説明

トレイの固定機構

【課題】簡単な構成でトレイを筺体に確実に固定することができる固定機構を提供する。
【解決手段】トレイの固定機構は、振動源(記憶装置3)が搭載されるトレイ4の被固定部材(ゲージ)への固定機構であって、トレイ4の外周に沿って配設されるワイヤー6と、ワイヤー6の動作によって、トレイ4の側部41に形成された第1の収納部41cから引き出される固定部材7と、ワイヤー6に張力を与える張力付加機構5と、を備え、張力付加機構5でワイヤー6に張力を付加すると、固定部材7が第1の収納部41cから引き出されて被固定部材に接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイの固定機構に関し、特に振動源が搭載されるトレイの被固定部材への固定機構に関する。
【背景技術】
【0002】
振動源の一種であるHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置を、被固定部材の一種であるケージに収めるために利用するトレイには、ゲージへの取付け、又は取外し(挿抜)の容易性と記憶装置の自己振動を抑えるための防振性能が求められる。
【0003】
そのため、トレイが工具やネジを利用せずに容易にケージから挿抜できるように、設計上、トレイとケージの間にはクリアランスを設けることが一般的である。しかし、クリアランスの影響でトレイをケージにしっかりと固定することができず、記憶装置の自己振動を抑えることができなかった。また、記憶装置の自己振動を抑える方法としては、トレイをケージにネジ固定することが有用であるが、この場合、挿抜の容易性が失われてしまうという課題があった。
【0004】
ところで、特許文献1には、側部から内方に向かって突出する保持部が形成された筐体と、記憶装置が搭載され、側部から外方に向かって突出する防振部が形成されたトレイと、を備えるディスク回転装置が開示されている。保持部は、平面から見て筺体の開口側に向かって幅寸法が狭くなる三角形状に形成されており、筺体の側部における開口側の端部に配置されている。また、防振部は、半円形状に形成されており、トレイを筺体に挿入したとき、保持部に接触する位置に配置されている。トレイを筺体に挿入し、防振部を保持部の傾斜面に食い込ませることで、トレイを筺体に固定している。
【0005】
なお、特許文献2には、車体ドアの外周に沿って配設したワイヤーに張力を付加することで、ワイヤー受部を締め付け、車体ドアの閉まり剛性を高める技術が開示されている。
また、特許文献3には、モータの回転駆動力を、無端体を介してレンズ枠に伝達する構成において、前記無端体の張力の調整を、プーリを介して行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−222590号公報
【特許文献2】特開2008−265387号公報
【特許文献3】特開平9−43481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術は、防振部を保持部の傾斜面に食い込ませただけでは、トレイと筺体との固定が十分でなく、当該トレイに搭載された記憶装置が自己振動を生じる可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決するトレイの固定機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係るトレイの固定機構は、振動源が搭載されるトレイの被固定部材への固定機構であって、前記トレイの外周に沿って配設されたワイヤーと、前記ワイヤーの動作によって、前記トレイの側部に形成された第1の収納部から引き出される固定部材と、前記ワイヤーに張力を与える張力付加機構と、を備え、前記張力付加機構で前記ワイヤーに張力を付加すると、前記固定部材が前記第1の収納部から引き出されて前記被固定部材に接触する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な構成でトレイを筺体に確実に固定することができる固定機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係るトレイの固定機構を用いて、当該トレイをゲージに固定した状態を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るトレイの固定機構における、当該トレイに記憶装置を搭載した状態を概略的に示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るトレイの固定機構を概略的に示す水平断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るトレイの固定機構を概略的に示す斜視図である。
【図5】トレイの側部を示す斜視図である。
【図6】側部と前部とを接合した状態を示す斜視図である。
【図7】トレイの前部を示す水平断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るトレイの固定機構を概略的に示す水平断面図である。
【図9】トレイの前部を示す水平断面図である。
【図10】ワイヤー、固定部材及びレバー部材等を示す図である。
【図11】固定部材を示す斜視図である。
【図12】固定部材がトレイの側部における第1収納部内に収納されている状態を示す斜視図である。
【図13】固定部材がトレイの側部における第1収納部内に収納されている状態を示す平面図である。
【図14】固定部材がトレイの側部における第1収納部から引き出された状態を示す斜視図である。
【図15】固定部材がトレイの側部における第1収納部から引き出された状態を示す平面図である。
【図16】本発明の異なる実施の形態に係るトレイの固定機構を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態に係るトレイの固定機構について説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。なお、以下の説明における上下前後左右方向は、図2に示す上下前後左右方向を基準に説明している。
【0013】
本実施の形態のトレイの固定機構(以下、単に固定機構という場合がある。)1は、図1乃至図3に示すように、被固定部材の一種であるゲージ2に対して、振動源の一種であるHDD等の記憶装置3が搭載されるトレイ4を挿抜する際に好適に用いられる。この固定機構1は、張力付加機構5によって、トレイ4の外周に沿って配設されたワイヤー6に張力を付加して、トレイ4の側部41に形成された第1収納部41cから固定部材7を引き出し、当該固定部材7をゲージ2の側部21に接触させることで、トレイ4をゲージ2に固定する構成である。
【0014】
具体的に云うと、固定機構1は、図2及び図3に示すように、トレイ4、張力付加機構5、ワイヤー6、固定部材7を備える。トレイ4は、図4に示すように、側部41、底部42、前部43を備える。側部41は、底部42の左右の側縁に沿って設けられている。側部41は、上述したように固定部材7をゲージ2の側部21に接触させた際に変形しないように、底部42に接合され、さらに自身の強度を有する。側部41は、例えば樹脂成形品である。
【0015】
側部41には、図5に示すように、本体部41a、接合部41bを備える。本体部41aは、長尺の板状部材である。本体部41aには、長手方向に間隔を開けて、固定部材7が収納される第1収納部41cが形成されている。本実施の形態の第1収納部41cは、本体部41aを貫通するように形成されており、略矩形状に形成されている。さらに本体部41aの内側面(但し、外側面でも良い。)には、長手方向に沿って、ワイヤー6が収納される第2収納部41dが形成されている。
【0016】
詳細には、第2収納部41dは、間隔を開けて配置された第1収納部41cの間に形成される第1部分41d1、前側の第1収納部41cから本体部41aの前端縁まで連続して延在する第2部分41d2、後側の第1収納部41cから本体部41aの後端縁に到達する途中位置まで連続して延在する第3部分41d3を備える。
【0017】
本体部41aの前端部には、前部43への接合部41bが形成されている。接合部41bは、トレイ4の内方に向かって突出する板状部材である。接合部41bには、例えば側部41を前部43に接合するためのボルトを通すボルト孔41eが形成されている。このボルト孔41eにボルト(図示を省略)を通して、図6に示すように側部41と前部43とが接合されている。
【0018】
ここで、接合部41bは、図5に示すように、補強部41fによって本体部41aに連結されていることが好ましい。補強部41fは、例えば平面から見て三角形状の板状部材である。補強部41fは、接合部41bの上下に配置されている。補強部41fの角を挟んで一方の辺が本体部41aに接合され、他方の辺が接合部41bに接合されている。これにより、側部41と前部43との接合部の強度を上げることができる。
【0019】
底部42は、記憶装置3を搭載するのに十分な広さを有する。この底部42の左右方向の幅寸法は、トレイ4を図1に示すように左右に間隔を開けて配置されたゲージ2の側部21間に良好に挿入することができるように、当該側部21間より若干短く設定されている。底部42は、例えば金属製、樹脂成形品等である。ちなみに、本実施の形態の底部42は、図4に示すように、軽量化のためにパンチング処理が施されている。この底部42の左右両端縁に側部41が接合され、さらに前端縁に前部43が接合されている。
【0020】
前部43は、カバー部材43a、レバー部材43bを備える。カバー部材43aは、図2等に示すように、トレイ4の前部として機能する。本実施の形態のカバー部材43aは、前側及び右側(但し、左側でも良い)が開口している略箱型部材である。カバー部材43aの内部には、図7に示すように、ワイヤー6が通される通路43cが形成されている。カバー部材43aの左右側部にワイヤー6を内部に導き込む、又は導き出すための、切り欠き部43dが形成されている。そして、カバー部材43aにおける左右方向の略中央位置に、ワイヤー6を支持する支持部43eが形成されている。
【0021】
さらにカバー部材43aの前側の開口部分を開閉するように、カバー部材43aにレバー部材43bが回転可能に連結されている。詳細には、カバー部材43aの上下部は、レバー部材43bの右側部に通された回転軸43fを支持している。回転軸43fは、カバー部材43aの前方右側部に配置されている。つまり、カバー部材43aの右側の開口部分は、レバー部材43bが回転する際に、カバー部材43aに干渉しないために形成されている。
【0022】
レバー部材43bは、張力付加機構5として機能する。レバー部材43bは、本体部43g、突出部43hを備える。レバー部材43bは、例えば樹脂成形品である。本体部43gは、図6及び図7に示すように、長尺の棒状部材である。本体部43gの右側部には、上下方向の回転軸43fが通されている。ちなみに、本実施の形態の本体部43gの右側部には、トレイ4の内方に突出するアーム部43iが形成されており、アーム部43iの先端部に回転軸43fが通されている。これにより、図8及び図9に示すように、レバー部材43bを閉じた状態とした際に、アーム部43iの長さ分だけ、回転軸43fより前方にレバー部材43bが配置され、カバー部材43aの支持部43eとの干渉を防ぐことができる。本体部43gの左側部には、突出部43hが形成されている。
【0023】
突出部43hは、トレイ4の内方に突出する。突出部43hは、図9に示すように、レバー部材43bを閉じた状態とした際に、カバー部材43aの内部に通されたワイヤー6を押し込む。つまり、突出部43hの突出量は、レバー部材43bを閉じた状態とした際に、ワイヤー6を押し込み、側部41の第1収納部41cから固定部材7を引き出すことができる、突出量に設定される。なお、突出部43hの先端部は、ワイヤー6の損傷を防ぐために、丸みをおびた形状とされている。
【0024】
ちなみに、レバー部材43bは、図10に示す板バネ43j等の付勢部材によって、当該レバー部材43bを開く方向に付勢される構成であることが好ましい。板バネ43jの一端部は、例えばレバー部材43bの右側部に接続される。板バネ43jの他端部は、例えばカバー部材43aに接続される。
【0025】
また、図10等に示すように、レバー部材43bの閉じた状態を維持するロック機構44を備えていることが好ましい。ロック機構44は、レバー部材43bにおける本体部43gの左側部に形成された切り欠き部44a、切り欠き部44aに嵌合される爪部44bを備える。爪部44bは、板バネ44c等の付勢部材を介してカバー部材43aに接合されている。このとき、板バネ44cは、爪部44bが切り欠き部44aに嵌合された状態で自然状態(復元力が発現しない状態)とされている。
【0026】
このような構成により、ユーザが爪部44bを左方向に回転させると、当該爪部44bと切り欠き部44aとの嵌合状態が解除され、板バネ43jの復元力によって、レバー部材43bが開いた状態となる。一方、ユーザが爪部44bを左方向に回転させ、レバー部材43bを閉じた状態とし、爪部44bを解放すると、板バネ44cの復元力によって、爪部44bが切り欠き部44aに嵌合され、レバー部材43bが閉じた状態に維持される。
【0027】
ワイヤー6は、レバー部材43bの突出部43hによって張力が付加された際に、切れない強度と柔軟性を有するビニールや金属等から成る。ワイヤー6は、図3等に示すように、トレイ4の外周に沿って配設されている。すなわち、ワイヤー6は、トレイ4の左側部から前部を介して右側部に渡されている。そして、ワイヤー6は、図10等に示すように、固定部材7に通されている。
【0028】
詳細には、ワイヤー6の一端部は、図6等に示すように、トレイ4の一方の側部41に形成された第2収納部41dにおける第3部分41d3の後方端部に固定されている。そして、ワイヤー6は、他端部に向かって、以下のように配設されている。
【0029】
ワイヤー6は、一方の側部41において、第2収納部41dの第3部分41d3、後側の第1収納部41cに収納されている固定部材7内、第2収納部41dの第1部分41d1、前側の第1収納部41cに収納されている固定部材7内、第2収納部41dの第2部分41d2内に収納されている、
【0030】
さらにワイヤー6は、カバー部材43aの一方の切り欠き部43dから内部の通路43cに導き込まれ、他方の切り欠き部43dから導き出される。ワイヤー6は、途中で支持部43eに支持されている。
【0031】
また、ワイヤー6は、他方の側部41において、第2収納部41dの第2部分41d2、前側の第1収納部41cに収納されている固定部材7内、第2収納部41dの第1部分41d1、後側の第1収納部41cに収納されている固定部材7内、第2収納部41dの第3部分41d3内に格納されている。そして、ワイヤー6の他端部は、他方の側部41に形成された第2収納部41dにおける第3部分41d3の後方端部に固定されている。
【0032】
固定部材7は、ワイヤー6の動作によって、トレイ4の側部41に形成された第1収納部41cから引き出される。詳細には、固定部材7は、図3及び図11等に示すように、第1収納部41cに収納可能な広さ(本実施の形態では、第1収納部41cの内周と略等しい外周)を有し、且つ側部41と略等しい厚さを有するブロック部材である。固定部材7は、ゲージ2の側部21に接触してトレイ4を良好に固定することができる材質から成り、例えばゴム、プラスチック、金属等から成る。但し、固定部材7は、トレイ4に搭載される記憶装置3の自己振動を抑制する観点から、ゴム等の弾性部材から成ることが好ましい。
【0033】
固定部材7には、図11等に示すように、ワイヤー6が通される通路71が形成されている。通路71は、固定部材7の上部(但し、下部でも良い。)に形成されており、略前後方向に延在する溝部である。通路71は、ワイヤー6を収納できる深さ及び幅寸法を有する。ここで、通路71には、レバー部材43bを開いた状態とした際に生じるワイヤー6の弛みを吸収する弛み吸収部71aが形成されていることが好ましい。具体的に云うと、弛み吸収部71aは、平面から見てトレイ4の外方に向かって略V字形状に固定部材7の上部を切り欠いた切り欠き部である。ワイヤー6に張力が付与されていない状態では、図12に示すように、ワイヤー6は弛み吸収部71aに収納される。このとき、弛み吸収部71aの頂部71a1は、張力が付加されて張った状態のワイヤー6におけるトレイ4の外方側の周縁(図12の破線)より、トレイ4の内方側に位置する。そして、ワイヤー6に張力が付与された状態では、図14に示すように、ワイヤー6が弛み吸収部71aの頂部71a1を押し出し、固定部材7におけるトレイ4の外方側の面を側部41から突出させる。そのため、弛み吸収部71aの頂部71a1の位置は、ワイヤー6に張力が付与された際に、固定部材7が良好にトレイ4の側部41から突出し、ゲージ2の側部21に接触するように設定される。
【0034】
固定部材7には、左右方向に突出する突出部72が形成されていることが好ましい。第1収納部41cには、固定部材7の左右方向の動き(突出又は収納)を許容し、且つ当該突出部72が嵌め込まれる切り欠き部41c1が形成されており、この切り欠き部41c1に突出部72が嵌め込まれる。これにより、固定部材7が左右方向に動く際の振れを防ぐことができる。
【0035】
このような構成の固定機構1を用いて、以下のようにトレイ4をゲージ2に対して挿抜する。先ず、トレイ4をゲージ2に挿入して固定する流れを説明する。
ユーザは、図2に示すように、トレイ4に記憶装置3を搭載し、レバー部材43bを開いた状態として、当該トレイ4をゲージ2に挿入する。このとき、ワイヤー6は未だ弛んだ状態であり、図12に示すように、固定部材7は側部41の第1収納部41c内に格納されている。つまり、固定部材7は、図13に示すように、ゲージ2の側部21とクリアランスCを設けた状態で配置されている。
【0036】
次に、ユーザは、ロック機構44の爪部44bを左方向に回転させ、レバー部材43bを閉じた状態とし、爪部44bを解放する。すると、板バネ44cの復元力によって、爪部44bが切り欠き部44aに嵌合され、レバー部材43bが閉じた状態とされる。
【0037】
同時に、レバー部材43bの突出部43hは、図9に示すように、ワイヤー6を押し込む。それに伴って、ワイヤー6は張力が付加されて張った状態となり、図14及び図15に示すように、固定部材7は側部41の第1収納部41cから引き出され、ゲージ2の側部21に接触する。これにより、トレイ4はゲージ2に固定され、記憶装置3の自己振動を抑制することができる。しかも、本実施の形態の固定部材7は、ブロック部材であり、ゲージ2の側部21との接触面積が広いので、トレイ4を確実にゲージ2に固定することができる。
【0038】
一方、トレイ4をゲージ2から引き抜く際には、ユーザは、爪部44bを左方向に回転させる。すると、当該爪部44bと切り欠き部44aとの嵌合状態が解除され、板バネ43jの復元力によって、レバー部材43bが開いた状態となる。
【0039】
同時に、レバー部材43bの突出部43hは、ワイヤー6への押し込みを解除するので、ワイヤー6が弛み、固定部材7のゲージ2の側部21への接触が解除される。そのため、ユーザは簡単にトレイ4をゲージ2から引き抜くことができる。
【0040】
このような固定機構1は、工具やネジ等を用いることなく、トレイ4のゲージ2に対する挿抜を行うことができる。しかも、固定機構1は、トレイ4を確実にゲージ2に固定することができ、記憶装置3の自己振動による当該記憶装置3への悪影響を抑えることができる。つまり、上述の固定機構1は、簡単な構成でトレイ4の挿抜容易性と防振性能を両立することができる。
【0041】
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施の形態のワイヤー6は、端部を第2収納部41dの第3部分41d3の後端部に接続したが、この限りでない。すなわち、ワイヤー6は、図16に示すように、一度後方(往路側)に向かって延在させてから、側部41の後部に設けたプーリ45を介して、前方(復路側)に向かって延在させて、端部を側部41の前部に接続しても良い。このとき、側部41及び固定部材7には、往路側のワイヤー6及び復路側のワイヤー6が収納される収納部をそれぞれ形成しても良く、統一して形成しても良い。
例えば、上記実施の形態では、被固定部材としてゲージ2を用い、振動源として記憶装置3を用いたが、この限りでない。
【符号の説明】
【0042】
1 固定機構
2 ゲージ、21 側部
3 記憶装置
4 トレイ
41 側部、41a 本体部、41b 接合部
41c 第1収納部
41d 第2収納部、41d1 第1部分、41d2 第2部分、41d3 第3部分
41e ボルト孔
41f 補強部
42 底部
43 前部、43a カバー部材、43b レバー部材、43c 通路、43d 切り欠き部、43e 支持部、43f 回転軸、43g 本体部、43h 突出部、43i アーム部、43j 板バネ
44 ロック機構、44a 切り欠き部、44b 爪部、44c 板バネ
45 プーリ
5 張力付加機構
6 ワイヤー
7 固定部材、71 通路、71a 吸収部、71a1 頂部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動源が搭載されるトレイの被固定部材への固定機構であって、
前記トレイの外周に沿って配設されたワイヤーと、
前記ワイヤーの動作によって、前記トレイの側部に形成された第1の収納部から引き出される固定部材と、
前記ワイヤーに張力を与える張力付加機構と、
を備え、
前記張力付加機構で前記ワイヤーに張力を付加すると、前記固定部材が前記第1の収納部から引き出されて前記被固定部材に接触するトレイの固定機構。
【請求項2】
前記張力付加機構は、前記トレイに反力をとって、前記ワイヤーを押し込むレバー部材を備える請求項1に記載のトレイの固定機構。
【請求項3】
前記ワイヤーを押し込んだ状態で前記レバー部材を固定するロック機構を備える請求項2に記載のトレイの固定機構。
【請求項4】
前記固定部材は、前記ワイヤーが通される通路を備え、
前記通路には、前記ワイヤーへの張力の付加を解除したときに生じる前記ワイヤーの弛みを吸収する弛み吸収部が形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトレイの固定機構。
【請求項5】
前記固定部材は、弾性部材から成る請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトレイの固定機構。
【請求項6】
前記トレイの側部は、前記ワイヤーが収納される第2の収容部を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトレイの固定機構。
【請求項7】
前記振動源は、記憶装置である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトレイの固定機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−104208(P2012−104208A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254054(P2010−254054)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)