説明

トピアリー

【課題】任意に選択した香りの種類の香料を収納することができ、香料の取替え、種類の変更を任意に行うことができるトピアリーを提供すること。
【解決手段】トピアリー1は、針金等の線材21を折り曲げて立体的に成形した骨組2に、水苔、ピートモス等の表面植物材3を保持させて形成したものである。骨組2内の空間には、枯れ草等の充填物が充填してある。トピアリー1における背中部には、香料6を収納するための収納穴4がトピアリー1の表面から形成してある。収納穴4の開口部41には、収納穴4に香料6を収納した状態で蓋をするための収納蓋5が着脱可能に取り付けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材を折り曲げて立体的に成形した骨組に表面植物材を保持させて形成したトピアリーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹木や低木を刈り込んで立体的に造形したトピアリーの他、針金等の線材を用いて立体的形状を成形し、その表面に水苔、ピートモス等を保持させて造形した人工のトピアリーが多用されている。この人工のトピアリーの立体的形状としては、動物、キャラクター等の様々なものがある。
例えば、特許文献1の植木模造トピアリーモデルにおいては、所望のキャラクターの形状に芯体を成形し、この芯体の表面に、造花用葉材料を接着、被覆して本体を形成し、この本体を植木鉢上に起立させることが開示されている。これによれば、樹木のトピアリーの感覚が得られ、簡易、安価に製作することができ、鑑賞用としての効果を発揮する。
ところで、トピアリーの付加価値を増加させるために、トピアリーに香り付けを行うことが考えられる。例えば、特許文献2の香り入りスタッフドトピアリーにおいては、スタッフドトピアリーの内部に、香り剤を入れた香り袋を入れることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3044441号公報
【特許文献2】特開2004−49203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2においては、トピアリーを組み立てる際に、香り袋は、予めトピアリーの内部に入れておく。そのため、トピアリーの購入者は、香りの種類を購入するときにしか選択することができない。また、トピアリーを所定の期間使用した後、香り袋を取り替えることもできず、香りの種類を変更することもできない。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、任意に選択した香りの種類の香料を収納することができ、香料の取替え、種類の変更を任意に行うことができるトピアリーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、線材を折り曲げて立体的に成形した骨組に、表面植物材を保持させて形成したトピアリーであって、
該トピアリーにおけるいずれかの位置には、香料を収納するための収納穴が当該トピアリーの表面から形成してあり、
上記収納穴の開口部には、該収納穴に上記香料を収納した状態で蓋をするための収納蓋が開閉又は着脱可能に取り付けてあることを特徴とするトピアリーにある(請求項1)。
【発明の効果】
【0007】
本発明のトピアリーは、いずれかの位置の表面から、香料を収納するための収納穴を形成してなる。そして、収納穴の開口部には、収納穴に香料を収納した状態で蓋をするための収納蓋が開閉又は着脱可能に取り付けてある。
本発明においては、トピアリーを製作する際に収納穴を形成しておく。そして、製造者、販売者等は、製作したトピアリーの収納穴に、選択した任意の香りの種類の香料を収納して収納蓋によって蓋をすることができる。また、販売者等は、トピアリーと香料とを別々に販売して、購入者によって選択した任意の香りの香料を収納させることもできる。また、購入者は、トピアリーを所定の期間使用して香料の香りが薄れたときには、自ら香料を取り替えることができ、使用途中において香料の種類を変更することもできる。
【0008】
いずれの場合においても、収納蓋を開けるか取り外せば、容易に収納穴を開放することができ、香料の取出、収納を容易に行うことができる。
それ故、本発明のトピアリーによれば、任意に選択した香りの種類の香料を収納することができ、香料の取替え、種類の変更を任意に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例における、トピアリーを示す斜視説明図。
【図2】実施例における、トピアリーにおける収納穴に香料を収納して収納蓋を閉じた状態を示す断面説明図。
【図3】実施例における、収納蓋を示す斜視説明図。
【図4】実施例における、香料を取り付けた収納蓋を示す斜視説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記骨組内の空間には、枯れ草等種々のものを充填することができる。上記線材には、針金を用いることにより、容易かつ安価に種々の立体的形状を成形することができる。
上記表面植物材には、水苔、ピートモス等の天然植物を用いることができる。表面植物材は、骨組に糸で固定することができ、骨組に接着・貼付を行って固定することもできる。また、表面植物材は、種々の塗装等を行って適切な色合いにすることができ、適宜装飾することができる。
【0011】
また、上記トピアリーの上記骨組における下部には、被差込面に差し込むための差込棒を設けることができる。この差込棒は、平板の先端部を尖らせて形成することができる。また、被差込面は、植木鉢内の土、用土等の他、トピアリーを設置するための種々の差込可能な面とすることができる。
【0012】
また、上記収納蓋の裏面側には、上記表面植物材の表面から突き刺すことができる突起が設けてあり、上記収納蓋の表面側には、操作用摘みが設けてあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、収納蓋の裏面側に設けた突起を表面植物材の表面に突き刺すことによって、収納蓋を容易にトピアリーに着脱することができる。また、この収納蓋の着脱作業は、操作用摘みを摘んで容易に行うことができる。
操作用摘みは、収納蓋の表面側から突出して形成した突起物、収納蓋に取り付けた糸等の種々の構成とすることができる。
【0013】
また、上記香料は、上記収納蓋の裏面側に取り付けてあり、該収納蓋を取り付けると同時に上記香料を上記収納穴に収納するよう構成することができる(請求項3)。
この場合には、収納穴への香料の収納を極めて容易に行うことができる。
【実施例】
【0014】
以下に、本発明のトピアリーにかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例のトピアリー1は、図1に示すごとく、針金等の線材21を折り曲げて立体的に成形した骨組2に、水苔、ピートモス等の表面植物材3を保持させて形成したものである。骨組2内の空間には、枯れ草等の充填物が充填してある。
図2、図3に示すごとく、トピアリー1におけるいずれかの位置(本例では背中部)には、香料6を収納するための収納穴4が当該トピアリー1の表面から形成してある。収納穴4の開口部41には、収納穴4に香料6を収納した状態で蓋をするための収納蓋5が着脱可能に取り付けてある。
【0015】
以下、さらに詳説する。
図1に示すごとく、本例のトピアリー1は、熊を真似た立体的形状に形成してある。トピアリー1は、これ以外にも、犬、猫、象、兎、鹿、キリン等の種々の動物を真似た立体的形状に形成することができる。このトピアリー1の立体的形状は、線材21を柔軟に折り曲げて形成した骨組2により骨格が形成されている。
表面植物材3は、骨組2の表面にできるだけ均一に配置し、糸を用いて骨組2の表面に固定してある。表面植物材3の表面は、スプレー塗装を行って、深緑色等の所望とする色合いを呈している。
【0016】
図示は省略するが、骨組2における下部には、植木鉢内の土、用土等の他、トピアリー1を設置するための種々の差込可能な面である被差込面に差し込むための差込棒を設けることができる。差込棒は、それぞれ平板の先端部を尖らせて形成することができる。
差込棒は、竹、木等の木材を加工して先端部が尖った平板形状に形成してある。平板の先端部は、板面に直交する側面間の幅を先端部側に行くに連れて縮小させて尖らせることができる。
【0017】
図3に示すごとく、収納蓋5の裏面側502には、表面植物材3の表面から突き刺すことができる突起51が設けてあり、収納蓋5の表面側501には、操作用摘み52が設けてある。
収納蓋5の表面側501には、トピアリー1を構成する表面植物材3と同種類の表面植物材3が設けてある。
香料6を収納するための収納穴4は、動物の立体的形状を形成するトピアリー1における背中部以外にも、トピアリー1における種々の位置に設けることができ、例えば、後頭部、腹部等に設けることもできる。
【0018】
そして、収納蓋5の裏面側502に設けた突起51を、収納穴4の開口部41の周辺に位置する表面植物材3の表面から突き刺すことによって、収納蓋5を容易にトピアリー1に着脱することができる。また、この収納蓋5の着脱作業は、操作用摘み52を摘んで容易に行うことができる。
操作用摘み52は、収納蓋5の表面側501から突出して形成した突起物、収納蓋5に取り付けた糸等の種々の構成とすることができる。
また、収納穴4への香料6の収納を容易にするために、図4に示すごとく、香料6は、収納蓋5の裏面側502に取り付けておくこともできる。そして、収納蓋5を収納穴4の開口部41に取り付けると同時に香料6を収納穴4に収納するよう構成することができる。
なお、香料6は、袋、容器等の内部に配置して構成することができる。
【0019】
本例のトピアリー1においては、トピアリー1を製作する際に収納穴4を形成しておく。そして、製造者、販売者等は、製作したトピアリー1の収納穴4に、選択した任意の香りの種類の香料6を収納して収納蓋5によって蓋をすることができる。また、販売者等は、トピアリー1と香料6とを別々に販売して、購入者によって選択した任意の香りの香料6を収納させることもできる。また、購入者は、トピアリー1を所定の期間使用して香料6の香りが薄れたときには、自ら香料6を取り替えることができ、使用途中において香料6の種類を変更することもできる。
【0020】
いずれの場合においても、収納蓋5を取り外せば、容易に収納穴4を開放することができ、香料6の取出、収納を容易に行うことができる。
それ故、本例のトピアリー1によれば、任意に選択した香りの種類の香料6を収納することができ、香料6の取替え、種類の変更を任意に行うことができる。
【符号の説明】
【0021】
1 トピアリー
2 骨組
21 線材
3 表面植物材
4 収納穴
5 収納蓋
51 突起
52 操作用摘み
6 香料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材を折り曲げて立体的に成形した骨組に、表面植物材を保持させて形成したトピアリーであって、
該トピアリーにおけるいずれかの位置には、香料を収納するための収納穴が当該トピアリーの表面から形成してあり、
上記収納穴の開口部には、該収納穴に上記香料を収納した状態で蓋をするための収納蓋が開閉又は着脱可能に取り付けてあることを特徴とするトピアリー。
【請求項2】
請求項1に記載のトピアリーにおいて、上記収納蓋の裏面側には、上記表面植物材の表面から突き刺すことができる突起が設けてあり、上記収納蓋の表面側には、操作用摘みが設けてあることを特徴とするトピアリー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のトピアリーにおいて、上記香料は、上記収納蓋の裏面側に取り付けてあり、該収納蓋を取り付けると同時に上記香料を上記収納穴に収納するよう構成してあることを特徴とするトピアリー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−211995(P2011−211995A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86015(P2010−86015)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(504107317)有限会社翠峰園 (1)
【Fターム(参考)】