説明

トリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイド誘導体

【課題】トリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイド誘導体の提供。
【解決手段】本発明は、天然に存在するトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドおよびそれらの構造的アナログの調製のための方法であることを特徴とする。本発明はさらに、これらの方法によって調製され得るトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドの新規誘導体およびアナログを提供する。本発明はまた、種々の疾患、または炎症または炎症性応答、自己免疫疾患、慢性関節リウマチ、心臓血管疾患、または異常細胞増殖または癌に関連する症状の予防、改善および処置のためにトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドを用いる組成物および方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2005年9月27日に発行された米国特許番号第6,949,664号の一部継続出願である2005年3月29日に出願された第11/093,757号の利益を主張し、この出願は、米国特許出願番号第10/405,924号であり、そして2002年4月1日に出願された米国仮特許出願番号第60/369,543号への米国特許法第119条(e)項の下の優先権の利益を主張している。これらの出願の各々の内容は、その全体が本明細書によって参考として援用される。
【0002】
(連邦政府によって後援された研究の陳述)
米国政府は、国立衛生研究所によって授与された認可番号第PO1−DE13499(請負契約)に従って本発明において特定の権利を有している。
【0003】
(関連出願)
本出願は、2003年4月1日に出願され、特許された米国出願番号第10/405,924号の一部継続出願である。米国出願番号第10/405,924号は、2002年4月1日に出願された米国仮特許出願番号第60/369,543号への米国特許法第119条(e)項の下の優先権の利益を主張している。これらの出願の各々の内容は、その全体が本明細書によって参考として援用される。
【0004】
(発明の分野)
本発明は、ポリ不飽和エイコサノイド誘導体、およびこのような化合物の調製のための方法、およびそれらの構造的アナログに関する。本発明はまた、種々の疾患、または炎症または炎症性応答、自己免疫疾患、慢性関節リウマチ、心臓血管疾患、または異常細胞増殖または癌に関連する症状の予防、改善および処置のためにトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイド誘導体を用いる化合物、組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0005】
(発明の背景)
本発明は、ω−ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)に関連する脂質メディエーターを調製するための方法を提供し、これらは、良く確立されたPUFAの有益な効果に基づく新規な医薬品の開発における可能な使用を有している。
【0006】
食餌のω−ポリ不飽和脂肪酸(PUFA)(非特許文献1;非特許文献2;)は、ヒト健康において、および炎症および自己免疫疾患(非特許文献3)、慢性関節リウマチ(非特許文献4)、心臓血管疾患(非特許文献5;非特許文献6)、および癌(非特許文献7;非特許文献8)を含む種々の疾患の予防において有益な効果を有することが長く示唆されている。
【0007】
魚油中の主要なPUFAであるエイコサペンタエン酸(C20:5)は、プロスタグランジン(PG)、ロイコトリエン(LT)およびアラキドン酸(C20:4)由来のものに類似であるその他のエイコサノイドを形成することがしめされた。これら分子の異なる生物学的性質は、PUFAの役割を担当していると考えられた。この領域における多くの研究にかかわらず、しかし、PUFAの作用の分子機構は未知のままである。
【0008】
アラキドン酸(C20:4)の、プロスタグランジン(PG)、ロイコトリエン(LT)およびリポキシン(LX)を含む種々の生物活性エイコサノイドへの変換は周知である(非特許文献9.
最近、アスピリンで処理された上方制御されたCOX−2をともなうヒト内皮細胞が、ω−3ポリ不飽和脂肪酸を18R−HEPEおよび15R−HEPEに変換することが示された(非特許文献10)。15R−HEPEは、5−シリーズのリポキシン(15R−LXA)に至る一方、18R−HEPEは、5S,12R,18R−トリHEPE(1)に至る。炎症の回復におけるそれらの役割に起因して、このタイプの化合物は、レゾルビンと名付けられた(非特許文献11;非特許文献12)、その間に、化合物1は、レゾルビンE1と名付けられた。
【0009】
【化28】

【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】De Caterina,R.,Endres,S.;Kristensen,S.D.;Schmidt,E.B.,(編).ω−3 Fatty Acids and Vascular Disease,Springer−Verlag,London.166頁.1993
【非特許文献2】Gill,I.およびValivety,R.(1997),Trends in Biotechnology 15,401−409
【非特許文献3】Simopoulos,A.P.(2002),J.Am.Coll.Nutrition 21,495-505
【非特許文献4】Cleland,L.G.,James,M.J.およびProudman,S.M.(2003),Drugs 63,845−853)
【非特許文献5】Billman,G.E.ら、Circulation.1999,99,2452;
【非特許文献6】Harper,C.R.およびJacobson,T.A.(2001)Arch.Intern.Med.161,2185−2192)
【非特許文献7】Iigo,M.ら,Br.J.Cancer,1997,75,650
【非特許文献8】Larsson,S.C.,Kumlin,M.,Ingelman−Sundberg,M.およびWolk,A.(2004),Am.J.Clin.Nutr.79,935-945)
【非特許文献9】Nicolaou,K.C.;Ramphal,J.Y.;Petasis,N.A.;Serhan,C.N.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1991,30,1100
【非特許文献10】Serhan,C.N.ら、J.Exp.Med.2000.192,1197
【非特許文献11】Serhan,C.N.ら、J.Exp.Med.2002,196,1025
【非特許文献12】Serhan,C.N.(2004)Histochem Cell Biol(2004)122:305-321
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
PUFAからのこれらトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドの形成は、種々の疾患に対する新規な治療アプローチのための主要な関連をもつPUFAの治療利益のための新規な機構を示唆する。このような化合物の調製のための方法は、それ故、新規な治療薬剤の開発に非常に重要である。さらに、これらの化合物の構造的誘導体の開発は、それらの薬学的プロフィールおよびその他の薬物用性質の最適化のために有用であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(要旨)
本発明は、天然に存在するトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドおよびそれらの構造的アナログの調製のための方法であることを特徴とする。本発明はさらに、これらの方法に従って調製され得るトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドの新規な誘導体をさらに提供する。
【0013】
一般に、1つの局面では、本発明は、スキーム1で概略を示されるように1のようなトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドを調製する方法であることを特徴とする。この2つの(Z)C=C結合は、ビス−アルキニル前駆体2の選択的水素化を経由して形成され得る。化合物2は、中間体3と4との間のパラジウム仲介カップリング(カップリングステップa)を経由して調製され得、ここで、XはBr、またはIである。化合物4は、保護されたエポキシド6から容易に入手可能であるアルデヒド5のオレフィン化を経由して調製され得る。中間体3は、以下に論議されるように、前駆体7および8からいくつかの異なる方法で調製され得、その一方、化合物8は、保護されたエポキシド9から容易に調製され得る。
【0014】
【化29】

本発明はまた、一般式3の化合物の調製のための方法を提供し、これは、トリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドまたはそのアナログを調製するために用いられ得る。化合物3は、スキーム2に概略を示されるようないくつかの異なる方法で調製され得る。
【0015】
【化30】

方法Aによれば、化合物3は、公知の臭化物13と公知のアルキン7との間のPdカップリングを経由して容易に入手可能である前駆体12へのアレニル試薬11(Mは、マグネシウム、亜鉛、銅、錫、ケイ素またはホウ素である)の付加を経由して調製され得る。
【0016】
方法Bによれば、化合物3は、7の中間体14とのPdカップリング(カップリングプロセスb)を経由して生成される前駆体10から調製され得る。化合物14は、15と、アルデヒド中間体8のオレフィン化(カップリングプロセスd)を経由して調製され得る前駆体16との間のPdカップリング(カップリングプロセスc)を経由して調製され得る。あるいは、化合物14は、20とアルデヒド8との間のWittigタイプ反応(カップリングプロセスd)を経由して調製され得る。化合物14はまた、アルデヒド22への付加(カップリングプロセスa)を経由して形成され得るそのアルキン前駆体21のシリル化を経由して調製され得る。
【0017】
方法Cによれば、前駆体10は、16と、ホウ素化アルケニル化合物18と中間体7との間のPdカップリング(カップリングプロセスc)を経由して容易に利用可能であるホウ素化アルケニル化合物17との間のPdカップリング(カップリングプロセスc)を経由して形成される。
【0018】
最後に、方法Dによれば、化合物10は、アルデヒド中間体8の、化合物20と7との間のPdカップリング(カップリングプロセスb)を経由して容易に入手可能であるホスホネート中間体19とのアルケニル化(カップリングプロセスd)を経由して調製される。
【0019】
別の局面では、本発明は、スキーム3に概略を示されるような、一般式23および24を有する化合物の合成のための方法であることを特徴とする。化合物23は、化合物25と26との間のSonogashiraタイプのカップリングを経由して生成され得る化合物24の選択的水素化を経由して調製され得る:
【0020】
【化31】

ここで、R、RおよびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
、RおよびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリルからなる群から独立に選択され:
Qは:−C(O)−A、−SO−A、−PO(OR)−Aであって、ここでAは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであって、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり、そしてRはヒドロキシルまたはアルコキシであり;
Y、ZおよびWは、20までの原子を含む環、および20までの原子を含む鎖からなる基から独立に選択されるリンカーであり、ここで、Y、ZおよびWは、1つ以上の窒素、酸素、硫黄またはリン原子を独立に含み得、そしてさらに、Y、ZおよびWは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル、およびスルホニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を独立に含み得、そしてさらに、Y、ZおよびWはまた、1つ以上の縮合炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環を含み得、そしてすべてのリンカーは、炭素原子を経由して、隣接するC(R)OR基に連結されており;
Xは、Cl、BrまたはIであり;そして
Gは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノおよびカルボキシアミノからなる群から選択される。
【0021】
本発明はまた、化合物1の合成誘導体またはアナログであり、そして改善された化学的および生物学的性質を示すトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドの合成アナログである化合物、およびそれを含む組成物を提供する。提供された化合物は、一般式23および24を有するに誘導体を含む:
【0022】
【化32】

ここで、Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgまたはZからなる群から選択されるカチオンであり;
Ra、RbおよびRcは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルまたはアミノアシルからなる群から独立に選択され;
、R、およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から独立に選択され:
Qは:−C(O)−A、−SO2−A、−PO(OR)−Aからなる群から選択され、ここで、Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、またはZnから選択されるカチオンであり;そして、Rは、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
Y、ZおよびWは、1つ以上の窒素、酸素、硫黄またはリン原子を含む20までの環または鎖からなる群から選択され、リンカーAは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル、およびスルホニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有し得、そしてさらに、このリンカーはまた、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環を含む1つ以上の縮合環を含み得、すべてのリンカーYは、炭素原子を経由して隣接するC(R)OR基に連結され;
Gは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、およびカルボキシアミドからなる群から選択される。
【0023】
その他の局面では、本発明は、本発明の化合物を含む薬学的組成物、および炎症または炎症応答、自己免疫疾患、慢性関節リウマチ、心臓血管疾患、または異常細胞増殖または癌に関連する疾患または症状を処置および/または予防することにおけるこのような化合物および組成物の治療的使用であることを特徴とする。
【0024】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明で提示される。その他であることが規定されなければ、本明細書で用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって共通して理解される意味を有する。すべての刊行物、特許出願、特許、および本明細書で陳述されるその他の参考文献は、それらの全体が参考として援用される。矛盾する事例では、定義を含む本明細書が支配する。本発明のその他の特徴および利点は、説明および請求項から明らかになる。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
式27
【化1】


の化合物を調製する方法であって:
(a)式29の化合物および式4の化合物を提供する工程
【化2】


ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、
ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり;
、RおよびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され、そして
Xは、Cl、BrまたはIである工程;および
(b)式29の化合物と式4の化合物とをSonogashiraタイプカップリングを経由して反応し、式27の化合物を形成する工程、を包含する、方法。
(項目2)
前記式29の化合物が、
(a)式30の化合物および式31の化合物を提供する工程
【化3】


ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、
ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;
およびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;そして
は、アルキルまたはアリールであり;そして
SiR中の3つのR基の各々は、アルキル、アリールおよびアルコキシからなる群から独立に選択される工程;および
(b)30と31との間でWittigタイプカップリング、次いでアルキン脱シリル化を実施し、29を形成する工程、を包含する方法によって調製される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記式29の化合物が、
(a)式33の化合物および式34の化合物を提供する工程
【化4】


ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、
ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;
およびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
Xは、Cl、BrまたはIであり;そして
は、アルキルまたはアリールであり;そして
SiR中の3つのR基の各々は、アルキル、アリールおよびアルコキシからなる群から独立して選択される工程;および
(b)33と34との間でSonogashiraタイプカップリング、次いでアルキン脱シリル化を実施し、29を形成する工程、を包含する方法によって調製される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記式29の化合物が、
(a)式35の化合物および式36の化合物を提供する工程
【化5】


ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、
ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり;
およびRは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシル、およびアミノアシルからなる群より選択され;
Xは、Cl、Br、またはIであり;
は、水素、アルキル、またはアリールであり;そして
SiRにおける3つのR基のうちの各々は、独立して、アルキル、アリール、およびアルコキシからなる群より選択される、工程;ならびに
(b)35と36との間でSuzukiタイプカップリング、次いでアルキン脱シリル化を実施し、29を形成する工程、
を包含する方法によって調製される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記式29の化合物が、
(a)式11の化合物および式38の化合物を提供する工程
【化6】


ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、
ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;
は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から選択され;そして
は、マグネシウム、亜鉛、銅、鈴、ケイ素またはホウ素である工程;および
(b)11の38への付加を実施し、29を形成する工程、を包含する方法によって調製される、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記式34の化合物が、
(a)式30の化合物および式32の化合物を提供する工程
【化7】


ここで、
は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
は、アルキルまたはアリールであり;そして
Xは、Cl、BrまたはIであり;そして
SiR中の3つのR基の各々は、アルキル、アリールおよびアルコキシからなる群から独立に選択される工程;および
(b)30と32との間でWittigタイプカップリングを実施し、直接または異性化の後に34を形成する工程、を包含する方法によって調製される、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記式34の化合物が、
(a)式35の化合物および式15の化合物を提供する工程
【化8】


ここで、
は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
は、アルキルまたはアリールであり;そして
およびXは、各々独立してCl、BrまたはIであり;そして
SiR中の3つのR基の各々は、アルキル、アリールおよびアルコキシからなる群から独立に選択される工程;および
(b)15と、35から生成される亜鉛誘導体との間でNegishiタイプカップリングを実施し、34を形成する工程、を包含する方法によって調製される、項目3に記載の方法。
(項目8)
式24
【化9】


の化合物を調製する方法であって:
(a)式25の化合物および式26の化合物
【化10】


を提供する工程であって、
ここで、
、R、およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
、RおよびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
Qは、−C(O)−A、−SO−A、−PO(OR)−Aからなる群から選択され、ここで、Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり、そしてRは、ヒドロキシlまたはアルコキシであり:
Y、ZおよびWは、20までの原子を含む環、および20までの原子の鎖からなる群から独立に選択されるリンカーであり、ここで、Y、ZおよびWは、独立して1つ以上の窒素、酸素、硫黄またはリン原子を含み得、そしてさらにY、ZおよびWは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ,アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル、およびスルホニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を含み得、そしてさらに、Y、ZおよびWはまた、1つ以上の縮合炭素環、ヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を含み得、そしてここで、すべてのリンカーYは、炭素原子を経由して、隣接するC(R)OR基に連結されており;
Xは、Cl、BrまたはIであり;そして
Gは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、リール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、およびカルボキシアミノからなる群から選択される工程;および
(b)式25の化合物と式26の化合物とを、Sonogashiraタイプカップリングを経由して反応し、式24の化合物を形成する工程、を包含する、方法。
(項目9)
式27
【化11】


の化合物を調製する方法であって:
(a)式28の化合物
【化12】


を提供する工程であって、
ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであって、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
、Rおよび Rは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立して選択される工程;および
(b)アルコールまたは水性溶媒の存在下、活性化亜鉛で化合物28を処理することにより化合物28の選択的水素化を実施する工程、を包含する、方法。
(項目10)
前記活性化亜鉛が、亜鉛、銅塩および銀塩から調製される、項目9に記載の方法。
(項目11)
式23
【化13】


の化合物を調製する方法であって:
(a)式24の化合物
【化14】


を提供する工程であって、
ここで、
、R、およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
、RおよびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
Qは、−C(O)−A、−SO−A、−PO(OR)−Aからなる群から選択され、ここで、Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり、そしてRは、ヒドロキシlまたはアルコキシであり:
Y、ZおよびWは、20までの原子を含む環、および20までの原子の鎖からなる群から独立に選択されるリンカーであり、ここで、Y、ZおよびWは、独立して1つ以上の窒素、酸素、硫黄またはリン原子を含み得、そしてさらにY、ZおよびWは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ,アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル、およびスルホニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を含み得、そしてさらに、Y、ZおよびWはまた、1つ以上の縮合炭素環、ヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を含み得、そしてここで、すべてのリンカーYは、炭素原子を経由して、隣接するC(R)OR基に連結されており;そして
Gは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、リール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、およびカルボキシアミノからなる群から選択される工程;および
(b)式24の化合物を、亜鉛、銅塩および銀塩から調製される試薬で処理することにより、式24の化合物の選択的水素化を実施し、式23の化合物を得る工程、を包含する、方法。
(項目12)
式39
【化15】


の化合物を調製する方法であって:
(a)式40の化合物
【化16】


を提供する工程であって、
ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり;
、R、およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシからなる群から選択され、
は、以下の(i)−(iv)からなる群から選択され:
i)CHCH(R)CH、ここで、Rは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
ii)CHC(R)CH、ここでRおよびRは、それぞれ独立してアルキル、パーフルオロアルキル、アリール、フッ素であるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成し;
iii)CHOCH2、CHC(O)CH、またはCHCHであり;そして
(iv)Rは、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環である工程;および
(b)化合物40の選択的水素化を実施し、化合物39を得る工程、を包含する、方法。
(項目13)
前記選択的水素化が、水素またはLindlar触媒によって実施される、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記選択的水素化が、亜鉛、銅塩および銀塩から調製される試薬で実施される、項目12に記載の方法。
(項目15)
式41
【化17】


の化合物を調製する方法であって:
(a)式40の化合物
【化18】


を提供する工程であって:
ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
、R、およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシからなる群から選択され、
は、以下の(i)−(iv)からなる群から選択され:
i)CHCH(R)CH、ここで、Rは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
ii)CHC(R)CH、ここでRおよびRは、それぞれ独立してアルキル、パーフルオロアルキル、アリール、フッ素であるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成し;
iii)CHOCH2、CHC(O)CH、またはCHCHであり;そして
(iv)Rは、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環である工程;そして
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルコキシ、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択される工程;および
(b)化合物42の選択的水素化を実施し、化合物41を得る工程、を包含する、方法。
(項目16)
前記選択的水素化が、水素またはLindlar触媒によって実施される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記選択的水素化が、亜鉛、銅塩、および銀塩から調製される試薬によって実施される、項目15に記載の方法。
(項目18)
式23
【化19】


を有する化合物あって:
ここで、
、R、およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
、RおよびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
Qは、−C(O)−A、−SO−A、−PO(OR)−Aからなる群から選択され、ここで、Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり、そしてRは、ヒドロキシlまたはアルコキシであり:
Y、ZおよびWは、20までの原子を含む環、および20までの原子の鎖からなる群から独立に選択されるリンカーであり、ここで、Y、ZおよびWは、独立して1つ以上の窒素、酸素、硫黄またはリン原子を含み得、そしてさらにY、ZおよびWは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ,アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル、およびスルホニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を含み得、そしてさらに、Y、ZおよびWはまた、1つ以上の縮合炭素環、ヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を含み得、そしてここで、すべてのリンカーYは、炭素原子を経由して、隣接するC(R)OR基に連結されており;そして
Gは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、リール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、およびカルボキシアミノからなる群から選択される、化合物。
(項目19)
項目18に記載の化合物;および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
(項目20)
炎症応答、心臓血管疾患および異常細胞増殖または癌と関連する疾患または症状を改善または処置する方法であって、項目18に記載の化合物の有効量を被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目21)
炎症応答、心臓血管疾患および異常細胞増殖または癌と関連する疾患または症状を改善または処置する方法であって、項目19に記載の化合物の有効量を被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目22)
式39または式41
【化20】


を有する化合物であって、
ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
、R、およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシからなる群から選択され、
は、以下の(i)−(iv)からなる群から選択され:
i)CHCH(R)CH、ここで、Rは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
ii)CHC(R)CH、ここでRおよびRは、それぞれ独立してアルキル、パーフルオロアルキル、アリール、フッ素であるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成し;
iii)CHOCH2、CHC(O)CH、またはCHCHであり;そして
(iv)Rは、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環であり;そして
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルコキシ、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環を形成し;そして、ここで、式39または式41の化合物は、式27
【化21】


ではなく、
ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
、R、およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択される、化合物。
(項目23)
項目22に記載の化合物;および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
(項目24)
炎症応答、心臓血管疾患および異常細胞増殖または癌と関連する疾患または症状を改善または処置する方法であって、項目22に記載の化合物の有効量を被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目25)
炎症応答、心臓血管疾患および異常細胞増殖または癌と関連する疾患または症状を改善または処置する方法であって、項目23に記載の化合物の有効量を被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目26)
式40または式42
【化22】


を有する化合物であって、
ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
、R、およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシからなる群から選択され、
は、以下の(i)−(iv)からなる群から選択され:
i)CHCH(R)CH、ここで、Rは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
ii)CHC(R)CH、ここでRおよびRは、それぞれ独立してアルキル、パーフルオロアルキル、アリール、フッ素であるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成し;
iii)CHOCH2、CHC(O)CH、またはCHCHであり;そして
(iv)Rは、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環であり;そして
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルコキシ、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環を形成する、化合物。
(項目27)
項目26に記載の化合物;および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
(項目28)
炎症応答、心臓血管疾患および異常細胞増殖または癌と関連する疾患または症状を改善または処置する方法であって、項目26に記載の化合物の有効量を被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目29)
炎症応答、心臓血管疾患および異常細胞増殖または癌と関連する疾患または症状を改善または処置する方法であって、項目27に記載の化合物の有効量を被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目30)
一般式29または43〜47
【化23】


を有する化合物からなる群から選択される;
ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、およびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
およびRは、水素、アルキル、アリール,ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールであり;
は、以下の(i)−(iv)からなる群から選択され:
i)CHCH(R)CH、ここで、Rは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
ii)CHC(R)CH、ここでRおよびRは、それぞれ独立してアルキル、パーフルオロアルキル、アリール、フッ素であるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成し;
iii)CHOCH2、CHC(O)CH、またはCHCHであり;そして
(iv)Rは、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環であり;そして
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルコキシ、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環を形成し;そしてSiR中のR基の各々は、アルキル、アリールおよびアルコキシからなる群から独立に選択される、化合物。
(項目31)
式49
【化24】


の同位元素で標識された化合物の調製のための方法であって:
(a)一般式48
【化25】


の化合物を提供する工程であって、ここで、RおよびRは、アルキル、パーフルオルアルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から独立に選択される工程、
(b)該式48の化合物を、重水素化アルコールまたは重水素化水を含む水性溶媒の存在下で活性化亜鉛を用いる選択的水素化に供する工程、を包含する、方法。
(項目32)
式50
【化26】


の同位元素で標識された化合物の調製のための方法であって:
(a)一般式48
【化27】


の化合物を提供する工程であって、ここで、RおよびRは、アルキル、パーフルオルアルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から独立に選択される工程、
(b)該式48の化合物を、トリチウム化アルコールまたはトリチウム化水を含む水性溶媒の存在下で活性化亜鉛を用いる選択的水素化に供する工程、を包含する、方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(発明の詳細な説明)
定義:
本明細書で用いられるとき、アルキル基は、約20までの炭素原子を含む、直鎖、分岐および環状アルキル基を含み得る。適切なアルキル基は、置換されてもよいし、または置換されなくてもよい。さらに、アルキルはまた、C1−C6アルキル、C3−C6ヘテロ環、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシおよびスルホニルからなる群から選択される1つ以上の置換基で1つ以上の炭素原子上で1回以上置換され得る。さらに、アルキル基は、10までのヘテロ原子またはヘテロ原子置換基を含み得る。適切なヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄およびリンを含む。
【0026】
本明細書で用いられるとき、アルール基は、10までのヘテロ原子を含み得るアリール基である。アリール基はまた、必要に応じてアリール基または低級アルキル基で1回以上置換され得、そしてそれはまた、その他のアリールもしくはシクロアルキル環に縮合され得る。適切なアリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、トリル、イミダゾリル、ピリジル、ピロイル、チエニル、ピリミジル、チアゾリルおよびフリル基を含む。
【0027】
本明細書で用いられるとき、環は、1つ以上の窒素、酸素、硫黄またはリン原子を含み得る20までの原子を有するとして規定され、ここで、この環は、水素、アルキル、アリル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル、およびスルホニルからなる群から選択される1つ以上の置換基を有し得、そしてさらに、この環はまた、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環を含む1つ以上の縮合環を含み得る。
【0028】
本明細書で用いられるとき、「アルケン」は、直鎖、分岐または環状を、特定の実施形態では、直鎖または分岐、二価の脂肪族炭化水素基をいい、1つの実施形態では1〜約20の炭素原子を含み、別の実施形態では1〜12の炭素を有する。さらなる実施形態では、アルキレンは、低級アルキレンを含む。このアルキレン基に沿って、1つ以上の酸素、硫黄または置換もしくは非置換窒素原子が必要に応じて挿入され得る。アルケン基は、制限されないで、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−(CH−)、メチレンジオキシ(−O−CH−O−)およびエチレンジオキシ(−O−(CH−O−)を含む。用語「低級アルキレン」は、1〜6炭素を有するアルキレン基をいう。特定の実施形態では、アルキレン基は、1〜3の炭素原子のアルキレンを含む低級アルキレンである。
【0029】
(トリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドおよびアナログを調製する方法)
一般に、1つの局面では、本発明は、スキーム1で概略を示されるように1のようなトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドを調製する方法であることを特徴とする。この戦略は、高度に収束性であり、そして2つのC=C結合が、最後のステップで生成され得、そしてそれによって産物の安定性および立体化学的一体性を増大する。この2つの(Z)
C=C結合は、ビス−アルキニル前駆体2の選択的水素化を経由して形成され得る。この選択的水素化は、水素およびLindlar触媒を用いて実施され得るか、またはメタノールのようなアルコールの存在下、または水性媒体を用いる活性化亜鉛を用いることによる。このプロセスに適切な活性化亜鉛試薬は、亜鉛、酢酸銅のような銅塩、および硝酸銀のような銀塩から調製され得、これらは文献にある手順による(Boland,W.ら(1987)Helv.Chim.Acta 1987,70,1025;Alami,M.ら(1997)Tetrahedron Asym.,8,2949;Rodriguez,A.R.ら(2001)Tetrahedron Lett.,42,6057)。
【0030】
化合物2は、中間体3と4との間のパラジウム仲介カップリング(カップリングステップa)を経由して調製され得、ここで、Xは、Br、またはIである。化合物4は、アルデヒド4のオレフィン化を経由して調製され得、これは、エポキシド6から容易に入手可能である。中間体3は、前駆体7および8から、以下に論議されるように、いくつかの異なる方法で調製され得、その一方、化合物8は、保護されたエポキシド9から容易に調整され得る。
【0031】
本発明はまた、一般式3の化合物の調製のための方法を提供し、これは、トリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドまたはそれらのアナログを調製するために用いられ得る。化合物3は、スキーム2に概略が示されるように、いくつかの異なる方法で調製され得る。
【0032】
方法Aによれば、化合物3は、既知の臭化物13と既知のアルキン7との間のPd−カップリングを経由して容易に利用可能である前駆体12へのアレニル試薬11の付加を経由して調製され得る(Mは、マグネシウム、亜鉛、銅、錫、ケイ素または臭素である)。
【0033】
方法Bによれば、化合物3は、7の中間体14とのPd仲介カップリング(カップリングプロセスb)を経由して生成される前駆体10から調製され得る。化合物14は、15と、アルデヒド中間体8のオレフィン化(カップリングプロセスd)を経由して調製され得る前駆体16との間の前駆体16との間のPdカップリング(カップリングプロセスc)を経由して調製され得る。あるいは、化合物14は、20とアルデヒド8との間のWittigタイプ反応(カップリングプロセスd)を経由して調製され得る。化合物14はまた、アルデヒド22への付加(カップリングプロセスa)を経由して形成され得るそのアルキン前駆体21のシリル化を経由して調製され得る。
【0034】
方法Cによれば、前駆体10は、16と、アルケニルホウ素化化合物18と中間体7との間のPdカップリング(カップリングプロセスc)を経由して容易に入手可能であるアルケニルホウ素化合物17との間のPdカップリング(カップリングプロセスc)を経由して形成される。
【0035】
最後に、方法Dによれば、化合物10は、化合物20と、7との間のPdカップリング(カップリングプロセスb)を経由して容易に入手可能であるホスホネート中間体19でのアルデヒド中間体8のアルケニル化(カップリングプロセスd)を経由して調製される。
【0036】
本発明は、以下に記載されるように、容易に調製され得るいくつかの別個の構築ブロックを含む。
【0037】
スキーム4はタイプ4の構築ブロックの合成を示し、その一方、スキーム5はタイプ8および16の構築ブロックの合成を示す。両方の事例において、これら構築ブロックの立体化学は、出発グリシドールから明瞭に確立され、そしてそれは、合成の全体で保持され、高い立体化学純度をもつ産物の合成を可能にする。
【0038】
【化33】

スキーム6は、高い立体化学純度をもつタイプ7の中間体の合成のための方法を示す。
【0039】
【化34】

鍵となる中間体3を形成するためのこれら構築ブロックの組み合わせは、種々の方法でなされ得る。スキーム7は、方法A(スキーム2)に従う戦略を示し、それによって、タイプ7のアルキン中間体は、臭化ジエニル−アルコールとカップルされ得、アルデヒドに酸化され得る産物を与える。Yamamoto(Ikeda,N.;Arai,I.;Yamamoto,H.J.Am.Chem.Soc.1986,108,483.)によって報告された化学に従って、アルケニルホウ素酸の付加は、良好な全体収率であるが、適度な立体制御でタイプ3の中間体を形成する。
【0040】
【化35】

スキーム8は、タイプ10の中間体を経由するタイプ3の中間体を調製するための代替の方法を示す。方法B(スキーム2)によれば、タイプ16の中間体のNegishiタイプカップリング後のタイプ7とのSonogashiraカップリングは、タイプ10の中間体を与え、これは、脱シリル化され得、鍵となるタイプ3の中間体を形成する。
【0041】
【化36】

10の調製のための方法Cによる別のアプローチが、スキーム9に示される。Sonogashiraカップリング後のSuzukiカップリングは、最終産物を与える。反復カップリングが、逐次的様式でなされ得、そしてこれを1つのポットでなすことが可能である。
【0042】
【化37】

スキーム10は、タイプ10の中間体を作製するための最も効率的な方法の1つを示し、これは、7の中間体14とのPd仲介カップリングを経由して生成され得る。化合物14は、ホスホネート20とアルデヒド8との間のWittigタイプ反応を経由し、次の(E,E)−ジエンへの異性化によって調製され得る。あるいは、化合物7は、Pdカップリングを経由して20とカップルされてホスホネート19を形成し得、これは、アルデヒド8とのWittigタイプ反応で用いられ得、その後の異性化によって10を形成する。
【0043】
【化38】

トリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドおよびそれらのアナログの最終アセンブリは、スキーム11で示されるようになされ得る。2つの鍵となる中間体3および4のSonogashiraタイプカップリング、次の脱保護は、タイプ2のビス−アルキニル産物を与える。タイプ1の最終化合物は、水素およびLindlar触媒を用いるか、またはそれに代わって活性化亜鉛を用いる選択的水素化を経由して得られ得る。この活性化亜鉛は、代表的には、メタノールまたは水性媒体中で用いられ得、そして亜鉛、Cu(OAc)・HOおよびAgNOから、文献の手順(Boland,W.ら(1987)Helv.Chim.Acta 1987,70,1025;Alami,M.ら(1997)Tetrahedron Asymmetry,8,2949;Rodriguez,A.R.ら(2001)Tetrahedron Lett.,42,6057)を用いて調製され得る。
【0044】
【化39】

本発明の別の実施形態は、同位体的に標識された水および同位体的に標識されたメタノールのような同位体的に標識された媒体の存在下で活性化された亜鉛を用いることによる、1およびそのアナログのような脂質メディエーターの同位体的に標識された誘導体の調製を含む。例えば、化合物2は、活性化された亜鉛DO−CDODを用いることにより、テトラ−重水素誘導体1−Dに変換され得、その一方、対応するトリチウム化誘導体1−Tは、トリチウム化水から同様に調製され得る。この標識化プロセスはまた、リポキシン、ロイコトリエンおよびその他のレソルビン誘導体のような、その他の同位体的に標識されたポリ不飽和脂質メディエーターを調製するたれに用いられ得る。このような同位体的に標識されたポリ不飽和脂質メディエーターは、これら分子の生物学的作用の検出および研究のための分光測定または分子プローブとして有用である。本発明の合成は、先行技術を超える主要な実験的利点を提供する。一般的事例では、以下に概略を示すように、本発明の方法は、示される一般式の広範な範囲の化合物を調製するために用いられ得、ここで:
は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおびアミノアシル;そしてRおよびRは、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から独立に選択される。
【0045】
【化40】

提供された合成方法全体は高度に収束性であり、そしてPdカップリング手順を用いることにより鍵となる中間体の多くの可能な組み合わせを可能にする。
【0046】
上記の方法は、高度に多目的であり、そして類似のフレームワークを有するトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドの種々のアナログに容易に拡大され得る。それ故、別の局面では、本発明は、スキーム3に概略を示されるような、一般式23および24を有する化合物の合成のための方法であることを特徴とする。化合物23は、化合物25と26との間のSonogashiraタイプカップリングを経由して生成され得る化合物24の選択的水素化を経由して調製され得る:
【0047】
【化41】

ここで:
、RおよびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
、RおよびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
Qは:−C(O)−A、−SO−A、−PO(OR)−Aからなる群から選択され、ここで、Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり、そしてRは、ヒドロキシルまたはアルコキシからなる群から選択され;
Y、ZおよびWは、20までの原子を含む環および20までの原子を含む鎖からなる群から独立に選択されるリンカーであり、Y、ZおよびWは、1つ以上の窒素、酸素、硫黄またはリン原子を独立に含み得、そしてさらにY、ZおよびWは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル、およびスルホニルを独立に含み得、そしてさらにY、ZおよびWはまた、1つ以上の縮合炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環を含み得、そしてすべてのリンカーYは、隣接するC(R)ORに炭素原子を経由して連結され;
Xは、Cl、BrまたはIであり;そして
Gは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、およびカルボキシアミドからなる群から選択される。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明は、一般式27および28の化合物の合成のための方法を提供し(スキーム12)、ここで:
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
、RおよびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;そして
スキーム12に概略を示されるように、化合物27は、化合物28の選択的水素化を経由して調製され得、これは、化合物28を水素およびLindlar触媒で処理すること、またはメタノールのようなアルコールの存在下もしくは水性媒体を用いて活性化亜鉛を用いることにより実施され得る。このプロセスに適切な活性化された亜鉛は、亜鉛、酢酸銅のような銅塩、および硝酸銀のような銀塩から調製され得る。
【0049】
一般式28の化合物は、式29の化合物と式4の化合物との間のSonogashiraタイプカップリングを経由して調製され得、ここで、Xは、Cl、BrまたはIである。例えば、化合物29および4は、ヨウ化銅(I)のような銅塩、およびトリエチルアミンのようなアミン塩基の存在下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムのようなパラジウム触媒との処理に際し、28に変換され得る。
【0050】
【化42】

本発明はまた、式29の化合物またはそのアナログの調製のための方法を提供する。化合物29は、スキーム12に概略を示されるいくつかの方法を経由して調製され得る。1つのこのような方法は、式30のアルデヒド化合物と式31のホスホネート化合物との間のWittigタイプカップリング、その後の脱シリル化を含む。化合物31は、化合物32とアルデヒド化合物33との間のSonogashiraタイプカップリングを経由して形成され得る。
【0051】
別の実施形態では、化合物29は、アルキン化合物33と式34の化合物との間の直接Sonogashiraタイプカップリングを経由して調製され得る。あるいは、化合物33は化合物37に連結され得、化合物36を形成し、これは、化合物35とのSuzukiタイプカップリングを行い得、脱シリル化の後、鍵となる化合物29を生成する。式34の化合物は、アルデヒド30とホスホネート31との間のWittigタイプカップリング、および化合物35のパラジウム仲介ホモログ化を含むいくつかの方法によって調製され得る。
【0052】
化合物29はまた、33から調製され得るアルデヒド38へのアレニル有機ホウ素誘導体またはその他のアレニル有機金属誘導体11の付加を経由して調製され得る。
【0053】
スキーム12に示される化合物では、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OM、ここで、Mは、アンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;
およびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシル、およびアミノアシルからなる群から独立に選択され;そして
Xは、Cl、BrまはたIであり;
は、アルキルまたはアリールであり;そして
は、水素、アルキルまたはアリールであり;そして
SiR中の3つのR基の各々は、アルキル、アリールおよびアルコキシから独立に選択され;そして
は、マグネシウム、亜鉛、銅、錫、ケイ素またはホウ素である。
【0054】
(トリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドアナログ)
本発明はまた、化合物1の合成誘導体またはアナログであり、そして改善された化学的および生物学的性質を示すトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドの合成アナログを含む化合物および組成物を提供する。提供される化合物は、一般式27および28を有する誘導体を含む。
【0055】
【化43】

ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシアリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたは−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnから選択されるカチオンであり;そして
、Rおよび Rは、水素、アルキル、アリール、テヘロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択される。
【0056】
本発明はまた、式23および24を有する化合物、ならびにそれらの調製および使用の方法を提供する。
【0057】
【化44】

ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、またはZnからなる群から選択されるカチオンであり;
Ra、RbおよびRcは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルまたはアミノアシルからなる群から独立に選択され;
、RおよびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
Qは:
−C(O)−A、−SO2−A、−PO(OR)−Aからなる群から選択され、ここで、Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、Mg、またはZnから選択されるカチオンであり;そしてRは、ヒドロキシlまたはアルコキシであり;
Y、ZおよびWは、1つ以上の窒素、酸素、イオウまたはリン原子を含み得る、20までの原子の環または鎖からなる群から選択されるリンカーであり、ここで、リンカーAは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル、およびスルホニルから選択される1つ以上の置換基を有し得、そしてさらに、上記リンカーはまた、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環を含む1つ以上の縮合環を含み得、ここで、リンカーYは、炭素原子を経由して隣接するC(R)OR基に連結され;
Gは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、塩素、ヨウ素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、アルコキ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、およびカルボキシアミドからなる群から選択される。
【0058】
特定の実施形態では、Y、ZおよびWは、各々置換または非置換であり得るアルキレンである。その他の実施形態では、Y、ZおよびWは、メチレン、エチレンおよびプロピレンから選択される。その他の実施形態では、Yはメチレンである。その他の実施形態では、Zはプロピレンである。その他の実施形態では、Wはエチレンである。
【0059】
本発明のいくつかの好ましい実施形態は、一般式39および40を有する化合物、およびそれらの調製および使用を提供する。
【0060】
【化45】

ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
、RおよびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシからなる群から選択され;
は、以下の(i)−(iv)からなる群から選択され:
i)CHCH(R)CH、ここで、Rは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシまたはアルコキシである;
ii) CHC(R)CH、ここで、RおよびRは、各々独立して、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、またはフッ素であるか、またはRおよびRは一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環を形成する;
iii)CHOCH、CHC(O)CH、またはCHCH;そして
(iv)Rは、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環であり;そして
特定の実施形態では、Rは、水素、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される。
【0061】
本発明のその他の好ましい実施形態は、一般式41および42を有する化合物、ならびにそれらの調製および使用を提供する。
【0062】
【化46】

ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたは−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
、RおよびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシからなる群から選択され、
は、以下の(i)〜(iv)からなる群から選択される:
i)CHCH(R)CHここで、Rは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
ii) CHC(R)CH、ここで、RおよびRは、各々独立して、アルキル、パーアルキル、アリール、またはフッ素であるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成する;
(iii)CHOCH、CHC(O)CH、またはCHCH;および
(iv)Rは、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環であり;そして
およびRは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルコキシ、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成する。
【0063】
特定の実施形態では、本発明のいくつかの実施形態では、一般式29または43〜47の化合物を提供し:
【0064】
【化47】

ここで、
Aは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アルキルアミノ、または−OMであり、ここで、Mは、アンモニウム、テトラ−アルキルアンモニウム、Na、K、MgおよびZnからなる群から選択されるカチオンであり;そして
およびRは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシルシリル、アルコキシアシルおよびアミノアシルからなる群から独立に選択され;
は、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリールおよびアリールであり;
は、以下の(i)−(iv)からなる群から選択される:
i)CHCH(R)CH、ここで、Rは、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アリール、ヘテロアリール、フッ素、ヒドロキシまたはアルコキシであり;
ii)CHC(R)CH、ここで、RおよびRは、各々独立してアルキル、パーフルオロアルキル、アリール、もしくはフッ素であるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成し;
iii)CHOCH、CHC(O)CH、またはCHCH;および
(iv)Rは、炭素環、ヘテロ環、アリールまたはヘテロアリール環であり;そして
およびR、水素、アルキル、パーフルオロアルキル、アルコキシ、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択されるか、またはRおよびRは、一緒に連結されて炭素環またはヘテロ環の環を形成し;そしてSiR中の3つのR基の各々は、アルキル、アリールおよびアルコキシからなる群から独立に選択される。
【0065】
(薬学的組成物)
本発明の化合物は、投与に適切な薬学的組成物中に取り込まれ得る。このような組成物は、代表的には、活性化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書で用いられるとき、言語「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的投与と適合可能な、任意かつすべての溶媒、分散媒体、被覆、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含むことが意図される。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当該技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が上記活性化合物と適合しない範囲を除いて、その組成物中の使用が企図される。補助的活性化合物もまた、この組成物中に取り込まれ得る。
【0066】
本発明の薬学的組成物は、その意図される投与の経路と適合可能に処方される。投与の経路の例は、非経口的、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮的(局所的)、経粘膜、および直腸投与を含む。非経口的、皮内、または皮下適用のために用いられる溶液または懸濁物は、以下の成分を含み得る:注入のための水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたはその他の合成溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチメパラベンのような抗細菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;酢酸、クエン酸またはリン酸のような緩衝液および塩化ナトリウムまたはデキストロースのような張度の調節のための試薬。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基で調節され得る。非経口的調製物は、アンプル、使い捨て可能シリンジ、またはガラスもしくはプラスチックの複数用量バアイル中に囲われ得る。
【0067】
注入可能な使用のために適切な薬学的組成物は、滅菌水溶液(水溶性である場合)、または滅菌された注入可能な溶液または分散物の即座の調製物のための分散物および滅菌粉末を含む。静脈内投与のためには、適切なキャリアは、生理食塩水、静細菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany, NJ)、またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を含む。すべての事例では、上記組成物は無菌でなければならず、そして容易なシリンジでの取り扱いが存在する程度まで流体であるべきである。それは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、そして細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保護されなけれればならない。キャリアは、溶媒または分散媒体であり得、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物を含む。適正な流動性は、例えば、レシチンのような被覆の使用によるか、分散の事例では必要な粒子サイズの維持によるか、および界面活性剤の使用により維持され得る。微生物の作用の保護は、種々の抗細菌および抗真菌薬剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメザールなどにより達成され得る。多くの事例において、組成物中に等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムのようなポリアルコールを含むことが好ましい。上記注入可能な組成物の長期吸収は、組成物中に、吸収を遅延する薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによってもたらされ得る。
【0068】
滅菌された注入可能な溶液は、必要な上記で列挙された成分の1つまたはその組み合わせとともに、適切な溶媒中に必要な量の活性化合物を取り込むことによって調製され得る。一般に、分散物は、上記活性化合物を、基礎となる分散媒体および上記で列挙されたような必要なその他の成分を含む滅菌ビヒクル中に取り込むことにより調製される。滅菌注入可能溶液の調製のための滅菌粉末の事例では、調製の好ましい方法は、減圧乾燥および凍結乾燥であり、これは、活性成分、プラス、先に滅菌濾過されたその溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末を生じる。
【0069】
経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または可食キャリアを含む。それらは、ゼラチンカプセル中に囲われるか、または錠剤に圧縮され得る。経口治療投与の目的には、上記活性化合物は、賦形剤とともに取り込まれ得、そして錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で用いられる。経口組成物はまた、口内洗浄液としての使用のために流体キャリアを用いて調製され得、ここで、この流体キャリア中の化合物は、口に付与され、そして混ぜられ、かつ喀出されるか、または嚥下される。薬学的に適合する結合剤、および/またはアジュバント材料が上記組成物の一部として含められ得る。錠剤、ビル、カプセル、トローチなどは、以下の成分、または類似の性質の化合物のいずれかを含み得る:微結晶セルロース、トラガカンタゴムまたはゼラチンのようなバインダー;スターチまたはラクトースのような賦形剤、アルギン酸、Primogel、またはコーンスターチのような崩壊剤;硫酸マグネシウムまたはSterotesのような潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素のような滑沢剤;シュークロースまたはサッカリンのような甘味剤;またはペッパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香料のような芳香剤。
【0070】
吸入による投与には、上記化合物は、加圧コンテナ、または適切な推進剤、例えば、二酸化炭素のようなガスを含むディスペンサー、または噴霧器からのエアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0071】
全身投与はまた、経粘膜手段または経皮手段によってであり得る。経粘膜または経皮投与には、透過されるべき障壁に適切な透過剤が処方物に用いられ得る。このような透過剤は、当該技術分野で一般に知られ、そして、例えば、経粘膜投与には、界面活性剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用により達成され得る。経皮投与には、上記活性化合物は、当該技術分野で一般に知られるように、軟膏、軟膏剤、ゲル、またはクリームに処方され得る。
【0072】
上記化合物はまた、坐剤(例えば、カカオバターおよわびその他のグリセリドのような従来の坐剤ベースとともに)、または直腸送達のための保持浣腸の形態で調製され得る。
【0073】
1つの実施形態では、上記活性化合物は、インプラントおよびマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出のような、身体からの急速な排泄に対して上記化合物を保護するキャリアとともに調製され得る。生分解性の生体適合性ポリマーが用いられ得、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸がある。このような処方物の調製のための方法は、当業者に明らかである。これら材料はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals、incから市販されて得られ得る。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体で感染細胞を標的にするリポソームを含む)はまた、薬学的に受容可能なキャリアとして用いられ得る。これらは、例えば、米国特許番号第4,522,811号に記載のような当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0074】
投与の容易さ、および投薬量の均一性のために投薬量単位にある経口または非経口組成物を処方することが特に有利であり得る。本明細書で用いられるとき、投薬量単位は、被験体が処置される単位の投薬量として適した物理的に別個の単位をいい;各単位は、必要な薬学的キャリアとともに所望の治療効果を生成するように算出された活性化合物の所定の量を含む。本発明の投薬量形態のための仕様は、この活性化合物の特有の特徴および達成されるべき特定の治療効果、ならびに個体の処置のためにこのような活性化合物を調合する技術における固有の制限によって規定され、そしてそれに直接依存する。
【0075】
このような化合物の毒性および治療の効き目は、例えば、LD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%で治療的に有効な用量)を決定するための細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され得る。毒性と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、そしてそれは、LD50/ED50比として表現され得る。大きな治療指数を示す化合物が好ましい。毒性の副作用を示す化合物が用いられ得るけれども、非感染細胞への可能な損傷を最小にし、それによって副作用を減少するために、影響される組織の部位をこのような化合物の標的とする送達システムを設計するために注意が払われるべきである。
【0076】
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のために所定範囲の投薬量を処方することで用いられ得る。このような化合物の投薬量は、毒性がほとんどないか、またはなくて上記ED50を含む範囲の循環濃度内にある。この投薬量は、採用される投薬量形態および利用される投与の経路に依存してこの範囲内で変動し得る。本発明の処置方法で用いられる任意の化合物について、この治療的に有効な用量は、最初、細胞培養アッセイから推定され得る。用量は、細胞培養中で決定されるとき、IC50(すなわち、症状の最大阻害の半分を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するために動物モデル中で処方され得る。このような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために用いられ得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
【0077】
上記薬学的組成物は、投与のための指示書とともに、コンテナ、パック、またはディスペンサー中に含まれ得る。
【0078】
(治療使用)
本発明の化合物は、炎症または炎症応答、自己免疫疾患、慢性関節リウマチ、心臓血管疾患、または異常細胞増殖もしくは癌に関連する疾患または症状を含む広範な種類の標的に対して生物学的活性を有することが知られる天然に存在するトリヒドロキシポリ不飽和エイコサノイドの誘導体または構造的アナログである。従って、本発明の化合物は、これらの標的に対して類似の活性を有することが期待される。
【0079】
従って、1つの局面では、本発明は、炎症または炎症応答に関連する疾患または症状を改善または処置する方法を特徴とし、被験体への本発明の化合物または複数の化合物の、炎症または炎症応答がこの被験体で有意に減少またはなくなるような治療的に有効な量の投与を含む。有意な減少は、炎症または炎症応答に関連する症状または複数の症状の減少またはなくなることを含む。
【0080】
別の局面では、本発明は、癌のような異常細胞増殖と関連する疾患または症状を改善または処置する方法であることを特徴とし、本発明の化合物または複数の化合物の被験体への有効量の投与を含む。一般に、有効量は、異常細胞増殖が実質的に遅延または中止されるように標的細胞集団の適切な曝露を確実にするに十分な量である。標的集団は、癌および/または腫瘍の生育のような異常細胞増殖を行う細胞の集団である。
本発明は、以下の実施例中でさらに説明され、これらは、例示のみであり、そしてこれは、請求項に記載される本発明の範囲を制限することは意図されない。
【実施例】
【0081】
本発明は、以下の実施例中でさらに説明され、これらは、例示のみであり、そしてこれは、請求項に記載される本発明の範囲を制限することは意図されない。
【0082】
以下の実施例において、用いられる数字(例えば、量、温度など)に関して正確さを確実にする努力がなされたが、いくつかの実験的誤差、および偏差が考慮されるべきである。そうでないことが示されなければ、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は℃であり、そして圧力は大気圧またはその近傍である。これらの実施例で用いられる出発材料は一般に、市販され入手可能であるか、または1つ以上のステップを含む手順によって市販され入手可能な試薬から容易に調製され得る。
【0083】
(実施例1:(5S,8E,10E,12R/S)−メチル5,12−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタデカ−8,10−ジエン−6,14−ジヨノエート)
【0084】
【化48】

ステップ1:EtNH(8ml)中の(2E,4E)−5−ブロモペンタ−2,4−ジエン−1−オール(0.74g、4.51mmol)の溶液に、Pd(PPh(160mg、0.14mmol)を添加し、そして光から保護された溶液を、45分間室温で攪拌した。小量のベンゼン(4ml)を添加し、触媒を完全に溶解した。得られる均一な溶液に、次いで、カニューレを通して、EtNH(8ml)中の(S)−メチル5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ヘプト−6−ヨノエート(1.25g、4.61mmol)およびCuI(88mg、0.46mmol)を添加した。この混合物を3時間室温で攪拌し、そして塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチし、そしてエーテルで抽出した。次いで、これは、塩水(ブライン)で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、20%エチルアセテート/ヘキサン)は、無色の液体として純粋な生成物を与えた(1.52g,4.33mmol,96%収率)。HNMR(360MHz,CDCl):d6.61(dd,J=15.7
Hzand10.6Hz,1H),6.02(dd,J=14.8Hzand10.9Hz,1H),5.57(d,J=14.4Hz),5.48(dt,J=15.1Hzand5.2Hz,1H),4.54(m,1H),3.75(s,2H),3.30(s,3H),2.14(t,J=7.0Hz,2H),1.85(m,2H),1.77(m,2H),1.05(s,9H),0.27(s,3H),0.18(s,3H).13CNMR(62MHz,CDCl):d141.705,136.071,129.
466,111.138,93.991,84.393,63.859,62.789,51.161,38.516,33.831,26.244,21.391,−3.936,−4.648.
ステップ2:CHCl(40ml)中のジメチルスルホキシド(0.66ml,8.5mmol)の溶液に、塩化オキサリル(0.56ml,6.4mmol)を−78℃で滴下して添加し、そして反応物を室温で15分間攪拌した。ステップ1からのアルコール(1.5g,4.26mmol)を、二重先端のニードルを経由して添加し、そして得られる溶液をさらに45分間−78℃で攪拌した。トリエチルアミン(2.96ml,21.3mmol)をゆっくりと濁った白色混合物まで添加し、それは、室温まで加温され、そしてそれは、次に水に注がれ、そしてエチルアセテートで抽出された。合わせた抽出物を乾燥し、そして濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、8%エチルアセテート/ヘキサン)は、無色の液体として純粋な生成物を与えた(1.31g,3.75mmol,87%収率)。HNMR(360MHz,C):d9.5
0(d,J=8.2Hz,1H),6.31(dd,J=14.7Hzand11.3Hz,1H),6.22(dd,J=14.6Hzand11.2Hz,1H),5.77(dd,J=14.9Hzand8.2Hz,1H),5.59(d,J=15.9Hz,1H),4.50(m,1H),3.34(s,3H),2.16(t,J=7.0Hz,2H),1.85(m,2H),1.76(m,2H),1.04(s,9H),0.26(s,3H),0.18(s,3H).13CNMR(62MHz,CDCl):d191.944,172.975,148.566,138.933,133.12
0,119.950,98.691,83.368,63.524,50.987,38.019,33.504,25.921,21.021,18.370,−4.320,−4.931。
【0085】
ステップ3:トルエン(20ml)中のアレニルホウ素酸(518mg,6.18mmol)の溶液に、分子篩(3.0g)およびジイソプロピル−D−酒石酸(2.6ml,12.36mmol)を添加し、そして得られる溶液を、時々穏やかに攪拌しながら、室温で24時間静置させた。キラルアレニルホウ素酸エステルの得られる溶液を、次いで、カニューレで新たなフラスコに移し、そして−78℃で冷却した。この時点で、ステップ2からのトルエン(10ml)中アルデヒド(665mg,1.9mmol)を二重先端のニードルを通じて添加し、そして反応混合物を−78℃で12時間攪拌し、そして次に一晩ゆっくりと室温で加温した。得られる溶液を、次いで、HClの希釈溶液でクエンチし、エーテルで抽出し、そしてそれを次に塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 5%エチルアセテート/ヘキサン)は、無色の液体として純粋な生成物を与えた(592mg,1.52mmol,80%収率)。得られたCHCl(10ml)中のアルコール生成物(592mg,1.52mmol)を、0℃で2,6−ルチジン(0.40ml,3.34mmol)およびtert−ブチルジメチル−シリルオキシトリフレート(0.41ml,2.28mmol)を滴下によって添加した。この反応混合物を室温まで加温し、そして4時間攪拌した。得られる溶液を、次いで、飽和NHClの溶液中に注ぎ、そしてジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し、そして濃縮したフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲリル,2%エチルアセテート/ヘキサン)、95%収率で無色の液体として生成物を与えた。HNMR(250MHz,CDCl):d6.52(dd,J=15.5
Hzand10.9Hz,1H),6.26(dd,J=15.2and11.0Hz,1H),5.85(dd,J=15.5Hzand5.3Hz,1H),5.10(d,J=16.2Hz,1H),4.51(t,J=5.6Hz,1H),4.31(q,J=5.9Hz,1H),3.54(s,3H),2.45(m,4H),1.95(t,J=1.4Hz,1H),1.82(m,4H),0.97(s,18H),0.18(s,3H),0.12(s,3H),0.07(s,3H),0.05(s,3H).13CNMR(62MHz,CDCl):d173.891,140.738,137.
433,129.200,111.125,93.363,83.432,80.947,71.306,70.197,63.012,51.452,37.889,33.516,28.296,25.792,20.566,18.075,−4.419,−4.578,−4.861,−5.014。
【0086】
(実施例2:(5S,8E,10E,12R)−メチル5,12−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタデカ−8,10−ジエン−6,14−ジヨノエート)
【0087】
【化49】

ステップ1:ベンゼン(1ml)中の(R,1E,3E)−1−ブロモ−5−(tert−ブチルジチメルシリルオキシ)−8−(トリメチルシリル)オクタ−1,3−ジエン−7−ヨン(100mg,0.26mmol)の溶液に、Pd(PPh(15mg,0.013mmol)を添加し、そして反応物を光から保護し、室温で45分間攪拌した。得られる溶液に、次いで、カニューレを通じて、ベンゼン(1ml)中の(S)−メチル5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシヘプト)−6−ヨノエート(105mg,0.39mmol)の溶液、CuI(12mg,0.063mmol)およびトリエチルアミン(0.4g,4mmol)を添加した。この混合物を3時間室温で攪拌し、そして塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチし、そしてエーテルで抽出した。それを、次いで、塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、4%ジエチルエーテル/ヘキサン)は、無色の液体として純粋な生成物を与えた(127mg,0.22mmol,85%収率)。
【0088】
ステップ2:THF/EtOH(2ml/1ml)中のステップ1からの生成物の溶液127mg,0.22mmol)に、水/EtOH(1ml/1ml)中の硝酸銀(106mg,0.63mmol)を0℃で添加した。得られる黄色の固形分懸濁物を25℃まで加温させ、そしてそれは次に、水中(1 ml)のシアン化カリウム(71mg,1.09mmol)の溶液で処理した。生成物をエーテルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮された。フラッシカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,4%ジエチルエーテル/ヘキサン)は、89%収率で無色の液体として純粋な生成物を与えた。HNMR(250MHz,C):d6.58(dd,J=15.3Hzand10.9Hz
,1H),6.14(dd,J=16.0and11.0Hz,1H),5.65(dd,J=16.3Hzand6.3Hz,1H),5.56(d,J=16.0Hz,1H),4.52(t,J=7.5Hz,1H),4.20(q,J=6.4Hz,1H),3.34(s,3H),2.20(m,4H),2.12(t,J=1.4Hz,1H),1.78(m,4H),1.03(s,9H),0.97(s,9H),0.25(s,3H),0.17(s,3H),0.06(s,3H),0.02(s,3H);13CNMR(62MHz,CDCl):d173.891,140.738,137.4
33,129.200,111.125,93.363,83.432,80.947,71.306,70.197,63.012,51.452,37.889,33.516,28.296,25.792,20.566,18.075,−4.419,−4.578,−4.861,−5.014。
【0089】
(実施例3:(5S,8E,10E,12R)−メチル5,12−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタデカ−8,10−ジエン−6,14−ジヨノエート)
【0090】
【化50】

ステップ1:3−ブロモ−臭化プロペン(0.5g,2.5mmol)およびトリエチルホスファィト(ニート,0.83g,5mmol)を120℃に3時間加熱した。過剰のホスフェートを減圧下で除去し、そして次のステップに直接用いた
ステップ2:7mlの乾燥ベンゼン中のステップ1のホスホネート生成物の溶液(257mg,1.0mmol)に、(S)−メチル5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ヘプト−6−ヨノエート(270mg,1.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(230mg,0.2mmol)、ヨウ化銅(I)(76mg,0.4mmol)、およびトリエチルアミン(1.01g,10mmol)を添加した。この混合物を室温で一晩冠半した。溶媒の除去およびカラムクロマトグラフィー(ジエチルエーテル中1%MeOH)は、カップルされたホスホネート生成物(220mg,60%)を与えた。この化合物は、満足する分光器および分析データを示した。
【0091】
ステップ3:−78℃まで冷却された、3mlの乾燥THF中のステップ2からホスホネートの溶液(217mg 0.486mmol)に、0.51mlの1Mのビス(トリメチルシリル)アミドナトウリム(0.51mmol)を添加した。この反応混合物を3分間攪拌し、そして新鮮に調製された2.5mlTHF中の(R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(とトリメチルシリル)ペント−4−ヨナル(136mg, 0.5mmol)を添加した。この混合物を、−78℃で3時間攪拌し、室温まで加温し、そしてさらに30分間攪拌した。飽和NHCl水溶液を添加し、そしてこの混合物をエテールで抽出した。減圧下での溶媒の除去、およびカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3%エチルアセテート)は、120mg(43%)の生成物を与えた。
【0092】
ステップ4:ステップ3の生成物は、実施例2、ステップ2と同様に処理され、(5S,8E,10E,12R)−メチル5,12−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタデカ−8,10−ジエン−6,14−ジヨノエートを得た。
【0093】
(実施例4:(5S,8E,10E,12R,16E,18R)−メチル5,12,18−トリス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)イコサ−8,10,16−トリエン−6,14−ジヨノエート)
【0094】
【化51】

実施例2、ステップ1のそれと類似の手順を用いて、(R,E)−tert-ブチル(
1−ヨードペント−1−エン−3−ヨルオキシ)ジメチルシランと、(5S,8E,10E,12R)−メチル5,12−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンタデカ−8,10−ジエン−6,14−ジヨノエート(実施例2または実施例3の生成物)との間のSonogashiraカップリングは、80%の収率で生成物を与えた。HNMR(500MHz,C):d6.59(dd,J=15.2Hzand10.
9Hz,1H),6.24(dd,J=15.2and11.0Hz,1H),6.14(dd,J=15.5Hzand5.3Hz,1H),5.86(d,J=15.4Hz,1H),5.67(dd,J=14.8Hzand5.6Hz,1H),5.59(d,J=15.5Hz,1H),4.54(t,J=5.7Hz,1H),4.24(q,J=5.9Hz,1H),3.94(q,J=5.6Hz,1H),3.35(s,3H),2.46(m,2H),2.17(t,J=7.1Hz,2H),1.84(m,4H),1.44(m,2H),1.04(s,9H),1.02(s,9H),1.00(s,9H),0.86(t,J=7.5Hz,3H),0.28(s,3H),0.19(s,3H),0.14(s,3H),0.08(s,3H),0.07(s,3H),0.05(s,3H).13CNMR(125MHz,C):d173.131
,145.665,141.248,138.411,129.420,111.518,109.904,93.989,87.526,84.119,81.048,73.998,72.025,63.570,50.913,38.321,33.587,31.253,29.235,26.014,21.163,18.413,9.221,−4.207,−4.421,−4.603,−4.621,−4.772,−5.094。
【0095】
(実施例5:(5S,8E,10E,12R,16E,18R)−メチル5,12,18−トリヒドロキシイコサ−8,10,16−トリエン−6,14−ジヨノエート)
【0096】
【化52】

THF(1ml)中の実施例4の生成物(40mg,0.065mmol)を、1.0MのTBAF(0.32ml,0.32mmol)で0℃で処理した。この反応物を、3時間攪拌し、そして次に水中に注ぎ、そしてエーテルで抽出した。このエーテル抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し、そして濃縮した。このエーテル溶液を、次いで、過剰の新鮮に調製されたエーテル中のジアゾメタンで処理し、遊離の酸を生成物に変換した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、4%MeOH/CHCl)は、90%収率で純粋な生成物を与えた。HNMR(500MHz,C):d6.55(dd,
J=15.5Hzand10.9Hz,1H),6.16(dd,J=15.2Hzand11.0Hz,1H),6.05(dd,J=15.5Hzand5.3Hz,1H),5.70(d,J=16.2Hz,1H),5.61(dd,J=14.6Hzand5.5Hz,1H),5.58(d,J=14.7Hz,1H),4.28(t,J=5.8Hz,1H),4.06(dd,J=11.2Hzand5.3Hz,1H),3.65(dd,J=11.0Hzand6.7Hz,1H),3.30(s,3H),2.36(m,2H),2.06(t,J=6.9Hz,2H),1.72(m,2H),1.59(m,2H),1.27(m,2H),0.74(t,J=7.4Hz,3H).13CNMR(125MHz,C):d173.819,145.219,141
.143,136.647,130.007,111.340,109.915,92.672,85.857,84.082,81.330,73.505,70.225,62.533,51.488,37.097,33.599,29.912,28.658,20.615,9.451.HPLC:Beckman Ultrasphere逆相カラム(MeOH中、30%の水、3.8ml/分,252bar):溶出時間=5.41分。
【0097】
(実施例6:(5S,6Z,8E,10E,12R,14Z,16E,18R)−メチル5,12,18−トリヒドロキシイコサ−6,8,10,14,16−ペンタエノエートまたはレソルビンE1メチルエステル)
【0098】
【化53】

ジクロロメタン(4ml)中の実施例5からのビス−アセチレニック生成物(7.7mg,0.021mmol)に、Lindlar触媒(1.5mg,20重量%)、キノリン(4ml)を添加し、そしてこの反応混合物を、水素の静止雰囲気下で攪拌した。サン
プルを、HPLC分析(MeOH中30%の水)のために、20分毎に採取し、そしてこの反応を60%転換で停止した。得られる溶液をセライトのパッド上で濾過し、そしてHPLC(MeOH中45%水)で分離し、60%収率で純粋な産物を与えた。HNMR(500MHz,C):d6.54(dd,J=14.8Hzand11.5Hz
,1H),6.49(dd,J=14.9Hzand11.7Hz,1H),6.26(dd,J=16.0Hzand10.5Hz,1H),6.11(t,J=9.2Hz,1H),6.09(dd,J=14.7Hzand11.1Hz,1H),5.95(t,J=11.0Hz,1H),5.60(dd,J=15.4Hzand6.4Hz,1H),5.56(dd,J=14.9Hzand6.0Hz,1H),5.42(dt,J=10.8Hzand8.1Hz,1H),5.30(t,J=10.6Hz,1H),4.38(q,J=7.8Hz,1H),4.03(q,J=6.6Hz,1H),3.83(q,J=6.6Hz,1H),3.30(s,3H),2.2−2.4(m,4H),2.08(t,J=6.9Hz,2H),1.6−1.7(m,2H),1.3−1.5(m,2H),0.85(t,J=6.7Hz,3H).13CNMR(125MHz,C):d177.135,137.855,137.106,134.92
3,134.057,131.093,130.273,129.637,128.428,126.868,125.269,73.554,71.747,67.609,37.123,36.223,33.835,30.576,21.165,9.867.HPLC:Beckman Ultrasphere逆相カラム(MeOH中30%の水,3.8ml/分、254bar):溶出時間=8.43分。
【0099】
(実施例7:(5S,6Z,8E,10E,12R,14Z,16E,18R)−メチル6,7,14,15−テトラジュウテリオ−5,12,18−トリヒドロキシイコサ−6,8,10,14,16−ペンタエノエート:
【0100】
【化54】

ステップ1:窒素下で秤量された亜鉛ダスト(<10ミクロン,98+%, Aldrich, 20,998−8)に、窒素を20分間バブリングして先に脱気した重水素化水((DO,3mL)を添加する。15分間の攪拌の後、酢酸銅(II)一水和物(AcCu.HO,98+%,Aldrich,6046−93−1,50mg)を添加し、そしてこの混合物を、さらに20分間攪拌した。この攪拌された混合物に、硝酸銀(I)(AgNO, 99+%, Aldrich, 20,913−9, 50mg)をゆっくりと添加した。この混合物をさらに30分間攪拌し、そして沈殿物を集め、そして重水素化水(2×3mL)、アセトン(2×3mL)、およびエーテル(2×3mL)でリンスした。この沈殿物を、2.5mLの容量比4:1の重水素化水:ジオキサン(1,4−ジオキサン,無水,99.8+%,Aldrich,296309−1L)混合物と混合した。
【0101】
ステップ2:ステップ1に従って調製されたZn−Cu−Ag試薬を、ジオキサン(0.5mL)中の実施例5からの(5S,8E,10E,12R,16E,18R)−メチル5,12,18−トリヒドロキシイコサ−8,10,16−トリエン−6,14−ジヨノエート(0.5mg)の溶液に添加し、そしてこの混合物を40℃で24時間攪拌した。この混合物を、次いで、ガラス溶融漏斗を通じて濾過し、濾液を蒸発し、そして粗製生成物をHPLCで精製し、5S,6Z,8E,10E,12R,14Z,16E,18R)−メチル6,7,14,15−テトラジュウテリオ−5,12,18−トリヒドロキシイコサ−6,8,10,14,16−ペンタエノエートを得た。この化合物は、満足するスペクトルを与えた。
【0102】
本発明の多くの実施形態を記載してきた。それにもかかわらず、本発明の思想および範囲から逸脱することなく種々の改変がなされ得ることが理解される。従って、その他の実施形態は、添付の請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【公開番号】特開2012−162576(P2012−162576A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−128022(P2012−128022)
【出願日】平成24年6月5日(2012.6.5)
【分割の表示】特願2008−504239(P2008−504239)の分割
【原出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(592048844)ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア (26)
【Fターム(参考)】