説明

トルティーヤチップを積み重ねる方法および装置

【課題】スリーブ形の容器に収容するために、湾曲した三角形の形状のスナックフードチップ、例えばトルティーヤチップを積み重ねる。
【解決手段】スナックフードチップ10は、第1のU字形の振動するシュート30に供給され、シュート30は自動的にスナックフードチップ10の頂点Aが隣のスナックフードチップ10の対向する底辺Bを越えて延在するようにし、スナックフードチップが軸として湾曲する直線がU字形のシュート30の長手方向と平行になるようにスナックフードチップ10を自動的に配置する。スナックフードチップ10は、W字形のシュート40に供給されて、対向する向きを指すスナックフードチップ10は自動的にシュート40の対向するトラフ内に落下する。スナックフードチップ10は、上向きの頂点Aが移動方向を指すように自動的に120度回転されて、互いに重なり合うように摺動してせり上がりながら自動的に積み重ねられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、大まかに言うと、スナックフードチップ(snack food chip)を処理する方法および装置に関する。より詳しく言うと、この発明は、湾曲したトルティーヤチップ(tortilla chip)を例えば円筒形の缶またはその他のスリーブタイプの容器に整然としてかさばらないように収容できるように均一な積層体として積み重ねる方法および装置に関する。
【発明の背景】
【0003】
トルティーヤチップは、スナックフード製品のより人気のあるタイプのひとつであり、三角形の形状を有するようになってきた。さらに、ソースに浸す(dipping)ために用いられるスナックフードチップ、例えば、ポテトチップ、トルティーヤチップ、またはコーンチップは、チップに強度を与えるのに加えてチップがソースをすくう能力を高めるために湾曲していることが好ましい。
【0004】
容器に収容することに関しては、積み重ねられた配列のスナックフードチップが人気のあることが分かった。しかしながら、トルティーヤチップ、とりわけ湾曲したトルティーヤチップの典型的な三角形の形状によって、トルティーヤチップが効率の良い自動的なプロセスにおいて積み重ねられた配列として容器に収容されることが以前から妨げられてきた。
【0005】
Tsaiらによる米国特許第5,873,448号には、鞍形のねじれフレーク(warp flake)を分離して容器に収容いるための関連した装置が記載されていて、この装置では、ねじれフレークを充填コンベヤ内に導くために2つの軌道の前面端部の各々に設けられた漏斗形のガイド板が用いられている。充填コンベヤには、ねじれフレークを小さな積層体として積み重ねることができるようにするためのアクチエータの伸縮自在の端部によって制御された停止板が設けられている。その装置は、停止板の駆動を制御するための一連の光電子センサーに関するもので、極めて複雑な構成である。
【発明の概要】
【0006】
この発明は、トルティーヤチップなどの湾曲した三角形の形状のスナックフードチップを円筒形の缶またはその他のスリーブタイプの容器に収容するのに適した整然と積み重ねられた配列に自動的に配列するための方法および装置に関する。この発明に基づけば、スナックフードチップは、振動するU字形状のシュート(chute)に沿って互い違いの配列に配置されて移動する。振動するU字形のシュートは、スナックフードチップの重心がU字形のシュートの底部に配置されて、および三角形の形状のスナックフードチップの底辺がU字形状のシュートの長手方向の軸に平行に配置されて、スナックフードチップが横方向に摺動するように、スナックフードチップを適切に配置しかつ位置決めすることを自動的に確実にする。次に、スナックフードチップは、W字形の振動するシュート内に落下し、このとき、もともと一方の配置を有するスナックフードチップはW字形のシュートの一方の半部部分を構成する一方のシュート内に自動的に落下し、もともともう一方の配置を有するスナックフードチップはW字形のシュートのもう一方の半分部分を構成するもう一方のシュート内に自動的に落下する。
【0007】
次に、スナックフードチップは、底辺に沿って摺動しながら、底辺とは反対側の上向きの頂点をスナックフードチップの移動方向に対して直交する方向に向けて、W字形のシュートに沿って移動する。次に、スナックフードチップが前進を続けるときに上向きの頂点が先頭をなすように、スナックフードチップが120度回転される。このような構成によって、スナックフードチップが自動的に入れ子式に重なって積み重ねられた関係で摺動することが可能になり、この配列ではスナックフードチップは容易に積み重ねられた構成で容器に収容される。
【0008】
したがって、第1の様相では、この発明は、後で例えばスリーブ形式の容器に収容するために、湾曲したおおむね三角形の形状のトルティーヤチップを積み重ねる方法である。この方法は、移動方向に沿ってひとつの連続のトルティーヤチップを移動させる過程と、トルティーヤチップを移動させる間にトルティーヤチップの頂点が移動方向を向くようにトルティーヤチップを配置する過程とを含む。次に、ひとつの連続のトルティーヤチップは、各トルティーヤチップの頂点がひとつの連続のトルティーヤチップの一つ前のチップの底辺を乗り越えて摺動することにより、自動的に積み重ねられて、ひとつの連続のトルティーヤチップが積み重ねられた入れ子式の配列に自動的に配列される。
【0009】
好ましい実施形態例では、トルティーヤチップは、あるコンベヤから他のコンベヤへのJ字形のスライダを滑り降りることによって適切に配置される。代わりに、トルティーヤチップは、第1のコンベヤの終端部から第2のコンベヤへ向けて倒れ落ちるようにされてもよい。
【0010】
他の様相では、この発明は、トルティーヤチップの指し示す向き(トルティーヤチップの上向きの頂点が指し示す向き)に基づいてトルティーヤチップを別個のラインもしくは列をなすチップに分離する方法である。この方法は、所定の移動方向に沿ってトルティーヤチップを移動させる過程と、各トルティーヤチップの湾曲した形状の軸(曲率中心軸)をなすラインが移動方向に実質的に平行となるようにトルティーヤチップを配置する過程とを含む。トルティーヤチップは、また、トルティーヤチップの重心がおおむね一列に並ぶように、移動方向に対して横方向に動かされる。この横方向への移動は、トルティーヤチップの曲率中心軸をなすラインが移動方向と実質的に平行となるようにトルティーヤチップを配置する過程と同時に行われる。この時点で、一方の向きを指すトルティーヤチップの直線状の底辺はすべて一列に並べられていて、反対の向きを指すトルティーヤチップの直線状の底辺はすべて一列に並べられていて、一方の向きを指すトルティーヤチップの頂点は、反対の向きを指すトルティーヤチップの底辺を越えて横方向に延出していて、逆もまた同じである。次に、トルティーヤチップは、トルティーヤチップの頂点によって、つまずくようにしてもしくは部分的に回転するようにして2つの別個のコンベヤのトラフ内に入れられ、一方の向きを指すトルティーヤチップが一方のコンベヤのトラフに移動し、反対の向きを指すトルティーヤチップがもう一方のコンベヤのトラフに移動することにより、2つの別個のコンベヤのトラフ内に分離される。
【0011】
好ましい実施形態例では、トルティーヤチップの曲率半径と実質的に一致する曲率半径を有する振動するU字形のシュートの底部に沿ってトルティーヤチップを移動することにより、トルティーヤチップの配置および横方向への移動が同時に行われる。さらに、コンベヤのトラフは、W字形のシュートによって構成されていて、トルティーヤチップはW字形のシュートの一方の側面またはもう一方の側面内につまずくようにしてもしくは部分的に回転するようにして入る。
【0012】
これらの2つの様相を組み合わせることによって、トルティーヤチップなどの湾曲したおおむね三角形の形状のスナックフードチップを分離して積み重ねる方法が提供される。
【0013】
他の様相では、この発明は、後で容器に収容するためのひとつの連続の湾曲したおおむね三角形の形状のスナックフードチップを分離して積み重ねる装置である。この装置は、第1の振動するおおむねU字形のコンベヤのシュートを有し、このおおむねU字形のコンベヤのシュートは、第2のおおむねW字形のコンベヤのシュートに連結されている。W字形のコンベヤのシュートはスナックフードチップを約120度回転させる手段を有し、装置は、W字形のコンベヤのシュートからスナックフードチップを受け取って自動的に入れ子式に積み重ねられた配列にスナックフードチップを堆積し積み重ねる2つの堆積コンベヤを含む。
【0014】
好ましい実施形態例では、第1のU字形のコンベヤのシュートは、その下流側の端部から延出する一組の指状部を含み、指状部は第2のW字形のコンベヤのシュートの2つのトラフの上に位置決めされていて、スナックフードチップの向きに応じて一方のトラフもしくはもう一方のトラフにスナックフードチップがつまずくようにしてもしくは回転するようにして入るようになっている。さらに、W字形のコンベヤのシュートは好ましくは堆積コンベヤと同様に振動する。スナックフードチップを回転させるための手段は、スナックフードチップをW字形のコンベヤのシュートから堆積コンベヤへ移動させるJ字形のスライダであってよく、または、その代わりに、スナックフードチップがW字形のコンベヤのシュートの端部を越えて堆積コンベヤの上に倒れ落ちるようになっていてもよい。
【0015】
この明細書中に開示された様々な発明性のある概念を用いることにより、トルティーヤチップなどの湾曲した三角形の形状のスナックフードチップを互い違いの向き(この向きがトルティーヤチップを作るのに最も効率の高い方法である。)で製造し、次にスナックフードチップを人気のあるスリーブ形の容器に収容するために自動的に、都合よく、および高い信頼性を備えて積み重ねることが可能となる。
【好ましい実施形態例の詳細な説明】
【0016】
図1に示されているように、トルティーヤチップ10は通常、正三角形の形状を有する。さらに、図2に示されているように、トルティーヤチップは好ましくはある程度湾曲した形状を有し、この湾曲した形状は、湾曲した型内で油で揚げることによりまたは焼くことにより、トルティーヤチップに与えられる。三角形の2つの辺12および14が湾曲し、2つの辺12および14に対向する「挟まれた(included)」辺が直線形状を有することが分かる。この発明を説明するために、この直線形状の辺を底辺Bと呼び、底辺Bに対向する三角形の角を頂点Aと呼ぶことにする。
【0017】
さらに、トルティーヤチップは正三角形の形状を有するので、その重心16は底辺と頂点との間の距離の1/3の場所に位置することが分かる。加えて、トルティーヤチップが円弧の湾曲した形状を有するとすれば、トルティーヤチップは曲率中心ラインまたは曲率中心軸20を中心として湾曲している。このような形状および専門語から、ひとつの湾曲したトルティーヤチップをテーブルの上に置くと、トルティーヤチップはその背面22(図2)をテーブルに接して静止し、底辺Bをテーブルに向けて押し下げると、頂点Aが上向きに持ち上げられることが分かる。
【0018】
大まかに言うと、トルティーヤチップはその形状が三角形なので生地のシートから交互のパターン、すなわち頂点の角が交互の向きを向くようなパターンで切断できる。その結果、連続したトルティーヤチップの間にはひも状の部分が存在せず、無駄になる生地を低減することができる。この発明によれば、そのようにして製造されるトルティーヤチップは、トルティーヤチップが調理用型の外に移動したときに、図3に示す左側の4つのチップのように交互の配列を保つ。
【0019】
調理された後に、湾曲したトルティーヤチップ10は、調理用型からおおむねU字形の振動するシュート30(図3)に移動され、U字形のシュート30の上流側端部32は下流側端部34よりもわずかに高い位置に配置されている。好ましくは、U字形のシュート30の内側の凹状面36の曲率半径は、トルティーヤチップ10の凸状の背面22の曲率半径と一致する。トルティーヤチップは調理用装置からU字形のシュート30へ自動的にもしくはバンドによって、いずれかのより都合の良いほうで、移動される。自動的に移動される場合、トルティーヤチップは図3に示されている左側の4つのチップのようにかなり均一に配列され、これに対して、トルティーヤチップがバンドによってシュートに移動される場合には、トルティーヤチップは図3の中間部分の2つのチップのようによりランダムに配置および位置決めされることになる。トルティーヤチップがどのようにU字形のシュート30に移動されるかにかかわらず、この発明は極めて良好に働くことが確認された。
【0020】
U字形のシュートが振動するので、上流側端部32が下流側端部34よりもわずかに高い位置に配置されていることにより、トルティーヤチップは図3に示すように左側から右側に向けて移動される。さらに、各トルティーヤチップの重心は頂点Aよりも底辺Bに近いので、トルティーヤチップはU字形のシュートの長手方向軸に対して横方向に摺動して、図3および図4示されているU字形のシュートの右側の端部にあるチップのようにトルティーヤチップの重心はシュートの底部へ向けて移動する。これにより、トルティーヤチップの横方向または横断する「分離」が行われて、U字形のシュートの下流側端部34にあるチップのように、トルティーヤチップの頂点Aが隣接するトルティーヤチップの底辺Bに対して横方向に変位する。さらに、U字形のシュートの曲率が好ましくはトルティーヤチップの曲率と一致しているので、底辺BがU字形のシュート30の長手方向の軸と実質的に平行になるように、すなわち、重心16を通過しかつトルティーヤチップの底辺Bと平行な直線21(図1)がシュート30の底部の上に整合して配置されかつ底部に沿って延在するように、トルティーヤチップはさらに自動的に配置される。この特徴は、トルティーヤチップが例えばベルトを用いた場合のようにシュート30内に所望どおりには整合して配置されていない場合に、とりわけ有益である。
【0021】
横方向に分離されて適切に配置された後に、トルティーヤチップはU字形のシュート30からW字形のシュート40内に落下する。図3および図5に示すように、一組の指状部42がU字形のシュートの下流側端部から2つのトラフ44および46の上に延出し、この2つのトラフ44および46はW字形のシュート40の2つの半分部分から形成されている。図5に示されているように、指状部42は、例えば溶接によってU字形のシュートの凸状の下側面に取り付けられていて、図3の破線で描かれたトルティーヤチップによって示されているようにトルティーヤチップが摺動してU字形のシュートの下流側端部34から離れてW字形のシュート40内に落下するときに、横方向に分離されたトルティーヤチップの頂点が指状部に架かるように、2つの指状部は互いに横方向に間隔をおいて配置されている。その結果、トルティーヤチップは頂上部48の上でわずかに回転して、自動的に背中合わせの2つのトラフ44および46に交互に落下する。したがって、その頂点が一方の向きを向いたトルティーヤチップはすべて一方のトラフに落下し、その頂点が反対の向きを向いたトルティーヤチップはすべてもう一方のトラフに落下する。トルティーヤチップはW字形のシュートの傾斜した内側壁50に沿って滑り落ち、底辺Bは側壁52に当接し、頂点はW字形のシュートの頂上部48の近くに配置される。図5を参照されたい。
【0022】
指状部42の代わりに、図3aに示すように、U字形のシュートが単に下流側端部を切り欠いて形成された長方形のノッチ43を有していてもよい。この場合には、U字形のシュートは、それ自体がW字形のシュート40の上流側端部54の上にわずかに延出している。
【0023】
U字形のシュート30と同様にW字形のシュート40は振動し、その上流側端部54(図3)はその下流側端部56(図6)よりもわずかに高い位置に配置されている。したがって、トルティーヤチップは図3および図6に示すように傾斜した内側壁に沿って左側から右側へ摺動する。しかし、トルティーヤチップは、その頂点が上向きになっていて、頂点が指す向きに対して横向きに移動するので、この時点では自動的に積み重ねられない。
【0024】
発明者が見出したように、湾曲した三角形のトルティーヤチップを自動的に積み重ねることができるようにするための解決策の一部分は、トルティーヤチップの頂点がトルティーヤチップが下流側に移動するときに先頭になるようにトルティーヤチップを配置することである。したがって、W字形のシュート内での配置に対してトルティーヤチップを120度回転させることが必要である。この回転は、図6乃至図8に例示された構造を用いて容易に、効率よく、および高い信頼性をもって実行される。
【0025】
より詳しく言うと、その下流側端部56において、W字形のシュートは分離して、分離したシュートの各トラフはJ字形のスライダ60で終端していて、このJ字形のスライダ60はトルティーヤチップをほぼ直線状の(例えば長手方向に延在する)V字形の振動する堆積コンベヤ62に導く。トルティーヤチップは、W字形のシュートの下流側端部に達すると、J字形のスライダ60に沿って堆積コンベヤ62の上に落下する。
【0026】
トルティーヤチップはその底辺BをW字形のシュート40の側壁52に当接させてJ字形のスライダに沿って摺動して落下し、図示されているように、摺動して落下するときに回転する。この結果、トルティーヤチップは堆積コンベヤ62の直立したガイド壁66に着地して、トルティーヤチップの先頭の角L(図6)が最初にガイド壁に当たり、このときトルティーヤチップは約90度回転している。トルティーヤチップが傾斜した支持壁68に沿って完全に摺動して落下し、ガイド壁66に接するようになると、トルティーヤチップは以前先頭にあった角Lを中心にして回転を続け、ガイド壁66に配置されて、その頂点Aが(トルティーヤチップの移動方向に対して)前方へ120度回転したことになる。したがって、頂点Aがトルティーヤチップが移動している向きを指すことになる。
【0027】
堆積コンベヤ62(図6)の上流側端部70は、下流側端部71(図9)よりもわずかに高い位置に配置されているので、堆積コンベヤが振動することにより、トルティーヤチップは図6,図7および図9に示すように左側から右側へ移動する。図6に示された2つの堆積コンベヤの頭部から傾斜した支持壁68に沿って(矢印9によって示されているように)見下ろし、堆積コンベヤの下流側端部にトルティーヤチップが積み重ねられる様子を示した「エッジ・オン(edge-on)」の図である図9に示すように、トルティーヤチップは各堆積コンベヤの傾斜した支持壁68に沿って移動して、堆積コンベヤの下流側端部71の端部壁72に達する。
【0028】
先頭に配置された頂点は上向きになっているので、一番目のトルティーヤチップは、端部壁72に到達すると端部壁72に沿って摺動してせり上がり、トルティーヤチップの底辺Bを下にし立ち上がり、頂点Aが上を指している。二番目のトルティーヤチップが一番目のトルティーヤチップに摺動して到達すると、二番目のトルティーヤチップ頂点Aが上向きになっているので、二番目のトルティーヤチップは一番目のトルティーヤチップの凹状の前面に沿って摺動してせり上がり、二番目のトルティーヤチップも底辺Bを下にして立ち上がる。このようにして、すべてのトルティーヤチップが自動的に重なり合うように配置され、堆積コンベヤ62の下流側端部71に示されているように入れ子式の積み重ねられた配置に摺動して組み込まれる。
【0029】
トルティーヤチップが堆積コンベヤ62に沿って移動する間にトルティーヤチップの頂点が先頭になるようにトルティーヤチップを120度回転させて再配置することに加えて、この配置を保持することも、この発明を成功裡に達成するための鍵であり、堆積コンベヤのV字形の形状および配置がこの要求を満たすことを確実なものとする。より詳しく述べると、支持壁68は(堆積コンベヤの上流側端部から下流側端部へ向けて水平方向に対してわずかに傾斜していることに加えて)図8に示されているように水平方向に対してわずかに傾斜しているので、トルティーヤチップは直立するガイド壁66(このガイド壁66が支持壁68と共にV字形の断面を形成する。)の上に配置されるまで支持壁68に沿って摺動して降下し、以前に先頭に配置されていた角Lと頂点A(図6)との間に延在する湾曲した辺がガイド壁66にぴったりと接触して配置される。図6に示されたトルティーヤチップはガイド壁66からわずかに間隔をおいて描かれているが、これは、図面を明瞭にするためだけにそのように描かれている。湾曲した辺がガイド壁66にぴったりと接触して配置され、かつトルティーヤチップの重さがトルティーヤチップをガイド壁66に保持しているので、トルティーヤチップは堆積コンベヤの長さ方向に沿って振動する間に回転または回動することがなく、自動的に積み重ねるために必要な頂点を先頭に配置するという要求が満たされる。振動する堆積コンベヤが単に平坦なシートである場合には、トルティーヤチップがその凸状の背面22(図2)と堆積コンベヤとの間の接線のみによって堆積コンベヤと接触することになるので、湾曲したもしくは上向きの形状のトルティーヤチップは特に回転しやすくなる。
【0030】
好ましくは、ガイド壁66と支持壁68とのなす角度φ(図8)は、65度程度であり、すなわちトルティーヤチップの角の角度よりわずかに大きい角度である(図10を参照されたい)。このような角度は、トルティーヤチップが重なり合うように配置されるための適切な配置を保持することを助け、かつ、この角度はトルティーヤチップの角の角度よりわずかに大きいので、トルティーヤチップを後に容器に収容するために適切に並べかつ配置して保つと同時に、トルティーヤチップが壊れることを防ぐのに重要なわずかな量の「あそび(play)」をも提供する。
【0031】
適切な量のトルティーヤチップが積み重ねられると、トルティーヤチップは適切な手段(図示せず)によって、例えばトルティーヤチップを円筒形の缶もしくはその他のスリーブ形の容器に収容する装置によって、容器に収容される。この発明の他の利点は、積み重ねる過程がそのような容器への収容のために(またはその他の理由によって)中断された後に、操作者の仲介を必要とせずに、次の容器への収容のためのトルティーヤチップを適切な積み重ねられた配置へ重なり合うようにすることが自動的に再開されるということである。これは、クラッカー堆積装置などのその他の自動食品堆積装置と対比される点であり、このような他の堆積装置では、積み重ねる過程が中断されると毎回(またはほぼ毎回)、積み重ねる過程を再開するために操作者の仲介を必要とする。
【0032】
この発明の範囲を逸脱することなく、上述されたこの発明の方法および装置の実施形態例を変形できることが理解される。例えば、運搬ラインの全体の幅は、運搬ラインがW字形のシュートから2つの堆積コンベヤに移るときにほぼ2倍になることが図6から分かる。この発明を商業規模で構成する場合、36個もしくは48個の運搬ラインが設けられるので、したがって、堆積コンベヤによって占められる床面積も大きくなることが予想される。
【0033】
床面積を節約するために、J字形のスライダ60の代わりに、図11に示すようにW字形のシュートの下流側端部が突然終端するようにしてもよい。この場合、トルティーヤチップは、W字形のシュートの最も下流側の底部エッジ41を越えて堆積コンベヤ62の上に倒れ落ちるときに、120度だけ単に回転されるようになる。この方法が用いられる場合トルティーヤチップがW字形のシュートの端部から落下するときにその重心を中心として回転することを確実にするように、トルティーヤチップがより真っ直ぐに立った、直立した姿勢となるようにするために、W字形のシュートの内側の傾斜した壁50のなす角度θ(図5)を小さくすることが勧められる。
【0034】
倒れ落ちるトルティーヤチップをより制御しながら図11に示す実施形態例の占める床面積を節約することを望む場合には、W字形のシュートの下流側端部にJ字形のスライダを保持して、角度θを約5度乃至10度までに減らしてトルティーヤチップがJ字形のシュートに入るときに直立するようにすることができる。この場合、図12および図13に示されているように、保持用舌状部63がW字形のシュートの内側の傾斜した壁50からわずかに間隔をおいて配置されるようにして、堆積コンベヤに落下するトルティーヤチップが通過する狭い空隙もしくは通路65を形成して、トルティーヤチップが側壁52を越えて倒れてトルティーヤチップがW字形のシュートから脱落するのを防止することが示唆される。
【0035】
さらに、この発明は、トルティーヤチップが互い違いの配列で、すなわちトルティーヤチップの頂点がU字形のシュートの一方の側面を指し、次のトルティーヤチップの頂点がもう一方の側面を指すように配列されて、U字形のシュート30に入るトルティーヤチップの製造工程を用いて、説明および例示されたが、このような配列は、この発明の利点を得るために必須のものではない。例えば、トルティーヤチップは、味付け装置内でかなり間隔をおいて配置されながら、次に味付け装置によりU字形のシュート30に供給されて味付け装置を通過した後に、積み重ねられてもよい。この場合、U字形のシュート内ではトルティーヤチップはかなりランダムなパターンで配置されている。代わりに、トルティーヤチップは、単一の配置で、すなわちすべての頂点が同じ向きを向いている配置で、U字形のシュート30に供給されてもよい。この場合、すべてのトルティーヤチップはW字形のシュートの2つのトラフ44および46のうちの同じひとつのトラフのみに落下することになり、ひとつの堆積コンベヤで積み重ねられることになる。
【0036】
その他の変形も、同じように、当業者が思い至るであろうし、特許請求の範囲内にあるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の方法および装置を用いて容器に収容される湾曲した三角形の形状のトルティーヤチップの平面図である。
【図2】この発明の方法および装置を用いて容器に収容される湾曲した三角形の形状のトルティーヤチップの側面図である。
【図3】この発明の装置の上流部分、および中間部分の一部の平面図である。
【図3a】この発明の装置の他の構成の関連部分の平面図である。
【図4】図3の線4−4に沿ったこの発明の装置の断面図である。
【図5】図3の線5−5に沿ったこの発明の装置の断面図である。
【図6】この発明の装置の下流部分の上流側の端部に連結されたこの発明の装置の中間部分の下流側の端部の平面図である。
【図7】この発明の装置の中間部分から下流部分へトルティーヤチップを移動させるのと同時にトルティーヤチップの向きを変えるために用いられるJ字形のスライダを示す図6の線7−7に沿った側面図である。
【図8】この発明の装置の中間部分から下流部分へトルティーヤチップを移動させるのと同時にトルティーヤチップの向きを変えるために用いられるJ字形のスライダを示す図6の線7−7に沿った断面図である。
【図9】トルティーヤチップが自動的に積み重ねられるこの発明の装置の端部主要部分を示す「エッジ・オン」の側面図である。
【図10】図9の線10−10に沿ったこの発明の端部主要部分を示す断面図である。
【図11】この発明の装置の他の実施形態例を示す図7に類似の側面図である。
【図12】この発明の装置の他の実施形態例を示す図7に類似の側面図である。
【図13】図12の線13−13に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 トルティーヤチップ
12 三角形の辺
14 三角形の辺
16 三角形の重心
20 曲率中心軸
21 直線
22 背面
30 シュート
32 上流側端部
34 下流側端部
36 凹状面
40 シュート
41 底部エッジ
42 指状部
43 ノッチ
44 トラフ
46 トラフ
48 頂上部
50 内側壁
52 側壁
54 上流側端部
56 下流側端部
60 スライダ
60’ 下流側端部
60’’ スライダ
62 堆積コンベヤ
63 保持用舌状部
65 通路
66 ガイド壁
68 支持壁
70 上流側端部
72 端部壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後に容器に収容するために、おおむね三角形の形状のひとつの連続のスナックフードチップ(10)を分離する方法であって、前記スナックフードチップ(10)の第1の底辺(B)に平行に延在する直線(20)を軸として前記スナックフードチップ(10)の各々が湾曲し、前記スナックフードチップ(10)の前記底辺(B)に対向する頂点(A)が上向きであり、前記ひとつの連続のスナックフードチップのうちのあるスナックフードチップの前記頂点(A)は、ほぼ一方の向きを指し、前記ひとつの連続のスナックフードチップのうちの他のスナックフードチップの前記頂点(A)は、ほぼ反対の向きを指し、前記スナックフードチップを分離する方法が、
移動方向に前記スナックフードチップ(10)を移動させる過程と、
前記スナックフードチップ(10)が軸として湾曲する前記直線(20)が前記移動方向と実質的に平行になるように前記スナックフードチップ(10)を配置する過程と、
前記スナックフードチップ(10)の重心(16)がほぼ一列に並び、前記一方の向きを指す前記スナックフードチップ(10)の前記底辺(B)が互いにほぼ一列に並び、前記反対の向きを指す前記スナックフードチップ(10)の前記底辺(B)が互いにほぼ一列に並んで、前記一方の向きを指す前記スナックフードチップ(10)の前記頂点(A)が前記反対の向きを指す前記スナックフードチップ(10)の前記底辺(B)を越えて横方向に延出し、その逆もまた同じようになるように、前記スナックフードチップ(10)を前記移動方向に対して横方向に移動する過程と、
前記頂点(A)を用いて、前記一方の向きを指す前記スナックフードチップ(10)が一方のトラフ(44)に移動し、前記反対の向きを指す前記スナックフードチップ(10)がもう一方のトラフ(46)に移動するように、前記スナックフードチップ(10)をつまずかせるもしくは部分的に回転させることにより、前記ひとつの連続のスナックフードチップ(10)を2つの別個のコンベヤ(44,46)に分離する過程とを有することを特徴とするスナックフードチップを分離する方法。
【請求項2】
前記スナックフードチップ(10)が、振動するU字形のシュート(30)の底部に沿って移動し、前記スナックフードチップ(10)が、前記移動方向に対して横方向に移動されて、前記U字形のシュート(30)を振動させることにより、前記スナックフードチップ(10)の重心(16)がほぼ一列に並び、前記一方の向きを指す前記スナックフードチップ(10)の前記底辺(B)が互いにほぼ一列に並び、前記反対の向きを指す前記スナックフードチップ(10)の前記底辺(B)が互いにほぼ一列に並ぶようになることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記2つの別個のコンベヤのトラフ(44,46)が、頂上部(48)を備えたW字形のシュート(40)によって構成されていて、前記スナックフードチップ(10)が前記頂上部(48)の上に落下して一方のトラフ(44)もしくはもう一方のトラフ(46)に入るようにつまずきもしくは部分的に回転することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記スナックフードチップ(10)が、振動するU字形のシュート(30)の底部に沿って移動し、前記スナックフードチップ(10)が、前記移動方向に対して横方向に移動されて、前記U字形のシュート(30)を振動させることにより、前記スナックフードチップ(10)の重心(16)がほぼ一列に並び、前記一方の向きを指す前記スナックフードチップ(10)の前記底辺(B)が互いにほぼ一列に並び、前記反対の向きを指す前記スナックフードチップ(10)の前記底辺(B)が互いにほぼ一列に並ぶようになり、
前記2つの別個のコンベヤのトラフ(44,46)が、W字形のシュート(40)によって構成されていて、前記W字形のシュート(40)は、前記U字形のシュート(30)と整合し、前記U字形のシュート(30)の端部のほぼ下に配置され、かつ頂上部(48)を備え、
前記U字形のシュート(30)の前記端部(34)から延出する一組の指状部分(42)を用いて、前記スナックフードチップ(10)が、前記頂上部(48)の上に落下して一方のトラフ(44)もしくはもう一方のトラフ(46)に入るようにつまずきもしくは部分的に回転することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
後に容器に収容するために、ひとつの連続の湾曲したほぼ三角形の形状のスナックフードチップ(10)を分離するおよび積み重ねる装置であって、
上流側端部(32)および下流側端部(34)を備えた、前記スナックフードチップ(10)を移動するための第1の振動するほぼU字形のコンベヤのシュート(30)と、
上流側端部(52)および下流側端部(56)を備え、2つのトラフ(44,46)を有する第2のほぼW字形のコンベヤのシュート(40)であって、前記上流側端部(54)は、前記第1のコンベヤのシュート(30)の前記下流側端部(34)から前記スナックフードチップ(10)を受け取るように位置決めされ、かつ前記2つのトラフ(44,46)の両方に前記スナックフードチップ(10)を受け取って前記2つのトラフ(44,46)で移動させるように構成されている、前記第2のほぼW字形のコンベヤのシュート(40)と、
前記スナックフードチップ(10)の重心を中心として平面内で約120度前記スナックフードチップ(10)を回転させるための手段と、
前記スナックフードチップ(10)を入れ子式の積み重ねられた配列に自動的に堆積し積み重ねるための2つの堆積コンベヤ(62)であって、前記2つの堆積コンベヤ(62)の各々は、前記W字形のコンベヤのシュート(40)の前記2つのトラフ(44,46)の対応するひとつから前記スナックフードチップ(10)を受け取るように位置決めされている、前記2つの堆積コンベヤ(62)とを有することを特徴とするスナックフードチップを分離するおよび積み重ねる装置。
【請求項6】
前記第1のU字形のコンベヤのシュート(30)の下流側端部(34)から延出して、前記スナックフードチップ(10)の各々の配置に応じて一方のトラフ(44)およびもう一方のトラフ(46)のいずれかに前記スナックフードチップ(10)の各々をつまずかせてもしくは部分的に回転させて落下させるように前記第2のW字形のコンベヤのシュート(40)の前記2つのトラフ(44,46)の上に位置決めされた一組の指状部分(42)を更に有することを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記第1のU字形のコンベヤのシュート(30)の前記下流側端部(34)が、
前記第2のW字形のコンベヤのシュート(40)の前記上流側端部(54)の上に配置されて前記スナックフードチップ(10)の各々の配置に応じて一方のトラフ(44)およびもう一方のトラフ(46)のいずれかに前記スナックフードチップ(10)の各々をつまずかせてもしくは部分的に回転させて落下させるように構成されたノッチ(43)を有することを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記第2のW字形のコンベヤのシュート(40)が振動することを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項9】
前記堆積コンベヤ(62)が振動することを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項10】
前記スナックフードチップ(10)を回転させるための手段が、前記スナックフードチップ(10)を前記トラフから前記堆積コンベヤ(62)へ移動させるJ字形のスライダ(60)からなることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項11】
前記スナックフードチップ(10)を回転させるための手段が、前記第2のW字形のコンベヤのシュート(40)の前記下流側端部(60’)の底部エッジ(41)からなり、
前記第2のW字形のコンベヤのシュート(40)の前記下流側端部(60’)が、前記スナックフードチップ(10)が前記底部エッジ(41)を越えて前記堆積コンベヤ(62)の上に倒れ落ちるときに約120度回転するように、前記堆積コンベヤ(62)の十分上に位置決めされていることを特徴とする請求項10記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−42506(P2011−42506A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200584(P2010−200584)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【分割の表示】特願2001−501544(P2001−501544)の分割
【原出願日】平成12年5月25日(2000.5.25)
【出願人】(500208519)フリト−レイ ノース アメリカ インコーポレイテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】FRITO−LAY NORTH AMERICA,INC.
【Fターム(参考)】