説明

トリ(シクロ)置換アミドグルコキナーゼ活性化化合物

式(I):


の化合物、またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体は、高血糖および糖尿病の予防および治療に有用である。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(背景技術)
本発明は、トリ(シクロ)置換アミド化合物を対象とする。特に、本発明は、グルコキナーゼのモジュレーターであって、高血糖およびII型糖尿病における予防または治療に有用である、i)窒素含有6員ヘテロアリール環および飽和または不飽和環に連結するエチル/エテニルを有するカルボニル炭素で、ii)ヘテロアリール環に有する窒素を含むアミノで、置換されたアミド化合物を対象とする。
【0002】
グルコキナーゼ(GK)は、血漿グルコースレベルを体内で制御するのに重要であると考えられる。主に肝臓および膵臓で見出されているGKは、グルコースの初期代謝を触媒する4つのヘキソキナーゼのうちの一つである。該GK経路は、他のヘキソキナーゼ経路より高いグルコースレベルで飽和される[参照、R.L. Printz et al., Annu. Rev. Nutr., 13:463-496(1993)]。GKは、哺乳類のグルコースバランスを維持するのに重要である。GKを発現しない動物は、糖尿病で誕生後まもなく死に至り、一方、GKを過剰発現した動物は、耐糖能障害となる。GKの活性化は、高インスリン性低血糖に導くことができる。[例えば、H.B.T. Christesen et al., Diabetes, 51:1240-1246(2002)を参照]。さらに、II型若年発症型成人型糖尿病は、GK遺伝子内で機能的突然変異の欠損によって引き起こされ、この事はGKがヒトにおいて、グルコースセンサーとして作用することを示唆する[Y. Liang et al., Biochem. J. 309:167-173(1995)]。従って、GKを活性化する化合物は、該GKの感覚系の感受性を増加し、高血糖、特にII型糖尿病に関連する高血糖の治療に有用であり得る。それ故、糖尿病を治療するためにGKを活性化する新規化合物を提供するのが望ましい。
【0003】
国際特許公報 WO2001044216 および米国特許第6353111号は、GK活性化剤として、(E)−2,3−ジ置換−N−ヘテロアリールアクリルアミド類を記載している。国際特許公報 WO2002014312 および米国第6369232号、第6388088号、第6441180号は、テトラゾリルフェニルアセトアミドGK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2000058293、欧州特許出願 EP1169312 および米国特許第6320050号は、アリールシクロアルキルプロピオナミドGK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2002008209 および米国特許第6486184号は、抗糖尿病剤として、アルファ−アシルおよびアルファ−ヘテロ原子置換ベンゼンアセトアミドGK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2001083478 は、ヒダントイン含有GK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2001083465 および米国特許第6388071号は、アルキニルフェニルヘテロ芳香環GK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2001085707 および米国特許第6489485号は、パラ−アミン置換フェニルアミンGK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2002046173 および米国特許第6433188号、第6441184号、および第6448399号は、縮環ヘテロ芳香族GK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2002048106 および米国特許第6482951号は、イソインドリン−1−オンGK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2001085706 は、II型糖尿病の治療のための置換フェニルアセトアミドGK活性化剤を記載している。米国特許第6384220号は、パラ−アリールまたはヘテロアリール置換フェニルGK活性化剤を記載している。フランス特許第2834295号は、ヒトGKの精製および結晶構造のための方法を記載し、GKリガンドとして、3−シクロペンチル−2−ピリジン−4−イル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミドを公開している。国際特許公報 WO2003095438は、本出願の優先日以降に公開され、N−ヘテロアリールフェニルアセトアミドおよびII型糖尿病の治療のためのGK活性化剤である関連化合物を記載している。米国特許第6610846号GK活性化剤として、シクロアルキルへテロアリールプロピオナミドの製造法を記載している。国際特許公報 WO2003000262 は、ビニルフェニルGK活性化剤を記載している。国際特許公報 WO2003000267 は、GKモジュレーターとして、アミノニコチン酸誘導体を記載している。国際特許公報 WO2003015774 は、本出願の優先日以降に公開され、GKモジュレーターである化合物を記載している。国際特許公報 WO2003047626 は、本出願の優先日以降に公開され、II型糖尿病の治療のためのグルカゴンアンタゴニストと組み合わせて、GK活性化剤の使用法を記載している。国際特許公報 WO2003055482 は、本出願の優先日以降に公開され、GK活性化剤として、アミド誘導体を記載している。国際特許公報 WO2003080585 は、本出願の優先日以降に公開され、糖尿病および肥満の治療のためのGK活性を有するアミノベンズアミド誘導体を記載している。国際特許公報 WO2003097824 は、本出願の優先日以降に公開され、ヒト肝臓GK結晶およびそれらの構造に基づくドラッグデザインの使用法を記載している。国際特許公報 WO2004002481 は、本出願の優先日以降に公開され、GK活性化剤としてアリールカルボニル誘導体を開示している。
【0004】
(発明の概要)
式(I):
【化1】

で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体は、高血糖およびII型糖尿病の予防または治療に有用である。
【0005】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式(I):
【化2】

[式中、
1、A2、A3、A4およびA5のうち一つは、Nであって、他の一つはC−R5であり、他の一つはC−R6であって、その他の二つは独立してNであるか、またはCHであり;
Qは、C3-8シクロアルキル環、5−または6−員ヘテロアリール環、または4〜8−員複素環であり;
Tは、−N=C−と一緒になって、ヘテロアリール環を形成するか、またはN=C結合のみが不飽和部である複素環を形成するように連結して;
1およびR2は、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ビニル、エチニル、メトキシ、OCFn3-n、−N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、CHO、またはC1-2アルキル[1〜5個の独立したハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、メトキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SOCH3、またはSO2CH3置換基で適宜置換されていてもよく]であり;または
1およびR2は、一緒になって炭素環または複素環を形成し;もしくは
1およびR2は、一緒になって二重結合を介して、環と連結する酸素原子を示していてもよく;
3およびR4は、各々独立して、水素、ハロゲン、OCFn3-n、メトキシ、CO277、シアノ、ニトロ、CHO、CONR99100、CON(OCH3)CH3、または1〜5個の独立したハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、メトキシ、−NHCO2CH3、または−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換されたC1-2アルキル、ヘテロアリール、またはC3-7シクロアルキルであり;または
3およびR4は、一緒になって5〜8−員芳香環、ヘテロ芳香環、炭素環、または複素環を形成し;
5およびR6は、各々独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CO27、CHO、COR8、C(OH)R78、C(=NOR7)R8、CONR910、SR7、SOR8、SO28、SO2NR910、CH2NR910、NR910、N(C0-4アルキル)SO28、NHCOR7、またはそれらいずれかの基が、1〜6個の独立したハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1-2アルコキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、C1-2アルキル、CFn3-n、アリール、ヘテロアリール、−COC1-2アルキル、−CON(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SCH3、SOCH3、SO2CH3、または−SO2N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換されたC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C1-4アルコキシ基、アリール基、またはヘテロアリール基であり;または
5およびR6は、一緒になって、5〜8−員炭素環または複素環を形成して;
7およびR77は、各々独立して、水素、または1〜6個の独立したハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1-2アルコキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、C1-2アルキル、C3-7シクロアルキル、4〜7−員複素環、CFn3-n、アリール、ヘテロアリール、CO2H、−COC1-2アルキル、−CON(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SOCH3、SO2CH3、または−SO2N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換されたC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-7シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基または4〜7−員複素環基であり;
8は、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-7シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または4〜7−員複素環基であって、それらいずれかの基が、1〜6個の独立したハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1-2アルコキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、C1-2アルキル、C3-7シクロアルキル、4〜7−員複素環、CFn3-n、アリール、ヘテロアリール、CO2H、−COC1-2アルキル、−CON(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SOCH3、SO2CH3、または−SO2N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換されていてもよく;
9、R10、R99、およびR100は、各々独立して、水素、またはC1-4アルキル基、C3-7シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または4〜7−員複素環基であり、それらいずれかの基は1〜6個の独立したハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1-2アルコキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、C1-2アルキル、C3-7シクロアルキル、4〜7−員複素環、CFn3-n、アリール、ヘテロアリール、−COC1-2アルキル、−CON(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SOCH3、SO2CH3、または−SO2N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)のいずれかの置換基で置換されていてもよく;または
9およびR10、またはR99およびR100は、一緒になって、6〜8−員ヘテロ二環系または4〜8−員複素環を形成して、適宜1〜2個の独立したC1-2アルキル、CH2OCH3、COC0-2アルキル、ヒドロキシ、またはSO2CH3置換基で適宜置換され;
nは、1、2、または3であり;
mは、0または1であり;
点線と実線が一緒になって、適宜二重結合を形成して、Δは、二重結合が(E)−配置である事を示し;
但し、式(I)は、3−シクロペンチル−2−ピリジン−4−イル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミドを表さない]
の化合物を対象とする。
【0006】
点線と実線が一緒になって、単結合を形成するなら、アリール環およびQを有する側鎖とカルボニル炭素を連結する炭素原子は不斉中心である。それに応じて、該化合物はラセミ体か、または(R)−または(S)−配置の単一のエナンチオマーとして存在し得る。(R)−エナンチオマーが、好適である。
【0007】
本発明の一態様として、式(Ia):
【化3】

[式中、A1〜A5、Q、T、R1〜R4、mおよびΔは、式(I)と同義である]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0008】
第一の観点における一態様として、本発明は、式(Ia):
[式中、A3がC−R5であり、A4がC−R6であり、A1、A2およびA5のうち一つがNであって、他の二つがCHである]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0009】
第一の観点における他の態様として、本発明は、式(Ia):
[式中、
3がC−R5であり、A4がC−R6であり、A1、A2およびA5のうち一つがNであって、他の二つがCHであり;
Qは、C3-8シクロアルキル環である]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0010】
第一の観点における他の態様として、本発明は、式(Ia):
[式中、
3がC−R5であり、A4がC−R6であり、A1、A2およびA5のうち一つがNであり、他の二つがCHであり;
Qは、4〜8−員複素環である]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0011】
第一の観点における他の態様として、本発明は、式(Ia):
[式中、A3がC−R5であり、A4がNであり、A1、A2およびA5のうち一つがNであり、他の二つがCHである]
表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0012】
第一の観点における他の態様として、本発明は、式(Ia):
[式中、
3がC−R5であり、A4がNであり、A1、A2およびA5のうち一つがNであり、他の二つがCHであり;
Qが、C3-8シクロアルキル環である]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0013】
第二の観点における一態様として、本発明は、式(Ib):
【化4】

[式中、A1〜A5、Q、T、R1〜R4、およびmは、式(I)と同義である]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0014】
第二の観点における他の態様として、本発明は、式(Ib):
[式中、A3がC−R5であり、A4がC−R6であり、A1、A2およびA5のうち一つがNであって、他の二つがCHである]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0015】
第二の観点における他の態様として、本発明は、式(Ib):
[式中、
3がC−R5であり、A4がC−R6であり、A1、A2およびA5のうち一つがNであって、他の二つがCHであり;
Qが、C3-8シクロアルキル環である]
で表される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を対象とする。
【0016】
式(I)の化合物の分子量は、好ましくは800以下であり、より好ましくは600以下であり、最も好ましいのは500以下である。
【0017】
本発明において、A1およびA5は、好ましくはCHである。
【0018】
本発明において、A2は、好ましくはNである。
【0019】
本発明において、A3は、好ましくはC−R5である。
【0020】
本発明において、A4は、好ましくはC−R6またはNであり;
より好ましくはC−R6である。
【0021】
本発明において、Qは、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−オキソ−テトラヒドロチオピラニル、または1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオピラニルであり;
より好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−テトラヒドロピラニル、または4−テトラヒドロチオピラニルであり;
最も好ましいのは、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0022】
Qが、ヘテロアリールまたは複素環基であるとき、好ましくは炭素原子を介した−(CH2m−基と連結する。
【0023】
Qが、ヘテロアリール基であるとき、好ましくは−(CH2m−基と連結する点に隣接する位置で、置換基R1またはR2が、水素以外を有さない。
【0024】
本発明において、式:
【化5】

で示される基が、好ましくは単環式ヘテロアリール基である。より好ましくは、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、またはピリジルがよく;
より好ましくは、2−チアゾリル、5−[1,2,4]チアジアゾリル、2−[1,3,4]チアジアゾリル、4−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−イソキサゾリル、または2−ピリジルであり;
最も好ましくは、2−チアゾリル、5−[1,2,4]チアジアゾリル、または2−ピリジルである。
【0025】
より好ましくは、式:
【化6】

で示される基が、2−チアゾリルであり、例えば、R3が5−フルオロのような5−ハロであり、R4が水素である2−チアゾリルである。
【0026】
本発明において、R1およびR2は、好ましくは水素である。
【0027】
本発明において、好ましくは、R3が水素、ハロゲン、C1-2アルキル、またはトリフルオロメチルであり;
より好ましくは、水素、メチル、フルオロ、クロロまたはブロモがよく;
さらにより好ましくは、水素、フルオロ、またはクロロがよく;
最も好ましくは、水素またはフルオロである。
【0028】
本発明において、好ましくは、R4が水素またはメチルであり;
より好ましくは、水素である。
【0029】
本発明において、好ましくは、R5がCF3、SOR8、SO28、SO2NR910、NHSO28、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり;
より好ましくは、SOR8、SO28、SO2NR910、またはNHSO28がよく;
最も好ましいのは、SOR8またはSO28である。
【0030】
本発明において、好ましくは、R6が水素、クロロ、フルオロ、またはトリフルオロメチルであり;
より好ましくは、水素である。
【0031】
本発明において、好ましくは、R7、R77、およびR8が、C1-4アルキル、
3-7シクロアルキル、ヘテロアリール、または4〜8−員複素環基であり;
より好ましくは、C1-4アルキルまたはC3-7シクロアルキルがよい。
【0032】
本発明において、好ましくはR9およびR10が、C0-4アルキルまたは4〜8員複素環を形成するように連結する。
【0033】
本発明において、好ましくはR99およびR100が、C0-4アルキルである。
【0034】
本発明において、好ましくは、mが0である。
【0035】
本発明において、好ましくは、nが2または3である。
【0036】
述べられ得る該発明の具体的な化合物、およびその医薬的に許容される塩またはN−オキシド体は、実施例で記載される。
【0037】
各基について好ましい種類について、一般的にそれぞれ別々に列記したが、本発明の好適な化合物は、式(I)のいくつかまたは各々の種類について、好ましいもの、より好ましいもの、最も好ましいもの、あるいは特別に列記したものなどの群から選択されるものを含む。従って、本発明は、挙げられた群の好ましいもの、より好ましいもの、最も好ましいもの、特記したものの全ての組合せを含むものである。
【0038】
本明細書で用いる際、特に断らない限り、「アルキル」ならびに接頭辞「アルカ(alk)」を有する他の基は、例えば、アルコキシ、アルカニル、アルケニル、アルキニルなどであり、直線または分枝状もしくはそれらを組合せ得る炭素鎖を意味する。アルキル基の具体例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec- および tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等を含む。「アルケニル」、「アルキニル」および他の類似語は、少なくとも一つの不飽和炭素−炭素結合を有する炭素鎖を含む。
【0039】
本明細書で用いる際、例えば、「C0-4アルキル」は、0〜4個の炭素(すなわち、直鎖または分枝鎖配置において、0、1、2、3、または4個の炭素)を有するアルキルを意味するのに用いられる。アルキルが末端基であるとき、炭素を持たないアルキルは、水素である。アルキルが、架橋(連結)基であるとき、炭素を持たないアルキルは、直接結合である。
【0040】
用語「シクロアルキル」および「炭素環」は、ヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、モノ−、ビ−、およびトリ環状飽和炭素環、ならびに縮合および架橋系も含む。当該縮環系は、ベンゾ縮合炭素環のような縮環系を形成するように、部分的またはベンゼン環のような全体が不飽和である一つの環を含む。シクロアルキルは、スピロ縮環系のような縮環系も含む。シクロアルキルおよび炭素環の具体例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル,シクロヘキシル、およびデカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等のC3-8シクロアルキルを含む。
【0041】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を含む。
【0042】
用語「アリール」は、例えば、フェニルおよびナフチルを含む。
【0043】
特に断らない限り、用語「複素環」は、酸素、硫黄および窒素から選択される1または2個のヘテロ原子を含む4〜8−員の飽和された環を包含する。ヘテロ原子は、直接お互い連結しない。複素環の具体例は、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセパン、オキソカン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、チエパン、チオカン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、[1,3]ジオキサン、オキサゾリジン、ピペラジン等を含む。複素環の他の具体例は、硫黄含有環の酸化体を含む。従って、テトラヒドロチオフェン 1−オキシド、テトラヒドロチオフェン 1,1−ジオキシド、テトラヒドロチオピラン 1−オキシド、およびテトラヒドロチオピラン 1,1−ジオキシドもまた複素環であるとみなす。
【0044】
特に断らない限り、用語「ヘテロアリール」は、酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5−または6−員ヘテロアリール環を包含する。当該ヘテロアリール環の具体例は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、またはトリアジニルである。
【0045】
上記の式では、特定の位置での明確な立体化学は示していない。特に記載するか断らない場合を除き、本発明は、全立体異性体(例えば、位置異性体、光学異性体、ジアステレオ異性体など)およびその医薬的に許容される塩またはN−オキシド体を含む。さらに、特に記載するか断らない場合を除き、立体異性体の混合物ならびに単離された特定の立体異性体も含む。当該化合物を合成するのに用いるか、または当業者によって公知のラセミ化もしくはエピメリ化の手順に用いる該合成手順の過程中、当該手順の該生成物は立体異性体の混合物である。特に記載するか断らない場合を除き、上記の式に化合物の互変異性体が存在するとき、本発明は、可能な互変異性体のいずれか、およびその医薬的に許容される塩またはN−オキシド体、およびそれらの混合物を含む。上記の式の化合物およびその医薬的に許容される塩またはN−オキシド体が、溶媒和型または多形型が存在するとき、本発明は、可能な溶媒和型および多形型のいずれかを含む。溶媒和型を形成する溶媒の種類は、薬理学的に許容されるものであれば、特に限定はしない。例えば、水、エタノール、プロパノール、アセトン等が用いられる。
【0046】
式(I)の化合物は、医薬的使用を目的としているので、好ましくは、実質的に純粋な形で提供されるのが好ましく、例えば、少なくとも60%純度であり、より適しているのは少なくとも75%純度で、とりわけ、少なくとも98%純度がよい(%は、重量を基準にした重量)。
【0047】
該発明は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはN−オキシド体、医薬的に許容される担体との組合せからなる医薬組成物も含む。
【0048】
好ましくは、該組成物が医薬的に許容される担体および上記の式(I)の化合物の毒性の出ない治療上の有効量またはその医薬的に許容される塩またはN−オキシド体からなるのがよい。
【0049】
さらに、この好ましい態様として、該発明は、医薬的に許容される担体および上記の式(I)の化合物の毒性が出ない治療上の有効量、またはその医薬的に許容される塩もしくはN−オキシド体からなる、GK活性化による高血糖および糖尿病の予防または治療のための医薬組成物を含む。
【0050】
本発明の化合物および組成物は、哺乳類、例えばヒトにおける高血糖の治療に有効である。
【0051】
該発明は、GKの活性化が式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の治療上の有効量を投与することからなるのが望ましい症状の予防または治療方法についても提供する。
【0052】
該発明は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の治療上の有効量を投与することからなる高血糖または糖尿病の予防または治療方法についても提供する。
【0053】
該発明は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の治療上の有効量を投与することからなる前糖尿病性高血糖または耐糖能障害を示すヒトの糖尿病の予防方法についても提供する。
【0054】
該発明は、GK活性化剤として、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の使用についても提供する。
【0055】
該発明は、高血糖または糖尿病の予防または治療のための式(I)、またはその医薬的に許容される塩の使用についても提供する。
【0056】
該発明は、前糖尿病性高血糖または耐糖能障害を示すヒトの糖尿病の予防のための式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の使用も提供する。
【0057】
該発明は、GKの活性化のための医薬品の製造において、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の使用についても提供する。
【0058】
該発明は、高血糖または糖尿病の予防または治療のための医薬品の製造において、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の使用についても提供する。
【0059】
該発明は、前糖尿病性高血糖または耐糖能障害を示すヒトの糖尿病の予防のための医薬品の製造において、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩の使用についても提供する。
【0060】
本発明の化合物および組成物は、例えば、スルホニル尿素類(例えば、グリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロルプロパミド、グリクラジド、グリソキセピド、アセトヘキサミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、カルブタミド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、トルシクラミド等)、ビグアニド類(例えば、メトフォルミン、フェンフォルミン、ブフォルミン等)、グルカゴンアンタゴニスト(例えば、ペプチドまたは非ペプチドグルカゴンアンタゴニスト)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール等)、インスリン分泌促進物質、インスリン増感剤等(例えば、トログリタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン等)を含む1またはそれ以上の抗糖尿病剤または抗高血糖剤;または、抗肥満剤等(例えば、シブトラミン、オルリスタット等)との組合せで適宜用いられ得る。本発明の化合物および組成物、他の抗糖尿病剤または抗高血糖剤は、同時か、連続か、または分割して投与され得る。
【0061】
用語「医薬的に許容される塩」は、医薬的に許容される無毒の酸または塩基から製造する塩を意味する。本発明の化合物が酸性である場合、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容される無毒の塩基から容易に製造される。アルミニウム、アンモニア、カルシウム、第二銅、第一銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を含む無機塩基から生じる。特に好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩がよい。塩は、1級、2級および3級アミン、ならびに自然発生的および合成アミンのような環状アミンおよび置換アミンの塩を含む医薬的に許容される毒性のない有機塩基から生じる。他の医薬的に許容される毒性のない有機塩は、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミンレジン、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等を含み、塩を形成する事ができる。
【0062】
本発明の化合物が塩基性である場合、その対応する塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される毒性のない酸から簡便に製造することができる、当該酸は、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモイン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等を含む。特に好ましくは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、および酒石酸がよい。
【0063】
本発明の医薬組成物は、活性成分として、式(I)で表される化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはN−オキシド体、医薬的に許容される担体および適宜他の治療成分または補助成分を含む。所定の場合のいずれかにおいて、最も適した経路は、該活性成分を投与するための特定の患者、および該症状の性質ならびに重症度に依存しうるけれども、経口、経腸、局所、および非経口(皮下、筋肉内、および静脈内を含む)投与、ならびに吸入を介する投与に適する組成物を含む。医薬的に許容される組成物は、投与形体の単位で便利に存在し、医薬分野で周知の方法のいずれかによって製造され得る。
【0064】
本発明による該医薬組成物は、好ましくは経口投与が適用される。
【0065】
実際に、本発明の式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体は、従来の医薬配合技術によって、活性成分と医薬担体を密接に混ぜ合わせ、組み合わせることが可能である。該担体は、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)投与のために望まれる製造形体に依存する多様な形体を取りうる。従って、本発明の医薬組成物は、前もって決めた量の活性成分を各々含んだカプセル、小袋(サシェット)または錠剤等を経口投与するのに適する個別の単位として存在する。さらに、該組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、懸濁液として、懸濁水溶液として、非水溶液として、油/水エマルジョンとして、または水/油エマルジョンとして、存在するのが可能である。上で述べた一般的な投与形体に加えて、式(I)で表される該化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体は、コントロール徐放手段および/または送達装置によっても投与され得る。該組成物は、製薬学の方法のいずれかによって製造され得る。一般的に、当該方法は、該活性成分と1またはそれ以上の必要な成分で構成する担体を併せる段階も含む。一般的に、該組成物は、活性成分と液体担体または微粉化した固体担体もしくは両方を均一かつ密接に混ぜ合わせて製造される。該生成物は、次いで所望の形象に都合よく形作られる。
【0066】
従って、本発明の医薬組成物は、医薬的に許容される担体、および式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を含む。式(I)の化合物またはそれらの医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体は、1またはそれ以上の治療上の活性な化合物との組合せにおける医薬組成物も包含する。
【0067】
本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を含む、医薬的に許容されるリポソームの形体を包含する。
【0068】
該医薬的な担体は、例えば、固体、液体、または気体である。固体担体の例では、ラクトース、テラアルバ、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸を含む。液体の担体の例は、糖シロップ、ピーナッツ油、オリーブオイル、および水である。気体の担体の例は、二酸化炭素および窒素を含む。
【0069】
経口投与形体での組成物の製造において、都合の良い医薬的な媒体のいずれかが用いられ得る。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香料剤、保存剤、着色剤等は、懸濁液、エリキシルおよび溶液等の経口液体製剤を形成するのに用いられ;一方、デンプン、糖、微晶化セルロース、希釈液、顆粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の担体は、粉末、カプセルおよび錠剤のような経口固体製剤を形成するのに用いられ得る。投与の平易性のために錠剤およびカプセルは、好適な経口投与単位であり、それ故、固体の医薬的な担体が用いられる。適宜、錠剤は、標準的な水または非水技術によって、コーティングされ得る。
【0070】
本発明の該組成物を含む錠剤は、適宜1またはそれ以上の付帯的な成分または補助剤を用いて、圧縮または成形によって製造され得る。圧縮錠剤は、例えば、粉末または顆粒、適宜、結合剤、滑沢剤、不活性な賦形剤、表面活性または分散剤もしくは他の賦形剤のような自由流動形体における活性成分を適当な機械で圧縮することにより、製造され得る。例えば、これらの賦形剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムのような不活性な賦形剤;例えば、コーンスターチ、またはアルギニン酸のような顆粒剤および崩壊剤;例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシアのような結合剤;および例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような滑沢剤であり得る。錠剤は、コーティングされないものであるか、または分解および胃腸管での吸収を遅延させる公知技術によってコーティングされ得て、それ故、より長い時間作用を持続させる事を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間を遅延させる材料を用いられ得る。
【0071】
ハードゼラチンカプセルにおいて、該活性成分は、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンのような不活性な固体賦形剤と混合させる。ソフトゼラチンカプセルにおいて、該活性成分は、水または、例えば、ピーナッツオイル、流動パラフィンまたはオリーブオイルのような油媒体と混合させる。成形された錠剤は、不活性液体賦形剤で湿らせた該粉末化された化合物の混合物を適当な機械で、成形することによって、作られ得る。各々錠剤は、好ましくは、約0.05mgから約5gの活性成分、および該活性成分を約0.05mgから約5g含む、小袋(サシェット)またはカプセルの各々を含む。
【0072】
例えば、ヒトへの経口投与を対象とした剤形は、約0.5mgから約5gの活性化剤を含み、全組成の約5から約95パーセントに変化させ得る担体材料の適当かつ都合の良い量で混合され得る。単位投与形体は、一般的に約1mgから約2gの活性成分を含み得る。典型的には、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、または1000mgである。
【0073】
非経口投与に適当な本発明の医薬組成物は、水中で、活性な化合物の溶液または懸濁液として製造され得る。適当な界面活性剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどが包含され得る。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油中におけるそれらの混合物で製造される。さらに、保存料は、微生物の有害な成長を防ぐために含まれる。
【0074】
注射に使用するのに適当な本発明の医薬組成物は、滅菌水溶液または分散液を含む。さらに、該組成物は、当該滅菌注射溶液または分散液の即時調整のための滅菌粉末という形体であり得る。全ての場合において、最終的な注射形体は滅菌でなければならず、容易に注射できるために有効な流動性でなければならない。該医薬組成物は、製造および貯蔵の状態で、安定でなければならない;従って、好ましくは、バクテリアおよび菌のような微生物の汚染作用に対して防ぐために保存するべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油、およびそれらの適当な混合物等を含む、溶媒または懸濁媒体である。
【0075】
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、粉剤などのような局所使用に適する形体である。さらに、該組成物は、経皮的な手段で使用するのに適当な形体である。これらの製剤は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を用いて、従来のプロセス方法によって、製造され得る。例として、クリームまたは軟膏は、所望の調度を持つクリームまたは軟膏を製造するため、親水性材料と水を化合物の約5wt%から約10wt%で一緒に混合することによって製造する。
【0076】
本発明の医薬組成物は、該担体が、固体である経腸投与に適する形体である。該混合形体は、坐剤を投与するのが、好ましい。適当な担体は、当技術分野で一般的に用いられるココアバターおよび他の材料を含む。坐剤は、最初に組成物と軟化または溶融した担体を混合し、続いて、冷やし、成形することで簡便に製剤され得る。
【0077】
本発明の医薬組成物は、吸入投与に適する形体であり得る。当該投与は、例えば、1) Particulate Interactions in Dry Powder Formulations for Inhalation, Xian Zeng et al, 2000, Taylor and Francis、2) Pharmaceutical Inhalation Aerosol Technology, Anthony Hickey, 1992, Marcel Dekker, 3) Respiratory Drug Delivery, 1990, Editor: P. R. Byron, CRC Press に記載の担体を用いて、製剤化する。
【0078】
前述の担体成分に加えて、上記の該医薬組成物は、必要に応じて、1またはそれ以上の例えば、希釈液、緩衝液、香料添加剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤、保存料(抗酸化剤を含む)等の付加的な担体成分を包含しうる。さらに、他の補助剤は、対象とする受け手の血液と等張の製剤を提供することを含む。式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体を含む組成物は、粉末または液体濃縮形体で製造され得る。
【0079】
一般的に、1日に体重の約0.01mg/kg〜約150mg/kgの次数での投与量レベルは、上で示した症状の治療において有用であり、代替的には、1日に付、患者に対して、約0.5mg〜約10gがよい。例えば、糖尿病では、約0.01〜100mgの化合物を1日に付、体重のキログラムに対する量、または代替的には、約0.5mg〜約7gを1日に付、患者に対して投与する事によって、有効に治療され得る。
【0080】
しかしながら、特定の患者のいずれかのための具体的な投与レベルは、治療を受ける特定の糖尿病患者において、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄の割合、薬の併用および病気の重症度を含む多様な要因に依存している事が理解される。さらに、本発明の該化合物およびその塩またはN−オキシド体は、高血糖症状の予想において、予防的に必要量以下で投与される。
【0081】
ヒトが、典型的に耐糖能障害または高血糖を示す糖尿病を発現しやすいことは、糖尿病の分野では知られている。従って、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体は、糖尿病の発症を予防するために予防上の有効量を投与する。それに応じて、本発明は、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体の有効量の投与による高血糖の治療方法−および予防上の有効量の投与によるヒトに起こる前糖尿病性高血糖または耐糖能障害における糖尿病の予防方法−を含む。
【0082】
式(I)の化合物は、公知のGK活性化剤と比較して、有利な特性を示しうる。
【0083】
(実験)
本発明に従って、式(Ia)の該α,β−不飽和エナミドは、以下のスキーム1:
【化7】

[式中、
1〜A5、Q、T、R1〜R4、mおよびΔは、上記の通りであり;
11は、C1〜C4アルキルであり;および
1およびX2は、各々独立して、ブロモまたはヨードである]
で説明される手順に従い製造することが可能である。
【0084】
2−ハロアクリレートエステルIIは、低級アルキルエステルのプロピオル酸と有機銅化合物の反応によって得られる、シン付加生成物のハロゲン化によって、すぐに製造される(R. Rossi et al., J. Organomet. Chem., 1993, 451, 3343)。ハロゲン化ヘテロ芳香族種IIIは、市場で入手可能であるか、またはすぐに公知の合成手順を利用して製造される(参照例: R. N. Guthikonda & F. P. DiNinno, 米国特許第5,409,920号; X. Wang et al., Tetrahedron Lett., 2000, 41, 43354338)。化合物IIは、活性化した亜鉛と反応し、アルケニル亜鉛種を生成し、次いで、テトラヒドロフランのような適当な溶媒中、40℃でパラジウム(0)源の存在下、ハライドIIIとクロスカップリングする(WO 01/44216)。生じた(E)−エノエートエステルを例えばメタノール水溶液中、20℃から還流条件で水酸化ナトリウムを用いて、鹸化により、(E)−α,β−不飽和カルボン酸IVへと導いた。
【0085】
α,β−不飽和カルボン酸IVを、多くは市場で入手可能なヘテロ芳香族アミンVと、例えば、ポリマー担持カルボジイミド−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(代表的な手順として、参照 http://www.argotech.com/PDF/resins/ps_carbodiimide.pdf および Argonaut Technologies, Inc., Foster City, カリフォルニアから入手)とN,N−ジメチルホルムアミド中、20℃のような種々のカップリング条件を用いて、(Ia)を得た。
【0086】
式(Ib)の飽和アミドは、以下のスキーム2:
【化8】

[式中、
1〜A5、Q、T、R1〜R4およびmは、上記の通りであり;
Vは、CO211、CO2CH2Ph、またはCNであり;および
3は、クロロ、ブロモ、ヨード、またはOSO212であり;
11は、上記の通りであって、R12は、C1−C4アルキルであり、適宜1またはそれ以上のフッ素で置換されるか、または適宜置換アリールである]
で示した手順を用いて製造される。
【0087】
ハライドおよびスルホネートエステルVIは、市場で入手可能であるか、またはすぐに公知技術を用いて製造される。これらのアルキル化剤を、酢酸エステルまたはアセトニトリルVIIを、例えば、リチウムジイソプロピルアミド(WO 00/58293)のような強塩基を用いて、テトラヒドロフラン中、−78℃で生成する酢酸エステルまたはアセトニトリルVIIのα−カルバニオンと反応し、α−置換エステルおよびニトリルを得た。カルボン酸VIIIは、α−置換エステルを、例えば水酸化ナトリウムを用い、メタノール水溶液で、20℃から還流にて鹸化によって、α−置換ニトリルを、例えば硫酸水溶液で高温にて加水分解することによって得られる(R. Adams and A. F. Thal, Org. Synth. Coll. Vol. 1, 436)。
【0088】
カルボン酸VIIIを、多くは市場で入手可能なヘテロ芳香族アミンVと、例えば、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(R. Knorr et al., Tetrahedron Lett., 1989, 30, 19271930)、N,N−ジメチルホルムアミド中、20℃のような種々のカップリング条件を用いて縮合し、(Ib)を得た。
【0089】
式(Ib)の化合物は、アミドカルボニル炭素、アリール環、およびQ−含有側鎖を相互に連結する不斉炭素原子を有する。本発明に従って、不斉炭素での好適な立体配置は、(R)である。
【0090】
式(Ib)の化合物のピュアな(R)−または(S)−立体異性体の単離を望むなら、キラルなカルボン酸前駆体VIIIのラセミ体混合物を従来の化学的手法のいずれかによって分割する事が可能であり、次いで、エナンチオピュアなカルボン酸と式Vのアミンをごく僅かなラセミ化しか引き起こさない試薬を用いて縮合する。例として、ラセミ体VIIIをキラルなオキサリジノン誘導体と縮合させることができ(参照例、F. T. Bizzarro et al. WO 00/58293)、従来の方法(例えば、カラムクロマトグラフィー)のいずれかによって分離可能であるジアステレオ異性体であるイミド体の混合物を生成する。ピュアなイミドの加水分解により、立体的にピュアな(R)−および(S)−カルボン酸を得て、次いで、キラル中心のラセミ化を最小限にする試薬(例えば、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(J. Coste et al. Tetrahedron Lett. 1990, 31, 205208)を用いて、ヘテロ環状アミンVと縮合することができ、エナンチオピュアな式(Ib)の(R)−または(S)−アミドを得る。代替的に、式(Ib)のアミドのラセミ体混合物を、例えば、ダイセル化学工業株式会社(東京、日本)から購入可能なキラル固定相を用いるキラル高速液体クロマトグラフィーによって分離することができる。さらに、式(I)の化合物の製造の詳細は、実施例に見出される。
【0091】
式(I)の化合物は、一つずつ製造しうるか、または少なくとも2、例えば5から1000の化合物であり、より好ましくは10から100の式(I)の化合物からなる化合物ライブラリーによって製造され得る。化合物ライブラリーは、当業者によって公知の手順を用い、溶液または固相化学を用いて、コンビナトリアルな「スプリット&ミックス」法または多重パラレル合成によって製造され得る。
【0092】
式(I)の化合物の合成の間、中間体化合物の不安定な官能基(例えば、ヒドロキシ、カルボキシおよびアミノ基)は、保護され得る。該保護基は、式(I)の化合物の合成において、いずれかの工程で除去され得るか、または式(I)の最終化合物まで存在し得る。種々の不安定な官能基を保護する方法、および生じた保護誘導体を開裂する方法における総合的な議論は、例えば、Protective Groups in Organic Chemistry, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, (1991) Wiley-Interscience, New York, 2nd edition. 中に与えられる。
【0093】
上記と同義である新規な中間体のいずれかも、発明の範囲内に含まれる。
【0094】
さらに、発明の一態様として、式(IV):
【化9】

[式中、A1〜A5、Q、R1、R2、mおよびΔは、式(I)に記載の通りである]
の化合物を提供する。
【0095】
さらに、発明の態様として、式(VIII):
【化10】

[式中、A1〜A5、Q、R1、R2およびmが、式(I)の記載通りである]
の化合物を提供する。
【0096】
式(IV)および(VIII)の化合物中の種々の置換基にとって、好適なものは、上記と同義である式(I)の化合物である。
【0097】
式(IV)および(VIII)の具体的な化合物は、製造法に記載のものに含まれる。
【0098】
すべての刊行物は、これに限らないが、特許および特許出願は本明細書に引用され、それぞれ個々の刊行物の十分な説明を用い、本明細書に参照によって引用し、具体的かつ個別に説明するように参照によって本明細書に引用する。
【0099】
(材料と方法)
マイクロ波反応は、100Wで、CEM Explorer system を用いて実施した。カラムクロマトグラフィーは、SiO2(40−63メッシュ)を用いて実施した。LCMSデータは、二つの方法のうち一つを用いて得た:
方法A:Waters Symmetry 3.5μC18カラム(2.1×30.0mm、流速=0.8mL 分-1)を用い、0.1%HCO2H含有[(5%MeCN水)−MeCN溶液]で6分かけて溶離し、220nmでUV検出した。グラジエント情報:0.0−1.2分:100%(5%MeCN水);1.2−3.8分:10%(5%MeCN水)−90% MeCNに増加;3.8−4.4分:10%(5%MeCN水)−90% MeCNで保ち;4.4−5.5分:100% MeCNに増加;5.5−6.0分:100%(5%MeCN水)に戻す。
方法B:Phenomenex Mercury Luna 3μC18カラム(2.0×10.0mm、流速=1.5mL/分)、0.1%HCO2H含有[(5%MeCN水)−MeCN溶液(4:1〜1:4)]で2.95分かけて溶離し、ダイオードアレイ検出を用いた。
方法AおよびBの両方のマススペクトルは、正イオン(ES+)または負イオン(ES-)形式での電子イオン化スプレー法を用いて得た。
原子圧力化学イオン化(APCI)スペクトルは、FinniganMat SSQ 7000C を用いて得た。
以下の化合物の合成は、以前に報告されている:ビス(tert−ブチル)(5−ブロモ−2−ピリジニル)イミドジカーボネート:D. J. P. Pinto et al., 米国特許出願第6,020,357号;5−ブロモ−2,3−ジクロロピリジン:EP 0136593;5−ブロモ−2−エチルスルファニルピリジン:WO 01/44243;2−ブロモ−5−メチルスルファニルピリジン:WO 01/64669;5−ブロモ−2−メチルスルファニルピリジン:X. Wang et al., Tetrahedron Lett. 2000, 41, 43354338;N−(5−ブロモピリジン−2−イル)アセトアミド:M. Sollogoub et al., Tetrahedron Lett. 2002, 43, 31213123;5−ブロモ−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イルピリジン:WO 01/94342;tert−ブチル(5−ブロモピリジン−2−イル)メチルカーバメート:WO 99/30709;(6−クロロピリジン−3−イル)アセトニトリル:WO 01/83475;シクロペンチルメチルトリフェニルホスホニウムヨージド:WO 01/44216;ジシクロプロピルジスルフィド:E. Block et al., J. Am. Chem. Soc. 1992, 114, 34923499;(Z)−メチル3−シクロペンチル−2−ヨードアクリレート:WO 01/44216。
【0100】
略語および頭字語:Ac:アセチル;ATP:アデノシン5’−三リン酸;BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル;n−Bu:n−ブチル;dba:ジベンジリデンアセトン;DBE:1,2−ジブロモエタン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDCI:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩;Et:エチル;FA:折り畳み活性化;GK:グルコキナーゼ;Glc:グルコース;G6P:グルコース−6−リン酸;G6PDH:グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ;GST−GK:グルタチオンS−トランスフェラーゼ−グルコキナーゼ融合タンパク質;HMPA:ヘキサメチルホスホラミド;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;IH:イソヘキサン;KHMDS:カリウム ビス(トリメチルシリル)アミド;LDA:リチウムジイソプロピルアミド;LHMDS:リチウム ビス(トリメチルシリル)アミド;mCPBA:3−クロロ過安息香酸;Me:メチル;Ms:メタンスルホニル;NADP(H): β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(還元型);pH:フェニル;n−Pr:n−プロピル;PS:ポリマー担持;RP−HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー;RT:保持時間;RTA:方法Aを用いた保持時間;RTB:方法Bを用いた保持時間;TBTU:O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;Tf:トリフルオロメタンスルホニル;TFA:トリフルオロ酢酸;TFAA:トリフルオロ酢酸無水物;THF:テトラヒドロフラン;TMSCl:クロロトリメチルシラン
【0101】
製造法1:2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−シクロペンチルプロピオン酸
【化11】

工程1:1mmol mL-1のKHMDS THF溶液(30.9mL,30.9mmol)を攪拌した(6−クロロピリジン−3−イル)アセトニトリル(4.40g,28.9mmol)の無水THF−HMPA(3:1,72mL)溶液に−78℃で加えた。30分後、ヨードメチルシクロペンタン(1.46g,6.9mmol)を加えた。該溶液を−78℃で4.5時間攪拌した後、20℃まで16時間かけて昇温した。該反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(20mL)で注意深く反応を停止し、次いで、H2O(100mL)を加えた。該混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、次いで抽出液をNa2SO4で乾燥した。濾過し、溶媒をエバポレートして、カラムクロマトグラフィー(n−C614−EtOAc)により、2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−シクロペンチルプロピオニトリルを与えた:m/z(ES+)=235.1[M+H]+
工程2:該化合物(2.30g,9.8mmol)を50%H2SO4水溶液(10mL)と130℃で2時間攪拌下加熱した。該混合液を20℃まで16時間かけて冷却した後、飽和Na2CO3水溶液で中和し、CHCl3で抽出した。該有機抽出液をNa2SO4で乾燥した後、濾過し、濃縮して、該標記化合物を得た:m/z(ES+)=254.2[M+H]+
【0102】
製造法2:3−シクロペンチル−2−ピリジン−3−イルプロピオン酸
【化12】

工程1:1.5mmol mL-1のLDA c−C612溶液(5.1mL,7.6mmol)を攪拌したエチル 3−ピリジルアセテート(1.15g,6.9mmol)の無水THF−HMPA(3:1,260mL)溶液に−78℃で加えた。30分後、ヨードメチルシクロペンタン(1.46g,6.9mmol)を加え、次いで、−78℃で4.5時間攪拌し続けた。該混合液を20℃まで昇温した後、16時間攪拌した。該反応混合液を飽和NH4Cl水溶液(20mL)で注意深く反応を停止させ、次いでH2O(100mL)を加えた。該混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、次いで、抽出液をNa2SO4で乾燥した。濾過し、溶媒をエバポレートして、カラムクロマトグラフィー(n−C614−EtOAc)により、エチル 3−シクロペンチル−2−ピリジン−3−イルプロピオネートを得た:m/z(ES+)=248.3[M+H]+
工程2:この化合物(0.73g,3.0mmol)の攪拌したTHF(3mL)溶液を2M NaOH(3mL,6.0mmol)で処理した。20℃で16時間後、該有機溶媒を減圧下で除去し、次いで、残渣溶液のpHを6.5に調整した後、EtOAcで抽出した。該EtOAc抽出液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して該標記化合物を得た:m/z(ES+)=220.2[M+H]+
【0103】
製造法3:(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸
【化13】

工程1:DBE(345μL,4.0mmol)をZn粉末(2.62g,40.0mmol)の無水THF(4mL)懸濁液に加えた。該混合液を沸騰するまで加熱し、次いで20℃まで冷却した。この製法を3回繰り返し、次いで、該混合物を20℃で2時間攪拌した後、TMSCl(380μL,3.0mmol)を処理した。攪拌は1.5時間続けて、次いで、(Z)−メチル 3−シクロペンチル−2−ヨードアクリレート(2.52g,9.0mmol)の無水THF(8mL)溶液を3分かけて加えた。該混合液を40℃で2時間攪拌した後、20℃で16時間攪拌して、最後に4時間静置した。分離用の反応器中に、PPh3(315mg,1.2mmol)およびPd2(dba)3(150mg,0.5mmol)の無水THF(15mL)溶液を20℃で2時間攪拌した後、5−ブロモ−2−メチルスルファニルピリジン(2.76g,13.5mmol)の無水THF(10mL)溶液と処理した。次いで、新たに調整した有機亜鉛化合物の溶液をカニューラで加えて、該混合液を40℃で68時間攪拌した。溶媒をエバポレートして、カラムクロマトグラフィー(4:1 IH−Et2O)により、メチル 3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)アクリレートを得た:m/z(ES+)=278.1[M+H]+
工程2:この化合物(1.12g,4.0mmol)のMeOH(5.5mL)溶液を1M NaOH(8.9mL,8.9mmol)で処理した。該混合液を65℃で3時間加熱した後、20℃で16時間攪拌した。MeOHを減圧下で除去し、次いで、H2O(10mL)および1M NaOH(10mL)を加えた。生じた混合物をEt2O(25mL)で洗浄した後、2M HClでpH1まで調整し酸性とした。生成した該懸濁液をEtOAc(2×50mL)で抽出し、次いで該抽出液を飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。濾過し、溶媒エバポレートして、再結晶(EtOAc−IH)により、該標記化合物を得た:m/z(ES+)=264.1[M+H]+
【0104】
特に記載がなければ、表1に挙げた化合物は、(Z)−メチル 3−シクロペンチル−2−ヨードアクリレートおよび適当なヘテロアリールブロミドから製造法3に記載の手順を用いて製造した。
【表1】

【0105】
製造法9:(E)−3−シクロペンチル−2−[6−(5−メチルテトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]アクリル酸
【化14】

工程1:NaN3(13.69g,210.6mmol)およびTf2O(33mL,196.5mmol)を攪拌したN−(5−ブロモピリジン−2−イル)アセトアミド(8.31g,38.6mmol)の無水MeCN(200mL)溶液に0℃で加えた。2.5時間後、該温度を45℃まで上げ、次いで、16時間攪拌し続けた。溶媒を減圧下で留去し、次いで、残渣をCH2Cl2(250mL)および飽和NaHCO3水溶液(250mL)で分離した。該水層をさらにCH2Cl2(250mL)で抽出し、該有機抽出液を併せて、H2O(200mL)および飽和食塩水(200mL)で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。濾過し、溶媒をエバポレートして残渣を得て、フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2−THF、1:0〜15:1)により精製した。従って、原料の二回目のフラッシュクロマトグラフィー精製(IH−EtOAc,10:1〜3:2)によって、5−ブロモ−2−(5−メチルテトラゾール−1−イル)ピリジンを得た:δH (CDCl3):2.95 (s, 3H), 7.95 (d, 1H), 8.10 (dd, 1H), 8.65 (d, 1H)。
工程2:DBE(310μL,3.5mmol)をZn粉末(1.49g,22.5mmol)の無水THF(4mL)懸濁液に加えた。該混合物を沸騰するまで加熱し、次いで20℃まで冷却した。この方法を3回繰り返し、次いで、TMSCl(300μL,2.3mmol)を加えた。該反応液を20℃で70分攪拌し、次いで、(Z)−メチル 3−シクロペンチル−2−ヨードアクリレート(1.31g,5.0mmol)の無水DMF(6mL)溶液を加えた。該混合物を45℃(浴温)で65分攪拌した後、25℃で16時間放置した。無水THF(13mL)を加え、次いで、該混合液を静置した。該有機亜鉛溶液を攪拌したPd(PPh32Cl2(0.38g,0.5mmol)および5−ブロモ−2−(5−メチルテトラゾール−1−イル)ピリジン(1.58g,7.0mmol)の無水DMF(10mL)溶液に加えた。該混合液を45℃(浴温)で72時間攪拌した後、少量のMeOHで反応を停止して、EtOAc(75mL)および飽和NH4Cl水溶液(50mL)で分離した。該水層をさらにEtOAc(75mL)で抽出した。有機抽出液を併せて濾過した後、H2O(50mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。MgSO4で乾燥後、該溶液を濾過し、濃縮して残渣を得て、フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2−THF,1:0〜16:1)によって精製して、(E)−メチル 3−シクロペンチル−2−[6−(5−メチルテトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]アクリレートを得た:m/z(ES+)=314.1[M+H]+
工程3:このエステル(271mg,865μmol)を製造法3の工程2で示した手順を用いて鹸化し、該標記化合物を得た:m/z(ES+)=300.1[M+H]+
【0106】
製造法10:(E)−2−(5−クロロ−6−プロピルスルファニルピリジン−3−イル)−3−シクロペンチルアクリル酸
【化15】

工程1:5−ブロモ−2,3−ジクロロピリジン(4.47g,19.7mmol)およびNaOH(867mg,21.7mmol)の混合物のDMSO(50mL)溶液を充分な量のH2Oと処理して溶解させる。n−PrSH(1.96mL,21.7mmol)を加え、次いで該反応液を20℃で4時間攪拌した。該混合物を粉砕した氷(200g)に注ぎ、次いで、CH2Cl2(2×100mL)で抽出した。CH2Cl2抽出液を併せて、H2O(3×100mL)および飽和食塩水(3×100mL)で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。濾過し、溶媒をエバポレートし、カラムクロマトグラフィー(IH)により、5−ブロモ−3−クロロ−2−プロピルスルファニルピリジンを得た:m/z(ES+)=268.0[M+H]+
工程2:このブロモピリジン(2.73g,10.2mmol)と(Z)−メチル 3−シクロペンチル−2−ヨードアクリレート(1.84g,6.6mmol)の反応は、製造法9の工程2に記載のクロスカップリング条件に従って、(E)−メチル 2−(5−クロロ−6−プロピルスルファニルピリジン−3−イル)−3−シクロペンチルアクリレートを得た: m/z(ES+)=340.1[M+H]+
工程3:このエステル(770mg,2.3mmol)を製造法3の工程2に記載した同様の手順を用いて鹸化し、該標記化合物を得た:δH (CDCl3): 1.05 (t, 3H), 1.401.85 (m, 10H), 2.452.60 (m, 1H), 3.20 (t, 2H), 7.15 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 8.15 (d, 1H)。
【0107】
表2に挙げた化合物を製造法10に記載の手順を用いて、製造した。
【表2】

【0108】
製造法13:トリフェニル(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)ホスホニウムヨージド
【化16】

攪拌した4−ヨードメチルテトラヒドロピラン(3.43g,15.2mmol)およびPPh3(3.98g,15.2mmol)の無水MeCN(10mL)溶液を19時間還流下、加熱した。20℃まで冷却し、Et2O(50mL)を加えた。生成した該沈殿物を回収し、Et2O(150mL)で洗浄して、再結晶(MeCN)により該標記化合物を得た:m/z(ES+)=361.2[M]+
【0109】
製造法14:(E)−3−(テトラヒドロピラニル)−2−(6−メタンスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸
【化17】

工程1:2.6Mのn−BuLi ヘキサン溶液(32.9mL,102mmol)を攪拌した2,5−ジブロモピリジン(23.7g,100mmol)のEt2O(800mL)溶液に、−78℃で15分かけて加えた。20分後、ジエチルオキサレート(16.4mL,120mmol)を15分かけて加え、次いで、−78℃で30分間、次いで0℃で3時間攪拌し続けた。該反応液を氷冷した飽和NH4Cl水溶液に注いだ後、Et2Oで抽出した。該有機層をH2Oおよび飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4乾燥し、濾過して、減圧濃縮した。クロマトグラフ精製(EtOAc−n−C614,1:6)により、エチル(6−ブロモピリジン−3−イル)グリオキシレート:m/z(APCI+)=276[M+H2O+H]+
工程2:この化合物(11.6g,44.9mmol)のDMF(200mL)溶液にNaSMe(3.15g,44.9mmol)を0℃で5分かけて加えた。該混合液を20℃で24時間攪拌した後、減圧濃縮した。該残渣をEtOAcおよびH2Oで分離した。該有機層をH2Oおよび飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4乾燥し、濾過して、濃縮した。クロマトグラフ精製(EtOAc−n−C614,1:10)により、エチル(6−メタンスルファニルピリジン−3−イル)グリオキシレートを得た:m/z(APCI+)=226[M+H]+
工程3:1.0MのLHMDS THF溶液(6.25mL,6.3mmol)をトリフェニル(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)ホスホニウムヨージド(製造法13、3.18g,8.5mmol)のTHF(10mL)懸濁液に0℃で加えた。1時間後、エチル(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)グリオキシレート(1.13g,5.0mmol)のTHF(4mL)溶液を5分かけて加えた。該反応液を0℃で1時間攪拌した後、H2Oで処理し、続いて10%HCl水溶液でpHを6に調整した。該混合液を20℃で1時間攪拌し、次いで、THFを減圧下で除去した。該残渣をEt2O(50mL)で処理し、濾過した。回収した沈殿物をEt2Oで洗浄した。該濾液および洗浄液をEt2O(3×10mL)で抽出した。有機層を併せて、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥、濾過し、濃縮した。残渣のクロマトグラフ精製(EtOAc−n−C614,1:3)により、エチル 3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−(6−メタンスルファニルピリジン−3−イル)アクリレートを(E)−および(Z)−異性体の2:1混合物として得た:m/z(APCI+)=308[M+H]+
工程4:2M NaOH(1.5mL,3.0mmol)をこのエステル(615mg,2.0mmol)のEtOH(3mL)溶液に0℃で加えた。該混合液を20℃で24時間攪拌した後、減圧濃縮した。該残渣をH2O(5mL)で希釈し、2M HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。有機層を併せて、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、減圧濃縮した。再結晶(EtOAc)により、該標記化合物を得た: m/z(ES-)=278[M−H]-
【0110】
製造法15:(E)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロピルスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸
【化18】

SO2Cl2(9.8mL,122.0mmol)をジシクロプロピルジスルフィド(17.0g,116.2mmol)に0℃でゆっくり加えた。該混合液を20℃で2時間攪拌した後、無水PhMe(100mL)で希釈して、シクロプロパンスルフェニルクロリドのPhMe溶液を得た。分離器中に、1.6Mのn−BuLi ヘキサン溶液(153mL,244.8mmol)を攪拌した2,5−ジブロモピリジン(55.1g,232.4mmol)の無水PhMe(1L)溶液に−78℃で加えた。−78℃で3時間後、上述のシクロプロパンスルフェニルクロリド溶液を混合液にゆっくり加えた。1時間後、該混合液を−20℃で、飽和NH4Cl水溶液(1L)で反応を停止した後、20℃で16時間攪拌した。該有機層を分離し、次いで、該水層をEt2O(3×500mL)で抽出した。該有機抽出液を併せて、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(IH−Et2O,98.5:1.5)で精製して、5−ブロモ−2−シクロプロピルスルファニルピリジンを得た:m/z(ES+)=232.0[M+H]+。この化合物(22.0g,95.6mmol)の臭素−リチウム交換に続いて、製造法14の工程1に記載のジエチルオキサレートとの反応に従い、エチル(6−シクロプロピルスルファニルピリジン−3−イル)オキソアセテート:m/z(ES+)=252.2[M+H]+。このオキソエステル(11.09g,44.1mmol)とシクロペンチルメチルトリフェニルホスホニウムヨージド(33.00g,75.0mmol)との反応は、製造法14の工程3で述べたプロトコルを用いて、エチル 3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロピルスルファニルピリジン−3−イル)アクリレートを(E)−および(Z)−異性体の約2:1の混合物として得た:m/z(ES+)=318.2[M+H]+。製造法14の工程4に記載と同様の手順を用いて、このエステル(13.21g,41.6mmol)を加水分解して、該標記化合物を得た:m/z(ES+)=290.3[M+H]+
【0111】
製造法16:3−シクロペンチル−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)プロピオン酸
【化19】

工程1:5−ブロモ−2−フルオロピリジン(1.50g,8.5mmol)と(Z)−メチル 3−シクロペンチル−2−ヨードアクリレート(2.60g,9.3mmol)の反応は、上記の製造法9の工程2のクロスカップリング条件により、(E)−メチル 3−シクロペンチル−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)アクリレート:m/z(ES+)=250.1[M+H]+
工程2:このα,β−不飽和エステル(1.50g,6.0mmol)のEtOAc溶液を10%Pd−C(300mg,0.3mmol)のEtOH(0.5mL)懸濁液と処理した。該反応液をH2雰囲気下で4日間攪拌し、次いでセライトで濾過した。該溶媒を減圧下で除去し、次いで、該残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、メチル 3−シクロペンチル−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)プロピオネート:m/z(ES+)=252.2[M+H]+
工程3:このエステル(1.48g,5.9mmol)およびLiOH・H2O(0.49g,11.8mmol)のTHF−H2O(5:1,24mL)溶液を20℃で18時間攪拌した。該THFを減圧下で除去し、次いで残渣を飽和Na2CO3水溶液(150mL)およびEt2O(75mL)で分離した。水層のpHを2M HClで3に調整した。該残渣をEtOAc(100mL+75mL)で抽出した。有機層を併せて、飽和食塩水で抽出し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、該標記化合物を得た:m/z(ES+)=238.1[M+H]+
【0112】
製造法17:3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)プロピオン酸
【化20】

(E)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロピルスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸(製造法15、9.63g,33.3mmol)を実施例35に記載の手順を用いて酸化し、(E)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)プロピオン酸を得た:δH (CDCl3): 1.051.20 (m, 2H), 1.351.85 (m, 10H), 2.402.50 (m, 1H), 2.802.90 (m, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.80 (dd, 1H), 8.05 (d, 1H), 8.60 (d, 1H)。製造法16の工程2に記載と同様の手順を用いた、α,β−不飽和カルボン酸の還元により、該標記化合物を得た:m/z(ES+)=324.2[M+H]+
【0113】
表3に示した化合物を実施例5に記載のプロトコルを用いて、適当なカルボン酸とチアゾール−2−イルアミンをカップリングすることにより製造した。
【表3】

【0114】
製造法21:5−フルオロチアゾール−2−イルアミン塩酸塩
【化21】

NEt3(63.4mL,455mmol)を攪拌した5−ブロモチアゾール−2−イルアミン臭化水素酸塩(102.7g,379mmol)のCH2Cl2(1.5L)懸濁液を加えた。1時間後、TFAA(64.2mL,455mmol)を0℃で、15分かけて加えた。該混合液を20℃まで1時間かけて昇温した後、続けて2時間攪拌した。H2O(600mL)を加えて、生じた沈殿を回収した。濾液の水層を分離して、CHCl3(3×300mL)で抽出した。有機抽出液を併せて、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して、濃縮した。回収した沈殿物および残渣固体を併せて、EtOAc−n−C614でトリチュレートし、N−(5−ブロモチアゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドを得た:δH (CDCl3): 7.45 (s, 1H), 13.05 (br, 1H)。1.58Mのn−BuLi ヘキサン溶液(253mL,403mmol)を攪拌した上記のアミド(50.0g,183mmol)の無水THF(1.3L)溶液に−78℃で、50分かけて滴下した。1.5時間後、N−フルオロベンゼンスルホンイミド(86.0g,275mmol)の無水THF(250mL)溶液に30分かけて滴下した。該混合液を3時間攪拌した後、−30℃に昇温した。H2O(300mL)を加えて、該混合液をセライトパッドで濾過した。該固体を回収し、セライトをEt2O(400mL)およびH2O(400mL)で洗浄した。該濾液の有機層を分離し、水(2×400mL)で抽出した。該水層をEt2O(400mL)で洗浄した後、2M HClを用いて、pHを6.5まで酸性とし、EtOAc(2×400mL)で抽出した。有機抽出液を併せて、H2O(2×400mL)および飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc−n−C614,1:3〜1:2)により、N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド: δH (CDCl3): 7.13 (d, 1H)。AcCl(12.6mL,175mmol)を攪拌したこのアミド体(15.7g,73mmol)のMeOH(300mL)溶液に0℃で滴下した。該混合物を20℃で30分攪拌し、1時間還流下で加熱して、最後に減圧濃縮した。残渣固体をTHFでトリチュレートし、該標記化合物を得た:δH (D2O): 7.00 (d, 1H)。
【0115】
実施例1
2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド
【化22】

2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−シクロペンチルプロピオン酸 (製造法 1、0.56g,2.2mmol)、TBTU(1.41g,4.4mmol)、HOBt(0.45g,3.3mmol)、NEt3(0.31mL,2.2mmol)、およびチアゾール−2−イルアミン(0.44g,4.4mmol)の無水DMF(23mL)を20℃で16時間攪拌した。該反応混合物をEtOAcで希釈した後、2M Na2CO3、H2Oおよび飽和食塩水で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、有機層を濾過し、濃縮して該標記化合物を得た:RTA=3.82分;m/z(ES+)=336.1[M+H]+
【0116】
実施例2
3−シクロペンチル−2−(6−フェニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド
【化23】

2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド(実施例1、100mg,297μmol)、Pd(PPh34(5mg,4μmol)、(R)−(+)−BINAP(5mg,8μmol)、K2CO3(100mg,724μmol)、およびベンゼンボロン酸(100mg,820μmol)のDMF(1mL)混合溶液を攪拌しながら、150℃で48時間加熱した。冷却した反応混合液をEtOAc(50mL)で希釈した後、H2O(3×20mL)で洗浄した。該溶媒を減圧下で除去した後、該残渣をRP−HPLCで精製して、該標記化合物を得た:RTA=3.93分;m/z(ES+)=378.2[M+H]+
【0117】
実施例3
3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イル−2−(6−チオフェン−3−イルピリジン−3−イル)プロピオナミド
【化24】

2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド(実施例1、100mg,297μmol)とチオフェン−3−ボロン酸(100mg,781μmol)のクロスカップリングは、上記の実施例2と同様の手順を用いて、該標記化合物を得た:RTA=3.83分;m/z(ES+)=384.2[M+H]+
【0118】
実施例4
3−シクロペンチル−2−ピリジン−3−イル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド
【化25】

実施例1に記載のプロトコルを用いて、3−シクロペンチル−2−ピリジン−3−イルプロピオン酸(製造法2、0.96g,4.4mmol)をチアゾール−2−イルアミン(0.88g,8.8mmol)と縮合し、該標記化合物を得た:RTA=3.05分;m/z(ES+)=302.0[M+H]+
【0119】
実施例5
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド
【化26】

PS−カルボジイミド(1.08g,ローディング 1.32mmolg-1,1.42mmol)、(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸(製造法3、125mg,475μmol)、およびHOBt(128mg,949μmol)の無水DMF(8mL)懸濁液を20℃で15分攪拌した。チアゾール−2−イルアミン(48mg,475μmol)を加え、次いで該混合物を20℃で14時間攪拌した。LCMSで該反応が完結に至らない事を示せば、追加のチアゾール−2−イルアミン(95mg,950μmol)を加えた。該混合液をさらに64時間攪拌した後、濾過した。レジンを回収し、CH2Cl2で洗浄した後、濾液および洗浄液を併せて、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(2:1 IH−EtOAc)により、該標記化合物を得た:RTA=3.85分;m/z(ES+)=346.1[M+H]+
【0120】
実施例5に記載の手順を、表4に挙げる化合物を製造するのに用いた。
【表4】

【0121】
実施例12
(E)−3−シクロペンチル−2−(5−メチルスルファニルピリジン−2−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド
【化27】

(E)−3−シクロペンチル−2−(5−メチルスルファニルピリジン−2−イル)アクリル酸(製造法5、1.00g,3.8mmol)、EDCI(0.95g,4.9mmol)、HOBt(0.67g,4.9mmol)およびチアゾール−2−イルアミン(1.52g,15.2mmol)の無水THF(62mL)およびDMF(50mL)溶液を20℃で4日間攪拌した。該溶媒を減圧下で留去した後、該残渣をCH2Cl2および飽和Na2CO3水溶液で分離した。該有機層をH2Oおよび飽和食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。濾過し、溶媒をエバポレートし、カラムクロマトグラフィー(7:3 IH−EtOAc)により該標記化合物を得た:RTA=3.96分;m/z(ES+)=346.1[M+H]+
【0122】
表5に挙げた化合物は、実施例12に記載の方法を用いて合成した。
【表5】

【0123】
実施例16
(E)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−(6−メタンスルファニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド
【化28】

(E)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−(6−メタンスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸(製造法14、280mg,1.0mmol)のTHF(4mL)溶液をDMF(126μL,1.6mmol)および塩化オキサリル(280mg,1.0mmol)のTHF(3mL)懸濁液に−25℃で加えた。該混合液を0℃で1時間攪拌し、次いで20℃で1時間攪拌した。チアゾール−2−イルアミン(320mg,3.2mmol)およびNEt3(446μL,3.2mmol)のTHF(2mL)溶液を−45℃で10分かけて加え、次いで該混合液を0℃で1時間攪拌した。飽和NaHCO3水溶液を加え、該混合物をセライトで濾過した。濾液の水層をEtOAcで抽出した。有機層を併せて、飽和食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥、濾過し、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフ精製(EtOAc−n−C614,1:3〜1:1,次いでCHCl3−MeOH,99:1)により、該標記化合物を得た:δH (CDCl3): 1.461.56 (m, 4H), 2.222.40 (m, 1H), 2.54 (s, 3H), 3.173.29 (m, 2H), 3.80 (dt, 2H), 6.78 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.34 (dd, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.52 (dd, 1H), 8.27 (dd, 1H), 12.19 (s, 1H); m/z (APCI+) = 362 [M + H]+.
【0124】
実施例16に記載と同様の手順を表6〜8に挙げた化合物の合成に用いた。
【表6】

【表7】

【表8】

【0125】
実施例35
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド
【化29】

65%純度のmCPBA(60mg,226μmol)を攪拌した(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド(実施例5、39mg,113μmol)のCH2Cl2(3mL)溶液に加えた。16時間後、該反応混合液を減圧下で濃縮した。EtOAc(15mL)および飽和NaHCO3水溶液(5mL)を加え、次いで、該混合物を激しく20分間攪拌した。該有機層を分離した後、飽和食塩水(5mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、溶媒をエバポレートし、カラムクロマトグラフィー(1:1 IH−EtOAc)により該標記化合物を得た:RTA=3.49分;m/z(ES+)=419.2[M+MeCN+H]+
【0126】
実施例35に記載の手順は、表9に挙げた化合物の合成に用いた。
【表9】

【0127】
実施例40
(E)−N−(5−ブロモチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)アクリルアミド
【化30】

(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸(製造法3、64mg,0.24mmol)と5−ブロモチアゾール−2−イルアミン(218mg,1.22mmol)の縮合は、実施例5に記載のプロトコルにより、(E)−N−(5−ブロモチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)アクリルアミドを得た:RTA=4.28分;m/z(ES+)=426.2[M+H]+。この化合物(61mg,144μmol)を実施例35に記載の手順を用いて、該標記化合物を得た:RTA=3.91分;m/z(ES+)=499.2[M+MeCN+H]+
【0128】
実施例12および35に記載のプロトコルを表10に挙げる化合物の構築のために組み合わせて用いた。
【表10】

【0129】
実施例44
(E)−2−[3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)アクリロイルアミノ]チアゾール−5−カルボン酸メチルアミド
【化31】

(E)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロピルスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸(製造法15、250mg,0.86mmol)をエチル 2−アミノチアゾール−5−カルボキシレート(297mg,1.73mmol)と実施例12に記載の方法を用いて縮合し、エチル 2−[3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロピルスルファニルピリジン−3−イル)アクリロイルアミノ]チアゾール−5−カルボキシレート:m/z(ES+)=444.3[M+H]+。このエステルを製造法16の工程3に記載と同様の手順を用いて鹸化し、2−[3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロピルスルファニルピリジン−3−イル)アクリロイルアミノ]チアゾール−5−カルボン酸を得た:m/z(ES+)=416.1[M+H]+。このチオエーテルの酸化は、実施例35に記載と同様の方法を用いて、2−[3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)アクリロイルアミノ]チアゾール−5−カルボン酸:m/z(ES+)=448.2[M+H]+。このカルボン酸(52mg,116μmol)をMeNH2・HClをNEt3存在下、実施例12に記載の一般的な手順を用いて縮合し、該標記化合物を得た:RTA=3.29分;m/z(ES+)=461.3[M+H]+
【0130】
実施例45および46
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(5−メタンスルホニルピリジン−2−イル)アクリルアミドおよび(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(5−メタンスルフィニルピリジン−2−イル)アクリルアミド
【化32】

60%純度のmCPBA(158mg,548μmol)を(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(5−メチルスルファニルピリジン−2−イル)アクリルアミド(実施例13、200mg,525μmol)のCH2Cl2(10mL)溶液に加えた。該混合液を20℃で16時間攪拌し、次いで、追加の60%純度のmCPBA(53mg,184μmol)を加えた。30分後、該反応液を飽和Na2CO3水溶液で反応を停止した。該有機層を飽和NaHCO3水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製した。該標記スルホン体をカラム(3:2 IH−EtOAc)で溶離して得た:RTA=3.90分;m/z(ES+)=412.0[M+H]+。該スルホキシド体をカラム(1:9 MeOH−EtOAc)で溶離し、得た:さらなる精製は、IHの蒸気をこの化合物のEtOAc溶液に拡散することにより、行われた。RTA=3.73分;m/z(ES+)=396.0[M+H]+
【0131】
実施例5に記載と同様のプロトコルを表11〜12で挙げられる化合物の合成のために実施例45および46を製造するのに用いるプロトコルと組み合わせて用いた。
【表11】

【表12】

【0132】
実施例55
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド
【化33】

85%純度のmCPBA(64mg,318μmol)のCH2Cl2(1mL)溶液を攪拌した(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド(実施例5、110mg,318μmol)のCH2Cl2(5mL)の溶液に0℃で加えた。0℃で4.5時間後、該反応混合液をEtOAc(40mL)で希釈した。生じた溶液をH2O−飽和NaHCO3水溶液(1:1,2×20mL)および飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。濾過し、溶媒をエバポレートし、カラムクロマトグラフィー(EtOAc次いでTHF)により、該標記化合物を得た:RTA=3.32分;m/z(ES+)=362.1[M+H]+
【0133】
表13は、実施例55に記載のプロトコルを用いて製造した化合物を挙げる。
【表13】

【0134】
実施例60
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−エタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)アクリルアミド
【化34】

(E)−3−シクロペンチル−2−(6−エチルスルファニルピリジン−3−イル)アクリル酸(製造法4、215mg,0.78mmol)と5−フルオロチアゾール−2−イルアミン塩酸塩(製造法21、240mg,1.55mmol)の縮合は、実施例5に記載のプロトコルを用いて、(E)−3−シクロペンチル−2−(6−エチルスルファニルピリジン−3−イル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)アクリルアミドを得た:m/z(ES+)=378.2[M+H]+。このチオエーテル体(22mg,60μmol)の酸化は、実施例55に記載のプロトコルによって該標記化合物を得た:RTA=3.50分;m/z(ES+)=394.2[M+H]+
【0135】
実施例60に記載と同様のプロトコルは、表14に挙げた化合物の合成に用いられる。
【表14】

【0136】
実施例64
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)アクリルアミド
【化35】

オキソン(登録商標)(190mg,0.98mmol)のH2O(2mL)溶液を攪拌した(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルファニルピリジン−3−イル
)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)アクリルアミド(実施例6、120mg,0.32mmol)のTHF−MeOH(1:1,6mL)溶液に0℃で加えた。15分後、飽和NaHCO3水溶液(5mL)および10%Na223水溶液(5mL)を加え、次いで、該混合液をEtOAc(2×10mL)で抽出した。有機層を併せて、H2O(10mL)および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。該残渣のクロマトグラフ精製(EtOAc−n−C614,2:1)により、該標記化合物を得た:δH (CDCl3): 1.401.62 (m, 4H), 1.701.82 (m, 4H), 2.272.42 (m, 1H), 2.96 (s, 3H), 7.19 (d, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.86 (dd, 1H), 8.14 (d, 1H), 8.52 (dd, 1H), 8.72 (br s, 1H);m/z(APCI+)=396,398[M+H]+
【0137】
実施例65
3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド
【化36】

(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド(実施例35、500mg,1.3mmol)、ギ酸アンモニウム(500mg,7.9mmol)および10%パラジウムチャコール(50%H2O,500mg)のMeOH(20mL)混合液を80℃で20時間攪拌した。該溶媒を減圧下で除去し、次いで残渣をEtOAcで希釈してセライトで濾過した。濾液を濃縮し、再度EtOAcで希釈し、セライトで濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(EtOAc−n−C614,3:7〜1:1)によって粗生成物を精製し、該標記化合物を得た:δH (CDCl3): 1.051.22 (m, 2H), 1.401.85 (m, 7H), 1.95 (dt, 1H), 2.29 (dt, 1H), 3.21 (s, 3H), 3.82 (t, 1H), 7.09 (d, 1H), 7.53 (d, 1H), 8.06 (d, 2H), 8.58 (t, 1H);m/z(APCI+)=380[M+H]+
【0138】
実施例66
3−シクロペンチル−2−(6−メルカプトピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド
【化37】

3−シクロペンチル−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド(実施例14、350mg,1.1mmol)およびNaSMe(1.53g,22.0mmol)の無水で脱気したDMSO(4mL)溶液を160℃(浴温)で1時間攪拌した。冷却後、該混合液をEtOAc(50mL)および1M HCl(50mL)で分離した。該有機層をH2O(20mL)および飽和食塩水(50mL)で洗浄した。該溶媒をエバポレートし、該残渣を再結晶(EtOAc−IH)し、該標記化合物を得た:RTA=3.24分;m/z(ES+)=334.2[M+H]+
【0139】
実施例67
3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド
【化38】

工程1:2.3MのMeI 無水DMF溶液(44μL,102μmol)およびK2CO3(14mg,102μmol)を攪拌した3−シクロペンチル−2−(6−メルカプトピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド(実施例66、34mg,102μmol)の無水DMF(1mL)に加えた。16時間後、該溶媒を減圧下で留去し、次いで該残渣をEtOAc(12mL)およびH2O(5mL)で分離した。該有機層をH2O(5mL)および飽和食塩水(5mL)で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。該溶液を濾過し、ショートSiO2プラグを通して、エバポレートし、3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド:m/z(ES+)=348.2[M+H]+
工程2:このチオエーテル(52mg,150μmol)の実施例55に記載のプロトコルによる酸化によって、該標記化合物を得た:RTA=3.17分;m/z(ES+)=364.2[M+H]+
【0140】
表15に挙げた化合物を実施例67に記載のプロトコルを用いて製造した。
【表15】

【0141】
実施例70
3−{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−イルスルファニル}プロピオン酸
【化39】

3−シクロペンチル−2−(6−メルカプトピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド(実施例66、100mg,300μmol)を、3−ヨードプロピオン酸(60mg,300μmol)と実施例67の工程1に記載の手順を用いて反応し、該標記化合物を得た:RTA=3.61分;m/z(ES+)=406.4[M+H]+
【0142】
実施例71
3−{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−スルホニル}プロピオン酸
【化40】

3−{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−イルスルファニル}プロピオン酸(実施例70、49mg,121μmol)を実施例35に記載のプロトコルを用いて酸化し、該標記化合物を得た:RTA=3.37分;m/z(ES+)=438.2[M+H]+
【0143】
実施例72
{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−イルスルファニル}酢酸
【化41】

3−シクロペンチル−2−(6−メルカプトピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド(実施例66、50mg,150μmol)を攪拌した60%NaH鉱油分散物(12mg,300μmol)の無水DMF(0.8mL)懸濁液に加えた。5分後、クロロ酢酸(14mg,150μmol)の無水DMF(0.4mL)溶液を加えた。該反応液を15分間攪拌し、次いで、さらに60%NaH鉱油分散物(10mg,250μmol)およびクロロ酢酸(14mg,150μmol)を加えた。15分後、該反応混合液をEtOAc(10mL)および飽和Na2CO3−H2O(1:1,15mL)で分離した。該水層を2M HClでpH2.5まで酸性とし、次いで生じた沈殿物をEtOAc(15mL)で抽出した。該EtOAc溶液を飽和食塩水(5mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、再結晶(CH2Cl2−IH)して、該標記化合物を得た:RTA=3.52分;m/z(ES+)=392.2[M+H]+
【0144】
実施例73
{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−スルホニル}酢酸
【化42】

工程1:3−シクロペンチル−2−(6−メルカプトピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド(実施例66、94mg,283μmol)を実施例72に記載の手順を用いて、tert−ブチルブロモアセテート(55mg,283μmol)とアルキル化して、tert−ブチル{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−イルスルファニル}アセテートを得た:m/z(ES+)=448.3[M+H]+
工程2:このチオエーテルの酸化を実施例35に記載のプロトコルを用いて、tert−ブチル{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−スルホニル}アセテートを得た:δH (CDCl3): 1.051.20 (m, 2H), 1.25 (s, 9H), 1.451.85 (m, 7H), 1.902.00 (m, 1H), 2.302.40 (m, 1H), 3.904.00 (m, 1H), 4.304.45 (m, 2H), 7.10 (d, 1H), 7.55 (d, 1H), 8.05 (d, 1H), 8.10 (dd, 1H), 8.70 (d, 1H)。
工程3:この化合物(48mg,100μmol)のCH2Cl2−TFA(1:3,4mL)溶液を20℃で2時間攪拌した。該溶媒をエバポレートし、次いで残渣を飽和NaHCO3水溶液(5mL)で処理した。生じた溶液を2M HClでpH2まで酸性に調整し、次いで該混合液をEtOAc(10mL+5mL)で抽出した。該有機層を濃縮し、クロマトグラフ(MeOH−CH2Cl2−AcOH,2:18:1)により該標記化合物を得た:RTA=3.37分;m/z(ES+)=424.1[M+H]+
【0145】
実施例74
{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−スルフィニル}酢酸
【化43】

tert−ブチル{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−イルスルファニル}アセテート(参照実施例73、61mg,136μmol)の酸化を実施例55に記載の方法で行い、tert−ブチル{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−スルフィニル}アセテートを得た:δH (CDCl3): 1.101.25 (m, 2H), 1.35 (s, 4.5H), 1.40 (s, 4.5H), 1.451.85 (m, 7H), 1.902.00 (m, 1H), 2.302.40 (m, 1H), 3.703.80 (m, 1H), 3.903.95 (m, 1H), 4.004.05 (m, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.50 (d, 1H), 8.008.15 (m, 2H), 8.60 (m, 1H)。tert−ブチル基の除去は、実施例73の工程3に記載の条件を用い、該標記化合物を得た:RTA=3.15分;m/z(ES+)=408.1[M+H]+
【0146】
実施例75
(E)−2−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチルアクリルアミド
【化44】

攪拌した(E)−tert−ブチル{5−[1−(5−クロロチアゾール−2−イルカルバモイル)−2−シクロペンチルビニル]ピリジン−2−イル}カーバメート(製造法18、212mg,473μmol)のCH2Cl2(5mL)溶液をTFA(5mL,65.1mmol)で処理した。2時間後、該混合液を乾固するまでエバポレートし、次いでEtOAc(60mL)を加えた。該EtOAc溶液をH2O−飽和NaHCO3水溶液(1:1,20mL)および飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。濾過し、溶媒をエバポレートし、残渣を得て最少量のEt2Oで溶解した。IHを該Et2O溶液に固体が沈殿するまで加え、回収し、乾燥して該標記化合物を得た:RTA=3.07分;m/z(ES+)=349.2[M+H]+
【0147】
実施例75に記載の手順を表16に挙げた化合物の合成に用いた。
【表16】

【0148】
実施例78
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルアミノピリジン−3−イル)アクリルアミド
【化45】

(E)−2−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチルアクリルアミド(実施例75、50mg,143μmol)の無水CH2Cl2(3mL)溶液をピリジン(570μL,7.1mmol)およびMsCl(170μL,2.2mmol)と処理した。20℃で3日間攪拌した後、該反応混合液をEt2O(40mL)で希釈した後、1M NaOH−飽和NaHCO3水溶液(1:1,2×15mL)で抽出した。水層抽出液を併せて、2M HClで中和した後、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機抽出液を併せて、飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。濾過し、溶媒をエバポレートし、カラムクロマトグラフィー(1:1 IH−EtOAc)により該標記化合物を得た:RTA=3.73分;m/z(ES+)=427.2[M+H]+
【0149】
表17に挙げたスルホンアミド体は、実施例78に記載のプロトコルを用いて、適当なアミノピリジンから製造した。
【表17】

【0150】
インビトロGK活性
WO 00/58293 に記載したのと同様のプロトコルを用いて、GK活性は、GST−GKによって生成するG6Pとカップリング酵素としてG6PDHを用いて生成するNADPHとのカップリングによって、アッセイした。
【0151】
GKアッセイは、Costar社の平底96−ウェルアッセイプレートを用い、最終インキュベーション量100μLで、30℃にて実施した。該アッセイ緩衝液:25mM Hepes緩衝液(pH7.4)、12.5mM KCl、5mM D−Glc、5mM ATP、6.25mM NADP、25mM MgCl2、1mMジチオスレイトール、試験化合物または5%DMSO、3.0ユニット/mLのG6PDH、およびヒト肝臓GKで生じる0.4μL/mL GST−GKを含んでいる。ATP、G6PDH、およびNADPは、Roche Diagnostics から購入した。他の試薬は、>98%純度であり、関東化学から購入した。該試験化合物は、DMSOで溶解した後、ATPを入れないアッセイ緩衝液に加えた。この混合物を SPECTRAmax250マイクロプレート分光光度計(Molecular Devices Corporation,サニーバレー,CA)のチャンバーでコントロールされた温度でプレインキュベートを10分間行い、次いで該反応を10μL ATP溶液を加えることにより、開始した。
【0152】
該反応を開始した後、340nmでの光学密度(OD)の上昇をGK活性の測定のために10分間のインキュベーション間隔ごとにモニターした。かなりの量のGST−GKは、試験化合物を含まない5%DMSOを含んだウェル内に10分間のインキュベーション間隔ごとに、OD340の増加を生成するように加えた。予備試験では、GK活性において、8倍増加を生じる活性化剤の存在下でさえ、該GK反応が、この時間間隔ごとでは直線性があることを証明した。コントロールウェルにおけるGK活性と試験GK活性化剤を含むウェル内での活性を比較した。GK活性における50%上昇を産み出す化合物濃度(すなわち、FA1.5)を計算した。GK活性化剤は、≦30μMでFA1.5となった。
【0153】
上記の実施例1〜80は、最大FA 1.7〜6.7において、0.1〜23.0μMの範囲のEC50を生じる。
【0154】
インビボGK活性
18時間の断食期間に続いて、C57BL/6Jマウスは、50mg/kg体重でのGK活性化剤をチューブでの栄養補給によって、経口投与した。血液Glcの定量は、6時間後投与の研究期間に5回行った。
【0155】
マウス(n=5)は、体重を量って、経口処理前に18時間の断食を行った。GK活性化剤は、13.3mg/mLの濃度で、WO 00/58293(EtOH:Gelucire44/14:PEG400q.s. 4:66:30 v/v/v)で報告された Gelucireベヒクルで溶解した。マウスに、50mg/kg投与と等しい体重のkgに付き7.5mL処方で経口投与した。投与の直前に、前投与(ゼロ時間)における血液Glc測定値は、動物の尾の小部分(<1mm)を切って、分析用に15μLの血液を採取し、取得した。GK活性化剤処理後、さらに同じ尾の傷から1、2、4および6時間投与後の血液Glc測定値を取得した。結果は、6時間の連続研究ごとに5つのベヒクルで処理したマウスと5つのGK活性化剤で処理したマウスの血液Glcの平均値を比較することにより解釈した。化合物は、それらが、アッセイの時点でベヒクルと比較して、血液Glcが2回続けて統計的に減少する事を示す場合、活性があるとみなす。
【0156】
上述のプロトコルに従って、経口投与するとき、上で具体化されたGK活性化剤のいくつかは、インビボでの強いGK活性の効果を示した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
1、A2、A3、A4およびA5のうち一つはNであり、他の一つはC−R5であり、他の一つはC−R6であって、その他の二つは独立してNか、またはCHであり;
Qは、C3-8シクロアルキル、5−または6−員ヘテロアリール、または4〜8−員複素環であり;
Tは、−N=C−と一緒になって、ヘテロアリール環を形成するように連結し、またはN=C結合のみが不飽和部である複素環であり;
1およびR2は、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ビニル、エチニル、メトキシ、OCFn3-n、−N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、CHO、または1〜5個の独立したハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、メトキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SOCH3、またはSO2CH3置換基で適宜置換されたC1-2アルキルであり;または
1およびR2は、一緒になって炭素環または複素環を形成し;もしくは
1およびR2は、一緒になって二重結合を介して環と連結した酸素原子を示していてもよく;
3およびR4は、各々独立して、水素、ハロゲン、OCFn3-n、メトキシ、CO277、シアノ、ニトロ、CHO、CONR99100、CON(OCH3)CH3、または1〜5個の独立したハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、メトキシ、−NHCO2CH3、または−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換されたC1-2アルキル、ヘテロアリール、またはC3-7シクロアルキルであり;または
3およびR4は、一緒になって、5〜8−員芳香環、ヘテロ芳香環、炭素環、または複素環を形成し;
5およびR6は、各々独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CO27、CHO、COR8、C(OH)R78、C(=NOR7)R8、CONR910、SR7、SOR8、SO28、SO2NR910、CH2NR910、NR910、N(C0-4アルキル)SO28、NHCOR7であるか、またはそれらいずれかの基が、1〜6個の独立したハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1-2アルコキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、C1-2アルキル、CFn3-n、アリール、ヘテロアリール、−COC1-2アルキル、−CON(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SCH3、SOCH3、SO2CH3、または−SO2N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換されたC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C1-4アルコキシ基、アリール基、またはヘテロアリール基であり;または
5およびR6は、一緒になって、5〜8−員炭素環または複素環を形成し;
7およびR77は、各々独立して水素、またはいずれかの基が1〜6個の独立したハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1-2アルコキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、C1-2アルキル、C3-7シクロアルキル、4〜7−員複素環、CFn3-n、アリール、ヘテロアリール、CO2H、−COC1-2アルキル、−CON(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SOCH3、SO2CH3、または−SO2N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換されたC1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-7シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または4〜7−員複素環基であり;
8は、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-7シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または4〜7−員複素環基であり、それらいずれかの基が1〜6個の独立したハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1-2アルコキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、C1-2アルキル、C3-7シクロアルキル、4〜7−員複素環、CFn3-n、アリール、ヘテロアリール、CO2H、−COC1-2アルキル、−CON(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SOCH3、SO2CH3、または−SO2N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換され;
9、R10、R99、およびR100は、各々独立して、水素、またはC1-4アルキル基、C3-7シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、または4〜7−員複素環であり、それらいずれかの基は1〜6個の独立したハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C1-2アルコキシ、−N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、C1-2アルキル、C3-7シクロアルキル、4〜7−員複素環、CFn3-n、アリール、ヘテロアリール、−COC1-2アルキル、−CON(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)、SOCH3、SO2CH3、またはSO2N(C0-2アルキル)(C0-2アルキル)置換基で適宜置換されていてもよく;または
9およびR10、またはR99およびR100は、一緒になって1〜2個の独立したC1-2アルキル、CH2OCH3、COC0-2アルキル、ヒドロキシ、またはSO2CH3置換基で適宜置換された6〜8−員ヘテロ二環系または4〜8−員複素環を形成し;
nは、1、2、または3であり;
mは、0または1であり;
点線と実線が一緒になって、適宜二重結合を形成して、Δは、該二重結合が(E)−配置である事を示し;および
但し、式(I)が、3−シクロペンチル−2−ピリジン−4−イル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミドを表さない]
の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項2】
点線と実線が一緒になって、二重結合を形成し;
3がC−R5であり、A4がC−R6であり、A1、A2およびA5のうち一つがNであって、それ以外の二つがCHである、請求項1の化合物、またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項3】
Qが、C3-8シクロアルキル環である、請求項2の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項4】
Qが、4〜8−員複素環である、請求項2の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項5】
点線と実線が一緒になって、二重結合を形成し;
3がC−R5であり、A4がNであり、A1、A2およびA5のうち一つがNであって、他の二つがCHである、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項6】
Qが、C3-8シクロアルキル環である、請求項5の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項7】
点線と実線が一緒になって、一重結合を形成し;
3がC−R5、A4がC−R6であり、A1、A2およびA5のうち一つがNであって、他の二つがCHである、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項8】
Qが、C3-8シクロアルキル環である、請求項7の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項9】
Qが、C3-8シクロアルキルまたは4〜8−員複素環である、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項10】
Qが、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−オキソ−テトラヒドロチオピラニルまたは1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオピラニルである、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項11】
式:
【化2】

で示される基が、2−ピリジル、2−ピラジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、3−(1H−ピラゾリル)、2−(1H−イミダゾリル)、5−[1,2,4]チアジアゾリル、2−[1,3,4]チアジアゾリル、2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)、3−イソキサゾリル、2−オキサゾリル、または2−チアゾリルである、前記請求項のいずれかの化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項12】
点線と実線が一緒になって、一重結合を形成して、アミドカルボニル炭素のα位の不斉中心の絶対配置が(R)である、請求項1、7、8、9、10、または11のいずれかの化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項13】
3が、水素、ハロゲン、C1-2アルキル、またはトリフルオロメチルであって;
4が、水素またはメチルである、前記請求項のうちいずれか一つの化合物。
【請求項14】
2−(6−クロロピリジン−3−イル)−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−フェニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イル−2−(6−チオフェン−3−イルピリジン−3−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−ピリジン−3−イル−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルスルファニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−エチルスルファニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−エチルスルファニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−[6−(5−メチルテトラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イル−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(5−メチルスルファニルピリジン−2−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(5−メチルスルファニルピリジン−2−イル)アクリルアミド;
3−シクロペンチル−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(2−プロピルスルファニルピリミジン−5−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−(6−メタンスルファニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
N−(5−クロロピリジン−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−[1,2,4]チアジアゾール−5−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(5−フラン−2−イル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−ピリミジン−2−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(4−メチルオキサゾール−2−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(4−メチルピリジン−2−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(6−メチルピリジン−2−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−イソキサゾール−3−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(5−メチルピリジン−2−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−ピリジン−2−イルプロピオナミド;
N−ベンゾチアゾール−2−イル−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−ピラジン−2−イルプロピオナミド;
N−(6−クロロピラジン−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)プロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−ピリミジン−4−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(3−メチル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)プロピオナミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−エタンスルホニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−エタンスルホニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(5−メタンスルホニルピリジン−2−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−ブロモチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)アクリルアミド;
(E)−2−[3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルホニルピリジン−3−イル)アクリロイルアミノ]チアゾール−5−カルボン酸メチルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(5−メタンスルホニルピリジン−2−イル)アクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(5−メタンスルフィニルピリジン−2−イル)アクリルアミド;
(E)−2−[5−クロロ−6−(プロパン−1−スルホニル)ピリジン−3−イル]−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−2−[5−クロロ−6−(プロパン−1−スルフィニル)ピリジン−3−イル]−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−2−(5−クロロ−6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−2−(5−クロロ−6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−2−(5−クロロ−6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチルアクリルアミド;
(E)−2−(5−クロロ−6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチルアクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)−2−(6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−エタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−エタンスルフィニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(5−メタンスルフィニルピリジン−2−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−[2−(プロパン−1−スルフィニル)ピリミジン−5−イル]−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−エタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルフィニルピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−シクロプロパンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)アクリルアミド;
3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−メルカプトピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−(6−メトキシメタンスルフィニルピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
3−シクロペンチル−2−[6−(プロパン−2−スルフィニル)ピリジン−3−イル]−N−チアゾール−2−イルプロピオナミド;
3−{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−イルスルファニル}プロピオン酸;
3−{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−スルホニル}プロピオン酸;
{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−イルスルファニル}酢酸;
{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−スルホニル}酢酸;
{5−[2−シクロペンチル−1−(チアゾール−2−イルカルバモイル)エチル]ピリジン−2−スルフィニル}酢酸;
(E)−2−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチルアクリルアミド;
(E)−2−(6−アミノピリジン−3−イル)−3−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メチルアミノピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−N−(5−クロロチアゾール−2−イル)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルアミノピリジン−3−イル)アクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−(6−メタンスルホニルアミノピリジン−3−イル)−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
(E)−3−シクロペンチル−2−[6−(メタンスルホニルメチルアミノ)ピリジン−3−イル]−N−チアゾール−2−イルアクリルアミド;
から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかの化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかの化合物またはそれらの医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体の治療上の有効量を投与することからなる高血糖または糖尿病の予防または治療方法。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれかの化合物またはその医薬的に許容される塩、もしくはN−オキシド体の予防上の有効量を投与することからなる、前糖尿病性高血糖または耐糖能障害を示すヒトの糖尿病の予防方法。
【請求項18】
式(IV):
【化3】

の化合物と式(V):
【化4】

[式中、A1〜A5、Q、T、R1〜R4、mおよびΔが、請求項1と同義である]
の化合物を縮合する工程からなる、式(Ia):
【化5】

の化合物を製造する方法。
【請求項19】
式(VIII):
【化6】

の化合物と、式(V):
【化7】

[式中、A1〜A5、Q、T、R1〜R4およびmが、請求項1と同義である]
の化合物を縮合する工程からなる、式(Ib):
【化8】

の化合物を製造する方法。
【請求項20】
式(IV):
【化9】

[式中、A1〜A5、Q、R1、R2、mおよびΔが、請求項1と同義である]
の化合物。
【請求項21】
式(VIII):
【化10】

[式中、A1〜A5、Q、R1、R2およびmが、請求項1と同義である]
の化合物。


【公表番号】特表2007−524577(P2007−524577A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503484(P2006−503484)
【出願日】平成16年2月10日(2004.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/003982
【国際公開番号】WO2004/072066
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(504326837)プロシディオン・リミテッド (53)
【氏名又は名称原語表記】Prosidion Limited
【Fターム(参考)】