説明

トリガー式液体噴出器

【課題】液体吐出路閉塞時にあっては、トリガーの引寄せ用指掛け部分の前に邪魔板が位置して、該液体噴出器が液体吐出路閉塞状態であることをトリガー操作者に知らせることが可能とすることにある。
【解決手段】射出筒3の前端部外面へ嵌合させたノズルキャップ5を、正逆両方向へ回動させることでノズル孔5bが開閉するトリガー式液体噴出容器において、
発泡機構付き筒部62外面からレバー70を垂下する回動部材61を設けて、筒部62をノズルキャップ5外面へ回動不能に嵌合させ、レバー操作による回動でノズルキャップがノズル孔5bを閉塞する回動位置にあっては、レバー70が垂下して該レバーの一部がトリガー7の側面へ接すると共に、レバー前縁部がトリガーの指当部7a側面の前方へ突出し、該レバー回動によりノズルキャップ5がノズル孔開通位置へ回動したとき、レバー70はノズルキャップの側外方へ移動するよう設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式の液体噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001-10655号が示すように、射出筒前端部が形成する嵌合筒外面へ、ノズルキャップを回動自在に嵌合させると共に、射出筒前部とノズルキャップとの間に介在させて嵌合筒外面へ上下動自在に嵌合させたストッパ部材を、ノズルキャップの正方向回動で上昇し、かつ逆方向回動で下降可能に形成し、又射出筒前部から後方向への揺動が可能に、かつ前方付勢させて垂下させたトリガーに対して、上記ストッパ部材下部を、下降位置にあっては係合し、かつ上昇位置にあっては離脱して、該離脱位置でだけトリガー後方引き寄せ操作が可能としたトリガー式液体噴出器が知られている。
【0003】
上記ノズルキャップは、正面から見てほぼ正三角形に形成されており、該キャップ外周面の一面が上方で水平に位置するとき、ノズル孔に連通する液体流路が閉じ、又ストッパ部材は下限に位置してトリガーの後方引寄せを阻止しているが、該状態からノズルキャップを回して該キャップの他の一面を上方へ移動させて水平としたとき、上記液体流路は開通すると共にストッパ部材は上限に達してトリガーの後方引寄せが可能となるよう設けている。
【特許文献1】特開2001-10655号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例では、ストッパ部材が下限に位置する、トリガー操作不能かつ液体通路閉塞状態から、ノズルキャップの回動開始と共にストッパ部材が上昇を開始し、ノズルキャップの回動角度が約120度となったとき、ストッパ部材が上限に達し、又その回動途中でトリガーからストッパ部材が次第に外れ、かつ液体通路が開通するよう設けていたから、ストッパ部材が上限に達する前にトリガーを誤って引くことが生じ易く、するとこのときトリガーとストッパ部材との係合が不完全となっていることから該係合部に無理を生じて損傷等を生じ易い。又上記液体通路も不完全な開通状態でトリガー操作がなされることで、液体噴出も不完全となり易い。
【0005】
これに対して所定の位置からノズルキャップの回動を開始してもストッパ部材はまだ上昇せず、残り約20度程度のノズルキャップの回動だけでストッパ部材が上昇するよう設けて、上記従来例欠点を除去できるよう設けるようにすることもできる。
【0006】
その他の改善策としては、既述従来例は、液体吐出路閉塞状態において、誤ってトリガー操作を行うとトリガーが多少弾性変形することから射出筒内液体が高圧化し、そのためノズルキャップを回しただけでその高圧液体が噴出することからかかる欠点を防止するため、液体吐出路閉塞時にあってはトリガーが液体噴出器一部に係合し、そのため引寄せ操作が不能となるよう設けたものであるが、その構成を変更することも考えられる。
【0007】
本発明の主たる目的は、液体吐出路閉塞時にあっては、トリガーの引寄せ用指掛け部分の前に邪魔板が位置して、該液体噴出器が液体吐出路閉塞状態であることをトリガー操作者に知らせることが可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の手段として、射出筒3の前端部外面へ嵌合させたノズルキャップ5を、正逆両方向へ回動させることでノズル孔5bが開閉するトリガー式液体噴出容器において、
発泡機構付き筒部62外面からレバー70を垂下する回動部材61を設けて、筒部62をノズルキャップ5外面へ回動不能に嵌合させ、レバー操作による回動でノズルキャップがノズル孔5bを閉塞する回動位置にあっては、レバー70が垂下して該レバー部がトリガー7の側面へ接すると共に、レバー前縁部がトリガーの指当部7a側面の前方へ突出し、該レバー回動によりノズルキャップ5がノズル孔開通位置へ回動したとき、レバー70はノズルキャップの側外方へ移動するよう設けた。
【0009】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に、上記ノズルキャップ5をスピン機構付きの噴霧用とすると共に、筒部62の発泡機構を、筒部62前端面の複数箇所から内方突出させた支持板63先端で円筒64を保持させると共に、該円筒前端面内周から前端面中心方向へ複数の細棒65をほぼ等間隔に突出させ、円筒64とノズルキャップとの各軸線を同一直線上に位置させて形成した。
【0010】
第3の手段として、上記第2の手段を有すると共に、上記各支持板63の内端部前面に、円筒64外周面に沿って溝69を穿設した。
【0011】
第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を有すると共に上記回動部材61を合成樹脂材で一体成形した。
【0012】
第5の手段として、上記第1、第2、第3、又は第4の手段を有すると共に上記回動部材を透明な合成樹脂材で形成した。
【0013】
第6の手段として、上記第1、第2、第3、第4、又は第5の手段を有するとともに、
射出筒前部外面へ嵌合させたストッパ部材の摺動縦板11が上下動して、ストッパ部材上昇時にはトリガー7の引寄せ操作が可能に、かつ下降時には引寄せ操作が不能とし、
上記摺動縦板11が有する射出筒遊挿用嵌合孔13を、射出筒を挿通させたままで摺動縦板11が上下動可能に設けた縦長孔部分13a の下部一側を側外方へ拡開した形状となし、
該拡開孔部分13b の上面が形成する下向き段部13c を、ノズルキャップ後面から突出して嵌合孔13内に位置する係合子5aが、ノズル孔開方向への回動により押上げしてストッパ部材10を上限まで上昇させ、かつノズル孔閉方向への回動により拡開孔部分13b 下面を係合子5aが押下げないしストッパ部材が自重で下降することで、ストッパ部材10が下限まで下降可能に形成している。
【0014】
尚、上記構成において、更に次の次項を追加することができる。
第1に、上記ノズルキャップ5を、正面からみてほぼ正三角形状に形成し、嵌合孔13上面が射出筒3上面に接したストッパ部材10下限正位置において、ノズルキャップ外周面の第1面5cがノズルキャップ上面へほぼ水平に位置すると共に、嵌合孔13下面が射出筒3下面に接したストッパ部材上限位置において、上記第1面側方の第2面5dがノズルキャップ上面へほぼ水平に位置するよう設けたことである。このようにすることで、ストッパ部材下限でのノズルキャップの正位置を定めることが出来る機能を請求項1記載の液体噴出器に持たせることが出来る。
第2に、 上記摺動縦板11の左右両側面をほぼ鉛直にすると共に該摺動縦板を嵌合させた射出筒部分の後部外面から張出し板21を突出し、かつ該張出し板の左右両側部から前方へ、内面に縦溝22,22 を縦設したガイド板23,23 を突出して、これ等両縦溝内へ、上記摺動縦板の左右両側部を上下動自在に嵌合させたことである。このようにすることで、ストッパ部材の上下動をスムーズに行うことが出来る。
第3に、上記ストッパ部材10の摺動縦板11下端から後方突出させた第1係合板12を、上板31の左右方向中間部からガイド32を垂下する断面T字状で、かつ上板31の左右両後部からガイド後端部外面に沿って第2係合板33,33 を垂下し、これ等上板、ガイド、第2係合板の各後面を連続面として形成した拡大後面34の左右方向中間部から案内子35を後方突出して形成し、又トリガー7の上方一部を左右側壁41,41 で形成して、これ等両側壁内面に横設した内向きフランジ42,42 内端から凹字形状板43を垂下させて形成し、更にシリンダ6上面と射出筒3下面とを左右一対の補強板51,51 で連結してこれ等両補強板前面を摺動縦板11と平行に設け、ストッパ部材10が下限に位置する状態で、ガイド32は凹字形状板43内に位置し、上板31の左右両部は両内向きフランジ42,42 上へ、第2係合板33,33 前面は両内向きフランジ42,42 後面へ、それぞれ接し、又案内子35は両補強板51,51 間に嵌合すると共に、拡大後面34の左右両部は両補強板51,51 前面へ接するよう設けたことである。このようにすることで、液体噴出器のストッパ部材下降時におけるトリガー引寄せ防止を確実かつ安全に行うことが出来る。
【発明の効果】
【0015】
請求項1のようにすることで、ノズル孔5b閉塞状態にあっては、トリガー前面の指掛け部7aよりも前方へレバー70前縁部が突出しているため、そのレバー前縁部が邪魔となってそのまま指掛け部7aに指を掛けてトリガーを引くことが出来ず、よってノズル孔が閉塞状態のまま誤ってトリガーを引くことを防止することが出来る。又レバー70を介してノズルキャップ5を回動させることが出来るから、ノズルキャップに噴出液体が付着していても、その液体に触れることなくノズルキャップを回動させてノズル孔を開閉でき、例えば噴出液体が人体にとって有害なカビ取り剤等であるような場合もその液体に触れないから安全である。
【0016】
請求項2のようにすることで、筒部62の発泡機構を簡略化して回動部材と共に一体成形でき、上記筒部62前端面へ発泡用ネットを貼着させる手数が不要となり、又ノズル孔から高速回転させて噴出される霧を円筒64内へ入れ、円筒の前部内面および細棒65等に衝突させて発泡させることが容易となる。
【0017】
請求項3のようにすることで、筒部62前端面から放出される泡が、支持板63を介して筒部62外面へ移動することを防止できる。即ち支持板63の内端部前面には溝69があるため、該溝が円筒64の前端面へ付着した泡の移動を阻止し、よって筒部外面に泡が付着して外見を損なうことがなく、円筒前端面へ付着した泡等は適宜布等で拭き取り出来る。
【0018】
請求項4のように合成樹脂材で一体成形することで、支持板63付きの筒部62と、細棒65および細片66付きの内筒64と、レバー70とを別々に形成してこれ等を組付けしなくてもよく、回動部材61の形成が容易である。
【0019】
請求項5のように、回動部材61を透明な合成樹脂製とすることで、ノズルキャップ外面の貼付けられた「出」、「止」等のシールを筒部62を嵌合のまま見分けることが出来る。即ち、通常ノズル孔閉塞状態において、上面側へ位置するノズルキャップ周壁部分の外面には「止」の文字を有するシールが、又ノズル孔開孔状態において上面側に位置するノズルキャップ周壁部分の外面には「出」の文字を有するシールが貼着されているが、回動部材を透明とすることで、ノズルキャップ外面へ筒部62を嵌合させても、その透明な筒部を介して上記「止」、「出」等の表示を透視することが出来る便利があり、又回動部材筒部をノズルキャップ外面へ嵌合させたまま使用すれば、上記「止」、「出」等の文字が他物に触れて薄れるようなことがない。
【0020】
請求項6のようにすることで従来ノズルキャップを約120度回すことで上下動させていたストッパ部材を、約20度の回動だけで上下動させることが可能となり、よってストッパ部材の上下動が不完全な状態でのトリガー操作を防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下まず図1から図8が示す本発明の一つの実施形態について説明する。尚該実施形態は、ノズルキャップの正逆両方向への回動によりストッパ部材の摺動縦板が上下動し、下降位置にあっては該ストッパ部材一部へトリガーが係合して、該トリガー操作が不能となる、既述従来例の欠点除去を目的とするものに関する。
【0022】
以下まず従来公知の構造について図面を参考として簡単に説明すると、1は容器体、2は該容器体の口頸部へ嵌合させた装着筒で、該装着筒内からは主筒を起立し、該主筒上端から射出筒3を前方突出している。該射出筒前端部は嵌合筒4とし、該嵌合筒外面へ正面から見てほぼ三角形状のノズルキャップ5を回動自在に嵌合させている。又主筒上面の射出筒後部下面からはシリンダ6を下前方へ傾斜させて突設している。更に射出筒3の前部からは後方向への揺動が可能にトリガー7を垂下し、該トリガー後面から上記シリンダ内へ前方付勢して嵌合されたプランジャ8用押込み板9を突出する。
【0023】
更に摺動縦板11下端から第1係合板12を後方突出するストッパ部材10の摺動縦板11を、図3のように該手動縦板に穿設した嵌合孔13を嵌合筒4の基部外面へ上下動自在に遊嵌させて垂下している。又ノズルキャップ5の後端面一部からは、図3に示す係合子5aを突設して上記嵌合孔13内へ遊挿させており、ノズルキャップ5を回動させることで係合子5aが嵌合筒4外面に沿って移動し、図3とは異なるが嵌合筒上面の上方へ位置したとき、摺動縦板11が押し上げられ、又係合子5aが嵌合筒4の側外方へ移動することで摺動縦板11が下降するよう設けている。
【0024】
ストッパ部材10下降時にあっては、摺動縦板11下端から後方突出する第1係合板12一部がトリガー一部に係合して、該トリガー後方引寄せによるポンプ操作が不能であり、かつこのとき、正面三角形状をなすノズルキャップ5外周面の第1面5cは上面へほぼ水平に位置し、このとき、ノズルキャップが有するノズル孔5bと連通する通路は閉塞状態にある。
【0025】
又ストッパ部材10が上限まで引上げられたとき、上記係合が外れてトリガー7の後方引寄せが可能となり、かつこのときノズル孔5bへの通路は開通されるよう設けている。
【0026】
この例での第1の改良点は、図3が示すようにストッパ部材縦動縦板11に穿設した嵌合孔13を、嵌合筒4を挿通させたままで摺動縦板11が上下動可能な縦長とすると共に該縦長孔部分13a の下部一側に、該下部一側を側外方へ拡開した形状の拡開孔部分13b を付設した形状とし、又その拡開孔部分上面が形成する下向き段部13c を、ノズルキャップ5後面から突出する係合子5aが、ノズルキャップ正方向への回動により同図Dが示すように押上げ、このとき嵌合孔13下面は嵌合筒4下面へ接して上限となると共に、このときノズルキャップの第2面5dがノズルキャップ上面へほぼ水平に位置するよう設けたことである。
【0027】
そのため、同図Aが示すように、ストッパ部材一部としての摺動縦板11が有する嵌合孔13上面が嵌合筒4上面に接し、かつノズルキャップ外面を形成する三面のうちの第1面5cがノズルキャップの上面へほぼ水平に位置する摺動縦板11下限正位置において、ノズルキャップ後面から突出して嵌合孔13内へ突出する係合子5aは縦長孔部分下端の非拡開孔側面に接し、該状態から、同図B、同図Cのようにノズルキャップを正方向へ回すことで上記係合子5aは下向き段部13c 下面に接し、該位置から更に回動させることで、同図Dが示すように係合子が下向き段部13c を介して摺動縦板11を押上げ、このとき嵌合孔下面が嵌合筒4下面に接して上限となり、かつこのとき上記第1面5c側方のノズルキャップ第2面5dがノズルキャップ上面へほぼ水平に位置する。
【0028】
又該状態から同図Eのようにノズルキャップ5を逆方向へ回すと、上記係合子5aが拡開孔部分13b の下面13d を押下げすることで、ないしはストッパ部材が自重により下降することで、嵌合孔上面が嵌合筒4上面へ接する下限まで下降する。該状態から同図Aが示す下限正位置までノズルキャップ5を回し、該ノズルキャップ第1面5cを上面へ位置させ水平とする。このとき係合子5aは嵌合孔13の非拡開孔側の側面に接して停止する。
【0029】
上記のように係合子5aが下向き段部13c 下面に接した図3Cの状態から、同図Dの押上げ完了までの、ノズルキャップ回動角度は約20度でよく、係合子5aで拡開孔下面13d を押下げて摺動縦板11を下降させるための回動角度も約20度程度で足りる。
【0030】
この実施形態の第2の改良点は、図7が示すように摺動縦板11を嵌合させた射出筒前端部としての嵌合筒4の後部外面から張出し板21を突出し、該張出し板の左右両側から前方へ、内面に縦溝22,22 を縦設したガイド板23,23 を突出して、これ等両溝内へ摺動縦板11の左右両側部を上下動自在に嵌合させたことである。摺動縦板11は垂直に上下動できるよう、その左右両側面を鉛直としており、該左右側面と接する縦溝底面該当部分もほぼ鉛直とする。
【0031】
この実施形態の第3の改良点は、上記摺動縦板下端から後方突出する第1係合板12も、ほぼ垂直に上下動するよう設けたことである。
【0032】
そのため第1係合板12は、上板31の左右方向中間部から図4および図5が示すようにガイド32を垂下する、断面T字状に形成すると共に、上板の左右両後部からガイド後端部外面に沿って第2係合板33,33 を垂下し、更にこれ等上板31、ガイド32、第2係合板33,33 の各後面を連続面として形成した拡大後面34の左右方向中間部から案内子35を後方突出して形成している。
【0033】
又図8が示すようにトリガー7の上方一部を左右側壁41,41 だけで形成し、これ等両側壁内面に横設した内向きフランジ42,42 両端から凹字形状板43を垂下させて形成している。
【0034】
更に図1、図2のようにシリンダ6上面と射出筒3下面とを左右一対の補強板51,51 で連結して、これ等両補強板前面を、シリンダ前端上方よりも前方で摺動縦板11と平行に設けている。
【0035】
このようにしてストッパ部材10が下限に位置する状態では図1が示すようにガイド32は凹字形状板43内に位置し、上板31の左右両部は内向きフランジ42上へ、第2係合板33,33 前面は両内向きフランジ後面へ、それぞれ接し、又案内子35は両補強板51,51 間に嵌合すると共に、拡大後面34の左右両部は両補強板51,51 の前面へ接するよう設けた。
【0036】
よって該図1が示す状態では、第2係合板33,33 前面が内向きフランジ42後面に接し、かつ拡大後面34の左右両部が両補強板51,51 前面へ接しているため、トリガー7の後方引寄せは不能である。
【0037】
既述ノズルキャップ5回動により図2が示すようにストッパ部材10が上昇すると、内向きフランジ42,42 後面から第2係合板33,33 が外れるためトリガー7の後方引寄せが可能となる。
【0038】
図9から図12は本発明の実施形態を示す。
【0039】
該実施形態にあっては、発泡機構付き筒部の外面からレバーを垂下する回動部材61を設け、その筒部をノズルキャップ外面へ回動不能に嵌合させると共に、ノズルキャップがノズル孔5bを閉塞する回動位置にあってはレバーが垂下して、該レバー一部がトリガー7の側面へ接すると共に、レバー前縁がトリガーの指掛け部7aの前方へ突出するよう設ける。図示例で筒部62は図10が示すようにノズルキャップ5と同様に、正面からみてほぼ三角形状としており、その筒部前端の各辺長手方向中間部から筒部前端面中心方向へ支持板63を突出させ、それ等支持板先端で円筒64を保持させ、該円筒前端面から該前端面の中心へ複数の細棒65をほぼ等間隔に突出させ、それ等細棒のうち、左右対向位置から突出する細棒先端間を細片66で連繋させている。上記円筒64後端部は、ノズル孔5bを中心部に穿設するノズルキャップ前壁の前面からノズル孔を囲んで前方突出する一部切欠き部67付きの嵌合筒68の前部外面へ嵌合させており、それ等円筒64と細棒65と細片66とで発泡機構を形成している。尚ノズルキャップ5は公知のスピン機構を有し、該スピン機構を介してノズル孔5bから高速回転により噴霧された霧は、上記円筒64の前部内面、又細棒65に衝突し、円筒内空気と混合し発泡して筒部62前方へ放出される。円筒64内へは上記複数の支持板63の間、又円筒64とノズルキャップ前壁との間、更に嵌合筒68の切欠き部67を通って外気が流入する。尚発泡機構は円筒64前面へ発泡ネットを貼設して形成することも出来る。上記支持板63の内端部前面には前面および左右両面開口の溝69を穿設することが望ましい。
【0040】
レバー70は各図が示すように、上記三角形状筒部62の一辺を上方へほぼ水平に位置させた状態で、図右辺の下部から板部71を垂下し、その板部の後縁からトリガー前面の側部への当接用第1係合板72を突出させ、又板部71の下部後面からは、トリガー側面への第2係合板73を後方突出している。
【0041】
回動部材61は上記のようにレバー70を垂下する状態でノズル孔5b閉塞状態にあるノズルキャップ5外面へ回動不能に嵌合させ、上記第1係合板72をトリガー7前面の側部へ、又第2係合板73をトリガー側面へ当接させる。このとき板部71の前部はトリガーの指掛け部7a側面の前方へ突出する。そのレバー70をノズルキャップ5と共に回動させ、該ノズルキャップがノズル孔5b閉塞位置へ移動したとき、レバー70はノズルキャップ5の側外方へ突出する。該回動部材61は透明な合成樹脂材で成形するとよい。又合成樹脂材で一体成形するとよい。
【0042】
回動部材61を除く該第2実施形態のトリガー式液体噴出器は第1実施形態の場合とほぼ同じであり、同一符号を付することで説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一の実施形態に係る液体噴出容器の一部切欠き側面図である。
【図2】液体噴出可能状態とした、図1液体噴出器の一部切欠き側面図である。
【図3】図1ノズルキャップとストッパ部材との位置関係を示す説明図である。
【図4】図1ストッパ部材の正面図である。
【図5】図4ストッパ部材の側面図である。
【図6】図4ストッパ部材の上面図である。
【図7】図1ストッパ部材取付け状態で示す射出筒前部の拡大上面図である。
【図8】図1トリガーの後面図である。
【図9】本発明の他の実施形態で示す、一部切欠きの液体噴出容器の側面図である。
【図10】図9容器に使用する主要部材の正面図である。
【図11】図10部材の側面図である。
【図12】図10部材の底面図である。
【符号の説明】
【0044】
3…射出筒 4…嵌合筒
5…ノズルキャップ 5a…係合子
5c…第1面 5d…第2面
7…トリガー 10…ストッパ部材
11…摺動縦板 12…第1係合板
13…嵌合孔 13a…縦長孔部分
13b…拡開孔部分 13c…下向き段部
21…張出し板 22…縦溝
31…上板 32…ガイド
33…第2係合板 34…拡大後面
35…案内子 42…内向きフランジ
43…凹字形状板 51…補強板
61…回動部材 62…筒部
63…支持板 64…円筒
65…細棒 70…レバー
72…第1係合板 73…第2係合板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出筒3の前端部外面へ嵌合させたノズルキャップ5を、正逆両方向へ回動させることでノズル孔5bが開閉するトリガー式液体噴出容器において、
発泡機構付き筒部62外面からレバー70を垂下する回動部材61を設けて、筒部62をノズルキャップ5外面へ回動不能に嵌合させ、レバー操作による回動でノズルキャップがノズル孔5bを閉塞する回動位置にあっては、レバー70が垂下して該レバーの一部がトリガー7の側面へ接すると共に、レバー前縁部がトリガーの指当部7a側面の前方へ突出し、該レバー回動によりノズルキャップ5がノズル孔開通位置へ回動したとき、レバー70はノズルキャップの側外方へ移動するよう設けた
ことを特徴とする、トリガー式液体噴出容器。
【請求項2】
上記ノズルキャップ5をスピン機構付きの噴霧用とすると共に、筒部62の発泡機構を、筒部62前端面の複数箇所から内方突出させた支持板63先端で円筒64を保持させると共に、該円筒前端面内周から前端面中心方向へ複数の細棒65をほぼ等間隔に突出させ、円筒64とノズルキャップとの各軸線を同一直線上に位置させて形成した
ことを特徴とする、請求項1記載のトリガー式液体噴出容器。
【請求項3】
上記各支持板63の内端部前面に、円筒64外周面に沿って溝69を穿設した
ことを特徴とする、請求項2記載のトリガー式液体噴出容器。
【請求項4】
上記回動部材61を合成樹脂材で一体成形した
ことを特徴とする、請求項1、2、又は3記載のトリガー式液体噴出容器。
【請求項5】
上記回動部材を透明な合成樹脂材で形成した
ことを特徴とする、請求項1、2、3又は4記載のトリガー式液体噴出容器。
【請求項6】
射出筒前部外面へ嵌合させたストッパ部材の摺動縦板11が上下動して、ストッパ部材上昇時にはトリガー7の引寄せ操作が可能に、かつ下降時には引寄せ操作が不能とするとともに、
上記摺動縦板11が有する射出筒遊挿用嵌合孔13を、射出筒を挿通させたままで摺動縦板11が上下動可能に設けた縦長孔部分13a の下部一側を側外方へ拡開した形状となし、
該拡開孔部分13b の上面が形成する下向き段部13c を、ノズルキャップ後面から突出して嵌合孔13内に位置する係合子5aが、ノズル孔開方向への回動により押上げしてストッパ部材10を上限まで上昇させ、かつノズル孔閉方向への回動により拡開孔部分13b 下面を係合子5aが押下げないしストッパ部材が自重で下降することで、ストッパ部材10が下限まで下降可能に形成したことを特徴とする、請求項1、2、3、4、又は5に記載のトリガー式液体噴出器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−320905(P2006−320905A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224757(P2006−224757)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【分割の表示】特願2002−286823(P2002−286823)の分割
【原出願日】平成14年9月30日(2002.9.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】