説明

トリチウムサンプラ

【課題】試料水捕集装置へのタール状物質の付着を回避することができると共に、サンプルガスの水蒸気密度を求める際の誤差を抑制することができるトリチウムサンプラを提供する。
【解決手段】酸性ガスとタール状物質を含むサンプルガスを除去容器21内に供給し、この酸性ガスとタール状物質をサンプルガスから金属繊維23により除去し、サンプルガスを排出する除去容器21と、この除去容器21の内部温度を測定する温度センサー25と、この内部温度を基に前記除去容器21を冷却する冷却手段26とを有する酸性ガス・タール状物資除去装置2と、前記排出されたサンプルガスをヒータ31により加熱しサンプルガスの水蒸気密度をセンサー32、33、34の計測値を基に演算する水蒸気密度測定装置3と、加熱されたサンプルガスを冷却し試料水を捕集する試料水捕集装置5とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子力発電所や使用済燃料再処理施設などにおける固体廃棄物の焼却炉又は溶融炉から放出される排気に含まれるトリチウムの放射能量を測定するために、この排気をサンプリングしたサンプルガスに含まれる水分を結露させてトリチウムを含んだ試料水として採取するトリチウムサンプラ(Sampler:試料採取装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所や使用済燃料再処理施設等では、気体状放射性廃棄物としてトリチウム(T)が水蒸気(HTO又はTO)の形態で存在することから、この気体状放射性廃棄物からトリチウムを含むサンプルガスを捕集して放射能量を測定する場合、一般的にサンプルガスを冷却して試料水を採取し、この試料水を液体シンチレーションカウンタで測定する冷却凝縮法が採用されている。「発電用軽水型原子炉施設における放出放射性物質の測定に関する指針」では冷却凝縮法について、サンプルガス中の水蒸気の一部を捕集して試料水とする場合、試料採取期間におけるサンプルガス中の平均水蒸気密度を測定する必要があるとしている。サンプルガス中の平均水蒸気密度は、温湿度又は露点を測定して、この温湿度又は露点と水蒸気密度の対照表を照合する等により求めている。しかし、焼却炉又は溶融炉の排気をサンプリングする場合は、サンプルガス中に酸性ガスを含み、この酸性ガスによる湿度計又は露点計の腐食で湿度計又は露点計の精度が劣化するため、湿度計又は露点計の校正を頻繁に行うことや、規格を外れた湿度計又は露点計の取替を行う必要があるという問題点があった。
【0003】
この問題点を解決するため、従来のトリチウムサンプラでは、温度計、湿度計又は露点計、流量計を試料水捕集装置の下流に設置する。この試料水捕集装置でサンプルガスから酸性ガスを試料水と共に捕集し、酸性ガスを除去してからサンプルガスの温度、湿度又は露点、流量を測定する。試料水捕集装置から採取した試料水の質量を測定し、この試料水の質量とサンプルガスの積算流量から、試料水に対応したサンプルガスの平均水蒸気密度を求める。試料水捕集装置から排出されたサンプルガスの平均残留水蒸気密度を温度、湿度又は露点、流量から求め、前記試料水に対応したサンプルガスの平均水蒸気密度と前記平均残留水蒸気密度を合計してサンプルガス中の平均水蒸気密度を求める。このように、好適な環境に湿度計又は露点計を設置することにより、湿度計又は露点計の酸性ガスでの腐食による精度の劣化を防止し、湿度計又は露点計の校正頻度を定期検査ごとに低減している(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2007−24768号公報(実施例1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のトリチウムサンプラは以上のように構成されているので、サンプルガスに含まれる酸性ガスでの湿度計又は露点計の腐食の問題は解決できる。しかし、サンプルガスには固体廃棄物の焼却又は溶融に基づくタール状物質が含まれているため、試料水捕集装置でサンプルガスを冷却すると、このタール状物質が冷媒と接してサンプルガスを冷却する冷却フィン又は細管等の内面に付着し、冷却能力が低下すると共にサンプルガスの通路が閉塞する。このため、定期検査時にタール状物質を除去するための試料水捕集装置の清掃が必要で、清掃は試料水捕集装置を分解し、冷却フィン、細管等を薬剤に浸漬して付着したタール状物質を溶かす工程と高圧フラッシング工程が必要で、多大の保守時間が必要となると共に清掃期間が長くなるという問題点があった。原子力発電所や使用済燃料再処理施設では、定期点検時には焼却炉や溶融炉で焼却又は溶融する必要のある処理物質が増加する。このため、試料水捕集装置の清掃期間が長くなると処理の停滞を招くため、保守時間の低減及び清掃期間の短縮が必要である。
【0006】
また、従来のトリチウムサンプラでは、試料水捕集装置から採取した試料水の質量を測定し、この試料水の質量とサンプルガスの積算流量から、試料水に対応したサンプルガスの平均水蒸気密度を求め、試料水捕集装置から排出されたサンプルガスの平均残留水蒸気密度を温度、湿度又は露点、流量から求め、前記試料水に対応したサンプルガスの平均水蒸気密度と前記平均残留水蒸気密度を合計してサンプルガス中の平均水蒸気密度を求めている。このように平均水蒸気密度を求める手続きが複雑になることにより、誤差が積算されるという問題点があった。
【0007】
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、試料水捕集装置へのタール状物質の付着を回避することを目的とするものである。また、サンプルガスの水蒸気密度を求める際の誤差を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るトリチウムサンプラにおいては、酸性ガスとタール状物質を含むサンプルガスを内部に供給し、この酸性ガスとタール状物質をサンプルガスから金属繊維により除去し、酸性ガスとタール状物質が除去されたサンプルガスを排出する除去容器と、この除去容器の内部温度を測定する温度センサーと、この温度センサーにより測定される温度を基に前記除去容器を冷却する冷却手段とを有する酸性ガス・タール状物資除去装置を備える。さらに、排出されたサンプルガスを冷却し試料水を捕集する試料水捕集装置とを備えたものである。
【0009】
また、この発明に係るトリチウムサンプラにおいては、上述の酸性ガス・タール状物質除去装置と、この酸性ガス・タール状物質除去装置から排出されたサンプルガスをヒータにより加熱し、加熱されたサンプルガスの水蒸気密度をセンサーにより計測する水蒸気密度測定装置と、加熱されたサンプルガスを冷却し試料水を捕集する試料水捕集装置とを備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、酸性ガスとタール状物質をサンプルガスから金属繊維により除去した後、試料水捕集装置で試料水を捕集することにしたので、試料水捕集装置へのタール状物質の付着を回避することができる。
【0011】
また、この発明は、酸性ガスとタール状物質をサンプルガスから金属繊維により除去し、この除去したサンプルガスをヒータにより加熱して水蒸気密度を測定するようにしたため、サンプルガスの水蒸気密度を求める際の誤差を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるトリチウムサンプラを示す構成図である。図1において、原子力発電所や使用済燃料再処理施設などの焼却炉や溶融炉から放出される排気の一部をサンプリングしたサンプルガスは、サンプルガス配管1から酸性ガス・タール状物質除去装置2に導入される。
【0013】
この酸性ガス・タール状物質除去装置2は、前記サンプルガス配管1に接続されサンプルガスを供給する供給口20と、この供給口20を有し内部でサンプルガスに含まれる酸性ガスとタール状物質を除去するための除去容器である金属筒21と、この金属筒21の内面を保護するためのプラスチック薄膜22と、このプラスチック薄膜22で保護された前記金属筒21の内部に充填された金属繊維23と、前記金属筒21の内部で酸性ガスとタール状物質が除去されたサンプルガスを排出する排出口24を備えている。さらに、排出口24の近傍に設けられる温度センサー25と、金属筒21を外部から冷却する冷却手段である冷却ファン26と、前記温度センサー25により計測される温度を基に前記冷却ファン26を制御する温度コントローラ27を備えている。なお、冷却手段は金属筒21を外部から冷却する冷却ファン26に限られず、金属筒21への冷却水の導入などの方法に替えてもよい。また、金属繊維23はスチールウールという名称で呼ばれ市販されているものでよく、鉄などの酸により酸化しやすい金属を糸状にして表面積を大きくし、酸性ガスとタール状物質を含むサンプルガスが金属の表面に触れやすくしたものである。
【0014】
酸性ガス・タール状物質除去装置2により酸性ガスとタール状物質が除去され排出口24から排出されたサンプルガスは、水蒸気密度測定装置3に導入される。この水蒸気密度測定装置3は、導入されたサンプルガスを加熱するヒータ31と、加熱されたサンプルガスの温度を測定する温度センサー32と、サンプルガスの湿度を測定する湿度センサー33と、サンプルガスの圧力を測定する圧力センサー34と、これら温度センサー32、湿度センサー33、圧力センサー34の測定結果を入力して平均水蒸気密度を演算して表示する演算表示部35からなる。なお、湿度センサー33は露点を測定する露点計に替えてもよい。
【0015】
水蒸気密度測定装置3から排出されたサンプルガスは、コンプレッサ4により吸引および加圧され、試料水捕集装置5に導入される。この試料水捕集装置5は、加圧されたサンプルガスを冷却して試料水を捕集する試料水捕集部51と、この試料水捕集部51に冷却水を循環供給する冷却水供給部52と、捕集した試料水を自動排水するオートドレン53と、排出された試料水を溜めておく試料水容器54とを備えており、前記試料水捕集部51は耐食性のフッ素樹脂細管511を同心円状に配列し、このフッ素樹脂細管511の間に冷却水供給部52から供給される冷却水を通水する構造である。なお、耐食性のフッ素樹脂細管511は、耐食性プラスチックでコーティングした金属プレートに替えてもよい。
【0016】
試料水捕集装置5から排出されたサンプルガスは、圧力計6で圧力が測定され、圧力調整弁7で圧力が調整されて減圧してサンプリング配管8へ排出される。
【0017】
次に動作について説明する。サンプリング配管1から導入されるサンプルガスは、例えば焼却炉や溶融炉の排気塔からサンプリングした源流点の酸露点が最大130℃、水露点が最大40℃の場合、加熱されて酸露点以上、例えば150℃に維持された状態で酸性ガス・タール状物質除去装置2の供給口20からプラスチック薄膜22で内面が覆われた金属筒21の内部に導入される。金属筒21の内部に導入された酸性ガスとタール状物質を含むサンプルガスは、金属筒21の外側から冷却ファン26により冷却され、酸露点以下になることによりサンプルガスに含まれる酸性ガスから酸が生成され、酸が金属繊維23に接触して金属を酸化させることによりサンプルガスから酸性ガスが除去される。また、サンプルガスに含まれるタール状物質は金属繊維23の表面に析出して付着して除去される。金属筒21の内部の温度は、温度センサー25から出力された温度信号を温度コントローラ27に入力し、サンプルガスの温度が水露点以上の例えば40〜50℃になるように、この温度コントローラ27により冷却ファン26の回転数が制御される。
【0018】
酸性ガス・タール状物質除去装置2から排出されたサンプルガスは、水蒸気密度測定装置3に導入され、ヒータ31で例えば60℃に加熱される。これにより、水露点が40℃の場合、サンプルガスの湿度は40%RH(Relative Humidity)以下となり、腐食臨界湿度70%RH(55%RH程度から腐食が徐々に進行して70%RH程度から急に腐食が進行する)より十分低い腐食が発生しない湿度となるため、湿度センサー33の腐食を回避することができると共に、湿度測定における誤差の大きい高湿度領域を回避することができる。演算表示部35は、温度センサー32の温度信号と、湿度センサー33の湿度信号と、圧力センサー34の圧力信号を入力し、サンプリング期間の平均水蒸気密度(大気圧に換算した単位体積当たりのサンプル空気中の水蒸気量のサンプリング期間の平均値)を演算して表示する。なお、酸性ガス・タール状物質除去装置2で酸が生成する時に、サンプルガス中の水蒸気量は若干減少するが、水露点が40℃の場合でもその減少は1%以下であり、平均水蒸気密度の測定精度にほとんど影響しない。
【0019】
水蒸気密度測定装置3から排出されたサンプルガスは、コンプレッサ4で吸引されて加圧されることにより水蒸気密度が圧力に比例して増加し、飽和水蒸気圧を超える時は余分な水蒸気がミストになりサンプルガスと共にコンプレッサ4から排出され、試料水捕集装置5に導入され、試料水捕集部51で冷却されることにより試料水が捕集される。捕集された試料水は、オートドレン53から自動排水されて試料水容器54に溜められる。
【0020】
トリチウムサンプラは、酸性ガス及び水蒸気の発生源である前述の焼却炉あるいは溶融炉の運転状況に関係なく連続して試料水を採取しており、冬季の水露点が−5℃のような乾燥した状況でも、コンプレッサ4でサンプルガスを、例えば3気圧に加圧して流量25L/分で試料水捕集装置5に導入して3℃に冷却することにより、指針で規定する1ヶ月のサンプリング期間で1000gの試料水が得られる。これはオフラインでトリチウムを測定する際の試料前処理のロスを含めても十分な量である。
【0021】
以上のように、実施の形態1におけるトリチウムサンプラでは、酸性ガスとタール状物質を含むサンプルガスを内部に供給し、この酸性ガスとタール状物質をサンプルガスから金属繊維23により除去し、酸性ガスとタール状物質が除去されたサンプルガスを排出する金属筒21と、この金属筒21の内部温度を測定する温度センサー25と、この温度センサー25により測定される温度を基に金属筒21を冷却する冷却ファン26とを有する酸性ガス・タール状物質除去装置2を備える。さらに、排出されたサンプルガスを冷却し試料水を捕集する試料水捕集装置5を備える。これにより、試料水捕集装置5にある試料水捕集部51のフッ素樹脂細管511の内面へのタール状物質の付着を回避することができるため、試料水捕集装置5の保守が容易になると共にフッ素樹脂細管511の定期交換の頻度を大幅に減らすことができる。
【0022】
また、実施の形態1におけるトリチウムサンプラでは、上述の酸性ガス・タール状物質除去装置2と、この酸性ガス・タール状物質除去装置2から排出されたサンプルガスをヒータ31により加熱し、加熱されたサンプルガスの水蒸気密度を温度センサー32、湿度センサー33、圧力センサー34により計測する水蒸気密度測定装置3と、加熱されたサンプルガスを冷却し試料水を捕集する試料水捕集装置5とを備えたので、サンプルガスの水蒸気密度を求める際の誤差を抑制することができる。
【0023】
実施の形態2.
なお、実施の形態1では、酸性ガス・タール状物質除去装置2において、内面をプラスチック薄膜22で保護した金属筒21の内部に金属繊維23を充填するように構成したが、図2に示すように、除去容器の材質が透明であり外部から内部を目視できる透明フッ素樹脂製筒28の内部に金属繊維23を充填するようにしてもよい。
【0024】
この場合、酸性ガスにより酸化した金属繊維23の状態や、タール状物質が付着した金属繊維23の状態を外部から直接確認して、金属繊維23の取換時期を決定できるので、保守コストを低減できる。
【0025】
実施の形態3.
なお、実施の形態1では、酸性ガス・タール状物質除去装置2の排出口24から排出されるサンプルガスを直接水蒸気密度測定装置3に導入していたが、図3に示すように、排出口24と水蒸気密度測定装置3の間に透明容器ミストセパレータ29を挿入してもよい。
【0026】
この場合、酸性ガス・タール状物質除去装置2で酸性ガスとタール状物質が除去され排出口24から排出されたサンプルガスを透明容器ミストセパレータ29に導入することとなるが、外部からこの透明容器ミストセパレータ29を目視することでサンプルガスに酸あるいは結露水が含まれているかどうかを確認することができる。排出口24から排出されるサンプルガスに酸が含まれていると、金属筒21内部の温度が酸露点より高いこととなり、また排出口24から排出されるサンプルガスに結露水が含まれていると、金属筒21内部の温度が水露点より低いこととなり、いずれの場合でも金属筒21内部の温度の制御が正しく行われていないこととなる。したがって、透明容器ミストセパレータ29の目視で、サンプルガスに酸あるいは結露水のいずれもが含まれていないことを目視することで、金属筒21内の温度管理が正常に動作していることを確認でき、信頼性の高い運用ができる。
【0027】
実施の形態4.
なお、実施の形態1では酸性ガス・タール状物質除去装置2を1台設けていたが、図4に示すように、複数台の酸性ガス・タール状物質除去装置2a、2bを並列に接続するように設けてもよい。
【0028】
この場合、供給口20a、20bの上流側にそれぞれ入口弁201a、201bを、排出口24a、24bの下流側にそれぞれ出口弁241a、241bを設ける。酸性ガス・タール状物質除去装置2aの点検などで、金属繊維23aの交換や金属筒21aの清掃をする場合には、酸性ガス・タール状物質除去装置2bに設けられている入口弁201bと出口弁241bを開状態にし、サンプルガスが酸性ガス・タール状物質除去装置2bに導入されるようにし、酸性ガス・タール状物質除去装置2aに設けられている入口弁201aと出口弁241aを閉状態にし、酸性ガス・タール状物質除去装置2aへのサンプルガスの導入を阻止する。このようにすることで、1台の酸性ガス・タール状物質除去装置が点検中でも、残りの酸性ガス・タール状物質除去装置を作動させることでサンプルガスから酸性ガスとタール状物質を除去した上で水蒸気密度の測定と試料水の捕集を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の実施の形態1におけるトリチウムサンプラを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2におけるトリチウムサンプラの酸性ガス・タール状物質除去装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態3におけるトリチウムサンプラの酸性ガス・タール状物質除去装置を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態4におけるトリチウムサンプラの酸性ガス・タール状物質除去装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0030】
2 酸性ガス・タール状物質除去装置 20 供給口
201a、201b 入口弁 21 金属筒(除去容器)
23 金属繊維 24 排出口
241a、241b 出口弁 25 温度センサー
26 冷却ファン(冷却手段) 29 ミストセパレータ
3 水蒸気密度測定装置 31 ヒータ
32 温度センサー 33 湿度センサー又は露点計
34 圧力センサー 5 試料水捕集装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性ガスとタール状物質を含むサンプルガスを供給する供給口と、内部に充填され酸性ガスとタール状物質をサンプルガスから除去する金属繊維と、酸性ガスとタール状物質が除去されたサンプルガスを排出する排出口とを有する除去容器、該除去容器の内部温度を測定する温度センサー、及び該温度センサーにより測定される温度を基に前記除去容器を冷却する冷却手段から構成される酸性ガス・タール状物質除去装置、
並びに前記排出口から排出されるサンプルガスを冷却し試料水を捕集する試料水捕集装置を備えたトリチウムサンプラ。
【請求項2】
酸性ガスとタール状物質を含むサンプルガスを供給する供給口と、内部に充填され酸性ガスとタール状物質をサンプルガスから除去する金属繊維と、酸性ガスとタール状物質が除去されたサンプルガスを排出する排出口とを有する除去容器、該除去容器の内部温度を測定する温度センサー、及び該温度センサーにより測定される温度を基に前記除去容器を冷却する冷却手段から構成される酸性ガス・タール状物質除去装置、
前記排出口から排出されるサンプルガスを加熱するヒータ、及び加熱されたサンプルガスの水蒸気密度を計測するセンサーを有する水蒸気密度測定装置、
並びに加熱されたサンプルガスを冷却し試料水を捕集する試料水捕集装置を備えたトリチウムサンプラ。
【請求項3】
前記除去容器は透明な材質からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトリチウムサンプラ。
【請求項4】
前記酸性ガス・タール状物質除去装置に、前記除去容器の排出口から排出されるサンプルガスを取り入れ、透明な材質からなるミストセパレータを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトリチウムサンプラ。
【請求項5】
入口弁を持ち酸性ガスとタール状物質を含むサンプルガスを供給する供給口と、内部に充填され酸性ガスとタール状物質をサンプルガスから除去する金属繊維と、出口弁を持ち酸性ガスとタール状物質が除去されたサンプルガスを排出する排出口とを有する除去容器、該除去容器の内部温度を測定する温度センサー、及び該温度センサーにより測定される温度を基に前記除去容器を冷却する冷却手段から構成される複数の酸性ガス・タール状物質除去装置、
前記排出口から排出されるサンプルガスを加熱するヒータ、及び加熱されたサンプルガスの水蒸気密度を計測するセンサーを有する水蒸気密度測定装置、
並びに前記加熱されたサンプルガスを冷却し試料水を捕集する試料水捕集装置を備え、
前記複数の酸性ガス・タール状物質除去装置を並列に接続することを特徴とするトリチウムサンプラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−48766(P2010−48766A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215433(P2008−215433)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】