トロポニンの分析のための高感度のシステムおよび方法
本発明は、心筋トロポニンの高感度検出のための方法、組成物、キットおよびシステムを提供する。そのような方法、組成物、キットおよびシステムは、心筋トロポニンの放出に関係する状態における診断、予後診断および治療方法の決定において有用である。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のトロポニンの単一分子またはその断片もしくは複合体の有無を判定するための方法であって、
i)前記分子、断片、または複合体を、存在する場合には標識で標識する工程と、
ii)前記標識の有無を検出する工程であって、前記標識の存在の検出は前記試料中のトロポニンの前記単一分子、断片、または複合体の存在を示す工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記トロポニンがトロポニンの心筋アイソフォームである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トロポニンが心筋トロポニンI(cTnI)および心筋トロポニンC(cTnC)からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トロポニンがcTnIである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出工程において約50pg/ml未満の検出限界でトロポニンの前記単一分子を検出することが可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トロポニンを約20pg/ml未満の検出レベルで検出することが可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記標識が蛍光部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記蛍光部分が該部分の励起波長で発光するレーザーによって刺激されたときに少なくとも約200個の光子を放出することができ、前記レーザーは前記蛍光部分を含む直径約5ミクロン以上のスポットに集束され、前記レーザーによって前記スポットに向けられる全エネルギーは約3マイクロジュール以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記蛍光部分が少なくとも1つの置換インドリウム環系を含む分子を含み、前記インドリウム環の3位炭素上の置換基は化学反応性基または共役基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記蛍光部分がAlexaFluor488、AlexaFluor532、AlexaFluor647、AlexaFluor680、またはAlexaFluor700からなる群から選択される色素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記蛍光部分がAlexaFluor647を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記標識が前記トロポニン分子、断片、または複合体の結合相手をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記結合相手が前記トロポニン分子、断片、または複合体に特異的な抗体を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記抗体がトロポニン分子の特定の領域に特異的である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記抗体が心筋トロポニンIのアミノ酸27〜41を含む領域に特異的である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記抗体がポリクローナル抗体を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記トロポニンまたはトロポニン複合体を固体支持体上に捕捉する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記固体支持体がマイクロタイタープレートおよび常磁性ビーズからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記固体支持体が前記固体支持体に結合する前記トロポニンまたはトロポニン複合体に特異的な捕捉相手を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記固体支持体への前記捕捉相手の前記結合が非共有結合である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記固体支持体への前記捕捉相手の前記結合が共有結合である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記捕捉相手の前記共有結合は、前記捕捉相手が特定の方向で前記固体支持体と結合するものである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記特定の方向が前記捕捉相手への前記トロポニンまたはトロポニン複合体の特異的結合の最大化に役立つ、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記捕捉相手が抗体を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記抗体が心筋トロポニンIのアミノ酸87〜91に特異的である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記抗体が心筋トロポニンIのアミノ酸41〜49に特異的である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記試料が血液、血清、または血漿の試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記試料が血清試料である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記標識が蛍光部分を含み、工程ii)が前記標識を単一分子検出器に通過させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記単一分子検出器が、
a)前記蛍光部分を刺激するための電磁放射線源、
b)前記蛍光部分を通過させるためのキャピラリーフローセル、
c)前記キャピラリーフローセル内で前記蛍光部分を移動するための原動力源、
d)前記電磁放射線源から放出される電磁放射線を受け取るための、前記キャピラリーフローセル内に画定されるインタロゲーション空間、
e)前記刺激された蛍光部分の電磁気特性を測定するための、前記インタロゲーション空間に作動可能に接続された電磁放射線検出器、および
f)前記インタロゲーション空間および前記検出器の間に位置し、0.6以上の開口数を有する顕微鏡対物レンズ
を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
個体において診断、予後診断、または治療方法を決定するための方法であって、
i)前記個体から得られる試料中の心筋トロポニンの濃度を決定するかまたは一連の試料中の心筋トロポニンの濃度を決定する工程であって、前記試料中の前記心筋トロポニンの検出限界が約50pg/ml未満である心筋トロポニンアッセイで前記濃度を決定する工程と、
ii)前記試料中の前記濃度または前記一連の試料中の前記濃度に基づいて、前記個体において診断、予後診断、または治療方法を決定する工程と
を含む方法。
【請求項34】
工程ii)が、前記濃度または一連の濃度を前記濃度の正常値と比較すること、前記濃度または一連の濃度を所定の閾値レベルと比較すること、前記濃度または一連の濃度をベースライン値と比較すること、および前記一連の濃度について濃度の変化率を決定することからなる群から選択される分析を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
工程ii)が、前記試料中の前記トロポニン濃度を所定の閾値濃度と比較して、試料濃度が閾値レベルよりも高い場合は診断、予後診断、または治療方法を決定することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記閾値濃度が、正常な個体群におけるトロポニンの99パーセンタイル濃度を決定し、前記閾値濃度を前記99パーセンタイル濃度で設定することによって決定される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
心臓ストレス試験中または心臓ストレス試験後に少なくとも1つの試料を採取する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記心筋トロポニンが心筋トロポニンIおよび心筋トロポニンTからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記心筋トロポニンが心筋トロポニンIである、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記心筋トロポニンの濃度が全心筋トロポニンの濃度である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記心筋トロポニンの濃度が心筋トロポニン複合体、心筋トロポニン断片、リン酸化心筋トロポニン、酸化心筋トロポニン、またはそれらの組合せの濃度である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記心筋トロポニンの濃度を全心筋トロポニンと比較する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記診断、予後診断、または治療方法が心筋梗塞の診断、予後診断、または治療方法である、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記診断、予後診断、または治療方法が心筋梗塞の危険度レベルについての危険度階層化を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記濃度または一連の濃度は、前記個体によって心筋虚血症もしくは梗塞またはその可能性を示す1つ以上の症状が医療従事者に示された時点またはそれに近い時点で決定される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記1つ以上の症状が胸部痛、胸部圧、腕部痛、異常なEKG、異常な酵素レベル、および息切れからなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記濃度をトロポニンの単一分子またはその複合体もしくは断片を検出することを含む方法により決定する、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
前記トロポニンまたはトロポニン複合体を蛍光部分を含む標識で標識することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記蛍光部分が該部分の励起波長で発光するレーザーによって刺激されたときに少なくとも約200個の光子を放出することができ、前記レーザーは前記蛍光部分を含む直径5ミクロンのスポットに集束され、前記レーザーによって前記スポットに向けられる全エネルギーは約3マイクロジュール以下である、請求項33に記載の方法。
【請求項50】
前記蛍光部分が少なくとも1つの置換インドリウム環系を含む分子を含み、前記インドリウム環の3位炭素上の置換基は化学反応性基または共役基を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項51】
前記蛍光部分がAlexaFluor488、AlexaFluor532、AlexaFluor647、AlexaFluor680、またはAlexaFluor700からなる群から選択される色素を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項52】
前記蛍光部分がAlexaFluor647を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記標識が前記トロポニンの結合相手をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項54】
前記結合相手が前記トロポニンに特異的な抗体を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記抗体がポリクローナル抗体を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記トロポニンまたはトロポニン複合体を固体支持体上に捕捉する工程をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項57】
前記固体支持体がマイクロタイタープレートおよび常磁性ビーズからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記固体支持体が、前記固体支持体に結合する前記トロポニンまたはトロポニン複合体に特異的な捕捉相手を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
工程i)が前記個体の別の指標を評価することをさらに含み、工程ii)が、前記トロポニン濃度および前記試料中の前記非トロポニンマーカーの前記別の指標の評価に基づいて、あるいは前記一連の試料中の前記濃度に基づいて、前記個体における診断、予後診断、または治療方法を決定することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項60】
前記別の指標が心筋虚血症または梗塞の臨床的な指標である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記別の指標が前記試料中または前記一連の試料中の1つ以上の非トロポニンマーカーの濃度である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記1つ以上のマーカーが心虚血のマーカーまたは炎症のマーカーおよびプラーク不安定性のマーカーである、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記1つ以上の心虚血マーカーが、クレアチンキナーゼ(CK)およびその心筋分画CK心筋バンド(MB)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、α−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、ミオグロビン、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ、グリコーゲンホスホリラーゼBB、未結合の遊離脂肪酸、心臓型脂肪酸結合タンパク質(H−FABP)、虚血修飾アルブミン、ミオシン軽鎖1、ミオシン軽鎖2からなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記1つ以上のマーカーが心筋傷害の1つ以上の特異的マーカーを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記診断、予後診断、または治療方法が心筋梗塞ではない状態の診断、予後診断、または治療方法である、請求項33に記載の方法。
【請求項66】
前記状態が心臓毒性である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記心臓毒性が前記個体への薬剤投与に関連する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記状態が、急性リウマチ熱、アミロイド沈着症、心臓外傷(挫傷、切除、ペーシング、ファイヤリング、電気除細動、カテーテル挿入および心臓手術を含む)、再かん流傷害、うっ血性心不全、末期腎不全、II型糖原貯蔵症(ポンペ病)、心臓移植、輸血性ヘモシデローシスによる異常ヘモグロビン症、妊娠性高血圧を含む高血圧、しばしば不整脈を伴う低血圧症、甲状腺機能低下症、心筋炎、心膜炎、手術後の非心臓手術、肺動脈塞栓症、および敗血症からなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
蛍光部分に結合されたトロポニンアイソフォームの結合相手を含むトロポニンアイソフォームの検出のための組成物であって、前記蛍光部分は該部分の励起波長で発光するレーザーによって刺激されたときに少なくとも約200個の光子を放出することができ、前記レーザーは蛍光部分を含む直径約5ミクロン以上のスポットに集束され、前記レーザーによって前記スポットに向けられる全エネルギーは約3マイクロジュール以下である組成物。
【請求項70】
前記結合相手が前記トロポニンアイソフォームに対する抗体を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項70に記載の組成物。
【請求項73】
前記トロポニンアイソフォームが心筋アイソフォームである、請求項69に記載の組成物。
【請求項74】
前記心筋アイソフォームがcTnIおよびcTnTからなる群から選択される、請求項73に記載の組成物。
【請求項75】
前記心筋アイソフォームがcTnIである、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
前記抗体がトロポニン分子の特定の領域に特異的である、請求項75に記載の組成物。
【請求項77】
前記抗体が心筋トロポニンIのアミノ酸27〜41を含む領域に特異的である、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
前記蛍光部分が少なくとも1つの置換インドリウム環系を含む分子を含み、前記インドリウム環の3位炭素上の置換基は化学反応性基または共役基を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項79】
前記蛍光部分がAlexaFluor488、AlexaFluor532、AlexaFluor647、AlexaFluor680、またはAlexaFluor700からなる群から選択される色素を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項80】
前記蛍光部分がAlexaFluor647を含む、請求項79に記載の組成物。
【請求項81】
心筋トロポニンの濃度の決定のための一組の標準品を含む組成物であって、少なくとも1つの標準品は約10pg/ml未満の心筋トロポニン濃度である組成物。
【請求項82】
蛍光色素部分に結合された心筋トロポニンに対する抗体を含む組成物を含むキットであって、前記蛍光色素部分は該部分の励起波長で発光するレーザーによって刺激されたときに少なくとも約200個の光子を放出することができ、前記レーザーは蛍光部分を含む直径約5ミクロン以上のスポットに集束され、前記レーザーによって前記スポットに向けられる全エネルギーは約3マイクロジュール以下であり、前記組成物は好適な包装材で包装される、キット。
【請求項83】
前記心筋トロポニンが心筋トロポニンIまたは心筋トロポニンTである、請求項82に記載のキット。
【請求項84】
前記心筋トロポニンが心筋トロポニンIである、請求項82に記載のキット。
【請求項85】
説明書をさらに含む、請求項82に記載のキット。
【請求項86】
固体支持体に結合される前記心筋トロポニンIについての捕捉抗体を含む組成物をさらに含む、請求項82に記載のキット。
【請求項87】
前記固体支持体がマイクロタイタープレートまたは常磁性微小粒子を含む、請求項86に記載のキット。
【請求項88】
洗浄用緩衝液、アッセイ用緩衝液、溶出用緩衝液、およびキャリブレーター用希釈液からなる群から選択される構成要素をさらに含む、請求項82に記載のキット。
【請求項89】
前記心筋トロポニンの標準品をさらに含む、請求項82に記載のキット。
【請求項1】
試料中のトロポニンの単一分子またはその断片もしくは複合体の有無を判定するための方法であって、
i)前記分子、断片、または複合体を、存在する場合には標識で標識する工程と、
ii)前記標識の有無を検出する工程であって、前記標識の存在の検出は前記試料中のトロポニンの前記単一分子、断片、または複合体の存在を示す工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記トロポニンがトロポニンの心筋アイソフォームである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トロポニンが心筋トロポニンI(cTnI)および心筋トロポニンC(cTnC)からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記トロポニンがcTnIである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記検出工程において約50pg/ml未満の検出限界でトロポニンの前記単一分子を検出することが可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トロポニンを約20pg/ml未満の検出レベルで検出することが可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記標識が蛍光部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記蛍光部分が該部分の励起波長で発光するレーザーによって刺激されたときに少なくとも約200個の光子を放出することができ、前記レーザーは前記蛍光部分を含む直径約5ミクロン以上のスポットに集束され、前記レーザーによって前記スポットに向けられる全エネルギーは約3マイクロジュール以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記蛍光部分が少なくとも1つの置換インドリウム環系を含む分子を含み、前記インドリウム環の3位炭素上の置換基は化学反応性基または共役基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記蛍光部分がAlexaFluor488、AlexaFluor532、AlexaFluor647、AlexaFluor680、またはAlexaFluor700からなる群から選択される色素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記蛍光部分がAlexaFluor647を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記標識が前記トロポニン分子、断片、または複合体の結合相手をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記結合相手が前記トロポニン分子、断片、または複合体に特異的な抗体を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記抗体がトロポニン分子の特定の領域に特異的である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記抗体が心筋トロポニンIのアミノ酸27〜41を含む領域に特異的である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記抗体がポリクローナル抗体を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記トロポニンまたはトロポニン複合体を固体支持体上に捕捉する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記固体支持体がマイクロタイタープレートおよび常磁性ビーズからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記固体支持体が前記固体支持体に結合する前記トロポニンまたはトロポニン複合体に特異的な捕捉相手を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記固体支持体への前記捕捉相手の前記結合が非共有結合である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記固体支持体への前記捕捉相手の前記結合が共有結合である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記捕捉相手の前記共有結合は、前記捕捉相手が特定の方向で前記固体支持体と結合するものである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記特定の方向が前記捕捉相手への前記トロポニンまたはトロポニン複合体の特異的結合の最大化に役立つ、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記捕捉相手が抗体を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記抗体が心筋トロポニンIのアミノ酸87〜91に特異的である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記抗体が心筋トロポニンIのアミノ酸41〜49に特異的である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記試料が血液、血清、または血漿の試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記試料が血清試料である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記標識が蛍光部分を含み、工程ii)が前記標識を単一分子検出器に通過させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記単一分子検出器が、
a)前記蛍光部分を刺激するための電磁放射線源、
b)前記蛍光部分を通過させるためのキャピラリーフローセル、
c)前記キャピラリーフローセル内で前記蛍光部分を移動するための原動力源、
d)前記電磁放射線源から放出される電磁放射線を受け取るための、前記キャピラリーフローセル内に画定されるインタロゲーション空間、
e)前記刺激された蛍光部分の電磁気特性を測定するための、前記インタロゲーション空間に作動可能に接続された電磁放射線検出器、および
f)前記インタロゲーション空間および前記検出器の間に位置し、0.6以上の開口数を有する顕微鏡対物レンズ
を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
個体において診断、予後診断、または治療方法を決定するための方法であって、
i)前記個体から得られる試料中の心筋トロポニンの濃度を決定するかまたは一連の試料中の心筋トロポニンの濃度を決定する工程であって、前記試料中の前記心筋トロポニンの検出限界が約50pg/ml未満である心筋トロポニンアッセイで前記濃度を決定する工程と、
ii)前記試料中の前記濃度または前記一連の試料中の前記濃度に基づいて、前記個体において診断、予後診断、または治療方法を決定する工程と
を含む方法。
【請求項34】
工程ii)が、前記濃度または一連の濃度を前記濃度の正常値と比較すること、前記濃度または一連の濃度を所定の閾値レベルと比較すること、前記濃度または一連の濃度をベースライン値と比較すること、および前記一連の濃度について濃度の変化率を決定することからなる群から選択される分析を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
工程ii)が、前記試料中の前記トロポニン濃度を所定の閾値濃度と比較して、試料濃度が閾値レベルよりも高い場合は診断、予後診断、または治療方法を決定することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記閾値濃度が、正常な個体群におけるトロポニンの99パーセンタイル濃度を決定し、前記閾値濃度を前記99パーセンタイル濃度で設定することによって決定される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
心臓ストレス試験中または心臓ストレス試験後に少なくとも1つの試料を採取する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記心筋トロポニンが心筋トロポニンIおよび心筋トロポニンTからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記心筋トロポニンが心筋トロポニンIである、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記心筋トロポニンの濃度が全心筋トロポニンの濃度である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記心筋トロポニンの濃度が心筋トロポニン複合体、心筋トロポニン断片、リン酸化心筋トロポニン、酸化心筋トロポニン、またはそれらの組合せの濃度である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記心筋トロポニンの濃度を全心筋トロポニンと比較する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記診断、予後診断、または治療方法が心筋梗塞の診断、予後診断、または治療方法である、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記診断、予後診断、または治療方法が心筋梗塞の危険度レベルについての危険度階層化を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記濃度または一連の濃度は、前記個体によって心筋虚血症もしくは梗塞またはその可能性を示す1つ以上の症状が医療従事者に示された時点またはそれに近い時点で決定される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記1つ以上の症状が胸部痛、胸部圧、腕部痛、異常なEKG、異常な酵素レベル、および息切れからなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記濃度をトロポニンの単一分子またはその複合体もしくは断片を検出することを含む方法により決定する、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
前記トロポニンまたはトロポニン複合体を蛍光部分を含む標識で標識することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記蛍光部分が該部分の励起波長で発光するレーザーによって刺激されたときに少なくとも約200個の光子を放出することができ、前記レーザーは前記蛍光部分を含む直径5ミクロンのスポットに集束され、前記レーザーによって前記スポットに向けられる全エネルギーは約3マイクロジュール以下である、請求項33に記載の方法。
【請求項50】
前記蛍光部分が少なくとも1つの置換インドリウム環系を含む分子を含み、前記インドリウム環の3位炭素上の置換基は化学反応性基または共役基を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項51】
前記蛍光部分がAlexaFluor488、AlexaFluor532、AlexaFluor647、AlexaFluor680、またはAlexaFluor700からなる群から選択される色素を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項52】
前記蛍光部分がAlexaFluor647を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記標識が前記トロポニンの結合相手をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項54】
前記結合相手が前記トロポニンに特異的な抗体を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記抗体がポリクローナル抗体を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記トロポニンまたはトロポニン複合体を固体支持体上に捕捉する工程をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項57】
前記固体支持体がマイクロタイタープレートおよび常磁性ビーズからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記固体支持体が、前記固体支持体に結合する前記トロポニンまたはトロポニン複合体に特異的な捕捉相手を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
工程i)が前記個体の別の指標を評価することをさらに含み、工程ii)が、前記トロポニン濃度および前記試料中の前記非トロポニンマーカーの前記別の指標の評価に基づいて、あるいは前記一連の試料中の前記濃度に基づいて、前記個体における診断、予後診断、または治療方法を決定することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項60】
前記別の指標が心筋虚血症または梗塞の臨床的な指標である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記別の指標が前記試料中または前記一連の試料中の1つ以上の非トロポニンマーカーの濃度である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記1つ以上のマーカーが心虚血のマーカーまたは炎症のマーカーおよびプラーク不安定性のマーカーである、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記1つ以上の心虚血マーカーが、クレアチンキナーゼ(CK)およびその心筋分画CK心筋バンド(MB)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、α−ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、ミオグロビン、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ、グリコーゲンホスホリラーゼBB、未結合の遊離脂肪酸、心臓型脂肪酸結合タンパク質(H−FABP)、虚血修飾アルブミン、ミオシン軽鎖1、ミオシン軽鎖2からなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記1つ以上のマーカーが心筋傷害の1つ以上の特異的マーカーを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記診断、予後診断、または治療方法が心筋梗塞ではない状態の診断、予後診断、または治療方法である、請求項33に記載の方法。
【請求項66】
前記状態が心臓毒性である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記心臓毒性が前記個体への薬剤投与に関連する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記状態が、急性リウマチ熱、アミロイド沈着症、心臓外傷(挫傷、切除、ペーシング、ファイヤリング、電気除細動、カテーテル挿入および心臓手術を含む)、再かん流傷害、うっ血性心不全、末期腎不全、II型糖原貯蔵症(ポンペ病)、心臓移植、輸血性ヘモシデローシスによる異常ヘモグロビン症、妊娠性高血圧を含む高血圧、しばしば不整脈を伴う低血圧症、甲状腺機能低下症、心筋炎、心膜炎、手術後の非心臓手術、肺動脈塞栓症、および敗血症からなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
蛍光部分に結合されたトロポニンアイソフォームの結合相手を含むトロポニンアイソフォームの検出のための組成物であって、前記蛍光部分は該部分の励起波長で発光するレーザーによって刺激されたときに少なくとも約200個の光子を放出することができ、前記レーザーは蛍光部分を含む直径約5ミクロン以上のスポットに集束され、前記レーザーによって前記スポットに向けられる全エネルギーは約3マイクロジュール以下である組成物。
【請求項70】
前記結合相手が前記トロポニンアイソフォームに対する抗体を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項71】
前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項70に記載の組成物。
【請求項72】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項70に記載の組成物。
【請求項73】
前記トロポニンアイソフォームが心筋アイソフォームである、請求項69に記載の組成物。
【請求項74】
前記心筋アイソフォームがcTnIおよびcTnTからなる群から選択される、請求項73に記載の組成物。
【請求項75】
前記心筋アイソフォームがcTnIである、請求項74に記載の組成物。
【請求項76】
前記抗体がトロポニン分子の特定の領域に特異的である、請求項75に記載の組成物。
【請求項77】
前記抗体が心筋トロポニンIのアミノ酸27〜41を含む領域に特異的である、請求項76に記載の組成物。
【請求項78】
前記蛍光部分が少なくとも1つの置換インドリウム環系を含む分子を含み、前記インドリウム環の3位炭素上の置換基は化学反応性基または共役基を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項79】
前記蛍光部分がAlexaFluor488、AlexaFluor532、AlexaFluor647、AlexaFluor680、またはAlexaFluor700からなる群から選択される色素を含む、請求項69に記載の組成物。
【請求項80】
前記蛍光部分がAlexaFluor647を含む、請求項79に記載の組成物。
【請求項81】
心筋トロポニンの濃度の決定のための一組の標準品を含む組成物であって、少なくとも1つの標準品は約10pg/ml未満の心筋トロポニン濃度である組成物。
【請求項82】
蛍光色素部分に結合された心筋トロポニンに対する抗体を含む組成物を含むキットであって、前記蛍光色素部分は該部分の励起波長で発光するレーザーによって刺激されたときに少なくとも約200個の光子を放出することができ、前記レーザーは蛍光部分を含む直径約5ミクロン以上のスポットに集束され、前記レーザーによって前記スポットに向けられる全エネルギーは約3マイクロジュール以下であり、前記組成物は好適な包装材で包装される、キット。
【請求項83】
前記心筋トロポニンが心筋トロポニンIまたは心筋トロポニンTである、請求項82に記載のキット。
【請求項84】
前記心筋トロポニンが心筋トロポニンIである、請求項82に記載のキット。
【請求項85】
説明書をさらに含む、請求項82に記載のキット。
【請求項86】
固体支持体に結合される前記心筋トロポニンIについての捕捉抗体を含む組成物をさらに含む、請求項82に記載のキット。
【請求項87】
前記固体支持体がマイクロタイタープレートまたは常磁性微小粒子を含む、請求項86に記載のキット。
【請求項88】
洗浄用緩衝液、アッセイ用緩衝液、溶出用緩衝液、およびキャリブレーター用希釈液からなる群から選択される構成要素をさらに含む、請求項82に記載のキット。
【請求項89】
前記心筋トロポニンの標準品をさらに含む、請求項82に記載のキット。
【図5】cTnIの生物学的閾値(切捨て濃度)が、10%の対応するCVにより99パーセンタイルで確立された7pg/mlのcTnI濃度にあることを示す図である。
【図6】本発明のアナライザーシステムを用いて決定されたcTnIのアッセイ結果と、米国国立標準技術研究所によって提供された標準品測定値との相関(R2=0.9999)を示す図である。
【図7】救急室において胸部痛を示した患者から得られた連続血清試料中のcTnIの検出を示す図である。本発明のアナライザーシステムで行われた測定と、市販の入手できるアッセイによって行われた測定との比較を示す図である。
【図8】cTnIの正常な(非虚血)生物学的濃度および胸部痛を示す患者から得られた血清試料中のcTnI濃度の分布を示す図である。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図6】本発明のアナライザーシステムを用いて決定されたcTnIのアッセイ結果と、米国国立標準技術研究所によって提供された標準品測定値との相関(R2=0.9999)を示す図である。
【図7】救急室において胸部痛を示した患者から得られた連続血清試料中のcTnIの検出を示す図である。本発明のアナライザーシステムで行われた測定と、市販の入手できるアッセイによって行われた測定との比較を示す図である。
【図8】cTnIの正常な(非虚血)生物学的濃度および胸部痛を示す患者から得られた血清試料中のcTnI濃度の分布を示す図である。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2009−532701(P2009−532701A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504303(P2009−504303)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/008506
【国際公開番号】WO2007/114947
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508296347)シングレックス,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/008506
【国際公開番号】WO2007/114947
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508296347)シングレックス,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]