説明

トラス支保梁の移動装置

【課題】重量のあるトラス支保梁の移動を容易かつ安全で円滑に行えるようにしたトラス支保梁の移動装置を提供すること。
【解決手段】上下フランジ4,5と、上下フランジを連結する鉛直片6と、少なくとも一側に凹状の装着スペース7を備えたトラス支保梁1を、移動する移動装置において、一端部にトラス支保梁の鉛直片の端部を抱持する抱持部11を有し、他端部に筒状体20を連結する抱持部材10と、抱持部材の抱持部と鉛直片とを着脱可能に固定する固定ねじ部材30と、筒状体内に内蔵される油圧シリンダ40と、筒状体の上部に設けられる油圧シリンダの荷重受け部50と、油圧シリンダの下部を固定保持する台座60と、台座に回転自在に装着される転動輪70と、を設ける。これにより、トラス支保梁の鉛直片の端部に抱持部を固定した状態で、油圧シリンダを作動してトラス支保梁を設置面より持ち上げて転動輪を介して移動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラス支保梁の移動装置に関するもので、更に詳細には、上下フランジと、この上下フランジを連結する鉛直片とを具備し、かつ、少なくとも一側に凹状の装着スペースを備えたトラス支保梁を、容易かつ安全に移動できる移動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば橋梁工事や建設工事、土木工事等で使用される鉄骨等の重量物は、一般にクレーンやホイスト等により吊り下げて移動されるが、上記クレーン等が入らない狭隘な作業現場では、上記重量物をクレーン等の作業位置まで移動させる必要があり、その移動手段として例えばウィンチを用い、多くの作業者が上記重量物を引張って移動していた。
【0003】
しかし、上記ウィンチによる移動は、大勢の作業者を要して作業能率が悪く、しかも上記重量物を不安定な状態で移動するため、重量物が転倒する虞があって作業の安全性に不安があり、上記クレーンやホイスト、ウィンチに代わる装置の開発や作業の改善が望まれていた。
【0004】
そこで、発明者等は鋭意研究して、重量物を容易かつ安全で円滑に移動できる簡易移動装置及びその使用方法を提案した(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この移動装置によれば、被移動体の上下フランジ間の凹状スペース内に伸縮体を介在させ、伸縮体を伸長することで、重量のある被移動体を容易かつ安全で円滑に移動することができる。
【特許文献1】特開2004−331333号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年の建設工事の近代化,合理化,現場の省力化に伴って、施工が容易で強度的に優れ、かつ広い汎用性を有する仮設資材の必要性が望まれており、それに対応する仮設資材として、上弦材と下弦材の間にトラス構造を有するトラス支保梁が使用されるようになってきた。
【0007】
しかしながら、この種のトラス支保梁においては、上下フランジ間に伸縮体が介在できるスペースがないため、従来の移動装置を適用することができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、重量のあるトラス支保梁の移動を容易かつ安全で円滑に行えるようにしたトラス支保梁の移動装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明のトラス支保梁の移動装置は、上下フランジと、この上下フランジを連結する鉛直片とを具備し、かつ、少なくとも一側に凹状の装着スペースを備えたトラス支保梁を、移動する移動装置であって、 上記装着スペース内に挿入され、一端部に上記トラス支保梁の鉛直片の端部を抱持すると共に、上記上フランジの下面に当接可能な抱持部を有し、他端部に筒状体を連結する抱持部材と、 上記抱持部材の抱持部と上記鉛直片とを着脱可能に固定する固定部材と、 上記筒状体内に内蔵される伸縮体と、 上記筒状体の上部に設けられる伸縮体の荷重受け部と、 上記伸縮体の下部を固定保持する台座と、 上記台座に回転自在に装着される転動輪と、を具備することを特徴とする(請求項1)。この場合、上記抱持部材は、上記抱持部と筒状体とを連結する連結片を具備すると共に、抱持部及び連結片の上端面を上フランジの下面に当接可能に形成する方が好ましい(請求項2)。
【0010】
このように構成することにより、トラス支保梁の鉛直片の端部を抱持部材で抱持すると共に、抱持部を上フランジの下面に当接し、固定部材にて固定した状態で、伸縮体を伸長することで、トラス支保梁を設置部から持ち上げ、転動輪を転動して移動することができる。この場合、抱持部材を構成する抱持部及び連結片の上端面をトラス支保梁の上フランジの下面に当接することにより、抱持部材がトラス支保梁を支持する面積を更に増大することができる。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のトラス支保梁の移動装置において、上記台座は、対向する側壁に転動輪取付用ブラケットを垂下し、この台座の対向する側壁に、上記転動輪の走行方向を調整する角度調整部材を更に具備する、ことを特徴とする。この場合、上記角度調整部材を、長手方向に沿う長孔を有し、一端がトラス支保梁の下フランジの縁部に係合する板状基部と、この板状基部の他端から傾斜状に延在すると共に、トラス支保梁の下フランジの縁部に係合する傾斜部とで構成し、上記長孔を貫通する固定ねじを、台座の側壁部に設けられたねじ孔に螺合することにより、角度調整部材を調整可能に装着する方が好ましい(請求項6)。
【0012】
このように構成することにより、台座の対向する側壁に角度調整部材を取り付けることにより、台座に装着された転動輪の方向を調整することができる。この場合、角度調整部材を、長手方向に沿う長孔を有し、一端がトラス支保梁の下フランジの縁部に係合する板状基部と、この板状基部の他端から傾斜状に延在すると共に、トラス支保梁の下フランジの縁部に係合する傾斜部とで構成し、長孔を貫通する固定ねじを、台座の側壁部に設けられたねじ孔に螺合することにより、角度調整部材の一端又は他端の傾斜部を、長孔に沿って移動して、トラス支保梁の下フランジの縁部に係合調整可能に装着することができ、転動輪の走行方向を任意の角度に調整することができる(請求項6)。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のトラス支保梁の移動装置において、上記荷重受け部は、上記筒状体の上部における対向壁に設けられた透孔を貫通する荷重受けピンと、この荷重受けピンの端部に設けられた貫通孔に貫挿される抜け止めピンとで構成されている、ことを特徴とする。
【0014】
このように構成することにより、筒状体内に内蔵された伸縮体の伸縮部の荷重を荷重受けピンに伝達して、トラス支保梁の移動に供することができる。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のトラス支保梁の移動装置において、上記固定部材は、上記抱持部材における抱持部に設けられたねじ孔に螺合するねじ軸と、このねじ軸の一端部に交差状に装着されたハンドルとを具備する、ことを特徴とする。
【0016】
このように構成することにより、ハンドルの回転操作によって容易かつ確実に抱持部材とトラス支保梁とを固定するができると共に、取り外しを容易にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0018】
(1)請求項1,4,5記載の発明によれば、トラス支保梁の鉛直片の端部を抱持部材で抱持し、固定部材にて固定した状態で、伸縮体を伸長することで、トラス支保梁を設置部から持ち上げ、転動輪を転動して移動することができるので、重量のあるトラス支保梁の移動を容易かつ安全で円滑に行うことができる。この場合、抱持部材を構成する抱持部及び連結片の上端面をトラス支保梁の上フランジの下面に当接することにより、抱持部材がトラス支保梁を支持する面積を更に増大することができるので、更に確実にトラス支保梁を移動することができる。
【0019】
(2)請求項3記載の発明によれば、台座の対向する側壁に角度調整部材を取り付けることにより、台座に装着された転動輪の方向を調整することができるので、上記(1)に加えて、更にトラス支保梁の移動を安定させることができると共に、移動方向を調整することができる。この場合、角度調整部材の一端又は他端の傾斜部を、長孔に沿って移動して、トラス支保梁の下フランジの縁部に係合調整可能に装着することができるので、更に転動輪の走行方向を任意の角度に調整することができると共に、安定にすることができる(請求項6)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、この発明に係るトラス支保梁の移動装置の使用状態の一部を断面で示す正面図(a)及び(a)のI部拡大断面図(b)、図2及び図3は、それぞれ図1の平面図及び側面図である。ここでは、トラス支保梁1が、例えばH型鋼にて形成される上弦材2とトラス構造材3とからなり、トラス構造材3に上下フランジ4,5と、この上下フランジ4,5を連結する互いに平行な2本の鉛直片6とを具備し、かつ、少なくとも一側に凹状の装着スペース7が備えられている場合について説明する。
【0022】
上記トラス支保梁の移動装置は、上記トラス支保梁1に設けられた装着スペース7内に挿入され、その一端部に上記トラス支保梁1の鉛直片6の端部を抱持する抱持部11を有し、他端部に筒状体20を連結する抱持部材10と、抱持部材10の抱持部11と鉛直片6とを着脱可能に固定する固定部材である固定ねじ部材30と、筒状体20内に内蔵される伸縮体例えば油圧シリンダ40と、筒状体20の上部に設けられる油圧シリンダ40の荷重受け部50と、油圧シリンダ40の下部を固定保持する台座60と、台座60に回転自在に装着される転動輪70とで主に構成されている。また、台座60には転動輪70の走行方向を調整する角度調整部材80が設けられている。
【0023】
上記抱持部材10は、図4に示すように、トラス支保梁1の鉛直片6の端部を抱持すると共に、上端面が上フランジ4の下面に当接可能な断面略コ字状の抱持部11と、この抱持部11を構成する一方の側片11aの延在部11cに直交状に連結すると共に、上端面が上フランジ4の下面に当接可能な連結片12とで構成されている。この場合、抱持部11と連結片12は共にアルミニウム合金製押出形材にて形成されており、抱持部11と連結片12とを別体に形成して溶接あるいはろう付け等の固定手段によって固定されるか、あるいは、抱持部11と連結片12とを押出形材にて一体に形成されている。
【0024】
このように構成される抱持部材10の抱持部11の他方の側片11bには、図1に示すように、例えば2個のねじ孔13が鉛直方向に適宜間隔をおいて刻設されており、これらねじ孔13に螺合される固定ねじ部材30によって抱持部11と鉛直片6とが着脱可能に固定されるようになっている。
【0025】
この場合、固定ねじ部材30は、抱持部材10のねじ孔13に螺合するねじ軸31と、このねじ軸31の一端部に交差状に装着されるハンドル32とで構成されている。このように構成される固定ねじ部材30によれば、抱持部材10の抱持部11をトラス支保梁1の鉛直片6の端部に係合させた状態で、ハンドル32を操作することによって抱持部11と鉛直片6を確実に固定することができ、また、固定の解除を容易にすることができる。
【0026】
また、抱持部材10の連結片12に連結される筒状体20は、図2に示すように、例えばアルミニウム合金製押出形材にて形成される円筒状に形成されている。この筒状体20は抱持部材10の連結片12に溶接あるいはろう付け等の固定手段によって連結されるか、あるいは、押し出し成形によって抱持部材10の連結片12と一体に形成されている。
【0027】
上記荷重受け部50は、筒状体20の上部における対向壁に設けられた透孔21を貫通する例えば鋼製の荷重受けピン51と、この荷重受けピン51の端部に設けられた貫通孔52に貫挿される抜け止め用の割ピン53とで構成されている。このように荷重受け部50を、荷重受けピン51と割ピン53とで構成することにより、筒状体20内への油圧シリンダ40の設置及び取り出しを容易にすることができると共に、設置時における油圧シリンダ40の伸長に伴う荷重を確実に筒状体20に伝達することができる。
【0028】
一方、上記台座60は、図2に示すように、油圧シリンダ40の下部を保持する略四角箱形状の台座基部61と、この台座基部61の対向する側壁62の下部に垂下される転動輪取付用ブラケット63とを具備する例えばアルミダイキャスト製部材にて形成されている。この場合、台座基部61の側壁62に設けられたねじ孔64に螺挿される取付ボルト65によって油圧シリンダ40が台座60に固定されている。また、台座60に設けられた一対の転動輪取付用ブラケット63に架設される回転軸71を介してコロ状の転動輪70が回転自在に装着されている。
【0029】
なお、台座基部61の側壁62に螺合される固定ボルト66に一端が繋着される落下防止用チェーン67の他端が筒状体20の上端部に設けられた取付孔22に繋着されている(図1及び図3参照)。このように落下防止用チェーン67を取り付けることにより、万が一、筒状体20が油圧シリンダ40から外れた場合においても、筒状体20が落下するのを防止することができる。
【0030】
上記油圧シリンダ40は、図5に示すように、内部にシリンダ及び循環式のオイル配管(図示せず)を内蔵するシリンダ本体41と、シリンダ本体41の下端部に固着される四角状のベース部42と、シリンダ本体41に摺動自在に装着されてシリンダ本体41の上方に伸縮移動するラムピストン43と、ベース部42に立設されたポンプシリンダ44と、このポンプシリンダ44のポンプピストン44aの上端に枢着されたリンク式のソケット45に着脱可能に装着される操作レバー46及びソケット45から取り外された操作レバー46によって開放操作可能なリリースバルブ47とで主に構成されている。
【0031】
上記のように構成される油圧シリンダ40のシリンダ本体が上記筒状体20内に内蔵され、筒状体20の上部に荷重受けピン51(荷重受け部)を取り付けた状態で、操作レバー46を加圧操作することで、油圧シリンダ40のラムピストン43が伸長(上昇)して荷重受けピン51に当接し、更に伸長することにより筒状体20及び抱持部材10に荷重を伝達することができる。また、荷重伝達を解除するには、ソケット45から取り外された操作レバー46によってリリースバルブ47を解除操作することにより、ラムピストン43が収縮(下降)して筒状体20及び抱持部材10への負荷が解除される。
【0032】
また、上記台座60の台座基部61における対向する側壁62の下部を構成する転動輪取付用のブラケット63には、それぞれ転動輪70の走行方向を調整する角度調整部材80が設けられている。
【0033】
この場合、角度調整部材80は、図6に示すように、長手方向に沿う長孔82を有し、一端がトラス支保梁1の下フランジ5の縁部に係合する略L字状の板状基部81と、この板状基部81の他端から所定の角度例えば30度の傾斜角に延在すると共に、トラス支保梁1の下フランジ5の縁部に係合する傾斜部83とからなり、長孔82を貫通する固定ボルト84を、台座60の側壁部すなわちブラケット63に設けられたねじ孔85に螺合することにより、角度調整部材80が調整可能及び着脱可能に装着されている。
【0034】
角度調整部材80による調整方法としては、図2に示すように、板状基部81の一端側を移動対象のトラス支保梁1の下フランジ5の縁部に係合(当接)させた状態で固定ボルト84によって固定することによって、トラス支保梁1を、このトラス支保梁1と直角方向に移動することができる。また、この状態で、一方の角度調整部材80の板状基部81を他方の角度調整部材80の板状基部81に対してずらすことにより角度をもたせてトラス支保梁1を移動することができる。また、角度調整部材80による別の調整方法としては、図7(a),(b)に示すように、一方の角度調整部材80を反転させて、傾斜部83をトラス支保梁1の下フランジ5の縁部に係合(当接)させた状態で固定ボルト84によって固定することによって、トラス支保梁1を、上記直角方向に対して左右のいずれかに傾斜部83の角度例えば30度の傾斜方向にトラス支保梁1を移動することができる。この状態においても、一方の角度調整部材80の板状基部81を他方の角度調整部材80の板状基部81に対してずらすことにより角度を調整してトラス支保梁1を移動することができる。
【0035】
次に、この発明に係る移動装置の使用態様について説明する。まず、トラス支保梁1を、このトラス支保梁1と直角方向に移動する場合は、角度調整部材80の板状基部81の一端がトラス支保梁1側に位置するように固定ボルト84で角度調整部材80をルーズに固定しておく。そして、抱持部材10の抱持部11をトラス支保梁1の鉛直片6の端部に係合させた状態で、油圧シリンダ40を操作してラムピストン43を伸長(上昇)させると共に、筒状体20及び抱持部材10を上昇させて、抱持部材10の上端面すなわち抱持部11及び連結片12の上端面を上フランジ4の下面に当接する。この状態で、固定ねじ部材30のハンドル32を操作して抱持部材10の抱持部11と鉛直片6とを固定する。この際、角度調整部材80の板状基部81の一端をトラス支保梁1の下フランジ5の縁部に当接させた状態で固定ボルト84を締結して固定する。このようにして、図8に示すように、トラス支保梁1の両端4箇所に移動装置を取り付けた状態で、トラス支保梁1を直角方向に移動することができる。なお、この状態で、一方の角度調整部材80の板状基部81を他方の角度調整部材80の板状基部81に対してずらすことにより角度をもたせてトラス支保梁1を移動することができる。
【0036】
また、トラス支保梁1を傾斜方向に移動する場合は、一方の角度調整部材80を反転させて、傾斜部83がトラス支保梁1側に位置するように固定ボルト84で角度調整部材80をルーズに固定しておく。そして、抱持部材10の抱持部11をトラス支保梁1の鉛直片6の端部に係合させた状態で、油圧シリンダ40を操作してラムピストン43を伸長(上昇)させると共に、筒状体20及び抱持部材10を上昇させて、抱持部材10の上端面(抱持部11及び連結片12の上端面)を上フランジ4の下面に当接する。この状態で、固定ねじ部材30のハンドル32を操作して抱持部材10の抱持部11と鉛直片6とを固定する。この際、角度調整部材80の板状基部81の他端に延在する傾斜部83の端部をトラス支保梁1の下フランジ5の縁部に当接させた状態で固定ボルト84を締結して固定する。このようにして、図9に示すように、トラス支保梁1の両端4箇所に移動装置を取り付けた状態で、トラス支保梁1を直角方向に対して傾斜する方向に移動することができる。なお、この状態で、一方の角度調整部材80の板状基部81を他方の角度調整部材80の板状基部81に対してずらすことにより角度を調整してトラス支保梁1を移動することができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、トラス支保梁1が2本の鉛直片6を備える場合について説明したが、1本の鉛直片6を備えるトラス支保梁においては、トラス支保梁1の両端に移動装置を取り付けることによって上記と同様に、トラス支保梁を移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明に係るトラス支保梁の移動装置の使用状態の一部を断面で示す正面図(a)及び(a)のI部拡大断面図(b)である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の側面図である。
【図4】この発明における油圧シリンダを示す斜視図である。
【図5】この発明における抱持部材と筒状体を示す平面図である。
【図6】この発明における角度調整部材の取付状態を示す斜視図である。
【図7】上記角度調整部材の角度調整の別の形態を示す平面図である。
【図8】この発明に係る移動装置によってトラス支保梁を直角方向に移動する状態を示す概略平面図である。
【図9】この発明に係る移動装置によってトラス支保梁を直角方向に対して傾斜方向に移動する状態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 トラス支保梁
4 上フランジ
5 下フランジ
6 鉛直片
7 装着スペース
10 抱持部材
11 抱持部
12 連結片
13 ねじ孔
20 筒状体
21 透孔
30 固定ねじ部材(固定部材)
31 ねじ軸
32 ハンドル
40 油圧シリンダ(伸縮体)
50 荷重受け部
51 荷重受けピン
52 貫通孔
53 抜け止め用割ピン
60 台座
70 転動輪
80 角度調整部材
81 板状基部
82 長孔
83 傾斜部
84 固定ボルト
85 ねじ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下フランジと、この上下フランジを連結する鉛直片とを具備し、かつ、少なくとも一側に凹状の装着スペースを備えたトラス支保梁を、移動する移動装置であって、
上記装着スペース内に挿入され、一端部に上記トラス支保梁の鉛直片の端部を抱持すると共に、上記上フランジの下面に当接可能な抱持部を有し、他端部に筒状体を連結する抱持部材と、
上記抱持部材の抱持部と上記鉛直片とを着脱可能に固定する固定部材と、
上記筒状体内に内蔵される伸縮体と、
上記筒状体の上部に設けられる伸縮体の荷重受け部と、
上記伸縮体の下部を固定保持する台座と、
上記台座に回転自在に装着される転動輪と、
を具備することを特徴とするトラス支保梁の移動装置。
【請求項2】
請求項1記載のトラス支保梁の移動装置において、
上記抱持部材は、上記抱持部と筒状体とを連結する連結片を具備すると共に、抱持部及び連結片の上端面を上フランジの下面に当接可能に形成してなる、ことを特徴とするトラス支保梁の移動装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のトラス支保梁の移動装置において、
上記台座は、対向する側壁に転動輪取付用ブラケットを垂下し、この台座の対向する側壁に、上記転動輪の走行方向を調整する角度調整部材を更に具備する、ことを特徴とするトラス支保梁の移動装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のトラス支保梁の移動装置において、
上記荷重受け部は、上記筒状体の上部における対向壁に設けられた透孔を貫通する荷重受けピンと、この荷重受けピンの端部に設けられた貫通孔に貫挿される抜け止めピンとで構成されている、ことを特徴とするラス支保梁の移動装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のトラス支保梁の移動装置において、
上記固定部材は、上記抱持部材における抱持部に設けられたねじ孔に螺合するねじ軸と、このねじ軸の一端部に交差状に装着されたハンドルとを具備する、ことを特徴とするトラス支保梁の移動装置。
【請求項6】
請求項3記載のトラス支保梁の移動装置において、
上記角度調整部材は、長手方向に沿う長孔を有し、一端がトラス支保梁の下フランジの縁部に係合する板状基部と、この板状基部の他端から傾斜状に延在すると共に、トラス支保梁の下フランジの縁部に係合する傾斜部とからなり、上記長孔を貫通する固定ねじを、台座の側壁部に設けられたねじ孔に螺合することにより、角度調整部材を調整可能に装着してなる、ことを特徴とするトラス支保梁の移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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