トラクタ
【課題】フェンダーを支持する支持部材をハの字型に配置構成することによって全体の剛性を高め、強固で安定した支持構造を提供する。
【解決手段】左右の後車輪の上方を覆うべく配置され、上部にハンドキャッチャ14を備えた樹脂性の左右のフェンダー13を有するトラクタにおいて、該左右のフェンダー13を支持する支持ベース18から前記ハンドキャッチャー14までの繋ぎ部材として、ハの字状に立ち上がる前後の支持部材19a,19bを介して連結保持させてあることを特徴とするトラクタの構成とする。
【解決手段】左右の後車輪の上方を覆うべく配置され、上部にハンドキャッチャ14を備えた樹脂性の左右のフェンダー13を有するトラクタにおいて、該左右のフェンダー13を支持する支持ベース18から前記ハンドキャッチャー14までの繋ぎ部材として、ハの字状に立ち上がる前後の支持部材19a,19bを介して連結保持させてあることを特徴とするトラクタの構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタに関する。特に、左右の後車輪を覆う樹脂性の左右フェンダーの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、左右の後車輪を覆うフェンダー、オペレータ用シートを装置するためのシートパネルや、ステップなどの三部材について合成樹脂材を素材として一体成型した構成のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−83620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂化されたフェンダーにハンドキャッチャを備えたものでは、このフェンダーにかかる外力、特に上からの荷重に対しては充分耐え得る強度が要求される。単純なプレートによる支持構造では耐え難く、変形や亀裂が発生し、強固で安定した支持構造が得られない課題があった。
【0005】
本発明の課題は、フェンダーを支持する支持部材をハの字型に配置構成することによって全体の剛性を高め、強固で安定した支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、左右の後車輪(5),(5)の上方を覆うべく配置され、上部にハンドキャッチャ(14)を備えた樹脂性の左右のフェンダー(13L),(13R)を有するトラクタにおいて、該左右のフェンダー(13L),(13R)を支持する支持ベース(18)から前記ハンドキャッチャー(14)までの繋ぎ部材として、ハの字状に立ち上がる前後の支持部材(19),(19)を介して連結保持させてあることを特徴とするトラクタとする。
【0007】
フェンダー(13)にかかるハンドキャッチャ(14)上方からの荷重に対しては、ハの字型の支持部材(19),(19)によって全面的に受けることになり、剛性が高く保持される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の本発明によれば、フェンダーを支持する支持ベースからハンドキャッチャまでの繋ぎ部材として、ハの字型支持部材を介してフェンダーを支持するようにしたので、上方からの垂直荷重に対する剛性を高く保持することができ、フェンダーにかかる荷重に対して十分耐え得る強固で安定した支持構造が得られるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】トラクタの側面図
【図2】フェンダー要部の側断面図
【図3】同上要部の側面図
【図4】ボンネットの斜視図
【図5】同上要部の斜視図
【図6】フロントネットの斜視図
【図7】ボンネットの前方斜視図
【図8】同上要部の正面図
【図9】フロントローダを備えたトラクタの側面図
【図10】ローダ操作機構要部の正面図
【図11】同上要部の側面図
【図12】本例の(イ)側面図、(ロ)正面図
【図13】従来例の(イ)側面図、(ロ)正面図
【図14】安全フレームの取付構造を示す要部の分解斜視図
【図15】ポジション操作連動機構を示す要部の側面図
【図16】同上要部の正面図
【図17】運転操作部の平面図
【図18】前後進ペダルとブレーキペダルの関連構成を示す斜視図
【図19】同上要部の斜視図
【図20】オートクルーズレバー周辺の側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、トラクタを示すものであり、この走行車体1前部のボンネット2内部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前車輪4及び後車輪5とに伝えるようにしている。エンジンEの後方に前車輪4,4を操舵するステアリングハンドル6が装備され、更に、その後方には運転席7が設置されている。
【0011】
ミッションケース3の後上部には油圧シリンダケースが搭載され、このシリンダケース8の左右両側には、油圧昇降機構の一部を構成するリフトアーム8が回動自在に取り付けられている。リフトアーム8は昇降用油圧シリンダの伸縮作動により上下動する。車体後部には、トップリンク10と、リフトアーム8からリフトロッド9を介して連結される左右のロアーリンク11からなる3点リンク機構を設け、同リンク機構にロータリ作業機等を装着するようにしている。12は安全フレームを示す。
【0012】
左右フェンダー13L,13Rは、左右の後車輪5,5の前方と上方を覆い、樹脂材によって一体成型された構成になっている。フェンダー13の上面中間部位には、ハンドキャッチャ14が突設され、フェンダー内面に添接された当て板15を介してボルト16・ナット17により締付固定する構成としている。
【0013】
フェンダー13を支持する支持ベース18とハンドキャッチャ14の当て板15との間には、ベース18側よりハンドキャッチャ14側が前後に広く拡開するハの字型の支持部材19a,19bが立設され、フェンダー及びハンドキャッチャにかかる上方からの荷重を受けるように装着支持されている。これらハの字型支持部材や支持ベース等は左右とも共用化することによって安価に実施することができる。また、ベース18と支持部材19a,19bを分離可能に構成しておくと、外側のカバー形状を選択する幅が広がることになる。前記支持ベース18は、車体フレーム20に対して着脱自在に装着している。
【0014】
図5〜図7には、ボンネット2とフロントネット(防塵ネット)24とヘッドランプ26との取付構成が示されている。ボンネット2の内側中央部に固定された取付プレート23、フロントネット24の上端部の中央に固定された取付プレート25及びヘッドランプ26の取付ステー27の三者をボルト・ナットからなる締付固定具28によって締付固定するように連結構成して、ボンネットの剛性アップを図っている。
【0015】
また、図8、図9に示すように、取付プレート23,25の両者をコの字型に構成して重ね合わせ、締付固定具28で固定することによりボンネット前部の上下方向の強度が更にアップする。なお、フロントネット下部及び左右側部はボンネットに対しビス止めして固定している。
【0016】
図9は、フロントローダ30を備えたトラクタを示している。フロントローダ30は、バケット31を有するブーム32がマスト33を介して走行車体1に対し昇降可能に装備され、バケット31及びブーム32のためのバケット作動シリンダ34、ブーム昇降シリンダ35を備え、各シリンダ34,35を制御する制御操作手段36を運転席近くに備えている。
【0017】
制御操作手段の操作によりブームケーブル37及びバケットケーブル38を介して支点軸39周りに揺動変位するジョイスティックリンク40,40において、このリンク40,40の支点軸39をバルブ43のスプールピン42の直上に設定することで、スプールピン42の長孔41に対する摺動を減らし、耐久性の向上を図るようにしている。
従来は、リンクのガタを小さくするために、リンクのアームを長く取っており、リンク支点をスプールピンの接点よりずらして構成(図13(イ)参照)していた。これによると、スプールピンの摺動が発生し、ピン磨耗により弱くなっていた。本例では、スプールピンの直上に配置(図12(イ)参照)してピンの摺動を減らすことにより耐久性が向上するものとなった。
【0018】
また、リンク40は、図10に示すように、正面視で垂直方向に対して20°傾けることにより、ケーブルの曲げを減らすことができ、動きがスムースに行えるようになった。つまり、リンクが垂直のままではケーブルが多方向へ折れ曲がって操作荷重が大きくなるが、上記のようにリンクを所定角度に傾けることによって問題点を解消することができた。
【0019】
また、このように20°傾けたリンク40,40において、従来では、リンク40,40の支点軸が同一軸芯(図13(ロ)参照)上にあるため、一方側のリンクのアーム長さが長くなり、その分のスペースが要求されため、キャビンフロアとの干渉等の問題が発生していた。本例では、図12(ロ)に示すように、リンクの支点軸をずらすことによりスペースを確保でき、キャビンフロアとの干渉をなくし、リンクをコンパクトに配置構成することができる。
【0020】
図14に示す実施例では、安全フレーム12の補強プレート46がフェンダフレームに装着支持されたブラッケッ47の補強部材48にて前後の動きを規制することで、安全フレーム12の強度を確保できるように構成している。また、安全フレーム12の取付プレート45がブラケット47の補強部材48にて前傾する動きを規制することで安全フレームの強度を確保できるように構成している。
【0021】
更に、補強座金49がブラケット47の穴50への嵌合保持によって前後の動きを規制するように構成することで、安全フレームの強度を確保することができる。
図15及び図16に示す実施例では、油圧ポジションレバー51をフロア52から上方に突設する支持ステー53に軸支させて設け、横軸芯Qを支点として前後方向に揺動操作可能に構成している。
【0022】
ポジションレバー51は、これと一体回動する回動アーム54とロッド56を介して、ミッションケース3に取付けたポジションアーム55に連動連結している。従来はポジションレバーがポジションアームに取付けてあるため、フロアに開ける穴が大きくなり、また、ポジションレバーにミッションからの振動が伝わってくる問題があったが、ポジションレバーをロッドで連結することで、フロアの穴が小さくできて騒音防止に役立つものとなる。
【0023】
また、ロッドで連絡することで、ミッションからの振動をも防止することができる。なお、上記図例において、ポジションアーム55のブラケット57を取付けるためのベースブラケット58を別に設けることで、ポジションアームブラケットの強度を十分に確保することができる。
【0024】
図17に示す実施例は、運転席7の左側又は右側に複数以上の操作レバーを配置するものにおいて、オペレータの死角になる、又は、操作し難い箇所に、使用頻度の少ないレバー、例えば副変速レバー60を設置(図17の斜線部)し、外側の視認し易く、手の届き易い箇所には、使用頻度の高いレバー、例えば主変速レバー61を設置する。これにより、オペレータの操作労力が軽減できる。
【0025】
図18、図19に示す実施例は、HSTの前後進ペダル63F,63Rとブレーキペダル64を同一軸65芯上に配置した構成例を示したものである。左側の前進ペダル63F及び右側の後進ペダル63Rの踏込み操作によってHSTのトラニオン軸を回動制御して中立位置から前進増速位置と後進増速位置とに無段変速するように連動構成している。そして、前後進ペダル63F,63Rは、左右横方向に平行な軸65回りに回動自在に軸支する構成であり、また、踏み込み操作によってブレーキ装置を制動操作するブレーキペダル64においても前記軸65回りに回動自在に軸支した構成としている。
【0026】
従来は、前後進ペダルとブレーキペダルは、本機の車体フレームに貫通した2本の軸にそれぞれ分けて軸支した構成であったため、多くの部品点数を要し、コスト的に高価なものとなっていた。本例による場合は、それぞれを同一軸芯上に軸支することによって部品点数が大幅に減少し、安価に実施することができる。
【0027】
図20に示す70はオートクルーズレバーである。このオートクルーズレバー70を前方A方向に倒すと、連結ロッド73により上方に引き上げられ、アーム71が支点71aを支点として反時計回りに回転する。このアーム71に設けられているピンにより、アーム75全体が支点75aを支点として反時計回りに回転し、ラッチプレート72のラッチ72aに対してラッチをきざみながら増速する。そして、オートクルーズレバー70の前方への移動を停めた時点の速度で走行速度が維持される。
【0028】
また、オートクルーズレバー70を後方B方向に倒すと、連結ロッド73により下方に押し下げられ、アーム71が時計回りに回転する。このアーム71に設けられたピンによりフック74がトルクスプリングに反して時計回りに回さてフックが外れる。そして、リターンスプリングによりアーム75全体が中立位置に戻る構成である。
【0029】
このように、有段のカム式クルーズコントロール装置において、固定の受け側のカムに対し、固定支点回りに回動するアームに回動自在にフックを設け、このアームの支点とフックの支点の間に両者に遊びを持って連動するアームを設ける構成としたので、ロック機構がコンパクトになりレイアウトの幅が広がるようになる。
【符号の説明】
【0030】
5 後車輪
13L 左フェンダー
13R フェンダー
14 ハンドキャッチャ
18 支持ベース
19 支持部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタに関する。特に、左右の後車輪を覆う樹脂性の左右フェンダーの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、左右の後車輪を覆うフェンダー、オペレータ用シートを装置するためのシートパネルや、ステップなどの三部材について合成樹脂材を素材として一体成型した構成のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−83620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂化されたフェンダーにハンドキャッチャを備えたものでは、このフェンダーにかかる外力、特に上からの荷重に対しては充分耐え得る強度が要求される。単純なプレートによる支持構造では耐え難く、変形や亀裂が発生し、強固で安定した支持構造が得られない課題があった。
【0005】
本発明の課題は、フェンダーを支持する支持部材をハの字型に配置構成することによって全体の剛性を高め、強固で安定した支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、左右の後車輪(5),(5)の上方を覆うべく配置され、上部にハンドキャッチャ(14)を備えた樹脂性の左右のフェンダー(13L),(13R)を有するトラクタにおいて、該左右のフェンダー(13L),(13R)を支持する支持ベース(18)から前記ハンドキャッチャー(14)までの繋ぎ部材として、ハの字状に立ち上がる前後の支持部材(19),(19)を介して連結保持させてあることを特徴とするトラクタとする。
【0007】
フェンダー(13)にかかるハンドキャッチャ(14)上方からの荷重に対しては、ハの字型の支持部材(19),(19)によって全面的に受けることになり、剛性が高く保持される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の本発明によれば、フェンダーを支持する支持ベースからハンドキャッチャまでの繋ぎ部材として、ハの字型支持部材を介してフェンダーを支持するようにしたので、上方からの垂直荷重に対する剛性を高く保持することができ、フェンダーにかかる荷重に対して十分耐え得る強固で安定した支持構造が得られるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】トラクタの側面図
【図2】フェンダー要部の側断面図
【図3】同上要部の側面図
【図4】ボンネットの斜視図
【図5】同上要部の斜視図
【図6】フロントネットの斜視図
【図7】ボンネットの前方斜視図
【図8】同上要部の正面図
【図9】フロントローダを備えたトラクタの側面図
【図10】ローダ操作機構要部の正面図
【図11】同上要部の側面図
【図12】本例の(イ)側面図、(ロ)正面図
【図13】従来例の(イ)側面図、(ロ)正面図
【図14】安全フレームの取付構造を示す要部の分解斜視図
【図15】ポジション操作連動機構を示す要部の側面図
【図16】同上要部の正面図
【図17】運転操作部の平面図
【図18】前後進ペダルとブレーキペダルの関連構成を示す斜視図
【図19】同上要部の斜視図
【図20】オートクルーズレバー周辺の側面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、トラクタを示すものであり、この走行車体1前部のボンネット2内部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前車輪4及び後車輪5とに伝えるようにしている。エンジンEの後方に前車輪4,4を操舵するステアリングハンドル6が装備され、更に、その後方には運転席7が設置されている。
【0011】
ミッションケース3の後上部には油圧シリンダケースが搭載され、このシリンダケース8の左右両側には、油圧昇降機構の一部を構成するリフトアーム8が回動自在に取り付けられている。リフトアーム8は昇降用油圧シリンダの伸縮作動により上下動する。車体後部には、トップリンク10と、リフトアーム8からリフトロッド9を介して連結される左右のロアーリンク11からなる3点リンク機構を設け、同リンク機構にロータリ作業機等を装着するようにしている。12は安全フレームを示す。
【0012】
左右フェンダー13L,13Rは、左右の後車輪5,5の前方と上方を覆い、樹脂材によって一体成型された構成になっている。フェンダー13の上面中間部位には、ハンドキャッチャ14が突設され、フェンダー内面に添接された当て板15を介してボルト16・ナット17により締付固定する構成としている。
【0013】
フェンダー13を支持する支持ベース18とハンドキャッチャ14の当て板15との間には、ベース18側よりハンドキャッチャ14側が前後に広く拡開するハの字型の支持部材19a,19bが立設され、フェンダー及びハンドキャッチャにかかる上方からの荷重を受けるように装着支持されている。これらハの字型支持部材や支持ベース等は左右とも共用化することによって安価に実施することができる。また、ベース18と支持部材19a,19bを分離可能に構成しておくと、外側のカバー形状を選択する幅が広がることになる。前記支持ベース18は、車体フレーム20に対して着脱自在に装着している。
【0014】
図5〜図7には、ボンネット2とフロントネット(防塵ネット)24とヘッドランプ26との取付構成が示されている。ボンネット2の内側中央部に固定された取付プレート23、フロントネット24の上端部の中央に固定された取付プレート25及びヘッドランプ26の取付ステー27の三者をボルト・ナットからなる締付固定具28によって締付固定するように連結構成して、ボンネットの剛性アップを図っている。
【0015】
また、図8、図9に示すように、取付プレート23,25の両者をコの字型に構成して重ね合わせ、締付固定具28で固定することによりボンネット前部の上下方向の強度が更にアップする。なお、フロントネット下部及び左右側部はボンネットに対しビス止めして固定している。
【0016】
図9は、フロントローダ30を備えたトラクタを示している。フロントローダ30は、バケット31を有するブーム32がマスト33を介して走行車体1に対し昇降可能に装備され、バケット31及びブーム32のためのバケット作動シリンダ34、ブーム昇降シリンダ35を備え、各シリンダ34,35を制御する制御操作手段36を運転席近くに備えている。
【0017】
制御操作手段の操作によりブームケーブル37及びバケットケーブル38を介して支点軸39周りに揺動変位するジョイスティックリンク40,40において、このリンク40,40の支点軸39をバルブ43のスプールピン42の直上に設定することで、スプールピン42の長孔41に対する摺動を減らし、耐久性の向上を図るようにしている。
従来は、リンクのガタを小さくするために、リンクのアームを長く取っており、リンク支点をスプールピンの接点よりずらして構成(図13(イ)参照)していた。これによると、スプールピンの摺動が発生し、ピン磨耗により弱くなっていた。本例では、スプールピンの直上に配置(図12(イ)参照)してピンの摺動を減らすことにより耐久性が向上するものとなった。
【0018】
また、リンク40は、図10に示すように、正面視で垂直方向に対して20°傾けることにより、ケーブルの曲げを減らすことができ、動きがスムースに行えるようになった。つまり、リンクが垂直のままではケーブルが多方向へ折れ曲がって操作荷重が大きくなるが、上記のようにリンクを所定角度に傾けることによって問題点を解消することができた。
【0019】
また、このように20°傾けたリンク40,40において、従来では、リンク40,40の支点軸が同一軸芯(図13(ロ)参照)上にあるため、一方側のリンクのアーム長さが長くなり、その分のスペースが要求されため、キャビンフロアとの干渉等の問題が発生していた。本例では、図12(ロ)に示すように、リンクの支点軸をずらすことによりスペースを確保でき、キャビンフロアとの干渉をなくし、リンクをコンパクトに配置構成することができる。
【0020】
図14に示す実施例では、安全フレーム12の補強プレート46がフェンダフレームに装着支持されたブラッケッ47の補強部材48にて前後の動きを規制することで、安全フレーム12の強度を確保できるように構成している。また、安全フレーム12の取付プレート45がブラケット47の補強部材48にて前傾する動きを規制することで安全フレームの強度を確保できるように構成している。
【0021】
更に、補強座金49がブラケット47の穴50への嵌合保持によって前後の動きを規制するように構成することで、安全フレームの強度を確保することができる。
図15及び図16に示す実施例では、油圧ポジションレバー51をフロア52から上方に突設する支持ステー53に軸支させて設け、横軸芯Qを支点として前後方向に揺動操作可能に構成している。
【0022】
ポジションレバー51は、これと一体回動する回動アーム54とロッド56を介して、ミッションケース3に取付けたポジションアーム55に連動連結している。従来はポジションレバーがポジションアームに取付けてあるため、フロアに開ける穴が大きくなり、また、ポジションレバーにミッションからの振動が伝わってくる問題があったが、ポジションレバーをロッドで連結することで、フロアの穴が小さくできて騒音防止に役立つものとなる。
【0023】
また、ロッドで連絡することで、ミッションからの振動をも防止することができる。なお、上記図例において、ポジションアーム55のブラケット57を取付けるためのベースブラケット58を別に設けることで、ポジションアームブラケットの強度を十分に確保することができる。
【0024】
図17に示す実施例は、運転席7の左側又は右側に複数以上の操作レバーを配置するものにおいて、オペレータの死角になる、又は、操作し難い箇所に、使用頻度の少ないレバー、例えば副変速レバー60を設置(図17の斜線部)し、外側の視認し易く、手の届き易い箇所には、使用頻度の高いレバー、例えば主変速レバー61を設置する。これにより、オペレータの操作労力が軽減できる。
【0025】
図18、図19に示す実施例は、HSTの前後進ペダル63F,63Rとブレーキペダル64を同一軸65芯上に配置した構成例を示したものである。左側の前進ペダル63F及び右側の後進ペダル63Rの踏込み操作によってHSTのトラニオン軸を回動制御して中立位置から前進増速位置と後進増速位置とに無段変速するように連動構成している。そして、前後進ペダル63F,63Rは、左右横方向に平行な軸65回りに回動自在に軸支する構成であり、また、踏み込み操作によってブレーキ装置を制動操作するブレーキペダル64においても前記軸65回りに回動自在に軸支した構成としている。
【0026】
従来は、前後進ペダルとブレーキペダルは、本機の車体フレームに貫通した2本の軸にそれぞれ分けて軸支した構成であったため、多くの部品点数を要し、コスト的に高価なものとなっていた。本例による場合は、それぞれを同一軸芯上に軸支することによって部品点数が大幅に減少し、安価に実施することができる。
【0027】
図20に示す70はオートクルーズレバーである。このオートクルーズレバー70を前方A方向に倒すと、連結ロッド73により上方に引き上げられ、アーム71が支点71aを支点として反時計回りに回転する。このアーム71に設けられているピンにより、アーム75全体が支点75aを支点として反時計回りに回転し、ラッチプレート72のラッチ72aに対してラッチをきざみながら増速する。そして、オートクルーズレバー70の前方への移動を停めた時点の速度で走行速度が維持される。
【0028】
また、オートクルーズレバー70を後方B方向に倒すと、連結ロッド73により下方に押し下げられ、アーム71が時計回りに回転する。このアーム71に設けられたピンによりフック74がトルクスプリングに反して時計回りに回さてフックが外れる。そして、リターンスプリングによりアーム75全体が中立位置に戻る構成である。
【0029】
このように、有段のカム式クルーズコントロール装置において、固定の受け側のカムに対し、固定支点回りに回動するアームに回動自在にフックを設け、このアームの支点とフックの支点の間に両者に遊びを持って連動するアームを設ける構成としたので、ロック機構がコンパクトになりレイアウトの幅が広がるようになる。
【符号の説明】
【0030】
5 後車輪
13L 左フェンダー
13R フェンダー
14 ハンドキャッチャ
18 支持ベース
19 支持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の後車輪(5),(5)の上方を覆うべく配置され、上部にハンドキャッチャ(14)を備えた樹脂性の左右のフェンダー(13L),(13R)を有するトラクタにおいて、該左右のフェンダー(13L),(13R)を支持する支持ベース(18)から前記ハンドキャッチャー(14)までの繋ぎ部材として、ハの字状に立ち上がる前後の支持部材(19),(19)を介して連結保持させてあることを特徴とするトラクタ。
【請求項1】
左右の後車輪(5),(5)の上方を覆うべく配置され、上部にハンドキャッチャ(14)を備えた樹脂性の左右のフェンダー(13L),(13R)を有するトラクタにおいて、該左右のフェンダー(13L),(13R)を支持する支持ベース(18)から前記ハンドキャッチャー(14)までの繋ぎ部材として、ハの字状に立ち上がる前後の支持部材(19),(19)を介して連結保持させてあることを特徴とするトラクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−68203(P2011−68203A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219239(P2009−219239)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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