリアクリル酸、フェノール樹脂、脂肪族もしくは脂環式炭化水素樹脂、石油
樹脂および塩素化パラフィンを挙げることができる。それらは単独で用いてもよいし、そ
れらの適当な組合せで用いてもよい。
【0026】
熱可塑性樹脂としては、適した非共役ジエンモノマー、例えば、6〜15個の炭素原子
を有する直鎖、分枝鎖又は環状炭化水素ジエンなどを挙げることができる。適した非共役
ジエンの例としては、限定されるものではないが、直鎖非環状ジエン、例えば、1,4−
ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなど
、分枝鎖非環状ジエン、例えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン;3,7−ジメチル
−1,6−オクタジエン;3,7−ジメチル−1,7−オクタジエンおよびジヒドロミリ
センとジヒドロオシネンの混合異性体など、単環脂環式ジエン、例えば、1,3−シクロ
ペンタジエン;1,4−シクロヘキサジエン;1,5−シクロオクタジエンおよび1,5
−シクロドデカジエンなど、ならびに多環脂環式融合および架橋環ジエン、例えば、テト
ラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(
2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエンなど;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケ
ニルおよびシクロアルキリデンノルボルネン、例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン
(MNB);5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボル
ネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2
−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、およびノルボルナジエンなどが挙げら
れる。典型的に、EPDMを調製するために用いられるジエンの中で特に好ましいジエン
は、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5
−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB
)、およびジシクロペンタジエン(DCPD)である。
【0027】
本明細書に開示される実施形態に従って用いることのできる所望の熱可塑性樹脂の1つ
のクラスには、エチレンのエラストマーインターポリマー、C3−C20α−オレフィン、
特にプロピレン、および、場合により1又はそれ以上のジエンモノマーが含まれる。本実
施形態における使用のために好ましいα−オレフィンは、式CH2=CHR*(式中、R*
は、1〜12個の炭素原子からなる線状もしくは分枝状アルキル基である)により設計さ
れる。適したα−オレフィンの例としては、限定されるものではないが、プロピレン、イ
ソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、お
よび1−オクテンが挙げられる。プロピレン系ポリマーは、一般に当分野でEPまたはE
PDMポリマーと呼ばれる。そのようなポリマー、特にマルチブロックEPDM型ポリマ
ーを調製する際の使用に適したジエンとしては、4〜20個の炭素原子を含む、直鎖もし
くは分枝鎖、環状もしくは多環式の共役もしくは非共役ジエンが挙げられる。ジエンとし
ては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、および5−ブチリデン−2−ノルボル
ネンが挙げられる。
【0028】
適した種類の熱可塑性樹脂として、ジ−またはポリ−カルボン酸およびジフェノールを
含むジオールのエステル化生成物を使用してよい。これらの樹脂は、参照により本明細書
に組み込まれる米国特許第3,590,000号に例示されている。トナー樹脂のその他
の具体的な例としては、スチレン/メタクリレートコポリマー、およびスチレン/ブタジ
エンコポリマー;懸濁重合されたスチレンブタジエン;ビスフェノールAとプロピレンオ
キシドの反応、それに続いて得られる生成物とフマル酸の反応により得られるポリエステ
ル樹脂;およびジメチルテレフタラート、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジ
オール、およびペンタエリトリトールの反応により得られる分枝ポリエステル樹脂、スチ
レンアクリレート、ならびにその混合物が挙げられる。
【0029】
さらに、本発明の具体的な実施形態では、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー
、プロピレン−エチレンコポリマー、およびスチレン系コポリマーが組成物の1成分とし
て用いられる。その他の本発明の実施形態は、例えば、The Dow Chemica
l Company(Midland,MI)から入手できるUNOXOL3,4ジオー
ルなどを含む、ポリエステル樹脂を含む。
【0030】
選択された実施形態では、1種類の成分は、エチレン−αオレフィンコポリマーまたは
プロピレン−αオレフィンコポリマーから形成されている。特に、選択された実施形態で
は、熱可塑性樹脂は、1又はそれ以上の非極性ポリオレフィンを含む。
【0031】
特定の実施形態では、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、それ
らのコポリマー、およびそれらのブレンド、ならびにエチレン−プロピレン−ジエンター
ポリマーなどが使用され得る。一部の実施形態では、好ましいオレフィン系ポリマーには
、エルストンに発行された米国特許第3,645,992号に記載の、均質なポリマー;
アンダーソンに発行された米国特許第4,076,698号に記載の高密度ポリエチレン
(HDPE);不均一に分枝した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE);不均一に分
枝した直鎖状超低密度ポリエチレン(ULDPE);均一に分枝した、直鎖状エチレン/
α−オレフィンコポリマー;例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国
特許第5,272,236号および同第5,278,272号に開示されるプロセスによ
り調製することのできる、均一に分枝した、実質的に直鎖状のエチレン/α−オレフィン
ポリマー;ならびに高圧の、フリーラジカル重合されたエチレンポリマーおよびコポリマ
ー、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)またはエチレンビニルアセテートポリマー
(EVA)などが含まれる。
【0032】
参照によりその各々の全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,566,446
号、同第6,538,070号、同第6,448,341号、同第6,316,549号
、同第6,111,023号、同第5,869,575号、同第5,844,045号、
または同第5,677,383号に記載のポリマー組成物、およびそのブレンドも、一部
の実施形態において適していてよい。一部の実施形態では、このブレンドには、2種類の
異なるチーグラー・ナッタポリマーが含まれ得る。その他の実施形態では、このブレンド
には、チーグラー・ナッタポリマーとメタロセンポリマーのブレンドが含まれ得る。さら
に他の実施形態では、本明細書において使用される熱可塑性樹脂は、2種類の異なるメタ
ロセンポリマーのブレンドであり得る。その他の実施形態では、シングルサイト触媒ポリ
マーが使用され得る。
【0033】
一部の実施形態では、熱可塑性樹脂は、プロピレン系コポリマーまたはインターポリマ
ーである。一部の特定の実施形態では、プロピレン/エチレンコポリマーまたはインター
ポリマーは、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するとして特徴付けられる
。用語「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」および同様の用語は、その配列が
、13C NMRにより測定して約0.85より大きい、好ましくは約0.90より大き
い、より好ましくは約0.92より大きい、そして最も好ましくは約0.93より大きい
アイソタクチックなトライアッド(mm)を有することを意味する。アイソタクチックな
トライアッドは当分野で周知であり、例えば、米国特許第5,504,172号および第
WO 00/01745号に記載され、それには、13C NMRスペクトルにより測定
されるコポリマー分子鎖中のトライアッド単位に関してアイソタクチックな配列が言及さ
れている。
【0034】
他の特定の実施形態では、熱可塑性樹脂は、エチレンビニルアセテート(EVA)系ポ
リマーであり得る。その他の実施形態では、ベースポリマーは、エチレン−メチルアクリ
レート(EMA)系ポリマーであり得る。他の特定の実施形態では、エチレン−αオレフ
ィンコポリマーは、エチレン−ブテン、エチレン−ヘキセン、またはエチレン−オクテン
コポリマーもしくはインターポリマーであり得る。他の特定の実施形態では、プロピレン
−αオレフィンコポリマーは、プロピレン−エチレン−またはプロピレン−エチレン−ブ
テンコポリマーもしくはインターポリマーであり得る。
【0035】
また、本明細書に開示される実施形態には、少なくとも1種類のマルチブロックのオレ
フィンインターポリマーを含んでよいポリマー成分が含まれ得る。適したマルチブロック
オレフィンインターポリマーには、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国仮特
許出願第60/818,911号に記載されるものが含まれ得る。用語「マルチブロック
コポリマー」または「マルチブロックインターポリマー」とは、好ましくは、直線状に連
結されている2又はそれ以上の化学的に別個の領域またはセグメント(「ブロック」と呼
ばれる)を含むポリマー、つまり、重合されたエチレン官能基に関して、ペンダントされ
たかまたはグラフトされた形式ではなく、端と端を連結されている、化学的に区別された
単位を含むポリマーを指す。特定の実施形態では、ブロックは、その中に組み込まれてい
るコモノマーの量または種類、密度、結晶化度の量、そのような組成物のポリマーに起因
し得る微結晶サイズ、タクティシティーの種類または程度(アイソタクチックまたはシン
ジオタクチック)、位置規則性または位置不規則性、長鎖分枝または高分枝を含む枝分か
れの量、均質性、あるいは任意のその他の化学的または物理的特性の点で異なる。
【0036】
その他のオレフィンインターポリマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、t−ブチルスチレンなどを含むモノビニリデン芳香族モノマーを含むポ
リマーが挙げられる。特に、エチレンおよびスチレンを含むインターポリマーが使用され
得る。その他の実施形態では、エチレン、スチレンおよびC3−C20α−オレフィンを含
む、場合によりC4−C20ジエンを含むコポリマーが使用され得る。
【0037】
特定の実施形態では、熱可塑性樹脂は、0.863〜0.911g/ccの間の密度お
よび0.1〜100g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238、2.16
kg重量で190℃)を有するエチレン−オクテンコポリマーまたはインターポリマーで
あり得る。その他の実施形態では、エチレン−オクテンコポリマーは、0.863〜0.
902g/ccの間の密度および0.8〜35g/10分のメルトインデックス(AST
M D1238、2.16kg重量で190℃)を有し得る。
【0038】
特定の実施形態では、熱可塑性樹脂は、5〜20重量%の間のエチレン含量および0.
5〜300g/10分のメルトフローレート(ASTM D1238、2.16kg重量
で230℃)を有するプロピレン−エチレンコポリマーまたはインターポリマーであり得
る。その他の実施形態では、プロピレン−エチレンコポリマーまたはインターポリマーは
、9〜12重量%の間のエチレン含量および1〜100g/10分のメルトフローレート
(ASTM D1238、2.16kg重量で230℃)を有し得る。
【0039】
特定のその他の実施形態では、熱可塑性樹脂は、0.911〜0.925g/ccの間
の密度および0.1〜100g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238、
2.16kg重量で190℃)を有する高度に分枝した低密度ポリエチレンであり得る。
【0040】
その他の実施形態では、熱可塑性樹脂は、50パーセント未満の結晶化度を有し得る。
好ましい実施形態では、熱可塑性樹脂の結晶化度は5〜35パーセントであってよい。よ
り好ましい実施形態では、結晶化度は7〜20パーセントであってよい。
【0041】
特定のその他の実施形態では、熱可塑性樹脂は半結晶性ポリマーであり、110℃未満
の融点を有し得る。好ましい実施形態では、融点は25〜100℃であってよい。より好
ましい実施形態では、融点は40〜85℃であってよい。
【0042】
その他の実施形態では、熱可塑性樹脂はガラス質のポリマーであり、130℃未満のガ
ラス転移温度を有し得る;その他の実施形態では110℃未満のガラス転移温度を有し得
る。好ましい実施形態では、ガラス転移温度は20〜100℃であってよい。より好まし
い実施形態では、ガラス転移温度は50〜75℃であってよい。
【0043】
特定の実施形態では、熱可塑性樹脂は、10,000g/モルよりも大きい重量平均分
子量を有し得る。その他の実施形態では、重量平均分子量は、20,000〜150,0
00g/モルであり得る;さらに他の実施形態では、50,000〜100,000g/
モルであり得る。
【0044】
1又はそれ以上の熱可塑性樹脂は、約1重量%〜約96重量%の量で水性分散体中に含
まれ得る。例えば、粒子形成の間に熱可塑性樹脂は水性分散体中に約40重量%〜約95
重量%、例えば、一部の実施形態では約45%〜90重量%、さらに他の実施形態では約
60%〜約80重量%などの量で存在し得る。粒子形成後、操作をしやすくするために、
分散体はさらに希釈されてよい。
【0045】
本発明の1又はそれ以上の実施形態では、以下から選択される1又はそれ以上の樹脂を
本明細書に開示される分散体中で用いてトナー組成物を形成することができる。適した樹
脂としては、SAA100、SAA101、およびSAA104(Lyondell C
hemicalより市販され、60〜80%のスチレン、3,000〜8,000の重量
平均分子量、1,500〜3,200の数平均分子量、および57〜78℃のガラス転移
温度を有するスチレン/アリルアルコールコポリマーを含む);DIANAL(登録商標
)FBシリーズ(スチレン−アクリルコポリマー)およびDIACRON(登録商標)シ
リーズ(ポリエステル樹脂)、ならびに三菱レイヨン株式会社およびその子会社であるD
ianal America,Inc.より市販されている、SE−5437、SE−5
102、SE−5377、SE−5649、SE−5466、SE−5482、HR−1
69、124、HR−1127、HR−116、HR−113、HR−148、HR−1
31、HR−470、HR−634、HR−606、HR−607、LR−1065、5
74、143、396、637、162、469、216、BR−50、BR−52、B
R−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80
、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−
95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR
−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、
BR−117を含む、アクリル樹脂;三洋化成工業株式会社より市販されているアクリル
コポリマーであるHimer ST95およびST120;三井化学株式会社より市販さ
れているアクリル樹脂であるFM601;Schenectady Int’lより市販
されている、分枝した部分的に架橋されたポリエステル樹脂であるHRJ11441;K
ao Specialties Americas,LLCより市販されているポリエス
テル樹脂である、TUFTONE(登録商標)NE−382、TUFTONE(登録商標
)U−5、ATR−2009、およびATR−2010;Zeon Chemicals
,LPより市販されているスチレンアクリロニトリルターポリマーであるS103Cおよ
びS111;BASF Corp.より市販されている、カラーコンセントレートを含む
ポリエステル樹脂であるLUPRETON(登録商標)樹脂;Reichhold Ch
emicals,Inc.より市販されているポリエステル樹脂であるFINE−TON
E(登録商標)T382ESHHMW、T382ES、T6694、TCX 100、T
CX700、TPL400TRM70;Ticona GMBH Corp.より市販さ
れている環状オレフィンコポリマーであるTOPAS(登録商標)TM、TOPAS(登
録商標)TB、およびTOPAS(登録商標)8007;積水化学工業株式会社より市販
されているスチレン−アクリルコポリマーであるS−LEC樹脂(SE−0020、SE
−0030、SE−0040、SE−0070、SE−0080、SE−0090、SE
−0100、SE−1010、およびSE−1035を含む);東洋紡績株式会社より市
販されているBAILON 290、BAILON 200、BAILON 300、B
AILON 103、BAILON GK−140、およびBAILON GK−130
;ユニチカ株式会社より市販されているEritel UE3500、UE3210、お
よびXA−8153;ならびに日本合成化学工業株式会社より市販されているポリエステ
ルTP−220およびR−188が挙げられる。
【0046】
当業者は、上記のリストは適したポリマーの非包括的なリストであることを理解する。
本発明の範囲が特許請求の範囲にのみ制限されることは当然理解される。
【0047】
安定化剤
【0048】
本発明の実施形態は、安定な分散系または乳濁液の形成を促進するために安定化剤を使
用する。選択された実施形態では、安定化剤は、界面活性剤、ポリマー(上記に詳述した
熱可塑性樹脂とは異なる)、またはそれらの混合物であってよい。その他の実施形態では
、熱可塑性樹脂は自己安定化剤(self-stabilizer)であり、そのためさらなる外因性の安
定化剤は必要がない可能性がある。例えば、自己安定性の系には、部分的に加水分解され
たポリエステルが含まれてよく、そこではポリエステルを水性塩基と組み合わせることに
より、ポリエステル樹脂および界面活性剤様安定化剤分子を生成することができる。さら
に、安定化剤は単独で、あるいは2又はそれ以上の組合せで使用してよい。
【0049】
特定の実施形態では、安定化剤は、極性基をコモノマーかまたはグラフトされたモノマ
ーとして有する極性ポリマーであり得る。好ましい実施形態では、安定化剤には、極性基
をコモノマーまたはグラフトされたモノマーとして有する1又はそれ以上の極性ポリオレ
フィンが含まれ得る。典型的なポリマーとしては、エチレン−アクリル酸(EAA)およ
びエチレン−メタクリル酸コポリマー、例えば、PRIMACOR(商標)(The D
ow Chemical Companyの商標)、NUCREL(商標)(E.I.D
uPont de Nemoursの商標)、およびESCOR(商標)(ExxonM
obilの商標)の商標で入手可能なものなど、ならびに、その各々は参照によりその全
文が本明細書に組み込まれる米国特許第4,599,392号、同第4,988,781
号、および同第5,938,437号に記載のものが挙げられる。その他の適したポリマ
ーとしては、エチレン−エチルアクリレート(EEA)コポリマー、エチレン−メチルメ
タクリレート(EMMA)、およびエチレン−ブチルアクリレート(EBA)が挙げられ
る。その他のエチレン−カルボン酸コポリマーを用いてもよい。当業者であれば、多数の
その他の有用なポリマーも使用してよいことを理解する。
【0050】
ポリマーの極性基が本来酸性または塩基性である場合、安定化ポリマーは、中和剤で部
分的にまたは完全に中和して対応する塩を形成してもよい。その塩はアルカリ金属または
脂肪酸のアンモニウム塩であってよく、酸を対応する塩基、例えば、NaOH、KOH、
およびNH4OHで中和することにより調製される。これらの塩は、下記により詳細に記
載されるように、分散工程でインサイチューで形成されてよい。特定の実施形態では、安
定化剤、例えば、長鎖脂肪酸またはEAAなどの中和は、モルベースで10〜200%で
あり得る;その他の実施形態ではモルベースで25〜200%;その他の実施形態ではモ
ルベースで20〜110%、そしてさらに他の実施形態ではモルベースで50〜110%
であり得る。例えば、EAAに関して、中和剤は塩基、例えば、水酸化アンモニウムまた
は水酸化カリウムなどである。その他の中和剤には、例えば、水酸化リチウムまたは水酸
化ナトリウムが含まれ得る。当業者であれば、適当な中和剤の選択は、処方される具体的
な組成物に依存し、そのような選択は当業者の知識の範囲内であることを理解する。
【0051】
使用することのできるその他の界面活性剤には、12〜60個の炭素原子を有する長鎖
脂肪酸または脂肪酸塩が含まれる。その他の実施形態では、長鎖脂肪酸または脂肪酸塩は
、12〜40個の炭素原子を有し得る。
【0052】
本発明の実践に有用であり得る追加的な界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、
陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、またはそれらの組合せが挙げられる。陰
イオン性界面活性剤の例としては、スルホネート、カルボキシレート、およびフォスフェ
ートが挙げられる。陽イオン性界面活性剤の例としては、第四級アミンが挙げられる。非
イオン性界面活性剤の例としては、エチレンオキシドおよびシリコーン界面活性剤を含有
するブロックコポリマーが挙げられる。安定化剤として有用な界面活性剤は、外部界面活
性剤または内部界面活性剤のいずれかであり得る。外部界面活性剤は、分散体調製中に化
学的に反応してポリマーの中に入ってこない界面活性剤である。本明細書において有用な
外部界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸およびラウリルスルホン酸の
塩が挙げられる。内部界面活性剤は、分散体調製中に化学的に反応してポリマーの中に入
ってくる界面活性剤である。本明細書において有用な内部界面活性剤の例としては、2,
2−ジメチロールプロピオン酸およびその塩またはアンモニウムクロライドで中和したス
ルホン化ポリオールが挙げられる。
【0053】
特定の実施形態では、分散剤または安定化剤は、用いる熱可塑性樹脂(または熱可塑性
樹脂混合物)の量に基づいて0より多く約60重量%までの範囲の量で使用され得る。熱
可塑性樹脂および分散安定化剤に関して、一部の実施形態では、熱可塑性樹脂は、組成物
中の熱可塑性樹脂および分散安定化剤の合計量の約30%〜99%(重量による)の間を
含んでよい。その他の実施形態では、熱可塑性樹脂は、組成物中の熱可塑性樹脂および分
散安定化剤の合計量の約50%〜約80%(重量による)の間を含んでよい。さらに他の
実施形態では、熱可塑性樹脂は、組成物中の熱可塑性樹脂および分散安定化剤の合計量の
約70%(重量による)を含んでよい。例えば、長鎖脂肪酸またはその塩は、熱可塑性樹
脂の量に基づいて0.5〜10重量%で用いられ得る。その他の実施形態では、エチレン
−アクリル酸またはエチレン−メタクリル酸コポリマーは、熱可塑性樹脂の量に基づいて
0.5〜60重量%の量で用いられ得る。さらに他の実施形態では、スルホン酸塩は、熱
可塑性樹脂の量に基づいて0.5〜10重量%の量で用いられ得る。
【0054】
着色剤
【0055】
本発明の実施形態は、着色剤を組成物の一部として使用し得る。多様な色を用いてよい
。典型的に、イエロー、マゼンタ、およびシアンなどの色が使用され得る。黒色の着色剤
として、カーボンブラック、磁性材料、および下に示されるイエロー/マゼンタ/シアン
着色剤を用いて黒色にした着色剤が使用され得る。
【0056】
イエロー着色剤として、顔料として、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アン
トラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、およびアリルアミド化合物に代表される
化合物が使用され得る。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3、7、10、12〜
15、17、23、24、60、62、74、75、83、93〜95、99、100、
101、104、108〜111、117、123、128、129、138、139、
147、148、150、166、168〜177、179、180、181、183、
185、191:1、191、192、193、および199がイエロー着色剤としての
使用に適していてよい。染料の例としては、C.I.ソルベントイエロー33、56、7
9、82、93、112、162、および163、ならびにC.I.ディスパースイエロ
ー42、64、201、および211が挙げられる。
【0057】
マゼンタ着色剤として、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノ
ン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロ
ン化合物、チオインジゴ化合物、およびペリレン化合物が使用され得る。具体的には、C
.I.ピグメントレッド2、3、5〜7、23、48:2、48:3、48:4、57:
1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、2
06、220、221、および254、ならびにC.I.ピグメントバイオレット19が
マゼンタ着色剤としての使用に適していてよい。
【0058】
シアン着色剤として、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合
物、塩基染料レーキ化合物などが使用され得る。具体的には、C.I.ピグメントブルー
1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、および66がシ
アン着色剤としての使用に適していてよい。
【0059】
これらの着色剤は単独で、混合物で、または固溶体溶液として使用することができる。
本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐水性、OHP透明性、およびトナーへの分散
性に関して選択される。着色剤は、100重量部の熱可塑性樹脂に基づいて0.5〜20
重量部の量で添加されてよい。
【0060】
磁性顔料
【0061】
さらに、本発明のトナーは磁性材料を含有し、磁性トナーとして使用してよい。この場
合、磁性材料は着色剤としても機能し得る。本発明における磁性トナーに含有される磁性
材料の例としては、酸化鉄、例えば、マグネタイト、ヘマタイト、およびフェライトなど
;金属、例えば、鉄、コバルト、およびニッケルなど、またはこれらの金属と金属、例え
ば、アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウ
ム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、お
よびバナジウムなどの合金;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0062】
本発明で使用される磁性材料は、表面修飾された磁性材料であることが好ましい。疎水
性に磁性材料を処理するために使用され得る表面改質剤の例としては、シランカップリン
グ剤およびチタンカップリング剤が挙げられる。
【0063】
本明細書に開示される複合物中に用いられる磁性材料は、2μm又はそれ以下の、好ま
しくは0.1〜0.5μmの平均粒径を有してよい。磁性材料は、100重量部の熱可塑
性樹脂に基づいて20〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の範囲の量で複合
物に含まれてよい。
【0064】
磁性材料は、796kA/m(10kエルステッド)が印加される場合、例えば、1.
59〜23.9kA/m(20〜300エルステッド)の保磁力(Hc)、50〜200
emu/gの飽和磁化(as)、および2〜20emu/gの残留磁気(or)などの磁
気特性を有することが好ましい。
【0065】
帯電制御剤
【0066】
本発明の特定の実施形態では、帯電制御剤を本明細書に開示される複合物に含めてよい
。電荷を負であるように制御するために使用される帯電制御剤の例としては、有機金属化
合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体
、金属含有サリチル酸化合物、金属含有ナフトエ酸化合物、第三アンモニウム塩、カリッ
クスアレーン、シリコーン化合物、ならびに非金属カルボン酸化合物およびその誘導体が
挙げられる。
【0067】
電荷を正であるように制御するために使用される帯電制御剤の例としては、ニグロシン
および脂肪酸金属塩によるその変性物;第四級アンモニウム塩、例えば、トリブチルベン
ジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフ−トスルホン酸塩およびテトラブチルアン
モニウムテトラフルオロホウ酸など、ならびにオニウム塩およびそれらの類似体、例えば
、ホスホニウム塩、およびそれらのレーキ顔料など、ならびにトリフェニルメタン染料お
よびそれらのレーキ顔料(そのレーキ化剤には、リンタングステン酸、リンモリブデン酸
、リンタングステンモリブデン酸(phosphotungsticmolybdic acid)、タンニン酸、ラウリ
ン酸、没食子酸、フェリシアン化物、およびフェロシアン化物が含まれる);高級脂肪酸
の金属塩;ジオルガノ錫オキシド、例えば、ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシド
、およびジシクロヘキシル錫オキシドなど;ならびにジオルガノ錫ボレート、例えば、ジ
ブチル錫ボレート、ジオクチル錫ボレート、およびジシクロヘキシル錫ボレートなどが挙
げられる。これらは単独で、あるいは2又はそれ以上の組合せで使用してよい。これらの
中で、ニグロシンおよび第四級アンモニウム塩などの帯電制御剤が好ましい。
【0068】
トナー複合物は、帯電制御剤をトナー中100重量部の熱可塑性樹脂に基づいて0.0
1〜20重量部、好ましくは、0.05〜10重量部の範囲の量で含んでよい。
【0069】
その他の添加剤
【0070】
当業者に公知の多数のその他の添加剤が、本発明の実施形態において使用され得る。例
えば、添加剤は、トナーの様々な特性を改良するために使用され得る。そのような添加剤
の例としては、金属酸化物、例えば、シリコンオキシド、アルミニウムオキシド、酸化チ
タン、およびハイドロタルサイトなど;カーボンブラック、ならびにフルオロ炭素が挙げ
られる。好ましくは、これらの添加剤は疎水性に処理されてよい。
【0071】
トナーの様々な特性を改良するために使用され得るその他の添加剤としては、ワックス
、例えば、メタロセンワックスおよびポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
【0072】
艶出し剤(polishing agent)を本発明の実施形態に従って用いてよい。典型的な艶出し
剤としては、ストロンチウムチタネート;金属酸化物、例えば、セリウムオキシド、アル
ミニウムオキシド、マグネシウムオキシド、およびクロムオキシドなど;窒化物、例えば
、シリコンニトリドなど;炭化物、例えば、シリコンカーバイドなど;ならびに金属塩、
例えば、カルシウムスルフェート、バリウムスルフェート、およびカルシウムカーボネー
トなどが挙げられる。
【0073】
滑沢剤(lubricant)を本発明の実施形態に従って用いてよい。典型的に、滑沢剤として
は、フルオロ樹脂粉末、例えば、フッ化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエチレンな
ど;ならびに脂肪酸金属塩、例えば、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムな
どが挙げられる。
【0074】
さらに、電荷制御粒子としては、金属酸化物、例えば、錫オキシド、チタンオキシド、
亜鉛オキシド、シリコンオキシド、およびアルミニウムオキシド;ならびにカーボンブラ
ックが挙げられる。
【0075】
これらの添加剤は、100重量部のトナー粒子に基づいて0.1〜10重量部、好まし
くは、0.1〜5重量部の範囲の量で用いてよい。これらの外部添加剤は、単独で用いて
も組み合わせて用いてもよい。
【0076】
処方
【0077】
好ましい処方において、本発明に従う分散体には、熱可塑性樹脂、安定化剤(ポリマー
または界面活性剤であってよい)、ならびに着色剤および磁性顔料の少なくとも1種類が
含まれ得る。多数のその他の添加剤も、特定の処方および製造するトナーの性質に応じて
用いてよい。
【0078】
一実施形態では、熱可塑性樹脂、安定化剤、ならびに着色剤および磁性顔料の少なくと
も1種類は、押出機で水および中和剤、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、またはそ
の2種類の組合せなどとともに溶融混練されて分散複合物を形成する。添加剤は、分散体
の形成および/または押出の間かまたはその前に熱可塑性樹脂と混合してよい。当業者で
あれば多数のその他の中和剤を用いてよいことを理解する。一部の実施形態では、着色剤
および磁性顔料の少なくとも1種類は熱可塑性樹脂と安定化剤をブレンドした後に添加さ
れ得る。その他の好ましい実施形態では、着色剤および磁性顔料の少なくとも1種類は、
分散体が形成された後に添加され得る。さらに、任意のその他の適した添加剤(例えば、
上に考察されたいずれかのものなど)が、分散体の形成の前に組成物に添加され得る。
【0079】
もう1つの実施形態では、熱可塑性樹脂、例えば、自己安定性樹脂など、ならびに着色
剤および磁性顔料の少なくとも1種類は、押出機で水および中和剤、例えば、アンモニア
、水酸化カリウム、またはその2種類の組合せなどとともに溶融混練されて分散複合物を
形成する。さらに別の実施形態では、熱可塑性樹脂、安定化剤、ならびに着色剤および磁
性顔料の少なくとも1種類は、押出機で中和剤を用いずに水とともに溶融混練されて分散
複合物を形成する。
【0080】
当分野で公知の任意の溶融混練手段を用いることができる。一部の実施形態では、ニー
ダー、BANBURY(登録商標)ミキサー、1軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押
出機が使用される。本発明に従って分散体を製造するためのプロセスは特に限定されない
。本明細書中の押出機の使用に関するいずれの参照も本発明への制限を意図しない。好ま
しい一プロセスは、例えば、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる米国特許第5
,756,659号および米国特許第6,455,636号に従って上述の成分を溶融混
練することを含むプロセスである。押出機を必要としない代替例は、高剪断ミキサーにお
いて形成される機械的分散を可能にさせる。高剪断ミキサーは、具体的には、例えば、ポ
リエステルおよび一部のスチレン系コポリマーを用いて分散体に適用可能であり得る。
【0081】
図1は、本発明の実施形態で使用され得る押出装置を模式的に説明する。特定の実施形
態では2軸スクリュー押出機である押出機20は、逆圧調節器、溶融ポンプ、またはギア
ポンプ30と連結されている。実施形態は、また、その各々がポンプ(図示されず)を含
む、塩基リザーバ40および初期水リザーバ50を提供する。所望の量の塩基および初期
水は、それぞれ塩基リザーバ40および初期水リザーバ50から供給される。任意の適し
たポンプを使用してよいが、一部の実施形態では、240バールの圧力で約150cc/
分の流れを供給するポンプが塩基および初期水を押出機20に供給するために使用される
。その他の実施形態では、液体注入ポンプは、200バールで300cc/分または13
3バールで600cc/分の流れを供給する。一部の実施形態では、塩基および初期水は
予熱器で予熱される。
【0082】
ペレット、粉末またはフレークの形態の熱可塑性樹脂は、フィーダ80から押出機20
の入口90に供給され、そこで熱可塑性樹脂が溶融または配合される。一部の実施形態で
は、分散剤は、最初から熱可塑性樹脂とともに熱可塑性樹脂に添加され、他の実施形態で
は、分散剤は別々に2軸スクリュー押出機20に供給される。熱可塑性樹脂溶融物は、次
に押出機の混合および運搬ゾーンから乳化ゾーンまで送達され、そこで初期量の水および
塩基がリザーバ40および50から入口55を通じて添加される。一部の実施形態では、
分散剤は追加としてまたは独占的に水流に添加され得る。一部の実施形態では、乳化した
混合物は、押出機20の希釈および冷却ゾーンでリザーバ60から入口95を通じて追加
的な水でさらに希釈される。典型的に、分散体は冷却ゾーンで少なくとも30重量パーセ
ントの水に希釈される。さらに、希釈混合物は、所望の希釈レベルに達するまで何回でも
希釈されてよい。一部の実施形態では、水は2軸スクリュー押出機20の中に添加される
のではなく、むしろ溶融物が押出機を出た後に樹脂溶融物を含有する流れに添加される。
このように、押出機20内の蒸気圧の発生が排除される。
【0083】
有利には、特定の実施形態において押出機を使用することにより、熱可塑性樹脂および
安定化剤を単一プロセスでブレンドして分散体を形成することができる。また、有利には
、上記に掲載した1又はそれ以上の分解防止剤を使用することにより、分散体は添加剤に
関して安定している。
【0084】
本発明の実施形態に従って形成される分散体は、約0.05〜約10ミクロンの間の平
均粒度を有するとして特徴付けられる。その他の実施形態では、分散体の平均粒度は約0
.05〜約8.0ミクロンの間であり得る。その他の実施形態では、分散体の平均粒度は
約0.1〜約6.0ミクロンである。本明細書において「平均粒度」とは、体積平均粒径
を指す。粒径を測定するためには、例えばレーザー回折法を用いることができる。本明細
書において粒径とは、分散体中のポリマーの直径を指す。球形でないポリマー粒子につい
ては、粒子の直径は、粒子の長軸と短軸の平均である。粒径は、例えば、Beckman
−Coulter LS230レーザー回折粒径分析器またはその他の適した装置で測定
することができる。一実施形態では、非常に小さな粒子を形成し、これらを所望の粒径に
凝集させることにより、所望の粒径を得ることができる。
【0085】
分散体を形成した後、少なくとも一部の水を除去してトナー粒子を形成する。選択され
た実施形態では、実質的に全ての水が除去されてベーストナー粒子が形成され得る。一実
施形態では、分散体の乾燥は分散体を噴霧乾燥することにより達成され得る。公知のよう
に、噴霧乾燥は、液体の原料を液滴のスプレーに霧化し、液滴を乾燥チャンバーで熱空気
と接触させることを伴う。スプレーは典型的にロータリー(回転)式噴霧器かまたはノズ
ル式噴霧器のいずれかで生成される。液滴からの水分の蒸発および乾燥粒子の形成は制御
された温度および気流条件下で進む。粉末は、乾燥チャンバーから実質的に連続的に放出
される。操作条件およびドライヤーの設計は生成物の乾燥特性および粉末の仕様に従って
選択される。当分野で公知のその他の技法も用いられてよく、それには、数ある中で、流
動床乾燥、真空乾燥、輻射乾燥、およびフラッシュ乾燥が含まれる。
【0086】
従って、一実施形態では、分散体は形成され、別の場所へ発送され、そこで分散体は後
処理プロセス、例えば噴霧乾燥などに付されてトナー粉末が形成される。
【0087】
選択実施形態では、流動性、帯電安定性、または高温での耐ブロッキング性などを改善
するために補助微粒子(auxiliary fine particles)をベーストナー粒子に添加することが
有利である。ベーストナー粒子の表面上に固定されるべき補助微粒子は、様々な無機もし
くは有機微粒子の中から使用のために適切に選択されてよい。
【0088】
無機微粒子として、様々な炭化物、例えば、シリコンカーバイド、ホウ素カーバイド、
チタンカーバイド、ジルコニウムカーバイド、ハフニウムカーバイド、バナジウムカーバ
イド、タンタルカーバイド、ニオブカーバイド、タングステンカーバイド、クロムカーバ
イド、モリブデンカーバイドおよびカルシウムカーバイドなど、様々な窒化物、例えば、
ホウ素ニトリド、チタンニトリドおよびジルコニウムニトリドなど、様々なホウ化物、例
えば、ジルコニウムボライドなど、様々な酸化物、例えば、チタンオキシド、カルシウム
オキシド、マグネシウムオキシド、亜鉛オキシド、銅オキシド、アルミニウムオキシド、
セリウムオキシド、シリカおよびコロイド状シリカなど、様々なチタネート化合物、例え
ば、カルシウムチタネート、マグネシウムチタネートおよびストロンチウムチタネートな
ど、リン酸塩化合物、例えば、カルシウムホスフェートなど、硫化物、例えば、モリブデ
ンジスルフィドなど、フッ化物、例えば、フッ化マグネシウムおよびフッ化炭素など、様
々な金属石鹸 、例えば、アルミニウムステアレート、カルシウムステアレート、亜鉛ス
テアレートおよびマグネシウムステアレートなど、タルク、ベントナイト、様々なカーボ
ンブラックおよび導電性カーボンブラック、マグネタイトならびにフェライトを例として
用いてよい。有機微粒子として、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂またはメラ
ミン樹脂の微粒子を例として用いてよい。
【0089】
そのような補助微粒子の中で、シリカ、チタンオキシド、アルミナ、亜鉛オキシド、様
々なカーボンブラックまたは導電性カーボンブラックは、例として、特に好ましく用いら
れ得る。さらに、そのような補助微粒子には、上述の無機もしくは有機微粒子が含まれて
よく、その粒子の表面は表面処理、例えば、処理剤、例えば、シランカップリング剤、チ
タネートカップリング剤、シリコーン油、変性シリコーン油、シリコーンワニス、フッ素
化シランカップリング剤、フッ素化シリコーン油またはアミノ基もしくは四級アンモニウ
ム塩基を有するカップリング剤などによる疎水性処理などで処理されている。そのような
処理剤は単独で、またはそれらの2またはそれ以上の混合物として組み合わせて用いてよ
い。
【0090】
上記の補助微粒子の平均粒度は、0.001〜3μm、好ましくは0.005〜1μm
であってよく、異なる粒径を有する複数を組み合わせて用いてよい。補助微粒子の平均粒
度は、電子顕微鏡による観察により得ることができる。
【0091】
上記の補助微粒子として、2又はそれ以上の異なる種類の補助微粒子を組み合わせて用
いてよい。例えば、表面処理された粒子と表面処理されていない粒子を組み合わせて用い
るか、または異なって表面処理された粒子を組み合わせて用いてよい。さもなければ、正
に帯電可能な粒子と負に帯電可能な粒子を、使用のために適切に組み合わせてもよい。
【0092】
補助微粒子をベーストナー粒子に加える方法として、高速の攪拌機、例えば、Hens
chelミキサーなどを用いてそれらを加え、ブレンドする方法が公知である。しかし、
高温での耐ブロッキング性を改善するために、補助微粒子をベーストナー粒子の表面に固
定させることが好ましい。本発明において、固定するとは、圧縮剪断応力を発揮すること
のできる装置(以降、圧縮剪断処理装置と称する)あるいはベーストナー粒子の表面を溶
融または軟化させることのできる装置(以降、粒子表面溶融処理装置と称する)を用いる
添加方法を意味する。そのような固定化処理により、補助微粒子は、ベーストナー粒子の
実質的な微粉砕を行わずに、ベーストナー粒子の表面にしっかりと固定することができる
。それによって高温での保存中の耐ブロッキング性を改善することができ、連続コピー動
作中でさえもコピー機またはプリンターの部品への融合を引き起こす可能性の低いトナー
を製造することが可能である。
【0093】
上述の圧縮剪断処理装置は、距離は維持されたままで相互に可動性である、ヘッド表面
とヘッド表面、ヘッド表面と壁面、または壁面と壁面により定義される狭いクリアランス
を有するように構築され、そのため、処理されるべき粒子はクリアランスを強制的に通過
させられ、それによって、粒子を実質的に粉砕することなく、圧縮応力および剪断応力が
粒子の表面にもたらされる。用いられる圧縮剪断処理装置として、ホソカワミクロン株式
会社により製造されるメカノフュージョン装置が、例として言及され得る。
【0094】
上述の粒子表面溶融処理装置は、通常、ベーストナー微粒子と補助微粒子の混合物が、
例えば、熱空気流によって少なくとも溶融開始温度の温度まで瞬時に加熱され、その結果
、補助微粒子が固定されるように構築される。用いられる粒子表面溶融処理装置として、
Nippon Neumatic K.K.により製造されるサーフュージングシステム
が、例として言及され得る。
【0095】
もう1つの実施形態では、熱可塑性樹脂は、連続重合プロセスまたはインサイチュー重
合プロセスで形成され得る。本実施形態では、水溶液中のモノマーの機械的分散体または
乳濁液が形成され得る。モノマーの重合は乳化の途中かまたは後のいずれかで起こり得る
。添加剤は、乳化および/または重合の途中かまたは後のいずれかで系に添加されてよい
。もう1つの実施形態では、連続重合プロセスにより製造された樹脂は、乳化プロセスお
よび仕上げプロセスと直接連結され得る。
【0096】
用途
【0097】
上記のトナーは、カートリッジ、プロセスカートリッジ、および画像形成装置で使用す
ることができる。例えば、本明細書に記載されるトナーを用いるプロセスカートリッジに
は、光導電体、帯電ユニット、現像ユニット、クリーニングユニットが含まれてよく、画
像形成装置の本体に取付けおよび取外し可能な方法で取り付けることができる。別の例と
して、トナーカートリッジには、静電像担持部材、および、トナーを用いて画像担持部材
上に形成された静電潜像を現像することにより可視画像を形成する現像手段が含まれてよ
い。画像形成装置には、静電潜像担持部材、静電潜像形成手段、静電像を現像して可視画
像を形成するための現像手段、可視画像を支持媒体に移す転写手段、および転写された画
像を支持媒体に固定する固定手段が含まれ得る。カートリッジ、プロセスカートリッジ、
および画像形成装置は、例えば、米国特許第7,177,582号、同第7,177,5
70号、同第7,169,525号、同第7,166,401号、同第7,161,61
2号、同第6,477,348号、同第5,974,281号などに開示されている。
【0098】
実施例
【0099】
本発明の実施形態は、安定化剤を加えた熱可塑性樹脂成分(A)をトナー組成物全体の
約45%〜約99重量%の量で有し得る。その他の実施形態では、これは60%〜80%
の範囲であり得る。さらに、本発明の実施形態は、トナー組成物全体の約0%より多く約
30重量%までの量で着色剤を用いてよい。なおさらに、本発明の実施形態はトナー組成
物全体の約0%より多く約50重量%までの量で磁性顔料を用いてよい。なおさらに、本
発明の実施形態は、いくつかの追加的な添加剤をトナー組成物全体の約0%より多く約1
0重量%までの量で用いてよい。
【0100】
一実施形態では、トナーには、5〜15重量%の黒色顔料、2〜5重量%のポリエステ
ル樹脂、70〜85重量%のスチレンブチルアクリレート樹脂、0.2〜0.8重量%の
CCA、5〜15重量%のワックス(エステルワックス)、0.5〜2重量%のシリカ(
トナーが製造された後に添加してもよい)、0.5〜2重量%のTiO2(トナーが製造
された後に添加してもよい)、および0.5〜2重量%の界面活性剤(固体に基づく)が
含まれ得る。特定の実施形態では、トナーには、9重量%の黒色顔料、3.5重量%のポ
リエステル樹脂、77重量%のスチレンブチルアクリレート樹脂、0.5重量%のCCA
、10重量%のワックス(エステルワックス)、1重量%のシリカ、1重量%のTiO2
、および1重量%の界面活性剤(固体に基づく)が含まれ得る。
【0101】
一実施形態では、シアン色のトナーは、79重量%のスチレンブチルアクリレートコポ
リマー、2重量%の亜鉛サリチル酸、帯電制御剤、4重量%のポリプロピレンワックス、
1重量%シリカ粉末、9.5重量%の、30.8重量%BFD−1121ピグメントブル
ー、60重量%水、および9.2重量%アクリル系ポリマー安定化剤からなる顔料分散体
、ならびに4.5重量%の、Keystone Aniline Co.から入手可能な
Keystone Blue GN、乾燥顔料を含む水性分散体を形成することにより調
製され得る。混合物は押出され、乾燥されて過剰な水分が除去され得る。流量調節を促進
するために含めてよい二次添加剤(Post-additive agents)としては、1重量%の疎水性の
シラン処理シリカおよび0.7重量%の疎水性チタンジオキシドが挙げられる。
【0102】
もう1つの実施形態では、黄色のトナーは、77重量%のスチレンブチルアクリレート
コポリマー、2重量%の亜鉛サリチル酸、帯電制御剤、4重量%のポリプロピレンワック
ス、1%シリカ粉末、11.5重量%の、30.8重量%YFD−4244ピグメントイ
エロー、60重量%水、および9.2重量%アクリル系ポリマー安定化剤からなる顔料分
散体、ならびに4.5重量%の、Keystone Aniline Co.から入手可
能なClarient Permanent Yellow 17、乾燥顔料を含む水性
分散体を形成することにより調製され得る。混合物は押出され、乾燥されて過剰な水分が
除去され得る。流量調節を促進するために含めてよい二次添加剤としては、1重量%の疎
水性のシラン処理シリカおよび0.7重量%の疎水性チタンジオキシドが挙げられる。
【0103】
一実施形態では、マゼンタ色のトナーは、69重量%のスチレンブチルアクリレートコ
ポリマー、2重量%の亜鉛サリチル酸、帯電制御剤、4重量%ポリプロピレンワックス、
21重量%の、30.8重量%QFD−1146ピグメントレッド、60重量%水、およ
び9.2重量%アクリル系ポリマー安定化剤からなる顔料分散体、ならびに4重量%の、
Keystone Aniline Co.から入手可能なClarient Host
acopy M−501 ピグメントレッド122、乾燥顔料を含む水性分散体を形成す
ることにより調製され得る。混合物は押出され、乾燥されて過剰な水分が除去され得る。
流量調節を促進するために含めてよい二次添加剤としては、1重量%の疎水性のシラン処
理シリカおよび0.7重量%の疎水性チタンジオキシドが挙げられる。
【0104】
さらに別の実施形態では、磁性ブラックトナーは、100部のポリエステル、95部の
マグネタイト、1部のポリジメチルシロキサン、および1部の導電性カーボンブラックを
含む水性分散体を形成することにより調製され得る。
【0105】
有利には、本明細書に開示される実施形態は、広範囲のポリマーがトナー組成物に使用
されることを可能にする。さらに、本明細書に開示される実施形態は、非溶媒の、モノマ
ーを含まないプロセスを含んでよく、それは先行技術プロセスよりも環境的に優れている
。さらに、先行技術よりも小さな粒径、および先行技術よりも狭い粒度分布のための実施
形態が提供され得る。
【0106】
本発明は限定された数の実施形態に関して説明されてきたが、本開示の利益を得る当業
者であれば、本明細書に開示される本発明の範囲を逸脱しないその他の実施形態を考案す
ることができることを理解する。従って、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲にのみ制
限されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施形態に従って分散体を処方する際に用いられ得る押出機を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性分散体を含む複合物(compound)であって、前記分散体が、
(A)熱可塑性樹脂と;
(B)少なくとも1種類の安定化剤と;
着色剤および磁性顔料からなる群より選択される少なくとも1種類とを含み、前記分散
体の平均体積径粒径が約0.05〜約10ミクロンである、複合物。
【請求項2】
補助微粒子(auxiliary fine particles)、帯電制御剤、滑沢剤(lubricant)、および艶
出し剤(polishing agent)の少なくとも1種類をさらに含む、請求項1に記載の複合物。
【請求項3】
熱可塑性樹脂が、α−オレフィンのホモポリマーおよびコポリマー(エラストマーを含
む)、共役もしくは非共役ジエンを含むα−オレフィンのコポリマー(エラストマーを含
む)、エチレン−ビニル化合物コポリマー、スチレン系コポリマー、スチレンブロックコ
ポリマー(エラストマーを含む)、ポリビニル化合物、ポリメチルアクリレート、および
ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル、ポリエチレンテレフタ
ラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリカーボネート、およびポリフェニレンオキシ
ドからなる群より選択される少なくとも1種類である、請求項1に記載の複合物。
【請求項4】
熱可塑性樹脂が、ポリエステル、スチレンコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマ
ー、およびジシクロペンタジエンポリマーの少なくとも1種類である、請求項3に記載の
複合物。
【請求項5】
熱可塑性樹脂が、エチレン系のホモポリマー、コポリマー、インターポリマー、または
マルチブロックインターポリマー、プロピレン系のホモポリマー、コポリマー、インター
ポリマー、またはマルチブロックインターポリマー、あるいはそれらの組合せを含む、請
求項1に記載の複合物。
【請求項6】
熱可塑性樹脂が、脂肪族ジオールを二酸(diacid)と反応させることよりに形成される少
なくとも1種類のポリエステルを含む、請求項1に記載の複合物。
【請求項7】
脂肪族ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール、デカンジオール、およびドデカンジオールの少なくとも1種
類を含む、請求項6に記載の複合物。
【請求項8】
熱可塑性樹脂が、スチレン系のホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたは多元コ
ポリマー(polynary copolymer)の少なくとも1種類を含む、請求項1に記載の複合物。
【請求項9】
スチレン系ポリマーが、スチレンメチルアクリレートコポリマー、スチレンエチルアク
リレートコポリマー、スチレン−n−ブチルアクリレートコポリマー、スチレン−メチル
メタクリレートコポリマー、スチレン−エチルメタクリレートコポリマー、スチレン−n
−ブチルメタクリレートコポリマー、ならびにスチレン、アクリレートおよびメタクリレ
ートの多元コポリマーからなる群より選択される、請求項8に記載の複合物。
【請求項10】
成分AおよびBが合わせて45〜99重量%の量で存在する、請求項1に記載の複合物

【請求項11】
着色剤が、0%よりも多く約30重量%までの量で存在する、請求項1に記載の複合物

【請求項12】
磁性顔料が、約0%よりも多く約50重量%までの量で存在する、請求項1に記載の複
合物。
【請求項13】
分散体の平均体積径粒径が約0.05〜約8.0ミクロンである、請求項1に記載の複
合物。
【請求項14】
分散体の平均体積径粒径が約0.1〜約6.0ミクロンである、請求項13に記載の複
合物。
【請求項15】
請求項1に記載の複合物から形成される、トナー。
【請求項16】
請求項15に記載のトナーを含む、カートリッジまたはプロセスカートリッジ。
【請求項17】
請求項16に記載のプロセスカートリッジとともに使用するための、画像形成装置。
【請求項18】
トナーを形成する方法であって、
複合物を形成する段階を含み、
前記複合物は、熱可塑性樹脂を含む水性分散体を含み、
前記分散体の平均体積径粒径は約0.05〜約10ミクロンであり;かつ
着色剤および磁性顔料からなる群より選択される少なくとも1種類を含み;
分散体中の水分の少なくとも一部分を除去してトナー粒子を形成する段階を含む、
方法。
【請求項19】
複合物を形成する段階が、
熱可塑性樹脂および場合により追加的な成分を押出機中で溶融混練し、分散させること
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
複合物を形成する段階が、
熱可塑性樹脂および場合により追加的な化合物を溶融混練機中で溶融混練して樹脂溶融
物を形成すること;および
樹脂溶融物を水相に分散させることを含む、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
熱可塑性樹脂が自己安定性樹脂である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
分散体が、中和剤をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
分散体が、安定化剤をさらに含む、請求項22の方法。
【請求項24】
分散体が、安定化剤をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
トナー粒子を後処理する段階をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記除去段階が、複合物を噴霧乾燥する段階を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
複合物が、補助微粒子、帯電制御剤、滑沢剤、および艶出し剤の少なくとも1種類をさ
らに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
熱可塑性樹脂が、α−オレフィンのホモポリマーおよびコポリマー(エラストマーを含
む)、共役もしくは非共役ジエンを含むα−オレフィンのコポリマー(エラストマーを含
む)、エチレン−ビニル化合物コポリマー、スチレン系コポリマー、スチレンブロックコ
ポリマー(エラストマーを含む)、ポリビニル化合物、ポリメチルアクリレート、および
ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル、ポリエチレンテレフタ
ラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリカーボネート、およびポリフェニレンオキシ
ドからなる群より選択される少なくとも1種類である、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
熱可塑性樹脂が、ポリエステル、スチレンコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマ
ー、およびジシクロペンタジエンポリマーの少なくとも1種類である、請求項28に記載
の方法。
【請求項30】
熱可塑性樹脂が、エチレン系のホモポリマー、コポリマー、インターポリマー、または
マルチブロックインターポリマー、プロピレン系のホモポリマー、コポリマー、インター
ポリマー、またはマルチブロックインターポリマー、あるいはそれらの組合せを含む、請
求項18に記載の方法。
【請求項31】
熱可塑性樹脂が、脂肪族ジオールを二酸と反応させることよりに形成される少なくとも
1種類のポリエステルを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
脂肪族ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール、デカンジオール、およびドデカンジオールの少なくとも1種
類を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
熱可塑性樹脂が、スチレン系のホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたは多元コ
ポリマーの少なくとも1種類を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
スチレン系ポリマーが、スチレンメチルアクリレートコポリマー、スチレンエチルアク
リレートコポリマー、スチレン−n−ブチルアクリレートコポリマー、スチレン−メチル
メタクリレートコポリマー、スチレン−エチルメタクリレートコポリマー、スチレン−n
−ブチルメタクリレートコポリマー、ならびにスチレン、アクリレートおよびメタクリレ
ートの多元コポリマーからなる群より選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
熱可塑性樹脂および任意の安定化剤が合わせて45〜99重量%の量で存在する、請求
項18に記載の方法。
【請求項36】
着色剤が、0%よりも多く約30重量%までの量で存在する、請求項18に記載の方法

【請求項37】
磁性顔料が、約0%よりも多く約50重量%までの量で存在する、請求項18に記載の
方法。
【請求項38】
分散体の平均体積径粒径が約0.05〜約8.0ミクロンである、請求項18に記載の
方法。
【請求項39】
分散体の平均体積径粒径が約0.1〜約6.0ミクロンである、請求項38に記載の方
法。
【請求項40】
請求項18において形成されるトナーを使用する方法であって、
請求項18において形成されるトナーをプロセスカートリッジ中に配置する段階を含む

方法。
【請求項41】
プロセスカートリッジを画像形成装置に取り付ける段階をさらに含む、請求項40に記
載の方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2013−40337(P2013−40337A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−208099(P2012−208099)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【分割の表示】特願2008−557428(P2008−557428)の分割
【原出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】