説明

トラック外装部品の組付構造

【課題】トラック外装部品の寸法管理を厳しくすることなく、トラック外装部品の分割ラインの外観を向上させることができるトラック外装部品の組付構造を提供する。
【解決手段】フロントパネル1と、フロントパネル1の下方に隣接して設けられるラジエータグリル2と、フロントパネル1の左右に隣接して設けられるコーナーパネル3と、コーナーパネル3の下方であって且つラジエータグリル2の左右に隣接して設けられるターンランプ部4と、を含んでトラックの前面を構成するトラック外装部品の組付構造であって、フロントパネル1、ラジエータグリル2、コーナーパネル3及びターンランプ部4の各隅部により十字形状の分割ラインが形成され、ラジエータグリル2、コーナーパネル3及びターンランプ部4の前記十字形状を形成する各隅部に、前記フロントパネルとの取付け点P1〜P3が存在することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントパネルやコーナーパネル等の外装部品をトラック等の前面側に取り付けるトラック外装部品の組付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラック外装部品の組付構造において、トラックの前面は外装パネル等の複数の部材から構成されている(例えば、特許文献1参照)。図7に示すトラックでは、幅広のフロントパネル100がトラック前面の中央部に設けられている。このフロントパネル100の下方には、フロントパネル100と同程度の幅のラジエータグリル101が隣接して設けられている。また、フロントパネル100の左右にはコーナーパネル102が隣接して設けられている。そして、コーナーパネル102の下方であって、且つラジエータグリル101の左右には、ターンランプ部103が隣接して配置されている。このターンランプ部103は、コーナーパネル102又はラジエータグリル101との取付け点があり、この取付け点を用いて位置決めされていた。
【0003】
図7の部分拡大図に示すように、フロントパネル100、ラジエータグリル101、コーナーパネル102及びターンランプ部103の角部は1箇所に集結している。より具体的にはフロントパネル100、ラジエータグリル101及びターンランプ部103の角部が集結してT字形状の分割ラインが形成されている。また、フロントパネル100、コーナーパネル102及びターンランプ部103の角部が集結してT字形状の分割ラインが形成されている。
この4つのトラック外装部品は角部を合わせると十字形状の分割ラインを形成することができるにも関わらず、上述したようにT字形状の分割ラインを形成する理由は、各部品100〜103の組付け誤差による位置決めが十字の場合に比べて目立たないからである。なお、組付け誤差には、トラック外装部品の面方向の誤差と、トラック外装部品の厚み方向の誤差とがある。
【0004】
【特許文献1】特開平10−297531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来のトラック外装部品の組付構造では、T字形状の分割ラインが2箇所に形成されているため、正確に十字形状の分割ラインが形成される場合に比べて、外観上見劣りするという問題がある。この問題を解消するためには、正確に十字形状の分割ラインを形成するとよいが、このためには部品の組付け精度を高くする必要がある。そして、部品の組付け精度を高くするには、トラック外装部品単体での寸法公差を小さくする必要があり、寸法管理やプレス機の保守管理が厳しくなり製造コストが上昇する。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、トラック外装部品の寸法管理を厳しくすることなく、トラック外装部品の分割ラインの外観を向上させることができるトラック外装部品の組付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる課題を解決する手段としてなされたものである。
本発明は、フロントパネルと、フロントパネルの下方に隣接して設けられるラジエータグリルと、フロントパネルの左右に隣接して設けられるコーナーパネルと、コーナーパネルの下方であって且つラジエータグリルの左右に隣接して設けられるターンランプ部と、を含んでトラックの前面を構成するトラック外装部品の組付構造であって、フロントパネル、ラジエータグリル、コーナーパネル及びターンランプ部の各隅部により十字形状の分割ラインが形成され、ラジエータグリル、コーナーパネル及びターンランプ部の前記十字形状を形成する各隅部に、前記フロントパネルとの取付け点が存在することを特徴とする。
本発明によれば、フロントパネル、ラジエータグリル、コーナーパネル及びターンランプ部の各隅部により十字形状の分割ラインが形成されているので、T字形状の分割ラインを2箇所形成する場合と比べて外観を向上させることができる。また、ラジエータグリル、コーナーパネル及びターンランプ部は、それぞれ隅部にフロントパネルとの取付け点が存在し、取付け点がフロントパネルに集約されるので、トラック外装部品の相対公差の精度が向上し、所定の十字形状の分割ラインを形成することができる。そのため、トラック外装部品単体での寸法精度を高める必要がない。従って、トラック外装部品の寸法管理を厳しくすることなく、トラック外装部品の分割ラインの外観を向上させることができる。本発明で十字形状とは、1方から進んできた場合に1つの地点で3方向に分岐した形状をいう。
【0008】
また、本発明において、好ましくは、フロントパネルの下端側はラジエータグリルによって覆われ、この覆われた部分のフロントパネルには、ラジエータグリルの位置決めを行う取付け点が設けられ、該取付け点にクリップを用いてラジエータグリルが取り付けられるとよい。
これによると、フロントパネルには、ラジエータグリルの位置決めを行う取付け点が設けられ、該取付け点にクリップを用いてラジエータグリルが取り付けられるので、フロントパネルに対するラジエータグリルの相対的位置決めを正確に行うことができる。また、クリップを用いるので、ボルト・ナットによる締結を行う場合に比べて、部品コストや組付けコストを低廉にすることができる。また、ボルトを用いると、ラジエータグリルを取り外した時にボルトの頭部が露出するので、外観がクリップに比べて劣る。
【0009】
また、本発明において、好ましくは、フロントパネルの下端側は車体後方へ向けて折り曲げられて傾斜面を有し、ラジエータグリルの上端側は車体後方へ向けて折り曲げられており、前記ラジエータグリルの車体後方への折り曲げの上端部を前記フロントパネルの傾斜面に近接して、該傾斜面と前記上端部とでV字状の凹みが形成され、該凹みに分割ラインが形成されているとよい。
かかる構成によると、ラジエータグリルの車体後方への折り曲げの上端部をフロントパネルの傾斜面に近接して、該傾斜面と折り曲げの先端部とでV字状の凹みを形成して、V字状の凹みに分割ラインを形成されているので、すなわち、傾斜面に対して近接するように他方の先端部が位置されて分割ラインが形成されるため、お互いの位置関係がずれても、傾斜面の存在によって視覚的に分割ラインのずれが目立ち難く、また、プレス加工後の形状を工夫するだけで容易に分割ラインを形成することができる。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、フロントパネルの左右側はコーナーパネルによって覆われ、コーナーパネルの裏面側には、フロントパネルと当接して又はフロントパネルに近接してコーナーパネルの位置決めを行う位置決め突起部が形成され、該位置決め突起部はクリップを用いてフロントパネルに取り付けられているとよい。
かかる構成によると、コーナーパネルには、コーナーパネルの位置決めを行う位置決め突起部が形成されているので、フロントパネルに対するコーナーパネルの相対的位置決めを正確に行うことができる。また、クリップを用いるので、部品コストや組付けコストを低廉にすることができる。また、ボルトを用いると、コーナーパネルを取り外した時にボルトの頭部が露出するので、外観がクリップに比べて劣る。
【0011】
また、本発明において、好ましくは、フロントパネルの左右側は車体後方へ向けて折り曲げられて傾斜面を有し、コーナーパネルのフロントパネル側は車体後方へ向けて折り曲げられており、前記コーナーパネルの車体後方への折り曲げの先端部を前記フロントパネルの傾斜面に近接して、該傾斜面と折り曲げの先端部とでV字状の凹みが形成され、該凹みに分割ラインが形成されているとよい。
かかる構成によると、コーナーパネルの車体後方への折り曲げの先端部をフロントパネルの傾斜面に近接して、該傾斜面と折り曲げの先端部とでV字状の凹みを形成して、V字状の凹みに分割ラインを形成されているので、すなわち、傾斜面に対して近接するようにコーナーパネルの先端部が位置されて分割ラインが形成されるため、お互いの位置関係がずれても、傾斜面の存在によって視覚的に分割ラインのずれが目立ち難く、また、プレス加工後の形状を工夫するだけで容易に分割ラインを形成することができる。
【0012】
また、本発明において、好ましくは、フロントパネルの下端左右側はターンランプ部によって覆われ、この覆われた部分のフロントパネルには、ターンランプ部の位置決めを行う位置決め部材が設けられ、ターンランプ部の裏面側に断面略コ字状の位置調整部材が設けられ、該位置調整部材と前記位置決め部材とが当接してターンランプ部の位置決めが行われるとよい。
かかる構成によると、フロントパネルにはターンランプ部の位置決めを行う位置決め部材が設けられているので、フロントパネルに対するターンランプ部の相対的位置決めを正確に行うことができる。
【0013】
また、本発明において、好ましくは、コーナーパネルの下端側とターンランプ部の上端側は車体後方へ向けて折り曲げられてV字状の凹みが形成され、該凹みに分割ラインが形成されているとよい。
かかる構成によると、ラジエータグリルとターンランプ部との隣接部の分割ラインは凹んだ部分に形成されるので、ラジエータグリル及びターンランプ部の位置決めが正確に行われなくても目立ち難い。
【発明の効果】
【0014】
本発明のトラック外装部品の組付構造では、トラック外装部品の寸法管理を厳しくすることなく、トラック外装部品の分割ラインの外観を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは特に記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0016】
図1は、本発明のトラック外装部品の組付構造の一実施形態を示す説明図である。図に示すトラックでは、フロントパネル1と、フロントパネル1の下方に隣接して設けられるラジエータグリル2と、フロントパネル1の左右に隣接して設けられるコーナーパネル3と、コーナーパネル3の下方であって且つラジエータグリル2の左右に隣接して設けられるターンランプ部4と、を含んでトラックの前面が構成されている。
そして、フロントパネル1、ラジエータグリル2、コーナーパネル3及びターンランプ部4の各隅部により十字形状の分割ラインが形成されている。本実施形態で十字形状とは、1方から進んできた場合に1つの地点で3方向に分岐した形状をいう。
【0017】
本実施形態の特徴点は、図2に示すように、ラジエータグリル2、コーナーパネル3及びターンランプ部4のそれぞれの隅部にフロントパネル1との取付け点P1,P2,P3が存在することである。図に示すように、ラジエータグリル2及びコーナーパネル3では、角部に近接して取付け点P1,P2が設けられており、ターンランプ部4では側縁部のコーナーRの中心付近に取付け点P3が設けられている。
【0018】
先ず、取付け点P1について説明する。
図3(a)はラジエータグリル2とフロントパネル1との取付け点付近を示す断面図であり、図3(b)は、(a)のA−A線断面図を示す。この図3(a)に示すように、フロントパネル1の下端側はラジエータグリル2によって覆われ、この覆われた部分のフロントパネル1には、ラジエータグリル2の車体前後方向の位置決めを行う取付け点P1が設けられている。このフロントパネル1の取付け点P1には、クリップ穴が形成され、該クリップ穴に係合するクリップ6が位置決め部材5によってラジエータグリル2の裏面側に取り付けられている。
図3(b)に示すように、位置決め部材5は箱型にラジエータグリル2の裏面に形成されて長辺部にクリップ6が取り付けられている。この位置決め部材5がクリップ6を介して取り付けられていることにより、フロントパネル1に対するラジエータグリル2の相対的位置決めを正確に行うことが可能である。
【0019】
クリップ6は、コーン状の部材の後端側に3つの鍔部が形成された形状をしており、この鍔部間にフロントパネル1及びラジエータグリル2の位置決め部材5のクリップ穴周辺部が嵌合している。この嵌合により、フロントパネル1の内側へ雨水などが浸水することが防止される。すなわち、クリップ6は防水機能を発揮する。クリップ6を用いると、ボルト・ナットを用いる場合と比べて、簡易且つ迅速にフロントパネル1に取り付けることができ、また、部品コストや組付けコストを低廉にすることができる。さらに、ラジエータグリル2を取り外した時の見栄えがボルトを用いた場合と比べて優れている。ボルトの頭部が露出すると外観が低下するからである。
【0020】
フロントパネル1の下端側は車体後方へ向けて折り曲げられて傾斜面1aが形成されている。この傾斜面1aより下端側は、傾斜面1aより上端側と同様に、略鉛直方向に沿った平面にされている。この平面に前述したクリップ6が係合するクリップ穴が設けられている。
また、ラジエータグリル2の上端側は車体後方へ向けて折り曲げられており、ラジエータグリル2の上端部U1がフロントパネル1の傾斜面1aに近接して、傾斜面1aと折り曲げの上端部U1とでV字状の凹みを形成して、V字状の凹みに分割ラインを形成されているので、すなわち、傾斜面1aに対して近接してラジエータグリル2の上端部U1が位置されるようにして分割ラインが形成されるため、ラジエータグリル2とフロントパネル1とのお互いの位置関係がずれても、傾斜面1aの存在によって視覚的に分割ラインのずれが目立ち難く、また、プレス加工後の形状を工夫するだけで容易に分割ラインを形成することができる。
【0021】
次に、取付け点P2について説明する。
図4に示すように、フロントパネル1の左右側はコーナーパネル3によって覆われており、コーナーパネル3の裏面側には、フロントパネル1に近接してコーナーパネル3の位置決めを行う位置決め突起部3aが形成されている。この位置決め突起部3aに、クリップ7が取り付けられ、このクリップ7によりフロントパネル1とコーナーパネル3とが連結されている。クリップ7の形態及び作用効果は、クリップ6の形態と同様である。図4に示すように位置決め突起部3aを形成すると、フロントパネル1に対するコーナーパネル3の相対的位置決めを正確に行うことができる。
【0022】
また、図4に示すように、フロントパネル1の左右側は車体後方へ向けて折り曲げられて傾斜面1bが形成され、コーナーパネル3のフロントパネル側は車体後方へ向けて折り曲げられており、コーナーパネル3の先端部U2がフロントパネル1の傾斜面1bに近接して、傾斜面1bと折り曲げの先端部U2とでV字状の凹みを形成して、V字状の凹みに分割ラインを形成されているので、すなわち、傾斜面1bに対して近接してコーナーパネル3の先端部U2が位置されるようにして分割ラインが形成されるため、コーナーパネル3とフロントパネル1とのお互いの位置関係がずれても、傾斜面1bの存在によって視覚的に分割ラインのずれが目立ち難く、また、プレス加工後の形状を工夫するだけで容易に分割ラインを形成することができる。
【0023】
次に、取付け点P3について説明する。
図5(a)はターンランプ部4とフロントパネル1との取付け点付近を示す断面図であり、図5(b)は、(a)のB−B線断面図を示す。この図5(a)に示すように、フロントパネル1の下端側はターンランプ部4によって覆われ、この覆われた部分のフロントパネル1には、ターンランプ部4の位置決めを行う位置決め部材8が設けられている。この位置決め部材8を用いて、フロントパネル1に対するターンランプ部4の相対的位置決めが正確に行われている。位置決め部材8の縁部には、クリップ穴が複数形成され、このクリップ穴に対応させてフロントパネル1にもクリップ穴が形成され、これらクリップ穴にクリップ9を嵌合させることでフロントパネル1と位置決め部材8との連結が行われている。また、クリップ9を用いずに、位置決め部材8をフロントパネル1に直接スポット溶接によって取り付けてもよい。
【0024】
クリップ9は、フロントパネル1に形成されたクリップ穴に嵌合されるフランジカップ部材91と、このフランジカップ部材91のカップ内に挿入され、位置決め部材8を押圧しフランジカップ部材91との間に位置決め部材8を挟み込む鋲92とからなる。鋲92は丸頭部と軸部からなり、軸部の先端は先細り形状にされている。このようなクリップ9を用いると、防水機能を発揮することができ、また、簡易且つ迅速に位置決め部材8をフロントパネル1に取り付けることができる。さらに、部品コストや組付けコストを低廉にすることができる。さらに、ターンランプ部4を取り外した時の見栄えがよい。
【0025】
また、本実施形態では、図5(b)に示すように、ターンランプ部4の裏面側10に断面略コ字状の位置調整部材11が設けられ、該位置調整部材11と位置決め部材8との平面部同士が当接して、ターンランプ部4の車体前後方向の位置決めが行われている。また、位置調整部材11と位置決め部材8とを係止させることで、ターンランプ部4の面方向の位置決めを正確に行うことが可能である。
また、コーナーパネル3の下端側とターンランプ部4の上端側は車体後方へ向けて折り曲げられてV字状の凹みが形成され、該凹みに分割ラインが形成されているので、コーナーパネル3とターンランプ部4とのお互いの位置関係がずれても、V字形状の傾斜面の存在によって視覚的に分割ラインのずれが目立ち難い。
【0026】
図6は、ラジエータグリル2とターンランプ部4との隣接部を示している。図6に示すように、ラジエータグリル2及びターンランプ部4の側端部は車体後方へ向けて折り曲げられており、この側端部間に分割ラインが形成される。図6に示すように、この分割ラインは凹んだ部分に形成されているので、仮にラジエータグリル2又はターンランプ部4に位置ずれが発生しても目立ち難い。
【0027】
次に、トラック外装部品の組付方法について説明する。
本実施形態では、先ず、トラック前面にフロントパネル1を取り付ける。次いで、図3に示すように、取付け点P1を介してラジエータグリル2をフロントパネル1に取り付ける。次いで、図4に示すように、取付け点P2を介してコーナーパネル3をフロントパネル1に取り付ける。なお、コーナーパネル3をフロントパネル1に取り付けてからラジエータグリル2をフロントパネル1に取り付けてもよい。最後に、図5に示すように、取付け点P3を介してターンランプ部4をフロントパネル1に取り付ける。この取付けの後、ターンランプ部4とコーナーパネル3との隣接部、及び図6に示すターンランプ部4とラジエータグリル2との隣接部に形成される分割ラインを見て、精度よくターンランプ部4がフロントパネル1に取り付けられていることを確認する。
【0028】
上述した実施形態では、フロントパネル1、ラジエータグリル2、コーナーパネル3及びターンランプ部4の各隅部により十字形状の分割ラインが形成されているので、T字形状の分割ラインを2箇所形成する場合と比べて外観を向上させることができる。また、ラジエータグリル2、コーナーパネル3及びターンランプ部4は、それぞれ隅部にフロントパネル1との取付け点P1〜P3が存在し、取付け点P1〜P3がフロントパネル1に集約されるので、トラック外装部品の相対公差の精度が向上し、所定の十字形状の分割ラインを形成することができる。そのため、トラック外装部品単体での寸法精度を高める必要がない。従って、トラック外装部品の寸法管理を厳しくすることなく、トラック外装部品の分割ラインの外観を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明のトラック外装部品の組付構造では、トラック外装部品(フロントパネル、ラジエータグリル、コーナーパネル及びターンランプ部)の寸法管理を厳しくすることなく、トラック外装部品の分割ラインの外観を向上させることができる。本発明は、本発明のトラック外装部品の組付構造を採用するトラックに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明のトラック外装部品の組付構造の一実施形態を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の特徴であるラジエータグリル、コーナーパネル及びターンランプ部と、フロントパネルとの取付け点を示す説明図である。
【図3】図3(a)は、ラジエータグリルとフロントパネルとの取付け点付近を示す断面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
【図4】図4は、コーナーパネルとフロントパネルとの取付け点付近を示す断面図である。
【図5】図5(a)は、ターンランプ部とフロントパネルとの取付け点付近を示す断面図であり、図5(b)は、(a)のB−B線断面図である。
【図6】図6は、ラジエータグリルとターンランプ部との隣接部を示す説明図である。
【図7】図7は、従来のトラック外装部品の組付構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0031】
1 フロントパネル
1a,1b 傾斜面
2 ラジエータグリル
3 コーナーパネル
3a 位置決め突起部
4 ターンランプ部
5 位置決め部材
6,7 クリップ
8 位置決め部材
9 クリップ
91 フランジカップ部材
92 鋲
10 ターンランプ部の裏面側
11 位置調整部材
100 フロントパネル
101 ラジエータグリル
102 コーナーパネル
103 ターンランプ部
P1,P2,P3 取付け点
U1 上端部
U2 先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントパネルと、フロントパネルの下方に隣接して設けられるラジエータグリルと、フロントパネルの左右に隣接して設けられるコーナーパネルと、コーナーパネルの下方であって且つラジエータグリルの左右に隣接して設けられるターンランプ部と、を含んでトラックの前面を構成するトラック外装部品の組付構造であって、
フロントパネル、ラジエータグリル、コーナーパネル及びターンランプ部の各隅部により十字形状の分割ラインが形成され、
ラジエータグリル、コーナーパネル及びターンランプ部の前記十字形状を形成する各隅部に、前記フロントパネルとの取付け点が存在することを特徴とするトラック外装部品の組付構造。
【請求項2】
フロントパネルの下端側はラジエータグリルによって覆われ、この覆われた部分のフロントパネルには、ラジエータグリルの位置決めを行う取付け点が設けられ、該取付け点にクリップを用いてラジエータグリルが取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のトラック外装部品の組付構造。
【請求項3】
フロントパネルの下端側は車体後方へ向けて折り曲げられて傾斜面を有し、
ラジエータグリルの上端側は車体後方へ向けて折り曲げられており、
前記ラジエータグリルの車体後方への折り曲げの上端部を前記フロントパネルの傾斜面に近接して、該傾斜面と前記上端部とでV字状の凹みが形成され、該凹みに分割ラインが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトラック外装部品の組付構造。
【請求項4】
フロントパネルの左右側はコーナーパネルによって覆われ、
コーナーパネルの裏面側には、フロントパネルと当接して又はフロントパネルに近接してコーナーパネルの位置決めを行う位置決め突起部が形成され、該位置決め突起部はクリップを用いてフロントパネルに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のトラック外装部品の組付構造。
【請求項5】
フロントパネルの左右側は車体後方へ向けて折り曲げられて傾斜面を有し、
コーナーパネルのフロントパネル側は車体後方へ向けて折り曲げられており、
前記コーナーパネルの車体後方への折り曲げの上端部を前記フロントパネルの傾斜面に近接して、該傾斜面と折り曲げの先端部とでV字状の凹みが形成され、該凹みに分割ラインが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトラック外装部品の組付構造。
【請求項6】
フロントパネルの下端左右側はターンランプ部によって覆われ、
この覆われた部分のフロントパネルには、ターンランプ部の位置決めを行う位置決め部材が設けられ、ターンランプ部の裏面側に断面略コ字状の位置調整部材が設けられ、該位置調整部材と前記位置決め部材とが当接してターンランプ部の位置決めが行われることを特徴とする請求項1に記載のトラック外装部品の組付構造。
【請求項7】
コーナーパネルの下端側とターンランプ部の上端側は車体後方へ向けて折り曲げられてV字状の凹みが形成され、該凹みに分割ラインが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトラック外装部品の組付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−149621(P2010−149621A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328472(P2008−328472)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】