説明

トリフェニレンシランホスト

【課題】新規のアリールシリコンおよびアリールゲルマニウムホスト材料、および詳細にはトリフェニレンおよびピレンフラグメントを含有するホスト材料を記載する。
【解決手段】OLEDの発光層中にホストとして使用される場合、この化合物は、OLED素子の性能を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
請求する発明は、共同の大学・企業研究契約に関わる1つまたは複数の以下の団体:ミシガン大学評議会、プリンストン大学、南カリフォルニア大学、およびユニバーサルディスプレイコーポレーションにより、その団体のために、および/またはその団体と関係して行われた。本契約は、請求する発明がなされた日以前に発効しており、請求する発明は、本契約の範囲内で行われた活動の結果であるとした。
【0002】
本発明は、OLED(Organic light−emitting Diode)のホスト材料として使用するのに適切な化合物、具体的にはアリールゲルマンおよびアリールシラン基を含む化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
有機材料を用いるオプトエレクトロニクス素子は、いくつかの理由によりますます望まれるものとなってきている。そのような素子を製造するために用いられる多くの材料は比較的安価であり、そのため有機オプトエレクトロニクス素子は、無機素子よりコスト優位性について潜在力がある。加えて、可撓性などの有機材料固有の特性は、フレキシブル基板での作製などの特定用途に非常に適したものになり得る。有機オプトエレクトロニクス素子の例には、有機発光素子(OLED)、有機フォトトランジスター、有機光電池、および有機光検出器が含まれる。OLEDについては、有機材料は、従来の材料より性能が優れていることがある。例えば、有機発光層が発光する波長は、一般に、適切なドーパントで容易に調製することができる。
【0004】
OLEDは、素子に電圧を印加した場合に光を発する薄い有機フィルムを用いる。OLEDは、フラットパネルディスプレイ、照明、およびバックライトなどの用途に用いるためのますます興味ある技術となってきている。いくつかのOLED材料および構成が、米国特許第5,844,363号、同6,303,238号および同5,707,745号に記載されており、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
燐光発光分子の用途の1つにフルカラーディスプレイがある。そのようなディスプレイの工業規格では、「飽和」色といわれる特定の色を発するように適合した画素を要求必要とする。特に、この規格では、飽和の赤、緑および青の画素を必要とする。色は、当分野で周知であるCIE座標を用いて測定できる。
【0006】
緑色発光分子の一例は、Ir(ppy)で示されるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウムであり、構造は以下である。
【化1】

【0007】
この式および本明細書の後の図では、窒素から金属(ここではIr)への供与結合を直線で表す。
【0008】
本明細書に使用される場合、「有機」という用語は、有機オプトエレクトロニクス素子を作製するために用いることができるポリマー材料ならびに小分子有機材料を包含する。「小分子」とはポリマーではない任意の有機材料を指し、「小分子」は実際には非常に大きくてもよい。小分子は、いくつかの状況では繰り返し単位を含んでもよい。例えば、置換基として長鎖アルキル基を用いることは、分子を「小分子」の種類から除外しない。小分子は、例えばポリマー主鎖のペンダント基として、または主鎖の一部として、ポリマー中に組み込まれてもよい。小分子は、コア部分に構築された一連の化学的殻からなるデンドリマーのコア部分として働くこともできる。デンドリマーのコア部分は、蛍光性または燐光性小分子発光体であってもよい。デンドリマーは「小分子」であってもよく、OLEDの分野で現在用いられている全てのデンドリマーは小分子であると考えられる。
【0009】
本明細書に使用される場合、「トップ」は、基材から最も遠くを意味する一方で、「ボトム」は基材に最も近いことを意味する。第1の層が第2の層の「上に配置される」と記載した場合は、第1の層は基材からより遠くに配置される。第1の層が第2の層と「接触している」と指定されない限り、第1の層と第2の層との間に他の層があってよい。例えば、間に様々な有機層があったとしても、カソードはアノードの「上に配置される」と記載することができる。
【0010】
本明細書において使用される場合、「溶液加工可能」とは、溶液または懸濁液の形態で、液体媒体中に溶解され、分散され、もしくは液体媒体中で輸送され、および/または液体媒体から堆積され得ることを意味する。
【0011】
配位子が発光材料の光活性特性に直接寄与していると考えられる場合は、その配位子は「光活性」ということができる。配位子が発光材料の光活性特性に寄与していないと考えられる場合は、配位子は「補助」ということができるが、補助配位子は光活性配位子の特性を変え得る。
【0012】
本明細書に使用される場合、また当業者によって一般に理解されているように、第1の「最高被占分子軌道」(HOMO)または「最低空分子軌道」(LUMO)のエネルギー準位は、その第1のエネルギー準位が真空のエネルギー準位により近い場合には、第2のHOMOまたはLUMOよりも「大きい」または「高い」。イオン化ポテンシャル(IP)は真空準位に対して負のエネルギーとして測定されるので、より高いHOMOエネルギー準位は、より小さい絶対値をもつIP(より小さい負のIP)に対応する。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、より小さい絶対値をもつ電子親和力(EA)(より小さい負のEA)に対応する。最上部に真空準位がある従来のエネルギー準位図に、材料のLUMOエネルギー準位は、同じ材料のHOMOエネルギー準位よりも高い。「より高い」HOMOまたはLUMOエネルギー準位は、「より低い」HOMOまたはLUMOエネルギー準位より図の最上部の近くに現れる。
【0013】
本明細書に使用される場合、また当業者によって一般に理解されるように、第1の仕事関数は、絶対値がより高い場合には、第2の仕事関数よりも「大きい」または「高い」。仕事関数は、通常、真空準位に対して負の数として測定されるので、「より高い」仕事関数がより負であることを意味する。最上部に真空準位をもつ従来のエネルギー準位図に、「より高い」仕事関数は真空準位から下向きの方向へより離れて図示される。したがって、HOMOおよびLUMOエネルギー準位の定義は、仕事関数とは異なる慣例に従う。
【0014】
OLEDについてのさらに詳細なことおよび上述の定義は、米国特許第7,279,704号にあり、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5,844,363号明細書
【特許文献2】米国特許第7,279,704号明細書
【特許文献3】米国特許第6,303,238号明細書
【特許文献4】米国特許第5,707,745号明細書
【特許文献5】米国特許第7,279,704号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Baldo et al.,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998
【非特許文献2】Baldo et al.,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
一態様では、式Iの化合物を提供する。
【化2】

【0018】
式Iの化合物では、ArおよびAr′は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランからなる群から独立して選択され、これは、場合によってさらに置換されている。Zは、SiおよびGeから選択される。Lは、単結合であるか、または炭素原子が5〜20個のアリールもしくはヘテロアリール基を含み、場合によってさらに置換されている。Aは、Zに直接結合した基であり、トリフェニレン、テトラフェニレン、ピレン、ナフタレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、アザトリフェニレン、アザテトラフェニレン、アザピレン、アザナフタレン、アザフルオランテン、アザクリセン、アザフェナントレン、およびその組み合わせからなる群から選択され、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基でさらに置換されている。
【0019】
Bは、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェン、アザジベンゾセレノフェン、およびその組み合わせからなる群から選択される基を含み、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせから選択される1個または複数の基でさらに置換されており、また、この場合、置換は、場合によって、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェンまたはアザジベンゾセレノフェン基に縮合している。
【0020】
一態様では、Aは、
【化3】

[式中、KからK12は、NおよびC−R′から独立して選択され、ここで、R′は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される。]である。
【0021】
一態様では、Bは、
【化4】

[式中、X〜X15は、NおよびC−R′′からなる群から独立して選択され、ここで、R′′は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択され、ここで、YおよびYは、O、SおよびSeからなる群から独立して選択される。]からなる群から選択される。
【0022】
一態様では、Aは、
【化5】

からなる群から選択される。
【0023】
一態様では、Aは、
【化6】

からなる群から選択される。
【0024】
一態様では、Bは、
【化7】

【化8】

[式中、Yは、O、SおよびSeからなる群から選択され、ここで、Rは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択される。]からなる群から選択される。
【0025】
一態様では、Lは、
【化9】

からなる群から選択される。
【0026】
一態様では、Aはトリフェニレンである。別の態様では、Aはピレンである。一態様では、ArおよびAr′はフェニルである。一態様では、Lはフェニルである。
【0027】
一態様では、本化合物は、化合物1〜化合物35からなる群から選択される。
【0028】
一態様では、第1の素子が提供される。第1の素子は、有機発光素子を含み、これは、アノード、カソード、アノードとカソードとの間に配置され、式I:
【化10】

の化合物を含む有機層をさらに含む。
【0029】
式Iの化合物では、ArおよびAr′は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランからなる群から独立して選択され、これは、場合によってさらに置換されている。Zは、SiおよびGeから選択される。Lは、単結合であるか、または炭素原子が5〜20個のアリールもしくはヘテロアリール基を含み、これは、場合によって、さらに置換されている。Aは、Zに直接結合した基であり、トリフェニレン、テトラフェニレン、ピレン、ナフタレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、アザトリフェニレン、アザテトラフェニレン、アザピレン、アザナフタレン、アザフルオランテン、アザクリセン、アザフェナントレン、およびその組み合わせからなる群から選択され、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基で置換されている。
【0030】
Bは、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザジベンゾチオフェン、アザジベンゾセレノフェン、およびその組み合わせからなる群から選択される基を含み、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基でさらに置換されており、この場合、置換は、場合によって、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェンまたはアザジベンゾセレノフェン基に縮合している。
【0031】
一態様では、有機層は発光層であり、式Iの化合物はホストである。別の態様では、有機層は発光ドーパントをさらに含む。
【0032】
一態様では、発光ドーパントは、
【化11】

【化12】

[式中、R、RおよびRは、モノ、ジ、トリまたはテトラ置換を表してもよく、ここで、R、RおよびRは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から独立して選択され;ここで、R、RおよびRの2個の隣接する置換基は、場合によって、結合して縮合環を形成する。]からなる群から選択される少なくとも1個の配位子がある遷移金属錯体である。
【0033】
一態様では、発光ドーパントには、式
【化13】

[式中、Dは、五または六員の炭素環式またはヘテロ環式環であり、ここで、R、RおよびRは、独立して、モノ、ジ、トリまたはテトラ置換を表し、ここで、R、RおよびRのそれぞれは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から独立して選択され、ここで、Rは、場合によって、環Dに連結することができ、ここで、nは、1、2または3であり、ここで、X−Yは別の配位子である。]がある。
【0034】
一態様では、素子は、非発光層である第2の有機層をさらに含み、式Iの化合物は第2の有機層中の材料である。
【0035】
別の態様では、第2の有機層は遮断層であり、式Iの化合物は第2の有機層中の遮断材料である。一態様では、第2の有機層は電子輸送層であり、式Iの化合物は第2の有機層中の電子輸送材料である。
【0036】
一態様では、第1の素子は消費者製品である。別の態様では、第1の素子は有機発光素子である。一態様では、第1の素子は照明パネルを含む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】有機発光素子を示す図である。
【図2】別個の電子輸送層がない倒置型有機発光素子を示す図である。
【図3】式Iの化合物を示す図である。
【図4】式Iの化合物を組み込んだ例示の素子を示す図である。
【図5】選択された式Iの化合物および選択された比較化合物についての示差走査熱量測定スキャンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
一般に、OLEDは、アノードとカソードの間に配置され、電気的に接続された少なくとも1つの有機層を含む。電流が印加すると、有機層(複数可)に、アノードは正孔を注入し、カソードは電子を注入する。注入された正孔と電子はそれぞれ、反対に帯電した電極に向かって移動する。電子と正孔が同じ分子上に局在化すると、励起エネルギー状態である局在化された電子−正孔対である「励起子」が形成される。励起子が発光機構経由で緩和するときに光が発せられる。いくつかの場合には、励起子は、エキシマーまたはエキシプレックス上に局在化され得る。非放射機構、例えば、熱緩和も起こり得るが、一般には好ましくないと考えられる。
【0039】
初期のOLEDは、例えば、全体が参照によって組み込まれる米国特許第4,769,292号に記載されているように、一重項状態から光を発する(「蛍光」)発光性分子を用いていた。蛍光発光は、一般に、10ナノ秒未満の時間フレームで起こる。
【0040】
最近になって、三重項状態から光を発する(「燐光」)発光材料のOLEDが紹介された。Baldo et al.,“Highly Efficient Phosphorescent Emission from Organic Electroluminescent Devices”, Nature, vol. 395, 151-154, 1998 (“Baldo-I”);および、Baldo et al.,“Very high-efficiency green organic light-emitting devices based on electrophosphorescence”, Appl. Phys. Lett., vol. 75, No. 3, 4-6 (1999) (“Baldo-II”)、これは参照によってその全体が組み込まれる。燐光は、米国特許第7,279,704号明細書第5〜6欄により詳細に記載されており、参照によって組み込まれる。
【0041】
図1は有機発光素子100を示す。この図は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。素子100は、基板110、アノード115、正孔注入層120、正孔輸送層125、電子遮断層130、発光層135、正孔遮断層140、電子輸送層145、電子注入層150、保護層155、およびカソード160を含むことができる。カソード160は、第1の導電層162および第2の導電層164を有する複合カソードである。素子100は、記載された層を順次堆積させることによって作製できる。この様々な層の特性および機能ならびに例示の材料は、米国特許第7,279,704号明細書第6〜10欄により詳細に記載されており、参照によって組み込まれる。
【0042】
各層についてより多くの例を得ることができる。例えば、可撓性でかつ透明な基板−アノードの組み合わせが米国特許第5,844,363号に開示されており、その全体が参照によって組み込まれる。p型ドープ正孔輸送層の例は、その全体が参照によって組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号に記載されているように、50:1のモル比で、F−TCNQでドープしたm−MTDATAである。発光材料およびホスト材料の例は、Thompsonらの米国特許第6,303,238号に開示されており、その全体が参照によって組み込まれる。n型ドープ電子輸送層の例は、その全体が参照によって組み込まれる米国特許出願公開第2003/0230980号に記載されているように、1:1のモル比でLiでドープしたBPhenである。米国特許第5,703,436号および同5,707,745号(その全体が参照によって組み込まれる)は、上に重ねた透明な電気伝電性のスパッタリング堆積したITO層があるMg:Agなどの金属の薄層の複合カソードを含むカソードの例を開示している。遮断層の理論と使用は、米国特許第6,097,147号および米国特許出願公開第2003/0230980号に、より詳細に記載されており、その全体が参照により組み込まれる。注入層の例は、米国特許出願公開第2004/0174116号に提供されており、その全体が参照によって組み込まれる。保護層の記載は、米国特許出願公開第2004/0174116号にあり、その全体が参照によって組み込まれる。
【0043】
図2は倒置型OLED200を示す。この素子は、基板210、カソード215、発光層220、正孔輸送層225、およびアノード230を含む。素子200は、記載された層を順に堆積させることによって作製できる。最も多いOLEDの構成はアノードの上方に配置されたカソードがあり、素子200はアノード230の下方に配置されたカソード215があるので、素子200を「倒置型」OLEDとよぶことができる。素子100に関して記載したものとほぼ同じ材料を、素子200の対応する層に使用することができる。図2は、素子100の構造からいくつかの層をどのように省けるのかを示す1つの例である。
【0044】
図1および2に例示されている単純な層構造は非限定的な例として提供され、本発明の実施形態は種々様々な他の構造と関連して使用できることが理解される。記載の具体的な材料および構造は事実上例示であり、その他の材料および構造も使用できる。設計、性能、およびコスト要因に基づいて、機能的なOLEDを、異なるやり方で記載された様々な層を組み合わせることによって得ることができ、または、いくつかの層は完全に省くことができる。具体的には記載されていない他の層を含むこともできる。具体的に記載したもの以外の材料が使用されてもよい。本明細書に提供される例の多くは単一の材料を含むものとして様々な層を記載しているが、材料の組み合わせ、例えば、ホストおよびドーパントの混合物、または、より一般的には混合物を用いてもよいことが理解される。また、層は、様々な副層(sublayer)があってもよい。本明細書の様々な層に与えられた名称は、厳密に限定することを意図するものではない。例えば、素子200では、正孔輸送層225は正孔を輸送し、かつ発光層220に正孔を注入するので、正孔輸送層、または正孔注入層と記載されてもよい。一実施形態では、OLEDには、カソードとアノードとの間に配置された「有機層」があると記載できる。この有機層は、単一の層を含むか、または、例えば図1および2について記載したように、様々な有機材料の複数の層をさらに含むことができる。
【0045】
Friendらの米国特許第5,247,190号(その全体が参照によって組み込まれる)に開示されているようなポリマー材料で構成されるOLED(PLED)などの具体的に記載されていない構造および材料も使用することができる。例としてさらに、単一の有機層のOLEDを使用することができる。例えば、Forrestらの米国特許第5,707,745号(その全体が参照によって組み込まれる)に記載されているようにOLEDを積み重ねてもよい。OLEDの構造は、図1および2に示されている単純な層構造から逸脱してもよい。例えば、基板は、光取り出し(out-coupling)を向上させるために、Forrestらの米国特許第6,091,195号(その全体が参照によって組み込まれる)に記載されているメサ構造、および/またはBulovicらの米国特許第5,834,893号(その全体が参照によって組み込まれる)に記載されているピット構造など、角度の付いた反射面を含んでいてもよい。
【0046】
特に断らないかぎり、様々な実施形態の層のいずれも、何らかの適切な方法によって堆積することができる。有機層について、好ましい方法には、熱蒸着(thermal evaporation)、インクジェット(例えば、米国特許第6,013,982号および同6,087,196号(その全体が参照によって組み込まれる)に記載されている)、有機気相堆積(Organic Vapor Phase Deposition, OVPD)(例えば、Forrestらの米国特許第6,337,102号(その全体が参照によって組み込まれる)に記載されている)、ならびに有機気相ジェット印刷(organic vapor jet printing, OVJP)による堆積(例えば、米国特許出願第10/233,470号(その全体が参照によって組み込まれる)に記載されている)が含まれる。適切な堆積方法は他に、スピンコーティングおよびその他の溶液系プロセスが含まれる。溶液系プロセスは、好ましくは、窒素または不活性雰囲気中で実施される。その他の層については、好ましい方法に熱蒸着が含まれる。好ましいパターニング方法には、マスクによる体積、冷間圧接(cold welding)(例えば、米国特許第6,294,398号および同6,468,819号(その全体が参照によって組み込まれる)に記載されている)、ならびにインクジェットおよびOVJDなどの堆積方法のいくつかに関連するパターニングが含まれる。その他の方法も用いることができる。堆積される材料は、特定の堆積方法に適合させるために修正してもよい。例えば、分枝したまた分枝していない、好ましくは少なくとも3個の炭素を含むアルキルおよびアリール基などの置換基を、溶液加工性を高めるために、小分子に用いることができる。20個以上の炭素がある置換基を用いてもよく、3〜20個の炭素が好ましい範囲である。非対称構造の材料は、再結晶化傾向が低いため、対称構造の材料よりも溶液加工性が良好である。デンドリマー置換基は、小分子が溶液加工を受ける能力を高めるために用いることができる。
【0047】
本発明の実施形態にしたがって作製された素子は、種々様々な消費者製品に組み込むことができ、フラットパネルディスプレイ、コンピューターモニター、医療のモニター、テレビ、広告板、室内もしくは屋外の照明および/または信号灯、ヘッドアップディスプレイ、完全に透明なディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザープリンター、電話機、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピューター、デジタルカメラ、カムコーダー、ビューファインダー、マイクロディスプレイ、乗り物、大面積壁面、劇場または競技場スクリーン、または標識が挙げられる。パッシブマトリクスおよびアクティブマトリクスを含む様々な制御機構を用いて、本発明にしたがって作製された素子を制御することができる。素子の多くは、18℃から30℃、より好ましくは室温(20〜25℃)などの人に快適な温度範囲で使用することが意図されている。
【0048】
本明細書に記載される材料および構造は、OLED以外の素子に応用できる。例えば、有機太陽電池および有機光検出器などの他のオプトエレクトロニクス素子は、この材料および構造を用いることができる。より一般的には、有機トランジスターなどの有機素子に、この物質および構造を用いることができる。
【0049】
ハロ、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールキル(arylkyl)、ヘテロ環基、アリール、芳香族基、およびヘテロアリールという用語は、当分野に公知であり、米国特許第7,279,704号明細書第31〜32欄に定義されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0050】
一実施形態では、式I:
【化14】

を有する化合物が提供される。
【0051】
式Iの化合物では、ArおよびAr′は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランからなる群から独立して選択され、これは、場合によって、さらに置換されている。Zは、SiおよびGeから選択される。Lは、単結合であるか、または炭素原子が5〜20個のアリールもしくはヘテロアリール基を含み、これは、場合によってさらに置換されている。Aは、Zに直接結合した基であり、トリフェニレン、テトラフェニレン、ピレン、ナフタレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、アザトリフェニレン、アザテトラフェニレン、アザピレン、アザナフタレン、アザフルオランテン、アザクリセン、アザフェナントレン、およびその組み合わせからなる群から選択され、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基でさらに置換されている。
【0052】
Bは、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザジ−ベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェン、アザジベンゾセレノフェン、およびその組み合わせからなる群から選択される基を含み、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基でさらに置換されており、この場合、置換は、場合によって、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェンまたはアザジベンゾセレノフェン基に縮合している。
【0053】
「アリール」基は、その中に1個または複数の縮合環を含むことができる芳香族全炭素基である。例示のアリール基は、単なる例示として、いかなる限定もなく、フェニル、ナフタレン、フェナントレン、コランヌレンなどであってよい。「ヘテロアリール」基は、少なくとも1個のヘテロ原子を含む「アリール」基である。例示のヘテロアリール基は、単なる例示として、いかなる限定もなく、ピリジン、キノリン、フェナントロリン、アザコランヌレンなどであってよい。「アリール」および「ヘテロアリール」基にはともに、他のフラグメントに結合する複数の結合点がある。
【0054】
上記のフラグメント中の「アザ」という名称、すなわち、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾンチオフェン(aza-dibenzonethiophene)などは、各フラグメントの1個または複数のC−H基を窒素原子と置き換えることができることを意味し、例えば、いかなる限定もなく、アザトリフェニレンは、ジベンゾ[f,h]キノキサリンおよびジベンゾ[f,h]キノリンの双方を包含する。当業者は、容易に上記のアザ誘導体の他の窒素類似体を描くことができ、また、その類似体はすべて、本明細書に述べる用語によって包含されるように意図される。
【0055】
分子のフラグメントが置換基であるか、またはそうでなければ別の部分に結合されていると記載される場合、その名称が、あたかもフラグメント(例えばナフチル、ジベンゾフラニル)であるかのように、またはあたかも全体分子(例えばナフタレン、ジベンゾフラン(dibenzofurna))であるかのように記されてもよいことは理解されるべきである。本明細書に使用される場合、置換基または結合したフラグメントを指定する様々な方法は、同等であると考えられる。
【0056】
本明細書に使用される場合、以下の構造:
【化15】

を含むフラグメントは、DBX基、すなわちジベンゾXと呼ばれ、Xは、本明細書に記載される原子または基のいずれかである。DBX基では、A〜Aは炭素または窒素を含むことができる。
【0057】
本明細書に開示される新規の化合物は、2つの明確な違いがある基、トリフェニレン/ピレン系の基Aなどの多環式芳香族炭化水素、およびシランまたはゲルマンスペーサーと結合したDBXまたはカルバゾール系の基Bを含み、結果として非対称構造になっている。OLED素子に使用される場合、この化合物にはいくつかの有利な特性がある。第1に、トリフェニレンおよびピレンは、電荷輸送能力に優れ、一方、DBXおよびカルバゾールには、隣接層からの電子および正孔注入に適したLUMOおよびHOMO準位がある。トリフェニレン/ピレンおよびDBXまたはカルバゾールの組み合わせは、電荷注入および輸送の両方に好都合な化合物を結果として生じる。この基へさらに誘導体化することにより、優れた電荷注入および輸送特性を維持し、改善することもできる。第2に、シランおよびゲルマンスペーサーは、基AとBとの間の共役を壊し、分子全体に各基の高い三重項エネルギーを保持し、それにより消光を効果的に低減し、高い三重項エネルギー発光体を含む式Iの化合物の使用を可能にする。
【0058】
式Iの化合物には、結晶化の傾向が乏しいため、公知の対称類似体に利点がさらにある。その結果、式Iの化合物には、改善された膜均一性があり、理論によって束縛されるものではないが、OLED中の発光体とホスト材料との間の相分離が減少すると考えられる。式Iの新規の化合物は、発光スペクトル線形、効率および寿命などのOLED素子の性能パラメーターを改善するために使用することができる。さらに、式Iの化合物はまた、トルエン、キシレン、および3−フェノキシトルエンなどの有機溶媒に可溶な傾向があり、低コストの照明用途に強く望まれる溶液加工に適用できる。
【0059】
一実施形態では、Aは、
【化16】

であり、式中、KからK12は、NおよびC−R′から独立して選択され、ここで、
R′は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される。
【0060】
一実施形態では、Bは、
【化17】

[式中、X〜X15は、NおよびC−R′′からなる群から独立して選択され、ここで、R′′は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択され、ここで、YおよびYは、O、S、およびSeからなる群から独立して選択される]からなる群から選択される。本明細書に開示される化学構造中の破線は、別の原子と単結合を形成することができる基の任意の位置を通る結合を表す。
【0061】
一実施形態では、Aは、
【化18】

からなる群から選択される。
【0062】
一実施形態では、Aは、
【化19】

からなる群から選択される。
【0063】
一実施形態では、Bは、
【化20】

【化21】

[式中、Yは、O、S、およびSeからなる群から選択され、ここで、Rは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択される]からなる群から選択される。
【0064】
一実施形態では、Lは、
【化22】

からなる群から選択される。
【0065】
一実施形態では、Aはトリフェニレンである。別の実施形態では、Aはピレンである。一実施形態では、ArおよびAr′はフェニルである。一実施形態では、Lはフェニルである。
【0066】
一実施形態では、化合物は、
【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

からなる群から選択される。
【0067】
本明細書に記載される比較化合物の構造は以下の通りである。
【化27】

【化28】

【0068】
表1は、化合物1〜4および比較化合物CC−1およびCC−3の三重項エネルギー準位である。三重項エネルギーは、2−メチルテトラヒドロフラン中対応する化合物の10−4Mの溶液に77Kで収集される燐光スペクトルの最高エネルギー0−0電子振動バンドの最大値から測定した。トリフェニレンがベンゼン単位によってジベンゾチオフェンと結合している比較化合物CC−3には、2.64eVの三重項エネルギーがあるが、トリフェニレンと芳香族系の残りとの間にシラン単位が挿入されている式Iの化合物1は、三重項エネルギーが2.86eVであり、はるかに高いの。このことは、シラン基の導入がトリフェニレンの高い三重項エネルギーを維持することができることを示唆する。これはまた、化合物2〜4およびCC−1の結果によって支持される。高い三重項エネルギーが、ホスト材料が青色燐光発光体を格納するために必要である。
【0069】
【表1】

【0070】
表2は、選択された式Iの化合物および比較化合物CC−1についてHOMO/LUMOエネルギー準位である。HOMO/LUMO準位は、支持電解質として0.1Mのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファートを含むDMF溶液中で10−3Mの濃度で示差パルスボルタンメトリーによって測定した。ガラス状カーボンディスク、白金ワイヤーおよび銀ワイヤーを、それぞれ、作動、対向および疑似参照電極として使用する。各測定について内標準として役立てるために、フェロセンを溶液に添加する。フェロセンに調節した結果として得られる酸化電位(Eox)および還元電位(Ered)は、それぞれ、−4.8eV−qEoxおよび−4.8eV−qEredであるHOMO/LUMO準位を計算するために使用する(qは電荷である)。全化合物のLUMO準位は、隣接する電子輸送層からの電子注入に適切な約−2.1eVである。比較化合物CC−1のHOMO準位は、測定限界である−6.00eV未満のであるが、B基の変形によって、式Iの化合物のHOMO準位を調整することができるだろう。実際に、化合物3、4および5のHOMO準位は、それぞれ、−5.67、−5.55および−5.41eVと認められた。このHOMO準位は、素子動作に効率的な正孔捕獲を可能にする多く使用される三重項発光体より低いことに留意されたい。
【0071】
【表2】

【表3】

【0072】
図5は、選択された式Iの化合物、および比較化合物CC−1およびCC−2についての示差走査熱量測定法(DSC)曲線を示す。試料は、10−5トール未満の圧力で真空下に加熱蒸発させ、蒸発域より100℃低温の域で凝縮させた。凝縮試料は、DSC測定にかける前に室温に徐々に冷却し、最初に報告した加熱走査は、窒素雰囲気下に10℃/分で記録した。非対称構造である式Iの化合物は、安定した形態学的安定性である非晶質である。30℃から330℃まで加熱している間に、化合物1、3および4は、それぞれ、103、101および144℃でガラス転移し、結晶化または融解は見られない。化合物2は、非晶質バルク中の包埋された残留結晶により2J/gという溶融エンタルピーが低い212℃で低い融解ピークを示す。一方、対称構造のCC−1は、溶融エンタルピーが58J/gの243℃の顕著な融解ピークが認められ、かなりの結晶が存在することを示唆する。さらに、トリフェニレンに結合した単純なトリフェニルシリル基を含むCC−2は、75J/gの溶融エンタルピーに付随する207℃の融解ピークで、高い結晶質である。事実、CC−2は、最初の加熱走査中にガラス転移せず、非晶質相の欠如および完全結晶化を示唆する。DSCの結果は、本発明の非対称構造が結晶化を抑制するのに有効であり、素子の安定動作に有益な安定した非晶質モルフォロジーに伝導性があることを示した。
【0073】
一実施形態では、第1の素子が提供される。第1の素子は、有機発光素子を含み、これは、アノード、カソード、アノードとカソードとの間に配置され、式I:
【化29】

の化合物を含む有機層をさらに含む。
【0074】
式Iの化合物では、ArおよびAr′は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランからなる群から独立して選択され、これは、場合によって、さらに置換されている。Zは、SiおよびGeから選択される。Lは、単結合であるか、または炭素原子5〜20個のアリールもしくはヘテロアリール基を含み、場合によって、さらに置換されている。Aは、Zに直接結合する基であり、トリフェニレン、テトラフェニレン、ピレン、ナフタレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、アザトリフェニレン、アザテトラフェニレン、アザピレン、アザナフタレン、アザフルオランテン、アザクリセン、アザフェナントレン、およびその組み合わせからなる群から選択され、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基でさらに置換されている。
【0075】
Bは、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェン、アザジベンゾセレノフェン、およびその組み合わせからなる群から選択される基を含み、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基でさらに置換されており、この場合、置換は、場合によって、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザカルバゾール、アザジベンゾフラン、アザジベンゾチオフェンまたはアザジベンゾセレノフェン基に縮合している。
【0076】
一実施形態では、有機層は発光層であり、かつ式Iの化合物はホストである。別の態様では、有機層は発光ドーパントをさらに含む。
【0077】
一実施形態では、発光ドーパントは、
【化30】

【化31】

[式中、R、R、およびRは、モノ、ジ、トリまたはテトラ置換を表してもよく、ここで、R、R、およびRは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から独立して選択され、ここで、R、R、およびRの2個の隣接する置換基は、場合によって結合して、縮合環を形成する]からなる群から選択される少なくとも1個の配位子を有する遷移金属錯体である。
【0078】
一実施形態では、発光ドーパントは、式:
【化32】

[式中、Dは、五または六員の炭素環式またはヘテロ環式環であり、ここで、R、RおよびRは、独立してモノ、ジ、トリまたはテトラ置換を表し、ここで、R、RおよびRはそれぞれ、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から独立して選択され、ここで、Rは、場合によって、環Dに連結することができ、ここで、nは1、2または3であり、ここで、X−Yは別の配位子である]を有する。
【0079】
一実施形態では、素子は、非発光層である第2の有機層をさらに含み、かつ式Iの化合物は、第2の有機層中の材料である。
【0080】
別の実施形態では、第2の有機層は遮断層であり、かつ式Iの化合物は第2の有機層中の遮断材料である。一実施形態では、第2の有機層は電子輸送層であり、かつ式Iの化合物は、第2の有機層中の電子輸送材料である。
【0081】
一実施形態では、第1の素子は消費者製品である。別の実施形態では、第1の素子は有機発光素子である。一実施形態では、第1の素子は照明パネルを含む。
【0082】
素子の実施例
【0083】
下記の例示の素子は、有利に式Iの化合物を使用することができるが、限定することを意図しない。素子の実施例に使用される材料の構造を、以下に示す。
【0084】
【表4】

【0085】
例示の素子はすべて、高い真空(<10−7トール)熱蒸着(VTE)によって作製した。アノード電極は、インジウム錫オキシド(ITO)の800Åである。カソードは、10ÅのLiF、続いて1,000ÅのAlで構成される。素子はすべて、製作直後に窒素グローブボックス(<1ppmのHOおよびO)中にエポキシ樹脂で密封したガラス蓋でカプセル化し、また、水分ゲッターをパッケージ内に組み込んだ。
【0086】
例示および比較の素子の例に使用されるOLED素子の有機スタックには、以下の構造、ITO面から、正孔注入層としての100ÅのLG101(LG Chemから購入した)、正孔輸送層(HTL)としての300ÅのNPD、発光層(EML)である15重量パーセントのドーパントDでドープした300Åの式I(または比較化合物CC−1もしくはCC2)の化合物、遮断層(BL)である50Åの化合物BL
および電子輸送層(ETL)である400ÅのAlqがある。概略の例示の素子構造を、図4に示す。
【0087】
【表5】

【表6】

【0088】
表3は、素子データの要約を含む。発光効率(LE)、外部量子効率(EQE)および出力効率(PE)は、1000ニットで測定されるが、寿命(LT80%)は、素子が20mA/cmの定電流密度下でその初期輝度の80%まで衰えるのに必要な時間として定義した。比較例、すなわち、素子の比較例1および2に基づく素子と比較して、式Iの化合物に基づく素子、すなわち素子の実施例1から3は、同等の、またはさらに延長した動作寿命を維持しつつ、素子効率(LE、EQEおよびPE)が2倍に改善することを示す。素子性能の改善は、電荷流束の均衡を助ける式Iの非対称化合物の改善された電荷注入および輸送に起因する。理論によって束縛されるものではないが、均衡した電子/正孔流束は、電荷再結合域を広げ、励起子の消光を抑制または低減することにより高輝度で効率を高く保持する。拡張した電荷再結合域がまた、より大きい分子集団に電荷輸送、励起子形成および光放出の役割を担わせることにより、素子寿命を延長する。表2に報告されたHOMO/LUMO準位に基づいて、式Iの化合物はまた、正孔遮断層中に使用することができる。式Iの化合物が、正孔遮断層中にホストにも正孔遮断材料にもかなうことができるので、光学素子中への式Iの化合物の組み込みは、素子作製費を低減すると予想される。
他の材料との組み合わせ
【0089】
有機発光素子中の特定の層に有用である本明細書に記載される材料は、素子中に存在する種々様々な材料と組み合わせて使用してもよい。例えば、本明細書に開示される発光ドーパントは、種々様々なホスト、輸送層、遮断層、注入層、電極および存在し得るその他の層と組み合わせて使用してもよい。以下に記載されるまたは言及される材料は、本明細書に開示される化合物と組み合わせて有用であり得る材料の非限定的な例であり、当業者は、組み合わせて有用であり得る他の材料を確認するために容易に文献を調べることができる。
【0090】
HIL/HTL:
本発明に使用される正孔注入/輸送材料は、特に限定されず、化合物が正孔注入/輸送材料として通常使用される限り、任意の化合物を使用することができる。材料の例は、フタロシアニンまたはポルフィリン(porphryin)誘導体、芳香族アミン誘導体、インドロカルバゾール誘導体、フロオロハイドロカーボン含有ポリマー、伝導性ドーパントを含むポリマー、PEDOT/PSSなどの導電ポリマー、ホスホン酸およびシラン(sliane)誘導体などの化合物に由来する自己組織化モノマー、MoOなどの金属酸化物誘導体、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリルなどのp型半導体有機化合物、金属錯体、および架橋性化合物を含むが、これに限定されない。
【0091】
HILまたはHTL中に使用される芳香族アミン誘導体の例は、以下の一般構造を含むが、これに限定されない。
【化33】

【化34】

【0092】
ArからArはそれぞれ、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレンなどの芳香族炭化水素環式化合物からなる群、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジンおよびセレノフェノジピリジンなどの芳香族複素環式化合物からなる群、および芳香族炭化水素環式基および芳香族複素環基から選択される同一型または異なる型の基であり、直接に、または、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、シリコン原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位および脂肪族環式基の少なくとも1つを経由して互いに結合されている2から10の環式構造単位からなる群から選択される。ここで、各Arは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択される置換基によってさらに置換されている。
【0093】
一態様では、ArからArは、
【化35】

からなる群から独立して選択される
【0094】
kは、1から20までの整数であり、XからXは、C(CHを含む)またはNであり、Arは、上記の定義と同一の基である。
【0095】
HILまたはHTLに使用される金属錯体の例は、下記一般式を含むが、これに限定されない。
【化36】

【0096】
Mは、原子量が40を超える金属であり、(Y−Y)は二座配位子、YおよびYは、C、N、O、PおよびSから独立して選択され、Lは補助配位子であり、mは、金属に結合し得る配位子の1から最大数までの整数値であり、また、m+nは、金属に結合し得る配位子の最大数である。
【0097】
一態様では、(Y−Y)は、2−フェニルピリジン誘導体である。
【0098】
別の態様では、(Y−Y)はカルベン配位子である。
【0099】
別の態様では、Mは、Ir、Pt、OsおよびZnから選択される。
【0100】
態様ではさらに、金属錯体には、溶液対Fc/Fc対に約0.6V未満の最小酸化電位がある。
【0101】
ホスト:
本発明の有機EL素子の発光層は、好ましくは光発光材料として金属錯体を少なくとも含み、ドーパント材料として金属錯体を使用するホスト材料を含んでもよい。ホスト材料の例は特に限定されず、ホストの三重項エネルギーがドーパントのそれより大きい限り、任意の金属錯体または有機化合物を使用することができる。下表は様々な色を放出する素子に好ましいホスト材料を分類しているが、三重項基準が満たされる限り、任意のホスト材料を任意のドーパントとともに使用することができる。
【0102】
ホストとして使用される金属錯体の例は、下記一般式を有することが好ましい。
【化37】

【0103】
Mは金属であり、(Y−Y)は二座配位子であり、YおよびYは、独立してC、N、O、PおよびSから選択され、Lは補助配位子であり、mは、金属に結合し得る配位子の1から最大数までの整数値であり、また、m+nは、金属に結合し得る配位子の最大数である。
【0104】
一態様では、金属錯体は次の通りである。
【化38】

【0105】
(O−N)は、原子OおよびNに金属を配位させる二座配位子である。
【0106】
別の態様では、Mは、IrおよびPtから選択される。
【0107】
態様ではさらに、(Y−Y)は、カルベン配位子である。
【0108】
ホストとして使用される有機化合物の例は、ベンゼン、ビフェニル、トリフェニル、トリフェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ペリレン、アズレンなどの芳香族炭化水素環式化合物からなる群、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジルインドール、ピロロジピリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、オキサトリアゾール、ジオキサゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、オキサジン、オキサチアジン、オキサジアジン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、インドキサジン、ベンゾキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾフロピリジン、フロジピリジン、ベンゾチエノピリジン、チエノジピリジン、ベンゾセレノフェノピリジンおよびセレノフェノジピリジンなどの芳香族複素環式化合物からなる群、および芳香族炭化水素環式基および芳香族複素環基から選択される同一型または異なる型の基であり、直接に、または、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、シリコン原子、リン原子、ホウ素原子、鎖構造単位および脂肪族環式基の少なくとも1つを経由して互いに結合されている2から10の環式構造単位からなる群から選択される。ここで、各基は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択される置換基によってさらに置換されている。
【0109】
一態様では、ホスト化合物は、分子中に以下の基の少なくとも1つを含む。
【化39】

【0110】
からRは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から独立して選択され、アリールまたはヘテロアリールである場合、上に言及したAr′と同様の定義である。
【0111】
kは、0から20までの整数である。
【0112】
からXは、C(CHを含む)またはNから選択される。
およびZは、NR、OまたはSから選択される。
【0113】
HBL:
正孔遮断層(HBL)は、発光層を離れる正孔および/または励起子の数を減少させるために使用することができる。遮断層を欠いた同様の素子と比較して、素子中に遮断層が存在すると、効率が実質的に高くなり得る。また、遮断層は、OLEDの所望の領域に放出を閉じ込めるために用いることができる。
【0114】
一態様では、HBLに使用される化合物は、上記のホストとして使用される同じ分子または同じ官能基を含む。
【0115】
別の態様では、HBLに使用される化合物は、分子中に以下の基の少なくとも1つを含む。
【化40】

【0116】
kは、0から20までの整数であり、Lは補助配位子であり、mは、1から3までの整数である。
【0117】
ETL:
電子輸送層(ETL)は、電子を輸送することができる材料を含むことができる。電子輸送層は、本来備わっているもの(ドープしていない)か、またはドープされていてもよい。ドーピングは伝導性を増強するために使用することができる。ETL材料の例は特に限定されず、それらが電子を輸送するために通常使用される限り、任意の金属錯体または有機化合物が使用されてもよい。
【0118】
一態様では、ETLに使用される化合物は、分子中に以下の基の少なくとも1つを含む。
【化41】

【0119】
は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択され、アリールまたはヘテロアリールである場合、上に言及したAr′と同様の定義である。
【0120】
ArからArは、上に言及したAr′と同様の定義である。
【0121】
kは、0から20までの整数である。
【0122】
からXは、C(CHを含む)またはNから選択される。
【0123】
別の態様では、ETLに使用される金属錯体は、下記一般式を含むが、これに限定されない。
【化42】

【0124】
(O−N)または(N−N)は、原子O、NまたはN、Nに金属を配位させる二座配位子である。Lは補助配位子であり、mは、金属に結合し得る配位子の1から最大数までの整数値である。
【0125】
OLED素子の各層に使用される任意の上記化合物では、水素原子を部分的にまたは完全に重水素化することができる。
【0126】
本明細書に開示される材料の他に、および/または、それと組み合わせて、多くの正孔注入材料、正孔輸送材料、ホスト材料、ドーパント材料、励起子(exiton)/正孔遮断層材料、電子輸送および電子注入材料が、OLEDに使用されてもよい。本明細書に開示される材料と組み合わせてOLEDに使用されてもよい材料の非限定的な例を、以下の表4に挙げる。表4は、非限定的な種類の材料、各種類の非限定的な化合物の例、および材料を開示している参考文献を挙げる。
【0127】
【表7】

【0128】
【表8】

【0129】
【表9】

【0130】
【表10】

【0131】
【表11】

【0132】
【表12】

【0133】
【表13】

【0134】
【表14】

【0135】
【表15】

【0136】
【表16】

【0137】
【表17】

【0138】
【表18】

【0139】
【表19】

【0140】
【表20】

【0141】
【表21】

【0142】
【表22】

【0143】
【表23】

【0144】
【表24】

【0145】
【表25】

【0146】
【表26】

【0147】
【表27】

【0148】
【表28】

【0149】
【表29】

【0150】
【表30】

【0151】
【表31】

【0152】
実験
【0153】
この文書の全体にわたって使用される化学の短縮形は以下のとおりである。dbaはジベンジリデンアセトンであり、EtOAcは酢酸エチルであり、dppfは1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンであり、DCMはジクロロメタンであり、SPhosはジシクロヘキシル(2′,6′−ジメトキシ−[1,1′−ビフェニル]−3−イル)ホスフィンであり、THFはテトラヒドロフランである。
【0154】
化合物1の合成
【化43】

【0155】
2−ブロモトリフェニレン(7.28g、23.70mmol)のエーテル(50mL)中懸濁液に、−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン中溶液(14.81mL、23.70mmol)を滴下添加した。その懸濁液を0℃まで徐々に暖め、3時間撹拌して、トリフェニレニルリチウム溶液が得られた。別個のフラスコにおいて、3−ブロモフェニルリチウムの溶液を、n−ブチルリチウムのヘキサン中溶液(14.81mL、23.70mmol)の1,3−ジブロモベンゼン(2.87mL、23.70mmol)のエーテル(50mL)中溶液への滴下添加によって調製した。溶液を2.5時間この温度で撹拌し、次に−78℃でジクロロジフェニルシラン(4.88mL、23.70mmol)のエーテル(30mL)中溶液に移した。さらに2時間撹拌した後、上で調製したトリフェニレニルリチウム溶液を、ジクロロフェニルシランを含むフラスコ中へ滴下導入した。反応混合物を室温に徐々に暖め、終夜撹拌した。この混合物を水でクエンチし、有機相を単離した。溶媒を蒸発させ、残渣は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって溶離液としてヘキサン/DCM(85/15,v/v)を用いて精製し、白色粉末の(3−ブロモフェニル)ジフェニル(トリフェニレン−2−イル)シラン(8.5g,75%)を得た。
【0156】
【化44】

【0157】
ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イルボロン酸(1.573g、6.90mmol)、(3−ブロモフェニル)ジフェニル(トリフェニレン−2−イル)シラン(3,5.30mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.106mmol)、SPhos(0.087g、0.212mmol)およびKPO(3.38g、15.91mmol)のトルエン(50mL)および水(7mL)中溶液を、窒素下100℃で終夜撹拌した。室温にまで冷却した後、有機相を単離し、水相をDCMで抽出し、合わせた有機溶液はNaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させて、残渣は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって溶離液としてヘキサン/ジクロロメタン(dichlromethane)(9/1から8.5/1.5、v/v)を用いて精製し、白色固形物の化合物1(2.4g、68%)を得た。
【0158】
化合物2の合成
【0159】
【化45】

【0160】
(3−ブロモフェニル)ジフェニル(トリフェニレン−2−イル)シラン(2.9g、5.13mmol)、ジベンゾ[b,d]フラン−4−イルボロン酸(1.196g、5.64mmol)、Pd(dba)(0.094g、0.10mmol)、SPhos(90mg、0.22mmol)およびKPO(2.72g、12.82mmol)のトルエン(150mL)および水(10mL)中溶液を窒素下で終夜還流した。溶媒を留去した後、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって溶離液としてヘキサン/DCM(4/1、v/v)を用いて精製し、白色固形物の化合物2(1.5g、44%)を得た。
【0161】
化合物3の合成
【化46】

【化47】

【0162】
(3−ブロモフェニル)ジフェニル(トリフェニルエン−2−イル)シラン(3.52g、6.22mmol)、9H−カルバゾール(1.249g、7.47mmol)、Pd(dba)(0.114g、0.124mmol)、SPhos(0.102g、0.249mmol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(1.794g、18.67mmol)のm−キシレン(100mL)中混合物を窒素下で終夜還流した。室温に冷却した後、セライト(登録商標)の筒に通して濾過した。有機溶液を濃縮し、残渣は、カラムシリカゲルクロマトグラフィーによって溶離液としてヘキサン/DCM(85/15、v/v)を用いて、またメタノール中の沈澱によって精製し、白色の粉末の化合物3(3.5g、86%)を得た。
【0163】
化合物4の合成
【化48】

【0164】
(3−ブロモフェニル)ジフェニル(トリフェニレン−2−イル)シラン(3g、5.30mmol)、9H−3,9′−ビカルバゾール(2.116g、6.37mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.106mmol)、SPhos(0.087g、0.212mmol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(1.529g、15.91mmol)のm−キシレン(100mL)中混合物を165℃で窒素下で終夜還流した。室温に冷却した後、セライト(登録商標)の短い筒に通して濾過した。溶媒を留去し、残渣は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって溶離液としてヘキサン/DCM(8/2から3/1、v/v)を用いて精製し、白色固形物の化合物4(4.0g、92%)を得た。
【0165】
化合物5の合成
【化49】

【0166】
(3−ブロモフェニル)ジフェニル(トリフェニレン−2−イル)シラン(2.5g、4.42mmol)、9−フェニル−9H,9′H−3,3′−ビカルバゾール(1.806g、4.42mmol)、Pd(dba)(0.081g、0.088mmol)、SPhos(0.073g、0.177mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(1.274g、13.26mmol)のm−キシレン(80mL)中溶液を窒素下で終夜還流した。室温に冷却した後、セライト(登録商標)の短い筒に通した。溶媒を留去し、残渣は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって溶離液としてヘキサン/DCM(4/1から3/2、v/v)を用いて精製し、白色粉末の化合物5を得た。
【0167】
比較化合物1(CC−1)の合成
【化50】

【0168】
2−ブロモトリフェニレン(3.4g、11.1mmol)をEtO(100mL)に溶解し、−78℃にまで冷却し、次にn−BuLi(4.9mL、12.1mmol)を滴下添加した。反応混合物をゆっくり−0℃にまで暖め、30分間撹拌し、次に−78℃にまで再冷却した。EtO20mL中のジフェニルジクロロシラン(1.1mL、5.3mmol)を、反応混合物に滴下添加した。室温にまでゆっくり終夜温めた後、高粘度の混合物を3時間還流した。室温に冷却した後、水300mLを高速で撹拌しながら添加し、沈殿物は二相混合物から濾過し、EtOで洗浄した。固形物はDCMに溶解し、フリット上のシリカゲルの筒に通して濾過した。溶媒の除去によって白色固形物のCC−1(2.4g、72%)が得られた。
【0169】
比較化合物2(CC−2)の合成
【化51】

【0170】
2−ブロモトリフェニレン(5.5g、14.3mmol)をTHF(50mL)に溶解し、−78℃にまで冷却し、次にn−BuLi(5.7mL、14.3mmol)を滴下添加した。−30℃にまでで反応物混合物をゆっくり暖め、次に再度−78℃にまで冷やした。クロロトリフェニルシラン(3.8g、13.0mmol)をTHF20mLに溶解し、反応混合物に滴下添加し、続いてゆっくり室温にまで終夜暖め、40℃にまで2時間さらに加熱した。室温にまで冷却した後、反応物はMeOHおよびNHCl(水性)でクエンチし、EtOAc(50mL)で3回抽出し、乾燥し、回転蒸発させて、7.8gの黄色の固体を得た。目の粗い材料をシリカクロマトグラフィーにかけ溶離液としてヘキサン/DCM(9/1、v/v)を用いた。DCM/ヘキサンからの再結晶化により、白色の結晶性固体のCC−2(5.5g、87%)を得た。
【0171】
本明細書に記載された様々な実施形態は、単なる例であり、本発明の範囲を限定することを意図しないことを理解されたい。例えば、本明細書に記載された材料および構造の多くは、本発明の趣旨を逸脱することなく、他の材料および構造で置換することができる。したがって、請求する本発明は、当業者に明白であるように、本明細書に記載された特定の例および好ましい実施形態からの変形を含み得る。本発明の作用について説明する様々な理論は、限定するようことを意図しないことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、ArおよびAr′は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランからなる群から独立して選択され、これは、場合によってさらに置換されていてもよく;
Zは、SiおよびGeから選択され;
Lは、単結合であるか、または炭素原子が5〜20個のアリールもしくはヘテロアリール基を含み、これは、場合によってさらに置換されていてもよく;
Aは、Zに直接結合した基であり、且つ、トリフェニレン、テトラフェニレン、ピレン、ナフタレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、アザトリフェニレン、アザテトラフェニレン、アザピレン、アザナフタレン、アザフルオランテン、アザクリセン、アザフェナントレン、およびその組み合わせからなる群から選択され、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基でさらに置換されていてもよく;
Bは、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェン、アザジベンゾセレノフェン、およびその組み合わせからなる群から選択される基を含み、これは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせから選択される1個または複数の基でさらに置換されていてもよく;
この場合、置換は、場合によって、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェンまたはアザ−ジベンゾセレノフェン基に縮合していてもよい]を有する化合物。
【請求項2】
Aが
【化2】

[式中、KからK12は、NおよびC−R′から独立して選択され;
ここで、R′は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される]である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Bが、
【化3】

[式中、X〜X15は、NおよびC−R′′からなる群から独立して選択され、
ここで、R′′は、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択され;
ここで、YおよびYは、O、S、およびSeからなる群から独立して選択される]からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Aが、
【化4】

からなる群から選択される請求項に記載の化合物。
【請求項5】
Aが、
【化5】

からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Bが、
【化6】

[式中、Yは、O、S、およびSeからなる群から選択され;
ここで、Rは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択される]からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Lが、
【化7】

からなる群から独立して選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Aがトリフェニレンである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Aがピレンである請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
ArおよびAr′がフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Lがフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
以下のものからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【請求項13】
有機発光素子を含む第1の素子であって、
アノードと
カソードと
式:
【化13】

[式中、ArおよびAr′は、フェニル、ビフェニル、ナフタレン、ジベンゾチオフェンおよびジベンゾフランからなる群から独立して選択され、これらは、場合によって、さらに置換されていてもよく;
Zは、SiおよびGeから選択され;
Lは、単結合であるか、または炭素原子が5〜20個のアリールもしくはヘテロアリール基を含み、これは、場合によって、さらに置換されていてもよく;
Aは、Zに直接結合した基であり、トリフェニレン、テトラフェニレン、ピレン、ナフタレン、フルオランテン、クリセン、フェナントレン、アザトリフェニレン、アザテトラフェニレン、アザピレン、アザナフタレン、アザフルオランテン、アザクリセン、アザフェナントレン、およびその組み合わせからなる群から選択され、こらは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アリール、アリールオキシ、およびその組み合わせからなる群から選択される1個または複数の基でさらに置換されていてもよく;
Bは、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェン、アザジベンゾセレノフェンおよびその組み合わせからなる群から選択される基を含み、これらは、場合によって、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせから選択される1個または複数の基でさらに置換されていてもよく;
この場合、置換は、場合によって、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、アザ−カルバゾール、アザ−ジベンゾフラン、アザ−ジベンゾチオフェンまたはアザジベンゾセレノフェン基に縮合していてもよい]を有する化合物を含むアノードとカソードとの間に配置された有機層をさらに含む素子。
【請求項14】
有機層が発光層であり、かつ式Iの化合物がホストである請求項13に記載の第1の素子。
【請求項15】
有機層が発光ドーパントをさらに含む請求項13に記載の第1の素子。
【請求項16】
請求項15に記載の第1の素子であって、発光ドーパントが、
【化14】

【化15】

[式中、R、RおよびRは、モノ、ジ、トリまたはテトラ置換を表してもよく;
ここで、R、RおよびRは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から独立して選択され;
ここで、R、RおよびRの2つの隣接する置換基は、場合によって、結合して縮合環を形成してもよい]からなる群から選択される少なくとも1個の配位子を有する遷移金属錯体である素子。
【請求項17】
請求項15に記載の第1の素子であって、発光ドーパントが、式
【化16】

[式中、Dは、五または六員の炭素環式またはヘテロ環式環であり;
ここで、R、RおよびRは、独立して、モノ、ジ、トリまたはテトラ置換を表し;
ここで、R、RおよびRのそれぞれは、水素、重水素、ハライド、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、シリル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトリル、イソニトリル、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、ホスフィノ、およびその組み合わせからなる群から選択され;
ここで、Rは、場合によって、環Dに連結していてもよく;
ここで、nは、1、2または3であり;
また、ここで、X−Yは別の配位子である]を有する素子。
【請求項18】
請求項13に記載の第1の素子であって、素子が非発光層である第2の有機層をさら含み、かつ式Iの化合物が第2の有機層中の材料である素子。
【請求項19】
請求項18に記載の第1の素子であって、第2の有機層が遮断層であり、かつ式Iの化合物が第2の有機層中の遮断材料である素子。
【請求項20】
請求項18に記載の第1の素子であって、第2の有機層は電子輸送層であり、かつ式Iの化合物が第2の有機層中の電子輸送材料である素子。
【請求項21】
消費者製品である請求項13に記載の第1の素子。
【請求項22】
有機発光素子である請求項13に記載の第1の素子。
【請求項23】
照明パネルを含む請求項14に記載の第1の素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−103937(P2013−103937A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−249057(P2012−249057)
【出願日】平成24年11月13日(2012.11.13)
【出願人】(503055897)ユニバーサル ディスプレイ コーポレイション (61)
【Fターム(参考)】