説明

トレーニングジムの統合管理運営方法

【課題】
従来はトレーニングの経過や結果の記録をして、トレーニング機器の自動設定などしかしておらず、トレーニングに費やすエネルギーを有効に利活用しようとするものは皆無である。本発明はこのような不都合に鑑み考案されたものであり、トレーニングジムにおけるトレーニング者のトレーニングの経過・結果を従来のウェイト系トレーニング器具を改変して発電するようにして、発電量を記録し、電力を売電し、売電したお金を任意団体の口座へ自動的に振り込むようにしたトレーニングジムの統合管理運営方法を提供する。
【解決手段】
トレーニングジムにおけるトレーニング者のトレーニングの経過・結果を従来のウェイト系トレーニング器具を改変して従来の分離型ウェイトを一体型とし、ラックピニオン機構により発電を駆動して発電するようにして、発電量を記録し、電力を売電し、売電した金額を団体の口座へ自動的に振り込むようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
トレーニングジム利用者のトレーニング状況及び結果が、トレーニングによって得られる発電量の計測により記録され、データベースに書き込まれて、そしてトレーニングジム利用者(以下トレーニング者と略称)全員の前記発電量を合計し、売電するようにして、該売電して得られた金額を指定口座へ直接振り込み、寄付するようにしたトレーニングジムの統合管理運営方法。
【0002】
トレーニング者による発電型ウェイト系トレーニング器具の一体型ウェイトの上下動によるラックの動きでピニオンを回転させて発電機を駆動し、トレーニングの負荷レベルの設定をピニオン径の選択機構によって行う。
【0003】
従来のウェイト系トレーニング器具のウェイト部分を側面にラックを配した形状とする一体型ウェイトに置き換え、いわゆるラックピニオン構造とし、ピニオンを通して発電機を駆動する構造とした。
【0004】
トレーニング者全員の発電量を合計して売電して得られた金額が、トレーニング者毎の貢献度として定期的にトレーニング者に報告され、トレーニング者にとり体力増進の結果が明確に把握できることになり、同時にトレーニングへの意欲も高められる。
【0005】
サーバにはトレーニング者のトレーニングにまつわる全てのデータが書き込まれ、保存してあり、トレーニングジムの受付時、ICカードによる認証処理後これらのデータが参照可能となり、トレーニング器具のレベル設定のときに使用されたりする。また前記認証処理後、ICカードに空ロッカー番号が書き込まれ、トレーニング者は該ロッカーを開錠し、施錠することが可能となる。
【0006】
トレーニング者がトレーニングのためにICカードをトレーニング器具に設置されたリーダライタに挿入すると、過去のトレーニング履歴データがサーバから読み出され、トレーニング器具の利用が可能となる。トレーニング者は前記トレーニング履歴データを参照してトレーニング器具を効率的な体力増強に向けたレベルにセットすることができる。
【0007】
トレーニング者はトレーニング開始となりトレーニングにより発電した電力量が計測され、トレーニング者の正確なトレーニング結果がサーバに記録されることになる。
【背景技術】
【0008】
昨今、トレーニングを行う設備を提供するトレーニングジムが普及している。トレーニングジムでは、単純にトレーニングを行う設備を提供するだけでなく、痩身、健康管理、筋力増強などの目的に応じたメニュを作成し、効率的なトレーニングを提供するシステムが完備してきている。
【0009】
特許文献1はトレーニング器具の設定を自動的に行ってトレーニング者の便宜を図るものであり(段落12,13)、特許文献2はウェイト系トレーニング器具の重量即ちウェイトの枚数や、運動の上下回数をセンサーにより計測して運動の結果を記録するものであり(段落13,14)、特許文献3はエアロバイクに連動して映像や負荷、風量を制御して、実トレーニングに限りなく近づけてトレーニング者のトレーニング意欲を維持し増大させるものであり(段落20)、特許文献4はベンチプレスのペアを効率的且つ自動的に選出する仕組みを提供する(段落40〜49)ものであり、このような特許案が開示されている。
【0010】
さらに特許文献3においては脈拍、血圧などの体調データと体重・身長・体脂肪率などの体格データやトレーニング履歴データを参照し、「今日」のトレーニングのメニュを自動作成して、該メニュに基づいてトレーニング器具の負荷を自動設定することも開示されている(段落34〜36)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平5−84327号公報
【特許文献2】特開平10−230021号公報
【特許文献3】特開2005−288144号公報
【特許文献4】特開2005−316827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながらこれらの特許文献ではトレーニングの経過や結果の記録をして、トレーニング機器の自動設定などしかしておらず、トレーニングに費やすエネルギーを有効に利活用しようとするものは皆無である。
【0013】
本発明はこのような不都合に鑑みなされたものであり、トレーニングジムにおけるトレーニング者のトレーニングの経過・結果を従来のウェイト系トレーニング器具を改変して発電するようにして、発電量を記録し、電力を売電し、売電したお金を任意団体の口座へ自動的に振り込むようにしたトレーニングジムの統合管理運営方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、トレーニング量のデータ蒐集をトレーニング者のトレーニングにより運転される発電装置により行う計測手段と、前記トレーニングの負荷レベル設定手段と、発電した電力を売電して得られた金額を口座へ自動的に振込むようにした、自動振込手段を有するものである。
【0015】
計測手段はトレーニング者が発電型ウェイト系トレーニング器具の一体型ウェイトの上下動をラックピニオン機構により発電装置を運転してトレーニング者の発電量をトレーニング量として計測することとした。
【0016】
トレーニングの負荷レベル設定手段はラックピニオン機構のピニオン径の選択により行うこととした。自動振込手段はトレーニング者のトレーニングによる発電量を記録し、発電量をジム全体で総計し、該発電量を売電して、売電で得られた金額を口座へ自動的に振り込むこととした。
【0017】
発電装置はトレーニングジムの発電型ウェイト系トレーニング器具において、分離型ウェイト系トレーニング器具を改変して一体型ウェイトに置き換え、ラックピニオン構造とし、ピニオンを通して発電機を駆動する構造とした。
【発明の効果】
【0018】
従来のウェイト系トレーニング器具のウェイト部分を側面にラックを配した一体型ウェイトに置き換え、いわゆるラックピニオン構造とし、ピニオンを介して発電機を駆動する構造とし、トレーニングに費やすエネルギーを有効に利活用できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】トレーニングジムの統合管理運営方法のシステム構成ブロック図の説明図である。
【図2】トレーニングジムの平面図である。(一部図10を含む)
【図3】トレーニング者データ60の説明図である。
【図4】トレーニング器具データ61の説明図である。
【図5】トレーニング履歴データ62の説明図である。
【図6】従来のウェイト系トレーニング器具51の説明図である。
【図7】発電型ウェイト系トレーニング器具52の説明図である。
【図8】発電型ウェイト系トレーニング器具52別型の説明図である。
【図9】ラックピニオン機構による発電機駆動及び負荷レベル設定の説明図である。
【図10】従来の太陽光発電の仕組みを流用した売電する仕組みの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以上のように構成されるトレーニングジムの統合管理運営方法の実際の使用態様について図を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本発明によるトレーニングジムの統合管理運営方法のシステム構成ブロック図である。該トレーニングジムの統合管理運営方法のシステムはサーバ10を有し、図2でも触れるが符号30、40、50、52これらの各機器は、リーダライタ20、表示装置25が通信制御部24を介してサーバ10に接続されている。これらの内、発電型ウェイト系トレーニング器具52は全てトレーニングによって発電するような機構になっており、トレーニング量が発電量として記録される。またロッカー71にはリーダライタ20のみが同様にして、サーバ10に接続されている。
【0022】
サーバ10にはアプリケーションプログラムとして機能するトレーニングジム管理部12が設けられている。トレーニングジム管理部12はトレーニングジムへの受付と退室を管理する受付制御部13、ロッカーの開錠と施錠を司るロッカー制御部14、トレーニング量の記録管理がなされる発電制御部15、さらに電力会社への売電を処理する売電制御部16、任意団体の口座へ自動振込みを処理する口座振込制御部17、このようなアプリケーションプログラムから構成されている。
【0023】
またトレーニングジム管理部12には、データベースとしてトレーニング者データベース60、トレーニング器具データベース61、トレーニング履歴データベース62が接続されている。
【0024】
図2はトレーニングジムの平面図である。受付部50にはリーダライタ20と表示装置25が設置されている。また一部太陽光発電による売電の仕組みとの連携の図が含まれるが、それは図9で説明する。
【0025】
トレーニングジムには発電型ウェイトトレーニング器具52が設置され、リーダライタ20と表示装置25が付帯している。ロッカールーム70にはロッカー71が配置され、各ロッカー71にはリーダライタ20が設置してある。
【0026】
トレーニング者は自身のICカードを携帯してトレーニングジムに入場し、受付部50にて該ICカードをリーダライタ20に通すと、該リーダライタ20によってトレーニング者の識別データが読み取られ、図1の受付制御部13により入室時間が記録され、同時にICカードに空ロッカー71のID番号が割り当てられる。
【0027】
ロッカールーム70において着替えを行う際には、空ロッカー71に備え付けられたリーダライタ20にICカードを通す。図1のサーバ10のロッカー制御部14と連動して動作する空ロッカー71に内蔵された施解錠制御機構(図示せず)により、該ICカードのロッカーのID番号と空ロッカー71に格納されているID番号とが一致しているとき、ロッカー扉が解錠される。
同様に施錠する場合は、ICカードをリーダライタ20に通すと、該ICカードのロッカーのID番号と空ロッカー71に格納されているID番号とが一致しているとき、ロッカー扉が施錠される。
【0028】
トレーニングルーム55には血圧・脈拍データを測る体調データ計測器30と体重・身長・体脂肪率を測る体格データ計測器40が設置され、それぞれにリーダライタ20と表示装置25が付帯している。
【0029】
ICカードを体調データ計測器30や体格データ計測器40のリーダライタ20に挿入することによりサーバ10との接続がなされてトレーニング者が認識され、計測した体調データや体格データが日付データと共にサーバ10に記録し管理される。
【0030】
体調データや体格データはメニュ作成や発電型ウェイト系トレーニング器具52の設定に際して、表示装置25に表示され、参照され、最適且つ効率的なトレーニングのために利用される。
【0031】
トレーニング者は発電型ウェイト系トレーニング器具52に設置されたリーダライタ20にICカードを通すと、後述するトレーニング者のトレーニング履歴データ62(図5)が表示装置25に表示され、該データを参考に発電型ウェイト系トレーニング器具52の設定を行うこともできる。
【0032】
図3はトレーニング者データ60の説明図であり、トレーニング者ID、トレーニング者名、年齢、性別、入会年月日からなっている。
【0033】
図4はトレーニング器具データ61の説明図である。マシン、トレーニング器具名、強化部位からなっている。マシンはマシン番号を表し、またトレーニング器具名は英語表記している。強化部位は個々の発電型ウェイト系トレーニング器具52(マシンn)を使って鍛えられる筋肉の部位を示している。このようにトレーニング器具データ61では項目名をマシンとし、個々のトレーニング器具を1〜nのように表している。
【0034】
図5はトレーニング者のトレーニング履歴データ62の説明図であり、まずトレーニング者ID、次にトレーニング期日が年月日と時間に分割されて記録されている。
尚該時間は最初に使用したマシンnの使用開始の時間と、最後に使用したマシンnの使用終了の時間が記入される。
【0035】
マシン欄のスラッシュで区切られた番号はマシン番号を表し、このようにトレーニング者が使用する発電型ウェイト系トレーニング器具52の組み合わせを表している。レベルは各マシン毎のトレーニングの負荷レベルを表す。数字が増えると運動負荷が減ることになる。ここでは後述するピニオンの単位径1から10、発電機の負荷切替A,Bによる2段切り替えを表しており、例えば10Aはピニオン単位径が10で発電機の切替Aを表している(A<BのようにBの方が負荷大)。次にトレーニングによるエネルギー消費量、トレーニング結果により得られる発電量が記録されている。エネルギー消費量及び発電量は左欄のレベルの個々のマシンによるトレーニングの総計である。さらには体調、体格及び入退室データからなっている。
尚エネルギー消費量の計測方法などの詳細については省略する。
【0036】
トレーニング者はトレーニングのために図2に示す所望の発電型ウェイト系トレーニング器具52(マシンn)へ行き、ICカードをリーダライタ20に挿入すると、過去のトレーニング履歴データ62が表示装置25に表示され参照できる。
【0037】
トレーニング者は該トレーニング履歴データ62を参照してこれから使用する発電型ウェイト系トレーニング器具52のレベルを設定することができる。即ち過去のトレーニング履歴データ62を参照して、「今日」のレベルを1Aや6Bのように設定することができ、効率的なトレーニングを行って、痩身、健康管理、筋力増強を図ることができる。
【0038】
またトレーニング履歴データ62と、さらに先に計測した「今日」の体調データと体格データを参照してメニュを自動作成するようにし、特許文献3に記述してあるようなトレーニング器具の自動設定が可能となる。
【0039】
図6と図7はそれぞれ従来のウェイト系トレーニング器具51と本発明の発電型ウェイト系トレーニング器具52であり、さらにそれぞれの正面図(a)と平面図(b)である。
まず従来のウェイト系トレーニング器具51の説明をする。なお図6と図7において、両者に共通の部分については符号を同一にし、また特に発明の発電型ウェイト系トレーニング器具52において、左右対称に存在する部分については符号にL、Rを付加して表している。
【0040】
図6においてウェイト88は2本の案内ロッド86に支えられて、吊上ワイヤ85によってトレーニング者によって引き上げられる。ウェイト系トレーニング器具51は、トレーニング者が操作部(図示せず。操作部の図はトレーニングの強化部位によって異なり、例えば腕や足、胴体で操作したりするなどで異なってくる)を操作した場合に該操作部に吊上ワイヤ85で接続された、前記ウェイト88が案内ロッド86に沿って上下または昇降することにより、該ウェイト88の重量によってトレーニング者に所定の負荷を与えるようにしている。この場合、トレーニング者はウェイト88の重量をその上下するウェイト88の個数により調節できる。ウェイト88の個数の調節、即ち選択はウェイト選択穴87にウェイト選択ピン(図示せず)を挿入して行う。下方のウェイト選択穴87を選ぶほどウェイトの重量がそれだけ重くなるような機構になっている。
【0041】
本発明の発電型ウェイト系トレーニング器具52は図7のように従来のウェイト部分の分離構造を、ラック体80に置き換え、両側にピニオン81を配置し、いわゆるラックピニオン構造とし、ピニオン軸83により発電機(図示せず)を駆動する構造としている。
【0042】
左右の一体型ウェイト82の内側側面もラックになっており、該ラックがピニオン81に噛み合い、トレーニング者のトレーニングによりラック体80が上下運動することにより、ピニオン81の発電機駆動軸83に連結構造とした発電機により起電される。
【0043】
トレーニング者が操作部(図示せず)を操作した場合に、該操作部に吊り上げワイヤ85で接続された、ラック体80が案内ロッド86に沿って、上下または昇降することにより、ラック体80の両側に配置されたピニオン81が回転し、さらに両側に配置された一体型ウェイト82がウェイト案内ロッド84に支えられて、上下動または昇降する機構になっている。
【0044】
平面図(b)では特にピニオン81に関して説明しているが、左右に3種のピニオン81即ち単位径1〜3が配されており、単位径1のピニオン81がラックに噛み合っている。他のピニオン81を選択するためには発電機駆動軸83を移動するような図になっている。尚正面図(a)においては単位径1のピニオン81のみ図示している。
【0045】
尚図7の発電型ウェイト系トレーニング器具52の機構については、さらに簡単な形として片側だけの一体型ウェイト82を配した図8のような別型も考えられる。
【0046】
次に図9によりトレーニング者のトレーニングの負荷レベル、即ちトレーニング負荷の設定方法、さらにそれに伴う発電の仕組みについて説明する。図ではこのように負荷設定のために単位径1から5までのピニオン81が用意されており、径が大きくなるにつれてトレーニング負荷が軽減される。体力の高いトレーニング者は小さい径のピニオン81を選択し、体力の低いトレーニング者は大きい径のピニオン81を選択するということになる。尚図ではピニオンラック構造の片側だけを表示しており、図中の1〜5は各ピニオン81の中心(即ち発電機駆動軸83)と径を表している。また単位径1から5までのピニオン81をそれぞれ811から815のように表している。さらに図では図7に対しラックと各ピニオン81を接して噛み合うように、径ごとに発電機駆動軸83を移動して描いている。
【0047】
発電機に関して、小さい径のピニオン81、例えば単位径1のピニオン811を選択した場合の発電量は、単位径5のピニオン815を選択した場合に比べ、(同じ速度でラック体80を上下させるとして)発電機は5倍の速度で回転するから、5倍の発電量が得られることになる。
【0048】
このようにしてトレーニング者のトレーニング量に比例した電気が起電されることになる。尚この場合、上下運動に伴い、電流の方向が逆転することになるので、起電される電流は交流となるが、反転機構をピニオン81と発電機の間に配して直流とし、該直流となったところまでを発電装置(図示せず)と定義し、該発電装置を図9の接続ユニット92、場合によっては昇圧ユニット91を経由し、パワーコンディショナ93へつなげることができる。反転機構の詳細については省略する。
【0049】
トレーニングの負荷レベルについては、段落34の図5のトレーニング履歴データ62の説明でも触れたように、さらにピニオン81の種類を増やして即ち単位径を1〜10にし、発電機の駆動負荷をAとBの2段切替にして、2×10の20段階にするなどしてもよい。
【0050】
段落37でも述べたが従来のウェイト系トレーニング器具51においてウェイト選択ピンを挿入して負荷レベルを設定する場合に比し、本発明のラックピニオン式の発電型ウェイト系トレーニング器具52を進化させ、ピニオン選択のギアボックスなどを設ける構造とすることにより、トレーニングの負荷レベルの自動設定がより可能となる。
【0051】
従来のウェイト系トレーニング器具51は分離されたウェイトを上の方から選択して次第に重くなっていく、即ちトレーニングの負荷レベルの高い方へと、そのような仕組みになっているが、本発明では図7のように、従来の分離されたウェイトを ラック体80に置き換え、両側にピニオン81を配置し、さらに一体型ウェイト80を配置して、該ピニオン81により発電機を駆動する構造としている。
【0052】
このようにしてトレーニングの負荷レベルに比例した発電がなされ、発電量は電力料金に換算される。これらをトレーニングジム全体で集計し、売電して、発電量により得られたお金を任意団体へ寄付することとする。
【0053】
これらの電力は各利用者ごと、発電型ウェイト系トレーニング器具52ごとに計測され、図1のようにリーダライタ20、通信制御部24を介してサーバ10へと送信され、各トレーニング者のトレーニング履歴データ62にある発電量として記録管理される。
【0054】
各マシンで発電された電力は、ジム全体で総計され送電線を介して電力会社へ送電、売電される。売電された金額は一定間隔(月ごとなど)で集計され予め登録された任意団体の口座へ自動振込がなされる。
【0055】
以上の発電、売電、口座振込の一連の処理は図1の説明でも触れたが、サーバ10のアプリケーションプログラム、トレーニングジム管理部12の発電制御部15、売電制御部16と口座振込制御部17によって処理がなされる。
【0056】
太陽光発電による売電の仕組みを流用した、本発明のトレーニングジムにおける発電型ウェイト系トレーニング器具52による売電の仕組みを、図10により説明する。
【0057】
昇圧ユニット91により、各マシン即ち発電装置からの発電の直列数が少ない系統の電圧を昇圧し、接続ユニット92により発電装置の直流系統ごとに配線を接続し、一本の線にまとめる。パワーコンディショナ93により発電装置で発生した直流電力を交流電力に変換して、住宅用分電盤94経由、余剰電力用電力量計95により電力会社が買い上げる電力量として計量し、引込線から柱上トランス96を経て商用電源へと接続される。尚昇圧ユニット91はオプションであり、発電された電圧が低い場合に設置して使われる。また住宅用分電盤94は太陽光発電の場合に、太陽電池で発電して、家庭内の電気負荷へ分配し、余った分を売電する、そのように使われるものだが、本発明においては各マシン即ち発電装置により発電した分を全て売電することになるので、該住宅用分電盤94を発電電力はスルーするだけである。このように各マシン即ち発電装置により発電されたトレーニングによる発電量が図1の発電制御部15により、トレーニング履歴データベース62へ記録される。
【0058】
売電制御部16(図1)は余剰電力用電力量計95から電力量の値を受け取り、売電当日の1Kwhの売電単価をセットし、マシンごとの総額を計算し、ジム全体総額、日総額、月総額などを用意されたトレーニングジムのデータベース(図示せず)に記録し管理する。
【0059】
口座振込制御部17(図1)においては、まずトレーニングジムとして自社の口座にログイン(認証)し、売電制御部16から、例えば月のジム全体総額を振込み金額として受け取りセットし、相手側の口座の設定をし、相手側の口座のチェック(存在や、口座名)、認証(パスワード設定)、送金の実施となる。送金はBANCS(BANks Cash Service。都市銀行間を接続するCD/ATMの相互接続ネットワーク)等のオンラインシステムで実施されることになる。
【0060】
他方トレーニングが終わり、トレーニング者は図2のロッカー71で、開錠し着替えなどを行い、施錠して受付部50でリーダライタ20にICカードを通すと、先の入室時間と退室時間が入退出データとして、図1の受付制御部13によりサーバ10のトレーニング履歴データベース62に記録される。
【0061】
以上の説明では発電型ウェイト系トレーニング器具52の発電機構により発電してトレーニングの管理を行うとしたが、エアロバイクやロードミルなどの他のトレーニング器具にも発電機構を施し、本発明のトレーニングジムの統合管理運営方法のシステムに組み込み、管理することとしても勿論よい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
サーバ10を運営して、以上のようなトレーニングジムの統合管理運営を行うようなビジネスモデルを考えてもよい。さらにその時サーバ10は例えばデータセンターなどに設置され複数のトレーニングジムの統合管理運営を行うような構成をとることもできる。
【0063】
当発明で起こした電気を売電して得られるお金は僅かなものであるが、お金の価値を考え、飽食の人々が飢餓の人々へ施すような状況を想定したとき、その価値は大きなインパクトのあるものとなる。トレーニングジムの利用者は自身のトレーニングが電力として売電され、売電した分の寄付を特に最貧国を対象としたときなど、世界の貧困の減少につなげることができ、大きな貢献となる。
【0064】
トレーニングジムの経営者はこのような仕組みを持つことで、潜在利用者の高い評判を呼ぶこととなり、利用者即ちトレーニングジムの会員を増やすことができるようになり、安定した経営を維持することができるようになる。同時にトレーニング者にとってもこのような貢献がトレーニングに対する意欲維持・向上につながる。
【0065】
各トレーニング者の記録管理されたトレーニング履歴データ62を使い、例えばトレーニングジム全体で、トレーニング量のランクを努力の成果として、トレーニング者に通知して、トレーニングに対する意欲の向上につなげることもできる。
【符号の説明】
【0066】
10 サーバ
12 トレーニングジム管理部
13 受付制御部
14 ロッカー制御部
15 発電制御部
16 売電制御部
17 口座振込制御部
20 リーダライタ
25 表示装置
30 体調データ計測器
40 体格データ計測器
50 受付部
51 ウェイト系トレーニング器具
52 発電型ウェイト系トレーニング器具(マシンn)
55 トレーニングルーム
60 トレーニング者データベース
61 トレーニング器具データベース
62 トレーニング履歴データベース
70 ロッカールーム
80 ラック体
81 ピニオン
82 一体型ウェイト
83 発電機駆動軸(ピニオン軸)
84 ウェイト案内ロッド゛
85 吊上ワイヤ
86 案内ロッド゛
87 ウェイト選択穴
88 ウェイト
91 昇圧ユニット
92 接続ユニット
93 パワーコンディショナ
94 住宅用分電盤
95 余剰電力用電力量計
96 柱上トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーニング量のデータ蒐集をトレーニング者のトレーニングにより運転される発電装置により行う計測手段と、前記トレーニングの負荷レベル設定手段と、発電した電力を売電して得られた金額を口座へ振り込む自動振込手段を有することを特徴とするトレーニングジムの統合管理運営方法。
【請求項2】
前記計測手段はトレーニング者が発電型ウェイト系トレーニング器具の一体型ウェイトの上下動をラックピニオン機構による発電装置を運転して前記トレーニング者の発電量をトレーニング量として計測することを特徴とする請求項1記載のトレーニングジムの統合管理運営方法。
【請求項3】
前記トレーニングの負荷レベル設定手段は前記ラックピニオン機構のピニオン径の選択により行うことを特徴とする請求項1記載のトレーニングジムの統合管理運営方法。
【請求項4】
前記自動振込手段はトレーニング者のトレーニングによる発電量を記録し、発電量をジム全体で総計し、該発電量を売電して、売電で得られた金額を口座へ自動的に振り込むことを特徴とする請求項1記載のトレーニングジムの統合管理運営方法。
【請求項5】
前記発電装置はトレーニングジムの発電型ウェイト系トレーニング器具において、ウェイトを一体型ウェイトに置き換え、ラックピニオン構造とし、ピニオンを通して発電機を駆動する構造としたことを特徴とする請求項1記載のトレーニングジムの統合管理運営方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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