説明

トリアゾロピリジン化合物

式(Ia)の化合物または薬学的に許容できるその塩および/もしくは(水和物を含む)溶媒和物、または式(Ib)の化合物または薬学的に許容できるその塩および/もしくは(水和物を含む)溶媒和物、ならびにTNF媒介性の疾患、障害、もしくは状態、またはp38媒介性の疾患、障害、もしくは状態、特に、アレルギー性および非アレルギー性の気道疾患、より詳細には閉塞性または炎症性の気道疾患、好ましくは慢性閉塞性肺疾患の治療における式(Ia)または(Ib)の化合物の使用。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアゾロピリジニルスルファニル誘導体に関する。より詳細には、本発明は、アミノ基を含むピラゾリル−[(トリアゾロピリジニルスルファニル)−ベンジル]−尿素誘導体、ならびにそのような誘導体の調製方法、その調製で使用する中間体、それを含有する組成物、およびその使用に関する。
【0002】
本発明のトリアゾロピリジニルスルファニル誘導体は、p38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(「p38MAPK」、「p38キナーゼ」、または「p38」)、特にp38αキナーゼの阻害剤であり、また腫瘍壊死因子(「TNF」)産生、特にTNFαの阻害剤である。この誘導体は、特に、アレルギー性および非アレルギー性の気道疾患、より詳細には閉塞性または炎症性の気道疾患、たとえば慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)の治療において、いくつかの治療用途を有する。
【背景技術】
【0003】
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAP)は、自身の基質を二重リン酸化によって活性化するプロリン指向性セリン/スレオニンキナーゼからなるファミリーの一員である。キナーゼは、栄養性および浸透圧性のストレス、紫外光、成長因子、エンドトキシン、ならびに炎症性サイトカインを含む様々なシグナルによって活性化される。p38MAPキナーゼグループは、p38α、p38β、およびp38γを含む様々なアイソフォームからなるMAPファミリーである。これらのキナーゼは、転写因子(たとえばATF2、CHOP、およびMEF2C)、ならびに他のキナーゼ(たとえばMAPKAP−2およびMAPKAP−3)のリン酸化および活性化を司る。p38アイソフォームは、細菌のリポ多糖、物理的化学的なストレス、ならびに腫瘍壊死因子(「TNF」)およびインターロイキン1(「IL−1」)を含む炎症促進性サイトカインによって活性化される。p38リン酸化の産物は、TNFを含む炎症性サイトカイン産生の媒介となる。
【0004】
TNFは、主に活性化した単球およびマクロファージによって産生されるサイトカインである。過剰または未制御のTNF(特にTNF−α)産生は、いくつかの疾患の媒介となることに関係付けられており、一般には、TNFが炎症という結果を引き起こし、またはそれに寄与する場合があると考えられている。
【0005】
IL−8は、単核細胞、線維芽細胞、内皮細胞、およびケラチノサイトによって産生される別の炎症促進性サイトカインである。このサイトカインは、炎症を含む状態に関連する。IL−1は、活性化した単球およびマクロファージによって産生され、炎症応答に関与する。IL−1は、関節リウマチ、発熱、および骨吸収の減少を含む多くの病態生理学的な応答において役割を果たす。
【0006】
TNF、IL−1、およびIL−8は、広範な種類の細胞および組織に影響を及ぼし、広範な種類の状態の重要な炎症メディエーターとなる。p38キナーゼを阻害する化合物は、ヒト単球におけるIL−1、IL−8、およびTNF合成を阻害する。
【0007】
p38キナーゼ阻害剤は、当業者によく知られている。J.Med.Chem.2002年、第45巻、2994〜3008ページは、p38キナーゼの阻害剤として特定のピラゾール尿素化合物を開示している。国際特許出願PCT/IB02/00424(WO02/072579)は、MAPキナーゼ、好ましくはp38キナーゼの阻害剤としてトリアゾロピリジンを開示している。PCT/IB2005/002574(WO2006/018718)は、ピラゾリル−[(トリアゾロピリジニルスルファニル)−ベンジル]−尿素誘導体に関するものである。
【0008】
国際特許出願PCT IB2004/000363(WO2004/072072、国際公開日2004年8月26日)は、特定の疾患を治療する抗炎症性化合物として有用なトリアゾロピリジンを開示している。この文献はその全体が参照により援用される。
【0009】
本発明の化合物は、広範囲な障害の治療において潜在的に有用である。閉塞性または炎症性の気道疾患の治療に加え、本発明の化合物は、TNF/p38媒介性の疾患、たとえば、喘息、慢性もしくは急性の気管支収縮、気管支炎、急性肺障害および気管支拡張症、炎症全般(たとえば炎症性腸疾患)、関節炎、神経の炎症、疼痛、発熱、線維性疾患、肺の障害および疾患(たとえば、過酸素による肺胞傷害)、心血管疾患、虚血後の再灌流傷害およびうっ血性心不全、心筋症、脳卒中、虚血、再灌流傷害、腎臓の再灌流傷害、脳水腫、神経外傷および頭部外傷、神経変性障害、中枢神経系障害、肝疾患および腎炎、消化器系の状態、潰瘍性疾患、眼疾患、眼科学的な状態、緑内障、眼組織への急性傷害および眼外傷、糖尿病、糖尿病性腎症、皮膚に関連した状態、感染による筋肉痛、インフルエンザ、内毒素ショック、毒素性ショック症候群、自己免疫疾患、移植片拒絶、骨吸収疾患、多発性硬化症、乾癬、女性生殖系の障害、病的な(しかし悪性でない)状態、たとえば、血管腫、上咽頭の血管線維腫、無血管性骨壊死、癌を含む良性および悪性の腫瘍/異常増殖、白血病、リンパ腫、全身性エリテマトーデス(SLE)、異常増殖を含む血管形成、出血、凝血、放射線による損傷、および/または転移の治療に使用することができると考えられている。活性TNFの長期にわたる放出は、悪液質および食欲不振を引き起こす場合があり、TNFは致死的ともなり得る。
【0010】
TNFは、感染症にも関係付けられている。感染症にはたとえば、マラリア、ミコバクテリア感染、および髄膜炎が含まれる。感染症には、HIV、インフルエンザウイルス、ならびに中でも単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス6(HHV−6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV−7)、ヒトヘルペスウイルス8(HHV−8)、仮性狂犬病、および鼻気管炎を含むヘルペスウイルスなどのウイルス感染も含まれる。
【0011】
閉塞性または炎症性気道疾患の治療は、好ましい用途である。閉塞性または炎症性気道疾患のすべての形態、特に、慢性好酸球性肺炎、COPD、慢性気管支炎を含むCOPD、COPDに関連するまたは関連しない肺気腫または呼吸困難、不可逆性の進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸促拍症候群(ARDS)、他の薬物治療の結果として生じる気道反応亢進の激化、ならびに肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択される一員である閉塞性または炎症性の気道疾患は、本発明の化合物で治療できる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
好適な薬物候補である新しいTNF阻害剤/p38キナーゼ阻害剤を提供することが求められている。新しいTNF阻害剤/p38キナーゼ阻害剤は、良好な効力、他の関連したタンパク質キナーゼを選択しない高レベルの選択性を示し、吸入経路によって有効な治療をもたらすのに特に適する特性を有し、アレルギー性および非アレルギー性の気道疾患(特に閉塞性または炎症性気道疾患)の治療に適し、非毒性であり、ほとんど副作用を示さず、吸入による投与に適する物理的性質を有し、安定で非吸湿性の物理形態で存在し、かつ/または製剤しやすいことが好ましい。本発明の化合物は、式(Ia)または(Ib)の化合物のアミノ置換基RまたはRを適切な酸と反応させることによって、酸付加塩を形成することができる。塩形態としての本発明の化合物は、薬物候補に望ましい他の特性に加えて、薬物候補に特に適する溶解性特性を有する。代替実施形態では、遊離の分子が、薬物候補に望ましい他の特性に加え、望ましい溶解性特性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、
式(Ia)の化合物
【0014】
【化1】

または薬学的に許容できるその塩および/もしくは(水和物を含む)溶媒和物[式中、
は、CH、SCH、SCHCH、CHCH、H、またはCHSCHであり、
1aは、CHまたはCHCHであり、
は、次式
【0015】
【化2】

[式中、Aは、xが2または3である−O−(CH−、およびyが1、2、または3である−(CH−から選択され、
およびRは、メチル、エチル、およびプロピルからそれぞれ独立に選択されるか、またはこれらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、またはピペラジニル環を形成している]であり、
およびRの一方はヒドロキシであり、他方はクロロおよびフルオロから選択される]、
または式(Ib)の化合物
【0016】
【化3】

または薬学的に許容できるその塩および/もしくは(水和物を含む)溶媒和物[式中、
およびRの一方はヒドロキシであり、他方はクロロおよびフルオロから選択され、
は、フェニル環の3位または4位にあり、次式
【0017】
【化4】

[式中、Aは、式(Ia)について上で定義したとおりであり、R10およびR11は、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、およびフェニルエチルからそれぞれ独立に選択されるか、またはR10およびR11は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはピペラジニル環を形成しており、前記ピペラジニル環は、4位がメチル、エチル、プロピル、またはベンジルで置換されていてもよく、前記ピロリジニルおよびピペリジニルはそれぞれ、フェニル環と縮合していてもよい]であり、
およびR1aは、式(Ia)について上で定義したとおりである]
が提供される。
【0018】
本明細書では、「治療」、「治療する」、または「治療すること」へのすべての言及は、治療的、姑息的、および/または予防的な治療を含むことを理解されたい。
【0019】
本明細書では、式「(I)」の化合物への言及はいずれも、「(Ia)」および/または「(Ib)」を意味することを理解されたい。
【0020】
「遊離分子」とは、本明細書では、化合物が、式(Ia)または(Ib)の化合物のアミノ置換基RまたはRと酸との反応から生成する酸付加塩の形態でないことを意味する。遊離分子は、溶媒和していても、溶媒和していなくてもよい。
【0021】
塩形態の化合物は、溶媒和していても、溶媒和していなくてもよい。
【0022】
「本発明の化合物(複数)」または「本発明の化合物(単数)」は、本明細書では、別段の指定がない限り、式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物(複数)もしくは化合物(単数)、または薬学的に許容できるその塩および/もしくは溶媒和物を意味し、以下で定義するようなそのすべての多形体および晶癖、そのプロドラッグ、異性体(光学異性体、幾何異性体、および互変異性体を含む)およびその混合物、ならびに式(Ia)または式(Ib)の同位体標識された化合物を含む。
【0023】
今回、式(Ia)または式(Ib)の化合物が、p38の阻害剤/TNF産生の阻害剤であり、TNFおよび/またはp38媒介性の疾患、障害、または状態の治療に特に有用であり、さらに吸入経路による投与に特に適することがわかった。
【0024】
は、CH、SCH、CHSCH、またはCHCHであることが好ましい。
【0025】
1aは、CHであることが好ましい。
【0026】
Aは、エトキシまたはメチルであることが好ましい。
【0027】
およびRは、両方ともメチルであるか、またはこれらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル環またはモルホリニル環を形成していることが好ましい。
【0028】
は、ジメチルアミノエトキシ、ジメチルアミノメチル、モルホリン−4−イルメチル、またはピロリジニルメチルであることが好ましい。
【0029】
より好ましくは、Rは、ジメチルアミノエトキシ、ジメチルアミノメチル、またはモルホリン−4−イルメチルである。
【0030】
は、フェニル環の3位にあることが好ましい。
【0031】
およびRの一方はヒドロキシであり、他方はクロロであることが好ましい。
【0032】
およびRは、フェニル環の2位および5位にあることが好ましい。
【0033】
およびRの一方はヒドロキシであり、他方はクロロであることが好ましい。
【0034】
およびRは、フェニル環の3位および4位にあることが好ましい。
【0035】
は、モルホリン−4−イルメチルまたはモルホリン−4−イルエトキシであることが好ましい。
【0036】
より好ましくは、Rは、4−(モルホリン−4−イルメチル)または3−(モルホリン−4−イルエトキシ)である。
【0037】
10およびR11は、これらが結合している窒素と一緒になって、モルホリニル環を形成していることが好ましい。
【0038】
本発明の別の実施形態では、
が、CH、CHCH、SCH、またはCHSCHであり、
1aがCHであり、
が、3位にあり、またジメチルアミノエトキシ、ジメチルアミノメチル、モルホリン−4−イルメチル、またはピロリジニルメチルであり、
およびRの一方がヒドロキシであり、他方がクロロおよびフルオロから選択される、式(Ia)の化合物または薬学的に許容できるその塩および/もしくは(水和物を含む)溶媒和物が提供される。
【0039】
本発明の別の実施形態では、
が、CH、CHCH、SCH、またはCHSCHであり、
1aがCHであり、
が、フェニル環の3位または4位にあり、またモルホリン−4−イルメチルまたはモルホリン−4−イルエトキシであり、
およびRの一方がヒドロキシであり、他方がクロロおよびフルオロから選択される、式(Ib)の化合物または薬学的に許容できるその塩および/もしくは(水和物を含む)溶媒和物が提供される。
【0040】
式(Ia)または式(Ib)の化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩が含まれる。
【0041】
適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から生成される。例には、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、アジピン酸塩、シクラミン酸塩、タンニン酸塩、ピログルタミン酸塩、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、キシナホ酸塩(1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキシラート)、およびトリフルオロ酢酸塩が含まれる。
【0042】
本発明の一実施形態では、式(Ia)または(Ib)の化合物は塩形態である。
【0043】
式(Ia)または(Ib)の化合物は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、アジピン酸塩、シクラミン酸塩、タンニン酸塩、ピログルタミン酸塩、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、キシナホ酸塩(1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボキシラート)、およびトリフルオロ酢酸塩から選択される塩の形態であることが好ましい。
【0044】
式(Ia)または(Ib)の化合物は、酢酸塩、メシル酸塩、フマル酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、重硫酸塩/硫酸塩、D−酒石酸、L−酒石酸、イセチオン酸塩、およびキシナホ酸塩から選択される塩の形態であることがより好ましい。
【0045】
酸の半塩、たとえば半硫酸塩を生成してもよい。
【0046】
適切な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、ドイツ国Weinheim、2002年)を参照されたい。
【0047】
式(Ia)または(Ib)の化合物の薬学的に許容できる塩は、以下の3方法の1つまたは複数によって調製することができる。
(i)式(Ia)または(Ib)の化合物を所望の酸と反応させることによる方法、
(ii)式(Ia)もしくは(Ib)の化合物の適切な前駆体から酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去する、または適切な環状前駆体、たとえばラクトンもしくはラクタムを、所望の酸もしくは塩基を使用して開環することによる方法、または
(iii)式(Ia)または(Ib)の化合物のある塩を、適切な酸もしくは塩基と反応させて、または適切なイオン交換カラムによって、別の塩に変換する方法。
【0048】
3つの反応はすべて、通常は溶液中で実施する。得られる塩は、析出し、濾過によって収集できる場合もあり、または溶媒を蒸発させて回収してもよい。得られる塩のイオン化の程度は、完全にイオン化したものからほとんどイオン化していないものまで様々となり得る。
【0049】
本発明の化合物は、溶媒和していない形態と溶媒和した形態のどちらで存在する場合もある。用語「溶媒和物」は、本明細書では、本発明の化合物と、1種または複数の化学量論量の薬学的に許容できる溶媒分子、たとえばエタノールとを含む分子複合体について述べるのに使用する。用語「水和物」は、前記溶媒が水であるときに用いる。
【0050】
本発明の範囲内には、上述の溶媒和物とは対照的に、薬物およびホストが化学量論量または非化学量論量で存在するクラスレート、すなわち薬物−ホスト包接複合体などの複合体が含まれる。化学量論量でも非化学量論量でもよい2種以上の有機および/または無機の成分を含有する薬物複合体も含まれる。得られる複合体は、イオン化していても、部分的にイオン化していても、またはイオン化していなくてもよい。そのような複合体の総説については、HaleblianによるJ Pharm Sci、第64巻(8)、1269〜1288ページ(1975年8月)を参照されたい。
【0051】
以下では、別段の指定がない限り、式(Ia)または式(Ib)の化合物への言及はすべて、その遊離分子、塩、溶媒和物、水和物、および複合体、ならびにその塩の溶媒和物および複合体への言及を含む。
【0052】
本発明の化合物には、そのすべての多形体および晶癖を含む、上で定義した式(Ia)または式(Ib)の化合物、以下で定義するそのプロドラッグおよび異性体(光学異性体、幾何異性体、および互変異性体を含む)、ならびに同位体標識された式(Ia)または式(Ib)の化合物が含まれる。
【0053】
示したとおり、式(Ia)または式(Ib)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」も、本発明の範囲内である。すなわち、それ自体は薬理活性をほとんどまたは全くもたなくてもよい式(Ia)または式(Ib)の化合物の特定の誘導体は、身体中または身体上に投与されたとき、たとえば加水分解による切断によって、所望の活性を有する式(Ia)または式(Ib)の化合物に変換される場合がある。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。プロドラッグの使用についてのこれ以上の情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T.HiguchiおよびW.Stella)、および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E.B.Roche編、米国薬剤師会)で見ることができる。
【0054】
本発明によるプロドラッグは、たとえばH.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)に記載されているように、たとえば、式(Ia)または式(Ib)の化合物中に存在する適切な官能基を、当業者に「pro−部分」として知られている特定の部分と交換して生成することができる。
【0055】
本発明によるプロドラッグの一部の例には、以下のものが含まれる。
(i)式(Ia)または式(Ib)の化合物がアルコール官能基(−OH)を含んでいる場合、そのエーテル、たとえば、式(Ia)または式(Ib)の化合物のアルコール官能基の水素が(C〜C)アルカノイルオキシメチルによって置換されている化合物、および
(ii)式(Ia)または式(Ib)の化合物が第一級または第二級アミノ官能基(−NHまたは−NHR(R≠H))を含んでいる場合、そのアミド、たとえば、場合により、式(Ia)または式(Ib)の化合物のアミノ官能基の一方または両方の水素が(C〜C10)アルカノイルによって置換されている化合物。
【0056】
前述の例および他のプロドラッグタイプの例に従う置換基のこれ以上の例は、上述の参考文献で見ることができる。
【0057】
さらに、特定の式(Ia)または式(Ib)の化合物は、それ自体が、他の式(Ia)または式(Ib)の化合物のプロドラッグとして働く場合もある。
【0058】
式(Ia)または式(Ib)の化合物の代謝産物、すなわち、薬物が投与されるとin vivoで生成する化合物も、本発明の範囲内に含まれる。本発明による代謝産物の一部の例には、以下のものが含まれる。
(i)式(Ia)または式(Ib)の化合物が(C〜C)アルキル基を含んでいる場合、そのヒドロキシ(C〜C)アルキル誘導体。たとえば、式(Ia)または式(Ib)の化合物がメチル基を含んでいる場合、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH→−CHOH)、
(ii)式(Ia)または式(Ib)の化合物がアルコキシ基を含んでいる場合、そのヒドロキシ誘導体(−OR→−OH)、
(iii)式(Ia)または式(Ib)の化合物が第三級アミノ基を含んでいる場合、その第二級アミノ誘導体(−NR→−NHRまたは−NHR)、
(iv)式(Ia)または式(Ib)の化合物が第二級アミノ基を含んでいる場合、その第一級誘導体(−NHR→−NH)、
(v)式(Ia)または式(Ib)の化合物がフェニル部分を含んでいる場合、そのフェノール誘導体(−Ph→−PhOH)、
(vi)式(Ia)または式(Ib)の化合物がアミド基を含んでいる場合、そのカルボン酸誘導体(−CONH→COOH)、および
(vii)式(Ia)または式(Ib)の化合物がS−(C〜C)アルキル基を含んでいる場合、そのS(O)(C〜C)アルキル誘導体。たとえば、式(Ia)または式(Ib)の化合物がS−メチル基を含んでいる場合、そのS(O)メチル誘導体、また式(Ia)または式(Ib)の化合物がアルキル−S−アルキル基を含んでいる場合、そのアルキル−S(O)−アルキル誘導体。
【0059】
本発明の別の態様では、式(Ia)または式(Ib)の化合物の活性代謝物が提供される。
【0060】
1個または複数の不斉炭素原子を含んでいる式(Ia)または式(Ib)の化合物は、2種以上の立体異性体として存在する場合がある。構造異性体が低いエネルギー障壁で相互変換可能な場合では、互変異性体の異性(「互変異性」)が起こり得る。これは、たとえばイミノ、ケト、またはオキシム基を含んでいる式(Ia)または(Ib)の化合物ではプロトン互変異性、または芳香族部分を含んでいる化合物ではいわゆる原子価互変異性の形をとり得る。このため、単一化合物が1種類に留まらない異性を示す場合もある。
【0061】
本発明の範囲には、1種類に留まらない異性を示す化合物を含めて、式(Ia)または式(Ib)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体、および互変異性体形態、ならびにこれらの1種または複数の混合物が含まれる。対イオンが光学的に活性のある酸付加塩、たとえばd−乳酸塩もしくはl−リジン、またはラセミ化合物、たとえばdl−酒石酸塩もしくはdl−アルギニンも含まれる。
【0062】
個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技術には、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、またはたとえばキラルな高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
【0063】
別法として、ラセミ体(またはラセミの前駆体)を、光学活性のある適切な化合物、たとえばアルコールと、または式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物が塩基性部分を含んでいる場合では酒石酸などの酸と反応させてもよい。得られるジアステレオ異性体混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別再結晶によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている手段によって、対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
【0064】
本発明のキラルな化合物(およびそのキラルな前駆体)は、0〜50体積%、通常は2%〜20%のイソプロパノール、および0〜5体積%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いる不斉樹脂でのクロマトグラフィー、通常はHPLCを使用して、鏡像異性体を豊富に含む形で得ることができる。溶出液を濃縮すると、濃縮された混合物が得られる。
【0065】
立体異性体の集合体は、当業者に知られている従来の技術によって分離することができる。たとえば、E.L.ElielおよびS.H.Wilenによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、ニューヨーク、1994年)を参照されたい。
【0066】
本発明は、1個または複数の原子が、原子番号が同じであるが、原子質量または質量数が自然界で優位を占める原子質量または質量数と異なる原子によって置換されている、薬学的に許容できるすべての同位体標識された式(Ia)または式(Ib)の化合物を含む。
【0067】
本発明の化合物に適する同位体の例には、HやHなどの水素、11C、13C、14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、13Nや15Nなどの窒素、15O、17O、および18Oなどの酸素、35Sなどの硫黄の同位体が含まれる。
【0068】
同位体標識された特定の式(Ia)または式(Ib)の化合物、たとえば放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質の組織分布調査において有用である。放射性同位体トリチウム、すなわちH、およびカーボン14、すなわち14Cは、組み込みが容易であり、検出手段が手近であることを考えると、この目的に特に有用である。
【0069】
ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性の結果として生じる特定の治療的な利点、たとえば、in vivo半減期の延長または投与必要量の減少をもたらす場合もあり、したがってある種の状況において好ましいこともある。
【0070】
11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放射同位体での置換は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影(PET)研究において有用となり得る。
【0071】
同位体標識された式(Ia)または式(Ib)の化合物は一般に、以前から用いられている標識されていない試薬の代わりに同位体標識された適切な試薬を使用し、当業者に知られている従来の技術によって、または添付の実施例および調製例に記載のものと類似の方法によって調製することができる。
【0072】
本発明による薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が、同位体によって置換されていてもよい、たとえばDO、d−アセトン、d−DMSOでよいものが含まれる。
【0073】
本明細書で規定する新規な中間体、式(Ia)または式(Ib)の化合物について本明細書で定義したようなそのすべての塩、溶媒和物、および複合体、ならびにその塩のすべての溶媒和物および複合体も、本発明の範囲内である。本発明は、上述の種のすべての多形体およびその晶癖を含む。
【0074】
式(Ia)または式(Ib)の化合物を本発明に従って調製するとき、当業者には、この目的に最適な特徴の組合せをもたらす中間体化合物の形態を常法どおりに選択する余地がある。そのような特徴には、中間体形態の融点、溶解性、加工性、および収率、ならびにその結果として生成物を単離後に容易に精製できることが含まれる。
【0075】
式(Ia)または式(Ib)の化合物は、様々な方法で、知られているやり方で調製することができる。以下の経路は、これらの化合物のそうした調製方法を例示するものであるが、当業者ならば、他の経路も等しく実行可能となり得ることがわかるであろう。以下の経路において、置換基R’およびR’は、式(Ia)または式(Ib)の化合物の対応する置換フェニル置換基を指す。
【0076】
【化5】

【0077】
「PdCl(dppf).CHCl」は、塩化1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)の1:1ジクロロメタン錯体であり、
「DBU」は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンであり、
「BOC」は、t−ブトキシカルボニルを意味し、
「CBz」は、ベンジルオキシカルボニルを意味し、
「Et」は、エチルを意味し、
「Me」は、メチルを意味し、
「Pd」は、パラジウムを意味し、
「eq」は、モル当量を意味し、
「iPr」は、イソプロピルを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
【化6】

【0079】
一般式(II)の化合物は、市販されており、またはスキーム2に示すように調製することができる。
【0080】
一般式(III)の化合物は、(たとえば、R1a=Me、R=Meであるとき)市販されており、またはスキーム3に示すように調製することができる。
【0081】
一般式(IV)の化合物は、式(II)および(III)の化合物から、処理ステップiによって、すなわち、化合物(II)と化合物(III)とを、場合により塩酸などの適切な酸触媒の存在下、場合によりHunig塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの適切な塩基の存在下で、メタノールやエタノールなどの適切な溶媒中にて、高めの温度で3〜24時間環化縮合させて調製することができる。典型的な条件は、1.0〜1.3当量の化合物(II)および1.0〜1.1当量の化合物(III)、塩酸存在下、エタノール中、加熱還流、3〜24時間というものを含む。
【0082】
また、一般式(IV)の化合物は、EtOH/HCl中での式(VII)の化合物と式(III)の化合物の直接縮合によって得ることもできる。
【0083】
一般式(IV)の化合物は、J.Org.Chem.2004年、第69巻、5578〜5587ページで見られる条件を使用して得ることもできる。
【0084】
一般式(V)の化合物は、スキーム4に示すように調製することができる。
【0085】
式(I)の化合物は、化合物(IV)と(V)から、処理ステップiiによって、すなわち、N,N’−カルボニルジイミダゾール、フェニルクロロホルマート、炭酸ビス(トリクロロメチル)などの適切なカルボニル供給源、およびHunig塩基やピリジンなどの適切な塩基の存在下、ジクロロメタン、THF(テトラヒドロフラン)、1,4ジオキサンなどの適切な溶媒中にて、周囲条件下で48時間化合物(IV)を反応させて尿素生成を実現した後、化合物(V)を付加して調製することができる。典型的な条件は、次のいずれかのものを含む。
a)1.0当量の化合物(IV)および5.0〜6.0当量のN,N’−カルボニルジイミダゾール、ジクロロメタン中、周囲条件下で24時間、
b)0.25〜0.80当量の化合物(V)、0.25〜1.25当量のHunig塩基、ジクロロメタンまたは1,4ジオキサン中、周囲条件下で24時間、または
c)THF/ピリジン中で1当量の化合物(IV)および1当量のフェニルクロロホルマート、その後DMSO中で0.8〜1当量の化合物(V)。
【0086】
一般式(II)の化合物は、スキーム2に示すように調製することができる。
【0087】
【化7】

【0088】
一般式(VI)の化合物は、市販されている。
【0089】
式(II)の化合物は、対応するアニリン誘導体から、化学文献でよく知られている条件を使用して、ジアゾ化、次いで還元することによって調製することもできるはずである。
【0090】
PGは、BOCやCBzなどの適切な保護基、好ましくはBOCである。
【0091】
’がフェノールであるか、またはフェノールを含む場合では、当業者ならば、保護基、通常はベンジルオキシまたはメチルオキシの使用が必要となり得ることがわかるであろう。
【0092】
一般式(II)の化合物は、一般式(VI)の化合物から、処理ステップ(iii)および(iv)によって、化合物(VII)を経て調製することができる。
【0093】
ステップ(iii)−場合により標準のグリニャール条件下、in situで調製される適切な有機金属試薬、たとえば、アリールMgBr、ヘテロアリールMgBr、アリールLi、またはヘテロアリールLiを生成することによって、またはテトラヒドロフランやジエチルエーテルなどの適切な溶媒中にて、−100℃〜25℃の間の温度で1〜18時間、適切なアルキルリチウム、たとえばnBuLiと反応させることによって実現する。中間体化合物(VII)は、適切に保護されたジアゾカルボキシラート化合物、好ましくはジ−t−ブチルジアゾカルボキシラートを、その後、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどの適切な溶媒中にて−78℃で0.5〜1.0時間、アリールMgBr/ヘテロアリールMgBr/アリールLi/ヘテロアリールLiで求核攻撃することによって生成する。
【0094】
ステップ(iv)−T.W.GreeneおよびP.Wutzによる「Protecting Groups in Organic Synthesis」に記載されているような標準の方法を使用する化合物(VII)の脱保護。PG=BOCであるとき、典型的な条件は、中間体(VII)を、イソプロピルアルコール、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテルなどの適切な溶媒中にて、周囲条件下で2〜18時間かけて、塩酸やトリフルオロ酢酸などの適切な酸で飽和させるものである。
【0095】
一般式(III)の化合物は、スキーム3.1および3.2に従って調製することができる。
【0096】
=−(CHSRであるとき、式(III)の化合物は、スキーム3.1に示すとおりに調製することができる。
【0097】
は、メチルまたはエチルを表す。
【0098】
nは、0または1を表す。
【0099】
【化8】

【0100】
LGは、適切な脱離基、たとえばOR’またはClであり、OR’が好ましい。
【0101】
R’は、C〜Cアルキル、好ましくはC〜Cアルキルを表す。
【0102】
R’=EtまたはMeであるとき、式(VIII)の化合物は市販されている。
【0103】
n=1であるとき、式(IXA)の化合物は、式(VIII)の化合物から、処理ステップv、すなわち求核置換によって調製することができる。反応は、Hunig塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの適切な塩基の存在下、ジクロロメタンまたはジエチルエーテルなどの適切な溶媒中にて、化合物(VIII)と塩化/無水メシルまたは塩化トシルとを低温で1〜2時間反応させることによる、メシラートやトシラートなどの、適切な脱離基LG’を含む中間体の生成を経て進行する。真空中で濃縮した後、1,4−ジオキサンもしくはトルエンとメタンチオールナトリウム塩を加えて、24時間加熱還流する。典型的な条件は、以下のものを含む。
a)1.0当量の化合物(VIII)、1.0〜1.2当量のHunig塩基、および1.1当量の塩化メタンスルホニル、ジクロロメタン中、0℃で1〜2時間。
b)1.1当量のメタンチオールナトリウム塩、1,4−ジオキサン中、加熱還流しながら24時間。
【0104】
n=0であるとき、式(IXA)の化合物は市販されている。
【0105】
化合物(III)は、式(IXA)の化合物から、処理ステップvi、すなわちアセトニトリル(X)との反応によって調製することができる。(X)を水素化ナトリウムやリチウムジイソプロピルアミドなどの適切な塩基で処理した後、中間体アニオンを、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中にて高めの温度で3時間かけて化合物(IXA)で失活させると、式(III)の化合物が得られる。典型的な条件は、1.3当量のアセトニトリル、1.3当量の水素化ナトリウム(60%鉱油中分散液)、および1.0当量の化合物(IXA)、テトラヒドロフラン中、3時間加熱還流というものを含む。
【0106】
1aがCHまたはCHCHを表すとき、式(III)の化合物は、スキーム3.2に示すように調製することができる。
【0107】
【化9】

【0108】
LGは、適切な脱離基、たとえばOR’またはClであり、OR’が好ましい。
【0109】
R’は、C〜Cアルキル、好ましくはC〜Cアルキルを表す。
【0110】
式(III)の化合物は、式(IXB)の化合物から、前述のように処理ステップviによって調製することができる。
【0111】
式(IXB)の化合物は、市販品として入手でき、またはJuliaら、Bull.Soc.Chim.Fr.1996年、第133巻(1)、15〜24ページ、もしくChuitら、Tetrahedron 1980年、第36巻(16)、2305〜10ページの方法から類推して調製することもできる。
【0112】
式(V)の化合物は、スキーム4に示すように調製することができる。
【0113】
【化10】

【0114】
Y=ハロゲンであり、ブロモが好ましいとき、一般式(XI)の化合物は市販されている。
【0115】
式(XII)の化合物は、式(XI)の化合物から、処理ステップviiによって、すなわち、場合によりメタノールやエタノールなどの適切な溶媒中にて、高めの温度で18〜72時間、ヒドラジン一水和物と反応させて調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XI)および過剰のヒドラジン一水和物、72時間かけての70℃への加熱を含む。
【0116】
式(XIV)の化合物は、式(XII)の化合物から、処理ステップviiiによって、すなわち、Hunig塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの適切な塩基の存在下、ジクロロメタンやジエチルエーテルなどの適切な溶媒中にて、低温で1〜2時間、適切な塩化アロイルR’C(O)Cl(XIII)と反応させて調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XII)、1.0当量のR’C(O)Cl(XIII)、および5.0当量のHunig塩基、ジクロロメタン中、温度0〜5℃で1〜2時間というものを含む。
【0117】
式(XV)の化合物は、式(XIV)の化合物から、処理ステップix、すなわち環化によって調製することができる。これは、硫酸中にてオキシ塩化リンや酸化リン(V)などの適切な脱水剤を高めの温度で18〜24時間使用して実現する。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XIV)、過剰のオキシ塩化リン中、75℃で18〜24時間というものを含む。
【0118】
別法として、式(XV)の化合物は、処理ステップixによって、式(XII)の化合物から直接調製することもできる。この環化は、過剰の化合物(XIII)との反応によって実現され、たとえば95℃で18〜24時間加熱する。
【0119】
式(XVII)の化合物は、式(XV)の化合物から、処理ステップxによって、すなわち、Pdを触媒とする2−メルカプトベンジルアルコール(XVI)との交差カップリング反応を、PdCl(dppf).CHClなどの適切な触媒の存在下、また炭酸セシウムや炭酸カリウムなどの適切な塩基の存在下、N,N−ジメチルホルムアミドや1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中にて、高めの温度で2〜48時間実施して調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XV)、1.2〜1.4当量の炭酸セシウム、1.3当量の2−メルカプトベンジルアルコール(XVI)、および0.1当量のPdCl(dppf).CHCl、N,N−ジメチルホルムアミド中、高めの温度で18時間というものを含む。
【0120】
式(XVIII)の化合物は、式(XVII)の化合物から、処理ステップxi、すなわちアジド生成によって調製することができる。このステップは、化合物(XVII)をDBUや水素化ナトリウムなどの適切な塩基と反応させた後、トルエンやテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中にて、0〜25℃の間の温度で18〜24時間、ジフェニルホスホリルアジドなどの適切なアジドと反応させることによって進める。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XVII)、1.2当量のDBU、および1.2当量のジフェニルホスホリルアジド、トルエン中、0〜25℃で24時間というものを含む。
【0121】
式(V)の化合物は、式(XVIII)の化合物から、処理ステップxiiによって、すなわち、化合物(XVIII)を、テトラヒドロフランやエタノールなどの適切な溶媒中にて、周囲温度から高めの温度の間で、トリフェニルホスフィン/水、塩化スズなどの適切な還元剤で還元し、または触媒作用によって水素化して、調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XVIII)、1.2当量のトリフェニルホスフィン、および1.2当量の水、テトラヒドロフラン中、室温で40時間および50℃で5時間というものを含む。
【0122】
別法として、式(V)の化合物は、スキーム5に示すように調製することもできる。
【0123】
【化11】

【0124】
式(XII)の化合物は、スキーム4に記載のとおりに調製することができる。
【0125】
式(XIX)の化合物は、市販されており、またはスキーム6に記載のとおりに調製することができる。
【0126】
式(XX)の化合物は、式(XII)および(XIX)の化合物から、処理ステップxiiiによって、すなわち、ヒドラジン(XII)とアルデヒド(XIX)とを、メタノール、エタノール、トルエンなどの適切な溶媒中にて、高めの温度で0.5〜1時間かけて縮合させることにより調製できる。典型的な条件は、1当量の化合物(XII)および1当量の化合物(XIX)、エタノール中、0.5〜1.0時間加熱還流というものを含む。
【0127】
式(XV)の化合物は、式(XX)の化合物から、処理ステップxivによって、化合物(XX)を、(ジアセトキシヨード)ベンゼン、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンなどの適切な酸化剤の存在下、酢酸エチル、ジクロロメタン、アセトニトリルなどの適切な溶媒中にて、周囲条件下で18〜24時間かけて環化することにより調製できる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XX)および1.2当量の(ジアセトキシヨード)ベンゼン、ジクロロメタン中、室温で24時間というものを含む。
【0128】
別法として、式(XV)の化合物は、化合物(XII)から、処理ステップxiiiおよびxivによって1ポット合成で調製することができる。典型的な条件は、1当量の化合物(XII)および1当量の化合物(XIX)、エタノール中、0.5〜1.0時間加熱還流、その後1.2当量の(ジアセトキシヨード)ベンゼンおよびジクロロメタンを加え、室温で24時間というものを含む。
【0129】
式(XVII)の化合物は、式(XV)および(XVI)の化合物から、スキーム4に記載の処理ステップxによって調製することができる。
【0130】
式(XVIII)の化合物は、式(XVII)の化合物から、スキーム4に記載の処理ステップxiによって調製することができる。
【0131】
式(V)の化合物は、式(XVIII)の化合物から、スキーム4に記載の処理ステップxiiによって調製することができる。
【0132】
別法として、式(V)の化合物は、式(XVII)の化合物から、処理ステップxviiiによって調製することもできる。反応は、Hunig塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの適切な塩基の存在下、ジクロロメタンやジエチルエーテルなどの適切な溶媒中にて低温から周囲温度で1〜4時間、化合物(VIII)を塩化/無水メシルまたは塩化トシルと反応させることにより、メシラートまたはトシラートなどの適切な脱離基を含んでいる中間体の生成を経て進行する。次いで、得られる中間体を、周囲条件下で18〜72時間かけて適切なアンモニア供給源、通常はメタノール中7Mのアンモニアで処理する。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XVII)、3.0〜4.0当量のHunig塩基、および2.0〜3.0当量の無水メタンスルホニル、ジクロロメタン中、25℃で1〜4時間というものを含む。過剰のメタノール中7Mアンモニアを加え、反応液を周囲温度で18〜72時間攪拌する。
【0133】
別法として、式(V)の化合物は、式(XV)の化合物と式(XXVII)の化合物(PGはBOCなどの保護基である)とから調製することができる。典型的な条件は、1当量の化合物(XV)、1.2当量の化合物(XXVII)、1.2当量の無水炭酸セシウム、3当量のフッ化セシウム、0.1当量のPdCl(dppf).CHCl、溶媒としてのジメチルホルムアミド中、80〜100℃で2〜48時間というものを含む。
【0134】
次いで、この反応の生成物を、酸を媒介とするBOC基の除去にかけて、式(V)の化合物を得る。
【0135】
式(XXVII)の化合物は、式(XXVIII)の化合物から、処理ステップxix(スキーム5.1)によって調製することができる。反応は、パラジウムを触媒とする、芳香族−臭素結合へのスルフィドの挿入によって進行する。
【0136】
典型的な条件は、1当量の化合物(XXVIII)、1当量のカリウムトリ(イソプロピル)シリルスルフィド(トルエン中の1当量のカリウムt−ブトキシドと1当量のトリイソプロピルシランチオールとから生成したもの)、1当量のPdCl(dppf).CHCl、溶媒としてのトルエン中、100℃で0.5〜2時間というものを含む。
【0137】
【化12】

【0138】
’は、フェノールであるか、またはフェノールを含み、当業者ならば、保護基、通常はベンジルオキシまたはメチルオキシの使用が必要となり得ることがわかるであろう。
【0139】
【化13】

【0140】
式(XXIV)の化合物は、市販されている。
【0141】
式(XXV)の化合物は、式(XXIV)の化合物から、処理ステップxvによって、すなわち、テトラヒドロフランやジクロロメタンなどの適切な溶媒中にて、高めの温度で6〜18時間、水素化リチウムアルミニウムやボランなどの適切な還元剤で還元して調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XXIV)および1.0〜1.2当量の水素化リチウムアルミニウム、テトラヒドロフラン中、還流温度で6時間というものを含む。
【0142】
式(XIX)の化合物は、式(XXV)の化合物から、処理ステップxviによって、すなわち、アセトン、ジクロロメタン、またはジメチルスルホキシドなどの適切な溶媒中にて、−80〜+80℃で3〜18時間、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、塩化オキサリル/ジメチルスルホキシドなどの適切な酸化剤で酸化させて調製することができる。典型的な条件は、1.0当量の化合物(XXV)および0.5当量の二酸化マンガン、アセトン中、3時間加熱還流というものを含む。
【0143】
別法として、式(XIX)の化合物は、市販の式(XXVI)の化合物から、処理ステップxviiによって、すなわち、ニトリルを、テトラヒドロフランなどの適切な溶媒中にて低温で水素化ジイソブチルアルミニウムによって還元して調製することができる。典型的な条件は、以下のものを含む。
a)1.0当量の化合物(XXVI)および1.0〜2.0当量の水素化ジイソブチルアルミニウム、テトラヒドロフラン、−78℃で1時間、
b)過剰の塩酸および水、0℃。
【0144】
当業者には、式(Ia)または式(Ib)の化合物の合成の任意の段階で、分子中の1個または複数の敏感な基を保護して、望ましくない副反応を防ぐようにすることが必要または望ましい場合もあることがわかるであろう。特に、フェノール基の保護が必要または望ましい場合がある。式(Ia)または式(Ib)の化合物の調製で使用する保護基は、従来の方法で使用することができる。たとえば、Theodora W GreenおよびPeter G M Wutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版(John Wiley and Sons、1999年)、特に第2章17〜245ページ(「Protection for the Hydroxyl Group」)に記載されている事項を参照されたい。別法として、保護されたフェノールを市販品として入手できる。このような基の除去は、従来の方法を使用して実現することができる。
【0145】
さらにまた、式(Ia)または式(Ib)の化合物は、標準の化学反応および変換を使用して、式(Ia)または式(Ib)の代替化合物に変換できることも理解されよう。
【0146】
本発明の別の実施形態では、式(Ia)または式(Ib)の化合物[置換基は、請求項1、および方法に関連する記述で規定するとおりである]の製造方法が提供されるが、この方法は、
i:式(II)の化合物と式(III)の化合物とを環化縮合させて、式(IV)の化合物を生成するステップ
【0147】
【化14】

、および/または
ii:適切なカルボニル供給源の存在下で式(IV)の化合物を式(V)の化合物と反応させることによる尿素生成のステップを含む。
【0148】
【化15】

【0149】
本発明の別の実施形態では、式(V)の化合物[置換基は、方法に関連する記述で規定するとおりである]の製造方法が提供されるが、この方法は、
xi:式(XVII)の化合物を適切な塩基と反応させた後、適切なアジドと反応させて、式(XVIII)の化合物を生成することによるアジド生成のステップ
【0150】
【化16】

、および/または
xii:式(XVIII)の化合物を還元して、式(V)の化合物を生成するステップ
【0151】
【化17】

を含む。
【0152】
本発明の別の実施形態では、本明細書で記載するような新規な方法が提供される。
【0153】
本発明の別の実施形態では、式(IV)、(V)、(XVII)、または(XVIII)の中間体化合物[置換基は本明細書に記載のとおりである]が提供される。
【0154】
本発明の別の実施形態では、本明細書で記載するような式の新規な中間体化合物が提供される。
【0155】
本発明の別の態様は、医薬品中に使用するための、本明細書で記載するような式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物である。
【0156】
本発明の別の態様は、以下のものからなる群から選択される疾患、障害、または状態の治療において使用するための本明細書で記載するような式(Ia)または式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物である。
1.あらゆる種類、病因、または発生機序の喘息、特に、アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、IgE媒介性のアトピー性気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的な障害によって引き起こされる内因性喘息、環境因子によって引き起こされる外因性喘息、原因が不明または明らかでない本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲンによって誘発される喘息、冷気によって誘発される喘息、職業喘息、細菌、真菌、原生動物、またはウイルス感染によって引き起こされる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発喘息、小児喘鳴症候群、ならびに細気管支炎からなる群から選択される一員である喘息、
2.慢性または急性の気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞、ならびに気腫、
3.あらゆる種類、病因、または発生機序の閉塞性または炎症性の気道疾患、特に、慢性の好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を含むCOPD、COPDに関連するまたは関連しない肺気腫または呼吸困難、不可逆性の進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸促拍症候群(ARDS)、他の薬物治療の結果として生じる気道反応亢進の激化、ならびに肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択される一員である閉塞性または炎症性の気道疾患、
4.あらゆる種類、病因、または発生機序の気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管気管支炎、アラキジン酸気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息様気管支炎、湿性の気管支炎、ブドウ球菌または連鎖球菌による気管支炎、ならびに肺胞性気管支炎からなる群から選択される一員である気管支炎、
5.急性肺傷害、
6.あらゆる種類、病因、または発生機序の気管支拡張症、特に、円柱状気管支拡張症、嚢状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、毛細管性気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、乾性気管支拡張症、ならびに濾胞性気管支拡張症からなる群から選択される一員である気管支拡張症。
【0157】
本発明の別の態様は、上のパラグラフ1〜6で開示した疾患、障害、または状態を治療するための医薬の製造における本明細書で記載するような式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の使用である。
【0158】
本発明の別の態様は、p38媒介性の疾患、障害、もしくは状態、またはTNF媒介性の疾患、障害、もしくは状態を治療するための医薬の製造における本明細書で記載するような式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の使用である。
【0159】
本発明の別の態様は、p38媒介性の疾患、障害、もしくは状態、またはTNF媒介性の疾患、障害、もしくは状態の治療において使用するための本明細書で記載するような式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物である。
【0160】
本発明は、有効量の式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物による、ヒトを含む哺乳動物の治療方法を提供する。
【0161】
より正確には、本発明は、ヒトを含む哺乳動物において、p38媒介性の疾患、障害、もしくは状態、またはTNF媒介性の疾患、障害、もしくは状態、特に上で挙げた疾患、障害、または状態を治療する方法であって、前記哺乳動物に有効量の式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物、またはその塩および/もしくは溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0162】
好ましくは、本発明は、あらゆる種類、病因、または発生機序の閉塞性または炎症性の気道疾患、特に、慢性の好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を含むCOPD、COPDに関連するまたは関連しない肺気腫または呼吸困難、不可逆性の進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸促拍症候群(ARDS)、他の薬物治療の結果として生じる気道反応亢進の激化、ならびに肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択される一員である閉塞性または炎症性の気道疾患;またはあらゆる種類、病因、または発生機序の喘息、特に、アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、IgE媒介性のアトピー性気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的な障害によって引き起こされる内因性喘息、環境因子によって引き起こされる外因性喘息、原因が不明または明らかでない本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲンによって誘発される喘息、冷気によって誘発される喘息、職業喘息、細菌、真菌、原生動物、またはウイルス感染によって引き起こされる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発喘息、小児喘鳴症候群、ならびに細気管支炎からなる群から選択される一員である喘息の治療において使用するための、式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0163】
より好ましくは、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療において使用するための式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0164】
好ましくは、本発明は、あらゆる種類、病因、または発生機序の閉塞性または炎症性の気道疾患、特に、慢性の好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を含むCOPD、COPDに関連するまたは関連しない肺気腫または呼吸困難、不可逆性の進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸促拍症候群(ARDS)、他の薬物治療の結果として生じる気道反応亢進の激化、ならびに肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択される一員である閉塞性または炎症性の気道疾患;またはあらゆる種類、病因、または発生機序の喘息、特に、アトピー性喘息、非−アトピー性喘息、アレルギー性喘息、IgE媒介性のアトピー性気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的な障害によって引き起こされる内因性喘息、環境因子によって引き起こされる外因性喘息、原因が不明または明らかでない本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲンによって誘発される喘息、冷気によって誘発される喘息、職業喘息、細菌、真菌、原生動物、またはウイルス感染によって引き起こされる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発喘息、小児喘鳴症候群、ならびに細気管支炎からなる群から選択される一員である喘息を治療するための医薬の製造における、式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
【0165】
より好ましくは、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するための医薬の製造における式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物または薬学的に許容できるその塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
【0166】
本明細書では、用語「TNF媒介性の疾患」または「TNF媒介性の障害」または「TNF媒介性の状態」とは、TNFが、TNFそれ自体による制御によって、またはたとえばIL−1、IL−6、および/もしくはIL−8などの別のモノカインを放出させることによって役割を果たす任意の疾患、障害、または状態(特に任意の病理学的状態)をそれぞれ指す。したがって、たとえばIL−1が主要な構成要素であり、その産生または作用が、TNFに応答して激化しまたは分泌される疾患状態は、TNF媒介性の障害とみなされることになる。
【0167】
本明細書では、用語「p38媒介性の疾患」または「p38媒介性の障害」または「p38媒介性の状態」とは、p38が、38それ自体による制御によって、またはたとえばIL−1、IL−6、および/もしくはIL−8などの別のモノカインを放出させることによって役割を果たす任意の疾患、障害、または状態(特に任意の病理学的状態)をそれぞれ指す。したがって、たとえば、IL−1が主要な構成要素であり、その産生または作用が、p38に応答して激化しまたは分泌される疾患状態は、p38媒介性の障害とみなされる。
【0168】
本発明の化合物は、TNF媒介性の疾患、障害、もしくは状態、またはp38媒介性の疾患、障害、もしくは状態、特に上で開示したアレルギー性および非アレルギー性の気道疾患の治療においてばかりでなく、p38またはTNF媒介性の、以下のような状態の治療においても使用することができる。
(a)炎症、
(b)関節炎、たとえば、関節リウマチ、脊椎関節症、痛風性関節炎、骨関節炎、全身性エリテマトーデス関節炎、若年性関節炎、骨関節炎、痛風性関節炎、
(c)神経炎症、
(d)神経因性疼痛などの疼痛(すなわち、化合物の鎮痛薬としての使用)、
(e)発熱(すなわち、化合物の解熱薬としての使用)、
(f)肺サルコイドーシスおよびケイ肺症、
(g)心血管疾患、たとえば、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞(心筋梗塞後の徴候など)、血栓症、うっ血性心不全、心臓の再灌流傷害、ならびに血管性器官損傷などの、高血圧および/もしくは心不全に関連する合併症、
(h)心筋症、
(i)虚血性および出血性卒中などの卒中、
(j)脳虚血、および心臓/冠状動脈バイパス形成の結果として生じる虚血などの虚血、
(k)再灌流傷害、
(l)腎臓の再灌流傷害、
(m)脳水腫、
(n)閉鎖性頭部外傷などの神経外傷および頭部外傷、
(o)神経変性障害、
(p)(たとえば、炎症性またはアポトーシス性の構成要素を有する障害を含む)中枢神経系障害、たとえば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊椎損傷、末梢性神経障害、
(q)肝疾患および腎炎、
(r)消化器系の状態、たとえば、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、
(s)胃潰瘍などの潰瘍性疾患、
(t)眼疾患、たとえば、網膜炎、(糖尿病性網膜症などの)網膜症、ぶどう膜炎、羞明、非緑内障性の視神経萎縮、(萎縮型ARMDなどの)加齢黄斑変性(ARMD)、
(u)眼科学的な状態、たとえば、角膜の移植片拒絶、眼の新血管新生、(損傷または感染後の新血管新生などの)網膜血管新生、水晶体後線維増殖症、
(v)緑内障、たとえば、原発性開放隅角緑内障(POAG)、若年発症型原発性開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、偽剥脱性緑内障、前部虚血性視神経症(AION)、高眼圧症、Reiger症候群、正常眼圧緑内障、血管新生緑内障、眼炎症、副腎皮質ステロイドによって誘発される緑内障、
(w)眼組織に対する急性傷害および眼外傷、たとえば、外傷後緑内障、外傷性視神経症、網膜中心動脈閉塞症(CRAO)、
(x)糖尿病、
(y)糖尿病性腎症、
(z)皮膚に関連した状態、たとえば、乾癬、湿疹、火傷、皮膚炎、ケロイド形成、瘢痕組織形成、血管原性の障害、
(aa)ウイルスおよび細菌感染、たとえば、敗血症、敗血症ショック、グラム陰性菌敗血症、マラリア、髄膜炎、日和見感染、感染または悪性病変に付随する悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)に付随する悪液質、AIDS、ARC(エイズ関連コンプレックス)、肺炎、ライノウイルス感染、ヘルペスウイルス、
(bb)感染による筋肉痛、
(cc)インフルエンザ、
(dd)内毒素ショック、
(ee)毒素性ショック症候群、
(ff)移植片対宿主反応や同種移植片拒絶反応などの自己免疫疾患、
(gg)骨粗鬆症などの骨吸収疾患、
(hh)多発性硬化症、
(ii)子宮内膜症などの女性生殖系の障害、
(jj)悪性でないが病的な状態、たとえば、(小児血管腫などの)血管腫、上咽頭の血管線維腫、無血管性骨壊死、
(kk)癌を含む良性および悪性の腫瘍/異常増殖、たとえば、直腸結腸癌、脳腫瘍、骨癌;基底細胞癌などの、上皮細胞によって誘発される異常増殖(上皮癌);腺癌;口唇癌、口腔癌、食道癌、小腸癌、胃癌などの消化器癌、大腸癌、肝癌、膀胱癌、膵癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌;扁平上皮細胞や基底細胞癌などの皮膚癌;前立腺癌、腎細胞癌、および身体のいたるところの上皮細胞に影響を及ぼす他の既知の癌、
(ll)白血病、
(mm)B細胞リンパ腫などのリンパ腫、
(nn)全身性エリテマトーデス(SLE)、
(oo)異常増殖を含む血管形成、
(pp)転移、
(qq)線維性疾患、
(rr)出血、
(ss)凝血、
(tt)感染症および敗血症で見られるもの、ショック(たとえば、(uu)敗血症ショック、血行力学的なショックなど)時に見られるもののような急性期応答、
(vv)食欲不振症、
(ww)ミコバクテリア感染、
(xx)オーエスキー病、
(yy)鼻気管炎、
(zz)HIV、
(aaa)インフルエンザウイルス、
(bbb)単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)を含むヘルペスウイルス、
(ccc)サイトメガロウイルス(CMV)、
(ddd)水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、
(eee)エプスタイン・バーウイルス、
(fff)ヒトヘルペスウイルス6(HHV−6)、
(ggg)ヒトヘルペスウイルス7(HHV−7)、ヒトヘルペスウイルス8(HHV−8)。
【0169】
本発明の別の実施形態では、上の(a)から(ggg)のリストから選択される疾患、障害、または状態の治療において使用するための式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物が存在する。
【0170】
本発明の別の実施形態は、上の(a)から(ggg)のリストから選択される疾患、障害、または状態を治療するための医薬の製造における式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物の使用である。
【0171】
本発明のさらに別の実施形態は、ヒトを含む哺乳動物において、上の(a)から(ggg)のリストから選択される疾患、障害、または状態を治療する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を投与することを含む方法である。
【0172】
本発明の化合物は、喫煙によって誘発される気道の炎症、炎症によって増強される咳などの、p38またはTNF媒介性の疾患の治療において、筋形成を制御するため、ムチン過剰産生を治療するため、かつ/または粘液分泌過多を治療するために使用することもできる。
【0173】
TNF−βは、(カケクチンとしても知られている)TNF−αと緊密な構造的相同性を有し、それぞれが類似した生物学的応答を誘発し、同じ細胞受容体に結合するので、TNF−αおよびTNF−βの合成は両方とも、本発明の化合物によって阻害される傾向があり、したがって本明細書では、別段の詳細な記述がない限りまとめて「TNF」と呼ぶ。
【0174】
上述のような式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物または薬学的に許容できるその塩および/もしくは溶媒和物は、本発明に従って、動物に、好ましくは哺乳動物に、特にヒトに医薬品として投与することができる。
【0175】
化合物は、他の1種または複数の本発明の化合物との混合物にして、または通例の薬学的に無害な賦形剤および/もしくは添加剤に加えて、有効な用量の少なくとも1種の本発明の化合物を活性成分として含有する医薬製剤の形で、それ自体を投与することができる。
【0176】
本発明の化合物は、結晶性または非晶質の製品として投与することのできる医薬としての使用を目的とする。本発明の化合物は、たとえば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法によって、固体充填物、粉末、またはフィルムとして得ることができる。マイクロ波乾燥または高周波乾燥をこの目的に使用してもよい。
【0177】
本発明の化合物は、単独で、または1種または複数の他の本発明の化合物と組み合わせて、または1種または複数の他の薬物と組み合わせて(またはこれらの任意の組合せとして)投与することができる。一般に、本化合物は、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤と合同で製剤として投与される。用語「賦形剤」は、本明細書では、本発明の化合物以外の任意の成分について述べるのに使用する。賦形剤の選択は、大部分は、特定の投与方式、その賦形剤が溶解性および安定性に及ぼす影響、剤形の性質などの要素に応じて決まる。
【0178】
本発明の化合物の送達に適する医薬組成物およびその調製方法は、当業者には言うまでもない。そのような組成物およびその調製方法は、たとえば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第19版(Mack Publishing Company、1995年)で見ることができる。
【0179】
本発明の化合物は、経口投与することもできる。経口投与は、化合物が消化管に入るように飲み込むものでもよいし、または化合物が口から直接血流に入る頬側投与もしくは舌下投与を用いてもよい。
【0180】
経口投与に適する製剤には、錠剤、微粒子、液体、または粉末を含有するカプセル剤、トローチ剤(液体充填型を含む)、咀嚼剤、多粒子およびナノ粒子などの固体製剤、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム、膣坐剤、スプレー、ならびに液体製剤が含まれる。
【0181】
液体製剤には、懸濁液、溶液、シロップ、およびエリキシルが含まれる。そのような製剤は、軟カプセルまたは硬カプセル中に充填剤として用いることができ、通常は担体、たとえば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油と、1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤とを含む。液体製剤は、たとえば小袋から出した固体を再形成して、調製することもできる。
【0182】
本発明の化合物は、LiangおよびChenによる「Expert Opinion in Therapeutic Patents」、第11巻(6)、981〜986ページ(2001年)に記載されているなどの急速溶解型急速崩壊型剤形中に使用してもよい。
【0183】
錠剤剤形では、薬物は、用量に応じて、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的な例では剤形の5重量%〜60重量%を占めていてよい。薬物に加え、錠剤は一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、ナトリウムデンプングリコラート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を占めることになる。
【0184】
結合剤は一般に、錠剤製剤に凝集性の性質を付与するのに使用される。適切な結合剤には、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成のゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプン、第二リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含有する場合もある。
【0185】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素やタルクなどの滑剤を場合により含んでもよい。存在するとき、界面活性剤は錠剤の0.2重量%〜5重量%を占めてよく、滑剤は錠剤の0.2重量%〜1重量%を占めてよい。
【0186】
錠剤は一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの滑沢剤も含有する。滑沢剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を占める。
【0187】
他の考えられる成分には、抗酸化剤、着色剤、着香剤、保存剤、および矯味剤が含まれる。
【0188】
好例となる錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の滑沢剤を含有する。
【0189】
錠剤ブレンドを、直接にまたはローラーによって圧縮すると、錠剤を生成することができる。別法として、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部分ずつを、湿式、乾式、または溶融造粒、溶融凝固、または押出し成形の処理にかけてから打錠することもできる。最終製剤は、1種または複数の層を含む場合もあり、コーティングされている場合もあれば、コーティングされていない場合もあり、カプセル封入されていてもよい。
【0190】
錠剤の製剤については、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets」第1巻(Marcel Dekker、米国ニューヨーク、1980年)で論述されている。
【0191】
ヒトまたは獣医学的使用のための摂取可能な経口フィルムは通常、可撓性の水溶性または水膨張性の薄膜剤形であり、急速溶解性でも粘膜付着性でもよく、通常は、本発明の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調整剤、ならびに溶媒を含んでよい。製剤の一部の構成成分が複数の機能を果たす場合もある。
【0192】
本発明の化合物は、水溶性でも不溶性でもよい。水溶性の化合物は通常、溶質の1重量%〜80重量%、より典型的な例では20重量%〜50重量%を占める。溶解性のより低い化合物は、組成物のより高い割合、通常は溶質の88重量%までを占める場合もある。別法として、本発明の化合物は、多粒子ビーズの形でもよい。
【0193】
フィルム形成ポリマーは、天然の多糖類、タンパク質、または合成の親水コロイドから選択することができ、通常は、0.01〜99重量%の範囲、より典型的な例では30〜80重量%の範囲で存在する。
【0194】
他の考えられる成分には、抗酸化剤、着色剤、着香剤および香味剤、保存剤、唾液腺刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を含む)、緩和剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤、ならびに矯味剤が含まれる。
【0195】
本発明によるフィルムは通常、可剥性の支持担体または紙にコートした薄い水溶性フィルムを蒸発乾燥させて調製する。これは、乾燥オーブンまたは乾燥トンネル、通常は複合塗工乾燥機の中で、または凍結乾燥もしくは減圧によって行うことができる。
【0196】
経口投与用の固体製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0197】
本発明の目的に適する変更型放出製剤は、米国特許第6106864号に記載されている。高エネルギー分散、浸透性粒子および被覆粒子などの他の適切な放出技術の詳細は、Vermaらによる「Pharmaceutical Technology On−line」第25巻(2)、1〜14ページ(2001年)で見られる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
【0198】
本発明の化合物は、血流、筋肉、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、側脳室内、尿道内、胸骨内、脳内、筋肉内、および皮下が含まれる。非経口投与に適する装置には、(微細針を含む)針注射器、無針注射器、および注入技術が含まれる。
【0199】
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち皮膚上にまたは経皮的に投与することもできる。
【0200】
本発明の化合物は、通常は乾燥粉末吸入器から(単独、またはたとえばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、またはたとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で、または1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しまたは使用せずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、またはネブライザーからエアロゾルスプレーとして、鼻腔内にまたは吸入によって投与することもできる。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含む場合もある。
【0201】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、たとえば、エタノール、エタノール水溶液、または活性物を分散させ、可溶化し、もしくはその放出を延長するのに適する別の薬剤、溶媒としての噴射剤、ならびにトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、オリゴ乳酸などの随意選択の界面活性剤を含む本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有する。
【0202】
乾燥粉末製剤または懸濁液製剤中に使用する前に、薬物製品は、吸入による送達に適する大きさ(通常は5ミクロン未満)に微粒子化される。これは、スパイラルジェット粉砕、流動層ジェット粉砕、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ、噴霧乾燥などの適切な任意の微粉砕法によって実現することができる。
【0203】
吸入器または注入器に入れて使用するための(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製の)カプセル、ブリスター、およびカートリッジは、本発明の化合物、ラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤、およびl−ロイシン、マンニトール、ステアリン酸マグネシウムなどの性能改質剤からなる粉末混合物を含有するように製剤することができる。ラクトースは、無水でも一水和物の形でもよいが、後者が好ましい。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが含まれる。
【0204】
電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザーでの使用に適する溶液製剤は、1作動あたり1μg〜20mgの本発明の化合物を含有していてよく、作動体積は1μlから100μlまで様々でよい。典型的な製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含んでよい。プロピレングリコールの代わりに使用することのできる別の溶媒には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0205】
メントールやl−メントールなどの適切な着香剤、またはサッカリンやサッカリンナトリウムなどの甘味剤を、吸入投与/鼻腔内投与を目的とする本発明の製剤に加えてもよい。
【0206】
吸入投与/鼻腔内投与用の製剤は、たとえばPGLAを使用して、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0207】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合では、投与量単位は、計量された量を送達する弁によって決定される。本発明による単位は通常、0.001mg〜10mgの本発明の化合物を含有する計量された用量または「ひと吹き」を投与するように準備される。全体としての1日量は、通常は0.001mg〜40mgの範囲にあり、この量を1回で、またはより普通にはその日を通して数回に分けて投与することができる。
【0208】
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物は、吸入によって投与することが好ましい。より好ましくは、本発明の化合物は、乾燥粉末吸入器または計量された用量の吸入器、最も好ましくは乾燥粉末吸入器での吸入によって投与する。
【0209】
本発明の化合物は、たとえば坐剤、膣坐剤、または浣腸の形で、直腸投与または経膣投与することができる。
【0210】
本発明の化合物は、通常はpH調整された等張性無菌食塩水中の微粒子化された懸濁液または溶液の液滴の形で、眼または耳に直接投与することもできる。
【0211】
上述の投与方式のいずれかでの使用に向けて、その溶解性、溶解速度、矯味性、生体利用度、および/または安定性を向上させるために、本発明の化合物を、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体やポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性の高分子実在物と組み合わせることもできる。
【0212】
たとえば、薬物−シクロデキストリン複合体は、一般に大部分の剤形および投与経路に有用であることがわかっている。包接複合体および非包接複合体の両方を使用することができる。薬物との直接の複合体形成に代わるものとして、シクロデキストリンは、補助添加剤、すなわち、担体、希釈剤、または可溶化剤として使用してもよい。このような目的のために最も一般に使用されるのは、α、β、およびγシクロデキストリンであり、その例は、国際特許出願第WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148で見ることができる。
【0213】
本発明の別の実施形態では、式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物と、薬学的に許容できる希釈剤、担体、または佐剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0214】
本発明の別の態様では、
a.式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物、
b.閉塞性または炎症性気道疾患治療のための説明書、
ならびに
c.aおよびbが入る包装
を含むキットが提供される。
【0215】
閉塞性または炎症性気道疾患は、COPDであることが好ましい。
【0216】
代替実施形態では、b.の説明書は、喘息治療のためのものである。
【0217】
たとえば特定の疾患または状態を治療する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合もあるので、その少なくとも1種が本発明による化合物を含有する2種以上の医薬組成物を、組成物の共投与に適するキットの形で好都合に組み合わせてもよいことは、本発明の範囲内である。
【0218】
したがって、本発明の別の態様は、その少なくとも1種が本発明による本発明の化合物を含有する2種以上の別個の医薬組成物と、容器、分割されたボトル、分割されたホイル製袋などの、前記組成物を別々に保持するための手段とを含むキットである。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用される見慣れたブリスターパックである。
【0219】
本発明のキットは、たとえば非経口の種々の剤形を投与する、別個の組成物を異なる投与間隔で投与する、または別個の組成物を互いに対して滴定するのに特に適する場合もある。服薬遵守を援助するために、キットは通常、投与の説明書を含み、いわゆるメモリーエイドを添えて提供される場合もある。
【0220】
ヒト患者への投与では、本発明の化合物の合計1日量は通常、当然のことながら投与方式に応じて、0.01mg〜10mgの範囲にある。たとえば、吸入される1日量は、0.01mg〜5mgしか必要とならない場合もある。合計1日量は、1回で、または数回に分けて投与することができ、医師の裁量で、本明細書で示した典型的な範囲の範囲外になる場合もある。
【0221】
これらの投与量は、体重が約65kg〜70kgである平均的なヒト対象に基づく。医師は、小児や高齢者などの、体重がこの範囲外である対象のための用量を容易に決定することができよう。
【0222】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の化合物は、患者に共投与される1種または複数の追加の治療薬との組合せとして使用して、(i)気管支収縮、(ii)炎症、(iii)アレルギー、(iv)組織破壊、(v)息切れ、咳などの徴候および症状を含むがこの限りでない、病態生理学的に関連性のある疾患過程の治療といったいくつかの特に所望される治療最終結果を得ることもできる。2番目以降の追加の治療薬も、本発明の化合物、または当業界で知られている1種または複数のTNF阻害剤および/もしくはp38阻害剤でよい。より典型的な例では、2番目以降の治療薬は、異なるクラスの治療薬から選択される。
【0223】
本明細書では、「共投与」、「共投与される」、および「組み合わせて」という用語は、本発明の化合物および1種または複数の他の治療薬に関して、以下のものを意味し、指し、また含むものとする。
・治療を必要とする患者への、本発明の化合物と治療薬の組合せの同時投与(その構成成分が単一剤形中に一緒に製剤され、その剤形が前記構成成分を前記患者に対して実質的に同時期に放出するとき)、
・治療を必要とする患者への、本発明の化合物と治療薬の組合せの実質的な同時投与(その構成成分が別々の剤形中に互いに離れて製剤され、その剤形が前記患者によって実質的に同時期に服用され、その結果、前記構成成分が前記患者に対して実質的に同時期に放出されるとき)、
・治療を必要とする患者への、本発明の化合物と治療薬の組合せの逐次投与(その構成成分が別々の剤形中に互いに離れて製剤され、その剤形が前記患者によって各投与間に有意な時間間隔を挟んで引き続いて服用され、その結果、前記構成成分が前記患者に対して実質的に異なる時期に放出されるとき)、ならびに
・治療を必要とする患者への、本発明の化合物と治療薬の組合せの逐次投与(その構成成分が、単一剤形中に一緒に製剤され、その剤形が前記構成成分を制御された方式で放出し、その結果、各構成成分が、前記患者によって、並行し、連続し、かつ/またはオーバーラップして同時期および/または異なる時期に投与され、各部分が同じ経路または異なる経路で投与されてよいとき)。
【0224】
本発明の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは組成物と組み合わせて使用することのできる他の治療薬の適切な例には、決して限定されないが以下のものが含まれる。
(a)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)拮抗薬、
(b)LTB、LTC、LTD、およびLTEの拮抗薬を含むロイコトリエン拮抗薬(LTRA)、
(c)H1およびH3拮抗薬を含むヒスタミン受容体拮抗薬、
(d)うっ血除去薬として使用するための、αおよびαアドレナリン受容体作動薬血管収縮薬交感神経刺激薬、
(e)ムスカリンM3受容体拮抗薬または抗コリン薬、
(f)PDE阻害剤、たとえば、PDE3、PDE4、およびPDE5阻害剤、
(g)テオフィリン、
(h)クロモグリク酸ナトリウム、
(i)COX阻害剤、非選択的および選択的の両方のCOX−1またはCOX−2阻害剤(NSAID)、
(j)DAGR(コルチコイド受容体の解離型作動薬)などの経口および吸入式副腎皮質ステロイド、
(k)内在性の炎症性実在物に対して有効なモノクローナル抗体、
(l)長時間作用性のβ2作動薬を含むβ2作動薬、
(m)VLA−4拮抗薬を含む接着分子阻害剤、
(n)キニンBおよびB受容体拮抗薬、
(o)免疫抑制剤、
(p)マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、
(q)タキキニンNK、NK、およびNK受容体拮抗薬、
(r)エラスターゼ阻害剤、
(s)アデノシンA2a受容体作動薬、
(t)ウロキナーゼ阻害剤、
(u)ドーパミン受容体に作用する化合物、たとえばD2作動薬、
(v)NFκB経路のモジュレーター、たとえばIKK阻害剤、
(w)sykキナーゼ阻害剤やJAKキナーゼ阻害剤などのサイトカインシグナル伝達経路のモジュレーター、
(x)粘液溶解薬または鎮咳薬として分類することのできる薬剤、および
(y)抗生物質。
【0225】
本発明によれば、本発明の化合物と以下のもの、すなわち、
− H3拮抗薬、
− ムスカリンM3受容体拮抗薬、
− PDE4阻害剤、
− 副腎皮質ステロイド、
− アデノシンA2a受容体作動薬、
− β2作動薬、
− sykキナーゼなどの、サイトカインシグナル伝達経路のモジュレーター、または
− LTB、LTC、LTD、およびLTEの拮抗薬を含むロイコトリエン拮抗薬(LTRA)
との組合せが好ましい。
【0226】
本発明によれば、本発明の化合物と以下のもの、すなわち、
− プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニド、ならびにフロ酸モメタゾンおよびフロ酸モメタゾン一水和物を含む、副腎皮質ステロイド、特に、全身性副作用が低減されている吸入式の副腎皮質ステロイド、
− 特にイプラトロピウム塩、すなわち臭化イプラトロピウム、チオトロピウム塩、すなわち臭化チオトロピウム、オキシトロピウム塩、すなわち臭化オキシトロピウム、ペレンゼピン(perenzepine)、およびテレンゼピンを含む、ムスカリンM3受容体拮抗薬または抗コリン薬、
− またはサルメテロール、フォルモテロール、QAB−149、およびCHF−4226を含む、β2作動薬、特に長時間作用性のβ2作動薬
との組合せがさらに好ましい。
【0227】
本発明の化合物は、p38に対してスローオフセット結合動態を示すことが好ましい。
【0228】
別の好ましい実施形態では、化合物が吸入経路によって投与されるとき、化合物は、肺の外に移動したときに急速に代謝される。
【0229】
本発明の化合物は、投与される化合物より活性の弱い化合物に代謝されることがより好ましい。
【0230】
本発明の別の実施形態では、実質的には本明細書で記載するような化合物、使用、方法、または組成物が提供される。
【0231】
アッセイ:TNFαスクリーン
本発明の化合物の抗炎症特性は、ヒト末梢血単核球からのTNFα放出を阻害するその能力によって実証される。健常人から静脈血を採取し、単核細胞を、Histopaque(Ficoll)クッションを用いた遠心分離によって精製する。このような細胞からのTNFα産生を、リポ多糖を加えて刺激する。LPSの存在下で18時間インキュベートした後、細胞上清を除去し、上清中のTNFα濃度をELISAによって測定する。本発明の化合物を加えると、産生されるTNFα量が減少する。LPS刺激した対照ウェルと比べてTNFα産生を50%阻害する化合物濃度に相当する、IC50を測定する。
【0232】
p38キナーゼアッセイ:
ヒトp38aのクローン化:
ヒト単球細胞系THP.1から単離したRNAのPCR増幅によって、ヒトp38acDNAのコード領域を得た。総RNAから、次のように第1鎖CDNAを合成した。すなわち、10μlの反応液中で、2μgのRNAを、10分間かけて70℃に加熱した後、2分間氷上に置くことにより、100ngのランダムな六量体プライマーにアニールさせた。次いで、1μlのRNAsin(Promega、米国ウィスコンシン州マディソン)、2μlの50mM dNTP、4μlの5倍緩衝液、2μlの100mM DTT、および1μl(200U)のSuperscript II(商標)AMV逆転写酵素を加えて、cDNAを合成した。ランダムプライマー、dNTP、およびSuperscript II(商標)試薬はすべて、Life−Technologies、米国マサチューセッツ州ゲイサーズバーグから購入した。反応液を42℃で1時間インキュベートした。p38cDNAの増幅は、80μlのdHO、2μlの50mM dNTP、各1μlの順方向および逆方向プライマー(50pmol/μl)、10μlの10倍緩衝液、および1μlのExpand(商標)ポリメラーゼ(Boehringer Mannheim)を含有する100μlのPCR反応液中に、5μlの逆転写酵素反応液を等分することにより実施した。PCRプライマーは、増幅された断片の5’および3’末端にBamHI部位を組み込むものであり、Genosysから購入した。順方向プライマーおよび逆方向プライマーの配列は、それぞれ5’−GATCGAGGATTCATGTCTCAGGAGAGGCCCA−3’および5’GATCGAGGATTCTCAGGACTCCATCTCTTC−3’であった。PCR増幅は、DNAサーマルサイクラー(Perkin Elmer)において、94℃で1分間、60℃で1分間、および68℃で2分間を30サイクル繰り返して実施した。増幅した後、Wizard(商標)PCR prep(Promega)を用い、増幅された断片から過剰のプライマーおよび取り込まれないdNTP’を除去し、BamHI(New England Biolabs)で消化した。BamHIで消化された断片を、T.Maniatisの「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」第2版(1989年)に記載されているように、T−4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を使用して、BamHIで消化されたpGEX 2TプラスミドDNA(PharmaciaBiotech)に連結した。製造者の指示に従い、ライゲーション反応液を、Life−Technologiesから購入した、化学的に応答能のある大腸菌DH10B細胞に入れて形質転換した。Promega Wizard(商標)ミニプレップキットを使用して、得られる細菌コロニーからプラスミドDNAを単離した。DNAサーマルサイクラー(Perkin Elmer)において、Prism(商標)(Applied Biosystems Inc.)を用い、適切なBamHI断片を含んでいるプラスミドの配列を決定した。両方のヒトp38aアイソフォームをコードするcDNAクローンが同定されている(Leeら、Nature第372巻、739ページ)。PGEX 2Tのクローン化部位、すなわちGSTコード領域の3’側にp38a−2(CSB−2)のcDNAが挿入されている一方のクローンを、pMON35802と称した。このクローンに対して得られる配列は、Leeらによって報告されているcDNAクローンの正確な写しである。この発現プラスミドは、GST−p38a融合タンパク質の産生を可能にする。
【0233】
ヒトp38aの発現
大腸菌系統DH10B(Life Technologies、Gibco−BRL)中で、プラスミドpMON35802からGST/p38a融合タンパク質を発現させた。終夜培養物を、100mg/mlのアンピシリンを含有するLuria Broth(LB)中で増殖させた。翌日、500mlの新鮮なLBに10mlの終夜培養物を播種し、培養物が600nmで0.8の吸光度に到達するまで、2リットル容フラスコ中にて一定に振盪しながら37℃で増殖させた。最終濃度0.05mMまでイソプロピルb−D−チオガラクトシダーゼ(IPTG)を加えて、融合タンパク質の発現を誘発した。培養物を室温で3時間振盪し、細胞を遠心分離によって収集した。タンパク質の精製まで、細胞ペレットを冷凍保存した。
【0234】
p38キナーゼαの精製
すべての化学物質は、特に言及しない限り、Sigma Chemical Co.からのものである。5本の1L容振盪フラスコ発酵物から収集した20グラムの大腸菌細胞ペレットを、200mlに達するまでの体積のPBS(140mMのNaCl、2.7mMのKCl、10mMのNaHPO、1.8mMのKHPO、pH7.3)に再懸濁した。細胞懸濁液を、2MのDTTを用いて5mM DTTに調整し、次いで5本の50ml容Falconコニカルチューブに等分した。細胞を、氷上にて1cmのプローブで3×1分間(パルス処理)超音波処理した(Ultrasonics モデルW375)。溶解した細胞材料を遠心分離(12,000×g、15分間)によって除去し、澄んだ上清をグルタチオン−セファロース樹脂(Pharmacia)にかけた。
【0235】
グルタチオン−セファロースアフィニティークロマトグラフィー
12mlの50%グルタチオンセファロース−PBS懸濁液を、200mlの澄んだ上清に加え、室温で30分間バッチ式にインキュベートした。樹脂を遠心分離(600×g、5分間)によって収集し、2×150mlのPBS/1%トリトンX100で洗浄した後、4×40mlのPBSで洗浄した。GST−p38融合タンパク質からp38キナーゼを切断するために、グルタチオン−セファロース樹脂を、250単位のトロンビンプロテアーゼ(Pharmacia、比活性>7500単位/mg)を含有する6mlのPBSに再懸濁し、室温で4時間穏やかに混合した。グルタチオン−セファロース樹脂を遠心分離(600×g、5分間)によって除去し、PBS(2×6ml)で洗浄した。p38キナーゼタンパク質を含有するPBS洗浄画分および消化物上清をプールし、0.3mM PMSFに調整した。
【0236】
MonoQ陰イオン交換クロマトグラフィー
トロンビンによって切断したp38キナーゼを、FPLC−陰イオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製した。トロンビンによって切断したサンプルを、緩衝液A(25mMのHEPES、pH7.5、25mMのβグリセロリン酸、2mMのDTT、5%のグリセロール)で2倍希釈し、緩衝液Aで平衡にしたMonoQ HR10/10(Pharmacia)陰イオン交換カラム上に注射した。カラムを、0.1M〜0.6Mの勾配のNaCl/緩衝液A 160ml(流速2ml/分)で溶出した。200mMのNaClでピーク溶出するp38キナーゼを収集し、Filtron10濃縮装置(Filtron Corp.)を用いて3〜4mlに濃縮した。
【0237】
SephacrylS100ゲル濾過クロマトグラフィー
濃縮したMonoQ−p38キナーゼ精製サンプルを、ゲル濾過クロマトグラフィー(緩衝液B(50mMのHEPES、pH7.5、50mMのNaCl、2mMのDTT、5%のグリセロール)で平衡にした、Pharmacia HiPrep26/60 SephacrylS100カラム)によって精製した。緩衝液Bを流速0.5ml/分で用いてカラムからタンパク質を溶出し、280nmでの吸光度によってタンパク質を検出した。(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって検出されたp38キナーゼを含有する画分)をプールし、−80℃で凍結させた。5Lの大腸菌振盪フラスコ発酵物からの典型的な精製タンパク質の収量は、p38キナーゼ35mgであった。
【0238】
動態アッセイ
結合動態:
SKF−86002(Calbiochemからのもの、KD約200nM)は、(340nmでの励起および420nmでの発光によってモニターしたとき)p38aに結合すると蛍光の増加を示す。SKF−86002(1〜2uM)を、20mMのBis−トリス、2mMのEDTA、500mMのNaCl、0.01%のNaN、0.15%のNOG、および5%のDMSOからなる緩衝液中で、p38a(20〜60nM)と共に室温で5〜10分間プレインキュベートした。次いで、サンプル化合物(20〜100nM)を加え、蛍光の変化をモニターした。SKFがp38a上のその結合部位から解離するにつれて、SKFがサンプル化合物に取って代わられ、化合物の結合速度に比例した時間尺度で蛍光の減少が認められた。SKF−86002の既知の結合動態を使用して、化合物の結合速度を測定した。
【0239】
解離動態:
サンプル化合物(50nMまたは100nM)を、20mMのBis−トリス、2mMのEDTA、0.01%のNaN、0.15%のNOG、500mMのNaCl、および5%のDMSOからなる緩衝液中で、p38a(活性部位滴定によって定量したとき37nMまたは21nMのタンパク質)と共に室温で終夜プレインキュベートした。翌日、SKF86002を加えて最終濃度を50uMとした。SKF86002がp38aに結合すると認められる蛍光の増加を、340nmでの励起および420nmでの発光によってモニターし、解離速度を測定した。
【0240】
溶解性アッセイ:
標準の平衡状態溶解性測定は、当業者によく知られている。
【0241】
データ:
本発明では、「活性のある」、「強力な」、または「効力」という用語は、本明細書に記載のTNFアッセイによって測定したとき、式(Ia)または式(Ib)の化合物のIC50(TNFαスクリーン)が200nM未満であることを意味する。
【0242】
本発明の化合物は、IC50(TNFαスクリーン)が100nM未満であることが好ましい。
【0243】
実施例を上述のアッセイで試験し、IC50(TNFαスクリーン)が10nM未満であることがわかった。
【0244】
【表1】

【0245】
実施例および調製例
核磁気共鳴(NMR)データは、Varian Unity Inova−400、Varian Unity Inova−300、またはBruker AC300分光計を使用して得たものであり、テトラメチルシランからの百万分率で示す。質量スペクトル(MS)データは、FinniganMat.TSQ7000またはFisons Instruments Trio1000によって得た。示したイオンの計算値および実測値は、最低質量の同位体組成を指す。シリカゲルカラムクロマトグラフィーについては、別段の指定がない限り、E.Merck(ドイツ国ダルムシュタット)のKieselgel60、230〜400メッシュを使用した。TLCにはE.MerckのKieselgel60F254プレートを使用し、化合物は、紫外光、5%過マンガン酸カリウム水溶液、または(亜硝酸ナトリウム水溶液で上塗りした)ドラーゲンドルフ試薬を使用して可視化した。含水量は、Mitsubishi CA100(Coulometric Karl Fisher Titrator)で測定した。他の測定値は、標準の機器を使用して計った。
【0246】
PdCl(dppf).CHClは、塩化1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)の1:1ジクロロメタン錯体である。
【0247】
DBUは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである。
【0248】
LCMS条件:カラム50×2mm LunaII C18 5μm、Aは水+0.1%のギ酸、Bはアセトニトリル+0.1%のギ酸。勾配:5%のBを0.3分間→95%のBを4.3分間、95%のBを0.1分間維持し、次いで5%のBを0.1分間。流速:1mL/分。
【0249】
調製例1:塩酸2−クロロ−4−ヒドラジノフェノール
【0250】
【化18】

4−アミノ−2−クロロフェノール(25.0g、174mmol)を、窒素中にて−10℃で水(40mL)および濃塩酸(63mL)に懸濁させた。亜硝酸ナトリウム(12.0g、174mmol)の水(35mL)溶液を滴下し、−10℃で30分間攪拌を続けた。塩化スズ(II)(98.1g、435mmol)の入った塩酸(6M、100mL)を反応液中に注ぎ、攪拌しながら3.5時間かけて温度を0℃に上昇させた。混合物を濾過し、湿った白色固体を単離した。
【0251】
調製例2:4−(5−アミノ−3−t−ブチルピラゾール−1−イル)−2−クロロフェノール
【0252】
【化19】

調製例1を使用しながら、7の調製に使用した同様の手順を用いて調製すると、生成物を含有する固体(65.79g、>100%)が得られた。
【0253】
調製例3:5−t−ブチル−2−[4−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−3−クロロフェニル]−2H−ピラゾール−3−イルアミン
【0254】
【化20】

N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中の調製例2(40.0g、150mmol)をイミダゾール(11.2g、165mmol)および塩化t−ブチルジメチルシリル(23.8、158mmol)で処理し、室温で18時間攪拌した。メタノール(40mL)を加え、混合物を濃縮し、酢酸エチル(300mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。水性物質を水で希釈し、酢酸エチルで数回抽出し直し、有機抽出物を合わせて乾燥させた(NaSO)。生成物を、クロマトグラフィー(1:6のヘキサン中酢酸エチル、および生成物の溶解性を促進するための少量のジクロロメタン)によって部分的に精製し、結晶化して(酢酸エチル/ヘキサン)、白色針状晶(9.61g、17%)を得た。
【0255】
調製例4:{5−t−ブチル−2−[4−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−3−クロロフェニル]−2H−ピラゾール−3−イル}カルバミン酸フェニルエステル
【0256】
【化21】

調製例3(4.0g、10.5mmol)およびピリジン(1.16g、14.7mmol)の入った無水テトラヒドロフラン(30mL)に、0℃でクロロギ酸フェニル(1.81g、11.6mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を3時間かけて室温に温め、次いで酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。溶媒を除去した後、粗製の油状物をヘプタン(約50mL)で摩砕し、白色固体を濾別し、真空乾燥した(4.5g、86%)。
【0257】
調製例5:5−ブロモ−2−クロロ−フェノール
【0258】
【化22】

5−ブロモ−2−クロロアニソール(20g、90.3mmol)をジクロロメタン(100ml)に溶かした、窒素中の0℃の溶液を、三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1M、100mL、0.1mol)の滴下によって2.5時間かけて処理した。10分後、反応液を室温に温め、18時間攪拌した。反応混合物を水(200mL)および氷(200mL)中に注ぎ、30分間攪拌し、ジクロロメタン(100mL)を加え、有機物質を分離した。水相を塩化ナトリウムで飽和させ、ジクロロメタン(2×200mL)で抽出し直した。有機物質を合わせて乾燥させて(MgSO)、白色固体(18.34g、98%)を得た。
【0259】
調製例6:ジt−ブチル1−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)ヒドラジン−1,2−ジカルボキシラート
【0260】
【化23】

乾燥窒素中にある−78℃の無水テトラヒドロフラン(120mL)中に入った調製例5(9.32g、44.9mmol)を、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、45mL、112.3mmol)の滴下によって30分間かけて処理した。この温度で10分間攪拌した後、ジ−アゾジカルボン酸t−ブチル(10.34g、44.9mmol)を30分間かけて3回で加え、溶液を−78℃で1時間攪拌した。次いで、溶液を−10℃に温め、飽和塩化アンモニウム(100mL)を加えた。酢酸エチル(150mL)および水(150mL)を加え、有機物質を分離し、水性物質を酢酸エチル(150mL)で抽出し直し、有機物質を合わせて乾燥させた(MgSO)。生成物を結晶化して(酢酸エチル)、白色の結晶(5.24g、33%)を得た。
【0261】
調製例7:5−(5−アミノ−3−t−ブチルピラゾール−1−イル)−2−クロロフェノール
【0262】
【化24】

調製例6(5.24g、14.6mmol)、ピバロイルアセトニトリル(1.83g、14.6mmol)、および濃塩酸(7mL)の入ったエタノール(50mL)を、窒素中で3時間加熱還流した。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム(約80mL)で中和し、ジクロロメタン−メタノール(9:1)(6×50mL)で抽出し、有機抽出物を合わせて乾燥させ(MgSO)、クロマトグラフィー(6:1のジクロロメタン:ジエチルエーテル)によって精製して、緑色の固体(2.55g、66%)を得た。
【0263】
調製例8:5−t−ブチル−2−[3−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−4−クロロフェニル]−2H−ピラゾール−3−イルアミン
【0264】
【化25】

N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の調製例7(2.54g、9.6mmol)をイミダゾール(976mg、14.4mmol)および塩化t−ブチルジメチルシリル(1.33g、9.6mmol)で処理し、室温で16時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(75mL)で希釈し、水(75mL)、ブライン(75mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。生成物をクロマトグラフィー(1:1のペンタン:ジクロロメタン)によって精製して、橙色の固体(2.69g、74%)を得た。
【0265】
調製例9:{5−t−ブチル−2−[3−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−4−クロロフェニル]−2H−ピラゾール−3−イル}カルバミン酸フェニルエステル
【0266】
【化26】

調製例8を使用しながら調製例4の手順を使用して調製すると、白色固体(6.38g、86%)が得られた。
【0267】
調製例10:ジt−ブチル1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}ヒドラジン−1,2−ジカルボキシラート
【0268】
【化27】

(3−ブロモベンジル)ジメチルアミンを使用しながら調製例6の手順を使用して調製すると、白色固体(3.60g、99%)が得られた。
【0269】
調製例11:5−t−ブチル−2−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
【0270】
【化28】

調製例10を使用しながら調製例7の手順を使用して調製すると、橙色の油状物(1.14g、43%)が得られた。
【0271】
調製例12:(3−ヒドラジノベンジル)ジメチルアミン
【0272】
【化29】

ジクロロメタン(20mL)およびメタノール(10mL)中の調製例10(1.98g、5.0mmol)を0℃に冷却し、塩化水素(g)を20分間バブルした。攪拌を0℃で2時間および室温で20時間続けた。塩化水素(g)を再び室温でバブルし、混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を除去し、エタノールおよびメタノールから蒸発にかけ直して、褐色の泡沫(1.38g、91%)を残した。
【0273】
調製例13:2,2−ジメチル−3−メチルスルファニル−プロピオン酸メチルエステル
【0274】
【化30】

2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸メチル(13.2g、0.1mol)のジクロロメタン(150mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(15.5g、0.12mol)を加え、溶液を0℃に冷却した。次いで、塩化メタンスルホニル(12.6g、0.11mol)を滴下し、混合物を0℃で90分間攪拌した。次いで、反応混合物を0.5Mの塩酸(100mL)で希釈し、層を分離した。水性物質をジクロロメタン(2×50mL)で抽出し、有機溶液を合わせて乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮した。残渣をジオキサン(100mL)に溶かした溶液に、メタンチオールナトリウム塩(7.7g、0.11mol)を加え、混合物を24時間加熱還流した。次いで、混合物を酢酸エチル(250mL)で希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(50〜100%のペンタン中ジクロロメタン)によって精製して、化合物を淡黄色の油状物(3.85g、24%)として得た。
【0275】
調製例14:4,4−ジメチル−5−メチルスルファニル−3−オキソ−ペンタンニトリル
【0276】
【化31】

水素化ナトリウム(60%の鉱油中分散液、1.20g、30mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)懸濁液を還流状態にした。調製例13(3.84g、23.7mmol)のアセトニトリル(1.56mL、30mmol)溶液を加え、混合物を3時間加熱還流した。次いで、冷却した反応混合物を水で希釈し、2Mの塩酸(30mL)で酸性化し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、化合物を淡黄色の油状物(2.70g、67%)として得た。
【0277】
調製例15:2−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−5−(1,1−ジメチル−2−メチルスルファニルエチル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
【0278】
【化32】

調製例14および調製例12を使用しながら調製例7の手順を使用して調製すると、橙色の油状物(417mg、53%)が得られた。
【0279】
調製例16:4−(3−ブロモベンジル)モルホリン
【0280】
【化33】

無水テトラヒドロフラン(30mL)中の1−ブロモ−3−ブロモメチルベンゼン(16g、64mmol)をモルホリン(19.5g、224mmol)で処理し、得られる溶液を室温で17時間攪拌した。酢酸エチル(250mL)を加え、水(150mL)で洗浄した。水層を5Mの水酸化ナトリウムで塩基性にしてpH14とし、塩化ナトリウムで飽和させ、有機層で抽出し直した後、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて乾燥させ(MgSO)、黄色の油状物(16.4g、100%)を残した。
【0281】
調製例17:ジt−ブチル1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]ヒドラジン−1,2−ジカルボキシラート
【0282】
【化34】

調製例16を使用しながら調製例6の手順を使用して調製すると、橙色の油状物(8.25g、52%)が得られた。
【0283】
調製例18:(3−モルホリン−4−イルメチルフェニル)ヒドラジン三塩酸塩
【0284】
【化35】

ジクロロメタン(50mL)およびメタノール(50mL)中の調製例17(4.07g、10mmol)を4℃に冷却し、塩化水素ガスで飽和させた。混合物を4℃で3時間および室温で17時間攪拌した。溶媒を除去し、材料をメタノール(3回)と共沸させた後、ジエチルエーテルで摩砕して、黄色の固体(2.96g、93%)を得た。
【0285】
調製例19:5−t−ブチル−2−(3−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
【0286】
【化36】

調製例18を使用しながら調製例7の手順を使用して調製すると、白色固体(1.65g、58%)が得られた。
【0287】
調製例20:[2−(3−ブロモフェノキシ)エチル]ジメチルアミン
【0288】
【化37】

3−ブロモフェノール(4.80、30.6mmol)、クロロエチルジメチルアミン塩酸塩(8.64g、60mmol)、および無水炭酸カリウム(16.56g、120mmol)の入ったN,N−ジメチルホルムアミド(40mL)を室温で2時間攪拌した。ヨウ化カリウム(332mg、2.0mmol)を加え、攪拌を室温で24時間、次いで40℃で24時間続けた。別の一定分量のクロロエチルジメチルアミン塩酸塩(8.64g、60mmol)、ならびに炭酸カリウム(8.28g、60mmol)および水(100mL)を加え、混合物を4時間かけて60℃に加熱し、水(20mL)を加え、加熱を20時間続けた。冷却した反応液を酢酸エチルで希釈し、水、0.5Mの水酸化ナトリウム、ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。生成物をクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製して、黄色の油状物(1.76g、24%)を残した。
【0289】
調製例21:ジt−ブチル1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}ヒドラジン−1,2−ジカルボキシラート
【0290】
【化38】

調製例20を使用しながら調製例6の手順を使用して調製すると、褐色の泡沫(1.38g、91%)が得られた。
【0291】
調製例22:5−t−ブチル−2−[3−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−2H−ピラゾール−3−イルアミン
【0292】
【化39】

調製例21を使用しながら調製例7の手順を使用して調製すると、橙色の油状物(555mg、81%)が得られた。
【0293】
調製例23:(5−ブロモピリジン−2−イル)ヒドラジン
【0294】
【化40】

2−クロロ−5−ブロモピリジン(64g、333mmol)をヒドラジン一水和物(250mL)に懸濁させ、混合物を70℃で72時間加熱した。次いで、反応混合物を水(750mL)で希釈し、得られる沈殿を濾別し、最初にトルエン(2回)、次いでジクロロメタン(2回)と共沸させて、表題化合物を淡褐色の固体(52g、83%)として得た。
【0295】
調製例24:N−(5−ブロモピリジン−2−イル)−N’−(4−ジエトキシメチルベンジリデン)ヒドラジン
【0296】
【化41】

4−ジエトキシメチルベンズアルデヒド(5.0g、24.04mmol)および調製例23(4.47g、24.04mmol)をエタノール(75ml)中で3時間加熱還流した。混合物を冷まし、生成物を濾別し、エタノールで洗浄し、乾燥させて、黄色の固体(7.92g)を得た。NMR分析では、生成物および類似の(無保護の)アルデヒド(1:1)が示される。
【0297】
調製例25:6−ブロモ−3−(4−ジエトキシメチルフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
【0298】
【化42】

ジクロロメタン(75mL)およびエタノール(10mL)中の調製例24(7.92g)に、ヨードベンゼン二酢酸(9.29g、28.8mmol)をゆっくりと加え、混合物を室温で20時間攪拌した。溶液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、1MのNaOH(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を除去すると、橙色/黄色の固体が残り、これをクロマトグラフィー(0〜100%のヘプタン中酢酸エチル)によって精製して、淡黄褐色の固体(4.39g、予測収率の98%)を表題化合物として、別の淡黄褐色の固体を4−(6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)ベンズアルデヒド(2.21g、予測収率の66%)として得た。
【0299】
調製例26:6−ブロモ−3−(4−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
【0300】
【化43】

調製例25のアルデヒド(1.10g、3.60mmol)およびモルホリン(635mg、7.3mmol)をジクロロメタン(20mL)中で30分間攪拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.54g、7.3mmol)を加え、反応液を室温で18時間攪拌した後、別の一定分量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.15g、5.4mmol)を加え、24時間攪拌した。ジクロロメタン(40mL)を加え、有機物質を水酸化ナトリウム(1M、40mL)、ブライン(2×20mL)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。生成物をクロマトグラフィー(0〜10%のジクロロメタン中メタノール+1%のアンモニア)によって精製して、黄色の固体(1.2g、89%)を得た。
【0301】
調製例27:{2−[3−(4−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]フェニル}メタノール
【0302】
【化44】

調製例26(1.20g、3.20mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液をArで30分間脱気した。2−メルカプトベンジルアルコール(631g、4.50mmol)、炭酸セシウム(21.0g、6.4mmol)、および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン付加物(525mg、0.6mmol)を加え、混合物をさらに10分間脱気し、次いで2.5時間かけて90℃に加熱した。混合物を酢酸エチル(40mL)で希釈し、水(40mL)で洗浄し、有機物質にメタノール(8mL)を加え、これを次いでブライン(2×30mL)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。材料をクロマトグラフィー(0〜10%のジクロロメタン中メタノール+1%アンモニア)によって精製して、褐色の油状物(920mg、67%)を得た。
【0303】
調製例28:2−[3−(4−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]−ベンジルアミン
【0304】
【化45】

ジクロロメタン(20mL)中の調製例27(920mg、2.1mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(431mg、4.3mmol)をメタンスルホン酸無水物(556mg、3.2mmol)で処理し、反応液を室温で2.5時間攪拌した。反応混合物をアンモニアのメタノール溶液(7M、30ml)中に注ぎ、室温で18時間攪拌した。溶媒を除去し、得られる混合物をジクロロメタン(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)、ブライン(30ml)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。生成物をクロマトグラフィー(0〜10%のジクロロメタン中メタノール+1%のアンモニア)によって精製して、褐色の油状物(340mg、37%)を得た。
【0305】
調製例29:5−ベンジルオキシ−2−クロロ安息香酸ベンジルエステル
【0306】
【化46】

2−クロロ−5−ヒドロキシ安息香酸(1.0g、5.79mmol)、臭化ベンジル(2.0g、11.70)、および炭酸カリウム(3.0g、21.47mmol)の入ったアセトニトリルを3時間加熱還流した。反応液を濾過し、溶媒を除去し、ジエチルエーテルで希釈し、1MのHClで洗浄し、乾燥させて(NaSO)、透明な油状物(若干の過剰な臭化ベンジルを含めて2.3g)を残した。
【0307】
調製例30:[5−(ベンジルオキシ)−2−クロロフェニル]メタノール
【0308】
【化47】

調製例29(2.3g)を無水テトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、水素化リチウムアルミニウム(テトラヒドロフラン8mL中1M、8.0mmol)を室温でゆっくりと加えた。1時間後、反応液を、水(1mL)、水酸化ナトリウム(1M、1mL)を加えて失活させ、乾燥させて(NaSO)、透明な油状物を残した。蒸留(100℃、0.05ミリバール)によって生成物を得た(1.12g、78%)。
【0309】
調製例31:5−(ベンジルオキシ)−2−クロロベンズアルデヒド
【0310】
【化48】

ジクロロメタン中の調製例30(18.5g、74.4mmol)を二酸化マンガン(31.4g、361mmol)で処理し、72時間攪拌した。混合物を濾過し、溶媒を蒸発させると油状物が残ったが、静置すると結晶化した。生成物を再結晶化した(ジイソプロピルエーテル、40mL)(12.3g、50%)。
【0311】
調製例32:3−[5−(ベンジルオキシ)−2−クロロフェニル]−6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
【0312】
【化49】

ジクロロメタン(100mL)とメタノール(20mL)の混合物中の調製例31(9.98g、41.07mmol)および調製例23(7.72g、41.07mmol)を2時間加熱した。反応液を冷却し、固体を濾別した。この固体を、ジクロロメタン(100mL)とメタノール(20mL)の混合物に懸濁させ、ヨードベンゼンジアセタート(13.2g、41.0mmol)を加え、混合物を室温で2時間攪拌し、次いで溶媒を除去した。生成物をジエチルエーテル(10.21g、60%)から摩砕した。
【0313】
調製例33:{2−[3−(5−ベンジルオキシ−2−クロロフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]フェニル}メタノール
【0314】
【化50】

調製例32を使用しながら調製例27の手順を使用して調製すると、結晶(9.0g、71%)が得られた。
【0315】
調製例34:6−{[2−(アジドメチル)フェニル]チオ}−3−[5−(ベンジルオキシ)−2−クロロフェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
【0316】
【化51】

テトラヒドロフラン中の調製例33(9.0g、18.94mmol)を、ジフェニルホスホリルアジド(5.0ml、22.79mmol)およびDBU(3.43ml、22.79mmol)で処理し、16時間攪拌した。溶媒を除去し、粗製材料をジクロロメタン(600mL)に溶解させ、水(2×100mL)で洗浄し、溶媒を除去した。生成物をクロマトグラフィー(2〜5%のジクロロメタン中メタノール)によって精製して、油状物(9.3g、91%)を残した。
【0317】
調製例35:[2−({3−[5−(ベンジルオキシ)−2−クロロフェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]アミン塩酸塩
【0318】
【化52】

テトラヒドロフラン中の調製例34(6.2g、12.4mmol)を水(0.27mL、14.9mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.92g、14.2mmol)で処理し、室温で16時間攪拌した。溶媒を除去し、生成物をジクロロメタン(100mL)に溶かし、HCl(ジオキサン中4M、9ml、36.0mmol)を加え、溶液を18時間攪拌した。水を加え(1mL)、攪拌を72時間続けた。混合物を濾別し、乾燥させた(3.61g、61%)。
【0319】
調製例36:3−[6−(2−アミノメチルフェニルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]−4−クロロフェノール臭化水素酸塩
【0320】
【化53】

調製例35を使用しながら調製例41の手順を使用して調製し、固体(8.8g、>100%)を得た。
【0321】
調製例37:N−(2−ベンジルオキシ−5−クロロベンジリデン)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)ヒドラジン
【0322】
【化54】

調製例23および2−ベンジルオキシ−5−クロロベンズアルデヒドを使用しながら調製例24の手順を使用して調製し、白色固体(94%)を得た。
【0323】
調製例38:3−[2−(ベンジルオキシ)−5−クロロフェニル]−6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
【0324】
【化55】

調製例37を使用しながら調製例25の手順を使用し、化合物をジエチルエーテル(5.7g、92%)で摩砕して調製した。
【0325】
調製例39:{2−[3−(2−ベンジルオキシ−5−クロロ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]フェニル}メタノール
【0326】
【化56】

調製例38(37%)を使用しながら調製例27の手順を使用して調製した。
【0327】
調製例40:[2−({3−[2−(ベンジルオキシ)−5−クロロフェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]アミン
【0328】
【化57】

調製例39を使用しながら、調製例28に使用した同様の手順を使用して調製すると、淡褐色のゴム質(52%)が得られた。
【0329】
調製例41:2−(6−{[2−(アミノメチル)フェニル]チオ}[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)−4−クロロフェノール臭化水素酸塩
【0330】
【化58】

調製例40(16.3g、34.5mmol)の入った酢酸中臭化水素(35mL)を室温で18時間攪拌した。ジエチルエーテル(250ml)を加え、攪拌し、溶媒をデカントし、ジエチルエーテル(300mL)をさらに加え、混合物を5時間攪拌し、沈殿を濾過し、トルエン、エタノール、およびジエチルエーテルと共沸させた後、乾燥させた(P)(15.6g、95%)。
【0331】
調製例42:N−(3−ベンジルオキシ−ベンジリデン)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)ヒドラジン
【0332】
【化59】

調製例23および3−ベンジルオキシベンズアルデヒドを使用しながら調製例24の手順を使用して調製すると、淡いピンク色の固体(10.17g、89%)が得られた。
【0333】
調製例43:3−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
【0334】
【化60】

調製例42を使用しながら調製例25の手順を使用して調製すると、結晶(9.1g、89%)が得られた。
【0335】
調製例44:{2−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]フェニル}メタノール
【0336】
【化61】

調製例43を使用しながら調製例27の手順を使用して調製すると、褐色の固体(7.35g、71%)が得られた。
【0337】
調製例45:2−[3−(3−ベンジルオキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジルアミン
【0338】
【化62】

調製例44を使用しながら調製例28の手順を使用して調製すると、褐色の泡沫(4.87g、67%)が得られた。
【0339】
調製例46:3−[6−(2−アミノメチルフェニルスルファニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]フェノール
【0340】
【化63】

調製例45(4.75g、10.8mmol)の溶液に、三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1M、54mL、54mmol)を−70℃で10分間かけて加え、次いで0℃に温めた。混合物を−70℃に冷却し直し、メタノール(20mL)を加えた後、炭酸水素ナトリウム飽和溶液を中性pHになるまで加えた。生成物をジクロロメタン−メタノール(85:15、5×50mL)で抽出し、乾燥させて(NaSO)暗色の油状物を残し、これを酢酸エチルで摩砕すると、粒状の褐色固体が残った。この材料を、クロマトグラフィー(0〜20%のジクロロメタン中メタノール+1%のアンモニア)によって精製すると、酢酸エチルで摩砕した後に褐色の固体が残った(580mg、15%)。
【0341】
調製例47:{2−[3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}カルバミン酸t−ブチルエステル
【0342】
【化64】

調製例46(1.28g、3.68mmol)、二炭酸ジ−t−ブチル(2.00g、9.20mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.42g、11.03mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中で室温にて90分間攪拌した。溶媒を除去し、混合物をテトラヒドロフラン(50mL)、水(50mL)で希釈し、水酸化リチウム水和物(773mg、18.4mmol)を加え、混合物を室温で20時間攪拌した。酢酸エチル(25mL)で希釈し、1Mのクエン酸で酸性化し、分離し、有機物質をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。ジオキサン(50mL)、水(50ml)、および炭酸ナトリウム(3.90g、36.8mmol)を加え、混合物を20時間かけて70℃に加熱した。クエン酸で酸性化し、酢酸エチル(50mL)で抽出し、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させて(MgSO)、淡黄褐色の泡沫を残した。
【0343】
調製例48:(2−{3−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)フェニル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル}ベンジル)カルバミン酸t−ブチルエステル
【0344】
【化65】

調製例47(662mg、1.48mmol)、N−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(330mg、1.77mmol)、および無水炭酸カリウム(612mg、4.43mmol)の入ったN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)を6時間かけて60℃に加熱した。混合物を酢酸エチル(40ml)で希釈し、ブライン(2×50mL)で洗浄し、乾燥させて(MgSO)、褐色のゴム質(900mg)を残した。
【0345】
調製例49:2−{3−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)フェニル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル}ベンジルアミン
【0346】
【化66】

ジクロロメタン(5mL)中の調製例48(900mg)をトリフルオロ酢酸(1mL)で処理し、得られる混合物を室温で20時間攪拌した。混合物をジクロロメタン(20ml)で希釈し、1Mの水酸化ナトリウム(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。粗製材料をクロマトグラフィー(0〜4%のジクロロメタン中メタノール+1%のアンモニア)によって精製して、褐色のゴム質(475mg、69%)を得た。
【0347】
調製例50:1−{5−t−ブチル−2−[4−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−3−クロロ−フェニル]−2H−ピラゾール−3−イル}−3−(2−{3−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)フェニル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル}ベンジル)尿素
【0348】
【化67】

調製例49(235mg、510μmol)および調製例4(255mg、510μmol)の入ったジメチルスルホキシド(5mL)を室温で20時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、ブライン(2×30ml)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。粗製材料をクロマトグラフィー(0〜5%のジクロロメタン中メタノール+1%のアンモニア)によって精製して、淡黄褐色の泡沫(314mg、71%)を得た。
【0349】
調製例51:1−{5−t−ブチル−2−[3−(t−ブチルジメチルシラニルオキシ)−4−クロロ−フェニル]−2H−ピラゾール−3−イル}−3−(2−{3−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)フェニル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル}ベンジル)尿素
【0350】
【化68】

調製例49および調製例9を使用しながら調製例50の手順を使用して調製すると、淡黄褐色の泡沫(355mg、80%)が得られた。
【実施例】
【0351】
(実施例1)
1−{5−t−ブチル−2−[3−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−2H−ピラゾール−3−イル}−3−{2−[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
【0352】
【化69】

無水テトラヒドロフラン(16mL)中の調製例22(550mg、1.82mmol)を、クロロギ酸フェニル(313mg、2.0mmol)の室温での滴下によって処理した。1時間攪拌した後、材料の4分の1を、ジメチルスルホキシド(5mL)中で調製例41(231mg、460μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(259mg、2.0mmol)と混合し、混合物を1時間かけて60℃に、次いで室温で72時間加熱した。酢酸エチルを加え、有機物質を水およびブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。生成物をクロマトグラフィー(0〜15%の酢酸エチル中メタノールおよび1%のアンモニア)によって精製し、結晶化した(アセトン)(126mg、39%)。
H NMR(300MHz、DMSOd6)δ:1.24(9H,s)、2.18(6H,s)、2.60(2H,t)、4.06(2H,t)、4.37(2H,d)、6.24(1H,s)、6.89〜6.94(1H,m)、6.98〜7.07(4H,m)、7.20(3H,m)、7.17〜7.30(2H,m)、7.35(1H,t)、7.44(1H,dd)、7.54(1H,d)、7.83(1H,dd)、8.10(1H,s)、8.31(1H,s)。
LRMS:m/z ES/APCI 711/713[MH]、709/711[M−H]
【0353】
(実施例2)
1−{2−[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}−3−[2−(3−ジメチルアミノメチル−フェニル)−5−(1,1−ジメチル−2−メチルスルファニルエチル)−2H−ピラゾール−3−イル]尿素
【0354】
【化70】

調製例36および調製例15を使用しながら実施例1の手順を使用して調製すると、白色固体(46mg、6%)が得られた。
H NMR(300MHz、DMSOd6)δ:1.29(6H,s)、1.97(3H,s)、2.14(6H,s)、2.77(2H,s)、3.42(2H,s)、4.36(2H,d)、6.26(1H,s)、6.91(1H,t)、6.97〜7.04(1H,m)、7.08〜7.12(1H,m)、7.17〜7.49(10H,m)、7.84(1H,dd)、8.14〜8.17(1H,m)、8.27(1H,s)、9.82(1H,s)。
LRMS:m/z APCI/ES 727/729[MH]、727/725[M−H]
【0355】
(実施例3)
1−[5−t−ブチル−2−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−{2−[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
【0356】
【化71】

調製例11および調製例41を使用しながら実施例1の手順を使用して調製すると、白色固体(187mg、29%)が得られた。
H NMR(300MHz、DMSOd6)δ:1.24(9H,s)、2.13(6H,s)、3.39(2H,s)、4.36(2H,d)、6.23(1H,s)、6.94〜7.06(2H,m)、7.18〜7.30(7H,m)、7.31〜7.50(4H,m)、7.53(1H,d)、7.82(1H,d)、8.08(1H,s)、8.24〜8.35(1H,bs)。
LRMS:m/z APCI/ES 681/679[M−H]
【0357】
(実施例4)
1−[5−t−ブチル−2−(3−ジメチルアミノメチルフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−{2−[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
【0358】
【化72】

調製例11および調製例36を使用しながら実施例1の手順を使用して調製すると、白色固体(134mg、21%)が得られた。
H NMR(300MHz、DMSOd6)δ:1.24(9H,s)、2.13(6H,s)、3.40(2H,s)、4.36(2H,d)、6.23(1H,s)、6.94〜7.01(1H,bs)、7.02(1H,d)、7.18〜7.29(7H,m)、7.31〜7.43(3H,m)、7.44(1H,dd)、7.53(1H,d)、7.82(1H,dd)、8.08(1H,s)、8.28〜8.35(1H,bs)。
LCMS:m/z ES 679[M−H]
【0359】
(実施例5)
1−[5−t−ブチル−2−(3−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−{2−[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
【0360】
【化73】

調製例19(315mg、1.0mmol)の入った無水テトラヒドロフラン(3mL)を冷却し(氷水)、クロロギ酸フェニル(125μL、1.0mmol)で処理し、1時間攪拌した後、混合物の半分を、調製例41(208mg、380μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(66μL、380μmol)のジメチルスルホキシド(2mL)溶液に加え、室温で2週間攪拌した。酢酸エチルを加え(30mL)、有機物質を水(2×15mL)、ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。生成物をクロマトグラフィー(0〜20%の酢酸エチル中メタノール+2%のアンモニア)によって精製した(7.5mg、4%)。
H NMR(300MHz、CDOD)δ:1.31(9H,s)、2.39〜2.46(4H,m)、3.53(2H,s)、3.59〜3.64(4H,m)、4.48(2H,s)、6.28(1H,s)、6.96(1H,d)、7.26〜7.45(10H,m)、7.54(1H,d)、7.71(1H,d)、7.80〜7.82(1H,bs)
LRMS:m/z APCI/ES 723/725[MH]
【0361】
(実施例6)
1−[5−t−ブチル−2−(3−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−{2−[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
【0362】
【化74】

調製例19および調製例36を使用しながら実施例5の手順を使用して調製した(7.6mg、4%)。
H NMR(300MHz、CDOD)δ:1.31(9H,s)、2.38〜2.49(4H,m)、3.54(2H,s)、3.58〜3.65(4H,m)、4.45(2H,s)、6.27(1H,s)、7.00〜7.06(2H,m)、7.26〜7.45(10H,m)、7.69〜7.71(1H,bs)、7.74(1H,d)。
LRMS:m/z APCI/ES 723/725[MH]
【0363】
(実施例7)
1−[5−t−ブチル−2−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−{2−[3−(4−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
【0364】
【化75】

調製例28(113mg、0.3mmol)および調製例9(131mg、0.3mmol)の入ったジメチルスルホキシド(2ml)を室温で20時間攪拌した。トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(42μL、0.3mmol)を加え、反応液を室温で20時間攪拌した。酢酸エチル(20mL)を加え、有機物質を水(30mL)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。生成物をクロマトグラフィー(0〜10%のジクロロメタン中メタノール+1%のアンモニア)によって精製して、白色固体(50mg、23%)を得た。
H NMR(300MHz、CDOD)δ:1.25(9H,s)、2.47〜2.52(4H,bs)、3.62(2H,s)、3.69〜3.74(4H,m)、4.50(2H,s)、6.18(1H,s)、6.84(1H,dd)、7.01(1H,d)、7.25(1H,dd)、7.28〜7.42(4H,m)、7.47(1H,dd)、7.55(2H,d)、7.68(1H,dd)、7.74(2H,d)、8.06〜8.09(1H,m)。
LCMS:m/z ES 721[M−H]、RT=2.47分
【0365】
(実施例8)
1−[5−t−ブチル−2−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−{2−[3−(4−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
【0366】
【化76】

調製例28および調製例4を使用しながら実施例7の手順を使用して調製すると、白色固体(20mg、9%)が得られた。
H NMR(300MHz、CDOD)δ:1.25(9H,s)、2.47〜2.52(4H,bs)、3.62(2H,s)、3.69〜3.74(4H,m)、4.50(2H,s)、6.16(1H,s)、6.96(1H,d)、7.14(1H,dd)、7.25(1H,dd)、7.28〜7.42(4H,m)、7.47(1H,dd)、7.55(2H,d)、7.68(1H,dd)、7.74(2H,d)、8.06〜8.08(1H,m)。
LCMS:m/z ES 721[M−H]、RT=2.63分
【0367】
(実施例9)
1−[5−t−ブチル−2−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(2−{3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル}ベンジル)尿素
【0368】
【化77】

テトラヒドロフラン(2mL)中の調製例50(314mg、362μmol)をトリエチルアミン三フッ化水素酸塩(113mg、724μmol)で処理し、溶液を室温で20時間攪拌した。溶媒を除去し、混合物をジクロロメタン(20mL)に溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。材料をクロマトグラフィー(0〜5%のジクロロメタン中メタノール+1%のアンモニア)によって精製し、次いで結晶化して(ピリジン−水)、淡褐色の小板(197mg、72%)を得た。
H NMR(300MHz、CDCl)δ:1.27(9H,s)、2.60〜2.70(4H,bs)、2.86(2H,t)、3.70〜3.77(4H,m)、4.16(2H,t)、4.58(2H,d)、6.33(1H,s)、6.57(1H,d)、6.61〜6.68(1H,bs)、6.89(2H,bd)、7.00(1H,dd)、7.12(1H,d)、7.17(1H,d)、7.21〜7.28(3>>H,m)、7.30〜7.38(3H,m)、7.46(1H,d)、7.68(1H,bs)、7.97(1H,s)。
LCMS:m/z ES 753[M−H]、RT=2.42分
【0369】
(実施例10)
1−[5−t−ブチル−2−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−(2−{3−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)フェニル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル}ベンジル)尿素
【0370】
【化78】

調製例51を使用しながら実施例9の手順を使用して調製し、結晶化して(アセトン)、淡黄色の粉末(355mg、82%)を得た。
H NMR(300MHz、CDCl)δ:1.28(9H,s)、2.69(4H,bs)、2.86(2H,t)、3.72〜3.80(4H,m)、4.14(2H,t)、4.61(2H,d)、6.35(1H,s)、6.75〜6.80(1H,bs)、6.78(1H,dd)、6.85〜6.91(2H,m)、6.94(1H,dd)、7.02〜7.08(3H,m)、7.12(1H,d)、7.22〜7.40(4H,m)、7.49(1H,d)、7.85(1H,bs)、7.86(1H,s)。
LRMS:m/z ES 753[MH]、751[MH]
【0371】
(実施例11)
1−{2−[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}−3−[2−(3−ジメチルアミノメチル−フェニル)−5−(1,1−ジメチル−2−メチルスルファニルエチル)−2H−ピラゾール−3−イル]尿素
【0372】
【化79】

調製例41および調製例15を使用しながら実施例3の手順を使用して調製すると、白色固体(32mg、5%)が得られた。
H NMR(300MHz、DMSOd6)δ:1.29(6H,s)、1.97(3H,s)、2.14(6H,s)、2.77(2H,s)、3.42(2H,s)、4.36(2H,d)、6.26(1H,s)、6.91(1H,t)、6.98〜7.04(1H,m)、7.08〜7.14(1H,m)、7.19〜7.44(10H,m)、7.84(1H,dd)、8.14〜8.17(1H,m)、8.27(1H,s)、9.82(1H,s)。
LRMS:m/z APCI/ES 727/729[MH]、727/725[M−H]
【0373】
上で言及した実施例および調製例に記載の方法は、他の本発明の化合物の調製に使用してもよい。本発明の化合物の合成における任意の段階で、分子中の1個または複数の敏感な基を保護して、望ましくない副反応を防ぐようにすることが必要または望ましい場合もあることは、当業者に理解されよう。当業者ならば、他の経路も同様に実行可能となり得ることがわかるであろう。
【0374】
本発明の別の実施形態では、以下のリストから選択される化合物が提供される。前記化合物は、本明細書に記載の方法を使用して調製することができる。
【0375】
リスト
1−{5−t−ブチル−2−[3−(2−ジメチルアミノエトキシ)フェニル]−2H−ピラゾール−3−イル}−3−{2−[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
1−[5−t−ブチル−2−(3−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−{2−[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
1−[5−t−ブチル−2−(3−モルホリン−4−イルメチルフェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−3−{2−[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イルスルファニル]ベンジル}尿素
1−(3−t−ブチル−1−{4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(3−t−ブチル−1−{4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(3−t−ブチル−1−{4−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−[3−t−ブチル−1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−{2−[(3−{3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)チオ]ベンジル}尿素
1−[3−t−ブチル−1−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[3−(1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[3−t−ブチル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[3−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{2−[(3−{4−[(4−ベンジルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)チオ]ベンジル}−3−[3−t−ブチル−1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−[3−t−ブチル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[3−t−ブチル−1−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[3−t−ブチル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[3−t−ブチル−1−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{1−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル}−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[1−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[1−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[1−(4−クロロ−3−ヒドロキシフェニル)−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−[3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−(4−フルオロ−3−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−[2−({3−[3−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル}チオ)ベンジル]尿素
1−(3−t−ブチル−1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(3−t−ブチル−1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−t−ブチル−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−t−ブチル−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(3−t−ブチル−1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(3−t−ブチル−1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−t−ブチル−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−t−ブチル−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−t−ブチル−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(3−t−ブチル−1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−t−ブチル−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−(1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−(1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−(1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−(1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1−メチル−1−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−(1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−(1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1H−ピラゾール−5−イル)尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−[1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル]−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−[1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−[1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−[1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−[1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−{3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−[1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−[1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−[1−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−[1−{3−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(1,1−ジメチルプロピル)−1H−ピラゾール−5−イル]尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−[3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−(2−{[3−(2−クロロ−5−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)−3−{3−(1,1−ジメチルプロピル)−1−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}尿素
1−{3−t−ブチル−1−[3−(チオモルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}−3−(2−{[3−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]チオ}ベンジル)尿素


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)の化合物
【化1】

または薬学的に許容できるその塩および/もしくは(水和物を含む)溶媒和物[式中、
は、CH、SCH、SCHCH、CHCH、H、またはCHSCHであり、
1aは、CHまたはCHCHであり、
は、次式
【化2】

[式中、Aは、xが2または3である−O−(CH−、およびyが1、2、または3である−(CH−から選択され、
およびRは、メチル、エチル、およびプロピルからそれぞれ独立に選択されるか、またはこれらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、またはピペラジニル環を形成している]であり、
およびRの一方はヒドロキシであり、他方はクロロおよびフルオロから選択される]、
または式(Ib)の化合物
【化3】

または薬学的に許容できるその塩および/もしくは(水和物を含む)溶媒和物[式中、
およびRの一方はヒドロキシであり、他方はクロロおよびフルオロから選択され、
は、フェニル環の3位または4位にあり、次式
【化4】

[式中、Aは、式(Ia)について上で定義したとおりであり、R10およびR11は、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、およびフェニルエチルからそれぞれ独立に選択されるか、またはR10およびR11は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはピペラジニル環を形成しており、前記ピペラジニル環は、4位がメチル、エチル、プロピル、またはベンジルで置換されていてもよく、前記ピロリジニルおよびピペリジニルはそれぞれ、フェニル環と縮合していてもよい]であり、
およびR1aは、式(Ia)について上で定義したとおりである]。
【請求項2】
がCH、SCH、CHSCH、またはCHCHである、請求項1に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項3】
1aがCHである、請求項1または請求項2に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項4】
Aがエトキシまたはメチルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項5】
およびRが両方ともメチルであるか、またはこれらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニルもしくはモルホリニル環を形成している、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項6】
が、ジメチルアミノエトキシ、ジメチルアミノメチル、またはモルホリン−4−イルメチルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項7】
がフェニル環の3位にある、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項8】
およびRの一方がヒドロキシであり、他方がクロロである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項9】
およびRがフェニル環の2位および5位にある、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項10】
およびRの一方がヒドロキシであり、他方がクロロである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項11】
およびRがフェニル環の3位および4位にある、請求項1から4または10のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項12】
がモルホリン−4−イルメチルまたはモルホリン−4−イルエトキシである、請求項1から4、10または11のいずれかに記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項13】
が4−(モルホリン−4−イルメチル)または3−(モルホリン−4−イルエトキシ)である、請求項12に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項14】
遊離分子としての請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物の塩形態。
【請求項16】
塩が、酢酸塩、メシル酸塩、フマル酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、重硫酸塩/硫酸塩、D−酒石酸塩、L−酒石酸塩、イセチオン酸塩、およびキシナホ酸塩から選択される、請求項15に記載の塩形態。
【請求項17】
医薬中に使用するための請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項18】
以下のものからなる群から選択される疾患、障害、または状態の治療において使用するための、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物:
・あらゆる種類、病因、または発生機序の喘息、特に、アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、IgE媒介性のアトピー性気管支喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的な障害によって引き起こされる内因性喘息、環境因子によって引き起こされる外因性喘息、原因が不明または明らかでない本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、気腫性喘息、運動誘発喘息、アレルゲンによって誘発される喘息、冷気によって誘発される喘息、職業喘息、細菌、真菌、原生動物、またはウイルス感染によって引き起こされる感染性喘息、非アレルギー性喘息、初発喘息、小児喘鳴症候群、ならびに細気管支炎からなる群から選択される一員である喘息、
・慢性または急性の気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞、ならびに気腫、
・あらゆる種類、病因、または発生機序の閉塞性または炎症性の気道疾患、特に、慢性の好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を含むCOPD、COPDに関連するまたは関連しない肺気腫または呼吸困難、不可逆性の進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸促拍症候群(ARDS)、他の薬物治療の結果として生じる気道反応亢進の激化、ならびに肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択される一員である閉塞性または炎症性の気道疾患、
・あらゆる種類、病因、または発生機序の気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管気管支炎、アラキジン酸気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息様気管支炎、湿性の気管支炎、ブドウ球菌または連鎖球菌による気管支炎、ならびに肺胞性気管支炎からなる群から選択される一員である気管支炎、
・急性肺傷害、
ならびに
・あらゆる種類、病因、または発生機序の気管支拡張症、特に、円柱状気管支拡張症、嚢状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、毛細管性気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、乾性気管支拡張症、および濾胞性気管支拡張症からなる群から選択される一員である気管支拡張症。
【請求項19】
疾患、障害、または状態が、あらゆる種類、病因、または発生機序の閉塞性または炎症性の気道疾患、特に、慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を含むCOPD、COPDに関連するまたは関連しない肺気腫または呼吸困難、不可逆性の進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸促拍症候群(ARDS)、他の薬物治療の結果として生じる気道反応亢進の激化、ならびに肺高血圧に関連する気道疾患からなる群から選択される一員である閉塞性または炎症性の気道疾患である、請求項18に記載の使用のための請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項20】
疾患、障害、または状態が慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項19に記載の使用のための請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項21】
請求項18、請求項19、または請求項20に記載の疾患、障害、または状態を治療するための医薬の製造における、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物の使用。
【請求項22】
TNF媒介性の疾患、障害、もしくは状態、またはp38媒介性の疾患、障害、もしくは状態の治療において使用するための、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物。
【請求項23】
TNF媒介性の疾患、障害、もしくは状態、またはp38媒介性の疾患、障害、もしくは状態を治療するための医薬の製造における、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物の使用。
【請求項24】
請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、塩、および/または溶媒和物と、薬学的に許容できる希釈剤、担体、または佐剤とを含む医薬組成物。
【請求項25】
哺乳動物に、有効量の請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、請求項18、請求項19、または請求項20に記載の疾患、障害、または状態の治療方法。
【請求項26】
本明細書で開示する化合物、塩、および/または溶媒和物。

【公表番号】特表2009−526037(P2009−526037A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553846(P2008−553846)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【国際出願番号】PCT/IB2007/000291
【国際公開番号】WO2007/091152
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(597014501)ファイザー・リミテッド (107)
【氏名又は名称原語表記】Pfizer Limited
【住所又は居所原語表記】Ramsgate Road, Sandwich, Kent, England
【Fターム(参考)】