説明

トリアゾール誘導体

【課題】シクロオキシゲナーゼ阻害活性を有するトリアゾール化合物、該化合物を含有する医薬組成物の提供。
【解決手段】[式中、Rは、ハロゲン、シアノ、N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル等; R,Rは低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基等; XはO、S等; YおよびZはそれぞれCHまたはN; mは0または1;をそれぞれ意味する。]で表される下記化合物またはその塩及び該化合物を含有する医薬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、薬理活性を有するトリアゾール化合物、それらの製造方法およびそれらを含有する医薬組成物に関する。
(背景技術)二つのシクロオキシゲナーゼイソエンザイム、すなわちシクロオキシゲナーゼ−I(COX−I)とシクロオキシゲナーゼ−II(COX−II)が存在することが知られている(Proc.Nat.Acad.Sci.USA 88,2692−2696(1991))。
【0002】
伝統的な非ステロイド系抗炎症化合物(NSAIDs)はCOX−IとCOX−IIの両方に対する阻害活性を有している(J.Biol.Chem.,268,6610−6614(1993)など)。これらを治療に用いると、胃腸管に望ましくない作用、たとえば出血、糜爛、胃および腸潰瘍などを伴う。
【0003】
COX−IIの選択的阻害が、慣用のNSAIDsに匹敵する抗炎症および鎮痛活性を示すが、胃腸に望ましくない作用を及ぼすことは少ないと報告されている(Pro.Nat.Acad.Sci.USA,91,3228−3232(1994))。したがって、種々の選択的COX−II阻害剤が調製されている。しかしながら、それらの「選択的COX−II阻害剤」が、腎臓に若干の副作用を呈し、および/または急性疼痛に対して不十分な有効性を呈することが報告されている。
【0004】
さらに、SC−560、モフェゾラクなどのいくつかの化合物は、COX−Iに対していくらかの選択的阻害活性を有している。WO98/57910は、いくつかの化合物がそのような活性を有することを示している。しかしながら、胃腸疾患を引き起こすので、それらのCOX−I阻害選択性は、臨床的に許容され、満足できる鎮痛剤としてそれらを使用するには十分であるとは思われない。
【0005】
WO02/055502は、シクロオキシゲナーゼ阻害活性、特にシクロオキシゲナーゼ−I阻害活性を有するいくつかのピリジン誘導体を示している。さらに、WO99/51580は、サイトカイン産生阻害活性を有するいくつかのトリアゾール誘導体を示している。
(発明の開示)
本発明は、シクロオキシゲナーゼ(以下、COXと記す)阻害活性などの医薬活性を有するトリアゾール化合物、それらの製造方法およびそれらを含有する医薬組成物ならびにそれらの用途に関する。
【0006】
したがって、本発明の一つの目的は、COX阻害活性を有する前記トリアゾール化合物を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、前記トリアゾール化合物の製造方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、前記トリアゾール化合物を有効成分として含有する医薬組成物を提供することである。
【0009】
本発明のいま一つの目的は、前記トリアゾール化合物の、種々の疾患を治療または予防するための医薬の製造への使用を提供することである。
【0010】
本発明の新規トリアゾール化合物は下記の一般式(I)
【0011】
【化1】

【0012】
[式中、Rは、ハロゲン、シアノ、N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル、ハロゲンで任意に置換されたフェニルまたは複素環基で任意に置換された低級アルキル基、
シクロ(低級)アルキル基、
低級アルキニル基または
N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル基;
は低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基または1H−ピロール−1−イル基;
は低級アルキル基、低級アルコキシ基またはシアノ基;
XはO、S、SOまたはSO
YおよびZは、それぞれCHまたはN;
mは0または1;
をそれぞれ意味する。]
で表される化合物またはその塩である。
【0013】
本発明の目的化合物(I)は、下記の諸方法によって製造することができる。
製造法(1)
【0014】
【化2】

【0015】
製造法(2)
【0016】
【化3】

【0017】
製造法(3)
【0018】
【化4】

【0019】
製造法(4)
【0020】
【化5】

【0021】
製造法(5)
【0022】
【化6】

【0023】
(上記各式中、R、R、R、X、Y、Zおよびmはそれぞれ前記定義の通りであり、
はOまたはS、
、LおよびLはそれぞれ脱離基、
をそれぞれ意味する。)
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物は、1個以上の不斉中心を有することがあり、鏡像異性体またはジアステレオ異性体として存在することができる。本発明には、混合物および別個の異性体の両方が含まれる。
【0024】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物は、互変異形態で存在することがあり、本発明には、混合物および別個の互変異性体の両方が含まれる。
【0025】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物およびその塩は、溶媒和物の形態をとることができ、これもまた本発明の範囲に含まれる。好ましい溶媒和物としては、水和物およびエタノレートが挙げられる。
【0026】
生物学的研究に適している式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If)の化合物の放射線標識誘導体もまた本発明の範囲に含まれる。
【0027】
本明細書の以上および以下の記述において、本発明の範囲に包含される種々の定義の好適な実例を次に詳細に説明する。
【0028】
「低級」とは、特記ない限り、炭素原子1ないし6個を有する基を意味する。
【0029】
「低級アルキル基」および「低級アルコキシ」における好適な低級アルキル部分としては、直鎖または分枝状のもの、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを挙げることができ、好ましいものとしては、メチルまたはジメチルを挙げることができる。
【0030】
好適な低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第三級ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどを挙げることができ、好ましいものとしては、メトキシを挙げることができる。
【0031】
好適な「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などを挙げることができ、好ましいものとしては、フッ素を挙げることができる。
【0032】
好適な「ハロゲンで置換された低級アルキル基」としては、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換された低級アルキル、たとえばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、フルオロエチル、クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロブチル、フルオロヘキシルなどを挙げることができる。好ましいものとしては、ハロゲンで置換されたC1−C2アルキルを挙げることができる。より好ましいものとしては、フッ素置換されたメチル、最も好ましいものとしては、トリフルオロメチルまたは2,2,2−トリフルオロエチルを挙げることができる。
【0033】
好適な「シクロ(低級)アルキル基」としては、3ないし8員のシクロアルキル、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを挙げることができ、好ましいものとしては、炭素原子5ないし7個を有するものを挙げることができる。
【0034】
好適な「N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル基」としては、窒素原子における同一のまたは異なる前記低級アルキル基で置換されたカルバモイル基、たとえばジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジプロピルカルバモイル、ジイソプロピルカルバモイルなどを挙げることができる。好ましいものとしては、ジ(C1−C4)カルバモイルを、より好ましいものとしては、ジ(C1−C2アルキル)カルバモイルを挙げることができる。
【0035】
好適な「複素環基」としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を少なくとも1個有する飽和または不飽和の単環式または多環式複素環基を挙げることができる。特に好ましい複素環基としては、たとえば、
窒素原子1ないし4個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の不飽和複素単環基、たとえばピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジルおよびそのN−オキサイド、ジヒドロピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピリダジニル(たとえば2,3,4,5−テトラヒドロピリダジニルなど)、トリアゾリル(たとえば4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリルなど)、テトラゾリル(たとえば1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリルなど)など;
窒素原子1ないし4個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の飽和複素単環基、たとえばピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニルなど;
窒素原子1ないし4個を有する不飽和縮合複素環基、たとえばインドリル、イソインドリル、インドリニル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリルなど;
酸素原子1ないし2個および窒素原子1ないし3個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の不飽和複素単環基、たとえばオキサゾリル、イソオキサゾリル(たとえば3−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリルなど(たとえば1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリルなど)など;
酸素原子1ないし2個および窒素原子1ないし3個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の飽和複素単環基、たとえばモルホリニル、シドノニルなど;
酸素原子1ないし2個および窒素原子1ないし3個を有する不飽和縮合複素環基、たとえばベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリルなど;
硫黄原子1ないし2個および窒素原子1ないし3個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の不飽和複素単環基、たとえばチアゾリル(たとえば1,3−チアゾリル)、イソチアゾリル、チアジアゾリル(たとえば1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリルなど)、ジヒドロチアジニルなど;
硫黄原子1ないし2個および窒素原子1ないし3個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の飽和複素単環基、たとえばチアゾリジニルなど;
硫黄原子1ないし2個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の不飽和複素単環基、たとえばチエニル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニルなど;
硫黄原子1ないし2個および窒素原子1ないし3個を有する不飽和縮合複素環基、たとえばベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど;
酸素原子1個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の不飽和複素単環基、たとえばフリルなど;
酸素原子1個および硫黄原子1ないし2個を有する3ないし8員(より好ましくは5または6員)の不飽和複素単環基、たとえばジヒドロオキサチイニルなど;
硫黄原子1ないし2個を有する不飽和縮合複素環基、たとえばベンゾチエニル、ベンゾジチイニルなど;
酸素原子1個および硫黄原子1ないし2個を有する不飽和縮合複素環基、たとえばベンゾオキサチイニルなど;などの複素環基を挙げることができる。
【0036】
好適な「脱離基」としては、ハロゲン、たとえば塩素などを挙げることができる。
【0037】
好適なアルキニル基としては、少なくとも1個の炭素間三重結合を有する一価の分枝または非分枝炭化水素ラジカル、たとえばエチニル、2−プロピニル,2−ブチニルなどを挙げることができる。
【0038】
YとZの好ましい組み合わせとしては、CHとCH、CHとNまたはNとCHを挙げることができる。
【0039】
好ましい化合物(I)としては、下記の(I’)
【0040】
【化7】

【0041】
(式中、Rは低級アルキル基、
ハロゲン、シアノ、N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル、ハロゲンで任意に置換されたフェニルまたは複素環基で置換された低級アルキル基、
シクロ(低級)アルキル基、
低級アルキニル基または
N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル基;
は低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基または1H−ピロール−1−イル基;
は低級アルキル基、低級アルコキシ基またはシアノ基;
XはO、S、SOまたはSO;YおよびZはそれぞれCHまたはN;mは0または1;
をそれぞれ意味する。)
で表される化合物またはその塩を挙げることができる。
【0042】
上記化合物(I’)のうち、より好ましいものとしては、
が低級アルキル基またはハロゲンで置換された低級アルキル基;
が低級アルコキシ基;Rが低級アルコキシ基;
XがO;YおよびZがそれぞれCH;mが1;
をそれぞれ意味するものを挙げることができる。
【0043】
化合物(I)の好適な塩は、医薬として許容される慣用の無毒の塩であって、金属塩、たとえばアルカリ金属塩(たとえばナトリウム塩、カリウム塩など)およびアルカリ土類金属塩(たとえばカルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩、有機塩基塩(たとえばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩など)、有機酸塩(たとえば酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、蟻酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩など)、無機酸塩(たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、燐酸塩など)、アミノ酸(たとえばアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸など)との塩などを挙げることができる。
【0044】
目的化合物の製造法を次に詳細に説明する。
製造法(1)
化合物(Ia)またはその塩は、化合物(II)またはその塩を化合物(III)またはその塩と反応させることによって製造することができる。
【0045】
この反応は、通常、慣用の溶媒、たとえばテトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に悪影響を及ぼさない他の溶媒中で行われる。
【0046】
この反応は、無機または有機塩基の存在下で行われるのが好ましく、塩基としては、たとえばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、トリ(低級)アルキルアミン、ピリジン(たとえばピリジン、ルチジン、ピコリン、ジメチルアミノピリジンなど)、N−(低級)アルキルモルホリン、N−,N−ジ(低級)アルキルベンジルアミン、N−,N−ジ(低級)アルキルアニリンなどを挙げることができる。前記の塩基、酸および/または出発化合物が液体である場合、それらもまた溶媒として使用できる。
【0047】
反応温度は特に限定されず、反応は、通常、冷却ないし加熱下で行われる。
製造法(2)
化合物(V)またはその塩は、化合物(IV)またはその塩を塩基性状態下に転換することによって製造することができる。
【0048】
この反応は、通常、慣用の溶媒、たとえば水、アルコール(たとえばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に悪影響を及ぼさない他の有機溶媒中で行われる。これらの溶媒のうち、親水性の溶媒は水と混合して用いてもよい。
【0049】
この反応は、無機または有機塩基の存在下で行われるのが好ましく、塩基としては、たとえばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、トリ(低級)アルキルアミン、ピリジン(たとえばピリジン、ルチジン、ピコリン、ジメチルアミノピリジンなど)、N−(低級)アルキルモルホリン、N−,N−ジ(低級)アルキルベンジルアミン、N−,N−ジ(低級)アルキルアニリンなどを挙げることができる。前記の塩基、酸および/または出発化合物が液体である場合、それらもまた溶媒として使用できる。
【0050】
反応温度は特に限定されず、反応は、通常、冷却ないし加熱下で行われる。
【0051】
次に、得られた化合物(V)は、塩基性状態下にR−Lと縮合され、化合物(Ib)が得られる。
【0052】
この反応は、通常、製造法1で例示された慣用の溶媒、または反応に悪影響を及ぼさない他の有機溶媒中で行われる。これらの溶媒のうち、親水性の溶媒は水と混合して用いてもよい。
【0053】
好適な塩基としては、第三級アミン[たとえばトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリンなど]、アルカリ金属水酸化物[たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど]、アルカリ金属炭酸塩[たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど]、アルカリ金属重炭酸塩(たとえば重炭酸ナトリウムなど)、有機酸の塩[たとえば酢酸ナトリウムなど]などを挙げることができる。前記塩基が液体である場合、それも溶媒として使用できる。
【0054】
反応温度は特に限定されず、反応は、通常、冷却ないし加温下で行われる。
製造法(3)
化合物(Id)またはその塩は、化合物(Ic)を酸化剤と反応させることによって製造することができる。
【0055】
この反応は、通常、製造法1で例示された慣用の溶媒、または反応に悪影響を及ぼさない他の有機溶媒中で行われる。
【0056】
これらの溶媒のうち、親水性の溶媒は水と混合して用いてもよい。
【0057】
好適な酸化剤としては、過酸化水素、クメンヒドロペルオキシド、第三級ブチルヒドロペルオキシド、ジョーンズ試薬、過酸[たとえば過酢酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸、一過硫酸塩化合物(オキソン)など)]、クロム酸、過マンガン酸カリウム、アルカリ金属過ヨウ素酸塩[たとえば過ヨウ素酸ナトリウムなど]などを挙げることができる。
【0058】
反応温度は特に限定されず、反応は、通常、冷却ないし加温下で行われる。
製造法(4)
化合物(Ie)またはその塩は、化合物(Id)を酸化剤と反応させることによって製造することができる。
【0059】
この反応は、通常、製造法3で例示された慣用の溶媒、または反応に悪影響を及ぼさない他の有機溶媒中で行われる。
【0060】
この製造法で用いられる酸化剤としては、製造法(3)で例示された慣用の試薬を挙げることができる。
【0061】
反応温度は特に限定されず、反応は、通常、冷却ないし加温下で行われる。
製造法(5)
化合物(VIII)またはその塩は、化合物(VI)またはその塩を化合物(VII)またはその塩と塩基性状態下に反応させることによって製造することができる。
【0062】
この反応は、通常、好適な溶媒、たとえば酢酸塩、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に悪影響を及ぼさない他の有機溶媒中で行われる。
【0063】
この反応は、無機または有機塩基の存在下で行われるのが好ましく、塩基としては、たとえばアルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、トリアルキルアミン、ピリジン(たとえばピリジン、ルチジン、ピコリン、ジメチルアミノピリジンなど)、N−アルキルモルホリン、N−,N−ジアルキルベンジルアミン、N−,N−ジアルキルアニリンなどを挙げることができる。前記の塩基、酸および/または出発化合物が液体である場合、それらもまた溶媒としての役割を果たすことができる。
【0064】
収率または純度において、反応温度は反応に対して特に重要ではなく、反応は、温度に無関係に行うことができる。
【0065】
次に、化合物(VIII)またはその塩は、化合物(IX)またはその塩と酸性状態下に反応して、化合物(I)またはその塩を生成する。化合物(IX)の塩がこの反応で用いられる場合、適当な塩基を加えて、系を中和してもよい。
【0066】
反応は、通常、好適な溶媒、たとえば水、酢酸、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、または反応に悪影響を及ぼさない他の有機溶媒中で行われる。また、混合溶媒を用いてもよい。
【0067】
好適な酸としては、有機カルボン酸[たとえば蟻酸、酢酸、プロピオン酸など]、有機スルホン酸[たとえばメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など]、無機酸[たとえば塩酸、硫酸など]を挙げることができる。酸が液体である場合、それもまた溶媒としての役割を果たすことができる。
【0068】
収率または純度において、反応温度は反応に対して特に重要ではなく、反応は、温度に無関係に行うことができる。
【0069】
目的化合物(I)の有用性を示すために、化合物(I)の薬理試験データを以下に示す。
[A] 鎮痛作用
ラットのアジュバント関節炎に対する効果
(i) 試験方法
50μlの流動パラフィン中の0.5gのヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(ディフコ(Difco)研究所、デトロイト、ミシガン)を、7週齢のルイス(Lewis)ラットの右後肢に注射して、関節炎を誘発させた。関節炎に罹ったラットにおける一回投与量の薬剤の鎮痛作用を調べた。22日目に、薬剤による治療のため、関節炎に罹ったラットを、左後肢の疼痛閾値と体重に基づいて無作為にグループ分けした(n=10)。薬剤(試験化合物)を投与し、薬剤投与の2時間後に疼痛閾値を測定した。痛覚過敏の強度をランダル−セリト法で評価した。足関節を平衡圧力装置(ウゴバシレ(Ugo Basile)社、バレセ、イタリア)で押すことによって、左後肢(注射しなかった後肢)の機械的疼痛閾値を測定した。キーキー鳴いているまたはもがいているラットの閾値圧力をグラムで表した。処理したラットの閾値圧力を未処置のラットの閾値圧力と比較した。比1.5を示す投与量を有効投与量と見なす。
(ii) 試験結果
【0070】
【表1】

【0071】
[B] COX−IおよびCOX−IIに対する阻害活性
(全血アッセイ)
(i) 試験方法:
COX−Iについての全血アッセイ
同意を得た志願者から抗凝血薬を含まない注射器で新鮮血液を採取した。被験者は、明らかな炎症性症状を示しておらず、採血前の少なくとも7日間にいかなる投薬も受けていなかった。ヒト全血の500μlアリコートを2μlのDMSO賦形剤または最終濃度での2μlの試験化合物と共に、1時間37℃で直ちにインキューベートして、凝血させた。適切な処置(インキュベーションは行わない)を盲験として用いた。インキュベーション後、5μlの250mMインドメタシンを加えて反応を停止させた。血液を6000×gで5分間4℃で遠心分離して、血清を得た。血清の100μlアリコートを400μlのメタノールと混合し、タンパク質を沈殿させた。6000×gで5分間4℃で遠心分離して上清を得て、酵素イムノアッセイキットを用いて、そのキットメーカーの手法にしたがってTXB2について検定した。試験化合物について、結果を、DMSO賦形剤を含有する対照インキュベーションと比較してTXB2生成の阻害パーセントで表した。表示濃度での試験化合物の記録値をlog値に変更し、単純一次回帰を適用して、データを分析した。IC50の値を最小二乗法で算出した。
COX−IIについての全血アッセイ
同意を得た志願者から注射器でヘパリン添加管に新鮮血液を採取した。被験者は、明らかな炎症性症状を示しておらず、採血前の少なくとも7日間にいかなる投薬も受けていなかった。ヒト全血の500μlアリコートを2μlのDMSO賦形剤または最終濃度での2μlの試験化合物と共に、15分間37℃でインキューベートした。次に、10μlの5mg/mlリポ多糖と共に血液を24時間37℃でインキューベートし、COX−2を誘導した。適切なPBS処置(LPSは用いない)を盲験として用いた。インキュベーション後、血液を6000×gで5分間4℃で遠心分離して、血漿を得た。血漿の100μlアリコートを400μlのメタノールと混合し、タンパク質を沈殿させた。6000×gで5分間4℃で遠心分離して上清を得て、PGE2をそのメチルオキシメート誘導体に転換後、上清をラジオイムノアッセイキットを用いて、そのキットメーカーの手法にしたがってPGE2について検定した。試験化合物について、結果を、DMSO賦形剤を含有する対照インキュベーションと比較してPGE2生成の阻害パーセントで表した。表示濃度での試験化合物の記録値をlog値に変更し、単純一次回帰を適用して、データを分析した。IC50の値を最小二乗法で算出した。
(ii) 試験結果
【0072】
【表2】

【0073】
上記の試験結果から、本発明の化合物(I)または医薬として許容されるその塩が、COXに対する阻害活性、特にCOX−Iに対する選択的阻害活性を有すると思われる。
[C] 血小板凝集に対する阻害活性
(i) 方法
血小板多血漿の調製
3.8%クエン酸ナトリウム(1/10容量)を含むプラスチック容器に健康なヒト志願者からの血液を採取した。採血前の少なくとも7日間に被験者はいかなる化合物をも投与されていなかった。1200rpmで10分間遠心分離後、血小板多血漿を血液の上清部分から得た。残留血液を3000rpmで10分間遠心分離して、血小板乏血漿を得た。
血小板凝集の測定
血小板凝集を比濁法にしたがって血小板凝集計(ヘマトレーサー)で測定した。キュベット内で、化合物または賦形剤を添加後、血小板多血漿を2分間37℃でプレインキューベートした。各化合物の阻害効果を定量化するために、光伝達の最大増加を、作動薬添加後の7分間、凝集曲線から求めた。本調査において、コラーゲンを血小板凝集作動薬として用いた。コラーゲンの最終濃度は0.5μg/mlであった。各化合物の効果を、賦形剤による処置と比較して、作動薬で誘発された血小板凝集の阻害パーセントで表した。データを六回の実験における平均±S.E.M.として示した。IC50値を一次回帰によって得て、賦形剤による処置と比較して、作動薬で誘発された血小板凝集の50%阻害を生じるに必要な化合物濃度として表した。
(ii) 試験結果
【0074】
【表3】

【0075】

上記の試験結果から、本発明の化合物(I)または医薬として許容されるその塩が、血小板凝集に対する阻害活性を有することが示された。したがって、化合物(I)または医薬として許容されるその塩は、血小板凝集によって誘発される血栓などの疾患の防止または治療に有用である。
【0076】
さらに、本発明の化合物(I)は、非選択的NSAIDsの望ましくない副作用、たとえば胃腸障害、出血、腎毒性、心血管障害などを生じないことが確認された。
【0077】
本発明の化合物(I)または医薬として許容されるその塩は、COX阻害活性を有し、さらに、強力な抗炎症、解熱、鎮痛、抗血栓、抗ガン作用などを有する。
【0078】
したがって、本発明の化合物(I)および医薬として許容されるその塩は、全身または局所的に投与することによって、ヒトまたは動物におけるCOX媒介疾患、炎症症状、種々の疼痛、コラーゲン病、自己免疫疾患、種々の免疫疾患、血栓症、ガンおよび神経変性症の治療および/または予防に有用である。
【0079】
より詳しくは、目的化合物(1)および医薬として許容されるその塩は、
関節および筋肉内の急性または慢性の炎症および疼痛[たとえばリウマチ性関節炎、リウマチ性脊椎炎、変形性関節症、痛風性関節炎、若年性関節炎、肩関節周囲炎、頚部症候群など];
腰痛;
炎症性皮膚症状[たとえば日焼け、熱傷、湿疹、皮膚炎など];
炎症性眼症状[たとえば結膜炎など];
炎症を伴う肺疾患[たとえば喘息、気管支炎、鳩愛好者病、農夫肺など];
炎症に関わる胃腸管症状[たとえばアフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、疣状胃炎、潰瘍性大腸炎、腹腔疾患、限局性回腸炎、過敏性腸症候群など];
歯肉炎;月経痛;
炎症、手術または外傷後の疼痛および腫脹[抜歯後の疼痛など];
炎症に関わる発熱、疼痛および他の症状、特にリポキシゲナーゼおよびシクロオキシゲナーゼ生成物を要因とするもの、
全身性紅斑性エリテマトーデス、硬皮症、多発性筋炎、腱炎、滑液包炎、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱、シェーグレン症候群、ベーチェット病、甲状腺炎、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、無形成貧血、重症筋無力症、ブドウ膜接触皮膚炎、乾癬、川崎病、サルコイドーシス、ホジキン病、アルツハイマー病などの治療および/または予防に有用である。
【0080】
さらに、目的化合物(I)またはその塩は、心臓血管または脳血管の疾患、高血糖症および高脂血症を要因とする疾患の治療および/または予防薬剤として有用であると予想される。
【0081】
目的化合物(I)およびその塩は、動脈血栓症、動脈硬化症、虚血性心疾患[たとえば狭心症(たとえば安定狭心症、切迫梗塞を含む不安定狭心症など)、心筋梗塞(たとえば急性心筋梗塞症など)、冠動脈血栓症など]、虚血性脳疾患[たとえば脳梗塞(たとえば急性脳血栓症など)、脳血栓症(たとえば脳塞栓症など)、一過性脳虚血(たとえば一過性虚血発作など)、脳出血後の脳血管痙攣(たとえばクモ膜下出血後の脳血管痙攣など)など]、肺血管疾患(たとえば肺血栓症、肺動脈塞栓症など)、末梢循環障害[たとえば閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎(すなわちバージャー病)、レイノー病、糖尿病の合併症(たとえば糖尿病性血管症、糖尿病性ニューロパシーなど)、静脈血栓症(たとえば深部静脈血栓症など)など]、腫瘍の合併症(たとえば圧迫性血栓症)、流産[たとえば胎盤血栓症など]、再狭窄および再閉塞[たとえば経皮経管冠動脈形成術(PTCA)後の再狭窄および/または再閉塞、血栓溶解薬(たとえば組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)など)を投与後の再狭窄および再閉塞]、血管手術、弁置換、体外循環[たとえば手術(たとえば開心術、人工心肺装置など)、血液透析など]または移植の場合における血栓形成、汎発性血管内凝固症(DIC)、血栓性血小板減少症、本態性血小板増加症、炎症(たとえば腎炎など)、免疫疾患、血液渋滞性血栓症、移動血栓症、静脈拡張性血栓症、跳躍性血栓症、壁在血栓症などの予防および治療に使用することができる。
【0082】
目的化合物(I)およびその塩は、血栓溶解薬(たとえばTPAなど)または抗凝固薬(たとえばヘパリンなど)を用いる補助薬療法に使用することができる。
【0083】
さらに、化合物(I)は、透析などの体外循環中の血栓症の阻止にも有用である。
【0084】
特に、下記の疾患、すなわち、リウマチ性関節炎、変形性関節症、腰部リューマチ、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎、若年性関節炎など;腰痛;頚肩症候群;肩関節周囲炎、手術または外傷後の疼痛および腫脹などを挙げることができる。
【0085】
治療のためには、本発明の化合物(I)および医薬として許容されるその塩は、前記化合物の一つを有効成分として、経口、非経口または外用に適した有機または無機の固体または液体の賦形剤などの医薬として許容される担体と共に含有する医薬製剤の形で用いることができる。前記医薬製剤は、カプセル剤、錠剤、糖剤、顆粒、吸入剤、坐剤、液剤、ローション剤、懸濁剤、乳剤、軟膏剤、ゲル剤などであってもよい。必要ならば、上記製剤に、補助剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤および他の常用添加剤を配合させてもよい。
【0086】
化合物(I)の治療有効用量は、個々の患者の年令および症状によって変動するが、化合物(I)の約0.01mg、0.1mg、1mg、10mg、50mg、100mg、250mg、500mgおよび1000mgの平均一回用量が上記疾患の治療に有効であろう。一般的に、一日当たり0.01mg/人ないし約1,000mg/人の量を投与すればよい。
【0087】
治療のためには、本発明の鎮痛剤は、経口、非経口または外用に適した医薬製剤の形で用いることができる。前記医薬製剤は、カプセル剤、錠剤、糖剤、顆粒、吸入剤、坐剤、液剤、ローション剤、懸濁剤、乳剤、軟膏剤、ゲル剤などであってもよい。
【0088】
本発明の鎮痛剤は、全身または局所的投与を行うことによって、ヒトまたは動物における急性または慢性の炎症に関連する急性または慢性の疼痛の治療または予防に有用である。
【0089】
本願中にて引用する特許、特許出願および文献の開示を引用して本明細書記載の一部とする。
【実施例】
【0090】
下記の実施例は、本発明を詳細に説明するために示したものである。
【0091】
実施例1
(1) トリフルオロアセトアミジン(4.24g、37.8mモル)のメタノール(20mL)中の溶液に、室温で4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(4.72g、27mモル)とトリエチルアミン(3.77mL、27mモル)を順次加えた。混合物を6時間攪拌した。溶媒を減圧除去した。20mLの水と50mLの酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)を残留物に加え、有機層を分離し、水層を50mLの酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)で抽出した。合わせた有機層を水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去して、2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メトキシフェニル)エタンヒドラゾンアミド(6.82g、収率108.2%)を得た。残留物を、精製することなく次の反応で用いた。
【0092】
(2) 2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メトキシフェニル)エタンヒドラゾンアミド(0.92g、3.95mモル)の、10mLのジオキサン中の溶液に、ピリジン(0.319mL、3.95mモル)と、塩化4−メトキシベンゾイル(673mg、3.95mモル)の、3mLのジオキサン中の溶液を加えた。混合物を攪拌しながら12時間還流した。溶媒を減圧除去した。50mLのジクロロメタンと20mLの0.1N塩酸を残留物に加え、有機層を分離した。水層を50mLのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を0.1N塩酸と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン−酢酸エチル、9:1)で精製して、ジイソプロピルエーテル−ヘキサンで再結晶して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール(0.67g、収率48.6%)の淡褐色針状物を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.45 (t, J=8.9 Hz, 4H), 7.09(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.98(d, J=8.9 Hz, 2H), 3.83(s, 3H), 3.78(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 350(M+1)
【0093】
実施例2
6−メチルニコチン酸(329mg、2.4mモル)のジクロロメタン(3mL)中の懸濁液に、塩化オキサリル(0.209mL、2.4mモル)を加えた。次いで、10μLのジメチルホルムアミドを混合物に加えた。混合物を1時間攪拌し、溶媒を減圧除去した。残留物をジクロロメタンで共沸した。残留物に3mLのジオキサンを加えた。次いで、2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メトキシフェニル)エタンヒドラゾンアミド(466mg、2mモル)とジイソプロピルエチルアミン(0.418mL、2.4mモル)の、4.5mLのジオキサン中の溶液を混合物に加え、混合物を攪拌しながら3.5時間還流した。溶媒を減圧除去し、ジクロロメタンと0.1N塩酸を残留物に加えた。有機層を分離し、0.1N塩酸、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8:1、トルエン−酢酸エチル)で精製した。目的生成物をヘキサンで洗浄し、真空乾燥して、5−[1−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]−2−メチルピリジン(102mg、収率14.8%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 8.51(d, J=2.2 Hz, 1H), 7.74(dd, J=2.2, 8.2 Hz, 1H), 7.50(d, J=8.8 Hz, 2H), 7.34(d, J=8.2 Hz, 1H), 7.09(d, J=8.8 Hz, 2H), 3.83(s, 3H), 3.32(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 335(M+1)
【0094】
実施例3
4−シアノ安息香酸(353mg、2.4mモル)のジクロロメタン(3mL)中の懸濁液に、塩化オキサリル(0.209mL、2.4mモル)を加えた。次いで、10μLのジメチルホルムアミドを混合物に加えた。混合物を1時間攪拌し、溶媒を減圧除去した。残留物をジクロロメタンと共沸した。残留物に3mLのジオキサンを加えた。次いで、2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メトキシフェニル)エタンヒドラゾンアミド(466mg、2mモル)とジイソプロピルエチルアミン(0.418mL、2.4mモル)の、4.5mLのジオキサン中の溶液を混合物に加え、混合物を攪拌しながら3.5時間還流した。溶媒を減圧除去し、ジクロロメタンと0.1N塩酸を残留物に加えた。有機層を分離し、0.1N塩酸、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20:1ないし10:1、トルエン−酢酸エチル)で精製した。目的生成物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、4−[1−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]ベンゾニトリル(88mg、収率12.8%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.94(d, J=8.5 Hz, 2H), 7.67(d, J=8.5 Hz, 2H), 7.50(d, J=9.0 Hz, 2H), 7.09(d, J=9.0 Hz, 2H), 3.83(s, 3H)
【0095】
実施例4
2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メトキシフェニル)エタンヒドラゾンアミド(350mg、1.5mモル)、塩化4−メチルベンゾイル(0.238mL、1.8mモル)とジイソプロピルエチルアミン(0.314mL、1.8mモル)のジオキサン(3.5mL)中の混合物を攪拌しながら13時間還流した。冷却後、溶媒を減圧除去した。ジクロロメタンと0.1N塩酸を残留物に加え、有機層を分離し、0.1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウムと食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、9:1)で精製した。目的生成物を濾過により分離し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥して、1−(4−メトキシフェニル)−5−(4−メチルフェニル)−3−トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール(194mg、収率38.8%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ7.46(d, J=6.8 Hz, 2H), 7.38(d, J=8.1 Hz, 2H), 7.24(d, J=8.1 Hz, 2H), 7.08(d, J=6.8 Hz, 2H), 3.82(s, 3H), 2.31(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 334(M+1)
【0096】
実施例5
(1) 氷浴内で冷却しながら、シアン酸カリウム(1.71g、21.1mモル)を4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(3.35g、19.2mモル)の水(40mL)中の懸濁液に加えた。混合物を同温で1時間攪拌した。次いで、混合物を室温まで加温し、12時間攪拌した。不溶物を濾過により分離し、水で洗浄し、真空乾燥して、2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(2.45g、収率70.5%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.64(s, 1H), 7.26(s, 1H), 6.78(d, J=8.8 Hz, 2H), 6.67(d, J=8.8 Hz, 2H), 5.90(s, 2H), 3.66(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 223(M+1+MeCN)
【0097】
(2) 2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(1.81g、9.99mモル)の、20mLのトルエン中の懸濁液に、ピリジン(1.01mL、12.5mモル)と塩化4−メトキシベンゾイル(2.13g、12.5mモル)の、10mLのトルエン中の溶液を順次加えた。混合物を攪拌しながら1時間還流した。冷却後、500mLの酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)と100mLの水を混合物に加えた。激しく振とうした後、不溶物を濾過により分離し、真空乾燥して、2−(4−メトキシベンゾイル)−2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(1.95g、収率61.9%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 8.86(br s, 1H), 7.49(br d, J=7.4 Hz, 2H), 7.28(br s, 2H), 6.89(m, 4H), 3.77(s, 3H), 3.73(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 316(M+1)
【0098】
(3) 2−(4−メトキシベンゾイル)−2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(1.9g、6.03mモル)の10%水酸化カリウム溶液(16mL)−エタノール(8mL)中の混合物を60℃で1.5時間加熱した。冷却後、溶媒を減圧除去した。水を残留物に加え、混合物のpHを約2に調整した。生じた沈殿物を濾過により分離し、水で洗浄し、真空乾燥して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(1.51g、収率84.3%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ7.32(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.28(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.01(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.93(d, J=8.9 Hz, 2H), 3.80(s, 3H), 3.77(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 298(M+1)
【0099】
(4) 1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(1.5g、5.05mモル)、炭酸カリウム(2.09g、15.1mモル)とヨードメタン(3.14mL、50.5mモル)のジメチルホルムアミド(15mL)中の混合物を一夜攪拌した。100mLの水と300mLの酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)を混合物に注ぎ、有機層を分離し、食塩水−水(1:1)と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、4:1ないし2:3)で精製した。3−メトキシ−1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾールを酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。(658mg、収率41.9%)
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.34(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.32(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.03(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.94(d, J=8.9 Hz, 2H), 3.93(s, 3H), 3.80(s, 3H), 3.76(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 312(M+1)
mp 125.6-126.0℃
【0100】
実施例6
(1) 4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(2.76g、15.8mモル)とシアン酸カリウム(1.94g、20mモル)のエタノール(30mL)中の混合物を10時間還流した。冷却後、生じた沈殿物を濾過により分離し、EtOHで洗浄し、乾燥して、2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボチオアミド(2.46g、収率78.9%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 9.21(s, 1H), 7.73(br s, 1H), 7.62(s, 1H), 7.42(br s, 1H), 6.81(d, J=9.0 Hz, 2H), 6.62(d, J=9.0 Hz), 3.67(s, 3H)
【0101】
(2) 2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボチオアミド(0.5g、2.53mモル)、塩化4−メトキシベンゾイル(541mg、3.17mモル)とピリジン(0.256mL、3.17mモル)のトルエン(10mL)中の混合物を1時間還流した。冷却後、溶媒を減圧除去した。ジイソプロピルエーテルと少量のメタノールを残留物に加え、生じた沈殿物を濾過により分離し、メタノール−ジイソプロピルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、2−(4−メトキシベンゾイル)−2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボチオアミド(277mg、収率33%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 10.27(s, 1H), 8.21(br s, 1H), 7.96(br s, 1H), 7.52(d, J=8.6 Hz, 2H), 7.40(d, J=8.8 Hz, 2H), 6.91(br d, J=8.6 Hz), 3.78(s, 3H), 3.74(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 332(M+1)
【0102】
(3) 2−(4−メトキシベンゾイル)−2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボチオアミド(200mg、0.604mモル)の10%水酸化カリウム溶液(2mL)−エタノール(1mL)中の混合物を4時間還流した。冷却後、混合物のpHを約2に調整し、生じた沈殿物を濾過により分離し、水で洗浄し、真空乾燥して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(52mg、収率27.5%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ7.39(d, J=8.7 Hz, 2H), 7.36(d, J=8.5 Hz, 2H), 7.04(d, J=8.7 Hz, 2H), 7.00(d, J=8.5 Hz, 2H), 3.80(s, 3H), 3.78(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 314(M+1)
【0103】
(4) 1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(470mg、1.5mモル)の1N水酸化ナトリウム溶液(5mL)中の混合物に、ヨードメタン(0.934mL、15mモル)を加えた。混合物を一夜振とうした。ジクロロメタンと水を混合物に加え、有機層を分離し、0.1N塩酸と飽和重炭酸ナトリウムと食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。生じた沈殿物を濾過により分離し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(メチルチオ)−1H−1,2,4−トリアゾール(235mg、収率47.9%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.36(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.34(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.04(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.94(d, J=8.9 Hz, 2H), 3.81(s, 3H), 3.76(s, 3H), 2.58(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 328(M+1)
【0104】
(5) 1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(メチルチオ)−1H−1,2,4−トリアゾール(150mg、0.458mモル)とm−クロロ過安息香酸(119mg、0.687mモル)のジクロロメタン(1.5mL)中の混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−ジクロロメタン中2%メタノール)で精製して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(メチルスルフィニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(152mg、収率96.6%)を得た。
MS (ESI, m/e) 344(M+1)
【0105】
(6) 1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(メチルスルフィニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(152mg、0.443mモル)とm−クロロ過安息香酸(115mg、0.664mモル)のジクロロメタン(1.5mL)の混合物を室温で6時間攪拌した。ジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム溶液を混合物に注ぎ、有機層を分離した。水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をジイソプロピルエーテルで粉末化して、沈殿物を濾過により分離し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(メチルスルホニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(130mg、収率81.7%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.46(d, J=8.9 Hz, 7.42(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.10(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.99(d, J=8.9 Hz, 2H), 3.83(s, 3H), 3.78(s, 3H), 3.44(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 360(M+1)
【0106】
実施例7
4−(1H−ピロール−1−イル)安息香酸(337mg、1.8mモル)のジクロロメタン(3.5mL)中の懸濁液に、塩化オキサリル(0.157mL、1.8mモル)とジメチルホルムアミド(10μL)を順次加えた。混合物を一夜攪拌した。溶媒を減圧除去した。ピリジン(0.146mL、1.8mモル)と、2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メトキシフェニル)エタンヒドラゾンアミド(350mg、1.5mモル)の、3.5mLのジオキサン中の溶液とを、塩化アシルの、3.5mLのジオキサン中の懸濁液に加えた。混合物を攪拌しながら3時間還流した。冷却後、溶媒を減圧除去し、0.1N塩酸とジクロロメタンを残留物に加えた。有機層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた層を0.1N塩酸と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。目的生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、8:1ないし5:1)で精製して、1−(4−メトキシフェニル)−5−[4−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール(74mg、収率12.8%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.69(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.54(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.52(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.46(d, 4.4 Hz, 2H), 7.11(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.29(d, J=4.4 Hz, 2H), 3.83(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 385(M+1)
【0107】
実施例8
氷冷下に、塩化オキサリル(0.206mL、2.4mモル)と触媒量のジメチルホルムアミドを、6−メトキシニコチン酸(367mg、2.4mモル)の、3mLのジクロロメタン中の懸濁液に順次加えた。混合物を室温で1.5時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、残留物をジオキサンと共沸した。2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メトキシフェニル)エタンヒドラゾンアミド(466mg、2.0mモル)とピリジン(0.194mL、2.4mモル)の、5mLのジオキサン中の溶液を、残留物の、1mLのジオキサン中の懸濁液に加えた。混合物を攪拌しながら4時間還流した。冷却後、溶媒を減圧除去した。目的生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、4:1)で精製して、2−メトキシ−5−[1−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]ピリジン(90mg、収率14.9%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 8.26(d, J=2.4 Hz, 1H), 7.76(dd, J=2.4, 8.7 Hz, 1H), 7.51(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.10(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.89(d, J=8.7 Hz, 1H), 3.87(s, 3H), 3.83(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 351(M+1)
【0108】
実施例9
(1) トリエチルアミン(1.54mL、11mモル)と4−シアノフェニルヒドラジン塩酸塩(1.71g、10mモル)を、トリフルオロアセトアミジン(1.57g、14mモル)のメタノール(10mL)中の溶液に順次加えた。混合物を一夜攪拌した。溶媒を減圧除去した。20mLの水と50mLの酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)を残留物に加え、有機層を分離し、水層を50mLの酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)で抽出した。合わせた有機層を水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物を濾過により分離し、ジイソプロピルエーテル−ヘキサンで洗浄し、真空乾燥して、2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−シアノフェニル)エタンヒドラゾンアミド(2.07g、収率90.5%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ9.23(s, 1H), 7.58(d, J=8.8 Hz, 2H), 6.99(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.72 (s, 1H)
【0109】
(2) 2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−シアノフェニル)エタンヒドラゾンアミド(456mg、2.0mモル)、塩化4−メチルベンゾイル(406mg、2.4mモル)、4−ジメチルアミノピリジン(293mg、2.4mモル)とピリジン(0.194mL、2.4mモル)のジオキサン(5.5mL)中の混合物を攪拌しながら一夜還流した。冷却後、溶媒を減圧除去した。ジクロロメタンと0.1N塩酸を残留物に加え、有機層を分離し、0.1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウムと食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。目的生成物を濾過により分離し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥して、4−[5−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]ベンゾニトリル(138mg、収率20.1%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ8.06(d, J=8.7 Hz, 2H), 7.74(d, J=8.7 Hz, 2H), 7.43(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.01(d, J=8.9 Hz, 2H), 3.79(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 345(M+1)
【0110】
実施例10
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(0.3g、1.01mモル)、炭酸カリウム(418mg、3.01mモル)とヨードエタン(0.406mL、5.05mモル)のジメチルホルムアミド(3mL)中の混合物を3日間攪拌した。水と酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)を混合物に注ぎ、有機層を分離し、食塩水−水(1:1)と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、3−エトキシ−1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(143mg、収率43.6%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.35(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.28(d, 8.9 Hz, 2H), 7.02(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.93(d, J=8.9 Hz, 2H), 4.29(q, J=7.0 Hz, 2H), 3.80(s, 3H), 3.76 (s, 3H), 1.35(t, J=7.0 Hz, 3H)
MS (ESI, m/e) 326(M+1)
【0111】
実施例11
(1) トリエチルアミン(0.439mL、3.15mモル)と4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩(500mg、3.15mモル)を、トリフルオロアセトアミジン(494mg、4.41mモル)のメタノール(2mL)中の溶液に順次加えた。混合物を一夜攪拌した。溶媒を減圧除去した。20mLの1N塩酸と50mLの酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)を残留物に加え、有機層を分離した。有機層を水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メチルフェニル)エタンヒドラゾンアミドを、精製することなく次の反応で用いた(0.62g、収率90.6%)。
【0112】
(2) 2,2,2−トリフルオロ−N’−(4−メチルフェニル)エタンヒドラゾンアミド(0.62g、2.85mモル)、塩化4−メトキシベンゾイル(584mg、3.43mモル)とピリジン(0.277mL、3.43mモル)のジオキサン(6mL)中の混合物を攪拌しながら1時間還流した。冷却後、溶媒を減圧除去した。酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)と水を残留物に注ぎ、有機層を分離し、0.1N塩酸、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、8:1ないし1:1)で精製した。目的生成物をヘキサンから再結晶し、真空乾燥して、5−(4−メトキシフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール(370mg、収率38.9%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.3-7.5(m, 6H), 6.98(d, J=8.9 Hz, 2H), 3.77(s, 3H), 2.39(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 334(M+1)
【0113】
実施例12
(1) トリエチルアミン(2.24mL、16.1mモル)と5−ヒドラジノ−2−メトキシピリジン二塩酸塩(1.7g、8.03mモル)を、トリフルオロアセトアミジン(0.3g、2.68mモル)のメタノール(3mL)中の溶液に順次加えた。混合物を一夜攪拌した。溶媒を減圧除去した。20mLの1N塩酸と50mLの酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)を残留物に加え、有機層を分離した。有機層を水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。得られた2,2,2−トリフルオロ−N’−(6−メトキシピリジン−3−イル)エタンヒドラゾンアミドを、精製することなく次の反応で用いた(0.37g、収率59%)。
MS (ESI, m/e) 235(M+1)
【0114】
(2) 2,2,2−トリフルオロ−N’−(6−メトキシピリジン−3−イル)エタンヒドラゾンアミド(0.2g、0.854mモル)、塩化4−メトキシベンゾイル(175mg、1.02mモル)、ピリジン(0.083mL、1.02mモル)と4−ジメチルアミノピリジン(125mg、1.02mモル)のジオキサン(2mL)中の混合物を攪拌しながら一夜還流した。冷却後、溶媒を減圧除去した。酢酸エチル−テトラヒドロフラン(9:1)と水を残留物に注ぎ、有機層を分離し、0.1N塩酸、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、2−メトキシ−5−[5−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]ピリジン(57mg、収率19.1%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 8.38(d, J=2.7 Hz, 1H), 7.94(dd, J=2.7, 8.8 Hz, 1H), 7.46(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.95-7.05(m, 3H), 3.92(s, 3H), 3.79(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 351(M+1)
【0115】
実施例13
炭酸カリウム(697mg、5.05mモル)を、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(0.3g、1.01mモル)のジメチルホルムアミド(3mL)中の溶液に加えた。10分間攪拌後、ヨウ化2,2,2−トリフルオロエチル(0.497mL、5.05mモル)を混合物に加え、混合物を100℃で3時間加熱した。冷却後、100mLの酢酸エチルと20mLの水を混合物に注いだ。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、10:1ないし5:1)で精製した。目的生成物をヘキサンで粉末化し、濾過により分離し、真空乾燥して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1H−1,2,4−トリアゾール(205mg、収率53.6%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.36(d, J=8.8 Hz, 2H), 7.33(d, J=8.8 Hz, 2H), 7.04(d, J=8.8 Hz, 2H), 6.95(d, J=8.8 Hz, 2H), 4.99(q, J=8.8 Hz, 2H), 3.81(s, 3H), 3.76(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 380(M+1)
【0116】
実施例14
(1) 2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジンカルボキサミド(1.18g、6.53mモル)の、10mLのトルエン中の懸濁液に、ピリジン(0.69mL、8.57mモル)と、塩化6−メトキシニコチノイル(1.4g、8.16mモル)の、5mLのトルエン中の溶液とを順次加えた。混合物を攪拌しながら1時間還流した。80℃まで冷却後、10mLの水を混合物に加えた。激しく振とうした後、不溶物を濾過により分離し、水とトルエンで洗浄し、真空乾燥して、2−(4−メトキシフェニル)−2−((6−メトキシピリジン−3−イル)カルボニル)ヒドラジンカルボキサミド(560mg、収率21.7%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 3.75(3H, s), 3.87(3H, s), 6.14(2H, br s), 6.78-6.87(1H, m), 6.87-7.00(2H, m), 7.12-7.35(2H, m), 7.78-7.92(1H, m), 8.37(1H, br s), 8.98(1H, br s)
MS (ESI, m/e) 339(M+Na)
【0117】
(2) 2−(4−メトキシフェニル)−2−((6−メトキシピリジン−3−イル)カルボニル)ヒドラジンカルボキサミド(550mg、1.74mモル)の10%水酸化ナトリウム溶液(4mL)−エタノール(2mL)中の混合物を60℃で1時間加熱した。冷却後、溶媒を減圧除去した。2N−HClを残留物に加え、混合物のpHを約4に調整した。生じた沈殿物を濾過により分離し、水で洗浄し、真空乾燥して、1−(4−メトキシフェニル)−5−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(280mg、収率54%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 3.80(3H, s), 3.85(3H, s), 6.80-6.90(1H, m), 6.97-7.12(2H, m), 7.28-7.42(2H, m), 7.58-7.70(1H, m), 8.18-8.27(1H, m), 11.38(1H, br s)
MS (ESI, m/e) 299(M+1)
【0118】
(3) 1−(4−メトキシフェニル)−5−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(200mg、0.67mモル)、炭酸カリウム(278mg、2.01mモル)と2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエタン(0.198mL、2.01mモル)のジメチルスルホキシド(1mL)中の混合物を100℃で1時間加熱した。冷却後、氷水と酢酸エチルを混合物に注ぎ、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(トルエン−酢酸エチル、10:1)で精製した。目的生成物をヘキサンで洗浄して、2−メトキシ−5−(1−(4−メトキシフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)ピリジン(60mg、収率23.5%)を得た。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 3.86(3H, s), 3.93(3H, s), 4.65-4.85(2H, m), 6.71(1H, d, J=8.4 Hz), 6.89-7.05(2H, m), 7.20-7.38(2H, m), 7.71(1H, dd, J=2.5,8.7 Hz), 8.26(1H, d, J=2.4 Hz)
MS (ESI, m/e) 381(M+1)
mp 82-83℃
【0119】
実施例15
(1) シアン酸カリウム(8.41g、104mモル)を、5−ヒドラジノ−2−メトキシピリジン二塩酸塩(20g、94.3mモル)の水(200mL)中の溶液に加えた。混合物を2時間攪拌し、pHを7に調整した。溶媒を減圧除去し、粗製粉末を得て、2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ヒドラジンカルボキサミド(25.4g、収率148%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 3.75(3H, s), 5.99(2H, br s), 6.68(1H, d, J=8.8 Hz), 7.12(1H, dd, J=2.9,8.7 Hz), 7.41(1H, br s), 7.60(1H, d, J=2.8 Hz), 7.77(1H, s)
【0120】
(2) 2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ヒドラジンカルボキサミド(17g、93.3mモル)の、100mLのトルエン中の懸濁液に、ピリジン(15.1mL、187mモル)と、塩化4−メトキシベンゾイル(15.9g、93.3mモル)の、50mLのトルエン中の溶液とを順次加えた。混合物を攪拌しながら1時間還流した。80℃まで冷却後、75mLの水を混合物に加えた。激しく振とうした後、不溶物を濾過により分離し、水とトルエンで洗浄し、真空乾燥して、2−(4−メトキシベンゾイル)−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ヒドラジンカルボキサミド(8.5g、収率28.8%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 3.79(3H, s), 3.83(3H, s), 6.18(2H, br s), 6.84(1H, d, J=8.8 Hz), 6.93(2H, d, J=8.7 Hz), 7.54(2H, br d, J=8.5 Hz), 7.68-7.82(1H, m), 8.15(1H, br s), 8.98(1H, br s)
MS (ESI, m/e) 317(M+1)
【0121】
(3) 2−(4−メトキシベンゾイル)−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)ヒドラジンカルボキサミド(1.0g、3.16mモル)の10%水酸化ナトリウム溶液(2mL)−エタノール(3mL)中の混合物を60℃で1.5時間加熱した。冷却後、溶媒を減圧除去した。水を残留物に加え、混合物のpHを約4ないし5に調整した。生じた沈殿物を濾過により分離し、水と少量の酢酸エチルで洗浄し、真空乾燥して、5−(4−メトキシフェニル)−1−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(685mg、収率72.6%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 3.77(3H, s), 3.89(3H, s), 6.87-7.05(3H, m), 7.28-7.47(2H, m), 7.74(1H, dd, J=2.6,8.8 Hz), 8.19(1H, d, J=2.5 Hz), 11.38(1H, br s)
MS (ESI, m/e) 299(M+1)
【0122】
(4) 5−(4−メトキシフェニル)−1−(6−メトキシピリジン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(300mg、1.01mモル)、炭酸カリウム(417mg、3.02mモル)と2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエタン(0.496mL、5.03mモル)のジメチルスルホキシド(1.5mL)中の混合物を100℃で1時間加熱した。冷却後、氷水と酢酸エチルを混合物に注ぎ、有機層を分離し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(トルエン−酢酸エチル、8:1)で精製した。目的生成物をヘキサンで洗浄して、2−メトキシ−5−(5−(4−メトキシフェニル)−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン(175mg、収率45.8%)を得た。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 3.82(3H, s), 3.97(3H, s), 4.75(2H, q, J=8.2 Hz), 6.75-6.93(3H, m), 6.38-7.50(2H, m), 7.57(1H, dd, J=2.6,8.8 Hz), 8.16(1H, d, J=2.5 Hz)
MS (ESI, m/e) 381(M+1)
mp 63.0-64.0℃
【0123】
実施例16
ジメチルカルバミン酸クロライドを、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(200mg、0.673mモル)とピリジン(0.114ml、1.41mモル)のジクロロメタン(5ml)中の混合物に加えた。次いで、溶液を45℃で17時間攪拌した。水と酢酸エチルを混合物に注ぎ、有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、1:2)で精製した。目的生成物をイソプロピルエーテルで洗浄して、ジメチルカルバミン酸1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル(88mg、収率35.5%)を得た。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 3.03(3H, s), 3.14(3H, s), 3.81(3H, s), 3.85(3H, s), 6.75-6.99(4H, m), 7.20-7.38(2H, m), 7.39-7.52(2H, m)
MS (ESI, m/e) 369(M+1)
mp 121-123℃
【0124】
実施例17
炭酸カリウム(279mg、2.02mモル)を、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(200mg、0.673mモル)のジメチルホルムアミド(2mL)中の溶液に加えた。5分間攪拌後、3−ブロモ−1−プロピン(0.18mL、2.02mモル)を混合物に加え、混合物を4時間攪拌した。酢酸エチルと水を混合物に注いだ。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン−酢酸エチル、4:1)で精製した。目的生成物をイソプロピルエーテルで洗浄し、濾過により分離し、真空乾燥して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(2−プロピニルオキシ)−1H−1,2,4−トリアゾール(99mg、収率43.9%)を得た。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 2.53(1H, t, J=2.4 Hz), 3.80(3H, s), 3.85(3H, s), 4.99(2H, d, J=2.4 Hz), 6.75-6.88(2H, m), 6.88-7.00(2H, m), 7.18-7.36(2H, m), 7.36-7.50(2H, m)
MS (ESI, m/e) 336(M+1)
mp 81-82℃
【0125】
実施例18
炭酸カリウム(279mg、2.02mモル)とヨウ化カリウム(335mg、2.02mモル)を、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(200mg、0.673mモル)のジメチルホルムアミド(2mL)中の溶液に加えた。5分間攪拌後、3−(クロロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール(239mg、2.02mモル)を混合物に加え、混合物を100℃で1時間加熱した。冷却後、酢酸エチルと水を混合物に注いだ。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧除去した。残留物を分取TLC(トルエン−酢酸エチル、4:1)で精製した。目的生成物をイソプロピルエーテルで粉末化し、濾過により分離し、真空乾燥して、3−({[1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]オキシ}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール(110mg、収率43.1%)を得た。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 3.80(3H, s), 3.85(3H, s), 5.59(2H, s), 6.75-6.85(2H, m), 6.85-7.05(2H, m), 7.20-7.35(2H, m), -7.50(2H, m), 8.76(1H, s)
MS (ESI, m/e) 380(M+1)
【0126】
実施例19
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−[(5−メチル−3−イソオキサゾリル)メトキシ]−1H−1,2,4−トリアゾール(148mg、収率56.1%)を、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オールと3−(クロロメチル)−5−イソオキサゾールから実施例18に記載の方法と同様の方法にしたがって製造した。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 2.44(3H, s), 3.81(3H, s), 3.85(3H, s), 5.43(2H, s), 6.22(1H, s), 6.75-6.89(2H, m), 6.89-7.00(2H, m), 7.21-7.36(2H, m), 7.36-(2H, m)
MS (ESI, m/e) 393(M+1)
【0127】
実施例20
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(1,3−チアゾール−4−イルメトキシ)−1H−1,2,4−トリアゾール(132mg、収率49.7%)を、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オールと4−(クロロメチル)−1,3−チアゾール塩酸塩から実施例18に記載の方法と同様の方法にしたがって製造した。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 3.81(3H, s), 3.85(3H, s), 5.61(2H, s), 6.75-7.02(4H, m), 7.20-7.38(2H, m), 7.38-7.50(2H, m), 7.54(1H, d, J=0.9 Hz), 8.82(1H, d, J=2.0 Hz)
MS (ESI, m/e) 395(M+1)
【0128】
実施例21
2−{[1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]オキシ}−N,N−ジメチルアセトアミド(467mg、収率72.6%)を、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オールと2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドから実施例18に記載の方法と同様の方法にしたがって製造した。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 3.00(3H, s), 3.07(3H, s), 3.80(3H, s), 3.84(3H, s), 5.01(2H, s), 6.75-7.00(4H, m), 7.20-7.35(2H, m), 7.35-7.49(2H, m)
MS (ESI, m/e) 383(M+1)
【0129】
実施例22
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(2−ブチニルオキシ)−1H−1,2,4−トリアゾール(96mg、収率40.8%)を、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オールと1−ブロモ−2−ブチンから実施例18に記載の方法と同様の方法にしたがって製造した。
1H NMR (CDCl3, ppm) δ 1.88(3H, t, J=2.3 Hz), 3.80(3H, s), 3.84(3H, s), 4.94(2H, q, J=2.2 Hz), 6.78-6.85(2H, m), 6.87-6.97(2H, m), 7.22-7.32(2H, m), 7.38-7.47(2H, m)
MS (ESI, m/e) 350(M+1)
【0130】
実施例23
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(2−プロポキシ)−1H−1,2,4−トリアゾールを、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オールから実施例13に記載の方法と同様の方法にしたがって製造した。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.33(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.30(d, J=8.9 Hz, 2H), 7.02(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.93(d, J=8.9 Hz, 2H), 4.9(sept, J=6.1 Hz, 1H), 3.80(s, 3H), 3.76(s, 3H), 1.35(d, J=6.1 Hz, 6H)
MS (ESI, m/e) 340 (M+1)
【0131】
実施例24
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オール(0.3g、1.01mモル)と炭酸カリウム(418mg、3.03mモル)のブロモフルオロメタン(1mL)−ジメチルホルムアミド(3mL)中の混合物を攪拌しながら100℃で3.5時間加熱した。冷却後、酢酸エチルと水を混合物に注いだ。有機層を分離し、水と食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒減圧除去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製した。目的生成物をヘキサンで粉末化し、濾過により分離し、真空乾燥して、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(フルオロメトキシ)−1H−1,2,4−トリアゾールを得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.3-7.4(m, 4H), 7.05(d, J=9.0 Hz, 2H), 6.95(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.02(d, J=52.4 Hz, 2H), 3.81(s, 3H), 3.76(s, 3H)
MS (ESI, m/e) 330 (M+1)
【0132】
実施例25
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−シクロヘキシルオキシ−1H−1,2,4−トリアゾールを、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オールから実施例13に記載の方法と同様の方法にしたがって製造した。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.2-7.4(m, 4H), 7.02(d, J=8.8 Hz, 2H), 6.98(d, J=8.8 Hz, 2H), 4.66(m, 1H), 3.80(s, 3H), 3.75(s, 3H), 1.9-2.1(m, 2H), 1.2-1.9(m, 8H)
MS (ESI, m/e) 380 (M+1)
【0133】
実施例26
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−(4−クロロフェニルメトキシ)−1H−1,2,4−トリアゾールを、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オールから実施例13に記載の方法と同様の方法にしたがって製造した。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.4-7.6(m, 4H), 7.3-7.5(m, 2H), 7.03(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.94(d, J=8.9 Hz, 2H), 5.32 (s, 2H), 3.81(s, 3H), 3.76(s, 3H)
MS(ESI, m/e) 422 (M+1)
【0134】
実施例27
1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−3−シアノメトキシ−1H−1,2,4−トリアゾールを、1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−オールから実施例13に記載の方法と同様の方法にしたがって製造した。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 7.3-7.4(m, 4H), 7.05(d, J=8.9 Hz, 2H), 6.96(d, J=8.8 Hz, 2H), 5.27 (s, 2H), 3.81(s, 3H), 3.76(s, 3H)
MS ESI, m/e) 337 (M+1)
【0135】
実施例28
(1) ジメチルシアンアミド(10.0g、142.7mモル)のメタノール(50mL)中の溶液に、硫酸(14.0g、142.7mモル)を20ないし30℃で2時間かけて滴下した。混合物を20ないし30℃で4時間攪拌し、真空濃縮した。残留物にアセトン(50mL)を加え、20ないし30℃で攪拌した。結晶化後、混合物を20ないし30℃で30分間、0ないし10℃で1時間攪拌し、濾過した。結晶をアセトン(20mL)で洗浄し、真空乾燥して、N,N,O−トリメチルイソ尿素硫酸塩(22.86g、収率80.0%)を白色粒状固形物として得た。
1H NMR (DMSO-d6, ppm) δ 2.98(3H, br), 3.01(3H, br), 4.01(3H, s), 8.66(2H, br)
【0136】
(2) N,N,O−トリメチルイソ尿素硫酸塩(20.0g、99.9mモル)の、メタノール(100mL)と水(1.8mL)の混合物中の冷却(0ないし15℃)溶液に、メタノール中28%ナトリウムメトキシド(38.55g、199.8mモル)を20ないし30℃で2時間かけて滴下し、室温で1時間攪拌した。生じた沈殿物を濾去し、メタノール(40mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮し、酢酸エチル(180mL)とトリエチルアミン(10.11g、99.9mモル)を残留物に加えた。混合物に、塩化4−メトキシベンゾイル(16.15g、94.9mモル)の酢酸エチル(20mL)中の溶液を20ないし30℃で2時間かけて滴下し、同温で2時間攪拌した。反応混合物に水(40mL)を加え、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。合わせた有機層を真空濃縮し、4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(17.44g、99.9mモル)、メタノール(120mL)と酢酸(10mL)を残留物に加えた。混合物にトリエチルアミン(10.11g、99.9mモル)を滴下し、20ないし30℃で3時間、40ないし50℃でさらに3時間攪拌した。反応混合物を20ないし30℃まで冷却し、30分間攪拌した。混合物に水(120mL)を滴下し、1時間攪拌した。結晶を濾過し、50%メタノール水溶液(40mL)で洗浄し、真空乾燥して、粗製3−メトキシ−1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(20.36g、収率65.5%)を淡褐色がかった黄色針状物として得た。
【0137】
(3) 攪拌精製水(100mL)に、上記のようにして得られた3−メトキシ−1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(20.0g、64.2mモル)のアセトン(300mL)中の溶液を滴下し、20ないし30℃で30分間攪拌した。混合物を200mLになるまで真空濃縮し、35ないし45℃で1時間、20ないし30℃で1時間攪拌し、濾過した。結晶を50%アセトン水溶液(40mL)で洗浄し、真空乾燥して、純粋な3−メトキシ−1,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(18.36g、収率91.8%)を無色針状物として得た。
代表的X線粉末回折ピーク値(2θ):
9.1°, 15.4°, 19.7°
mp 125℃
実施例によって製造される化合物のリスト
【0138】
【化8】

【0139】
【表4】

【0140】
【表5】

【0141】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


[式中、Rは、ハロゲン、シアノ、N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル、ハロゲンで任意に置換されたフェニルまたは複素環基で任意に置換された低級アルキル基、
シクロ(低級)アルキル基、
低級アルキニル基または
N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル基;
は低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基または1H−ピロール−1−イル基;
は低級アルキル基、低級アルコキシ基またはシアノ基;
XはO、S、SOまたはSO
YおよびZはそれぞれCHまたはN;
mは0または1;
をそれぞれ意味する。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項2】

【化2】


[式中、Rは、ハロゲン、シアノ、N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル、ハロゲンで任意に置換されたフェニルまたは複素環基で任意に置換された低級アルキル基、
シクロ(低級)アルキル基、
低級アルキニル基または
N,N−ジ(低級)アルキルカルバモイル基;
は低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基または1H−ピロール−1−イル基;
は低級アルキル基、低級アルコキシ基またはシアノ基;
XはO、S、SOまたはSO
YおよびZはそれぞれCHまたはN;
mは0または1;
をそれぞれ意味する。]
で表される、請求項1に記載の化合物(I)またはその塩の製造法であって、
(1) 下記の式
【化3】

(式中、R、RおよびZはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(II)またはその塩を、下記の式
【化4】

(式中、RおよびYはそれぞれ前記定義の通りであり、Lは脱離基を意味する。)
で表される化合物(III)またはその塩と反応させて、下記の式
【化5】

(式中、R、R、R、YおよびZはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(Ia)またはその塩を得るか、
(2) 下記の式
【化6】

(式中、R、R、YおよびZはそれぞれ前記定義の通りであり、XはOまたはSを意味する。)
で表される化合物(IV)またはその塩を、下記の式
【化7】

(式中、R、R、YおよびZはそれぞれ前記定義の通りであり、XはOまたはSを意味する。)
で表される化合物(V)またはその塩に転換し、さらに、化合物(V)をR−L(式中、Rは前記定義の通りであり、Lは脱離基を意味する。)と塩基性状態下に縮合して、下記の式
【化8】

(式中、R、R、R、X、YおよびZはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(Ib)またはその塩を得るか、
(3) 下記の式
【化9】

(式中、R、R、R、YおよびZはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(Ic)またはその塩を、酸化剤と反応させて、下記の式
【化10】

(式中、R、R、R、YおよびZはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(Id)またはその塩を得るか、
(4) 下記の式
【化11】

(式中、R、R、R、YおよびZはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(Id)またはその塩を、酸化剤と反応させて、下記の式
【化12】

(式中、R、R、R、YおよびZはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(Ie)またはその塩を得るか、
(5) 下記の式
【化13】

(式中、R、Xおよびmはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(VI)またはその塩を、下記の式
【化14】

(式中、RおよびYはそれぞれ前記定義の通りであり、
は脱離基を意味する。)
で表される化合物(VII)またはその塩と反応させて、下記の式
【化15】

(式中、R、R、X、Yおよびmはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(VIII)またはその塩を得て、さらに、下記の式
【化16】

(式中、RおよびZはそれぞれ前記定義の通りである。)
で表される化合物(IX)またはその塩と反応させて、化合物(I)またはその塩を得ることを特徴とする製造法。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物(I)またはその塩を有効成分として、医薬として無毒の担体または賦形剤と共に含有する医薬組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物(I)の医薬としての用途。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物またはその塩の有効量をヒトまたは動物に投与することからなる、炎症症状、種々の疼痛、コラーゲン病、自己免疫疾患、種々の免疫疾患、鎮痛、血栓症、ガンまたは神経変性症の治療および/または予防方法。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物の、ヒトまたは動物における炎症症状、種々の疼痛、コラーゲン病、自己免疫疾患、種々の免疫疾患、鎮痛、血栓症、ガンまたは神経変性症を治療および/または予防するための医薬の製造への使用。
【請求項7】
胃腸障害を生じることなく、急性または慢性の炎症を要因とするまたは関連する疼痛を治療および/または予防するために使用可能な、請求項1に記載の化合物を含有する鎮痛剤。
【請求項8】
胃腸障害を生じることなく、リウマチ性関節炎、変形性関節症、腰部リューマチ、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎または若年性関節炎;腰痛;頚肩症候群;肩関節周囲炎、手術または外傷後の疼痛および腫脹を要因とするまたは関連する疼痛を治療または予防するために使用可能な、請求項7に記載の鎮痛剤。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物(I)を含有する医薬組成物、および化合物(I)が炎症症状、種々の疼痛、コラーゲン病、自己免疫疾患、種々の免疫疾患、鎮痛、血栓症、ガンまたは神経変性症を予防または治療するために使用できることまたは使用すべきであることが明記されている添付文書から構成される販売用包装製品。

【公開番号】特開2007−169290(P2007−169290A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24703(P2007−24703)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【分割の表示】特願2003−542156(P2003−542156)の分割
【原出願日】平成14年10月30日(2002.10.30)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】