説明

トラフィックプロファイルに基づく適合型電力節約のためのシステムおよび方法

【課題】無線通信において電力を節約するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】無線装置に入出力されるパケット通信情報が決定される。トラフィックプロファイルは、決定されたパケット通信情報に応じて、軽いトラフィックプロファイル、定期トラフィックプロファイル、および重いトラフィックプロファイルから選択される。パケットは、選択されたトラフィックプロファイルに応じて決定されたパワーモードを使用して、無線アクセスポイントと通信する。パワーモードは、無線アクセスポイントと独立して、無線装置によって使用される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2008年11月26日に出願され、「トラフィックプロファイルに基づく適合型電力節約のためのシステムおよび方法」と題され、ここに引用により援用される、米国仮出願第61/118,137号の優先権を主張する。
【0002】
背景
近年、通信サービスおよび製品の使用は急激に増加している。この増加は改良されたハードウェア、ソフトウェア、規格およびプロトコルによってもたらされている。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の利用も同様に増えている。多くの事業所、家庭、会社や他の場所でも今はWLANを利用して、従業員や居住者に向上した通信を発展させている。たとえば、WiFiネットワークは普及しているWLANの一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/002137号
【特許文献2】特開2006−279952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
WLANは非常に有用であるが、WLANを介してアクセスおよび通信する無線装置は、他の無線通信と比べてより早く電力を消費してしまうことがある。無線装置の中には電力を節約するために、通常モードおよびスリープモードを用いて無線アクセスポイントで通信するものがある。通常モードでは、無線装置の電力消費が高く、電池を早く消耗させる。スリープモードでは、無線装置が停止している間は、データスループットの大きな遅延を引起し得る。その結果、高いスループットを維持しながら電力節約を最大限にするのは非常に困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
一実施例は、無線通信用の電力を節約するためのシステムおよび方法を含む。無線装置に入出力されるパケット通信情報を決定することができる。トラフィックプロファイルは、決定されたパケット通信情報に応じて、軽いトラフィックプロファイル、定期的トラフィックプロファイル、および重いトラフィックプロファイルから選択することができる。パケットは、選択されたトラフィックプロファイルに応じて決定された電力モードを用いて、無線アクセスポイントと通信できる。電力モードは、無線アクセスポイントよらず、無線装置によって選択できる。
【0006】
別の実施例として、電力を節約するためのエンドユーザ無線装置を含む。エンドユーザ無線装置は、エンドユーザ無線装置のパケット通信情報を決定するために動作可能である無線インターフェイスを含んでもよい。エンドユーザ無線装置は、決定されたパケット通信情報に応じて、軽いトラフィックプロファイル、定期的トラフィックプロファイル、および重いトラフィックプロファイルからトラフィックプロファイルを選択することが可能である、無線インターフェイスと通信する電力節約ロジックをさらに含んでもよい。無線インターフェイスは、トラフィックプロファイルに関連する電力モードを使用して、エンドユーザ無線装置と無線アクセスポイントとの間でパケットを通信することができる。
【0007】
さらに他の実施例は、電力を節約するための無線装置を含む。無線装置は、一連の命令を実行するよう動作可能であるプロセッサを含んでもよい。無線装置はさらに、プロセッサと通信するメモリを含んでもよい。メモリは、一連の命令を記憶することができる。一連の命令は実行されて、パケットを通信するためのパケット通信情報を決定し、決定されたパケット通信情報に応じて無線装置のトラフィックプロファイルを選択し、パケット通信情報内の時間間隔の間に通信されるパケットの平均期間が高しきい値以上であると判断したことに応じて、通信パケット間に既定の起動周期を使用し、時間間隔の間に通信されるパケットの平均期間が低しきい値よりも大きくかつ高しきい値よりも低いと判断したことに応じて、通信パケット間でより短い起動周期を使用し、時間間隔の間に通信されるパケットの平均期間が低しきい値以下であると判断したことに応じてフル電力モードを使用する。
【0008】
本発明の例示的実施例を、添付される図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例における通信システムのイメージ図である。
【図2】本発明の実施例における無線装置のブロック図である。
【図3】先行技術における電力節約モードを用いるデータストリームを示す図である。
【図4】先行技術における電力節約モードを用いる重いデータストリームを示す図である。
【図5】本発明の実施例における定期電力節約モードを用いる音声ストリームを示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるフル電力モードを用いる重いデータストリームを示す図である。
【図7】本発明の実施例における電力節約モードを用いる軽いデータストリームを示す図である。
【図8】本発明の実施例における電力を節約するためのトラフィックプロファイルを使用するための処理のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面の詳細な説明
本発明の実施例では、電力を節約しかつデータスループットを最大限にするためのトラフィックプロファイルを用いるためのシステムおよび方法を提供する。WLANまたは無線装置は、使用の際さまざまなレベルのトラフィックで通信し得る。このトラフィックのレベルは、トラフィックが全くないまたは少ししかない場合から非常に大きなファイル転送まで変化する。音声トラフィックのようなデジタル音声電話技術はその中間辺りにあるが、待ち時間の増加およびスループットの減少は、呼出および音声の品質に著しく影響し得るので、特に重要である。一実施例において、WLAN装置によって定められる異なるレベルのトラフィックは、特定の通信アプリケーションとリンクされる1つ以上の状態、モード、またはプロファイルに関連する。たとえば、大型のファイル転送では効率よく通信するために高いスループットを必要とするのに対して、音声ストリーム通信は呼出の品質を確保するために低いジッタおよび低い待ち時間を必要とする。
【0011】
本発明の実施例では、トラフィックプロファイルを入力または選択するために、1つ以上の決定を行う。トラフィックプロファイルは、パケット通信情報、WLAN装置によって使用されるアプリケーション、または他の類似の情報を用いて選択できる。一実施例において、パケット通信情報は、パケットが無線装置に入出力される頻度である。しかし、パケット通信情報は、無線装置に入出力されるパケット通信間の平均期間、パケットサイズ、ある時間のウインドウ内に通信されるパケットの個数、起動周期または停止期間間隔の間に受取られたパケットの平均個数、または無線装置とやり取りされるパケットのタイミングや他の特徴について他の情報を含んでもよい。
【0012】
一実施例において、パケット通信情報はここに記載される平均パケット期間をんでもよい。トラフィックプロファイルは、全体のWLAN性能、特に電力消費を向上させ得る通信動作または電力状態もしくは電力モードと関連付けられる。本発明の実施例では、いくつかの電力モードを用いてデータを効率よく通信するために、WLAN装置がより高いスループットを維持できるようにする。本発明の実施例では、さらに無線アクセスポイントとの相互作用または協調なしに、WLAN装置が高い電力消費状態にある時間間隔を減少させることができる。本発明の実施例は、デジタルロジック、ステートマシン、アルゴリズム、ソフトウェア、回路およびそのいずれかの組合せを用いて実施できる。
【0013】
さまざまな実施例は、既存のシステム、装置および処理に対して、著しい利点を有する。一実施例において、無線装置は、特定の期間、インターバル、アプリケーション、パケットタイプ、ウインドウ、またはしきい値について、測定、計算、平均化、または他の態様で決定されたパケット通信情報に基づいて、3つのトラフィックプロファイルのうちの1つを選択することができる。たとえば、ある時間間隔で送信(および/または受信)されたパケットの個数は、「通信平均」と呼ぶことがある。ある期間に通信されたパケットの平均個数は、適用可能なトラフィックプロファイルを決定するために用いることができる。スリープモードおよびフル電力モードに加えて、無線装置は定期データモードを用いることができ、定期データモードにより無線装置で一般に用いられる起動周期は、たとえば100ミリ秒(ms)の既定の起動周期よりもはるかに短くすることができる。その結果、無線装置は、無線アクセスポイントが無線装置からのパケットを予定しているか否かと無関係に、「起動」して短い期間で送信することができ、さらにデータパケットが無線アクセスポイントでバッファリングされているか否かと無関係に、短い期間で受信できる。別の実施例において、無線装置は、パケットがサンプリングされると直ちに、またはスリープ状態に戻る前に無線装置または無線アクセスポイントで受取られると、無線アクセスポイントに対してデータパケットを送信または受信することができる。したがって、無線装置は定期データモードにおいてそれほど遅れることなく無線アクセスポイントと通信することができる。
【0014】
無線装置は、無線装置と無線アクセスポイントとの間で用いられる通信規格を変えることなく、または適用可能な無線アクセスポイントを再構成することなく、記載されているシステムおよび方法を実施することができる。さまざまな実施例は、軽いトラフィック、定期トラフィック、および重いトラフィックのプロファイルの決定に応じて、それぞれ既存の電力節約モード、音声通信用の特殊な電力節約モードまたは定期の電力節約モード、およびフル電力モードを使用するよう、さらに構成され得る。各電力モードは特定の起動周期を実現できる。
【0015】
図1は本発明の例示的実施例に従う通信システムのイメージ図である。通信システム100はいくつものハードウェア、ソフトウェア、装置、システム、機器、コンポーネント、および他の要素を含んでもよい。一実施例では、通信システム100は、無線装置102、104、106および108、無線ルータ110、データ接続112、ならびに通信ネットワーク114を含む。
【0016】
無線装置102、104、106および108は、特定の電力節約モード、動作、またはステップを実現するために、いくつかのトラフィックプロファイルを使用することができるWLAN装置の実施例である。特に、無線装置102、104、106および108は、エンドユーザ無線装置である。エンドユーザ無線装置は、通信の最終受取り者である個人によって使用される無線装置である。エンドユーザ無線装置は、1つ以上の通信ネットワークと通信を行うために、移動可能なユーザが使用するものである。一実施例において、無線装置102、104、106および108は、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、無線電話、ラップトップコンピュータ、携帯端末、または他の無線演算および通信装置を含む。
【0017】
無線装置102、104、106および108は1つ以上の無線アクセスポイントと通信することができる。無線アクセスポイントは、通信ネットワーク114を介して無線装置102、104、106および108と送信および受信するためのインターフェイスである。無線ルータ110は無線アクセスポイントの一実施例である。無線アクセスポイントはさらに、WiMAXアンテナおよび通信システム、フェムトもしくはピコセル、WiFiルータ、または他の無線通信システムでもよい。無線ルータ110はいくつもの通信プロトコルおよび規格により、任意の数の個人の装置、事業所の装置、組織の装置、または他の無線装置と通信することができる。一実施例において、無線ルータ110はデータ接続112を介して通信ネットワーク114と通信することができる。本発明の実施例では、無線ルータ110が使用する通信規格、設定およびプロトコルを恒久的に、または一時的に再構成または変更することなく、1つ以上の無線装置102、104、106および108と通信することができる。
【0018】
データ接続112は、光ファイバケーブル、DSL、T1、サテライト、WiMAX、送電線、またはデータ、音声、もしくはパケット通信を送るのに適する他の通信線、リンク、もしくは接続などである。通信ネットワーク114は、無線ルータ110に通信を送信または無線ルータ110から受信するためのシステムおよび環境である。通信ネットワーク114は、インターネット、公衆および構内アクセスネットワーク、仮想ネットワーク、ならびに他のネットワーク、タイプ、および構成を含むいくつものネットワークと通信することができる。上記のように、無線装置102、104、106および108は、通信を強化して電力を節約するために、トラフィックプロファイルおよび対応する電力節約モードを選択するのに、1つ以上の決定を用いることができる。
【0019】
無線装置102、104、106および108は電力節約モードとしてスリープ状態またはモードを用いることができる。スリープモードは、電池の消費を減少させるために、無線装置102、104、106ならびに108および使用するアプリケーションにおいて有用である。一実施例において、スリープモード動作は、対応する停止期間間隔によって分けられている定期的モニタリングインターバル(起動インターバル)の間に通信チャネルを監視することによって特徴付けられる。一実施例において、通信チャネルはスリープモードを実現するために用いられるページングチャネルである。スリープモードにおいて、無線装置102、104、106および108は無線ルータ110にパケットを送って、各装置が停止期間間隔でスリープモードに入り、データ通信が一時的に停止されることを示す。
【0020】
一実施例において、停止期間間隔を示すビーコン信号または呼び出し信号を、特定の頻度または所定の期間で無線ルータ110から1つ以上の無線装置102、104、106および108に送って、停止期間間隔後に通信を開始させることができる。停止期間間隔は、停止期間間隔間または停止期間間隔の際に起こり得る通信と無関係に、一定のままである。無線装置102、104、106および108は同様にスリープ状態から起動して、ビーコン信号が受取られたか否か、および通信を行なうのかまたは直ちにスリープ状態に戻るかを決定することができる。受信するパケットはないとビーコン信号が示せば、無線装置102、104、106および108は直ちにスリープ状態に再度入ることができる。ビーコン信号が受取られたら、または無線装置102、104、106ならびに108および/または無線ルータ110にとって通信するべきパケットがある場合、無線装置は活性状態に入り、次のビーコン信号まで、スリープ状態に再度入る前に通信を行なう。
【0021】
トラフィックプロファイルの選択は、ある期間に送られたパケットの平均個数、無線装置102、104、106および108の利用形態の種類、パケットタイプ、またはパケットトラフィックおよびタイプに関する他の情報に基づき、行なうことができる。その結果、無線装置はスリープ状態からより効率よく遷移して選択されたプロファイルに基づき通信を行なうことができ、それによりバッテリの電力を節約しながらパケットスループットを向上させる。
【0022】
図2は本発明の実施例における無線装置のブロック図である。無線装置200は図1の1つ以上の無線装置102、104、106および108の特定の実施例である。別の実施例において、無線装置200はいくつかの他の特定用途むけ集積回路(ASIC)、装置、チップ、ルータ、スイッチ、インターフェイスまたはシステムへの無線通信を可能にする無線通信装置内のデータインターフェイスを表わすことができる。無線装置200は同様にいくつかの装置、カード、回路、バッファ、プログラム可能メモリまたはロジック、レギュレータ、ドライバ、クロック、タイマ、ボード、バス、ならびに他の通信および演算コンポーネントなどを含む。
【0023】
一実施例において、無線装置200は、プロセッサ202、電力節約ロジック204、無線インターフェイス206、メモリ208、軽いトラフィックプロファイル210、定期トラフィックプロファイル212、および重いトラフィックプロファイル214を含む。前記のように、無線装置200は無線ルータ216と通信し得る。
【0024】
別の実施例において、無線装置200のさまざまなエレメントは、ASICまたはチップセットの一部として実現できる。プロセッサ202は、一連の命令の実行を制御可能な回路またはロジックである。プロセッサ202は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、中央処理装置、または電子装置を制御するのに適する他の装置であり、ソフトウェア命令、プログラムおよびアプリケーションを実行し、信号および情報を変換および処理し、さらに他の関連するタスクを行なう1つ以上のハードウェアおよびソフトウェアエレメントを含む。プロセッサ202は単一のチップ、または他の演算もしくは通信エレメントと統合される。
【0025】
メモリ208は、後で引出されるまたはアクセスされるデータを格納するよう構成されているハードウェアエレメント、装置、または記録媒体である。メモリ208は静的メモリおよび動的メモリの両方を含むことができる。メモリ208はハードディスク、ランダムアクセスメモリ、キャッシュ、取外し可能媒体ドライブ、大容量記憶装置、またはデータ、命令および情報を記憶するのに適する構成を含むことができる。一実施例において、メモリ208およびプロセッサ202を統合することができる。メモリ208は揮発性または不揮発性の記憶技術および媒体のいずれかを用いることができる。
【0026】
無線装置200は、幾通りもの方法で、ここに記載されている特定の動作を行なって、機能、処理、ステップおよび方法を実施することができる。一実施例において、電力節約ロジック204は、メモリ208に記憶される適切なプロファイルの決定に基づき、選択された電力モードを実現するためのデジタルロジックである。別の実施例において、電力節約ロジック204は、軽いトラフィックプロファイル210、定期トラフィックプロファイル212、および重いトラフィックプロファイル214と関連する動作または停止期間間隔を記憶および実施することができる。たとえば、定期トラフィックプロファイル212の選択に応じて、電力節約ロジック204は、無線インターフェイスに含まれる送信機のような、無線装置200のコンポーネントおよびエレメントのすべてまたは一部にコマンドを送って、定期スリープモードからスリープモード(電力節約モード)に入ることができる。同様に、送信機は集中したパケットトラフィックに基づき、より高い頻度で定期スリープモードからフル電力モードに移ることができる。無線装置200のコマンドラインまたは信号構造は、無線装置200および対応するコンポーネントの、電力モード間での遷移を示すことができる。
【0027】
電力節約ロジック204は、無線装置200と無線ルータ216との間の平均パケット期間および送信に関連する適切なトラフィックプロファイルの決定に基づき、電力節約モードまたは動作を実現するのに適するデジタルロジック、ステートマシン、コントローラ、ファームウェア、一連の命令、または他のロジックであり得る。
【0028】
無線インターフェイス206は、無線ルータ216を含む他の無線装置と通信するための無線トランスミッタおよびレシーバインターフェイスである。無線インターフェイス206はいくつものアンテナ、メモリ、フィルタ、増幅器、バッファ、コントローラ、ドライバ、アプリケーション、および他の同様の通信エレメントを含んでもよい。メモリ208内に記憶されるトラフィックプロファイルは、無線装置200の通信性能、測定、または特性に基づき実施できる。
【0029】
トラフィックプロファイルは、無線装置200の状態、モード、または設定を表わすことができる。トラフィックプロファイルは、ここに記載される動作を実施するためのいくつかのしきい値、パラメータ、および条件を用いることができる。特に、適するトラフィックプロファイルの決定は、無線インターフェイス206によって送られる最新のパケットの期間に送られたパケットの平均個数に基づいて選択できる。ここに記載されるパケット通信は、無線インターフェイス206によって送信および受信された入出力パケットを含むことができる。一実施例において、平均期間とは、特定の時間間隔の間で受取られたパケットの個数、または通信ウインドウの数である。平均期間は、送られるパケットの合計数、または無線装置200でパケットが送受信される平均頻度を表わしている。トラフィックプロファイルの選択は、ある時間間隔で送られるパケットの平均個数に基づいて行なうことができる。
【0030】
一実施例において、平均期間=Σインターバル[i]/nであって、i=1,nであり、nは最適化、テスト、または実験に基づき定めることができる。一実施例において、nはたとえば30個のパケットのように、複数のパケットを示す。さらに、たとえば、50個の受信されたパケットというように、平均期間を定めるために他の特定の範囲または値を用いることができる。一例では、30個のパケットを受取る平均ウインドウは、長さで約20msであり得る。その結果、インターバル当たりの平均トラフィックに基づくトラフィックプロファイルの決定は、たとえば600ms時間間隔のように、合計時間で定めることができる。決定を行なうのに用いることができる音声ストリームおよびデータストリームは、図3から図6においてさらに記載される。パケットの個数または時間の期間は、無線装置200および無線ルータ216の通信特性に基づき選択できるしきい値である。別の実施例において、割当てられた時間間隔の間に送られたパケットの個数のみを用いて、ある時間のインターバルの間に通信されるパケットの平均個数を決定する。同様に、トラフィックプロファイルを選択するために、パケットを送信する平均期間またはパケットを受信する平均期間の短い方を、あるインターバルの間に送られるパケットの平均個数として用いることができる。
【0031】
一実施例において、図7で示されるように、パケットが疎である場合には、軽いトラフィックプロファイル210が選択される。軽いトラフィックプロファイル210において、既存の電力節約モードを用いることができる。既存の電力節約モードは、図7に示される無線装置状態704のように、無線装置200は主にスリープ状態である待機状態にあることを示すので、無線装置200は軽いトラフィックプロファイル210を用いることによって電力消費を減少させることができる。特に、無線装置用のIEEE電力節約モードを用いて、既定設定(すなわち100ms)に基づき、各停止期間間隔において無線装置200または無線インターフェイス206を起動させる。一実施例において、送信または受信された最新のn個のパケットの平均期間が、たとえば60msといった第1のまたは高しきい値より大きい場合に、軽いトラフィックプロファイル210が実施される。
【0032】
一実施例において、定期トラフィックプロファイル212は、図5でさらに示されるように、無線装置200または無線インターフェイス206を介して送られる定期パケットがあることを示す。定期トラフィックプロファイルにおいて、定期電力節約モードが用いられ、無線装置の時間期間は、無線アクセスポイントからのパケットの送信期間に応じて設定される。定期パケット通信の一例は、インターネットを介する音声プロトコル(VoIp)通信である。一実施例において、定期トラフィックプロファイル212は最新のn個のパケットの平均期間が、第1のしきい値(すなわち60ms)以下であり、かつたとえば10msである第2のまたは低しきい値より高いことを示す。たとえば、典型的なVoIp通信パケットは20ms毎にサンプリングまたは受信される。
【0033】
特に、VoIp通信では呼出品質を確保にするために、ジッタおよび待ち時間を低くする必要があるかもしれない。IEEE電力節約モードは、低いジッタおよび待ち時間要件を満たすには不十分であることが注目される。待ち時間は一時的遅延の尺度である。たとえば、待ち時間は音声通信の送信側または通信側からの音声通信パケットの送信および受信における遅延を指す。ジッタは、ネットワークの混雑、タイミングドリフト、またはルート変更によって引起される、到着パケット間の時間変動である。たとえば、停止期間間隔間で無線装置または無線ルータ216によって待機させられるまたはバッファリングされる通信パケットは過密となり、スループットを減少させて待ち時間を増加させ得る。無線装置200または無線ルータ216から送られるパケットの遅延は、同様に第2の通信相手によって用いられる無線装置200および電話装置のジッタを増加させ得る。
【0034】
一実施例において、重いトラフィックプロファイル214は、大容量のパケットが、図6によってさらに示されるように短いインターバルで送られる、大型ファイル転送に用いることができる。重いトラフィックプロファイル214では、フル電力モードを用いることができる。大型のファイル転送は典型的に高いスループットを必要とする。その結果、通信を100ms毎に中断し得る標準の電力節約モードは、不必要なオーバヘッドおよび遅延を加える、または大型ファイルの通信および確認を遅らせ得る。既存の電力節約モードによる割り込みによって中断される大型データ転送の一例を図4に示す。逆に、本発明によれば、無線装置200はフル電力モードの際にパワーオン状態を維持することができるので、通信の中断は起こらない。一実施例において、重いトラフィックプロファイル214は、最新のnパケットのインターバルの間に送られるパケットの平均個数が、たとえば10msである第2のまたは低しきい値以下であることを示し得る。
【0035】
別の実施例において、トラフィックプロファイルは他の決定に基づいて選択することができる。たとえば、電力節約ロジック204は、VoIpアプリケーション、ロジックまたは回路の活性化または利用に基づき、定期トラフィックプロファイル212を選択することができる。重いトラフィックプロファイル214および軽いトラフィックプロファイル210は同様に、無線装置200の異なるアプリケーションおよび機能に関連付けられ得る。別の例では、動作システムフラグまたはドライバは、電力節約ロジック204を促して、フラグまたはドライバによって示されるトラフィックのタイプまたは量に対応するトラフィックプロファイルを選択させる。同様に、出力されるパケットヘッダから情報を引出して、適切なトラフィックプロファイルを決定することができる。たとえば、無線インターフェイス206による音声トラフィックの通信は、定期トラフィックプロファイル212を選択することができることを電力節約ロジック204に示し、eメール、映像、または画像通信は、重いトラフィックプロファイルを選択することを電力節約ロジック204に示す。同様に、無線装置200と無線ルータ216との間にリンクまたはハートビートを確立するために用いられると特定されるパケットは、軽いトラフィックプロファイル210を選択することを示し得る。リンクまたはハートビート接続は、接続が存在し、双方の装置は必要に応じてパケットを送信および受信するよう機能することを知らせるために用いることができる。
【0036】
図3は先行技術に従う電力節約モードを用いるデータストリームを示す。図3のデータストリームは、データストリーム302、無線装置状態304、および通信ストリーム306を含んでもよい。データストリームは、データストリーム302の音声通信のために、既定電力節約モードおよび対応する停止期間間隔を用いて実現できる音声通信である。データストリームはさらに、大型の固定停止期間間隔またはウインドウが、たとえば既定のIEEEスリープモードまたは電力節約モードのような既定のスリープ基準を用いると、VoIPではうまくいかないことを示す。
【0037】
データストリーム302は、1ヶ所以上の受信相手に送信するために、無線装置によってサンプリングまたは処理された音声パケット、および無線アクセスポイントによって無線装置に送られたパケットを表わし得る。たとえば、データストリーム302は約20msで間隔が空けられている定期データパケットを表わし得る。
【0038】
一実施例において、音声ストリームのパケットは、停止期間間隔が終わるまで、または待機もしくはバッファリングされたデータストリーム302パケットを送ることができると示す、無線装置による内部からまたは外部からビーコン信号が受取られるまで、通信することはできない。一例において、停止期間間隔は100ms続き、その時点で無線装置状態304はスリープモードから遷移して、待機またはバッファリングされたパケットを通信する。たとえば、無線装置状態304が遷移すると、音声ストリームのパケット2−6は通信ストリーム306にて送信または受信される。
【0039】
装置は、次のウインドウの始まりで、データストリーム302のパケット7−11を通信ストリーム306にて送信および受信する前に、100msの残りの部分では電力節約モードに入る。パケットは通信ストリーム306で送られる前に著しく遅延して、待ち時間を増加させ、潜在的に双方の通信側にジッタを引起してしまうので、既存の電力節約モードは音声通信には適さないことになる。
【0040】
図4は先行技術に従う電力節約モードを用いる重いデータストリームを示す図である。図4のデータストリームは、データストリーム402、無線装置状態404、通信ストリーム406、失われたパケット408、パワーオン状態410および412、パワーオフ状態414、ポーズ416、および速いパケット418を含む。データストリームは、標準のまたは既定の電力節約モードが活性化された場合に、大型ファイル転送がどのように実現されるかを示す。たとえば、現行の例では、標準の電力設定を用いて100msの停止期間間隔(またはウインドウ)を使用することができる。無線装置状態404は、パワーオン状態410からパワーオフ状態414に遷移して、パワーオン状態412に戻る。
【0041】
通信ストリーム406は、通信のために蓄積またはバッファリングされているデータストリーム402内のパケットと無関係に、無線装置状態404がパワーオン状態410もしくは活性状態から、パワーオフ状態414もしくはスリープ状態に遷移する場合に中断される。一実施例において、失われたパケット408は、無線アクセスポイントから無線装置に送られる前に、移転、削除、または失われる。たとえば、バッファの容量を超えてしまって、パケットが上書き、破棄、または削除されるかもしれない。その結果、失われたパケット408は再送信されなければならず、ファイルまたはデータが損なわれたり、他の問題がいくつか起こり得る。パケットが失われることは、音声通信の際に特に問題であり、呼出の劣化をもたらす。その結果、示される電力節約モードは、定期データトラフィックによって特徴付けられる音声通信には不適切である。
【0042】
無線装置状態404からパワーオフ状態414に遷移する際、データストリーム402はもう通信ストリーム406内では送られない。無線装置状態404が一時的に遷移してスリープモードに伴うパワーオフ状態414に入れば、無線装置がパワーオン状態412に戻るまで、通信相手にパケットを送る時間が遅くなるかもしれない。たとえば、データストリーム402で送られる画像は、無線装置状態404によって示される、フル電力モードからスリープモードへの遷移によって通信ストリーム406内で起こる中断により、さらに遅延される。
【0043】
図5、図6および図7は、本発明の実施例における、トラフィックプロファイルに関連する電力モードおよび通信を示す。図7は、軽いトラフィックプロファイルで用いることができる既存の電力節約モードを示す。パケットの通信の合間に完全な停止期間間隔が経過することがある。図6は、重いトラフィックプロファイルに用いることができるフル電力モードにある無線装置を示す。重いトラフィックプロファイルは、停止期間間隔を用いるとさらなる遅延、パケットの損失、および他の通信問題を引起す。重いトラフィックプロファイルにおいて、パワーオン状態が維持され、パケットは無線装置と無線アクセスポイントとの間で普通に送られる。
【0044】
図5は定期トラフィックプロファイルに用いることができるインターバルパワーセーブモードを示す。一実施例において、無線装置は無線アクセスポイントに対して送信または通信するためにスリープ状態から出るのに、短縮した期間を用いることができる。その結果、停止期間間隔いっぱいに停止するのではなく、無線装置はより高い頻度で「起動」してパケットを通信および/または送信する。一実施例において、停止期間間隔は、無線アクセスポイントが用いる典型的なビーコンまたは停止期間間隔の一部またはその倍数であり得る。たとえば、停止期間間隔を20msとして、無線アクセスポイントおよび無線装置によって典型的に用いられる100ms停止期間間隔の間に、無線装置をスリープ状態から出して、次のスリープ状態に戻る前に、5回までパケットを送信することができる。別の実施例において、無線装置は待ち時間およびジッタを減らすために、パケットが無線装置によって受取られるまたはサンプリングされると直ちにパケットを送信することができる。サンプリングされたパケットが無線装置および/または無線アクセスポイントによって送られる前に、準備および処理のために少しの遅延が発生するかもしれない。
【0045】
図5は本発明の実施例におけるインターバル電力節約モードを用いる音声ストリームを示す図である。図5のデータストリームは、音声ストリーム502、無線装置状態504、および通信ストリーム506を含む。一実施例において、音声ストリーム502は、無線装置によってサンプリングされた音声信号である。別の実施例において、音声ストリーム502は、たとえばBluetooth(登録商標)ヘッドセットのような接続された装置から
の音声パケットを表わすこともある。前記のように、音声ストリーム502は、約20ms毎に間隔が空けられている音声パケットを有する。
【0046】
実施例としては、定期トラフィックプロファイルの際に電力節約をより効率よく実現するために用いることができる。無線装置が定期トラフィックプロファイルを選択したことに応じて、起動周期は、既定レベルから短くされたウェーク期間に調整することができる。一実施例において、無線装置は、音声ストリーム502から保留またはバッファリングされたパケットを送るために、スリープ状態から遷移するのに20msという短い起動周期を用いる。その結果、無線装置は無線アクセスポイントが使用することができる1回の停止期間間隔の間に、複数回スリープ状態に入ったり出たりすることになる。
【0047】
その結果、音声ストリーム502内のパケットの通信は、著しい遅延またはパケットの混雑なしで行なわれる。より高い頻度で電力節減モードから遷移する有効性を考えて理解するために、図3および図5の通信ストリームを比較することができる。例示的実施例において、無線装置は起動周期を100msのような既定設定ではなく、独立してたとえば20msといった新しい起動周期に調整する。
【0048】
無線装置は無線装置状態504をより高い頻度でフルパワー(通信モードとも呼ぶ)に変更して、著しく遅延することなく音声ストリームのパケットが通信ストリーム506で通信されることを確実にし、それにより待ち時間を減少させ、ジッタの可能性を減らす。さらに無線装置はバッテリの電源を節約するために、より早くスリープ状態に戻る。20msの起動周期の間電力節約モードに留まることにより、通信ストリーム506は音声ストリーム502のスループットを最大限にする一方で、バッテリの寿命を節約する。図5を図3と比較して、待ち時間およびジッタに影響し得る、たとえば1および7のパケットを送る際の遅延が減少していることが見られる。パケット1および7は、図3の通信ストリーム306を図5の通信ストリーム506と比較した場合、著しく遅延されているのがわかる。
【0049】
別の実施例において、無線装置は無線アクセスポイントに送るためのパケットをサンプリングまたは受取ることに応じて、無線装置状態504をスリープモードからフル電力モードに遷移させることができる。その結果、無線装置は自動的に起動して、スリープ状態に戻る前にサンプリングされたまたは伝送用のバッファリングされた1つ以上のパケットを送る。音声ストリーム502のサンプリングまたは受取り、無線装置状態504の遷移、および通信ストリーム506での音声パケットの通信間には、小さな遅延が起こり得る。
【0050】
図6は本発明の実施例におけるフル電力モードを用いる重いデータストリームを示す。図6のデータストリームは、データストリーム602、無線装置状態604、および通信ストリーム606を含む。実施例としては、重いトラフィックプロファイルの選択に応じて、より効率よく通信を行なうために用いることができる。データストリーム602は極端なまたは大規模なデータストリームを表わし得る。たとえば、映像メッセージをPDAから受信側の携帯電話に送ることができる。
【0051】
一実施例において、無線装置状態604は、フルパワー状態が非活性化、不能化されたこと、または不必要に電力節約モードに入ることなく、送信ストリームがデータストリーム602を早く送ることができるよう、フル電力モードに留まるよう他の態様で構成されたことを示す。実施例としては、無線装置状態404を不能化(図4に示される)にする、または平均インターバルが10ms未満である場合に、もしくは重いトラフィックプロファイルが選択されたことを示すほかの特定のしきい値やレベルに応じて、フルパワーに設定することができる。図6は同様に図4と比較して、無線装置状態604が図4の無線装置状態404のように不必要に遷移しないので、データストリーム602が遅延することなく通信ストリーム608内で送ることができるのを示す。図6において、データストリーム602の通信は遅延されず、より大きい通信または極端な通信に必要な時間を減少させる。
【0052】
図7は本発明の実施例におけるスリープモードを用いる軽いデータストリームを示す。図7のデータストリームは、データストリーム702、無線装置状態704、および通信システム706を含む。例示的実施例は、軽いトラフィックプロファイルの選択に応じてより効率よく通信を行なうために用いることができる。データストリーム702は断続するパケットの通信を表わす。
【0053】
一実施例において、無線装置状態704は、平均インターバルが60msより大きいことまたは別のしきい値に応じて、スリープモードを使用することができる。スリープモードは、データストリーム702内のパケットが疎であることにより、たとえば100msの起動周期またはウインドウを用いることができる。軽いトラフィックプロファイルはスリープモードを実現し得る。なぜなら、パケットは図7の通信遅延によって著しく影響される音声通信または他のアプリケーションを示す十分な頻度で送られないからである。その結果、軽いトラフィックプロファイル用に実施されたスリープモードは、バッテリの電力を節約しながら許容されるレベルのスループットを提供することができる。
【0054】
図8は本発明の実施例における電力を節約するためにトラフィックプロファイルを使用するプロセスのフローチャート図である。図8のプロセスは、実施例に従い、無線装置によってまたは無線装置の無線インターフェイスによって、実現することができる。図8に示される値、しきい値、および基準は、トラフィックプロファイルと、各トラフィックプロファイルに関連する電力節約モードまたは動作とを決定するために用いることができる情報およびデータの一例である。他の実施例において、より多くの電力節約モードおよびトラフィックプロファイルを用いて、起動周期をさらに調整することができる。
【0055】
プロセスは、最新のn個のパケットの平均期間が60msより大きいかどうかを決定することによって始まる(ステップ802)。平均期間は、特定の時間間隔内で完全にもしくは部分的に送られたパケットのリアルタイムのもしくは実行中の平均の個数である、またはパケットの個数に基づく。平均期間は、同様にいくつもの他の評価、分析、計算、または統計的測定もしくは近似値を用いることができる。一実施例において、平均期間は、ある時間間隔の間に送信された平均パケット個数またはある時間間隔の間に受取られた平均パケット個数のうちの小さい方であり得る。代替的に、送信平均または受信平均を用いることができる。
【0056】
最新のn個のパケットの平均期間がたとえば60msより大きいという決定に応じて、および/または他の決定に応じて、無線装置は軽いトラフィックプロファイルを選択することができる(ステップ804)。軽いトラフィックプロファイルは、無線装置によって用いられる設定、状態、条件、またはモードであり得る。たとえば、無線装置はビーコン信号毎に送信のために起動する(ステップ806)。ステップ806の間、無線装置は軽いトラフィックプロファイルに関連する標準の電力節約モードを選択し、その間にパケットがスリープモードに入る前に送信および受信される。一実施例において、無線装置は特定の頻度、期間、または100ms毎といった間隔で、標準の電力節約モードの際にフル電力モードに入ることができる。この100msは、電力節約モードの間に用いられる起動周期に対応し得る。無線装置は、最新のn個のパケットの平均期間が60msより大きいか否かを決定することができる(ステップ802)。
【0057】
無線装置は最新のn個のパケットの平均インターバルが60ms以下であると判断すれば、無線装置は最新のn個のパケットの平均期間が、60ms以下であり、かつ10msより大きいかどうかを判断することができる(ステップ808)。最新のn個のパケットの平均期間が60msおよび10msの間にあれば、無線装置は定期トラフィックプロファイルを選択することができる(ステップ810)。一実施例において、定期トラフィックプロファイルはVoIP通信用に構成され得る。たとえば、定期トラフィックプロファイルは、呼出品質を維持するために、スループットおよび待ち時間の問題を妨げる、より短い起動周期を用いることができる。
【0058】
次に、無線装置は特定の期間で起動する(ステップ812)。一実施例において、起動周期またはウインドウは20ms毎にある。無線装置は待ち時間を減らしかつスループットを上げるために、20ms毎にフルパワー状態に入り、スリープ状態に再び入る前にパケットを送受信する。より短い起動周期により、無線装置によってサンプリングまたは受取られた音声パケットにもっと密接に対応して、音声通信を強化する。次に、無線装置はステップ802に戻る。
【0059】
最新のn個のパケットの平均期間が、ステップ808において60msおよび10msの間にない場合、無線装置は重いトラフィックプロファイルを選択することができる(ステップ814)。重いトラフィックプロファイルは、大型のファイルまたは他のデータの重い通信が起こっていることを示し得る。次に、無線装置はフル電力モードを使用する(ステップ816)。重いトラフィックプロファイルが認識または設定される間、無線装置がフルパワー状態で通信できるよう、電力節約モードおよび機構は少なくとも一時的に停止される。一実施例において、送信機はプロセッサまたは無線装置のロジックからコマンドを受取って、別個の電力モードを使用する後のコマンドを受取るまで、フルパワー状態または設定を用いて無線アクセスポイントと通信する。たとえば、通信の間に用いられる、起動周期、停止期間間隔、特性、時期、またはウインドウを無効にすることができる。重い通信であって利用できる帯域幅および処理能力がすべて無線装置によって必要とされる通信の際に、停止または中断されないように、電力節約機能を停止、無効化またはオフにすることができる。次に、無線装置はステップ802に戻る。
【0060】
一実施例において、ステップ802および808の判断は100ms毎に行なうことができる。たとえば、経過した600msの間に送られたパケットの数を測定するためにカウンタを用いることができる。約600msの終わりに、そのインターバル(600ms)の間に送られた平均パケット数の判断を行なうことができる。ステップ802および808は、無線装置が送ったパケットに基づき、適切なトラフィックプロファイルを連続して決定するために繰返すことができる。その結果、無線装置は適するトラフィックプロファイルおよび対応する電力節約モードへの遷移を続けて決定することができる。
【0061】
別の実施例において、トラフィックプロファイルの決定は、ジッタおよび待ち時間の許容値を調整するために、他の基準に基づいて行なうことができる。一実施例において、トラフィックプロファイルは、無線装置によって実施される通信の種類または無線装置によって実行されるアプリケーションに応じて、選択することができる。たとえば、無線装置が音声パケットを送受信しているのなら、定期トラフィックプロファイルを選択することができる。別の例では、無線装置はピア−ツウ−ピアアプリケーションの実行に応じて、重いトラフィックプロファイルを選択することができる。
【0062】
前記詳細な説明は、本発明を実現するための実施例の一部であり、範囲を限定するものではない。たとえば、本発明のトラフィックプロファイルおよび電力モードに、他のトラフィックプロファイルを加えることができる。特許請求の範囲はより特定的に示される発明のいくつかの実施例を記載している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信用の電力を節約するための方法であって、
無線装置に入出力されるパケット通信情報を決定するステップと、
決定されたパケット通信情報に応じて軽いトラフィックプロファイル、定期的トラフィックプロファイル、および重いトラフィックプロファイルからあるトラフィックプロファイルを選択するステップと、
選択されたトラフィックプロファイルに応じて決定された電力モードを使用して無線アクセスポイントとパケットを通信するステップとを備え、前記電力モードは前記無線装置によって前記無線アクセスポイントとは独立して使用されるものである方法。
【請求項2】
前記パケット通信情報は、ある時間間隔の間に通信されるパケットの平均である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間間隔の間に通信される前記パケットの平均周期は、前記時間間隔内に前記無線装置によって受取られたパケット数に応じて決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トラフィックプロファイルは各起動周期毎に決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記軽いトラフィックプロファイルの選択に応じた電力モードとして既定の起動周期をパケット通信に使用し、
前記定期的トラフィックプロファイルの選択に応じた電力モードとしてより短い起動周期をパケット通信に使用し、
前記重いトラフィックプロファイルの選択に応じて起動周期のないフル電力モードを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記定期的トラフィックプロファイルは音声通信のために用いられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記無線装置は、各起動周期の間、1個のパケットを受取るよう構成されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記軽いトラフィックプロファイルは、ある時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が高しきい値よりもことに応じて選択され、前記定期的トラフィックプロファイルは、ある時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が高しきい値より短く(高しきい値を含む)、かつ低しきい値よりも長いことに応じて選択され、前記重いトラフィックプロファイルは、時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が低しきい値よりも短い(低しきい値を含む)ことに応じて選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記高しきい値は60ミリ秒であり、前記低しきい値は10ミリ秒であり、より短いウェークアップ周期は20ミリ秒である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
電力を節約するためのエンドユーザ無線装置であって、前記エンドユーザ無線装置は
前記エンドユーザ無線装置のパケット通信情報を決定するよう動作可能である無線インターフェイスと、
無線インターフェイスと通信し、決定された前記パケット通信情報に応じて軽いトラフィックプロファイル、定期的トラフィックプロファイル、および重いトラフィックプロファイルからあるトラフィックプロファイルを選択するよう動作可能である電力節約ロジックとを備え、前記無線インターフェイスは、前記トラフィックプロファイルと関連付けられる電力モードを使用して、前記エンドユーザ無線装置と無線アクセスポイントとの間でパケットを通信する、無線装置。
【請求項11】
前記パケット通信情報は、ある時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期である、請求項10に記載の無線装置。
【請求項12】
ある時間間隔の間に通信される前記パケットの平均周期は、前記時間間隔内に前記無線インターフェイスが前記無線アクセスポイントから受取ったパケット数を用いて決定される、請求項11に記載の無線装置。
【請求項13】
前記軽いトラフィックプロファイルは、時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が高しきい値より長いことに応じて選択され、前記定期的トラフィックプロファイルは、時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が高しきい値と同等もしくはより短くかつ低しきい値より長いことに応じて選択され、前記重いトラフィックプロファイルは時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が低しきい値と同等もしくはより短いことに応じて選択される、請求項10に記載の無線装置。
【請求項14】
前記電力節約ロジックは、前記軽いトラフィックプロファイルに既定の起動周期を使用し、前記高しきい値は60ミリ秒であり、前記低しきい値は10ミリ秒であり、前記電力節約ロジックは前記定期的トラフィックプロファイルに20ミリ秒の起動周期を使用する、請求項13に記載の無線装置。
【請求項15】
前記無線装置は、前記無線アクセスポイントによって行なわれる通信を再構成することなく、前記電力モードに対応する起動周期を調整する、請求項12に記載の無線装置。
【請求項16】
電力を節約するための無線装置であって、前記無線装置は
一連の命令を実行するよう動作可能であるプロセッサと、
プロセッサと通信するメモリとを備え、前記メモリは一連の命令を記憶するよう動作可能であり、前記一連の命令は実行されて、
パケットの通信に関するパケット通信情報を決定し、
決定された前記パケット通信情報に応じて無線装置のトラフィックプロファイルを選択し、
パケット通信情報において、時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が高しきい値と同等もしくはより長いと決定したことに応じてパケットを通信する中で既定の起動周期を使用し、
時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が低しきい値より長くかつ高しきい値と同等もしくはより短いと決定したことに応じてパケットを通信する中でより短い起動周期を使用し、
時間間隔の間に通信されるパケットの平均周期が低しきい値より短い(低しきい値を含む)と決定したことに応じてフル電力モードを使用する、無線装置。
【請求項17】
前記一連の命令は、前記無線装置と通信している無線アクセスポイントから受取られる通信を変えることなく無線装置によって使用される1つ以上の起動周期を動的に構成するよう実行される、請求項16に記載の無線装置。
【請求項18】
前記一連の命令はさらに、前記フル電力モードにおいて起動周期なしで通信するように実行される、請求項17に記載の無線装置。
【請求項19】
前記既定の起動周期は100msであり、前記高しきい値は60msであり、前記低しきい値は10msであり、前記より短い起動周期は20msである、請求項16に記載の無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−51732(P2013−51732A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−245327(P2012−245327)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【分割の表示】特願2011−529387(P2011−529387)の分割
【原出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】