説明

トランス

【課題】高い絶縁耐圧と電気的対称性を有するトランスを提供すること。
【解決手段】インダクタ102は、中心軸を回転軸として180°回転してインダクタ101と対向配置される。インダクタ101は、配線層L4に同心の開いた環の配線W11〜W14と、インダクタ101及び102の中心軸を通る線で2分割される領域の一方に形成され、ある配線と2つ外側の配線とを接続する交差部11〜13を有する。各交差部は、配線層L3に形成された連結配線CW1と層間配線VW1とを有する。交差部11は、配線W11及びW12が連続的に形成される。インダクタ102は、配線層L1に同心の開いた環の配線W15〜W18と、他方の領域に形成され、ある配線と2つ外側の配線とを接続する交差部14〜16を有する。各交差部は、配線層L2に形成された連結配線CW1と層間配線VW1とを有する。交差部11は、配線W15及びW16が連続的に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトランスに関する。
【背景技術】
【0002】
信号電圧レベルが大きく異なる回路間でデータ通信を行う場合には、回路間の絶縁を確保するために、例えばアイソレータが用いられる。こうしたアイソレータでは、信号の伝達に例えばトランスが用いられる。この場合、アイソレータには、送受信インダクタの容量結合又は対基板容量を介して、高圧側の信号変化が送信側から受信側へ伝搬することにより生じるコモンモードノイズを抑制することと、送受信インダクタ間の絶縁耐圧を確保することと、が求められる。
【0003】
コモンモードノイズを抑制するには、電気的対称性の高いインダクタを用いてトランスを構成し、差動出力を用いることが効果的である。また、トランスを小型化して寄生容量を低減することも有効である。
【0004】
上述の差動出力を用いることができるトランスの例について説明する(特許文献1)。図16は、一般的な対称型インダクタ601の配線構造を示す上面図である。インダクタのポートP1及びP2の中点を通る対称軸を境に、一方のポートから半周ずつ内周へ配線し、最内周を一周配線した後、再び半周ずつ外周側へ配線して他方のポートに至る。自身の配線W61〜W64が交差する箇所は、異なる配線層で迂回される。図16の点Aは電気特性の対称点であり、対称点から両ポートまでのインピーダンスがほぼ等しい。このインダクタを対向配置することで、トランスを構成することが可能となる。さらに、2組のトランスの受信側インダクタの対称点にセンタータップを設けることで、差動回路を構成することが可能となり、コモンモードノイズを抑制するこことができる。
【0005】
交差部61〜63はそれぞれ異なる配線間を接続する。図17は、対称型インダクタ601の交差部61の構成を示す斜視図である。交差部61は、上層に配線W61及びW62が形成され、下層に連結配線CW61が形成される。上層に連続して配線が形成されることにより、配線W61と配線W62とが接続される。さらに、配線W61と配線W62とは、層間配線VW61及び連結配線CW61を介して接続される。
【0006】
一方、差動出力を用いない場合などでは、いわゆるスパイラル方式のインダクタ(特許文献2〜5)で構成されたトランスが用いられる。図18は、一般的なスパイラル方式のインダクタ701の配線構造を示す上面図である。スパイラル方式のインダクタでは、インダクタを構成する配線Wが渦巻状に配置されることにより、ポートP1及びP2を有するコイルが形成される。
【0007】
また、絶縁耐圧(絶縁信頼性)を確保する手法として、埋め込み配線の界面における絶縁破壊を防止する配線膜構造が提案されている(特許文献6)。配線層などでは、異なる層間のみならず、同層間における絶縁耐圧の確保も要求される。この構造によれば、ダマシン法により形成されたCu配線の、CMP(Chemical Mechanical Polishing)界面における絶縁破壊を抑制することができる。すなわち、積層構造体の同層間耐圧を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−10344号公報
【特許文献2】特開平3−89548号公報
【特許文献3】特開平11−154730号公報
【特許文献4】特開平8−45739号公報
【特許文献5】特開平6−120048号公報
【特許文献6】特開2007−123779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、発明者は、トランスを構成するにあたり、上述のインダクタには以下で説明する問題点が有ることを見出した。配線層を用いてインダクタを構成する場合、十分な絶縁耐圧を実現するには、上述のように、同層間での絶縁破壊を考慮する必要がある。
【0010】
対称型インダクタ601を2個用いてトランスを構成する場合には、異なる層間の絶縁耐圧を確保するため、主な配線層間を離して配置する。また、同層間の絶縁耐圧を確保するため、交差部を可能な限り離隔させて配置することが考え得る。この場合、一方のトランスを、他方のトランスに対して90°回転させて配置することが効果的である。図19は、2個の対称型インダクタ601及び602により構成されるトランス600の構成例を示す上面図である。トランス600は、90°回転させた対称型インダクタ602に、対称型インダクタ601を重ねた構成を有する。対称型インダクタ602は、対称型インダクタ601の上層と下層とを入れ換えた構成を有する。対称型インダクタ602の配線W65〜W68は、対称型インダクタ601の配線W61〜W64に対応する。対称型インダクタ602の交差部64〜66は、対称型インダクタ601の交差部61〜63に対応する。対称型インダクタ602のポートP3及びP4は、対称型インダクタ601のポートP1及びP2に対応する。交差部64〜66の連結配線CW62及び層間配線VW62は、それぞれ交差部61〜63の連結配線CW61及び層間配線VW61に対応する。すなわち、対称型インダクタ602では、連結配線CW62が上層に、配線W65〜W68が下層に形成されている。
【0011】
図20は、図19のXX−XX線におけるトランス600の断面構成を示す断面図である。トランス600は、配線層L61〜L64の4つの配線層と、各配線層を電気的に絶縁する絶縁層(不図示)を有する。対称型インダクタ601の配線W61〜W64は、最上層の配線層L64に形成される。連結配線CW61は、配線層L64の1層下の配線層L63に形成される。層間配線VW61は、絶縁層を貫いて、配線W61と連結配線CW61とを接続し、配線W62と連結配線CW61とを接続する。配線層L64は、上述の主な配線層に対応する。
【0012】
対称型インダクタ602の配線W65〜W68は、最下層の配線層L61に形成される。連結配線CW62は、配線層L61の1層上の配線層L62に形成される。層間配線VW62は、絶縁層を貫いて、配線W65と連結配線CW62とを接続し、配線W66と連結配線CW62とを接続する。配線層L61は、上述の主な配線層に対応する。
【0013】
つまり、トランス600では、交差部61と交差部64との水平方向の距離が、インダクタの内径Dの1/√2程度となる。トランス(インダクタ)の内径Dが小さい場合には、対向する2つのインダクタの交差配線間距離が近接するため、同層(配線層L62と配線層L63との間の絶縁層)における絶縁耐圧が支配的となる可能性がある。そのため、十分な絶縁耐圧を確保するには内径を広げればよい。
【0014】
しかし、内径を広げると、トランス(インダクタ)の面積が増加してしまい、寄生容量増加によるコモンモードノイズ耐性の劣化や、チップ面積の増大といったトレードオフが生じてしまう。よって、一般的な対称型のインダクタは、十分な絶縁耐圧を有するトランスを構成するには不十分である。
【0015】
また、差動信号を用いる場合には、トランス(インダクタ)には、高い電気的対称性が求められる。これは、一般的な対称型のインダクタを用いることにより実現できるものの、上述のように、絶縁耐圧の観点から不利である。一方、スパイラル型のインダクタは、絶縁耐圧には優れているものの、電気的対称性が劣る。
【0016】
すなわち、上記で提案されている一般的な対称型のインダクタ及びスパイラル型のインダクタでは、電気的対称性及び絶縁耐圧を充足するトランスを構成することは、困難である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様であるトランスは、第1のインダクタと、前記第1のインダクタに対して中心軸を回転軸として180°回転し、前記第1のインダクタと対向配置される第2のインダクタと、を備え、前記第1のインダクタは、第1の配線層に同心状に形成され、開いた環の形状を有する複数の配線と、前記第1及び第2のインダクタの中心軸を通る線で2分割される領域の一方である第1の領域に形成され、当該第1のインダクタの前記複数の配線のうちの第1の配線と、前記第1の配線の2つ外側の第2の配線と、を接続する第1の交差部と、を備え、前記第1の交差部は、前記第1の配線層よりも下層の第2の配線層に形成された第1の連結配線と、前記第1の配線と前記第1の連結配線と、及び前記第2の配線と前記第1の連結配線と、を接続する第1の層間配線と、を備え、最も内側の前記第1の交差部は、最も内側の配線と、前記最も内側の配線の1つ外側の配線とが、前記第1の配線層に連続的に形成され、前記第2のインダクタは、前記第2の配線層よりも下層の第3の配線層に同心状に形成され、開いた環状の形状を有する複数の配線と、前記第1及び第2のインダクタの中心軸を通る線で2分割される領域の他方である第2の領域に形成され、当該第2のインダクタの前記複数の配線のうちの第3の配線と、前記第3の配線の2つ外側の第4の配線と、を接続する第2の交差部と、を備え、前記第2の交差部は、前記第2の配線層と前記第3の配線層との間の第4の配線層に形成された第2の連結配線と、前記第3の配線と前記第2の連結配線と、及び前記第4の配線と前記第2の連結配線と、を接続する第2の層間配線と、を備え、最も内側の前記第2の交差部は、最も内側の配線と、前記最も内側の配線の1つ外側の配線とが、前記第3の配線層に連続的に形成されるものである。このトランスによれば、第1の交差部と第2の交差部とを十分に離隔させることが可能であるので、第1の配線層と第4の配線層との間の層の同層間絶縁耐圧を確保することができる。また、各配線を1本おきに接続することが可能となるので、スパイラル型のインダクタによりトランスを構成するよりも、より高い電気的対称性を確保することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高い絶縁耐圧と電気的対称性を有するトランスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】モータを駆動するモータ駆動システムMDSの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかるトランス100のインダクタ101の構成を示す上面図である。
【図3A】インダクタ101の配線W11を示す上面図である。
【図3B】インダクタ101の配線W12を示す上面図である。
【図3C】インダクタ101の配線W13を示す上面図である。
【図3D】インダクタ101の配線W14を示す上面図である。
【図4A】インダクタ101の交差部11の構成を示す斜視図である。
【図4B】インダクタ101の交差部12の構成を示す斜視図である。
【図4C】インダクタ101の交差部13の構成を示す斜視図である。
【図5】実施の形態1にかかるトランス100の構成を示す上面図である。
【図6】図5のVI−VI線におけるトランス100の断面構成を示す断面図である。
【図7】インダクタのインピーダンスを検討するためのインダクタの概略構成を示す上面図である。
【図8A】スパイラル型インダクタ701のポートP1からポートP2へ至る経路のインピーダンスを示す模式図である。
【図8B】スパイラル型インダクタ701のポートP2からポートP1へ至る経路のインピーダンスを示す模式図である。
【図9A】インダクタ101のポートP1からポートP2へ至る経路のインピーダンスを示す模式図である。
【図9B】インダクタ101のポートP2からポートP1へ至る経路のインピーダンスを示す模式図である。
【図10】実施の形態2にかかるトランス200のインダクタ201の構成を示す上面図である。
【図11】実施の形態2にかかるトランス200の構成を示す上面図である。
【図12】実施の形態3にかかるトランス300の構成を示す上面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線におけるトランス300の断面構成を示す断面図である。
【図14】実施の形態4にかかるトランス400のインダクタ401の構成を示す上面図である。
【図15】実施の形態5にかかるトランス500のインダクタ501の構成を示す上面図である。
【図16】一般的な対称型インダクタ601の配線構造を示す上面図である。
【図17】インダクタ601の交差部61の構成を示す斜視図である。
【図18】一般的なスパイラル方式のインダクタ701の配線構造を示す上面図である。
【図19】2個の対称型インダクタ601及び602により構成されるトランス600の構成例を示す上面図である。
【図20】図19のXX−XX線におけるトランス600の断面構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0021】
まず、本発明にかかるトランスの技術的意義を理解するための前提として、トランスの使用態様例について説明する。図1は、モータを駆動するモータ駆動システムMDSの構成を示すブロック図である。モータ駆動システムMDSは、CPU1、レベルシフト部2、トランスTR1及びTR2、ゲートドライブ部3、駆動部4及びモータ5を有する。モータ5を駆動するためには、一般に高い電圧が必要である。よって、モータ駆動システムMDSでは、ゲートドライブ部3、駆動部4及びモータ5(以下、高電圧印加部)に印加される電源電圧は、CPU1及びレベルシフト部2(以下、低電圧印加部)に印加される電源電圧よりも高電圧である。トランスTR1及びTR2は、モータ駆動システムMDSの破壊を避けるため、高電圧印加部と低電圧印加部とを電気的に分離するために用いられる。
【0022】
CPU1は、外部からの制御信号CONに応じて、モータ5の駆動を制御する。CPU1は、電源電圧GND1+V3及び接地電圧GND1が印加されることにより、電源供給を受ける。CPU1は、モータ5を駆動するため、信号UH及びULを出力する。なお、信号UH及びULは、一対の差動信号である。
【0023】
レベルシフト部2は、増幅器AMP1及びAMP2を有する。増幅器AMP1及びAMP2は、電源電圧GND1+V3が印加され、接地端子がCPU1に接続されることにより、電源供給を受ける。増幅器AMP1は、信号UHの電圧レベルをシフトさせた信号をトランスTR1に出力する。増幅器AMP2は、信号ULの電圧レベルをシフトさせた信号をトランスTR2に出力する。
【0024】
トランスTR1は、レベルシフト部2とゲートドライブ部3との間の絶縁を維持しつつ、信号UHをゲートドライブ部3に伝達する。トランスTR2は、レベルシフト部2とゲートドライブ部3との間の絶縁を維持しつつ、信号ULをゲートドライブ部3に伝達する。
【0025】
ゲートドライブ部3は、増幅器AMP3及びAMP4を有する。増幅器AMP3は、電源電圧VOUT+V2及び接地電圧として出力電圧VOUTが印加されることにより、電源供給を受ける。増幅器AMP3は、信号UHを増幅した信号を、駆動部4に出力する。増幅器AMP4は、電源電圧GND2+V2及び接地電圧GND2が印加されることにより、電源供給を受ける。増幅器AMP4は、信号ULを増幅した信号を、駆動部4に出力する。
【0026】
駆動部4は、リレーREL1及びREL2を有する。リレーREL1には、電源電圧GND2+V1を出力する電源と出力電圧VOUTを出力するノードとの間に接続される。リレーREL1の制御端子は増幅器AMP3の出力と接続され、オン/オフが制御される。リレーREL2には、電源電圧GND2を出力する電源と出力電圧VOUTを出力するノードとの間に接続される。リレーREL2の制御端子は増幅器AMP4の出力と接続され、オン/オフが制御される。これにより、駆動部4は、モータ5に出力電圧VOUTを出力する。
【0027】
駆動部4では、リレーREL1及びREL2は、同期して動作することが求められる。従って、モータ駆動システムMDSでは、リレーREL1及びREL2の制御に、差動信号である信号UH及びULを用いている。そのため、トランスTR1及びTR2には、高い絶縁耐圧のみならず、差動信号の信号品質を劣化させないよう、電気的対称性も要求される。
【0028】
実施の形態1
続いて、本発明の実施の形態1にかかるトランス100について説明する。実施の形態1にかかるトランス100及び以降の実施の形態にかかるトランスは、例えば図1に示すように、絶縁耐圧と電気対称性が要求される装置やシステムで用いられる。
【0029】
トランス100は、インダクタ101及びインダクタ102を有する。インダクタ101及び102は、重ね合わせて配置されることにより、1つのトランスを構成する。図2は、実施の形態1にかかるトランス100のインダクタ101の構成を示す上面図である。インダクタ101は、配線W11〜W14及び交差部11〜13を有する。図3A〜Dは、それぞれインダクタ101の配線W11〜W14を示す上面図である。配線W11〜W14は、開いた環の形状を有し、同心円状に配置される。図1では、例として配線W11〜W14が四角形状を有する場合について説明する。
【0030】
交差部11〜13はそれぞれ異なる配線間を接続する。図4Aは、インダクタ101の交差部11の構成を示す斜視図である。交差部11は、上層に配線W11及びW12が形成され、下層に連結配線CW1が形成される。上層に連続して配線が形成されることにより、配線W11と配線W12とが接続される。また、配線W11と配線W13とは、層間配線VW1及び連結配線CW1を介して接続される。
【0031】
図4Bは、交差部12の構成を示す斜視図である。交差部12は、上層に配線W12及びW14が形成され、下層に連結配線CW1が形成される。配線W12と配線W14とは、層間配線VW1及び連結配線CW1を介して、接続される。
【0032】
図4Cは、交差部13の構成を示す斜視図である。交差部13は、上層に配線W13及びポートP2に繋がる配線が形成され、下層に連結配線CW1が形成される。配線W13とポートP2とは、層間配線VW1及び連結配線CW1を介して、接続される。
【0033】
これにより、ポートP1→配線W14→交差部12→配線W12→配線W11→交差部11→配線W13→交差部13→ポートP2の経路を有するインダクタが構成される。換言すれば、最も内側の配線である配線W11は、1つ外側の配線W12及び2つ外側の配線W13と接続される。また、最も外側の配線W14は、2つ内側の配線W12と接続される。
【0034】
図2では、配線を4本有する場合について説明したが、これは例示に過ぎない。すなわち、図2に示す構成を、3本以上の配線を有する構成とすることも可能である。なお、電気的対称性を確保する観点からは、配線の数は偶数であることが望ましい。また、任意の本数の配線が存在する場合には、最も内側の配線は、1つ外側の配線及び2つ外側の配線と接続され、それ以外の配線は、2つ外側の配線と接続されればよい。
【0035】
図5は、実施の形態1にかかるトランス100の構成を示す上面図である。トランス100は、180°回転させたインダクタ102に、インダクタ101を重ねた構成を有する。この例では、インダクタ101及び102は、中心軸を共有する。インダクタ102は、インダクタ101の上層と下層とを入れ換えた構成を有する。インダクタ102の配線W15〜W18は、インダクタ101の配線W11〜W14に対応する。インダクタ102の交差部14〜16は、インダクタ101の交差部11〜13に対応する。交差部14〜16の連結配線CW2及び層間配線VW2は、それぞれ交差部11〜13の連結配線CW1及び層間配線VW1に対応する。インダクタ102のポートP3及びP4は、インダクタ101のポートP1及びP2に対応する。すなわち、インダクタ102では、連結配線CW2が上層に、配線W15〜W18が下層に形成されている。
【0036】
図6は、図5のVI−VI線におけるトランス100の断面構成を示す断面図である。トランス100は、配線層L1〜L4の4つの配線層と、各配線層を電気的に絶縁する絶縁層(不図示)を有する。インダクタ101の配線W11〜W14は、最上層の配線層L4に形成される。連結配線CW1は、配線層L4の1層下の配線層L3に形成される。層間配線VW1は、絶縁層を貫いて、配線W11と連結配線CW1とを接続し、配線W13と連結配線CW1とを接続する。
【0037】
インダクタ102の配線W15〜W18は、最下層の配線層L1に形成される。連結配線CW2は、配線層L1の1層上の配線層L2に形成される。層間配線VW2は、絶縁層を貫いて、配線W15と連結配線CW2とを接続し、配線W17と連結配線CW2とを接続する。
【0038】
つまり、トランス100では、交差部11と交差部14との水平方向の距離を、インダクタの内径Dだけ離隔させることができる。よって、一般的なトランスと比べ、交差部の距離を広げることができる。よって、配線層L2と配線層L3との間の絶縁層で起こる恐れのある、同層間での絶縁破壊を抑制することができる。
【0039】
なお、上述の交差部の配置は例に過ぎない。トランスの中心軸を通る線でトランスを2つの領域に2分割した場合、一方の領域に一方のインダクタの交差部が配置され、他方の領域に他方のインダクタの交差部が配置されていればよい。
【0040】
また、トランス100では、配線が1本おきに接続されたインダクタにより構成される。よって、スパイラル方式のインダクタを用いる場合と比べて、より電気的対称性を向上させることができる。以下にその理由について、図1に示すインダクタ101及び図17に示すスパイラル方式のインダクタ701を例に説明する。図7は、インダクタのインピーダンスを検討するためのインダクタの概略構成を示す上面図である。図1に示すインダクタ101及び図17に示すスパイラル方式のインダクタ701は、ともに4周巻きのインダクタである。図7では、インダクタの構造を単純化して、4巻きの環状の配線W1〜W4を表示している。また、中心線Lでインダクタの左右を分け、配線W1〜W4の左側領域のインピーダンスをZ1L〜Z4L、配線W1〜W4の右側領域のインピーダンスをZ1R〜Z4Rとする。なお、インダクタには、本来配線間の相互作用や他の寄生容量も存在する。よって、図7は検討に便宜のために簡略化した構成を表示している。
【0041】
インダクタンスなどの主要なインピーダンスは、配線長が長いほど大きくなる。よって、図7では、Z4L=Z4R>Z3L=Z3R>Z2L=Z2R>Z1L=Z1Rの関係が成立すると見なすことができる。また、インダクタの寄生容量も、配線長が長いほど大きい。ここでは、最大の容量である配線W3と配線W4との間の容量C34L及びC34Rのみを考慮する。
【0042】
ここで、インダクタ101及びスパイラル方式のインダクタ701について、ポートP1からポートP2へ至る経路と、ポートP2からポートP1へ至る経路と、におけるインピーダンスについて検討する。図8Aは、スパイラル方式のインダクタ701のポートP1からポートP2へ至る経路のインピーダンスを示す模式図である。図8Bは、スパイラル方式のインダクタ701のポートP2からポートP1へ至る経路のインピーダンスを示す模式図である。図8A及び図8Bに示すように、スパイラル方式のインダクタ701では、ポートP1からポートP2へ至る経路と、ポートP2からポートP1へ至る経路と、で各配線のインピーダンス及び容量の配置が左右で異なり、アンバランスである。
【0043】
図9Aは、インダクタ101のポートP1からポートP2へ至る経路のインピーダンスを示す模式図である。図9Bは、インダクタ101のポートP2からポートP1へ至る経路のインピーダンスを示す模式図である。図9A及び図9Bに示すように、インダクタ101では、ポートP1からポートP2へ至る経路と、ポートP2からポートP1へ至る経路と、で各配線のインピーダンス及び容量の配置が、スパイラル方式のインダクタ701に比べて、左右で対称的である。よって、インダクタ101は、スパイラル方式のインダクタ701に比べて、経路の相違によるインピーダンスの変化が少なく、電気的対称性に優れることが理解できる。
【0044】
以上より、本構成によれば、高い絶縁耐圧と電気的対称性を有するトランスを提供することができる。
【0045】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2にかかるトランス200について説明する。トランス200は、インダクタ201とインダクタ202を有する。インダクタ201及び202は、重ね合わせて配置されることにより、1つのトランスを構成する。図10は、実施の形態2にかかるトランス200のインダクタ201の構成を示す上面図である。インダクタ201は、配線W21〜W24及び交差部21及び23を有する。配線W21〜W24は、開いた環状の形状を有し、同心円状に配置される。
【0046】
交差部21は、実施の形態1にかかるトランス100の交差部11及び交差部12を1つの交差部にまとめ、位置を移動したものである。交差部23は、実施の形態1にかかるトランス100の交差部13に対応する。交差部21及び23は、四角形を有するインダクタ201の一角に寄せて配置される。
【0047】
これにより、ポートP1→配線W24→交差部23→交差部21→配線W22→配線W21→交差部21→配線W23→交差部23→ポートP2の経路を有するインダクタが構成される。換言すれば、実施の形態1と同様に、最も内側の配線である配線W21は、1つ外側の配線W22及び2つ外側の配線W23と接続される。また、最も外側の配線W24は、2つ内側の配線W22と接続される。
【0048】
図10では、実施の形態1と同様に、配線を4本有する場合について説明したが、インダクタとして機能するには、配線は3本以上が望ましい。なお、電気的対称性を確保する観点からは、配線の数は偶数であることが望ましい。また、任意の本数の配線が存在する場合には、最も内側の配線は、1つ外側の配線及び2つ外側の配線と接続され、それ以外の配線は、2つ外側の配線と接続されればよい。
【0049】
図11は、実施の形態2にかかるトランス200の構成を示す上面図である。トランス200は、180°回転させたインダクタ202に、インダクタ201を重ねた構成を有する。この例では、インダクタ201及び202は、中心軸を共有する。インダクタ202は、インダクタ201の上層と下層とを入れ換えた構成を有する。インダクタ202の配線W25〜W28は、インダクタ201の配線W21〜W24に対応する。インダクタ202の交差部24及び26は、インダクタ201の交差部21及び23に対応する。インダクタ202のポートP3及びP4は、インダクタ201のポートP1及びP2に対応する。
【0050】
つまり、トランス200では、交差部21と交差部24との水平方向の距離を、インダクタの内径Dの√2倍だけ離隔させることができる。よって、トランス100と比べて、より交差部の距離を広げることができる。よって、配線層L2と配線層L3との間の絶縁層で起こる恐れのある、同層間での絶縁破壊を更に抑制することができる。
【0051】
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3にかかるトランス300について説明する。トランス300は、実施の形態1にかかるトランス100と同様、インダクタ101とインダクタ102を有する。インダクタ101及び102は、重ね合わせて配置されることにより、1つのトランスを構成する。但し、トランス300は、トランス100と比べて、インダクタ101及び102の重ね合わせ方が異なる。インダクタ101及び102の構成については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0052】
図12は、実施の形態3にかかるトランス300の構成を示す上面図である。トランス300は、180°回転させたインダクタ102に、インダクタ101を重ねた構成を有する。但し、インダクタ101の配線とインダクタ102の配線とが重なる部分を最小化している。具体的には、インダクタ101は、インダクタ102に対して、配線の形成ピッチAの半分だけ、図12の紙面水平及び鉛直方向にずれて配置される。つまり、インダクタ101とインダクタ102とは、中心軸がずれている。
【0053】
図13は、図12のXIII−XIII線におけるトランス300の断面構成を示す断面図である。トランス300では、インダクタ101の配線W11〜W14は、最上層の配線層L4に形成される。インダクタ102の配線W15〜W18は、最下層の配線層L1に形成される。図13に示すように、配線W11〜W14は、配線W15〜W18と重ならないように配置される。
【0054】
一般に、図13に示すように、積層構造に設けられた配線層間には、寄生容量が生じる。ところが、トランス300では、配線W11〜W14を配線W15〜W18と重ならないように配置することで、寄生容量を低減することが可能となる。
【0055】
従って、本構成によれば、トランス100と同じ作用を奏するのみならず、更に寄生容量を低減することができるトランスを提供することができる。
【0056】
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4にかかるトランス400について説明する。トランス400は、インダクタ401とインダクタ402を有する。インダクタ401及び402は、重ね合わせて配置されることにより、1つのトランスを構成する。
【0057】
図14は、実施の形態4にかかるトランス400のインダクタ401の構成を示す上面図である。インダクタ401は、実施の形態1にかかるインダクタ101の変形例である。インダクタ401の配線W41〜44は、インダクタ101の配線W11〜W14に対応する。インダクタ401の交差部41〜43は、インダクタ101の交差部11〜13に対応する。
【0058】
配線W11〜W14は、それぞれ配線の太さが異なる。具体的には、内側の配線ほど幅が細くなる。図14では、配線W14から配線W11へ向けて配線が細くなる例について示している。なお、インダクタ402についても、それぞれの配線の太さが異なる他は、実施の形態1かかるインダクタ102と同様の構成を有するので、説明を省略する。また、トランス400は、トランス100のインダクタ101及び102をインダクタ401及び402に置換したのみであるので、説明を省略する。
【0059】
トランス400は、配線を徐々に細くすることで、インダクタの占有面積を縮小することが可能である。よって、本構成によれば、トランスの小型化を実現することが可能となる。
【0060】
図14では、配線W14から配線W11へ向けて配線が細くなる例について説明したがた、これは例示に過ぎない。例えば、配線W11から配線W14へ向けて配線が細くなる構成とすることも可能である。また、ランダムに配線幅を異ならせることも可能である。しかしながら、配線を細くすると配線の抵抗成分が大きくなってしまう。従って、抵抗成分の増大を抑制するには、長さが短い内側の配線を細くすることが望ましい。
【0061】
実施の形態5
次に、本発明の実施の形態5にかかるトランス500について説明する。トランス500は、インダクタ501とインダクタ502を有する。インダクタ501及び502は、重ね合わせて配置されることにより、1つのトランスを構成する。
【0062】
図15は、実施の形態5にかかるトランス500のインダクタ501の構成を示す上面図である。インダクタ501は、2重構造のインダクタであり、実施の形態1にかかるインダクタ101を2個直列につないだ構成を有する。図15に示すように、インダクタ501は、第1のインダクタ部5011及び第2のインダクタ部5012を有する。第1のインダクタ部5011及び第2のインダクタ部5012は、インダクタ101と同様の構成を有する。但し、第1のインダクタ部5011では、インダクタ101のポートP2を接続点CP1に置換している。第2のインダクタ部5012では、インダクタ101のポートP1を接続点CP2に置換している。そして、接続点CP1及びCP2は、配線WCPにより接続される。また、インダクタ502は、インダクタ501と同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0063】
本構成によれば、複数のインダクタを直列接続することで、インダクタによる占有面積を大きくすることなく、インダクタンスを増大させることができる。これにより、トランスの小型化を実現することができる。
【0064】
また、第1のインダクタ部5011と第2のインダクタ部5012との間の寄生容量を小さくできるので、コモンモードノイズ耐性を好適に向上させることができる。
【0065】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態3にかかるトランス300では、インダクタ101及び102を用いたが、これは例示に過ぎない。すなわち、インダクタ201及び202、又はインダクタ401及び402、インダクタ501を用いることができる。
【0066】
実施の形態4では、インダクタ101の変形例であるインダクタ401について説明したが、これは例示に過ぎない。インダクタ201の変形例として、インダクタ201又は501の配線幅を変化させたインダクタとして構成することも可能である。また、実施の形態3においても、インダクタ201又は501の配線幅を変化させたインダクタを適用することも可能である。
【0067】
実施の形態4では、インダクタ101と同様の構成を有する第1のインダクタ部5011及び第2のインダクタ部5012を用いる場合について説明したが、これは例示に過ぎない。すなわち、インダクタ201、401及びインダクタ201の配線幅を変化させたインダクタを適用することも可能である。
【0068】
上述の実施の形態では、配線層L2と配線層L3と層間絶縁膜を介して隣接する構成例について説明したが、これは例示に過ぎない。すなわち、配線層L2と配線層L3との間には、複数の絶縁層が形成されていてもよいし、配線層L2及びL3と絶縁された、絶縁層以外の他の層が形成されていてもよい。
【0069】
上述の実施の形態では、配線層L2と配線層L3と層間絶縁膜を介して隣接する構成例について説明したが、これは例示に過ぎない。すなわち、配線層L2と配線層L3との間には、複数の絶縁層が形成されていてもよいし、配線層L2及びL3と絶縁された、絶縁層以外の他の層が形成されていてもよい。
【0070】
上述の実施の形態では、四角形のインダクタを例に説明したが、インダクタの形状は、これに限られない。インダクタの形状は、四角形以外の任意の多角形としてもよいし、円形又は楕円形としてもよい。多角形とする場合には、最も離隔した2頂点の一方に、一方のインダクタの交差部を配置し、2頂点の他方に他方のインダクタの交差部を配置すれば、好適に同層間の絶縁破壊を防止できる。また、最も離隔した2辺の一方に、一方のインダクタの交差部を配置し、2辺の他方に他方のインダクタの交差部を配置すれば、好適に同層間の絶縁破壊を防止できる。
【符号の説明】
【0071】
1 CPU
2 レベルシフト部
3 ゲートドライブ部
4 駆動部
5 モータ
11〜16、21、23、24、26、41〜43、61〜66 交差部
100、200、300、400、500、600、TR1、TR2 トランス
101、102、201、202、301、302、401、402、501、502 インダクタ
601、602 対称型インダクタ
701 スパイラル方式のインダクタ
5011 第1のインダクタ部
5012 第2のインダクタ部
AMP1〜AMP4 増幅器
CON 制御信号
CP1、CP2 接続点
CW1、CW2、CW61、CW62 連結配線
L1〜L4、L61〜L64 配線層
MDS モータ駆動システム
P1、P2 ポート
REL1、REL2 リレー
UH、UL 信号
VW1、VW2、VW61、VW62 層間配線
W1〜W4、W11〜W18、W21〜W28、W41〜44、W61〜W68 配線
WCP 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のインダクタと、
前記第1のインダクタに対して中心軸を回転軸として180°回転し、前記第1のインダクタと対向配置される第2のインダクタと、を備え、
前記第1のインダクタは、
第1の配線層に同心状に形成され、開いた環の形状を有する複数の配線と、
前記第1及び第2のインダクタの中心軸を通る線で2分割される領域の一方である第1の領域に形成され、当該第1のインダクタの前記複数の配線のうちの第1の配線と、前記第1の配線の2つ外側の第2の配線と、を接続する第1の交差部と、を備え、
前記第1の交差部は、
前記第1の配線層よりも下層の第2の配線層に形成された第1の連結配線と、
前記第1の配線と前記第1の連結配線と、及び前記第2の配線と前記第1の連結配線と、を接続する第1の層間配線と、を備え、
最も内側の前記第1の交差部は、最も内側の配線と、前記最も内側の配線の1つ外側の配線とが、前記第1の配線層に連続的に形成され、
前記第2のインダクタは、
前記第2の配線層よりも下層の第3の配線層に同心状に形成され、開いた環状の形状を有する複数の配線と、
前記第1及び第2のインダクタの中心軸を通る線で2分割される領域の他方である第2の領域に形成され、当該第2のインダクタの前記複数の配線のうちの第3の配線と、前記第3の配線の2つ外側の第4の配線と、を接続する第2の交差部と、を備え、
前記第2の交差部は、
前記第2の配線層と前記第3の配線層との間の第4の配線層に形成された第2の連結配線と、
前記第3の配線と前記第2の連結配線と、及び前記第4の配線と前記第2の連結配線と、を接続する第2の層間配線と、を備え、
最も内側の前記第2の交差部は、最も内側の配線と、前記最も内側の配線の1つ外側の配線とが、前記第3の配線層に連続的に形成される、
トランス。
【請求項2】
前記第1のインダクタの前記複数の配線及び前記第2のインダクタの前記複数の配線は、中心軸を囲む同心状に形成された多角形の開いた環として形成されることを特徴とする、
請求項1に記載のトランス。
【請求項3】
前記第1の交差部は、前記多角形を構成する第1の頂点に近接して形成され、
前記第2の交差部は、前記多角形を構成する第2の頂点に近接して形成され、
前記第1の頂点と前記第2の頂点とは、他の頂点間と比較して最も離隔していることを特徴とする、
請求項2に記載のトランス。
【請求項4】
前記第1の交差部は、前記多角形を構成する第1の辺上に形成され、
前記第2の交差部は、前記多角形を構成する第2の返上に形成され、
前記第1の辺と前記第2の辺とは、他の辺間と比較して最も離隔していることを特徴とする、
請求項2又は3に記載のトランス。
【請求項5】
前記第1のインダクタの前記複数の配線及び前記第2のインダクタの前記複数の配線は、中心軸を囲む同心状に形成された円形又は楕円形の開いた環として形成されることを特徴とする、
請求項1に記載のトランス。
【請求項6】
前記第1のインダクタの中心軸と前記第2のインダクタの中心軸とは、ずれて配置されることを特徴とする、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトランス。
【請求項7】
前記第1のインダクタの前記複数の配線は、それぞれの配線の幅が異なり、
前記第2のインダクタの前記複数の配線は、それぞれの配線の幅が異なることを特徴とする、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトランス。
【請求項8】
前記第1のインダクタの前記複数の配線及び前記第2のインダクタの前記複数の配線は、外側から内側へ向かって幅が細くなることを特徴とする、
請求項7に記載のトランス。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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