説明

トンネルの改修施工方法及び改修施工装置

【課題】既設トンネルの内周面に効率的にパネルを組立て及び支持させながら改修することができるともに、切削ズリ及び改修用パネルの移送を円滑に行う。
【解決手段】既設トンネル10内面を切削する部位の後方に、架台30を進行方向に望ましくは自走式で移動可能に設ける。前記架台30に、切削したトンネル内面に改修用パネルを組み立てるためのパネル組立部40、並びにその後方にパネル組立て後の改修用パネルを保持するパネル支持部50をそれぞれ配置する。架台30には、トンネル内面の切削に伴うズリを前方から、前記パネル組立部40及びパネル支持部50で囲まれる領域内を通って後方に送るズリ排出搬送路32、改修用パネルを後方から、前記パネル組立部40及びパネル支持部50で囲まれる領域内を通って前方に供給するパネル供給搬送路34をそれぞれ設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルの改修施工方法及び改修施工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
完成から長期間を経過してトンネルについては、一般的に改修するのが経済的である。特に、下水道、工業用水路、農業用水路などの水路トンネルは、水に含まれる各種の成分により、劣化及び腐食が生じ易く、長期の使用後においてこれを改修する必要性が高い。
【0003】
この場合における改修方法としては、次のようなものが知られ、あるいは考えられる。
(1)トンネルの覆工を取り壊してトンネルを拡幅した後に、鉄筋及び型枠を組み立ててコンクリートを打設する施工方法。しかし、配筋作業、型枠設置作業、コンクリート打設作業が必要で、これらの作業に多くの時間と労力が必要である。
【0004】
(2)型枠の代わりにプレキャストパネルを使用する方法。プレキャストは、通常、トンネルの地山側に配置した鋼製フレームに取り付けて設置する。しかし、パネル相互間の接合部は突き合わせているだけで構造的には一体化されていない問題点がある。
【0005】
(3)円形断面のトンネルについては、トンネル内に新しい管体を敷設するパイプ・イン・パイプ工法がある。これは効率的に施工できる利点があるものの、馬蹄形断面のトンネルの場合には、断面積の減少が大きいので、パイプ・イン・パイプ工法を適用することが困難となる場合が多い。また、その寸法も各トンネルごとに種々のものがあるため、一般的には、あらかじめトンネル寸法に合わせて工場で製作した分割構造の鋼板を現場溶接して対応する必要がある。しかし、トンネル寸法に合わせた鋼板を工場で製作して現場溶接するものでは、重量が大きいため施工性が悪い。
【0006】
(4)トンネルの断面形状や寸法に合わせて個別に製作したFRP製品を用いると、鋼板に比べて軽量で施工しやすく、さらに内面の耐腐食性や耐磨耗性に優れている利点がある。しかし、トンネルごとに個別に製作する必要があり、他のトンネルには適用できないため、結果的にコスト高になるという問題点がある。最近は水路トンネルでは、その長手方向に沿う細長いFRP板を、水密性を有する接合部材を介して、トンネルの周方向に複数配置して、トンネルの内面を覆う方法も実施されているが、高強度や高耐久性に問題がある。
【0007】
これらの点を考えると、既設トンネルの脆弱化した内面を切削し、そこにパネルを設置し、裏込めを行う施工形態は、もっとも経済的であり、実用的である利点がある。
【0008】
しかるに、既設トンネルの全周面に同時的にパネルを組立て及び支持させながら改修する場合を考えると、施工例がほとんどない。(特許文献1及び特許文献2)。
【特許文献1】特開平9―41891号公報
【特許文献2】特開平5―295992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主たる課題は、既設トンネルの内周面に効率的にパネルを組立て及び支持させながら改修することができるとともに、切削ズリ及び改修用パネルの移送を円滑に行うようにすることで、施工能率を高めることにある。
より望ましい形態に対応する他の課題は、既設トンネルの全内周面に、すなわちアーチ部、両側壁部、及びインバート部に対して同時的にパネルを組立て及び支持させながら改修することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
既設トンネル内面を切削する部位の後方に、
架台を進行方向に移動可能に設け、
前記架台に、切削したトンネル内面に改修用パネルを組み立てるためのパネル組立部、並びにその後方にパネル組立て後の改修用パネルを保持するパネル支持部をそれぞれ配置し、
前記架台には、トンネル内面の切削に伴うズリを前方から、前記パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に送るズリ排出搬送路、改修用パネルを後方から、前記パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って前方に供給するパネル供給搬送路をそれぞれ設け、
進行方向前方において既設トンネル内面を切削し、その切削に伴うズリを前記ズリ排出搬送路を通して前方から前記パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に排出し、
改修用パネルをパネル供給搬送路を通して後方から前記パネル支持部及びパネル組立部で囲まれる領域内を通って前方に供給し、
供給された改修用パネルをパネル組立部において切削したトンネル内面に組立て、パネル組立て後の改修用パネルをパネル支持部において保持する、
ことを特徴とするトンネル改修施工方法。
【0011】
<作用効果>
架台を進行方向に移動可能に設け、架台に、切削したトンネル内面に改修用パネルを組み立てるためのパネル組立部、並びにその後方にパネル組立て後の改修用パネルを保持するパネル支持部をそれぞれ配置した。したがって、ある長さ範囲の施工が完了した段階で、架台を移動(前進)させることで、パネル組立部及びパネル支持部をも移動(前進)できる。
また、架台には、トンネル内面の切削に伴うズリを前方から、パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に送るズリ排出搬送路、改修用パネルを後方から、前記パネル支持部及びパネル組立部で囲まれる領域内を通って前方に供給するパネル供給搬送路をそれぞれ設けた。
その結果、進行方向前方において既設トンネル内面を切削し、その切削に伴うズリを前記ズリ排出搬送路を通して前方からパネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に排出できる。
改修用パネルについては、パネル供給搬送路を通して後方からパネル支持部及びパネル組立部で囲まれる領域内を通って前方に供給し、供給された改修用パネルをパネル組立部において切削したトンネル内面に組立て、パネル組立て後の改修用パネルをパネル支持部において保持することができる。
さらに、ズリ排出搬送路及びパネル供給搬送路についても、ある長さ範囲の施工が完了した段階で、架台を移動(前進)させることで、パネル組立部及びパネル支持部をも移動(前進)できる。
このように、ある長さ範囲の施工が完了した段階で、各設備を移動させることができることは著しく施工能率を高めるものとなる。
【0012】
<請求項2項記載の発明>
前記パネル支持部において裏込めを行い、その裏込め時の圧力を前記パネル支持部にて支持する請求項1記載のトンネル改修施工方法
【0013】
<作用効果>
パネル支持部の部位において裏込めを行い、その裏込め時の圧力に伴う反力をパネル支持部にて支持することができる。
【0014】
<請求項3項記載の発明>
既設トンネル内面を切削する部位の後方に、進行方向に自走で移動可能に設けられた架台と、
前記架台にそれぞれ設けられた、切削したトンネル内面に改修用パネルを組み立てるためのパネル組立部、並びにその後方にパネル組立て後の改修用パネルを保持するパネル支持部と、
前記架台に設けられた、トンネル内面の切削に伴うズリを前方から、前記パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に送るズリ排出搬送路と、
前記架台に設けられた、改修用パネルを後方から、前記パネル支持部及びパネル組立部で囲まれる領域内を通って前方に供給するパネル供給搬送路と、
ことを特徴とするトンネル改修施工装置。
【0015】
<作用効果>
請求項1における場合と同様の作用効果を奏するものとなる。架台は、敷設したレール上を移動させるのではなく、自走式のものが望ましい。自走式であることの作用効果は請求項5との関係で後述する。
【0016】
<請求項4項記載の発明>
前記パネル支持部は前記架台に対して固定的に設けられ、前記パネル組立部は前記架台に対して前後進移動可能に設けられている請求項3記載のトンネル改修施工装置。
【0017】
<作用効果>
パネル組立部及びパネル支持部は架台に対し固定的に設けられていてもよい。この場合は、施工の進行に伴って、逐次、架台を移動させる形態を採る。しかし、パネル支持部は前記架台に対して固定的に設けられ、前記パネル組立部は前記架台に対して前後進移動可能に設けられているのが望ましい。ある施工長範囲内においては架台の位置を固定し、パネル支持部によりパネルの支持を所定時間継続している過程において、パネル組立部を、たとえば後述の実施の形態のように、パネル組立台車とし、架台にレールを敷設し、そのレール上をパネル組立台車が走行する形態のように、架台に対して前後進移動可能に設けると、順次パネルの組立てが終了した次の位置に移動して次のパネルの組立てを行うことができるなどの観点などから、施工能率が優れたものとなる。必要であれば、パネル支持部についても、同様に前記架台に対して前後進移動可能に設けることができる。
【0018】
<請求項5項記載の発明>
前記パネル組立部及びパネル支持部の少なくとも一方は、アーチ部、両側壁部、及びインバート部に対するパネルの設置手段及び改修用パネルを支持する支保材を放射方向に押し当て支持する押し当て手段を有する請求項3または4記載のトンネル改修施工装置。
【0019】
<作用効果>
ところで、先に例示の特許文献では、パネルや型枠の組立て台車を、トンネル底部に敷設したレールに沿って移動させるようにしてある。これでは、レール敷設に伴う作業が嵩むばかりでなく、インバート部分へのレールの設置に伴い、インバート部分のパネルの設置が困難となる。しかるに、請求項5記載の本発明では、架台を、敷設したレール上を移動させるのではなく、自走式のものとすることで、たとえば前後に車輪を備えたものであると、パネル組立部及びパネル支持部は、前後の車輪間ではレールが敷設されていないので、インバート部分に対してもパネルの設置が可能となる。したがって、アーチ部、両側壁部、及びインバート部に対してパネルの設置あるいはその支持が可能となることで、各部位において同時的な施工が可能となり、施工能率に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、架台を進行方向に移動可能に設け、架台に、切削したトンネル内面に改修用パネルを組み立てるためのパネル組立部、並びにその後方にパネル組立て後の改修用パネルを保持するパネル支持部をそれぞれ配置した。したがって、ある長さ範囲の施工が完了した段階で、架台を移動(前進)させることで、パネル組立部及びパネル支持部をも移動(前進)できる。
また、架台には、トンネル内面の切削に伴うズリを前方から、パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に送るズリ排出搬送路、改修用パネルを後方から、前記パネル支持部及びパネル組立部で囲まれる領域内を通って前方に供給するパネル供給搬送路をそれぞれ設けた。
その結果、進行方向前方において既設トンネル内面を切削し、その切削に伴うズリを前記ズリ排出搬送路を通して前方からパネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に排出できる。
改修用パネルについては、パネル供給搬送路を通して後方からパネル支持部及びパネル組立部で囲まれる領域内を通って前方に供給し、供給された改修用パネルをパネル組立部において切削したトンネル内面に組立て、パネル組立て後の改修用パネルをパネル支持部において保持することができる。
さらに、ズリ排出搬送路及びパネル供給搬送路についても、ある長さ範囲の施工が完了した段階で、架台を移動(前進)させることで、パネル組立部及びパネル支持部をも移動(前進)できる。
このように、ある長さ範囲の施工が完了した段階で、各設備(架台、パネル組立部及びパネル支持部)を移動させることができることは著しく施工能率を高めるものとなる。
他の効果は請求項に対応してそれぞれ記載したとおりである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を示しながらさらに詳説する。
本発明の骨子は、実施の形態での符号を参照して説明すると、既設トンネル10内面を切削する部位の後方に、架台30を進行方向に移動可能に設け、望ましくは自走式で移動可能に設ける。
さらに、前記架台30に、切削したトンネル内面に改修用パネルを組み立てるためのパネル組立部40、並びにその後方にパネル組立て後の改修用パネルを保持するパネル支持部50をそれぞれ配置する。
【0022】
前記架台30には、トンネル内面の切削に伴うズリを前方から、前記パネル組立部40及びパネル支持部50で囲まれる領域内を通って後方に送るズリ排出搬送路32、改修用パネル60、61、62を後方から、前記パネル組立部40及びパネル支持部50で囲まれる領域内を通って前方に供給するパネル供給搬送路34をそれぞれ設ける。
【0023】
かかる設備の下で、進行方向前方において既設トンネル内面を切削し、その切削に伴うズリを前記ズリ排出搬送路32を通して前方から前記パネル組立部40及びパネル支持部50で囲まれる領域内を通って後方に排出し、改修用パネル60、61、62をパネル供給搬送路34を通して後方から前記パネル支持部40及びパネル組立部30で囲まれる領域内を通って前方に供給し、供給された改修用パネル60、61、62をパネル組立部40において切削したトンネル内面に組立て、パネル組立て後の改修用パネルをパネル支持部50において保持するトンネル改修施工方法である。
【0024】
まず具体例を示した上で、後に他の構成について説明することとする。
たとえば、既設トンネル10が既設水路トンネルである場合には、その既設水路トンネル10内をドライな状態にする。
そして、自走可能なコンクリート切削機20、たとえばトンネル方向に回転軸芯を有し切削刃を備えた回転ヘッド20aを回転させながら切削する既設水路トンネルを配置し、既設水路トンネルのアーチ部11、側壁部12及びインバート部13の全周面を精度良く効率的に切削する。ここに、本発明において「切削」とはハツリなども含む意味であり、要すればトンネル内面を切除する意義である。
【0025】
切削したコンクリート片(本発明において切削に伴って排出すべき材料をズリという。)は、切削機20前部のギャザリング(収集手段)21及び補助バックホウ22等により、切削機20に付属した第1コンベア23及び第2コンベア24を経由して、架台30に設けられた、受けホッパー31に排出される。受けホッパー31に投入されたズリは、ズリ排出搬送路としてのベルトコンベア32を経由して、前方からパネル組立部40及びパネル支持部50で囲まれる領域内を通って後方に排出しキャリアダンプ70等により坑外に搬出される。トンネルの切削面は、ポンプ圧送した高圧水等で洗浄し、洗浄後の切削水は、トンネル坑外で濁水処理設備により処理するのが望ましい。
【0026】
前述のように、架台30には、既設水路トンネル10のアーチ部11、側壁部12及びインバート部13の全周面切削完了後に、たとえばダクタイル製の改修用パネル(アーチ部パネル60、側壁部パネル61、インバート部パネル62)組立の作業ができる、架台30上に敷設のレール37、37上を自走可能なパネル組立部40と、改修用パネル60、61、62の裏込時の圧力によるパネルの変形を防止するパネル支持部により、並行あるいは同時に作業できる構造になっている。
【0027】
たとえば、図示の形態は、同時作業が可能となるように強度を考慮して、架台30はトンネル方向に平行の側ビームを連結材により連結した中央ビーム33構造とし、たとえばパネル長が3mであるとき、パネル組立長たとえば12mとパネル裏込時の打設スパン長12mの範囲から約27mの台車長とすることができる。
【0028】
架台30は、走行用ユニークタイヤ35等によりインバート面で重量を支持し、電動ギャードモーター36を動力として自走移動するになっている。
【0029】
改修用パネルの組立は、自走式台車としてのパネル組立部40で行い、2条のレール37上を走行し、後方位置(図2の位置)からパネルの組立てを開始し、前述の例では3m長のパネル組立てが完了した時点で、前進し、パネル供給搬送路としてのローラーコンベア34により搬入されたパネルを受け取り、次の長さ分のパネルを組み立てる。
【0030】
自走式台車としてのパネル組立部40は、図2及び図3に示すように、パネル組立用鋼製支保材41、鋼製支保材上下調整ジャッキ42、鋼製支保材側壁部調整ターンバックル43、鋼製支保材インバート部調整ターンバックル44、ギャードモーター45、駆動伝達チェーン46、走行駆動車輪47等により構成されている。ギャードモーター45の駆動力が駆動伝達チェーン46を介して走行駆動車輪47、47に与えられ自走する。パネル組立部40の機長は、改修用パネル60、61、62長やパネル枚数や組立時の作業能率等により決定される。
【0031】
パネル支持部50は、図2及び図4に示すように、パネルサポート用鋼製支保材51、鋼製支材上下調整ジャッキ52、鋼製支保材側壁部調整ターンバックル53、鋼製支保材インバート部調整ターンバックル54等により構成されている。パネル支持部50の機長についても、パネル長やパネル枚数及び作業能率等により決定される。
【0032】
パネル組立部40及びパネル支持部50では、パネル組立用鋼製支保材41またはパネルサポート用鋼製支保材51を仮想線の位置から実線の位置に位置調整しつつ拡張し、パネルを押し当てる。
【0033】
改修用パネル60、61、62は、坑外からたとえばキャリアダンプ70等で坑内に搬入し、架台30の中央ビーム33内蔵のローラーコンベア34を経由して、パネル組立部40まで搬送する。ローラーコンベア34は、パネル組立部40の近くで、改修用パネルを受取り易いようにたとえば2m位、コンクリート切削機20側(前方)へ移動する構造になっている。図3及び図4に示すように、切削したズリを搬出するベルトコンベア32と改修用パネル60、61、62を搬入するローラーコンベア34は、中央ビーム33内で上下2段の構成になっている。
【0034】
架台30の後方に、裏込材注入ポンプ(図示せず)を設置する。配管を通してパパネル支持部50領域位置に設置する裏込材ノズルへと供給される。
【0035】
以上のように、切削・ズリ運搬、洗浄、パネル組立、パネル支持、裏込材注入及びその定着が終了した時点で、架台30を次のスパンまで、たとえば前述の例では約27m前進し、次の施工を行う。これらの工程が繰り返される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の概要を示す正面図である。
【図2】架台の拡大正面図である。
【図3】A-A線矢視図である。
【図4】B-B線矢視図である。
【図5】B-B線矢視図である。
【符号の説明】
【0037】
10…既設トンネル、20…コンクリート切削機、30…架台、32…ズリ排出搬送路、33…中央ビーム、34…パネル供給搬送路、35…走行用ユニークタイヤ、36…電動ギャードモーター、40…パネル組立部、41…パネル組立用鋼製支保材、50…パネル支持部、51…パネルサポート用鋼製支保材、60、61、62…改修用パネル、70…キャリアダンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設トンネル内面を切削する部位の後方に、
架台を進行方向に移動可能に設け、
前記架台に、切削したトンネル内面に改修用パネルを組み立てるためのパネル組立部、並びにその後方にパネル組立て後の改修用パネルを保持するパネル支持部をそれぞれ配置し、
前記架台には、トンネル内面の切削に伴うズリを前方から、前記パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に送るズリ排出搬送路、改修用パネルを後方から、前記パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って前方に供給するパネル供給搬送路をそれぞれ設け、
進行方向前方において既設トンネル内面を切削し、その切削に伴うズリを前記ズリ排出搬送路を通して前方から前記パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に排出し、
改修用パネルをパネル供給搬送路を通して後方から前記パネル支持部及びパネル組立部で囲まれる領域内を通って前方に供給し、
供給された改修用パネルをパネル組立部において切削したトンネル内面に組立て、パネル組立て後の改修用パネルをパネル支持部において保持する、
ことを特徴とするトンネル改修施工方法。
【請求項2】
前記パネル支持部において裏込めを行い、その裏込め時の圧力を前記パネル支持部にて支持する請求項1記載のトンネル改修施工方法。
【請求項3】
既設トンネル内面を切削する部位の後方に、進行方向に自走で移動可能に設けられた架台と、
前記架台にそれぞれ設けられた、切削したトンネル内面に改修用パネルを組み立てるためのパネル組立部、並びにその後方にパネル組立て後の改修用パネルを保持するパネル支持部と、
前記架台に設けられた、トンネル内面の切削に伴うズリを前方から、前記パネル組立部及びパネル支持部で囲まれる領域内を通って後方に送るズリ排出搬送路と、
前記架台に設けられた、改修用パネルを後方から、前記パネル支持部及びパネル組立部で囲まれる領域内を通って前方に供給するパネル供給搬送路と、
ことを特徴とするトンネル改修施工装置。
【請求項4】
前記パネル支持部は前記架台に対して固定的に設けられ、前記パネル組立部は前記架台に対して前後進移動可能に設けられている請求項3記載のトンネル改修施工装置。
【請求項5】
前記パネル組立部及びパネル支持部の少なくとも一方は、アーチ部、両側壁部、及びインバート部に対するパネルの設置手段及び改修用パネルを支持する支保材を放射方向に押し当て支持する押し当て手段を有する請求項3または4記載のトンネル改修施工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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