説明

トルクリミッタ、リタードロール、給紙装置及び画像形成装置

【課題】固定部材と可動部材の凹凸部が軸方向で嵌合するトルクリミッタにおいて、高いトルク安定性を有し、コスト低減を実現することができるリタードロール、給紙装置及びこれを有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】トルクリミッタ78は、回転を規制して支持された固定部材106と回転自在に支持された可動部材108とを有する。固定部材106は、円形状の凸部120を有し、可動部材108に形成された円形状の凹部114と軸方向で嵌合し摺動している。これにより、摺動する嵌合部116の面積を減少することができ、径方向に付勢されている押圧力の影響も受けにくいので、摺動面の摩擦や撓みによるトルクの不安定を防止することができる。また、金属材料を用いている固定部材106の形状がシンプルであり、かつ小型化されているので、コスト低減を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクリミッタ、このトルクリミッタを有するリタードロール、このリタードロールを有する給紙装置、及びこの給紙装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、画像形成部に用紙を供給する給紙装置を備えている。給紙装置は、給紙カセット等に載積された用紙を一枚ずつ捌いて画像形成部に供給する必要がある。従来の用紙捌き機構の一つとして、フィードロールに対向してリタードロールを用いるものが知られている。このリタードロールにコイルバネを利用したトルクリミッタを使用し、このトルクリミッタを固定ドラム部と、この固定ドラム部の周囲に可動ドラム部を設けたものが公知となっている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−2726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来例においては、固定ドラム部に支持部が一体成型され、この支持部により加圧バネの付勢力を受けるように構成されている。この固定ドラム部に金属を用いた場合は、コストが高くなる。また、固定ドラムに樹脂を用いた場合は、全長が長くかつ径が小さいときには固定ドラムの強度不足により撓みが発生し、異音、磨耗、トルク不安定等を起こすことがある。
【0005】
本発明は、高い剛性及びトルク安定性を有し、コスト低減を実現するトルクリミッタ、このトルクリミッタを有するリタードロール、このリタードロールを有する給紙装置、及びこの給紙装置を有する画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目標を達成するため、本発明の第1の特徴とするところは、円筒状の内壁を有する第1の部材と、円筒状の外壁を有し、この外壁が前記第1の部材の内壁の外側に配置された第2の部材と、前記第1の部材の内壁と前記第2の部材の外壁との間に配置され、前記第1の部材と第2の部材が相対的に回転するときのトルクに応じて前記第1の部材と前記第2の部材との間の摩擦を変化させる弾性部材とを有し、前記第1の部材又は前記第2の部材のいずれか一方に、軸方向に凹む円形の凹部が、他方に、軸方向に突出する円形の凸部が形成され、該凹部と凸部が軸方向で嵌合してなるトルクリミッタにある。したがって、凹部と凸部の摺動面が付勢手段の付勢する方向と異なるので、押圧力の影響を緩和することができる。
【0007】
本発明の第2の特徴とするところは、円筒状の内壁と円筒状のロール面とを有する可動部材と、円筒状の外壁を有し、この外壁が前記可動部材の内壁の内側に配置された固定部材と、前記可動部材が前記固定部材に対して回転するときのトルクに応じて前記固定部材と前記可動部材との間の摩擦を変化させる弾性部材とを有し、前記可動部材又は前記固定部材のいずれか一方に、軸方向に凹む円形の凹部が、他方に、軸方向に突出する円形の凸部が形成され、該凹部と凸部が軸方向で嵌合してなるリタードロールにある。
【0008】
好ましくは、前記リタードロールは、前記可動部材を回転自在に支持する軸受け部材を有する。
【0009】
好ましくは、前記リタードロールは、前記可動部材には軸方向に突出する軸部を有し、この軸部の外側に軸受け部材が嵌合することによって支持される。
【0010】
好ましくは、前記リタードロールは、前記可動部材には軸方向に凹む軸部を有し、この軸部の内側に軸受部材が嵌合することによって支持される。
【0011】
本発明の第3の特徴とするところは、回転自在に支持されたフィードロールと、このフィードロールに対向して設けられたリタードロールと、このリタードロールを前記フィードロールに向けて付勢する付勢手段とを有し、前記リタードロールは、円筒状の内壁と円筒状で前記フィードロールに当接するロール面とを有する可動部材と、円筒状の外壁を有し、この外壁が前記可動部材の内側に配置された固定部材と、前記可動部材が前記固定部材に対して回転するときのトルクに応じて前記固定部材と前記可動部材との間の摩擦を変化させる弾性部材とを有し、前記可動部材には軸方向に凹む円形の凹部が、前記固定部材には軸方向に突出する円形の凸部が形成され、該凹部と凸部が軸方向で嵌合する給紙装置にある。
【0012】
好ましくは、前記リタードロールは、さらに前記可動部材を回転自在に支持する軸受け部材を有し、前記付勢手段は押圧ばねから構成され、この押圧ばねにより前記軸受け部材を押圧する。
【0013】
本発明は、上述した給紙装置を有する画像形成装置を含むものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トルクリミッタの固定部材又は可動部材のいずれか一方に、軸方向に凹む円形の凹部を、他方に、軸方向に突出する凸部を形成し、該凹部と凸部を軸方向で嵌合したことにより、高い剛性及びトルク安定性と、コスト低減を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
図1において、本発明の実施に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12内に像形成手段14が搭載され、この画像形成装置本体12の上部に排出部16が設けられていると共に、この画像形成装置本体12の下部に給紙装置18が設けられている。給紙装置18は、用紙束を収納する給紙カセット20と、給紙本体部22を有する。給紙本体部22は、互いに対峙するフィードロール24とリタードロール26とを有する。この給紙本体部22により給紙カセット20に収納された用紙束の最上位にある用紙を供給するようになっている。
【0016】
排出部16は、画像形成装置本体12に対して回転自在の傾斜部28を有する。この傾斜部28は、排出口部が低く、正面方向(図1の右方向)に向けて徐々に高くなるように傾斜しており、排出口部分を下端とし、高くなった先端を上端としている。この傾斜部28は下端を中心に回動自在であるよう画像形成装置本体12に支持されている。図1において2点鎖線で示すように、傾斜部28を上方に回転して開いたときには、開放部30が形成され、この開放部30を介して後述するプロセスカートリッジ32が脱着できるようにしてある。
【0017】
像形成手段14は、例えば電子写真方式のもので、感光体からなる像担持体34と、この像担持体34を一様帯電する例えば帯電ロールからなる帯電装置36と、この帯電装置36により帯電された像担持体34に、光により潜像を書き込む光書込み装置38と、この光書込み装置38により形成された像担持体34の潜像を現像剤により可視化する現像装置40と、この現像装置40による現像剤像を用紙に転写する例えば転写ロールからなる転写装置42と、像担持体34に残存する現像剤をクリーニングする例えばブレードからなるクリーニング装置44と、転写装置42により転写された用紙上の現像剤像を用紙に定着させる例えば加圧ロールと加熱ロールとからなる定着装置46とから構成されている。光書込み装置38は例えば光走査型のレーザ露光装置からなり、給紙装置18の給紙カセット20と平行で画像形成装置本体12の前面(図1の右側面)近傍に配置され、現像装置40を露光する。また、現像装置40は、像担持体34と対向する現像ロール48を有する。
【0018】
プロセスカートリッジ32は、像担持体34、帯電装置36、現像装置40及びクリーニング装置44を一体化したものである。このプロセスカートリッジ32は、排出部16の傾斜部28の直近下方に配置されており、前述したように、傾斜部28を開いたときに形成される開放部30を介して脱着される。
【0019】
また、画像形成装置本体12には、例えばレジストロール50が転写装置42の上流側(図1の下方側)に配置されている。給紙装置18の給紙カセット20から搬送路52に搬送された用紙は、このレジストロール50により一時停止され、所定のタイミングで像形成手段14に送られて像が形成され、排出ロール54により排出部16へ排出される。
【0020】
ただし、両面印刷の場合は、反転路に戻される。即ち、排出ロール54の手前は2股に分かれ、その分かれた部分に切換爪56が設けられていると共に、分かれた部分からレジストロール50まで戻る反転路58が形成されている。この反転路58には搬送ロール60a〜60cが設けられており、両面印刷の場合には、切換爪56が反転路58を開く側に切り換えられ、排出ロール54に用紙の後端手前がかかる時点で排出ロール54が反転し、用紙が反転路58に導かれ、レジストロール50、転写装置42と像担持体34との間及び定着装置46を通って排出部16へ排出されるものである。
【0021】
図2において、給紙本体部22の詳細が示されている。
給紙本体部22は、画像形成装置本体12に支持されるフィードロール24と、給紙カセット20配置される後述する軸受け部材62,64と、前記軸受け部材62、64に支持されるリタードロール26及び付勢手段である押圧ばね66とを有する。
フィードロール24は、半月ロール68と、リング状のコロ70a,70bと、このコロ70a,70bが回動自在であるよう支持するコロ支持部材72a,72bとを有し、これらが組み立てられて回転軸74に装着されている。
リタードロール26及びフィードロール24は対向して配置され、フィードロール24のコロ70a,70bがリタードロール26に常時接触し、半月ロール68がリタードロール26に間欠的に接触するようになっている。
【0022】
図3において、リタードロール26の詳細が示されている。
リタードロール26は、後述するトルクリミッタ78を有し、このトルクリミッタ78のロール面(外周面)80に摩擦部材82が圧入されている。摩擦部材82は、例えばゴム等の弾性体からなる。このリタードロール26の両側面には、後述する固定軸部84及び可動軸部86が軸方向に突出形成される。
【0023】
固定軸部84及び可動軸部86には、固定軸受け部材62及び可動軸受け部材64が嵌合し、この固定軸受け部材62と可動軸受け部材64とにより、リタードロール26が支持されている。即ち、固定軸部84は円筒形状で内部が空洞の中空軸になっており、対する固定軸受け部材62には円柱形状をした突出部88が形成されている。この固定軸部84の内周面に、固定軸受け部材62の突出部88の外周面が内接し嵌合している。また、この突出部88の一部には複数個の半径方向に突起したキー部92が形成され、固定軸部84に設けられたキー溝部94と係合して、固定軸部84の回転を規制している。
一方、可動軸部86は円柱状の突出形状になっており、対する可動軸受け部材64には円形状に貫通している軸受け部90が形成されている。この可動軸部86は、外周面に可動軸受け部材64の軸受け部90が内接し、回転自在に支持されている。
【0024】
給紙カセット20の奥端近傍にはリタードロール収納部96が形成され、このリタードロール収納部96を囲むようにシュート(案内部材)98が設けられている。またリタードロール収納部96の両側面には軸受け部材取付部100,100が形成されている。さらに、この軸受け部材取付部100には係合部102,102が形成されている。一方、固定軸受け部材62及び可動軸受け部材64の両側面には、係合部102と係合するよう係合溝104,104が形成されている。固定軸受け部材62及び可動軸受け部材64は、軸受け部材取付部100,100に配置され、係合溝104と傾向部102が係合することにより、軸受け部材62,64の軸方向の移動が規制されている。
さらに、固定軸受け部材62及び可動軸受け部材64の下面には、垂直方向に押圧ばね66が配置され、この押圧ばね66により、固定軸受け部材62及び可動軸受け部材64を介して、リタードロール26をフィードロール24に向けて付勢している。この押圧ばね66の押圧力は、固定軸受け部材62及び可動軸受け部材64の下面に垂直方向から作用しているため、リタードロール26の軸方向の傾きを抑えることが出来る。
【0025】
こうしてリタードロール26は、給紙カセット20のリタードロール収納部96に配置され、フィードロール24に当接する位置に容易に組み込むことができる。
【0026】
図4及び図5においてトルクリミッタ78の詳細が示されている。
トルクリミッタ78は固定部材106と可動部材108と、弾性部材である例えばコイルバネ110と、蓋部材112とを有する。固定部材106は、例えばステンレス等の金属材料からなり、また、可動部材108は、例えばプラスチック等の樹脂材料からなる。
可動部材108は外周に円筒形状のロール面80を有しており、また内部には軸方向に凹む円筒形状の凹部114が形成され、さらに内側に軸方向に凹む円形状の嵌合部116が形成され、さらに内部に嵌合部116より小径の空洞部118が形成されている。この空洞部118は、トルクリミッタ78に付勢される押圧力の大きさによって自由に形状やサイズを変更でき、場合により可動部材108を補強することができる。
【0027】
固定部材106は円筒形状をしており、上述した固定軸部84、及び固定軸部84と同径で可動部材108に対して突出する凸部120を有する。さらに、この凸部120は外周面に摩擦部122を有する。
【0028】
コイルバネ110は、可動部材108の凹部114の内周面と固定部材106の凸部120の外周面との間に配置されている。このときコイルバネ110は、固定部材106の摩擦部122に弾性的に巻き付けられ、一端は可動部材108に設けられた規制部124によって回転方向の動きを規制されている。コイルバネ110は、規制部124の規制により可動部材108と共に回転し、固定部材106の摩擦部122との摩擦力によってトルクを発生する。
【0029】
固定部材106の凸部120は、嵌合部116に嵌合し、可動部材108に対して、径方向及び軸方向の移動を規制されている。また、この嵌合部116が固定部材106と可動部材108の摺動面となっている。
【0030】
蓋部材112は、リング状に形成され、可動部材108の蓋受け部126に嵌め込こまれ、コイルバネ110の軸方向の移動を規制している。また、蓋部材112の内径は、固定部材106の外周に接触しないよう形成されている。
なお、蓋部材112は固定部材106と一体成形にしてもよい。
また、固定部材106を回転させ可動部材108の回転を規制してもよい。
さらに、固定部材106に凹部を形成し、可動部材108に凸部を形成し、嵌合してもよい。
【0031】
次に上記実施形態の作用について説明する。
フィードロール24が図2に示した位置から時計方向に回転すると、給紙カセット20に収納された最上位の用紙がピックアップされ、フィードロール24とリタードロール26のニップ部76に案内される。
【0032】
フィードロール24の回転に伴って、当接するリタードロール26は反時計回りに回転する。この回転するリタードロール26では可動部材108及び規制部124によって規制されたコイルバネ110は回転するが、固定部材106は固定軸受け部材62により回転規制されている。この停止する固定部材106の凸部120と、回転する可動部材108の凹部114は、嵌合部116において当接及び摺動する。
【0033】
このとき回転するコイルバネ110の内周面と、この内周面に接触する固定部材106との間には摩擦トルクが発生する。この摩擦トルクは、可動部材108の回転を妨げるが、用紙が一枚の場合は、用紙裏面を介してフィードロール24から伝達される回転力が大きいため、可動部材108はコイルバネ66の押圧力を受けながら従動回転を続ける。用紙がニップ部76を通過した後、フィードロール24は図2に示す位置で停止し給紙動作を終了する。
【0034】
一方、ニップ部76に用紙が二枚以上案内された場合には、フィードロールの半月ロール68及びリタードロール26の摩擦部材82の摩擦力と比較し、用紙間の摩擦が小さいためにすべりを起こす。これにより、フィードロール24から伝達される回転力が遮断され、リタードロール26は上述した摩擦トルクにより回転を停止する。続いて、摩擦部材82の摩擦力によってリタードロール26に接している用紙も停止する。こうして、フィードロール24に接している最上位の用紙のみが分離給送される。
【0035】
固定部材106に可動部材108が回転する場合、固定部材106に凸部120を形成し、可動部材108に凹部114を形成し、この凸部と凹部を軸方向で嵌合及び摺動しているので、トルクの不安定を防止することができる。即ち、押圧ばね66による押圧力は、リタードロール26の半径方向に付与されているのに対し、嵌合部116の摺動面は軸方向に設けられている。さらに、嵌合部116の摺動面の面積は、摩擦部122に対して小さく形成されている。したがって、押圧ばね66の押圧力による摺動面の撓み及び摩擦の影響を受けにくいので、トルクの安定性を実現できるものである。
【0036】
なお、固定部材106の摩擦部122の磨耗等により固定部材106を交換する場合は、可動部材108から古い固定部材を取り外し、新しい固定部材を可動部材108に組み込めばよいので、資源を無駄にすることなく容易に交換作業を行うことができるものである。さらに、金属材料を用いている固定部材106の形状がシンプル且つ小型化されているので、コスト低減を実現することができる。
【0037】
次に、本発明に係る第2の実施形態を図6に基いて説明する。
【0038】
なお、第1の実施形態で説明した部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0039】
第2の実施形態において、可動部材108に軸方向には可動軸部86が軸方向に凹むように形成されている。一方、可動軸受け部材64には軸受け部90が突出して形成されている。この軸受け部90が可動軸部86に挿入されてトルクリミッタ78の一端が可動軸受け部材64に回転自在に支持されている。
【0040】
このため、可動部材108から突出する軸部がなくなり、トルクリミッタ78をより小型化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上述べたように、本発明は、用紙の安定供給及びコスト低減を実現する必要がある画像形成装置等の給紙装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る給紙装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るリタードロール取付状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るトルクリミッタの分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るトルクリミッタの断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るトルクリミッタの断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
20 給紙カセット
22 給紙本体部
24 フィードロール
26 リタードロール
62 固定軸受け部材
64 可動軸受け部材
66 押圧ばね
78 トルクリミッタ
80 ロール面
84 固定軸部
86 可動軸部
88 突出部
90 軸受け部
106 固定部材
108 可動部材
110 コイルバネ
114 凹部
116 嵌合部
120 凸部
122 摩擦部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の内壁を有する第1の部材と、円筒状の外壁を有し、この外壁が前記第1の部材の内壁の内側に配置された第2の部材と、前記第1の部材の内壁と前記第2の部材の外壁との間に配置され、前記第1の部材と第2の部材が相対的に回転するときのトルクに応じて前記第1の部材と前記第2の部材との間の摩擦を変化させる弾性部材と、を有し、前記第1の部材又は前記第2の部材のいずれか一方に、軸方向に凹む円形の凹部が、他方に、軸方向に突出する円形の凸部が形成され、該凹部と凸部が軸方向で嵌合してなるトルクリミッタ。
【請求項2】
円筒状の内壁と円筒状のロール面とを有する可動部材と、円筒状の外壁を有し、この外壁が前記可動部材の内壁の内側に配置された固定部材と、前記可動部材が前記固定部材に対して回転するときのトルクに応じて前記固定部材と前記可動部材との間の摩擦を変化させる弾性部材とを有し、前記可動部材又は前記固定部材のいずれか一方に、軸方向に凹む円形の凹部が、他方に、軸方向に突出する円形の凸部が形成され、該凹部と凸部が軸方向で嵌合してなるリタードロール。
【請求項3】
さらに前記可動部材を回転自在に支持する軸受け部材を有することを特徴とする請求項2記載のリタードロール。
【請求項4】
前記可動部材には軸方向に突出する軸部を有し、この軸部の外側に軸受け部材が嵌合したことを特徴とする請求項3記載のリタードロール。
【請求項5】
前記可動部材には軸方向に凹む軸部を有し、この軸部の内側に軸受部材が嵌合したことを特徴とする請求項3記載のリタードロール。
【請求項6】
回転自在に支持されたフィードロールと、このフィードロールに対向して設けられたリタードロールと、このリタードロールを前記フィードロールに向けて付勢する付勢手段とを有し、前記リタードロールは、円筒状の内壁と円筒状で前記フィードロールに当接するロール面とを有する可動部材と、円筒状の外壁を有し、この外壁が前記可動部材の内側に配置された固定部材と、前記可動部材が前記固定部材に対して回転するときのトルクに応じて前記固定部材と前記可動部材との間の摩擦を変化させる弾性部材とを有し、前記可動部材には軸方向に凹む円形の凹部が、前記固定部材には軸方向に突出する円形の凸部が形成され、該凹部と凸部が軸方向で嵌合することを特徴とする給紙装置。
【請求項7】
前記リタードロールは、さらに前記可動部材を回転自在に支持する軸受け部を有し、前記付勢手段は押圧ばねから構成され、この押圧ばねにより前記軸受け部材を押圧するようにしたことを特徴とする請求項6記載の給紙装置。
【請求項8】
請求項6又は7記載の給紙装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−27793(P2006−27793A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207385(P2004−207385)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】