説明

トルエンのメチル化法

【課題】触媒活性及び生成物選択性が優れたキシレン生成物の調製法を提供する。
【解決手段】キシレン生成物の調製法であって、(a)蒸気処理または脱アルミニウムされていない、リン処理ZSM−5型ゼオライト触媒を含有する反応装置を提供すること、(b)トルエンのメチル化に適した反応装置条件下で、トルエン/メタノール供給物および水素同時供給物と前記触媒を接触させること、および、(c)メチル化反応中の反応装置へ、水である同時供給物の導入することであって、そこで、前記触媒は、メチル化反応中に構造アルミニウム損失を実質的に起こさないことを含む、キシレン生成物の調製法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、芳香族化合物のアルキル化に関する。
【背景技術】
【0002】
パラ−キシレンは、ポリエステル繊維および樹脂の生成における主要成分であるテレフタール酸への酸化のために当該パラ−キシレンへの需要が高いために、貴重な置換芳香族成分である。パラキシレンは、ナフサの水素化処理(触媒改質)、ナフサまたは軽油の水蒸気クラッキングおよびトルエン不均化から商業生産できる。
【0003】
トルエンメチル化(メチレーション)としても知られる、メタノールによるトルエンのアルキル化は、パラ−トルエン生成の実験研究で使用されている。トルエンのメチル化は、酸性触媒、特にゼオライトまたはゼオライト型触媒で起こることが周知である。特に、ZSM−5−型ゼオライト、ゼオライトベータおよびシリカアルミニウムフォスフェート(SAPO)触媒が、この目的で使用されている。一般に、以下の反応で図解するように、トルエンのメチル化から、オルト(o)−、メタ(m)−およびパラ(p)−キシレンの熱力学平衡混合物を形成できる。
【化1】

【0004】
o−、m−およびp−キシレンの熱力学平衡組成は、約500℃の反応温度で、それぞれ、25、50および25モル%であることができる。しかし、当該トルエンメチル化は、広範囲な温度で起こることができる。キシレン生成物の二次アルキル化によってC9+および他の芳香族生成物の副産物を生成する可能性がある。
【0005】
パラ−キシレンは、吸着および異性化のサイクルによって混合キシレンから分離することができる。当該サイクルは、平衡混合物中の異性体濃度が低いので、数回繰り返さなければならないと思われる。テレフタール酸の酸化には、高純度(99+%)p−キシレンが望ましい。しかし、当該高純度p−キシレンの生産コストは、非常に高いと思われる。初回キシレン生成物中でp−キシレン濃度が約80%以上である場合、結晶化技術を用いた各種方法を使用でき、それほど高価でないと思われる。よって、平衡濃度よりも高いp−キシレンが望ましいと思われる。
【0006】
前記触媒が形状選択性であれば、トルエンメチル化反応で、有意に高い量のp−トルエンを入手できる。形状選択性は、改質ゼオライト触媒中、ゼオライト孔の開孔サイズの狭小化、ゼオライト外面の不活性化またはゼオライト酸性度のコントロールによって入手できる。トルエンメチル化は、改質ZSM−5またはZSM−5−型ゼオライト触媒で行い、熱力学平衡濃度よりも有意に高い量のp−キシレンを含有するキシレン生成物を生じることができる。
【0007】
Kaeding,et al,Selective Alkylation of Toluene with Methanol to Produce para−Xylene,Journal of Catalysis,Vol.67,pp.159−174(1981)において、5%リン取り込みによるZSM触媒の製造法が記述されており、この方法では、触媒をトルエン中ジフェニル亜フォスフィン酸で浸含させた。そのように改質されたZSM−5触媒は、トルエンメチル化活性を示し、キシレン生成物中で84〜90%がパラ異性体であった。別の手法では、水性リン酸試薬からの8.51%リンの取り込みによって触媒を改質した。当該触媒は、97%程度の高いp−キシレン選択性を示したが、コークの沈着によって数時間以内に活性低下を示した。
【0008】
ここで、本発明をより完全に理解するために、添付図と関連させた以下の説明を参照する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(発明の詳細な説明)
ZSM−5型ゼオライト触媒のリン含有化合物による改質は、非改質触媒を使ったトルエンメチル化における熱力学平衡値よりも有意に高いp−キシレン量を生じることが認められている。当該改質は、p−キシレンに対して80%以上の選択性を提供することが立証されている。当該リン処理ZSM−5触媒は、p−キシレンへの高い選択性を有することができるが、当該触媒は、非常に速い速度で失活する傾向があり、例えば、当該触媒は、1日で、初期活性の50%以上を失う可能性がある。これは、おそらく、触媒上へのコークの沈着が原因であると思われる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書で使用する場合、「ZSM−5−型」という表現は、等価構造的にZSM−5ゼオライトと同じゼオライトと指すことを意味する。さらに、「ZSM−5」および「ZSM−5−型」という表現は、本明細書で互換的に使用し、互いを包含することができ、制約的な意味に解釈してはならない。本明細書で使用する場合、触媒活性は、供給されたトルエンのモル数に対して変換されたトルエンのモル%として表し、以下のように規定でき、
トルエン変換モル%=(Ti−To/Ti) x 100 (2)
式中、Tiは供給されるトルエン分子のモル数で、Toは未反応トルエンのモル数である。本明細書で使用する場合、総キシレンの選択性は、以下のように表すことができ、
総キシレン選択性モル%=(Xtx/Ti−To) x 100 (3)
式中、Xtxは生成物中の総(o−、m−またはp−)キシレンのモル数である。
本明細書で使用する場合、p−キシレンの選択性は、以下のように表すことができ、
p−キシレン選択性モル%=(X/Xtx) x 100 (4)
式中、Xはp−キシレンのモル数である。
【0011】
アルキル化反応中にトルエン/メタノール供給液と共に同時供給物として反応装置中に水または蒸気を導入することによって、触媒活性および選択性を高め、安定化することができ、あるいは、蒸気処理されていない、リン処理ZSM−5−型ゼオライト触媒を使用する場合、その減少速度を低減することができる。本明細書で使用する場合、「蒸気処理されていない」(“non−steamed”)は、ゼオライト触媒に言及すると、何らかのアルキル化またはメチル化反応で当該触媒を使用する前に、未処理であったか、当該触媒の構造変化を起こすための高温蒸気(即ち、950℃以上)を受けなかったゼオライト触媒を含むことを意味する。
【0012】
メチル化反応に使用される水または蒸気は、炭化水素供給物との同時供給物としての水素と共に、または水素なしで、アルキル化反応始動中に導入することができ、あるいは、初期始動後に導入することができる。本発明は、高い選択性を有する既述の触媒を使ったトルエンメチル化反応において特定の用途を有する。特に、p−キシレンの選択性は、キシレンの全モルの約80%、85%、90%または95%またはそれ以上であることができる。他に規定されない限り、変換および選択性の%は、すべて、モル%である。
【0013】
ZSM−5ゼオライト触媒およびそれらの調製法は、米国特許第3,702,886号に記述されている。当該特許は、参照することによって、本明細書に組み入れられている。本発明では、ZSM−5ゼオライト触媒は、改質前に25〜300、さらに特に約30〜約280のシリカ/アルミナ比を有するものを含むことができる。
【0014】
ZSM−5は、リン(P)含有化合物で処理することによって改質できる。当該リン含有化合物は、フォスフォン酸、亜フォスフィン酸、亜リン酸、リン酸、当該酸の塩およびエステルおよびリンハロゲン化物を含むことができる。特に、リン酸(HPO)およびリン酸水素アンモニウム((NHHPO)は、形状選択性を有するトルエンメチル化の触媒を提供するリン含有化合物として使用し、高p−キシレン濃度を生じることができる。当該改質触媒は、リンを約0.01〜約0.15gP/gゼオライトの量で、さらに特に約0.02〜約0.13gP/gゼオライトの量で含有できる。リン改質ゼオライトは、約500〜570℃の温度で焼成できる。当該触媒は、170〜200m/gのBET表面積および0.10〜0.18ml/g触媒の範囲の細孔容積を有することができる。当該触媒は、弱酸性を有し、幅広いピークを示し、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD)で特徴付けると、ピーク最大値が250〜350℃である。
【0015】
改質ゼオライト触媒は、アルミナ、クレーおよびシリカなどの結合剤と結合できる。結合された触媒は、450〜570℃の温度で焼成することができる。結合触媒の調製に使用されるこれらの技術は、技術上周知である。
【0016】
トルエンメチル化反応を実施する上で、当該反応の始動は、特定の短期始動条件を含み、次に、その後調整することができ、これが、一般に、長期間継続可能な条件を適用することができる。これらの始動条件は、リン処理ZSM−5触媒を含有する反応装置への初回トルエン/メタノール供給量を含み、初期液空間速度(LHSV)約1/時〜約90/時、さらに特に約1〜約70/時を提供することができる。トルエンおよびメタノール供給液は、単一混合供給蒸気として反応装置に導入する前に、予め混合することができる。当該供給液は、少量の水、C9+芳香族化合物および他の化合物を含有できる。しかし、ここで示す液空間速度は、他の化合物を含まないトルエン/メタノール供給液を基礎としている。当該供給液中のトルエン/メタノールモル比は、0.5〜10.0、さらに特に1.0〜5.0の範囲であることができる。さらに、水素ガス(H)の初回同時供給量は、約10未満、さらに特に約0.1〜約8の水素/炭化水素(H/HC)モル比で提供する。特に規定されない限り、ここで使用される反応装置温度は、触媒床取入口温度を指し、始動時、400℃〜700℃の反応装置温度が提供される。
【0017】
触媒の活性および選択性の増加の促進のために導入される水は、反応始動中に導入することができるが、初期始動後に導入することもできる。いずれの場合も、同時供給水素(使用するとすれば)および供給炭化水素を混合する前に、液体水を添加し、蒸発させることができる。
【0018】
反応圧は、一般に、始動時、通常運転段階中、共に、一定を保つことができる。当該反応圧は、変動可能であるが、典型的には、約10〜約50psig、さらに特に約20〜約50psigの範囲である。
【0019】
反応は、順流モードの固定床連続流れ型(fixed bed continuous flow−type)反応装置で実施できる。単一または連続および/または並行な多重反応装置が当該反応の実施に適している。始動中、反応装置温度を徐々に上げることができる。初期に、反応装置への供給物の導入時、反応装置温度は、約200℃以上であることができる。その後、当該温度を、最終の望みの温度まで上げることができる。この温度は、約1℃/分〜約10℃/分の割合で徐々に上げ、約400℃〜約700℃の最終始動反応装置温度を提供できる。
【0020】
前記始動条件を一定時間保持し、その後、着実なトルエン変換およびp−キシレン選択性を得るための「運転条件」に調整することができる。様々な始動条件の使用は、同時係属の米国特許出願番号10/632,254に記述されており、本出願は、参照することによって、本明細書に組み入れられている。前記調整は、炭化水素供給率の低減(即ち、LHSVの低減)および水素注入率(即ち、H/HCモル比の増加)を含むことができる。運転条件中、当該温度を約400℃〜約700℃で維持できる。
【0021】
反応装置に導入される水は、約0.2以上の比で当該反応装置に供給でき、炭化水素1モル当たり水10モル、さらに特に、炭化水素1モル当たり水約0.3〜約5、6または7モルであることができる。場合によっては、水は、炭化水素1モル当り水約0.2〜1.2モル、さらに特に、炭化水素1モル当り水約0.3〜約0.8モルの割合で供給できる。同時供給物としての水(または蒸気)の添加は、水素同時供給物と配合して、もしくは、配合せずに実施できる。実施例から明らかなように、蒸気同時供給物による活性および選択性増加の長所は、供給物中の同一モル数の水素を添加することによって代替可能である。
【0022】
前記反応装置に水が供給されるが、その場合、条件は、反応装置内の添加水の存在によって触媒のアルミニウムの構造的損失が実質的に起こらない条件である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、実施例4のトルエンメチル化反応に関する経時的なトルエン変換およびパラ−キシレン選択性のグラフである。
【図2】図2は、実施例5のトルエンメチル化反応に関する経時的なトルエン変換およびパラ−キシレン選択性のグラフである。
【図3】図3は、実施例6のトルエンメチル化反応に関する経時的なトルエン変換およびパラ−キシレン選択性のグラフである。
【図4】図4は、実施例7のトルエンメチル化反応に関する経時的なトルエン変換およびパラ−キシレン選択性のグラフである。
【図5】図5は、実施例12のトルエンメチル化反応に関する経時的なトルエン変換およびパラ−キシレン選択性のグラフである。
【図6】図6は、実施例12に述べるトルエンメチル化反応において、新鮮AHP処理ZSM−5および、使用された反応器から取り出した消費触媒の27Al MAS−NMRスペクトルを示す。
【実施例】
【0024】
以下の実施例は、本発明を説明する上で、さらに申し分なく役立つ。
【0025】
(実施例)
以下の実施例の反応を、順流モード固定床流れ式反応装置中で実施し、その場合、トルエンおよびメタノールを、反応装置への導入に先立って、予め混合した。液体水を別個に添加し、炭化水素供給物および、用いるとすれば、水素ガスと混合する前に蒸発させた。リン酸(実施例1〜11)またはリン酸水素アンモニウム(実施例12)を使ってZSM−5ゼオライト触媒を処理した。ZSM−5ゼオライト触媒には、初めに、リン処理前に、シリカ/アルミナ(SiO/Al)モル比約280を有するNH−ZSM−5ゼオライト粉末を用いた。そのように改質されたZSM−5ゼオライト触媒には、スチーミング(steaming)や脱アルミニウム化(dealumination)などのさらなる改質を加えなかった。
【0026】
400mlビーカー中でNH−ZSM−5ゼオライト粉末約50gと脱イオン水100〜150mlを配合して、リン酸を用いたZSM−5ゼオライト触媒の調製を実施した。次に、これをホットプレート上に置き、電磁攪拌棒を使ってゼオライト懸濁液を攪拌した。当該懸濁液を約100℃の温度で維持した。次に、リン酸(15.8g、水中85重量%)を当該ビーカーに滴下した。加熱は、水が完全に蒸発するまで継続した。改質ゼオライトを、マッフル中、約110℃で少なくとも4時間乾燥した。その後、改質ゼオライトを、空気中、510または530℃で焼成した。次に、焼成ゼオライトを破砕し、ふるいにかけ、20/40メッシュとした。このように合成された最終触媒は、以下の性質を有した:BET表面積約190m/g、細孔容積約0.139ml/g、平均孔径約29Å。
【0027】
実施例3では、用いたリン酸処理ZSM−5ゼオライト触媒をアルミナと結合させた。アルミナ約5.6g(ベーマイト結晶、シュードベーマイトとも称する)を、硝酸約2.0g(水中70%)と勢いよく混合して、解凝固した。次に、改質ZSM−5ゼオライト粉末約22.4g(前段落に記述)を解凝固したアルミナと混合し、水と混合および水を噴霧して、ドウを生成した。当該ドウを小分けした後、最高温度を530℃とするプログラム可能な温度ファイルで少なくとも6時間焼成した。焼成した触媒を分粒し、20〜40メッシュとした。
【0028】
リン酸水素アンモニウム(AHP)処理ZSM−5ゼオライト触媒の場合(実施例12)、脱イオン水中のアンモニウムイオン交換ZSM−5ゼオライトスラリーを調製した。次に、当該スラリーを約80℃まで加熱し、これに、AHP(0.24g AHP/g ZSM−5粉末)を添加した。次に、当該混合物を約100℃まで加熱し、実質的にすべての水を蒸発させた。その後、生じたゼオライトを、オーブン中、約90〜120℃の温度で一晩乾燥した。次に、乾燥したゼオライトを、空気中、温度約530℃で焼成した。当該触媒の形成に、結合剤は使用しなかった。改質ゼオライトを分粒し、20〜40メッシュとした。そのようにして合成した最終触媒は、以下の性状を有した:BET表面積約190m/g、細孔容積約0.139ml/g、平均孔径約29Å。
【0029】
実施例1〜12では、反応装置は、ODが約0.5インチのステンレススチール管から成った。0.5ml〜6.0mlの範囲の触媒仕込み量を管状反応装置のほぼ中間点に配置した。珪素、カーバイド、SiCなどの不活性材料層を触媒床の両端に添加した。供給物は、所望の比率のトルエンおよびメタノールを混合して調製した。次に、当該供給物を所定の速度のポンプで送り込んだ。当該供給物に水素ガスを添加し、選択したH/HC比に維持した。液体水を所定速度で添加し、当該液体水が炭化水素供給物および水素ガス(用いる場合)と混合する前に、当該液体水を蒸発させた。
【0030】
消費した触媒は、同時供給物として蒸気を使ったトルエンメチル化反応で500時間以上使用した(実施例4および12に記述)後、反応装置から取り出し、空気中、510℃でコークを燃焼させて当該触媒を炭素除去した。次に、27Alについて、当該触媒をマジック角度回転(magic angle spinning、MAS)固体核磁気共鳴分光分析法で分析した。実施例12の末に示すように、27Al−NMR分光分析は、蒸気同時供給物の存在下でのトルエンメチル化反応中、改質ZSM−5ゼオライトからアルミニウム構造損失が起こらないことを示唆した。
【0031】
(実施例1)
触媒仕込み量3.0mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、当該触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigに維持した。本実施例では、始動および運転条件を同一とした。2:1モル比のトルエン/メタノール供給物を、約3.09ml/分の速度で導入し、約62/時のLHSVを生じた。同時供給物Hは、H/HCモル比が約0.1となる速度で使用した。供給物と共に、水を約0.65mol HO/mol HC供給物で導入した。運転条件を下記の表1Aおよび1Bに示す。
【表1】


【表2】

【0032】
上記のデータから分かるように、当該触媒は、比較的高LHSVおよび温度約450℃で、約10%のトルエン変換率および約90%のパラ−キシレン選択性を示した。
【0033】
(実施例2)
触媒仕込み量3.0mlを前記反応装置にかけた。当該触媒を、供給物導入前に、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧を約20psigに維持した。モル比2:1で予め混合したトルエン/メタノールを速度1.53ml/分で導入し、LHSV約31/時を生じた。同時供給物Hは、0.11モルH/モルHC供給物の割合で使用した。始動時、水を炭化水素供給物と共に導入し、0.66モルHO/モルHC供給物で維持した。運転条件および結果を表2Aおよび2Bに示す。
【表3】


【表4】

【0034】
上記のデータから分かるように、当該触媒は、比較的高LHSVおよび温度約500℃での運転中、約20%のトルエン変換率および約90%以上のパラ−キシレン選択性を示した。
【0035】
(実施例3)
結合型触媒仕込み量0.90mlを、活性触媒として80%で、前記反応装置にかけた。当該触媒を、供給物導入前に、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧を約20psigに維持した。モル比2:1で予め混合したトルエン/メタノールを速度0.39ml/分で導入した。LHSV約26/時を生じた。同時供給物Hは、0.11モルH/モルHC供給物の割合で使用した。始動時、水を炭化水素供給物と共に導入し、0.82モルHO/モルHC供給物で維持した。運転条件および結果を表3Aおよび3Bに示す。
【表5】


【表6】

【0036】
アルミナ結合ZSM−5触媒は、比較的高いLHSVおよび温度約500℃での運転中、約7%のトルエン変換率および約90%以上のパラ−キシレン選択性を示した。
【0037】
(実施例4)
触媒仕込み量5.4mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。本実施例では、各種始動および運転条件を使用した。始動時、2:1モル比のトルエン/メタノール前混合供給物を、約3.1ml/分の速度で導入し、約34/時のLHSVを生じた。初回同時供給物Hは、H/HCモル比が約0.10となる割合で使用した。約1.8時間後、運転条件を始動し、トルエン/メタノール供給物を、LHSV約2/時、H/HCモル比が約7〜8となるように調整した。初期時間が経過した後、炭化水素供給速度および同時供給物Hをおおむね一定に保った。始動後約23時間目に水を導入し、その速度を変動させた(表4B参照)。運転条件と結果を下記の表4Aおよび4Bおよび図1に示す。
【表7】


【表8】

【0038】
水供給なしの始動時、初期トルエン変換率およびp−キシレン選択率は、それぞれ、約15%および86%であった。LHSVおよびH/HC比は、運転条件で変更したので、p−キシレン選択率は、徐々に減少した。図1に関しては、同時供給物として添加した水の量は、A〜Eと表示した区域で変動し、その場合、
A=水なし
B=約0.8モルHO/モルHC供給物
C=約0.25モルHO/モルHC供給物
D=約0.8モルHO/モルHC供給物
E=約1.1モルHO/モルHC供給物
であった。
水を約0.8〜0.9モルHO/モルHC供給物で添加すると、p−キシレン選択率は、劇的に増加した。水の量を約0.25モルHO/モルHC供給物まで減少させると、p−キシレン選択率は、若干減少したが、約0.7〜0.8モルHO/モルHC供給物に調整し直すと、増加した。
【0039】
(実施例5)
触媒仕込み量4.1mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。本実施例では、各種始動および運転条件を使用した。始動時、2:1モル比のトルエン/メタノール供給物を、約2.74ml/分の速度で導入し、約40/時のLHSVを生じた。初回同時供給物Hは、H/HCモル比が約0.1となる割合で使用した。約2.5時間後、運転条件を始動し、トルエン/メタノール供給物を、LHSV約2/時、H/HCモル比約7〜8となるように調整した。始動後2.5時間で水を導入し、0.6〜0.7モルHO/HC供給物で維持した。運転条件と結果を下記の表5Aおよび5Bおよび図2に示す。
【表9】


【表10】

【0040】
水なしでの始動時、初期トルエン変換率およびp−キシレン選択率は、それぞれ、約21%および90%であった。図2に関して、水を0.6〜0.7モルHO/HC供給物で添加すると、トルエン変換率およびp−キシレン選択率は、運転条件に切り換えた後でさえ、比較的安定していた。
【0041】
(実施例6)
触媒仕込み量5.4mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。本実施例では、各種始動および運転条件を使用した。始動時、2:1モル比のトルエン/メタノール供給物を、約3.08ml/分の速度で導入し、約34/時の初期LHSVを生じた。初回同時供給物Hは、H/HCモル比が約0.1となる割合で使用した。約2時間後、運転条件を始動し、トルエン/メタノール供給物を、LHSV約2/時、H/HCモル比約7〜8となるように調整した。始動後124時間で水を導入し、約0.75モルHO/HC供給物で維持した。運転条件と結果を下記の表6Aおよび6Bおよび図3に示す。
【表11】


【表12】

【0042】
図3に関して、明らかに、変換率およびp−キシレン選択率は、約0.75モルHO/HC供給物で124時間後に水を添加するまで、徐々に減少した。その後、トルエン変換率およびp−キシレン選択率は、運転が終了するまで、経時的に増加した。
【0043】
(実施例7)
触媒仕込み量5.4mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。トルエン/メタノールは、モル比2:1で予め混合した。本実施例では、各種始動および運転条件を使用した。始動時、2:1モル比のトルエン/メタノール供給物を、約2.96ml/分の速度で導入し、約33/時の初回LHSVを生じた。初回同時供給物Hは、H/HCモル比が約0.1となる割合で使用した。約2.5時間後、運転条件を始動し、トルエン/メタノール供給物を、LHSV約2/時、H/HCモル比約7〜8となるように調整した。始動後2.5時間で水を導入し、約0.75モルHO/HC供給物で維持した。反応装置温度は、約500から約530℃まで調整した。運転条件と結果を下記の表7Aおよび7Bおよび図4に示す。
【表13】


【表14】

【0044】
図4に関して、始動後2.5時間目に水を添加した後、トルエン変換率およびp−キシレン選択率は、運転中終始、一定を保った。図4のAおよびB表示区域において、触媒床注入口温度は、それぞれ、約500℃および525℃を維持した。
【0045】
(実施例8)
触媒仕込み量5.4mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。2:1モル比で予め混合しておいたトルエン/メタノール供給物を、約0.46ml/分の速度で導入し、約5/時のLHSVを生じた。同時供給物Hは、0.22モルH/HC供給物となる割合で使用した。水を、始動時に炭化水素供給物と共に導入し、5.45モルHO/HC供給物で維持した。運転条件と結果を下記の表8Aおよび8Bに示す。
【表15】


【表16】

【0046】
上記データから分かるように、当該触媒は、LHSV約5、温度約550℃で運転中、約16%のトルエン変換率および約90%のp−キシレン選択率を示した。
【0047】
(比較例9)
触媒仕込み量3.0mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。本実施例では、始動および運転条件を同一に保ち、水は、供給物中に添加しなかった。2:1モル比のトルエン/メタノール供給物を、約1.55ml/分の速度で導入し、約31/時のLHSVを生じた。同時供給物Hは、約0.75のH/HCモル比となる割合で使用した。運転条件と結果を下記の表9Aおよび9Bに示す。
【表17】


【表18】

【0048】
上記データから分かるように、当該触媒は、最初の数時間の間に約10%のトルエン変換率および約80%以上のp−キシレン選択率を示したが、トルエン変換率、p−キシレン選択率は、共に、約25時間以降は減少した。
【0049】
(実施例10)
触媒仕込み量3.0mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。本実施例では、始動および運転条件は、同一とした。2:1モル比のトルエン/メタノール供給物を、約1.54ml/分の速度で導入し、約31/時のLHSVを生じた。同時供給物Hは、H/HCモル比が約0.1となる割合で使用した。水は、約0.65モルHO/HC供給物で、当該供給物と共に導入した。本実施例では、HとHOの配合比率を調整し、HC供給物1モル当りのHおよびHO総配合比約0.75モルを得た。この0.75モルの同時供給物/供給物モル比は、比較実施例9で用いたものである。運転条件と結果を下記の表10Aおよび10Bに示す。
【表19】


【表20】

【0050】
上記データから分かるように、当該触媒は、比較的高いLHSVおよび約500℃の温度で、約20%のトルエン変換率および約90%以上のp−キシレン選択率を示した。これらの結果を比較実施例9の結果と比較すると、明らかに、Hと配合した蒸気の使用が、同時供給物としてHのみの使用よりも有利であることが認められた。
【0051】
(実施例11)
触媒仕込み量3.0mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。本実施例では、始動および運転条件は、同じとした。2:1モル比のトルエン/メタノール供給物を、約1.71ml/分の速度で導入し、約34/時のLHSVを生じた。同時供給物Hは、この実施例では使用しなかった。水は、約0.75モルHO/HC供給物で、当該供給物と共に導入した。前実施例において、配合HおよびHO同時供給物/供給物モル比は、およそ0.75であった。運転条件および結果を以下の表11Aおよび11Bに示す。
【表21】


【表22】

【0052】
上記データから分かるように、当該触媒は、比較的高いLHSVおよび約500℃の温度で、約18%のトルエン変換率および約90%以上のp−キシレン選択率を示した。これらの結果を実施例10の結果と比較すると、同時供給物Hなしの蒸気の使用は、同様の効果を示した。
【0053】
(実施例12)
触媒仕込み量5.4mlを反応装置にかけた。供給物導入前に、触媒を、H流下、200℃で少なくとも1時間乾燥した。反応装置圧は、約20psigで維持した。本実施例では、各種始動および運転条件を使用した。始動時、2:1モル比のトルエン/メタノール供給物を、約3.06ml/分の速度で導入し、約34/時の初回LHSVを生じた。初回同時供給物Hは、H/HCモル比が約0.1となる割合で使用した。約2時間後、運転条件を始動し、トルエン/メタノール供給物を、LHSV約2/時、H/HCモル比約7〜8となるように調整した。始動後44時間で水を導入し、その割合を変動させた(表12B参照)。反応条件と結果を下記の表12Aおよび12Bおよび図5に示す。
【表23】


【表24】

【0054】
図5に関して、同時供給物として添加した水の量は、A〜Cと表示した区域で変動され、
A=水なし、
B=約0.8モルHO/HC供給物モル
C=約0.25モルHO/HC供給物モル
であった。
供給物中に水がない場合、初期トルエン変換率およびp−キシレン選択率は、それぞれ、約9%と92%であった。LHSVおよびH/HCを調整し、運転条件とした後、トルエン変換率およびp−キシレン選択率は、徐々に減少した。水を添加した後には、トルエン変換率およびp−キシレン選択率は増加した。水の量をHC供給物1モル当りHO 0.25モルまで減少させると、トルエン変換率およびp−キシレン選択率の減少が認められた。
【0055】
(使用済み触媒の分析)
使用済み触媒を分析し、脱アルミニウム(dealumination)による構造変化が起こったと思われるのが、トルエンメチル化反応中に形成された水によるものであるのか、あるいは、トルエンメチル化反応中に供給物と共に添加された水によるものであるのかを決定した。マジック角回転(magic angle spionning MAS)固体NMR試験を、以下の機器条件で実施した:400MHzスペクトロメーター(27Al、104.5MHz)、室温、窒化珪素ローター(Si)、13〜14KHzサンプル回転(約800000rpm)、飽和を回避するための10°チップおよび4000〜10000回スキャンでのシグナル平均化。試験中、プロトンの脱カップリングは、用いられなかった。全スペクトルを、0.0ppmの化学シフトスケールで、塩化アンモニウム六水和物(1本のチューブ中で別個に測定)に参照した。これは、窒化アルミニウム(窒化珪素ローター中の少量不純物)104.85ppmの内部標準になる。
【0056】
同時供給物として蒸気を使ったトルエンメチル化反応で、実施例4および12の使用済み触媒を、500時間以上使用した後、反応装置から取り出した。当該触媒は、空気中、510℃でコークスを燃焼させて、脱炭素処理した。次に、当該触媒を、27Alについて、マジック角回転(MAS)固体NMR分光分析によって分析した。
【0057】
図6は、実施例12からの、使用前および使用済みリン酸水素アンモニウム(AHP)処理ZSM−5触媒のスペクトルを示す。使用前触媒サンプルのNMRスペクトル(スペクトルa)は、55〜50ppm領域に構造が正四面体のアルミニウムピークを示し、顕著なひずみを呈しており、フレームワークアルミニウムの一部を取り出す際に構造中の孔によって引き起こされたネスト化シラノールの存在を表している。30〜40ppmの隣接ピークは、顕著なひずみを呈しているが、依然、フレームワーク中にあり、酸素と3または5配位状態であると思われるアルミニウムに起因する。12ppmのスペクトルにある最大ピークは、8面体の配位アルミニウム原子である。
【0058】
使用済み触媒(スペクトルb)の場合、53ppmのフレームワークアルミニウムの共鳴は、使用前サンプルよりもはるかに鮮明であり、欠損構造の若干のアニーリングが起こった可能性があることを指摘している。当該アニーリングは、ネスト化シラノールが縮合し、Si−O−Si構造を形成する場合に起こり、これがフレームワーク中の応力を放出する。−12ppm位の非フレームワーク8面体アルミニウムの共鳴は、やはり、この時、最も強く、スペクトル中で鮮明であり、有意な再水和が起こっていることを表している。この現象は、水が反応メカニズムの一部であれば認められる。よって、使用前および使用済み触媒サンプルについて、構造アルミニウム(正四面体Al)とされたピーク強度にそれほどの差は認められないことが分かる。
【0059】
また、反応装置から取り出した後の実施例4のリン酸(PA)処理ZSM−5触媒を、27Al NMRについて分析した。AHP処理触媒の場合のように、使用済みPA−処理触媒は、54ppmにフレームワークアルミニウムピークを示す(スペクトル未掲載)。3−または5−配位Al(30〜40ppmの幅広い共鳴)は、上記のサンプルに比較して、有意に高い強度である。−11ppmおよび−20ppmに見られる8面体(6配位)非フレームワークアルミニウム種には3種類ある。それらは、全て、明らかに、ある程度水和している(異なる数の配位結合水分子を有するAl)。
【0060】
MAS NMR分光分析試験から、使用前および使用済み触媒サンプルに関して、構造(正四面体Al)に指定されたピーク強度にそれほどの差が認められなかった、という結論が得られた。よって、ゼオライトからの構造アルミニウム損失は、トルエンメチル化中に形成された水から、もしくは、供給物と共に添加された水から起こった、という結論に達する。
【0061】
本発明を、その形態の一部のみで示されたが、本発明がそのように制約されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることが当業者に明らかになるはずである。従って、添付された特許請求の範囲を広く、また、本発明の範囲と合致する方法で説明することが妥当である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キシレン生成物の調製法であって、
(a)蒸気処理または脱アルミニウムされていない、リン処理ZSM−5型ゼオライト触媒を含有する反応装置を提供すること、
(b)トルエンのメチル化に適した反応装置条件下で、トルエン/メタノール供給物および水素同時供給物と前記触媒を接触させること、および、
(c)メチル化反応中の反応装置へ、水である同時供給物を導入することであって、そこで、前記触媒は、メチル化反応中に構造アルミニウム損失を実質的に起こさないこと
を含む、キシレン生成物の調製法。
【請求項2】
前記の同時供給物である水が初回供給物とともに導入されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の同時供給物である水が、トルエンメチル化反応始動後に導入されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の同時供給物である水が、HC供給物1モル当り水0.2〜10モル未満で反応装置中に供給されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記の同時供給物である水が、HC供給物1モル当り水0.3〜7モルで反応装置中に供給されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記の反応装置が、700℃未満に維持された触媒床注入口温度を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記のリン処理ZSM−5型ゼオライト触媒が、0.01g P/gゼオライト〜0.15g P/gゼオライトの総リン含量を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、当該方法が、キシレンの総モル数にして少なくとも80%のパラ−キシレン含量を有するキシレン生成物を提供することを特徴とする、方法。
【請求項9】
前記のトルエン/メタノール供給物が、1:2〜10:1のトルエン/メタノールモル比を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ZSM−5型ゼオライト触媒を、リン酸およびリン酸水素アンモニウムの少なくとも1種類で処理することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記の反応装置が、400℃〜600℃に維持された触媒床注入口温度を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒が、リン処理前のシリカ/アルミナモル比25〜300を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒が結合型触媒であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
キシレン生成物の調製法であって、
0.01g P/gゼオライト〜0.15g P/gゼオライトの総リン含量およびリン処理前のシリカ/アルミナモル比25〜300を有する、蒸気処理または脱アルミニウムされていない、リン処理ZSM−5型ゼオライト触媒を含有する固定床反応装置を提供すること、
トルエンのメチル化に適した反応装置条件下で前記触媒を、トルエン/メタノール供給物および水素同時供給物と接触させること、および、
メチル化反応中の反応装置へ、炭化水素1モル当り水0.2〜10モル未満の量として水を導入して、キシレンの総モル数にして少なくとも80%のパラ−キシレン含量を有するキシレン生成物を生成することであって、そこで、前記触媒床の注入口温度が700℃未満であり、かつ前記触媒は、メチル化反応中に構造アルミニウム損失を実質的に起こさないこと
を含む、キシレン生成物の調製法。
【請求項15】
前記の水を、初回トルエン/メタノールHC供給物とともに導入することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記の水を、トルエンメチル化反応始動後に導入することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記の水を、炭化水素1モル当り0.3〜7モルの比率で前記反応装置に供給することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記のトルエン/メタノール供給物が、1:2〜10:1のトルエン/メタノールモル比を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記ZSM−5ゼオライト触媒を、リン酸およびリン酸水素アンモニウムの少なくとも1種類で処理することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記の反応装置が、400℃〜700℃に維持された触媒床注入口温度を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記触媒が結合型触媒であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−248249(P2010−248249A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172146(P2010−172146)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【分割の表示】特願2006−534110(P2006−534110)の分割
【原出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(502093335)サウジ ベイシック インダストリーズ コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】