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トンネルの合流,分岐構造
説明

トンネルの合流,分岐構造

【課題】合流ないしは分岐部の設置個所の制約を無くすこと。
【解決手段】第1および第2シールドトンネル10,12は、合流部を形成する際には、所定の間隔を隔てて、平行に配置され、対向するセグメント14,16の一部を除去して、開口部18,20を形成し、トンネル10,12間を連通する連結部22が形成される。連結部22は、上版24と、底版26とを備えている。連結部22の近傍から、外方に向けて突出する複数のグランドアンカー36が設けられている。一方のトンネル10から設けられるグランドアンカー36と、他方のトンネル12から設けられるグランドアンカー36とは、同一面上になく、トンネル軸方向で前後に間隔をあけて設けられており、各グランドアンカー36の先端側がトンネルの前面側から見た場合に、相互にクロスするように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トンネルの合流,分岐構造に関し、特に、中柱を設けることなく、トンネルの合流,分岐構造を安定化させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シールド工法で構築されるトンネルは、構造的に安定した円形断面のトンネルが主流であった。ところが、近時、地下空間利用の多様化,地下構造物の輻輳化,コストダウンへの取組みといった観点から、円形断面を横方向に、2連もしくは3連状に重合させた断面形状のトンネルが構築されている。
【0003】
このような断面形状のトンネルは、例えば、2連状の場合には、一対の円形断面のシールドトンネルの端部同士が、部分的に重なるようにして、横方向に連結形成し、これらの重合した部分を除去して、概略目がね断面状のセグメントを設置していた。
【0004】
このような形状のトンネルにおいては、トンネルを構造的に安定化させるために、中柱をセグメントの1リング毎に配置していた。ところが、このようなトンネル構造では、道路トンネルの合流,分岐部や、地下鉄の渡り線部分に採用する際には、中柱によりシールドトンネル間で車両や地下鉄の車線変更ができないという問題があった。
【0005】
そこで、特許文献1には、このような問題を解決するために、トンネルの合流,分岐部の直上に地中ビームを設け、地中ビームとトンネルの合流,分岐部との間に地中アンカーを設けて、トンネル構造の安定化を図り、中柱を無くすことが提案されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に提案されているトンネルの合流,分岐構造には、以下に説明する技術的な課題があった。
【特許文献1】特開2003−138898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
すなわち、特許文献1に提案されている構造では、トンネルの合流,分岐部の直上に地中ビームを設け、地中ビームとトンネルの合流,分岐部との間に地中アンカーを設けるので、地中ビームを構築する際には、地上側からの工事が必要になり、地中ビームの構築が可能な個所でなければ合流,分岐部を設けることができず、分岐,合流部の設置場所に制約があった。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、設置場所に制約を受けることなく設けることが可能なトンネルの合流,分岐構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、所定の間隔を隔てて平行に形成される一対のシールドトンネル間に、両者間を連通する連結部を設けたシールドトンネルの合流,分岐構造において、前記連結部は、前記シールドトンネルの各セグメントに両端を係止する平板状の上版と底版とを備え、前記連結部の近傍およびまたは前記セグメントの前記連結部の近傍から、外方に向けて突出する複数のグランドアンカーを設置するシールドトンネルの合流,分岐構造であって、前記各グランドアンカーは、前記シールドトンネルの軸方向で前後に間隔をあけて設けられ、一方のシールドトンネル側から延設される前記グランドアンカーの先端側と、他方のシールドトンネル側から延設される前記グランドアンカーの先端側とが、シールドトンネルの前方から見た場合に、相互にクロスするように配置する。
【0010】
以上のように構成したトンネルの合流,分岐構造によれば、前記連結部の近傍およびまたは前記セグメントの前記連結部の近傍から、外方に向けて突出する複数のグランドアンカーを設置するシールドトンネルの合流,分岐構造であって、グランドアンカーは、シールドトンネルの軸方向で前後に間隔をあけて設けられ、先端側がトンネルの前方から見た場合に、相互にクロスするように配置するので、トンネル構造の安定化が図れるので、合流ないし分岐部の中柱を除去することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかるトンネルの合流,分岐構造によれば、トンネル構造の安定化が図れるので、合流ないし分岐部の中柱を除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明にかかるトンネルの合流,分岐構造の実施例1を示している。この図に示したトンネルの合流,分岐構造は、地中にシールド工法により、一対のほぼ円形断面の第1シールドトンネル10と第2シールドトンネル12とを構築し、所定の個所でこれらを合流させるとともに、所定の合流長さを経た後に、再び分岐させる。
【0013】
第1および第2シールドトンネル10,12は、セグメント14,16をそれぞれ環状に組立てて、トンネルとして構築されるものであって、合流部を形成する際には、トンネル10,12は、所定の間隔を隔てて、平行に配置される。
【0014】
平行に配置されたシールドトンネル10,12間には、対向する部分のセグメント14,16の一部を除去して、側面側にそれぞれ開口部18,20を形成し、開口部18,20の外側地山を掘削した後に、トンネル10,12間を連通する連結部22が形成される。
【0015】
本実施例の場合、連結部22は、構築しようとするトンネルの合流部ないしは分岐部の長さに対応して、トンネル軸方向に延設され、概略平板状の上版24と、底版26とを備えており、これらの上,底版24,26は、上下方向に所定の間隔を隔てて、両端がセグメント14,16の開口部18,20の端縁に係止されている。
【0016】
この場合、上版24は、所定の傾斜面同士の係止構造により、開口部18,20の端縁に係止されている。なお、連結部22の係止構造は、このような傾斜面同士の係止に限る必要はなく、例えば、通常の突き当て構造であっても良い。
【0017】
本実施例では、連結部22の上,底版24,26と、セグメント14,16の各開口端との傾斜面同士の係止構造に加えて、グラントアンカー36を設置している。
【0018】
本実施例の場合、グランドアンカー36は、開口部18,20の近傍のセグメント14,18を内部から貫通するようにして、上下方向の地山に向けて延設され、各グランドアンカー36の先端は、地山に定着されているとともに、基端側は、セグメント14,18に定着されている。
【0019】
本実施例の場合には、一方のトンネル10から設けられるグランドアンカー36と、他方のトンネル12から設けられるグランドアンカー36とは、同一面上になく、トンネル軸方向で前後に間隔をあけて設けられており、各グランドアンカー36の先端側がトンネルの前面側から見た場合に、相互にクロスするように配置されている。
【0020】
このような形態のグランドアンカー36は、構築する合流ないしは分岐部において、トンネル軸方向に沿って所定の間隔を隔てて、複数配置される。なお、このような形態のグランドアンカー36は、開口部18,20の近傍のセグメント14,18に設けるだけでなく、連結部22の上版24や底版26から延設することもできる。
【0021】
以上のように構成したトンネルの合流,分岐構造によれば、連結部22の上,底版24,26と、セグメント14,16の各開口端との傾斜面同士の係止構造に加えて、グラントアンカー36を設置しているので、合流ないしは分岐部のトンネル構造がより一層安定する。
【0022】
図2から図6は、上記トンネルの合流,分岐構造の構築方法の一例を示している。合流,分岐構造を構築する際には、まず、図2に示すように、合流ないしは分岐部を構築する個所において、一対の第1および第2シールドトンネル10,12が所定の間隔を隔てて、平行に配置される。
【0023】
次に、図3に示すように、トンネル10,12内から、外方地山に対して薬液注入を行い、トンネル10,12の対向する部分を、概略半周ずつ取り囲むようにして、地盤改良区域30を形成し、各トンネル10,12内には、変形防止用の仮設支保工32を設置する。
【0024】
次いで、図4に示すように、トンネル10,12のセグメント14,16の一部を除去して、開口部18,20を設け、開口部18,20の外側に位置する地盤改良区域30内の土砂を掘削除去して、連結部22の上版24と底版26とを形成して、トンネル10,12間を側方で連通させる。
【0025】
次に、図5に示すように、PC鋼線28をシールドトンネル10,12と連結部22との間に周回するように配置する。PC鋼線28の配置は、予め、セグメント14,16や上版24および底版26内に、これが挿通可能なシース管を埋設しておく。
【0026】
PC鋼線28の配置が終了すると、PC鋼線28に緊張力を導入して、端部をセグメント14,16や上版24および底版26に定着する。PC鋼線28の定着が終了すると、グランドアンカー36の施工が行われ、その先端側を地盤中に定着し、基端側をセグメント14,16に定着し、仮設支保工32を撤去すると、図1に示した合流,分岐構造が完成する。なお、この例で示したPC鋼線28の設置は、本発明の実施には必ずしも必要としない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明にかかるトンネルの合流,分岐構造は、中柱を設ける必要がないので、道路トンネルの合流部や分岐部を構築する際や、地下鉄の渡り線部分に採用するとも有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明にかかるトンネルの合流,分岐構造の実施例1を示す断面説明図である。
【図2】図1の合流,分岐構造を構築する際の初期工程の断面説明図である。
【図3】図2に引き続いて行われる工程の断面説明図である。
【図4】図3に引き続いて行われる工程の断面説明図である。
【図5】図4に引き続いて行われる工程の断面説明図である。
【図6】図5に引き続いて行われる工程の断面説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10 第1シールドトンネル
12 第2シールドトンネル
14 セグメント
16 セグメント
18,20 開口部
22 連結部
24 上版
26 底版
36 グラウンドアンカー
30 地盤改良区域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔を隔てて平行に形成される一対のシールドトンネル間に、両者間を連通する連結部を設けたシールドトンネルの合流,分岐構造において、
前記連結部は、前記シールドトンネルの各セグメントに両端を係止する平板状の上版と底版とを備え、
前記連結部の近傍およびまたは前記セグメントの前記連結部の近傍から、外方に向けて突出する複数のグランドアンカーを設置するシールドトンネルの合流,分岐構造であって、
前記各グランドアンカーは、前記シールドトンネルの軸方向で前後に間隔をあけて設けられ、一方のシールドトンネル側から延設される前記グランドアンカーの先端側と、他方のシールドトンネル側から延設される前記グランドアンカーの先端側とが、シールドトンネルの前方から見た場合に、相互にクロスするように配置することを特徴とするトンネルの合流,分岐構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−163743(P2008−163743A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83090(P2008−83090)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【分割の表示】特願2003−301461(P2003−301461)の分割
【原出願日】平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】