説明

トランスポンダ自動評価装置

【課題】ATCトランスポンダの試験と評価が短時間で容易に得られるようにしたトランスポンダ自動評価装置を提供すること。
【解決手段】トランスポンダ・テストセット6から被検査対象のATCトランスポンダ5に質問信号を送信し、これに応じてATCトランスポンダ5から送信される応答信号をトランスポンダ・テストセット6で受信し、前記質問信号に設定したコードと前記応答信号に含まれるコードとが一致するか否かを順次判定することによりATCトランスポンダ5を試験するシステムにおいて、前記質問信号の送信に必要な識別コードを、ATCトランスポンダ5に順次自動的に設定する制御部4を設け、ATCトランスポンダ5の試験が初期設定だけで自動的に実行されるようにしたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機に装備され航空交通管制に用いられるトランスポンダを対象にした試験装置に係り、特にトランスポンダを自動的に試験して評価することができるようにしたトランスポンダ自動評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会では人間の活動も地球規模にわたり、交通手段としての航空機は欠かせない存在であるのはいうまでもなく、利用頻度も高まるばかりであり、このため航空交通管制(ATC)のない状態は考えるべくもなく、その一翼を担っている機器にATCトランスポンダがある。
ここで、このATCトランスポンダは航空機に搭載され、地上局と交信する機能を有し、航空交通管制用として使用されている。
【0003】
このATCトランスポンダは、航空機に装備された場合、その名のとおり、地上局からの質問信号による呼び掛けに応答する装置であるが、このときの質問事項については、当該航空機の識別情報に関する場合と高度情報に関する場合の2種があり、識別情報に応答する場合をモードAと呼び、高度情報に応答する場合はモードCと呼んでいる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、まず、モードAで動作する場合、ATCトランスポンダは、地上局からのモードA質問信号に応じて自動的に、自己の航空機の識別コードをモードA応答信号として地上局に送信する。
次に、モードCの場合、ATCトランスポンダは、地上局からのモードC質問信号に応じて自動的に、自己の航空機の気圧高度情報をモードC応答信号として地上局に送信する。
【0005】
このとき、まず、識別コードは、0000から7777までの数字列からなるコードで、列の各桁は0から7までの数字の中の何れの数字でもとれ、これが4桁であることから4096通りの設定が可能になっているものであり、その中の1種が当該ATCトランスポンダのコードとして予め設定されているものである。
【0006】
次に、気圧高度情報については、当該航空機に装備されている気圧高度計で計測された高度が常時、トランスポンダに供給されるようにし、これを気圧高度情報とする。
そして、この場合、高度情報は0000から7776までの数字列からなるコードで、列の各桁の中の最下位の桁は0から6までの任意の数字がとれ、残りの桁は0から7までの任意の数字がとれるもので、これが4桁であることから2048通りの設定が可能になっていて、その中の何れかを気圧高度に応じて順次、割り当てるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−10365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、どのような機器でも常に所期の性能が保持されなければならないのは当然であり、このことはATCトランスポンダの場合も同じで、所定の時期に性能試験の実施を要する。
ここで、ATCトランスポンダの場合、その性能試験項目として、コード識別が正常であるか否かの試験があり、このとき、従来技術では、作業者(試験員)により、図7に示す手順に従って行なわれていた。なお、図7の(a)はAモードの場合の処理手順で、同図(b)はCモードの場合の処理手順である。
【0009】
ここで、図示のPが試験対象のATCトランスポンダで、このとき設定治具GAは、作業者により操作され、モードAにおける識別コードを発生し、作業者により設定された識別コードをATCトランスポンダPに供給する働きをし、設定治具GCは、同じくモードCにおける気圧高度情報を発生し、それをATCトランスポンダPに供給する働きをする。
【0010】
次に、トランスポンダ・テストセットTAは、モードAの質問信号を発生して、それをATCトランスポンダPに送信し、これに応じてATCトランスポンダPから送信されてくるモードA応答信号を受信し、このときのモードA応答信号から解読された識別コードをモニタに表示する働きをする。
【0011】
また、トランスポンダ・テストセットTCは、モードCの質問信号を発生して、それをATCトランスポンダPに送信し、これに応じてATCトランスポンダPから送信されてくるモードC応答信号を受信し、このときのモードC応答信号から解読された識別コードをモニタに表示する働きをする。
【0012】
そして、まず、図7(a)のモードAの場合、作業者は、設定治具GAの入力装置を操作して、4桁の数列からなる識別コードを入力した後、トランスポンダ・テストセットTAのモニタに表示される識別コードを観察し、いま入力した数列とモニタに表示された数列が一致していることを確認しては次の識別コードの入力を行ない、これを順次、0000から7777まで4096通りある識別コードの全てについて実行し、全て一致したらATCトランスポンダPには不具合がないものと評価して試験を終了させる。
【0013】
次に、図7(b)のモードCの場合も同様であり、作業者は、設定治具GCの入力装置を操作して、4桁の数列からなる識別コードを入力した後、トランスポンダ・テストセットTCのモニタに表示される識別コードを観察し、いま入力した数列とモニタに表示された数列が一致していることを確認しては次の識別コードの入力を行ない、これを順次、0000から7776まで2048通りある気圧高度情報の全てについて実行し、全て一致したらATCトランスポンダPには不具合がないものと評価して試験を終了させるのである。
【0014】
ところで、上記したように、いかなる機器でも常に所期の性能が保持されなければならないのは当然であるが、特にATCトランスポンダの場合、安全性の見地から、これが極めて重要であり、従って、高い頻度での性能試験が欠かせない。
このとき、上述の従来技術では、作業者が設定治具を操作しなければならなのはやむを得ないとしても、このとき入力を要するコードの数は、モードCの場合で2048通りにわたり、モードAの場合には4096通りにもなる。
【0015】
この結果、従来技術においては、ATCトランスポンダの試験と評価に長時間の手作業が必要になり、多大の労力を要するばかりか、この間、試験対象のATCトランスポンダが運用できないという問題があり、しかも、このことが高い頻度で現れてしまうという問題があった。
本発明の目的は、ATCトランスポンダの試験と評価が短時間で容易に得られるようにしたトランスポンダ自動評価装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は、被検査対象のトランスポンダにモードAコードとモードCコードの一方の識別コードを順次設定する識別コード設定部と、前記トランスポンダにモードA質問信号とモードC質問信号の一方を送信する質問信号送信部と、前記トランスポンダから送信されるモードA応答信号とモードC応答信号の一方を受信する応答信号受信部と、前記識別コード設定部で設定したコードと前記応答信号受信部で受信した応答信号に含まれるコードとが一致するか否かを順次判定する判定部とを備えるようにして達成される。
【0017】
このとき、更に、前記応答信号受信部で受信した応答信号のパルス幅とパルス間隔の少なくとも一方を測定するパルス測定部と、前記判定部による判定結果が否となったとき、前記パルス測定部により測定された当該応答信号のパルス幅とパルス間隔の少なくとも一方のデータを保存するデータ保存部とが備えられるようにしてもよい。
【0018】
また、このとき、更に、操作者の操作に応じて、前記トランスポンダに設定すべき識別コードの範囲と繰り返し回数を前記識別コード設定部に設定する試験条件設定部が備えられるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コードの設定とコードの一致の判定が自動的に得られるので、試験と評価に必要な作業者の負担が軽減され、人為的な判定ミスの虞がないので信頼性が向上し、処理の開始に際して初期設定をすれば、作業者は直ちに他の作業に移れるので、省力化が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明によるトランスポンダ自動評価装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明によるトランスポンダ自動評価装置の第1の実施形態におけるコード設定の一例を示す説明図である。
【図3】本発明によるトランスポンダ自動評価装置の第1の実施形態におけるコード設定の他の一例を示す説明図である。
【図4】本発明によるトランスポンダ自動評価装置の第2の実施形態を示すブロック構成図である。
【図5】本発明によるトランスポンダ自動評価装置の第2の実施形態におけるコード設定の一例を示す説明図である。
【図6】本発明によるトランスポンダ自動評価装置の第2の実施形態におけるコード設定の他の一例を示す説明図である。
【図7】従来技術によるトランスポンダ評価手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明によるトランスポンダ自動評価装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明を第1の実施形態で、これは、試験対象となったATCトランスポンダ5について、モードAで動作する場合について試験を実施する場合の一実施の形態である。
【0022】
そして、この場合、制御器1(以下、制御用PC1という)は、キーボードなどの入力インターフェースを備えた一般的なパソコン(パーソナルコンピュータ)で構成され、これには自動試験に必要な制御ソフトウエア2と収集データ3が備えられ、試験結果などのデータが収集データ3に蓄積され保存されるようになっている。
次に、制御部4は、制御用PC1により制御され、ATCトランスポンダ5に対して電源を供給し、このATCトランスポンダ5に、それの動作を制御するために必要な開始コードと終了コード及び繰り返し数を含む各種の制御信号を供給する働きをする。
【0023】
トランスポンダ・テストセット6は、制御用PC1により制御され、ATCトランスポンダ5にモードA質問信号を送信し、この後、ATCトランスポンダ5から送信されるモードA応答信号を受信し、受信結果を制御用PC1に供給する働きをする。
また、これと共に、トランスポンダ・テストセット6は、受信したモードA応答信号を検波し、検波信号をオシロスコープ7に供給する働きをする。
【0024】
そこでオシロスコープ7は、入力された検波信号を波形表示し、制御用PC1からの要求に応じて検波信号のパルス幅及びパルス間隔をデータとして送り返し、収集データ3に保存されるようにする。
このときのモードAによる試験に必要な制御用PC1の処理は、制御ソフトウエア2に予め格納されていて、必要に応じて制御用PC1に取り込まれるようになっている。
【0025】
次に、この実施形態の動作について説明する。
このとき、まず、制御用PC1には、初期設定として、開始コードと終了コード、それに繰り返し数が、図2(a)に示されているように、作業者により入力される。このとき、上記したキーボードなどの入力インターフェースが使用される。
そして、この後、作業者から処理開始が入力されると、ATCトランスポンダ5の自動評価が開始される。
【0026】
そうすると、制御部4からATCトランスポンダ5に電源と動作立ち上げに必要な制御信号が供給され、この結果、ATCトランスポンダ5は、トランスポンダ・テストセット6から送信されるモードA質問信号を待っている待機状態になる。
この後、トランスポンダ・テストセット6は、制御用PC1からの制御により、ATCトランスポンダ5に対してモードA質問信号を送信する。
【0027】
そこで、ATCトランスポンダ5は、モードA質問信号を受信し、所定の時間経過後、モードA識別コードを含むモードA応答信号をトランスポンダ・テストセット6に送信し、これにより当該トランスポンダ・テストセット6は、受信したモードA応答信号を解読し、識別コードを取得する。
このとき、トランスポンダ・テストセット6と制御用PC1は、図示のように、双方向通信により接続されている。
【0028】
そこで、制御用PC1は、トランスポンダ・テストセット6から識別コードを取り込み、このとき、制御部4を介してATCトランスポンダ5に設定してある識別コードと比較し、一致していることを判定する。
この結果、ATCトランスポンダ5に設定したモードA識別コードと、応答信号に含まれているモードA識別コードの一致を自動的に評価することができる。
【0029】
ここで、制御部4では、4096通りあるモードAの識別コードの全てを発生し、ATCトランスポンダ5に供給することができるものとして構成してあるが、このとき、制御用PC1から、図2(a)と図3(a)示すように、開始コードと終了コード、それに繰り返し数が設定されていると、図2(b)と図3(b)に示すように、開始コードで指定された識別コードから処理を開始し、終了コードで指定された識別コードまで処理を実行した上で処理を停止するものとして構成されている。
【0030】
この結果、まず、図2(a)に示したように、開始コードが2300で、終了コードが2700の場合、図2(b)に示すように、2300番の識別コードから自動的に評価処理を開始し、順番に処理を実行して識別コードが2700番になったとき、自動的に評価処理が終わり、評価結果が収集データ3に格納され、図3(a)に示したように、開始コードが2314で、終了コードが3313の場合、図3(b)に示すように、2314番の識別コードから3314番になるまで自動的に評価処理が進み、評価結果が収集データ3に格納されることになる。
【0031】
しかも、このとき、設定されている繰り返し数に応じて、同じ処理を繰り返すことができるようにしてある。
この結果、例えば図2(a)に示したように、繰り返し数が2に設定してあった場合、上記した2300番の識別コードから2700番の識別コードまでの評価処理が2回、繰り返され、2回分の評価結果の比較が可能になるので、更に確実な評価となり、より一層、信頼性に富んだ評価を得ることができる。
【0032】
ここで図2(a)と図2(b)において、開始コードと終了コードを同じ数列に設定することもでき、この場合、制御用PC1は、任意に選定した特定の同一のコードに対して連続的に繰り返し試験か実行されるようにトランスポンダ・テストセット6を制御することになり、事前に不具合が予想されていたコードについて、重点的に試験を実施することができる。
【0033】
更に、このとき、制御用PC1は、トランスポンダ・テストセット6を制御し、受信したモードA応答信号を検波し、検波信号からパルス幅とパルス間隔を取得して収集データ3に格納保存すると共に、オシロスコープ7にパルス幅とパルス間隔が表示されるように制御する。
この結果、オシロスコープ7によるパルス幅とパルス間隔の表示は、テスト中に限らず、その後でも任意の時点で行なうことができる。
【0034】
ここでモードA識別信号が一致しないなどの不具合が発生する要因として、応答信号のパルス幅とパルス間隔が適正な値から外れている場合がある。
このとき、上記したように、応答信号のパルス幅とパルス間隔が収集データ3に保存してあるので、任意にオシロスコープ7に表示させることにより、事後の不具合探求に有効な手段を与えることができる。
【0035】
従って、この実施形態によれば、ATCトランスポンダの試験と評価を短時間で簡単に得ることができ、この結果、高い頻度での性能試験にも容易に対応することができるようになり、安全性の保持に大きく寄与できると共に、不具合の原因究明にも容易に対応することができる。
【0036】
次に、図4は、本発明の第2の実施形態で、これは、試験対象となったATCトランスポンダ5について、モードCで動作する場合について試験を実施する場合の一実施の形態であり、ここで、ブロック構成上では、高度−気圧高度情報変換データベース3が追加されている以外、図1のモードAの場合の実施形態と同じであるが、しかし、このとき制御ソフトウエア2に予め格納されているのは、モードCによる試験に必要な制御用PC1の処理であり、これが必要に応じて制御用PC1に取り込まれるようになっているものである。
【0037】
そして、動作についても、トランスポンダ・テストセット6からATCトランスポンダ5に送信される信号がモードC質問信号で、ATCトランスポンダ5からトランスポンダ・テストセット6に送信される信号はモードC応答信号になっていること以外は、図1の実施形態の場合と同じであるが、ここで、高度気圧情報は、通常、フィート(呎)を単位として表現される。
従って、高度情報を作業者が入力する場合、それがフィートを単位としていたとすると、図7(b)で説明した従来技術のように、換算表を用いて4桁のコードに変換する必要がある。
【0038】
そこで、この図4の実施形態では、高度−気圧高度情報変換データベース3が備えてあり、作業者による初期設定に際して、コードの入力設定がフィート単位の高度で入力された場合、制御用PC1は、この高度−気圧高度情報変換データベース3を用い、それを自動的に4桁の開始コードと終了コードに換算した上で図5(a)と図6(a)に示すように設定されるようになっている。
【0039】
そして、この結果、図5(a)に示したように、開始コードが2300で、終了コードが2700の場合、図2(b)に示すように、2300番の識別コードから自動的に評価処理を開始し、順番に処理を実行して識別コードが2700番になったとき、自動的に評価処理が終わり、評価結果が収集データ3に格納され、図3(a)に示したように、開始コードが2314で、終了コードが3313の場合、図3(b)に示すように、2314番の識別コードから3314番になるまで自動的に評価処理が進み、評価結果が収集データ3に格納されることになる点は図1の実施形態の場合と同じである。
【0040】
しかも、このとき、設定されている繰り返し数に応じて、同じ処理を繰り返すことができるようにしてある点も図1の実施形態の場合と同じである。
この結果、例えば図5(a)に示したように、繰り返し数が2に設定してあった場合、上記した2300番の識別コードから2700番の識別コードまでの評価処理が2回、繰り返され、2回分の評価結果の比較が可能になるので、更に確実な評価となり、より一層、信頼性に富んだ評価を得ることができる点も図1の実施形態の場合と同じである。
【0041】
更に、この図5(a)と図6(a)において、開始コードと終了コードを同じ数列に設定することもできる点も、図1の実施形態の場合と同じで、この場合、制御用PC1は、任意に選定した特定の同一のコードに対して連続的に繰り返し試験か実行されるようにトランスポンダ・テストセット6を制御することになり、事前に不具合が予想されていたコードについて、重点的に試験を実施することができる。
【0042】
従って、この図4の実施形態によっても、安全性の保持に大きく寄与できると共に、不具合の原因究明にも容易に対応することができるなどの第1の実施形態と同等の効果が得られる上、モードCによるATCトランスポンダ5の試験と評価における初期設定に際して、換算表を用いることなく、フィート単位の高度をそのまま入力することができ、この点でも、ATCトランスポンダ5の試験と評価を短時間で簡単に得ることができ、同じく、高い頻度での性能試験にも容易に対応することができるようになり、安全性の保持に大きく寄与できると共に、不具合の原因究明にも容易に対応することができる。
【0043】
ここで、図1の第1の実施形態と図4の第2の実施形態を比較してみれば明らかなように、ハード面での相違点は高度−気圧高度情報変換データベース3の有無にあり、ソフト面では、制御用PC1の制御ソフトウエアが、一方(第1の実施形態)ではモードAでのATCトランスポンダ5の試験と評価に対応したものになっているのに対して、他方(第2の実施形態)では、モードCでのATCトランスポンダ5の試験と評価に対応したものになっている点だけにある。
【0044】
そこで、図4の第2の実施形態において、制御ソフトウエア2に、更にモードAの制御に使用するソフトウエアを格納しておき、作業者が、制御用PC1から任意にソフトウエアの一方が選択できるようにし、本発明の第3の実施形態に係るトランスポンダ自動評価装置としてもよい。
【0045】
この第3の実施形態によれば、試験対象となったATCトランスポンダ5について、モードAでのATCトランスポンダ5の試験と評価及びモードCでのATCトランスポンダ5の試験と評価の双方について、1台のトランスポンダ自動評価装置を用い、そのままで容易に対応することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 制御器(制御用PC)
2 制御ソフトウエア(制御器に設定してATCトランスポンダの試験と
評価に必要な制御を実行させるためのソフトウエア格納用)
3 収集データ(試験結果を格納して保存するデータベース)
4 制御部(ATCトランスポンダに電源と制御信号及びコードを設定す
るための制御部)
5 ATCトランスポンダ(試験対象となったATCトランスポンダ)
6 トランスポンダ・テストセット
7 オシロスコープ(応答信号の波形観察用オシロスコープ)
8 高度−気圧高度情報変換データベース(入力されたフィート単位の高
度をコードに換算するためのデータベース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査対象のトランスポンダにモードAコードとモードCコードの一方を順次設定する識別コード設定部と、
前記トランスポンダにモードA質問信号とモードC質問信号の一方を送信する質問信号送信部と、
前記トランスポンダから送信されるモードA応答信号とモードC応答信号の一方を受信する応答信号受信部と、
前記識別コード設定部で設定したコードと前記応答信号受信部で受信した応答信号に含まれるコードとが一致するか否かを順次判定する判定部と、
を備えることを特徴とするトランスポンダ自動評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−243203(P2010−243203A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89290(P2009−89290)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】