説明

トルペリゾンを含む医薬製剤

本発明は、トルペリゾンもしくはその医薬的に許容される塩または非ステロイド性抗炎症薬と組み合わせたトルペリゾンもしくはそれらの塩、ゲル形成高分子、溶媒、並びにもし必要ならば増粘剤、浸透促進剤およびpH補助剤またはそれのいずれかの混合物を含む医薬製剤に関する。本発明はまた、前記医薬組成物の製造方法に関しており、さらには、これら製剤の使用および投与に適した容器(それは2つの分離したチャンバーからなる二室容器)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルペリゾンもしくはその医薬的に許容される塩またはトルペリゾンおよび非ステロイド性抗炎症薬もしくはそれらの医薬的に許容される塩、ゲル形成高分子、溶媒、並びにもし必要ならば、増粘剤、浸透促進剤およびpH補助剤またはそれのいずれかの混合物を含む新規な医薬製剤に関する。
【0002】
さらに本発明は、この新規な医薬製剤の製造方法、並びに筋骨格外傷(例えば、スポーツでの傷害、挫傷、脱臼)、腰痛、背痛、関節リウマチ、骨関節炎、および強直性脊椎炎(spondylitis anchylopoetica)の治療のための該医薬製剤の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
筋骨格炎症疾患の典型的な症状(炎症、浮腫、疼痛)の進行においては、プロスタグランジン量およびナトリウムチャネル発現量の増加が決定的な因子となる。診療では、非ステロイド性抗炎症薬(プロスタグランジンの合成を阻害する)が、筋骨格疾患の局所治療における第一選択である。経口投与の場合、非ステロイド性抗炎症薬は深刻な胃腸の副作用を引き起こし、またその発生率および程度は血漿中の活性成分濃度に比例する。このため、ハイリスク患者(高齢者、既に胃腸に問題がある患者)の場合、可能な治療的手段である非ステロイド性抗炎症薬の局所塗布は実に大きな意義がある。しかしながら、局所適用された非ステロイド性抗炎症薬の薬効は、長い遅延時間、および相対的に短時間の抗痛覚過敏活性によって制限される。
【0004】
ナトリウムチャネル遮断薬[リドカイン、メキシレチン、トカインアミド(tocainamid)]の抗痛覚過敏効果はよく知られており、これらの分子はその即効作用のために局所麻酔薬として広く使用されている。また、5%リドカインを含むゲルは、神経因性疼痛の対症療法に効果的であることが証明されている。
【0005】
中枢性筋弛緩薬としてのトルペリゾン(2−メチル−1−(4−メチル−フェニル)−3−(1−ピペリジニル)−1−プロパノン(ハンガリー特許第144,997号を参照)は、診療において40年以上も使用されている。その分子には筋弛緩薬活性の他にも、抗痛覚過敏効果があり、それは実験およびヒトのデータによって示されている。トルペリゾンは、その膜安定化効果によって一次求心性線維の神経伝導を抑制し、モノおよび多シナプス性である脊髄反射神経を阻害する。加えて、トルペリゾンは、シナプスのカルシウムイオン流入を抑制し、おそらくは神経伝達物質の流出も抑制する。その分子の強力な薬効は、低いバイオアベイラビリティー、並びにCYP2D6およびケト還元酵素によって生じる初回通過代謝のために、かなり減少させられている。
【0006】
トルペリゾンは、有利な副作用プロファイルを有し、投与が安全であるため、ヒト治療で適用するのに好ましい。他の中枢性筋弛緩薬とは反対に、トルペリゾンには鎮静作用がない。1日900mgを取っても、大きな有害反応を伴わない。トルペリゾンを含む薬剤の多くが世界市場で入手できるものの、文献において、トルペリゾンを取り込んだ局所剤形に関するデータは全くない。製薬市場でトルペリゾン局所剤が存在しないのは、その化合物が化学的に不安定であり、それによってトルペリゾンを含む経皮組成物の製剤が複雑になるからだと考えられる。水溶液中では、マンニッヒケトン(Mannich-Ketone)としてのトルペリゾンは、加水分解反応によってピペリジンおよびビニルケトンに分解する。この過程は、温度、光および水酸化イオンによって触媒される。
【0007】
最近の診療では確実な地位を築きつつある経皮適用は、多数の利点があることから、初回通過代謝に直面する薬剤の投与、および治療域が狭いかまたは短い半減期を有する分子の投与を成功させるのに用いることができる。全身暴露を目的とする経皮適用の場合に、薬剤は等しくまた持続的に血液循環中に到達し、組成物を除去することにより薬理作用を容易に止めることができる。経皮適用は、非侵襲の局所治療をする機会も与える。経皮治療を用いて、全身性の副作用を起こすことなく、ターゲット組織における高い薬物濃度を達成することができる。したがって、これは患者および看護師などにとって、満足の行く投与ルートである。
【0008】
通常のゲル製剤(それは、半固体経皮剤形において大変重要である)は相当な量の水性溶媒を取り込むことができ、また炭化水素ゲルまたはリポゲル系とは違って、生理学的な皮膚機能を妨害せず、細孔を閉じることもないので、皮膚の薬物透過を効果的に与える。ヒドロゲル製剤は稠度がより柔らかいために、それは容易に広がり、リポゲル系よりも美的な外観を有する。ゲル製剤は大抵、アルカリ性のpHまたは高温で誘発される。広く用いられる合成高分子[例えば、アクリレート重合体、ポリメタクリル酸(カルボポール・ゲル)]の場合、ゲル製剤はアルカリ性条件下の中和後に生じると考えられ、それはアルカリ性pHで分解しがちな分子の製剤を制限する。
【0009】
半合成高分子(セルロース誘導体)の湿潤化は、60〜90℃で、水または水性溶媒を用いて行なわれる。多くの場合、これらの系は可塑剤(それは大抵、相当な量の水を含む一価または二価価アルコール)も含む。高含水および特別な製造条件に基づくと、ヒドロゲルは、熱力学的に不安定である分子、または加水分解反応により分解する傾向がある分子の製剤には適していない。
【0010】
国際公開第02/089849号は、上述したヒドロゲル系を開示している。その組成物には、局所麻酔薬、並びに医薬的に許容される、非リポソーム担体であって一価アルコール、浸透促進剤および親水性または疎水性のポリマー、あるいはそれの組み合わせを含むものが含まれる。これらのゲルがどんな場合でも添加水を含むということを考慮すると、これらの組成物と一緒ではトルペリゾンが不安定であるのは間違いない。文献から以下のことが知られている:全くの無水系を達成する目的で開発された組成物も存在するものの、それは、負の影響が無視されていた適用賦形剤の残留水量のために成功しなかった。
【0011】
米国特許第5,446,070号の明細書には、相対的に高い活性成分量(1〜70%)の組成物が記載されている。これらの経皮製剤は、一定量の可塑剤および20〜34重量パーセントの量の多糖類生体接着担体を含む、医薬的に許容される溶媒からなる。実施例によれば、いずれの場合も、多価アルコールが溶媒として用いられており、可塑剤がグリセリンである。製造工程は水を加えずに行なわれているものの、この発明をトルペリゾン製剤に適用することはできない。というのも、賦形剤の残留水量、および手順の間に偶然に吸収した湿気の影響が考慮されておらず、さらに製造工程は高温(50℃〜130℃)で行われることが必要だからである。なお、「無水」という技術用語が使われているにもかかわらず、1つの実施例においては溶媒として85%の水を含んでいる。
【0012】
米国特許第5,719,197号は、生体接着組成物が高温(100℃)で水を加えずに作られたことを記載している。この発明の範囲は前述した米国特許と類似しており、唯一異なるのは、この組成物がさらに無機物質(例えば、粘土、ベントナイト、酸化亜鉛)を含む点である。前述した理由により、この製剤もトルペリゾン製剤に適していない。
【0013】
0.02%未満の水を含む不活性成分の残留水量を減少させるために、通常、有機酸もしくは有機塩基が用いられる。有機溶媒中に、これらの酸および塩基はイオン化されていない形で存在する。これらは、水の存在下では、活性成分が長期間安定であることを保証する、酸性またはアルカリ性の微小環境をもたらす水の量に比例してイオン化する。用いられたアルファヒドロキシ酸(以下、AHAと略す)(例えば、アスコルビン酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸)は、角質層の水和を高めることによって、皮膚の薬物透過を高める。
【0014】
特許公開番号2000−143510には、トルペリゾンを浸透促進剤として含む外用組成物が記載されている。この発明において、トルペリゾンは医薬組成物中の不活性成分として用いられており、トルペリゾン自身の薬理作用に関しては全く情報がない。この特許について与えられている剤形は全て40重量パーセントの量で水を含み、したがって、トルペリゾンの物理化学的な性質を考えると、これらの医薬組成物について実用的な用途との関連性はない。
【0015】
経皮剤の製剤の間、用いる活性成分が賦形剤と不適合であり得ること、または他の活性成分と組合せる場合を考慮しなければならない。配合禁忌を防ぐために、これらの薬剤は二室容器(dual compartment container)にパッケージすることができる。
【発明の概要】
【0016】
本発明の目的は、トルペリゾンまたは非ステロイド性抗炎症薬と組み合わせたトルペリゾンを含む医薬組成物の抗炎症効果および抗痛覚過敏効果を調べることであった。さらには、我々の目的は、ゲル製剤が水添加を必要とせず、また温度およびpH条件に依存しない外用剤を開発することであり、そして、とても敏感な物質であるトルペリゾンを製剤する有望な方法を提供することである。
【0017】
我々の実験は無水ゲル製剤の開発に焦点を合わせて行ない、その無水ゲル製剤は通常のゲル系に反して、親水性の培地として多量の有機溶媒を含み、またその製造工程は温度またはpH条件に依存しない。医薬的および美容的に許容される有機溶媒を用いており、例えばジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル[トランスクトール(Transcutol)(登録商標)]、炭酸プロピレン、200から900ダルトンの範囲にある分子量を有するポリエチレングリコールまたはそれらの混合物である。無水ゲル構造を開発するために、半合成高分子および合成高分子を適用しており、例えばセルロース誘導体[メトロース(Metolose)(登録商標)、メトセル(Methocel)(登録商標)、ファーマコート(Pharmacoat)(登録商標)]およびポリ(アクリル酸)誘導体[カルボポール(Carbopol)(登録商標)、ペムレン(Pemulen)(登録商標)、ノベオン(Noveon)(登録商標)]である。
【0018】
我々の実験で驚いたことに、適用した溶媒およびその混合物は可塑剤としても機能することが分かったので、ゲル構造製剤は可塑剤を付加することなく生じ、またその系の温度もしくはpH条件を変化させる必要もなかった。
【0019】
我々は、ゲル組成物中のトルペリゾンが加速試験条件下でも適切な安定性を示すことを発見した。我々のインビボ実験によると、筋骨格炎症疾患の症状を正確に模倣した動物モデルにおいて、局所投与したトルペリゾンは著しい抗炎症効果および鎮痛効果をもたらした。
【0020】
さらなる実験で我々は驚くことに、ナトリウムチャネル遮断薬のトルペリゾンおよびプロスタグランジン合成阻害剤の非ステロイド性抗炎症薬の組合せは、著しい抗炎症効果および鎮痛効果を示すことを発見した。
【0021】
我々のインビボ実験によると、トルペリゾンを含むゲル組成物の局所塗布は動物モデルにおいて、疼痛および炎症の非常に著しい、用量依存的な減少をもたらした。10%トルペリゾンを含む組成物は、市場で入手できる経皮ゲル製剤(それは、プロピオン酸誘導体非ステロイド性抗炎症薬を含み、例えば2.5%ケトプロフェンまたは5%イブプロフェン)に相当する抗炎症効果を有する。トルペリゾンは、非ステロイド性抗炎症薬よりも副作用のリスクが低いと考えられる。トルペリゾンおよび非ステロイド性抗炎症薬を含む経皮医薬製剤は、強力な効果が早くに出現し、持続期間も長い。
【0022】
本発明は、トルペリゾンもしくはその医薬的に許容される塩またはトルペリゾンおよび非ステロイド性抗炎症薬もしくはそれらの医薬的に許容される塩、ゲル形成高分子、溶媒、並びにもし必要ならば、増粘剤、浸透促進剤およびpH補助剤またはそれのいずれかの混合物を含む新規な医薬製剤に関する。
【0023】
本発明のある態様において、医薬組成物はトルペリゾンまたは好ましくはトルペリゾン塩酸塩を2.5w/w%から20w/w%の範囲で含み、また非ステロイド性抗炎症薬を2.5w/w%から20w/w%の範囲で含む。
【0024】
本発明において、医薬製剤は好ましくは、ジクロフェナク、アセクロフェナク、ナプロキセン、イブプロフェン、インドメタシン、ピロキシカム、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、アセチルサリチル酸、スリンダク、ニフルム酸、メタミゾール、ベンジダミン、パラセタモール、およびそれらの医薬的に許容される塩から選択される非ステロイド性抗炎症薬を含む。
【0025】
本発明において、医薬製剤は好ましくは、コロイド二酸化ケイ素、セルロース誘導体、ポリオキシアルキレンおよびその誘導体、アクリレート重合体、またはそれのいずれかの混合物から選択されるゲル形成剤を含む。ゲル形成剤は好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルおよびポリ(アクリル酸)誘導体またはそれのいずれかの混合物から選択される。
【0026】
本発明のさらなる態様において、溶媒はジメチル−スルホキシド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、炭酸プロピレン、ポリエチレングリコール、ピロリドンもしくはその誘導体、N−置換−アルキル−アザシクロアルキル−2−オン誘導体、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、プロピレングリコール、またはそれのいずれかの混合物から選択される。溶媒は好ましくは、ジメチル−スルホキシド、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、またはそれのいずれかの混合物から選択される。
【0027】
増粘剤は、一価および多価アルコール、80から20,000ダルトンのまでの範囲の分子量を有するポリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはそのいずれかの混合物から選択される。増粘剤は好ましくは、プロピレングリコールである。
【0028】
浸透促進剤は、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシグリセリド、N−置換アルキル−アザシクロアルキル−2−オン誘導体、メントール、テルペン、エッセンシャルオイル、リン脂質、スルホキシド、アミノ酸およびその誘導体、酵素、またはそのいずれかの混合物から選択される。浸透促進剤は好ましくは、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルである。
【0029】
pH補助剤は、アルファヒドロキシ酸、ジカルボン酸、芳香族酸、ポリヒドロキシカルボン酸、またはそのいずれかの混合物から選択される。pH補助剤は好ましくは、アスコルビン酸、クエン酸、および酒石酸からなる群より選択される。
【0030】
本発明はさらに、医薬的に活性な薬剤の1もしくはそれ以上およびpH補助剤を窒素雰囲気下で溶媒中に溶解させ、ゲル形成剤および他の医薬的な賦形剤を活性成分が含まれる溶液中に分散させる、医薬製剤の製造方法に関する。
【0031】
本発明はさらに、2つの分離したチャンバー(chamber)からなる二室容器である、医薬製剤を投与するための容器に関する。
【0032】
本発明はさらに、薬物療法における外用の医薬的ゲル製剤に関する。
【0033】
本発明はさらに、筋骨格外傷(例えば、スポーツでの傷害、挫傷、および脱臼)、腰痛、背痛、関節リウマチ、骨関節炎、および強直性脊椎炎の経皮治療のための、トルペリゾンもしくはその医薬的に許容される塩、または非ステロイド性抗炎症薬と組み合わせたトルペリゾンの使用に関する。
【0034】
本発明の医薬組成物は、トルペリゾンおよびその医薬的に許容される塩(これらは加水分解反応によって分解しやすい)を含む安定なゲル製剤を保証する点で利益をもたらす。無水送達システムは、異なる物理化学的な性質を有するトルペリゾンおよび非ステロイド性抗炎症薬を含む経皮剤の製造に適している。
【0035】
開発した無水送達システムにおいて、トルペリゾン単独、またはそれと非ステロイド性抗炎症薬との組み合わせは安定のままである。
【0036】
本発明の医薬組成物はさらなる利点を有しており、というのも、高い有機溶媒含有量は微生物の成長にとって都合がよくないという事実に起因してヒドロゲル製剤の場合よりも微生物からの保護が容易だからである。このことが重要なのは、ヒドロゲル製剤に用いられる防腐剤はアレルギー性反応を起こす可能性があり、より高い濃度では有毒にさえなり得るからである。本発明の医薬組成物は好ましい美的外観を有しており、またそれらは水によって容易に除去することができる。
【0037】
我々の実験では、以下の方法を用いた。
【0038】
薬剤の化学的安定性を研究するために、2つの実験を行なった。
【0039】
a)実施例1で製造した医薬ゲル製剤の化学安定性を調べ、そしてそれを、ジメチル−スルホキシドの代わりに精製水を含むこと以外は実施例1と同様である医薬ゲル製剤と比較した。
【0040】
安定性試験の間、ゲルを室温(25℃)および加速条件下(40℃、75%RH)で貯蔵した。サンプルの化学安定性は、ピペリジン(トルペリゾン分解産物の1つ)の分光光度定量を用いて評価した。それをクロロホルムで抽出し、ピペリジンの光学濃度をHitachi U−3010分光光度計により465nmで測定した。測定する前に、ピペリジンを1,2ナフトキノン−4−スルホン酸と反応させた。分析方法は、ピペリジン量の10μgおよび200μgの間で直線的である(R=0,9943)。分解産物の量は、初期トルペリゾン量のパーセンテージで得た。室温で貯蔵したトルペリゾンの無水ゲル製剤では、1ヵ月後、0.6%のピペリジンを検出したのに対して、同じ条件で貯蔵したトルペリゾンの含水ゲル製剤では1.2%の分解産物を測定した。加速条件下(40℃、70%RH)で貯蔵したトルペリゾンの無水ゲル製剤では、同じ条件下でストレスを加えたトルペリゾン含水ゲルの分解産物量(8.9%)よりも、約1桁小さい分解産物量(0.94%)を測定した(表1を参照)。
【表1】

【0041】
b)実施例20、21および22にある、2.5%、5%および15%の活性成分を含むトルペリゾンゲル製剤を製造し、それらを加速ストレス条件下(50℃、70%RH)で貯蔵して、安定性を調べた。測定はビニルケトン(トルペリゾンのもう一方の主要な分解産物)のHPLC分析に基づき、以下のパラメータを用いて行なった:
カラム:Symmetry C8 3.5μm、75×4.6mm I.D.
移動相:「A」緩衝液(25mM、KHPO、pH=3.0)
「B」メタノール
グラジエント:0分 60%「A」、20分 10%「A」、21分 60%「A」、25分 60%「A」
溶媒:「緩衝液:アセトニトリル」=「70:30」
流速:1ml/分
検出:220nmおよび260nm(UV)
カラム温度:35℃
サンプル室(sample compartment)の温度:4℃
【0042】
分解産物(ビニルケトン)の量は、初期トルペリゾン量のパーセンテージで示した。ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン積層管にパッケージした試験ゲル製剤に高温(50℃)でストレスを与え、貯蔵している間のビニルケトンの変化を調べた(0日、2日、5日、7日)。
【0043】
これらの実験結果に基づき、驚くことに、我々は以下のことを発見した。すなわち、活性成分が組成物中に溶解した形で存在しているという事実にもかかわらず、ビニルケトンで表現されている熱に弱いトルペリゾンの分解は、高温であっても、0.5%の量を超えることはなく、したがって活性成分は化学分解の方の影響をより受けやすいということである(表2を参照)。
【表2】

【0044】
以下では本発明をさらに詳しく開示するが、これらは説明のために考慮されるべきであって、本発明を限定するものではない。
【0045】
本発明の医薬組成物は、1もしくはそれ以上の活性成分を含むことができる。薬剤は、トルペリゾン、エペリゾン、シルペリソン(silperisone)、およびそれらの医薬的に許容される塩を含むことができる。上述の分子と組み合わせて、医薬組成物は、1もしくはそれ以上の活性成分(例えば、フェニル酢酸、アントラニル酸、インドールプロピオン酸、ピラゾロン誘導体、ベンゾチアジン誘導体、スルホンアミド、または非ステロイド性抗炎症薬の他のグループ、あるいはそれらの塩)を含むこともできる。
【0046】
本発明の医薬組成物は、アセチルサリチル酸、ベンジダミン、ジクロフェナク、アセクロフェナク、ナプロキセン、イブプロフェン、インドメタシン、ピロキシカム、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、スリンダク、ニフルム酸、メタミゾール、およびパラセタモールからなる群より選択される非ステロイド性抗炎症薬を含む。
【0047】
ある態様においてゲル形成剤は、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[ファーマコート(登録商標)、ヒプロメロース(登録商標)、メトロース(登録商標)]、ヒドロキシエチルセルロース、エポキシドと反応しトリメチルアンモニウム基で置換されたヒドロキシエチルセルロースポリマーの四級アンモニウム塩、コロイド二酸化ケイ素、およびカルボキシビニルポリマー:ポリ(アクリル酸)誘導体[カルボポール(登録商標)、ペムレン(登録商標)、ノベオン(登録商標)]からなる群より選択される。
【0048】
ある態様において医薬組成物は溶媒として、ジメチル−スルホキシド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、炭酸プロピレン、異なる分子量のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ドデシルアジルシクロヘプタン2−オンおよび他のn−置換−アルキル−アザシクロアルキル−2−オン誘導体[アゾン(登録商標)]、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0049】
さらなる態様において本発明の医薬組成物は、2〜22炭素の鎖長を有する一価アルコール(例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール)、および2〜22炭素の鎖長を有する二価もしくは多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、1,2,6ヘキサントリオールなどのトリヒドロキシヘキサン、ソルビトール、1,3ブタンジオール、2,3ブタンジオール、80から20,000ダルトンまでの範囲の分子量を有するポリエチレングリコール)からなる群より選択される、増粘剤、共溶媒および浸透促進剤を含んでもよい。
【0050】
本発明の医薬製剤は、エタノール、ベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ドデシルアジルシクロヘプタン2−オンおよび他のn−置換−アルキル−アザシクロアルキル−2−オン誘導体、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、メントール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチル−スルホキシド、オレイン酸、ポリソルベート20、d−アルファ−トコフェロール−ポリエチレングリコール−1000コハク酸(ビタミンE TPGS 1000)、プロピレングリコールモノラウレート[ラウログリコール(Lauroglycol)(登録商標)90]、プロピレングリコールモノカプリラート[カプリオール(Capryol)(登録商標)90]、ポリオキシグリセリド[例えば、カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド(ラブラゾール(Labrasol)(登録商標))]、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアリン酸[クレモホール(Cremophor)(登録商標)RH40]またはそれらの混合物から選択される浸透促進剤を含んでもよい。
【0051】
本発明で用いられるpH補助剤は、適宜いずれの、液体もしくは固体の形で存在する、医薬的に許容される有機酸およびそれらの塩であってもよく、例えば、アジピン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、フマル酸、フタル酸、グリコール酸、マレイン酸、シュウ酸、プロピオン酸、セバシン酸、サリチル酸、乳酸、ポリヒドロキシカルボン酸などであってもよい。
【0052】
エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)またはその塩は一般的に、浸出した金属イオン(医薬組成物の賦形剤または装置の表面から生じる)を複合体で吸着するために用いる。もし必要ならば、本発明の医薬組成物はEDTAを0.01〜0.1重量%の量で含んでもよい。
【0053】
本発明の医薬製剤は、いずれかの通常の医薬的に許容される防腐剤を0.01〜0.5重量%の量で含んでもよく:例えば、パラヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、没食子酸プロピル、ソルビン酸並びにそれのナトリウム塩およびカリウム塩、プロピオン酸並びにそれのカルシウム塩およびナトリウム塩、ブロノポール(2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール)およびサリチルアニリド[例えば、ジブロモサリチルアニリド、トリブロモサリチルアニリド(シナリール(Cinaryl))]、1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アザニド−アダマンタンクロリド(ダウィシル)、ヘキサクロロフェン、安息香酸ナトリウム、クエン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸並びにそのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、フェノール化合物(例えば、クロロおよびブロモクレゾール並びにクロロおよびブロモ−オキシレノール)、四級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム)、芳香族アルコール(例えば、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、クロロブタノール)、およびキノリン誘導体(例えば、ヨードクロロヒドロキシキノリン)などを含んでもよい。
【0054】
本発明の医薬組成物は、発泡性形成の目的のために、空気または他の医薬的および美容的に許容される気体を組成物中の液体相に乳化して含んでもよい。
【0055】
局所的もしくは全身的な効果を狙った外用の医薬組成物を適当な剤形で作ることができる。そのような剤形は例えば、液剤、懸濁剤、乳濁剤、透明もしくは不透明なゲル、経皮送達システム、半固体製剤(軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤など)、半固体もしくは固体内相での乳濁剤、並びに半固体もしくは液体内相での乳濁剤、ゲルおよび固形気泡である。
【0056】
医薬組成物は、外用に適したいずれの容器でも投与することができる。有機溶媒の内容物について、組成物が金属容器と直接接触するのは防ぐべきである。医薬組成物は、医薬品グレードガラス、プラスチック、または金属ラミネート容器、および2つの分離したチャンバー(2つのディスペンサーまたは2つのチューブ)からなる二室容器に満たすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下の非限定例は、本発明の組成物のための典型的な製剤を提供する。
【0058】
本発明の組成物は、以下の工程を特徴とする方法によって得ることができる。
【0059】
トルペリゾン/トルペリゾン塩または非ステロイド性抗炎症薬と組み合わせたトルペリゾン/トルペリゾン塩および有機酸は、室温で、溶液を窒素でパージすることにより、Velp Arex磁性攪拌機(500rpm)を用いて連続的に混合して、構成成分を完全に溶媒中に溶解させた。ゲル形成剤は、IKA RW 20 DZMパドルミキサー(60rpm)を用いて、活性成分溶液の50%に分散させ、次いでそれをそのままにして膨潤させた。膨潤は12時間ほどかかるかもしれない。完全な膨潤を達成した後、残っている活性成分溶液の50%を連続して混合することによって系に均等に加え、ゲル構造の製剤を行なった。他の賦形剤(例えば、防腐剤または芳香剤)は、残った活性成分溶液の50%に溶解した。最後の均質化の持続時間は、100rpmで、少なくとも30分である。構成成分を混合した順番を変えることはできない。この方法で製造したゲル系は透明であり、容易に広がり、汚れを残さず、また水で簡単に除去できる。
【0060】
構成成分の量は、以下の実施例において、重量パーセントで示す。
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【0061】
トルペリゾンまたはトルペリゾン塩、および非ステロイド性抗炎症薬を組み合わせたトルペリゾンを含む医薬組成物の薬力学的効果を、以下で示す薬理学的方法を適用して試験した。実験では、28〜30gのNMRIオスマウス、および220〜250gのオスVistarラットを用いた。実験で用いた動物の数は、図から読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
1.完全フロインドアジュバント(CFA)によってマウスの慢性足浮腫を引き起こした(炎症試験)[図1]
処理の24時間前に、NMRIマウスの後肢の慢性的炎症を完全フロインドアジュバントマイコバクテリウム(CFA)の皮下注射によって引き起こした。試験組成物を、後肢の足底の下の部分に穏やかにこすって用いた。薬物効果を、薬物処理前(0分)の値に対する、CFA導入した浮腫[足容積(paw volume)]増加のパーセント逆転(percentage reversal)として表現した。2.5〜10%トルペリゾンを含む単一成分ゲル剤(実施例1、2、30)は、有意な抗炎症効果を有する(図1A)。3%クエン酸を用いることにより、5%トルペリゾンゲルの抗炎症効果を有意に高められる(図1B;実施例1、28、29、31)。
【0063】
2.完全フロインドアジュバント(CFA)によってラットの単関節炎モデルを引き起こした(痛覚過敏試験)[図2]
処理の72時間前に、オスのウィスター系ラットの膝関節にFCAを注射した。FCA注射は慢性単関節炎を引き起こし、それは激しい炎症および疼痛によって特徴付けられる。自発性疼痛は、羅患後肢の荷重負荷能力(weight bearing capacity)の減少に基づいて測定した。無能(機能的障害)は、羅患していない肢と羅患した肢とにかかる負荷の違いとして定義され、それは両肢にかかる総負荷%で表現される。図2に、2.5〜10%トルペリゾンを含むゲル剤(実施例1、2、30)の鎮痛効果を図解する。
【0064】
3.トルペリゾンおよびイブプロフェンを異なる濃度および割合で含むゲル組み合わせ剤の抗炎症効果および鎮痛効果[図3、4]
組み合わせゲルでは、トルペリゾン(2.5%および5%)およびイブプロフェン(2.5%、5%および10%)について研究した。活性物質の重量比は、1:1、1:2、および2:1であった。5%トルペリゾンを、5%イブプロフェンおよび3%クエン酸と組み合わせて含むゲル製剤(実施例4)が最も効果的な組成物であることが証明された。
この組み合わせでは、顕著な抗炎症効果および鎮痛効果がすぐに発現され(15分)、その効果はしばらく維持された(180分)。その組み合わせゲルは、処理後30分で機能障害の完全な100%逆転を生じた(図3A、図3B;実施例4、32、33、34、35、36)。
いずれの薬理モデルに関しても、5%トルペリゾンおよび5%イブプロフェンを含む組成物の強い薬理作用は、明らかに、活性成分の相乗効果の結果である(図4A、図4B;実施例1、4、および実施例1に基づくが、ただし活性成分として5%イブプロフェンを含む組成物)。
【0065】
4.非ステロイド性抗炎症薬を含む市販の局所製剤を組み合わせたトルペリゾンゲルと比較するための抗炎症効果および鎮痛効果[図5、6]
本発明の医薬組成物の抗炎症効果および鎮痛作用を、市販のNSAID局所製剤である、Fastum gel(登録商標)[2.5%ケトプロフェンベルリンケミー(Berlin−Chemie)/メナリーニ・グループ(Menarini group)]およびVoltaren Emulgel(登録商標)[1%ジクロフェナク ノバルティス/コンスューマーヘルス(Consumer Health)]と比較した。図5Aおよび5Bによると、5%トルペリゾン、5%イブプロフェン、および3%クエン酸を含む組成物(実施例4)は、Fastum gel(登録商標)(2.5%ケトプロフェン)またはVoltaren Emulgel(登録商標)(1%ジクロフェナク)と同様の効力を有していながらも、より抗炎症効果が長く、さらには、試験に用いた市販で入手可能な局所製剤の効果よりも、鎮痛効果が強く、早く出現し、そして持続期間が長い(図5A)。
5%トルペリゾン、5%イブプロフェンおよび3%クエン酸を含むゲル組成物(実施例4)の顕著な鎮痛効果は、局所投与の15分後に生じ、3時間持続した。その組み合わせゲルは、処理後30分で機能障害の完全な100%逆転を生じた(図5B)
Fastum gel(登録商標)の、有意差なしの鎮痛効果は処理後3時間に現れ、3時間にわたって測定することができた。わずかではあるが、その最大効果(48%)は、処理後4時間で検知した。Voltaren Emulgel(登録商標)による鎮痛効果は、処理後30分で開始し、それは3時間維持された。最大効果(68%)は、処理後1時間に検知した。10%トルペリゾンを含むゲル剤(実施例30)の抗炎症効果および鎮痛効果は、Fastum gelと似ているものの、その鎮痛効果はFastum gel(登録商標)の効果よりも、より強力でより持続期間が長い(図6)。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルペリゾンもしくはその医薬的に許容される塩またはトルペリゾンおよび非ステロイド性抗炎症薬もしくはそれらの医薬的に許容される塩、ゲル形成高分子、溶媒、並びにもし必要ならば、増粘剤、浸透促進剤およびpH補助剤またはそれのいずれかの混合物を含む医薬製剤。
【請求項2】
2.5〜20w/w%のトルペリゾンまたはトルペリゾン塩酸塩を含む、請求項1の医薬製剤。
【請求項3】
2.5〜20w/w%の非ステロイド性抗炎症薬を含む、請求項1の医薬製剤。
【請求項4】
ジクロフェナク、アセクロフェナク、ナプロキセン、イブプロフェン、インドメタシン、ピロキシカム、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、アセチルサリチル酸、スリンダク、ニフルム酸、メタミゾール、ベンジダミン、パラセタモール、およびそれらの医薬的に許容される塩から選択される非ステロイド性抗炎症薬を含む、請求項1または3の医薬製剤。
【請求項5】
ゲル形成剤が、コロイド二酸化ケイ素、セルロース誘導体、ポリオキシアルキレンおよびその誘導体、アクリレート重合体、またはそのいずれかの混合物から選択される、請求項1の医薬製剤。
【請求項6】
ゲル形成剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースエーテルおよびポリ(アクリル酸)誘導体またはそのいずれかの混合物から選択される、請求項1の医薬製剤。
【請求項7】
溶媒が、ジメチル−スルホキシド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、炭酸プロピレン、ポリエチレングリコール、ピロリドンもしくはその誘導体、N−置換−アルキル−アザシクロアルキル−2−オン誘導体、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、プロピレングリコール、またはそのいずれかの混合物から選択される、請求項1の医薬製剤。
【請求項8】
溶媒が、ジメチル−スルホキシド、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、またはそのいずれかの混合物から選択される、請求項7の医薬製剤。
【請求項9】
増粘剤が、一価および多価アルコール、80から20,000ダルトンまでの範囲の分子量を有するポリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはそのいずれかの混合物から選択される、請求項1の医薬製剤。
【請求項10】
増粘剤がプロピレングリコールである、請求項9の医薬製剤。
【請求項11】
脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシグリセリド、N−置換アルキル−アザシクロアルキル−2−オン誘導体、メントール、テルペン、エッセンシャルオイル、リン脂質、スルホキシド、アミノ酸およびその誘導体、酵素、またはそのいずれかの混合物から選択される浸透促進剤を含む、請求項1の医薬製剤。
【請求項12】
浸透促進剤が、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルである、請求項11の医薬製剤。
【請求項13】
pH補助剤が、アルファヒドロキシ酸、ジカルボン酸、芳香族酸、ポリヒドロキシカルボン酸、またはそのいずれかの混合物から選択される、請求項1の医薬製剤。
【請求項14】
pH補助剤が、アスコルビン酸、クエン酸、および酒石酸からなる群より選択される、請求項13の医薬製剤。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかの医薬製剤の製造方法であって、医薬的活性薬剤の1もしくはそれ以上およびpH補助剤を窒素雰囲気下で溶媒中に溶解させ、ゲル形成剤および他の医薬的な賦形剤を活性成分が含まれる溶液中に分散させることを特徴とする製造方法。
【請求項16】
2つの分離したチャンバーからなる二室容器である、請求項1の医薬製剤を投与するための容器。
【請求項17】
薬物療法における外用の、請求項1〜14のいずれかの医薬的ゲル製剤。
【請求項18】
筋骨格外傷(例えば、スポーツでの傷害、挫傷、および脱臼)、腰痛、背痛、関節リウマチ、骨関節炎、および強直性脊椎炎(spondylitis anchylopoetica)の経皮治療のための、トルペリゾンもしくはその医薬的に許容される塩または非ステロイド性抗炎症薬と組み合わせたトルペリゾンの使用。

【公表番号】特表2011−507826(P2011−507826A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538924(P2010−538924)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/HU2008/000153
【国際公開番号】WO2009/081217
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(596035695)
【氏名又は名称原語表記】Richter Gedeon Nyrt.
【Fターム(参考)】