説明

トレーディングカード及びカードケース

【課題】 希少価値の高いトレーディングカードおよびそのカードケースを提供する。
【解決手段】 例えばプラスチック製の基材に、有名スポーツ選手の写真が印刷され、サイン書き込み部3、落款部7を設け、ICチップ11を内蔵する。サイン書き込み部3にはサイン5が、落款部7には印9が落款される。サイン書き込み部3、落款部7は、それぞれサイン、落款が鮮明に行えるよう、表面の摩擦度を増す等の表面処理を行う。印9は、写真の選手の氏名、背番号、信条とする言葉等、選手に関連する文字や記号を彫った印鑑の印影で、選手固有のものが好ましい。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、有名スポーツ選手等の写真、名前などを印刷したトレーディングカードおよびカードケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
トレーディングカードは、プラスチック等の基材に有名スポーツ選手等の写真、名前などを印刷したカードであり、日本、米国の他、各国のカード収集家により交換、売買が盛んに行われている。さらに、選手自身の直筆のサインや、選手が使用したユニフォームの切れ端等が付属したカード等、希少価値の高いカードについては、高価な値段で売買されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記トレーディングカードの交換、売買等をさらに活発にするには、新商品や、従来にはないプレミアムつきのカードの開発が欠かせない。また、トレーディングカードの交換、売買が活発になるにつれて、偽造品の流通に対する対策も必要になる。
【0004】
本考案は、従来のトレーディングカードが有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本考案の目的は、新たなプレミアムとして、選手が固有の印鑑を落款してその価値を高め、またその落款に関する情報等をICチップに記録して信頼性を高めることの可能な、新規かつ改良されたトレーディングカードおよびカードケースを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、第1の考案は、落款を有することを特徴とするトレーディングカードである。落款が行われるカードの表面は、落款用の表面処理を施されていることが好ましい。また、サインを書き込むサイン欄をさらに有するようにしてもよい。
【0006】
ここで落款のための印鑑は、写真の人物の氏名、背番号、その他の関連事項を表す人物固有のものとし、その人物自身により落款されることが好ましい。上記構成によれば、落款及びサインがトレーディングカードの希少価値を高め、トレーディングカードの交換、売買が活発になる。また、落款欄を表面処理すると、落款が鮮明に行える。
【0007】
また、上記トレーディングカードにICチップを内蔵し、落款に関する情報、サインに関する情報などが記録されるようにしてもよい。
【0008】
ICチップに落款の有無、落款された印の画像、サインの有無、落款またはサインを行った日時など、関連情報を記録することにより、トレーディングカードの信頼性が高まり、安心して交換、売買を行うことができる。また、ICチップはトレーディングカードに内臓され、外観を乱すことはない。
【0009】
また、第2の考案は、トレーディングカードを収納するカード収納部と、ICチップを収納するICチップ収納部と、落款とを有するカードケースである。落款が行われるケースの表面は、落款用の表面処理を施されていることが好ましい。サインをさらに有するようにしてもよい。ICチップには、落款に関する情報、サインに関する情報等を記録することができる。
【0010】
上記構成によれば、トレーディングカードを保護して、価値が下がることのないように保存することができ、長く保有することにより、希少価値が高まることなどが期待されるようになる。
【0011】
【考案の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら、本考案にかかるトレーディングカードの実施の形態について詳細に説明する。図1は、本考案の第1の実施の形態にかかるトレーディングカード1の外観平面図、図2は、カード情報31を示す図である。
【0012】
図1に示すように、トレーディングカード1は、例えばプラスチック製の基材に、有名スポーツ選手の写真が印刷されている。図1の例では、下部にサイン書き込み部3、落款部7が設けられ、左上部にICチップ11が内蔵されている。
【0013】
サイン書き込み部3にはサイン5が、落款部7には印9が落款されている。サイン書き込み部3、落款部7は、それぞれサイン、落款が鮮明に行えるよう、表面の摩擦度を増す等の表面処理を行うようにしてもよい。サイン、及び落款はトレーディングカード1に写真が印刷された人物自身により行われることで、トレーディングカード1の希少価値を高めることができる。印9は、写真の人物の氏名、背番号、信条とする言葉等、その人物に関連する文字や記号等を彫った印鑑の印影で、その人物固有のものが好ましい。
【0014】
ICチップ11には、トレーディングカード1に関する様々なカード情報31が記録される。図2に示すように、カード情報31は、カードID41、カード名称42、…、カードスコア43、センタリング44、角45、縁46、表面47、…、所有者氏名50、住所51、購入日52、…、所有者氏名60、住所61、購入日62、…、サイン70、落款71、…等からなる。
【0015】
カードID41、カード名称42、…等はカード種別を示す項目である。カードID41はトレーディングカード1の識別番号である。カード名称42は、例えばトレーディングカード1に写真が印刷されるスポーツ選手の選手名等を示す。
【0016】
カードスコア43、センタリング44、角45、縁46、表面47、…はトレーディングカード1の真贋や価値等の鑑定結果に関する項目であり、センタリング44はトレーディングカード1の中央部を、角45はトレーディングカード1の角部を、縁46はトレーディングカード1のエッジ部分を、表面47はトレーディングカード1の表裏両面の表面を示す。カードスコア43の欄は総合評価点を、センタリング44、角45、縁46、表面47の各欄は各鑑定項目別の評価点を示すものである。
【0017】
所有者氏名50、住所51、購入日52、…、所有者氏名60、住所61、購入日62、…はトレーディングカード1の過去、及び現在の所有者に関する情報である。例えば、所有者氏名50、住所51、購入日52、…には現在の所有者である例えば顧客Aに関する情報が記載されており、所有者氏名60、住所61、購入日62、…には顧客Aの以前にトレーディングカード1を所有していた所有者に関する情報が記載されている。
【0018】
サイン70、落款71は、トレーディングカード1にサイン5または印9の落款がされているか否かの情報が記載される。さらに、サイン5または印9がある場合にはその実行日時や、場所、あるいはサイン5、印9の画像データ、印9として記された文字の読みかたや意味などを記載するようにしてもよい。
【0019】
このようにICチップ11にはカード情報31が登録される。即ち、ICチップ11を読み取ることによって、カード種別、カードの鑑定結果、所有者の履歴、サイン、落款の有無等がわかる。また、ICチップ11には、例えばトレーディングカード1に写真が印刷されたスポーツ選手等の声や動画などを記録しておくことも可能である。
【0020】
以上説明したように、第1の実施の形態にかかるトレーディングカード1によれば、落款部7を設け、トレーディングカード1に写真が印刷されたスポーツ選手等が印9を落款することにより、日本のみならず、外国においても漢字に対する好感度が高いこともあり、トレーディングカードの希少価値を高め、カード収集家の購買、交換、売買意欲をさらに昂進することができる。また、ICチップ11に、サイン、落款に関する情報を含むトレーディングカード1に関する情報を記載できるので、トレーディングカード1に対する信頼性が高くなり、交換、売買が安心して行える。
なお、落款部7を設けずにカード上に印鑑を押したり、サイン書き込み部3を設けずに、カード上にサインを書いてもよい。
【0021】
次に、図3、4、5を参照しながら第2の実施の形態にかかるトレーディングカード15用のカードケース101について説明する。第2の実施の形態にかかるトレーディングカード15には、ICチップ11は内蔵されず、トレーディングカード15はカードケース101に収納される。図3は、カードケース101の斜視図、図4は、P方向から見たカードケース101を示す図、図5は、カードケース101を構成する各部位を示す図である。
【0022】
図3、4、5に示すように、カードケース101は、ケース本体23、蓋100、カバー102等からなる。ケース本体23は板状であり、その上面にカード収納部26、ICチップ収納部27、シール収納部29が凹状に設けられる。カード収納部26にはトレーディングカード15が収納される。ICチップ収納部27にはICチップ11が収納される。シール収納部29にはシール33が収納される。
【0023】
シール33にはカード種別や鑑定結果の評価点等、トレーディングカード15を確認するために必要な情報が記載される。シール33は顧客Aの希望により添付しなくてもよい。
【0024】
カード収納部26にトレーディングカード15を収納し、ICチップ収納部27にICチップ11を収納し、シール収納部29にシール33を収納し、蓋100をかぶせる。ケース本体23と蓋100は、特殊な装置(図示せず)により超音波等を用いて完全に密着され、トレーディングカード15、ICチップ11等を保護する。
【0025】
ケース本体23、蓋100はアクリル板等の硬質で透明な物質から作られおり、図3に示す上方からも下方からもケース本体23、蓋100を通してトレーディングカード15、ICチップ11、シール33が見られるようになっている。
【0026】
図5に示すように、蓋100の上面には、サイン書き込み部111及び落款部113が設けられる。サイン書き込み部111は、例えばカードに写真が記載されたスポーツ選手等にサイン等を書き込んでもらう部分であり、サインが書きやすいように例えば摩擦度を増す等の表面処理が施されている。落款部113は、例えばカードに記載されたスポーツ選手等に印を落款してもらう部分であり、落款しやすいように例えば摩擦度を増す等の表面処理が施されている。
【0027】
図3、図4に示すように、蓋100の両端には押え支持部103−1、103−2が設けられる。押え支持部103−1、103−2はそれぞれ押え部105−1、105−2を支持するものである。押え部105−1、105−2は両端からケース内側方向に突出した突起である。
【0028】
図4に示すように、押え支持部103−1、103−2及び押え部105−1、105−2は、蓋100との間に溝部107−1、107−2を形成する。溝部107−1、107−2にカバー102の両端をはめ込むことによって、カバー102と蓋100が密着する。カバー102は蓋100に設けられたサイン書き込み部111及び落款部113を保護するものである。カバー102はフィルムでもよい。こうして、ケース本体23、蓋100、カバー102は図3、図4に示すように密着される。
【0029】
このようにサイン書き込み部111及び落款部113の上にカバー102が設けられるので、サイン書き込み部111及び落款部113に直接手が接触することが無く、サイン書き込み部111に書き込まれたサイン及び落款部113に落款された印に対する汚れ等の付着を防止できる。
【0030】
尚、蓋100の4辺に押え支持部103と押え部105を設け、カバー102をはめ込み、蓋100の上面に密着させても良い。また、押え支持部103、押え部105を設けなくても、カバー102を蓋100の上面に圧着または溶着等して設けることも可能である。
【0031】
このようにカードケース101を用いれば、トレーディングカード15やICチップ11を外傷から保護すると共に、ICチップ11やシール33を取り出して情報を複製したり、書き換えるなどといった行為を防止することができるとともに、サイン、落款を保護してトレーディングカード15の価値を長期間に亘り維持できる。
なお、落款部113を設けずにケース上に印鑑を押したり、サイン書き込み部111を設けずに、ケース上にサインを書いてもよい。
【0032】
以上、添付図面を参照しながら本考案にかかるトレーディングカード及びカードケースの好適な実施形態について説明したが、本考案はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本考案の技術的範囲に属するものと了解される。
【0033】
例えば、カードケース101に、ICチップ収納部27を設けずに、ICチップ11が内蔵されたトレーディングカードを収納するようにしてもよい。
【0034】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、トレーディングカードに落款部を設け、写真が掲載されたスポーツ選手等の印を落款するようにしたので、トレーディングカードの価値が高まり、販売、交換、売買を促進する効果があると共に、ICチップにサイン、落款に関する情報を含むトレーディングカードに関する情報を記録して、トレーディングカードの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の第1の実施の形態にかかるトレーディングカード1の外観平面図
【図2】 カード情報31を示す図
【図3】 カードケース101の斜視図
【図4】 P方向から見たカードケース101を示す図
【図5】 カードケース101を構成する各部位を示す図
【符号の説明】
1 トレーディングカード
3 サイン書き込み部
5 サイン
7 落款部
9 印
11 ICチップ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 落款を有することを特徴とするトレーディングカード。
【請求項2】 前記落款が行われるカードの表面は、落款用の表面処理を施されていることを特徴とする請求項1に記載のトレーディングカード。
【請求項3】 サインをさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトレーディングカード。
【請求項4】 ICチップを内蔵したことを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載のトレーディングカード。
【請求項5】 前記ICチップには、落款に関する情報が記録されることを特徴とする請求項4に記載のトレーディングカード。
【請求項6】 前記ICチップには、サインに関する情報が記録されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のトレーディングカード。
【請求項7】 トレーディングカードを収納するカード収納部と、ICチップを収納するICチップ収納部と、落款と、を有するカードケース。
【請求項8】 前記落款が行われるケースの表面は、落款用の表面処理を施されていることを特徴とする請求項7に記載のカードケース。
【請求項9】 前記ICチップには、落款に関する情報が記録されることを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載のカードケース。
【請求項10】 サインをさらに有することを特徴とする請求項7、8、9のいずれかに記載のカードケース。
【請求項11】 前記ICチップには、サインに関する情報が記録されることを特徴とする請求項10に記載のカードケース。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【登録番号】実用新案登録第3090866号(U3090866)
【登録日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【発行日】平成14年12月26日(2002.12.26)
【考案の名称】トレーディングカード及びカードケース
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2002−3764(U2002−3764)
【出願日】平成14年6月20日(2002.6.20)
【出願人】(500401534)有限会社アールアンドビートゥウェンティーワン (1)