説明

トルエンジアミン開始ポリオールをベースにする硬質ポリウレタンフォーム

硬質ポリウレタンフォームが特定されたレベルのオキシエチレン基を含有するトルエンジアミン開始ポリオールを含有するポリオール成分を使用して製造される。これらのポリオールから製造されたフォームは低いkファクター及び優れた成型品取出し膨張値を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質ポリウレタンフォーム、更に詳しくは電気器具(appliance)及びその他の応用に於ける断熱材として使用されるような現場注入発泡フォーム(pour-in-place foam)用の配合物及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質ポリウレタンフォームは、一般的に、冷蔵庫、冷凍庫若しくはクーラーのような電気器具内の断熱材料として又は屋根及び壁用の断熱材として並びにその他の応用に於いて使用されている。これらの応用に於いてポリウレタンフォームが有する利点は、断熱が望まれる空間内でポリウレタン反応混合物を反応させ、そして発泡させることによって、その場(in situ)で形成される、それらの能力である。得られる硬質フォームは、良好な断熱特性を示し、そしてしばしば更に幾つかの構造的利点を提供する。
【0003】
現場注入発泡ポリウレタンフォーム配合物は、幾つかの要求を満足させなくてはならない。反応配合物は、少量の原料を使用して、重合反応が完結する前に、利用可能な空間を完全に充填することができなくてはならず、その上、良好な断熱特性を有するフォームを提供しなくてはならない。更に、この配合物は迅速に硬化して、寸法的に安定なフォームを形成することが望ましい。寸法的に安定な状態への迅速な硬化によって、製造時間及びコストを減少させることが可能になる。更に、一般的にkファクターと呼ばれる断熱特性は、ある程度、フォーム配合物の迅速な初期反応(ゲル時間)に関係する。
【0004】
この種のフォーム配合物には、一般的に、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネートと反応性であるポリオール成分、発泡剤、1種又はそれ以上の界面活性剤及び通常触媒が含有されている。このポリオール成分は、一般的に、300〜600の平均ヒドロキシル価及び平均3又はそれ以上のヒドロキシル基/分子を有する材料又は材料の混合物である。場合によっては、ヒドロキシル基及び第一級又は第二級アミン基の両方を有するアミノアルコールが、ポリオール成分の全部又は一部を形成することができる。
【0005】
トルエンジアミン(TDA)開始(initiated)ポリオールが、これらのポリウレタン応用に於いて使用するために研究されてきた。ヒドロキシル価300〜600のポリオールを形成するために、プロピレンオキサイドをトルエンジアミンに添加する。これらのポリオールは、これらが、商業的規模の装置で一貫して且つ確実に加工することが非常に困難であるほどまでに、きわめて粘稠であることを見出した。更に、これらのポリオールをフォーム装置で加工するために必要な高い圧力によって、装置寿命が短くなり、そして保全に費用がかかる。その結果、TDAをエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの混合物と反応させることによって、より低い粘度の製品を製造するための種々の試みがなされてきた。5000mPa・Sより下の粘度を有するTDA開始ポリオール製品が、この方法で成功裡に製造された。
【0006】
近年、オゾン減少を巡る関心がエスカレートされてきたので、伝統的なクロロフルオロカーボン(CFC)及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)発泡剤は次第に取り除かれ、より低いオゾン減少能力及び多くの場合により低い地球温暖化能力を有する代替発泡剤が有利になってきた。二酸化炭素(水とイソシアネートとの反応によって発生する)、種々のヒドロフルオロカーボン、種々の炭化水素及びこれらの混合物は、現在、一般的に好まれる代替発泡剤である。しかしながら、これらは、CFC及びHCFC材料と同様に有効な断熱材ではない。例えば、CFC−11及びHFC−141bは、それぞれ77で0.054及び0.066BTU/hr−in−°Fの熱伝導率を有し、他方、HFC−134aの熱伝導率は0.106であり、そしてHFC245faのそれは0.096である。この事実にもかかわらず、政府及び/又は工業規格は、しばしば、これらのフォームを含有する装置が、従前に存在していたのと同じ断熱についての規格に適合することを要求する。このことは、フォーム配合物が、より低い効率の発泡剤を使用するにもかかわらず、必須の断熱を提供するように最適化される必要があることを意味する。この問題は、これらの代替発泡剤が、CFC及びHCFC用の希なドロップイン置き換え(drop-in replacement)であるので、一層難しい。それらの分子量、沸騰温度、溶解度及びその他の特性に於ける変動のために、新しい発泡剤の置換は、殆ど常に、他の配合物の調節を行うことを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、ある種のヒドロフルオロカーボン及び/又は炭化水素発泡剤を使用する、高品質硬質断熱フォームに容易に加工できるポリウレタンフォーム配合物を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの面に於いて、本発明は、(1)反応条件下で、(a)300〜600の平均ヒドロキシル価及び平均少なくとも3個のヒドロキシル基/分子を有する、ポリオール又はその混合物を含有するイソシアネート反応性成分を、(b)ポリオール又はその混合物と反応性であるポリイソシアネートを含有するイソシアネート成分と、炭素数2〜4のヒドロフルオロカーボン、炭素数3〜6のアルカン及び炭素数5〜6のシクロアルカンからなる群から選択された、有効量の物理的発泡剤又はそれらの物理的発泡剤の2種若しくはそれ以上の任意の混合物並びにポリオール又はそれらの混合物の100重量部当たり0.1〜4重量部の水の存在下に、混合することによって、反応混合物を形成せしめ、そして(2)この反応混合物を、密閉空間内で反応し、膨張し、そして硬化して、その密閉空間内で硬質ポリウレタンフォームを形成するような条件に付すことを含んでなり、そのポリオール又はその混合物の少なくとも10重量%が、1種又はそれ以上のヒドロキシル基含有、トルエンジアミン開始ポリエーテルであり、そのトルエンジアミン開始ポリエーテルが300〜600の平均ヒドロキシル価を有し、そして更にオキシエチレン(−CH2−CH2−O−)基が全トルエンジアミン開始ポリエーテル重量の2〜25%、好ましくは、2〜20%を構成するポリウレタンフォームの製造方法である。
【0009】
第二の面に於いて、本発明は、(a)300〜600の平均ヒドロキシル価及び平均少なくとも3個のヒドロキシル基/分子を有する、ポリオール又はその混合物を含有するイソシアネート反応性成分、(b)炭素数2〜4のヒドロフルオロカーボン、炭素数3〜6のアルカン及び炭素数5〜6のシクロアルカンからなる群から選択された、有効量の物理的発泡剤又はその物理的発泡剤の2種又はそれ以上の任意の混合物並びに(c)ポリオール又はその混合物の100重量部当たり0.1〜4重量部の水を含んでなり、前記ポリオール又はその混合物の少なくとも10重量%が、1種又はそれ以上のヒドロキシル基含有、トルエンジアミン開始ポリエーテルであり、そのトルエンジアミン開始ポリエーテルが平均300〜600のヒドロキシル価を有し、そしてオキシエチレン基が全トルエンジアミン開始ポリエーテル重量の2〜25%、好ましくは、2〜20%を構成するイソシアネート反応性組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
イソシアネート反応性成分には、一緒になって、300〜600、好ましくは400〜600の平均ヒドロキシル価を有する、1種又はそれ以上のポリオールが含まれる。トルエンジアミン(TDA)開始ポリエーテルは、ポリオール全重量の小量部分(10〜49%)のみを構成することができる。しかしながら、本発明の利点は、TDA開始ポリエーテル(群)(polyether(s))がポリオールの全重量の少なくとも50%を構成するとき、一層明瞭に見られる。TDA開始ポリエーテルは、好ましくは、ポリオールの全重量の少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも75%、尚更に好ましくは少なくとも80%を構成する。TDA開始ポリエーテル(群)は、ポリオールの全重量の90%、95%、98%又は100%のように多くを構成することができる。
【0011】
TDA開始ポリエーテル(群)は、TDA開始ポリエーテルの全重量の、2%から、好ましくは3%から、更に好ましくは5%から、尚更に好ましくは6%から、25%まで、好ましくは20%まで、更に好ましくは17%まで、尚更に好ましくは15%まで、ある応用に於いては12%を構成する、オキシエチレン基を含む。
【0012】
オキシエチレン基がポリエーテル鎖の末端に現れるとき、これらは第一級ヒドロキシル基を形成する。これらの応用に於いて、末端ヒドロキシル基は、主として第二級ヒドロキシルであることが好ましい。第二級ヒドロキシル基は、ポリエーテルを、より高級の1,2−アルキレンオキサイド、例えばプロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドで「キャッピング」することによって形成することができる。従って、本発明に於いて使用されるTDA開始ポリエーテルは、好ましくは、内部のポリ(オキシエチレン)ブロック又は内部のランダムに共重合されたEO/PO(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックを有し、主として末端第二級ヒドロキシル基を与えるように全POブロックによってキャッピングされているポリエーテルである。ヒドロキシル基の少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも80%、尚更に好ましくは少なくとも90%、特に少なくとも95%が第二級であることが好ましい。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの比は、オキシエチレン含有量及びヒドロキシル価が共に、前記の範囲内に入るようなものである。
【0013】
TDA開始ポリエーテル(又は混合物)は、有利には、50℃で10,000cpsよりも低い、好ましくは50℃で5000cpsよりも低い、特に50℃で3000cpsよりも低い粘度を有する。
【0014】
ブレンドの平均重合したエチレンオキサイド含有量が前記のオキシエチレン含有量及びヒドロキシル価範囲内である限り、1種又はそれ以上の個々の成分が、前記のオキシエチレン基含有量の外側である、TDA開始ポリエーテルのブレンドを使用することは、本発明の範囲内である。例えばブレンドのオキシエチレン含有量及びヒドロキシル価が前記の範囲内である限り、TDAの全PO付加物と、オキシエチレン基を有する別のTDA開始ポリオールとのブレンドを使用することが可能である。このような場合に、ブレンド中のTDA開始ポリエーテルの1種には、再び、ブレンドの平均オキシエチレン含有量及びヒドロキシル価が前記の範囲内に入る限り、前記のものよりも幾らか大きい比率のオキシエチレン基が含有されていてよい。例えば、TDAの全PO付加物を、21〜50重量%、好ましくは30〜40重量%のオキシエチレン基を有するTDA開始ポリオールと、成分比が、オキシエチレン基の全含有量が、ブレンドの2〜25重量%、好ましくは2〜20重量%であるようなものである限り、ブレンドすることができる。一般的に、このようなブレンド中に、50%よりも大きい、特に40%よりも大きいオキシエチレン含有量を有する全ての個々のTDA開始ポリオールを使用しないことが好ましい。それは、これが、著しい割合の第一級ヒドロキシル基を導入する傾向があるからである。
【0015】
TDA開始ポリオール(群)は、重合条件下で、エチレンオキサイド及び別のアルキレンオキサイド(好ましくは、プロピレンオキサイド)をトルエンジアミンに添加することによって、公知の方法で便利に製造される。適当な重合方法は、ドイツ国特許公開第42 32 970A1号明細書、米国特許第4,562,290号明細書及び米国特許第4,209,609号明細書(全てを参照により本明細書に含める)に記載されている。一般的に、TDA開始ポリエーテルは、最初にTDAをエチレンオキサイド又はEO/PO混合物と反応させ、続いて追加のPOと更に反応させることによって製造される。これらの重合は、所望により触媒反応させることができるが、通常、EO重合又はEO/PO共重合を触媒反応させることは必要ではない。適当な重合温度は、70〜150℃である。適当な重合触媒には、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、いわゆるダブル金属シアン化物触媒及び第三級アミンが含まれる。2〜20%の内部重合したEO及び300〜600のヒドロキシル価を有するTDA開始ポリエーテルを製造するために、TDAの1モル当たり、0.18〜3.4モルのEO及び3.1〜8.1モルのPOを重合させる。
【0016】
TDAは、2,3−TDA、2,4−TDA、他の異性体又はこのような異性体の混合物であってよい。TDAは、好ましくは、2,3−TDA又は少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも80重量%、更に好ましくは少なくとも90重量%、尚更に好ましくは少なくとも95重量%の2,3−TDAを含有し、残りが、他のTDA異性体、例えば、2,6−及び2,4−TDA異性体及び/又は不純物であるブレンドである。
【0017】
TDA開始ポリオールは、ポリオール混合物が平均300〜600のヒドロキシル価を有し、そしてポリオールブレンドが平均で分子当たり3個又はそれ以上のヒドロキシル基を有する限り、他のポリオールとブレンドすることができる。適当なこのようなポリオールには、3〜8個のヒドロキシル基/分子を有するポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールが含まれる。ポリエーテルポリオールは、アミン開始、例えばエチレンジアミン開始することができ又はポリ(ヒドロキシル)化合物、例えば糖(例えば、スクロース)、グリセリン及びトリメチロールプロパンで開始することができる。スクロース/グリセリン開始ポリエーテルポリオールが、特に関心のあるものである。ポリエステルポリオールは典型的に二官能性であり、それでこれらは、好ましくは、全ポリオール重量の25%、特に15%よりも多くを構成しない。
【0018】
ポリイソシアネート成分には、平均2個又はそれ以上、好ましくは平均2.5〜4.0個のイソシアネート基/分子を有する、ポリイソシアネート化合物又はこれらの混合物が含まれる。ポリイソシアネート化合物は、芳香族、脂肪族又はシクロ脂肪族であってよい。適当なポリイソシアネートの例はトルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート(全ての異性体)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、ポリメチレン及びポリフェニルイソシアネート(一般的にポリマー性MDIとして知られている)である。ポリマー性MDIは、その高い官能性、入手容易性、低い揮発物質含有量及び低いコストのために、特に適している。上記のポリイソシアネートに加えて、それらのプリポリマー及び準(又は半)プリポリマーが有用である。
【0019】
フォームを製造するために、水と物理的発泡剤との組合せ物が使用される。水は、ポリイソシアネート化合物との反応によって二酸化炭素を生成し、その理由のために、水と反応するために十分なポリイソシアネート化合物を与えなくてはならない。ポリオール混合物の各100重量部当たり0.1〜4部の水が与えられる。水の好ましい量は1.0〜3.25部である。水の更に好ましい量は1.5〜5部である。特に好ましい量は1.4〜2.25部である。
【0020】
物理的発泡剤は、1種又はそれ以上の、炭素数2〜4のヒドロフルオロカーボン(HFC)、炭素数3〜6のアルカン及び/又は炭素数5〜6のシクロアルカンである。これらの混合物を使用できる。従って、HFC又はHFCの混合物が主な発泡剤であるとき、HFCには1種又はそれ以上の炭化水素が含有されていてよい。逆に、炭化水素又は炭化水素の混合物が主な発泡剤であるとき、炭化水素には1種又はそれ以上のHFCが含有されていてよい。適当なヒドロフルオロカーボン(HFC)発泡剤の中には、HFC−125(1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン)、HFC−134A(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HFC−143(1,1,2−トリフルオロエタン)、HFC143A(1,1,1−トリフルオロエタン)、HFC−152(1,1−ジフルオロエタン)、HFC−227ea(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)、HFC−236ca(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロプロパン)、HFC236fa(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロエタン)、HFC245ca(1,1,2,2,3−ペンタフルオロペンタン)、HFC356mff(1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン)及びHFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)がある。ヒドロフルオロカーボンの中で特に関心のあるものは、HFC134A、HFC245fa、HFC365mfc及びこれらの混合物である。有用なアルカン及びシクロアルカン発泡剤には、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロペンタン及びシクロヘキサンが含まれる。シクロペンタン、n−ペンタン及びイソペンタンが炭化水素発泡剤の中で好ましい。
【0021】
物理的発泡剤は、水−イソシアネート反応で生成される二酸化炭素と組合せて、所望の密度のフォームが形成されるような量で使用する。通常の場合に、所望のフォーム密度は、1.25〜6ポンド/立方フィート、好ましくは1.5〜4ポンド/立方フィート、特に1.6〜2.3ポンド/立方フィートの範囲内である。更に、物理的発泡剤の量は、好ましくは物理的発泡剤が、フォーム配合物中に与えられる水及び物理的発泡剤の一緒にしたモル数の、40〜90モル%、好ましくは50〜80モル%、特に60〜80モル%を構成するように選択される。これらのパラメーターに適合するために、ポリオール混合物の100部当たり15〜40、更に典型的に20〜35重量部の物理的発泡剤が一般的に与えられる。
【0022】
フォーム配合物には、また、良好な品質で安定な泡の形成を促進する補助添加物が含有されていてよい。このような添加物には、例えば触媒、界面活性剤及び顔料が含まれる。適当な触媒には、米国特許第5,817,860号明細書(参照して本明細書に含める)の第6欄に記載されているような、公知のポリウレタン触媒が含まれる。水とポリイソシアネートとの反応を促進する少なくとも1種の触媒及びポリオール(群)とポリイソシアネートとの反応を促進する少なくとも1種の他の触媒の混合物を使用することが一般的に好ましい。イソシアヌレート基を形成するためのイソシアネートの三量化反応を促進する触媒を使用することもでき、この触媒は、イソシアネート指数が1.2よりも大きいとき好ましい。
【0023】
このような触媒には、スズ、亜鉛、ビスマス、鉄及び水銀の塩及びキレート並びに第三級アミン化合物が含まれる。有機スズ触媒、例えば第一スズオクトエート(stannous octoate)、オレイン酸第一スズ、塩化第二スズ、ジメチルスズジラウレート及びジブチルスズジラウレートが、好ましい金属触媒である。適当な第三級アミン触媒には、トリエチレンジアミン(33重量%溶液として市販されている)、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−ココ−モルホリン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチルピペラジン、3−メトキシ−N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−メチルイソプロピルプロピレンジアミン、N,N’−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、N,N−ジモルホリンジエチルエーテル、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、4,4’−(オキシジ−2,1−エタンジイル)ビス及びペンタメチレンジアミンが含まれる。この触媒は、便利に、イソシアネート反応性成分又はイソシアネート成分中に溶解又は分散される。
【0024】
触媒の量は所望の反応速度を与えるように選択される。15〜50秒間、好ましくは25〜40秒間、更に好ましくは28〜35秒間のゲル時間(下記の試験に従う)を与えるために十分な触媒が、殆どの応用に於いて望ましい。
【0025】
フォーム配合物には、殆どの場合に、界面活性剤が含有されている。適当な界面活性剤には、公知のシリコーン界面活性剤並びに非イオン性ポリエーテル界面活性剤が含まれる。シリコーン界面活性剤には、市販のポリシロキサン/ポリエーテルコポリマー、例えば、テゴスタブ(Tegostab)(ゴールドシュミット・ケミカル社(Goldschmidt Chemical Corp.)の登録商標)B−8462及びB−8404、ニアックス(Niax)(GEシリコーンズ社(GE Silicones)の登録商標)L−6900及びL−6910界面活性剤並びにダウ・コーニング社(Dow Corning)から入手可能なDC−198及びDC−5043界面活性剤が含まれる。界面活性剤は、発泡反応混合物の細胞構造を、それが硬化するまで安定化させるために使用される。非イオン性ポリエーテル界面活性剤には、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド及びエチレンオキサイド/ブチレンオキサイドブロックコポリマーが含まれる。アニオン性又はカチオン性界面活性剤を使用することは、あまり好ましくない。典型的に、界面活性剤は、ポリオール混合物の100重量部当たり、0.5〜4部、特に1.5〜3部のレベルで使用される。触媒と同様に、界面活性剤は、イソシアネート反応性成分若しくはイソシアネート成分中又は両方の中に含有させることができるが、最も典型的にイソシアネート反応性成分の中に含有させる。
【0026】
フォーム配合物の他の任意の成分には、充填剤、例えばタルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、グラファイト、ガラス、カーボンブラック及びABSのようなプラスチック粉末;繊維、例えばガラス若しくは他のセラミックス、炭素、金属又はポリマー、例えば、ポリアミド(即ち、ケブラー(Kevlar))、プロピレン;着色剤;殺生物剤並びに保存剤が含まれる。
【0027】
本発明のフォームは、ポリオール成分及びイソシアネート成分を、発泡剤の存在下で、ポリオールとポリイソシアネート(群)とが反応し、硬化し、そして発泡剤が、同時にガスを発生して、反応混合物を膨張させるような条件下で混合することによって、便利に製造される。良好な反応及び硬化を得るために、成分を予熱するか又は反応混合物に熱を適用することは、通常必要ない。しかしながら、所望により加熱を使用することができる。
【0028】
成分の比は、有利に、0.7から、好ましくは0.9から、更に好ましくは0.98から、3.0まで、好ましくは1.5まで、更に好ましくは1.25まで、特に1.1までのイソシアネート指数(NCO基の、ポリオール及び水中のイソシアネート反応性基に対する比)を与えるように選択される。
【0029】
これらのフォームの重要な応用は断熱応用にあるので、通常のフォーム製造方法に於いて、フォーム配合物を混合し、そして断熱が必要な密閉空間の中に入れる。次いで、配合物は反応し、そして膨張して、その場でフォームを形成する。所望により、硬化及び/又はフォームの壁への接着を促進するために、密閉空間を形成する壁を加熱することができる。密閉空間を規定する壁は、通常、所定の場所に、ジグ又は他の装置を使用して、フォーム配合物が十分に反応して、それが寸法的に安定であり、そして取り出すことができるようになるまで、機械的に保持される。
【0030】
殆どの断熱応用に於いて、短時間内に寸法的に安定になるまで硬化する、良好な品質の独立気泡を形成するために十分なフォーム配合物を使用することが望ましい。これは、しばしば、密閉空間をぴったり充填するために必要であるフォーム配合物の最小量を決定し、そして部分を充填し、そしてフォームを製造するためのフォーム配合物の、僅かに多い量、例えば5〜20%、特に7〜15%多い量を使用することによって達成される。この「過充填」は、密閉空間が完全に充填されることを確実にする助けになり、そして硬化させて、それらの機械的拘束から密閉壁を開放することによって、フォームを「取り出す」ことができるほど十分に寸法的に安定であるフォームを製造するために、配合物が必要とする時間を短縮する。
【0031】
次いで、取り出し時間は、フォームが十分に寸法的に安定であるために必要な時間によって定義され、そして望ましくは1分間から5分間未満まで、好ましくは2〜3.5分間、特に2〜3分間である。
【0032】
寸法的に安定な状態にまで硬化するためのフォーム配合物の能力を評価する標準的方法は、固定された時間で取り出すとき、フォームが示す膨張の量を測定することである。典型的な試験は、一般的にブレット(Brett)金型と呼ばれる標準金型内でフォームを成形し、それを3分間(又はその他の所定時間)硬化させ、次いで金型の拘束を解放して、全ての更なるフォーム膨張が金型を開くようにすることである。金型が開く量が、フォームの取り出し後膨張の尺度である。この試験に於いて、取り出し膨張は、望ましくは、0.1インチ未満、好ましくは0.05インチ未満、尚更に好ましくは0.03インチ以下である。
【0033】
硬化したフォームは、好ましくは0.150BTU−in/ft2−hr−°F未満、更に好ましくは0.140BTU−in/ft2−hr−°F未満、尚更に好ましくは0.135BTU−in/ft2−hr−°F以下、特に0.132BTU−in/ft2−hr−°F以下のkファクターを示す。0.125BTU−in/ft2−hr−°Fのように低い、更に典型的に0.128BTU−in/ft2−hr−°Fのように低いkファクターは、ある場合には、最適化によって得ることができる。フォームのkファクターは、発泡剤(群)の選択、気泡サイズ及び(ゲル時間として表現される)配合物の反応性を含む種々の要因に依存する。
【0034】
本発明のフォーム配合物のための具体的な応用例は、クーラー、冷凍庫、冷蔵庫、屋根、壁及び床材に於けるような断熱応用を含む。フォーム配合物は、表面シートを含んでいるか又は含んでいない断熱パネルを作るために使用することができる。
【0035】
本発明のフォーム配合物は、また、自由上昇(free-rise)適用で使用することもできる。
【0036】
下記の実施例は、本発明を例示するために示されるが、その範囲を限定することを意図しない。全ての部及びパーセント(%)は、特に断らない限り重量基準である。
【0037】
下記のポリオールを、下記の実施例及び比較例で使用する。
【0038】
ポリオールA 最初に、54部のo−TDAを、17.5部のEO及び79.6部のPOの混合物と、125℃で4時間反応させることによって製造した、TDA開始ポリオール。次いで、ジメチルエチルアミン(2.66部)を添加し、そして65.7部のPOを125℃で供給する。反応器圧力が3.7バールで一定になった後、1.33部の追加のジメチルエチルアミンを添加し、そしてこの混合物を125℃で一夜温浸させる。残留するPOを窒素パージによって除去する。得られるポリオールは、8%のオキシエチレン基を含有し、約456のヒドロキシル価を有する。
【0039】
ポリオールB EO/PO比を、17%のオキシエチレン基を含有し、そして約430のヒドロキシル価を有するポリオールを製造するように変更した以外は、ポリオールAについて記載したような一般的な方法で製造したTDA開始ポリオール。
【0040】
ポリオールC 35%のオキシエチレン基を含有し、そして約390のヒドロキシル価を有するTDA開始ポリオール。
【0041】
ポリオールD オキシエチレン基を含有せず、そして430のヒドロキシル価を有するTDA開始ポリ(プロピレンオキサイド)ポリオール。
【0042】
ポリオールE スクロース/グリセリン混合物から開始される360 OH価ポリ(プロピレンオキサイド)ポリオール。
【0043】
ポリオールF 約300のOH価を有する二官能性芳香族ポリエステルポリオール。
【0044】
ポリオールG 170のOH価を有する三官能性ポリ(プロピレンオキサイド)ポリオール。
【0045】
ポリオールH 640のOH価を有する四官能性エチレンジアミン開始ポリ(プロピレンオキサイド)ポリオール。
【0046】
実施例1〜3並びに比較例C1及びC2
硬質ポリウレタンフォーム実施例1〜3並びに比較例C1及びC2を、表Iに記載したようなフォーム配合物から製造する。
【0047】
【表1】

【0048】
フォームを製造し、下記のようにして試験する。自由上昇(free-rise)密度及びゲル時間は、600〜800gのフォーム配合物を混合し、それをプラスチック袋の中に注ぎ、そしてフォームを抑制しないで膨張させることによって決定する。ゲル時間は、イソシアネート反応性成分とイソシアネート成分とを、木製舌圧子を混合物に触れさせ、そして離すとき、混合物が紐を形成するまで、混合する時間から決定する。自由上昇密度は、ASTM−D−1622に従ってコアサンプル上で測定し、kファクター、最小充填密度、圧縮強度及び取り出し膨張は、標準の5×20×200cm、ヒンジ付き、2個構成ブレット金型内で製造したフォームから測定する。ヒンジは、1個の200cm側に沿っている。最小充填密度は、金型体積の約95%を充填するために、金型内でフォーム配合物を十分に発泡させることによって測定する。フォームの体積で割った、フォーム配合物の重量を、最小充填密度として得る。kファクター、圧縮強度及び取り出し膨張は、10%過充填でブレット金型内で製造したフォームサンプルから採り、そしてそれぞれASTM−C−518及びD−1621に従って測定する。取り出し膨張は、10%過充填ブレット金型で、イソシアネート反応性成分とイソシアネート成分とを混合して3分後に、圧力を解放することによって測定し、ヒンジに対向する200cm側で金型が開く量を測定する。
【0049】
結果を表IIに示す。
【0050】
【表2】

【0051】
比較サンプルC1は、全PO、TDA開始ポリオールを使用して得ることができる、良品質のフォームの実例である。このフォームは0.131の優れたkファクターを有し、非常に小さい取り出し膨張を示す。一般的に、kファクターは、ゲル時間に於ける3秒間の減少毎に、0.001単位の改良の速度で、減少したゲル時間(他の要因は等しい)で改良する傾向がある。比較例C1についてゲル時間を減少するために触媒レベルを僅かに増加させることによって、他の要因への最小の影響で、0.130のkファクターが期待できる。しかしながら、公知のように、全PO、TDA開始ポリオールは、殆どの商業的発泡装置で一貫して且つ確実に加工するためには、粘稠すぎる。
【0052】
比較サンプルC2は、全PO、TDA開始ポリオールを、高いオキシエチレン含有量を有するTDA開始ポリオールで置き換えたとき、フォーム特性、注目すべきkファクター及び取り出し膨張がどのように低下するかを示す。kファクターは、増加したゲル時間を考慮に入れたときでも、顕著に悪くなる。取り出し膨張は実質的に増加する。
【0053】
実施例1は、8%EO、TDA開始ポリオールの使用により、最小に増加した商業的に許容される取り出し膨張で、比較サンプルC1のものに匹敵するkファクターを有するフォームがどのように作られるかを示す。比較サンプルC1でのように、ゲル時間を30秒に下げるための触媒パッケージの最適化は、kファクターを0.129又は0.130に下げると予想されるであろう。しかしながら、比較サンプルC1に於いて使用した全PO、TDA開始ポリオールとは反対に、この配合物は低い粘度を有し、そして容易に且つ再現可能に加工される。
【0054】
HFC−245発泡剤の比率は、実施例1〜3に於いて、比較例の何れに於けるよりも高い。60%から70%へのHFC−245のモル比に於ける変化によって、約0.0013単位ほどkファクターが増加すると予想される。60%から80%へのHFC−245のモル比に於ける変化によって、約0.0026単位ほどkファクターが増加すると予想される。
【0055】
実施例2及び3は、本発明によってもたらされる低いkファクター及び取り出し膨張が、TDA開始ポリオールの一部を、他の非芳香族非アミン含有ポリオールで置き換えるとき達成できることを示している。実施例3は、ポリオール混合物の10重量%以下が二官能性ポリオールであるときでも、これが事実であることを示している。取り出し膨張の幾らかの低下が実施例3に於いて見られるが、この値は一般的に許容され、そして比較サンプルC2のものよりも遙かに小さい。
【0056】
実施例4〜7
硬質ポリウレタンフォーム実施例4〜7を、表IIIに記載したようなフォーム配合物を使用して、実施例1〜3に関して記載したようにして、製造しそして評価する。
【0057】
【表3】

【0058】
得られるフォームを、実施例1に記載したようにして製造しそして評価し、結果を表IVに示す。
【0059】
【表4】

【0060】
実施例4〜7は、幾らか高いレベルのオキシエチレン基を含有するTDA開始ポリオールが、尚、特に比較例C2と比較したとき、低いkファクター及び低い取り出し膨張の望ましい組合せをもたらせることを示している。実施例4と実施例7との間の比較は興味深い。2種のTDA開始ポリオール、即ち、35%のオキシエチレン基を含有するものと、オキシエチレン基を含有しない他のものとのブレンドを実施例7で使用する。このブレンドは、実施例4に於いて使用したポリオールのものと同様に、約17%のオキシエチレン基を含有している。圧縮強度に於ける幾らかの損失を除いて、TDA開始ポリオールのブレンドは、実施例4に於いて使用した単一のTDA開始ポリオールに非常によく似た挙動をしている。しかしながら、ポリオールDは粘稠であり、そしてそれを商業的フォーム装置で容易に使用できる前に、ポリオールCとブレンドしなくてはならない。追加のブレンド工程は、コストを追加し、このアプローチを幾らか好ましくなくする。
【0061】
実施例8及び9並びに比較サンプルC3及びC4
硬質ポリウレタンフォーム実施例8及び9並びに比較サンプルC3及びC4を、表Vに記載したようなフォーム配合物を使用して、実施例1〜3に関して記載したようにして、製造しそして評価する。
【0062】
【表5】

【0063】
得られるフォームを、実施例1に記載したようにして製造しそして評価し、結果を表VIに示す。
【0064】
【表6】

【0065】
実施例8及び9は、HFC−134aを含有する発泡剤パッケージと一緒のTDA開始ポリオールの使用を示す。これらは最適化されていないシステムを示す。最適化は、実施例8の最小充填密度及び取り出し膨張並びに実施例9の取り出し膨張を減少させると予想される。最適化されていない配合物にもかかわらず、非常に低いkファクターが得られる。比較サンプルは、発泡剤組成及びゲル時間に於ける差について調節した後でも、顕著に高いkファクターを有する。
【0066】
実施例10及び比較サンプルC5
硬質ポリウレタンフォーム実施例10及び比較サンプルC5を、表VIIに記載したようなフォーム配合物を使用して、実施例1〜3に関して記載したようにして、製造しそして評価する。
【0067】
【表7】

【0068】
得られるフォームを、実施例1に記載したようにして製造しそして評価し、結果を表VIIIに示す。
【0069】
【表8】

【0070】
実施例10は、シクロペンタン/水共発泡配合物中で、ポリオール混合物の小量成分としての低EO TDA開始ポリオールの使用を示す。本発明のTDA開始ポリエーテルを小量成分として使用するときでも、取り出し膨張に於ける顕著な改良が見られる。
【0071】
実施例11
実施例11の硬質ポリウレタンフォームを、表IXに記載したようなフォーム配合物を使用して、実施例1〜2に関して記載したようにして、製造しそして評価する。この実施例は、存在する全ポリオールの70%を構成する22%EO o−TDAポリオールブレンドのために、35重量%の、8%のEOを有するo−TDAポリオール及び等量の35重量%EO o−TDAポリオールを使用する。
【0072】
【表9】

【0073】
得られるフォームを、実施例1に記載したようにして製造しそして評価し、結果を表Xに示す。
【0074】
【表10】

【0075】
実施例11は、より高いEO含有量を有するポリオールを使用することを示し、取り出し膨張は、実施例1〜3について観察されるものよりも高いが、尚商業的限界内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)反応条件下で、(a)300〜600の平均ヒドロキシル価及び平均少なくとも3個のヒドロキシル基/分子を有する、ポリオール又はその混合物を含有するイソシアネート反応性成分を、(b)ポリオール又はその混合物と反応性であるポリイソシアネートを含有するイソシアネート成分と、炭素数2〜4のヒドロフルオロカーボンからなる群から選択された、有効量の物理的発泡剤及びポリオール又はその混合物の100重量部当たり0.1〜4重量部の水の存在下に、混合することによって、反応混合物を形成せしめ、そして
(2)前記反応混合物を、密閉空間内で反応し、膨張し、そして硬化して、前記密閉空間内で硬質ポリウレタンフォームを形成するような条件に付すことを含んでなり、
そのポリオール又はその混合物の少なくとも10重量%が、1種又はそれ以上のヒドロキシル基含有、トルエンジアミン開始ポリエーテルであり、そのトルエンジアミン開始ポリエーテルが300〜600の平均ヒドロキシル価を有し、そして更にオキシエチレン(−CH2−CH2−O−)基が全トルエンジアミン開始ポリエーテル重量の2〜25%を構成するポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項2】
前記物理的発泡剤がHFC134A、HFC245fa、HFC365mfc及びこれらの混合物から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(1)反応条件下で、(a)300〜600の平均ヒドロキシル価及び平均少なくとも3個のヒドロキシル基/分子を有する、ポリオール又はその混合物を含有するイソシアネート反応性成分を、(b)ポリオール又はその混合物と反応性であるポリイソシアネートを含有するイソシアネート成分と、炭素数3〜6のアルカン及び炭素数5〜6のシクロアルカンからなる群から選択された、有効量の物理的発泡剤及びポリオール又はその混合物の100重量部当たり0.1〜4重量部の水の存在下に、混合することによって、反応混合物を形成せしめ、そして
(2)前記反応混合物を、密閉空間内で反応し、膨張し、そして硬化して、前記密閉空間内で硬質ポリウレタンフォームを形成するような条件に付すことを含んでなり、そのポリオール又はその混合物の少なくとも10重量%が、1種又はそれ以上のヒドロキシル基含有、トルエンジアミン開始ポリエーテルであり、そのトルエンジアミン開始ポリエーテルが300〜600の平均ヒドロキシル価を有し、そして更にオキシエチレン(−CH2−CH2−O−)基が全トルエンジアミン開始ポリエーテル重量の2〜25%を構成するポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項4】
前記トルエンジアミン開始ポリエーテルが3〜20重量%の平均オキシエチレン基含有量を有する請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記トルエンジアミンが少なくとも50重量%の2−3−異性体である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記トルエンジアミン開始ポリエーテルがポリオール又はその混合物の少なくとも50重量%を構成する請求項1又は3に記載の方法。
【請求項7】
前記トルエンジアミン開始ポリエーテルが6〜15重量%の平均オキシエチレン基含有量を有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
トルエンジアミン開始ポリエーテルがポリオール又はその混合物の少なくとも80重量%を構成する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記物理的発泡剤が炭素数3〜6のアルカン及び炭素数5〜6のシクロアルカン又はそれらの発泡剤の2種若しくはそれ以上の混合物から選択される請求項3に記載の方法。
【請求項10】
イソシアネート反応性成分及びイソシアネート成分を、界面活性剤及び触媒の存在下で、混合する請求項1又は3に記載の方法。
【請求項11】
前記密閉空間が冷凍庫、冷蔵庫又はクーラーの壁である請求項1又は3に記載の方法。
【請求項12】
(a)300〜600の平均ヒドロキシル価及び平均少なくとも3個のヒドロキシル基/分子を有する、ポリオール又はその混合物を含有するイソシアネート反応性成分、(b)炭素数2〜4のヒドロフルオロカーボンからなる群から選択された、有効量の物理的発泡剤並びに(c)ポリオール又はその混合物100重量部当たり0.1〜4重量部の水を含んでなり、前記ポリオール又はその混合物の少なくとも10重量%が1種又はそれ以上のヒドロキシル基含有トルエンジアミン開始ポリエーテルであり、そのトルエンジアミン開始ポリエーテルが300〜600の平均ヒドロキシル価を有し、そしてオキシエチレン基がトルエンジアミン開始ポリエーテルの全重量の2〜25%を構成するイソシアネート反応性組成物。
【請求項13】
前記物理的発泡剤がHFC134A、HFC245fa、HFC365mfc及びこれらの混合物から選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
(a)300〜600の平均ヒドロキシル価及び平均少なくとも3個のヒドロキシル基/分子を有する、ポリオール又はその混合物を含有するイソシアネート反応性成分、(b)炭素数3〜6のアルカン及び炭素数5〜6のシクロアルカンからなる群から選択された、有効量の物理的発泡剤又はその物理的発泡剤の2種若しくはそれ以上の混合物並びに(c)ポリオール又はその混合物100重量部当たり0.1〜4重量部の水を含んでなり、そのポリオール又はその混合物の少なくとも10重量%が1種又はそれ以上のヒドロキシル基含有トルエンジアミン開始ポリエーテルであり、そのトルエンジアミン開始ポリエーテルが300〜600の平均ヒドロキシル価を有し、そしてオキシエチレン基がトルエンジアミン開始ポリエーテル全重量の2〜25%を構成するイソシアネート反応性組成物。
【請求項15】
前記トルエンジアミン開始ポリエーテルが3〜20重量%の平均オキシエチレン基含有量を有する請求項12又は14に記載の組成物。
【請求項16】
前記トルエンジアミンが少なくとも50重量%の2−3−異性体である請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記トルエンジアミン開始ポリエーテルがポリオール又はその混合物の少なくとも50重量%を構成する請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記トルエンジアミン開始ポリエーテルが6〜12重量%の平均オキシエチレン基含有量を有する請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記トルエンジアミン開始ポリエーテルがポリオール又はその混合物の少なくとも80重量%を構成する請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記物理的発泡剤が炭素数3〜6のアルカン及び炭素数5〜6のシクロアルカン又は前記発泡剤の2種若しくはそれ以上の混合物から選択される請求項14に記載の組成物。
【請求項21】
前記イソシアネート反応性成分及びイソシアネート成分を、界面活性剤及び触媒の存在下に、混合する請求項12又は14に記載の組成物。
【請求項22】
(1)反応条件下で、(a)300〜600の平均ヒドロキシル価及び平均少なくとも3個のヒドロキシル基/分子を有する、ポリオール又はその混合物を含有するイソシアネート反応性成分を、(b)ポリオール又はその混合物と反応性であるポリイソシアネートを含有するイソシアネート成分と、炭素数2〜4のヒドロフルオロカーボン、炭素数3〜6のアルカン及び炭素数5〜6のシクロアルカンからなる群から選択された、有効量の物理的発泡剤又はその物理的発泡剤の任意の2種若しくはそれ以上の混合物並びにポリオール又はその混合物100重量部当たり0.1〜4重量部の水の存在下に、混合することによって、反応混合物を形成せしめ、そして(2)前記反応混合物を、密閉空間内で反応し、膨張し、そして硬化して、前記密閉空間内で硬質ポリウレタンフォームを形成するような条件に付すことを含んでなり、前記ポリオール又はその混合物の少なくとも10重量%が1種又はそれ以上のヒドロキシル基含有、トルエンジアミン開始ポリエーテルであり、そのトルエンジアミン開始ポリエーテルが300〜600の平均ヒドロキシル価を有し、そして更にオキシエチレン(−CH2−CH2−O−)基がトルエンジアミン開始ポリエーテル(群)全重量の2〜25%を構成するポリウレタンフォームの製造方法。

【公表番号】特表2007−510779(P2007−510779A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538304(P2006−538304)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/035998
【国際公開番号】WO2005/044889
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】