説明

トリテルペン化合物を含有する抗炎症剤

【課題】優れた効果を発揮する抗炎症剤および、発癌プロモーター阻害剤を提供する。
【解決手段】ホウロクタケの培養菌糸体および、マンネンタケ科の培養菌糸体の抽出物より、トリテルペン化合物10種を単離、構造決定した。これらの化合物は、発癌プロモーターである12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(TPA)によって引き起こされる炎症を強く抑制した。従って、これらの化合物および、その誘導体を、皮膚外用剤や食品、医薬品等に配合することで優れた効果を発揮する抗炎症剤および、発癌プロモーター阻害剤を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のトリテルペン化合物を含有する抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤に関する。また、本発明は、特定の担子菌を人工培養することによりトリテルペン化合物を含有する抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発癌の機構は現在、イニシエーションとプロモーションの2段階を経ることが知られている。すなわち、細胞はまずイニシエーターと呼ばれる物質によって変異を受け休眠状態の潜在癌細胞に変化する。その後、潜在癌細胞はプロモーターと呼ばれる物質によって腫瘍細胞へと変化する。12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(TPA) は発癌のプロモーション作用を引き起こす発癌プロモーターの1つである。TPAは発癌のプロモーション作用の他に、細胞増殖を伴った皮膚の炎症を引き起こす作用を併せ持つ。従って、TPAによる炎症を抑制する物質は効果的な抗炎症剤となると同時に、抗癌作用が期待される発癌プロモーター阻害剤として利用することが出来る。
【0003】
このような観点から、TPAによって誘起される炎症に対する抑制剤は、既に幾つか抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤として開発されている。例えば、特許文献1ではトリテルペン化合物の発癌プロモーター阻害剤としての利用が報告されている。特許文献2ではトリテルペン化合物が抗炎症剤として開示されている。さらに、特許文献3においてジテルペンのシアタン化合物の抗炎症作用が言及されている。しかし、これらの抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤は、いずれも効果が不十分である、また、いずれも野外で生育する天然物にその由来を求めているため、安定した生産が困難である等の理由から、現段階では、広く利用されていない。
【0004】
このような状況を鑑み、本発明者らは既に担子菌の菌糸体を人工的に培養し、培養菌糸体の培養液または抽出液から効果の高い抗炎症剤を安定して生産する方法を既に開発している。本発明者らが開発した方法では、TPAによる炎症を強く抑制する作用を有する抽出物および培養液が開示されているが、炎症抑制作用を有する化合物の精製および構造の決定は行われていない。様々な物質の混合物である抽出物および培養液から有効成分を精製することで、その効果は大きく増強され、夾雑物による刺激も減退することが期待される。すなわち、精製が完了した化合物を抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤として使用することで、さらに優れた抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤を提供することができる。
【特許文献1】特開1997−176184
【特許文献2】特開1998−237093
【特許文献3】特開2003−89670
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、抗炎症作用および発癌プロモーター抑制作用に優れた新規の抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、本発明者らが既に開発した担子菌の人工培養菌糸体、培養菌糸体の培養液または抽出液から効果の高い抗炎症剤を安定して生産する方法を既に開発している。この方法によって単離された抽出物は、多数の化合物の混合物であることから、この混合物より単一の化合物を単離、精製、構造決定することによって、この抽出物よりも優れた効果を有する抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤を開発すべく、研究を重ねたところ、特定の担子菌を培養し得られた菌糸体の抽出物から以下の構造で表される化合物を単離、構造決定し、これらの化合物がTPAによって誘起される炎症に対して優れた炎症抑制作用を発揮することを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】
従って、本発明は、以下を提供する。
1.以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する、抗炎症剤:
【0008】
【化37】

上記化学式においてRは、水素原子(H)、アシル基(−CO−R1a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでa=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、ここで、R1aは、アルキル基(−(CH−H)、ここでb=1〜30であり、
は、水素原子(H)、アセトキシル基(−OAc)、水酸基(−OH)、エーテル基(−OR21)からなる群から選択され、ここで、R2aは、アシル基(−CO−R2b)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでc=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、R2bは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでd=1〜30であり、
は、水素原子(H)、および、アセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR4a)、およびエステル基(−COOR4b)、からなる群から選択され、ここで、R4aは、アシル基(−CO−R4c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでe=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、R4cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでf=1〜30であり、R4bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでg=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0009】
【化38】

上記化学式においてRは、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR7a)、およびエステル基(−COOR7b)、からなる群から選択され、ここで、R7aは、アシル基(−CO−R7c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでh=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
7cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでi=1〜30であり、
7bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでj=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0010】
【化39】

上記化学式においてRおよび、Rは、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R8a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでk=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
8aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでl=1〜30であり、
10は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
11は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR11a)、およびエステル基(−COOR11b)、からなる群から選択され、
11aは、アシル基(CO−R11c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
11cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでn=1〜30であり、
11bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0011】
【化40】

上記化学式においてR12は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(OAc)からなる群から選択され、
13は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR13a)、エステル基(−COOR13b)、からなる群から選択され、
13aは、アシル基(CO−R13c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
13cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでs=1〜30であり、
13bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0012】
【化41】

14は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
15は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR15a)、エステル基(−COOR15b)、からなる群から選択され、
15aは、アシル基(−CO−R15c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
15cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでv=1〜30であり、
15bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0013】
【化42】

上記化学式においてR16は、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R16a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
16aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでy=1〜30であり、
17は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR17a)、エステル基(−COOR17b)、からなる群から選択され、
17aは、アシル基(−CO−R17c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでz=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
17cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでA=1〜30であり、
17bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでB=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0014】
【化43】

上記化学式においてR18は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR18a)、エステル基(−COOR18b)、からなる群から選択され、
18aは、アシル基(−CO−R18c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでD=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
18cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでE=1〜30であり、
18bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでF=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0015】
【化44】

上記化学式においてR19および、R20は、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R19a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでG=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
19aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでH=1〜30であり、
21は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR21a)、エステル基(−COOR21b)、からなる群から選択され、
21aは、アシル基(−CO−R21c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでJ=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
21cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでL=1〜30であり、
21bは、アルキル基(−(CH−H)、および、糖類からなる群から選択され、ここでM=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0016】
【化45】

上記化学式においてR22は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR22a)、エステル基(COOR22b)、からなる群から選択され、
22aは、アシル基(−CO−R22c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでN=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
22cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでQ=1〜30であり、
22bは、アルキル基(−(CH−H)、および、糖類からなる群から選択され、ここでR=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;ならびに
【0017】
【化46】

上記化学式においてR23は、水素原子(H)、アセトキシル基(OAc)からなる群から選択され、
24は、それぞれ独立して、メタノール基(CHOH)、アルデヒド基(CHO)、カルボキシル基(COOH)、メチルエーテル基(CHOR24a)、エステル基(COOR24b)、からなる群から選択され、
24aは、アシル基(CO−R24c)、およびアルキル基((CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでU=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
24cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでV=1〜30であり、
24bは、アルキル基((CH−H)であり、および、糖類からなる群から選択され、ここでW=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物。
2.以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する、抗炎症剤:
【0018】
【化47】

上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;
【0019】
【化48】

上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物;
【0020】
【化49】

上記化学式において表される化合物;ならびに
【0021】
【化50】

上記化学式において表される化合物。
3.以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を少なくとも1つ含有する、発癌プロモーター阻害剤:
【0022】
【化51】

上記化学式においてRは、水素原子(H)、アシル基(−CO−R1a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでa=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、ここで、R1aは、アルキル基(−(CH−H)、ここでb=1〜30であり、
は、水素原子(H)、アセトキシル基(−OAc)、水酸基(−OH)、エーテル基(−OR21)からなる群から選択され、ここで、R2aは、アシル基(−CO−R2b)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでc=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、R2bは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでd=1〜30であり、
は、水素原子(H)、および、アセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR4a)、およびエステル基(−COOR4b)、からなる群から選択され、ここで、R4aは、アシル基(−CO−R4c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでe=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、R4cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでf=1〜30であり、R4bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでg=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0023】
【化52】

上記化学式においてRは、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR7a)、およびエステル基(−COOR7b)、からなる群から選択され、ここで、R7aは、アシル基(−CO−R7c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでh=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
7cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでi=1〜30であり、
7bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでj=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0024】
【化53】

上記化学式においてRおよび、Rは、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R8a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでk=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
8aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでl=1〜30であり、
10は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
11は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR11a)、およびエステル基(−COOR11b)、からなる群から選択され、
11aは、アシル基(CO−R11c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
11cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでn=1〜30であり、
11bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0025】
【化54】

上記化学式においてR12は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(OAc)からなる群から選択され、
13は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR13a)、エステル基(−COOR13b)、からなる群から選択され、
13aは、アシル基(CO−R13c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
13cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでs=1〜30であり、
13bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0026】
【化55】

14は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
15は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR15a)、エステル基(−COOR15b)、からなる群から選択され、
15aは、アシル基(−CO−R15c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
15cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでv=1〜30であり、
15bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0027】
【化56】

上記化学式においてR16は、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R16a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
16aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでy=1〜30であり、
17は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR17a)、エステル基(−COOR17b)、からなる群から選択され、
17aは、アシル基(−CO−R17c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでz=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
17cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでA=1〜30であり、
17bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでB=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0028】
【化57】

上記化学式においてR18は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR18a)、エステル基(−COOR18b)、からなる群から選択され、
18aは、アシル基(−CO−R18c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでD=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
18cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでE=1〜30であり、
18bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでF=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【0029】
【化58】

上記化学式においてR19および、R20は、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R19a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでG=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
19aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでH=1〜30であり、
21は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR21a)、エステル基(−COOR21b)、からなる群から選択され、
21aは、アシル基(−CO−R21c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでJ=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
21cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでL=1〜30であり、
21bは、アルキル基(−(CH−H)、および、糖類からなる群から選択され、ここでM=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;ならびに
【0030】
【化59】

上記化学式においてR22は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR22a)、エステル基(COOR22b)、からなる群から選択され、
22aは、アシル基(−CO−R22c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでN=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
22cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでQ=1〜30であり、
22bは、アルキル基(−(CH−H)、および、糖類からなる群から選択され、ここでR=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;ならびに
【0031】
【化60】

上記化学式においてR23は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
24は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR24a)、およびエステル基(−COOR24b)、からなる群から選択され、
24aは、アシル基(−CO−R24c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでU=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
24cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでV=1〜30であり、
24bは、アルキル基(−(CH−H)であり、および、糖類からなる群から選択され、ここでW=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物。
4.以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する、発癌プロモーター阻害剤:
【0032】
【化61】

上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;
【0033】
【化62】

上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物;
【0034】
【化63】

上記化学式において表される化合物;ならびに
【0035】
【化64】

上記化学式において表される化合物。
5.以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する、皮膚外用剤:
【0036】
【化65】

上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;
【0037】
【化66】

上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物;
【0038】
【化67】

上記化学式において表される化合物;ならびに
【0039】
【化68】

上記化学式において表される化合物。
6.マゴジャクシの菌体を人工的に培養する工程を包含する、以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを生産する方法:
【0040】
【化69】

上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;ならびに
【0041】
【化70】

上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物。
7.ホウロクタケの菌体を人工的に培養する工程を包含する、以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを生産する方法:
【0042】
【化71】

上記化学式において表される化合物;ならびに
【0043】
【化72】

上記化学式において表される化合物。
【0044】
これらの化合物は既に天然物から単離され、報告されているが、例えば、化学式72で表される化合物以外の抗炎症作用及び、発癌プロモーター阻害作用は知られていない。化学式72の発癌プロモーターによって誘起される浮腫に対する抗炎症作用は特許文献2において開示さているが、公知文献では、化学式72の化合物を含めいずれの化合物についても野外に自生する天然物より単離されたとの報告があるのみで、これらの化合物を安定に生産する方法は開示されていない。
【0045】
上記に表記した化合物から選択される化合物を高濃度に含む画分、あるいはこれらの混合物を1種または2種以上、皮膚外用剤および食品、医薬品に配合することで優れた抗炎症剤あるいは発癌プロモーター阻害剤を提供すことができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明により、優れた抗炎症作用あるいは発癌プロモーター阻害作用を有する新規の化合物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念も含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0048】
(用語の定義)
本明細書において使用される用語「子実体」とは、菌類において胞子を生じる生殖体であって、用語「担胞子体」と互換可能に使用され得る。子嚢菌類および担子菌類では、それぞれ、子嚢果、担子果のように、菌糸組織からなる種々の形のものをいう。
【0049】
本明細書において使用される用語「菌糸体」は、用語「菌糸」と互換可能に使用され、糸状菌類の栄養体を構成する基本構造であり、多細胞のものと、多核体のものがある。菌糸は胞子の発芽管から発達し、先端成長により伸長する。
【0050】
本発明に用いる抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤は特定の菌類を培養し、その生産物を分離、精製することにより得ることができるが、本発明に用いる抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤を得る方法はこの方法に限定されない。
【0051】
本発明の化合物を得る方法を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
【0052】
以下の化学式を有する化合物
【0053】
【化73】

または、以下の化学式を有する化合物
【0054】
【化74】

に示す化合物からなる抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤は、ホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex.COOKe) Yasuda)および近縁の菌種(例えば、タコウキン科に属する菌種)の菌体を培養液中で培養した後、菌体から以下に示す方法により、得ることができる。
【0055】
以下の化学式
【0056】
【化75】

ただし、上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;
または、以下の化学式
【0057】
【化76】

ただし、上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物に示す化合物からなる抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤は、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、および、これらの近縁の菌種(例えば、マンネンタケ科に属する菌)の菌体を培養液中で培養した後、菌体から以下に示す方法により、得ることができる。
【0058】
ホウロクタケ、マゴジャクシ、およびこれらの近縁の菌種の菌体は、野生もしくは人工栽培の子実体もしくは菌糸体、もしくは継代培養、凍結、凍結乾燥、乾燥等の手段により保存されている菌体、もしくは継代培養、凍結、凍結乾燥、乾燥等の手段により保存されている菌体から無菌的に培地上で培養した菌体を用いることができる。
【0059】
ホウロクタケ、マゴジャクシ、およびこれらの近縁の菌種の菌体はいずれであっても良い。例えば、日本国内だけでなく、世界各地に自生している菌体の他、世界各地の保存施設において保存されている菌体を用いることもできる。また、近縁の種であれば同様に用いることもできる。また、人工的に栽培された子実体の菌体を用いることもできる。
【0060】
菌体の培養に用いる培地は、ポテトデキストロース寒天培地、ポテトスクロース寒天培地、ペプトンデキストロース寒天培地、等の寒天培地の他、ポテトデキストロース培地、ポテトスクロース培地、ペプトンデキストロース培地、等の液体培地の他、菌類の培養に使用できる培地であれば、いずれであっても良い。菌体の培養方法、培養条件なども特に限定されないが、20〜30℃で10〜40日間、静置培養もしくは通気培養、振盪培養等により培養することで十分成長した菌糸体を用いることが望ましい。
【0061】
上記の培地は、当業者に周知である。具体的には、以下の組成が用いられるが、本発明において使用される培地の組成は、以下の組成に限定されることはない。
【0062】
(ポテトデキストロース寒天培地の組成)
ジャガイモ煎汁:1000ml
グルコース:20g
粉末寒天:15g
(ポテトスクロース寒天培地の組成)
ジャガイモ煎汁:1000ml
スクロース:20g
粉末寒天:15g
(ペプトンデキストロース寒天培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
粉末寒天:20g
純水:1000m1
(ポテトデキストロース培地の組成)
ジャガイモ煎汁:1000m1
グルコース:20g
(ポテトスクロース培地の組成)
ジャガイモ煎汁:1000ml
スクロース:20g
(ペプトンデキストロース培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
純水:1000ml
子実体を上記組成の培地中で培養すると、子実体から菌糸体が誘導され、その後、3〜6ヵ月毎に継代培養することにより、菌糸体が保存される。
【0063】
培養菌糸体の培養液は、ろ過して得られる培養液をそのまま或いは、必要に応じて濃縮または希釈し、本発明に用いることが出来る。ろ過の方法は周知であり、例えば、ろ紙を用いることができる。また、10〜0.45μm(例えば、10μm、5μm、1μm、0.45μm)のポアサイズのメンブレンフィルターを用いることもできる。濃縮方法としては、例えば、有機溶媒を用いて調製された抽出液を減圧下に放置することにより揮発させる、減圧濃縮法を用いることができる。また、濃縮方法としては、限外ろ過を用いる方法も用いることができる。
【0064】
本発明に使用するキノコの子実体又は培養菌糸体の抽出に用いる溶媒は、特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒や水等の溶媒を1種または2種以上を混合して使用することが出来る。好ましい溶媒は、エタノール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、またはプロピレングリコールのような有機溶媒、あるいは水である。抽出時間や抽出温度、抽出方法等の条件は、特に限定されない。溶媒の残留性や経済性、作業効率を考慮すると、子実体又は培養液と分離した培養菌糸体をそのまま或いは乾燥した後、そのまま或いは粉砕し、子実体又は培養菌糸体の湿重量の1〜10倍量のエタノール又は、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールを使用し、室温で1〜10日抽出するか、子実体又は培養菌糸体の湿重量の1〜10倍量の水を使用し80〜100℃で1〜10時間抽出した後、ろ過して得られる抽出液を用いることが好ましい。抽出液はそのまま或いは、必要に応じて濃縮または希釈し、本発明に用いることが出来る。
【0065】
野生の子実体または人工栽培された子実体から菌糸体を誘導する場合は、子実体の内部の組織または子実体の胞子から無菌的に上記の培地上で培養することで菌糸体に誘導することができる。また、既に単離され、継代培養、凍結、凍結乾燥、乾燥等の手段により保存されている菌体であればそのまま上記の培地上で培養することができる。
【0066】
ホウロクタケ、マゴジャクシ、およびこれらの近縁の菌種の菌体の培養液または抽出液、菌体そのものから、抽出または各種クロマトグラフィーにより分離、精製することにより、本発明の化合物を得ることができる。菌体から本発明の化合物を精製または単離する方法は、特に限定されない。いかなる方法においてもホウロクタケ、マゴジャクシ、およびこれらの近縁の菌種の菌体から抽出、精製することにより得られた化合物および本発明の化合物を高濃度に含む精製画分を抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤として使用することができる。
【0067】
上述により得られた化合物は、各種反応により容易に酸化、還元し、容易に配糖体やアルキル基、アシル基などの官能基をエーテル結合もしくはエステル結合などの結合により結合した多用な化合物に誘導することができる。このように誘導された化合物についても同様に、抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤として使用することができる。
【0068】
例えば、以下の化学式
【0069】
【化77】

で表される構造を有する化合物Aに塩化チオニル(SOCl)を反応させ得られた酸塩化物をピリジン存在下でメタノールと反応させることで、以下の化学式
【0070】
【化78】

で表される化合物を得ることが出来る。
【0071】
本発明の抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤は皮膚外用剤および食品、医薬品として使用することができる。皮膚外用剤および食品、医薬品の形状は特に問わない。その投与方法に応じて如何なる形状をも選択することができる。例えば、液状、ゲル状、クリーム状、顆粒状、固体、エアロゾルのような気体などの形態で使用することができる。本発明の抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤を皮膚外用剤として使用する場合、化粧水、クリーム、ゲル、軟膏、乳液、美容液、パック、洗顔料、クレンジング剤、ヘアケア剤、石鹸、浴用剤、シャンプー、リンス、リップスティック、口紅、ファンデーション等の化粧品や医薬部外品、医薬品に配合することできる。
【0072】
本発明の抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤を配合した皮膚外用剤は、油脂類、ロウ類、炭化水素類、シリコーン類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、増粘剤、粉末等の化粧品の基材の他、医薬品および医薬部外品の有効成分、pH調整剤、防腐剤、色素、香料、酸化防止剤、天然由来エキス等も必要に応じて配合することができる。
【0073】
本発明の抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤を医薬品として用いる場合、薬学的に受容可能なキャリア型(例えば、滅菌キャリア)と組み合わせて処方され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体、または液体の充填剤、希釈液、被包剤、または任意の型の処方補助剤をいう。
【0074】
本発明の抗炎症剤および発癌プロモーター阻害剤は、個々の固体、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮にいれ、医療実施基準(GMP=good medical practice)を遵守する方式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は、このような考慮を行って決定される。
【0075】
治療剤を、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemarry)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟骨、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内、あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与し得る。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および間接内の注射および注入を含む投与様式をいう。
【0076】
以下に実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0077】
(実施例1:マゴジャクシの子実体からの菌糸体の培養)
日本国内に自生する野生の担子菌類であるマンネンタケ科のマゴジャクシの子実体から内部の組織を無菌的に切り出した。この組織をペプトンデキストロース寒天培地に移し、25℃で20日間培養した。20日後、成長した菌糸体を新しい寒天培地に継代培養した。この操作を2度繰り返し、マゴジャクシの菌糸体を分離した。得られた菌糸体をペプトンデキストロース液体培地に移植し、40日間、25℃で静置培養した。40日後、培養液と菌糸体をろ紙を用いてろ別した。得られた菌糸体を生重量の5倍量のエタノールに室温で2日間浸漬した。2日後、菌糸体のエタノール抽出物と残渣をろ紙を用いてろ別した。得られたエタノール抽出物を減圧濃縮することで完全に溶媒を除き、培養菌糸体のエタノール抽出物を得た。以下にペプトンデキストロース寒天培地とペプトンデキストロース液体培地の組成を示す。
【0078】
(ペプトンデキストロース寒天培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
粉末寒天:20g
純水:1000ml
(ペプトンデキストロース液体培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
純水:1000ml
(実施例2:マゴジャクシ菌糸体のエタノール抽出物からの活性物質の精製)
マゴジャクシ菌糸体のエタノール抽出物の濃縮物(乾燥重量:28.7g)をヘキサンと水で分配後、酢酸エチルと水で分配することで、マゴジャクシ菌糸体のエタノール抽出物をヘキサン可溶部(0.65g)、酢酸エチル可溶部(10.6g)、水可溶部に分離した。TPAによる浮腫を強く抑制する効果が認められた酢酸エチル可溶部を10%ずつ酢酸エチルの配合量を増加させる酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した。得られた画分の内、40%酢酸エチル/ヘキサン画分を15〜30%のアセトン/ヘキサンによるシリカゲルクロマトグラフィーを行うことで、化学式73のR1=Ac, R2=OAc, R3=OAc で特定される化合物Aを130.1mg、化学式73のR1=H,R2=H, R3=OAc で特定される化合物Bを62.5mg単離した。
【0079】
【化79】

40%酢酸エチル/ヘキサン画分を15〜30%のアセトン/ヘキサンによるシリカゲルクロマトグラフィーを行うことで得られた画分をさらに10%の酢酸エチル/トルエン/1%酢酸によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、2%イソプロパノール/97%ヘキサン/1%酢酸エチルによる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により再度分離することで、化学式73のR1=Ac, R2=H, R3=OAc で特定される化合物Cを5.2mg、化学式73のR1=Ac,R2=OAc, R3=Hで特定される化合物Dを5.0mg単離した。酢酸エチル可溶部を酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した画分の内、50%酢酸エチル/ヘキサン画分をアセトン/ヘキサンによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことで、化学式73のR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で特定される化合物Eを17.5mg単離した。さらに、酢酸エチル可溶部を酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した画分の内、50%酢酸エチル/ヘキサン画分を20〜40%アセトン/ヘキサンによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことで得られた画分を3%イソプロパノール/9.9%クロロホルム/86.1%ヘキサン/1%酢酸によるHPLCにより分離することで、化学式73のR1=H,R2=OAc, R3=OAc で特定される化合物Fを13.5mg単離した。酢酸エチル可溶部を酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した画分の内、60%酢酸エチル/ヘキサン画分を20〜30%アセトン/ヘキサンによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことで、化学式21のR=OAcで特定される化合物Gを83.4mg単離した。酢酸エチル可溶部を酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した画分の内、60%酢酸エチル/ヘキサン画分を10〜30%アセトン/クロロホルムによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことで、化学式74のR=OAcで表される化合物Hを139.8mg単離した。
【0080】
【化80】

(実施例3:スペクトルデータの測定)
化合物Aおよび、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物Hの構造を、質量分析(MS)、旋光度、赤外吸収スペクトル(IR)、紫外線吸収スペクトル(UV)、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、13C−NMR、二次元NMR(HMQC、HMBC、COSY、NOESY))を詳細に検討することで決定した。化合物Aおよび、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物Hの性状および各種スペクトルデータを以下に示す。
【0081】
(化合物Dのスペクトルデータ)
性状:無色・ガラス状
質量分析:553.3499[M−1](計算値553.3529:C3449
赤外吸収スペクトル(cm−1):3445、3000〜2850、1734、1685、1433、1375、1246、1033
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.86(1H、t、J=7.0)、δ5.49(1H、br.s)、δ5.34(1H、d、J=6.0)、δ5.08(1H、t、J=6.7)、δ4.68(1H、br.s)、δ2.33(1H、m)、δ2.24(1H、m)、δ2.10(1H、m)、δ2.09(3H、s)、δ2.09(1H、m)、δ2.08(1H、m)、δ2.06(1H、m)、δ2.05(3H、s)、δ2.02(2H、m)、δ1.84(3H、s)、δ1.76(1H、m)、δ1.71(1H、m)、δ1.71(1H、m)、δ1・69(1H、m)、δ1.63(1H、m)、δ1.50(1H、m)、δ1.48(1H、m)、δ1.42(1H、m)、δ1.16(1H、m)、δ1.06(1H、s)、δ1.00(1H、s)、δ0.99(3H、s)、δ0.93(3H、d、J=6.3)、δ0.89(1H、s)、δ0.67(1H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ172.1(C)、δ171.2(C)、δ170.8(C)、δ146.0(C)、δ145.1(C)、δ140.2(C)、d126.7(C)、δ121.2(CH)、δ115.7(CH)、δ78.1(CH)、δ77.4(CH)、δ51.4(C)、δ49.0(CH)、δ44.2(C)、δ44.0(CH)、δ38.0(CH)、δ37.4(C)、δ37.0(CH)、δ36.6(C)、δ36.0(CH)、δ34.7(CH)、δ30.6(CH)、δ27.8(CH)、δ26.0(CH)、δ23.2(CH)、δ22.8(CH)、δ22.7(CH)、δ22.5(CH)、δ21.4(CH)、δ21.3(CH)、δ18.5(CH)、δ18.2(CH)、δ12.0(CH)。
【0082】
(化合物Cのスペクトルデータ)
性状:無色・ガラス状
質量分析:553.3499[M−1](計算値553.3529:C3449
赤外吸収スペクトル(cm−1):3447、3000〜2850、1736、1687、1444、1375、1245
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.82(1H、t、J=7.0)、δ5.48(1H、br.s)、δ5.32(1H、d、J=6.0)、δ5.11(1H、t、J=6.8)、δ4.68(1H、br.s)、δ2.57(1H、ddd、J=14.4、J=7.4、J=7.3)、δ2.38(1H、ddd、J=14.4、J=7.4、J=7.3)、δ2.22(1H、m)、δ2.07(1H、m)、δ2.06(2H、m)、δ2.06(3H、s)、δ2.05(3H、s)、δ2.04(2H、m)、δ2.03(1H、m)、δ1.87(3H、s)、δ1.74(1H、m)、δ1.72(1H、m)、δ1.65(2H、m)、δ1.56(1H、m)、δ1.50(2H、m)、δ1.39(2H、m)、δ1.01(3H、s)、d0.99(3H、s)、δ0.98(3H、d、J=6.3)、δ0.89(3H、s)、δ0.87(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ171.9(C)、δ170.8(C)、δ170.7(C)、δ146.0(C)、δ142.4(C)、δ139.6(CH)、δ129.0(C)、δ120.4(CH)、δ115.6(CH)、δ78.2(CH)、δ74.7(CH)、δ50.4(C)、δ47.6(CH)、δ44.2(CH)、δ43.8(C)、δ39.5(CH)、δ38.0(CH)、δ37.3(C)、δ36.6(C)、δ31・9(CH)、δ31.5(CH)、δ30.6(CH)、δ27.8(CH)、δ27.6(CH)、δ25.7(CH)、δ23.2(CH)、δ22.9(CH)、δ22.6(CH)、δ22.5(CH)、δ21.3(CH)、δ21.1(CH)、δ15.5(CH)、δ12.8(CH)、δ12.3(CH)。
【0083】
(化合物Bのスペクトルデータ)
性状:無色・針状結晶
質量分析:511.3425[M−1](計算値511.3423:C3247
赤外吸収スペクトル(cm−1):3462、3000〜2800、1690、1740、1720、1428、1374、1246
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.81(1H、t、J=7.4)、δ5.47(1H、s)、δ5.34(1H、d、J=5.9)、δ5.10(1H、t、J=7.0)、δ3.45(1H、s)、δ2.56(1H、ddd、J=14.8、J=7.4、J=7.0)、δ2.37(1H、ddd、J=14.8、J=7.4、J=7.0)、δ2.22(1H、m)、δ2.08(1H、m)、δ2.05(3H、s)、δ2.03(2H、m)、δ2.03(2H、m)、δ1.86(3H、s)、δ1.76(2H、m)、δ1.71(2H、m)、δ1.71(1H、m)、δ1.52(1H、m)、δ1.50(1H、m)、δ1.40(2H、m)、δ1.00(3H、s)、δ0.99(3H、d、J=6.3)、δ0.98(3H、s)、δ0.94(3H、s)、δ0.56(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ172.1(C)、δ170.6(C)、δ146.0(C)、δ142.3(C)、δ139.5(CH)、δ129.1(C)、δ120.4(CH)、δ115.6(CH)、δ76.1(CH)、δ74.7(CH)、δ50.4(C)、δ47.4(CH)、δ43.7(CH)、δ43.2(C)、δ39.4(CH)、δ37.8(CH)、δ37.8(CH)、δ37.3(C)、δ37.2(C)、δ31.8(CH)、δ31.4(CH)、δ29.9(CH)、δ28.1(CH)、δ27.6(CH)、δ25.7(CH)、δ25.5(CH)、δ23.0(CH)、δ22.8(CH)、δ22.5(CH)、δ21.0(CH)、δ15.5(CH)、δ12.7(CH)、δ12.2(CH)。
【0084】
(化合物Aのスペクトルデータ)
性状:無色・ガラス状
質量分析:611.3578[M−1](計算値611.3358:C3651
赤外吸収スペクトル(cm−1):3446、3000〜2800、1700、1736、1434、1376、1246、1033
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.78(1H、t、J=7.4)、δ5.49(1H、br.s)、δ5.32(1H、d、J=6.0)、δ5.09(1H、dd、J=10.0、J=5.5)、δ5.04(1H、t、J=7.1)、δ4.68(1H、br.s)、δ2.57(1H、ddd、J=15.0、J=7.5、J=7.5)、δ2.34(1H、ddd、J=15.0、J=7.5、J=7.5)、δ2.32(1H、m)、δ2.15(1H、m)、δ2.12(1H、m)、δ2.08(3H、s)、δ2.07(3H、s)、δ2.05(3H、s)、δ2.05(1H、m)、δ1.99(2H、m)、δ1.86(3H、s)、δ1.82(1H、m)、δ1.75(1H、m)、δ1.62(2H、m)、δ1.57(1H、m)、δ1.52(1H、m)、δ1.03(3H、s)、δ0.99(3H、s)、δ0.98(s、3H)、δ0.97(3H、d、J=6.3)、δ0.89(3H、s)、δ0.66(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ172.0(C)、δ171.0(C)、δ171.0(C)、δ171.0(C)、δ146.0(C)、δ140.0(C)、δ139.0(CH)、δ129.0(C)、δ121.0(CH)、δ115.4(CH)、δ78.1(CH)、δ77.0(CH)、δ74.5(CH)、δ51.4(C)、δ45.5(CH)、δ44.0(C)、δ43.9(CH)、δ39.6(CH)、δ38.0(CH)、δ37.4(C)、δ36.7(C)、δ36.5(CH)、δ31.9(CH)、δ30.6(CH)、δ27.8(CH)、δ23.1(CH)、δ22.8(CH)、δ22.7(CH)、δ22.5(CH)、δ21.4(CH)、δ21.3(CH)、δ21.1(CH)、δ18.5(CH)、δ15.8(CH)、δ12.7(CH)、δ12.3(CH)。
【0085】
(化合物Eのスペクトルデータ)
性状:無色・ガラス状
質量分析:569.3464[M−1](計算値569.3478:C3449
赤外吸収スペクトル(cm−1):3445、3000〜2900、1700、1730、1716、1375、1246
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.80(1H、t、J=7.4)、δ5.89(1H、d、J=5.8)、δ5.31(1H、d、J=6.1)、δ5.04(1H、t、J=7.1)、δ4.67(1H、s)、δ4.27(1H、dd、J=9.0、J=4.5)、δ2.56(1H、ddd、J=15.0、J=7.5、J=7.5)、δ2.36(1H、ddd、J=15.0、J=7.5、J=7.5)、δ2.34(1H、m)、δ2.08(1H、m)、δ2.06(3H、s)、δ2.05(3H、s)、δ2.01(2H、m)、δ2.01(1H、m)、δ2.01(1H、m)、δ1.87(3H、s)、δ1.83(1H、m)、δ1.80(1H、m)、δ1.73(1H、m)、δ1.64(2H、m)、δ1.51(1H、m)、δ1.49(1H、m)、δ1.00(3H、s)、δ0.99(3H、s)、δ0.97(3H、s)、δ0.96(3H、d、J=6.2)、δ0.88(3H、s)、δ0.62(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ172.2(C)、δ170.9(C)、δ170.7(C)、δ146.2(C)、δ140.5(C)、δ139.2(CH)、δ129.4(C)、δ121.6(CH)、δ115.3(CH)、δ78.1(CH)、δ74.7(CH)、δ74.5(CH)、δ52.1(C)、δ45.5(CH)、δ44.3(CH)、δ44.0(C)、δ39.7(CH)、δ39.3(CH)、δ38.5(CH)、δ37.3(C)、δ36.5(C)、δ31.8(CH)、δ30.6(CH)、δ27.8(CH)、δ23.2(CH)、δ22.8(CH)、δ22.7(CH)、δ22.5(CH)、δ21.3(CH)、δ21.1(CH)、δ17.3(CH)、δ15.8(CH)、δ12.8(CH)、δ12.3(CH)。
【0086】
(化合物Fのスペクトルデータ)
性状:無色・ガラス状
質量分析:569.3495[M−1](計算値569.3478:C3449
旋光度:[α] +6.0°(C0.33、MeOH)
赤外吸収スペクトル(cm−1):3459、3000〜2800、1697、1737、1727、1433、1375、1247、1040
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.77(1H、t、J=7.4)、δ5.48(1H、br.s)、δ5.33(1H、d、J=5.9)、δ5.08(1H,dd、J=9.0、J=4.3)、δ5.03(1H、t、J=7.1)、δ3.45(1H、br.s)、δ2.56(1H、ddd、J=14.9、J=7.6、J=7.4)、δ2.34(1H、ddd、J=14.9、J=7.6、J=7.6)、δ2.31(1H、m)、δ2.12(1H、m)、δ2.10(1H、m)、δ2.08(3H、s)、δ2.06(3H、s)、δ2.00(1H、m)、δ2.00(2H、m)、δ1.86(3H、s)、δ1.83(1H、m)、δ1.80(1H、m)、δ1.70(2H、m)、δ1.70(1H、m)、δ1.54(1H、m)、δ1.50(1H、m)、δ0.99(3H、s)、δ0.98(3H、s)、δ0.98(3H、s)、δ0.96(3H、d、J=6.2)、δ0.93(3H、s)、δ0.66(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ171.1(C)、δ171.4(C)、δ170.6(C)、δ146.1(C)、δ140.0(C)、δ139.1(CH)、δ129.2(C)、δ121.6(CH)、δ115.3(CH)、δ76.9(CH)、δ76.1(CH)、δ74.5(CH)、δ51.9(C)、δ45.4(CH)、δ44.0(C)、δ42.9(CH)、δ39.6(CH)、δ38.0(CH)、δ37.4(C)、δ37.3(C)、δ36.7(CH)、δ31.9(CH)、δ29.9(CH)、δ28.2(CH)、δ25.6(CH)、δ23.0(CH)、δ22.8(CH)、δ22.7(CH)、δ21.4(CH)、δ21.0(CH)、δ18.6(CH)、δ15.8(CH)、δ12.7(CH)、δ12.3(CH)。
【0087】
(化合物Gのスペクトルデータ)
性状:無色・ガラス状
質量分析:571.3631[M−1](計算値569.3635:C3451
赤外吸収スペクトル(cm−1):3446、3000〜2850、1727、1697、1712、1456、1375、1246、1046、1028
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.86(1H、t、J=7.2)、δ5.15(1H、dd、J=9.3、J=5.7)、δ4.69(1H、br.s)、δ4.12(1H、br.s)、δ2.23(1H、m)、δ2.16(1H、m)、δ2.12(1H、m)、δ2.12(2H、m)、δ2.09(3H、s)、δ2.07(3H、s)、δ1.90(1H、m)、d1.90(1H、m)、d1.90(2H、m)、d1.83(3H、s)、δ1.77(1H、m)、δ1.75(1H、m)、δ1.70(1H、m)、δ1.67(2H、m)、δ1.53(1H、m)、δ1.51(1H、m)、δ1.45(1H、m)、δ1.43(1H、m)、δ1.20(3H、s)、δ1.15(1H、m)、δ0.98(3H、s)、δ0.93(3H、s)、δ0.93(3H、s)、δ0.92(3H、s)、δ0.72(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ172.8(C)、δ171.0(C)、δ170.6(C)、δ145.0(CH)、δ141.8(C)、δ133.8(C)、δ127.0(C)、δ77.5(CH)、δ76.5(CH)、δ66.6(CH)、δ51.2(C)、δ49.3(CH)、δ45.5(C)、δ40.0(CH)、δ38.4(C)、δ36.6(CH)、δ36.3(C)、δ34.7(CH)、δ31.2(CH)、δ30.3(CH)、δ27.4(CH)、δ27.4(CH)、δ25.9(CH)、δ23.3(CH)、δ21.4(CH)、δ21.2(CH)、δ20.7(CH)、δ20.2(CH)、δ18.2(CH)、δ17.5(CH)、δ16.5(CH)、δ12.0(CH)。
【0088】
(化合物Hのスペクトルデータ)
性状:無色・ガラス状
質量分析:629.3682[M−1](計算値629.3690:C3653
赤外吸収スペクトル(cm−1):3479、3000〜2850、1731、1375、1246、1045
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.77(1H、t、J=7.4)、δ5.15(1H、dd、J=9.5、J=5.8)、δ5.03(1H、t、J=7.3)、δ4.69(1H、s)、δ4.12(1H、br.s)、δ2.57(1H、ddd、J=15.0、J=7.4、J=7.3)、δ2.33(1H、ddd、J=15.0、J=7.4、J=7.3)、δ2・17(2H、m)、δ2.10(2H、m)、δ2.09(3H、m)、δ2.07(3H、s)、δ2.06(3H、s)、δ1.89(1H、m)、δ1.89(2H、m)、δ1.86(3H、s)、δ1.78(1H、m)、δ1.69(2H、m)、δ1.64(2H、m)、d1.52(1H、m)、d1.52(1H、m)、d1.45(1H、m)、d1.17(3H、s)、δ0.97(3H、s)、δ0.96(3H、d、J=6.0)、δ0.93(3H、s)、δ0.91(3H、s)、δ0.71(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ171.8(C)、δ170.9(C)、δ170.6(C)、δ170.4(C)、δ141.8(C)、δ138.9(CH)、δ133.7(C)、δ129.4(C)、δ77.4(CH)、δ76.0(CH)、δ74.3(CH)、δ66.4(CH)、δ51.2(C)、δ45.8(CH)、δ45.2(C)、δ40.0(CH)、δ39.9(CH)、δ38.4(C)、δ36.3(C)、δ36.2(CH)、δ31.9(CH)、δ31.1(CH)、δ30.2(CH)、δ27.4(CH)、δ27.4(CH)、δ23.3(CH)、δ22.0(CH)、δ21.4(CH)、δ21.2(CH)、δ21.0(CH)、δ20.7(CH)、δ20.2(CH)、δ17.5(CH)、δ16.3(CH)、δ12.7(CH)、δ12.3(CH)。
【0089】
(実施例4:ホウロクタケの子実体からの菌糸体の培養)
日本国内に自生する野生の担子菌類であるタコウキン科のホウロクタケの子実体から内部の組織を無菌的に切り出した。この組織をペプトンデキストロース寒天培地に移し、25℃で20日間培養した。20日後、成長した菌糸体を新しい寒天培地に継代培養した。この操作を2度繰り返し、ホウロクタケの菌糸体を分離した。得られた菌糸体をペプトンデキストロース液体培地に移植し、40日間、25℃で静置培養した。40日後、培養液と菌糸体をろ紙を用いてろ別した。得られた菌糸体を生重量の5倍量のエタノールに室温で2日間浸漬した。2日後、菌糸体のエタノール抽出物と残渣をろ紙を用いてろ別した。得られたエタノール抽出物を減圧濃縮することで完全に溶媒を除き、培養菌糸体のエタノール抽出物を得た。以下にペプトンデキストロース寒天培地とペプトンデキストロース液体培地の組成を示す。
【0090】
(ペプトンデキストロース寒天培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
粉末寒天:20g
純水:1000ml
(ペプトンデキストロース液体培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
純水:1000ml
(実施例5:ホウロクタケ菌糸体のエタノール抽出物からの活性物質の精製)
ホウロクタケ菌糸体のエタノールの濃縮物(乾燥重量:16g)をヘキサンと水で分配後、酢酸エチルと水で分配することで、ホウロクタケ菌糸体のエタノール抽出物をヘキサン可溶部(1.1g)、酢酸エチル可溶部(7g)、水可溶部に分離した。TPAによる浮腫を強く抑制する効果が認められた酢酸エチル可溶部の一部である2g使用し、10%ずつ酢酸エチルの配合量を増加させる酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した。得られた画分のうち、50%酢酸エチル/ヘキサン画分の一部である100mgを使用し、15%のアセトン/クロロホルムによるシリカゲルクロマトグラフィーにより6画分に分離した。さらに100%メタノールによるODS高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により再度分離することで、以下の化学式化学式:
【0091】
【化81】

表される化合物Iを4.3mg単離した。
【0092】
酢酸エチル可溶部を酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した画分の内、60%酢酸エチル/ヘキサン画分(330mg)を20%アセトン/クロロホルムによるシリカゲルクロマトグラフィーを行うことで得られた画分(40mg)をさらに100%メタノールによるODS高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により再度分離することで、以下の化学式
【0093】
【化82】

で表される化合物Jを21.3mg単離した。
【0094】
(実施例6:スペクトルデータの測定)
化合物Iおよび、化合物Jの構造を、質量分析(MS)、旋光度、赤外吸収スペクトル(IR)、紫外線吸収スペクトル(UV)、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、13C−NMR、二次元NMR(HMQC、HMBC、COSY、NOESY))を詳細に検討することで決定した。化合物Iおよび、化合物Jの性状および各種スペクトルデータを以下に示す。
(化合物Iのスペクトルデータ)
性状:白色・ガラス状
質量分析:527[M−1]
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ4.74(2H、m)、δ4.49(1H、dd、J=7.7、J=4.0)、δ4.19(1H、bt、J=7.0)、δ2.50(1H、br.t、J=10.2)、δ2.27(1H、m)、δ2.22(1H,m)、δ2.18(1H、m)、δ2.10(2H、m)、δ2.06(2H、m)、δ2.03(2H、m)、δ2.02(3H、s)、δ1.97(1H、m)、δ1.88(2H、m)、δ1.68(2H、m)、δ1.57(2H、m)、δ1.55(2H、m)、δ1.37(2H、d、J=13.2)、δ1.26(2H、m)、δ1.18(3H、s)、δ1.15(1H、m)、δ1.00(3H、d、J=6.7)、δ1.00(3H、d、J=6.7)、δ0.98(3H、s)、δ0.88(3H、s)、δ0.88(3H、s)、δ0.82(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ178.8(C)δ170.8(C)、δ155.6(C)、δ134.4(C)、δ134.2(C)、δ106.5(CH)、δ80.8(CH)、δ76.6(CH)、δ56.8(CH)、δ50.5(CH),δ48.6(C)、δ47.6(CH)、δ46.0(C)、δ42.7(CH)、δ37.8(C)、δ36.9(C)、δ35.2(CH)、δ33.7(CH)、δ32.5(CH)、δ30.7(CH)、δ28.9(CH)、δ27.9(CH)、δ26.4(CH)、δ25.1(CH)、δ24.1(CH)、δ21.9(CH)、δ21.7(CH)、δ21.2(CH)、δ20.5(CH)、δ19.1(CH)、δ18.0(CH)、δ17.4(CH)、δ16.5(CH
(化合物Jのスペクトルデータ)
性状:白色・ガラス状
質量分析:501.3563[M−1](計算値501.3580:C3949
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ4.15(1H、t、J=7.7)、δ3.47(1H、m)、δ2.93(1H、m)、δ2.92(1H、m)、δ2.83(1H、d、J=16.7)、δ2.64(1H、br.dd、J=10.6、J=7.6)、δ2.51(1H、m)、δ2.38(1H、dd、J=10.4、J=6.0)、δ2.01(2H、m)、δ1.94(1H、m)、δ1.93(1H、m)、δ1.87(1H、m)、δ1.67(1H、m)、δ1.66(1H、m)、δ1.66(1H、d、J=12.9)、δ1.65(1H、m)、δ1.51(1H、m)、δ1.46(2H、br.t、J=12.1)、δ1.44(1H、br.d、J=2.5)、δ1.22(3H、d、J=6.5)、δ1.16(1H、br.t、J=10.5)、δ1.08(3H、d、J=7.2)、δ1.07(1H、d、J=7.7)、δ1.03(3H、s)、δ1.00(3H、s)、δ0.90(3H、s)、δ0.87(3H、s)、δ0.80(3H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ213.4(C)、δ178.1(C)、δ136.1(C)、δ133.0(C)、δ74.9(CH)、δ71.8(CH)、δ52.1(C)、δ49.9(CH)、δ49.0(C)、δ48.2(CH)、δ47.8(CH)、δ43.8(CH)、δ41.0(CH)、δ37.4(C)、δ36.5(C)、δ33.9(CH)、δ31.0(CH)、δ30.1(CH)、δ29.8(CH)、δ28.2(CH)、δ25.9(CH)、δ25.6(CH)、δ25.5(CH)、δ23.8(CH)、δ22.2(CH)、δ22.1(CH)、δ18.8(CH)、δ17.9(CH)、δ13.9(CH)、δ13.0(CH)、δ9.9(CH
(実施例7:炎症抑制試験)
化合物Aおよび、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物H、化合物I、化合物Jの炎症抑制作用および、発癌プロモーター阻害作用を調べるため、TPAを起炎剤に用いてマウス耳の炎症抑制試験を行った。化合物Aおよび、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物H、化合物I、化合物Jの炎症抑制作用は市販の抗炎症剤として用いられているインドメタシンおよび、グリチルリチン酸と比較した。
【0095】
(試験方法)
1.マウス(CD1系統)の片耳に所定の用量のメタノールを塗布し、片耳に所定の用量の試験物質のメタノール溶液を塗布した。
2.30分後、マウスの両耳に起炎剤としてTPA、0.5μgをアセトン溶液として塗布した。
3.7時間後、マウスの両耳から直径6〜7mmの円盤をきり抜き、その重量を以下に代入して、炎症抑制率を算出した。
【0096】
炎症抑制率=100×(A−B)/(A−C) A:TPA溶液のみを塗布した耳の重量、B:TPA溶液と試験物質を塗布した耳の重量、C:元の耳の重量(0.5μgのTPA塗布することで重量が2.41倍に増加するとして算出した。)
表1に、化合物Aおよび、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物H、化合物I、化合物J、インドメタシン、グリチルリチン酸の炎症抑制率を示す。
【0097】
(表1)
化合物Aおよび、化合物B、化合物C、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物H、化合物I、化合物J、インドメタシン、グリチルリチン酸の炎症抑制率
【0098】
【表1】

NTは未試験を示す。
【0099】
化合物A〜Jは、いずれもTPAによって引き起こされるマウス耳の炎症を抑制した。化合物Aおよび、化合物C、化合物D、化合物E、化合物F、化合物G、化合物H、化合物I、化合物Jは、200μgの塗布量で、市販の抗炎症剤として用いられているインドメタシンやグリチルレチン酸よりも強い抗炎症作用を示す。
【0100】
(実施例8:モニタリングテスト)
本発明の抗炎症剤および、発癌プロモーター阻害剤の炎症抑制作用をモニタリングテストにより評価するため、本発明の抗炎症剤および、発癌プロモーター阻害剤を配合した化粧クリーム(クリームA)と、コントロールとして本発明の抗炎症剤および、発癌プロモーター阻害剤のみ無添加の化粧クリーム(クリームB)を製造した。以下にクリームAとクリームBの成分と製法を示す。
【0101】
(クリームAの調製)
(A)新油型モノステアリン酸グリセリル 1.0 (重量%)
(B)セタノール 8.5 (重量%)
(C)モノステアリン酸ソルビタン 1.5 (重量%)
(D)ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル 1.5 (重量%)
(E)流動パラフィン 6.5 (重量%)
(F)スクワラン 1.0 (重量%)
(G)メチルポリシロキサン 1.0 (重量%)
(H)1,3−ブチレングリコール 10 (重量%)
(I)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.2 (重量%)
(J)エタノール 5.0 (重量%)
(K)化合物A 0.5 (重量%)
(L)上記の残部として、全量100%となるように精製水を添加した。
【0102】
(製法)
1.(A)〜(G)と、(H)、(I)、(L)を別々に加熱調整し、80℃で混合しホモミキサーで攪拌した。
2.50℃で(J)に(K)を溶解し、添加した。
3.30℃まで冷却した。
【0103】
(クリームBの調製)
(A)新油型モノステアリン酸グリセリル 1.0 (重量%)
(B)セタノール 8.5 (重量%)
(C)モノステアリン酸ソルビタン 1.5 (重量%)
(D)ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル 1.5 (重量%)
(E)流動パラフィン 6.5 (重量%)
(F)スクワラン 1.0 (重量%)
(G)メチルポリシロキサン 1.0 (重量%)
(H)1,3−ブチレングリコール 10 (重量%)
(I)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.2 (重量%)
(J)エタノール 5.0 (重量%)
(K)上記の残部として、全量100%となるように精製水を添加した。
【0104】
(製法)
1.(A)〜(G)と、(H)、(I)、(K)を別々に加熱調整し、80℃で混合しホモミキサーで攪拌した。
2.50℃で(J)を溶解し、添加した。
3.30℃まで冷却した。
【0105】
前記の方法で製造したクリームAとクリームBについてモニタリングテストを実施した。
【0106】
(方法)
1.20〜50歳のモニター20名(女16名、男4名)に、2ヶ月間、朝と夜、2回顔面への使用を依頼した。
2.2ヶ月後、次の評価基準に従ってアンケートの結果を集計し、クリームAとクリームBの結果を比較した。
【0107】
[評価基準]
+++:肌荒れ、炎症の改善に非常に有効、++:肌荒れ、炎症の改善に有効、+:肌荒れ、炎症の改善にやや有効、±:肌荒れ、炎症の改善に無効。
【0108】
(表2)
クリームAとクリームBのモニタリングテスト
【0109】
【表2】

本発明の抗炎症剤を配合したクリームAは、本発明の無添加のクリームBよりも、肌荒れ、炎症の改善に対して、良好な結果が得られた。よって、本発明の抗炎症剤は人の肌においても有効な作用を示すことを証明した。次に、クリーム以外に汎用されている剤型で、本発明の化合物の汎用性を調べた。
【0110】
(実施例9:本発明の化合物を含む乳液処方の調整)
乳液を以下の処方と製法を用いて処方した。
(A)ステアリン酸 2.0 (重量%)
(B)セチルアルコール 1.5 (重量%)
(C)ワセリン 4.0 (重量%)
(D)スクワラン 5.0 (重量%)
(E)グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.0 (重量%)
(F)ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0 (重量%)
(G)グリセリン 9.0 (重量%)
(H)水酸化カリウム 0.1 (重量%)
(I)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5 (重量%)
(J)香料 0.001〜0.1 (重量%)
(K)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15 (重量%)
(L)エタノール 5.0 (重量%)
(M)化合物A 0.1 (重量%)
(N)上記の残部として、精製水を添加した。
【0111】
(製法)
1.(A)〜(F)、(O)に溶解した(G)〜(K)を別々に加熱調整し、80℃で混合し、ホモミキサーで攪拌し、その後、50℃まで冷却した。
2.(L)に(M)を溶解した
3.上記1の溶液と、2の溶液を混合し、30℃まで冷却した。
【0112】
(実施例10:本発明の化合物を含む化粧水の調製)
化粧水を以下の成分と製法を用いて処方した。
(A)POE(20)オレイルアルコール 0.5 (重量%)
(B)グリセリン 10 (重量%)
(C)メチルセルロース 0.2 (重量%)
(D)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5 (重量%)
(E)香料 0.001〜0.1 (重量%)
(F)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15 (重量%)
(G)エタノール 5.0 (重量%)
(H)化合物A 0.15 (重量%)
(I)上記の残部として、精製水を添加した。
【0113】
(製法)
上記、(A)〜(I)までを均一に攪拌し、加熱溶解した。
【0114】
(実施例11:本発明化合物を含むパック剤の調整)
パック剤を以下の成分と製法を用いて処方した。
(A)グリセリン 12 (重量%)
(B)モンモリロナイト 10 (重量%)
(C)酸化チタン 8 (重量%)
(D)カオリン 10 (重量%)
(E)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5 (重量%)
(F)香料 0.001〜0.1 (重量%)
(G)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15(重量%)
(H)エタノール 5 (重量%)
(I)化合物A 0.2 (重量%)
(J)上記の残部として、精製水を添加した。
【0115】
(製法)
上記(A)〜(J)を均一に溶解した。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明はこの実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきことが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術的常識に基づいて等価な範囲を実施することが理解できる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
ホウロクタケおよび、マゴジャクシ、マンネンタケの菌体を培養することにより得られるトリテルペン化合物を抗炎症剤および、発癌プロモーター阻害剤として用いることで、優れた効果を有する、抗炎症剤および、発癌プロモーター阻害剤を調整することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する、抗炎症剤:
【化1】

上記化学式においてRは、水素原子(H)、アシル基(−CO−R1a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでa=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、ここで、R1aは、アルキル基(−(CH−H)、ここでb=1〜30であり、
は、水素原子(H)、アセトキシル基(−OAc)、水酸基(−OH)、エーテル基(−OR21)からなる群から選択され、ここで、R2aは、アシル基(−CO−R2b)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでc=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、R2bは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでd=1〜30であり、
は、水素原子(H)、および、アセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR4a)、およびエステル基(−COOR4b)、からなる群から選択され、ここで、R4aは、アシル基(−CO−R4c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでe=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、R4cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでf=1〜30であり、R4bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでg=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化2】

上記化学式においてRは、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR7a)、およびエステル基(−COOR7b)、からなる群から選択され、ここで、R7aは、アシル基(−CO−R7c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでh=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
7cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでi=1〜30であり、
7bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでj=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化3】

上記化学式においてRおよび、Rは、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R8a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでk=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
8aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでl=1〜30であり、
10は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
11は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR11a)、およびエステル基(−COOR11b)、からなる群から選択され、
11aは、アシル基(CO−R11c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
11cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでn=1〜30であり、
11bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化4】

上記化学式においてR12は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(OAc)からなる群から選択され、
13は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR13a)、エステル基(−COOR13b)、からなる群から選択され、
13aは、アシル基(CO−R13c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
13cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでs=1〜30であり、
13bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化5】

14は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
15は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR15a)、エステル基(−COOR15b)、からなる群から選択され、
15aは、アシル基(−CO−R15c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
15cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでv=1〜30であり、
15bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化6】

上記化学式においてR16は、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R16a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
16aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでy=1〜30であり、
17は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR17a)、エステル基(−COOR17b)、からなる群から選択され、
17aは、アシル基(−CO−R17c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでz=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
17cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでA=1〜30であり、
17bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでB=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化7】

上記化学式においてR18は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR18a)、エステル基(−COOR18b)、からなる群から選択され、
18aは、アシル基(−CO−R18c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでD=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
18cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでE=1〜30であり、
18bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでF=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化8】

上記化学式においてR19および、R20は、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R19a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでG=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
19aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでH=1〜30であり、
21は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR21a)、エステル基(−COOR21b)、からなる群から選択され、
21aは、アシル基(−CO−R21c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでJ=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
21cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでL=1〜30であり、
21bは、アルキル基(−(CH−H)、および、糖類からなる群から選択され、ここでM=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化9】

上記化学式においてR22は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR22a)、エステル基(COOR22b)、からなる群から選択され、
22aは、アシル基(−CO−R22c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでN=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
22cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでQ=1〜30であり、
22bは、アルキル基(−(CH−H)、および、糖類からなる群から選択され、ここでR=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;ならびに
【化10】

上記化学式においてR23は、水素原子(H)、アセトキシル基(OAc)からなる群から選択され、
24は、それぞれ独立して、メタノール基(CHOH)、アルデヒド基(CHO)、カルボキシル基(COOH)、メチルエーテル基(CHOR24a)、エステル基(COOR24b)、からなる群から選択され、
24aは、アシル基(CO−R24c)、およびアルキル基((CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでU=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
24cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでV=1〜30であり、
24bは、アルキル基((CH−H)であり、および、糖類からなる群から選択され、ここでW=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物。
【請求項2】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する、抗炎症剤:
【化11】

上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;
【化12】

上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物;
【化13】

上記化学式において表される化合物;ならびに
【化14】

上記化学式において表される化合物。
【請求項3】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を少なくとも1つ含有する、発癌プロモーター阻害剤:
【化15】

上記化学式においてRは、水素原子(H)、アシル基(−CO−R1a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでa=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、ここで、R1aは、アルキル基(−(CH−H)、ここでb=1〜30であり、
は、水素原子(H)、アセトキシル基(−OAc)、水酸基(−OH)、エーテル基(−OR21)からなる群から選択され、ここで、R2aは、アシル基(−CO−R2b)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでc=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、R2bは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでd=1〜30であり、
は、水素原子(H)、および、アセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR4a)、およびエステル基(−COOR4b)、からなる群から選択され、ここで、R4aは、アシル基(−CO−R4c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでe=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、R4cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでf=1〜30であり、R4bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでg=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化16】

上記化学式においてRは、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR7a)、およびエステル基(−COOR7b)、からなる群から選択され、ここで、R7aは、アシル基(−CO−R7c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでh=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
7cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでi=1〜30であり、
7bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでj=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化17】

上記化学式においてRおよび、Rは、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R8a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでk=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
8aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでl=1〜30であり、
10は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
11は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR11a)、およびエステル基(−COOR11b)、からなる群から選択され、
11aは、アシル基(CO−R11c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
11cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでn=1〜30であり、
11bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化18】

上記化学式においてR12は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(OAc)からなる群から選択され、
13は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR13a)、エステル基(−COOR13b)、からなる群から選択され、
13aは、アシル基(CO−R13c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
13cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでs=1〜30であり、
13bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化19】

14は、水素原子(H)、およびアセトキシル基(−OAc)からなる群から選択され、
15は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR15a)、エステル基(−COOR15b)、からなる群から選択され、
15aは、アシル基(−CO−R15c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
15cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでv=1〜30であり、
15bは、アルキル基((CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化20】

上記化学式においてR16は、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R16a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
16aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでy=1〜30であり、
17は、それぞれ独立して、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR17a)、エステル基(−COOR17b)、からなる群から選択され、
17aは、アシル基(−CO−R17c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでz=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
17cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでA=1〜30であり、
17bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでB=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化21】

上記化学式においてR18は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR18a)、エステル基(−COOR18b)、からなる群から選択され、
18aは、アシル基(−CO−R18c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでD=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
18cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでE=1〜30であり、
18bは、アルキル基(−(CH−H)および、糖類からなる群から選択され、ここでF=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;
【化22】

上記化学式においてR19および、R20は、それぞれ独立して、水素原子(H)、アシル基(−CO−R19a)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでG=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
19aは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでH=1〜30であり、
21は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR21a)、エステル基(−COOR21b)、からなる群から選択され、
21aは、アシル基(−CO−R21c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでJ=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
21cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでL=1〜30であり、
21bは、アルキル基(−(CH−H)、および、糖類からなる群から選択され、ここでM=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;ならびに
【化23】

上記化学式においてR22は、メタノール基(−CHOH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシル基(−COOH)、メチルエーテル基(−CHOR22a)、エステル基(COOR22b)、からなる群から選択され、
22aは、アシル基(−CO−R22c)、およびアルキル基(−(CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでN=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
22cは、アルキル基(−(CH−H)であり、ここでQ=1〜30であり、
22bは、アルキル基(−(CH−H)、および、糖類からなる群から選択され、ここでR=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物;ならびに
【化24】

上記化学式においてR23は、水素原子(H)、アセトキシル基(OAc)からなる群から選択され、
24は、それぞれ独立して、メタノール基(CHOH)、アルデヒド基(CHO)、カルボキシル基(COOH)、メチルエーテル基(CHOR24a)、エステル基(COOR24b)、からなる群から選択され、
24aは、アシル基(CO−R24c)、およびアルキル基((CH−H)、糖類からなる群から選択され、ここでU=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖であり、
24cは、アルキル基((CH−H)であり、ここでV=1〜30であり、
24bは、アルキル基((CH−H)であり、および、糖類からなる群から選択され、ここでW=1〜30であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合して得られるオリゴ糖である、化合物。
【請求項4】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する、発癌プロモーター阻害剤:
【化25】

上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;
【化26】

上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物;
【化27】

上記化学式において表される化合物;ならびに
【化28】

上記化学式において表される化合物。
【請求項5】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含有する、皮膚外用剤:
【化29】

上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;
【化30】

上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物;
【化31】

上記化学式において表される化合物;ならびに
【化32】

上記化学式において表される化合物。
【請求項6】
マゴジャクシの菌体を人工的に培養する工程を包含する、以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを生産する方法:
【化33】

上記化学式においてR1=H, R2=OAc, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OH, R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=H,R3=OAc で表される化合物、R1=Ac, R2=OAc, R3=Hで表される化合物、R1=H, R2=H, R3=OAc で表される化合物、およびR1=Ac,R2=OAc, R3=OAc で表される化合物;ならびに
【化34】

上記化学式においてR=H, R5=OAcで表される化合物、およびR=Ac, R5=Hで表される化合物。
【請求項7】
ホウロクタケの菌体を人工的に培養する工程を包含する、以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物の少なくとも1つを生産する方法:
【化35】

上記化学式において表される化合物;ならびに
【化36】

上記化学式において表される化合物。

【公開番号】特開2006−241106(P2006−241106A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−61662(P2005−61662)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(300029569)ゲオール化学株式会社 (12)
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【Fターム(参考)】